プリント配線板の製造方法
【課題】開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぐと共に、生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を提供すること。
【解決手段】開口部を形成してなると共に樹脂基板10の表面に導体配線12を設けてなるプリント配線板1を製造する方法。プリント配線板1を載置すると共に開口部に対応する下方孔231を有するダイ23と、プリント配線板1を押さえ付けるストリッパ21と、プリント配線板1を打ち抜くパンチ22とを有する打抜き加工用金型2を用いて開口部を形成する。プリント配線板1の表面に導体配線12を覆うように樹脂フィルム3を配置した後、樹脂フィルム3の表面にストリッパ21を当接させた状態で第1のパンチ221によってプリント配線板1を打ち抜くことにより、予備開口部を形成する。次いで、第2のパンチによって予備開口部の周囲部分を削ぎ落とす。
【解決手段】開口部を形成してなると共に樹脂基板10の表面に導体配線12を設けてなるプリント配線板1を製造する方法。プリント配線板1を載置すると共に開口部に対応する下方孔231を有するダイ23と、プリント配線板1を押さえ付けるストリッパ21と、プリント配線板1を打ち抜くパンチ22とを有する打抜き加工用金型2を用いて開口部を形成する。プリント配線板1の表面に導体配線12を覆うように樹脂フィルム3を配置した後、樹脂フィルム3の表面にストリッパ21を当接させた状態で第1のパンチ221によってプリント配線板1を打ち抜くことにより、予備開口部を形成する。次いで、第2のパンチによって予備開口部の周囲部分を削ぎ落とす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を形成してなると共に該開口部の周囲における樹脂基板の表面に導体配線を設けてなるプリント配線板を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、BOC(Board On Chip)基板、COB(Chip On Board)基板、或いはICパッケージなど、図16、図17に示すごとく、開口部91を形成してなると共に該開口部91の周囲における樹脂基板の表面に導体配線92を設けてなるプリント配線板9がある(特許文献1参照)。かかるプリント配線板9の開口部91を形成するに当っては、図16に示すごとく、打抜き加工用金型を用いてプリント配線板9を輪郭911に示すように打抜いた後に、輪郭912に示すようにルーター加工によって開口部91の大きさを所望の大きさに拡げるといった方法を採る。その後、ルーター加工の際に発生した導体配線92のバリを除去する。
【0003】
しかしながら、上記従来の製造方法においては、以下の問題がある。
即ち、上記製造方法によれば、打抜き加工とルーター加工とを行う必要があり、工数が多くなるという問題がある。更には、ルーター加工を行うと、ルーター加工の際に発生した導体配線92のバリを除去する工程を行う必要もある。その結果、製造コストの低減、生産効率の向上が困難となるおそれがある。
【0004】
一方、単に、上記打ち抜き加工によって、一度に所望の大きさの開口部91を形成しようとすると、プリント配線板9にクラックや白化が発生するおそれがある。即ち、打ち抜き加工に当たっては、図17に示すごとく、プリント配線板9を押さえ付けるストリッパ81と該ストリッパ81の内側において上記プリント配線板9を打ち抜くパンチとを有する打抜き加工用金型(図1〜図4参照)を用いる。そして、ストリッパ81をプリント配線板9の表面に当接させた状態で、パンチをスライドさせる。このとき、ストリッパ81は、プリント配線板9の表面に形成された導体配線92に当接することとなり、導体配線92の間においては、ストリッパ81とプリント配線板9との間に隙間93が生じることとなる。
【0005】
この状態で、パンチをスライドさせてプリント配線板9を打ち抜くとき、パンチがプリント配線板9に当たる際に、プリント配線板9のうちの上記隙間93に面する部分、即ちプリント配線板9における導体配線92がない部分が、パンチが当たる衝撃で、部分的に大きな応力が働くおそれがある。その結果、この部分にクラック98や白化が生じるおそれがある。
なお、白化とは、プリント配線板9における樹脂基板の樹脂が細かく破壊されているが欠落には至っておらず、外観上、白濁した状態をいう。
【0006】
【特許文献1】特開平11−284347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぐと共に、生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開口部を形成してなると共に該開口部の周囲における樹脂基板の表面に導体配線を設けてなるプリント配線板を製造する方法であって、
上記プリント配線板を載置すると共に上記開口部に対応する下方孔を有するダイと、上記プリント配線板を押さえ付けるストリッパと、上記プリント配線板を打ち抜くパンチとを有する打抜き加工用金型を用いて上記開口部を形成するに当り、
上記プリント配線板の表面に上記導体配線を覆うように、柔軟性を有する樹脂フィルムを配置した後、
該樹脂フィルムの表面に上記ストリッパを当接させた状態で、第1のパンチによって上記プリント配線板を打ち抜くことにより、上記開口部よりも小さい予備開口部を形成し、
次いで、上記第1のパンチよりも大きい第2のパンチによって上記予備開口部の周囲部分を削ぎ落とすことにより、上記開口部を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法にある(請求項1)。
【0009】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記プリント配線板の製造方法においては、上記第1のパンチによって上記予備開口部を形成した後、上記第2のパンチによって上記開口部を形成する。これにより、周囲の樹脂基板におけるクラック及び白化の発生を抑制した開口部を容易に形成することができる。
【0010】
即ち、第1のパンチによってプリント配線板を打ち抜いたとき、樹脂基板は破断され、予備開口部には破断面が形成され、その周囲に小さなクラック及び白化が生じることがある。ところが、第1のパンチは、第2のパンチよりも小さ目、即ち最終的に得ようとする開口部よりも小さ目に形成されているため、予備開口部は、上記開口部よりも小さめに形成される。そして、第2のパンチによって予備開口部の周囲の余剰部分を削ぎ落とすことにより、予備開口部の周囲における小さなクラック及び白化が生じた樹脂基板の余剰部分を除去することができる。また、予備開口部の破断面を第2のパンチで削ぎ落とすこととなるため、開口部の内壁面には第2パンチによる切断面が現れ、開口部の内壁面を平滑に整えることができる。
【0011】
また、第2のパンチを打ち抜く際には、予備開口部が既に形成されているため、樹脂基板と第2のパンチとの間に大きな応力が発生することを防ぐことができる。それ故、第2のパンチによる打ち抜きによって新たなクラック及び白化が発生することを抑制することができる。その結果、クラック及び白化の発生を防ぎつつ、正確な形状の開口部を形成することができる。
【0012】
また、上記予備開口部を形成するのに先立ち、上記プリント配線板の表面に上記樹脂フィルムを貼着する。それ故、上記ストリッパは、プリント配線板の表面の樹脂フィルムに対して、隙間を生じることなく当接することができる。即ち、柔軟性を有する樹脂フィルムが、プリント配線板の表面に形成された導体配線に追従して変形すると共にストリッパに対しても面接触する。これにより、ストリッパは、プリント配線板の表面に形成された導体配線において局部的に当接することはなく、導体配線の間において、ストリッパとプリント配線板との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
【0013】
これにより、プリント配線板を第1のパンチによって打ち抜くとき、プリント配線板に第1のパンチが当たる際にも、上記ストリッパが予備開口部の周囲を均等に押えた状態となっているため、プリント配線板の予備開口部の周囲において部分的に大きな応力が働くことを防ぐことができる。
また、樹脂フィルムを配置することにより、ストリッパとプリント配線板との間のクッション性を確保して、第1のパンチが当たる際の衝撃を吸収することができる。
その結果、プリント配線板の予備開口部の周囲に大きなクラック及び白化が生じることを防ぐことができ、仮にクラック及び白化が発生しても、上記第2のパンチによる打ち抜きによって対応可能な程度のクラック及び白化に留めることができる。また、プリント配線板上の導体配線の表面を保護することもできる。
【0014】
また、上記のごとく、プリント配線板にクラック及び白化を生じさせることなく開口部を形成することができるため、開口部の形成に当って、例えば打抜き加工とルーター加工との双方を行う必要がなく、工数を少なくすることができる。更に、ルーター加工を行う必要がないため、ルーター加工の際に発生する導体配線のバリを除去する工程を行う必要もない。その結果、製造コストの低減、生産効率の向上を図ることができる。
【0015】
以上のごとく、本発明によれば、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぐと共に、生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明(請求項1)において、上記プリント配線板は、例えばBOC(Board On Chip)基板、COB(Chip On Board)基板、或いはICパッケージ等の半導体搭載用のプリント配線板とすることができ、上記開口部は、例えば半導体搭載部とすることができる。また、上記開口部の周囲に配設された上記導体配線は、例えばボンディングパッドとすることができる。
また、上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂系フィルム、ビニル樹脂系フィルム、ポリエチレン樹脂系フィルム等を用いることができる。
【0017】
また、上記樹脂フィルムは、上記樹脂基板の引張強度に対して±20%の引張強度を有することが好ましい(請求項2)。
この場合には、第1のパンチによる打ち抜きの際、樹脂基板に対して略均一な力が加わり、破断面の形状を比較的整った形状とすることができ、クラック及び白化の発生を抑制することができる。それ故、第2のパンチによって、容易に整った切断面を有する開口部を形成することができ、クラック及び白化を除去することができる。
【0018】
上記樹脂フィルムの引張強度が基材の引張り強度に対して−20%未満の場合には、第1のパンチによる打ち抜きの際に、樹脂フィルムが予備開口部に巻き込まれてしまい、複雑な形状の破断面が形成されるおそれがある。一方、上記樹脂フィルムの引張強度が基材の引張り強度に対して+20%を超える場合には、樹脂フィルムを切断するための力が大きくなり、第1のパンチの圧力が大きくなる。その結果、樹脂基板に対しても第1のパンチから大きい力が加わり、破断面の形状が複雑化し、クラック及び白化の発生を招きやすくなるおそれがある。
【0019】
また、上記樹脂フィルムは、上記樹脂基板の曲げ強度に対して±20%の曲げ強度を有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、第1のパンチによる打ち抜きの際、樹脂基板に対して略均一な力が加わり、破断面の形状を比較的整った形状とすることができ、クラック及び白化の発生を抑制することができる。それ故、第2のパンチによって、容易に整った切断面を有する開口部を形成することができ、クラック及び白化を除去することができる。
【0020】
上記樹脂フィルムの曲げ強度が基材の曲げ強度に対して−20%未満の場合には、第1のパンチによる打ち抜きの際に、樹脂フィルムが予備開口部に巻き込まれてしまい、複雑な形状の破断面が形成されるおそれがある。一方、上記樹脂フィルムの曲げ強度が基材の曲げ強度に対して+20%を超える場合には、樹脂フィルムを切断するために必要な力が大きくなり、第1のパンチの圧力が大きくなる。その結果、樹脂基板に対しても第1のパンチから大きい力が加わり、破断面の形状が複雑化し、クラック及び白化の発生を招きやすくなるおそれがある。
【0021】
また、上記第2のパンチは、先端外周部がその内側部分よりも先端側へ突出した形状を有していることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記第2のパンチを打ち抜く際、第2のパンチは上記先端外周部において、部分的にプリント配線板に当ることとなる。それ故、第2のパンチがプリント配線板に当る際の衝撃を小さくすることができ、プリント配線板における新たなクラック及び白化の発生を抑制しつつ、破断面を削ぎ落とすことができる。
【0022】
また、上記予備開口部を形成した後であって上記開口部を形成する前に、上記プリント配線板から上記樹脂フィルムを剥離することが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記第2のパンチによる切断を円滑に行うことができ、より整った形状の切断面を有する開口部を形成することができる。また、第2のパンチによる打ち抜き時には、打ち抜き面積が小さく、樹脂基板にかかる負荷が小さいため、特に樹脂フィルムによって衝撃を吸収しなくても、充分にクラック及び白化の発生を抑制することができる。
【0023】
また、上記樹脂フィルムは、50〜100μmの厚みを有することが好ましい(請求項6)。
この場合には、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を、より効果的に防ぐことができる。
上記厚みが50μm未満の場合には、上記樹脂フィルムのクッション性を充分に得ることが困難となり、第1のパンチが当たる際に生ずる負荷を充分に吸収することが困難となるおそれがある。一方、上記厚みが100μmを超える場合には、上記ストリッパによって樹脂フィルムの表面を押さえ付けたときに樹脂フィルムが弾性変形しすぎて、プリント配線板を正確に固定することが困難となる。その結果、開口部の加工精度を高くすることが困難となるおそれがある。
なお、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生のより確実な防止及び開口部の加工精度の一層の向上の観点から、上記樹脂フィルムの厚みは75〜100μmであることが更に好ましい。
【0024】
また、上記プリント配線板は、0.5mm以下の厚みを有することが好ましい(請求項7)。
この場合には、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぎつつ、開口部の形成を行うことができる。
上記厚みが0.5mmを超える場合には、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を充分に防ぐことが困難となるおそれがある。
【0025】
また、上記開口部の形成と共に、上記プリント配線板の外形加工を行うことが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記外形加工を開口部の形成と同時に打抜き加工によって行うことができる。即ち、第1のパンチによる打ち抜き、或いは第2のパンチによる打ち抜きと同時に、プリント配線板の外形を打ち抜くことができる。そのため、一層生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を得ることができる。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
本発明の実施例にかかるプリント配線板の製造方法につき、図1〜図12を用いて説明する。
本例のプリント配線板の製造方法は、図7に示すごとく、開口部11を形成してなると共に該開口部11の周囲における樹脂基板10の表面に導体配線12を設けてなるプリント配線板1を製造する方法である。
【0027】
そして、プリント配線板1を載置すると共に開口部11に対応する下方孔231を有するダイ23と、プリント配線板1を押さえ付けるストリッパ21と、プリント配線板1を打ち抜くパンチ22とを有する打抜き加工用金型2を用いて開口部11を形成する。
まず、図1に示すごとく、プリント配線板1の表面に導体配線12を覆うように、柔軟性を有する樹脂フィルム3を配置する。
【0028】
次いで、樹脂フィルム3の表面にストリッパ21を当接させた状態で、第1のパンチ221によってプリント配線板1を打ち抜くことにより、図2に示すごとく、開口部11よりも小さい予備開口部110を形成する。
次いで、図3、図4に示すごとく、第1のパンチ221よりも大きい第2のパンチ222によって予備開口部110の周囲部分を削ぎ落とすことにより、開口部11を形成する。
【0029】
上記プリント配線板1は、BOC(Board On Chip)基板であって、上記開口部11は半導体搭載部である。また、図7、図8に示すごとく、開口部11の周囲に配設された導体配線12は、ボンディングパッドである。
また、樹脂フィルム3は、樹脂基板10の引張強度に対して±20%の引張強度を有し、樹脂基板10の曲げ強度に対して±20%の曲げ強度を有する。
【0030】
具体的には、プリント配線板1の樹脂基板10が、ガラスファイバーによって構成されるガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板からなる場合、樹脂フィルム3はポリエチレンテレフタレート(PET)によって構成することができる。
また、プリント配線板1は、0.5mm以下の厚みを有する。また、樹脂フィルム3は、50〜100μmの厚みを有する。
【0031】
また、第2のパンチ222は、先端外周部223がその内側部分よりも先端側へ突出した形状を有している。具体的には、図3、図4に示すごとく、第2のパンチ222の先端面224は、断面略V字状に形成されている。なお、第2のパンチ222の先端面224の形状はこれに限らず、例えば、断面略円弧状など、種々の形状を採用することができる。
一方、第1のパンチ221の先端面225は、スライド方向に直交する平坦面によって構成されている。
【0032】
また、予備開口部110を形成した後であって開口部11を形成する前に、プリント配線板1から樹脂フィルム3を剥離する。即ち、図3に示すごとく、第2のパンチ222による打ち抜きは、プリント配線板1に樹脂フィルム3を貼着していない状態とする。
【0033】
また、ダイ23は、図9、図10に示すごとく、2つの分割ダイ230を以下のようにして組合わせることにより構成されている。即ち、ダイ23を構成する2つの分割ダイ230は、図10に示すごとく、互いの接合面に溝部232を形成してなる。溝部232は、ワイヤーカットや放電加工等によって形成した後、その加工面を研磨処理してなる。その後、互いの溝部232を対向させるようにして2つの分割ダイ23を重ね合わせることにより、図15に示すごとく、下方孔231を有するダイ23を形成する。
【0034】
以下に、本例のプリント配線板の製造方法につき、具体的に説明する。
導体配線12を樹脂基板10の表面に設けたプリント配線板1を用意する。導体配線12は、例えば、Cu、Ni、Auのメッキにより形成される。また、導体配線12の一部がボンディングパッドとなる。導体配線12の厚みは、約20μm程度である。また、上記プリント配線板1の厚みは約0.2mmである。
上記プリント配線板1の表面に、導体配線12を覆うように上記樹脂フィルム3を配置する。また、樹脂フィルム3の厚みは75〜100μmとする。
【0035】
次いで、図1〜図4に示すごとく、上記打抜き加工用金型2を用いて開口部11を形成する。打抜き加工用金型2は、ストリッパ21と該ストリッパ21に対してスライド移動するパンチ22とを有する。
パンチ22としては、第1のパンチ221と第2のパンチ222との二種類のパンチが打ち抜き加工用金型2に備えられている。第2のパンチ222は、得ようとする開口部11の形状に沿った断面形状を有する。また、第1のパンチ221は、第2のパンチ222よりも一回り小さい断面形状を有する。例えば、長手方向寸法及び短手方向寸法の何れもにおいて、第2のパンチ222が第1のパンチ221よりも0.1mm程度小さく形成されている。
【0036】
また、ストリッパ21は、第1のパンチ221、第2のパンチ222をそれぞれスライド可能に保持するスライド孔211を有すると共に、該スライド孔211の周囲の先端部に、先端当接部212を有する。即ち、2種類のパンチ22(第1のパンチ221、第2のパンチ222)にそれぞれ対応した2種類のストリッパ21が設けられている。
【0037】
また、打抜き加工用金型2は、プリント配線板1を載置するダイ23を有し、該ダイ23には、パンチ22及びパンチ22によって打抜かれた打抜き片を通す下方孔231を有する。この下方孔231も、2種類のパンチ22(第1のパンチ221、第2のパンチ222)にそれぞれ対応して2種類設けられている。
【0038】
図1に示すごとく、ダイ23の上にプリント配線板1を載置し、プリント配線板1の上に配置した樹脂フィルム3の表面にストリッパ21の先端当接部212を当接し、プリント配線板1を押さえ付けて保持する。このとき、ストリッパ21の先端当接部212は、樹脂フィルム3の表面31に密着しており、両者の間に隙間は形成されていない。
このとき、柔軟性を有する樹脂フィルム3が、プリント配線板1の表面に形成された導体配線12に追従して変形すると共にストリッパ21に対しても面接触する。
【0039】
次いで、第1のパンチ221を下方へスライドさせることにより、図2に示すごとく、プリント配線板1の一部を打抜く。これにより、予備開口部110を形成する。また、第1のパンチ221の先端部及び打抜き片は、ダイ23の下方孔231に移動する。
次いで、第1のパンチ221を上方へ引き抜き、第1のパンチ221の先端部をストリッパ21の先端当接部212よりも上方へ移動させる。このとき、第1のパンチ22の側面225は、プリント配線板1の予備開口部110の内壁面を擦り、上方へ引き上げるような力が働く。しかし、プリント配線板1を、上方から、樹脂フィルム3を介してストリッパ21によって押さえつけているため、プリント配線板1の予備開口部110の周辺部分が変形することはない。
【0040】
また、第1のパンチ221による打ち抜きの際には、プリント配線板1の樹脂基板10が、破断される状態で打ち抜かれる。従って、予備開口部110の内壁面は、その上層部以外は破断面111となり、粗面となると共に小さなクラック及び白化も入る。即ち、樹脂基板10の上層部においては、第1のパンチ221による切断面が形成されるが、それよりも下方においては、第1のパンチ221の押圧力が、樹脂基板10における第1のパンチ221の直下の部分を伝わって、当該部分とその脇の部分との間で剪断力が働いて破断し、図5に示すごとく、破断面111が形成される。また、このとき、予備開口部110の周りの樹脂基板10においては、ガラスファイバーが引きちぎられるようにして破断されるため、ガラスファイバーの周囲の樹脂に細かい亀裂が入る。これが白化の原因となる。
【0041】
そして、この破断面111やクラック及び白化が残った状態の予備開口部10を有するプリント配線板1に対して、図3、図4に示すごとく、第2のパンチ222による打ち抜きを行う。
第2のパンチ222の打ち抜きの前に、樹脂フィルム3をプリント配線板1の表面から剥がす。
そして、プリント配線板1を、図3に示すごとく、第2のパンチ222の下方において位置合せしてダイ23に載置すると共に、ストリッパ21によってダイ23に押さえ付ける。そして、第2のパンチ222をストリッパ21の内側においてスライドすることにより、上記破断面を含む余剰部分13を削ぎ落とす。これにより、図4、図6に示すごとく、内壁面に平滑な切断面を有する開口部11を形成する。
【0042】
また、上記開口部11の形成と共に、プリント配線板1の外形加工を行う。即ち、外形加工を開口部11の形成と同時に打抜き加工によって行う。
次いで、プリント配線板1を打抜き加工用金型2から取り外す。
【0043】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記プリント配線板の製造方法においては、上記第1のパンチ221によって上記予備開口部110を形成した後、上記第2のパンチ222によって上記開口部11を形成する。これにより、周囲の樹脂基板10におけるクラック及び白化の発生を抑制した開口部11を容易に形成することができる。
【0044】
即ち、第1のパンチ221によってプリント配線板1を打ち抜いたとき、樹脂基板10は破断され、図5、図11(A)に示すごとく、予備開口部110には破断面111が形成され、その周囲に小さなクラック(白化領域18)が生じることがある。ところが、第1のパンチ221は、第2のパンチ222よりも小さ目、即ち最終的に得ようとする開口部11よりも小さ目に形成されているため、予備開口部110は、上記開口部11よりも小さめに形成される。そして、第2のパンチ222によって予備開口部110の周囲の余剰部分13を削ぎ落とすことにより、予備開口部110の周囲における小さなクラック(白化領域18)が生じた樹脂基板10の余剰部分13を除去することができる。また、予備開口部110の破断面111を第2のパンチ222で削ぎ落とすこととなるため、開口部11の内壁面には第2パンチ222による切断面が現れ、開口部11の内壁面を平滑に整えることができる。
【0045】
また、第2のパンチ222を打ち抜く際には、予備開口部110が既に形成されているため、樹脂基板10と第2のパンチ222との間に大きな応力が発生することを防ぐことができる。それ故、第2のパンチ222による打ち抜きによって新たなクラックや白化が発生することを抑制することができる。その結果、クラックや白化の発生を防ぎつつ、正確な形状の開口部11を形成することができる。
【0046】
また、上記予備開口部110を形成するのに先立ち、上記プリント配線板1の表面に上記樹脂フィルム3を貼着する。それ故、上記ストリッパ21は、プリント配線板1の表面の樹脂フィルム3に対して、隙間を生じることなく当接することができる。即ち、図12に示すごとく、柔軟性を有する樹脂フィルム3が、プリント配線板1の表面に形成された導体配線12に追従して変形すると共にストリッパ21に対しても面接触する。これにより、ストリッパ21は、プリント配線板1の表面に形成された導体配線12において局部的に当接することはなく、導体配線12の間において、ストリッパ21とプリント配線板1との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
【0047】
これにより、プリント配線板1を第1のパンチ221によって打ち抜くとき、プリント配線板1に第1のパンチ221が当たる際にも、上記ストリッパ21が予備開口部110の周囲を均等に押えた状態となっているため、プリント配線板1の予備開口部110の周囲において部分的に大きな応力が働くことを防ぐことができる。
また、樹脂フィルム3を配置することにより、ストリッパ21とプリント配線板1との間のクッション性を確保して、第1のパンチ221が当たる際の衝撃を吸収することができる。
その結果、プリント配線板1の予備開口部110の周囲に大きなクラックが生じることを防ぐことができ、仮にクラック及び白化が発生しても、上記第2のパンチ222による打ち抜きによって対応可能な程度のクラック及び白化に留めることができる。また、樹脂フィルム3によってプリント配線板1上の導体配線12の表面を保護することもできる。
【0048】
また、上記のごとく、プリント配線板1にクラック及び白化を生じさせることなく開口部11を形成することができるため、開口部11の形成に当って、例えば打抜き加工とルーター加工との双方を行う必要がなく、工数を少なくすることができる。更に、ルーター加工を行う必要がないため、ルーター加工の際に発生する導体配線12のバリを除去する工程を行う必要もない。その結果、製造コストの低減、生産効率の向上を図ることができる。
【0049】
また、上記樹脂フィルム3は、上記樹脂基板10の引張強度及び曲げ強度に対して、それぞれ±20%の引張強度及び曲げ強度を有する。それ故、第1のパンチ221による打ち抜きの際、樹脂基板10に対して略均一な力が加わり、破断面の形状を比較的整った形状とすることができ、クラック及び白化の発生を抑制することができる。それ故、第2のパンチ222によって、容易に整った切断面を有する開口部11を形成することができ、クラック及び白化を除去することができる。
【0050】
また、第2のパンチ222は、先端外周部223がその内側部分224よりも先端側へ突出した形状を有しているため、第2のパンチ222を打ち抜く際、第2のパンチ222は先端外周部223において、部分的にプリント配線板1に当ることとなる。それ故、第2のパンチ222がプリント配線板1に当る際の衝撃を小さくすることができ、プリント配線板1における新たなクラック及び白化の発生を抑制しつつ、破断面111を削ぎ落とすことができる。
【0051】
また、樹脂フィルム3は、樹脂基板10の引張強度に対して±20%の引張強度を有し、樹脂基板10の曲げ強度に対して±20%の曲げ強度を有する。これにより、第1のパンチ221による打ち抜きの際、樹脂基板10に対して略均一な力が加わり、破断面111の形状を比較的整った形状とすることができ、クラック及び白化の発生を抑制することができる。それ故、第2のパンチ222によって、容易に整った切断面を有する開口部11を形成することができ、クラック及び白化を除去することができる。
【0052】
また、上記予備開口部110を形成した後であって上記開口部11を形成する前に、プリント配線板1から樹脂フィルム3を剥離する。これにより、第2のパンチ222による切断を円滑に行うことができ、より整った形状の切断面を有する開口部11を形成することができる。また、第2のパンチ222による打ち抜き時には、打ち抜き面積が小さく、樹脂基板10にかかる負荷が小さいため、特に樹脂フィルム3によって衝撃を吸収しなくても、充分にクラック及び白化の発生を抑制することができる。
【0053】
また、上記樹脂フィルム3は、75〜100μmの厚みを有するため、開口部11周辺におけるクラック及び白化の発生を、より効果的に防ぐことができる。また、プリント配線板1は、0.5mm以下の厚みを有するため、開口部11周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぎつつ、開口部11の形成を行うことができる。
また、開口部11の形成と共に、プリント配線板1の外形加工を行うことにより、一層生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を得ることができる。
【0054】
以上のごとく、本例によれば、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぐと共に、生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【0055】
(実施例2)
本例は、図13、図14に示すごとく、本発明のプリント配線板の製造方法を用いた場合の、クラック及び白化の発生の抑制効果を評価した例である。
即ち、上記実施例1に示す方法を用いて、プリント配線板1に開口部11を形成したとき、開口部11の周辺に発生したクラック(白化領域18)の大きさとその個数を測定した。
【0056】
用いたプリント配線板1の厚みは0.2mmであり、図7に示すごとく、形成する開口部11の数は9個、幅は0.9mm、長さ11mmである。また、樹脂フィルム3の厚みは75μmとした。
【0057】
また、樹脂フィルム3はポリエチレンテレフタレートからなる75μmの厚みのフィルムを用いた。また、第1のパンチ221による打ち抜きの際のストリッパ21によるプリント配線板1の押さえ圧力は、49.5kg/mm2、打ち抜き速度は100mm/秒とした。
また、第2のパンチ222による打ち抜きの際のストリッパ21によるプリント配線板1の押さえ圧力は、16.5kg/mm2、打ち抜き速度は100mm/秒とした。
【0058】
また、第1のパンチ221とダイ23の下方孔231とのクリアランスは10μmであり、第2のパンチ222とダイ23の下方孔231とのクリアランスは2μmである。
また、第1のパンチ221の断面は、幅が0.8mm、長さが10.9mmであり、第2のパンチ222の断面は、幅が0.9mm、長さが11mmである。
また、ストリッパ21の先端当接部212は、幅が50μm、高さが70μmである。
その他は、実施例1と同様である。
【0059】
そして、開口部11の形成後、開口部11の周りのクラック及び白化の大きさと、その個数を計測した。クラック及び白化の大きさは、図14に示すごとく、開口部11の一辺からの白化領域18の奥行きdを測定することにより評価した。また、クラック及び白化の数は、1枚のプリント配線板1における白化領域18の数を計測することにより評価した。
そして、クラック及び白化の大きさの分布を図13に示した。
【0060】
図13から分かるように、本発明のプリント配線板の製造方法によれば、発生する白化領域18の大きさとしては、要求品質の範囲内である100μm以下を充分に満たすことができる。即ち、要求品質の範囲を超えるクラック及び白化の発生を充分に防ぐことができる。
【0061】
(比較例)
本例は、図15に示すごとく、樹脂フィルム(図1〜図4の符号3参照)を配置することなく、打抜き加工用金型を用いて、1回のパンチ打ち抜きによって、開口部を形成したときの、開口部周辺のクラック及び白化の発生を評価した例である。
用いたプリント配線板としては、樹脂フィルムを配置していない以外は、実施例2と同様である。
そして、実施例2と同様の方法で、クラック及び白化の大きさ及びその数を測定し、クラック(白化領域)の大きさの分布を図15に示した。
【0062】
図15から分かるように、比較例のプリント配線板においては、要求品質の範囲である100μmを超える大きさのクラック及び白化が発生し、要求品質を満足することができなかった。
上記実施例2と比較例との結果から、本発明によれば、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を充分に防ぐことができることが分かる。
なお、比較例における白化領域の全体の個数は、実施例2における白化領域の全体の個数よりも少ないが、これは、実施例2に比べて比較例における白化領域の大きさが全体に大きいため、独立して存在する白化領域の個数が必然的に少なくなるためである。
【0063】
(実施例3)
本例は、表1に示すごとく、第1のパンチ221による打ち抜きの際に用いる樹脂フィルム3の種類を種々変更して、開口部11の形成状態の違いを確認した例である。
プリント配線板1の樹脂基板10としては、0.2mmの厚みのガラスエポキシを用いた。このガラスエポキシからなる樹脂基板10の引張強度は206MPaである。
【0064】
そして、樹脂フィルム3として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)を用意し、PETとPEについては、3種類の厚みのフィルムを用意した。
【0065】
そして、各樹脂フィルム3を用いて実施例1において示した方法で開口部11を形成した。得られたプリント配線板1の開口部11を観察し、白化、クラック、金属バリについて評価を行った。その結果を表1に示す。白化については、上記実施例2と同様に奥行きd(図14)が100μm以下を○、100μm超を×、クラックについては、無しを○、極小を△、有りを×、また、金属バリについては、30μm以下を○、30μm超を×とした。
【0066】
【表1】
【0067】
表1から分かるように、樹脂フィルム3としてポリエチレンテレフタレートを用いることにより、白化、クラック、金属バリを抑制することができることが分かる。そして、樹脂フィルム3の厚みとしては、白化やクラックの抑制の観点から、50μm以上であることが好ましく、75μmとすることが更に好ましい。
【0068】
そして、樹脂フィルム3の引張強度を比較すると、樹脂基板10の引張強度206MPaに近いほど、得られる開口部11の状態がよいことがわかる。これは、樹脂フィルム3の剪断強度が樹脂基板10と近いことにより、第1のパンチ221が樹脂フィルム3と樹脂基板10とを円滑に打ち抜くことができ、破断面を比較的整った状態にすることができるためであると考えられる。樹脂フィルム3の引張強度が樹脂基板10よりも小さすぎる場合には、樹脂フィルム3が第1のパンチ221に巻き込まれて、円滑な打ち抜きが困難となり、荒れた破断面が形成されやすいと考えられる。また、樹脂フィルム3の引張強度が樹脂基板10よりも大きすぎる場合には、樹脂フィルム3の切断に要する力が大きすぎ、樹脂基板10に対して大きな衝撃が加わり、荒れた破断面が形成されやすくなると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施例1における、第1のパンチによりプリント配線板を打抜く直前の状態を示す断面説明図。
【図2】実施例1における、第1のパンチによりプリント配線板を打抜いた後の状態を示す断面説明図。
【図3】実施例1における、第2のパンチによりプリント配線板を打抜く直前の状態を示す断面説明図。
【図4】実施例1における、第2のパンチによりプリント配線板を打抜いた後の状態を示す断面説明図。
【図5】実施例1における、予備開口部の断面説明図。
【図6】実施例1における、開口部の断面説明図。
【図7】実施例1における、プリント配線板の平面図。
【図8】実施例1における、プリント配線板の開口部周辺の平面図。
【図9】実施例1における、ダイの斜視図。
【図10】実施例1における、分割ダイの斜視図。
【図11】実施例1における、(A)予備開口部の平面図、(B)開口部の平面図。
【図12】実施例1における、打抜き加工用金型のストリッパがプリント配線板を押え付けた状態を示す断面説明図。
【図13】実施例2における、白化領域の大きさの分布を示すグラフ。
【図14】実施例2における、白化領域を示す平面説明図。
【図15】比較例における、白化領域の大きさの分布を示すグラフ。
【図16】従来例における、開口部の形成方法を示す説明図。
【図17】従来例における、打抜き加工の問題点を説明する断面説明図。
【符号の説明】
【0070】
1 プリント配線板
10 樹脂基板
11 開口部
110 予備開口部
12 導体配線
2 打抜き加工用金型
21 ストリッパ
22 パンチ
221 第1のパンチ
222 第2のパンチ
23 ダイ
231 下方孔
3 樹脂フィルム
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を形成してなると共に該開口部の周囲における樹脂基板の表面に導体配線を設けてなるプリント配線板を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、BOC(Board On Chip)基板、COB(Chip On Board)基板、或いはICパッケージなど、図16、図17に示すごとく、開口部91を形成してなると共に該開口部91の周囲における樹脂基板の表面に導体配線92を設けてなるプリント配線板9がある(特許文献1参照)。かかるプリント配線板9の開口部91を形成するに当っては、図16に示すごとく、打抜き加工用金型を用いてプリント配線板9を輪郭911に示すように打抜いた後に、輪郭912に示すようにルーター加工によって開口部91の大きさを所望の大きさに拡げるといった方法を採る。その後、ルーター加工の際に発生した導体配線92のバリを除去する。
【0003】
しかしながら、上記従来の製造方法においては、以下の問題がある。
即ち、上記製造方法によれば、打抜き加工とルーター加工とを行う必要があり、工数が多くなるという問題がある。更には、ルーター加工を行うと、ルーター加工の際に発生した導体配線92のバリを除去する工程を行う必要もある。その結果、製造コストの低減、生産効率の向上が困難となるおそれがある。
【0004】
一方、単に、上記打ち抜き加工によって、一度に所望の大きさの開口部91を形成しようとすると、プリント配線板9にクラックや白化が発生するおそれがある。即ち、打ち抜き加工に当たっては、図17に示すごとく、プリント配線板9を押さえ付けるストリッパ81と該ストリッパ81の内側において上記プリント配線板9を打ち抜くパンチとを有する打抜き加工用金型(図1〜図4参照)を用いる。そして、ストリッパ81をプリント配線板9の表面に当接させた状態で、パンチをスライドさせる。このとき、ストリッパ81は、プリント配線板9の表面に形成された導体配線92に当接することとなり、導体配線92の間においては、ストリッパ81とプリント配線板9との間に隙間93が生じることとなる。
【0005】
この状態で、パンチをスライドさせてプリント配線板9を打ち抜くとき、パンチがプリント配線板9に当たる際に、プリント配線板9のうちの上記隙間93に面する部分、即ちプリント配線板9における導体配線92がない部分が、パンチが当たる衝撃で、部分的に大きな応力が働くおそれがある。その結果、この部分にクラック98や白化が生じるおそれがある。
なお、白化とは、プリント配線板9における樹脂基板の樹脂が細かく破壊されているが欠落には至っておらず、外観上、白濁した状態をいう。
【0006】
【特許文献1】特開平11−284347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぐと共に、生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開口部を形成してなると共に該開口部の周囲における樹脂基板の表面に導体配線を設けてなるプリント配線板を製造する方法であって、
上記プリント配線板を載置すると共に上記開口部に対応する下方孔を有するダイと、上記プリント配線板を押さえ付けるストリッパと、上記プリント配線板を打ち抜くパンチとを有する打抜き加工用金型を用いて上記開口部を形成するに当り、
上記プリント配線板の表面に上記導体配線を覆うように、柔軟性を有する樹脂フィルムを配置した後、
該樹脂フィルムの表面に上記ストリッパを当接させた状態で、第1のパンチによって上記プリント配線板を打ち抜くことにより、上記開口部よりも小さい予備開口部を形成し、
次いで、上記第1のパンチよりも大きい第2のパンチによって上記予備開口部の周囲部分を削ぎ落とすことにより、上記開口部を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法にある(請求項1)。
【0009】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記プリント配線板の製造方法においては、上記第1のパンチによって上記予備開口部を形成した後、上記第2のパンチによって上記開口部を形成する。これにより、周囲の樹脂基板におけるクラック及び白化の発生を抑制した開口部を容易に形成することができる。
【0010】
即ち、第1のパンチによってプリント配線板を打ち抜いたとき、樹脂基板は破断され、予備開口部には破断面が形成され、その周囲に小さなクラック及び白化が生じることがある。ところが、第1のパンチは、第2のパンチよりも小さ目、即ち最終的に得ようとする開口部よりも小さ目に形成されているため、予備開口部は、上記開口部よりも小さめに形成される。そして、第2のパンチによって予備開口部の周囲の余剰部分を削ぎ落とすことにより、予備開口部の周囲における小さなクラック及び白化が生じた樹脂基板の余剰部分を除去することができる。また、予備開口部の破断面を第2のパンチで削ぎ落とすこととなるため、開口部の内壁面には第2パンチによる切断面が現れ、開口部の内壁面を平滑に整えることができる。
【0011】
また、第2のパンチを打ち抜く際には、予備開口部が既に形成されているため、樹脂基板と第2のパンチとの間に大きな応力が発生することを防ぐことができる。それ故、第2のパンチによる打ち抜きによって新たなクラック及び白化が発生することを抑制することができる。その結果、クラック及び白化の発生を防ぎつつ、正確な形状の開口部を形成することができる。
【0012】
また、上記予備開口部を形成するのに先立ち、上記プリント配線板の表面に上記樹脂フィルムを貼着する。それ故、上記ストリッパは、プリント配線板の表面の樹脂フィルムに対して、隙間を生じることなく当接することができる。即ち、柔軟性を有する樹脂フィルムが、プリント配線板の表面に形成された導体配線に追従して変形すると共にストリッパに対しても面接触する。これにより、ストリッパは、プリント配線板の表面に形成された導体配線において局部的に当接することはなく、導体配線の間において、ストリッパとプリント配線板との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
【0013】
これにより、プリント配線板を第1のパンチによって打ち抜くとき、プリント配線板に第1のパンチが当たる際にも、上記ストリッパが予備開口部の周囲を均等に押えた状態となっているため、プリント配線板の予備開口部の周囲において部分的に大きな応力が働くことを防ぐことができる。
また、樹脂フィルムを配置することにより、ストリッパとプリント配線板との間のクッション性を確保して、第1のパンチが当たる際の衝撃を吸収することができる。
その結果、プリント配線板の予備開口部の周囲に大きなクラック及び白化が生じることを防ぐことができ、仮にクラック及び白化が発生しても、上記第2のパンチによる打ち抜きによって対応可能な程度のクラック及び白化に留めることができる。また、プリント配線板上の導体配線の表面を保護することもできる。
【0014】
また、上記のごとく、プリント配線板にクラック及び白化を生じさせることなく開口部を形成することができるため、開口部の形成に当って、例えば打抜き加工とルーター加工との双方を行う必要がなく、工数を少なくすることができる。更に、ルーター加工を行う必要がないため、ルーター加工の際に発生する導体配線のバリを除去する工程を行う必要もない。その結果、製造コストの低減、生産効率の向上を図ることができる。
【0015】
以上のごとく、本発明によれば、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぐと共に、生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明(請求項1)において、上記プリント配線板は、例えばBOC(Board On Chip)基板、COB(Chip On Board)基板、或いはICパッケージ等の半導体搭載用のプリント配線板とすることができ、上記開口部は、例えば半導体搭載部とすることができる。また、上記開口部の周囲に配設された上記導体配線は、例えばボンディングパッドとすることができる。
また、上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂系フィルム、ビニル樹脂系フィルム、ポリエチレン樹脂系フィルム等を用いることができる。
【0017】
また、上記樹脂フィルムは、上記樹脂基板の引張強度に対して±20%の引張強度を有することが好ましい(請求項2)。
この場合には、第1のパンチによる打ち抜きの際、樹脂基板に対して略均一な力が加わり、破断面の形状を比較的整った形状とすることができ、クラック及び白化の発生を抑制することができる。それ故、第2のパンチによって、容易に整った切断面を有する開口部を形成することができ、クラック及び白化を除去することができる。
【0018】
上記樹脂フィルムの引張強度が基材の引張り強度に対して−20%未満の場合には、第1のパンチによる打ち抜きの際に、樹脂フィルムが予備開口部に巻き込まれてしまい、複雑な形状の破断面が形成されるおそれがある。一方、上記樹脂フィルムの引張強度が基材の引張り強度に対して+20%を超える場合には、樹脂フィルムを切断するための力が大きくなり、第1のパンチの圧力が大きくなる。その結果、樹脂基板に対しても第1のパンチから大きい力が加わり、破断面の形状が複雑化し、クラック及び白化の発生を招きやすくなるおそれがある。
【0019】
また、上記樹脂フィルムは、上記樹脂基板の曲げ強度に対して±20%の曲げ強度を有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、第1のパンチによる打ち抜きの際、樹脂基板に対して略均一な力が加わり、破断面の形状を比較的整った形状とすることができ、クラック及び白化の発生を抑制することができる。それ故、第2のパンチによって、容易に整った切断面を有する開口部を形成することができ、クラック及び白化を除去することができる。
【0020】
上記樹脂フィルムの曲げ強度が基材の曲げ強度に対して−20%未満の場合には、第1のパンチによる打ち抜きの際に、樹脂フィルムが予備開口部に巻き込まれてしまい、複雑な形状の破断面が形成されるおそれがある。一方、上記樹脂フィルムの曲げ強度が基材の曲げ強度に対して+20%を超える場合には、樹脂フィルムを切断するために必要な力が大きくなり、第1のパンチの圧力が大きくなる。その結果、樹脂基板に対しても第1のパンチから大きい力が加わり、破断面の形状が複雑化し、クラック及び白化の発生を招きやすくなるおそれがある。
【0021】
また、上記第2のパンチは、先端外周部がその内側部分よりも先端側へ突出した形状を有していることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記第2のパンチを打ち抜く際、第2のパンチは上記先端外周部において、部分的にプリント配線板に当ることとなる。それ故、第2のパンチがプリント配線板に当る際の衝撃を小さくすることができ、プリント配線板における新たなクラック及び白化の発生を抑制しつつ、破断面を削ぎ落とすことができる。
【0022】
また、上記予備開口部を形成した後であって上記開口部を形成する前に、上記プリント配線板から上記樹脂フィルムを剥離することが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記第2のパンチによる切断を円滑に行うことができ、より整った形状の切断面を有する開口部を形成することができる。また、第2のパンチによる打ち抜き時には、打ち抜き面積が小さく、樹脂基板にかかる負荷が小さいため、特に樹脂フィルムによって衝撃を吸収しなくても、充分にクラック及び白化の発生を抑制することができる。
【0023】
また、上記樹脂フィルムは、50〜100μmの厚みを有することが好ましい(請求項6)。
この場合には、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を、より効果的に防ぐことができる。
上記厚みが50μm未満の場合には、上記樹脂フィルムのクッション性を充分に得ることが困難となり、第1のパンチが当たる際に生ずる負荷を充分に吸収することが困難となるおそれがある。一方、上記厚みが100μmを超える場合には、上記ストリッパによって樹脂フィルムの表面を押さえ付けたときに樹脂フィルムが弾性変形しすぎて、プリント配線板を正確に固定することが困難となる。その結果、開口部の加工精度を高くすることが困難となるおそれがある。
なお、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生のより確実な防止及び開口部の加工精度の一層の向上の観点から、上記樹脂フィルムの厚みは75〜100μmであることが更に好ましい。
【0024】
また、上記プリント配線板は、0.5mm以下の厚みを有することが好ましい(請求項7)。
この場合には、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぎつつ、開口部の形成を行うことができる。
上記厚みが0.5mmを超える場合には、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を充分に防ぐことが困難となるおそれがある。
【0025】
また、上記開口部の形成と共に、上記プリント配線板の外形加工を行うことが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記外形加工を開口部の形成と同時に打抜き加工によって行うことができる。即ち、第1のパンチによる打ち抜き、或いは第2のパンチによる打ち抜きと同時に、プリント配線板の外形を打ち抜くことができる。そのため、一層生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を得ることができる。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
本発明の実施例にかかるプリント配線板の製造方法につき、図1〜図12を用いて説明する。
本例のプリント配線板の製造方法は、図7に示すごとく、開口部11を形成してなると共に該開口部11の周囲における樹脂基板10の表面に導体配線12を設けてなるプリント配線板1を製造する方法である。
【0027】
そして、プリント配線板1を載置すると共に開口部11に対応する下方孔231を有するダイ23と、プリント配線板1を押さえ付けるストリッパ21と、プリント配線板1を打ち抜くパンチ22とを有する打抜き加工用金型2を用いて開口部11を形成する。
まず、図1に示すごとく、プリント配線板1の表面に導体配線12を覆うように、柔軟性を有する樹脂フィルム3を配置する。
【0028】
次いで、樹脂フィルム3の表面にストリッパ21を当接させた状態で、第1のパンチ221によってプリント配線板1を打ち抜くことにより、図2に示すごとく、開口部11よりも小さい予備開口部110を形成する。
次いで、図3、図4に示すごとく、第1のパンチ221よりも大きい第2のパンチ222によって予備開口部110の周囲部分を削ぎ落とすことにより、開口部11を形成する。
【0029】
上記プリント配線板1は、BOC(Board On Chip)基板であって、上記開口部11は半導体搭載部である。また、図7、図8に示すごとく、開口部11の周囲に配設された導体配線12は、ボンディングパッドである。
また、樹脂フィルム3は、樹脂基板10の引張強度に対して±20%の引張強度を有し、樹脂基板10の曲げ強度に対して±20%の曲げ強度を有する。
【0030】
具体的には、プリント配線板1の樹脂基板10が、ガラスファイバーによって構成されるガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板からなる場合、樹脂フィルム3はポリエチレンテレフタレート(PET)によって構成することができる。
また、プリント配線板1は、0.5mm以下の厚みを有する。また、樹脂フィルム3は、50〜100μmの厚みを有する。
【0031】
また、第2のパンチ222は、先端外周部223がその内側部分よりも先端側へ突出した形状を有している。具体的には、図3、図4に示すごとく、第2のパンチ222の先端面224は、断面略V字状に形成されている。なお、第2のパンチ222の先端面224の形状はこれに限らず、例えば、断面略円弧状など、種々の形状を採用することができる。
一方、第1のパンチ221の先端面225は、スライド方向に直交する平坦面によって構成されている。
【0032】
また、予備開口部110を形成した後であって開口部11を形成する前に、プリント配線板1から樹脂フィルム3を剥離する。即ち、図3に示すごとく、第2のパンチ222による打ち抜きは、プリント配線板1に樹脂フィルム3を貼着していない状態とする。
【0033】
また、ダイ23は、図9、図10に示すごとく、2つの分割ダイ230を以下のようにして組合わせることにより構成されている。即ち、ダイ23を構成する2つの分割ダイ230は、図10に示すごとく、互いの接合面に溝部232を形成してなる。溝部232は、ワイヤーカットや放電加工等によって形成した後、その加工面を研磨処理してなる。その後、互いの溝部232を対向させるようにして2つの分割ダイ23を重ね合わせることにより、図15に示すごとく、下方孔231を有するダイ23を形成する。
【0034】
以下に、本例のプリント配線板の製造方法につき、具体的に説明する。
導体配線12を樹脂基板10の表面に設けたプリント配線板1を用意する。導体配線12は、例えば、Cu、Ni、Auのメッキにより形成される。また、導体配線12の一部がボンディングパッドとなる。導体配線12の厚みは、約20μm程度である。また、上記プリント配線板1の厚みは約0.2mmである。
上記プリント配線板1の表面に、導体配線12を覆うように上記樹脂フィルム3を配置する。また、樹脂フィルム3の厚みは75〜100μmとする。
【0035】
次いで、図1〜図4に示すごとく、上記打抜き加工用金型2を用いて開口部11を形成する。打抜き加工用金型2は、ストリッパ21と該ストリッパ21に対してスライド移動するパンチ22とを有する。
パンチ22としては、第1のパンチ221と第2のパンチ222との二種類のパンチが打ち抜き加工用金型2に備えられている。第2のパンチ222は、得ようとする開口部11の形状に沿った断面形状を有する。また、第1のパンチ221は、第2のパンチ222よりも一回り小さい断面形状を有する。例えば、長手方向寸法及び短手方向寸法の何れもにおいて、第2のパンチ222が第1のパンチ221よりも0.1mm程度小さく形成されている。
【0036】
また、ストリッパ21は、第1のパンチ221、第2のパンチ222をそれぞれスライド可能に保持するスライド孔211を有すると共に、該スライド孔211の周囲の先端部に、先端当接部212を有する。即ち、2種類のパンチ22(第1のパンチ221、第2のパンチ222)にそれぞれ対応した2種類のストリッパ21が設けられている。
【0037】
また、打抜き加工用金型2は、プリント配線板1を載置するダイ23を有し、該ダイ23には、パンチ22及びパンチ22によって打抜かれた打抜き片を通す下方孔231を有する。この下方孔231も、2種類のパンチ22(第1のパンチ221、第2のパンチ222)にそれぞれ対応して2種類設けられている。
【0038】
図1に示すごとく、ダイ23の上にプリント配線板1を載置し、プリント配線板1の上に配置した樹脂フィルム3の表面にストリッパ21の先端当接部212を当接し、プリント配線板1を押さえ付けて保持する。このとき、ストリッパ21の先端当接部212は、樹脂フィルム3の表面31に密着しており、両者の間に隙間は形成されていない。
このとき、柔軟性を有する樹脂フィルム3が、プリント配線板1の表面に形成された導体配線12に追従して変形すると共にストリッパ21に対しても面接触する。
【0039】
次いで、第1のパンチ221を下方へスライドさせることにより、図2に示すごとく、プリント配線板1の一部を打抜く。これにより、予備開口部110を形成する。また、第1のパンチ221の先端部及び打抜き片は、ダイ23の下方孔231に移動する。
次いで、第1のパンチ221を上方へ引き抜き、第1のパンチ221の先端部をストリッパ21の先端当接部212よりも上方へ移動させる。このとき、第1のパンチ22の側面225は、プリント配線板1の予備開口部110の内壁面を擦り、上方へ引き上げるような力が働く。しかし、プリント配線板1を、上方から、樹脂フィルム3を介してストリッパ21によって押さえつけているため、プリント配線板1の予備開口部110の周辺部分が変形することはない。
【0040】
また、第1のパンチ221による打ち抜きの際には、プリント配線板1の樹脂基板10が、破断される状態で打ち抜かれる。従って、予備開口部110の内壁面は、その上層部以外は破断面111となり、粗面となると共に小さなクラック及び白化も入る。即ち、樹脂基板10の上層部においては、第1のパンチ221による切断面が形成されるが、それよりも下方においては、第1のパンチ221の押圧力が、樹脂基板10における第1のパンチ221の直下の部分を伝わって、当該部分とその脇の部分との間で剪断力が働いて破断し、図5に示すごとく、破断面111が形成される。また、このとき、予備開口部110の周りの樹脂基板10においては、ガラスファイバーが引きちぎられるようにして破断されるため、ガラスファイバーの周囲の樹脂に細かい亀裂が入る。これが白化の原因となる。
【0041】
そして、この破断面111やクラック及び白化が残った状態の予備開口部10を有するプリント配線板1に対して、図3、図4に示すごとく、第2のパンチ222による打ち抜きを行う。
第2のパンチ222の打ち抜きの前に、樹脂フィルム3をプリント配線板1の表面から剥がす。
そして、プリント配線板1を、図3に示すごとく、第2のパンチ222の下方において位置合せしてダイ23に載置すると共に、ストリッパ21によってダイ23に押さえ付ける。そして、第2のパンチ222をストリッパ21の内側においてスライドすることにより、上記破断面を含む余剰部分13を削ぎ落とす。これにより、図4、図6に示すごとく、内壁面に平滑な切断面を有する開口部11を形成する。
【0042】
また、上記開口部11の形成と共に、プリント配線板1の外形加工を行う。即ち、外形加工を開口部11の形成と同時に打抜き加工によって行う。
次いで、プリント配線板1を打抜き加工用金型2から取り外す。
【0043】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記プリント配線板の製造方法においては、上記第1のパンチ221によって上記予備開口部110を形成した後、上記第2のパンチ222によって上記開口部11を形成する。これにより、周囲の樹脂基板10におけるクラック及び白化の発生を抑制した開口部11を容易に形成することができる。
【0044】
即ち、第1のパンチ221によってプリント配線板1を打ち抜いたとき、樹脂基板10は破断され、図5、図11(A)に示すごとく、予備開口部110には破断面111が形成され、その周囲に小さなクラック(白化領域18)が生じることがある。ところが、第1のパンチ221は、第2のパンチ222よりも小さ目、即ち最終的に得ようとする開口部11よりも小さ目に形成されているため、予備開口部110は、上記開口部11よりも小さめに形成される。そして、第2のパンチ222によって予備開口部110の周囲の余剰部分13を削ぎ落とすことにより、予備開口部110の周囲における小さなクラック(白化領域18)が生じた樹脂基板10の余剰部分13を除去することができる。また、予備開口部110の破断面111を第2のパンチ222で削ぎ落とすこととなるため、開口部11の内壁面には第2パンチ222による切断面が現れ、開口部11の内壁面を平滑に整えることができる。
【0045】
また、第2のパンチ222を打ち抜く際には、予備開口部110が既に形成されているため、樹脂基板10と第2のパンチ222との間に大きな応力が発生することを防ぐことができる。それ故、第2のパンチ222による打ち抜きによって新たなクラックや白化が発生することを抑制することができる。その結果、クラックや白化の発生を防ぎつつ、正確な形状の開口部11を形成することができる。
【0046】
また、上記予備開口部110を形成するのに先立ち、上記プリント配線板1の表面に上記樹脂フィルム3を貼着する。それ故、上記ストリッパ21は、プリント配線板1の表面の樹脂フィルム3に対して、隙間を生じることなく当接することができる。即ち、図12に示すごとく、柔軟性を有する樹脂フィルム3が、プリント配線板1の表面に形成された導体配線12に追従して変形すると共にストリッパ21に対しても面接触する。これにより、ストリッパ21は、プリント配線板1の表面に形成された導体配線12において局部的に当接することはなく、導体配線12の間において、ストリッパ21とプリント配線板1との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
【0047】
これにより、プリント配線板1を第1のパンチ221によって打ち抜くとき、プリント配線板1に第1のパンチ221が当たる際にも、上記ストリッパ21が予備開口部110の周囲を均等に押えた状態となっているため、プリント配線板1の予備開口部110の周囲において部分的に大きな応力が働くことを防ぐことができる。
また、樹脂フィルム3を配置することにより、ストリッパ21とプリント配線板1との間のクッション性を確保して、第1のパンチ221が当たる際の衝撃を吸収することができる。
その結果、プリント配線板1の予備開口部110の周囲に大きなクラックが生じることを防ぐことができ、仮にクラック及び白化が発生しても、上記第2のパンチ222による打ち抜きによって対応可能な程度のクラック及び白化に留めることができる。また、樹脂フィルム3によってプリント配線板1上の導体配線12の表面を保護することもできる。
【0048】
また、上記のごとく、プリント配線板1にクラック及び白化を生じさせることなく開口部11を形成することができるため、開口部11の形成に当って、例えば打抜き加工とルーター加工との双方を行う必要がなく、工数を少なくすることができる。更に、ルーター加工を行う必要がないため、ルーター加工の際に発生する導体配線12のバリを除去する工程を行う必要もない。その結果、製造コストの低減、生産効率の向上を図ることができる。
【0049】
また、上記樹脂フィルム3は、上記樹脂基板10の引張強度及び曲げ強度に対して、それぞれ±20%の引張強度及び曲げ強度を有する。それ故、第1のパンチ221による打ち抜きの際、樹脂基板10に対して略均一な力が加わり、破断面の形状を比較的整った形状とすることができ、クラック及び白化の発生を抑制することができる。それ故、第2のパンチ222によって、容易に整った切断面を有する開口部11を形成することができ、クラック及び白化を除去することができる。
【0050】
また、第2のパンチ222は、先端外周部223がその内側部分224よりも先端側へ突出した形状を有しているため、第2のパンチ222を打ち抜く際、第2のパンチ222は先端外周部223において、部分的にプリント配線板1に当ることとなる。それ故、第2のパンチ222がプリント配線板1に当る際の衝撃を小さくすることができ、プリント配線板1における新たなクラック及び白化の発生を抑制しつつ、破断面111を削ぎ落とすことができる。
【0051】
また、樹脂フィルム3は、樹脂基板10の引張強度に対して±20%の引張強度を有し、樹脂基板10の曲げ強度に対して±20%の曲げ強度を有する。これにより、第1のパンチ221による打ち抜きの際、樹脂基板10に対して略均一な力が加わり、破断面111の形状を比較的整った形状とすることができ、クラック及び白化の発生を抑制することができる。それ故、第2のパンチ222によって、容易に整った切断面を有する開口部11を形成することができ、クラック及び白化を除去することができる。
【0052】
また、上記予備開口部110を形成した後であって上記開口部11を形成する前に、プリント配線板1から樹脂フィルム3を剥離する。これにより、第2のパンチ222による切断を円滑に行うことができ、より整った形状の切断面を有する開口部11を形成することができる。また、第2のパンチ222による打ち抜き時には、打ち抜き面積が小さく、樹脂基板10にかかる負荷が小さいため、特に樹脂フィルム3によって衝撃を吸収しなくても、充分にクラック及び白化の発生を抑制することができる。
【0053】
また、上記樹脂フィルム3は、75〜100μmの厚みを有するため、開口部11周辺におけるクラック及び白化の発生を、より効果的に防ぐことができる。また、プリント配線板1は、0.5mm以下の厚みを有するため、開口部11周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぎつつ、開口部11の形成を行うことができる。
また、開口部11の形成と共に、プリント配線板1の外形加工を行うことにより、一層生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を得ることができる。
【0054】
以上のごとく、本例によれば、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を防ぐと共に、生産効率に優れたプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【0055】
(実施例2)
本例は、図13、図14に示すごとく、本発明のプリント配線板の製造方法を用いた場合の、クラック及び白化の発生の抑制効果を評価した例である。
即ち、上記実施例1に示す方法を用いて、プリント配線板1に開口部11を形成したとき、開口部11の周辺に発生したクラック(白化領域18)の大きさとその個数を測定した。
【0056】
用いたプリント配線板1の厚みは0.2mmであり、図7に示すごとく、形成する開口部11の数は9個、幅は0.9mm、長さ11mmである。また、樹脂フィルム3の厚みは75μmとした。
【0057】
また、樹脂フィルム3はポリエチレンテレフタレートからなる75μmの厚みのフィルムを用いた。また、第1のパンチ221による打ち抜きの際のストリッパ21によるプリント配線板1の押さえ圧力は、49.5kg/mm2、打ち抜き速度は100mm/秒とした。
また、第2のパンチ222による打ち抜きの際のストリッパ21によるプリント配線板1の押さえ圧力は、16.5kg/mm2、打ち抜き速度は100mm/秒とした。
【0058】
また、第1のパンチ221とダイ23の下方孔231とのクリアランスは10μmであり、第2のパンチ222とダイ23の下方孔231とのクリアランスは2μmである。
また、第1のパンチ221の断面は、幅が0.8mm、長さが10.9mmであり、第2のパンチ222の断面は、幅が0.9mm、長さが11mmである。
また、ストリッパ21の先端当接部212は、幅が50μm、高さが70μmである。
その他は、実施例1と同様である。
【0059】
そして、開口部11の形成後、開口部11の周りのクラック及び白化の大きさと、その個数を計測した。クラック及び白化の大きさは、図14に示すごとく、開口部11の一辺からの白化領域18の奥行きdを測定することにより評価した。また、クラック及び白化の数は、1枚のプリント配線板1における白化領域18の数を計測することにより評価した。
そして、クラック及び白化の大きさの分布を図13に示した。
【0060】
図13から分かるように、本発明のプリント配線板の製造方法によれば、発生する白化領域18の大きさとしては、要求品質の範囲内である100μm以下を充分に満たすことができる。即ち、要求品質の範囲を超えるクラック及び白化の発生を充分に防ぐことができる。
【0061】
(比較例)
本例は、図15に示すごとく、樹脂フィルム(図1〜図4の符号3参照)を配置することなく、打抜き加工用金型を用いて、1回のパンチ打ち抜きによって、開口部を形成したときの、開口部周辺のクラック及び白化の発生を評価した例である。
用いたプリント配線板としては、樹脂フィルムを配置していない以外は、実施例2と同様である。
そして、実施例2と同様の方法で、クラック及び白化の大きさ及びその数を測定し、クラック(白化領域)の大きさの分布を図15に示した。
【0062】
図15から分かるように、比較例のプリント配線板においては、要求品質の範囲である100μmを超える大きさのクラック及び白化が発生し、要求品質を満足することができなかった。
上記実施例2と比較例との結果から、本発明によれば、開口部周辺におけるクラック及び白化の発生を充分に防ぐことができることが分かる。
なお、比較例における白化領域の全体の個数は、実施例2における白化領域の全体の個数よりも少ないが、これは、実施例2に比べて比較例における白化領域の大きさが全体に大きいため、独立して存在する白化領域の個数が必然的に少なくなるためである。
【0063】
(実施例3)
本例は、表1に示すごとく、第1のパンチ221による打ち抜きの際に用いる樹脂フィルム3の種類を種々変更して、開口部11の形成状態の違いを確認した例である。
プリント配線板1の樹脂基板10としては、0.2mmの厚みのガラスエポキシを用いた。このガラスエポキシからなる樹脂基板10の引張強度は206MPaである。
【0064】
そして、樹脂フィルム3として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)を用意し、PETとPEについては、3種類の厚みのフィルムを用意した。
【0065】
そして、各樹脂フィルム3を用いて実施例1において示した方法で開口部11を形成した。得られたプリント配線板1の開口部11を観察し、白化、クラック、金属バリについて評価を行った。その結果を表1に示す。白化については、上記実施例2と同様に奥行きd(図14)が100μm以下を○、100μm超を×、クラックについては、無しを○、極小を△、有りを×、また、金属バリについては、30μm以下を○、30μm超を×とした。
【0066】
【表1】
【0067】
表1から分かるように、樹脂フィルム3としてポリエチレンテレフタレートを用いることにより、白化、クラック、金属バリを抑制することができることが分かる。そして、樹脂フィルム3の厚みとしては、白化やクラックの抑制の観点から、50μm以上であることが好ましく、75μmとすることが更に好ましい。
【0068】
そして、樹脂フィルム3の引張強度を比較すると、樹脂基板10の引張強度206MPaに近いほど、得られる開口部11の状態がよいことがわかる。これは、樹脂フィルム3の剪断強度が樹脂基板10と近いことにより、第1のパンチ221が樹脂フィルム3と樹脂基板10とを円滑に打ち抜くことができ、破断面を比較的整った状態にすることができるためであると考えられる。樹脂フィルム3の引張強度が樹脂基板10よりも小さすぎる場合には、樹脂フィルム3が第1のパンチ221に巻き込まれて、円滑な打ち抜きが困難となり、荒れた破断面が形成されやすいと考えられる。また、樹脂フィルム3の引張強度が樹脂基板10よりも大きすぎる場合には、樹脂フィルム3の切断に要する力が大きすぎ、樹脂基板10に対して大きな衝撃が加わり、荒れた破断面が形成されやすくなると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施例1における、第1のパンチによりプリント配線板を打抜く直前の状態を示す断面説明図。
【図2】実施例1における、第1のパンチによりプリント配線板を打抜いた後の状態を示す断面説明図。
【図3】実施例1における、第2のパンチによりプリント配線板を打抜く直前の状態を示す断面説明図。
【図4】実施例1における、第2のパンチによりプリント配線板を打抜いた後の状態を示す断面説明図。
【図5】実施例1における、予備開口部の断面説明図。
【図6】実施例1における、開口部の断面説明図。
【図7】実施例1における、プリント配線板の平面図。
【図8】実施例1における、プリント配線板の開口部周辺の平面図。
【図9】実施例1における、ダイの斜視図。
【図10】実施例1における、分割ダイの斜視図。
【図11】実施例1における、(A)予備開口部の平面図、(B)開口部の平面図。
【図12】実施例1における、打抜き加工用金型のストリッパがプリント配線板を押え付けた状態を示す断面説明図。
【図13】実施例2における、白化領域の大きさの分布を示すグラフ。
【図14】実施例2における、白化領域を示す平面説明図。
【図15】比較例における、白化領域の大きさの分布を示すグラフ。
【図16】従来例における、開口部の形成方法を示す説明図。
【図17】従来例における、打抜き加工の問題点を説明する断面説明図。
【符号の説明】
【0070】
1 プリント配線板
10 樹脂基板
11 開口部
110 予備開口部
12 導体配線
2 打抜き加工用金型
21 ストリッパ
22 パンチ
221 第1のパンチ
222 第2のパンチ
23 ダイ
231 下方孔
3 樹脂フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を形成してなると共に該開口部の周囲における樹脂基板の表面に導体配線を設けてなるプリント配線板を製造する方法であって、
上記プリント配線板を載置すると共に上記開口部に対応する下方孔を有するダイと、上記プリント配線板を押さえ付けるストリッパと、上記プリント配線板を打ち抜くパンチとを有する打抜き加工用金型を用いて上記開口部を形成するに当り、
上記プリント配線板の表面に上記導体配線を覆うように、柔軟性を有する樹脂フィルムを配置した後、
該樹脂フィルムの表面に上記ストリッパを当接させた状態で、第1のパンチによって上記プリント配線板を打ち抜くことにより、上記開口部よりも小さい予備開口部を形成し、
次いで、上記第1のパンチよりも大きい第2のパンチによって上記予備開口部の周囲部分を削ぎ落とすことにより、上記開口部を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、上記樹脂フィルムは、上記樹脂基板の引張強度に対して±20%の引張強度を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記樹脂フィルムは、上記樹脂基板の曲げ強度に対して±20%の曲げ強度を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記第2のパンチは、先端外周部がその内側部分よりも先端側へ突出した形状を有していることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、上記予備開口部を形成した後であって上記開口部を形成する前に、上記プリント配線板から上記樹脂フィルムを剥離することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、上記樹脂フィルムは、50〜100μmの厚みを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、上記プリント配線板は、0.5mm以下の厚みを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項において、上記開口部の形成と共に、上記プリント配線板の外形加工を行うことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項1】
開口部を形成してなると共に該開口部の周囲における樹脂基板の表面に導体配線を設けてなるプリント配線板を製造する方法であって、
上記プリント配線板を載置すると共に上記開口部に対応する下方孔を有するダイと、上記プリント配線板を押さえ付けるストリッパと、上記プリント配線板を打ち抜くパンチとを有する打抜き加工用金型を用いて上記開口部を形成するに当り、
上記プリント配線板の表面に上記導体配線を覆うように、柔軟性を有する樹脂フィルムを配置した後、
該樹脂フィルムの表面に上記ストリッパを当接させた状態で、第1のパンチによって上記プリント配線板を打ち抜くことにより、上記開口部よりも小さい予備開口部を形成し、
次いで、上記第1のパンチよりも大きい第2のパンチによって上記予備開口部の周囲部分を削ぎ落とすことにより、上記開口部を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、上記樹脂フィルムは、上記樹脂基板の引張強度に対して±20%の引張強度を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記樹脂フィルムは、上記樹脂基板の曲げ強度に対して±20%の曲げ強度を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記第2のパンチは、先端外周部がその内側部分よりも先端側へ突出した形状を有していることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、上記予備開口部を形成した後であって上記開口部を形成する前に、上記プリント配線板から上記樹脂フィルムを剥離することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、上記樹脂フィルムは、50〜100μmの厚みを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、上記プリント配線板は、0.5mm以下の厚みを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項において、上記開口部の形成と共に、上記プリント配線板の外形加工を行うことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−171954(P2008−171954A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2689(P2007−2689)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(591098112)イビデンエンジニアリング株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(591098112)イビデンエンジニアリング株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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