説明

プログラム、情報記憶媒体、及びゲームシステム

【課題】プレーヤに戦略的な操作入力を行わせることにより、ゲーム性の幅が広く、飽きのこないゲームシステムを提供すること。
【解決手段】互いに異なる複数の入力信号を出力する操作部160を有し、該入力信号に基づいて対戦ゲームを実行させるためのゲームシステムであって、入力信号の入力時間に基づき第1のパラメータを設定する第1のパラメータ設定処理と、入力信号の種類に基づき第2のパラメータを設定する第2のパラメータ設定処理とを、所定の条件が満たされるまでプレーヤごとに行う設定部114と、第1のパラメータの変化を識別可能に表示させる第1のパラメータ表示制御処理と、第2のパラメータの変化を識別可能に表示させる第2のパラメータ表示制御処理とを行う表示制御部116と、所定の条件が満たされた場合に、各プレーヤごとに第1のパラメータと第2のパラメータとを決定し、決定した第1のパラメータと第2のパラメータとに基づきプレーヤ間の優劣関係を判定する判定部121を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体、及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特開2004−65571号公報に開示される技術のように、対戦相手にダメージをより多く与えることのできるジャンケン属性を対戦相手に認識させて、対戦相手との駆け引きを楽しませるゲームシステムが知られている。
【特許文献1】特開2004−65571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のゲームシステムでは、ダメージをより多く与えることのできるジャンケン属性を対戦相手に認識させるものの、結局のところ相手が選択するジャンケン属性を予想して自己が選択するジャンケン属性を決定する点で従来のジャンケンゲームと大きな差異はなかった。従って、ゲーム性の幅を広げることができないという問題があった。
【0004】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレーヤに戦略的な操作入力を行わせることにより、ゲーム性の幅が広く、飽きのこないゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、
互いに異なる複数の入力信号を出力する操作部を有し、該入力信号に基づいて対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
入力信号の入力時間に基づき第1のパラメータを設定する第1のパラメータ設定処理と、入力信号の種類に基づき第2のパラメータを設定する第2のパラメータ設定処理とを、所定の条件が満たされるまでプレーヤごとに行う設定部と、
前記第1のパラメータの変化を識別可能に表示させる第1のパラメータ表示制御処理と、前記第2のパラメータの変化を識別可能に表示させる第2のパラメータ表示制御処理とを行う表示制御部と、
前記所定の条件が満たされた場合に、各プレーヤごとに前記第1のパラメータと第2のパラメータとを決定し、決定した前記第1のパラメータと第2のパラメータとに基づきプレーヤ間の優劣関係を判定する判定部とを含むことを特徴とするゲームシステムに関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0006】
本発明によれば、プレーヤは、所定の条件が満たされるまでの間に、入力信号の入力時間に基づき設定される第1のパラメータ及び入力信号の種類に基づき設定される第2のパラメータを設定する。ここでプレーヤは、対戦相手について設定されている第1のパラメータ、第2のパラメータを見ながら入力信号を変更させ、自らの第1のパラメータ、第2のパラメータを変更設定することができる。そして、所定の条件が満たされた場合に、各プレーヤの第1のパラメータと第2のパラメータとに基づきプレーヤ間の優劣関係を判定する。
【0007】
従って、本発明によれば、プレーヤは、対戦相手の第1のパラメータ、第2のパラメータを見ながら、入力信号の入力時間に基づき設定される第1のパラメータと入力信号の種類に基づき設定される第2のパラメータの組合せを考慮して、いずれの組合せであれば対戦相手よりも優勢と判定されるか否かを見極める。そして、対戦相手と駆け引きをしながら、所定の条件が満たされるまで入力信号を変更させるという、戦略的かつスリル溢れるゲームを楽しむことができる。
【0008】
(2)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記判定部が、
前記第1のパラメータの優劣関係と前記第2のパラメータの優劣関係とが所定の組合せ又は条件を満たす場合に、所定のプレーヤが優勢であると判定する特別判定処理と、
前記第1のパラメータの優劣関係と前記第2のパラメータの優劣関係とが所定の組合せ又は条件を満たさない場合に、前記第1のパラメータ又は前記第2のパラメータのいずれか一方のパラメータの優劣関係を判定し、
前記一方のパラメータに優劣関係がある場合に、前記一方のパラメータの優劣関係が優勢であるプレーヤが優勢であると判定する第1の判定処理と、
前記一方のパラメータに優劣関係がない場合に、他方のパラメータの優劣関係を判定し、前記他方のパラメータの優劣関係が優勢であるプレーヤが優勢であると判定する第2の判定処理と、
を行うようにしてもよい。
【0009】
本発明では、優劣関係の判定は、第1のパラメータと第2のパラメータの所定の組合せの関係で判定する特別判定処理と、第1のパラメータ又は第2のパラメータのいずれかの優劣関係で判定する第1の判定処理又は第2の判定処理のいずれかによって行われる。
【0010】
従って、本発明によれば、プレーヤは、対戦相手の第1のパラメータ、第2のパラメータを見ながら、いずれの判定処理で優勢と判定されるか否かを見極める。そして、対戦相手と駆け引きをしながら、所定の条件が満たされるまで入力信号を変更させるという、戦略的かつスリル溢れるゲームを楽しむことができる。
【0011】
(3)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記判定結果に基づきステイタスパラメータを更新するステイタスパラメータ更新部としてコンピュータを機能させ、
前記ステイタスパラメータ更新部が、
前記優勢であると判定されたプレーヤが有利になるように前記ステイタスパラメータを更新するようにしてもよい。
【0012】
本発明によれば、プレーヤの戦略的な判断の結果として、ステイタスパラメータが更新される。従って、本発明によれば、ステイタスパラメータを有利に更新させるためにプレーヤに適確な状況判断を行わせ、プレーヤのスリル感をより効果的に高めることができる。
【0013】
(4)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
所与のカウント値をカウントするタイマ部としてコンピュータを更に機能させ、
前記判定部が、
前記カウント値が所定値に達した場合に、各プレーヤごとに前記第1のパラメータと第2のパラメータとを決定し、決定した前記第1のパラメータと第2のパラメータとに基づき優劣関係を判定するようにしてもよい。
【0014】
従って、本発明によれば、プレーヤは、対戦相手の第1のパラメータ、第2のパラメータを見ながら、更に、第1のパラメータと第2のパラメータの変更設定の制限時間を考慮しながら、入力信号の入力時間に基づき設定される第1のパラメータと入力信号の種類に基づき設定される第2のパラメータの組合せを考慮して、いずれの組合せであれば対戦相手よりも優勢と判定されるか否かを見極める。そして、対戦相手と駆け引きをしながら、変更設定の制限時間内で入力信号を変更させるという、戦略的かつスリル溢れるゲームを楽しむことができる。
【0015】
(5)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記設定部が、
前記第1のパラメータ設定処理において、入力信号の入力時間に基づき、第1のパラメータをプレーヤが有利になるように変化させる第1の変化特性に応じて第1のパラメータを設定し、
変更された入力信号に対応する第2のパラメータの設定情報が前記設定されていた第2のパラメータの設定情報と同一である場合に、前記第1のパラメータ設定処理において、該入力信号に基づき前記第1の変化特性に応じて第1のパラメータを設定し、
変更された入力信号に対応する第2のパラメータの設定情報が前記設定されていた第2のパラメータの設定情報と異なる場合に、前記第1のパラメータ設定処理において、該入力信号に基づき、第1のパラメータを不利に変化させる第2の変化特性に応じて第1のパラメータを設定するようにしてもよい。
【0016】
本発明によれば、変更された入力信号に対応する第2のパラメータが設定されていた第2のパラメータと同一である場合には、プレーヤの第1のパラメータを有利に変化させる第1の変化特性に応じてプレーヤの第1のパラメータを変化させて設定するが、変更された入力信号に対応する第2のパラメータが前記設定されていた第2のパラメータと異なる場合には、プレーヤの第1のパラメータを不利に変化させる第2の変化特性に応じてプレーヤの第1のパラメータを変化させて設定する。
【0017】
従って、本発明によれば、プレーヤは、対戦相手について設定されている第1のパラメータ、第2のパラメータを見ながら、自らの第1のパラメータを不利に変化させるべきでないから同一の第2のパラメータの設定情報の間で入力変更する、或いは、自らの第1のパラメータを不利に変化させてでも他の第2のパラメータの設定情報に入力変更するという戦略的な判断を必要とするゲーム性を更に付加することができる。
【0018】
(6)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記設定部が、
各プレーヤについて第3のパラメータを、前記設定された第2のパラメータに対応付けられたサブ設定情報に設定する第3のパラメータ設定処理を更に行い、
前記表示制御部が、
前記第3のパラメータがいずれのサブ設定情報であるかを識別可能に表示させる第3のパラメータ表示制御処理を更に行うようにしてもよい。
【0019】
本発明によれば、例えば第3のパラメータとして特定の設定情報が設定されていると対戦相手により多くのダメージ量を与えることができるようにするなど、より戦略的な判断を必要とするゲーム性を更に付加することができる。
【0020】
(7)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記設定部が、
前記第1のパラメータ設定処理において、入力信号に基づき前記第1のパラメータをプレーヤが有利になるように連続的に変化させて設定し、
各プレーヤについて第3のパラメータを、前記設定された第2のパラメータに対応付けられたサブ設定情報に設定する第3のパラメータ設定処理と、
前記第1のパラメータの変化特性を、前記第3のパラメータに応じて変更する変化特性制御処理とを更に行うようにしてもよい。
【0021】
本発明によれば、第3のパラメータに設定される設定情報に応じて異なる第1のパラメータの変化特性を考慮しながら、自らの第2のパラメータを変更設定するという戦略性を更に付加することができる。
【0022】
(8)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記設定部が、
前記第1のパラメータ設定処理において、入力信号に基づき前記第1のパラメータをプレーヤが有利になるように段階的に変化させて設定し、
各プレーヤについて第3のパラメータを、前記設定された第2のパラメータに対応付けられたサブ設定情報に設定する第3のパラメータ設定処理と、
前記第1のパラメータを段階的に変化させるためのしきい値を、前記第3のパラメータに応じて変更するしきい値制御処理とを更に行うようにしてもよい。
【0023】
本発明によれば、第3のパラメータに設定される設定情報に応じて異なる第1のパラメータを段階的に変化させるためのしきい値を考慮しながら、自らの第2のパラメータを変更設定するという戦略性を更に付加することができる。
【0024】
(9)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
複数の操作子の各操作子に対応付けて配置されるカードに記憶された前記第2のパラメータとして設定される設定情報を読込むカード情報読込部と、
前記読込んだ設定情報を前記各操作子からの入力信号に対応付けて記憶する記憶部を更に含み、
前記設定部が、
前記第2のパラメータ設定処理において、前記入力信号に基づいて前記記憶部を参照し、該入力信号に対応する設定情報を第2のパラメータとして各プレーヤに設定し、前記第1のパラメータ設定処理において、該入力信号に基づいて各プレーヤの第1のパラメータを変化させて設定するようにしてもよい。
【0025】
本発明によれば、第2のパラメータとして設定される設定情報が記憶されたカードを、任意の操作子に対応付けて配置することにより、該操作子を操作して該配置されたカードに対応する設定情報を第1のパラメータとして設定することができる。しかも、その操作子からの入力信号に基づいて第1のパラメータを変化させて設定することができる。
【0026】
従って、プレーヤは操作子に対応付けて配置したカードを見て、任意の第2のパラメータとして設定される設定情報に係るカードを選び、該カードに対応する操作子を操作することにより、任意の第1のパラメータと第2のパラメータとを設定することができる。
【0027】
このように、本発明によれば、プレーヤは複数の情報の設定操作を容易に行うことができるので、戦略的な操作入力をスムーズに行うことができる。しかも、同じ設定情報が記憶されたカードを並べて配置するなど、カードをどのように配置するかという戦略性を更に付加することができる。
【0028】
(10)また本発明に係るゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、
入力信号に基づき、第1のパラメータを相対的な優劣関係が一方向的に予め定められた複数の設定情報のいずれかに変化させて設定する第1のパラメータ設定処理と、入力信号に基づき、第2のパラメータを相対的な優劣関係が巡回的に予め定められた3つの設定情報のいずれかに設定する第2のパラメータ設定処理とを、所定の条件が満たされるまで各プレーヤについて行う設定部と、
前記各プレーヤの第1のパラメータの変化を識別可能に表示させる第1のパラメータ表示制御処理と、前記各プレーヤの第2のパラメータとして前記3つの設定情報のいずれが設定されているかを識別可能に表示させる第2のパラメータ表示制御処理とを行う表示制御部と、
前記所定の条件が満たされた場合に、前記各プレーヤの第1のパラメータと第2のパラメータとに基づきプレーヤ間の優劣関係を判定する判定部と、
前記判定結果に基づきプレーヤのステイタスパラメータを更新するステイタスパラメータ更新部とを含み、
前記判定部が、
一方のプレーヤの第1のパラメータが他方のプレーヤの第1のパラメータに対して優勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定する第1のパラメータ判定処理と、
各プレーヤの第1のパラメータに優劣関係がない場合に、各プレーヤの第2のパラメータの優劣関係が優勢であるプレーヤが優勢であると判定する第2のパラメータ判定処理と、
一方のプレーヤの第1のパラメータが他方のプレーヤの第1のパラメータに対して劣勢であって、一方のプレーヤの第2のパラメータが他方のプレーヤの第2のパラメータに対して劣勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定する逆転判定処理とを行い、
前記ステイタスパラメータ更新部が、
前記優勢であると判定されたプレーヤが有利になるように前記ステイタスパラメータを更新するようにしてもよい。
【0029】
本発明によれば、プレーヤは、所定の条件が満たされるまでの間に、自らの第1のパラメータ及び第2のパラメータを設定する。ここでプレーヤは、対戦相手について設定されている第1のパラメータ、第2のパラメータを見ながら入力信号を変更させ、自らの第1のパラメータ、第2のパラメータを変更設定することができる。そして、所定の条件が満たされた場合に、各プレーヤの第1のパラメータと第2のパラメータとに基づきプレーヤ間の優劣関係を判定する。
【0030】
ここで、優劣関係の判定は、第1のパラメータの優劣関係で判定する第1のパラメータ判定処理と、第2のパラメータの優劣関係で判定する第2のパラメータ判定処理と、第1のパラメータと第2のパラメータの所定の組合せの関係で判定する逆転判定処理のいずれかによって行われる。
【0031】
従って、本発明によれば、プレーヤは、対戦相手の第1のパラメータ、第2のパラメータを見ながら、第1のパラメータ判定処理、第2のパラメータ判定処理、逆転判定処理のいずれで優勢と判定されるか否かを見極める。そして、対戦相手と駆け引きをしながら、所定の条件が満たされるまで入力信号を変更させるという、戦略的かつスリル溢れるゲームを楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0033】
1.第1のゲームの内容
図9に、本実施の形態の第1のゲームを適用したゲームシステム20の表示部22の画面に表示されるゲーム画面と、操作部24の一例を示す。図9に示すように、ゲームシステム20では、表示部22にプレーヤが操作するプレーヤキャラクタCH1と対戦相手(実プレーヤ又はコンピュータプレーヤ)が操作する対戦相手キャラクタCH2とが表示される。そして、操作部24の選択ボタン24−1にはジャンケン属性のパーが対応付けられ、選択ボタン24−2にはチョキ、選択ボタン24−3にはグーが対応付けられている。
【0034】
そして、プレーヤが3つの選択ボタン24−1〜24−3のいずれかを押下して、自己の出し手となるジャンケン属性(第2のパラメータ)を選択設定すると、プレーヤキャラクタCH1に対応する位置に自己の出し手として設定されているジャンケン属性を示す属性アイコンIC1が表示される。例えば、図9に示すように、パーのジャンケン属性が対応付けられている選択ボタン24−1をプレーヤが押下すると、プレーヤキャラクタCH1に対応する位置には、パーのジャンケン属性を示す属性アイコンIC1が表示される。同様に、対戦相手キャラクタCH2に対応する位置には、対戦相手の出し手として設定されているジャンケン属性を示す属性アイコンIC2が表示される。
【0035】
ここで、本実施の形態では、ジャンケン属性(第2のパラメータ)は、相対的な優劣関係が巡回的(いわゆる三竦みの関係)に予め定められている。即ち、パーはグーより優勢で、グーはチョキより優勢で、チョキはパーより優勢となる。
【0036】
また、画面上部には、プレーヤキャラクタCH1のパワー値を示すパワー値メーターPM1が表示される。このパワー値メーターPM1は、初期値が0となっており、いずれかの選択ボタン24−1〜24−3が押下されている間、パワー値メーターPM1の色付き部分が増加するように表示制御される。即ち、プレーヤは選択ボタン24−1〜24−3の押下時間により自己のパワー値を設定することができる。
【0037】
なお、選択ボタン24−1〜24−3が押下されなくなるとパワー値メーターPM1の色付き部分が次第に減少するように表示制御される。また、このパワー値は、例えばプレーヤが選択ボタン24−1を押下してパワー値を増加させた後、他の選択ボタン24−2を押下するとパワー値が0にリセットされ、パワー値メーターPM1のパワー値の表示も0に表示制御される。そして、対戦相手キャラクタCH2のパワー値を示すパワー値メーターPM2も同様に表示制御される。
【0038】
ここで、本実施の形態では、パワー値は、パワー値メーターPM1が半分未満である場合の第1の段階と、パワー値メーターPM1が半分以上で最大値MAX未満である場合の第2の段階と、パワー値メーターPM1が最大値MAXである場合の第3の段階の3段階に設定され、各段階は相対的な優劣関係が一方向的に予め定められている。即ち、パワー値の段階が第1のパラメータとして設定され、パワー値が大きい段階の方が優勢となる。図9の例では、プレーヤキャラクタCH1のパワー値は第1の段階であり、対戦相手キャラクタCH2のパワー値は第2の段階である。
【0039】
また、画面上部中央には、1回の対峙の制限時間をカウントダウンするタイマ表示TMが表示される。本実施の形態では、1回の対峙における選択ボタン24−1〜24−3からの入力信号の受付時間が5秒とされ、プレーヤは受付時間内であれば何回でも自己のジャンケン属性を変更設定することができる。そして、タイマ表示TMが0となったところで、各プレーヤについて設定されているパワー値の段階(第1のパラメータ)とジャンケン属性(第2のパラメータ)とに基づき、プレーヤ間の優劣関係を判定する。
【0040】
また、パワー値メーターPM1、PM2の上方には、各プレーヤのゲーム結果に関わるステイタスパラメータ値を示す体力値メーターSM1、SM2が表示される。この体力値メーターSM1、SM2は、初期値が最大値となっており、判定結果に基づき劣勢であると判定される度に減少するように表示制御される。即ち、劣勢であると判定されたキャラクタがダメージを受け、体力値が0になると敗北となる。
【0041】
そして、本実施の形態では、プレーヤ間の優劣関係の判定を以下のような特徴的な処理により判定している。まず、一方のプレーヤのパワー値の段階が他方のプレーヤのパワー値の段階に対して優勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定する(第1のパラメータ判定処理)。従って、ゲームがスタートし、選択ボタン24−1〜24−3からの入力信号の受付が開始されたならば、プレーヤは、すぐにいずれかの選択ボタン24−1〜24−3の継続的な押下を開始してパワー値の段階を上げれば優勢となる。
【0042】
しかし、本実施の形態では、受付時間が5秒であるのに対し、3秒ほどでパワー値の段階が最大値MAXに達し、第3の段階でクランプされる。すると、各プレーヤのパワー値の段階に優劣関係がないので、この場合には、各プレーヤのジャンケン属性により優劣を判定する(第2のパラメータ判定処理)。
【0043】
ここで、ジャンケン属性で劣勢にあるプレーヤは、対戦相手のジャンケン属性を見て自己のジャンケン属性を、優勢となるジャンケン属性に変更することができる。しかし、ジャンケン属性を変更すると、即ち他の選択ボタン24−1〜24−3を変更選択すると、パワー値が0にリセットされてしまう。従って、受付開始から2秒経過以降に選択ボタン24−1〜24−3の変更選択を行うと、対戦相手が選択ボタン24−1〜24−3の変更選択を行わない限り、パワー値の段階の優劣関係を判定する第1のパラメータ判定処理により、劣勢と判定されてしまう。
【0044】
そこで、本実施の形態では、一方のプレーヤのパワー値の段階が最も劣勢である第1の段階で、他方のプレーヤのパワー値の段階が最も優勢である第3の段階である場合であって、一方のプレーヤのジャンケン属性が他方のプレーヤのジャンケン属性に対して劣勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定する(逆転判定処理)。即ち、他方のプレーヤがパワー値の段階で最も優勢であっても、ジャンケン属性においても優勢である場合には劣勢であると判定する。
【0045】
従って、対戦相手のパワー値の段階が最も優勢な第3の段階であり、入力受付時間内に自己のパワー値の段階を第3の段階に上げられない場合には、対戦相手のジャンケン属性を見て自己のジャンケン属性を劣勢となるジャンケン属性とし、選択ボタン24−1〜24−3の押下を中断してパワー値の段階を下げるか、或いは他の選択ボタン24−1〜24−3を押下してパワー値を0にリセットして、パワー値の段階を第1の段階にする。すると、パワー値の段階で劣勢であっても、逆転判定処理によりジャンケン属性が劣勢であるプレーヤが優勢であると判定される。
【0046】
このように、本実施の形態では、プレーヤは、対戦相手のパワー値の段階、ジャンケン属性、入力受付の残り時間を見ながら、第1のパラメータ判定処理、第2のパラメータ判定処理、逆転判定処理のいずれで優勢と判定されるか否かを見極める。そして、対戦相手と駆け引きをしながら、入力信号の受付時間が終了するまで選択ボタン24−1〜24−3の変更選択を行うという、戦略的かつスリル溢れるゲームを楽しむ。
【0047】
なお、本実施の形態では、パワー値の段階は3段階に限らず2段階でもよいし、4段階以上であってもよい。例えばパワー値の段階を50段階として、パワー値を見た目上無段階に連続的に変化させるようにしてもよい。
【0048】
また、ステイタスパラメータを更新する場合に、優勢であると判定されたプレーヤに設定されていたパワー値又はパワー値の段階に基づき、前記ステイタスパラメータを更新するようにしてもよい。例えば、優勢であると判定された際のパワー値又はパワー値の段階が高いほど、より多くのダメージを対戦相手に与えるようにしてもよい。
【0049】
また、ステイタスパラメータを更新する場合に、優勢であると判定されたプレーヤに設定されていたジャンケン属性に基づき、前記ステイタスパラメータを更新するようにしてもよい。例えば、優勢であると判定された際のジャンケン属性が特定のジャンケン属性である場合に、その他のジャンケン属性で優勢であると判定された場合よりも、多くのダメージを対戦相手に与えるようにしてもよい。
【0050】
また、選択ボタン24−1〜24−3からの入力信号に基づくパワー値の変化特性を、選択ボタン24−1〜24−3に対応付けられたジャンケン属性に応じて変更するようにしてもよい。例えば、パーのジャンケン属性が対応付けられた選択ボタン24−1を押下したときのパワー値の変化量を相対的に大きくし、グーのジャンケン属性が対応付けられた選択ボタン24−3を押下したときのパワー値の変化量を相対的に小さくするように制御してもよい。
【0051】
また、パワー値の段階を変化させるためのしきい値を、選択ボタン24−1〜24−3に対応付けられたジャンケン属性に応じて変更するようにしてもよい。例えば、パーのジャンケン属性が対応付けられた選択ボタン24−1を押下したときは、パワー値の段階が第1の段階から第2の段階に変化するしきい値を相対的に高くし、チョキのジャンケン属性が対応付けられた選択ボタン24−2を押下したときは、パワー値の段階が第1の段階から第2の段階に変化するしきい値を相対的に低くするようにしてもよい。
【0052】
また、選択ボタン24−1〜24−3を押下していない場合には、ジャンケン属性の設定をリセットするようにしてもよい。そして、受付制限時間終了時(優劣判定時)にいずれの選択ボタン24−1〜24−3も押下されていないときは、ジャンケン属性が設定されていないとして劣勢であると判定するか、或いは抽選によりジャンケン属性を設定した上で優劣判定を行なうようにしてもよい。
【0053】
また、第1のパラメータ及び第2のパラメータのいずれについても優劣関係がつかない場合、即ちあいこの場合は、各プレーヤのステイタスパラメータを不利に変化させるようにしてもよい。
【0054】
また、第1のパラメータとして設定される情報はパワー値やパワー値の段階に限らず、相対的な優劣関係が一方向的に予め定められた種々のパラメータを考えることができる。また、第2のパラメータとして設定される情報はジャンケン属性に限らず、相対的な優劣関係が巡回的(三竦みの関係にある)に予め定められた種々のパラメータを考えることができる。
【0055】
2.第2のゲームの内容
図10に、本実施の形態の第2のゲームを適用したゲームシステム30の表示部32の画面に表示されるゲーム画面と、操作部34の一例を示す。ゲームシステム30は第1のゲームを適用したゲームシステム20とほぼ同様の構成となっているが、図10に示すようにゲームシステム30では、操作部34には、3つのジャンケン属性のうち2つのジャンケン属性(第2のパラメータ)が対応付けられた2つの第2の選択ボタン34−1、34−2が設けられている。また、本実施の形態では、パワー値メーターPM1、PM2が「大」と「小」の2段階となっている。
【0056】
ここで、本実施の形態では、第1のパラメータ値として設定されるパワー値及び第2のパラメータとして設定されるジャンケン属性のいずれもが、相対的な優劣関係が一方向的に予め定められている。即ち、パワー値の段階においては「大」の方が「小」よりも優勢であり、ジャンケン属性においては「パー」の方が「グー」よりも優勢である。
【0057】
そして、本実施の形態でも、プレーヤ間の優劣関係の判定を以下のような特徴的な処理により判定している。まず、一方のプレーヤのパワー値の段階が他方のプレーヤのパワー値の段階に対して優勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定する(第1のパラメータ判定処理)。しかし、本実施の形態でも、受付時間が5秒であるのに対し、3秒ほどでパワー値の段階が最大値に達し、「大」の段階の最大値でクランプされる。すると、各プレーヤのパワー値の段階に優劣関係がないので、この場合には、各プレーヤのジャンケン属性により優劣を判定する(第2のパラメータ判定処理)。
【0058】
従って、ゲームがスタートし、選択ボタン34−1、34−2からの入力信号の受付が開始されたならば、プレーヤは、すぐにジャンケン属性において優勢であるパーのジャンケン属性が対応付けられた選択ボタン34−1の継続的な押下を開始してパワー値の段階を上げれば優勢となる。しかし、いずれのプレーヤもジャンケン属性をパーとして、パワー値の段階を「大」の段階としたのでは優劣関係がつかず、あいこにはなるが勝つことができない。そして、あいこの場合は、各プレーヤのステイタスパラメータが不利に変化されてしまう。
【0059】
そこで、本実施の形態では、一方のプレーヤのパワー値の段階が劣勢である「小」の段階で、他方のプレーヤのパワー値の段階が優勢である「大」段階である場合であって、一方のプレーヤのジャンケン属性が他方のプレーヤのジャンケン属性に対して劣勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定する(逆転判定処理)。
【0060】
従って、対戦相手のパワー値の段階が「大」の段階であってジャンケン属性がパーである場合には、自己のジャンケン属性をグーとしてパワー値の段階を「小」の段階にする。すると、逆転判定処理によりパワー値の段階及びジャンケン属性が劣勢であるプレーヤが優勢であると判定される。そして、これを見た対戦相手は、ジャンケン属性をグーに変更設定するとともにパワー値の段階を「大」の段階として、第1のパラメータ判定処理によって優勢となるように操作を行う。
【0061】
このように、本実施の形態でも、プレーヤは、対戦相手のパワー値の段階、ジャンケン属性、入力受付の残り時間を見ながら、第1のパラメータ判定処理、第2のパラメータ判定処理、逆転判定処理のいずれで優勢と判定されるか否かを見極める。そして、対戦相手と駆け引きをしながら、入力信号の受付時間が終了するまで選択ボタン34−1、34−2の変更選択を行うという、戦略的かつスリル溢れるゲームを楽しむ。
【0062】
なお、本実施の形態でも上述した第1のゲームを適用したゲームシステム20における変形例、付加的処理を採用することができる。
【0063】
3.ゲームシステムの概要
図1に、本実施形態のゲームシステム200(ゲーム端末、ゲームステーション)の実現例(外観図の例)を示す。ゲームシステム200は、上述した第1のゲームを実行するものであり、表示部202、操作パネル204、登録操作ボタン208、決定ボタン210、コイン投入口212(コインの投入機構)、音出力部214などを備える。
【0064】
表示部202には、プレーヤキャラクタCH1と対戦相手キャラクタCH2とが表示される。プレーヤは、このプレーヤキャラクタCH1の行動(技)を決定し、他の実プレーヤ又は所定のアルゴリズムで行動するコンピュータプレーヤと対戦ゲームを行う。
【0065】
操作パネル204には、縦3列、横5列の合計15個の技選択ボタン(操作子)216が設けられ、各技選択ボタン216の奥側には、プレーヤが所有する技カード218を配置するための技カード配置領域220が設けられている。この技カード218には、表示部202に表示されるプレーヤキャラクタCH1に発動させる技に関する情報が記憶されている。そして、各技カード配置領域220の中央部には、各技カード配置領域220に配置された技カード218に記憶された技情報を取得するためのセンサ222が設けられている。
【0066】
まず、プレーヤは、各技カード配置領域220に、手持ちの技カード218を1枚ずつ配置する。そして、プレーヤが、所定の制限時間内に、配置した技カード218の中から任意の技カード218を選び、選んだ技カード218に対応する技選択ボタン216を操作すると、選んだ技カード218に記憶された技情報をプレーヤキャラクタCH1の技情報として設定することができる。
【0067】
そして、所定の制限時間が経過すると、技選択ボタン216の操作により設定した技情報が確定され、プレーヤキャラクタCH1が技情報に応じた行動を行う。こうして、本実施の形態のゲームシステム200では、所定の制限時間内にプレーヤが状況に応じて任意の技選択ボタン216を操作して、他のプレーヤ等と対戦するゲームを楽しむ。
【0068】
なお、本実施の形態のゲームシステム200は、同一構成のゲームシステム200を複数台(例えば4〜8台)ネットワークにより接続することができる。そして、各ゲームシステム200間でデータを送受信して、実プレーヤ同士で対戦することができる。
【0069】
4.構成
図2に、本実施形態のゲームシステムの機能ブロック図の一例を示す。なお、本実施形態のゲームシステムは、図2の各部(機能ブロック)を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0070】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、本実施の形態では、4個の登録操作ボタン208、決定ボタン210、15個の技選択ボタン216が設けられている。その機能は、ボタンやレバーの他、操作部と表示部の両方の機能を有するタッチパネル型表示部(パネルに画像が表示されると共に、指やペンで画面を触れたり押すことで情報を入力できる装置)により実現できる。
【0071】
センサ222は、各技カード配置領域220に配置された技カード218に記憶された技情報を取得するためのものであり、種々のセンサにより実現することができる。例えば、技カード218に印刷等されたコードパターンを読み取る光学センサや、磁気データを読み取る磁気センサ、無線電波を受信する受信機等により実現できる。
【0072】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0073】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部をコンピュータに実現させるためのプログラム)が記憶(記録、格納)される。
【0074】
表示部202は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能はCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)操作部と表示部の両方の機能を有するタッチパネル型表示部により実現できる。
【0075】
通信部196は、外部(例えばホストや他のゲームシステム)との間で通信を行うための各種の制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。通信部196のデータ転送プロトコルとしては、IEEE1394やUSB(USB2.0等)などの高速シリアルバスのデータ転送プロトコルを用いることができる。
【0076】
音出力部214は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどのハードウェアにより実現できる。
【0077】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク(広域ネットワーク、インターネット)及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信するようにしてもよい。このようなホスト(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含まれる。
【0078】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの各種の処理を行う。この場合、処理部100は、記憶部170内の主記憶部172をワーク領域として使用して、各種の処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)又はASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
【0079】
ここで、処理部100が行う処理としては、コイン(代価)の受け付け処理、各種モードの設定処理、ゲームの進行処理、選択画面の設定処理、オブジェクト(1又は複数のプリミティブ)の位置や方向(X、Y又はZ軸回りの回転角度)を求める処理、オブジェクトを動作させる処理(モーション処理)、仮想カメラ(視点)の位置や方向(X、Y又はZ軸回りの回転角度)を求める処理、マップオブジェクトなどのオブジェクトをオブジェクト空間へ配置する処理、ヒットチェック処理、ゲーム結果(成果、成績)を演算する処理、複数のプレーヤが共通のゲーム空間でプレイするための処理、或いはゲームオーバー処理などを考えることができる。
【0080】
処理部100は、ゲーム処理部110、カード情報読込部112、設定部114、表示制御部116、タイマ部120、判定部121、ステイタスパラメータ更新部124、画像生成部126、音生成部130を含む。なお、処理部100は、これらの各部(機能ブロック)を全て含む必要はなく、その一部を省略してもよい。
【0081】
ゲーム処理部110は、ゲーム(対戦ゲーム、協力ゲーム、マルチプレーヤゲーム、又は育成ゲーム)を進行させるための種々のゲーム処理(ゲームの表示物を配置したり移動したり表示する処理、ゲーム進行を分岐させる処理或いはゲーム結果を演算する処理等)を行う。より具体的にはゲーム処理部110は、プレーヤが操作するキャラクタと他のプレーヤ(実プレーヤ、コンピュータプレーヤ)が操作するキャラクタとを対戦(或いは協力)させるゲームの処理を行う。
【0082】
カード情報読込部112は、各技カード配置領域220の中央部に設けられたセンサ222が取得した、技カード218に記憶された技情報を読込む。本実施の形態では、各技カード配置領域220に配置された各技カード218の技情報を、各技カード配置領域220に対応する技選択ボタン216と対応付けて記憶部170に記憶する。
【0083】
この場合、例えばゲーム開始前に、読込んだ各技カード218の技情報と各技選択ボタン216とを対応付けるテーブルデータを作成するようにしてもよい。これにより、各技選択ボタン216に対応する技カード配置領域220に配置された各カード218の技情報と、各技選択ボタン216からの入力信号とを対応付けることができ、各技選択ボタン216を操作することにより、当該選択ボタン216に対応するカード218から読込んだ技情報を処理することができる。
【0084】
ここで、技カード218に記憶された技情報とは、技カード218に光学的に読み取り可能に記録され、また電気的、磁気的に記憶された情報であって、ゲームにおいてキャラクタが発動(実行)できる技術、技能に関する情報である。また、技情報とは、プレーヤの操作入力等により各プレーヤについて設定される情報であって、各プレーヤ(自己、対戦相手)のゲーム結果に関わるステイタスパラメータに影響を与える情報とすることができる。この技情報に係る技は、例えばゲーム中にプレーヤが指示することによりキャラクタが発動する。そして、この技情報には、複数の属性情報と、各属性に対応付けられた複数のサブ属性情報とが含まれる。
【0085】
そして、この属性情報は、ジャンケンのグー、チョキ、パーなどの相対的な優劣関係が巡回的(三竦みの関係)に予め定められた3つの属性情報としたり、ジャンケンのパーとグーなどの相対的な優劣関係が一方向的に予め定められた複数の属性情報とすることができる。また、サブ属性情報としては、該サブ属性が対応付けられた属性の技の種類、攻撃力、守備力、成功率、優先度、消費体力、レベルなどの種々のパラメータを考えることができる。
【0086】
即ち、属性情報とサブ属性情報との組合せが異なる技カード218が多数用意されている。例えば、ジャンケン属性が「パー属性」で、サブ属性の技の種類が「連続パンチ」、サブ属性の攻撃力が「5」の技カード218や、ジャンケン属性が「グー属性」で、サブ属性の技の種類が「サイドステップ」、サブ属性の守備力が「3」の技カード218など、種々のものを考えることができる。
【0087】
設定部114は、入力信号の入力時間に基づき第1のパラメータを設定する第1のパラメータ設定処理と、入力信号の種類に基づき第2のパラメータを設定する第2のパラメータ設定処理とを、所定の条件が満たされるまでプレーヤごとに行う。
【0088】
より詳細には、設定部114は、入力信号に基づき、各プレーヤの状態(第1のパラメータ)を相対的な優劣関係が一方向的に予め定められた複数の状態情報のいずれかに変化させて設定する状態設定処理(第1のパラメータ設定処理)を行う。ここで、状態とは、プレーヤの操作入力等により設定されるプレーヤについての情報であって、プレーヤのゲーム結果に関わるステイタスパラメータに影響を与える情報とすることができる。例えば、プレーヤキャラクタCH1のパワー、勢い、精度等、種々のパラメータを考えることができる。
【0089】
また、設定部114は、入力信号に基づき、各プレーヤの属性(第2のパラメータ)を相対的な優劣関係が巡回的に予め定められた3つの属性情報のいずれかに設定する属性設定処理(第2のパラメータ設定処理)を行う。ここで、属性とは、プレーヤの操作入力等により設定されるプレーヤについての情報であって、プレーヤのゲーム結果に関わるステイタスパラメータに影響を与える情報とすることができる。本実施の形態では、技カード218から読込んだジャンケン属性情報を第2のパラメータとして設定する。なお、本実施の形態では、属性設定処理において、入力信号に基づいてテーブルデータを参照し、該入力信号に対応する属性情報を各プレーヤに設定するようにしてもよい。
【0090】
また、本実施の形態では、状態設定処理において、各技選択ボタン216からの入力信号に基づいて各プレーヤの状態を変化させて設定するようにしてもよい。この場合には、例えば、各技選択ボタン216が操作された時間、圧力、速さ等に応じて各プレーヤの状態を変化させて設定するようにしてもよい。なお、属性設定用の操作子と、状態設定用の操作子とを個別に設けるようにしてもよい。
【0091】
また、設定部114は、状態設定処理と属性設定処理とを、所定の条件が満たされるまで行う。所定の条件が満たされるまでとは、例えば、プレーヤによって決定ボタン210が押されるまで、或いは、所定の時点から所定時間が経過するまでとすることができる。即ち本実施の形態では、プレーヤは、所定の条件が満たされるまでプレーヤについての属性と状態とを変更設定することができる。この場合、設定部114は、重ねて2以上の入力信号が入力された場合には、最先又は最後に受け付けた1の入力信号を受け付けるようにしてもよい。
【0092】
そして、設定部114は、入力信号に基づいて変更設定された属性が、設定されていた属性と同一である場合に、状態設定処理において、該入力信号に基づき第1の変化特性に応じて該プレーヤの状態を変化させて設定する。また、入力信号に基づいて変更設定された属性が、設定されていた属性と異なる場合に、状態設定処理において、該入力信号に基づき、プレーヤの状態を不利に変化させる第2の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させて設定する。ここで、第1の変化特性とは、入力信号に応じてプレーヤに有利になるようにプレーヤの状態情報を変化させる特性であって、例えば、入力信号に応じてパワー値等を上げる、高める、溜める等するように変化させる特性とすることができる。
【0093】
例えば、1の技選択ボタン216からの入力信号が、他の技選択ボタン216からの入力信号に変更された場合であって、変更された入力信号に対応する属性が変更前の属性と同一である場合には、該入力信号に基づき第1の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させて設定する。一方、変更された入力信号に対応する属性が変更前の属性と異なる場合には、該入力信号に基づき第2の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させて設定する。ここで、第2の変化特性とは、入力信号に応じてプレーヤに不利になるようにプレーヤの状態情報を変化させる特性であって、例えば、入力信号に応じてプレーヤの状態としてのパワー値等を0にリセットする、或いは大幅又は急激に下げる等するように変化させる特性とすることができる。
【0094】
また、設定部114は、状態設定処理において入力信号がない場合には、第1の変化特性よりも不利であるが第2の変化特性よりも有利である第3の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させて設定するようにしてもよい。ここで、第3の変化特性とは、例えば、入力信号に応じてパワー値等を上げた後に入力信号がなくなった場合に、上げたパワー値等を徐々に下げる、減らす等するように変化させる特性とすることができる。
【0095】
また、設定部114は、入力信号の受付を開始してから所定時間経過するまで入力信号の受付を行う。そして、所定時間経過した後に、他方のプレーヤの状態と属性とを確定する。例えば、所定時間経過した時点で設定されていた属性と状態とを変更設定できないように、入力信号の受付を禁止、終了等する。
【0096】
また、設定部114は、入力信号に基づき一方のプレーヤの属性と状態とが確定されてから、所定時間経過した後に、他方のプレーヤの属性と状態とを確定するようにしてもよい。また、入力信号に基づき、設定された各プレーヤの属性と状態とを確定する処理を行うようにしてもよい。例えば、決定ボタン210が押される、或いは操作子216が所定期間内に所定回数連打されるなど、プレーヤにより情報確定操作が行われると、その時点で設定されていた属性と状態とを変更設定できないように、入力信号の受付を禁止、終了等するようにしてもよい。
【0097】
また、設定部114は、入力信号に基づきプレーヤの状態をプレーヤが有利になるように連続的に変化させて設定し、入力信号に基づくプレーヤの状態の変化特性を、設定された各プレーヤの属性に応じて変更する変化特性制御処理を行うようにしてもよい。例えば、第1の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させて設定する場合に、ジャンケン属性のパー属性が設定されている場合には相対的に少ない操作量でパワー値等が上がるような変化特性に制御し、一方、ジャンケン属性のチョキ属性が設定されている場合には相対的に多くの操作量でパワー値等が上がるような変化特性に制御することができる。
【0098】
また、第2の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させて設定する場合に、パー属性からチョキ属性に変更設定された場合には相対的に少ない量のパワー値等が減算されるような変化特性に制御し、一方、チョキ属性からパー属性に変更設定された場合には相対的に多くの量のパワー値等が減算されるような変化特性に制御することができる。
【0099】
また、設定部114は、入力信号に基づきプレーヤの状態をプレーヤが有利になるように段階的に変化させて設定し、各プレーヤの状態を段階的に変化させるためのしきい値を、設定された各プレーヤの属性に応じて変更するしきい値制御処理を行うようにしてもよい。例えば、パー属性が設定されている場合には相対的に少ない操作量でパワー値の段階が次の段階に上がるようにパワー値の段階のしきい値を制御し、一方、チョキ属性が設定されている場合には相対的に多くの操作量でパワー値の段階が次の段階に上がるようにパワー値の段階のしきい値を制御することができる。
【0100】
また、設定部114は、各プレーヤについてサブ属性(第3のパラメータ)を前記設定された属性(第2のパラメータ)に対応付けられたサブ属性情報に設定するサブ属性設定処理(第3のパラメータ設定処理)を更に行うようにしてもよい。この場合には、上述した変化特性制御処理としきい値制御処理とを各プレーヤに設定されたサブ属性に応じて行うようにしてもよい。
【0101】
また、設定部114は、操作パネル204に配置された技カード218の位置関係に基づいて、設定情報を変化させて設定するようにしてもよい。例えば、隣り合う技カード配置領域220に同一属性の技カード218が配置されている場合や、同一の技カード配置領域220に技カード218が複数枚配置されている場合には、当該技カード218に記憶されているサブ属性情報を変化させて第3のパラメータとして設定するようにしてもよい。より詳細には、例えば、サブ属性としての攻撃力、守備力、成功率、優先度、消費体力、レベルなどの種々のパラメータを変化させて第3のパラメータとして設定してもよい。また、操作パネル204に配置された技カード218の位置関係に基づいて、上述した変化特性制御処理としきい値制御処理とを行うようにしてもよい。
【0102】
表示制御部116は、設定された各プレーヤの状態(第1のパラメータ)の変化を識別可能に表示させる状態表示制御処理(第1のパラメータ表示制御処理)と、設定された各プレーヤの属性(第2のパラメータ)が複数の属性のうちいずれの属性であるかを識別可能に表示させる属性表示制御処理(第2のパラメータ表示制御処理)とを行う。また、属性表示制御処理において、設定された各プレーヤのサブ属性(第3のパラメータ)がいずれのサブ属性であるかを識別可能に表示させるサブ属性表示制御処理(第3のパラメータ表示制御処理)を行うようにしてもよい。例えば、各プレーヤに設定されている属性、サブ属性、状態を、アイコン、文字、キャラクタの動作や形態、色、ゲージ、メーター、グラフなどにより識別表示させることができる。
【0103】
また、表示制御部116は、状態表示制御処理において、プレーヤの状態を示す表示を設定されたプレーヤの状態の変化に応じて連続的に変化させる表示制御処理を行うようにしてもよい。この場合、例えば、プレーヤの状態を示すゲージ、メーター、グラフなどの表示をプレーヤの状態の変化に応じて連続的に更新する。
【0104】
なお、表示制御部116は、入力信号に直接的に基づいて、設定された属性及び状態を識別可能に表示させてもよいし、入力信号に基づき設定された属性及び状態に基づいて、設定された属性及び状態を識別可能に表示させてもよい。
【0105】
また、表示制御部116は、所定の条件が満たされた場合に、少なくとも設定されたプレーヤの属性に基づいて、プレーヤキャラクタを移動・動作させる移動・動作表示制御処理を更に行う。具体的には、各プレーヤの属性、状態が確定された場合、又は所定時間経過した場合に、設定されている属性に応じたモーションデータを選択設定する。そして、プレーヤキャラクタCH1と対戦相手キャラクタCH2とが属性に応じた移動・動作を行う画像を表示させる。
【0106】
タイマ部120は、入力制限時間等の時間を計時(カウント)する処理を行う。例えば、フレーム(1/60秒、1/30秒)更新のタイミングでカウント値(カウント値の変数)をカウントアップすることで時間を計時する。或いは、ゲームシステムが有するリアルタイムクロックのタイマを用いて時間を計時してもよい。
【0107】
また、判定部121は、所定の条件が満たされた場合に、各プレーヤごとに第1のパラメータと第2のパラメータとを決定し、決定した第1のパラメータと第2のパラメータとに基づきプレーヤ間の優劣関係を判定する。本実施の形態では、操作部160からの入力信号の受付を開始してから5秒経過時点で各プレーヤに設定されている状態と属性とに基づき、プレーヤ間の優劣関係を判定する。
【0108】
特に、判定部121は、本実施の形態の特徴的な処理として、一方のプレーヤに設定された状態(第1のパラメータ)が他方のプレーヤに設定された状態に対して優勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定する状態判定処理(第1のパラメータ判定処理)と、各プレーヤに設定された状態に優劣関係がない場合に、各プレーヤに設定された属性(第2のパラメータ)の優劣関係が優勢であるプレーヤが優勢であると判定する属性判定処理(第2のパラメータ判定処理)と、一方のプレーヤに設定された状態が他方のプレーヤに設定された状態に対して劣勢であって、一方のプレーヤに設定された属性が他方のプレーヤに設定された属性に対して劣勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定する逆転判定処理とを行う。
【0109】
また、判定部121は、設定部114が、状態設定処理において、入力信号に基づき、相対的な優劣関係が一方向的に予め定められた第1〜第Nの設定情報のいずれかを各プレーヤについて状態(第1のパラメータ)として設定する場合には、逆転判定処理において、一方のプレーヤの状態(第1のパラメータ)として第1〜第Nの設定情報のうち最も劣勢である第1の設定情報が設定され、他方のプレーヤの状態(第1のパラメータ)として第1〜第Nの設定情報のうち最も優勢である第Nの設定情報が設定されている場合であって、一方のプレーヤの属性(第2のパラメータ)が他方のプレーヤの属性(第2のパラメータ)に対して劣勢である場合に、一方のプレーヤが優勢であると判定するようにしてもよい。
【0110】
ステイタスパラメータ更新部124は、判定結果に基づき優勢であると判定されたプレーヤが有利になるように前記ステイタスパラメータを更新する。ここでステイタスパラメータとは、各プレーヤのゲーム結果に関わるパラメータであって、各プレーヤに予め与えられた所定値が0になると敗北となるキャラクタの体力値や、所定値に達すると敗北となるダメージ量、得点等、種々のパラメータを考えることができる。
【0111】
また、設定されたプレーヤの状態(第1のパラメータ)に応じて、更新するステイタスパラメータの変化量を決定するようにしてもよい。例えば、プレーヤの状態としてパワー値が設定される場合には、設定されたパワー値が高いほど、更新するステイタスパラメータの変化量を大きくする、即ちより多くのダメージ量等を対戦相手に与えるようにしてもよい。また、判定結果に基づきステイタスパラメータを更新するか否か(技の成否)を、抽選によりランダムに決定する場合には、設定されたパワー値が高いほど、更新する確率(技の精度、成功率)を上げるようにしてもよい。
【0112】
また、本実施の形態では、設定された各プレーヤのサブ属性(第3のパラメータ)にも基づいて各プレーヤのステイタスパラメータを更新するようにしてもよい。例えば、第1の攻撃技と第2の攻撃技とでは、属性はパー属性で同一であるが、サブ属性として攻撃力の最大値が異なるように設定されるようにしてもよい。この場合、プレーヤの状態としてのパワー値等が第1の攻撃技と第2の攻撃技とで同一に設定されていても、サブ属性としての攻撃力の最大値が大きく設定されている技の方が、更新するステイタスパラメータの変化量を大きくする、即ちより多くのダメージ量等を対戦相手に与えるようにしてもよい。
【0113】
画像生成部126は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部202に出力する。即ち、いわゆる3次元のゲーム画像を生成する場合には、まず、座標変換、クリッピング処理、透視変換或いは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いは癇l等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)が、描画バッファ174(フレームバッファ、ワークバッファ等のピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ)に描画される。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成されるようになる。
【0114】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部214に出力する。
【0115】
なお、ゲームシステム200を複数台接続する構成の場合に、図2のゲームシステムの各機能ブロックの処理の一部又は全部を、1台のゲームシステム200で実現してもよいし、複数台のゲームシステム200の分散処理や、ゲームシステム200とサーバ(ホスト)との分散処理により実現してもよい。
【0116】
5.処理の流れ
5−1.ゲームスタート時の処理
次に、ゲームスタート時の処理について図面を用いて説明する。図3は、ゲームスタート時の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。まず、ステップS20において、図1に示すコイン投入口212へコインが投入された場合には、ステップS22において、プレーヤが所有する技カード218を、技カード配置領域220に配置することを促す技カード配置指示画面を表示部202に表示させる。
【0117】
すると、ステップS24において、各技カード配置領域220に配置された技カード218に記憶されている技情報をセンサ222が取得し、ステップS26において、読込んだ技情報をプレーヤキャラクタCH1が発動することができる技として登録する。このとき、本実施の形態では、各技カード218の技情報と各操作子216とを対応付けるテーブルデータを作成する。従って、本実施の形態では、各操作子216を操作すると、該操作子216に対応する技カード配置領域220に配置された技カード218の技情報を、プレーヤの属性(第1のパラメータ)及びサブ属性(第3のパラメータ)として設定することができる。
【0118】
すると、ステップS28において、登録された技情報を表示部202に一覧表示させる。このとき、対戦相手のプレーヤが実プレーヤである場合には、対戦相手のプレーヤが配置した技カード218の技情報も一覧表示される。また、コンピュータプレーヤである場合には、所定のアルゴリズムで選択された技情報が一覧表示される。即ち、各プレーヤが発動可能な技情報が開示される。
【0119】
なお、本実施の形態では、技カード配置領域220を縦3列、横5列の合計15箇所設けているが、15箇所全てに技カード218を配置しなくてもゲームを行うことができる。また、技カード配置領域220の配列や数は任意に変更することができる。
【0120】
5−2.対戦ゲーム時の処理
次に、対戦ゲーム時の処理について図面を用いて説明する。図4は、本実施の形態の対戦ゲームにおいて表示部202に表示されるゲーム画面の一例である。ゲームシステム200は第1のゲームを適用したゲームシステム20(図9)とほぼ同様の構成となっているが、図4に示すように、本実施の形態では、プレーヤキャラクタCH1と対戦相手キャラクタCH2に対応する位置に、各プレーヤキャラクタに設定されている属性(第1のパラメータ)及びサブ属性(第3のパラメータ)を示す属性アイコンIC1、IC2を表示させる。
【0121】
本実施の形態では、設定されているジャンケン属性がいずれのジャンケン属性かを属性アイコンIC1、IC2の形状により識別表示し、設定されているサブ属性としての技の種類を文字により識別表示している。そして、パワー値は、パワー値メーターPM1が半分未満である場合の第1の段階と、パワー値メーターPM1が半分以上で最大値MAX未満である場合の第2の段階と、パワー値メーターPM1が最大値MAXである場合の第3の段階の3段階に設定され、相対的な優劣関係が一方向的に予め定められている。
【0122】
図5は、対戦ゲーム時の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。まず、ステップS40において、プレーヤキャラクタCH1と対戦相手のプレーヤキャラクタCH2とを表示部202に表示させる。そして、ステップS42において、技選択ボタン216からの入力信号の受付けを開始し、ステップS44において、入力信号に基づきプレーヤのパワー値を増加させて設定する状態設定処理(第1のパラメータ設定処理)と、該入力信号に基づき各プレーヤのジャンケン属性を該入力信号に対応するジャンケン属性に設定する属性設定処理(第2のパラメータ設定処理)とを行う。
【0123】
そして、ステップS44の処理に同期するように、ステップS46において、設定された各プレーヤのパワー値の段階(第1のパラメータ)の変化を識別可能に、パワー値メーターPM1、PM2の表示制御を行う状態表示制御処理(第1のパラメータ表示制御処理)と、設定された各プレーヤのジャンケン属性(第2のパラメータ)とサブ属性(第3のパラメータ)とを識別可能に、属性アイコンIC1、IC2の表示制御を行う属性表示制御処理(第2のパラメータ表示制御処理、第3のパラメータ表示制御処理)とを行う。そして、属性設定処理、状態設定処理、属性表示制御処理、状態表示制御処理は、ステップS48において、技選択ボタン216の入力受付を開始してから5秒経過したと判断されるまで(ステップS48のY)行われる。
【0124】
例えば、図6(A)に示すように、プレーヤが、ジャンケン属性情報が「パー属性」でサブ属性(技種類)情報が「連続パンチ」である技カード218−1に対応する技選択ボタン216−1を押下すると、表示部202には、プレーヤキャラクタCH1に対応する位置に「パー属性」であることを示す星型アイコンであって「連続パンチ」と表示された属性アイコンIC1を表示させる。一方、対戦相手のジャンケン属性が「チョキ属性」でサブ属性が「回し蹴り」に設定された場合には、ジャンケン属性が「パー」と「チョキ」で対戦相手が優勢となるので、図6(B)に示すように、属性情報が「グー属性」でサブ属性(技種類)が「タックル」である技カード218−2に対応する技選択ボタン216−2を押下して、属性とサブ属性を変更設定することができる。
【0125】
すると、表示部202には、プレーヤキャラクタCH1に対応する位置に「グー属性」であることを示す八角形のアイコンであって「タックル」と表示された属性アイコンIC1を表示させる。このように、本実施の形態では、入力受付開始から5秒経過するまで、プレーヤは対戦相手について設定されているジャンケン属性、パワー値の段階を見ながら、自らのジャンケン属性、パワー値の段階を変更設定することができる。
【0126】
そして、ステップS52において、プレーヤのジャンケン属性、パワー値の段階が確定されると、ステップS54において、各プレーヤのジャンケン属性とパワー値の段階とに基づいてプレーヤ間の優劣関係を判定する。すると、ステップS56において、優勢と判定されたプレーヤについて設定されていた状態(第2のパラメータ)とサブ属性(第3のパラメータ)の技種類に基づいて、該プレーヤのキャラクタが移動・動作する画像を表示させる。
【0127】
例えばサブ属性の技種類が連続パンチ、状態のパワー値の段階が最大値である場合には、キャラクタが閃光を発しながら対戦相手のキャラクタに連続パンチを繰り出す画像を表示させる。そして、ステップS58において、優勢と判定されたプレーヤについて設定されていた状態(第2のパラメータ)に応じて、劣勢と判定されたプレーヤについてのステイタスパラメータを減算して更新する。
【0128】
すると、ステップS60において、各プレーヤのステイタスパラメータが0になったか否かを判断し、いずれかのプレーヤのステイタスパラメータが0になった場合には(ステップS60のY)、ステップS62において、ステイタスパラメータが0になっていない方のプレーヤが勝利したと判定する。一方、0になっていない場合には(ステップS60のN)、ステップS42に戻り、ステップS44〜ステップS60までの処理を繰り返す。こうして、本実施の形態では、各プレーヤが互いにジャンケン属性のグー、チョキ、パーのいずれかの属性の技を発動し、対戦相手のステイタスパラメータを減少させながら、対戦相手のプレーヤのステイタスパラメータを0とするゲームを楽しむ。
【0129】
5−3.状態設定処理の詳細
次に、図5のステップS44における状態設定処理(第1のパラメータ設定処理)の詳細について図面を用いて説明する。図7は、状態設定処理の流れの一例を示すフローチャート図である。まず、ステップS80において、技選択ボタン216からの入力信号がある場合には(ステップS80のY)、ステップS82において、設定されている状態としてのパワー値(第1のパラメータ)が初期状態か否か、即ち0か否かを判断する。ここで設定されているパワー値が初期状態である場合には(ステップS82のY)、ステップS84においてパワー値を加算する。
【0130】
すると、ステップS80に戻り、再び入力信号があるか否か判断し、入力信号がある場合には(ステップS80のY)、ステップS82において、設定されているパワー値が初期状態でないと判断する(ステップS82のN)。すると、ステップS86において、入力信号に対応するジャンケン属性が、前回のループでの入力信号に対応するジャンケン属性と同一であるか否か判断し、同一である場合には(ステップS86のY)ステップS84においてパワー値を加算する。
【0131】
即ち、本実施の形態では、プレーヤが1の技選択ボタン216を押下し続けるとプレーヤの状態としてのパワー値(第1のパラメータ)が増加していく(第1の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させる)。また、1の技選択ボタン216を押下した後に他の技選択ボタン216を押下した場合であっても、他の技選択ボタン216に対応するジャンケン属性が、先に押下していた技選択ボタン216に対応するジャンケン属性と同一である場合には、継続してパワー値が増加していく。そしてこれに伴ない、パワー値メーターPM1のパワー値の表示を増加させる表示制御を行う。
【0132】
例えば、図8(A)に示すように、プレーヤが、属性情報が「パー属性」でサブ属性(技種類)情報が「連続パンチ」である技カード218−1に対応する技選択ボタン216−1を押下し続けると、パワー値メーターPM1のパワー値の表示を増加させる表示制御を行う。その後、図8(B)に示すように、属性情報が同じ「パー属性」でサブ属性(技種類)情報が異なる「飛び蹴り」である技カード218−3に対応する技選択ボタン216−3を押下しても、パワー値メーターPM1のパワー値の表示を継続させて増加させる表示制御を行う。
【0133】
一方、ステップS86において、入力信号に対応するジャンケン属性が、前回のループでの入力信号に対応するジャンケン属性と異なる場合には(ステップS86のN)ステップS88においてパワー値を初期状態にリセットする。即ち、本実施の形態では、異なるジャンケン属性が対応付けられた技選択ボタン216を押下するとパワー値が0にリセットされる(第2の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させる)。そしてこれに伴い、パワー値メーターPM1のパワー値の表示を0にリセットさせる表示制御を行う。
【0134】
例えば、図6(A)に示すように、プレーヤが、属性情報が「パー属性」でサブ属性(技種類)情報が「連続パンチ」である技カード218−1に対応する技選択ボタン216−1を押下し続けて、パワー値メーターPM1のパワー値の表示を増加させた後、図6(B)に示すように、ジャンケン属性情報が異なる「グー属性」である技カード218−2に対応する技選択ボタン216−2を押下すると、パワー値メーターPM1のパワー値の表示を0にリセットさせる表示制御を行う。
【0135】
なお、ステップS80において、入力信号がないと判断すると(ステップS80のN)ステップS90において、設定されているパワー値が初期状態か否か判断し、設定されているパワー値が初期状態である場合には(ステップS90のY)、ステップS80に戻り、再び入力信号があるか否か判断する。一方、設定されているパワー値が初期状態でない場合には(ステップS90のN)、ステップS92においてパワー値を減算する。
【0136】
即ち、本実施の形態では、プレーヤが1の技選択ボタン216を押下した後に押下を中断すると、パワー値が減少していく(第3の変化特性に応じてプレーヤの状態を変化させる)。そしてこれに伴い、パワー値メーターPM1のパワー値の表示を減少させる表示制御を行う。
【0137】
こうして本実施の形態では、プレーヤは、対戦相手について設定されている属性(ジャンケン属性)、状態(パワー値の段階)を見ながら、自らの状態を不利に変化させるべきでないから同一の属性に対応する他の技選択ボタン216に切り替えて、同一の属性の間でサブ属性(技の種類等)を変更設定する、或いは、自らの状態を不利に変化させてでも他の属性に対応する技選択ボタン216に切り替えて、異なる属性のサブ属性に変更設定するという戦略的な判断を必要とするゲームを楽しむことができる。
【0138】
5−4.優劣判定処理の詳細
次に、図5のステップS54における優劣判定処理の詳細について図面を用いて説明する。
【0139】
5−4−1.第1の態様
図11は、第1の態様の優劣判定処理の流れの一例を示すフローチャート図である。まず、ステップS100において、各プレーヤに設定されているパワー値の段階(第1のパラメータ)が同じ段階であるか否かを判断し、同じ段階でない場合には(ステップS100のN)、ステップS102において、一方のプレーヤのパワー値の段階が最大値MAXである第3の段階か否か判断する。ここで、いずれのプレーヤのパワー値も第3の段階でない場合には(ステップS102のN)、ステップS104において、パワー値の段階が高い方が優勢であると判定する(第1のパラメータ判定処理)。
【0140】
また、ステップS102において、一方のプレーヤのパワー値が第3の段階である場合には(ステップS102のY)、ステップS106において、他方のプレーヤのパワー値が第1の段階か否か判断し、他方のプレーヤのパワー値の段階が第2の段階である場合には(ステップS106のN)、ステップS104において、パワー値の段階が高い方が優勢であると判定する(第1のパラメータ判定処理)。
【0141】
一方、ステップS106において、他方のプレーヤのパワー値の段階が第1の段階である場合には(ステップS106のY)、ステップS108において、パワー値の段階が低く、ジャンケン属性で劣勢である方が優勢であると判定する(逆転判定処理)。
【0142】
また、ステップS100において、各プレーヤに設定されているパワー値の段階が同じ段階である場合には(ステップS100のY)、ステップS110において、ジャンケン属性(第2のパラメータ)で優勢である方が優勢であると判定する(第2のパラメータ判定処理)。
【0143】
5−4−2.第2の態様
図12は、第2の態様の優劣判定処理の流れの一例を示すフローチャート図である。第2の態様では、まず、ステップS120において、各プレーヤの第1のパラメータ(パワー値の段階)の関係と第2のパラメータ(ジャンケン属性)の関係とが所定の組み合わせか否か判定する。本実施形態では、プレーヤ間の第1のパラメータの関係が、一方のプレーヤのパワー値の段階が第1の段階で他方のプレーヤのパワー値の段階が第3の段階である組合せであって、かつ、プレーヤ間の第2のパラメータの関係が、一方のプレーヤのジャンケン属性が他方のプレーヤのジャンケン属性に対して劣勢である組合せとなっているか否かを判定する。そして、所定の組合せとなっている場合には(ステップS120のY)、ステップS122において、一方のプレーヤが優勢であると判定する(特別判定処理)。
【0144】
一方、所定の組合せとなっていない場合には(ステップS120のN)、ステップS124において、各プレーヤの第1のパラメータ(パワー値の段階)が一致するか否かを判定する。そして、第1のパラメータが一致しない場合には(ステップS124のN)、ステップS126において、第1のパラメータが優勢であるプレーヤ即ちパワー値の段階が高いプレーヤが優勢であると判定する(第1のパラメータ判定処理)。
【0145】
一方、第1のパラメータが一致する場合には(ステップS124のY)、ステップS128において、各プレーヤの第2のパラメータ(ジャンケン属性)が一致するか否かを判定する。そして、第2のパラメータが一致しない場合には(ステップS128のN)、ステップS130において、第2のパラメータが優勢であるプレーヤ即ちジャンケン属性が優勢であるプレーヤが優勢であると判定する(第2のパラメータ判定処理)。
【0146】
一方、第2のパラメータが一致する場合には(ステップS128のY)、ステップS132において、プレーヤ間に優劣がない即ちあいこであると判定する(あいこ判定処理)。なお、ステップS124・126の第1のパラメータの判定処理と、ステップS128・130の第2のパラメータの判定処理とは順序を逆にして行ってもよい。
【0147】
5−4−3.第3の態様
図13は、第3の態様の優劣判定処理の流れの一例を示すフローチャート図である。第3の態様では、まず、ステップS140において、各プレーヤに設定されている第1のパラメータ(パワー値の段階)と第2のパラメータ(ジャンケン属性)とに基づきテーブルデータを参照し、ステップS142において、いずれのプレーヤが優勢であるかを判定する。
【0148】
図14は、第3の態様で用いられる判定テーブルの一例である。図14の判定テーブルには、第1のプレーヤAと第2のプレーヤBの優劣関係を示すデータが、各プレーヤに設定されたジャンケン属性(第2のパラメータ)とパワー値の段階(第1のパラメータ)との組合せに関連付けて記憶されている。図中「A」とあるのは、第1のプレーヤAが優勢であることを示し、「B」とあるのは、第2のプレーヤBが優勢であることを示す。また、丸で囲われているものは、上述の特別判定処理に対応する態様でいずれかのプレーヤが優勢であると判定されるものを示し、「−」とあるのは、優劣関係がない即ちあいこであることを示すものである。
【0149】
この判定テーブルを用いた場合には、例えば、第1のプレーヤAのジャンケン属性(第2のパラメータ)がチョキ属性であってパワー値の段階(第1のパラメータ)が第3段階である場合には、データ行R1を参照する。そして、第2のプレーヤBのジャンケン属性(第2のパラメータ)がグー属性であってパワー値の段階(第1のパラメータ)が第1段階である場合には、データ列L1を参照する。そして、データ行R1とデータ列L1とが交差するデータR1L1を参照する。すると、この場合に優勢であるプレーヤは第1のプレーヤAであると判定する。
【0150】
また、第1のプレーヤAのジャンケン属性(第2のパラメータ)がグー属性であってパワー値の段階(第1のパラメータ)が第3段階である場合には、データ行R2を参照する。そして、第2のプレーヤBのジャンケン属性(第2のパラメータ)がパー属性であってパワー値の段階(第1のパラメータ)が第3段階である場合には、データ列L2を参照する。そして、データ行R2とデータ列L2とが交差するデータR2L2を参照する。すると、この場合に優勢であるプレーヤは第1のプレーヤBであると判定する。
【0151】
そして、第1のプレーヤAのジャンケン属性(第2のパラメータ)がパー属性であってパワー値の段階(第1のパラメータ)が第3段階である場合には、データ行R3を参照する。そして、第2のプレーヤBのジャンケン属性(第1のパラメータ)がグー属性であってパワー値の段階(第1のパラメータ)が第1段階である場合には、データ列L1を参照する。そして、データ行R3とデータ列L1とが交差するデータR3L1を参照する。すると、この場合に優勢であるプレーヤは第1のプレーヤBであると判定する。
【0152】
このように、第3の態様の優劣判定処理によれば、テーブルデータを用いて優勢であるプレーヤを一義的に判定することができる。
【0153】
6.ハードウェア構成
図15に本実施形態を実現できるハードウェア構成の例を示す。メインプロセッサ900は、CD982(情報記憶媒体)に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介してダウンロードされたプログラム、或いはROM950に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などを実行する。コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えばオブジェクトを移動させたり動作(モーション)させる物理シミュレーションに、マトリクス演算処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
【0154】
ジオメトリプロセッサ904は、メインプロセッサ900上で動作するプログラムからの指示に基づいて、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、マトリクス演算を高速に実行する。データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データのデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする。これにより、オープニング画面やゲーム画面において、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できる。
【0155】
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を実行する。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970を利用して、描画データを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると描画プロセッサ910は、描画データやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した隠面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に描画する。また描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処理なども行う。1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれるとその画像はディスプレイ912に表示される。
【0156】
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音声などのゲーム音を生成し、スピーカ932を介して出力する。ゲームコントローラ942やメモリカード944からのデータはシリアルインターフェース940を介して入力される。
【0157】
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。業務用ゲームシステムの場合にはROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM950に各種プログラムが格納される。なおROM950の代わりにハードディスクを利用してもよい。RAM960は各種プロセッサの作業領域となる。DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ間でのDMA転送を制御する。CDドライブ980は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるCD982にアクセスする。通信インターフェース990はネットワーク(通信回線、高速シリアルバス)を介して外部との間でデータ転送を行う。
【0158】
なお本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0159】
そして本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930は、その指示と渡されたデータとに基づいて本発明の各部の処理を実現する。
【0160】
7.変形例
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、複数の操作子には固定的に属性等が対応付けられているように構成してもよい。また、本発明で用いられる種々のパラメータの変化態様は、ゲーム内容に応じて種々のものに設定することができる。例えば、第1の変化特性を状態値を減算して減少させる変化特性として設定し、第2の変化特性を状態値をリセットして最大値にさせる変化特性として設定し、第3の変化特性を状態値を減算して減少させる変化特性として設定してもよい。また、ステイタスパラメータが初期値から所定値まで増加すると敗北となるように設定してもよい。
【0161】
また本発明は種々のゲームに適用できる。例えば、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々のゲームシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本実施形態のゲームシステムの実現例である。
【図2】本実施形態のゲームシステムの機能ブロック図の例である。
【図3】本実施形態の処理の流れについて説明するためのフローチャート図である。
【図4】本実施形態のゲーム画面の一例である。
【図5】本実施形態の処理の流れについて説明するためのフローチャート図である。
【図6】図6(A)、(B)は、本実施形態のゲーム画面と操作部の操作の関係を説明するための図である。
【図7】本実施形態の処理の流れについて説明するためのフローチャート図である。
【図8】図8(A)、(B)は、本実施形態のゲーム画面と操作部の操作の関係を説明するための図である。
【図9】本実施形態のゲーム画面と操作部の操作の関係を説明するための図である。
【図10】本実施形態のゲーム画面と操作部の操作の関係を説明するための図である。
【図11】本実施形態の処理の流れについて説明するためのフローチャート図である。
【図12】本実施形態の処理の流れについて説明するためのフローチャート図である。
【図13】本実施形態の処理の流れについて説明するためのフローチャート図である。
【図14】本実施形態のテーブルデータの一例を説明するための図である。
【図15】本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0163】
CH1、CH2 キャラクタ
SM1、SM2 体力値メーター
PM1、PM2 パワー値メーター
IC1、IC2 属性アイコン
110 ゲーム処理部
112 カード情報読込部
114 設定部
116 表示制御部
121 判定部
124 パラメータ更新部
160 操作部
170 記憶部
180 情報記憶媒体
202 表示部
216 技選択ボタン
222 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数の入力信号を出力する操作部を有するコンピュータに、該入力信号に基づいて対戦ゲームを実行させるためのプログラムであって、
入力信号の入力時間に基づき第1のパラメータを設定する第1のパラメータ設定処理と、入力信号の種類に基づき第2のパラメータを設定する第2のパラメータ設定処理とを、所定の条件が満たされるまでプレーヤごとに行う設定部と、
前記第1のパラメータの変化を識別可能に表示させる第1のパラメータ表示制御処理と、前記第2のパラメータの変化を識別可能に表示させる第2のパラメータ表示制御処理とを行う表示制御部と、
前記所定の条件が満たされた場合に、各プレーヤごとに前記第1のパラメータと第2のパラメータとを決定し、決定した前記第1のパラメータと第2のパラメータとに基づきプレーヤ間の優劣関係を判定する判定部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記判定部が、
前記第1のパラメータの優劣関係と前記第2のパラメータの優劣関係とが所定の組合せ又は条件を満たす場合に、所定のプレーヤが優勢であると判定する特別判定処理と、
前記第1のパラメータの優劣関係と前記第2のパラメータの優劣関係とが所定の組合せ又は条件を満たさない場合に、前記第1のパラメータ又は前記第2のパラメータのいずれか一方のパラメータの優劣関係を判定し、
前記一方のパラメータに優劣関係がある場合に、前記一方のパラメータの優劣関係が優勢であるプレーヤが優勢であると判定する第1の判定処理と、
前記一方のパラメータに優劣関係がない場合に、他方のパラメータの優劣関係を判定し、前記他方のパラメータの優劣関係が優勢であるプレーヤが優勢であると判定する第2の判定処理と、
を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかにおいて、
前記判定結果に基づきステイタスパラメータを更新するステイタスパラメータ更新部としてコンピュータを機能させ、
前記ステイタスパラメータ更新部が、
前記優勢であると判定されたプレーヤが有利になるように前記ステイタスパラメータを更新することを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
所与のカウント値をカウントするタイマ部としてコンピュータを更に機能させ、
前記判定部が、
前記カウント値が所定値に達した場合に、各プレーヤごとに前記第1のパラメータと第2のパラメータとを決定し、決定した前記第1のパラメータと第2のパラメータとに基づき優劣関係を判定することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記設定部が、
前記第1のパラメータ設定処理において、入力信号の入力時間に基づき、第1のパラメータをプレーヤが有利になるように変化させる第1の変化特性に応じて第1のパラメータを設定し、
変更された入力信号に対応する第2のパラメータの設定情報が前記設定されていた第2のパラメータの設定情報と同一である場合に、前記第1のパラメータ設定処理において、該入力信号に基づき前記第1の変化特性に応じて第1のパラメータを設定し、
変更された入力信号に対応する第2のパラメータの設定情報が前記設定されていた第2のパラメータの設定情報と異なる場合に、前記第1のパラメータ設定処理において、該入力信号に基づき、第1のパラメータを不利に変化させる第2の変化特性に応じて第1のパラメータを設定することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記設定部が、
各プレーヤについて第3のパラメータを、前記設定された第2のパラメータに対応付けられたサブ設定情報に設定する第3のパラメータ設定処理を更に行い、
前記表示制御部が、
前記第3のパラメータがいずれのサブ設定情報であるかを識別可能に表示させる第3のパラメータ表示制御処理を更に行うことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記設定部が、
前記第1のパラメータ設定処理において、入力信号に基づき前記第1のパラメータをプレーヤが有利になるように連続的に変化させて設定し、
各プレーヤについて第3のパラメータを、前記設定された第2のパラメータに対応付けられたサブ設定情報に設定する第3のパラメータ設定処理と、
前記第1のパラメータの変化特性を、前記第3のパラメータに応じて変更する変化特性制御処理とを更に行うことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、
前記設定部が、
前記第1のパラメータ設定処理において、入力信号に基づき前記第1のパラメータをプレーヤが有利になるように段階的に変化させて設定し、
各プレーヤについて第3のパラメータを、前記設定された第2のパラメータに対応付けられたサブ設定情報に設定する第3のパラメータ設定処理と、
前記第1のパラメータを段階的に変化させるためのしきい値を、前記第3のパラメータに応じて変更するしきい値制御処理とを更に行うことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1〜8のいずれかのプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項10】
互いに異なる複数の入力信号を出力する操作部を有し、該入力信号に基づいて対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
入力信号の入力時間に基づき第1のパラメータを設定する第1のパラメータ設定処理と、入力信号の種類に基づき第2のパラメータを設定する第2のパラメータ設定処理とを、所定の条件が満たされるまでプレーヤごとに行う設定部と、
前記第1のパラメータの変化を識別可能に表示させる第1のパラメータ表示制御処理と、前記第2のパラメータの変化を識別可能に表示させる第2のパラメータ表示制御処理とを行う表示制御部と、
前記所定の条件が満たされた場合に、各プレーヤごとに前記第1のパラメータと第2のパラメータとを決定し、決定した前記第1のパラメータと第2のパラメータとに基づきプレーヤ間の優劣関係を判定する判定部とを含むことを特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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