説明

プレート構造のCFRP梁

【課題】本発明は、プレート構造の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)梁に関する。さらに詳しくは、本発明は、建築材料、構造体、自動車、船舶等に使用される構造材料を構成する、プレート構造のCFRP梁(20)に関する。
【解決手段】本発明によるプレート構造のCFRP梁は、CFRPプレート(11)、CFRPプレートの屈曲を防止する複数の屈曲防止部材(21)、屈曲防止部材に備えられるアルミニウムプレート(22)、およびアルミニウムプレートを支持する複数の支持ブロック(31)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレート構造の炭素繊維強化プラスチック(以下「CFRP」と略される)梁に関する。さらに詳しくは、本発明は、建築材料、構造体、自動車、船舶等に使用される、構造材料を構成するプレート構造のCFRP梁に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、プレート構造のCFRP梁は、公共事業、構造体および自動車、船舶等に使用される。
【0003】
さらに、図1および図2に示されるように、従来のCFRP梁としては、角パイプ形状のCFRP梁が主に使用される。
【0004】
本明細書では、上述したように、CFRPは、炭素繊維強化プラスチックとして、炭素繊維と熱硬化性樹脂とからなるさまざまな複合物を構成する。
【0005】
該CFRPは、以下の特性を有する。
【0006】
第1に、強度重量比が大きく、軽量で強固である。炭素繊維は、繊維方向で高張力鋼と同水準の張力を有し、チタニウムよりも弾性率が高く、アルミニウムの比重の60%で超軽量材料である。
【0007】
第2に、収縮および膨張がほとんど発生せず、計測精度が非常に高い。CFRPでは、繊維方向の熱膨張の計算は、ほとんど0に等しく、高温での収縮が小さい。したがって、積層加工方法によって積層された場合に、熱膨張演算が0のCFRPを得ることができる。
【0008】
第3に、衝撃吸収性が良好であり、地震に対して非常に効果的である。樹脂と繊維の複合作用によって、CFRPは、高衝撃吸収材であり、減衰率が高い。
【0009】
したがって、該特性から、CFRPは、構造材料として使用される。
【0010】
図1は、従来の角パイプ形状のCFRP梁の斜視図であり、図2は、図1の一部分の拡大図である。
【0011】
図1および図2を参照すると、従来の角パイプ形状のCFRP梁は、CFRPプレート11、角内部モールド12およびモールド支持部材13を備える。
【0012】
ここで、そのような従来の角パイプ形状のCFRP梁の大きさを変更する場合には、内部モールドを新たに製造しなければならず、大きさを変更することは困難であり、製造時間に長い時間を要し、および製造コストが高価になり、これらが問題となる。
【0013】
さらに、そのような従来の角パイプ形状のCFRP梁は、外部からの負荷条件が大きくなると、対抗手段となり得ず、問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明は、これらの問題を解決するために製造され、その目的は、高精度であって、突出(project)交差軸に10G以上が印加されても耐える高強度である、プレート構造のCFRP梁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によるプレート構造のCFRP梁は、CFRPプレート、CFRPプレートの屈曲を防止する複数の屈曲防止部材、屈曲防止部材に備えられるアルミニウムプレート、およびアルミニウムプレートを支持する複数の支持ブロックで構成される。
【0016】
加えて、本発明では、屈曲防止部材は、アルミニウムプレートの上面と下面に、互いに入れ替わるように相互に配置されていることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明では、屈曲防止部材は、幅方向に伸び得ることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明では、屈曲防止部材は、短い間隔で配置され、外部からの圧力条件に対する対抗手段として機能することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上記のような、本発明によるプレート構造のCFRP梁は、以下の効果を得ることができる。
【0020】
第1に、ビルトアップタイプのプレート構造によって、製造時間が短縮されるため、製造コストも低減されるので有利である。
【0021】
第2に、CFRPプレートによって製造を簡単に実施できるので有利である。
【0022】
第3に、モールドの製造は簡単であり、モールドを製造する場合に普通の材料を使用することが可能であるので有利である。
【0023】
第4に、縦方向の大きさの変更から幅方向の大きさの変更も自由に実施できるので有利である。
【0024】
第5に、外部負荷条件に対する対抗手段は、モールドを強化することによって可能であるので有利である。
【0025】
第6に、CFRPプレートの表面処理を最小化することによって、処理コストも低減され得る。
【0026】
以下、本発明によるプレート構造のCFRP梁を、図面を参照することによってより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のCFRP材料の構造部材の斜視図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明によるプレート構造のCFRP梁の斜視図である。
【図4】本発明によるプレート構造のCFRP梁の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の説明では、公に入手可能な技術または組成物に関する特定の説明は、本発明の本質を表現するためには不必要であると判断されるので、それらの詳細な説明は省略される。さらに、本明細書で参照される用語は、本発明の機能を考慮して定義される。したがって、それらは、クライアント、操作者またはユーザの目的によって異なってもよい。したがって、定義は、本発明を含む明細書全体に基づかなくてはならない。
【0029】
すべての図面に使用される参照番号は、同一の構造要素を示す。
【0030】
図3は、本発明によるプレート構造のCFRP梁の斜視図である。図4は、本発明によるプレート構造のCFRP梁の分解斜視図である。
【0031】
図3と図4を参照すると、本発明によるプレート構造のCFRP梁20は、2つのCFRPプレート11、CFRPプレート11を屈曲させない複数の屈曲防止部材21、アルミニウムプレート22、およびアルミニウムプレート22を支持する複数の支持ブロック31を備える。
【0032】
ここで、複数の屈曲防止部材21は、アルミニウムプレート22の上側と下側に、互いに入れ替わるように相互に配置されているので、CFRPプレート11に印加される外部負荷に対して、本発明は効果的な対抗手段として機能することができる。
【0033】
本発明によるプレート構造のCFRP梁20の温度変化による、体積変化の測定結果を以下の表1に示す。
【表1】

【0034】
表1の測定で使用された条件によれば、初期温度は22℃であり、20℃から100℃への温度変化による長さ方向の変化値は、X方向、Y方向およびZ方向で測定された。ハイトゲージおよびノギスを測定器として使用した。
【0035】
表1を参照すると、測定結果が示すように、温度の差によって変化が発生し、温度が上昇するにつれてエラー量が大きくなる結果が示された。
【0036】
アルミニウムでは、10℃毎に0.02mm平均値が大きくなったが、CFRPの体積変化はアルミニウムの1/3を示した。さらに、初期測定温度を設定する場合に、変化値が最初に測定された温度での測定値に対するようにした。
【0037】
従来の角パイプ形状CFRP梁10と比較すると、本発明によるプレート構造のCFRP梁20の左側および右側は、CFRPプレート11で形成されるので、従来の角パイプ形状CFRP梁10と比較すると、製造ユニットのコスト、および製造時間が低減され得る。
【0038】
さらに、本発明によるプレート構造のCFRP梁20は、従来の角パイプ形状CFRP梁10と同様に延ばすことができる。内部モールドを本発明では必要としないので、従来の角パイプ形状CFRP梁10ではできなかった幅方向に延ばすことができる。
【0039】
例えば、アルミニウムプレート22に備えられる複数の屈曲防止部材21の長さだけを延ばせば、プレート構造のCFRP梁20は所望の幅方向まで延ばすことができる。
【0040】
さらに、アルミニウムプレート22に備えられる複数の屈曲防止部材21の数だけを単に増加させれば、本発明は外部からの圧力条件に対する対抗手段となり得る。
【0041】
本明細書では、CFRPプレート11の屈曲を防止する複数の屈曲防止部材21、アルミニウムプレートおよび複数の支持ブロック31として、汎用鋼材または高強度鋼材を使用することができる。
【0042】
本発明によるプレート構造のCFRP梁によれば、内部モールドは不必要となり、外気温および高圧力での使用に用いられるモールドの製造が単純になり、製造時間が短縮されおよび重さも軽くなり、縦方向および幅方向の大きさの変更および処理を容易に実施でき、並びに大量の積層輸送が可能である。
【0043】
このように、従来の角パイプ形状CFRP梁と比較して、本発明によるプレート構造のCFRP梁は軽量であるが、強度に関しては優れている。
【0044】
加えて、既存の圧力による長さの制限要因が取り除かれるので、第10世代およびそれ以降の半導体系に適用できる。
【0045】
さらに、プレート構造の設計によって、さまざまなシステム設計に対して、本発明は、直ちに解決手段として機能することができる。
【0046】
さらに、モールドを必要としないプレート構造によって、徐々に発達するサプライチェーン・マネジメント市場条件に対する対抗手段として機能できる。
【0047】
本発明によるプレート構造のCFRP梁は、2500mm以上のストーク(Stoke)が要求されるシステム、高速度および高加速度条件のシステム、小さな領域で高度の正確さが要求されるシステム、および高積載条件が要求されるシステムに適用され得る。
【0048】
上記の本発明を好適な実施例に基づいて説明したが、これらの実施例は、本発明を限定することを意図しておらず、説明目的のためにだけに使用された。したがって、本発明の当業者であれば、本発明の技術範囲から離れることなく、上記の実施例にさまざまな変形、修正または調節を適用することが可能である。したがって、本発明の保護範囲には、本発明の技術範囲に含まれる、変形形態、修正形態または調節形態のすべての実施例が含まれると解釈されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CFRPプレート(11)と、
前記CFRPプレート(11)の屈曲を防止する複数の屈曲防止部材(21)と、
アルミニウムプレート(22)と、
前記アルミニウムプレート(22)を支持するための複数の支持ブロック(31)と、
を備えることを特徴とする、プレート構造のCFRP梁。
【請求項2】
請求項1記載のプレート構造のCFRP梁において、
互いに対向する2つの細長いCFRPプレート(11)と、
前記屈曲防止部材(21)と、
前記アルミニウムプレート(22)と、
前記CFRPプレート(11)の間に配置され、当該CFRPプレート(11)間の距離を画定し、これにより前記CFRP梁のプレート構造(20)の幅を画定する前記支持ブロック(31)と、
を備えることを特徴とする、プレート構造のCFRP梁。
【請求項3】
請求項1記載のプレート構造のCFRP梁において、
前記アルミニウムプレート(22)は、前記支持ブロック(31)に固定されていることを特徴とする、プレート構造のCFRP梁。
【請求項4】
請求項3記載のプレート構造のCFRP梁において、
前記支持ブロック(31)は、前記CFRPプレート(11)に固定されていることを特徴とする、プレート構造のCFRP梁。
【請求項5】
請求項1記載のプレート構造のCFRP梁において、
前記屈曲防止部材(21)は、前記CFRPプレート(11)に固定されていることを特徴とする、プレート構造のCFRP梁。
【請求項6】
請求項1記載のプレート構造のCFRP梁において、
前記屈曲防止部材(21)は、前記アルミニウムプレート(22)の上側と下側に、互いに入れ替わるように相互に配置されている、プレート構造のCFRP梁。
【請求項7】
請求項1記載のプレート構造のCFRP梁において、
前記屈曲防止部材(21)は、幅方向に伸びる、プレート構造のCFRP梁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−512357(P2013−512357A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540339(P2012−540339)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065497
【国際公開番号】WO2011/064047
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512137223)スンハン・エンジニアリング・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】