説明

プレート

【課題】
【解決手段】 裏壁4とエッジ部5を含むケース3を備えるプレート1、特に自動車ナンバープレートであって、前記エッジ部が前記裏壁4を囲みかつ前方に突出しかつ光透過開口7の回りに広がり、前記ケースの裏壁4と平行関係に広がる平坦な標識板が前記光透過開口を介して見え、照明のために前記裏壁と前記標識板の間に、裏から前記標識板の少なくとも高透明度の領域を透過照明する電気的に作動可能な発光膜14が設けられるようなプレート。反射特性を達成するために、発光膜の前にかつそれと平行に反射膜15が配置され、反射膜は発光膜の裏から来る光に対して少なくとも部分的に透明であり、外部から光透過開口を通って外側からそれに当たる外光を反射する。ニュートンリング等を避けるために、光透過開口を閉じる少なくとも部分的に透明な光カバー9の内側とそれに向き合う反射膜表面との間に面積型の接着接続部が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプレート、特に特許請求の範囲第1項の分類部に記載される種類の自動車ナンバープレートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許請求の範囲第1項の分類部による自動車ナンバープレートは独国実用新案第29712954.6号で既知である。その既知の配置において、標識板はエレクトロルミネッセンス膜により形成された電気的に作動可能な発光膜の前面に保持枠の形のケースの中に配置された硬いプラスチックプレート部材である。光透過開口(これは保持枠に囲まれ、スイッチが入れられた状態で発光膜により供給される光が裏から標識板を通って光った後、そこを通って外部に出る)は標識板がその硬さのために保持枠により容易にしっかりと保持され、それによりまた、その後ろに配設された電気的に作動可能な発光膜を固定するのでこれ以上閉じられない。
【0003】
その既知の配置は一体化された、電気的に作動可能な発光膜が、別個に配置された発光システムを必要としないで標識の直接的バックライティングを行える限りにおいて有利である。これは既知のナンバープレートが極めてコンパクトで場所を取らない特質を有することを意味する。
【0004】
硬いプラスチックプレート部材、言い換えれば、透過開口に対するカバーに適した部材がないという欠点があり、これは特に自動車ナンバープレートに関する法律により要求される(しかし他のプレート例えば交通標識にも有利又は必要である)ように、電気的に作動可能な発光膜により供給されかつ裏から来る光に対し透明であると共に、外部から来て標識板に入射する外光を反射する。
【特許文献1】独国実用新案第29712954.6号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は電気的に作動可能な発光膜により実施される固有の発光配置に加え、反射特性も有するように本明細書の導入部に記載される種類のプレートを発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲第1項に記載の特徴を備える。
【0007】
そのように目的を達成する基礎的な出発点は、裏から当たる光に対して実質的に透明であり、一方その前側に入射する光を反射するプラスチック膜が市販されているという事実である。それらは特に、その前側は平滑で、その裏側から突き出るマイクロプリズム構造を有し、その境界において前から入射する光が全反射により反射される後方反射性膜を含む。しかしながら、反射構造が完全に埋め込まれた膜を得ることも可能である。今の状況では、特定の構造と実際の物理的動作モードに関係なく、以下「反射膜」と略称される使用膜が裏から来る光に対して高レベルの透明性を有し、前から入射する光を大きく反射するということが唯一の重要な点である。
【0008】
しかしながら、そのような反射膜は固有の硬さをもっていないので、それらは上で議論した独国実用新案第29712954.6号で知られるような方式では、プレートケースの光出射開口に対する「カバーパネル」としては役立たない。
【0009】
従って、電気的に作動可能な発光膜と、ケースの中でその前面に配置された反射膜とを安定化するために、両方向に透明であり、主として機械的な保持機能を果たす光カバーにより光透過開口が閉じられることが必要である。
【0010】
しかしながら、この点に関し、更なる特徴もなく、反射膜が表面積全体に渡り光カバーの内側に不規則に密接して支えられ、部分的にそれに吸引すらされ、それにより内側又は外側からの均一な照明を用いてもなお明暗が異なる区域が存在し、あるいはニュートンリングが形成されるという問題がある。それは見栄えが悪いだけでなく、特に自動車ナンバープレートに関しては許容もできない。発明によれば、これらの困難を克服するために光カバーの内側又は裏側と、それに向き合う反射膜前面の間に面積型の接着接続部が設けられる。
【0011】
その面積型の接着接続部は種々の方法で実施できる。
【0012】
特に好ましい実施例において、反射膜の前側は直接光カバーの裏側に対してある面積に渡り接着される。その場合、接着剤が特に転写工程において反射膜の前側に先ず塗布され、次いで後者が光カバーの裏側に対して押し付けられてもよい。あるいは、光カバーの裏側に接着剤が先ず塗布され、次いで反射膜がその接着剤層に対して押し付けられる。その場合、反射膜はそれ自身接着剤を付けていなくても、あるいは光カバーの接着剤層を補う接着剤層を付けていてもよい。最後に述べた場合では、二つの相補う層は、それら自身を考えれば、それぞれ接着性が皆無又はほんの僅かであり、互いに接触しかつ/あるいは化学反応を受けたときに、共同で初めて強い接着作用を発現させる材料で構成してもよい。
【0013】
後続の能動的透過照明(これは発光膜により行われる)と受動的透過照明(これは前から入射し、その後反射される光により行われる)の観点から目に見える輝度差がないように、接続は前から見える表面全体に渡り均一に行われる。
【0014】
もう一つの有利な変形によれば、反射膜と光カバーの間の接着接続は、接着剤が塗布されかつ両方向に非常に高い透明性を有しかつ上記の光学的外乱が回避されるように光カバーに対して反射膜の密接かつ緊密な接続を生じる更なる膜により与えられる。
【0015】
発明によるプレートの特別な利点は、別個の標識板が最早絶対的に必要ではないことである。むしろ、プレートに表示されるべき標識はプレートを眺める人から見て反射膜の裏面の前、言い換えれば反射膜の前側、あるいは両側に接着剤が塗られた膜(そういう膜が存在する場合)の裏側又は前側、あるいは光カバーの裏側又は前側にある如何なる面に設けることができる。その場合、表示されるべき全ての標識が同じ表面に配設される必要はない。
【0016】
標識が一つ以上の膜面に配設されることは、それらを非常に容易に印刷できるので、特に好ましい。
【0017】
電気的に作動可能な膜がケースの裏壁と、その前面に配設されかつ光カバーに固定して接続された膜との間にゆるく挿入及び保持され、それにより更なる固定手段が必要ない場合、また有利である。
【0018】
電気的に作動可能な発光膜は、自動車ナンバープレートの場合、搭載直流電圧システムから電源装置により生みだされる交流電圧を用いて既知の方式で作動されるエレクトロルミネッセンス膜を含んでもよい。
【0019】
しかしながら、使用される電気的に作動可能な発光膜が極めて単純な補助回路により搭載直流電圧から導き出させる直流電圧を用いて動作されるという利点を与える有機発光ダイオード、いわゆるOLED膜を有する膜の形をしていることが特に好ましい。エレクトロルミネッセンス膜に必要な動作用電子部品は詳細な絶縁手段と同様に省略される。OLED膜の更なる利点は達成可能な輝度が実質的に高いことである。
【0020】
本発明によるプレートの上記及び更なる利点と性質は添付の特許請求の範囲に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は以下、図面を参照して実施例により説明される。
【0022】
図に図解される実施例において、自動車のナンバープレートの形の本発明によるプレート1は既知の手段(図示せず)により自動車の車体パネル2に固定される。
【0023】
特に図2と3から分かるように、プレート1はエッジ部5を付けた裏壁4を有するケース3を有し、そのエッジ部は裏壁の周辺全体の回りに広がり、また前方、言い換えればそれを見ている人に向って(図2と3の右に向って)伸び、裏壁4に一体的に接続してもよい。
【0024】
前方に突き出たエッジ部5は透明な光カバー9により閉じられた光透過開口7を囲んでいる。光カバー9はケース3の周辺に広がるエッジ部5に適当などんな方法ででも取り付けることができる。
【0025】
ケース3の裏壁4の前には裏壁4とほぼ同じ面積を有しかつその平坦側面が裏壁4と、光カバー9に接着剤により接続される反射膜15とに支えられる電気的に作動可能な発光膜14が配設される。図2と3に示す発光膜14と裏壁4と反射膜15の間の隙間はそれぞれ図解目的のみに役立ち、実際には見えないほど小さい。
【0026】
図2と3の左に全体が示される電気的に作動可能な発光膜14は、電圧がスイッチによりそれに印加されるように、図示しない方式で電源に接続される。それはエレクトロルミネッセンス膜によって、あるいはOLED膜によって形成される。作動された状態では、膜14全体が均一に輝き、そこから出る光は図2と3において右に配置された層と、特に光カバー9を通過し、それにより図1の方向に見て、光透過開口7全体が裏から明るく照らされるように見える。
【0027】
反射膜15は、それが右、言い換えれば光カバー9を通って外側からそれに入射する外光を反射し、それがその経路を反転してそれが入った方向とほぼ同じ方向に光カバー9を通って出るように電気的に作動可能な発光膜14の右側に配置される。更に、反射膜15は裏から、言い換えれば図2と3において左から来る光に対して少なくとも部分的に透明であり、それにより光透過開口7の方向に電気的に作動可能な発光膜14により発せれる光のかなりの部分がそれを通過できる。
【0028】
図2に示す実施例において、反射膜15は面積型接着手段16により直接光カバー9の裏側に接続される。その生産に関し、転写工程が採用されるのが特に好ましく、その場合、転写接着剤の層が先ず台紙に塗布され、次いで反射膜15の平滑な、言い換えればマイクロプリズムのない前側にラミネートされる。次いで反射膜、接着剤及び台紙から成る複合層が必要なサイズに切断され、台紙が引き離され、反射膜15が、その上に残っていた接着剤層を先頭にして裏から例えばローラゴムにより光カバー9の裏側に均一に押し付けられ、それにより層の間にある空気が排出される。それは関係する面積に渡り均一な接着接続を与え、それにより明暗の異なる区域と、ニュートンリングの形成が生じない。
【0029】
光カバー9が図2と3に示す構造と違って枠を形成するエッジ部5に一体的に接続され、それがケース3の裏壁4に着脱自在に固定される場合にこの手順は特に有利である。
【0030】
図3に示す実施例において、反射膜15と光カバー9の内側の間にはその二つの平坦側面に接着剤層を付けた更なる膜17が設けられる。膜17は非常に高度に透明であり、それにより電気的に作動可能な発光膜14から来る内部から来る光と外側から来る外光の両方が、反射膜15におけるその反射の前と後の両方において強度を実質的な損失することなくそこを通過できる。
【0031】
両側に接着剤が塗布された膜16はその一方の接着側面により反射膜に先ずラミネートされ、そのもう一方の平坦側面は保護紙により覆われる。上に既に述べた所定サイズへの切断動作の後に保護紙が引き離され、反射膜15と接着剤膜17から成る複合物が前記のやり方で光カバー9の裏側に接着され、それにより上に議論した利点がもう一度達成される。
【0032】
詳細には、所定の暗点及び/又はニュートンリングの発生が回避されるが、これは接着なしでは外側からプレートを眺めたときにはっきりと見え、プレートの概観に決定的に影響を与え、あるいはその効用を妨げる。
【0033】
プレートを眺める人には見え、図1に示され、プレートに図示される標識20は標識板の前側及び/又は裏側に配設でき、標識板の他の表面領域とはその透明性の点で異なる。今の場合、それらは実際には不透明な性質を有し、それにより標識板の他の実質的に完全に透明な領域と比較して、それらは黒く見える。
【0034】
上記の標識板は必ずしも更なる構成部品を必要としない。むしろ、表示されるべき標識は反射膜15の前側かつ/あるいは接着剤膜17の前側又は裏側に印刷してもよい。同様に、標識20を光カバー9の内面及び/又は外面に設けることができる。その場合、それらは持ち上がった構造、言い換えれば問題の平坦側面から突き出た構造になっていてもよい。
【0035】
それからの変形として、図2と3には示されない、平板部材又は膜の形式の更なる標識板を反射膜15の前に配置することもできる。
【0036】
本発明によるプレートの個々の使用目的によって、標識板は二つ以上の透明度を持っていてもよい。更に一つ以上の膜、あるいは光カバーの外面又は内面が異なる領域において異なって着色され、それによりこれは、例えば発明によるプレートが交通標識として使用されることを可能にする更なる設計上の選択肢を与える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】自動車ナンバープレートの形式の本発明によるプレートの正面図である。
【図2】反射膜が直接光カバーに接着される、図1のプレートの第一の実施例を線II−IIを通って取った断面の高度に模式化された図である。
【図3】両側に接着剤が塗布された膜により反射膜が光カバーに接着される、本発明によるプレートの第二の実施例の図2に対応する図である。
【符号の説明】
【0038】
1 プレート
3 ケース
4 裏壁
5 エッジ部
7 光透過開口
9 光カバー
14 発光膜
15 反射膜
16 接着接合部
17 接着剤膜
20 標識

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏壁(4)とエッジ部(5)を含むケース(3)を備えるプレート(1)、特に自動車ナンバープレートであり、前記エッジ部が前記裏壁(4)を囲みかつ前方に突出しかつ光透過開口(7)の回りに広がり、前記ケースの裏壁(4)と平行関係に広がる平坦な標識板が前記光透過開口を介して見え、前記標識板がその上に標識(20)を表示するために異なる透明度の領域を有し、照明のために前記裏壁(4)と前記標識板の間に、裏から前記標識板の少なくとも高透明度の領域を透過照明する電気的に作動可能な発光膜(14)が設けられるようなプレートであって、
前記電気的に作動可能な発光膜(14)の前面に、それと平行関係に反射膜(15)が配置され、前記反射膜(14)が前記光出射開口(7)の面積の少なくともかなりの部分に渡り広がり、前記電気的に作動可能な発光膜(14)から裏から来る光に対して少なくとも部分的に透明であり、外部から前記光出射開口(7)を通過しかつ前記反射膜に当たる外光を反射し、
前記光出射開口(7)を閉じる少なくとも部分的に透明な光カバー(9)が設けられ、
前記光カバー(9)の内側とそれに向き合う前記反射膜(15)の表面との間に面積型の接着接続部が設けられることを特徴とするプレート。
【請求項2】
前記面積型接着部が前記光カバー(9)の内側に対して前記反射膜(15)の前側の直接的面積型接着接合部(16)を含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のプレート。
【請求項3】
前記面積型接着接続部が、前記反射膜(15)と前記光カバー(9)の間に配置されかつ両面に接着剤が塗布されかつ一方は前記反射膜(15)に対して、他方は前記光カバー(9)の内側に対して面積型に接着される少なくとも部分的に透明な膜(17)を含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のプレート。
【請求項4】
前記光カバーが標識板の役目をすることを特徴とする特許請求の範囲の前記項の一つに記載のプレート。
【請求項5】
前記接着剤が塗布された膜(16)が標識板の役目をすることを特徴とする特許請求の範囲第3又は4項の一つに記載のプレート。
【請求項6】
前記反射膜(15)が標識板の役目をすることを特徴とする特許請求の範囲第1乃至5項の一つに記載のプレート。
【請求項7】
独立な標識が設けられることを特徴とする特許請求の範囲第1乃至6項の一つに記載のプレート。
【請求項8】
前記標識板が本質的に硬い板部材の形をしていることを特徴とする特許請求の範囲第7項に記載のプレート。
【請求項9】
前記標識板がフレキシブルな膜であることを特徴とする特許請求の範囲第7項に記載のプレート。
【請求項10】
前記電気的に作動可能な膜(14)が前記ケース(3)の前記裏壁(4)と前記反射膜(15)の間にそれらに対してゆるく支えられる状態で挿入されることを特徴とする特許請求の範囲の前記項の一つに記載のプレート。
【請求項11】
前記電気的に作動可能な膜(14)が直接前記反射膜(15)の裏側に接着されることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至9項の一つに記載のプレート。
【請求項12】
前記電気的に作動可能な膜(14)が更なる透明層を挿入して前記反射膜(15)の裏側に直接接着されることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至9項の一つに記載のプレート。
【請求項13】
前記電気的に作動可能な膜(14)が前記ケース(3)の裏壁(4)に直接接着されることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至9項の一つに記載のプレート。
【請求項14】
前記電気的に作動可能な発光膜(14)がエレクトロルミネッセンス膜であることを特徴とする特許請求の範囲の前記項の一つに記載のプレート。
【請求項15】
前記電気的に作動可能な発光膜(14)が有機発光ダイオード(OLED膜)を有する発光膜であることを特徴とする特許請求の範囲の前記項の一つに記載のプレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−507977(P2006−507977A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556074(P2004−556074)
【出願日】平成15年1月23日(2003.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2003/000680
【国際公開番号】WO2004/050431
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(504403998)エフエーエル ファーツオイクエレクトリック ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】FER FAHRZEUGELEKTRIK GMBH
【住所又は居所原語表記】Gewerbegebiet Stockhausen, 99819 Eisenach
【Fターム(参考)】