説明

プレガバリンを含有する安定化された医薬組成物

(a)活性成分としてのプレガバリン、及び(b)1種又は数種の医薬補助剤を含有する固体医薬組成物であって、糖類を本質的に含まず、プレガバリンは別として、それ以外のアミノ酸を含まない組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体医薬組成物、特に、
(a)活性成分としてのプレガバリン、及び
(b)1種又は数種の医薬補助物質
を含有する安定化された固体医薬組成物であって、糖類を本質的に含まず、プレガバリンは別として、それ以外のアミノ酸を含まない組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
「プレガバリン」は、4−アミノ−3−(2−メチルプロピル)酪酸のINN名である。この化合物は、以下の構造を有する:
【化1】

【0003】
英語では、プレガバリンは、通常、「3−(アミノメチル)−5−メチルヘキサン酸」と呼ばれる。プレガバリンは、抗痙攣薬のグループの医薬品である。プレガバリンは、癲癇及び神経障害性疼痛の治療用に認可されている。
【0004】
この特許出願の文脈の中で、「プレガバリン」という表現は、S−異性体、R−異性体及びR/S−異性体混合物を含む。好ましい実施形態において、「プレガバリン」は、S−プレガバリンからなる:
【化2】

【0005】
様々なプレガバリン製剤が、現況技術において知られている。
【0006】
EP 641 330 Aは、プレガバリンの調製について記載し、一般的な用語でのみ医薬組成物について記述している。
【0007】
EP 1 377 318 A2(WO 02/078747)は、活性成分としてのプレガバリン及び補助物質としてのラクトースを含有するカプセル剤を製剤化する間の分解生成物としてのラクトースコンジュゲートの形成について記載している。しかしながら、認可要件又は製品品質を考慮すると、そのようなコンジュゲートは望ましくない。EP 1 377 318によれば、コンジュゲートは、ラクトースとのメイラード反応とガラクトース及びグルコースというラクトース構成単位とのメイラード反応の両方により形成される。補助物質として、例えば、セルロースなどの糖類又は、例えば、微結晶性セルロースなどの誘導体化された糖類を使用する場合、メイラード反応は、コンジュゲートの形成につながることもある。
【0008】
EP 1 194 125 A(WO 01/03672)は、迅速放出医薬錠剤を製造するのに有用な、プレガバリン及び多糖類、すなわち、エチルセルロースを含む、味覚マスクされた即時放出顆粒剤の調製に関する。
【0009】
EP 1 077 692(WO 99/59573)は、プレガバリンを安定化するためのα−アミノ酸の使用について記載している。特に、補助物質としてのステアリン酸マグネシウム、タルカム及びL−ロイシンを含むプレガバリン製剤が開示されている。
【0010】
EP 1 077 691 A1(WO 99/59572)は、例えば、必須成分としてポリプロピレングリコールなどの湿潤剤を含むプレガバリン製剤に関する。
【0011】
WO 2006/121557は、ラクタムを本質的に含まないプレガバリンについて記載している。デンプン及び微結晶性セルロースを含むプレガバリン製剤が提案されている。
【0012】
WO 2006/078811は、特に、ガバペンチンの組成物に関する。具体的に開示されている組成物は、多糖類を含む。
【0013】
WO 2007/079195は、ガバペンチン又はプレガバリンの遅延製剤に関する。具体例は、ガバペンチンに関する。
【0014】
WO 2007/052125は、マトリックス形成剤(ポリビニルアセテート又はPVP)及び膨張剤(CR−PVP)を含む具体的な製剤について記載している。
【0015】
WO 2007/053904は、粒径を制御するための多段階プロセスに関するが、プレガバリンに特有なものではない。
【0016】
EP 1 395 242 A(WO 02/094220)は、短鎖多価アルコールを含有する液体調製物に関する。固体成分は、2成分系の一部と見なされる。具体例は、ガバペンチンに関する。
【0017】
EP 1 543 831 A(WO 2005/063229)は、pH範囲が安定化された水性プレガバリン調製物に関する。WO 2006/008640は、不快な味覚を有する薬物を含有する非水性懸濁液に関する。WO 2007/107835は、C2〜C6多価アルコールを含有する液体の安定化された調製物に関する。
【0018】
WO 01/24791は、精神障害を治療するためのNK1−受容体拮抗薬及びGABA−類似体を含む液体及び固体製剤、すなわち、2種の活性成分を含む相乗的組成物に関する。固体製剤は、成分としてトウモロコシデンプンを含む。
【0019】
EP 1 100 467(WO 00/07568)は、コーティングされたガバペンチン又はプレガバリン粒子を製造するための方法に関する。
【0020】
WO 2003/068186は、活性剤の吸収及び多段階放出を改善するための医薬製剤に関する。具体例は、プレガバリン以外の活性成分を含む製剤に関する。
【0021】
WO 2005/051384は、炭酸カルシウムによるアミノ酸組成物の安定化に関する。具体例は、多糖類を含む組成物に関する。
【0022】
WO 2006/108151は、プレガバリンの異なる結晶形態、特に、プレガバリンの異なる多形性形態について記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、現況技術において使用される補助物質は、患者において望ましくない負の反応を引き起こすことがある。糖類が補助物質として使用される場合には、不耐性が、特に、ラクトースで起こることがある。ラクトース不耐性の事例は、世界中で最も広範囲に広がる食物不耐性の事例である。このことは、使用の制限につながることがある。しかしながら、ラクトース又はアミノ酸の使用が安定性の理由で望ましいことが現況技術から明らかになってきた。
【0024】
分解生成物も活性成分の誘導体も含まない範囲で安定であり、その溶解速度及び生物学的利用能が保存後に安定なままである組成物、特に、最初に存在する活性成分の多形体形態が実質的変化を受けない組成物が特に望ましいであろう。
【0025】
他の目的は、以下の保存条件下で有利な安定性を示し、特に、現況技術から知られている製剤よりも少ない分解生成物を有する医薬組成物を提供することからなっていた。
1)4週にわたって60℃(ストレス安定性試験);
2)12週にわたって75%の相対大気湿度にて40℃;又は
3)12週にわたって65%の相対大気湿度にて30℃;又は
4)12週にわたって60%の相対大気湿度にて25℃。
【0026】
さらに、提供物の遅延放出形態、特に、遅延放出錠剤に極めて適している製剤を提供することが本発明の目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0027】
今回、一方では、ラクトースなどの糖類をほとんど含まず、他方では、安定化のためにアミノ酸を必要としない(活性成分としてのプレガバリンは別として)有利なプレガバリン製剤を提供することができることが予想外に判明した。本発明によるプレガバリン製剤が、安定性(及びとりわけストレス安定性)の目的で有利な特性を有することは特に予想外であることが立証された。
【0028】
したがって、本発明の主題は、
(a)活性成分としてのプレガバリン、及び
(b)1種又は数種の医薬補助剤
を含有する固体医薬組成物であって、糖類を本質的に含まず、プレガバリンは別として、それ以外のアミノ酸を含まない組成物である。
【0029】
本発明による組成物は、WO 2006/108151 A1に記載されているような2種の形態のうちの1種へのプレガバリン無水物の多形変化を観察することができないという範囲で実質的に安定である。
【0030】
本発明による組成物は、糖類を本質的に含まない。このことは、一般に、組成物が、医薬組成物の総重量を基準として、糖類10重量%未満、好ましくは、5重量%未満、より好ましくは、2重量%未満、特に、0.5重量%未満を含有することを意味すると理解されるべきである。
【0031】
本発明による組成物は、プレガバリンは別として、それ以外のアミノ酸を本質的に含まない。このことは、成分(b)が、一般に、医薬組成物の総重量を基準として、アミノ酸5重量%未満、好ましくは、2重量%未満、より好ましくは、0.5重量%未満、特に、0.01重量%未満を含有することを意味すると理解されるべきである。
【0032】
組成物は、プレガバリン以外の活性成分を含まないことが好ましい。
【0033】
「糖類」という用語は、ヒドロキシアルデヒド又はヒドロキシケトン構造を持つ糖を意味すると一般的に理解されるべきである。「糖類」という用語は、一般に、単糖類、二糖類及び多糖類を含む。「単糖類」という用語は、ペントースのアラビノース、リボース、キシロース及びヘキソースのグルコース、マンノース、ガラクトース及びフルクトースを含む。「二糖類」という用語は、スクロース、トレハロース、ラクトース及びマルトースを含む。「多糖類」という用語は、デンプン、グリコーゲン及びセルロースを含む。さらに、「多糖類」という用語は、例えば、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)又はヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテルも含む。糖類という用語は、その中に1個又は数個のグルコース単量体が含有されている分子又は化合物も包含する。
【0034】
しかしながら、「糖類」という用語は、例えば、ヘキシット(6価アルコール)又はペンチット(5価アルコール)などの、ヒドロキシアルデヒド又はヒドロキシケトンの還元生成物を含まない。
【0035】
可能な実施形態において、本発明による組成物は、平均粒径が250μm未満、より好ましくは、0.1〜200μm、特に、10μm超〜150μmであるプレガバリンを含む。
【0036】
平均粒径の目的で、4種の範囲が好まれることがある。第一の実施形態において、本発明による組成物は、平均粒径が0.01〜50μm、好ましくは、0.1〜20μm、より好ましくは、1〜10μm未満、特に、2〜5μmであるプレガバリンを含む。この実施形態の粒径は、例えば、約2バールの注入及び粉砕ガス圧が好ましいHosokawa製の「スパイラルミルAS50」によって達成することができる。本発明の文脈の中で、第一の実施形態の粒子は、「微粉化プレガバリン」と呼ばれる。
【0037】
第二の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、平均粒径が5μm超のプレガバリン又は微粉化プレガバリンを含む。
【0038】
第三の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、平均粒径が50〜250μm、好ましくは、80〜150μm、より好ましくは、90〜130μm、特に、約120μmであるプレガバリンを含む。
【0039】
第四の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、平均粒径が250μm超〜1.3mm、好ましくは、400μm〜1.0mm、より好ましくは、600μm〜800μm、特に、約680μmであるプレガバリンを含む。
【0040】
本発明の文脈の中で、D50値とも呼ばれる平均粒径は、粒子の50%が、体積を基準として、D50値よりも小さく、粒子の50%が、体積を基準として、D50値よりも大きい場合の粒径と定義される。粒径の決定は、「Malver Instruments」製の「Mastersizer 2000」装置によって行った。決定は、DIN 13320−1に従って行われることが好ましい。乾式分散ユニット「Scirocco 2000」をこの目的に使用した。粒径分布を決定するために、検査すべき粉末を、製品供給設備に導入し、振盪及び減圧によりレンズチャンバー(lense chamber)を通過させ、検出した。塊を除くために、必要な場合に、0〜4バールの分散圧力を加えた。測定は、DIN 13320−1、Frauenhofer測定法又は使用されている測定評価に従って行った。
【0041】
好ましい実施形態において、医薬組成物の成分(b)は、補助物質としてアルカリ土類リン酸塩を含有する。この点において、リン酸マグネシウム及びリン酸カルシウムが好ましく、リン酸カルシウムが特に好ましい。適当なリン酸カルシウム化合物の例は、リン酸三カルシウム(tribasic calcium phosphate)(Ca(PO)、リン酸二水素カルシウム一水和物(Ca(HPO×1 HO)、リン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO×2 HO)又はリン酸水素カルシウム無水物(CaHPO)である。特に、リン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO×2 HO)又はリン酸水素カルシウム無水物(CaHPO)が使用される。
【0042】
他の好ましい実施形態において、医薬組成物の成分(b)は、ヘキシット(6価アルコール)及び/又はペンチット(5価アルコール)を含有する。ヘキシットの例は、ソルビトール、マンニトール又はズルシトールである。ヘキシットの好ましい例は、マンニトール及びズルシトールである。ヘキシットの特に好ましい例は、マンニトールである。ペンチットの例は、アラビニトール、アドニトール又はキシリトールである。
【0043】
本発明による組成物は、他の好ましい実施形態において、医薬補助物質としてポリアクリレートを含有する。
【0044】
カルボキシポリメチレン及び/又はカルボキシビニルポリマーがポリアクリレートとして使用されることが好ましい。「Carbopol(登録商標)」及び「Carbomer(登録商標)」の商品名で販売されているポリアクリレートが使用されることも好ましい。使用されるポリアクリレートは、100,000〜5,000,000g/モル、好ましくは、500,000〜2,000,000g/モル、より好ましくは、800,000〜1,000,000g/モルの重量平均分子量を有することが好ましい。
【0045】
したがって、本発明の主題は、
(a)活性成分としてのプレガバリン、及び
(b)医薬補助物質としてのアルカリ土類リン酸塩、特に、リン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO×2 HO)又はリン酸水素カルシウム無水物(CaHPO)を含有する医薬組成物でもある。
【0046】
さらに、本発明の主題は、
(a)活性成分としてのプレガバリン、並びに
(b)医薬補助物質としてのヘキシット(6価アルコール)及び/又はペンチット(5価アルコール)
を含有する医薬組成物でもある。
【0047】
本発明の主題は、
(a)活性成分としてのプレガバリン、及び
(b)医薬補助物質としてのポリアクリレート
を含有する医薬組成物でもある。
【0048】
本発明の文脈の中で、医薬組成物という用語は、活性成分(プレガバリン)と補助物質の間の混合物(特に、密接した混合物)が存在することを意味すると理解されるべきであることが好ましい。このことは、使用される補助物質が、活性成分と直接接触していることを意味する。したがって、医薬組成物は、活性成分と補助物質の間で接触している混合物の形態で存在する。
【0049】
したがって、例えば、プレガバリンが、ポリマーでカプセル化されており、カプセル剤が、ヘキシットマトリックスに包埋されている場合の組成物は、プレガバリンとヘキシットの間に直接的接触が存在しないことから、本出願の主題に入らないことが好ましい。
【0050】
さらに、「医薬組成物」という用語は、それが、例えば、錠剤又はカプセル剤の形態で、患者に投与するのに適している組成物であることを意味すると理解されるべきである。この用語は、それが、投与に適さないが、例えば、安定性試験のためだけに使用される粉末を含むことを意味すると理解されるべきではない。
【0051】
「本質的に糖類を含まない」及び「プレガバリンは別として、それ以外のアミノ酸を含まない」という表現は、医薬組成物それ自体に関することであることにも留意するべき必要がある。これらの表現は、例えば、本発明による医薬組成物それ自体から圧縮された錠剤が、糖類を含有するフィルムでコーティングされる、又はアミノ酸を含有するカプセル中に導入されるという可能性を排除するものではない。
【0052】
医薬組成物は、固体組成物である。本発明による医薬組成物は、特に、錠剤又はカプセル剤の形態で存在する。或いは、本発明による医薬組成物は、再調製用の乾燥粉末の形態で存在することもできる。
【0053】
本発明による組成物は、一般的に、組成物の総重量を基準として、プレガバリン10〜90重量%を含有する。本発明による組成物は、プレガバリン20〜80重量%を含有することが好ましい。
【0054】
プレガバリンの量は、提供品の形態に左右されることがある。
【0055】
それが、プレガバリン80mgまでの錠剤及びカプセル剤からなる範囲で、それらは、医薬組成物の総重量を基準として、プレガバリン10〜50重量%、より好ましくは、プレガバリン20〜30重量%、特に、プレガバリン25重量%を含有することが好ましい。
【0056】
プレガバリン80mg超の錠剤又はカプセル剤が関わる範囲で、それらは、医薬組成物の総重量を基準として、プレガバリン40〜90重量%、より好ましくは、プレガバリン60〜85重量%、特に、プレガバリン70〜80重量%を含有することが好ましい。
【0057】
さらに、本発明による組成物は、一般的に、組成物の総重量を基準として、医薬補助物質(b)10〜90重量%を含有する。本発明による組成物は、医薬補助物質(b)40〜80重量%を含有することが好ましい。
【0058】
成分(b)として、一方では、アルカリ土類リン酸塩、他方では、ヘキシット及び/又はペンチットの混合物を使用することも好ましい。好ましくは、一方では、アルカリ土類リン酸塩10〜90重量%、他方では、ヘキシット及び/又はペンチット10〜90重量%、より好ましくは、一方では、アルカリ土類リン酸塩20〜80重量%、他方では、ヘキシット及び/又はペンチット20〜80重量%が使用され、さらにより好ましくは、一方では、アルカリ土類リン酸塩30〜70重量%、他方では、ヘキシット及び/又はペンチット30〜70重量%が使用され、特に、一方では、アルカリ土類リン酸塩40〜60重量%、他方では、ヘキシット及び/又はペンチット40〜60重量%が使用される。
【0059】
リン酸カルシウムとマンニトールの混合物は、特に、上述の量比で使用されることが好ましい。リン酸カルシウムに関しては、好ましい実施形態に関する上記の説明が当てはまる。
【0060】
上述のアルカリ土類リン酸塩並びにヘキシット及び/又はペンチットは、本発明による組成物における充填剤として使用されることが好ましい。さらに、本発明による組成物は、結合剤、滑沢剤、崩壊剤及び融剤も含有することができる。
【0061】
適当な結合剤は、例えば、ポビドン、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ワックス又はそれらの混合物を含む。一般に、結合剤は、組成物の総重量を基準として、0〜30重量%、好ましくは、1〜10重量%の量で使用することができる。
【0062】
適当な滑沢剤は、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、タルカム又はそれらの混合物を含む。一般に、滑沢剤は、医薬組成物の総重量を基準として、0〜40重量%、好ましくは、1〜20重量%の量で使用することができる。
【0063】
好ましい実施形態において、タルカムが滑沢剤として使用される。タルカムは、医薬組成物の総重量を基準として、2〜25重量%、特に、4〜20重量%の量で使用されることが好ましい。
【0064】
他の好ましい実施形態において、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が滑沢剤として使用される。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は、医薬組成物の総重量を基準として、0.1〜5重量%、特に、1〜2重量%の量で使用されることが好ましい。この実施形態は、生物学的利用能に関して特に有利であることが予想外に判明した。
【0065】
他の好ましい実施形態において、ステアリン酸マグネシウムが滑沢剤として使用される。ステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の総重量を基準として、1〜10重量%、特に、2〜5重量%の量で使用されることが好ましい。
【0066】
融剤として、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ワックス、アルミノケイ酸塩、パルミチン酸、ステアリルアルコール及び二酸化ケイ素を使用することが可能である。二酸化ケイ素、特に、高分散二酸化ケイ素は、融剤として特に好ましい。適当な融剤は、通常、「Aerosil」の商品名で販売されている。融剤は、通常、医薬組成物の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは、0.2〜10、特に、0.5〜5重量%の量で使用される。
【0067】
二酸化ケイ素、特に、高分散二酸化ケイ素が融剤として使用される範囲で、これは、医薬組成物の総重量を基準として、0.5〜2重量%の量で使用されることが特に好ましい。
【0068】
融剤は、特に、本発明による医薬組成物が、錠剤を製造するために使用される場合に使用される。さらに、融剤の添加は、特に、成分(b)が、リン酸カルシウムを含有する場合に好ましい。「リン酸カルシウム」という表現は、この場合に、上記に記載されているリン酸カルシウムのすべての形態に関する。
【0069】
崩壊剤は、例えば、ベントナイト、ピロリドン、ポビドン、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン及びそれらの混合物を含む。好ましい崩壊剤は、ベントナイト、ピロリドン、ポビドン、ポリビニルピロリドン及びそれらの混合物である。特に好ましい崩壊剤は、Kolidon(登録商標)、Kolidon VA(登録商標)、Kolidon CL(登録商標)である。
【0070】
本発明による組成物は、カプセル、錠剤、ペレット又は再調製用の乾燥粉末として存在することができることが好ましい。したがって、本発明の主題は、本発明による組成物を含有するカプセル、錠剤、ペレット又は再調製用の乾燥粉末も含む。錠剤にとって好ましい実施形態は、IR錠剤、マイクロ錠剤、ER錠剤及び口腔内で崩壊する錠剤である。
【0071】
本発明による組成物が、再調製用の乾燥粉末として存在する範囲で、これは、組成物の総重量を基準として、ポリアクリレート40〜60重量%、特に、ポリアクリレート約50重量%を含有することが好ましい。
【0072】
本発明は、多数の実施形態を含む。基本的に、本発明は、記載されている好ましい実施形態のすべての組合せ、例えば、好ましい医薬補助物質と好ましいプレガバリン粒径及び好ましい提供物の形態の組合せも含む。
【0073】
以下に、特に好ましい組合せをもう一度提示する:
プレガバリン+リン酸カルシウム;
微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム;
プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
プレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
錠剤の形態のプレガバリン+リン酸カルシウム;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム;
錠剤の形態のプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
錠剤の形態のプレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
錠剤の形態のプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
カプセルの形態のプレガバリン+リン酸カルシウム;
カプセルの形態の微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム;
カプセルの形態のプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
カプセルの形態の微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
カプセルの形態のプレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
カプセルの形態の微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
カプセルの形態のプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
カプセルの形態の微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
プレガバリン+マンニトール;
微粉化プレガバリン+マンニトール;
プレガバリン+マンニトール+SDS;
微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS;
プレガバリン+マンニトール+融剤;
微粉化プレガバリン+マンニトール+融剤;
プレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
錠剤の形態のプレガバリン+マンニトール;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+マンニトール;
錠剤の形態のプレガバリン+マンニトール+SDS;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS;
錠剤の形態のプレガバリン+マンニトール+融剤;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+マンニトール+融剤;
錠剤の形態のプレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
カプセルの形態のプレガバリン+マンニトール;
カプセルの形態の微粉化プレガバリン+マンニトール;
カプセルの形態のプレガバリン+マンニトール+SDS;
カプセルの形態の微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS;
カプセルの形態のプレガバリン+マンニトール+融剤;
カプセルの形態の微粉化プレガバリン+マンニトール+融剤;
カプセルの形態のプレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
カプセルの形態の微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム;
平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム;
平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+融剤;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+リン酸カルシウム+SDS+融剤;
平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール;
平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール;
平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+SDS;
平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS;
平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+融剤;
平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール+融剤;
平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+SDS;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+融剤;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール+融剤;
錠剤の形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
錠剤の形態の微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+SDS;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+融剤;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール+融剤;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmのプレガバリン+マンニトール+SDS+融剤;
カプセルの形態の平均粒径が>5μmの微粉化プレガバリン+マンニトール+SDS+融剤。
【0074】
したがって、本発明の主題は、医薬プレガバリン製剤を製造するためのアルカリ土類リン酸塩の使用からもなる。
【0075】
さらに、本発明の主題は、医薬プレガバリン製剤を製造するためのペンチット及び/又はヘキシットの使用からなる。
【0076】
最後に、本発明の主題は、医薬プレガバリン製剤、特に、再調製用のプレガバリン乾燥粉末を製造するためのポリアクリレートの使用からなる。
【0077】
本発明による応用例については、本発明による医薬組成物に関する好ましい実施形態に関する上記の説明が当てはまる。
【0078】
本発明を、以下の図面及び実施例により例示する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】溶解プロファイルを示す図である。
【図2】XRPD分析の結果を示す図である。
【図3】溶解プロファイルを示す図である。
【図4】XRPD分析の結果を示す図である。
【図5】溶解プロファイルを示す図である。
【図6】XRPD分析の結果を示す図である。
【実施例】
【0080】
(実施例1)
リン酸カルシウム無水物を含有するプレガバリンカプセル剤。平均粒径>5μm:
番号 物質 機能 [mg]
1 プレガバリン API 25
2 リン酸水素カルシウム無水物 充填剤 55
3 タルカム 滑沢剤 20
4 合計 100.00
【0081】
最初に、活性成分であるプレガバリン及びリン酸カルシウム無水物を秤量し、混合した。続いて、滑沢剤の添加及び再混合を行った。0.5mmのふるいに通してふるいにかけた後に、混合物をさらに10分にわたって混合した。続いて、組成物をカプセル(カプセルサイズ4)に導入した。
【0082】
混合装置:Turbula T10B、30rpm
目標重量(API):25.00mg/カプセル
目標重量(1カプセル当たり):100.00mg
API Potency:99.64%
バッチサイズ:300カプセル
【0083】
カプセル剤及び基準製品のLyrica(登録商標)25mgを、4週にわたって60℃にて(ストレス安定性試験)及び12週にわたって75%の相対大気湿度で40℃にて保存した。
【0084】
リン酸水素カルシウム無水物を使用したLot ALV07081AL5及びEmcompress無水リン酸水素カルシウムを使用したLot ALV07129AL6の2つの異なる化学等級を有する2つの異なるロットを保存した。
【0085】
表1:Lot ALV07081AL5 4週にわたる60℃における保存
【表1】


n/d−検出されず
【0086】
表2:Lot ALV07081AL5 12週にわたる75%の相対大気湿度で40℃における保存。
【表2】


n/d−検出されず
【0087】
含水量、プレガバリン含量及び光学純度は、保存中に安定であった。
【0088】
表3:Lot ALV07129AL6 12週にわたる75%の相対大気湿度で40℃における保存。
【表3】


n/d−検出されず
【0089】
含水量、プレガバリン含量及び光学純度は、保存中に安定であった。
【0090】
図1は、ロットALV071291AL6の初期及び12週にわたって75%の相対大気湿度で40℃において保存した後の溶解プロファイルを示している。
【0091】
条件:0.1N HCl 500mL;pH1.1;37℃;50rpmパドル(USP app.II)
【0092】
溶解プロファイルの有意な変化は保存後に観察できなかった。
【0093】
結晶構造に対する保存の影響を、XRPDにより分析した。結果を、図2として提示される表に示す(ロットALV07129AL6のXRPD)。
【0094】
(実施例1a)
カプセル剤は、混合物にSDS(2重量%)を添加して実施例1と同様に製造する。
【0095】
(実施例1b)
微粉化
カプセル剤は、平均粒径が5μmのプレガバリンを使用して実施例1と同様に製造する。リン酸水素カルシウム無水物を使用した(ALV07081AL6)。
【0096】
表4:Lot ALV07081AL6 4週にわたる60℃における保存
【表4】


n/d−検出されず
【0097】
含水量、プレガバリン含量及び光学純度は、保存中に安定であった。
【0098】
表5:Lot ALV07081AL6 12週にわたる75%の相対大気湿度で40℃における保存。
【表5】


n/d−検出されず
【0099】
含水量、プレガバリン含量及び光学純度は、保存中に安定であった。
【0100】
(実施例1c)
融剤
カプセル剤は、混合物に高分散二酸化ケイ素1重量%をさらに添加して実施例1と同様に製造する。
【0101】
(実施例2)
マンニトールを含有するプレガバリンカプセル剤;平均粒径>5μm:
実施例1に沿って、以下の成分をカプセルに加工する:
番号 物質 機能 [mg]
1 プレガバリン API 25
2 マンニトール 充填剤 55
3 タルカム 滑沢剤 20
4 合計 100.00
【0102】
表6:Lot ALV07081AL1 4週にわたる60℃における保存
【表6】


n/d−検出されず
【0103】
含水量、プレガバリン含量及び光学純度は、保存中に安定であった。
【0104】
表7:Lot ALV07081AL1 12週にわたる75%の相対大気湿度で40℃における保存。
【表7】


n/d−検出されず
【0105】
含水量、プレガバリン含量及び光学純度は、保存中に安定であった。
【0106】
ロットALV07129AL3を製造するために、マンニトールDC400を使用した。
【0107】
表8:Lot ALV07129AL3 12週にわたる75%の相対大気湿度で40℃における保存。
【表8】


n/d−検出されず
【0108】
図3は、ロットALV07129AL3の初期及び12週にわたって75%の相対大気湿度で40℃において保存した後の溶解プロファイルを示している。
条件::0.1N HCl 500mL;pH1.1;37℃;50rpmパドル(USP app.II)
【0109】
溶解プロファイルの有意な変化は保存後に観察できなかった。
【0110】
結晶構造に対する保存の影響を、XRPDにより分析した。結果を、図4による表に示す(ロットALV07129AL3のXRPD)。
【0111】
(実施例2a)
カプセル剤は、混合物にSDS(2重量%)を添加して実施例2と同様に製造する。
【0112】
(実施例2b)
微粉化
カプセル剤は、平均粒径が5μmのプレガバリンを使用して実施例2と同様に製造する。
【0113】
ロットALV07081AL2を製造するために、マンニトールSD200を使用した。
【0114】
表9:Lot ALV07081AL2 4週にわたる60℃における保存
【表9】


n/d−検出されず
【0115】
含水量、プレガバリン含量及び光学純度は、保存中に安定であった。
【0116】
表10:Lot ALV07081AL2 12週にわたる75%の相対大気湿度で40℃における保存。
【表10】


n/d−検出されず
【0117】
図5は、ロットALV07081AL2の初期及び12週にわたって75%の相対大気湿度で40℃において保存した後の溶解プロファイルを示している。
条件::0.1N HCl 500mL;pH1.1;37℃;50rpmパドル(USP app.II)
【0118】
溶解プロファイルの有意な変化は保存後に観察できなかった。
【0119】
結晶構造に対する保存の影響を、XRPDにより分析した。結果を、図6として提示される表に示す(ロットALV07081AL2のXRPD)。
【0120】
ロットALV07129AL2を製造するために、マンニトールDC400を使用した。
【0121】
表11:Lot ALV07129AL2 4週にわたる60℃における保存。
【表11】


n/d−検出されず
【0122】
含水量、プレガバリン含量及び光学純度は、保存中に安定であった。
【0123】
(実施例3)
リン酸カルシウム無水物を含有する迅速放出錠剤(IRT):
番号 物質 機能 [mg]
1 プレガバリン API 50
2 リン酸水素カルシウム無水物 充填剤 100
3 Kollidon CL 崩壊剤 10
4 タルカム 滑沢剤 35
5 ステアリン酸マグネシウム 滑沢剤 5
6 合計 200.00
【0124】
活性成分、Kollidon CL及びリン酸水素カルシウム無水物を秤量し、混合した。滑沢剤を添加し、再び混合した。続いて、錠剤を圧縮した。
【0125】
(実施例3a)
錠剤は、混合物にSDS(2重量%)を添加して実施例3と同様に製造する。
【0126】
(実施例3b)
微粉化
錠剤は、平均粒径が5μmのプレガバリンを使用して実施例3と同様に製造する。
【0127】
(実施例3c)
融剤
錠剤は、混合物に高分散二酸化ケイ素1重量%をさらに添加して実施例3と同様に製造する。
【0128】
(実施例4)
マンニトールを含有する迅速放出錠剤(IRT):
実施例3に記載されているように、以下の成分を錠剤に加工する:
番号 物質 機能 [mg]
1 プレガバリン API 50
2 マンニトール 充填剤 100
3 Kollidon CL 崩壊剤 10
4 タルカム 滑沢剤 35
5 ステアリン酸マグネシウム 滑沢剤 5
6 合計 200.00
【0129】
(実施例5)
遅延放出錠剤(マトリックス錠剤−ERT)
番号 物質 機能 [mg]
1 プレガバリン API 50
2 リン酸水素カルシウム×2HO 充填剤 140
3 タルカム 滑沢剤 8
4 ステアリン酸マグネシウム 滑沢剤 5
5 合計 203.00
【0130】
活性成分及びリン酸水素カルシウム×2HOを秤量し、混合した。滑沢剤を添加し、再び混合した。続いて、混合物を圧縮し、錠剤を成形した。
【0131】
(実施例5a)
錠剤は、混合物にSDS(2重量%)を添加して実施例5と同様に製造する。
【0132】
(実施例5b)
融剤
遅延放出錠剤は、混合物に高分散二酸化ケイ素1重量%をさらに添加して実施例5と同様に製造する。
【0133】
(実施例6)
遅延放出錠剤(マトリックス錠剤−ERT)
実施例5に記載されているように、以下の成分を錠剤に加工する:
番号 物質 機能 [mg]
1 プレガバリン API 50
2 リン酸水素カルシウム無水物 充填剤 140
3 タルカム 滑沢剤 8
4 ステアリン酸マグネシウム 滑沢剤 5
5 合計 203.00
【0134】
(実施例6a)
融剤
遅延放出錠剤は、混合物に高分散二酸化ケイ素1重量%をさらに添加して実施例6と同様に製造する。
【0135】
(実施例7)
口腔内で崩壊する錠剤(ODT):
番号 物質 機能 [mg]
1 プレガバリン API 50
2 ケイ酸カルシウム 充填剤 35
3 マンニトール 充填剤 96
4 Kollidon CL 崩壊剤 16
5 ステアリン酸マグネシウム 滑沢剤 3
6 合計 200.00
【0136】
活性成分、ケイ酸カルシウム、マンニトール及びKollidon CLを秤量し、混合した。滑沢剤を添加し、再び混合した。続いて、混合物を圧縮し、錠剤を成形した。
【0137】
(実施例7a)
錠剤は、混合物にSDS(2重量%)を添加して実施例5と同様に製造する。
【0138】
(実施例8)
フィルムコーティング錠剤
フィルムコーティング錠剤は、ポビドンで実施例3〜6による錠剤コアをフィルムコーティングすることにより得られた。
【0139】
(実施例9)
胃液に対して抵抗性の錠剤:
胃液に対して抵抗性の錠剤は、Eudragit(登録商標)Lブランドでコーティングすることにより例示的製剤3〜6の錠剤コアを使用して得ることができる。
【0140】
(実施例10)
遅延性(redardative)錠剤:
遅延性錠剤は、Eudragit(登録商標)ブランド及びKollicoat(登録商標)ブランドでコーティングすることにより例示的製剤3〜6の錠剤コアを使用して得ることができる。
【0141】
(実施例11)
ペレット剤
プレガバリンペレット剤は、プレガバリン及びKollidon(登録商標)VA(ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー)で懸濁液を製造し、マンニトールペレット錠の上に懸濁液を噴霧することにより製造した。
【0142】
(実施例12)
顆粒剤:
プレガバリン顆粒剤は、プレガバリン、マンニトール及びKollidon(登録商標)VA64を顆粒化することにより製造した。
【0143】
(実施例13)
再調製用の乾燥粉末:
番号 物質 機能 [mg]
1 プレガバリン API 50
2 Carbopol(登録商標) 充填剤 50
3 合計 100.00
【0144】
活性成分及びCarbopol(登録商標)を混合した。続いて、バイアル中への充填を行った。
【0145】
(実施例13a)
再調製用の乾燥粉末は、混合物にSDS(2重量%)を添加して実施例13に従って製造する。
【0146】
(実施例13b)
微粉化
再調製用の乾燥粉末は、平均粒径が5μmのプレガバリンを使用して実施例13と同様に製造する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)活性成分としてのプレガバリン、及び
(b)1種又は数種の医薬補助剤
を含有する固体医薬組成物であって、
糖類を本質的に含まず、プレガバリンは別として、それ以外のアミノ酸を含まない医薬組成物。
【請求項2】
平均粒径が250μm未満であるプレガバリン粒子が、成分(a)として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
成分(b)が、アルカリ土類リン酸塩、好ましくは、リン酸カルシウムを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記リン酸カルシウムが、リン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO×2 HO)又はリン酸水素カルシウム無水物(CaHPO)であることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
成分(b)が、ペンチット及び/又はヘキシットを含有することを特徴とする、請求項1から4までの一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記ヘキシットが、マンニトールであることを特徴とする、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
アルカリ土類リン酸塩並びにペンチット及び/又はヘキシットの量が、医薬組成物の総重量を基準として、30〜90重量%、好ましくは、40〜80重量%であることを特徴とする、請求項3から6までの一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
成分(b)が、ポリアクリレートを含有することを特徴とする、請求項1から7までの一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
成分(b)が、界面活性物質、好ましくは、SDSを含有することを特徴とする、請求項1から8までの一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
請求項1から9までの一項に記載の医薬組成物を含有する錠剤、カプセル又は再調製用の乾燥粉末。
【請求項11】
医薬プレガバリン製剤を製造するためのアルカリ土類リン酸塩の使用。
【請求項12】
医薬プレガバリン製剤を製造するためのペンチット及び/又はヘキシットの使用。
【請求項13】
医薬プレガバリン製剤、特に、再調製用のプレガバリン乾燥粉末を製造するためのポリアクリレートの使用。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【公表番号】特表2010−524991(P2010−524991A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504536(P2010−504536)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003285
【国際公開番号】WO2008/128775
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509292939)ラシオファルム ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】