説明

プログラム、情報記憶媒体及び画像生成装置

【課題】 画像表示装置の画像表示レートに依存することなくより精密な動作の表示を実現する。
【解決手段】仮想スロットマシンをビデオゲームで実行する場合、より精密な動作表現をさせたい注目領域を、リールの様子を覗く窓の範囲とし、精密な動作表現をさせたい注目オブジェクトをリールに定める。リール以外の部分については、通常通り1/30秒毎の動作をレンダリングする。リール部分については、リール以外の部分をレンダリングしたときと同時点の様子を第1リール画像として生成し、更に1/60秒後の様子をシミュレーションして第2リール画像として生成する。第1リール画像は、注目領域に含まれる奇数フィールド部分を選択する第1インタレースマスク46を適用してリール以外の部分の画像にマスク合成する。更に、第1リール画像が合成された画像に、注目領域に含まれる奇数フィールド部分を選択する第2インタレースマスク48を適用して第2リール画像をマスク合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御させるとともに、インタレース方式の画像表示装置に表示させる画像として仮想空間の画像を生成させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭用ゲーム装置は、プレーヤがゲーム操作を入力するゲームコントローラと、内蔵するコンピュータでプログラムを実行してゲームコントローラからの操作入力に応じて各種演算処理を実行するゲーム装置本体とを備え、ゲーム画面を表示するための画像表示装置に接続して構成されるのが一般的である。一般家庭で広く普及している画像表示装置は、民生放送を受像することのできるCRT(Cathode Ray Tube)を用いたテレビジョンであり、NTSCやPALといた規格のインタレース方式(飛び越し走査方式)で画像を表示する。したがって、家庭用ゲーム装置のゲーム装置本体は、想定される画像表示装置のインタレース方式の規格に応じたフレームレートでゲーム画像を生成し、同規格のインタレース方式のビデオ信号を出力する機能をハードウェア的に備えている。
【0003】
インタレース方式における一画面の表示を細かく見ると、先ずCRTの電子銃から発せられた電子ビームは画面向かって左上に当てられたのち所定の速さで水平方向に移動・照射され、画面水平方向に1描画ライン分を描画する。そして電子ビームの照射位置が画面右端に到達すると、描画ラインを1ライン下に飛ばして、次の奇数ラインの左端に電子ビームを当て再び所定の速さで水平方向に移動・照射する。
電子ビームを照射する描画ラインが下端に到達すると一旦電子ビームの照射を止め、画面左上2番目の描画ライン(偶数番目の最初の描画ライン)の左端に向けて電子ビームを照射する。そして、所定速さで水平方向に電子ビームを移動させて電子ビームの照射位置が同描画ラインの右端に到達すると、描画ラインを1ライン下に飛ばして次の偶数ラインの左端から照射を開始する。そして、偶数ラインへの電子ビーム照射が画面右下に到達すると一枚のゲーム画面が表示されることになる。NTSC規格の場合、これを1秒間におよそ30回繰り返すことになる。
【0004】
近年のゲームでは、インタレース方式を単にゲーム画面の表示に利用するだけでなく、上述のような電子ビームが照射される位置の周期性に着目して銃型のコントローラで画面をポインティングする技術も広く応用されるようになった(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平10−133811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来はゲーム画面を1秒間にどれだけ表示できるかは、画像表示装置が採用するインタレース方式に依存していた。例えば、NTSC規格の場合、およそ30fps(フレーム・パー・セコンド)で画面を表示できるので、ゲーム画面の表示レートは30fpsに限定されることになる。しかし、動作をリアルに表現しようとした場合には30fps等の表示レートでは不十分な場合がある。
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像表示装置の画像表示レートに依存することなくより精密な動作の表示を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する第1の発明は、コンピュータに、所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御させ、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成させるためのプログラムであって、
前記仮想空間の画像中に着目領域(例えば、図2のスロット12,14,16)を設定する着目領域設定手段(例えば、図9の処理部200、記憶部500、第1インタレースマスク516、第2インタレースマスク518)、
前記仮想空間の画像中の前記設定された着目領域以外を(1/N)秒間隔で生成する非着目領域画像生成手段(例えば、図9の処理部200、画像生成部260、図10のステップS14〜S16、図11のステップS42〜S46)、
前記設定された着目領域を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成する着目領域画像生成手段(例えば図9の処理部200、画像生成部260、図11のステップS52〜S60)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また、第8の発明は、所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御して、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成する画像生成装置であって、
前記仮想空間の画像中に着目領域を設定する着目領域設定手段(例えば、図9の処理部200、記憶部500)と、
前記仮想空間の画像中の前記設定された着目領域以外を(1/N)秒間隔で生成する非着目領域画像生成手段(例えば、図9の処理部200、画像生成部260、図10のステップS14〜S16、図11のステップS42〜S46)と、
前記設定された着目領域を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成する着目領域画像生成手段(例えば、図9の処理部200、画像生成部260、図11のステップS52〜S60)と、を備えた画像生成装置である。
【0008】
第1及び第8の発明によれば、仮想空間画像の中でより精密に動作を表現したい対象部分として着目領域を設定することができる。設定は、予め着目領域を選択することのできる座標値やマスク情報として所持するとしても良いし、特定の色や輝度の部分などとすることもできる。そして、着目領域以外の様子を示す画像を(1/N:Nは自然数)秒間隔で生成する一方、着目領域を画像の様子を示す画像を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成することができる。
【0009】
つまり、着目領域以外の部分は、従来と同様に画像表示装置のフレームレートに応じて(1/N)秒間隔で生成し、着目領域については奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分けフレームレートの倍の周波数で描画することができる。よって、この画像を画像表示装置に表示する場合、1枚の画像を表示する際に奇数ライン部分が描画されたのち、(1/(2×N))秒後に偶数ライン部分が描画されるタイミングで(1/(2×N))秒後の着目領域の様子が描画されることになる。この結果、画像表示装置に表示されるゲーム画面を見るプレーヤにとっては、肉眼の残像効果によって着目領域が画像表示装置のフレームレートの2倍相当の表示品質で動いているように見える。
【0010】
(1/N)秒間隔で生成する仮想空間の画像を着目領域以外に限定せず、第2の発明として、コンピュータに、所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御させ、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成させるためのプログラムであって、前記仮想空間の画像中に着目領域を設定する着目領域設定手段、前記仮想空間の画像を(1/N)秒間隔で生成する仮想空間画像生成手段、前記生成された仮想空間画像中の前記設定された着目領域のうち、奇数ライン部分及び偶数ライン部分の何れか一方の部分を、(1/(2×N))秒ずらした画像に変更する着目領域画像変更手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成することとしてもよい。
【0011】
或いは、第9の発明として、所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御して、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成する画像生成装置であって、
前記仮想空間の画像中に着目領域を設定する着目領域設定手段と、
前記仮想空間の画像を(1/N)秒間隔で生成する仮想空間画像生成手段と、
前記生成された仮想空間画像中の前記設定された着目領域のうち、奇数ライン部分及び偶数ライン部分の何れか一方の部分を、(1/(2×N))秒ずらした画像に変更する着目領域画像変更手段と、を備えた画像生成装置を構成することとしてもよい。
【0012】
第2の発明や第9の発明であっても、着目領域については奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分けフレームレートの倍の周波数で描画することができる。よって、この画像を画像表示装置に表示する場合、1枚の画像を表示する際に奇数ライン部分が描画されたのち、(1/(2×N))秒後に偶数ライン部分が描画されるタイミングで(1/(2×N))秒後の着目領域の様子が描画されることになる。この結果、画像表示装置に表示されるゲーム画面を見るプレーヤにとっては、肉眼の残像効果によって着目領域が画像表示装置のフレームレートの2倍相当の表示品質で動いているように見える。
【0013】
着目領域は、より精密な動画表現が要求される場所に設定されてこそ特に効果的である。そのため、例えば第3の発明として、前記オブジェクトはスロット用リールであり、前記所定の制御処理は前記スロット用リールの回転・停止制御であり、前記着目領域設定手段が、前記スロット用リールの出目表示領域(例えば、図2の窓部22から見えるリール12,14,16)を着目領域に設定するように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の発明のプログラムを構成することとしてもよい。
【0014】
現実のスロットマシンでは、スロットの停止操作のタイミング如何である程度出目をプレーヤがコントロールする、所謂「目押し」を楽しむことができる。
第3の発明によれば、第1又は第2の発明と同様の効果を奏するとともに、スロットマシンのリールの出目表示領域を着目領域とすることで、スロットマシンを仮想空間内で仮想的に構築してビデオゲームで使用する場合でも高い動画表示品質を実現し、現実のそれと同様の「目押し」を楽しむことができるようになる。
【0015】
第4の発明は、コンピュータに、仮想空間中に配置された複数のオブジェクトそれぞれを制御させ、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成させるためのプログラムであって、
前記複数のオブジェクトの中から着目オブジェクト(例えば、図2のスロット12,14,16、図12のプレーヤキャラクタ60)を設定する着目オブジェクト設定手段(例えば、図9の処理部200、着目オブジェクト設定データ510、図14の処理部200、着目オブジェクト設定データ511)、
前記複数のオブジェクトのうちの前記着目オブジェクト以外のオブジェクトの画像を(1/N)秒間隔で生成する非着目オブジェクト画像生成手段(例えば、図9及び図14の処理部200、画像生成部260、図11のステップS46、図16のステップS112)、
前記着目オブジェクトの画像を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成する着目オブジェクト画像生成手段(例えば、図9及び図14の処理部200、画像生成部260、図11のステップS52〜S60、図16のステップS114〜S126)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0016】
また、第10の発明は、仮想空間中に配置された複数のオブジェクトそれぞれを制御して、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成する画像生成装置であって、前記複数のオブジェクトの中から着目オブジェクトを設定する着目オブジェクト設定手段と、前記複数のオブジェクトのうちの前記着目オブジェクト以外のオブジェクトの画像を(1/N)秒間隔で生成する非着目オブジェクト画像生成手段と、前記着目オブジェクトの画像を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成する着目オブジェクト画像生成手段と、を備えた画像生成装置である。
【0017】
第4及び第10の発明によれば、仮想空間中に配置される複数のオブジェクトのうち、その動作をより精密に表現したいオブジェクトを着目オブジェクトとして設定し、着目オブジェクト以外の画像を(1/N:Nは自然数)秒間隔で生成する一方、着目オブジェクトの画像を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成することができる。
つまり、着目オブジェクト以外の部分は、従来と同様に画像表示装置のフレームレートに応じて(1/N)秒間隔で生成し、着目オブジェクトについては奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分けフレームレートの倍の周波数で描画することができる。
よって、この画像を画像表示装置に表示する場合、1枚の画像を表示する際に奇数ライン部分が描画されたのち、(1/(2×N))秒後に偶数ライン部分が描画されるタイミングで(1/(2×N))秒後の着目オブジェクトの様子が描画されることになる。この結果、画像表示装置に表示されるゲーム画面を見るプレーヤにとっては、肉眼の残像効果によって着目オブジェクトが画像表示装置のフレームレートの2倍相当の表示品質で動いているように見える。
【0018】
(1/N)秒間隔で生成する仮想空間の画像を着目オブジェクト以外に限定せず、第5の発明として、コンピュータに、仮想空間中に配置された複数のオブジェクトそれぞれを制御させ、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示する画像として前記仮想空間の画像を生成させるためのプログラムであって、前記複数のオブジェクトの中から着目オブジェクトを設定する着目オブジェクト設定手段、前記仮想空間の画像を(1/N)秒間隔で生成する仮想空間画像生成手段、前記生成された仮想空間画像中の前記着目オブジェクトの画像部分のうち、奇数ライン部分及び偶数ライン部分の何れか一方の部分を、(1/(2×N))秒ずらした画像に変更する着目オブジェクト部分画像変更手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成することとしてもよい。
【0019】
或いは、第11の発明として、仮想空間中に配置された複数のオブジェクトそれぞれを制御して、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成する画像生成装置であって、前記複数のオブジェクトの中から着目オブジェクトを設定する着目オブジェクト設定手段と、前記仮想空間の画像を(1/N)秒間隔で生成する仮想空間画像生成手段と、前記生成された仮想空間画像中の前記着目オブジェクトの画像部分のうち、奇数ライン部分及び偶数ライン部分の何れか一方の部分を、(1/(2×N))秒ずらした画像に変更する着目オブジェクト部分画像変更手段と、を備えた画像生成装置を構成することとしてもよい。
【0020】
第5の発明や第11の発明であっても、着目オブジェクトについては奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分けフレームレートの倍の周波数で描画することができる。よって、この画像を画像表示装置に表示する場合、着目オブジェクトについては奇数ライン部分が描画されたのち、(1/(2×N))秒後に偶数ライン部分が描画されるタイミングで(1/(2×N))秒後の様子の着目オブジェクトの様子が描画されることになる。この結果、画像表示装置に表示されるゲーム画面を見るプレーヤにとっては、肉眼の残像効果によって着目オブジェクトが画像表示装置のフレームレートの2倍相当の表示品質で動いているように見える。
【0021】
着目オブジェクトは、より精密な動画表現が要求される場所に設定されてこそ特に効果的である。このため、第6の発明として、前記仮想空間中に配置された前記複数のオブジェクトによってスロットマシンのスロット部が構成され、前記着目オブジェクト設定手段が、スロット用リールのオブジェクトを着目オブジェクトとして設定するように前記コンピュータを機能させるための第4又は第5の発明のプログラムを構成することとしてもよい。
【0022】
第6の発明によれば、第4又は第5の発明と同様の効果を奏するとともに、スロットマシンのリールを着目オブジェクトとすることで、スロットマシンを仮想空間内で仮想的に構築してビデオゲームで使用する場合でも高い動画表示品質を実現し、現実のそれと同様の「目押し」を楽しむことができるようになる。
【0023】
また、第7の発明として、第1〜第6の何れか一つの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を構成してもよい。
ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第7の発明によれば、第1〜第6の何れか一つの発明のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜6の何れか一つの発明と同様の効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、仮想空間画像の中からより精密に動作を表示させたい着目部分の画像を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成することができる。したがって、着目部分については奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分けフレームレートの倍の周波数で描画することができる。よって、この画像を画像表示装置に表示する場合、1枚の画像を表示する際に奇数ライン部分が描画されたのち、(1/(2×N))秒後に偶数ライン部分が描画されるタイミングで(1/(2×N))秒後の様子の着目部分の様子が描画されることになる。この結果、画像表示装置に表示されるゲーム画面を見るプレーヤにとっては、肉眼の残像効果によって着目部分が画像表示装置のフレームレートの2倍相当の表示品質で動いているように見える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
以下、本発明を適用した第1実施形態として、家庭用ゲーム装置で仮想スロットマシンのゲームを実行する例を説明する。
【0026】
[ゲーム装置の構成]
図1は、本実施形態における家庭用ゲーム装置の構成例を説明するシステム構成図である。家庭用ゲーム装置1200のゲーム装置本体1201は、例えばCPUや画像処理用LSI、ICメモリ等が実装された制御ユニット1210と、光学ディスク1202やメモリカード1204といった情報記憶媒体の読み取り装置1206,1208を備える。そして、家庭用ゲーム装置1200は、光学ディスク1202やメモリカード1204からゲームプログラム及び各種設定データを読み出し、ゲームコントローラ1230に為される操作入力に基づいて制御ユニット1210で各種のゲーム演算やゲーム画像やゲーム音の生成処理を実行し、所与のビデオゲームを実行する。
【0027】
制御ユニット1210は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びI/Oコントロールプロセッサなどの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリなどの電気電子機器を備え家庭用ゲーム装置1200の各部を制御する。
【0028】
また、制御ユニット1210は、通信装置1212と、近距離無線通信モジュール1214とを備える。通信装置1212は、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線1と有線接続又は無線接続し、外部装置との間でデータ通信を実現する。近距離無線通信モジュール1214は、近距離無線を介して複数のゲームコントローラ1230から送信される操作入力信号を受信する。近距離無線の形式としては、例えばBluetooth(登録商標)やUWB(超広帯域無線)、無線LANなどが適宜適用可能である。
【0029】
制御ユニット1210で生成したゲーム画像やゲーム音は、信号ケーブル1209で接続されたビデオモニタ1220(ディスプレイモニタ)に出力される。特にゲーム画像は、制御ユニット1210に実装されたICメモリの一部(例えばVRAM)に一旦記憶された後、奇数フィールドのフィールド画像と偶数フィールドのフィールド画像として別々にインタレース方式のビデオ信号として信号ケーブル1209を介してビデオモニタ1220へ出力される。尚、以下ではインタレース方式はNTSCとして説明する。
【0030】
ビデオモニタ1220には、インタレース方式に対応した画像表示装置1222と、音声を出力するスピーカ1224とが備えられており、プレーヤは画像表示装置1222に映し出されるゲーム画像を見ながら、スピーカ1224から放音されるゲーム音を聞きつつゲームをプレイする。
【0031】
ゲームコントローラ1230は、選択の決定やキャンセル、タイミングの入力などに用いられるコントローラ上面に設けられた複数のプッシュボタンスイッチ1232と、左右側面に設けられたプッシュボタンスイッチ1233R,1233Lと、図で言うところの上下左右の各方向を単独入力するための方向入力キー1234と、右アナログレバー1236と、左アナログレバー1238とを備える。そして、これらの入力デバイスへ為された操作入力に応じた操作入力信号は、近距離無線通信モジュール1240によってゲーム装置本体1201の近距離無線通信モジュール1214へ送信される。
【0032】
尚、ゲーム実行に必要なゲームプログラム及び各種設定データは、通信装置1212を介して通信回線1に接続し、外部装置からダウンロードして取得する構成であっても良い。ここで言う、通信回線とは、データ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0033】
また、本実施形態における画像表示装置1222は、NTSC規格のインタレース方式に対応しているものとして説明する。NTSC規格では、厳密には1秒間に29.97枚の画像を切換表示可能なフレームレートを有するが、以下では30fpsとして説明する。
【0034】
[ゲームの概要]
次に、本実施形態におけるゲームの概要を説明する。図2は、ゲームの中心となる仮想スロットマシンの外観図、図3は仮想スロットマシンに内蔵されるリール部分の表示モデル構成例を示す図である。
本実施形態では3次元仮想空間内にポリゴンモデルで形成された仮想スロットマシン10を仮想カメラで撮影した画像がゲーム画像として表示される。本実施形態の仮想スロットマシン10は、3つのリール12,14,16を内蔵し、有効ラインは一つの構成となっている。勿論、リールの数や有効ラインの数は適宜設定することができる。
【0035】
リール12,14,16は、例えば図3に示すように、円筒オブジェクトの外周に複数の図柄が配列されたテクスチャ19a,19b,19cがマッピングされる。図柄の順番はリール毎に異なる。リール12,14,16は、筐体の内部で始動・回転・停止が制御される。その前面は、筐体20の正面側に設けられた窓部22から見ることができる。窓部22の上下中央位置が有効ラインに相当する。
【0036】
プレーヤは、窓部22から各リールの様子に注目しながら仮想スロットマシン10でパチスロゲームを楽しむ。プレイの流れとしては、先ずゲームコントローラ1230のプッシュボタンスイッチ1233R,1233Lで掛金となる仮想メダルの枚数を入力する。そして、プッシュボタンスイッチ1232の何れかを押下する、又は右アナログレバー1236を下方にスイングさせてスロットをスタートさせる。
【0037】
すると、スタートレバー11が手前に引かれるようにしてスイングした後に元位置に復帰するとともにリール12,14,16が回転し、更に筐体20の各部で演出が実行される。本実施形態では、リール12,14,16の周縁に設けられた仮想画像表示部24(仮想の液晶表示ディスプレイ)に当選役の予告演出やリーチ演出のための予告演出表示物26,28が表示されるといった筐体の動作に係る演出が行われる。
【0038】
プレーヤは、窓部22から見えるリール12,14,16が回転する様子を見てタイミングを見計らい、各リールに対応するゲームコントローラ1230の所定のプッシュボタンスイッチ1232を押して各リールの停止操作を入力する。リールの停止操作が入力されると、リールは徐々に減速してやがて止まるように表示制御される。3つのリールの有効ライン上で所定の図柄が揃えばメダル払出口から仮想のメダルが払い出される。
【0039】
さて、リール12,14,16には、前述のように実物のスロットマシンと同様に所定数の図柄が各々の並びでマッピングされており、それが一定の周期で回転をする。プレーヤは回転するリールの様子に注視し、所望する図柄を有効ラインで止めるべくリール停止操作を入力するタイミングを計ることになる。その意味で、リールが回転する様子の描画品質(動画品質)はよりスムーズでリアルである事が望まれる。
【0040】
しかし、従来はリールが回転する様子のスムーズさは画像表示装置1222や制御ユニット1210のリフレッシュレートに依存していた。つまり、NTSC方式の画像表示装置1222の場合、画面を構成する画素を垂直方向に奇数ラインと偶数ラインとに分け、1/60秒毎に奇数ラインと偶数ラインのフィールド画像別に表示し、1/30秒で画面全体の一枚のフレーム画像を表示する。制御ユニット1210は、これに対応させるべく1/30秒未満で画像(より正確には画面全体の画像であるフレーム画像)を生成して、インタレースの垂直帰線期間中に生成した画像(フレーム画像)をVRAMに書き込む。そして、VRAMに書き込まれている画像情報を、GPUなどの画像表示制御用プロセッサの制御によって最初の1/60秒で奇数フィールドの画素情報を走査して奇数フィールド用のフィールド画像とし、次の1/60秒で偶数フィールドを走査して偶数フィールド用のフィールド画像として、1/30秒で全画面が描画されるようにビデオ信号を生成し出力する。
このため、リール121,14,16の回転は30fpsでしか表示されないことになり、実物のスロットマシンを体験したことのあるプレーヤにとって見れば、家庭用ゲーム装置でプレイする仮想スロットマシンのリール動作は必ずしも十分にスムーズとは感じられなかった。
【0041】
[原理の説明]
図4〜図8は、本実施形態におけるゲーム画像生成の概念を説明するための図である。本実施形態では、通常の30fpsの動画品質で良い通常動作表現対象部分と、動画品質を上げて60fps相当の動画品質で精密に動作を表現したい精密動作表現対象部分とに分けてレンダリングする。精密動作表現対象部分の画像を奇数/偶数フィールドに分けて通常動作表現対象部にマスク合成してゲーム画面(1枚のフレーム画像)を生成する。
【0042】
本実施形態における通常動作表現対象部分は、図4のようにリール12,14,16を除く筐体20やスタートレバー11、仮想画像表示部24に表示される予告演出表示物26,28(図2参照)が該当し、従来通り1/30秒毎の動作が計算されて画像が生成される。これを本明細書では基本画像40と言う。本実施形態の基本画像40では、同図の斜線ハッチング部分で示すように窓部22の内側領域が注目領域として設定され、注目オブジェクトであるリール12,14,16がレンダリングされない画像となる。
【0043】
これに対して、精密動作表現対象部分つまりリール部分については、図5に示すように、斜線ハッチング部分は描画せず、窓22で定義される着目領域内に見えるリール部分のみを選択的にレンダリングしたリール画像42を生成する。この精密動作表現対象部分であるリール部分の画像は、一枚の基本画像40(通常動作表現対象部分)に対して、二枚生成する。より具体的には、図6のリール画像の部分拡大図に示すように、通常動作表現対象部分のレンダリング時におけるリール12,14,16を選択描画した第1リール画像42a(a)と、更に図6(a)の通常動作表現対象部分のレンダリング時から1/60秒経過時点におけるリール12,14,16を描画した第2リール画像42b(b)との二枚である。そして、生成された第1リール画像42a及び第2リール画像42bを、それぞれ専用のマスク画像を用いて基本画像40にマスク合成する。
【0044】
図7は、本実施形態における画像合成用のマスク画像の例を示す図であって、(a)が第1リール画像42に適用される第1インタレースマスク46の全体図、(b)が第1インタレースマスク46の部分拡大図、(c)が第2リール画像42bに適用される第2インタレースマスク48の部分拡大図に相当する。尚、同図ではマスク合成によって書き込みされる部分を黒色領域で表している。
【0045】
第1インタレースマスク46は、仮想カメラより窓部22からのぞいて見えるリール12,14,16の奇数フィールドをマスク合成で書き込みするためのマスク画像である。同様に第2インタレースマスク48は、仮想カメラより窓部22からのぞいて見えるリール12,14,16の奇数フィールドをマスク合成で書き込みするためのマスク画像である。つまり、生成された第1リール画像42aは、第1インタレースマスク46を用いてマスク合成されることで、奇数フィールドに該当する部分のみが選択的に基本画像40に上書きされる。同様に第2リール画像42bは、第2インタレースマスク48を用いることで偶数フィールドに該当する部分のみが基本画像40に上書きされる。
そして、第1リール画像42a及び第2リール画像42bが合成処理された後の基本画像40に、各種の情報表示(例えば、現在の掛金とされる仮想メダル数や、使用可能な仮想メダル数、払いだされた仮想メダル数など)を適宜合成してゲーム画面が完成する。
そうして生成されたゲーム画面(フレーム画像)のリール部分の奇数フィールドには通常動作表現対象部分のレンダリング時におけるリールの様子が描かれ、偶数フィールドには同レンダリング時点より1/60秒後のリールの様子が描かれていることになる。
【0046】
こうしたゲーム画像をインタレース方式のビデオ信号として出力すると、画像表示装置1222では、図8に示すように、1/30秒で画面をリフレッシュする際にリール部分に関しては最初の1/60秒で奇数ライン(チェック柄ハッチングの部分)を奇数フィールドで描画し(a)、次の1/60秒で偶数ライン(斜線ハッチングの部分)を偶数フィールドで描画することになる(b)。したがって、プレーヤが画面のリフレッシュに伴って最初の1/60秒で見るのは第1リール画像42aであり、続く1/60秒で第2リール画像42bを見る。この結果、肉眼の残像効果によってリール12,14,16が下向きに回転する様子を60fps相当の動画品質で見ることができるようになる。こうした効果は、精密動作表現対象部分の動作が上下方向の場合により顕著といえる。
【0047】
[機能ブロックの説明]
次に、上述のような本実施形態における原理を実現するための機能構成について説明する。図9は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0048】
操作入力部100は、プッシュボタンや、レバー、タッチパッド、ダイヤル、キーボード、マウス、各種ポインタ、加速度センサ、傾斜センサなどの入力デバイスやセンサ類によって実現され、プレーヤによって為された各種の入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。図1では、ゲームコントローラ1230が操作入力部100に該当する。
【0049】
処理部200は、マザーボードやロジックボードと称される部分、及びグラフィックカードと称される部分がこれに該当し、CPU(Central Processing Unit)やVDP(Video Display Processor)などのマイクロプロセッサやASIC(特定の用途向けの集積回路)、ICメモリなどの電子装置によって実現される。そして、操作入力部100や記憶部500を含むゲーム装置1200の各機能部との間でデータの入出力を行うとともに、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、ゲーム装置1200の動作を制御する。図1では、ゲーム装置本体1201に内蔵された制御ユニット1210が処理部200に該当する。
そして本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0050】
ゲーム演算部210は、ゲームの進行に係る処理を実行する。例えば、3次元仮想空間中にポリゴンモデルで仮想スロットマシン10を形成し、リール12,14,16を含むその各部動作を制御する処理、当選役(ハズレを含む)の決定処理、有効ラインにおける図柄の判定処理、掛金と当選役に応じた払出処理、仮想カメラの設定(配置位置、姿勢、画角など)の決定処理を実行する。その他、ビデオゲームを実行する際に必要な各種フラグやタイマー、カウンタなどの管理処理を行う。
【0051】
音生成部250は、例えばオーディオプロセッサなどによって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0052】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではビデオモニタ1220のスピーカ1224がこれに該当する。
【0053】
画像生成部260は、例えば、GPUなどのプロセッサ、VRAMなどのICメモリ、ビデオ端子などによって実現される、各種画像の生成や合成、ビデオ信号の出力制御に係る処理を実行する。本実施形態では、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて3次元仮想空間を仮想カメラから撮影した仮想空間画像を生成するレンダリング部262と、画像の各種合成処理を実行する合成処理部264と、VRAMに格納されている画像情報に基づいて所定のインタレース方式のビデオ信号を生成して画像表示部360に出力する画像信号生成部266を備える。
【0054】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像をインタレース方式で表示する。例えば、インタレース方式のテレビジョンとしてのCRTやフラットパネルディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1ではビデオモニタ1220の画像表示装置1222が該当する。
【0055】
通信制御部270は、データ通信に係る処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータの送受信を実現する。
【0056】
通信部370は、通信回線1(図1参照)と接続して、外部装置とのデータ通信を実現する。本実施形態では、操作入力部100からの操作入力信号を受信することを含む。通信部370は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1では通信装置1212、近距離無線通信モジュール1214がこれに該当する。
【0057】
記憶部500は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。記憶部500は、予め用意された各種プログラムやデータ等を記憶するとともに処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部100から入力される入力データ、画像情報などを一時的に記憶する。
【0058】
本実施形態では、システムプログラム501と、ゲームプログラム502と、オブジェクト設定データ508と、着目オブジェクト設定データ510と、仮想カメラ設定データ512、演出設定データ514と、第1インタレースマスク516と、第2インタレースマスク518とが予め用意される。これらのプログラム及びデータは、公知のゲームと同様に例えばゲームメーカなどから供給される。
【0059】
システムプログラム501は、処理部200にゲーム装置1200を統合的に制御させるためのオペレーティングシステムなどの諸機能を実現する。ゲームプログラム502は、処理部200にゲーム演算部210としての機能を実現させる。
【0060】
オブジェクト設定データ508は、仮想スロットマシン10の筐体やリール12,14,16、予告演出表示26,28などのモデリングデータやテクスチャデータ、モーションデータを格納している。リール12,14,16の外周に表示される各種図柄もリールに適用されるテクスチャデータとして格納されている。
【0061】
着目オブジェクト設定データ510は、着目オブジェクトとなる精密動作表現対象部分のオブジェクトを定義する。本実施形態では、リール12,14,16のオブジェクトのIDが設定されている。
【0062】
仮想カメラ設定データ512は、仮想スロットマシン10を撮影する仮想カメラの設定が格納されている。例えば、配置位置座標、姿勢、画角などが格納されている。
【0063】
演出設定データ514は、当選役に応じた予告演出の内容を定義する。つまり、どの当選役が選出されたときにどの予告演出表示をするかが定義されている。
【0064】
第1インタレースマスク516及び第2インタレースマスク518は、本実施形態における精密動作表現対象部分を示す着目領域を設定する情報の一つであり、前者は窓部22内の領域のうち奇数フィールドに当る部分を基本画像40へマスク合成にて上書きするためのマスクであり、後者は窓部22内の領域のうち奇数フィールドに当る部分を基本画像40へマスク合成にて上書きするためのマスクである。
【0065】
また、記憶部500はゲームの進行に伴って、仮想スロットマシン状態データ520と、基本画像データ522と、第1リール画像データ524と、第2リール画像データ526と、経過時間カウンタ530とを記憶する。
【0066】
仮想スロットマシン状態データ520は、仮想スロットマシンに係る各種パラメータを格納する。例えば、各リール12,14,16の姿勢・速度・加速度などのパラメータ値を格納するリール情報データ、スタートレバー11の角度や速度といったパラメータ値、予告演出表示物26,28(図2参照))の位置や姿勢、速度、色、輝度といったパラメータ値、プレーヤが掛けた仮想メダルの数、プレーヤが所持する仮想メダルの数などのパラメータ値を適宜格納する。
経過時間カウンタ530は、スロットがスタートしてからの経過時間を示す情報を格納する。
【0067】
[動作の説明]
次に、本発明の動作について説明する。
図10は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明される処理は、処理部200がシステムプログラム501、ゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。
【0068】
同図に示すように、処理部200は、先ずオブジェクト設定データ508を参照して3次元仮想空間中にリール12、14,16を内蔵する仮想スロットマシン10を形成するとともに仮想カメラ設定データ512を参照して仮想カメラを配置する(ステップS2)。
【0069】
所定のスロットスタート操作が入力されたならば(ステップS4のYES)、処理部200は当選役決定処理を実行してスロットの抽選を実行する(ステップS6)。当選役にはハズレを含む。そして、処理部200は経過時間カウンタ530に「0」を格納して初期化してスロットスタートからの計時を開始する(ステップS10)。
【0070】
次いで、処理部200は全てのリールが停止するまでループAの処理を実行する(ステップS12〜S22)。リールが回転状態か停止状態であるかは、仮想スロットマシン状態データ520に格納されている各リールの回転速度を参照すれば良い。
さて、ループAでは、先ず前回のゲーム画像生成処理実行より1/30秒経過したか否かを判定する(ステップS14)。経過時間の判定は内部タイマーを用いても良いし、別途タイミング発生プログラムを実行して実現しても良い。
そして、1/30秒が経過していなければ(ステップS14のNO)、何も処理を行わない。一方、1/30秒経過している場合(ステップS14のYES)、ゲーム画像生成処理を実行し非走査対処のVRAM(ビデオ信号生成のための走査対象とされないダブルバッファ形式VRAMの一方。以下、単にVRAMとも言う。)にゲーム画面の画像情報を書き出す(ステップS16)。その後、公知のビデオゲームの画像出力処理と同様にして、走査対象とするVRAMを切り換え、該VRAMを走査してNTSC形式のビデオ信号を出力する(ステップS20)。
【0071】
図11は、本実施形態におけるゲーム画像生成処理(ゲーム画像生成処理A)の流れを説明するためのフローチャートである。ゲーム画像生成処理Aでは、処理部200は先ず経過時間カウンタ530を参照し、スロットのスタートから所定時間が経過しているか否かを判定する(ステップS40)。ここで言う所定時間は、スロットスタート後にリール停止操作を入力しない場合に自動的に停止させる時間を意味する。
【0072】
さて、スロットのスタートから所定時間が経過していない場合(ステップS40のNO)、処理部200は操作入力に応じて前回ゲーム画像を生成してから1/30秒経過後の仮想スロットマシン10(リール12,14,16を含む)の動作をシミュレーションし、シミュレーションした結果を記憶部500の仮想スロットマシン状態データ520に格納する(ステップS42)。
より具体的には、スロットスタート操作が入力された後であれば、スタートレバー11が一旦手前に引かれて再び元の位置に復元する様子がシミュレートされ、リール12,14,16が始動する様子がシミュレートされる。また、仮想スロットマシン10の状態が、演出設定データ514で定義されている演出開始条件に合致すれば、予告演出表示物26,28の表示や始動をシミュレートする(図2を参照)。また、ゲームコントローラ1230からリール停止操作が入力された場合には、該当するリールが減速停止する様子をシミュレートする。
【0073】
一方、スタートから所定時間が経過している場合には(ステップS40のYES)、リールを当選役決定処理(ステップS6)で決定した当選役で止まるように、前回ゲーム画像を生成してから1/30秒経過後の仮想スロットマシン10の動作をシミュレーションし、シミュレーションの結果を仮想スロットマシン状態データ520に格納する(ステップS44)。
【0074】
そして、仮想スロットマシン10の動作シミュレーションを実行したならば、処理部200は基本画像40を非走査対象のVRAMに書き出す(ステップS46)。本実施形態では、窓部22内の着目領域以外の部分のオブジェクト、すなわち着目オブジェクトであるリール12,14,16以外のオブジェクトが通常動作表現対象になるので、仮想カメラでリール12,14,16を除くこれらの部位の様子を撮影した画像をレンダリングして基本画像40として非走査対象のVRAMに書き出す。機能ブロック図で言うところの基本画像データ522の生成・記憶に相当する。
【0075】
次に、処理部200は、現時点において窓部22から見えるリール12,14,16のみを仮想カメラで撮影した画像をレンダリングして第1リール画像42aを生成する(ステップS52)。機能ブロック図で言うところの第1リール画像データ524を生成・記憶することに相当する。そして、生成した第1リール画像42aを、第1インタレースマスク516を用いて基本画像40にマスク合成処理する(ステップS54)。具体的には、基本画像40の画像情報が格納されたVRAMに、第1リール画像42aのうち窓部22内であって且つ奇数フィールドに該当する部分を上書きする。
【0076】
次に、処理部200は、第1リール画像42aを生成した時点よりも1/60秒経過後のリール部分の動作をシミュレーションし(ステップS56)、窓部22から見えるリール12,14,16のみを仮想カメラで撮影した画像をレンダリングして第2リール画像42bを生成する(ステップS58)。機能ブロック図で言うところの第2リール画像526を生成・記憶することに相当する。
次いで処理部200は、生成した第2リール画像42bを、第2インタレースマスク518を用いて基本画像40にマスク合成処理する(ステップS60)。具体的には、基本画像40の画像情報が格納されたVRAMに、第1リール画像524のうち窓部22内であって且つ奇数フィールドに該当する部分を上書きする。
そして、第1リール画像42aと第2リール画像42bとが合成された基本画像40に、適宜表示情報を合成してゲーム画面を完成させ(ステップS70)、ゲーム画像生成処理を終了し図10のフローに戻る。
【0077】
さて図10において、ループAの処理を終了したならば、処理部200は有効ライン上に揃った図柄が仮想メダルの払出が必要な当選役と一致するか否かを判定する(ステップS24)。そして、当選役と一致した場合には(ステップS24のYES)、公知のスロットマシンと同様に当選役に応じた払出処理を実行する(ステップS26)。払出の結果、プレーヤが所持する仮想メダルに増加が生じたならば、仮想スロットマシン状態データ520を修正する。
そして、ゲーム終了条件を満たしていなければ(ステップS28のNO)、ステップS4に戻り、ゲーム終了条件を満たしていれば(ステップS28のYES)、一連の処理を終了する。
【0078】
以上の処理によって、リール12,14,16の部分の奇数フィールドと偶数フィールドとに、1/60秒だけ画像生成時間の異なるリールの様子を混在させた画像を生成し、画像表示装置1222に出力することができる。よって、この画像をインタレース形式の画像表示装置1222で表示させた場合、奇数ラインの表示タイミングで第1リール画像42aがプレーヤの肉眼に映り、偶数ラインの表示タイミングで第2リール画像42bがプレーヤの肉眼に映る。よって、残像効果によってリール部分が60fps相当の動画品質で動いているように見える。
【0079】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態として、家庭用ゲーム装置1200でプレーヤが操作するプレーヤキャラクタを精密動作表現対象部分とするゲームを実行する場合を例に挙げて説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様の構成を有し、同様の構成要素については第1実施形態と同じ符号を付与し説明は省略する。
【0080】
図12は、本実施形態におけるゲームの概要を説明するための図である。本実施形態では、プレーヤは柔らかな毛で覆われたプレーヤキャラクタ60を操作して、ゲーム空間内を移動する食料62を制限時間内にできるだけ多く集めることをゲーム目的とする。プレーヤキャラクタ60や食料62は、第1実施形態の仮想スロットマシン10と同様に3次元仮想空間に形成されたゲーム空間内にポリゴンモデルとして形成され、プレーヤキャラクタ60に付随して移動制御される仮想カメラCMから撮影した画像がゲーム画像として表示される。プレーヤキャラクタ60をより愛らしく表現するためには毛がなびく様をより滑らかに表現する事が求められるので、本実施形態ではプレーヤキャラクタ60を精密動作表現対象部分とする。換言すると、プレーヤキャラクタ60が着目オブジェクトであり、プレーヤキャラクタ60の描かれる領域が着目領域となる。
【0081】
第1実施形態では、予め用意された第1インタレースマスク516と第2インタレースマスク518(図9参照)を用いる構成であったが、本実施形態ではゲーム画面を生成する過程でその都度生成する。具体的には、図13に示すように、プレーヤキャラクタ60を除くゲーム空間内を通常動作表現対象部分とする。すなわち、プレーヤキャラクタ60を除く部分を仮想カメラCMから撮影した画像を基本画像70として生成する(a)。また、プレーヤキャラクタ60を精密動作表現対象部分として、第1実施形態における第1リール画像42a及び第2リール画像42bに相当する第1キャラクタ画像72a(b)と第2キャラクタ画像72b(c)を生成する。
【0082】
一方、予めゲーム画面と同サイズの画像であって奇数フィールドを描画対象としてマスク合成するための奇数フィールド用基本マスク74(d)と偶数フィールドを描画対処とする偶数フィールド用基本マスク76(e)を設定しておく。尚、同図では、マスク合成によって描画される部分を黒色領域で表示している。
そして、奇数フィールド用基本マスク74から、第1キャラクタ画像72aでプレーヤキャラクタ60が描画された範囲との重なり範囲を抽出し、これを第1インタレースマスク78とする(f)。同様にして、偶数フィールド用基本マスク76から、第2キャラクタ画像72bでプレーヤキャラクタ60が描画された範囲との重なり範囲を抽出し、これを第2インタレースマスク80とする(g)。
そして、第1インタレースマスク78と第2インタレースマスク80を生成したならば、第1実施形態と同様にして生成した第1インタレースマスク78を用いて第1キャラクタ画像72aを基本画像70にマスク合成し、生成した第2インタレースマスク80を用いて第2キャラクタ画像72bを第1キャラクタ画像72aがマスク合成された基本画像70に更にマスク合成する。
【0083】
この結果、第1実施形態におけるリール部分と同様に、プレーヤキャラクタ60が描画される部分は、偶数フィールドに描かれる画像は奇数フィールドに描かれる画像から1/60秒だけ経過した状態となる。こうした画像をインタレース形式のビデオ信号として出力すると、画像表示装置1222では奇数ラインが描画されているときには、背景が描かれた時点におけるプレーヤキャラクタ60の様子が写り、次の偶数ラインが描画されるときにはその1/60秒後のプレーヤキャラクタ60の様子が写る。よって、残像効果によって、プレーヤキャラクタ60の部分は60fps相当の精細な動画品質で表現されているように見える。
【0084】
図14は、本実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施形態における画像生成部260は、マスク生成部263を備える。マスク生成部263は、第1及び第2キャラクタ画像に基づいて、第1及び第2インタレースマスクを生成する。
【0085】
また、本実施形態の記憶部500には、オブジェクト設定データ509と、着目オブジェクト設定データ511と、仮想カメラ設定データ513と、奇数フィールド用基本マスク517と、偶数フィールド用基本マスク519とが予め記憶されている。
【0086】
オブジェクト設定データ509は、ゲーム空間の設定データや、食料62のモデルデータやテクスチャデータ、配置位置データ、モーションデータが格納されている。またプレーヤキャラクタ60のモデルデータやテクスチャデータ、モーションデータなども格納されている。
【0087】
着目オブジェクト設定データ511は、精密動作表現対象部分となるオブジェクト、着目オブジェクトのIDを格納する。本実施形態ではプレーヤキャラクタ60を形成するオブジェクトのIDが格納されている。
【0088】
仮想カメラ設定データ513には、仮想カメラCMのプレーヤキャラキャラクタ60に対する相対位置や姿勢、画角といった各種設定を決める条件が設定されている。
【0089】
奇数フィールド用基本マスク517は、ゲーム画面と同サイズの画像データであって奇数フィールド部分のみを描画するようにマスク処理するためのマスク画像である。
同様に偶数フィールド用基本マスク519は、ゲーム画面と同サイズの画像データであって奇数フィールド部分のみを描画するようにマスク処理するためのマスク画像である。
【0090】
本実施形態における記憶部500には、ゲームの進行に伴ってキャラクタ状態データ521と、基本画像データ523と、第1キャラクタ画像データ525と、第2キャラクタ画像データ527と、第1インタレースマスク532と、第2インタレースマスク534とを一時的に記憶する。
【0091】
キャラクタ状態データ521は、キャラクタの状態を定義する情報が格納される。例えば、ゲーム空間における配置位置、速度、各関節の角度、モーションコントロールに係る情報、取得した食物62の数などが適宜格納される。
【0092】
次に、本実施形態における動作について説明する。
図15は、本実施形態における演算処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ずゲーム空間の初期化として、オブジェクト設定データ509を参照して、3次元仮想空間に各種オブジェクトを配置してゲーム空間を形成し、プレーヤキャラクタ60と複数の食べ物62を配置するとともに、仮想カメラ設定データ513を参照して仮想カメラを配置する(ステップS80)。
【0093】
次に、ゲームコントローラ1230から所定のゲーム開始の操作が入力されたならば(ステップS82のYES)、前回のゲーム画像生成処理の実行から1/30秒が経過しているか否かを判定する(ステップS84)。
経過している場合(ステップS84のYES)、処理部200はゲーム画像生成処理Bを実行する(ステップS86)。
【0094】
図16は、本実施形態におけるゲーム画像生成処理(ゲーム画像生成処理B)の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
ゲーム画像生成処理Bでは、処理部200は先ず操作入力に応じて前回の当該処理実行から1/30秒経過後のゲーム空間の様子と、プレーヤキャラクタ60の様子と、仮想カメラCMの設定をシミュレーションする(ステップS110)。本実施形態のゲームのように食物62が移動するといったように、ゲーム空間中においてプレーヤキャラクタ60以外で動くものがあればその動作もシミュレーションされる。プレーヤキャラクタ60は、ゲームコントローラ1230からの操作入力に応じて動作制御される。仮想カメラの設定は仮想カメラ設定データ513に基づいて設定される。そして、処理部200は仮想カメラCMからプレーヤキャラクタ60以外を撮影した基本画像70を生成し非走査対照のVRAMに書き出す(ステップS112)。
【0095】
次いで、処理部200は仮想カメラCMから精密動作表現対象部分であるプレーヤキャラクタ60を撮影した第1キャラクタ画像72aを生成し(ステップS114)、奇数フィールド用基本マスク517と、第1キャラクタ画像72aにおいてプレーヤキャラクタ60が描かれている部分との重なり範囲を抽出して第1インタレースマスク78を生成する(ステップS116)。
そして、第1インタレースマスク78を用いて第1キャラクタ画像72aを基本画像70に合成する(ステップS118)。つまり、第1キャラクタ画像72aでプレーヤキャラクタ60が描かれている画素のうち、奇数フィールドの部分のみを選択的に基本画像70に上書きする。
【0096】
次に、処理部200は、基本画像70の生成時点よりも更に1/60秒経過後のプレーヤキャラクタ60の様子と仮想カメラCMの設定をシミュレートし(ステップS120)、仮想カメラCMからプレーヤキャラクタ60を撮影した第2キャラクタ画像72bを生成する(ステップS122)。
そして、偶数フィールド用基本マスク519と、第2キャラクタ画像72bでプレーヤキャラクタ60が描かれている部分との重なり範囲を抽出して第2インタレースマスク80を生成し(ステップS124)、第2インタレースマスク80を用いて第2キャラクタ画像72bを、第1キャラクタ画像72aが合成された基本画像70に更に合成する(ステップS126)。つまり、第2キャラクタ画像72bでプレーヤキャラクタ60が描かれている画素のうち、偶数フィールドの部分のみを選択的に第1キャラクタ画像72aが合成された基本画像70に上書きする。
【0097】
そして処理部200は、制限時間の残時間や、プレーヤキャラクタ60が取得した食物62の数などの情報表示を合成してゲーム画面を完成させて(ステップS128)、ゲーム画像生成処理Bを終了する。
【0098】
ゲーム画像生成処理Bを終了したならば、図15のフローに戻って、処理部200は次に走査対象とするVRAMを自動で切り換え、ゲーム画像生成処理で画像情報を書き込んでいたVRAMを所定の走査サイクルで走査してインタレース形式のビデオ信号を出力する(ステップS88)。
【0099】
次に、処理部200はゲーム結果の判定処理を実行する(ステップS90)。本実施形態のゲームは制限時間内にどれだけプレーヤキャラキャラクタ60が食物62を取得できるか、つまりプレーヤキャラクタ60が食物62に接触できたかに応じて点数をつける。よって、制限時間のカウントと、点数の算出が行われる。
そして、ゲーム結果が所定のゲーム終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS92)。ゲーム終了条件を満たしていなければ(ステップS92のNO)、ステップS84に移行し、ゲーム終了条件を満たしていれば(ステップS92のYES)、一連の処理を終了しゲームオーバとなる。
【0100】
この結果、背景となる部分は30fps相当の動画品質で表示されるが、プレーヤキャラクタ60については60fps相当の動画品質で表示されるので、プレーヤキャラクタ60のふさふさした毛の動きがより細かく表現される。よって、ビデオ信号生成時の走査サイクルに依存せず、プレーヤキャラクタ60の動作をより細やかに表現する事ができる。
【0101】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した第1及び第2実施形態について説明したが、本発明の実施形態がこれらに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない限りにおいて適宜構成要素の追加・変更・省略などをすることができる。
【0102】
例えば、インタレースの方式は、NTSC規格に限らずPAL規格などその他の規格であっても同様に適用できる。
【0103】
また、精密動作表現対象部分とした着目領域や着目オブジェクトは、上記実施形態では固定領域であったり特定のオブジェクトとしたがこれに限らない。例えば、ゲームの進行が所定の条件を満たす場合に、着目領域を変更したり、着目オブジェクトを変更することもできる。
【0104】
また、上記実施形態では家庭用ゲーム装置でゲームを実行する場合を例に挙げて説明したが、携帯型ゲーム装置、業務用ゲーム装置、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォンなどであってもかまわない。
或いは、図17に示すようなパチンコ装置1300の演出装置として組み込まれた画像表示装置1322の表示制御に適用することもできる。具体的には、上記実施形態における家庭用ゲーム装置1200に相当する機能を、パチンコ装置1300の制御ユニット1310で実現し、ビデオ信号を備え付けの画像表示装置1322に出力する構成とする。そして、第1実施形態で示したリールを用いたスロットなどをパチンコの当選役の抽選演出に適用する。この場合、制御ユニット1310の処理負荷を高めず、またハードウェアの増加や機能アップを果たさずとも、予告演出表示物1324の表示を制御ユニット1310本来の動画表示品質(例えば30fps相当)で表現し、リール部分1326をそれよりも高い品質で動画品質(例えば60fps相当)で表現することができる。
【0105】
また、上記実施形態では、基本画像の生成にあたって精密動作表現対象部分を除外した画像を生成しているが、精密動作表現対象部分を描画する構成としても良いのは勿論である。
【0106】
また更には、上記実施形態では、基本画像の生成の後に精密動作表現対象部分のみで第1リール画像と第2リール画像、又は第1キャラクタ画像と第2キャラクタ画像といった具合に2回画像を生成しているが、第1リール画像又は第1キャラクタ画像の生成と合成に係る処理を省略することもできる。
具体的には、基本画像の生成時点において、精密動作表現部分も含めて基本画像を生成し、当該生成時点より1/60秒後の精密動作表現部分の様子をシミュレーションして、精密動作表現部分のみを撮影した第2リール画像又は第2キャラクタ画像を生成する。そして、第2インタレースマスクで偶数フィールドに合成するとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】家庭用ゲーム装置の構成例を示すシステム構成図。
【図2】仮想スロットマシンの外観図。
【図3】リール部分の表示モデル構成例を示す図。
【図4】第1実施形態における通常動作表現対象部分のみを描画した画像である基本画像の例を示す画像全体図。
【図5】第1実施形態における精密動作表現対象部分のみを描画した画像の一例を示す画像全体図。
【図6】第1実子形態における第1リール画像及び第2リール画像の例をしめす画面部分拡大図。
【図7】第1実施形態における画像合成用のマスク画像。
【図8】画像表示装置におけるリール部分の描画順を示す概念図。
【図9】第1実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図10】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図11】第1実施形態におけるゲーム画像生成処理(ゲーム画像生成処理A)の流れを説明するためのフローチャート。
【図12】第2実施形態におけるゲームの概要を説明するための図。
【図13】第2実施形態における基本画像、第1キャラクタ画像、第2キャラクタ画像、奇数フィールド用基本マスク、偶数フィールド用基本マスク、第1インタレースマスク、第2インタレースマスクの例を示す図。
【図14】第2実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図15】第2実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図16】第2実施形態におけるゲーム画像生成処理(ゲーム画像生成処理B)の流れを説明するためのフローチャート。
【図17】第1又は第2実施形態をパチンコ装置に適用した変形例を示す外観図。
【符号の説明】
【0108】
10 仮想スロットマシン
12,14,16 リール
22 窓部
40 基本画像
42a 第1リール画像
42b 第2リール画像
46 第1インタレースマスク
48 第2インタレースマスク
70 基本画像
72a 第1キャラクタ画像
72b 第2キャラクタ画像
74 奇数フィールド用基本マスク
76 偶数フィールド用基本マスク
78 第1インタレースマスク
80 第2インタレースマスク
100 操作入力部
102 第1方向入力部
104 第2方向入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
260 画像生成部
263 マスク生成部
264 合成処理部
266 画像信号生成部
500 記憶部
508 オブジェクト設定データ
510 着目オブジェクト設定データ
516 第1インタレースマスク
518 第2インタレースマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御させ、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成させるためのプログラムであって、
前記仮想空間の画像中に着目領域を設定する着目領域設定手段、
前記仮想空間の画像中の前記設定された着目領域以外を(1/N)秒間隔で生成する非着目領域画像生成手段、
前記設定された着目領域を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成する着目領域画像生成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
コンピュータに、所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御させ、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成させるためのプログラムであって、
前記仮想空間の画像中に着目領域を設定する着目領域設定手段、
前記仮想空間の画像を(1/N)秒間隔で生成する仮想空間画像生成手段、
前記生成された仮想空間画像中の前記設定された着目領域のうち、奇数ライン部分及び偶数ライン部分の何れか一方の部分を、(1/(2×N))秒ずらした画像に変更する着目領域画像変更手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項3】
前記オブジェクトはスロット用リールであり、
前記所定の制御処理は前記スロット用リールの回転・停止制御であり、
前記着目領域設定手段が、前記スロット用リールの出目表示領域を着目領域に設定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
コンピュータに、仮想空間中に配置された複数のオブジェクトそれぞれを制御させ、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成させるためのプログラムであって、
前記複数のオブジェクトの中から着目オブジェクトを設定する着目オブジェクト設定手段、
前記複数のオブジェクトのうちの前記着目オブジェクト以外のオブジェクトの画像を(1/N)秒間隔で生成する非着目オブジェクト画像生成手段、
前記着目オブジェクトの画像を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成する着目オブジェクト画像生成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータに、仮想空間中に配置された複数のオブジェクトそれぞれを制御させ、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示する画像として前記仮想空間の画像を生成させるためのプログラムであって、
前記複数のオブジェクトの中から着目オブジェクトを設定する着目オブジェクト設定手段、
前記仮想空間の画像を(1/N)秒間隔で生成する仮想空間画像生成手段、
前記生成された仮想空間画像中の前記着目オブジェクトの画像部分のうち、奇数ライン部分及び偶数ライン部分の何れか一方の部分を、(1/(2×N))秒ずらした画像に変更する着目オブジェクト部分画像変更手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項6】
前記仮想空間中に配置された前記複数のオブジェクトによってスロットマシンのスロット部が構成され、
前記着目オブジェクト設定手段が、スロット用リールのオブジェクトを着目オブジェクトとして設定するように前記コンピュータを機能させるための請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項8】
所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御して、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成する画像生成装置であって、
前記仮想空間の画像中に着目領域を設定する着目領域設定手段と、
前記仮想空間の画像中の前記設定された着目領域以外を(1/N)秒間隔で生成する非着目領域画像生成手段と、
前記設定された着目領域を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成する着目領域画像生成手段と、
を備えた画像生成装置。
【請求項9】
所定の制御処理に従って仮想空間中に配置されたオブジェクトを制御して、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成する画像生成装置であって、
前記仮想空間の画像中に着目領域を設定する着目領域設定手段と、
前記仮想空間の画像を(1/N)秒間隔で生成する仮想空間画像生成手段と、
前記生成された仮想空間画像中の前記設定された着目領域のうち、奇数ライン部分及び偶数ライン部分の何れか一方の部分を、(1/(2×N))秒ずらした画像に変更する着目領域画像変更手段と、
を備えた画像生成装置。
【請求項10】
仮想空間中に配置された複数のオブジェクトそれぞれを制御して、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成する画像生成装置であって、
前記複数のオブジェクトの中から着目オブジェクトを設定する着目オブジェクト設定手段と、
前記複数のオブジェクトのうちの前記着目オブジェクト以外のオブジェクトの画像を(1/N)秒間隔で生成する非着目オブジェクト画像生成手段と、
前記着目オブジェクトの画像を奇数ライン部分と偶数ライン部分とに分け、各部分の画像生成間隔を(1/(2×N))秒ずらして、それぞれを(1/N)秒間隔で生成する着目オブジェクト画像生成手段と、
を備えた画像生成装置。
【請求項11】
仮想空間中に配置された複数のオブジェクトそれぞれを制御して、毎秒(2×N)フィールドの画像を表示するインタレース方式の表示装置に表示させる画像として前記仮想空間の画像を生成する画像生成装置であって、
前記複数のオブジェクトの中から着目オブジェクトを設定する着目オブジェクト設定手段と、
前記仮想空間の画像を(1/N)秒間隔で生成する仮想空間画像生成手段と、
前記生成された仮想空間画像中の前記着目オブジェクトの画像部分のうち、奇数ライン部分及び偶数ライン部分の何れか一方の部分を、(1/(2×N))秒ずらした画像に変更する着目オブジェクト部分画像変更手段と、
を備えた画像生成装置。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図12】
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【図13】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−63911(P2009−63911A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233062(P2007−233062)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】