説明

プレゼンテーション支援システム、プレゼンテーション支援方法及びプログラム

【課題】所望の補足資料を参照しながら発表資料を容易に説明する。
【解決手段】発表資料格納部113に格納された発表資料用シートを視聴者用表示部103に表示し、該発表資料用シートと補足資料格納部114に格納された補足資料用シートとを発表者用表示部104に表示し、非同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が入力された場合、非同期ページ送り部122にて発表者用表示部104に表示する補足資料用シートのページ番号を更新し、同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が入力された場合、同期ページ送り部123にて視聴者用表示部103及び発表者用表示部104に表示する発表資料用シートのページ番号を更新すると共に、発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイやスクリーン等に表示された資料を参照しながら行われるプレゼンテーションを支援するためのプレゼンテーション支援システム、プレゼンテーション支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイやスクリーン等に表示された資料を参照しながらプレゼンテーションが行われる場面が多く見られる。このようなプレゼンテーションにおいては、当該プレゼンテーションを視聴する視聴者が参照するスクリーンまたはディスプレイとは別に、当該プレゼンテーションを行う発表者が参照するディスプレイが発表者の手元に設けられることが多い。この場合、発表者の手元に設けられたディスプレイに表示される画像は、視聴者が参照するスクリーンまたはディスプレイに表示される画像と同じものである。
【0003】
そのため、発表者は、以前に話した内容を確認したい場合、プレゼンテーション資料の表示されているページを前のページへ戻すことにより、視聴者が参照するスクリーンまたはディスプレイに表示されるページも前のページに戻ってしまう。また、表示されている資料を説明するために、発表者が手元に発表原稿等の補足資料を予め準備し、その補足資料を用いて確認したりする必要がある。
【0004】
そこで、発表者側に、上述したディスプレイ以外のディスプレイをさらに設け、設けられたディスプレイに説明資料等の補足資料を表示するシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−198835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムにおいては、発表者が参照するディスプレイ及び視聴者が参照するスクリーンまたはディスプレイに表示される発表資料と、発表者側に別個に設けられたディスプレイに表示される補足資料とが、同期して表示されてしまう。そのため、現在表示されている発表資料を説明するために参照する補足資料のページを変更すると、当該発表資料のページまでもが変更されてしまうという問題点がある。
【0006】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、所望の補足資料を参照しながら発表資料を容易に説明することができるプレゼンテーション支援システム、プレゼンテーション支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、
プレゼンテーションを行う発表者が参照する発表者用表示部と、当該プレゼンテーションを視聴する視聴者が参照する視聴者用表示部とを有する当該プレゼンテーションを支援するためのプレゼンテーション支援システムであって、
発表に用いる複数の発表資料用シートを予め格納する発表資料格納部と、
前記発表の補足説明に用いる複数の補足資料用シートを予め格納する補足資料格納部と、
前記複数の発表資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた発表資料用シートを前記発表資料格納部から読み出して前記視聴者用表示部に表示する視聴者用資料読み出し部と、
前記視聴者用資料読み出し部によって読み出された発表資料用シートを前記発表資料格納部から読み出し、前記複数の補足資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた補足資料用シートを前記補足資料格納部から読み出して、読み出した発表資料用シートと補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する発表者用資料読み出し部と、
外部から入力されたキー情報が、非同期ページ送りの指示であるか同期ページ送りの指示であるかを判断する入力キー判別部と、
前記入力されたキー情報が、前記入力キー判別部にて非同期ページ送りの指示であると判断された場合、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新する非同期ページ送り部と、
前記入力されたキー情報が、前記入力キー判別部にて同期ページ送りの指示であると判断された場合、前記視聴者用表示部及び前記発表者用表示部に表示する発表資料用シートのページ番号を更新すると共に、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を前記更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新する同期ページ送り部とを有する。
【0008】
また、前記補足資料用シートを透過させるシート透かし部と、
前記発表資料用シートと、前記シート透かし部にて透過した補足資料用シートとを合成して前記発表者用表示部に表示するシート合成部とを有することを特徴とする。
【0009】
また、プレゼンテーションを行う発表者が参照する発表者用表示部と、当該プレゼンテーションを視聴する視聴者が参照する視聴者用表示部と、当該プレゼンテーションに用いる資料の表示を制御する資料表示制御部とを有するプレゼンテーション支援システムにおいて、当該プレゼンテーションを支援するためのプレゼンテーション支援方法であって、
前記資料表示制御部が、予め格納された複数の発表資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた発表資料用シートを前記視聴者用表示部に表示する処理と、
前記資料表示制御部が、該発表資料用シートと、予め格納された複数の補足資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する処理と、
非同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が前記資料表示制御部に入力された場合、前記資料表示制御部が、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新する処理と、
同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が前記資料表示制御部に入力された場合、前記資料表示制御部が、前記視聴者用表示部及び前記発表者用表示部に表示する発表資料用シートのページ番号を更新すると共に、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を前記更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新する処理とを有する。
【0010】
また、前記資料表示制御部が、前記補足資料用シートを透過させる処理と、
前記資料表示制御部が、前記発表資料用シートと前記透過した補足資料用シートとを合成する処理と、
前記資料表示制御部が、前記合成した前記発表資料用シートと前記補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する処理とを有することを特徴とする。
【0011】
また、プレゼンテーションを行う発表者が参照する発表者用表示部と、当該プレゼンテーションを視聴する視聴者が参照する視聴者用表示部とを有するプレゼンテーション支援システムにおいて、当該プレゼンテーションを支援するためのプログラムであって、
予め格納された複数の発表資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた発表資料用シートを前記視聴者用表示部に表示する手順と、
該発表資料用シートと、予め格納された複数の補足資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する手順と、
非同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が入力された場合、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新する手順と、
同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が入力された場合、前記視聴者用表示部及び前記発表者用表示部に表示する発表資料用シートのページ番号を更新すると共に、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を前記更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新する手順とをコンピュータに実行させる。
【0012】
また、前記補足資料用シートを透過させる手順と、
前記発表資料用シートと前記透過した補足資料用シートとを合成する手順と、
前記合成した前記発表資料用シートと前記補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
上記のように構成された本発明においては、視聴者用資料読み出し部にて発表資料格納部から複数の発表資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた発表資料用シートが読み出されて視聴者用表示部に表示され、発表者用資料読み出し部にて視聴者用資料読み出し部によって読み出された発表資料用シートが発表資料格納部から読み出され、補足資料格納部から複数の補足資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた補足資料用シートが読み出され、読み出された発表資料用シートと補足資料用シートとが発表者用表示部に表示され、外部から入力されたキー情報が非同期ページ送りの指示であるか同期ページ送りの指示であるかが入力キー判別部にて判断され、外部から入力されたキー情報が非同期ページ送りの指示であると判断された場合、非同期ページ送り部にて発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号が更新され、外部から入力されたキー情報が同期ページ送りの指示であると判断された場合、同期ページ送り部にて視聴者用表示部及び発表者用表示部に表示する発表資料用シートのページ番号が更新されると共に、発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号が更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新される。
【0014】
これにより、発表者は発表者用画面上に所望の補足資料用シートが表示されるため、容易に、かつ視聴者に知られずに前後のページの資料を参照することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明においては、予め格納された複数の発表資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた発表資料用シートを視聴者用表示部に表示し、該発表資料用シートと予め格納された複数の補足資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた補足資料用シートとを発表者用表示部に表示し、非同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が入力された場合、発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新し、同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が入力された場合、視聴者用表示部及び発表者用表示部に表示する発表資料用シートのページ番号を更新すると共に、発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新する構成としたため、所望の補足資料を参照しながら発表資料を容易に説明することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明のプレゼンテーション支援システムの実施の一形態を示す図である。
【0018】
本形態は図1に示すように、資料作成格納部101と、資料表示制御部102と、視聴者用表示部103と、発表者用表示部104と、キー入力部105とから構成されている。
【0019】
資料作成格納部101は、プレゼンテーションに使用される資料を作成し、作成した資料を発表するための発表資料と補足説明に用いるための補足資料とに分けて格納する。
【0020】
さらに資料作成格納部101には、入力部110と、表示部111と、資料作成部112と、発表資料格納部113と、補足資料格納部114と、ページ番号情報格納部115とが設けられている。
【0021】
入力部110は、資料を作成するための情報が入力される。
【0022】
表示部111は、入力部110から入力された情報や発表資料格納部113、補足資料格納部114及びページ番号情報格納部115に格納された情報を表示する。
【0023】
資料作成部112は、入力部110から入力された情報に基づいて、プレゼンテーションに使用されるシートを作成する。ここでシートとは、プレゼンテーションに使用される資料の各ページである。
【0024】
発表資料格納部113は、資料作成部112にて作成されたシートのうち、発表するための発表資料用シートを格納する。
【0025】
補足資料格納部114は、資料作成部112にて作成されたシートのうち、補足説明に用いるための補足資料用シートを格納する。
【0026】
ページ番号情報格納部115は、発表資料格納部113に格納されている発表資料用シートと補足資料格納部114に格納されている補足資料用シートとそれらに付与されたページ番号とを対応付けて格納する。
【0027】
また、資料表示制御部102は、キー入力部105から入力された情報に基づいて、資料作成格納部101に格納されているシートの視聴者用表示部103及び発表者用表示部104への表示を制御する。
【0028】
さらに資料表示制御部102には、入力キー判別部121と、非同期ページ送り部122と、同期ページ送り部123と、視聴者用資料読み出し部124と、発表者用資料読み出し部125と、シート透かし部126と、シート合成部127とが設けられている。
【0029】
入力キー判別部121は、キー入力部105から入力された情報を判別する。
【0030】
非同期ページ送り部122は、入力キー判別部121にて判別された情報に基づいて、発表者用資料読み出し部125へ発表者用資料の読み出しを指示する。ここで発表者用資料は、発表資料格納部113に格納されている発表資料用シート及び補足資料格納部114に格納されている補足資料用シートである。
【0031】
同期ページ送り部123は、入力キー判別部121にて判別された情報に基づいて、視聴者用資料読み出し部124へ視聴者用資料の読み出しを指示し、また発表者用資料読み出し部125へ発表者用資料の読み出しを指示する。ここで視聴者用資料は、発表資料格納部113に格納されている発表資料用シートである。
【0032】
視聴者用資料読み出し部124は、同期ページ送り部123からの指示に基づいて、発表資料格納部113から発表資料用シートを読み出す。
【0033】
発表者用資料読み出し部125は、非同期ページ送り部122及び同期ページ送り部123からの指示に基づいて、発表資料格納部113から発表資料用シートを、また補足資料格納部114から補足資料用シートを読み出す。
【0034】
シート透かし部126は、発表者用資料読み出し部125によって読み出された補足資料用シートを従来のシート透かし技術を用いて透過させる。
【0035】
シート合成部127は、発表者用資料読み出し部125によって読み出された発表資料用シートとシート透かし部126にて透過された補足資料用シートとを合成する。
【0036】
また、視聴者用表示部103は、視聴者用資料読み出し部124によって読み出された発表資料用シートを視聴者用資料として表示する。プレゼンテーションを視聴する視聴者は、視聴者用表示部103を参照しながら当該プレゼンテーションを視聴する。
【0037】
発表者用表示部104は、シート合成部127によって合成されたシートを発表者用資料として表示する。プレゼンテーションを行う発表者は、発表者用表示部104を参照しながら当該プレゼンテーションを進める。
【0038】
キー入力部105からは、視聴者用表示部103及び発表者用表示部104への資料の表示を制御するための情報が入力される。
【0039】
なお、視聴者用表示部103及び発表者用表示部104は、一般的なディスプレイで良い。
【0040】
以下に、図1に示したプレゼンテーション支援システムにおけるプレゼンテーション支援方法について説明する。まずは、図1に示した資料作成格納部101における処理について説明する。
【0041】
図2は、図1に示したプレゼンテーションシステムにおけるプレゼンテーション支援方法のうち、資料作成格納部101における処理を説明するためのフローチャートである。
【0042】
まず、発表者等の資料作成者が入力部110から資料を作成するための情報を入力して資料を作成すると(ステップS1)、作成された資料が発表資料であるかどうかが判断される(ステップS2)。ここで、資料の作成方法については従来と同様でかまわない。例えば、一般的に使用されているプレゼンテーション用のソフトウェアを用いて入力するものであっても良いし、任意のサイトをダウンロードして作成するものであっても良い。また、ステップS2の処理は、例えば、ステップS1にて資料が作成される際に、当該資料が発表資料であるかどうかを示す識別情報を当該資料の所定の位置に示しておき、その識別情報が資料作成部112によって識別され、当該資料が発表資料であるかどうかが判断されるものであっても良く、その方法についてはここでは特に限定しない。
【0043】
ステップS2にて、作成された資料が発表資料であると判断された場合、資料作成部112にて当該資料のオブジェクトが発表資料用シート上に作成される(ステップS3)。このとき、発表資料用シートに当該発表資料用シートを識別することが可能な識別情報(インデックス等)が付与される。
【0044】
そして、作成された発表資料用シートが発表資料格納部113に格納される(ステップS4)。
【0045】
一方、ステップS2にて、作成された資料が発表資料ではないと判断された場合は、資料作成部112にて当該資料のオブジェクトが補足資料用シート上に作成される(ステップS5)。このとき、補足資料用シートに当該補足資料用シートを識別することが可能な識別情報(インデックス等)が付与される。
【0046】
そして、作成された補足資料用シートが補足資料格納部114に格納される(ステップS6)。
【0047】
ステップS4またはステップS6の処理の後、ページ番号情報格納部115に格納されているページ番号情報が更新される(ステップS7)。
【0048】
図3は、図1に示したページ番号情報格納部115に格納されているページ番号情報の一例を示す図である。
【0049】
図1に示したページ番号情報格納部115に格納されているページ番号情報は図3に示すように、発表資料用シートの識別情報と、当該発表資料用シートを説明する際に補足資料として必要である補足資料用シートの識別情報とが対応付けられており、それぞれの対応付けにページ番号が割り振られている。例えば、発表資料用シート識別情報が「A」である発表資料用シートに対応する補足資料用シートは、無いことがページ番号「1」で格納されている。また、発表資料用シート識別情報が「B」である発表資料用シートに対応する補足資料用シートは、補足資料用シート識別情報が「α」である補足資料用シートであることがページ番号「2」で格納されている。また、発表資料用シート識別情報が「C」である発表資料用シートに対応する補足資料用シートは、補足資料用シート識別情報が「β」である補足資料用シートであることがページ番号「3」で格納されている。また、発表資料用シート識別情報が「D」である発表資料用シートに対応する補足資料用シートは、無いことがページ番号「4」で格納されている。また、発表資料用シート識別情報が「E」である発表資料用シートに対応する補足資料用シートは、補足資料用シート識別情報が「γ」である補足資料用シートであることがページ番号「5」で格納されている。これらのページ番号情報は、発表資料用シートが発表資料格納部113に格納された後、または補足資料用シートが補足資料格納部114に格納された後に、登録または更新されるものである。具体的には、ページ番号情報が表示部111に表示され、入力部110から入力された情報に基づいて、登録または更新が行われるものである。
【0050】
その後、作成すべき資料が他にあるかどうかが判断され(ステップS8)、ある場合はステップS1の処理が行われる。ここで、作成すべき資料が他にあるかどうかを判断するには、作成すべき資料が他にあるかどうかを示す情報(1ビットで良い)が、入力部110から入力され、入力された情報が検出されることによって行われるもので良い。例えば、「作成すべき資料が他にありますか?」という質問を表示部111に表示させ、入力部110から入力される回答に基づいて判断するものであっても良い。
【0051】
次に、図1に示した資料表示制御部102における処理について説明する。
【0052】
図4は、図1に示したプレゼンテーションシステムにおけるプレゼンテーション支援方法のうち、資料表示制御部102における処理を説明するためのフローチャートである。ここで、「X」は、視聴者用表示部103及び発表者用表示部104に現在表示されている発表資料用シートに対応付けられたページ番号であり、また「Y」は、発表者用表示部104に現在表示されている補足資料用シートに対応付けられたページ番号である。
【0053】
視聴者用表示部103及び発表者用表示部104にそれぞれ資料が表示され、キー入力部105からキー入力が行われると(ステップS11)、入力されたキーが「a」であるかどうかが入力キー判別部121によって判断される(ステップS12)。
【0054】
入力されたキーが「a」であると入力キー判別部121によって判断された場合、同期ページ送り部123によって、読み出す発表資料用シート及び補足資料用シートのページ番号が(X+1)に決定される(ステップS13)。つまり、表示される発表資料用シート及び補足資料用シートのページ番号が、現在表示されている発表資料用シート及び補足資料用シートのページ番号に1を加算したページ番号に更新されることとなる。
【0055】
一方、ステップS12にて、入力されたキーが「a」ではないと判断された場合は、入力されたキーが「b」であるかどうかが入力キー判別部121によって判断される(ステップS14)。
【0056】
入力されたキーが「b」であると入力キー判別部121によって判断された場合、同期ページ送り部123によって、読み出す発表資料用シート及び補足資料用シートのページ番号が(X−1)に決定される(ステップS15)。つまり、表示される発表資料用シート及び補足資料用シートのページ番号が、現在表示されている発表資料用シート及び補足資料用シートのページ番号から1を減算したページ番号に更新されることとなる。
【0057】
ステップS13またはステップS15にて、読み出す発表資料用シートのページ番号が決定されると、当該ページ番号の発表資料用シートが視聴者用資料として視聴者用表示部103に表示される(ステップS16)。
【0058】
図5は、ステップS16の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0059】
同期ページ送り部123によって決定されたページ番号が、視聴者用資料読み出し部124にて認識される(ステップS31)。視聴者用資料読み出し部124によって当該ページ番号に該当する発表資料用シートの識別情報がページ番号情報格納部115から読み出されることによって、当該ページ番号の発表資料用シートが認識される。そして、発表資料格納部113に格納されている発表資料用シートの中から当該ページ番号の発表資料用シートが視聴者用資料読み出し部124によって読み出される(ステップS32)。
【0060】
視聴者用資料読み出し部124によって読み出された発表資料用シートが視聴者用資料として視聴者用表示部103に表示される(ステップS33)。
【0061】
一方、ステップS14にて、入力されたキーが「b」ではないと判断された場合は、入力されたキーが「c」であるかどうかが入力キー判別部121によって判断される(ステップS17)。
【0062】
入力されたキーが「c」であると入力キー判別部121によって判断された場合、非同期ページ送り部122によって、読み出す補足資料用シートのページ番号が(Y+1)に決定される(ステップS18)。つまり、表示される補足資料用シートのページ番号が、現在表示されている補足資料用シートのページ番号に1を加算したページ番号に更新されることとなる。
【0063】
一方、ステップS17にて、入力されたキーが「c」ではないと判断された場合は、入力されたキーが「d」であるかどうかが入力キー判別部121によって判断される(ステップS19)。
【0064】
入力されたキーが「d」であると入力キー判別部121によって判断された場合、非同期ページ送り部122によって、読み出す補足資料用シートのページ番号が(Y−1)に決定される(ステップS20)。つまり、表示される補足資料用シートのページ番号が、現在表示されている補足資料用シートのページ番号から1を減算したページ番号に更新されることとなる。
【0065】
ステップS13またはステップS15またはステップS18またはステップS20にて、読み出す補足資料用シートのページ番号が決定されると、当該ページ番号の補足資料用シートが発表者用資料として発表者用表示部104に表示される(ステップS21)。
【0066】
図6は、ステップS21の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0067】
同期ページ送り部123または非同期ページ送り部122によって決定されたページ番号が、発表者用資料読み出し部125にて認識される(ステップS41)。発表者用資料読み出し部125によって当該ページ番号に該当する発表資料用シートの識別情報と補足資料用シートの識別情報とがページ番号情報格納部115から読み出されることによって、当該ページ番号の発表資料用シートと補足資料用シートとが認識される。そして、発表資料格納部113に格納されている発表資料用シートの中の当該ページ番号の発表資料用シートが発表者用資料読み出し部125によって読み出される(ステップS42)。また、補足資料格納部114に格納されている補足資料用シートの中の当該ページ番号の補足資料用シートが発表者用資料読み出し部125によって読み出される(ステップS43)。
【0068】
発表者用資料読み出し部125によって読み出された補足資料用シートは、シート透かし部126によって、従来のシート透かし技術を用いて処理される(ステップS44)。この処理は、発表資料用シートと補足資料用シートとを合成した(重ね合わせた)際に、発表資料用シートに記載されている内容が認識可能な透明度に補足資料用シートが透かされるものであれば良い。
【0069】
そして、発表者用資料読み出し部125によって読み出された発表資料用シートとシート透かし部126にて透かされた補足資料用シートとがシート合成部127によって合成される(ステップS45)。
【0070】
シート合成部127によって合成されたシートが、発表者用表示部104に表示される(ステップS46)。
【0071】
一方、ステップS19にて、入力されたキーが「d」ではないと判断された場合は、処理は終了する。
【0072】
ここで、ステップS12,14,17及び19にてそれぞれの処理を判断するキーとして、それぞれ「a」、「b」、「c」及び「d」である場合を例に挙げて説明したが、これらはそれぞれの処理を識別可能な情報であれば他の任意の情報を用いるものであっても良い。それぞれの処理を判断するキーの情報については、入力キー判別部121または入力キー判別部121に接続された記憶部(不図示)に記憶されている。
【0073】
図7は、入力キー判別部121に記憶されているキー情報と処理内容との対応付けの一例を示す図である。
【0074】
図7に示すように、入力されるキー情報と当該キーが入力された場合の入力キー判別部121における処理内容とが対応付けられて記憶されている。図7に示した処理は、ステップS12,14,17及び19にてそれぞれ行われる処理である。
【0075】
なお、上述した処理では、表示する発表資料用シートまたは補足資料用シートの1ページごとの更新を指示するキーが設定された場合を例に挙げて説明したが、複数ページ数の更新を指示するキーを設けたものであってもかまわない。例えば、(X+2)や(Y+3)を指示するキーが設定されていても良い。
【0076】
なお、本発明においては、上述した機能を実現するためのプログラムをコンピュータとして動作する資料作成格納部101及び資料表示制御部102にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行するものであっても良い。コンピュータにて読取可能な記録媒体とは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、コンピュータに内蔵されたHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、例えば、コンピュータが有する制御部(不図示)にて読み込まれ、制御部の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。
【0077】
上述したように本発明においては、発表者は発表者用画面上に所望の補足資料用シートが表示されるため、容易に、かつ視聴者に知られずに前後のページの資料を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本発明のプレゼンテーション支援システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示したプレゼンテーションシステムにおけるプレゼンテーション支援方法のうち、資料作成格納部における処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示したページ番号情報格納部に格納されているページ番号情報の一例を示す図である。
【図4】図1に示したプレゼンテーションシステムにおけるプレゼンテーション支援方法のうち、資料表示制御部における処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】ステップS16の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図6】ステップS21の処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示した入力キー判別部に記憶されているキー情報と処理内容との対応付けの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
101 資料作成格納部
102 資料表示制御部
103 視聴者用表示部
104 発表者用表示部
105 キー入力部
110 入力部
111 表示部
112 資料作成部
113 発表資料格納部
114 補足資料格納部
115 ページ番号情報格納部
121 入力キー判別部
122 非同期ページ送り部
123 同期ページ送り部
124 視聴者用資料読み出し部
125 発表者用資料読み出し部
126 シート透かし部
127 シート合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレゼンテーションを行う発表者が参照する発表者用表示部と、当該プレゼンテーションを視聴する視聴者が参照する視聴者用表示部とを有する当該プレゼンテーションを支援するためのプレゼンテーション支援システムであって、
発表に用いる複数の発表資料用シートを予め格納する発表資料格納部と、
前記発表の補足説明に用いる複数の補足資料用シートを予め格納する補足資料格納部と、
前記複数の発表資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた発表資料用シートを前記発表資料格納部から読み出して前記視聴者用表示部に表示する視聴者用資料読み出し部と、
前記視聴者用資料読み出し部によって読み出された発表資料用シートを前記発表資料格納部から読み出し、前記複数の補足資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた補足資料用シートを前記補足資料格納部から読み出して、読み出した発表資料用シートと補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する発表者用資料読み出し部と、
外部から入力されたキー情報が、非同期ページ送りの指示であるか同期ページ送りの指示であるかを判断する入力キー判別部と、
前記入力されたキー情報が、前記入力キー判別部にて非同期ページ送りの指示であると判断された場合、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新する非同期ページ送り部と、
前記入力されたキー情報が、前記入力キー判別部にて同期ページ送りの指示であると判断された場合、前記視聴者用表示部及び前記発表者用表示部に表示する発表資料用シートのページ番号を更新すると共に、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を前記更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新する同期ページ送り部とを有するプレゼンテーション支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプレゼンテーション支援システムにおいて、
前記補足資料用シートを透過させるシート透かし部と、
前記発表資料用シートと、前記シート透かし部にて透過した補足資料用シートとを合成して前記発表者用表示部に表示するシート合成部とを有することを特徴とするプレゼンテーション支援システム。
【請求項3】
プレゼンテーションを行う発表者が参照する発表者用表示部と、当該プレゼンテーションを視聴する視聴者が参照する視聴者用表示部と、当該プレゼンテーションに用いる資料の表示を制御する資料表示制御部とを有するプレゼンテーション支援システムにおいて、当該プレゼンテーションを支援するためのプレゼンテーション支援方法であって、
前記資料表示制御部が、予め格納された複数の発表資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた発表資料用シートを前記視聴者用表示部に表示する処理と、
前記資料表示制御部が、該発表資料用シートと、予め格納された複数の補足資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する処理と、
非同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が前記資料表示制御部に入力された場合、前記資料表示制御部が、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新する処理と、
同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が前記資料表示制御部に入力された場合、前記資料表示制御部が、前記視聴者用表示部及び前記発表者用表示部に表示する発表資料用シートのページ番号を更新すると共に、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を前記更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新する処理とを有するプレゼンテーション支援方法。
【請求項4】
請求項3に記載のプレゼンテーション支援方法において、
前記資料表示制御部が、前記補足資料用シートを透過させる処理と、
前記資料表示制御部が、前記発表資料用シートと前記透過した補足資料用シートとを合成する処理と、
前記資料表示制御部が、前記合成した前記発表資料用シートと前記補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する処理とを有することを特徴とするプレゼンテーション支援方法。
【請求項5】
プレゼンテーションを行う発表者が参照する発表者用表示部と、当該プレゼンテーションを視聴する視聴者が参照する視聴者用表示部とを有するプレゼンテーション支援システムにおいて、当該プレゼンテーションを支援するためのプログラムであって、
予め格納された複数の発表資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた発表資料用シートを前記視聴者用表示部に表示する手順と、
該発表資料用シートと、予め格納された複数の補足資料用シートのうち任意のページ番号に対応付けられた補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する手順と、
非同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が入力された場合、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を更新する手順と、
同期ページ送りの指示に予め対応付けられたキー情報が入力された場合、前記視聴者用表示部及び前記発表者用表示部に表示する発表資料用シートのページ番号を更新すると共に、前記発表者用表示部に表示する補足資料用シートのページ番号を前記更新された発表資料用シートのページ番号と同じページ番号に更新する手順とをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記補足資料用シートを透過させる手順と、
前記発表資料用シートと前記透過した補足資料用シートとを合成する手順と、
前記合成した前記発表資料用シートと前記補足資料用シートとを前記発表者用表示部に表示する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−276440(P2008−276440A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118074(P2007−118074)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】