説明

プレートパレット内のプレート移動の制限

プレートスタック(112)を整列させ且つ所定位置において自動プレートローダ(100)内に挿入するための装置。プレートパレット(116)がプレートスタックを支持する。プレートパレットアダプタ(128)がプレートパレットを支持するよう構成され、プレートパレットアダプタに取り付けられる中心化素子(236,264)が、プレートパレットアダプタに対する中心位置においてプレートスタックを整列させる。案内ユニット(216,220,224,228,232,504,712)がプレートパレットアダプタに取り付けられ、プレートパレットに整列され且つプレートパレットアダプタを自動プレートローダ内に案内するよう構成される。1つの実施態様では、プレートパレットアダプタが所定位置に達したときに、プレートパレットアダプタ位置決めセンサ(268)が感知し且つ操作者に通知する(124)よう構成される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当初に梱包された(originally packed)印刷プレートパレットをプレートローダ装置の内側の精密な位置に適切に挿入する装置及び方法に関する。印刷プレートは、次に、ダイレクト刷版(computer-to-plate)画像化装置内に装填される。
【背景技術】
【0002】
様々なシステム及びアプリケーションが、金属、紙、プラスチック等から成り得るシート及びプレートの一方又は両方の積重ねを使用する。印刷プレート(以下、個々に或いは集合的に「プレート」と呼ぶ)は、典型的には、プレートパレット内に積み重ねられ、プレートパレットは、プレートを収容し、プレートの保護、輸送、及び、取扱いを容易化する。
【0003】
プレートを取り扱うためのシステムは、一般的には、特別な寸法を有するカセットを使用する。様々な大きさ(size)のプレートを収容するようカセットを設定し得るのが普通であるが、同じカセット内の全てのプレートは1つの大きさ(size)である。プレートをプレートスタック(プレート積重ね)から手で取り除き、プレート画像化システムによる使用のためにカセット内に挿入し得る。プレートスタック内のプレートは、中間紙シートによって分離される。以下、中間紙シートを分離紙と呼ぶ。
【0004】
プレートを収容するカセットは重く、嵩張る。そのようなカセットの移動は、特にプレートスタックからカセット内へのプレートの装填の間、複雑で高価な機構を必要とし、多大の時間を必要とする。プレート送りプロセス中にプレートの精密な位置を取得し且つ維持しながら、当初のプレートパレットから画像化装置内に直接的にプレートを送るための、自動で効率的な取扱いシステムの必要が広く認識されている。この必要は、同一出願人に譲渡された米国特許出願公開第2009/0224464号内に記載された発明によって対処されている。
【0005】
プレート製造業者から受け取るプレートスタックは、数百のプレートのスタック(積重ね)を含むことが多い。各プレートは、分離紙によって次のプレートから分離され、プレートの全スタックは、パレット上に配置される。パレットの上に位置付けられるプレートのスタックは、そのようにしてプレート装填システム内に挿入される。プレートのスタックは、プレートピックアップ機構がプレートスタックの特定の側と完全に整列され且つプレートスタックが中心化されるような方法で、プレート装填システム内に精密に挿入されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下に開示する本発明は、既述の問題に対する解決策を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
手短に言えば、本発明の1つの特徴によれば、プレートスタックを整列させ且つ所定位置においてプレートスタックを自動プレートローダ内に挿入する装置が、プレートスタックを支持するよう構成されるプレートパレットと、プレートパレットを支持するよう構成されるプレートパレットアダプタと、プレートスタックをプレートパレットアダプタに対する中心位置においてプレートスタックと整列させるよう構成されるプレートパレットアダプタに取り付けられる接続素子と、プレートパレット位置に対して整列され且つプレートパレットアダプタを自動プレートローダ内に案内するよう構成されるプレートパレットアダプタに取り付けられる案内ユニットとを含む。加えて、プレートパレットアダプタ位置決めセンサが自動プレートローダ内に構成され、プレートパレットアダプタが自動プレートローダ内に挿入されるとき、プレートパレットアダプタの所定位置への到達を感知し且つ通知するよう構成される。
【0008】
本発明のこれらの及び他の目的、機能、及び、利点は、本発明の例示的な実施態様を記載し且つ示す図面と共に考慮されるとき、以下の詳細な説明を判読した後、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】挿入される準備ができたプレートスタックを備える自動プレートローダに接続された画像化装置と共に構成される従来的なシステムを示す斜視図である。
【図1B】プレートパレット上のプレートスタックを備える従来技術のフォークリフトを示す斜視図である。
【図2】自動パレットローダ内に挿入されたプレートパレット上のプレートスタックを概略的に示す上面図である。
【図3】調節可能なリミッタを備えるプレートパレットアダプタを概略的に示す斜視図である。
【図4】リミッタ支持ビームに取り付けられたプレートパレットアダプタを概略的に示す上面図である。
【図5】プレートパレットアダプタを概略的に示す断面図である。
【図6】自動パレット装填システムを概略的に示す斜視図である。
【図7】ボールローラプレートパレットアダプタを備える自動プレートローダ内に挿入されたプレートパレット上のプレートスタックを概略的に示す上面図である。
【図8】平行四辺形に基づくプレートパレットアダプタ内に挿入されたプレートパレット上のプレートスタックを概略的に示す上面図である。
【図9】平行四辺形に基づくプレートパレットアダプタを概略的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は当初の製造形態にある印刷プレートのスタック(積重ね)を自動パレットローダ(APL)内に収容する装置及び方法に関する。印刷プレートは、コンピューター・トゥ・プレート(CTP)画像化装置内に導入されるべきAPL内のパレット上の印刷プレートのスタックから更に取り出される。
【0011】
図1Aは、APL100の典型的な構造を示しており、APL100は、画像化装置108に一列に接続され、それによって、APL100からのプレートは、接続プレートトレイ104を介して画像化装置108に供給される。
【0012】
図2は、プレートパレット116上に位置付けられたプレートスタック112を示している。プレートパレット116上に位置付けられたプレートスタック112は、プレート製造業者から単一体(ユニット)として供給される。プレートスタック112は、パレット116と共に、装填方向256からAPL100内に挿入される。APL100のいずれの側からもAPL100への進入地点を構成し得る。APL内に位置付けられるプレートスタック112は、好ましくは、APL100内のプレートピックアップ位置248と整列されるべきである。良好な整列(位置合わせ)を達成するために、プレートスタック112は、プレートパレット116と共に、APL100の外部でプレートパレットアダプタ128上に配置される。パレット整列リミッタ220が、案内ビーム組立体216に取り付けられる。案内ビーム組立体216は、1つの小面(facet)に沿ってプレートパレットアダプタ128に堅固に取り付けられる。プレートスタック112を背面から固定するために、背面リミッタ260が設けられる。
【0013】
プレートパレットアダプタ128は、パレットトラック120の上に位置付けられる。図1Bに示されるように、フォークリフト132が、プレートスタック112をプレートパレット116と共に持ち上げ、パレットトラック120の上に位置付けられるプレートパレットアダプタ128の上でプレートスタック112を保持する。正面整列リミッタ220がプレートスタック112の1つの面に完全に触れ、両方のリミッタ220に完全に整列されるまで、正面整列リミッタ220及びプレートパレットアダプタ128は、単一体(ユニット)としてプレートスタック112に向かって輸送される。加えて、プレートスタック112は、操作者によって、中央マーカ236と対称的に整列される。対称的な整列は、プレートスタック中心線264がプレート中心化マーク236と整列されることを確実にする。この時点で、フォークリフト132は、プレートスタック112をプレートパレット116と共にプレートパレットアダプタ128の表面の上に解放する。移動を防止し、且つ、プレートパレットアダプタ128がプレートスタック112と共にAPL100内に挿入されるときにプレートスタック112がAPLのプレートピックアップ位置248と完全に整列されることを保証するために、正面整列リミッタ220は、案内ビーム216と共に、プレートスタック112に向かって押され、スライド及びロック素子244が作動される。
【0014】
この段階で、プレートトラック120は、プレートパレットアダプタ128の上に位置付けられるプレートスタック112とプレートパレット116と共に、プレートパレットアダプタ128を支持する。プレートパレットアダプタ128の上に位置付けられるプレートスタック112及びプレートパレット116は、図1Aに示されるパレットトラック120によって押され、プレートパレットアダプタ128のローラ228を備える案内ビーム組立体216をモノレール240内に挿入することによって、APL100内に輸送される。アダプタ位置決めセンサ268がAPLシャーシ252に取り付けられる。アダプタ位置決めセンサ268は、操作者がプレートパレットアダプタ128をAPL100内に位置付けるのを助ける。アダプタ位置決めセンサ268は、パレット中心化マーク236を検出し、且つ、操作者ステータスパネル124の上にメッセージを表示して、プレートパレットアダプタ128の挿入を停止する。
【0015】
図3は、ローラ228で案内ビーム組立体216に取り付けられるプレートパレットアダプタ128の斜視図を示している。正面整列リミッタ220は、案内ビーム組立体216に取り付けられる。図3と同様に、図4は、案内ビーム組立体216に取り付けられたプレートパレットアダプタ128の上面図を示している。この図面は、プレートパレットアダプタ128と案内ビーム組立体216との間の垂直調節動作232も示している。
【0016】
図5は、プレートパレットアダプタ128の断面図を示している。従前の図面中に示された素子に加えて、図5は、スキッド(skid)504も示しており、パレットトラック120は、プレートパレットアダプタ128をAPL100内に案内するために、スキッド504内に挿入される。図6は、APL100の斜視図を示しており、そこでは、プレートパレット116の上でプレートスタック112を支持するプレートパレットアダプタ128は、APL100内に完全に挿入されている。
【0017】
図7は、図2に類似しているが、図7は、前述されたようなパレットトラックを使用することなく、プレートパレットアダプタ128に対するプレートスタック112の整列を容易化し得る素子を導入している。即ち、プレートスタック112をプレートパレット116の上に位置付けるための浮動ベース704が導入されている。浮動ベース704は、ボールローラに基づくような摺動表面又は空気軸受表面708を備えるプレートパレットアダプタ128の上に取り付けられている。正面整列リミッタ220は、一対の接続ビーム712によって案内ビーム組立体216に固定される。この構造は、プレートパレットアダプタ128のボールローラ表面708の上で浮動ベース704を移動することによって、プレートピックアップ位置248に対するプレートスタック112の手動の整列を可能にする。この発明の他の実施態様では、プレートパレットアダプタ248のために、調節可能な平行四辺形の着想が提示される。
【0018】
図8は、スキッド504、案内ビーム組立体216、正面整列リミッタ220、及び、リミッタビーム224が互いに平行な状態に留まること、プレートパレット116を備えるプレートスタック112に対して単一体(ユニット)として移動すること、及び、2つの平行な接続ビーム808によって接続されることを可能にし、且つ、平行四辺形構造800を創成する、調節手段を備えるプレートパレットアダプタ128を示している。図9に示されるように、平行四辺形構造800を、プレートパレットアダプタ128に対してY方向908に並びに角度912だけ調節可能であり、平行四辺形構造800は、調節の完了後、係止装置512によって係止される。プレートパレット116を固定するために、パレット正面バリア812が設けられる。
【符号の説明】
【0019】
100 自動プレートローダ(APL)装置 (automatic plate loader (APL) device)
104 接続プレートトレイ (connecting
plate tray)
108 コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)画像化装置 (computer-to-plate (CTP) imaging device)
112 プレートスタック (plate stack)
116 プレートパレット (plate pallet)
120 パレットトラック (pallet truck)
124 操作者ステータスパネル (operator status panel)
128 プレートパレットアダプタ (plate pallet adapter)
132 フォークリフト (forklift)
216 案内ビーム組立体 (guiding beam assembly)
220 正面整列リミッタ (front alignment limiters)
224 リミッタビーム (limiters beam)
228 ローラ (rollers)
232 (72〜106mmの)支持ビーム調節垂直移動 (support beam adjustment
perpendicular movement (72 to 106 mm)
236 パレット中心化マーク (pallet centering mark)
240 モノレール (monorail)
244 スライド及びロック (slide and lock)
248 プレートピックアップ位置 (plate pick up position)
252 APLシャーシ (APL chassis)
256 装填方向 (loading direction)
260 背面リミッタ (back limiter)
264 プレートスタックセンタ (plate stack center)
268 アダプタ位置決めセンサ (adapter positioning sensor)
504 スキッド (skids)
512 装填装置 (locking device)
704 浮動ベース (floating base)
708 ボールローラ表面を備えるプレートパレットアダプタ (plate pallet adapter with ball rollers surface)
712 接続ビーム (connecting beams)
800 平行四辺形構造 (parallelogram configuration)
808 接続ビーム (connecting beams)
812 パレット正面バリア (pallet front barrier)
820 正面リミッタ調節軸 (front limiters adjustment axis)
908 モノレールY方向調節 (monorail Y direction adjustment)
912 角度調節 (angle adjustment)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレートスタックを整列させ且つ該プレートスタックを所定位置において自動プレートローダ内に挿入する装置であって、
前記プレートスタックを支持するよう構成されるプレートパレットと、
該プレートパレットを支持するよう構成されるプレートパレットアダプタと、
前記プレートスタックを前記プレートパレットアダプタに対する中心位置において前記プレートスタックを整列させるよう構成される前記プレートパレットアダプタに取り付けられる中心化素子と、
前記プレートパレット位置に対して整列され且つ前記プレートパレットアダプタを前記自動プレートローダ内に案内するよう構成される前記プレートパレットアダプタに取り付けられる案内ユニットと、
前記所定位置に達する前記プレートパレットアダプタを感知し且つ通知するよう構成される前記自動プレートローダ内のプレートパレットアダプタ位置決めセンサとを含む、
装置。
【請求項2】
前記案内ユニットは、モノレール内に挿入されるよう構成されるローラを備える案内ビームを含み、前記モノレールは、前記自動プレートローダに結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記案内ユニットは、前記プレートスタックを整列させ且つ固定するリミッタを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プレートパレットアダプタは、前記プレートパレットを前記案内ユニットに対して整列させるよう構成される浮動表面ベースを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プレートパレットアダプタは、前記プレートパレットを前記案内ユニットに対して整列させるよう構成されるボールローラを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記案内ユニットの全ての素子は調節可能であり、且つ、常に平行四辺形を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記案内ユニットの前記素子は、案内ビーム、リミッタビーム、スキッド、平行な接続ビームのうちの少なくとも1つ、又は、それらの組み合わせで構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プレートパレットアダプタ位置決めセンサは、前記自動プレートローダ内の前記プレートパレットの前記位置をステータスパネルの上に通知する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
プレートスタックを整列させ且つプレートスタックを所定位置において自動プレートローダ内に挿入する方法であって、
前記プレートスタックを支持するプレートパレットをプレートパレットアダプタの上に配置するステップと、
前記プレートパレットを前記自動プレートローダ内に適切に挿入するために、前記プレートパレット位置を、前記プレートパレットアダプタに取り付けられる案内ユニットと整列させるステップと、
前記プレートパレットを、前記案内ユニットと協働して、前記自動プレートローダ内に所定位置まで挿入するステップとを含む、
方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−505478(P2013−505478A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529798(P2012−529798)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/048037
【国際公開番号】WO2011/034756
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】