プログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置及びプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法
【課題】PLC用プログラムの開発・実行環境を考慮したハイパーリンク機能を実現するプログラム作成支援装置及びハイパーリンク情報管理方法を提供する。
【解決手段】表示装置に表示される図式情報を用いて、被制御機器を制御するPLCで実行されるプログラムを作成するための作成支援装置であって、図式情報と図式情報中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムの作成、及びハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を含むオプション設定情報の作成を行うプログラム作成機能と、シーケンス制御プログラムやオプション設定情報を記憶させる機能と、シーケンス制御プログラムとオプション設定情報とに基づき、表示装置に図式情報やコメントを表示させる機能と、シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理及びニモニックコードからの逆変換処理を実行するプログラム変換・逆変換機能とを備える。
【解決手段】表示装置に表示される図式情報を用いて、被制御機器を制御するPLCで実行されるプログラムを作成するための作成支援装置であって、図式情報と図式情報中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムの作成、及びハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を含むオプション設定情報の作成を行うプログラム作成機能と、シーケンス制御プログラムやオプション設定情報を記憶させる機能と、シーケンス制御プログラムとオプション設定情報とに基づき、表示装置に図式情報やコメントを表示させる機能と、シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理及びニモニックコードからの逆変換処理を実行するプログラム変換・逆変換機能とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブルコントローラを制御するプログラム技術に係り、特にプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置及びプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場等に設置される各種制御装置を統括的に制御する装置として、プログラマブルコントローラ、プログラマブルロジックコントローラと呼ばれるプログラマブルコントロール装置(以下、PLC)が知られている。PLCは、CPUが内蔵されたCPUユニットを備え、CPUユニットに対して拡張ユニットが着脱可能に構成されている。ユーザは、リミットスイッチ、センサ、温度計、位置決めシステムなどの入力装置や、モータ、アクチュエータ、シリンダ、リレーなどの出力装置を含む各種制御装置の機能に応じて拡張ユニットをCPUユニットに取り付けることにより拡張ユニットを介して、若しくは直接的に各種制御装置をCPUユニットに接続する。
【0003】
このようなPLCを制御するプログラムとして、リレー回路を記号化したラダー図を用いて作成されるラダープログラムが知られている。ラダープログラムは、例えば、パーソナルコンピュータ上で実行されるラダープログラム作成ソフトウェアを用いて、パーソナルコンピュータの表示画面上にマトリックス状に表示される複数のセル内に仮想デバイスのシンボル(図形)を適宜配置して、視覚的なリレー回路を表すラダー図を構築することにより作成される。仮想デバイスには、入力装置からの入力信号に基いてオン/オフされる仮想デバイス(入力デバイス)や、出力装置の動作を制御するためにオン/オフされる仮想デバイス(出力デバイス)等がある。
【0004】
パーソナルコンピュータにおいて作成されたラダープログラムは、パーソナルコンピュータ内でニモニックコードに変換される。そして、パーソナルコンピュータをPLCのCPUユニットに接続し、ニモニックコードに変換されたプログラムをパーソナルコンピュータからCPUユニットに送ると、そのプログラムがCPUユニット内でマシンコードに変換され、CPUユニットに備えられたRAMやフラッシュメモリ等のメモリに記憶される。これにより、CPUユニットのCPUは、メモリ内に記憶されているマシンコードに変換されたプログラムに基づいて制御装置の動作を制御することが可能になる。
【0005】
このようなラダープログラムにおけるラダー図のいずれかの行は、プログラム実行時にスキップされる行として設定することにより、仮想デバイスのシンボルを配置せずに、任意の文字列を行コメントとして表示させることができる。また、ラダー図上に表示されるシンボルの位置情報に基いて付加表示情報を適宜位置に柔軟に表示させることも可能である(例えば、特許文献1参照)。仮想デバイスのシンボルに対応付けて、行コメントや付加表示情報等のコメントを表示することにより、プログラムの実行内容の把握を支援する等、ユーザ利便性の向上を図ることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−330865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ラダー図上の行コメントや付加表示情報等のコメントには、書式の自由度を向上させ情報の大容量化にも簡便に対応可能なように、別ファイルで管理されるフローチャートや外部仕様書等とリンクできるハイパーリンク情報を追加できることが好ましい。ハイパーリンク情報とは、文書内に埋め込まれる他の文書や画像などの位置情報であり、文書内のハイパーリンクのある箇所をマウス等で選択すると、関連づけられたリンク先にジャンプするようになっている。ハイパーリンク情報を介してフローチャートのような関連図表や、ラダー図の元となった外部仕様書等の設計資料が参照可能になると、プログラム構築時やプログラム確認時におけるユーザ利便性が更に向上する。
【0008】
しかしながら、一般的にハイパーリンク情報は、参照先(リンク先)のファイル名等を含む、ファイルの格納位置を示すパス情報(アドレス情報)であるので、ハイパーリンク情報を有する文書等の転送先においてハイパーリンク機能を用いた場合、転送元において設定したハイパーリンク情報(リンク先アドレス情報)と転送先の実行環境の不整合によりリンク切れが生じる等、参照先ファイルが表示できない場合がある。
【0009】
PLC用プログラムの開発環境や実行環境を鑑みると、プログラム開発者・開発現場とプログラム実行者・実行現場が異なることが往々にあり、PLCへ転送されたプログラムは、プログラムが作成されたパーソナルコンピュータと異なるパーソナルコンピュータから読出し・参照が可能な構成となっている。このようなプログラムにハイパーリンク情報を付加した場合、上述したリンク切れの問題が顕在化することとなる。従って、プログラムの転送先ではハイパーリンク機能を無効にする等の配慮が望ましい。
【0010】
一方、ラダープログラムの不具合や変更等を確認するため、自らが保持するラダープログラムと、PLCから読み込んだニモニックコードを逆変換することにより生成されたラダープログラムとを照合することにより、ラダープログラム間の一致点/相違点を照合する場合がある。このような場合、各ラダープログラムに付加されたハイパーリンク情報に直接変更が加えられたものをラダー図同士で照合すると、機能的には同じ内容のリレー回路であっても、相違点と認識されてしまうことになる。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、プログラマブルコントローラ用プログラムの開発環境・実行環境を考慮したハイパーリンク機能を実現するプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置及びプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、外付けの表示装置と接続可能若しくは表示装置一体で提供され、表示装置に表示される回路図やフローチャート等のグラフィックな情報(図式情報)を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置であって、図式情報と図式情報中にコメント(例えば、行コメントや仮想デバイスのシンボルに対応付けられたスクリプト等の付加表示情報)として付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムの作成、及びハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報やコメント表示形態に関する属性情報等を含むオプション設定情報の作成を行うプログラム作成機能と、シーケンス制御プログラムやオプション設定情報を記憶させる機能と、シーケンス制御プログラムとオプション設定情報とに基づき、表示装置に図式情報やコメントを表示させる機能と、シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理及びニモニックコードからの逆変換処理を実行するプログラム変換・逆変換機能とを備えたことを特徴とする。
【0013】
シーケンス制御プログラムの一部として認識される可能性のあるハイパーリンク情報に直接的な変更を加えず、ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報をオプション設定情報としたことにより、ユーザはハイパーリンク情報の有効化・無効化を用途に応じて自由に設定可能となる。また、プログラム同士の照合が必要になった場合であっても、照合対象にオプション設定情報を含めないことにより、ハイパーリンク情報が有効の状態で表示されるように設定されているか、無効の状態で表示されるように設定されているかは、照合結果に影響を及ぼさなくなる。
【0014】
また、プログラム変換・逆変換機能は、プログラマブルコントローラからニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムを読み出した際に実行される逆変換処理と共に、ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を無効に設定する処理を実行することにより、ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を表示可能としても良い。プログラマブルコントローラからのデータ読み出し処理に付随する逆変換処理のタイミングで、ハイパーリンク情報を無効化することにより、プログラマブルコントローラとの間で送受されるシーケンス制御プログラムの内容に追加の変更を加えずに、ハイパーリンク情報の無効化を自動化可能とする。
【0015】
プログラマブルコントローラ用プログラムの開発環境・実行環境を考慮し、プログラマブルコントローラからのデータ読み出しの際、すなわち開発者・開発現場から実行者・実行現場へプログラムが渡されるタイミング等、ハイパーリンクが有効に利用できないような異なる動作環境でプログラムが実行される可能性が高いタイミングの場合は、ハイパーリンク情報の無効化を実行し、プログラマブルコントローラからのデータ読み出しでない場合は、すなわち開発者・開発現場における単なるプログラムのコピーが実行されるタイミング等、ハイパーリンクが有効に利用できる動作環境でプログラムが実行される可能性がある場合は、無用な作業が増えないよう、ハイパーリンク情報の無効化を実行しない方が好ましい。そこで、逆変換処理が介在するか否かを一つの判断基準とし、ハイパーリンク情報の無効化を実行することにより、プログラマブルコントローラ用プログラムの開発環境・実行環境を考慮した効率的な機能を提供する。
【0016】
また、プログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置は外部機器と接続可能な通信機能を備えており、プログラマブルコントローラへのデータ転送、プログラマブルコントローラからのデータ読み出しは、1又は複数のファイル(例えば、プログラムファイル、オプション設定情報ファイル、若しくは、プログラムデータ及びオプション設定情報を含むプロジェクトファイル)で構成されるプロジェクトデータを単位としても良い。プログラマブルコントローラへのデータ転送の際は、指定されたプロジェクトデータに含まれるプログラムをニモニックコードへ変換し、ニモニックコードへ変換されたプログラムと共にオプション設定情報が転送される。転送対象となるオプション設定情報は、プログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置で管理・格納されるオプション設定情報の一部が選択されても良い。ここで、転送対象となるオプション設定情報として、プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報を含ませることにより、プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出した装置が、内部でハイパーリンク情報の無効化に関する条件情報を保持する必要なく、また固定的な処理として無効化を実行する手法にもよらず、ハイパーリンク情報の無効化の実行要否を判断することが可能となる。
【0017】
プログラマブルコントローラからのデータ読み出しの際は、プログラマブルコントローラに格納されたプロジェクトデータを指定して、プロジェクトデータに関連づけられたニモニックコードとオプション設定情報を読み出すことになる。ここで、読み出されたプロジェクトデータと自らが保持するプロジェクトデータとの照合が必要になった場合、読み出されたプロジェクトデータに対応するデータ(プログラム、転送対象のオプション設定情報等)を照合することになるが、転送先でのハイパーリンク情報のリンク切れを考慮し、転送時にオプション設定情報として、ハイパーリンク情報が無効であることを示す状態情報を含ませると、自らが保持するプロジェクトデータ(ハイパーリンク情報が有効の状態)と、読み出されたプロジェクトデータ(ハイパーリンク情報が無効の状態)との間で不整合が生じることとなる。そこで、転送時にオプション設定情報として、プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報を含ませることにより、自らが保持するプロジェクトデータ(プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にする条件)と、読み出されたプロジェクトデータ(プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にする条件)との間の不整合が生じることなく、各々の装置上でハイパーリンク情報が有効の状態で表示されるように設定されているか、無効の状態で表示されるように設定されているかが、照合結果に影響を及ぼさなくなる。
【0018】
また、本発明では、表示装置に表示される図式情報を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法であって、図式情報と図式情報中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムを作成するステップと、シーケンス制御プログラムと、ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す情報を含むオプション設定情報とを関連付けて記憶するステップと、シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理を実行するステップと、ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムを前記プログラマブルコントローラへ転送するステップと、プログラマブルコントローラに格納されたニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムの読み出し指示に応じて、読み出されたニモニックコードのシーケンス制御プログラムへの逆変換処理を実行すると共に、当該シーケンス制御プログラムに関連付けられるオプション設定情報のうち、ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す情報をハイパーリンク情報が無効の状態に設定するステップと、ニモニックコードから逆変換されたシーケンス制御プログラムとオプション設定情報とに基づき、ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を前記表示装置に表示するステップとを有することを特徴とする。
【0019】
ここで、オプション設定情報は、プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す情報を含み、ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムと共にプログラマブルコントローラに転送され、プログラマブルコントローラから読み出される当該情報に基づき、ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す情報をハイパーリンク情報が無効の状態に設定するようにしても良い。
【0020】
また、ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を前記表示装置に表示する際、ハイパーリンク情報が無効化されたコメントと、ハイパーリンク情報が付加されていないコメントとを異なる表示形態で表示するようにしても良い。これにより、ユーザはハイパーリンク情報が無効化されていても、外部仕様書等へのリンクがあることが把握可能となり、手動による設定等での対応をすることが可能になる。
【0021】
また、ハイパーリンク情報が無効化されても、ハイパーリンク情報に含まれる参照先(リンク先)のファイル名等を含む、ファイルの格納位置を示すパス情報(アドレス情報)は保持し続けることで、再度ハイパーリンク情報を有効化した場合や、プログラム同士の照合時の完全一致が求められる場合にも対応可能となる。
【0022】
尚、上述した装置及び方法で実現している機能を実現するプログラム若しくはプログラムを格納した記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、プログラマブルコントローラ用プログラムの開発環境・実行環境を考慮したハイパーリンク機能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ラダープログラム作成支援ソフトウェアが実行されるコンピュータのハードウェア構成を示す一例である。
【図2】PLCのハードウェア構成を示す一例である。
【図3】ラダープログラム作成支援ソフトウェアが実行されるコンピュータの利用態様を示す一例である。
【図4】プログラム作成支援装置の主要機能のブロック図の一例である。
【図5】プログラム作成支援装置におけるラダープログラム作成処理のフローチャートの一例である。
【図6】表示装置へのラダー図の表示態様の一例である。
【図7】ラダー図編集の際のハイパーリンク情報設定処理を示すフローチャートの一例である。
【図8】ラダー図編集の際のハイパーリンク機能実行処理を示すフローチャートの一例である。
【図9】ハイパーリンク情報設定ダイアログの一例である。
【図10】表示装置へのハイパーリンク情報の表示態様の一例である。
【図11】オプション設定ダイアログの一例である。
【図12】外部機器へのデータ転送処理を示すフローチャートの一例である。
【図13】外部機器からのデータ読み込み処理を示すフローチャートの一例である。
【図14】オプション設定情報の変更処理を示すフローチャートの一例である。
【図15】PLCへのデータ転送処理実行前のハイパーリンク表示と、PLCからデータ読出し処理後のハイパーリンク表示とを示す概念図である。
【図16】ハイパーリンク一覧表示ダイアログの一例である。
【図17】PLCからの読出し対象を指定するダイアログの一例である。
【発明を実施するため形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態においては、プログラマブルコントローラのシーケンス制御プログラムの一つであるラダープログラムを作成するためのプログラム作成支援装置を例として説明する。
【0026】
本実施形態においては、汎用的なコンピュータにラダープログラム作成支援ソフトウェア(ラダープログラム作成支援プログラム)をインストールし、コンピュータにインストールされているOS(オペレーティングシステム)上で実行することにより、プログラム作成支援装置を構成している。
【0027】
図1はラダープログラム作成支援ソフトウェアが実行されるコンピュータのハードウェア構成を示すものであり、コンピュータ本体1、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置2、CRTやLCD等の表示装置3、プログラムやプロジェクトデータを格納するハードディスクやメモリカード等の外部記憶装置4などから構成される。
【0028】
コンピュータ本体1は、演算処理機能を有するCPU5と、OSを含む基本的な動作プログラム等が格納されたROM6や表示用画面データ等を記憶するRAM7を含む内部メモリ8と、入力装置2が接続される入力用インターフェース9と、表示装置3が接続される表示用インターフェース10と、外部記憶装置4が接続される外部機器用インターフェース11と、インターネットやLAN等のネットワークを介して表示器やPLC(プログラマブルコントローラ)等とデータ通信を行うための通信機能を有する通信用インターフェース12とを備え、メモリカード等の記録媒体から取得して予め外部記憶装置4に格納されているラダープログラム作成支援ソフトウェアやネットワークを介して取得したラダープログラム作成支援ソフトウェアをCPU5の主メモリ上に呼び出し、CPU5がそのラダープログラム作成支援ソフトウェアを実行することにより、コンピュータにてラダープログラムの作成・編集を行うことができる。
【0029】
図2は工場等に設置される各種制御装置を統括的に制御するためのPLCのハードウェア構成を示すものである。
【0030】
PLC21は、CPU22が内蔵され、表示部23、操作部24、メモリカード等の外部記憶装置が接続可能な外部機器用インターフェース25、インターネットやLAN等のネットワークと接続可能な通信用インターフェース26、メモリ27が備えられたCPUユニット28を備え、このCPUユニット28に対し拡張ユニット29が着脱可能に構成されている。拡張ユニット29には、例えば、電源ユニット、I/Oユニット、温度調節ユニット、位置決めユニットの他、インターネットやLAN等のネットワークと接続可能な通信ユニットがある。表示部23にはCPUユニット28に取り付けられている拡張ユニット29の動作状況などを表示することができ、表示部23の表示内容は、操作部24を操作することにより切り替えることができる。
【0031】
メモリ27は、例えばバッテリーバックアップされたRAMや、フラッシュメモリ等の不揮発メモリから構成され、概念的に、CPU22が実行するプログラムを記憶するプログラムメモリと、制御時に必要なデータが書き込まれる内部メモリと、CPUユニット28に取り付けられた拡張ユニット29に割り当てられる割り当て領域内に仮想デバイスを記憶する入出力メモリとを備えている。
【0032】
外部機器用インターフェース25や通信用インターフェース26、若しくは通信ユニットを介して転送されるニモニックコードに変換されたラダープログラムは、PLC21内でマシンコードに再変換されメモリ27に格納される。再変換されたマシンコードは、対応するニモニックコードやオプション設定情報と関連付けて、ニモニックコード等と共にメモリ27へ格納するようにしても良い。
【0033】
拡張ユニット29を介して、若しくは直接的にCPUユニットに接続される被制御装置30には、リミットスイッチ、センサ、温度計、位置決めシステムなどの入力装置や、モータ、アクチュエータ、シリンダ、リレーなどの出力装置が含まれる。CPUユニット28のCPU22は、入力装置から入力される入力信号に基づいて、プログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、出力装置の動作を制御する。すなわち、入力装置からの入力信号に基づいて、その入力装置に対応する拡張ユニットに割り当てられた割当領域内の仮想デバイスがオン/オフされ、それに基づいて、CPU22が所定の出力装置に対応する拡張ユニットに割り当てられた割当領域内の仮想デバイスをオン/オフすることにより、出力装置の動作が制御される。
【0034】
PLC21のメモリ27に格納されたプログラムは、図3に示すように工場等のプログラム実行現場における動作確認やプログラム編集等のために、本発明のラダープログラム作成支援ソフトウェアがインストールされたコンピュータ31を用いて、通信用インターフェース26等を介した読出し・参照が可能な構成となっている。ここで、プログラムが作成されたコンピュータと異なるコンピュータで読み出したプログラムに付加されたハイパーリンク情報は、動作環境が異なるため、その参照先ファイル等の格納位置を示すパス情報(アドレス情報)に不整合が生じ、リンク切れとなる可能性がある。
【0035】
本発明では、PLCとPLC用プログラムを提供する装置とが通信を行う際、例えばラダープログラムからニモニックコードへ、ニモニックコードからラダープログラムへといったようにプログラム変換が実行される点に着目し、このプログラム変換を一つの判断材料として、ハイパーリンク情報を無効化することを特徴としている。これにより、開発環境・実行環境を考慮したハイパーリンク情報管理が可能となる。
【0036】
ここで、ハイパーリンク情報の無効化は、ハイパーリンク情報が付加された文字列を選択することによりリンク先へジャンプする機能(ハイパーリンク機能)を実質的に無効化するための手法であって、例えば、マウスオーバーした文字列にアドレス情報があるかどうか確認する処理を実行させない、マウスオーバーした文字列のアドレス情報の取得を行わないといったものや、マウスクリックした場合にアドレス情報を取得しても、アドレス情報を無視してジャンプ処理を実行しないものがある。
【0037】
また、ハイパーリンク情報が無効化された表示を行う他、ハイパーリンク情報として保持されるアドレス情報の一部若しくは全部を欠落させたり変更したりすることにより、転送前のハイパーリンク情報の内容を実質的に変更させた表示を行うことや、これらの手法の組み合わせも含む。
【0038】
尚、ハイパーリンク情報に直接的な変更を加えず、ハイパーリンク情報の表示設定やハイパーリンク情報が付加された文字列選択時の処理をオプション設定情報を用いて定義することで、表示形態や処理内容を変更することにより、プログラム同士の照合の際には照合結果に影響を及ぼさない仕様とすることもできる。
【0039】
図4は、コンピュータがラダープログラム作成支援ソフトウェアを実行することにより実現するプログラム作成支援装置の主要機能のブロック図を示すものであり、データ記憶部46に記憶される表示用データ等を用いて、コメント(行コメントやスクリプト等の付加表示情報)を含むラダー図や、プログラムやプロジェクトデータの照合結果等を表示装置3に表示させる機能を有するラダー図表示部41と、ラダー図を用いたラダープログラム作成・編集機能を有するラダープログラム編集部42と、ラダープログラムからニモニックコードへの変換機能及びニモニックコードからラダープログラムへの逆変換機能を有するラダープログラム変換/逆変換部43と、データ記憶部46に記憶されるハイパーリンク情報等を用いて、ハイパーリンク情報が付加された文字列の選択に伴う処理を実行するハイパーリンク処理部44とからなる。
【0040】
ラダープログラム単位での照合や、PLCとの間で通信されるプロジェクトデータ単位での照合を実行する機能を有する照合部45を備えた場合、PLCとの間で通信されるプロジェクトデータ等のデータ種別に応じた照合方法を選択することもできる。
【0041】
これらの各機能は、メモリ8で構成され、主にデータの一時的な記憶機能を有するデータ記憶部46、外部機器インターフェース11や通信インターフェース12で構成され、外部へのデータ転送機能を有するデータ転送部47と連携して、若しくは一体となって各々の機能を実現するようにしても良い。
【0042】
図5は、プログラム作成支援装置におけるラダープログラム作成処理のフローチャートである。ユーザからラダープログラム作成画面立ち上げ命令を受けたCPU5は、ラダープログラム編集機能とラダー図表示機能とが連携して以下の処理を実行する。
【0043】
外部記憶装置4や通信用インターフェースを介した外部機器からのラダープログラムの読み込み指示がある場合は、データ転送部47を介したデータ記憶部46へのラダープログラムの読み込みが完了すると(ステップS501)、ラダープログラム、シンボルや付加表示情報等の位置情報や付加表示情報の内容(これらはラダープログラムと一体であっても、関連付けて管理されていても良い)、後述するオプション設定情報等を読出し(ステップS502)、それらの情報に基づいて図6に示すようなラダー図を表示装置3に表示する(ステップS503)。尚、ラダープログラムの読み込み指示がない場合は、ステップS501〜S503は実行されず、ユーザは新規にラダープログラムを作成することになる。
【0044】
ここで、図6に示されるコメントの一つである行コメント61は、コメント行の無効化を予め設定することにより、変換時にラダー動作上無視することができ、シンボルと対応付けられた付加表示情報であるコメント62は、その位置情報を管理しておくことにより、表示位置が調整可能となっている。
【0045】
ユーザは、表示装置3に表示されるラダー図を編集し、ラダープログラムを作成する(ステップS504)。ラダープログラム作成の際、ハイパーリンク情報を有するコメントを行コメント61として、又はコメント62として付加することが可能である。また、ハイパーリンク情報が付加された文字列(コメント)を選択することにより、ハイパーリンク情報が示すリンク先へジャンプし、別ファイルで管理されるフローチャートのような関連図表や、ラダー図の元となった外部仕様書等の設計資料を参照することが可能である。
【0046】
編集されたラダープログラムは、ユーザ指示に応じてデータ転送部47を介して外部記憶装置4や通信用インターフェースを介した外部機器へオプション設定情報等と共に格納され、オプション設定情報等と関連付けられたプロジェクトデータとして管理される(ステップS505)。
【0047】
図7は、ラダー図編集の際のハイパーリンク情報設定処理を示すフローチャートである。ラダー図編集の際に、ハイパーリンク情報を付加したい文字列等を指定して、ユーザからハイパーリンク情報設定ダイアログの起動が指示されると、図9に示すようなハイパーリンク情報設定ダイアログを起動する(ステップS701)。
【0048】
ハイパーリンク情報設定ダイアログを介して、ユーザから“C:\プロジェクト\説明.txt”、“\filesvr\プログラム作成支援ツール.xls”といったハイパーリンク先ファイルアドレスや、“\\filesvr2\RD\”といったハイパーリンク先フォルダアドレス等のハイパーリンク情報の指定を受けると(ステップS702)、ハイパーリンク情報を行コメント等の特殊付加情報としてデータ記憶部46へ保存し(ステップS703)、図10の1001に示すような表示形態でハイパーリンク情報の表示がなされる。ハイパーリンク情報は、ステップS505でラダープログラムと共に、若しくはラダープログラムの一部として外部記憶装置4等に格納される。ハイパーリンク機能を利用してリンク先へジャンプする場合は、この特殊付加情報として保存されたハイパーリンク情報を参照することになる。
【0049】
図11は、オプション設定情報を入力するためのオプション設定ダイアログを示す。ユーザは、オプション設定ダイアログを読み出すことで、ラダー図編集に伴って、若しくはラダー図編集とは独立にオプション設定を実行可能である。
【0050】
オプション設定情報には、画面表示形態の指定を含むシステム設定等があり、プロジェクトデータやファイルごとに、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”や“ハイパーリンクのジャンプを有効にする”状態設定1101、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定1102等が可能である。プログラム作成支援ソフトウェアは、状態設定1101に基いて、ハイパーリンク機能の有効・無効化状態を判断し、条件設定1102に基いて、ハイパーリンク機能の有効・無効化状態の設定を行うこととなる。
【0051】
オプション設定情報がデータ記憶部46への読み出されると、ラダー図表示部41が“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定の有無を確認し、ハイパーリンクのジャンプが有効な場合は、図10に示すような通常の表示形態での表示装置3に表示し、ハイパーリンクのジャンプが無効な場合は、通常の表示と異なる表示形態、例えば、異なる色、大きさ、形等で表示する。
【0052】
次に、ハイパーリンク機能の無効化処理の一例について説明する。
【0053】
図8は、ラダー図編集の際のハイパーリンク機能実行処理を示すフローチャートである。ハイパーリンク処理部44は、ハイパーリンク情報が付加された文字列(コメント)にマウスオーバされたか監視し(ステップS801)、マウスオーバされた場合、オプション設定情報(“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”や“ハイパーリンクのジャンプを有効にする”状態設定)を取得し、ハイパーリンクのジャンプが有効か否か判断する(ステップS802)。
【0054】
ステップS802の判断結果に応じて、対応するハイパーリンク情報をデータ記憶部46から取得し、ラダー図上にハイパーリンク情報として保持されるアドレス情報を表示する処理を実行する。ステップS802及びステップS803では、ハイパーリンクのジャンプが有効である場合、アドレス情報を取得し表示する処理を実行する例を示している。
【0055】
ステップS803のアドレス情報表示処理後若しくはアドレス情報表示処理と前後して、ハイパーリンク情報が付加された文字列の選択を受けると(ステップS804)、対応するハイパーリンク情報として保持されるアドレス情報に基づき、リンク先へのジャンプ処理を実行する(ステップS805)。
【0056】
尚、ステップS802のハイパーリンクのジャンプの有効・無効を判断する処理をステップS801の前に実行し、ハイパーリンクのジャンプが無効である場合は、ハイパーリンク情報が付加された文字列として監視する対象に含めないようにしても良い。
【0057】
また、ステップS802のハイパーリンクのジャンプの有効・無効を判断する処理をステップS803の後に実行し、アドレス情報は取得するが、文字列が選択できないように若しくは文字列選択後のジャンプ処理を実行しないようにしても良い。
【0058】
本発明のハイパーリンク処理部は、従来のハイパーリンク機能が実行するアドレス表示処理やジャンプ処理に対して、ハイパーリンク情報の有効状態・無効状態に応じて、適宜処理を無効化するように構成しても良い。
【0059】
次に、ラダープログラムやプロジェクトデータの外部機器への転送処理について説明する。
【0060】
図12は、外部機器へのデータ転送処理を示すフローチャートである。プログラム作成支援装置のCPU5は、ファイル名やID等により転送するプロジェクトデータの指定、若しくはラダープログラムの指定を受けて、ラダープログラム及びラダープログラムと関連付けて管理されるオプション設定情報とをハードディスク等の外部記憶装置4から読み出す(ステップS1201)。
【0061】
データの転送処理がPLCへの転送であるか否かを判断する(ステップS1202)。ここで、データの転送処理がPLCへ行われるもの、すなわちラダープログラムの変換処理が伴う場合は、転送されるオプション設定情報を絞り込み可能とすることで、単なるファイル格納やコピーの時に全てのオプション設定情報を転送する場合(ステップS1205)と異なり、PLC用プログラムの開発環境・実行環境を考慮したデータ転送処理を行うことが可能となる。PLCへのデータ転送処理であるか否かの判断は、ユーザからのPLCへのデータ転送指定に応じて行っても、ラダープログラムからニモニックコードへの変換処理の有無で行っても、外部機器用インターフェース11と通信用インターフェース12とのいずれかを介在する転送であるか判断して決定しても良い。
【0062】
また、転送対象のオプション設定情報は、ラダープログラムと関連付けて管理されるオプション設定情報の中から予め指定されていても良いし、入力装置2等のユーザインターフェースを介して都度選択可能としても良い。
【0063】
データの転送処理がPLCへの転送である場合は、ラダープログラム変換/逆変換部43で、ラダープログラムからニモニックコードへの変換処理を実行する(ステップS1203)。ラダープログラムのニモニックコードへの変換処理は、データ転送処理に伴って自動的に実行しても、データ転送処理とは別に手動で実行しても良い。データ転送処理とは別に変換処理を手動で実行する場合は、データ転送処理時に転送対象のラダープログラムに対応するニモニックコードを読み出し、転送対象のオプション設定情報と共に転送することになる。
【0064】
例えば、メモリカードを介してPLCへラダープログラムを読み込ませる場合、事前にラダープログラムからニモニックコードへの変換処理を実行し、転送対象のオプション設定情報と共にメモリカードへ格納することも考えられる。
【0065】
ニモニックコードへ変換されたラダープログラムは、転送対象のオプション設定情報と共にデータ転送部47を介してPLCへ転送される(ステップS1204)。
【0066】
転送対象のオプション設定情報として、事前に若しくは転送時に“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”旨の条件設定が可能である。ここで、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”旨の条件設定の代わりに、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”旨の状態設定を、転送時に自動若しくは手動で設定し、転送対象のオプション設定情報に含めた場合、プロジェクトデータを読み出したコンピュータの動作環境が転送元のコンピュータと異なっていても、ハイパーリンク切れの問題は生じないが、PLCとの間を転送されるプロジェクトデータ単位でプログラム照合を実施する際、ハイパーリンクのジャンプを有効な状態にして作成した転送元のプロジェクトデータと、オプション設定情報の相違から不整合が生じることになる。すなわち、転送元のオプション設定情報は、“ハイパーリンク情報が有効”状態であり、PLCから読み出されるプロジェクトデータに付随するオプション設定情報は、“ハイパーリンク情報が無効”状態となってしまう。
【0067】
それに対し、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定を転送対象のオプション設定情報とすると、PLCからの読み出しが伴うときには、プロジェクトデータを読み出したパソコン上で“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”処理が実行され、ハイパーリンク切れの問題も回避可能となり、またPLCからの読み出しが伴わない限り、ハイパーリンクが有効状態であるので、転送元で管理されるプロジェクトデータにおいても何ら問題なく“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件を事前に設定できる。したがって、転送元のオプション設定情報も、PLCから読み出されるプロジェクトデータに付随するオプション設定情報も、“PLCから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にする”条件情報を含んだものとなり、照合する際の不整合が生じない。
【0068】
図13は、外部機器からのデータ読み込み処理を示すフローチャートである。プログラム作成支援装置のCPU5は、読み込むプロジェクトデータの指定、若しくはラダープログラムの指定と付随した、外部記憶装置4や通信用インターフェースを介した外部機器からのラダープログラムの読み込み指示があると、データの読み出しがPLCからのものか否かを判断する(ステップS1301)。
【0069】
PLCからの読み出しの場合、PLCに対応づけて格納されているニモニックコード化されたラダープログラムとオプション設定情報とを読み出し(ステップS1302)、ラダープログラム変換/逆変換部43で、ニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理を実行する(ステップS1303)。ニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理は、PLCからのデータ読み出し指示に応じて実行しても、PLCからのデータ読み出し指示により一旦格納されたデータを、別途の逆変換指示に応じて、若しくは別途の表示指示に付随する逆変換処理時に実行しても良い。PLCと異なる外部機器からの読み出しの場合、指定されたプロジェクトデータ等を通常の方法で読み込む(ステップS1305)。
【0070】
ラダープログラム変換/逆変換部43のニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理と共に、若しくはラダープログラム変換/逆変換部43の逆変換処理を実行するのを契機としてCPU5は、後述するオプション設定情報の変更を実行する(ステップS1304)。
【0071】
このように、オプション設定情報の変更処理の自動化は、PLCからのデータ読み出しであるか否かを基準とすることが好ましいが、PLCからのデータ読み出し処理であるか否かの判断は、ユーザからの読み出し指示内容に応じて決定しても、ニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理の有無に応じて決定しても、外部機器用インターフェース11と通信用インターフェース12とのいずれかを介在する転送であるか判断して決定しても良い。
【0072】
図14は、オプション設定情報の変更処理を示すフローチャートである。CPU5は、PLCから読み出されたオプション設定情報に、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定その他のコメント表示形態に関する属性情報が含まれているか否かを判断する(ステップS1401)。このステップは、PLCへ転送されるデータに付加されるオプション設定情報が明らかな場合は省略可能である。
【0073】
PLCから読み出されたオプション設定情報に、コメント表示形態に関する属性情報が付加されていない場合、自装置内の外部記憶装置4等を用い、読み出し対象のプロジェクトデータ等に対応付けて管理されるオプション設定情報に、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定があるか否か及びその設定内容を確認する(ステップS1402)。“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定がONの場合は、オプション設定情報の“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定をONとし、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定がOFFの場合は、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定をOFFにする若しくは設定変更を行わない。尚、自装置内の外部記憶装置4等で別途オプション設定情報を管理せず、PLCからの読み出しと判断した場合は、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定を強制的にONとする仕様であっても一定の効果は得られる。
【0074】
PLCから読み出されたオプション設定情報に、コメント表示形態に関する属性情報が付加されている場合、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定の有無及び設定内容を確認する(ステップS1403)。“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定が含まれている場合は、プロジェクトデータに対応するオプション設定情報のうち“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定をONにする、“ハイパーリンクのジャンプを有効にする”状態設定をOFFにする等、ハイパーリンク情報の無効化を実行する(ステップS1404)。また、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定が含まれていない場合は、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定をOFFにする若しくは設定変更を行わない(ステップS1405)。
【0075】
このように、ニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理と共に、若しくは逆変換処理を契機として、ハイパーリンク情報の表示形態等のオプション設定情報を変更することにより、ハイパーリンク情報の表示処理時に好ましい形態でハイパーリンク情報を表示可能となる。
【0076】
図15は、PLCへのデータ転送処理実行前のハイパーリンク表示と、PLCからデータ読出し処理後のハイパーリンク表示とを示す概念図である。
【0077】
本発明のプログラム作成支援ツールが実行されるコンピュータAで表示されるハイパーリンク情報1501は、PLCを介したデータ転送後、同様にプログラム作成支援ツールが実行されるコンピュータBにおいて、無効化された表示形態のハイパーリンク情報1502として表示される。無効化された表示形態として、表示色の変更、表示サイズの変更、表示フォントの変更等がある。
【0078】
また、ハイパーリンク情報の無効化は、アドレス情報の削除により、若しくはアドレス情報の削除によらず、転送元コンピュータで設定したリンク先へのジャンプ処理が実行されなければ一定の効果が得られる。例えば、ハイパーリンク情報として保持されるアドレス情報の一部を欠落させて、転送先コンピュータで利便性のある相対パスへの変更を実行したり、予め複数のアドレス情報をハイパーリンク情報として管理しておき、転送先コンピュータにて対応するアドレス情報へ変更したりする等、転送元コンピュータで設定したハイパーリンク情報を実質的に無効化させることも含み得る。
【0079】
例えば、転送先コンピュータにてハイパーリンク情報の無効化を実施する際、転送元コンピュータで設定したハイパーリンク情報の内容を保持していることにより、図16に示すようなハイパーリンク一覧表示ダイアログ1601を用いて、アドレス情報を逐次変更することも可能である。
【0080】
図16でモジュール名1602は、プロジェクトデータにおける、ひとつながりのラダープログラムを示すものであり、行1603は、ラダープログラムにおける各行を示す。
【0081】
モジュール名1602及び行1603と対応付けて管理される、リンク文字列1604、リンク先情報1605は、リンク先設定1606を用いてリンク先情報の編集が可能であり、リンク先検索・置換1607により、検索・置換によるリンク先情報の編集が可能である。
【0082】
また、設定削除1608、設定全削除1609により、設定されたハイパーリンク情報の内容を削除することも可能である。ここで、ハイパーリンク情報の内容を削除することは、ハイパーリンク情報が付加された文字列をハイパーリンク情報が付加されていない文字列とすることを意味する。
【0083】
最後に、PLCとの間で通信されるデータの照合について説明する。一般にラダープログラムの不具合や変更等を確認するため、自らが保持するラダープログラムと、PLCから読み込んだニモニックコードを逆変換することにより生成されたラダープログラムとの照合を行い、ラダープログラム間の一致点/相違点を確認したい場合がある。このようなデータ照合には、例えば、転送されるプロジェクトデータに含まれるラダープログラム同士の照合、転送されるプロジェクトデータ同士(ラダープログラム以外の情報を含む)の照合がある。
【0084】
図17は、照合対象やPLCへの書込み対象(転送対象)、PLCからの読出し対象を指定するユーザインターフェースを示す図である。チェックボックス1701で指定された項目単位で照合を実行・表示したり、PLCへの書込みやPLCからの読出しを実行したりできる。
【0085】
このようなユーザインターフェースを用いて、ラダープログラムに含まれない情報を照合の対象としないラダープログラム同士の照合を実行する場合は、ラダープログラムへの直接の改変を避けるよう本発明を適用すれば良く、ハイパーリンク情報の有効化・無効化の状態情報をオプション設定情報として管理すれば一定の効果が得られる。
【0086】
一方、転送されるプロジェクトデータ同士の照合を実行する場合は、上述したとおりハイパーリンク情報の有効化・無効化の状態情報をオプション設定情報として管理するだけでなく、オプション設定情報の受け渡しの手法にも考慮して本発明を適用する必要がある。
【0087】
したがって、CPU5が照合部45で実行される照合方法を予め管理し、オプション設定情報として管理する情報の種別(無効化状態情報、無効化条件情報)や、送付対象となるオプション設定情報を選択するようにしても良い。
【0088】
本実施形態では、PLCを制御するためのシーケンス制御プログラムとしてラダープログラムを例として説明したが、本発明は、ユーザにより作成されるPLC用ユーザプログラムであればラダープログラムに限らず、SFC(Sequential Function Chart)、FBD(Function Block Diagram)、ST(Structured Text)、IL(Instruction
List)などのプログラム言語で作成される場合にも適用可能である。
【0089】
本発明は、ここに説明した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 コンピュータ本体
2 入力装置
3 表示装置
4 外部記憶装置
5 CPU
8 内部メモリ
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブルコントローラを制御するプログラム技術に係り、特にプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置及びプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場等に設置される各種制御装置を統括的に制御する装置として、プログラマブルコントローラ、プログラマブルロジックコントローラと呼ばれるプログラマブルコントロール装置(以下、PLC)が知られている。PLCは、CPUが内蔵されたCPUユニットを備え、CPUユニットに対して拡張ユニットが着脱可能に構成されている。ユーザは、リミットスイッチ、センサ、温度計、位置決めシステムなどの入力装置や、モータ、アクチュエータ、シリンダ、リレーなどの出力装置を含む各種制御装置の機能に応じて拡張ユニットをCPUユニットに取り付けることにより拡張ユニットを介して、若しくは直接的に各種制御装置をCPUユニットに接続する。
【0003】
このようなPLCを制御するプログラムとして、リレー回路を記号化したラダー図を用いて作成されるラダープログラムが知られている。ラダープログラムは、例えば、パーソナルコンピュータ上で実行されるラダープログラム作成ソフトウェアを用いて、パーソナルコンピュータの表示画面上にマトリックス状に表示される複数のセル内に仮想デバイスのシンボル(図形)を適宜配置して、視覚的なリレー回路を表すラダー図を構築することにより作成される。仮想デバイスには、入力装置からの入力信号に基いてオン/オフされる仮想デバイス(入力デバイス)や、出力装置の動作を制御するためにオン/オフされる仮想デバイス(出力デバイス)等がある。
【0004】
パーソナルコンピュータにおいて作成されたラダープログラムは、パーソナルコンピュータ内でニモニックコードに変換される。そして、パーソナルコンピュータをPLCのCPUユニットに接続し、ニモニックコードに変換されたプログラムをパーソナルコンピュータからCPUユニットに送ると、そのプログラムがCPUユニット内でマシンコードに変換され、CPUユニットに備えられたRAMやフラッシュメモリ等のメモリに記憶される。これにより、CPUユニットのCPUは、メモリ内に記憶されているマシンコードに変換されたプログラムに基づいて制御装置の動作を制御することが可能になる。
【0005】
このようなラダープログラムにおけるラダー図のいずれかの行は、プログラム実行時にスキップされる行として設定することにより、仮想デバイスのシンボルを配置せずに、任意の文字列を行コメントとして表示させることができる。また、ラダー図上に表示されるシンボルの位置情報に基いて付加表示情報を適宜位置に柔軟に表示させることも可能である(例えば、特許文献1参照)。仮想デバイスのシンボルに対応付けて、行コメントや付加表示情報等のコメントを表示することにより、プログラムの実行内容の把握を支援する等、ユーザ利便性の向上を図ることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−330865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ラダー図上の行コメントや付加表示情報等のコメントには、書式の自由度を向上させ情報の大容量化にも簡便に対応可能なように、別ファイルで管理されるフローチャートや外部仕様書等とリンクできるハイパーリンク情報を追加できることが好ましい。ハイパーリンク情報とは、文書内に埋め込まれる他の文書や画像などの位置情報であり、文書内のハイパーリンクのある箇所をマウス等で選択すると、関連づけられたリンク先にジャンプするようになっている。ハイパーリンク情報を介してフローチャートのような関連図表や、ラダー図の元となった外部仕様書等の設計資料が参照可能になると、プログラム構築時やプログラム確認時におけるユーザ利便性が更に向上する。
【0008】
しかしながら、一般的にハイパーリンク情報は、参照先(リンク先)のファイル名等を含む、ファイルの格納位置を示すパス情報(アドレス情報)であるので、ハイパーリンク情報を有する文書等の転送先においてハイパーリンク機能を用いた場合、転送元において設定したハイパーリンク情報(リンク先アドレス情報)と転送先の実行環境の不整合によりリンク切れが生じる等、参照先ファイルが表示できない場合がある。
【0009】
PLC用プログラムの開発環境や実行環境を鑑みると、プログラム開発者・開発現場とプログラム実行者・実行現場が異なることが往々にあり、PLCへ転送されたプログラムは、プログラムが作成されたパーソナルコンピュータと異なるパーソナルコンピュータから読出し・参照が可能な構成となっている。このようなプログラムにハイパーリンク情報を付加した場合、上述したリンク切れの問題が顕在化することとなる。従って、プログラムの転送先ではハイパーリンク機能を無効にする等の配慮が望ましい。
【0010】
一方、ラダープログラムの不具合や変更等を確認するため、自らが保持するラダープログラムと、PLCから読み込んだニモニックコードを逆変換することにより生成されたラダープログラムとを照合することにより、ラダープログラム間の一致点/相違点を照合する場合がある。このような場合、各ラダープログラムに付加されたハイパーリンク情報に直接変更が加えられたものをラダー図同士で照合すると、機能的には同じ内容のリレー回路であっても、相違点と認識されてしまうことになる。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、プログラマブルコントローラ用プログラムの開発環境・実行環境を考慮したハイパーリンク機能を実現するプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置及びプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、外付けの表示装置と接続可能若しくは表示装置一体で提供され、表示装置に表示される回路図やフローチャート等のグラフィックな情報(図式情報)を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置であって、図式情報と図式情報中にコメント(例えば、行コメントや仮想デバイスのシンボルに対応付けられたスクリプト等の付加表示情報)として付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムの作成、及びハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報やコメント表示形態に関する属性情報等を含むオプション設定情報の作成を行うプログラム作成機能と、シーケンス制御プログラムやオプション設定情報を記憶させる機能と、シーケンス制御プログラムとオプション設定情報とに基づき、表示装置に図式情報やコメントを表示させる機能と、シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理及びニモニックコードからの逆変換処理を実行するプログラム変換・逆変換機能とを備えたことを特徴とする。
【0013】
シーケンス制御プログラムの一部として認識される可能性のあるハイパーリンク情報に直接的な変更を加えず、ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報をオプション設定情報としたことにより、ユーザはハイパーリンク情報の有効化・無効化を用途に応じて自由に設定可能となる。また、プログラム同士の照合が必要になった場合であっても、照合対象にオプション設定情報を含めないことにより、ハイパーリンク情報が有効の状態で表示されるように設定されているか、無効の状態で表示されるように設定されているかは、照合結果に影響を及ぼさなくなる。
【0014】
また、プログラム変換・逆変換機能は、プログラマブルコントローラからニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムを読み出した際に実行される逆変換処理と共に、ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を無効に設定する処理を実行することにより、ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を表示可能としても良い。プログラマブルコントローラからのデータ読み出し処理に付随する逆変換処理のタイミングで、ハイパーリンク情報を無効化することにより、プログラマブルコントローラとの間で送受されるシーケンス制御プログラムの内容に追加の変更を加えずに、ハイパーリンク情報の無効化を自動化可能とする。
【0015】
プログラマブルコントローラ用プログラムの開発環境・実行環境を考慮し、プログラマブルコントローラからのデータ読み出しの際、すなわち開発者・開発現場から実行者・実行現場へプログラムが渡されるタイミング等、ハイパーリンクが有効に利用できないような異なる動作環境でプログラムが実行される可能性が高いタイミングの場合は、ハイパーリンク情報の無効化を実行し、プログラマブルコントローラからのデータ読み出しでない場合は、すなわち開発者・開発現場における単なるプログラムのコピーが実行されるタイミング等、ハイパーリンクが有効に利用できる動作環境でプログラムが実行される可能性がある場合は、無用な作業が増えないよう、ハイパーリンク情報の無効化を実行しない方が好ましい。そこで、逆変換処理が介在するか否かを一つの判断基準とし、ハイパーリンク情報の無効化を実行することにより、プログラマブルコントローラ用プログラムの開発環境・実行環境を考慮した効率的な機能を提供する。
【0016】
また、プログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置は外部機器と接続可能な通信機能を備えており、プログラマブルコントローラへのデータ転送、プログラマブルコントローラからのデータ読み出しは、1又は複数のファイル(例えば、プログラムファイル、オプション設定情報ファイル、若しくは、プログラムデータ及びオプション設定情報を含むプロジェクトファイル)で構成されるプロジェクトデータを単位としても良い。プログラマブルコントローラへのデータ転送の際は、指定されたプロジェクトデータに含まれるプログラムをニモニックコードへ変換し、ニモニックコードへ変換されたプログラムと共にオプション設定情報が転送される。転送対象となるオプション設定情報は、プログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置で管理・格納されるオプション設定情報の一部が選択されても良い。ここで、転送対象となるオプション設定情報として、プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報を含ませることにより、プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出した装置が、内部でハイパーリンク情報の無効化に関する条件情報を保持する必要なく、また固定的な処理として無効化を実行する手法にもよらず、ハイパーリンク情報の無効化の実行要否を判断することが可能となる。
【0017】
プログラマブルコントローラからのデータ読み出しの際は、プログラマブルコントローラに格納されたプロジェクトデータを指定して、プロジェクトデータに関連づけられたニモニックコードとオプション設定情報を読み出すことになる。ここで、読み出されたプロジェクトデータと自らが保持するプロジェクトデータとの照合が必要になった場合、読み出されたプロジェクトデータに対応するデータ(プログラム、転送対象のオプション設定情報等)を照合することになるが、転送先でのハイパーリンク情報のリンク切れを考慮し、転送時にオプション設定情報として、ハイパーリンク情報が無効であることを示す状態情報を含ませると、自らが保持するプロジェクトデータ(ハイパーリンク情報が有効の状態)と、読み出されたプロジェクトデータ(ハイパーリンク情報が無効の状態)との間で不整合が生じることとなる。そこで、転送時にオプション設定情報として、プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報を含ませることにより、自らが保持するプロジェクトデータ(プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にする条件)と、読み出されたプロジェクトデータ(プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にする条件)との間の不整合が生じることなく、各々の装置上でハイパーリンク情報が有効の状態で表示されるように設定されているか、無効の状態で表示されるように設定されているかが、照合結果に影響を及ぼさなくなる。
【0018】
また、本発明では、表示装置に表示される図式情報を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法であって、図式情報と図式情報中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムを作成するステップと、シーケンス制御プログラムと、ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す情報を含むオプション設定情報とを関連付けて記憶するステップと、シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理を実行するステップと、ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムを前記プログラマブルコントローラへ転送するステップと、プログラマブルコントローラに格納されたニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムの読み出し指示に応じて、読み出されたニモニックコードのシーケンス制御プログラムへの逆変換処理を実行すると共に、当該シーケンス制御プログラムに関連付けられるオプション設定情報のうち、ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す情報をハイパーリンク情報が無効の状態に設定するステップと、ニモニックコードから逆変換されたシーケンス制御プログラムとオプション設定情報とに基づき、ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を前記表示装置に表示するステップとを有することを特徴とする。
【0019】
ここで、オプション設定情報は、プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す情報を含み、ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムと共にプログラマブルコントローラに転送され、プログラマブルコントローラから読み出される当該情報に基づき、ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す情報をハイパーリンク情報が無効の状態に設定するようにしても良い。
【0020】
また、ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を前記表示装置に表示する際、ハイパーリンク情報が無効化されたコメントと、ハイパーリンク情報が付加されていないコメントとを異なる表示形態で表示するようにしても良い。これにより、ユーザはハイパーリンク情報が無効化されていても、外部仕様書等へのリンクがあることが把握可能となり、手動による設定等での対応をすることが可能になる。
【0021】
また、ハイパーリンク情報が無効化されても、ハイパーリンク情報に含まれる参照先(リンク先)のファイル名等を含む、ファイルの格納位置を示すパス情報(アドレス情報)は保持し続けることで、再度ハイパーリンク情報を有効化した場合や、プログラム同士の照合時の完全一致が求められる場合にも対応可能となる。
【0022】
尚、上述した装置及び方法で実現している機能を実現するプログラム若しくはプログラムを格納した記録媒体であっても良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、プログラマブルコントローラ用プログラムの開発環境・実行環境を考慮したハイパーリンク機能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ラダープログラム作成支援ソフトウェアが実行されるコンピュータのハードウェア構成を示す一例である。
【図2】PLCのハードウェア構成を示す一例である。
【図3】ラダープログラム作成支援ソフトウェアが実行されるコンピュータの利用態様を示す一例である。
【図4】プログラム作成支援装置の主要機能のブロック図の一例である。
【図5】プログラム作成支援装置におけるラダープログラム作成処理のフローチャートの一例である。
【図6】表示装置へのラダー図の表示態様の一例である。
【図7】ラダー図編集の際のハイパーリンク情報設定処理を示すフローチャートの一例である。
【図8】ラダー図編集の際のハイパーリンク機能実行処理を示すフローチャートの一例である。
【図9】ハイパーリンク情報設定ダイアログの一例である。
【図10】表示装置へのハイパーリンク情報の表示態様の一例である。
【図11】オプション設定ダイアログの一例である。
【図12】外部機器へのデータ転送処理を示すフローチャートの一例である。
【図13】外部機器からのデータ読み込み処理を示すフローチャートの一例である。
【図14】オプション設定情報の変更処理を示すフローチャートの一例である。
【図15】PLCへのデータ転送処理実行前のハイパーリンク表示と、PLCからデータ読出し処理後のハイパーリンク表示とを示す概念図である。
【図16】ハイパーリンク一覧表示ダイアログの一例である。
【図17】PLCからの読出し対象を指定するダイアログの一例である。
【発明を実施するため形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態においては、プログラマブルコントローラのシーケンス制御プログラムの一つであるラダープログラムを作成するためのプログラム作成支援装置を例として説明する。
【0026】
本実施形態においては、汎用的なコンピュータにラダープログラム作成支援ソフトウェア(ラダープログラム作成支援プログラム)をインストールし、コンピュータにインストールされているOS(オペレーティングシステム)上で実行することにより、プログラム作成支援装置を構成している。
【0027】
図1はラダープログラム作成支援ソフトウェアが実行されるコンピュータのハードウェア構成を示すものであり、コンピュータ本体1、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置2、CRTやLCD等の表示装置3、プログラムやプロジェクトデータを格納するハードディスクやメモリカード等の外部記憶装置4などから構成される。
【0028】
コンピュータ本体1は、演算処理機能を有するCPU5と、OSを含む基本的な動作プログラム等が格納されたROM6や表示用画面データ等を記憶するRAM7を含む内部メモリ8と、入力装置2が接続される入力用インターフェース9と、表示装置3が接続される表示用インターフェース10と、外部記憶装置4が接続される外部機器用インターフェース11と、インターネットやLAN等のネットワークを介して表示器やPLC(プログラマブルコントローラ)等とデータ通信を行うための通信機能を有する通信用インターフェース12とを備え、メモリカード等の記録媒体から取得して予め外部記憶装置4に格納されているラダープログラム作成支援ソフトウェアやネットワークを介して取得したラダープログラム作成支援ソフトウェアをCPU5の主メモリ上に呼び出し、CPU5がそのラダープログラム作成支援ソフトウェアを実行することにより、コンピュータにてラダープログラムの作成・編集を行うことができる。
【0029】
図2は工場等に設置される各種制御装置を統括的に制御するためのPLCのハードウェア構成を示すものである。
【0030】
PLC21は、CPU22が内蔵され、表示部23、操作部24、メモリカード等の外部記憶装置が接続可能な外部機器用インターフェース25、インターネットやLAN等のネットワークと接続可能な通信用インターフェース26、メモリ27が備えられたCPUユニット28を備え、このCPUユニット28に対し拡張ユニット29が着脱可能に構成されている。拡張ユニット29には、例えば、電源ユニット、I/Oユニット、温度調節ユニット、位置決めユニットの他、インターネットやLAN等のネットワークと接続可能な通信ユニットがある。表示部23にはCPUユニット28に取り付けられている拡張ユニット29の動作状況などを表示することができ、表示部23の表示内容は、操作部24を操作することにより切り替えることができる。
【0031】
メモリ27は、例えばバッテリーバックアップされたRAMや、フラッシュメモリ等の不揮発メモリから構成され、概念的に、CPU22が実行するプログラムを記憶するプログラムメモリと、制御時に必要なデータが書き込まれる内部メモリと、CPUユニット28に取り付けられた拡張ユニット29に割り当てられる割り当て領域内に仮想デバイスを記憶する入出力メモリとを備えている。
【0032】
外部機器用インターフェース25や通信用インターフェース26、若しくは通信ユニットを介して転送されるニモニックコードに変換されたラダープログラムは、PLC21内でマシンコードに再変換されメモリ27に格納される。再変換されたマシンコードは、対応するニモニックコードやオプション設定情報と関連付けて、ニモニックコード等と共にメモリ27へ格納するようにしても良い。
【0033】
拡張ユニット29を介して、若しくは直接的にCPUユニットに接続される被制御装置30には、リミットスイッチ、センサ、温度計、位置決めシステムなどの入力装置や、モータ、アクチュエータ、シリンダ、リレーなどの出力装置が含まれる。CPUユニット28のCPU22は、入力装置から入力される入力信号に基づいて、プログラムメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、出力装置の動作を制御する。すなわち、入力装置からの入力信号に基づいて、その入力装置に対応する拡張ユニットに割り当てられた割当領域内の仮想デバイスがオン/オフされ、それに基づいて、CPU22が所定の出力装置に対応する拡張ユニットに割り当てられた割当領域内の仮想デバイスをオン/オフすることにより、出力装置の動作が制御される。
【0034】
PLC21のメモリ27に格納されたプログラムは、図3に示すように工場等のプログラム実行現場における動作確認やプログラム編集等のために、本発明のラダープログラム作成支援ソフトウェアがインストールされたコンピュータ31を用いて、通信用インターフェース26等を介した読出し・参照が可能な構成となっている。ここで、プログラムが作成されたコンピュータと異なるコンピュータで読み出したプログラムに付加されたハイパーリンク情報は、動作環境が異なるため、その参照先ファイル等の格納位置を示すパス情報(アドレス情報)に不整合が生じ、リンク切れとなる可能性がある。
【0035】
本発明では、PLCとPLC用プログラムを提供する装置とが通信を行う際、例えばラダープログラムからニモニックコードへ、ニモニックコードからラダープログラムへといったようにプログラム変換が実行される点に着目し、このプログラム変換を一つの判断材料として、ハイパーリンク情報を無効化することを特徴としている。これにより、開発環境・実行環境を考慮したハイパーリンク情報管理が可能となる。
【0036】
ここで、ハイパーリンク情報の無効化は、ハイパーリンク情報が付加された文字列を選択することによりリンク先へジャンプする機能(ハイパーリンク機能)を実質的に無効化するための手法であって、例えば、マウスオーバーした文字列にアドレス情報があるかどうか確認する処理を実行させない、マウスオーバーした文字列のアドレス情報の取得を行わないといったものや、マウスクリックした場合にアドレス情報を取得しても、アドレス情報を無視してジャンプ処理を実行しないものがある。
【0037】
また、ハイパーリンク情報が無効化された表示を行う他、ハイパーリンク情報として保持されるアドレス情報の一部若しくは全部を欠落させたり変更したりすることにより、転送前のハイパーリンク情報の内容を実質的に変更させた表示を行うことや、これらの手法の組み合わせも含む。
【0038】
尚、ハイパーリンク情報に直接的な変更を加えず、ハイパーリンク情報の表示設定やハイパーリンク情報が付加された文字列選択時の処理をオプション設定情報を用いて定義することで、表示形態や処理内容を変更することにより、プログラム同士の照合の際には照合結果に影響を及ぼさない仕様とすることもできる。
【0039】
図4は、コンピュータがラダープログラム作成支援ソフトウェアを実行することにより実現するプログラム作成支援装置の主要機能のブロック図を示すものであり、データ記憶部46に記憶される表示用データ等を用いて、コメント(行コメントやスクリプト等の付加表示情報)を含むラダー図や、プログラムやプロジェクトデータの照合結果等を表示装置3に表示させる機能を有するラダー図表示部41と、ラダー図を用いたラダープログラム作成・編集機能を有するラダープログラム編集部42と、ラダープログラムからニモニックコードへの変換機能及びニモニックコードからラダープログラムへの逆変換機能を有するラダープログラム変換/逆変換部43と、データ記憶部46に記憶されるハイパーリンク情報等を用いて、ハイパーリンク情報が付加された文字列の選択に伴う処理を実行するハイパーリンク処理部44とからなる。
【0040】
ラダープログラム単位での照合や、PLCとの間で通信されるプロジェクトデータ単位での照合を実行する機能を有する照合部45を備えた場合、PLCとの間で通信されるプロジェクトデータ等のデータ種別に応じた照合方法を選択することもできる。
【0041】
これらの各機能は、メモリ8で構成され、主にデータの一時的な記憶機能を有するデータ記憶部46、外部機器インターフェース11や通信インターフェース12で構成され、外部へのデータ転送機能を有するデータ転送部47と連携して、若しくは一体となって各々の機能を実現するようにしても良い。
【0042】
図5は、プログラム作成支援装置におけるラダープログラム作成処理のフローチャートである。ユーザからラダープログラム作成画面立ち上げ命令を受けたCPU5は、ラダープログラム編集機能とラダー図表示機能とが連携して以下の処理を実行する。
【0043】
外部記憶装置4や通信用インターフェースを介した外部機器からのラダープログラムの読み込み指示がある場合は、データ転送部47を介したデータ記憶部46へのラダープログラムの読み込みが完了すると(ステップS501)、ラダープログラム、シンボルや付加表示情報等の位置情報や付加表示情報の内容(これらはラダープログラムと一体であっても、関連付けて管理されていても良い)、後述するオプション設定情報等を読出し(ステップS502)、それらの情報に基づいて図6に示すようなラダー図を表示装置3に表示する(ステップS503)。尚、ラダープログラムの読み込み指示がない場合は、ステップS501〜S503は実行されず、ユーザは新規にラダープログラムを作成することになる。
【0044】
ここで、図6に示されるコメントの一つである行コメント61は、コメント行の無効化を予め設定することにより、変換時にラダー動作上無視することができ、シンボルと対応付けられた付加表示情報であるコメント62は、その位置情報を管理しておくことにより、表示位置が調整可能となっている。
【0045】
ユーザは、表示装置3に表示されるラダー図を編集し、ラダープログラムを作成する(ステップS504)。ラダープログラム作成の際、ハイパーリンク情報を有するコメントを行コメント61として、又はコメント62として付加することが可能である。また、ハイパーリンク情報が付加された文字列(コメント)を選択することにより、ハイパーリンク情報が示すリンク先へジャンプし、別ファイルで管理されるフローチャートのような関連図表や、ラダー図の元となった外部仕様書等の設計資料を参照することが可能である。
【0046】
編集されたラダープログラムは、ユーザ指示に応じてデータ転送部47を介して外部記憶装置4や通信用インターフェースを介した外部機器へオプション設定情報等と共に格納され、オプション設定情報等と関連付けられたプロジェクトデータとして管理される(ステップS505)。
【0047】
図7は、ラダー図編集の際のハイパーリンク情報設定処理を示すフローチャートである。ラダー図編集の際に、ハイパーリンク情報を付加したい文字列等を指定して、ユーザからハイパーリンク情報設定ダイアログの起動が指示されると、図9に示すようなハイパーリンク情報設定ダイアログを起動する(ステップS701)。
【0048】
ハイパーリンク情報設定ダイアログを介して、ユーザから“C:\プロジェクト\説明.txt”、“\filesvr\プログラム作成支援ツール.xls”といったハイパーリンク先ファイルアドレスや、“\\filesvr2\RD\”といったハイパーリンク先フォルダアドレス等のハイパーリンク情報の指定を受けると(ステップS702)、ハイパーリンク情報を行コメント等の特殊付加情報としてデータ記憶部46へ保存し(ステップS703)、図10の1001に示すような表示形態でハイパーリンク情報の表示がなされる。ハイパーリンク情報は、ステップS505でラダープログラムと共に、若しくはラダープログラムの一部として外部記憶装置4等に格納される。ハイパーリンク機能を利用してリンク先へジャンプする場合は、この特殊付加情報として保存されたハイパーリンク情報を参照することになる。
【0049】
図11は、オプション設定情報を入力するためのオプション設定ダイアログを示す。ユーザは、オプション設定ダイアログを読み出すことで、ラダー図編集に伴って、若しくはラダー図編集とは独立にオプション設定を実行可能である。
【0050】
オプション設定情報には、画面表示形態の指定を含むシステム設定等があり、プロジェクトデータやファイルごとに、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”や“ハイパーリンクのジャンプを有効にする”状態設定1101、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定1102等が可能である。プログラム作成支援ソフトウェアは、状態設定1101に基いて、ハイパーリンク機能の有効・無効化状態を判断し、条件設定1102に基いて、ハイパーリンク機能の有効・無効化状態の設定を行うこととなる。
【0051】
オプション設定情報がデータ記憶部46への読み出されると、ラダー図表示部41が“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定の有無を確認し、ハイパーリンクのジャンプが有効な場合は、図10に示すような通常の表示形態での表示装置3に表示し、ハイパーリンクのジャンプが無効な場合は、通常の表示と異なる表示形態、例えば、異なる色、大きさ、形等で表示する。
【0052】
次に、ハイパーリンク機能の無効化処理の一例について説明する。
【0053】
図8は、ラダー図編集の際のハイパーリンク機能実行処理を示すフローチャートである。ハイパーリンク処理部44は、ハイパーリンク情報が付加された文字列(コメント)にマウスオーバされたか監視し(ステップS801)、マウスオーバされた場合、オプション設定情報(“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”や“ハイパーリンクのジャンプを有効にする”状態設定)を取得し、ハイパーリンクのジャンプが有効か否か判断する(ステップS802)。
【0054】
ステップS802の判断結果に応じて、対応するハイパーリンク情報をデータ記憶部46から取得し、ラダー図上にハイパーリンク情報として保持されるアドレス情報を表示する処理を実行する。ステップS802及びステップS803では、ハイパーリンクのジャンプが有効である場合、アドレス情報を取得し表示する処理を実行する例を示している。
【0055】
ステップS803のアドレス情報表示処理後若しくはアドレス情報表示処理と前後して、ハイパーリンク情報が付加された文字列の選択を受けると(ステップS804)、対応するハイパーリンク情報として保持されるアドレス情報に基づき、リンク先へのジャンプ処理を実行する(ステップS805)。
【0056】
尚、ステップS802のハイパーリンクのジャンプの有効・無効を判断する処理をステップS801の前に実行し、ハイパーリンクのジャンプが無効である場合は、ハイパーリンク情報が付加された文字列として監視する対象に含めないようにしても良い。
【0057】
また、ステップS802のハイパーリンクのジャンプの有効・無効を判断する処理をステップS803の後に実行し、アドレス情報は取得するが、文字列が選択できないように若しくは文字列選択後のジャンプ処理を実行しないようにしても良い。
【0058】
本発明のハイパーリンク処理部は、従来のハイパーリンク機能が実行するアドレス表示処理やジャンプ処理に対して、ハイパーリンク情報の有効状態・無効状態に応じて、適宜処理を無効化するように構成しても良い。
【0059】
次に、ラダープログラムやプロジェクトデータの外部機器への転送処理について説明する。
【0060】
図12は、外部機器へのデータ転送処理を示すフローチャートである。プログラム作成支援装置のCPU5は、ファイル名やID等により転送するプロジェクトデータの指定、若しくはラダープログラムの指定を受けて、ラダープログラム及びラダープログラムと関連付けて管理されるオプション設定情報とをハードディスク等の外部記憶装置4から読み出す(ステップS1201)。
【0061】
データの転送処理がPLCへの転送であるか否かを判断する(ステップS1202)。ここで、データの転送処理がPLCへ行われるもの、すなわちラダープログラムの変換処理が伴う場合は、転送されるオプション設定情報を絞り込み可能とすることで、単なるファイル格納やコピーの時に全てのオプション設定情報を転送する場合(ステップS1205)と異なり、PLC用プログラムの開発環境・実行環境を考慮したデータ転送処理を行うことが可能となる。PLCへのデータ転送処理であるか否かの判断は、ユーザからのPLCへのデータ転送指定に応じて行っても、ラダープログラムからニモニックコードへの変換処理の有無で行っても、外部機器用インターフェース11と通信用インターフェース12とのいずれかを介在する転送であるか判断して決定しても良い。
【0062】
また、転送対象のオプション設定情報は、ラダープログラムと関連付けて管理されるオプション設定情報の中から予め指定されていても良いし、入力装置2等のユーザインターフェースを介して都度選択可能としても良い。
【0063】
データの転送処理がPLCへの転送である場合は、ラダープログラム変換/逆変換部43で、ラダープログラムからニモニックコードへの変換処理を実行する(ステップS1203)。ラダープログラムのニモニックコードへの変換処理は、データ転送処理に伴って自動的に実行しても、データ転送処理とは別に手動で実行しても良い。データ転送処理とは別に変換処理を手動で実行する場合は、データ転送処理時に転送対象のラダープログラムに対応するニモニックコードを読み出し、転送対象のオプション設定情報と共に転送することになる。
【0064】
例えば、メモリカードを介してPLCへラダープログラムを読み込ませる場合、事前にラダープログラムからニモニックコードへの変換処理を実行し、転送対象のオプション設定情報と共にメモリカードへ格納することも考えられる。
【0065】
ニモニックコードへ変換されたラダープログラムは、転送対象のオプション設定情報と共にデータ転送部47を介してPLCへ転送される(ステップS1204)。
【0066】
転送対象のオプション設定情報として、事前に若しくは転送時に“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”旨の条件設定が可能である。ここで、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”旨の条件設定の代わりに、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”旨の状態設定を、転送時に自動若しくは手動で設定し、転送対象のオプション設定情報に含めた場合、プロジェクトデータを読み出したコンピュータの動作環境が転送元のコンピュータと異なっていても、ハイパーリンク切れの問題は生じないが、PLCとの間を転送されるプロジェクトデータ単位でプログラム照合を実施する際、ハイパーリンクのジャンプを有効な状態にして作成した転送元のプロジェクトデータと、オプション設定情報の相違から不整合が生じることになる。すなわち、転送元のオプション設定情報は、“ハイパーリンク情報が有効”状態であり、PLCから読み出されるプロジェクトデータに付随するオプション設定情報は、“ハイパーリンク情報が無効”状態となってしまう。
【0067】
それに対し、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定を転送対象のオプション設定情報とすると、PLCからの読み出しが伴うときには、プロジェクトデータを読み出したパソコン上で“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”処理が実行され、ハイパーリンク切れの問題も回避可能となり、またPLCからの読み出しが伴わない限り、ハイパーリンクが有効状態であるので、転送元で管理されるプロジェクトデータにおいても何ら問題なく“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件を事前に設定できる。したがって、転送元のオプション設定情報も、PLCから読み出されるプロジェクトデータに付随するオプション設定情報も、“PLCから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にする”条件情報を含んだものとなり、照合する際の不整合が生じない。
【0068】
図13は、外部機器からのデータ読み込み処理を示すフローチャートである。プログラム作成支援装置のCPU5は、読み込むプロジェクトデータの指定、若しくはラダープログラムの指定と付随した、外部記憶装置4や通信用インターフェースを介した外部機器からのラダープログラムの読み込み指示があると、データの読み出しがPLCからのものか否かを判断する(ステップS1301)。
【0069】
PLCからの読み出しの場合、PLCに対応づけて格納されているニモニックコード化されたラダープログラムとオプション設定情報とを読み出し(ステップS1302)、ラダープログラム変換/逆変換部43で、ニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理を実行する(ステップS1303)。ニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理は、PLCからのデータ読み出し指示に応じて実行しても、PLCからのデータ読み出し指示により一旦格納されたデータを、別途の逆変換指示に応じて、若しくは別途の表示指示に付随する逆変換処理時に実行しても良い。PLCと異なる外部機器からの読み出しの場合、指定されたプロジェクトデータ等を通常の方法で読み込む(ステップS1305)。
【0070】
ラダープログラム変換/逆変換部43のニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理と共に、若しくはラダープログラム変換/逆変換部43の逆変換処理を実行するのを契機としてCPU5は、後述するオプション設定情報の変更を実行する(ステップS1304)。
【0071】
このように、オプション設定情報の変更処理の自動化は、PLCからのデータ読み出しであるか否かを基準とすることが好ましいが、PLCからのデータ読み出し処理であるか否かの判断は、ユーザからの読み出し指示内容に応じて決定しても、ニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理の有無に応じて決定しても、外部機器用インターフェース11と通信用インターフェース12とのいずれかを介在する転送であるか判断して決定しても良い。
【0072】
図14は、オプション設定情報の変更処理を示すフローチャートである。CPU5は、PLCから読み出されたオプション設定情報に、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定その他のコメント表示形態に関する属性情報が含まれているか否かを判断する(ステップS1401)。このステップは、PLCへ転送されるデータに付加されるオプション設定情報が明らかな場合は省略可能である。
【0073】
PLCから読み出されたオプション設定情報に、コメント表示形態に関する属性情報が付加されていない場合、自装置内の外部記憶装置4等を用い、読み出し対象のプロジェクトデータ等に対応付けて管理されるオプション設定情報に、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定があるか否か及びその設定内容を確認する(ステップS1402)。“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定がONの場合は、オプション設定情報の“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定をONとし、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定がOFFの場合は、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定をOFFにする若しくは設定変更を行わない。尚、自装置内の外部記憶装置4等で別途オプション設定情報を管理せず、PLCからの読み出しと判断した場合は、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定を強制的にONとする仕様であっても一定の効果は得られる。
【0074】
PLCから読み出されたオプション設定情報に、コメント表示形態に関する属性情報が付加されている場合、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定の有無及び設定内容を確認する(ステップS1403)。“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定が含まれている場合は、プロジェクトデータに対応するオプション設定情報のうち“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定をONにする、“ハイパーリンクのジャンプを有効にする”状態設定をOFFにする等、ハイパーリンク情報の無効化を実行する(ステップS1404)。また、“PLCから読み出し時にハイパーリンクのジャンプを無効にする”条件設定が含まれていない場合は、“ハイパーリンクのジャンプを無効にする”状態設定をOFFにする若しくは設定変更を行わない(ステップS1405)。
【0075】
このように、ニモニックコードからラダープログラムへの逆変換処理と共に、若しくは逆変換処理を契機として、ハイパーリンク情報の表示形態等のオプション設定情報を変更することにより、ハイパーリンク情報の表示処理時に好ましい形態でハイパーリンク情報を表示可能となる。
【0076】
図15は、PLCへのデータ転送処理実行前のハイパーリンク表示と、PLCからデータ読出し処理後のハイパーリンク表示とを示す概念図である。
【0077】
本発明のプログラム作成支援ツールが実行されるコンピュータAで表示されるハイパーリンク情報1501は、PLCを介したデータ転送後、同様にプログラム作成支援ツールが実行されるコンピュータBにおいて、無効化された表示形態のハイパーリンク情報1502として表示される。無効化された表示形態として、表示色の変更、表示サイズの変更、表示フォントの変更等がある。
【0078】
また、ハイパーリンク情報の無効化は、アドレス情報の削除により、若しくはアドレス情報の削除によらず、転送元コンピュータで設定したリンク先へのジャンプ処理が実行されなければ一定の効果が得られる。例えば、ハイパーリンク情報として保持されるアドレス情報の一部を欠落させて、転送先コンピュータで利便性のある相対パスへの変更を実行したり、予め複数のアドレス情報をハイパーリンク情報として管理しておき、転送先コンピュータにて対応するアドレス情報へ変更したりする等、転送元コンピュータで設定したハイパーリンク情報を実質的に無効化させることも含み得る。
【0079】
例えば、転送先コンピュータにてハイパーリンク情報の無効化を実施する際、転送元コンピュータで設定したハイパーリンク情報の内容を保持していることにより、図16に示すようなハイパーリンク一覧表示ダイアログ1601を用いて、アドレス情報を逐次変更することも可能である。
【0080】
図16でモジュール名1602は、プロジェクトデータにおける、ひとつながりのラダープログラムを示すものであり、行1603は、ラダープログラムにおける各行を示す。
【0081】
モジュール名1602及び行1603と対応付けて管理される、リンク文字列1604、リンク先情報1605は、リンク先設定1606を用いてリンク先情報の編集が可能であり、リンク先検索・置換1607により、検索・置換によるリンク先情報の編集が可能である。
【0082】
また、設定削除1608、設定全削除1609により、設定されたハイパーリンク情報の内容を削除することも可能である。ここで、ハイパーリンク情報の内容を削除することは、ハイパーリンク情報が付加された文字列をハイパーリンク情報が付加されていない文字列とすることを意味する。
【0083】
最後に、PLCとの間で通信されるデータの照合について説明する。一般にラダープログラムの不具合や変更等を確認するため、自らが保持するラダープログラムと、PLCから読み込んだニモニックコードを逆変換することにより生成されたラダープログラムとの照合を行い、ラダープログラム間の一致点/相違点を確認したい場合がある。このようなデータ照合には、例えば、転送されるプロジェクトデータに含まれるラダープログラム同士の照合、転送されるプロジェクトデータ同士(ラダープログラム以外の情報を含む)の照合がある。
【0084】
図17は、照合対象やPLCへの書込み対象(転送対象)、PLCからの読出し対象を指定するユーザインターフェースを示す図である。チェックボックス1701で指定された項目単位で照合を実行・表示したり、PLCへの書込みやPLCからの読出しを実行したりできる。
【0085】
このようなユーザインターフェースを用いて、ラダープログラムに含まれない情報を照合の対象としないラダープログラム同士の照合を実行する場合は、ラダープログラムへの直接の改変を避けるよう本発明を適用すれば良く、ハイパーリンク情報の有効化・無効化の状態情報をオプション設定情報として管理すれば一定の効果が得られる。
【0086】
一方、転送されるプロジェクトデータ同士の照合を実行する場合は、上述したとおりハイパーリンク情報の有効化・無効化の状態情報をオプション設定情報として管理するだけでなく、オプション設定情報の受け渡しの手法にも考慮して本発明を適用する必要がある。
【0087】
したがって、CPU5が照合部45で実行される照合方法を予め管理し、オプション設定情報として管理する情報の種別(無効化状態情報、無効化条件情報)や、送付対象となるオプション設定情報を選択するようにしても良い。
【0088】
本実施形態では、PLCを制御するためのシーケンス制御プログラムとしてラダープログラムを例として説明したが、本発明は、ユーザにより作成されるPLC用ユーザプログラムであればラダープログラムに限らず、SFC(Sequential Function Chart)、FBD(Function Block Diagram)、ST(Structured Text)、IL(Instruction
List)などのプログラム言語で作成される場合にも適用可能である。
【0089】
本発明は、ここに説明した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 コンピュータ本体
2 入力装置
3 表示装置
4 外部記憶装置
5 CPU
8 内部メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と接続され、当該表示装置に表示される図式情報を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法であって、
図式情報と当該図式情報中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムを作成するステップと、
前記シーケンス制御プログラムと、前記ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す状態情報を含むオプション設定情報とを関連付けて記憶するステップと、
前記シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理を実行するステップと、
前記ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムを前記プログラマブルコントローラへ転送するステップと、
前記プログラマブルコントローラに格納された前記ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムの読み出し指示に応じて、読み出されたニモニックコードのシーケンス制御プログラムへの逆変換処理を実行すると共に、当該シーケンス制御プログラムに関連付けられるオプション設定情報のうち、前記ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す状態情報をハイパーリンク情報が無効の状態に設定するステップと、
前記ニモニックコードから逆変換されたシーケンス制御プログラムとオプション設定情報とに基づき、ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を前記表示装置に表示するステップとを有することを特徴とするハイパーリンク情報管理方法。
【請求項2】
前記オプション設定情報は、プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報を含み、前記ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムと共にプログラマブルコントローラに転送され、当該プログラマブルコントローラから読み出される当該条件情報に基づき、前記ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す状態情報をハイパーリンク情報が無効の状態に設定することを特徴とする請求項1記載のハイパーリンク情報管理方法。
【請求項3】
前記ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を前記表示装置に表示する際、ハイパーリンク情報が無効化されたコメントと、ハイパーリンク情報が付加されていないコメントとを異なる表示形態で表示することを特徴とする請求項1記載のハイパーリンク情報管理方法。
【請求項4】
表示装置と接続され、当該表示装置に表示される図式情報を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置であって、
図式情報と当該図式情報中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムの作成、及び当該ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を含むオプション設定情報の作成を行うプログラム作成手段と、
前記シーケンス制御プログラムと前記オプション設定情報とを記憶する記憶手段と、
前記シーケンス制御プログラムと前記オプション設定情報とに基づき、前記表示装置に前記図式情報と前記コメントとを表示させる手段と、
前記シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理及びニモニックコードからの逆変換処理を実行するプログラム変換・逆変換手段とを備え、
当該プログラム変換・逆変換手段は、プログラマブルコントローラから前記ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムを読み出した際に実行される前記逆変換処理と共に、前記ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を無効に設定する処理を実行することにより、前記ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を表示可能とすることを特徴とするプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置。
【請求項5】
表示装置と接続され、当該表示装置に表示されるラダー図を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置であって、
ラダー図と当該ラダー図中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくラダープログラムの作成、及びプログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報を含むオプション設定情報の作成とを行うプログラム作成手段と、
前記ラダープログラムと前記オプション設定情報とを含むプロジェクトデータを記憶する記憶手段と、
前記プロジェクトデータに含まれるシーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理及びニモニックコードからの逆変換処理を実行するプログラム変換・逆変換手段とを備え、
当該プログラム変換・逆変換手段は、プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出した際に実行される前記逆変換処理と共に、当該読み出されたプロジェクトデータに含まれる、プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報に基づき、ハイパーリンク情報を無効に設定することにより、前記ハイパーリンク情報が無効化されたラダー図を表示可能とすることを特徴とするプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置。
【請求項6】
前記オプション設定情報は、前記プログラマブルコントローラに転送されるプロジェクトデータに含まれない情報としてハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を有し、前記プログラム変換・逆変換手段は、前記プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出した際に前記ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を無効に設定することにより、前記ハイパーリンク情報が無効化されたラダー図を表示可能とすることを特徴とする請求項5記載のプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置。
【請求項1】
表示装置と接続され、当該表示装置に表示される図式情報を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラム作成支援装置におけるハイパーリンク情報管理方法であって、
図式情報と当該図式情報中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムを作成するステップと、
前記シーケンス制御プログラムと、前記ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す状態情報を含むオプション設定情報とを関連付けて記憶するステップと、
前記シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理を実行するステップと、
前記ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムを前記プログラマブルコントローラへ転送するステップと、
前記プログラマブルコントローラに格納された前記ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムの読み出し指示に応じて、読み出されたニモニックコードのシーケンス制御プログラムへの逆変換処理を実行すると共に、当該シーケンス制御プログラムに関連付けられるオプション設定情報のうち、前記ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す状態情報をハイパーリンク情報が無効の状態に設定するステップと、
前記ニモニックコードから逆変換されたシーケンス制御プログラムとオプション設定情報とに基づき、ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を前記表示装置に表示するステップとを有することを特徴とするハイパーリンク情報管理方法。
【請求項2】
前記オプション設定情報は、プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報を含み、前記ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムと共にプログラマブルコントローラに転送され、当該プログラマブルコントローラから読み出される当該条件情報に基づき、前記ハイパーリンク情報が有効の状態又は無効の状態を示す状態情報をハイパーリンク情報が無効の状態に設定することを特徴とする請求項1記載のハイパーリンク情報管理方法。
【請求項3】
前記ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を前記表示装置に表示する際、ハイパーリンク情報が無効化されたコメントと、ハイパーリンク情報が付加されていないコメントとを異なる表示形態で表示することを特徴とする請求項1記載のハイパーリンク情報管理方法。
【請求項4】
表示装置と接続され、当該表示装置に表示される図式情報を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置であって、
図式情報と当該図式情報中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくシーケンス制御プログラムの作成、及び当該ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を含むオプション設定情報の作成を行うプログラム作成手段と、
前記シーケンス制御プログラムと前記オプション設定情報とを記憶する記憶手段と、
前記シーケンス制御プログラムと前記オプション設定情報とに基づき、前記表示装置に前記図式情報と前記コメントとを表示させる手段と、
前記シーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理及びニモニックコードからの逆変換処理を実行するプログラム変換・逆変換手段とを備え、
当該プログラム変換・逆変換手段は、プログラマブルコントローラから前記ニモニックコードに変換されたシーケンス制御プログラムを読み出した際に実行される前記逆変換処理と共に、前記ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を無効に設定する処理を実行することにより、前記ハイパーリンク情報が無効化された図式情報を表示可能とすることを特徴とするプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置。
【請求項5】
表示装置と接続され、当該表示装置に表示されるラダー図を用いて、被制御機器をシーケンシャルに制御するプログラマブルコントローラで実行されるプログラムを作成するためのプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置であって、
ラダー図と当該ラダー図中にコメントとして付加されたハイパーリンク情報とに基づくラダープログラムの作成、及びプログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報を含むオプション設定情報の作成とを行うプログラム作成手段と、
前記ラダープログラムと前記オプション設定情報とを含むプロジェクトデータを記憶する記憶手段と、
前記プロジェクトデータに含まれるシーケンス制御プログラムのニモニックコードへの変換処理及びニモニックコードからの逆変換処理を実行するプログラム変換・逆変換手段とを備え、
当該プログラム変換・逆変換手段は、プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出した際に実行される前記逆変換処理と共に、当該読み出されたプロジェクトデータに含まれる、プログラマブルコントローラから読み出し時にハイパーリンク情報を無効にすることを示す条件情報に基づき、ハイパーリンク情報を無効に設定することにより、前記ハイパーリンク情報が無効化されたラダー図を表示可能とすることを特徴とするプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置。
【請求項6】
前記オプション設定情報は、前記プログラマブルコントローラに転送されるプロジェクトデータに含まれない情報としてハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を有し、前記プログラム変換・逆変換手段は、前記プログラマブルコントローラからプロジェクトデータを読み出した際に前記ハイパーリンク情報の有効・無効を示す状態情報を無効に設定することにより、前記ハイパーリンク情報が無効化されたラダー図を表示可能とすることを特徴とする請求項5記載のプログラマブルコントローラ用プログラム作成支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図11】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−34378(P2011−34378A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180401(P2009−180401)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】
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