説明

プログラム作成支援装置、プログラム作成支援方法及びコンピュータプログラム

【課題】被制御機器の接続状況に応じて検索対象を特定することにより、検索処理負荷を軽減するとともに、検索結果を効果的に絞り込むことが可能なプログラム作成支援装置、プログラム作成支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】制御プログラムで用いる命令語を記憶する命令語記憶部と、命令語に関連する関連情報を該命令語に対応付けて記憶する関連情報記憶部とを、拡張ユニットの種類ごとにそれぞれ別個に有する。プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の拡張ユニットの種類を含む構成情報を取得し、取得した構成情報に対応する命令語記憶部及び関連情報記憶部を検索対象として特定する。文字列の入力を受け付け、入力を受け付けた文字列の順序に応じて、特定された命令語記憶部又は関連情報記憶部を検索し、検索結果から命令語又は関連情報の選択を受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被制御機器を連結して多様な機能を実現するプログラマブルコントローラで動作する制御プログラムの作成を支援するプログラム作成支援装置、プログラム作成支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入出力機器を拡張する入出力ユニット、通信機能を付加する通信ユニット、制御対象となる機器の位置決めを制御する位置決めユニット、温度を調整する温調ユニット等の拡張ユニットを連結して、それぞれの拡張ユニットの動作を制御プログラムにより制御するプログラマブルコントローラが広く使用されている。機能が多様化するのに伴い、各拡張ユニットの動作を制御する制御プログラムは年々大規模化、複雑化してきており、制御プログラムの作成者が取扱う情報量も年々増大している。したがって、制御プログラムのコーディング作業を行う場合、制御プログラムの作成者が有しておくべき知識、有するべき能力等もより高度になってきており、制御プログラムの作成者に依存してプログラミング作業を行うだけでは非効率であり、制御プログラムの作成者の負担が過大となる。
【0003】
そこで、制御プログラムのコーディング作業を補助する方法として、マニュアルの提供だけでなく、例えば入力するプログラムコードに対する説明文を、コーディングした内容に応じて画面に表示する方法がよく用いられている。また、例えば特許文献1に開示されているように、ラベル、デバイス等を指定し、過去のプログラムコードの入力履歴、所定のデータベース等を検索することにより、コーディングするべき文字列(命令語等)を検索する方法も考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−083206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1のように単純に検索対象を拡大しただけでは、検索処理の柔軟度は高まるものの、検索対象が拡大することにより検索時間が増大し、検索結果を絞り込むことが困難になるという問題が生じ、検索処理負荷も増大するという問題点があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、被制御機器の接続状況に応じて検索対象を特定することにより、検索処理負荷を軽減するとともに、検索結果を効果的に絞り込むことが可能なプログラム作成支援装置、プログラム作成支援方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1発明に係るプログラム作成支援装置は、被制御機器に接続してある拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、前記被制御機器の動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラにおいて実行される制御プログラムの作成を支援するプログラム作成支援装置において、制御プログラムで用いる命令語を記憶する命令語記憶部と、命令語に関連する関連情報を該命令語に対応付けて記憶する関連情報記憶部とを、前記拡張ユニットの種類ごとにそれぞれ別個に有する記憶手段と、前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットの種類を含む構成情報を取得する構成情報取得手段と、取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として特定する検索対象特定手段と、文字列の入力を受け付ける入力受付手段と、入力を受け付けた文字列の順序に応じて、特定された前記命令語記憶部又は前記関連情報記憶部を検索する検索手段と、該検索手段での検索結果から前記命令語又は前記関連情報の選択を受け付ける選択受付手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、第2発明に係るプログラム作成支援装置は、第1発明において、前記記憶手段は、前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットに対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を全て有するようにしてあり、前記検索対象特定手段は、前記構成情報取得手段で取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として抽出するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
また、第3発明に係るプログラム作成支援装置は、第1発明において、前記構成情報取得手段は、前記検索手段が検索を開始する都度、前記構成情報を取得するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
また、第4発明に係るプログラム作成支援装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記検索手段は、前記命令語記憶部を検索対象とした場合に検索した命令語をキー情報として、前記関連情報記憶部を検索するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
また、第5発明に係るプログラム作成支援装置は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記拡張ユニットに記憶してある、前記拡張ユニットに固有の命令語及び関連情報を、前記CPUユニットに複写して記憶する情報複写手段と、入力を受け付けた文字列に応じて、前記拡張ユニットに記憶してある命令語及び関連情報か、前記CPUユニットに複写して記憶してある命令語及び関連情報か、いずれかを検索対象として選択する選択手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、第6発明に係るプログラム作成支援装置は、第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記制御プログラムにおいて用いられる命令語の使用率を算出する使用率算出手段と、算出した使用率に基づいて検索結果を分類する分類手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、第7発明に係るプログラム作成支援装置は、第6発明において、入力を受け付けた文字列を履歴情報として記憶する履歴情報記憶手段を備え、前記分類手段は、記憶してある前記履歴情報を優先して分類するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
また、第8発明に係るプログラム作成支援装置は、第1乃至第7発明のいずれか1つにおいて、文字列の入力を受け付けるインターバルを検出する入力インターバル検出手段と、検出したインターバルが一定時間を超えたか否かを判断する入力インターバル判断手段とを備え、該入力インターバル判断手段で一定時間を超えたと判断した場合、前記検索手段に検索を開始させるようにしてあることを特徴とする。
【0015】
また、第9発明に係るプログラム作成支援装置は、第1乃至第8発明のいずれか1つにおいて、前記検索手段は、部分一致検索又はあいまい検索を行うようにしてあることを特徴とする。
【0016】
次に、上記目的を達成するために第10発明に係るプログラム作成支援方法は、被制御機器に接続してある拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、前記被制御機器の動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラにおいて実行される制御プログラムの作成を支援するプログラム作成支援装置で実行することが可能なプログラム作成支援方法において、前記プログラム作成支援装置は、制御プログラムで用いる命令語と、該命令語に対応付けた命令語に関連する関連情報とを、前記拡張ユニットの種類ごとにそれぞれ別個に記憶し、前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットの種類を含む構成情報を取得し、取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として特定し、文字列の入力を受け付け、入力を受け付けた文字列の順序に応じて、特定された前記命令語又は前記関連情報を検索し、検索結果から前記命令語又は前記関連情報の選択を受け付けることを特徴とする。
【0017】
次に、上記目的を達成するために第11発明に係るコンピュータプログラムは、被制御機器に接続してある拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、前記被制御機器の動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラにおいて実行される制御プログラムの作成を支援するプログラム作成支援装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記プログラム作成支援装置は、制御プログラムで用いる命令語を記憶する命令語記憶部と、命令語に関連する関連情報を該命令語に対応付けて記憶する関連情報記憶部とを、前記拡張ユニットの種類ごとにそれぞれ別個に有しており、前記プログラム作成支援装置を、前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットの種類を含む構成情報を取得する構成情報取得手段と、取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として特定する検索対象特定手段、文字列の入力を受け付ける入力受付手段、入力を受け付けた文字列の順序に応じて、特定された前記命令語記憶部又は前記関連情報記憶部を検索する検索手段、及び該検索手段での検索結果から前記命令語又は前記関連情報の選択を受け付ける選択受付手段として機能させることを特徴とする。
【0018】
また、第12発明に係るコンピュータプログラムは、第11発明において、前記記憶手段は、前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットに対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を全て有するようにしてあり、前記検索対象特定手段を、前記構成情報取得手段で取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として抽出する手段として機能させることを特徴とする。
【0019】
また、第13発明に係るコンピュータプログラムは、第11発明において、前記構成情報取得手段を、前記検索手段が検索を開始する都度、前記構成情報を取得する手段として機能させることを特徴とする。
【0020】
また、第14発明に係るコンピュータプログラムは、第11乃至第13発明のいずれか1つにおいて、前記検索手段を、前記命令語記憶部を検索対象とした場合に検索した命令語をキー情報として、前記関連情報記憶部を検索する手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
また、第15発明に係るコンピュータプログラムは、第11乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記プログラム作成支援装置を、前記拡張ユニットに記憶してある、前記拡張ユニットに固有の命令語及び関連情報を、前記CPUユニットに複写して記憶する情報複写手段、及び入力を受け付けた文字列に応じて、前記拡張ユニットに記憶してある命令語及び関連情報か、前記CPUユニットに複写して記憶してある命令語及び関連情報か、いずれかを検索対象として選択する選択手段として機能させることを特徴とする。
【0022】
また、第16発明に係るコンピュータプログラムは、第11乃至第15発明のいずれか1つにおいて、前記プログラム作成支援装置を、前記制御プログラムにおいて用いられる命令語の使用率を算出する使用率算出手段、及び算出した使用率に基づいて検索結果を分類する分類手段として機能させることを特徴とする。
【0023】
また、第17発明に係るコンピュータプログラムは、第11乃至第16発明のいずれか1つにおいて、前記プログラム作成支援装置を、文字列の入力を受け付けるインターバルを検出する入力インターバル検出手段、検出したインターバルが一定時間を超えたか否かを判断する入力インターバル判断手段、及び該入力インターバル判断手段で一定時間を超えたと判断した場合、前記検索手段に検索を開始させる手段として機能させることを特徴とする。
【0024】
第1発明、第10発明及び第11発明では、制御プログラムで用いる命令語と、該命令語に対応付けた命令語に関連する関連情報とを、前記拡張ユニットの種類ごとにそれぞれ別個に記憶しておく。プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の拡張ユニットの種類を含む構成情報を取得し、取得した構成情報に対応する命令語及び関連情報を検索対象として特定する。文字列の入力を受け付け、入力を受け付けた文字列の順序に応じて、特定された命令語又は関連情報を検索し、検索結果から命令語又は関連情報の選択を受け付ける。これにより、取得した構成情報に基づいて、検索対象となる命令語及び関連情報を特定することができ、入力を受け付けた文字列の順序に応じて特定した命令語又は関連情報のみを検索することができるので、検索処理負荷を軽減することができ、拡張ユニットの接続状況に応じて検索結果を効果的に絞り込むことが可能となる。
【0025】
第2発明及び第12発明では、プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の拡張ユニットに対応する命令語及び関連情報を事前に全て記憶しておく。取得した構成情報に対応する命令語及び関連情報を検索対象として抽出することにより、取得した構成情報に基づいて、検索対象となる命令語及び関連情報を特定することができ、入力を受け付けた文字列の順序に応じて特定した命令語及び関連情報のみを抽出することができるので、検索処理負荷を最小限にすることができ、CPUユニットに接続してある拡張ユニットに応じて検索結果を効果的に絞り込むことが可能となる。
【0026】
第3発明及び第13発明では、検索を開始する都度、構成情報を取得することにより、プログラマブルコントローラに接続してある複数の被制御機器に対応する命令語及び関連情報を事前に記憶しておく必要がなく、検索を開始する都度、構成情報を取得することにより不要な命令語及び関連情報を記憶することがないので、検索対象を絞り込む必要がない。したがって、検索処理負荷をより軽減することが可能となる。
【0027】
第4発明及び第14発明では、検索した命令語をキー情報として関連情報を検索することにより、検索時間を短縮することができるとともに、検索処理の演算処理負荷を軽減することが可能となる。
【0028】
第5発明及び第15発明では、拡張ユニットに記憶してある、拡張ユニットに固有の命令語及び関連情報を、CPUユニットに複写して記憶しておく。入力を受け付けた文字列に応じて、拡張ユニットに記憶してある命令語及び関連情報か、CPUユニットに複写して記憶してある命令語及び関連情報か、いずれかを検索対象として選択する。これにより、命令語の機能に応じて、拡張ユニットに記憶してある命令語及び関連情報を検索対象として選択するか、CPUユニットに複写して記憶してある命令語及び関連情報を検索対象として選択するかを特定することができ、検索処理をより高速に実行することが可能となる。
【0029】
第6発明及び第16発明では、制御プログラムにおいて用いられる命令語の使用率を算出し、算出した使用率に基づいて検索結果を分類する。これにより、制御プログラム中で頻繁に用いられている命令語から順に検索結果を表示することができ、制御プログラムの作成者の使用頻度に即した制御プログラムの作成支援をすることが可能となる。
【0030】
第7発明では、入力を受け付けた文字列の履歴を履歴情報として記憶しておき、記憶してある履歴情報を優先して分類することにより、検索結果として、過去に使用した命令語及び関連情報を優先して表示することができ、制御プログラムの作成者の使用状況に即した制御プログラムの作成支援をすることが可能となる。
【0031】
第8発明及び第17発明では、入力を受け付けるインターバルを検出し、検出したインターバルが一定時間を超えた場合に検索を開始させる。これにより、命令語等の入力を受け付けた後、一定時間以上経過した時点で検索することができ、制御プログラムの作成者が次に入力するべき文字列に迷った場合等に適切なタイミングで検索結果を表示することで、制御プログラムの作成者の入力状況に即した制御プログラムの作成支援をすることが可能となる。
【0032】
第9発明では、部分一致検索又はあいまい検索を行うことにより、入力を受け付けた文字列が誤った文字列である場合、一部しか文字列が明確ではない場合等であっても、確実な命令語及び関連情報を表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
上記構成によれば、取得した構成情報に基づいて、検索対象となる命令語及び関連情報を特定することができ、入力を受け付けた文字列の順序に応じて特定した命令語又は関連情報のみを検索することができるので、検索処理負荷を軽減することができ、被制御機器の接続状況に応じて検索結果を効果的に絞り込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置により制御プログラムの作成支援対象となるプログラマブルコントローラの構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置を、CPU等の制御部を用いて構成した場合の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置の拡張ユニットの種類と命令語記憶部に相当する検索対象ファイルとの関係を示す例示図である。
【図5】入力を受け付ける文字列の例示図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置の入力インターバル判断処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置の候補文字列選択処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】ラダー形式の制御プログラムにおいて、検索された命令語をキー情報として検索された候補文字列が表示された画面の例示図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置の制御部の候補文字列の使用率に基づく分類処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】ラダー形式の制御プログラムにおいて、検索された関連情報をキー情報として候補文字列が表示された画面の例示図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るプログラム作成支援装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る命令語記憶部及び関連情報記憶部の複写処理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態に係るプログラム作成支援装置について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置により制御プログラムの作成支援対象となるプログラマブルコントローラの構成を示す模式図である。図1に示すように、プログラマブルコントローラ1は、CPUユニット2と、機能ごとに独立した複数の拡張ユニット3、3、・・・とで構成されている。拡張ユニット3a、3b、・・・には、機能ごとに動作を制御する対象となる被制御機器5、5、・・・が接続してあり、CPUユニット2からの指令に従って各被制御機器5の動作を制御する。
【0037】
CPUユニット2は、内蔵するメモリ21に記憶してある制御プログラムに従って、接続してある拡張ユニット3a、3b、・・・に対して指令を送出するCPUを備えている。また、拡張ユニット3a、3b、・・・は、CPUユニット2からの指令に従って、接続してある被制御機器5、5、・・・の動作を制御する。なお、被制御機器5、5、・・・の動作を制御するためのパラメータ情報等は、拡張ユニット3a、3b、・・・が内蔵するメモリ31a、31b、・・・に記憶してある。
【0038】
プログラム作成支援装置4は、CPUユニット2とデータ通信することが可能に接続してあり、作成した制御プログラムをCPUユニット2へ送信する。図2は、本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置4を、CPU等の制御部を用いて構成した場合の構成を示すブロック図である。
【0039】
図2に示すように本実施の形態1に係るプログラム作成支援装置4は、少なくとも制御部(CPU)41、メモリ42、ハードディスク等の記憶装置43、I/Oインタフェース44、ビデオインタフェース45、通信インタフェース46、可搬型ディスクドライブ47及び上述したハードウェアを接続する内部バス48で構成されている。
【0040】
制御部41は、内部バス48を介してプログラム作成支援装置4の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置43に記憶しているコンピュータプログラム100に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ42は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム100の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム100の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0041】
記憶装置43は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置43に記憶しているコンピュータプログラム100は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体90から、可搬型ディスクドライブ47によりダウンロードされ、実行時には記憶装置43からメモリ42へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース46を介してネットワークに接続されている外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0042】
また記憶装置43は、命令語記憶部431、関連情報記憶部432及びシステム構成情報記憶部433を備えている。命令語記憶部431は、拡張ユニット3a、3b、・・・に接続してある被制御機器5、5、・・・の操作を指示する命令語(コマンド)を、被制御機器5、5、・・・が接続してある拡張ユニット3a、3b、・・・に対応付けて記憶してある。したがって、制御プログラムの作成時に入力を受け付けた文字列をキー情報として命令語記憶部431を検索することにより、選択候補となる命令語を抽出することが可能となる。
【0043】
関連情報記憶部432は、命令語に対応付けて、命令語に関連する関連情報を記憶する。記憶する関連情報とは、例えば命令語に対応した、命令語の文法に関する情報、構文に関する情報、引数に関する情報等、命令語を機能させるために必要な関連情報全般である。履歴情報記憶部434は、後述する入力受付部にて入力を受け付けた文字列の履歴を、履歴情報として記憶する。
【0044】
システム構成情報記憶部433は、プログラマブルコントローラを構成するシステム構成情報を記憶する。ここで、「システム構成情報」とは、接続されている拡張ユニット3の種類に関する情報、接続されている拡張ユニット3を識別するユニットID、シリアル番号、拡張ユニット3が接続されているポート番号等の拡張ユニット3に関する情報だけではなく、システム構成の制約条件に関する情報等も含む。システム構成の制約条件とは、例えば1システムにCPUユニット2は1つであること、CPUユニット2は両端、又は電源ユニット若しくはエラー出力ユニットの隣にしか配置することができない、等のシステム構成上の制約条件全般を意味する。
【0045】
I/Oインタフェース44は、キーボード441、マウス442等の入力装置と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース45は、CRTモニタ、LCD等の表示装置451と接続され、所定の画像を表示する。
【0046】
通信インタフェース46は内部バス48に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部のコンピュータ等とデータ送受信することが可能となっている。また、通信線を介してCPUユニット2へデータ送受信することが可能となっている。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置4の機能を示す機能ブロック図である。図3において、構成情報取得部301は、CPUユニット2に接続されている拡張ユニット3のシステム構成情報を取得する。
【0048】
検索対象特定部302は、例えば取得したシステム構成情報に含まれる拡張ユニット3の種類に関する情報に基づいて、拡張ユニット3に接続してある被制御機器5の操作を指示する命令語及び該命令語に関連する関連情報を記憶してある命令語記憶部431及び関連情報記憶部432を検索対象として特定する。
【0049】
なお、関連情報とは、例えば命令語に対応した、命令語の意味、文法等を記述した説明文、制御プログラムの作成者がデバイス、変数等に付与したコメント、拡張ユニット3のメモリ空間情報、拡張ユニット3に固有の命令語及びその説明文、制御プログラム上で特定の意味を有する定数に関する情報(マジックナンバー)等である。
【0050】
図4は、本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置4の拡張ユニット3の種類と命令語記憶部431に相当する検索対象ファイルとの関係を示す例示図である。図4に示すように、プログラマブルコントローラの構成と拡張ユニットIDとを対応付けて記憶してあり、拡張ユニットIDごとに検索対象となる検索対象ファイルが対応付けて記憶してある。このようなデータ構成としておくことにより、拡張ユニット3の種類に関する情報を含むシステム構成情報を取得した時点で、検索対象ファイルを特定することができる。関連情報記憶部432に相当する検索対象ファイルについても、同様の方法で特定することができる。なお、図4の例では、拡張ユニットID‘0’をCPUユニット2として一括管理している。また、プログラマブルコントローラの構成の番号は、それぞれ拡張ユニット3、3、・・・の実際の接続状態に対応した接続順序を示しており、CPUユニット2は‘0’と、エンドユニットは空白としている。
【0051】
なお、システム構成情報を取得するタイミングは、拡張ユニット3をCPUユニット2へ接続した時点に限定されるものではなく、プログラム作成支援装置4の制御部41が検索処理を開始する都度、接続してある拡張ユニット3のシステム構成情報を取得するようにしても良い。これにより、常に最新の拡張ユニット3の接続状況に応じたシステム構成情報を取得することができ、確実に制御プログラムの作成を支援することが可能となる。また、システム構成情報をプログラム作成支援装置4から設定することができるようにしても良い。
【0052】
図3に戻って、入力受付部303は、キーボード441、マウス442等の入力装置を用いて、命令語を含む制御プログラムのソースコードの入力を受け付ける。図5は、入力を受け付ける文字列の例示図である。
【0053】
本実施の形態1では、表示装置451の文字列入力領域501に文字列の入力を受け付ける。本実施の形態1では、制御プログラムはいわゆるラダー形式のプログラムであり、最初の文字列は命令語である。例えば図5(a)に示すように、文字列入力領域501に一の文字列「COMMAND」の入力を受け付けた場合、プログラム作成支援装置4の制御部41は、文字列「COMMAND」が命令語に関する文字列であると判断する。
【0054】
また、図5(b)に示すように、文字列入力領域501に複数の文字列「COMMAND A1 A2・・・」の入力を受け付けた場合、プログラム作成支援装置4の制御部41は、空白(スペース)の存在を検出し、最初の空白までの文字列「COMMAND」が命令語に関する文字列であると判断する。また、空白により二番目の文字列「A1」、三番目の文字列「A2」、・・・というように順次文字列を特定することにより、それぞれの文字列が命令語の関連情報に関する文字列であることを順次判断することができる。
【0055】
例えば図3に示すように入力位置判定部311は、入力を受け付けた文字列中の空白の存在を検出し、それぞれ何文字目から何文字目までが何番目の文字列であるのか位置を判定する。そして、文字列判定部312は、それぞれの位置における文字列がどの命令語、どの関連情報であるかを判定することにより、判定された命令語に関する文字列、関連情報に関する文字列を、それぞれ命令語記憶部431、関連情報記憶部432と照会するためのキー情報とすることができる。
【0056】
もちろん、空白の存在を検出することにより、文字列の位置を判定する方法に限定されるものではなく、命令語の文法に応じて変更することができる。例えば図5(c)に示すように、文字列入力領域501に文字列「COMMAND(A1、A2、・・・)」の入力を受け付けた場合、プログラム作成支援装置4の制御部41は、括弧を検出してから括弧で囲まれている範囲内でカンマを検出して文字列の位置を判定することになる。
【0057】
また、文字列の入力の受付が終了したか否かを、入力を受け付けるインターバルで判断しても良い。図6は、本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置4の入力インターバル判断処理の手順を示すフローチャートである。
【0058】
図6に示すように、プログラム作成支援装置4の制御部41は、キーボード441のキーイン操作の監視を開始する(ステップS601)。制御部41は、キーイン操作の開始を検知し(ステップS602)、同時に内蔵しているタイマ等を用いて計時を開始する(ステップS603)。
【0059】
制御部41は、一定時間経過したか否かを判断し(ステップS604)、制御部41が、一定時間経過していないと判断した場合(ステップS604:NO)、制御部41は、新たなキーイン操作を検知したか否かを判断する(ステップS605)。制御部41が、新たなキーイン操作を検知したと判断した場合(ステップS605:YES)、制御部41は、キーイン操作が継続していると判断し、計時をリセット(タイマをゼロリセット)し(ステップS606)、処理をステップS604へ戻す。
【0060】
制御部41が、新たなキーイン操作を検知していないと判断した場合(ステップS605:NO)、制御部41は、処理をステップS604へ戻す。制御部41が、一定時間経過したと判断した場合(ステップS604:YES)、制御部41は、キーイン操作の終了を検知する(ステップS607)。すなわち、図3の機能ブロック図において、キーイン操作の開始から終了までのインターバルを検出する入力インターバル検出部313、及び検出したインターバルが一定時間を超えているか否かを判断する入力インターバル判断部314として機能する。
【0061】
図3に戻って、検索部304は、入力を受け付けた文字列について、まず命令語をキー情報として命令語記憶部431を検索し、選択候補となる命令語を抽出して表示装置451に表示する。本実施の形態1では、最初の文字列が命令語であることから、最初の文字列をキー情報として命令語記憶部431を検索する。命令語記憶部431の検索は、完全一致検索であっても良いが、特にこれに限定されるものではなく、あいまい検索、部分一致検索であっても良いことは言うまでもない。
【0062】
次に、命令語の次の文字列をキー情報として、関連情報記憶部432を検索し、選択候補となる関連情報を抽出して表示装置451に表示する。本実施の形態1では、最初の文字列が命令語であることから、二番目以降の文字列をキー情報とした場合には関連情報記憶部432を検索する。関連情報記憶部432の検索は、完全一致検索であっても良いが、特にこれに限定されるものではなく、あいまい検索、部分一致検索であっても良いことは言うまでもない。
【0063】
また、命令語記憶部431を検索対象とした場合に検索した命令語をキー情報として、関連情報記憶部432を検索することが好ましい。選択候補として抽出した命令語に対応する関連情報のみを検索することができるからである。
【0064】
選択受付部305は、検索した結果である候補文字列から命令語又は関連情報の選択を受け付ける。これにより、あいまいな記憶に依存して制御プログラムの作成作業を開始した場合であっても、本来コーディングするべき候補文字列を確実に表示及び選択することができる。
【0065】
図7は、本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置4の候補文字列選択処理の手順を示すフローチャートである。図7に示すように、プログラム作成支援装置4の制御部41は、CPUユニット2に接続してある拡張ユニット3のシステム構成情報を取得する(ステップS701)。
【0066】
制御部41は、取得したシステム構成情報に含まれる拡張ユニット3の種類に関する情報に基づいて、拡張ユニット3に固有の関連情報を記憶してある命令語記憶部431及び関連情報記憶部432を検索対象として特定する(ステップS702)。すなわち、CPUユニット2に接続してある拡張ユニット3、3、・・・の命令語を記憶している命令語記憶部431、及びCPUユニット2に接続してある拡張ユニット3、3、・・・の命令語の関連情報を記憶している関連情報記憶部432を、検索対象として特定する。事前に検索対象となる拡張ユニット3、3、・・・の命令語及び関連情報を全て記憶しておき、その中から検索対象とするべき命令語及び関連情報を抽出するようにしても良いし、特定された命令語記憶部431及び関連情報記憶部432を検索対象としても良い。
【0067】
制御部41は、文字列の入力を受け付け(ステップS703)、入力を受け付けた文字列を命令語と、その他の関連情報とに類別する(ステップS704)。両者を類別する方法は、図5に例示した方法と同様である。
【0068】
制御部41は、命令語をキー情報として命令語記憶部431を検索対象として検索し、候補文字列を抽出する(ステップS705)。図8は、ラダー形式の制御プログラムにおいて、命令語をキー情報として検索された候補文字列が表示された画面の例示図である。図8の例では、文字列入力領域81にて入力を受け付けた文字列「バッファ」に対して、制御プログラムにおいて用いるべき命令語の候補文字列をプルダウンメニュー82にて表示している。制御プログラムの作成者は、自分の求める作業に応じた命令語を容易に選択することができる。
【0069】
図7に戻って、プログラム作成支援装置4の制御部41は、抽出した候補文字列を所定のルールで分類(ソート)し(ステップS706)、候補文字列の選択を受け付ける(ステップS707)。候補文字列の分類のルールは特に限定されるものではないが、特定の命令語との関連度、半角/全角の区別、大文字/小文字の区別等に基づいてランク付けを実行し、ランクの降順に表示すれば良い。
【0070】
また、作成している制御プログラム中での使用回数、使用頻度等に基づいてランク付けを実行しても良い。すなわち、図3の使用率算出部306が、制御プログラムにおいて用いられる命令語、あるいは関連情報の使用率を算出し、分類部307にて、算出した使用率に基づいて検索結果である候補文字列を使用率の降順に分類して表示する。
【0071】
図9は、本発明の実施の形態1に係るプログラム作成支援装置4の制御部41の候補文字列の使用率に基づく分類処理の手順を示すフローチャートである。図9において、プログラム作成支援装置4の制御部41は、候補文字列ごとに制御プログラムにおける使用率を算出する(ステップS901)。使用率の算出方法は、特に限定されるものではないが、例えば候補文字列ごとに、候補文字列の使用回数に候補文字列のワード数を乗算した値を求め、制御プログラムのワード数で除算することにより使用率を算出する。
【0072】
制御部41は、算出した使用率の降順に候補文字列を分類して(ステップS902)、表示装置451に表示する。
【0073】
また、候補文字列の分類に、過去に入力を受け付けた文字列に関する履歴情報を考慮しても良い。同じ制御プログラムの作成者であれば、同様の命令語を使用する可能性が高いからである。この場合、例えば図3に示す入力受付部303にて、入力を受け付けた文字列を履歴情報として履歴情報記憶部434に記憶しておき、分類部307が、記憶してある履歴情報を優先して分類すれば良い。
【0074】
図7に戻って、プログラム作成支援装置4の制御部41は、文字列が確定したか否かを判断する(ステップS708)。すなわち、全ての文字列について、候補文字列の選択を受け付けたか否かを判断する。制御部41が、文字列が確定していないと判断した場合(ステップS708:NO)、制御部41は、関連情報をキー情報として関連情報記憶部432を検索対象として検索し、候補文字列を抽出する(ステップS709)。
【0075】
図10は、ラダー形式の制御プログラムにおいて、検索された関連情報をキー情報として検索された候補文字列が表示された画面の例示図である。図10の例では、文字列入力領域101にて入力を受け付けた文字列「位置決め」に対して、デバイスとして用いるべき候補文字列をプルダウンメニュー102にて表示している。制御プログラムの作成者は、自分の求める作業に応じたデバイスを容易に選択することができる。
【0076】
図7に戻って、プログラム作成支援装置4の制御部41は、抽出された候補文字列を所定のルールで分類(ソート)し(ステップS710)、候補文字列の選択を受け付け(ステップS711)、処理をステップS708へ戻す。候補文字列の分類のルールは特に限定されるものではないが、特定の命令語との関連度、半角/全角の区別、大文字/小文字の区別等に基づいてランク付けを実行し、ランクの降順に表示すれば良い。また、作成している制御プログラム中での使用回数、使用頻度等に基づいてランク付けを実行しても良い。
【0077】
制御部41が、文字列が確定したと判断した場合(ステップS708:YES)、すなわち、制御プログラムのプログラムコードが確定したと判断した場合、確定した文字列をプログラムコードとして記憶手段43に記憶し(ステップS712)、次のコマンドのコーディング作業を続行する。
【0078】
以上のように本実施の形態1によれば、取得したシステム構成情報に基づいて、検索対象となる命令語及び関連情報を特定することができ、入力を受け付けた文字列の順序に応じて特定した命令語又は関連情報のみを検索することができるので、検索処理負荷を軽減することができ、拡張ユニットの接続状況に応じて検索結果を効果的に絞り込むことが可能となる。
【0079】
なお、上述した実施の形態1では、プログラム作成支援装置4の記憶装置43に命令語記憶部431及び関連情報記憶部432を備えているが、命令語記憶部431及び関連情報記憶部432は、プログラム作成支援装置4の制御部41がネットワーク等を介して検索することが可能であればどこに記憶されていても良い。例えば作成した制御プログラムを記憶するCPUユニット2の内蔵するメモリ21に記憶しても良いし、拡張ユニット3a、3b、・・・の内蔵するメモリ31a、31b、・・・に記憶しても良い。
【0080】
また、システム構成情報の設定は、図3に示すシステム構成情報設定部315を介して設定しても良い。システム構成情報設定部315では、表示装置451に拡張ユニット3の選択を受け付ける選択画面を表示し、マウス442等の操作により選択を受け付けることで、選択を受け付けた拡張ユニット3に関する情報を、システム構成情報に追加、又はシステム構成情報から削除することができ、更新されたシステム構成情報は、システム構成情報記憶部433に記憶される。このようにすることで、拡張ユニット3の着脱に伴って、若しくは実際に拡張ユニット3を着脱することなくシステム構成情報を変更することができ、拡張ユニット3の種類と命令語記憶部431に相当する検索対象ファイルを容易に拡張、変更等することが可能となる。
【0081】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るプログラム作成支援装置4により制御プログラムの作成支援対象となるプログラマブルコントローラ1の構成、プログラム作成支援装置4の構成は、実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。本実施の形態2では、被制御機器5の動作を制御する拡張ユニット3及びCPUユニット2に、それぞれ命令語及び関連情報を記憶しておき、どちらに記憶してある命令語及び関連情報を検索対象とするか選択する点で実施の形態1とは相違する。
【0082】
図11は、本発明の実施の形態2に係るプログラム作成支援装置4の機能を示す機能ブロック図である。図11において、実施の形態1と同様の機能を有する機能ブロックについては、同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。
【0083】
図11に示すように、本発明の実施の形態2に係るプログラム作成支援装置4は、記憶装置43に命令語記憶部431及び関連情報記憶部432を備えるのではなく、プログラマブルコントローラ1を構成するCPUユニット2のメモリ21及びCPUユニット2に接続してある拡張ユニット3a、3b、・・・のメモリ31a、31b、・・・に命令語及び関連情報を記憶している。すなわちCPUユニット2のメモリ21は、拡張ユニット3a、3b、・・・に接続してある被制御機器5、5、・・・の操作を指示する命令語(コマンド)を記憶してある命令語記憶部22、及び命令語に関連する関連情報を記憶してある関連情報記憶部23を備えている。同様に、拡張ユニット3a、3b、・・・のメモリ31a、31b、・・・は、各拡張ユニット3a、3b、・・・に接続してある被制御機器5、5、・・・の操作を指示する命令語(コマンド)を記憶してある命令語記憶部32a、32b、・・・、及び命令語に関連する関連情報を記憶してある関連情報記憶部33a、33b、・・・を備えている。
【0084】
情報複写部1101は、CPUユニット2に拡張ユニット3、3、・・・が新たに接続された時点で、拡張ユニット3に固有の命令語及び関連情報をCPUユニット2へ複写する。具体的には、CPUユニット2に接続してある拡張ユニット3a、3b、・・・のメモリ31a、31b、・・・に備えている命令語記憶部32a、32b、・・・、及び関連情報記憶部33a、33b、・・・にそれぞれ記憶してある命令語及び関連情報を、CPUユニット2のメモリ21の命令語記憶部22及び関連情報記憶部23に複写する。
【0085】
入力受付部303の検索対象選択部1102は、入力を受け付けた命令語に応じて、拡張ユニット3a、3b、・・・のメモリ31a、31b、・・・に備えている命令語記憶部32a、32b、・・・、及び関連情報記憶部33a、33b、・・・を検索対象とするか、CPUユニット2のメモリ21の命令語記憶部22及び関連情報記憶部23を検索対象とするかを選択する。すなわち、命令語によっては拡張ユニット3に固有の命令語及び関連情報のみを検索対象とすれば足り、CPUユニット2のメモリ21の命令語記憶部22及び関連情報記憶部23を検索対象とすることなく、直接対応する拡張ユニット3a、3b、・・・のメモリ31a、31b、・・・に備えている命令語記憶部32a、32b、・・・、及び関連情報記憶部33a、33b、・・・にそれぞれ記憶してある命令語及び関連情報を検索対象とすることにより、より検索処理負荷を軽減することができ、検索レスポンスの向上を図ることが可能となる。
【0086】
図12は、本発明の実施の形態2に係る命令語記憶部22及び関連情報記憶部23の複写処理を示す模式図である。図12に示すように、CPUユニット2に複数の拡張ユニット3a、3b、・・・が接続してある場合、拡張ユニット3aのメモリ31aに記憶してある命令語及び関連情報、拡張ユニット3bのメモリ31bに記憶してある命令語及び関連情報等を、CPUユニット2のメモリ21へ複写する。このようにすることで、プログラム作成支援装置4の制御部41は、入力を受け付けた文字列をキー情報として、拡張ユニット3a、3b、・・・のメモリ31a、31b、・・・を直接検索することも、CPUユニット2のメモリ21を検索することもできる。
【0087】
例えば入力を受け付けた文字列が命令語「LD」であった場合、命令語「LD」は拡張ユニット3に固有の命令語ではないことから、制御部41は、CPUユニット2のメモリ21を検索対象として選択する。一方、入力を受け付けた文字列が命令語「U_WRMD」であった場合、命令語「U_WRMD」は拡張ユニット3に固有の命令語であるので、制御部41は、命令語「U_WRMD」及び命令語「U_WRMD」の関連情報が記憶してある拡張ユニット3a(3b)のメモリ31a(31b)を検索対象として選択する。
【0088】
以上のように本実施の形態2によれば、入力を受け付けた文字列に応じて、被制御機器5の動作を制御する拡張ユニット3に記憶してある命令語及び関連情報を検索対象とするか、CPUユニット2に複写して記憶してある拡張ユニット3に固有の命令語及び関連情報を検索対象とするかを選択することができ、検索処理負荷を軽減してより高速に検索することが可能となる。
【0089】
なお、本発明は上記実施の形態1及び2に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。例えば、命令語及び関連情報を、プログラム作成支援装置4の記憶装置43に集約して記憶しておくことに限定されず、CPUユニット2、拡張ユニット3、3、・・・に記憶してある命令語及び関連情報をネットワーク上の仮想ディスクに記憶しておいても良い。
【符号の説明】
【0090】
1 プログラマブルコントローラ
2 CPUユニット
3、3a、3b 拡張ユニット
4 プログラム作成支援装置
5 被制御機器
21、31a、31b メモリ
41 制御部
42 メモリ
43 記憶装置
44 I/Oインタフェース
45 ビデオインタフェース
46 通信インタフェース
47 可搬型ディスクドライブ
431 命令語記憶部
432 関連情報記憶部
433 システム構成情報記憶部
434 履歴情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御機器に接続してある拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、前記被制御機器の動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラにおいて実行される制御プログラムの作成を支援するプログラム作成支援装置において、
制御プログラムで用いる命令語を記憶する命令語記憶部と、
命令語に関連する関連情報を該命令語に対応付けて記憶する関連情報記憶部と
を、前記拡張ユニットの種類ごとにそれぞれ別個に有する記憶手段と、
前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットの種類を含む構成情報を取得する構成情報取得手段と、
取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として特定する検索対象特定手段と、
文字列の入力を受け付ける入力受付手段と、
入力を受け付けた文字列の順序に応じて、特定された前記命令語記憶部又は前記関連情報記憶部を検索する検索手段と、
該検索手段での検索結果から前記命令語又は前記関連情報の選択を受け付ける選択受付手段と
を備えることを特徴とするプログラム作成支援装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットに対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を全て有するようにしてあり、
前記検索対象特定手段は、前記構成情報取得手段で取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として抽出するようにしてあることを特徴とする請求項1記載のプログラム作成支援装置。
【請求項3】
前記構成情報取得手段は、前記検索手段が検索を開始する都度、前記構成情報を取得するようにしてあることを特徴とする請求項1記載のプログラム作成支援装置。
【請求項4】
前記検索手段は、前記命令語記憶部を検索対象とした場合に検索した命令語をキー情報として、前記関連情報記憶部を検索するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプログラム作成支援装置。
【請求項5】
前記拡張ユニットに記憶してある、前記拡張ユニットに固有の命令語及び関連情報を、前記CPUユニットに複写して記憶する情報複写手段と、
入力を受け付けた文字列に応じて、前記拡張ユニットに記憶してある命令語及び関連情報か、前記CPUユニットに複写して記憶してある命令語及び関連情報か、いずれかを検索対象として選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプログラム作成支援装置。
【請求項6】
前記制御プログラムにおいて用いられる命令語の使用率を算出する使用率算出手段と、
算出した使用率に基づいて検索結果を分類する分類手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプログラム作成支援装置。
【請求項7】
入力を受け付けた文字列を履歴情報として記憶する履歴情報記憶手段を備え、
前記分類手段は、記憶してある前記履歴情報を優先して分類するようにしてあることを特徴とする請求項6記載のプログラム作成支援装置。
【請求項8】
文字列の入力を受け付けるインターバルを検出する入力インターバル検出手段と、
検出したインターバルが一定時間を超えたか否かを判断する入力インターバル判断手段と
を備え、
該入力インターバル判断手段で一定時間を超えたと判断した場合、前記検索手段に検索を開始させるようにしてあることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム作成支援装置。
【請求項9】
前記検索手段は、部分一致検索又はあいまい検索を行うようにしてあることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のプログラム作成支援装置。
【請求項10】
被制御機器に接続してある拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、前記被制御機器の動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラにおいて実行される制御プログラムの作成を支援するプログラム作成支援装置で実行することが可能なプログラム作成支援方法において、
前記プログラム作成支援装置は、
制御プログラムで用いる命令語と、該命令語に対応付けた命令語に関連する関連情報とを、前記拡張ユニットの種類ごとにそれぞれ別個に記憶し、
前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットの種類を含む構成情報を取得し、
取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として特定し、
文字列の入力を受け付け、
入力を受け付けた文字列の順序に応じて、特定された前記命令語又は前記関連情報を検索し、
検索結果から前記命令語又は前記関連情報の選択を受け付けることを特徴とするプログラム作成支援方法。
【請求項11】
被制御機器に接続してある拡張ユニット及びCPUユニットで構成してあり、前記被制御機器の動作をシーケンシャル制御するプログラマブルコントローラにおいて実行される制御プログラムの作成を支援するプログラム作成支援装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記プログラム作成支援装置は、
制御プログラムで用いる命令語を記憶する命令語記憶部と、
命令語に関連する関連情報を該命令語に対応付けて記憶する関連情報記憶部と
を、前記拡張ユニットの種類ごとにそれぞれ別個に有しており、
前記プログラム作成支援装置を、
前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットの種類を含む構成情報を取得する構成情報取得手段と、
取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として特定する検索対象特定手段、
文字列の入力を受け付ける入力受付手段、
入力を受け付けた文字列の順序に応じて、特定された前記命令語記憶部又は前記関連情報記憶部を検索する検索手段、及び
該検索手段での検索結果から前記命令語又は前記関連情報の選択を受け付ける選択受付手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記記憶手段は、前記プログラマブルコントローラを構成する一又は複数の前記拡張ユニットに対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を全て有するようにしてあり、
前記検索対象特定手段を、前記構成情報取得手段で取得した構成情報に対応する前記命令語記憶部及び前記関連情報記憶部を検索対象として抽出する手段として機能させることを特徴とする請求項11記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記構成情報取得手段を、前記検索手段が検索を開始する都度、前記構成情報を取得する手段として機能させることを特徴とする請求項11記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記検索手段を、前記命令語記憶部を検索対象とした場合に検索した命令語をキー情報として、前記関連情報記憶部を検索する手段として機能させることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記プログラム作成支援装置を、
前記拡張ユニットに記憶してある、前記拡張ユニットに固有の命令語及び関連情報を、前記CPUユニットに複写して記憶する情報複写手段、及び
入力を受け付けた文字列に応じて、前記拡張ユニットに記憶してある命令語及び関連情報か、前記CPUユニットに複写して記憶してある命令語及び関連情報か、いずれかを検索対象として選択する選択手段
として機能させることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記プログラム作成支援装置を、
前記制御プログラムにおいて用いられる命令語の使用率を算出する使用率算出手段、及び
算出した使用率に基づいて検索結果を分類する分類手段
として機能させることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記プログラム作成支援装置を、
文字列の入力を受け付けるインターバルを検出する入力インターバル検出手段、
検出したインターバルが一定時間を超えたか否かを判断する入力インターバル判断手段、及び
該入力インターバル判断手段で一定時間を超えたと判断した場合、前記検索手段に検索を開始させる手段
として機能させることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−28562(P2011−28562A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174467(P2009−174467)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】