説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】戦略ゲームの面白さである戦略性を容易に楽しむことができるゲームの実現。
【解決手段】ゲーム空間にPC及びNPCを含む複数のキャラクタが接触し合うように配置され、キャラクタ同士が互いにその一部又は全部を吸収し合いながら、その大きさを大きくさせてゆく。キャラクタ間には友好関係が設定され、この友好関係に応じてNPCの攻撃対象キャラクタが選択される。このキャラクタ間の友好関係は、そのキャラクタに対する「外交」を行うことで改善される。また、ゲーム画面において、NPCそれぞれは、PCとの間の友好関係に応じた表示色で表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの一種として、マップ上で複数の陣営同士がユニットを移動させて対戦するようなウォー・シミュレーションゲームが知られている。かかるゲームでは、敵の本拠地の占拠や敵ユニットの全滅を勝利条件とし、マップ上における味方ユニットの移動や敵ユニットとの戦闘を行わせてゲームが進行する。また、このようなウォー・シミュレーションゲームにおいて、戦略性及び興趣性を向上させたものとして、味方ユニットで挟んだり囲んだりすることで、敵ユニットのヒットポイントにダメージを与えたり、或いは、挟んだり囲んだりした範囲を味方軍の領地とするようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−75430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウォー・シミュレーションゲームは、マップ上で味方ユニットをどのように移動させるか、どこでどのように敵ユニットと戦闘するかといった戦略を楽しむことに焦点を当てたゲームである。しかしながら、戦略性を楽しむことが目的であるが故に、初心者には取っつきにくい、難解であるという問題があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、戦略ゲームの面白さである戦略性を容易に楽しむことができるゲームの実現を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータを、
プレイヤブル・キャラクタ(以下「PC」という)と複数のノン・プレイヤブル・キャラクタ(以下「NPC」という)とを所定のゲーム空間に接触し合うように配置する配置手段、
PCについてはプレーヤの操作入力に従って、NPCについてはコンピュータ制御によって、隣接する他のキャラクタの中から攻撃対象キャラクタを選択する攻撃対象選択手段、
攻撃する側のキャラクタの大きさを所定量大きくするとともに、前記攻撃対象キャラクタの大きさが前記所定量以下の場合には当該攻撃対象キャラクタを前記ゲーム空間から消去し、前記所定量を超える大きさの場合には当該攻撃対象キャラクタの大きさを前記所定量小さくする攻撃処理を実行する攻撃実行手段、
前記攻撃対象選択手段及び前記攻撃実行手段を繰り返し実行させることによりゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段、
所定のゲーム終了条件を満たした際に前記ゲーム空間に残存している否か、又は、残存しているキャラクタの大きさによって、勝敗を決する勝敗決定手段、
として機能させるためのプログラムである。
【0006】
また、他の発明として、
PCと複数のNPCとを所定のゲーム空間に接触し合うように配置する配置手段と、
PCについてはプレーヤの操作入力に従って、NPCについてはコンピュータ制御によって、隣接する他のキャラクタの中から攻撃対象キャラクタを選択する攻撃対象選択手段と、
攻撃する側のキャラクタの大きさを所定量大きくするとともに、前記攻撃対象キャラクタの大きさが前記所定量以下の場合には当該攻撃対象キャラクタを前記ゲーム空間から消去し、前記所定量を超える大きさの場合には当該攻撃対象キャラクタの大きさを前記所定量小さくする攻撃処理を実行する攻撃実行手段と、
前記攻撃対象選択手段及び前記攻撃実行手段を繰り返し実行させることによりゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、
所定のゲーム終了条件を満たした際に前記ゲーム空間に残存している否か、又は、残存しているキャラクタの大きさによって、勝敗を決する勝敗決定手段と、
を備えたゲーム装置を構成しても良い。
【0007】
この第1の発明等によれば、ゲーム空間に接触し合うように配置されたPC及び複数のNPCのキャラクタそれぞれについて、隣接する他のキャラクタの中からの攻撃対象のキャラクタの選択及び攻撃処理の実行を繰り返すことで、ゲーム進行が制御される。攻撃処理では、攻撃する側のキャラクタの大きさが所定量大きくなるとともに、攻撃対象キャラクタの大きさが所定量小さくなる或いはゲーム空間から消去される。そして、所定のゲーム終了条件を満たした際に、ゲーム空間に残存しているか否か又は残存しているキャラクタの大きさによって勝敗が決する。つまり、ゲーム空間に接触し合うように配置された各キャラクタが互いに他のキャラクタの大きさの一部を奪い合い自分の大きさを大きくしてゆくといった、ルールが判り易く且つ新たな興趣性を持つゲームを実現できる。また、攻撃によってキャラクタの大きさが変化するといった視覚的にも面白味のあるゲームとなる。更に、プレーヤにとっては、可能な限り他のNPCに攻撃されないよう、どのような順序でNPCを攻撃対象キャラクタとして選択していくかといった戦略性を楽しむことができる。
【0008】
第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
PC及びNPCそれぞれのキャラクタ間の友好度を設定する友好度設定手段、
前記攻撃実行手段により攻撃処理が実行された場合に、前記攻撃対象キャラクタと当該攻撃対象キャラクタを攻撃したキャラクタ間の友好度を引き下げるとともに、前記攻撃対象キャラクタに対する友好度が所定の良好条件を満たすキャラクタを抽出し、前記攻撃対象キャラクタを攻撃したキャラクタに対する該抽出したキャラクタの友好度を引き下げる攻撃起因引き下げ手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記攻撃対象選択手段が、NPCについて、当該NPCに隣接する他のキャラクタの中から当該NPCの攻撃対象キャラクタを、当該NPCの当該他のキャラクタに対する友好度に基づいて選択するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムを構成しても良い。
【0009】
この第2の発明によれば、PC及びNPCそれぞれのキャラクタ間に友好度が設定され、この友好度に基づいて、NPCの攻撃対象キャラクタが選択される。また、この友好度は、キャラクタの攻撃によって変化する。すなわち、あるキャラクタが隣接する他のキャラクタを攻撃すると、攻撃対象キャラクタと攻撃したキャラクタ間の友好度が引き下げられるとともに、攻撃対象キャラクタに対する友好度が所定の良好条件を満たすキャラクタの攻撃したキャラクタに対する友好度が引き下げられる。つまり、あるキャラクタを攻撃すると、その攻撃対象キャラクタのみではなく、それ以外の他のキャラクタとの間の友好度が引き下げられ、その結果、その他のキャラクタから攻撃され易くなるといったことが起こりえる。これにより、各キャラクタ間の友好度を推測・考慮しつつ攻撃対象キャラクタを選択するといった、より戦略性に富んだゲームを実現できる。
【0010】
第3の発明として、第2の発明のプログラムであって、
PCの各NPCそれぞれに対する友好度に基づいて各NPCの表示形態を変更する表示形態変更手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0011】
この第3の発明によれば、PCの各NPCそれぞれに対する友好度に基づいて各NPCの表示形態が変更される。つまり、NPCの表示形態からそのNPCに対するPCの友好度を把握でき、攻撃対象キャラクタを選択する際の判断材料とすることができる。
【0012】
第4の発明として、第2又は第3の発明のプログラムであって、
プレーヤの操作入力に従って、PCに対する友好度を上昇させるNPCを選択する友好度上昇対象選択手段、
前記友好度上昇対象選択手段により選択されたNPCのPCに対する友好度を上昇させる親睦処理を実行する親睦実行手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0013】
この第4の発明によれば、プレーヤの選択入力に従って選択したNPCのPCに対する友好度を上昇させる親睦処理が実行される。PCに対するNPCの友好度は、例えばPCの攻撃によって引き下げられるが、低下した友好度を親睦処理によって改善することができる。これにより、親睦処理によってNPCとの間の友好度を改善することで、そのNPCから攻撃されにくくするといった新たな戦略要素が付加される。従って、プレーヤは、自分に有利になるようにNPCに対する攻撃処理や親睦処理を上手く使い分けることができ、更なる戦略性の向上が実現される。
【0014】
第5の発明として、第4の発明のプログラムであって、
PCによる攻撃に係る前記攻撃処理の実行選択肢及び前記親睦処理の実行選択肢を少なくとも含む複数の実行選択肢のうちの何れかの選択入力を間欠的に受け付ける選択受付手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0015】
この第5の発明によれば、PCによる攻撃に係る攻撃処理の実行選択肢及び親睦処理の実行選択肢を少なくとも含む複数の実行選択肢のうちの何れかの選択入力が間欠的に受け付けられる。つまり、ゲームの進行中、いつでも実行選択肢の選択入力が受け付けられるわけではない。このため、プレーヤは、選択入力が受け付けられるタイミングを考慮して、効果的な選択入力を行う必要がある。
【0016】
第6の発明として、第5の発明のプログラムであって、
PC及び残存しているNPCの大きさに基づいて、前記選択受付手段が受け付ける間隔を変更する受け付け間隔制御手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0017】
この第6の発明によれば、実行選択肢の選択入力を間欠的に受け付ける間隔が、PC及び残存しているNPCの大きさに基づいて変更される。
【0018】
第7の発明として、第1〜第6の何れかの発明のプログラムであって、
前記ゲーム空間に重力方向を設定する重力方向設定手段、
PC及びNPCを前記重力方向に従って移動制御する移動制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0019】
この第7の発明によれば、ゲーム空間に重力方向が設定され、PC及びNPCが設定された重力方向に従って移動制御される。例えば、キャラクタはその大きさに応じた重さを持つこととすると、重力方向の下流側ほど比較的大きなキャラクタが集まるように配置される。更に、攻撃によってキャラクタの大きさが変化するが、この大きさの変化に伴ってキャラクタがゲーム空間を移動するといった様子も表現できる。
【0020】
第8の発明として、第1〜第7の何れかの発明のプログラムであって、
PC及びNPCそれぞれの大きさに基づいて前記ゲーム空間中の各キャラクタの配置位置を変更する配置位置変更手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0021】
この第8の発明によれば、PC及びNPCそれぞれの大きさに基づいて、ゲーム空間中の各キャラクタの配置位置が変更される。キャラクタの配置位置が変更されると、互いに接触するキャラクタが入れ替わることになる。また、キャラクタの大きさは、キャラクタの攻撃によって変化する。これにより、キャラクタの攻撃によって互いに攻撃対象となり得るキャラクタが入れ替わるといった、更なる興趣をゲームに付加することができる。
【0022】
第9の発明は、第1〜第8の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここでいう「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第9の発明によれば、第1〜第8の発明の何れかのプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第8の発明と同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ゲーム装置の外観図。
【図2】ゲーム中の表示画面例。
【図3】ゲーム空間の変化の一例。
【図4】大きさの変化に伴うキャラクタの移動の説明図。
【図5】ゲーム装置の機能構成図。
【図6】友好関係テーブルのデータ構成例。
【図7】キャラクタデータのデータ構成例。
【図8】キャラ間友好関係テーブルのデータ構成例。
【図9】表示色テーブルのデータ構成例。
【図10】行動権獲得確率テーブルのデータ構成例。
【図11】ルビー獲得確率テーブルのデータ構成例。
【図12】存在キャラリストのデータ構成例。
【図13】友好度変更条件テーブルのデータ構成例。
【図14】行動選択確率テーブルのデータ構成例。
【図15】攻撃パターン選択確率テーブルのデータ構成例。
【図16】攻撃候補条件テーブルのデータ構成例。
【図17】攻撃対象選択確率テーブルのデータ構成例。
【図18】外交パターン選択確率テーブルのデータ構成例。
【図19】外交対象選択確率テーブルのデータ構成例。
【図20】ゲーム処理のフローチャート。
【図21】ゲーム処理中に実行される外交処理のフローチャート。
【図22】ゲーム処理中に実行される攻撃処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下では、本発明を携帯型ゲーム装置に適用した場合を説明するが、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0025】
[外観]
図1は、本実施形態における携帯型ゲーム装置1000の外観図である。携帯型ゲーム装置1000は、開閉自在の装置本体1100に、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向キー1102と、ボタンスイッチ1104と、第1ディスプレイ1106と、第2ディスプレイ1108と、スピーカ1110と、制御ユニット1112を備えて構成される。また、第1ディスプレイ1106及び第2ディスプレイ1108の表面には、スタイラスペン1300などで触れることによって表示画面の任意位置を入力することのできるタッチパネル1107,1109がそれぞれ一体的に形成されている。なお、同図では、使用時である携帯型ゲーム装置1000の開状態を示している。
【0026】
また、装置本体1100には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1200のデータを読み書きできるメモリカード読取装置1120が備えられている。メモリカード1200には、携帯型ゲーム装置1000の制御ユニット1112がゲームプレイにかかる各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、装置本体1100には、図示されていない内蔵バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0027】
タッチパネル1107,1109は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1ディスプレイ1106及び第2ディスプレイ1108の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤが画面表示されているものに触れる感覚でスタイラスペン1300(或いは指など)で触れると、例えば左上を原点とする直交座標系における接触位置座標を制御ユニット1112へ出力することができる。
【0028】
制御ユニット1112は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリを搭載する。また、無線通信モジュール1114や、第1ディスプレイ1106及び第2ディスプレイ1108のドライバ回路、タッチパネル1107,1109のドライバ回路、方向キー1102及びボタンスイッチ1104からの信号を受信する回路、スピーカ1110へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1120への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1112に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0029】
そして制御ユニット1112は、メモリカード読取装置1120によってメモリカード1200に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向キー1102やボタンスイッチ1104、タッチパネル1107,1109からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1000の各部を制御してゲームを実行する。
【0030】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1000は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1200から読み出す構成としているが、無線通信モジュール1114を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線Nに接続して外部の装置からダウンロードする構成としても良い。
【0031】
[ゲーム概要]
図2は、ゲーム中の表示画面の一例を示す図である。同図に示すように、第1ディスプレイ1106にはゲーム画面が表示される。ゲーム画面では、ゲーム空間内に複数のキャラクタが配置された様子が表示される。これらのキャラクタは、閉空間であるゲーム空間に詰め込まれるように配置されており、互いに接触し合った状態となっている。なお、同図ではゲーム空間は六角形状としたが、他の形状であっても良い。そして、これらのキャラクタのうち、1体がプレイヤブル・キャラクタ(以下、「PC」という)であり、他のキャラクタはノン・プレイヤブル・キャラクタ(以下、「NPC」)という)である。また、PCとNPCとは識別表示される。
【0032】
また、第2ディスプレイ1108には操作画面が表示される。操作画面では、単数又は複数のボタン表示10や、PCの現在状況といった各種情報が、そのときのゲーム進行状況に応じて表示される。プレーヤは、所望するボタン表示10をスタイラスペン1300でタッチすることで選択入力してゲームを進める。同図では、PCの行動を選択するための複数のボタン表示10や、アイテムである「ルビー」の保有数が表示されている。
【0033】
本実施形態のゲームでは、キャラクタそれぞれが他のキャラクタを攻撃してその一部又は全部を吸収し、自分の大きさを増加させてゆく。そして、最終的に残った1体のキャラクタが、該ゲームの勝者となる。
【0034】
図3は、ゲームの流れを説明する図であり、ゲーム進行に伴うゲーム空間の変化を示している。同図上側に示すように、ゲーム開始時点では、ゲーム空間内には多数のキャラクタが存在している。これらのうち、1つがPCであり、それ以外がNPCである。
【0035】
そして、ゲームが開始されると、同図中央に示すように、各キャラクタは他のキャラクタを攻撃し、その一部又は全部を吸収して大きくなる。このとき、攻撃可能なのは、自分に接触しているキャラクタに対してのみである。また、攻撃側のキャラクタが吸収可能な大きさ(吸収可能量)は、該攻撃側のキャラクタの大きさによって決まる。具体的には、攻撃側のキャラクタの大きさの所定割合(例えば、1/6)を、吸収可能である。すなわち、攻撃側のキャラクタの大きさによって決まる吸収可能量が被攻撃側のキャラクタの大きさよりも小さい場合、攻撃側のキャラクタは、この吸収可能量を被攻撃側のキャラクタから吸収する。つまり、攻撃側のキャラクタの大きさがこの吸収可能量の分だけ大きくなり、被攻撃側のキャラクタの大きさがこの吸収可能量の分だけ小さくなる。一方、吸収可能量が非攻撃側のキャラクタの大きさ以上の場合には、攻撃側のキャラクタは、被攻撃側のキャラクタの全てを吸収する。つまり、攻撃側のキャラクタは非攻撃側のキャラクタの大きさの分だけ大きくなり、該非攻撃側のキャラクタはその全てが吸収されて消滅する。ここで、消滅とは、ゲーム空間に存在しなくなることである。つまり、ゲーム空間内に存在するキャラクタの大きさの総和は、ゲーム進行を通して変化しない。
【0036】
このように、キャラクタ同士が攻撃し合うことで、各キャラクタの大きさが変化してゆく。そして、キャラクタが消滅することで、ゲーム空間内のキャラクタの数がゲーム進行に伴って減少してゆく。最終的には、同図下側に示すように、ゲーム終了時には、ゲーム空間内には、他の全てのキャラクタを吸収した1つのキャラクタのみが存在する状態となる。
【0037】
プレーヤは、PCがNPCに吸収されないように、他のNPCを吸収しながら大きくしてゆく。そして、PCが全てのNPCを吸収すると、ゲーム結果は“成功”となってゲーム終了となる。一方、PCがNPCに吸収されて消滅すると、ゲーム結果は“失敗”となり、その時点でゲーム終了となる。
【0038】
キャラクタは弾性体で形成され、基本的には球形を保つが、外力によって変形可能である。また、キャラクタは、その大きさに比例した「重さ」を持つ。
【0039】
また、ゲーム空間には、重力に相当する所定方向(図2では、下向き方向)への力が作用している。このため、ゲーム空間内のキャラクタは、重力の作用方向に沿った方向に弾性変形して移動し、下方から積み上げられるようにゲーム空間に配置される。また、各キャラクタの大きさすなわち重さの違いから、大きなキャラクタほど下方に位置し、小さなキャラクタほど上方に位置するように配置される。そして、下方のキャラクタは、その上のキャラクタの重みによって押しつぶされたような形状となっている。
【0040】
勿論、ゲーム空間に配置されたキャラクタは、攻撃によるキャラクタの大きさの変化に伴って随時移動する。図4は、キャラクタの大きさ変化に伴う移動を説明する図である。同図上側に示すように、ゲーム空間には、4つのキャラクタA〜Dが配置されている。また、下向きに重力が作用している。そして、キャラクタAがキャラクタBを攻撃することで、同図下側に示すように、キャラクタAが大きくなるとともに、キャラクタBが小さくなる。この場合、キャラクタA,Cの上方に乗っかるように配置されていたキャラクタBが小さくなり、キャラクタB,Cの間に隙間ができたことで、キャラクタBが下方にずれ、キャラクタCの上に接触する位置まで移動する。更に、キャラクタBの移動によって、キャラクタB,Cの上方に乗っかるように配置されていたキャラクタDが下方に落ち、キャラクタBの上に接触する位置まで移動する。また、キャラクタB,Dの大きさ及び位置関係に基づく所定の物理演算により、その大きさ及び位置関係によっては、キャラクタDが、キャラクタBを押しのけるように移動してキャラクタA,Cの直上に位置することもある。
【0041】
また、キャラクタ間には友好関係が定められる。友好関係には、“友達”、“中立”及び“敵”の3種類があり、この順に“良い”関係となっている。この友好関係は、NPCの行動(具体的には、攻撃)に影響を与える。具体的には、NPCが攻撃対象とするキャラクタを決める条件に友好関係が含まれており、友好関係が“良い”キャラクタほど、攻撃する確率が低くなるように定められている。
【0042】
キャラクタ間の友好関係は、キャラクタの行動によって変化する。具体的には、キャラクタAがキャラクタBを攻撃すると、このキャラクタA,B間の友好関係が悪化するとともに、攻撃されたキャラクタBとの友好関係が“友達”であるキャラクタCと、攻撃したキャラクタAとの間の友好関係が悪化する。例えば、キャラクタA,B間の友好関係が“中立”、キャラクタA,C間の友好関係が“友達”及びキャラクタB,C間の友好関係が“友達”である場合、キャラクタAがキャラクタBを「攻撃」することで、キャラクタA,B間の友好関係が“中立”から“敵”に変化するとともに、キャラクタA,C間の友好関係が“友達”から“中立“或いは“敵”に変化する。キャラクタCにとっては“友達”であるキャラクタBが攻撃されたため、その攻撃側のキャラクタAに対するキャラクタCの友好関係が悪化するのである。
【0043】
また、キャラクタ間の友好関係は、所定のアイテム「ルビー」を付与するといった「外交(親睦処理)」を行うことで改善される。具体的には、キャラクタAがキャラクタBにルビーを付与すると、キャラクタA,B間の友好関係が改善される。例えば、キャラクタA,B間の友好関係が“中立”である場合、キャラクタAがキャラクタBにルビーを付与することで、キャラクタA,B間の友好関係が“中立”から“友達”に変化する。
【0044】
そして、ゲーム画面では、ゲームマップ上のキャラクタは、PCとの間の友好関係に応じた色で表示される。例えば、PCとの友好関係が“友達”であるキャラクタは「青」、“中立”であるキャラクタは「黄」、“敵“であるキャラクタは「赤」といったように表示される。プレーヤは、ゲーム画面におけるキャラクタの表示色によって、PCと他のNPCそれぞれとの間の友好関係を容易に把握することができる。
【0045】
但し、ゲーム画面にて把握される友好関係は、PCを基準とした友好関係である。つまり、PC以外のキャラクタ間にも同様な友好関係があるが、プレーヤはこれを知ることはできない。このため、PCがNPCを攻撃すると、そのNPCとの友好関係が悪化するとともに、そのNPCの“友達”である他のNPCとの友好関係も悪化する。つまり、PCの“友達”であったNPCとの友好関係も悪化してしまう可能性がある。プレーヤは、NPC間の友好関係を推測しながら、友好関係が悪化したNPCから攻撃されないよう、ルビーを付与してそのNPCとの友好関係を改善しつつ、他のNPCを攻撃してゆかなければならない。つまり、他のキャラクタを吸収する「攻撃」と、他のキャラクタとの友好関係を改善させる「外交」との二つの行動を使い、他の全てのキャラクタを吸収するといったシンプルなルールながら、この行動を上手く使い分ける必要があるという戦略性の高いゲームとなっている。
【0046】
また、ゲームはターン制で進行される。すなわち、キャラクタに行動権を与え得る順番(以下、「行動順番」という)がその大きさが小さい順に定められ、定められた行動順番に従ってキャラクタに行動権を与えるか否かを判断していく。そして、行動権を与えると判断されたキャラクタは、他のキャラクタに対する「攻撃」、ルビーを付与する「外交」及び「何もしない」の何れかの行動をとる。また、攻撃によってキャラクタの大きさが変化するため、キャラクタの行動順番はターン毎に更新される。
【0047】
[構成]
図5は、携帯型ゲーム装置1000の機能構成を示すブロック図である。同図によれば、携帯型ゲーム装置1000は、機能的には、操作入力部100と、処理部200と、画像表示部300と、音出力部400と、通信部500と、記憶部600とを備えて構成される。
【0048】
操作入力部100は、プレーヤによる操作入力を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。この機能は、例えばプッシュボタンやレバー、タッチパッド、ダイヤル、キーボード、マウス等の入力装置によって実現される。図1では、方向キー1102やボタンスイッチ1104、タッチパネル1107,1109がこれに該当する。
【0049】
処理部200は、記憶部600から読み出したプログラムやデータ、操作入力部100から入力された操作信号等に基づいて、携帯型ゲーム装置1000の全体制御やゲーム進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリ等によって実現される。図1では、制御ユニット1112がこれに該当する。また、処理部200は、ゲーム演算部210と、画像生成部220と、音生成部230とを有する。
【0050】
ゲーム演算部210は、ゲームの進行にかかる処理を実行する。例えば、所定のゲーム空間中にキャラクタを配置する処理や、キャラクタの制御処理、オブジェクト間のヒット判定処理、物理演算処理、ゲーム結果の算出処理といった各種の演算処理が含まれる。
【0051】
また、ゲーム演算部210は、ゲームプログラム610に従ったゲーム処理を実行する。具体的には、先ず、ゲーム空間に、複数のキャラクタを互いに接触し合うように初期配置する。このとき、各キャラクタの大きさは、全て同じとしても良いし、異なることにしても良い。
【0052】
また、各キャラクタ間の友好関係を初期設定する。友好関係は、友好度によって決まる。すなわち、先ずは友好度を設定し、この友好度に応じて友好関係が決まることになる。
【0053】
友好度と友好関係との対応は、友好関係テーブル621にて定義されている。図6は、友好関係テーブル621のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、友好関係テーブル621は、友好度621aと、友好関係621bとを対応付けて格納している。同図では、友好度は「10〜+10」の範囲で定められ、友好度が高い(値が大きい)ほど“良い”友好関係が対応付けられている。
【0054】
すなわち、友好関係の初期設定として、全てのキャラクタ間の友好度を“ゼロ”として友好関係を“中立”としても良いし、或いは、友好度を確率的に或いはランダムに設定することにしても良い。
【0055】
次いで、マップ上のキャラクタのうちから、操作入力部100からのプレーヤの操作入力に従って選択した1体をPCとし、それ以外をNPCとする。
【0056】
ゲームマップに配置されたキャラクタについてのデータは、キャラクタデータ641に格納される。図7は、キャラクタデータ641のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、キャラクタデータ641は、キャラクタそれぞれについて、識別番号であるキャラクタID641aと、キャラ種別641bと、行動タイプ641cと、現在の大きさ641dと、現在の位置641eと、保有ルビー数641fとを対応付けて格納している。
【0057】
また、キャラクタ間の友好関係についてのデータは、キャラ間友好関係データ642に格納される。図8は、キャラ間友好関係データ642のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、キャラ間友好関係データ642は、2体のキャラクタの組合せ642a毎に、友好度642bと、友好関係642cとを対応付けて格納している。
【0058】
また、ゲーム画面において、ゲーム空間中のキャラクタそれぞれを、その種別に応じた色で表示する。すなわち、PCについては、予め定められた所定の表示色とする。また、NPCについては、表示色テーブル622に従って、PCとの間の友好関係に応じた表示色とする。図9は、表示色テーブル622のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、表示色テーブル622は、キャラクタ間の友好関係622aと、表示色622bとを対応付けて格納している。
【0059】
このような各種の初期設定の後、ゲームが開始される。ゲームはターン制で進行される。具体的には、各ターンの開始前に、現時点でゲーム空間内に存在するキャラクタについて、その大きさが小さい順に行動順番を決定する。また、各キャラクタについて、次のターンでの行動権の有無、及び、ルビーの獲得有無を決定する。
【0060】
行動権の有無は、行動権獲得確率テーブル623で定められる獲得確率に従って決定する。図10は、行動権獲得確率テーブル623のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、行動権獲得確率テーブル623は、キャラクタの大きさ623aと、行動権の獲得確率623bとを対応付けて格納している。同図では、キャラクタの大きさが大きいほど、行動権の獲得確率が低く設定されている。これは、1回の攻撃におけるキャラクタの吸収可能量が、該キャラクタの大きさに比例するように定められているからである。つまり、大きなキャラクタほど、1回の攻撃で他のキャラクタから吸収可能な大きさ(吸収可能量)が大きく、有利だからである。このため、キャラクタの大きさが大きいほど、行動権の獲得確率を低く定めることで、キャラクタの大きさによって、行動権を獲得できる間隔すなわち行動間隔に差を付けている。例えば、小さいキャラクタは毎ターン行動できるけれど、大きいキャラは複数ターンに1回しか行動できないといったように、大きなキャラクタの行動に“ハンデ”をつけている。
【0061】
また、ルビーの獲得有無は、ルビー獲得確率テーブル624で定められる獲得確率に従って決定される。図11は、ルビー獲得確率テーブル624のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、ルビー獲得確率テーブル624は、キャラクタの大きさ624aと、ルビーの獲得確率624bとを対応付けて格納している。同図では、キャラクタの大きさが大きいほど、ルビーの獲得確率が低く設定されている。これも、行動権の獲得確率と同様の理由による。つまり、ルビーは他のキャラクタとの友好関係の改善に必要なアイテムであり、攻撃に不利な小さいキャラクタほど、ルビーを獲得し易い状態として他のキャラクタとの間の友好関係の改善をし易くするためである。
【0062】
ゲーム空間内に存在するキャラクタについてのデータは、存在キャラリスト643に格納される。図12は、存在キャラリスト643のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、存在キャラリスト643は、ゲーム空間に存在するキャラクタについて、次のターンでの行動順643aに、キャラID643bと、行動権の有無643cと、保有ルビー数の獲得有無643dとを対応付けて格納している。なお、この存在キャラリスト643は、ターン毎に更新される。
【0063】
このように、ゲーム空間に存在するキャラクタについて、次のターンでの行動順番を決定すると、決定した行動順番に従って、キャラクタそれぞれの行動を制御していく。すなわち、対象のキャラクタについて、ルビーの獲得有無を判断し、「獲得有り」ならば、保有ルビー数を「1」増加させる。また、行動権の獲得有無を判断し、「無し」ならば、今回のターンでの順番を飛ばし、行動順番が次のキャラクタを対象とした制御に移る。
【0064】
一方、行動権の獲得有無が「獲得有り」ならば、対象キャラクタをその種別に応じて制御する。具体的には、PCについては、プレーヤの操作入力に従って制御する。すなわち、プレーヤの操作入力に従って、PCの次の行動、及び、その行動の対象となるキャラクタを決定する。そして、決定した対象キャラクタに対して、決定した行動を行う。ここで、選択可能な行動は、「攻撃」、「外交」及び「何もしない」のうちの何れかである。但し、PCの保有ルビー数がゼロの場合には、「外交」を選択することはできない。
【0065】
次の行動として「攻撃」を選択したならば、攻撃対象キャラクタとして、PCに隣接する他キャラクタのうちから、プレーヤの操作入力に従って1体のキャラクタを選択する。そして、選択したキャラクタに対する攻撃を行う。すなわち、攻撃対象キャラクタから吸収する大きさ(吸収可能量)を、PCの大きさの所定割合(例えば、1/6)として決定する。そして、攻撃対象キャラクタの大きさが決定した吸収可能量より大きいならば、PCの大きさを吸収可能量だけ増加させるとともに、攻撃対象キャラクタの大きさを吸収可能量だけ減少させる。また、攻撃対象キャラクタの大きさが吸収可能量以下ならば、PCが攻撃対象キャラクタの全てを吸収したとして、PCの大きさを攻撃対象キャラクタの大きさだけ増加させるとともに、攻撃対象キャラクタを消滅させる。
【0066】
また、PCと攻撃対象キャラクタとの間の友好関係を変更する。すなわち、友好度変更条件テーブル626に従って、PCと攻撃対象キャラクタとの間の友好度を変更し、この友好度の変更に伴って友好関係を変更する。図13は、友好度変更条件テーブル626のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、友好度変更条件テーブル626は、友好度の変更条件626aと、友好度の変更量626bとを対応付けて格納している。つまり、この場合、PCが攻撃したことにより、PCと攻撃対象キャラクタとの間の友好度を下げるように変更する。
【0067】
それとともに、ゲーム画面において、PCが攻撃対象キャラクタから吸収可能量分の大きさを吸収し、各キャラクタの大きさが変化していく様子を表示する等の演出を行う。続いて、キャラクタの大きさの変化に伴って、ゲーム空間における該当するキャラクタの位置を変更する。すなわち、ゲーム空間に作用する重力の方向に沿って、キャラクタを移動させる。
【0068】
また、次の行動として「外交」を選択したならば、ルビーを付与する外交対象キャラクタとして、マップ上の全キャラクタのうちから、プレーヤの選択操作に従って1体のキャラクタを選択する。そして、選択した外交対象キャラクタに対する「外交」を行う。すなわち、ゲーム画面において、相手キャラクタに「ルビーを付与する」様子を表示する等の演出を行う。それとともに、PCと外交対象キャラクタとの間の友好関係を変更する。また、ゲーム空間に存在するキャラクタのうち、外交対象キャラクタとの友好関係が“友達”であるキャラクタそれぞれと、PCとの間の友好関係を変更する。キャラクタ間の友好関係の変更は、友好度変更条件テーブル626に従って該当するキャラクタ間の友好度を変更し、その後、友好関係テーブル621に従って、変更後の友好度に応じた友好関係に変更することで行う。また、PCの保有ルビー数を「1」減少させる。
【0069】
一方、NPCについては、該NPCに予め定められた行動タイプに従って制御する。NPCの行動タイプには、外交を多用する傾向がある「外交型」、攻撃を多用する傾向がある「攻撃型」、及び、外交と攻撃とを同程度に行う「バランス型」の3種類がある。すなわち、NPCに定められている行動タイプをもとに、行動選択確率テーブル631に従って、該NPCの次の行動を決定する。図14は、行動選択確率テーブル631のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、行動選択確率テーブル631は、行動タイプ631a毎に、キャラクタが取り得る行動それぞれの選択確率631bを対応付けて格納している。
【0070】
そして、決定した行動が「攻撃」ならば、続いて、攻撃パターンを決定する。「攻撃パターン」は、NPCが攻撃対象とするキャラクタの傾向を表すものであり、友好関係を重視し、友好関係が“敵”であるキャラクタを優先的に攻撃する「パターンA」、大きさを重視し、大きいキャラクタを優先的に攻撃する「パターンB1」、大きさを重視し、小さいキャラクタを優先的に攻撃する「パターンB2」の3種類がある。これらの3種類の攻撃パターンのうちから、攻撃パターン選択確率テーブル632に従って、NPCの攻撃パターンを確率的に決定する。図15は、攻撃パターン選択確率テーブル632のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、攻撃パターン選択確率テーブル632は、攻撃パターン632a毎に、攻撃対象の選択傾向632bと、選択確率632cを対応付けて格納している。
【0071】
次いで、NPCの攻撃対象キャラクタを決定する。すなわち、NPCに隣接しているキャラクタであって、且つ、所定の攻撃候補条件を満たしているキャラクタを、攻撃対象の候補キャラクタとする。攻撃候補条件は、攻撃候補条件テーブル625にて定められている。図16は、攻撃候補条件テーブル625のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、攻撃候補条件テーブル625は、友好関係625aと、攻撃候補条件625bとを対応付けて格納している。攻撃候補条件625bは、キャラクタの大きさに関する条件である。すなわち、NPCに隣接するキャラクタそれぞれについて、該キャラクタの大きさが、NPCとの間の友好関係に対応する攻撃候補条件を満たすかを判断し、攻撃候補条件を満たすキャラクタを、候補キャラクタとする。
【0072】
次いで、候補キャラクタそれぞれについて、決定したNPCの攻撃パターンをもとに、攻撃対象選択確率テーブル633に従って、攻撃対象としての選択確率P1を算出する。図17は、攻撃対象選択確率テーブル633のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、攻撃対象選択確率テーブル633は、攻撃パターン毎に生成される。攻撃パターンAについては、キャラクタ間の友好関係633aと、選択確率633bとを対応付けて格納している。また、攻撃パターンB1,B2については、キャラクタの大きさ633cと、選択確率633dとを対応付けて格納している。つまり、NPCの攻撃パターンが攻撃パターンAならば、候補キャラクタそれぞれについて、NPCと該候補キャラクタとの間の友好関係に対応する選択確率とする。また、攻撃パターンB1,B2ならば、候補キャラクタそれぞれについて、該候補キャラクタの大きさに対応する選択確率とする。
【0073】
このように算出した候補キャラクタ毎の選択確率P1に従って、1体のキャラクタを選択し、攻撃対象キャラクタとする。そして、PCの場合と同様に、NPCに攻撃対対象キャラクタを「攻撃」させる。つまり、対象キャラクタが相手キャラクタから吸収する大きさ(吸収可能量)を決定し、NPC及び攻撃対象キャラクタの大きさを変更する。また、NPCが攻撃対象キャラクタを攻撃する演出を行うとともに、NPCと攻撃対象キャラクタとの間の友好関係を変更する。
【0074】
一方、決定した行動が「外交」ならば、続いて、対象キャラクタの外交パターンを決定する。「外交パターン」は、キャラクタが外交の相手とするキャラクタの選択傾向を表すものであり、相手キャラクタとの間の友好関係を重視し、友好関係が“敵”であるキャラクタを減らすことを優先する「パターンA1」、友好関係を重視し、友好関係が“友達”のキャラクタを増やすことを優先する「パターンA2」、相手キャラクタの大きさを重視し、大きいキャラクタとの間の友好関係の改善を優先する「パターンB」、相手キャラクタとの距離Lを重視し、距離Lが短い(近い)キャラクタとの間の友好関係の改善を優先する「パターンC」の4種類がある。これら4種類の外交パターンのうちから、外交パターン選択確率テーブル634に従って、NPCの外交パターンを確率的に決定する。図18は、外交パターン選択確率テーブル634のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、外交パターン選択確率テーブル634は、外交パターン634a毎に、外交対象の選択傾向634bと、選択確率634cを対応付けて格納している。
【0075】
次いで、NPCの外交対象キャラクタを決定する。つまり、ゲーム空間内に存在する全ての他のキャラクタを候補とし、候補キャラクタそれぞれについて、決定した外交パターンをもとに、外交対象選択確率テーブル635に従って、選択確率P2を算出する。図19は、外交対象選択確率テーブル635のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、外交対象選択確率テーブル635は、外交パターンそれぞれについて生成される。パターンA1,A2については、キャラクタ間の友好関係635aと、選択確率635bとを対応付けて格納している。パターンBについては、キャラクタの大きさ635cと、選択確率635dとを対応付けて格納している。パターンCについては、キャラクタ間の距離635eと、選択確率635fとを対応付けて格納している。つまり、NPCの外交パターンが外交パターンA1,A2ならば、候補キャラクタそれぞれについて、該候補キャラクタとNPCとの間の友好関係に対応する選択確率とする。また、外交パターンBならば、候補キャラクタの大きさに対応する選択確率とする。また、外交パターンCならば、候補キャラクタとNPCとの間の距離に対応する選択確率とする。
【0076】
このように算出した候補キャラクタ毎の選択確率P2に従って、1体の候補キャラクタを選択し、NPCの外交対象キャラクタとする。そして、PCの場合と同様に、NPCに外交対象キャラクタに対する「外交」を行わせる。つまり、NPCが外交対象キャラクタに「ルビーを付与」する演出を行い、NPCと外交対象キャラクタとの間の友好関係を変更する。
【0077】
このように、存在キャラリスト643に従って、ゲーム空間内に存在する全てのキャラクタについて、決定した行動順に何らかの行動を行わせると、1ターンが終了となる。続いて、次のターンについても同様に行う。
【0078】
そして、所定のゲーム終了条件を満たした時点でゲーム終了とする。ゲーム終了条件は、PCの消滅、或いは、ゲーム空間にPCのみが存在し他のNPCの全てが消滅することである。ゲーム結果は、PCの消滅によってゲーム終了となった場合は“失敗”とし、ゲーム空間にPCのみが存在することでゲーム終了となった場合は“成功”とする。
【0079】
図5に戻り、画像生成部220は、例えばGPU(Graphics Processing Unit)やデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部220は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて所定の制御サイクル(例えば、1/60秒)間隔で1枚のゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部300に出力する。
【0080】
画像表示部300は、画像生成部220からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画像を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRTやLCD、ELD、PDP等の表示装置によって実現される。図1では、第1ディスプレイ1106及び第2ディスプレイ1108がこれに該当する。
【0081】
音生成部230は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデックによって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種ゲーム音の音信号を生成し、音出力部400に出力する。
【0082】
音出力部400は、音生成部230から入力される音信号に基づいてBGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等の音声出力装置によって実現される。図1では、スピーカ1110がこれに該当する。
【0083】
通信部500は、通信回線Nと接続して通信を実現する。この機能は、例えば無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1では、通信モジュール1114がこれに該当する。
【0084】
記憶部600は、処理部200に携帯型ゲーム装置1000を統合的に制御させるための諸機能を実現させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1112が搭載するICメモリ等がこれに該当する。本実施形態では、記憶部600には、プログラムとしてゲームプログラム610が記憶されるとともに、データとして、キャラクタデータ641と、キャラ間友好関係データ642と、存在キャラリスト643と、友好関係テーブル621と、表示色テーブル622と、行動権獲得確率テーブル623と、ルビー獲得確率テーブル624と、攻撃候補条件テーブル625と、友好度変更条件テーブル626と、行動選択確率テーブル631と、攻撃パターン選択確率テーブル632と、攻撃対象選択確率テーブル633と、外交パターン選択確率テーブル634と、外交対象選択確率テーブル635とが記憶される。
【0085】
[処理の流れ]
図20は、ゲーム処理の流れを説明するフローチャートである。同図によれば、ゲーム演算部210は、先ず、ゲーム空間内に、定められた複数のキャラクタを初期配置する(ステップA1)。そして、これらのキャラクタ間の友好関係を初期設定する(ステップA3)。また、これらのキャラクタのうちから、プレーヤの操作入力に従ってPCを決定する(ステップA5)。
【0086】
続いて、ゲーム空間内に存在するキャラクタについての存在キャラリスト643を生成する。すなわち、ゲーム空間に存在するキャラクタそれぞれについて、その大きさが小さい順に、次のターンでの行動順番を決定する(ステップA7)。また、これらの各キャラクタについて、行動権の有無、及び、ルビーの獲得有無を決定する(ステップA9)。
【0087】
そして、ゲーム空間内に存在するキャラクタそれぞれを、その決定した行動順番に対象として、ループAの処理を行う。ループAでは、対象キャラクタのルビー獲得有無を判断し、獲得有りならば(ステップA11:YES)、対象キャラクタの保有ルビー数を「1」増加させる(ステップA13)。また、対象キャラクタの行動権の有無を判断し、行動権有りならば(ステップA15:YES)、対象キャラクタの種別(PC/NPC)を判断する。
【0088】
対象キャラクタがPCならば(ステップA17:PC)、プレーヤの操作入力に従って、対象キャラクタの次の行動を決定する(ステップA19)。また、対象キャラクタがNPCならば(ステップA17:NPC)、該対象キャラクタの行動タイプをもとに、行動選択確率テーブル631に従って、対象キャラクタの次の行動を確率的に決定する(ステップA21)。そして、決定した対象キャラクタの行動が「外交」ならば(ステップA23:外交)、外交処理を行う(ステップA25)。
【0089】
図21は、外交処理の流れを説明するフローチャートである。同図によれば、ゲーム演算部210は、対象キャラクタの種別(PC/NPC)を判断し、対象キャラクタがPCならば(ステップB1:PC)、プレーヤの操作入力に従って、ゲーム空間に存在するキャラクタのうちから外交対象キャラクタを決定する(ステップB3)。
【0090】
また、対象キャラクタがNPCならば(ステップB1:NPC)、外交パターン選択確率テーブル634に従って、外交パターンを確率的に決定する(ステップB5)。また、ゲーム空間内に存在する他の全てのキャラクタを外交対象の候補キャラクタとし、これらの候補キャラクタそれぞれについて、決定した対象キャラクタの外交パターンをもとに、外交対象選択確率テーブル635に従って、選択確率を算出する(ステップB7)。そして、これらの候補キャラクタのうちから、候補キャラクタ毎の選択確率に従って1体のキャラクタを確率的に選択し、外交対象キャラクタとする(ステップB9)。
【0091】
外交対象キャラクタを決定すると、対象キャラクタが決定した相手キャラクタにルビーを付与する様子を表示するといった外交演出を行う(ステップB11)。また、対象キャラクタの保有ルビー数を「1」減少する(ステップB13)。また、対象キャラクタと相手キャラとの間の友好度を変更するとともに、友好度の変更に伴って友好関係を変更する(ステップB15)。以上の処理を行うと、外交処理を終了する。
【0092】
また、決定した対象キャラクタの行動が「攻撃」ならば(ステップA23:攻撃)、攻撃処理を行う(ステップA27)。
【0093】
図22は、攻撃処理の流れを説明するフローチャートである。同図によれば、ゲーム演算部210は、対象キャラクタの種別(PC/NPC)を判断し、対象キャラクタがPCならば(ステップC1:PC)、プレーヤの操作入力に従って、対象キャラクタに隣接するキャラクタのうちから、攻撃対象キャラクタを決定する(ステップC3)。
【0094】
また、対象キャラクタがNPCならば(ステップC1:NPC)、攻撃パターン選択確率テーブル632に従って、対象キャラクタの攻撃パターンを確率的に決定する(ステップC5)。また、対象キャラクタに隣接し、且つ、攻撃候補条件テーブル625で定められる攻撃候補条件を満たすキャラクタを、攻撃対象の候補キャラクタとして抽出する(ステップC7)。次いで、候補キャラクタそれぞれについて、決定した攻撃パターンをもとに、攻撃対象選択確率テーブル633に従って、選択確率を算出する。そして、候補キャラクタのうちから、候補キャラクタ毎の選択確率Pに従って1体のキャラクタを確率的に選択し、攻撃対象キャラクタとする(ステップC9)。
【0095】
攻撃対象キャラクタを決定すると、続いて、対象キャラクタが攻撃対象キャラクタから吸収する大きさ(吸収可能量)を決定する(ステップC11)。また、対象キャラクタが攻撃対象キャラクタを攻撃して吸収可能量分の大きさを吸収する様子を表示するといった攻撃演出を行う(ステップC13)。
【0096】
次いで、攻撃対象キャラクタの大きさと吸収可能量とを比較し、攻撃対象キャラクタの大きさが吸収可能量より大きいならば(ステップC15:YES)、対象キャラクタの大きさを吸収可能量だけ増加させるとともに、攻撃対象キャラクタの大きさを吸収可能量だけ減少させる(ステップC17)。また、対象キャラクタと攻撃対象キャラクタとの間の友好度を変更し、友好度の変更に伴って友好関係を変更する(ステップC19)。
【0097】
一方、攻撃対象キャラクタの大きさが吸収可能量以下ならば(ステップC15:NO)、対象キャラクタの大きさを、攻撃対象キャラクタの大きさだけ増加させるとともに(ステップC21)、対象キャラクタが攻撃対象キャラクタの全てを吸収したとして、攻撃対象キャラクタを消滅させる(ステップC23)。
【0098】
続いて、攻撃対象キャラクタに対する友好関係が“友達”のキャラクタと、対象キャラクタとの間の友好度を変更し、友好度の変更に伴って友好関係を変更する(ステップC25)。その後、対象キャラクタ及び攻撃対象キャラクタの大きさの変更に伴って、ゲーム空間内における重力の作用方向に沿ったキャラクタの移動を行う(ステップC27)。以上の処理を行うと、攻撃処理を終了する。
【0099】
攻撃処理が終了すると、今回の攻撃によってPCが「消滅」したかを判断し、PCが消滅したならば(ステップA29:YES)、ゲーム終了条件を満たしたと判断し、ゲーム結果を“失敗”としてゲームを終了する(ステップA31)。ループAはこのように行われる。
【0100】
ゲーム空間に存在する全てのキャラクタそれぞれを対象としたループAを終了すると、ゲーム空間に存在するキャラクタがPCのみならば(ステップA33:YES)、現時点でゲーム空間に存在するキャラクタを判断する。ゲーム空間に、PCを含めて2体以上のキャラクタが存在するならば(ステップA33:NO)、これらのキャラクタを対象として存在キャラリスト643を更新する。すなわち、ゲーム空間に存在するキャラクタそれぞれについて、その大きさが小さい順に行動順番を再決定する(ステップA35)。また、これらのキャラクタそれぞれについて、次のターンでの行動権の獲得有無、及び、ルビーの獲得有無を再決定する(ステップA37)。その後、ステップA11に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0101】
一方、ゲーム空間に存在するキャラクタがPCのみならば(ステップA33:YES)、ゲーム終了条件を満たしたと判断し、ゲーム結果を“成功”としてゲームを終了する(ステップA39)。
【0102】
[作用・効果]
このように、本実施形態では、ゲーム空間にPC及びNPCを含む複数のキャラクタが接触し合うように配置され、キャラクタ同士が互いにその一部又は全部を吸収し合いながら、その大きさを大きくさせてゆくといった、簡易なルールでありながら新たな興趣性を有するゲームが実現される。プレーヤは、NPCから攻撃されてPCが消滅しないよう、どのような順序で他のキャラクタを攻撃し吸収してゆくかといった戦略性を楽しむことができる。
【0103】
また、キャラクタ間には友好関係が設定され、この友好関係に応じてNPCの攻撃対象キャラクタが選択される。また、他のキャラクタに「ルビーを付与」する外交を行うことで、そのキャラクタとの間の友好関係が改善される。このため、プレーヤにとっては、攻撃と外交とを上手く使い分けながらPCの大きさを大きくしてゆくといった、更なる戦略性を楽しむことができる。
【0104】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0105】
(A)友好度の変更
例えば、上述の実施形態では、他のキャラクタにルビーを付与する「外交」によって、そのキャラクタとの間の友好関係が改善される(すなわち、友好度が増加する)ことにしたが、所定の非改善条件を満たす場合には、友好関係が改善しないことにしても良い。例えば、非改善条件として「外交対象キャラクタに対する攻撃から所定時間が経過していない」こととする。つまり、あるキャラクタを攻撃した後、所定時間が経過するまでは、そのキャラクタに対する外交を行っても友好度は増加しない。
【0106】
(B)攻撃候補条件の変更
また、上述の実施形態では、NPCが攻撃対象とする候補キャラクタの条件(攻撃候補条件)として、攻撃候補条件テーブル625に定められるように、友好関係に応じたキャラクタの大きさとしたが、この攻撃候補条件を、所定の変更条件を満たすか否かに応じて変更することにしても良い。例えば、変更条件としては「所定回数連続して攻撃を行った」ことや、「所定時間における大きさの増加率(或いは、増加量)が所定値以上」とする。また、攻撃候補条件の変更としては、攻撃候補条件テーブル625において定めた大きさ比を変更したり、或いは、大きさに関わらず隣り合う全てのキャラクタを攻撃対象の候補キャラクタとすることにしても良い。つまり、例えば、所定回数以上連続して攻撃を行ったキャラクタが、更に次の行動においても攻撃を行う場合、大きさや友好関係に関わらず、隣接する全てのキャラクタが攻撃対象となり得る。
【0107】
(C)従属
上述の実施形態では、キャラクタが取り得る行動は「攻撃」及び「外交」の2種類としたが、更に、他のキャラクタの一部となる「従属」を含めることにしても良い。具体的には、「従属」とは、あるキャラクタが所定の従属条件を満たす他のキャラクタの一部となることである。例えば、従属条件としては「大きさが所定倍(例えば、3倍)以上であり、且つ、友好関係が“友達”である」ことである。但し、従属されるキャラクタの「許可」が必要である。
【0108】
従属が行われると、従属されたキャラクタ(被従属キャラクタ)の大きさは、従属したキャラクタ(従属キャラクタ)の大きさの分だけ大きくなる。そして、従属キャラクタは自分の意志で行動できず、被従属キャラクタと同じ行動を取るとして扱われる。具体的には、被従属キャラクタが他のキャラクタを「攻撃」すると、このときの吸収可能量は、従属キャラクタを含んだ大きさを基準とした大きさとなる。そして、従属キャラクタ及び被従属キャラクタそれぞれの大きさが、この吸収可能量をその大きさ比で配分した大きさの分だけ大きくなる。つまり、攻撃対象キャラクタに対して、被従属キャラクタ及び従属キャラクタそれぞれが、単独且つ同時に攻撃した場合に相当する。また、被従属キャラクタが他のキャラクタから「攻撃」されると、このときの吸収可能量は、攻撃してきたキャラクタの大きさに応じた大きさとなり、被従属キャラクタ及び従属キャラクタそれぞれの大きさが、この吸収可能量を、その大きさ比で配分した大きさの分だけ小さくなる。
【0109】
(D)攻撃終了条件
上述の実施形態では、ゲームの終了条件として、「PCのみが残る、或いは、PCが消滅する」こととしたが、これを、所定時間の経過としても良い。つまり、ゲームの開始から所定時間が経過した時点でゲーム終了とし、ゲーム終了時点でゲーム空間に残存しているキャラクタ全て、或いは、残存しているキャラクタのうち大きさが最も大きいキャラクタを、そのゲームの勝者とする。
【0110】
(E)ゲーム空間に作用する重力方向
また、ゲーム進行中、所定のタイミングでゲーム空間に作用する重力方向を変更することにしても良い。具体的には、上述の実施形態では、ゲーム空間における重力方向をゲーム画面(図2参照)に対して下方向としたが、例えば上方向や横方向といったように変更する。更に、重力方向の変更に応じて、ゲーム空間の向きを、例えば回転させるように変更することで、ゲーム画面における重力方向を、常にゲーム画面に対して下方向となるようにしても良い。
【0111】
(F)ゲーム空間
上述の実施形態では、ゲーム空間を六角形状としたが、これ以外の形状でも良い。更に、ゲーム空間を二次元平面としたが、三次元の閉空間としても良い。
【0112】
(G)通信対戦ゲーム
また、上述の実施形態では、携帯型ゲーム装置1000においてスタンドアロンで実行されるゲームにしたが、複数のゲーム装置が通信回線で接続されたゲームシステムにおける、複数のプレーヤによる通信対戦ゲームとして実現されることにしても良い。この場合、1つのゲーム空間に配置されるキャラクタには、プレーヤそれぞれが操作する複数のPCが含まれることになる。
【0113】
(H)ゲーム装置
適用可能なゲーム装置は携帯型ゲーム装置に限らず、家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置は勿論のこと、ゲームプログラムをアプリケーションとして実行することのできる情報処理装置であれば、ウルトラモバイルPCやポケットPCと称される小型パソコン、ノートパソコン、PDA(Personal Data Assistance)、スマートフォンとも称される携帯電話/PHS(Personal Handy-phone System)とPDAを融合させた携帯端末装置、デジタルオーディオプレーヤなどの装置を用いることができる。
【符号の説明】
【0114】
1000 携帯型ゲーム装置
100 操作入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部、220 画像生成部、230 音生成部
300 画像表示部、400 音出力部、500 通信部
600 記憶部
610 ゲームプログラム
621 友好関係テーブル、622 表示色テーブル
623 行動権獲得確率テーブル、624 ルビー獲得確率テーブル
625 攻撃候補条件テーブル、626 友好度変更条件テーブル
631 行動選択確率テーブル、632 攻撃パターン選択確率テーブル
633 攻撃対象選択確率テーブル、634 外交パターン選択確率テーブル
635 外交対象選択確率テーブル
641 キャラクタデータ、642 キャラ間友好関係データ
643 存在キャラリスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プレイヤブル・キャラクタ(以下「PC」という)と複数のノン・プレイヤブル・キャラクタ(以下「NPC」という)とを所定のゲーム空間に接触し合うように配置する配置手段、
PCについてはプレーヤの操作入力に従って、NPCについてはコンピュータ制御によって、隣接する他のキャラクタの中から攻撃対象キャラクタを選択する攻撃対象選択手段、
攻撃する側のキャラクタの大きさを所定量大きくするとともに、前記攻撃対象キャラクタの大きさが前記所定量以下の場合には当該攻撃対象キャラクタを前記ゲーム空間から消去し、前記所定量を超える大きさの場合には当該攻撃対象キャラクタの大きさを前記所定量小さくする攻撃処理を実行する攻撃実行手段、
前記攻撃対象選択手段及び前記攻撃実行手段を繰り返し実行させることによりゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段、
所定のゲーム終了条件を満たした際に前記ゲーム空間に残存している否か、又は、残存しているキャラクタの大きさによって、勝敗を決する勝敗決定手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
PC及びNPCそれぞれのキャラクタ間の友好度を設定する友好度設定手段、
前記攻撃実行手段により攻撃処理が実行された場合に、前記攻撃対象キャラクタと当該攻撃対象キャラクタを攻撃したキャラクタ間の友好度を引き下げるとともに、前記攻撃対象キャラクタに対する友好度が所定の良好条件を満たすキャラクタを抽出し、前記攻撃対象キャラクタを攻撃したキャラクタに対する該抽出したキャラクタの友好度を引き下げる攻撃起因引き下げ手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記攻撃対象選択手段が、NPCについて、当該NPCに隣接する他のキャラクタの中から当該NPCの攻撃対象キャラクタを、当該NPCの当該他のキャラクタに対する友好度に基づいて選択するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
PCの各NPCそれぞれに対する友好度に基づいて各NPCの表示形態を変更する表示形態変更手段として前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
プレーヤの操作入力に従って、PCに対する友好度を上昇させるNPCを選択する友好度上昇対象選択手段、
前記友好度上昇対象選択手段により選択されたNPCのPCに対する友好度を上昇させる親睦処理を実行する親睦実行手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
PCによる攻撃に係る前記攻撃処理の実行選択肢及び前記親睦処理の実行選択肢を少なくとも含む複数の実行選択肢のうちの何れかの選択入力を間欠的に受け付ける選択受付手段として前記コンピュータを機能させるための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
PC及び残存しているNPCの大きさに基づいて、前記選択受付手段が受け付ける間隔を変更する受け付け間隔制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ゲーム空間に重力方向を設定する重力方向設定手段、
PC及びNPCを前記重力方向に従って移動制御する移動制御手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
PC及びNPCそれぞれの大きさに基づいて前記ゲーム空間中の各キャラクタの配置位置を変更する配置位置変更手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項10】
PCと複数のNPCとを所定のゲーム空間に接触し合うように配置する配置手段と、
PCについてはプレーヤの操作入力に従って、NPCについてはコンピュータ制御によって、隣接する他のキャラクタの中から攻撃対象キャラクタを選択する攻撃対象選択手段と、
攻撃する側のキャラクタの大きさを所定量大きくするとともに、前記攻撃対象キャラクタの大きさが前記所定量以下の場合には当該攻撃対象キャラクタを前記ゲーム空間から消去し、前記所定量を超える大きさの場合には当該攻撃対象キャラクタの大きさを前記所定量小さくする攻撃処理を実行する攻撃実行手段と、
前記攻撃対象選択手段及び前記攻撃実行手段を繰り返し実行させることによりゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、
所定のゲーム終了条件を満たした際に前記ゲーム空間に残存している否か、又は、残存しているキャラクタの大きさによって、勝敗を決する勝敗決定手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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