説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲームシステム

【課題】音楽ゲームのゲーム性を向上させ、プレーヤの関心を長期に渡って惹きつけることができるプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムを提供する。
【解決手段】プレーヤが入力部に対して行うべき入力動作を指示するマークであって、互いに判定期間の異なる複数の指示マークDM1,DM2の各判定期間Th1,Th2においてプレーヤが行った入力動作の入力タイミングt1,t2を取得し、取得された入力タイミングt1,t2と基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、その判定結果に基づいてプレーヤの入力動作を評価するとともに、各指示マークDM1,DM2について行われたプレーヤの入力動作の入力タイミングt1,t2に関するタイミング判定処理の各判定結果を相対的に比較する相対的判定処理を行い、相対的判定処理の判定結果に基づいて、各指示マークDM1,DM2について行われたプレーヤの入力動作を相対的に評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プレーヤが音楽ゲームをプレイするためのゲームシステムが知られている。このゲームシステムでは、音出力部(例えば、スピーカ)から音楽が出力されるとともに、表示部(例えば、CRT、液晶ディスプレイ)には、プレーヤの入力動作のタイミングや種類を指示するためのマーク(音符)が表示される。プレーヤは、出力される音楽を聴きながら、表示されたマークにしたがって入力動作を行い、音楽ゲームを楽しむ。
【0003】
しかしながら、プレーヤの操作技術が上達してくると、ゲームへの関心が薄れてしまい、入力動作が煩雑になるため、音楽ゲームにおいてゲーム性を向上させる技術が望まれている。
【特許文献1】特開2001−246160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、音楽ゲームのゲーム性を向上させ、プレーヤの関心を長期に渡って惹きつけることができるプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プレーヤが入力部に対して入力動作を行ってプレイする音楽ゲームのためのゲームシステムであって、プレーヤが前記入力部に対して行うべき入力動作を指示するマークであって、互いに判定期間の異なる複数の指示マークと、各指示マークとの位置関係により各指示マークの判定期間を表示する基準マークとを含む表示物の表示制御を行う表示制御部と、前記各指示マークの各判定期間においてプレーヤが前記入力部に対して行った入力動作の入力タイミングを取得するタイミング取得部と、取得された前記入力タイミングと基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、その判定結果に基づいてプレーヤの入力動作を評価する評価部と、を含み、前記表示制御部が、前記各指示マークと前記基準マークとの位置関係を変化させて、前記各指示マークと前記基準マークとを接近させる表示制御を行い、前記評価部が、前記各指示マークについて行われたプレーヤの入力動作の入力タイミングに関する前記タイミング判定処理の各判定結果を相対的に比較する相対的判定処理を行い、該相対的判定処理の判定結果に基づいて、前記各指示マークについて行われたプレーヤの入力動作を相対的に評価するゲームシステムに関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0006】
本発明によれば、判定期間の異なる複数の指示マークのそれぞれに応答して行ったプレーヤの入力動作を、入力タイミング判定処理により各入力動作について個別に評価するとともに、相対的判定処理により各指示マークについて行われたプレーヤの入力動作を相対的に評価する。これにより本発明では、相対的判定処理の対象となっている、複数の指示マークについての入力動作が完了するまでプレーヤに継続的な緊張感を与えることができ、入力動作が煩雑になるのを防止することができる。このようにして本発明では、音楽ゲームのゲーム性を向上させることができる。
【0007】
また本発明のゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、互いに判定期間の異なる第1〜第N(N≧2)の指示マークについて行われたプレーヤの入力動作に関する前記タイミング判定処理の判定結果が前記相対的判定処理の対象となる場合に、前記表示制御部が、前記第1〜第Nの指示マークに対応した第1〜第Nの判定マークを表示させ、前記第1〜第Nの指示マークについて行われたプレーヤの入力動作に関する前記タイミング判定処理の判定結果に基づいて、第1〜第Nの判定マークの表示態様を変化させる表示制御を行うようにしてもよい。
【0008】
このようにすれば、いずれの指示マークが相対的判定処理の対象となっているのかをプレーヤに視認させることができる。またこのようにすれば、プレーヤが行った入力動作の判定結果が判定マークの表示態様の変化によりプレーヤに報知されるため、プレーヤに適切な入力動作を行わせる強い動機付けを与えて、音楽ゲームの入力インターフェース環境を向上させることができる。
【0009】
また本発明のゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記第1〜第Nの判定マークは、その表示態様が変化する領域が第1〜第Nの領域に分割されており、前記表示制御部が、前記第1〜第Nの判定マークのうち第M(1≦M≦N)の判定マークについて表示態様を変化させる際には、該第Mの判定マークの第Mの領域の表示態様を変化させる表示制御を行うようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、各指示マークについての判定結果をプレーヤに分かりやすく表示させることができる。またこのようにすれば、各判定マークをオーバーラップ表示させた場合であっても、各指示マークについての判定結果をプレーヤに視認させることができるようになる。
【0011】
また本発明のゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記表示制御部が、前記第1〜第Nの判定マークを前記第1〜第Nの指示マークとともに表示させ、前記第1〜第Nの判定マークと前記基準マークとの位置関係を変化させて、前記各判定のマークと前記基準マークとを接近させる表示制御を行うようにしてもよい。
【0012】
「判定マークを指示マークとともに表示」とは、各指示マークの表示が開始されると各判定マークの表示が開始されることをいい、各指示マークの表示終了時期と判定マークの表示終了時期とが一致していることを必要とはしない。
【0013】
このようにすれば、各指示マークと各判定マークとの対応関係がプレーヤに分かりやすく表示できるため、入力インターフェース環境の向上を図ることができる。
【0014】
また本発明は、複数のプレーヤが各プレーヤ用の入力部に対して入力動作を行ってプレイするマルチプレーヤ形式の音楽ゲームのためのプログラムであって、前記各プレーヤが前記各入力部に対して行うべき入力動作を指示するマークであって、互いに判定期間の異なる各プレーヤ用の指示マークと、各指示マークとの位置関係により各指示マークの判定期間を表示する各プレーヤ用の基準マークとを含む表示物の表示制御を行う表示制御部と、前記各指示マークの各判定期間において前記各プレーヤが前記各入力部に対して行った入力動作の入力タイミングを取得するタイミング取得部と、取得された前記各プレーヤの入力動作の入力タイミングと基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、その判定結果に基づいて各プレーヤの入力動作を評価する評価部と、を含み、前記表示制御部が、前記各プレーヤ用の指示マークと前記各プレーヤ用の基準マークとの位置関係を変化させて、前記各プレーヤ用の指示マークと前記各プレーヤ用の基準マークとを接近させる表示制御を行い、前記評価部が、前記各プレーヤ用の指示マークについて行われたプレーヤの入力動作の入力タイミングに関する前記タイミング判定処理の各判定結果を相対的に比較する相対的判定処理を行い、該相対的判定処理の判定結果に基づいて、前記各プレーヤ用の指示マークについて行われた各プレーヤの入力動作を相対的に評価するゲームシステムに関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0015】
本発明によれば、複数のプレーヤが判定期間の異なる複数の指示マークのそれぞれに応答して行った入力動作を、入力タイミング判定処理によりプレーヤごとに個別に評価するとともに、相対的判定処理により各プレーヤの入力動作を相対的に評価する。これにより本発明では、相対的判定処理の対象となっている、各プレーヤの指示マークについての入力動作が完了するまで各プレーヤに継続的な緊張感を与えることができ、入力動作が煩雑になるのを防止することができる。このようにして本発明では、音楽ゲームのゲーム性を向上させることができる。
【0016】
また本発明のゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、互いに判定期間の異なる第1〜第N(N≧2)のプレーヤ用の指示マークについて行われた第1〜第Nのプレーヤの入力動作に関する前記タイミング判定処理の判定結果が前記相対的判定処理の対象となる場合に、前記表示制御部が、前記第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークに対応した第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークを表示させ、前記相対的判定処理の判定結果に基づいて、第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークの表示態様を変化させる表示制御を行うようにしてもよい。
【0017】
このようにすれば、各プレーヤの入力動作の相対的な比較判定に関連づけられて判定マークの表示態様が変化する表示制御が行われるため、各プレーヤに適切な入力動作を行わせる強い動機付けを与えて、音楽ゲームの入力インターフェース環境を向上させることができる。
【0018】
また本発明のゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記表示制御部が、前記相対的判定処理において、前記第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークについて行われた入力動作に関する前記入力タイミング判定処理の各判定結果が一致すると判定された場合に、前記第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークの表示態様を変化させる表示制御を行うようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、複数のプレーヤのそれぞれに連帯感のある入力動作を求めることができ、これにより各プレーヤの入力動作が煩雑になることを防止して、音楽ゲームのゲーム性ならびにプレーヤの入力インターフェース環境の向上を図ることができる。
【0020】
また本発明のゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記表示制御部が、前記相対的判定処理において、前記第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークのすべてについて判定期間内に入力動作が行われなかったと判定された場合には、前記各判定マークの表示態様を変化させない表示制御を行うようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、各プレーヤが指示マークの判定期間内に入力動作を行わないことを申し合わせて、互いの判定結果を一致させようとする不正なプレイを抑止することができる。
【0022】
また本発明のゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記表示制御部が、前記第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークを前記第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークとともに表示させ、前記第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークと第1〜第Nのプレーヤ用の基準マークとの位置関係を変化させて、前記各判定のマークと前記各基準マークとを接近させる表示制御を行うようにしてもよい。
【0023】
このようにすれば、各指示マークと各判定マークとの対応関係がプレーヤに分かりやすく表示できるため、入力インターフェース環境の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0025】
1.構成
図1に本実施形態のゲームシステムの例を示す。このゲームシステムは、太鼓等の打楽器の形状を模した入力部160(打楽器型コントローラ)と、本体装置10(ゲーム装置、画像生成装置)と、表示部190を含む。入力部160は、プレーヤが叩き入力動作(広義には、第1の入力動作)を行うための操作入力部162と、プレーヤが拍手などの音が発生する音入力動作(広義には、第2の入力動作)を行うための音入力部(例えばマイク)164とを含む。入力部160の内部には、操作入力部162および音入力部164に対応して各種の検出動作を行う図示しないセンサが設けられており、このセンサを用いてプレーヤの叩き入力動作や音入力動作を検出できる。
【0026】
本体装置10は、入力部160からの入力データと、情報記憶媒体12(CD、DVD等)に記憶されたプログラムとに基づいて、ゲーム演算処理を行い、ゲーム画像やゲーム音を生成する。生成されたゲーム画像は表示部190(ディスプレイ)に表示され、再生されたゲーム音は図示しないスピーカ(音出力部)から出力される。
【0027】
なお、図1では、入力部160と本体装置10が別個に設けられているが、入力部160の中に本体装置10(処理部、画像生成部、音生成部)を内蔵する構成としてもよい。この構成の場合には、入力部160(ゲームコントローラ)が直接に表示部190に接続されて、ゲーム画像が表示部190に表示される。また携帯型ゲーム装置のように本体装置10と入力部160と表示部190とが一体的に構成されていてもよい。また、図1では、家庭用ゲーム装置の場合を例として示しているが、本発明は業務用ゲーム装置にも適用できる。
【0028】
図2に、本実施形態のゲームシステム(画像生成システム)の機能ブロック図の例を示す。なお、本実施形態のゲームシステムは、図2の構成要素(各部)を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。また本実施形態のゲームシステム(プログラム)で実現される音楽ゲームは、楽器を模した入力部で音楽を演奏するゲームや、音楽に合わせてダンスを踊るゲームなどである。これらのゲームは、リズムアクションゲームと呼ばれる場合もある。
【0029】
入力部160は、プレーヤが操作入力データや音入力データを入力するためのものであり、その機能は、図1に示すような打楽器を模したコントローラ(広義には、操作部材)、操作ボタン、操作レバー、タッチパネル或いは音声入力マイク(広義には、音入力部材)などのハードウェアにより実現できる。記憶部170は、処理部100や通信部194などのワーク領域となるもので、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0030】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。携帯型情報記憶装置182は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置182としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などがある。
【0031】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのハードウェアにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどのハードウェアにより実現できる。通信部194は、外部(例えばホスト装置や他のゲームシステム)との間で通信を行うための各種の制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0032】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部194を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信するようにしてもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0033】
処理部100(プロセッサ)は、入力部160からの入力データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの各種の処理を行う。ここで処理部100が行うゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始させる処理、ゲームを進行させる処理、各種マークやキャラクタなどの表示物(オブジェクト)を配置する処理、表示物を表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了させる処理などがある。また処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)やASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
【0034】
処理部100は、表示制御部112、タイミング取得部114、評価部116、画像生成部120、音生成部130を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0035】
表示制御部112は、指示マーク(音符、広義には、第1のマーク)、判定マーク(広義には、第2のマーク)、および基準マークを含む複数の表示物の表示制御を行う。具体的には、表示物を配置する処理、表示物を移動する処理、或いは表示物の表示態様を変更する処理などを行う。
【0036】
ここで指示マークは、プレーヤが入力部160の操作入力部162や音入力部164に対して行うべき入力動作を指示するためのマークであり、その画像データは記憶部170のマーク記憶部172に記憶される。指示マークとしては、操作入力部162の操作を指示する操作入力指示マーク(広義には、第1の指示マーク)と音入力部164に対する音入力動作を指示する音入力指示マーク(広義には、第2の指示マーク)とがある。この場合、操作入力指示マークと音入力指示マークとは、異なる表示態様(色、形状、模様など)で表示させることが好ましい。このようにすれば、複数の異なる入力動作を各指示マークの表示態様の違いによってプレーヤに識別させることができる。
【0037】
また、判定マークは、指示マークに応答して行われたプレーヤの入力動作の入力タイミングに基づいて実行されるタイミング判定処理の判定結果等をプレーヤに報知するためのマークであり、その画像データは、記憶部170のマーク記憶部172に記憶される。また、入力タイミングに基づいて実行された複数の指示マークについてのタイミング判定処理の各判定結果をさらに相対的に比較する相対的判定処理の判定結果等を、判定マークの表示態様の変化を利用してプレーヤに報知することができる。
【0038】
ここで判定マークの表示態様を変化させるというのは、判定マークの表示状態を、ある表示状態(第1の表示状態)から他の表示状態(第2の表示状態)へ変化させることをいう。また表示態様を変化させるという場合、その処理は複数の段階(第1の表示状態から第2、第3・・・第Nの表示状態へ順に変化すること)に分けて行われてもよい。また表示態様を変化させる例として、判定マークの色、形状、模様、及び大きさなどの少なくとも1以上を変化させることができる。
【0039】
また、基準マークは、主として、指示マークとの位置関係により指示マークの判定期間の一部または全部をプレーヤに対して示すマークであり、その画像データは、記憶部170のマーク記憶部172に記憶される。また、基準マークは、指示マークに応答して行われたプレーヤの入力動作のタイミング(操作入力タイミングあるいは音入力タイミング)を評価するための基準タイミングをプレーヤに対して示すマークでもある。
【0040】
そして表示制御部112は、指示マークと基準マークとの位置関係を変化させて、両マークを接近させる表示制御を行う。これにより表示される指示マークについて設定されている判定期間をプレーヤに認識させることができる。またマルチプレーヤモードにおいては、各プレーヤごとに専用の指示マークと基準マークとを表示させて、各指示マークと各基準マークとの位置関係を変化させる表示制御を行う。
【0041】
また表示制御部112は、指示マークとともに判定マークを表示させ、判定マークと基準マークとの位置関係を変化させて、判定マークと基準マークとを接近させる表示制御も行う。すなわち、指示マークに対応した判定マークが、指示マークとともに基準マークとの位置関係が変化するように表示制御される。このようにすれば、指示マークに対応する判定マークをプレーヤが識別しやすくなる。
【0042】
なお、上記のように指示マークごとに対応する判定マークを表示させてもよいし、複数の指示マークに共通の判定マークを表示させてもよい。この場合には、指示マークと基準マークとの位置関係のみを変化させ、判定マークと基準マークとの位置関係は変化させない表示制御を行ってもよい。
【0043】
ここで、位置関係を変化させてマーク同士を接近させるというのは、一方のマークが静止して他方のマークが移動することにより接近する場合のみならず、各マークが互いに移動することによってマーク同士の位置が接近する場合を含む。
【0044】
タイミング取得部114は、指示マークに応答してその判定期間においてプレーヤが入力部160に対して入力動作をした場合(打楽器演奏あるいは手拍子を行った場合)に、その入力動作を評価するための入力タイミングを取得する処理を行う。具体的には、入力部160からの入力データをフレーム毎にモニタし、取得する。そして取得した入力データを所与の記憶バッファに蓄積して記憶する処理を行う。なおフレーム(例えば1/60秒、1/30秒)は、ゲーム処理(表示物の移動・動作処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0045】
評価部116は、タイミング判定部117と、相対的判定部118とを含み、プレーヤの入力動作を評価する処理を行う。
【0046】
タイミング判定部117は、タイミング取得部114で取得された入力タイミングと、基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、その判定結果に基づいてプレーヤの入力動作を評価する。具体的には、お手本となる基準タイミングのデータは記憶部170の基準タイミング記憶部174に記憶される。タイミング判定部117は、この記憶された基準タイミングのデータを読み出し、取得された入力タイミングと基準タイミングとの一致の程度を判定する処理や、入力タイミングと基準タイミングのずれの程度を判定する処理をタイミング判定処理として行う。例えば、タイミング判定処理では、取得された入力タイミングが基準タイミングと近いほどプレーヤの入力動作に対して高い評価が与えられる。そして入力タイミング判定処理の判定結果のデータは、記憶部170の判定結果記憶部176に蓄積される。
【0047】
またタイミング判定部117は、マルチプレーヤモード(マルチプレーヤ形式)の場合、複数のプレーヤに対して互いに判定期間の異なる各プレーヤ用の指示マークによって入力動作の指示が行われ、各プレーヤが各指示マークに応答して行った入力動作の入力タイミングについてタイミング判定処理を行う。
【0048】
相対的判定部118は、タイミング判定部117で行われたタイミング判定処理の判定結果を相対的に比較する相対的判定処理を行って、その判定結果に基づいて、プレーヤの行った複数の指示マークについての各入力動作を相対的に評価する。具体的には、判定結果記憶部176に蓄積された各指示マークに対応する入力タイミング判定処理の判定結果のデータを読み出して、各判定結果を相互に比較することにより、各判定結果の一致の度合いや各判定結果のずれの度合いを判定する処理を相対的判定処理として行う。例えば、相対的判定処理では、プレーヤの行った複数の指示マークについての入力動作に関する入力タイミング判定処理の判定結果が一致する場合には高い評価が与えられる。
【0049】
また相対的判定部118は、マルチプレーヤモード(マルチプレーヤ形式)の場合、複数のプレーヤに対して個別に行われたタイミング判定部117でのタイミング判定処理の結果を判定結果記憶部176から読み出して、各判定結果を相互に判定することにより相対的判定処理を行う。
【0050】
そして本実施形態では、表示制御部112が、互いに判定期間の異なる複数の指示マークおよび基準マークを楽曲データの再生と連動して表示する制御を行う。表示制御部112は、必要に応じて各指示マークに対応する判定マークを楽曲データの再生と連動して表示する制御も行う。そして評価部116が、各指示マークの各判定期間にプレーヤが入力動作を行った場合に、その入力動作についてタイミング取得部114で取得された複数の入力タイミングのそれぞれと基準タイミングとを比較するタイミング判定処理をタイミング判定部117で行い、その判定結果によりプレーヤの各入力動作を個別に評価し、その評価結果としてプレーヤの得点等を計算する。また評価部116が、タイミング判定処理の判定結果を相互に比較する相対的判定処理を行って、その相対的判定処理の結果によりプレーヤの行った複数の入力動作を相対的に評価し、その評価結果としてプレーヤの得点等を計算する。
【0051】
なお、各種マークが楽曲データの再生と連動して表示されるというのは、例えば、楽曲データの再生(音楽データの出力)が開始するとともに、指示マーク(あるいは判定マーク)と基準マークとの位置関係を変化させる移動表示処理が開始され、楽曲データの再生終了に伴い、その移動表示処理も終了することである。また指示マーク(あるいは判定マーク)が楽曲データの再生(再生状況)に連動して表示されるという場合、例えば、指示マーク(あるいは判定マーク)の表示タイミングが楽曲データの音再生タイミングと対応付けられていることを含む。
【0052】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。
【0053】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。本実施形態のゲームシステムにおいて実現される音楽ゲームの楽曲データの再生は、楽曲再生部132が行う。具体的には、記憶部170の楽曲データ記憶部178に記憶された楽曲データ(広義には、音楽データ)を読み出して楽曲データに基づくゲーム音を生成し、音出力部192に出力する処理を行う。
【0054】
なお、本実施形態のゲームシステムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード(シングルプレーヤ形式)専用のシステムにしてもよいし、このようなシングルプレーヤモードのみならず、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモード(マルチプレーヤ形式)も備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて生成してもよい。
【0055】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0056】
2.1 基準マークと指示マークとの表示制御手法
本実施形態では、基準マークと指示マークとの表示制御を行うことによって、プレーヤが行うべき入力動作を指示する指示マークの判定期間を、指示マークと基準マークとの位置関係を利用してプレーヤに報知している。
【0057】
例えば図3(A)〜図3(C)では、ラインMLN上の基準位置(広義には、所与の位置)に静止表示される基準マークRMに向かって指示マークDMが移動表示されている。そして基準マークRMと指示マークDMとの相対的な位置関係が変更され、互いが接近するように表示制御されている。そして、図3(A)では、指示マークDMの先頭(広義には、一端)が基準マークRMに到達し、その時点から指示マークDMについての判定期間が開始することをプレーヤに知らせている。図3(B)では、指示マークDMがさらに移動して、指示マークDMと基準マークRMとがオーバーラップした状態となっている。この状態は指示マークDMの判定期間中であることを意味する。そして、指示マークDMがさらに移動して、図3(C)に示すように、指示マークDMの最後尾(広義には、他端)が基準マークRMに到達すると、指示マークDMについての判定期間が終了することを意味する。すなわち、この時点を超えてプレーヤが入力動作を行っても評価の対象とはならないか、もしくは最低の評価が与えられることを意味する。このようにして、本実施形態では、指示マークDMの移動表示処理により静止表示された基準マークRMとの位置関係によって指示マークDMについての判定期間をプレーヤに分かりやすく示すことができる。
【0058】
なお、指示マークDMが静止表示され、基準マークRMを移動表示させることにより、各マークを接近させてもよく、さらに指示マークDMおよび基準マークRMの双方を移動表示させることにより各マークを接近させてもよい。また図3(A)〜図3(C)の例では、指示マークDMの判定期間の全期間を、基準マークRMとの重なり具合によってプレーヤに示すような表示制御を行う場合を説明した。しかしながら、本実施形態の手法では、指示マークDMと基準マークRMとの位置関係によってプレーヤに報知される指示マークDMの判定期間は、その一部の期間であってもよい。
【0059】
また指示マークDMについての判定期間を表示する態様は、上記のものに限られず、種々の態様による変更が可能である。例えば、図4(A)に示すように、基準マークRMを指示マークDMと同じ形状で表示することにより、基準マークRMと指示マークDMとがオーバーラップしている期間を指示マークDMの判定期間としてもよい。また例えば、図4(B)に示すように、指示マークDMの長さを変更することによって、指示マークDMと基準マークRMとがオーバーラップしている期間を指示マークDMの判定期間としてもよい。
【0060】
そして、本実施の形態の手法では、このように基準マークとの位置関係でその判定期間がプレーヤに示される複数の指示マークを表示させることにより、各指示マークの判定期間に入力動作を行うべきことをプレーヤに指示している。
【0061】
具体的には、シングルプレーヤモードの場合、例えば図5(A)に示すように、ラインMLNにおいて指示マークDM1,DM2を異なる表示タイミングで基準マークRMに向けて移動表示処理を開始させて、指示マークDM1,DM2が判定期間の異なるものであることをプレーヤに報知することができる。
【0062】
また複数のプレーヤ(第1〜第Nのプレーヤ)で行われるマルチプレーヤモードの場合には、プレーヤ1P(広義には、第1のプレーヤ)用のラインMLN1においてプレーヤ1P用の指示マークDM1をプレーヤ1P用の基準マークRM1に向けて移動表示させ、プレーヤ2P(広義には、第2のプレーヤ)用のラインMLN2においてプレーヤ2P用の指示マークDM2をプレーヤ2P用の基準マークRM2に向けて移動表示させる。そして例えば、図5(B)に示すように、プレーヤ1P用の指示マークDM1とプレーヤ2P用の指示マークDM2とを異なる表示タイミングで移動表示処理を開始させて、プレーヤ1P用の指示マークDM1とプレーヤ2P用の指示マークDM2とが判定期間の異なるものであることをプレーヤに報知することができる。またマルチプレーヤモードの場合には、図5(C)に示すように、互いの判定期間が一部の期間において重複するようにプレーヤ1P用の指示マークDM1とプレーヤ2P用の指示マークDM2とを移動表示させるようにしてもよい。
【0063】
なお、複数の指示マークの判定期間が異なることをプレーヤに報知するためには、各指示マークの表示開始タイミングをずらす場合だけではなく、各指示マークの移動速度が異なるように移動表示処理することによって実現してもよい。
【0064】
2.2 プレーヤの入力動作の評価手法
次に本実施形態のプレーヤの入力動作の評価手法の一例を説明する。プレーヤは、指示マークDMの中心が基準マークRMに到達する基準タイミングで入力部(操作入力部162あるいは音入力部164)に対して入力動作(叩き入力動作あるいは音入力動作)を行うことが要求されている。そして本実施の形態では、プレーヤが指示マークDMの判定期間に行った入力動作のタイミング(入力タイミング)を基準タイミングと比較して、その一致の程度を判定するタイミング判定処理(広義には、第1の判定処理)を行っている。そして、このタイミング判定処理によってプレーヤが指示内容を満たしているか否かを評価して、本実施形態のゲームシステムでは、3段階(“GREAT”、“OK”、“BAD”)の評価をプレーヤの入力動作に対して行う。
【0065】
具体的に図6を用いて、タイミング判定処理について詳細に説明する。図6には、指示マークDM及び基準マークRMの位置関係と判定期間との関係と入力タイミングt1〜t3に関するタイミング判定処理の例が示されている。
【0066】
指示マークDMについての判定期間は、図3(A)〜図3(C)に示したように、指示マークDMの先頭(一端)が基準マークRMに到達するタイミングTsから開始し、指示マークDMの最後尾(他端)が基準マークRMに到達するタイミングTeで終了する。このタイミングTsからタイミングTeまでの判定期間を“GREAT”と判定される期間、“OK”と判定される期間、及び“BAD”と判定される期間に区分してプレーヤの入力タイミングがいずれの期間に属するかによってプレーヤの入力タイミングの判定が行われる。より具体的には、移動表示される指示マークDMの中心と静止表示されている基準マークRMとが重なるタイミング(基準タイミング)が含まれる期間を“GREAT”という最も高い評価が得られる期間として設定し、その期間から離れるに従って“OK”、“BAD”と順に評価が低くなるように判定期間内での各期間が設定されている。そして図6に示す例では、タイミングt1で入力動作が行われた場合には、入力タイミングとしては“BAD”と判定され、タイミングt2で入力動作が行われた場合には、入力タイミングとしては“GREAT”と判定され、タイミングt3で入力動作が行われた場合には、入力タイミングとしては“OK”と判定される。
【0067】
なお、プレーヤの入力動作のタイミングについて行われる3段階の評価は、プレーヤの入力動作の入力種別が指示内容に合致していることを条件に行われるようにしてもよい。この場合には、プレーヤがいかなるタイミングで入力動作を行ったとしても、操作入力部162へ入力動作をすべきことを指示する指示マークについてプレーヤが誤って音入力部164へ入力動作を行っていた場合には、“BAD”と判定されるように判定処理を行うこともできる。
【0068】
そして、本実施の形態では、図5(A)〜図5(C)に示したように、互いに判定期間の異なる複数の指示マークが表示され、これらの各指示マークに応答してプレーヤが行った入力動作について個別の判定処理として上述のタイミング判定処理を行うとともに、さらにタイミング判定処理の結果を相互に比較する相対的判定処理(広義には、第2の判定処理)を行ってプレーヤの入力動作を相対的に評価する。例えば、タイミング判定処理の結果が一致している場合には、“CLEAR”という高い評価を与え、結果が一致していない場合には、“MISS”という低い評価を与えるように判定処理を行う。
【0069】
具体的に図7(A)及び図7(B)を用いて、相対的判定処理について詳細に説明する。図7(A)及び図7(B)には、互いに判定期間の異なる2つの指示マークDM1,DM2に応答してプレーヤがタイミングt1,t2で入力動作を行った場合における相対的判定処理の例が示されている。なお指示マークDM1の判定期間Th1(第1の判定期間)は、タイミングTs1で開始し、タイミングTe1で終了するものとする。また指示マークDM2の判定期間Th2(第2の判定期間)は、タイミングTs2で開始し、タイミングTe2で終了するものとする。
【0070】
まず図7(A)に示す例では、指示マークDM1の判定期間Th1においては、タイミング判定処理で“OK”と判定されるタイミングt1で入力動作が行われており、指示マークDM2の判定期間Th2においても、タイミング判定処理で“OK”と判定されるタイミングt2で入力動作が行われている。従って、この例においては、指示マークDM1,DM2に応答した入力動作に関するタイミング判定処理の判定結果が一致するため、“CLEAR”と判定される。
【0071】
このようにして本実施の形態の評価手法では、判定期間が先行して開始される指示マークDM1について、最高の評価が得られる入力タイミングで入力動作を行うことができなかったとしても、次に判定期間が到来する指示マークDM2において指示マークDM1と同じ判定結果が得られるように入力動作を行うことで、相対的判定処理では高い評価を得ることができるようになる。
【0072】
一方で図7(B)に示す例では、指示マークDM1の判定期間Th1においては、タイミング判定処理で“GREAT”と判定されるタイミングt1で入力動作が行われており、指示マークDM2の判定期間Th2においては、タイミング判定処理で“OK”と判定されるタイミングt2で入力動作が行われている。従って、この例においては、指示マークDM1,DM2に応答した入力動作に関するタイミング判定処理の判定結果が一致しないため、“MISS”と判定される。
【0073】
このように本実施の形態の評価手法では、判定期間が先行して開始される指示マークDM1について最高の評価“GREAT”が得られる入力タイミングで入力動作を行ったとしても、次に判定期間が到来する指示マークDM2において指示マークDM1と同じ判定結果が得られる入力動作を行うことができなければ、相対的判定処理では低い評価が与えられることになる。
【0074】
また、本実施の形態の評価手法では、マルチプレーヤモードにおいて、図5(C)に示したように、互いに判定期間の異なる複数の指示マークについて、それらの判定期間が一部の期間で重複している場合もある。このような場合には、図8(A)及び図8(B)に示すように相対的判定処理を行う。
【0075】
まず図8(A)に示す例では、プレーヤ1Pが指示マークDM1について、その判定期間Th1内のタイミングt1で入力動作を行い、プレーヤ2Pが指示マークDM2について判定期間Th1と異なる判定期間Th2内のタイミングt2で入力動作を行ったとする。この場合プレーヤ1Pの入力タイミングt1とプレーヤ2Pの入力タイミングt2とは同じ入力タイミングであって、かつこれらの入力タイミングt1,t2は、指示マークDM1,DM2に関するタイミング判定処理においてともに“OK”と判定される。すなわち、図8(A)に示す例では、プレーヤ1P,2Pの入力動作のタイミング判定処理の判定結果は、相対的判定処理において一致する(“CLEAR”)と判定される。
【0076】
一方で図8(B)に示す例では、プレーヤ1P,2Pが、同じタイミングt1,t2で入力動作を行っている。しかしながら、プレーヤ1Pの入力タイミングt1は、指示マークDM1のタイミング判定処理において“GREAT”と判定されるのに対し、プレーヤ2Pの入力タイミングt2は、指示マークDM2のタイミング判定処理において“BAD”と判定される。すなわち、図8(B)に示す例では、プレーヤ1P,2Pの入力動作のタイミング判定処理の判定結果は、相対的判定処理において一致しない(“MISS”)と判定される。
【0077】
このように本実施の形態の評価手法によれば、互いに判定期間の異なる指示マークDM1,DM2について各プレーヤが同じタイミングで入力動作を行ったとしても、各指示マークDM1,DM2について判定結果が一致しなければ、相対的判定処理では高い評価が得られないため、音楽ゲームのゲーム性を向上させることができる。また本実施の形態の評価手法によれば、相対的判定処理の対象となっている、指示マークDM1,DM2についての入力動作が完了するまでの期間においてプレーヤに継続的な緊張感を与えることができ、入力動作が煩雑になるのを防止することができる。
【0078】
2.3 判定マークの表示制御手法
本実施形態では、指示マークとともに判定マークを基準マークに向けて移動表示させる表示制御を行って入力動作の結果をプレーヤが的確に判断できるようにして入力インターフェース環境の向上を図っている。
【0079】
図9(A)〜図9(D)に判定マークの一例を示す。判定マークHMは、指示マークDMを囲むリング状(ホイール状)の表示変化領域と星形のインディケータIDとを含む。判定マークHMは、図9(A)に示すように指示マークDMとともに表示され、その指示マークDMについて入力動作が行われ、その入力動作に関するタイミング判定処理(第1の判定処理)の結果(“GREAT”,“OK”,“BAD”)に応じて、図9(B)〜図9(D)に示すようにインディケータIDが表示変化領域を移動して、その移動軌跡に相当する部分の表示態様が、タイミング判定処理の判定結果に対応して異なる表示態様へ変化する表示制御が行われる。
【0080】
具体的に図9(B)〜図9(D)では、プレーヤの入力動作についてのタイミング判定処理の判定結果が異なる場合に、判定マークHMの表示変化領域の形状の変化が異なるように表示制御している。図9(B)は、プレーヤの入力動作について“GREAT”と評価される判定結果が得られた場合を示し、図9(C)は、プレーヤの入力動作について“OK”と評価される判定結果が得られた場合を示し、図9(D)は、プレーヤの入力動作について“BAD”と評価される判定結果が得られた場合を示している。
【0081】
また図10(A)〜図10(D)に判定マークHMの表示態様の変化についての他の一例を示す。図10(A)〜図10(D)では、プレーヤの入力動作についてのタイミング判定処理の判定結果が異なる場合に、判定マークHMの表示変化領域の色の変化が異なるように表示制御している。図10(A)は、判定マークHMが指示マークDMとともに移動表示されている場合を示し、判定マークHMの表示変化領域はA色(広義には、第1の色)で表示されている。そしてプレーヤが指示マークDMについて入力動作を行って、タイミング判定処理で“GREAT”と判定された場合には、図10(B)に示すように、判定マークHMの表示変化領域をA色からB色(広義には、第2の色)へ変化させる処理を行う。またプレーヤの入力動作についてのタイミング判定処理において“OK”と判定された場合には、図10(C)に示すように、判定マークHMの表示変化領域をA色からC色(広義には、第3の色)へ変化させる処理を行う。またプレーヤの入力動作についてのタイミング判定処理において“BAD”と判定された場合には、図10(D)に示すように、判定マークHMの表示変化領域をA色からD色(広義には、第4の色)へ変化させる処理を行う。
【0082】
なお判定マークHMの表示態様を変化させる表示制御の具体的な処理内容は、図9(A)〜図9(D)及び図10(A)〜図10(D)に示したものに限られず、例えば模様や大きさを変化させる処理によって実現してもよい。
【0083】
そして本実施の形態では、判定マークの表示制御の一例として、互いに判定期間の異なる複数の指示マーク(第1〜第Nの指示マーク)に対応する複数の判定マーク(第1〜第Nの判定マーク)を表示させて、例えば図11に示すように、判定マークHM1,HM2の表示変化領域を第1の領域R11,R21と第2の領域R12,R22とに分けて表示制御を行うことを特徴とする。
【0084】
具体的には、判定期間が先行して開始する指示マークに対応する判定マークHM1については、インディケータID1が第1の領域R11上を反時計回りに半周することで第1の領域R11の表示態様を変化させる。この第1の領域R11についての表示制御は、判定マークHM1に対応する指示マークに応答して行われたプレーヤの入力動作に関するタイミング判定処理の判定結果に基づいて実行される。
【0085】
また、判定マークHM1に対応する指示マークに遅れて判定期間が開始される指示マークに対応する判定マークHM2については、インディケータID2が第2の領域R22上を時計回りに半周することで第2の領域R22の表示態様を変化させる。この第2の領域R22についての表示制御は、判定マークHM2に対応する指示マークに応答して行われたプレーヤの入力動作に関するタイミング判定処理の判定結果に基づいて実行される。
【0086】
このようにして判定マークHM1,HM2の表示変化領域を分割して表示制御すると、2つの指示マークについてのプレーヤの入力動作のタイミング判定処理の結果が一致していれば、判定マークHM1の第1の領域R11の表示態様と判定マークHM2の第2の領域R22の表示態様とが同じように変化する。すなわち、本実施形態の表示制御手法では、判定マークの分割された各領域の表示態様の変化が同じであるか否かによって、プレーヤに相対的判定処理においてどのような判定がなされたかを分かりやすく表示させることができる。
【0087】
なお判定マークの表示態様については、相対的判定処理においてタイミング判定処理の判定結果が一致すると判定された場合に限って変化させてもよい。このようにすれば、マルチプレーヤモードにおいて、複数のプレーヤの各々に判定期間の異なる指示マークについて連帯感のある入力動作を求めることができ、これにより各プレーヤの入力動作が煩雑になることを防止して、入力インターフェース環境の向上を図ることができる。
【0088】
また本実施の形態の表示制御手法では、判定マークを2つの領域に分割して表示制御するばかりではなく、相対的判定処理の対象となる指示マークの数に応じて判定マークの表示変化領域を分割して表示制御を行ってもよい。すなわち第1〜第Nの指示マークに対応した第1〜第Nの判定マークを表示させる場合、第1〜第Nの判定マークについて、その表示態様が変化する領域を第1〜第Nの領域に分割して表示制御を行う。そして第1〜第Nの判定マークのうち第M(1≦M≦N)の判定マークについて表示態様を変化させる際には、第Mの判定マークの第Mの領域の表示態様を変化させる表示制御を行うようにすればよい。
【0089】
具体的には、図12に示すように相対的判定処理の対象となる指示マークが4つであって、各指示マークに対応する4つの判定マークHM1〜HM4を表示させる場合には、判定マークHM1〜HM4の表示変化領域を第1〜第4の領域R11〜R14,R21〜R24,R31〜R34,R41〜R44に分割して表示制御を行う。また判定マークHM1〜HM4については、インディケータID1〜ID4の初期位置も表示態様が変化する領域に対応して異なる位置に設定する。そして図12に示す例では、判定マークHM1〜HM4の表示態様が反時計回りに1/4周ずつインディケータID1〜ID4が移動することによって、判定マークHM1の第1の領域R11、判定マークHM2の第2の領域R22、判定マークHM3の第3の領域R33、および判定マークHM4の第4の領域R44のそれぞれの表示態様を変化させる。
【0090】
次に図13(A)〜図13(D)、図14(A)及び図14(B)、ならびに図15(A)及び図15(B)を用いてシングルプレーヤモードにおける判定マークの表示制御手法の例を説明する。
【0091】
まず図13(A)に示すように、本例では、互いに判定期間の異なる指示マークDM1,DM2に対応する判定マークHM1,HM2が各指示マークDM1,DM2とともにラインMLN上の基準位置(所与の位置)に静止表示された基準マークRMに向けて移動表示されている。
【0092】
そして指示マークDM1についての判定期間においてプレーヤが入力動作を行うと、タイミング判定処理が行われ、図13(B)では、プレーヤの入力タイミングが“OK”と判定されている。すると図13(C)に示すように、指示マークDM1について行われた入力動作のタイミング判定処理の判定結果(“OK”)に基づいて、指示マークDM1に対応する判定マークHM1の表示態様を変化させる処理が行われる。具体的には、判定マークHM1を基準位置に停止表示させてから、インディケータID1を反時計回りに半周させて判定結果(“OK”)に応じた変化内容で表示態様を変化させる。そして図13(D)に示すように、表示態様が変化した判定マークHM1は停止表示させたままで、指示マークDM1はスクロールアウトするように移動表示させる。
【0093】
続いて、指示マークDM2が基準マークRMに到達して指示マークDM2についての判定期間が開始した後に、プレーヤが入力動作を行うと、その入力動作の入力タイミングについてタイミング判定処理が行われる。図14(A)に示す例では、指示マークDM2について行われた入力動作のタイミングは“OK”と判定されている。そして、判定マークHM2が基準位置に到達した時点で判定マークHM2を停止表示させる。続いて、図14(B)に示すように、判定マークHM2のインディケータID2を時計回りに半周させて判定結果(“OK”)に応じた変化内容で表示態様を変化させる。この場合、相対的判定処理において指示マークDM1,DM2について行われた入力動作のタイミング判定処理の判定結果は一致する(“CLEAR”)と判定され、その旨も表示される。
【0094】
一方、図15(A)に示す例では、指示マークDM2について行われた入力動作のタイミングは“BAD”と判定されている。そして、判定マークHM2が所与の位置に到達した時点で判定マークHM2を停止表示させる。続いて、図15(B)に示すように、判定マークHM2のインディケータID2を時計回りに半周させて判定結果(“BAD”)に応じた変化内容で表示態様を変化させる。この場合には、相対的判定処理において指示マークDM1,DM2について行われた入力動作のタイミング判定処理の判定結果は一致しない(“MISS”)と判定され、その旨も表示される。
【0095】
なお、図14(B)及び図15(B)に示す例では、判定マークHM1と判定マークHM2とは重なるように表示されるが、判定マークHM1,HM2の表示態様が変化した領域のみを表示するようにすることで、指示マークDM1と指示マークDM2とについてのタイミング判定処理の各判定結果及び相対的判定処理の結果をプレーヤに報知することができる。
【0096】
なお本例では、2つの指示マークDM1,DM2に対応する判定マークHM1,HM2が表示される場合を説明したが、本発明の実施形態は、この例に限られない。すなわち、互いに判定期間の異なる第1〜第N(N≧2)の指示マークについて行われたプレーヤの入力動作に関するタイミング判定処理の判定結果が相対的判定処理の対象となる場合には、第1〜第Nの指示マークに対応した第1〜第Nの判定マークを表示させ、第1〜第Nの指示マークについて行われたプレーヤの入力動作に関するタイミング判定処理の判定結果に基づいて、第1〜第Nの判定マークの表示態様を変化させる表示制御を行うことができる。
【0097】
次に図16(A)及び図16(B)、図17(A)及び図17(B)、ならびに図18(A)及び図18(B)を用いて2人のプレーヤ1P,2Pでプレイするマルチプレーヤモードにおける判定マークの表示制御手法の例を説明する。なお、本発明は、2人のプレーヤで行われるマルチプレーヤモードの場合に限られず、第1〜第N(N≧2)のプレーヤで行われるマルチプレーヤモードの場合においても同様の手法を実現することができる。
【0098】
図16(A)では、プレーヤ1P用のラインMLN1の基準位置(所与の位置)にプレーヤ1P用の基準マークRM1が静止表示されており、この基準マークRM1に向かって移動するプレーヤ1P用の指示マークDM1および判定マークHM1が表示されている。またプレーヤ2P用のラインMLN2の基準位置(所与の位置)にプレーヤ2P用の基準マークRM2が静止表示されており、この基準マークRM2に向かって移動するプレーヤ2P用の指示マークDM2および判定マークHM2が表示されている。プレーヤ1P用の指示マークDM1とプレーヤ2P用の指示マークDM2とは異なる表示タイミングで移動表示処理が開始されており、各指示マークDM1,DM2の判定期間が異なっている。そして本例では、プレーヤ1P用の指示マークDM1とプレーヤ2P用の指示マークDM2とに対する入力動作のタイミング判定処理の結果が相対的判定処理の対象となっている。すなわち本例では、互いに判定期間の異なる第1〜第N(N≧2)のプレーヤ用の指示マークについて行われた第1〜第Nのプレーヤの入力動作に関するタイミング判定処理の判定結果が相対的判定処理の対象となる場合に、第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークに対応した第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークを表示させるとともに、相対的判定処理の判定結果に基づいて、第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークの表示態様を変化させる表示制御が行われる。
【0099】
具体的には、プレーヤ1P用の指示マークDM1がプレーヤ1P用の基準マークRM1に到達して、その判定期間が開始された以降にプレーヤ1Pが入力動作を行うと、プレーヤ1Pが行った入力動作についてタイミング判定処理が行われて、図16(B)では、プレーヤ1Pの指示マークDM1に対する入力動作が“GREAT”と判定されている。
【0100】
次に、プレーヤ2P用の指示マークDM2がプレーヤ2P用の基準マークRM2に到達して、その判定期間が開始された以降にプレーヤ2Pが入力動作を行うと、プレーヤ2Pが行った入力動作についてタイミング判定処理が行われて、図17(A)に示す例では、プレーヤ2Pの指示マークDM2に対する入力動作も“GREAT”と判定されている。そしてプレーヤ2Pの入力動作により指示マークDM1,DM2についての入力動作が完了するため、各入力動作のタイミング判定処理の判定結果に基づいてプレーヤ1P,2Pそれぞれの入力動作を相対的に評価するための相対的判定処理が行われる。本例では、プレーヤ1Pの入力動作の入力タイミングについての判定結果(“GREAT”)とプレーヤ2Pの入力動作の入力タイミングについての判定結果(“GREAT”)とは、相互に一致する(“CLEAR”)と判定されてその旨が表示されるとともに、各プレーヤ用の判定マークHM1,HM2の表示態様を変化させる処理を行う。すなわち本例では、相対的判定処理において、第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークについて行われた入力動作に関する入力タイミング判定処理の各判定結果が一致すると判定された場合に、第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークの表示態様を変化させる表示制御を行う。
【0101】
具体的には、プレーヤ1P用の判定マークHM1およびプレーヤ2P用の判定マークHM2をラインMLN1,MLN2の基準位置(所与の位置)に停止させる処理を行う。続いて、図17(B)に示すように、判定マークHM1,HM2を、基準位置で停止表示させた状態で、各判定マークHM1,HM2のインディケータID1,ID2を反時計回りに1周させてその表示態様を変化させる処理を行う。また指示マークDM2については、移動表示を続けてスクロールアウトさせる表示制御処理を行う。
【0102】
一方、図18(A)に示す例では、プレーヤ2Pが指示マークDM2について行った入力動作はタイミング判定処理において“OK”と判定されている。この場合には、相対的判定処理において、プレーヤ1Pの行った入力動作に対するタイミング判定処理の判定結果(“GREAT”)とプレーヤ2Pの行った入力動作に対するタイミング判定処理の判定結果(“OK”)とが一致しない(“MISS”)と判定される。そして、図18(B)に示すように、その旨が表示されるとともに、判定マークHM1,HM2については表示態様を変化させずにスクロールアウトさせる処理を行う。すなわち、停止表示されていた判定マークHM1の移動表示処理を再開させるとともに、判定マークHM2を指示マークDM2とともに移動表示させて、各マークをスクロールアウトさせる。
【0103】
このように本実施形態の表示制御手法によれば、各プレーヤの入力動作についての相対的な判定処理に関連づけられて各プレーヤ用の判定マークHM1,HM2の表示態様を変化させる表示制御が行われるため、ゲームに参加するプレーヤ1P,2Pのそれぞれに連帯感のある入力動作を行わせる強い動機付けを与えて、音楽ゲームの入力インターフェース環境を向上させることができる。
【0104】
なお、上記において説明した例では、シングルプレーヤモードおよびマルチプレーヤモードのいずれの場合においても、判定マークHM(HM1,HM2)の表示態様を変化させる際に、プレーヤの視認性を考慮して判定マークHM(HM1,HM2)がラインMLN(MLN1,MLN2)の所定の位置に停止している状態で行っていたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、プレーヤが入力動作を行った場合には、判定マークHM(HM1,HM2)が移動している状態において判定マークHM(HM1,HM2)の表示態様を変化させてもよい。
【0105】
また、マルチプレーヤモードにおいてゲームに参加するプレーヤ1P,2Pが指示マークDM1,DM2についての入力動作を指示マークDM1,DM2の判定期間内に行わなかった場合には、判定マークHM1,HM2の表示態様を変化させない表示制御を行うようにしてもよい。すなわち、相対的判定処理において、第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークのすべてについて判定期間内に入力動作が行われなかったと判定された場合には、各判定マークの表示態様を変化させない表示制御を行うようにすることができる。このようにすれば、プレーヤ1P,2Pが指示マークDM1,DM2の判定期間内に入力動作を行わないことを申し合わせて、互いの入力動作についての個別の判定結果を一致させようとする不正なプレイを抑止することができる。
【0106】
3.本実施形態の処理
次に本実施形態の詳細な処理例について図19のフローチャートを用いて説明する。
【0107】
まず、プレーヤが音楽ゲームの曲を選択するための画面を表示する処理を行う(ステップS10)。そしてプレーヤにより選択された曲に対応する楽曲データを再生出力する処理を行う(ステップS11)。
【0108】
次に、指示マーク(音符)及び判定マークについての表示タイミングが到来したと判断されたら(ステップS12でY)、図13(A)や図16(A)で説明したように指示マーク及び判定マークの画像データをマーク記憶部から読み出し、各マークについての移動処理を行うと共にその表示処理を行う(ステップS13)。即ち、所与の移動速度で指示マーク及び判定マークをライン上で移動させる。なお、基準マークを指示マーク及び判定マークの方に移動表示させてもよい。
【0109】
次に、入力タイミングを取得する処理を行う(ステップS14)。即ちステップS13の移動処理及び表示処理により表示された指示マークについてプレーヤが入力部に対して入力動作をした場合に、プレーヤにより入力された入力データを例えばフレーム毎にサンプリングし、サンプリングされたタイミングデータを記憶バッファに保持する。
【0110】
次に、取得された入力判定用データと基準データとの比較判定処理(第1の判定処理)を行う(ステップS15)。即ち記憶バッファに保持された入力タイミングと、基準タイミング記憶部に記憶される基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、タイミング判定処理の判定結果データを判定結果記憶部に保持する。例えば図6に示すように、プレーヤの入力動作の入力タイミングに基づきプレーヤの入力動作を評価する比較判定処理を行う。
【0111】
次に、判定期間の異なる複数の指示マークについてのタイミング判定処理の判定結果を相互に比較する相対的判定処理を行う(ステップS16)例えば図7(A)及び図7(B)で説明したように、判定結果記憶部に保持された複数の指示マークに関するタイミング判定処理の結果を相互に比較して、各判定結果が一致するか否かを判定する。
【0112】
次に、ステップS15あるいはステップS16で行われた比較判定処理の結果に基づいて、判定マークの表示態様を変化させるための表示変化フラグの設定処理を行う(ステップS17)。例えば、シングルプレーヤモードでは、ステップS15のタイミング判定処理の結果に基づいて、判定マークの分割された表示変化領域のいずれの領域の表示態様をどのように変化させるかを表示変化フラグで設定する。また例えば、マルチプレーヤモードでは、ステップS16の相対的判定処理において、タイミング判定処理の各判定結果が一致すると判定された場合には表示変化フラグをオンにセットし、タイミング判定処理の各判定結果が一致していないと判定された場合には表示変化フラグをオフにセットする。
【0113】
次に、判定マークの表示態様を変化させる表示変化処理を行う(ステップS18)。具体的には、表示変化フラグの状態に応じて、インディケータを移動させて判定マークの表示態様を変化させる。
【0114】
そして、プレーヤの得点の加算処理を行う(ステップS19)。具体的にはステップS15やステップS16での比較判定によるプレーヤの入力動作の評価に応じた得点を、プレーヤの得点に加算する。続いて、楽曲データの再生が終了したか否かを判断し(ステップS20)、終了していない場合には(ステップS19でN)、ステップS11に戻る。終了した場合には(ステップS19でY)、プレーヤの最終のゲーム結果を判定して、表示する(ステップS20)。
【0115】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0116】
例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語(第1のマーク、第2のマーク、第1の判定処理、第2の判定処理等)として引用された用語(指示マーク、判定マーク、タイミング判定処理、相対的判定処理等)は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0117】
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
【0118】
また、判定マークの表示態様の変化は、判定マークの形状、色、及び模様の少なくとも一つ以上を変化させるものであればよい。また判定マークの表示態様を変化させる処理には、判定マークを消滅させる処理を含んでもよい。
【0119】
また本発明は、図1のような打楽器の形状を模した操作部を用いた音楽ゲームに好適であるが、それ以外の楽器を用いた音楽ゲームにも適用できる。また楽器を用いない音楽ゲームにも適用できる。
【0120】
また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、携帯電話等の種々のゲームシステム(画像生成システム)に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本実施形態のゲームシステムの例である。
【図2】本実施形態のゲームシステムの機能ブロック図の例である。
【図3】図3(A)〜図3(C)は、指示マークと基準マークとの表示制御手法の説明図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、指示マークと基準マークとの表示制御手法の説明図である。
【図5】図5(A)〜図5(C)は、指示マークと基準マークとの表示制御手法の説明図である。
【図6】プレーヤの入力動作の評価手法の説明図である。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、プレーヤの入力動作の評価手法の説明図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、プレーヤの入力動作の評価手法の説明図である。
【図9】図9(A)〜図9(D)は、判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図10】図10(A)〜図10(D)は、判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図11】判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図12】判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図13】図13(A)〜図13(D)は、判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図14】図14(A)及び図14(B)は、判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図15】図15(A)及び図15(B)は、判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図16】図16(A)及び図16(B)は、判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図17】図17(A)及び図17(B)は、判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図18】図18(A)及び図18(B)は、判定マークの表示制御手法の説明図である。
【図19】本実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0122】
DM,DM1,DM2 指示マーク、RM,RM1,RM2 基準マーク、
HM,HM1,HM2 判定マーク、ID,ID1〜ID4 インディケータ、
MLN ライン、
100 処理部、112 表示制御部、114 データ取得部、
116 評価部、117 タイミング判定部、118 相対的判定部、
120 画像生成部、130 音生成部、132 楽曲再生部、
160 入力部、162 操作入力部、164 音入力部、
170 記憶部、172 マーク記憶部、174 基準データ記憶部、
176 判定結果記憶部、178 楽曲データ記憶部、
180 情報記憶媒体、182 携帯型情報記憶装置、
190 表示部、192 音出力部、194 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤが入力部に対して入力動作を行ってプレイする音楽ゲームのためのプログラムであって、
プレーヤが前記入力部に対して行うべき入力動作を指示するマークであって、互いに判定期間の異なる複数の指示マークと、各指示マークとの位置関係により各指示マークの判定期間を表示する基準マークとを含む表示物の表示制御を行う表示制御部と、
前記各指示マークの各判定期間においてプレーヤが前記入力部に対して行った入力動作の入力タイミングを取得するタイミング取得部と、
取得された前記入力タイミングと基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、その判定結果に基づいてプレーヤの入力動作を評価する評価部として、
コンピュータを機能させ、
前記表示制御部が、
前記各指示マークと前記基準マークとの位置関係を変化させて、前記各指示マークと前記基準マークとを接近させる表示制御を行い、
前記評価部が、
前記各指示マークについて行われたプレーヤの入力動作の入力タイミングに関する前記タイミング判定処理の各判定結果を相対的に比較する相対的判定処理を行い、該相対的判定処理の判定結果に基づいて、前記各指示マークについて行われたプレーヤの入力動作を相対的に評価することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
互いに判定期間の異なる第1〜第N(N≧2)の指示マークについて行われたプレーヤの入力動作に関する前記タイミング判定処理の判定結果が前記相対的判定処理の対象となる場合に、
前記表示制御部が、
前記第1〜第Nの指示マークに対応した第1〜第Nの判定マークを表示させ、前記第1〜第Nの指示マークについて行われたプレーヤの入力動作に関する前記タイミング判定処理の判定結果に基づいて、第1〜第Nの判定マークの表示態様を変化させる表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1〜第Nの判定マークは、その表示態様が変化する領域が第1〜第Nの領域に分割されており、
前記表示制御部が、
前記第1〜第Nの判定マークのうち第M(1≦M≦N)の判定マークについて表示態様を変化させる際には、該第Mの判定マークの第Mの領域の表示態様を変化させる表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記表示制御部が、
前記第1〜第Nの判定マークを前記第1〜第Nの指示マークとともに表示させ、前記第1〜第Nの判定マークと前記基準マークとの位置関係を変化させて、前記各判定のマークと前記基準マークとを接近させる表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
複数のプレーヤが各プレーヤ用の入力部に対して入力動作を行ってプレイするマルチプレーヤ形式の音楽ゲームのためのプログラムであって、
前記各プレーヤが前記各入力部に対して行うべき入力動作を指示するマークであって、互いに判定期間の異なる各プレーヤ用の指示マークと、各指示マークとの位置関係により各指示マークの判定期間を表示する各プレーヤ用の基準マークとを含む表示物の表示制御を行う表示制御部と、
前記各指示マークの各判定期間において前記各プレーヤが前記各入力部に対して行った入力動作の入力タイミングを取得するタイミング取得部と、
取得された前記各プレーヤの入力動作の入力タイミングと基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、その判定結果に基づいて各プレーヤの入力動作を評価する評価部として、
コンピュータを機能させ、
前記表示制御部が、
前記各プレーヤ用の指示マークと前記各プレーヤ用の基準マークとの位置関係を変化させて、前記各プレーヤ用の指示マークと前記各プレーヤ用の基準マークとを接近させる表示制御を行い、
前記評価部が、
前記各プレーヤ用の指示マークについて行われたプレーヤの入力動作の入力タイミングに関する前記タイミング判定処理の各判定結果を相対的に比較する相対的判定処理を行い、該相対的判定処理の判定結果に基づいて、前記各プレーヤ用の指示マークについて行われた各プレーヤの入力動作を相対的に評価することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5において、
互いに判定期間の異なる第1〜第N(N≧2)のプレーヤ用の指示マークについて行われた第1〜第Nのプレーヤの入力動作に関する前記タイミング判定処理の判定結果が前記相対的判定処理の対象となる場合に、
前記表示制御部が、
前記第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークに対応した第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークを表示させ、前記相対的判定処理の判定結果に基づいて、第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークの表示態様を変化させる表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6において、
前記表示制御部が、
前記相対的判定処理において、前記第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークについて行われた入力動作に関する前記入力タイミング判定処理の各判定結果が一致すると判定された場合に、前記第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークの表示態様を変化させる表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7において、
前記表示制御部が、
前記相対的判定処理において、前記第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークのすべてについて判定期間内に入力動作が行われなかったと判定された場合には、前記各判定マークの表示態様を変化させない表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれかにおいて、
前記表示制御部が、
前記第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークを前記第1〜第Nのプレーヤ用の指示マークとともに表示させ、前記第1〜第Nのプレーヤ用の判定マークと第1〜第Nのプレーヤ用の基準マークとの位置関係を変化させて、前記各判定のマークと前記各基準マークとを接近させる表示制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、請求項1〜9のいずれかに記載のプログラムを記憶することを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項11】
プレーヤが入力部に対して入力動作を行ってプレイする音楽ゲームのためのゲームシステムであって、
プレーヤが前記入力部に対して行うべき入力動作を指示するマークであって、互いに判定期間の異なる複数の指示マークと、各指示マークとの位置関係により各指示マークの判定期間を表示する基準マークとを含む表示物の表示制御を行う表示制御部と、
前記各指示マークの各判定期間においてプレーヤが前記入力部に対して行った入力動作の入力タイミングを取得するタイミング取得部と、
取得された前記入力タイミングと基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、その判定結果に基づいてプレーヤの入力動作を評価する評価部と、
を含み、
前記表示制御部が、
前記各指示マークと前記基準マークとの位置関係を変化させて、前記各指示マークと前記基準マークとを接近させる表示制御を行い、
前記評価部が、
前記各指示マークについて行われたプレーヤの入力動作の入力タイミングに関する前記タイミング判定処理の各判定結果を相対的に比較する相対的判定処理を行い、該相対的判定処理の判定結果に基づいて、前記各指示マークについて行われたプレーヤの入力動作を相対的に評価することを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
複数のプレーヤが各プレーヤ用の入力部に対して入力動作を行ってプレイするマルチプレーヤ形式の音楽ゲームのためのゲームシステムであって、
前記各プレーヤが前記各入力部に対して行うべき入力動作を指示するマークであって、互いに判定期間の異なる各プレーヤ用の指示マークと、各指示マークとの位置関係により各指示マークの判定期間を表示する各プレーヤ用の基準マークとを含む表示物の表示制御を行う表示制御部と、
前記各指示マークの各判定期間において前記各プレーヤが前記各入力部に対して行った入力動作の入力タイミングを取得するタイミング取得部と、
取得された前記各プレーヤの入力動作の入力タイミングと基準タイミングとを比較するタイミング判定処理を行い、その判定結果に基づいて各プレーヤの入力動作を評価する評価部と、
を含み、
前記表示制御部が、
前記各プレーヤ用の指示マークと前記各プレーヤ用の基準マークとの位置関係を変化させて、前記各プレーヤ用の指示マークと前記各プレーヤ用の基準マークとを接近させる表示制御を行い、
前記評価部が、
前記各プレーヤ用の指示マークについて行われたプレーヤの入力動作の入力タイミングに関する前記タイミング判定処理の各判定結果を相対的に比較する相対的判定処理を行い、該相対的判定処理の判定結果に基づいて、前記各プレーヤ用の指示マークについて行われた各プレーヤの入力動作を相対的に評価することを特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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