説明

プログラム及びダイヤ比較評価支援装置

【課題】計画ダイヤと実績ダイヤデータとを様々な角度から対比することを可能とするシステムを実現すること。
【解決手段】計画ダイヤと、当該計画ダイヤに従って運行された各実績ダイヤデータそれぞれとが比較されることで、複数種類の分析処理が行われる。具体的には、(A)遅延分析処理、(B)相互遅延分析処理、(C)接続遅延分析処理、(D)運転時分分析処理、(E)停車時分分析処理、(F)折り返し時分分析処理の6種類の分析処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びダイヤ比較評価支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
列車の運行状況の把握・分析は、ダイヤ改正による新たな基本ダイヤに対する評価や、現在の計画ダイヤに対する評価を行う上で重要な作業の1つであった。しかし、列車の運行状況を把握する作業は人手で行われるのが実情であり、多大な労力のかかる作業であった。また、収集・把握された運行状況の評価は、様々な角度から分析して行う必要があり、これもまた人間が行っていた。
【0003】
一方、列車の運行を円滑に進めるための運転指令や輸送指令の業務を支援するシステムとして列車運行管理システムがあり、この列車運行管理システムで管理されている運行状況の情報に基づいて種々の情報を提供するシステムが研究・開発されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−094125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
列車運行管理システムには、日々の列車運行実績データが蓄積されるため、この列車運行実績データを利用して、基本ダイヤや計画ダイヤの評価を支援することのできるシステムを実現できれば、列車の運行状況の把握・分析の作業に至便である。本発明は、計画ダイヤと実績ダイヤデータとを様々な角度から対比することを可能とするシステムを実現することを目的として為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するための第1の発明は、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64)と、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータ(例えば、図3の実績ダイヤデータ67)とを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段(例えば、図5のステップA1)、
前記指定された駅の前記基準ダイヤデータにおける着発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータの当該駅での着発時刻の遅延時分を、各列車毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出する遅延時分算出手段(例えば、図5のステップA15、A35)、
前記遅延時分算出手段によって算出された各遅延時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段(例えば、図5のステップA21)、
として機能させるためのプログラム(例えば、図1のダイヤ比較評価支援プログラム61)である。
【0006】
また、他の発明として、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段と、
前記指定された駅の前記基準ダイヤデータにおける着発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータの当該駅での着発時刻の遅延時分を、各列車毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出する遅延時分算出手段と、
前記遅延時分算出手段によって算出された各遅延時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置(例えば、図1のダイヤ比較評価支援装置1)を構成してもよい。
【0007】
この第1の発明等によれば、複数の駅の中から択一的に指定された駅での着発時刻の遅延時分が、各列車毎に、基準ダイヤデータと各比較対象ダイヤデータそれぞれとが比較されることで算出される。そして、算出された各遅延時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフが描画される。従って、例えば基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータを選択し、比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータを選択することで、指定駅での着発遅延の実績を分析することが可能となる。また、各遅延時分の度数分布や累積相対度数分布のグラフが描画されるため、着発遅延の傾向を視覚的に把握することができ、容易に評価ができるようになる。
【0008】
第2の発明は、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64)と、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータ(例えば、図3の実績ダイヤデータ67)とを記憶するコンピュータを、
前記複数の列車のうちの何れかの列車と前記複数の駅のうちの何れかの駅との組み合わせを2組指定する指定手段(例えば、図7のステップB1)、
前記指定された列車の前記指定された駅での前記基準ダイヤデータにおける着発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータにおける着発時刻の遅延時分を、前記各比較対象ダイヤデータ毎に、前記指定された2組それぞれについて算出する遅延時分算出手段(例えば、図7のステップB11、B15)、
前記遅延時分算出手段により算出された前記2組のうちの一方の組の遅延時分と他方の組の遅延時分との対応関係を前記各比較対象ダイヤデータ毎にプロットした散布図を描画する描画手段(例えば、図7のステップB21)、
として機能させるためのプログラムである。
【0009】
また、他の発明として、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の列車のうちの何れかの列車と前記複数の駅のうちの何れかの駅との組み合わせを2組指定する指定手段と、
前記指定された列車の前記指定された駅での前記基準ダイヤデータにおける着発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータにおける着発時刻の遅延時分を、前記各比較対象ダイヤデータ毎に、前記指定された2組それぞれについて算出する遅延時分算出手段と、
前記遅延時分算出手段により算出された前記2組のうちの一方の組の遅延時分と他方の組の遅延時分との対応関係を前記各比較対象ダイヤデータ毎にプロットした散布図を描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置(例えば、図1のダイヤ比較評価支援装置1)を構成してもよい。
【0010】
この第2の発明等によれば、列車と駅との組み合わせが2組指定され、指定された2組それぞれについて、指定された列車の指定された駅での着発時刻が、基準ダイヤデータと各比較対象ダイヤデータそれぞれとが比較されることで算出される。そして、算出された2組のうちの一方の組の遅延時分と他方の組の遅延時分との対応関係が各比較対象ダイヤデータ毎にプロットされた散布図が描画される。従って、例えば基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータを選択し、比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータを選択することで、2組の列車の指定駅での着発遅延の相互関係を分析することが可能となる。また、遅延時分の対応関係を示す散布図が描画されるため、列車同士の遅延の依存関係を視覚的に把握することができ、評価を容易に行うことができる。
【0011】
第3の発明は、
各列車の各駅の着発時刻が当該列車の列車種別と対応付けて記録された基準ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64)と、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に当該列車の列車種別と対応付けて記録された1以上の比較対象ダイヤデータ(例えば、図3の実績ダイヤデータ67)とを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段(例えば、図8のステップC1)、
列車種別が異なる列車同士の前記指定された駅での発時刻間隔が所定の接続時分条件を満足する列車同士を前記基準ダイヤデータの中から検索する接続列車検索手段(例えば、図8のステップC11)、
前記基準ダイヤデータにおける前記検索された列車の前記指定された駅の発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータにおける当該列車の当該駅の発時刻の発遅延時分を、前記各比較対象ダイヤデータ毎に、前記接続列車検索手段により検索された列車同士それぞれについて算出する発遅延時分算出手段(例えば、図8のステップC17、C25)、
前記検索された列車同士の一方の列車について前記発遅延時分算出手段により算出された発遅延時分と、他方の列車について前記算出された発遅延時分との対応関係を、前記検索された列車同士毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについてプロットした散布図を描画する描画手段(例えば、図8のステップC35)、
として機能させるためのプログラムである。
【0012】
また、他の発明として、
各列車の各駅の着発時刻が当該列車の列車種別と対応付けて記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に当該列車の列車種別と対応付けて記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段と、
列車種別が異なる列車同士の前記指定された駅での発時刻間隔が所定の接続時分条件を満足する列車同士を前記基準ダイヤデータの中から検索する接続列車検索手段と、
前記基準ダイヤデータにおける前記検索された列車の前記指定された駅の発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータにおける当該列車の当該駅の発時刻の発遅延時分を、前記各比較対象ダイヤデータ毎に、前記接続列車検索手段により検索された列車同士それぞれについて算出する発遅延時分算出手段と、
前記検索された列車同士の一方の列車について前記発遅延時分算出手段により算出された発遅延時分と、他方の列車について前記算出された発遅延時分との対応関係を、前記検索された列車同士毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについてプロットした散布図を描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置(例えば、図1のダイヤ比較評価支援装置1)を構成してもよい。
【0013】
この第3の発明等によれば、複数の駅の中から択一的に指定された駅での、発時刻間隔が所定の接続時分条件を満足する列車種別の異なる列車同士が、基準ダイヤデータの中から検索される。そして、検索された列車の指定された駅の発時刻に対する比較対象ダイヤデータにおける当該列車の当該駅の発時刻の発遅延時分が、各比較対象ダイヤデータ毎に、検索された列車同士それぞれについて算出される。そして、検索された列車同士の一方の列車について算出された発遅延時分と、他方の列車について算出された発遅延時分との対応関係が、検索された列車同士毎に各比較対象ダイヤデータそれぞれについてプロットされた散布図が描画される。従って、例えば基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータを選択し、比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータを選択することで、計画で予定されていた列車同士の接続が実際に図られたのか否かを分析することが可能となる。また、分析結果として散布図が描画されるため、計画で接続を予定していた列車同士の発遅延の相関を視覚的に把握することができ、評価が容易になる。
【0014】
第4の発明は、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64)と、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータ(例えば、図3の実績ダイヤデータ67)とを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から2つの駅を指定する駅指定手段(例えば、図9のステップD1)、
前記指定された2つの駅間の前記基準ダイヤデータにおける運転時分と前記比較対象ダイヤデータにおける運転時分との差を、各列車毎に前記各比較対象列車データそれぞれについて算出する運転時分差算出手段(例えば、図9のステップD19、D49)、
前記運転時分差算出手段によって算出された各運転時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段(例えば、図9のステップD25)、
として機能させるためのプログラムである。
【0015】
また、他の発明として、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から2つの駅を指定する駅指定手段と、
前記指定された2つの駅間の前記基準ダイヤデータにおける運転時分と前記比較対象ダイヤデータにおける運転時分との差を、各列車毎に前記各比較対象列車データそれぞれについて算出する運転時分差算出手段と、
前記運転時分差算出手段によって算出された各運転時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置(例えば、図1のダイヤ比較評価支援装置1)を構成してもよい。
【0016】
この第4の発明等によれば、指定された2つの駅間の基準ダイヤデータにおける運転時分と比較対象ダイヤデータにおける運転時分との差が、各列車毎に各比較対象列車データそれぞれについて算出される。そして、算出された各運転時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフが描画される。従って、例えば基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータを選択し、比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータを選択することで、指定駅間の運転時分の実績を分析することができる。また、運転時分の長短に関わる度数分布や累積相対度数分布のグラフが描画されるため、運転時分の長短の傾向を視覚的に把握することができ、評価に役立てることができる。
【0017】
第5の発明は、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64)と、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータ(例えば、図3の実績ダイヤデータ67)とを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段(例えば、図10のステップE1)、
前記指定された駅の前記基準ダイヤデータにおける停車時分と前記比較対象ダイヤデータにおける停車時分との差を、各列車毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出する停車時分差算出手段(例えば、図10のステップE15、E41)、
前記停車時分差算出手段によって算出された各停車時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段(例えば、図10のステップE21)、
として機能させるためのプログラムである。
【0018】
また、他の発明として、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段と、
前記指定された駅の前記基準ダイヤデータにおける停車時分と前記比較対象ダイヤデータにおける停車時分との差を、各列車毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出する停車時分差算出手段と、
前記停車時分差算出手段によって算出された各停車時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置(例えば、図1のダイヤ比較評価支援装置1)を構成してもよい。
【0019】
この第5の発明等によれば、指定された駅の基準ダイヤデータにおける停車時分と比較対象ダイヤデータにおける停車時分との差が、各列車毎に各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出される。そして、算出された各停車時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフが描画される。従って、例えば基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータを選択し、比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータを選択することで、指定駅での停車時分の実績について分析することが可能となる。また、停車時分の長短に関する度数分布や累積相対度数分布のグラフが描画されるため、停車時分の長短の傾向を視覚的に把握することができ、評価が容易になる。
【0020】
第6の発明は、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64)と、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータ(例えば、図3の実績ダイヤデータ67)とを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定するとともに、当該駅での折り返し列車を指定する指定手段(例えば、図11のステップF1)、
前記指定された駅での前記指定された折り返し列車の前記各比較対象ダイヤデータそれぞれにおける折り返し時分を算出する折り返し時分算出手段(例えば、図11のステップF9)、
前記折り返し時分算出手段によって算出された各折り返し時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段(例えば、図11のステップF15)、
として機能させるためのプログラムである。
【0021】
また、他の発明として、
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定するとともに、当該駅での折り返し列車を指定する指定手段と、
前記指定された駅での前記指定された折り返し列車の前記各比較対象ダイヤデータそれぞれにおける折り返し時分を算出する折り返し時分算出手段と、
前記折り返し時分算出手段によって算出された各折り返し時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置(例えば、図1のダイヤ比較評価支援装置1)を構成してもよい。
【0022】
この第6の発明等によれば、指定された駅での指定された折り返し列車の各比較対象ダイヤデータそれぞれにおける折り返し時分が算出され、各折り返し時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフが描画される。従って、例えば基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータを選択し、比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータを選択することで、折り返し時分の実績を分析することが可能となる。また、折り返し時分の度数分布や累積相対度数分布のグラフが描画されるため、折り返し時分の傾向を視覚的に把握することができ、評価に役立てることができる。
【0023】
また、第7の発明のように、第6の発明において、
前記折り返し時分算出手段が、前記指定された駅での前記指定された折り返し列車の前記基準ダイヤデータにおける折り返し時分と前記各比較対象データそれぞれにおける折り返し時分との差を算出し、
前記描画手段が、前記算出された各折り返し時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0024】
この第7の発明によれば、指定された駅での指定された折り返し列車の基準ダイヤデータにおける折り返し時分と各比較対象データそれぞれにおける折り返し時分との差が算出される。そして、算出された各折り返し時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフが描画される。従って、基準ダイヤに対する折り返し時分の差、即ち折り返し時分の長短について分析することが可能となる。
【0025】
また、第8の発明のように、第1〜第7の何れかの発明において、
前記基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64)又は基本ダイヤデータを選択する第1の選択手段、
前記比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータ(例えば、図3の実績ダイヤデータ67)を選択する第2の選択手段、
として前記コンピュータを更に機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0026】
この第8の発明によれば、基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータ又は基本ダイヤデータ、比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータがそれぞれ選択される。従って、第1〜第7の発明と相まって、計画ダイヤや基本ダイヤを基に、実績ダイヤについて分析することが可能となる。
【0027】
また、第9の発明のように、第1〜第7の何れかの発明において、
前記基準ダイヤデータとして第1の計画ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64−1)又は第1の基本ダイヤデータを選択する第1の選択手段、
前記比較対象ダイヤデータとして第2の計画ダイヤデータ(例えば、図2の計画ダイヤデータ64−2)又は第2の基本ダイヤデータを選択する第2の選択手段、
として前記コンピュータを更に機能させるためのプログラムを構成してもよい。
【0028】
この第9の発明によれば、基準ダイヤデータとして第1の計画ダイヤデータ又は第1の基本ダイヤデータ、比較対象データとして第2の計画ダイヤデータ又は第2の基本ダイヤデータがそれぞれ選択される。従って、第1〜第7の発明と相まって、計画ダイヤ同士や基本ダイヤ同士の対比を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、複数の駅の中から択一的に指定された駅での着発時刻の遅延時分が、各列車毎に、基準ダイヤデータと各比較対象ダイヤデータそれぞれとが比較されることで算出される。そして、算出された各遅延時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフが描画される。従って、例えば基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータを選択し、比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータを選択することで、指定駅での着発遅延の実績を分析することが可能となる。また、各遅延時分の度数分布や累積相対度数分布のグラフが描画されるため、着発遅延の傾向を視覚的に把握することができ、評価を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。尚、説明の簡明化のため、以下の実施形態では「基本ダイヤ」を用いた場合の説明を省略するが、「計画ダイヤ」を「基本ダイヤ」に置き換えて適用すれば、「基本ダイヤ」を用いた実施形態が実現できる。
【0031】
1.構成
図1は、本実施形態におけるダイヤ比較評価支援装置1の機能構成を示すブロック図である。ダイヤ比較評価支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)20と、操作部30と、表示部40と、通信部50と、ハードディスク60と、RAM(Random Access Memory)70とを備え、各部はバス80で相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
【0032】
CPU20は、ハードディスク60に記憶されているシステムプログラム等に従って各部を統括的に制御するプロセッサである。本実施形態では、CPU20は、ハードディスク60に記憶されているダイヤ比較評価支援プログラム61に従って、ダイヤ比較評価支援処理を行う。
【0033】
操作部30は、ユーザによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号をCPU20に出力する入力装置である。この機能は、例えばキーボードやボタン、マウス、タッチパネル等のハードウェアにより実現される。
【0034】
表示部40は、CPU20から入力される表示信号に基づいて各種表示を行う表示装置である。この機能は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro Luminescence Display)等のハードウェアにより実現される。
【0035】
通信部50は、CPU20の制御に基づいて、外部機器(例えば管理サーバ)との間でデータ通信を行う通信装置である。この機能は、例えば、IEEE802.11によるワイヤレスLANやBluetooth(登録商標)等の無線通信モジュールの他、ルータ、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等により実現される。
【0036】
ハードディスク60は、磁気ヘッド等を用いてデータの読み書きを行う記憶装置であり、ダイヤ比較評価支援装置1が備える各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶している。
【0037】
本実施形態では、ハードディスク60には、CPU20により読み出され、ダイヤ比較評価支援処理(図4参照)として実行されるダイヤ比較評価支援プログラム61と、計画ダイヤDB(Data Base)63と、実績ダイヤDB65とが記憶されている。
【0038】
ダイヤ比較評価支援処理とは、CPU20が、計画ダイヤDB63に記憶されている計画ダイヤと、実績ダイヤDB65の実績ダイヤ群に含まれる各実績ダイヤそれぞれとの対比を行い、予め定められた6種類の分析処理を行う処理である。このダイヤ比較評価支援処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0039】
計画ダイヤDB63は、列車の運行計画である計画ダイヤが、計画ダイヤデータ64(64−1,64−2,・・・)として蓄積されたデータベースであり、そのデータ構成例を図2に示す。各計画ダイヤデータ64には、運行される列車の番号を示す列車番号641と、当該列車の種別を示す列車種別642と、当該列車が上り/下りの何れの列車であるかを示す上下識別643と、各駅の着時刻及び発時刻である着発時刻644とが対応付けて記憶されている。
【0040】
列車種別642には、当該列車が普通列車である場合は「普通」、快速列車である場合は「快速」がそれぞれ格納される。着発時刻644には、当該列車が当該駅からの始発列車である場合は、着時刻に「始発」、当該駅への終着列車である場合は、発時刻に「終着」が格納される。また、当該列車が通過する駅や運行しない駅については、着時刻及び発時刻それぞれに「−」が格納される。
【0041】
例えば、図2の計画ダイヤデータ64−1は「計画ダイヤA」である。そして、計画ダイヤAでは、列車番号「1001」の列車は快速列車であり、「7時50分00秒」にA駅から発車する上りの始発列車である。また、この列車は、B駅には停車せず、終着駅であるZ駅に「8時30分00秒」に到着する列車である。
【0042】
尚、本実施形態では、説明を簡単にするため、平日/休日ともに計画ダイヤは共通であるものとして説明するが、曜日毎に異なる計画ダイヤを用意することにしてもよいのは勿論である。
【0043】
実績ダイヤDB65は、計画ダイヤDB63に記憶されている各計画ダイヤデータ64それぞれに従って運行された日々のダイヤである「実績ダイヤ群a,b・・・」が、実績ダイヤデータ群66(66−1,66−2,・・・)として蓄積されたデータベースであり、そのデータ構成例を図3に示す。「各実績ダイヤデータ群a,b・・・」には、当該計画ダイヤに従って運行された日付毎の実績ダイヤが記憶されている。
【0044】
実績ダイヤデータ67には、列車番号671と、列車種別672と、上下識別673と、着発時刻674とが対応付けて記憶されている。列車番号671〜着発時刻674は、計画ダイヤデータ64の列車番号641〜着発時刻644とそれぞれ同一の意味内容である。
【0045】
例えば、図3の実績ダイヤデータ群66−1は「実績ダイヤ群a」であり、これは図2の計画ダイヤ64−1(計画ダイヤA)に従って運行された日々の実績ダイヤが蓄積されたものである。また、実績ダイヤデータ群66−1に含まれる実績ダイヤデータ67−1は「実績ダイヤa(1月1日)」であり、「1月1日」の実績ダイヤである。実績ダイヤa(1月1日)では、列車番号「1001」の快速列車が、A駅を「7時50分08秒」に発車した旨記録されており、Z駅に「8時30分25秒」に到着した旨記録されている。
【0046】
従って、図2の計画ダイヤAと図3の実績ダイヤa(1月1日)との対比を行うことで、列車番号「1001」の快速列車は、計画よりもA駅を「8秒」遅れて発車し、計画よりもZ駅に「25秒」遅れて到着したことがわかる。これは、1つの列車に着目した場合のある駅の着発遅延を分析した一例であるが、本実施形態では、こういった遅延分析を含む6種類の分析処理を行う。
【0047】
RAM70は、読み書き可能なメモリであり、CPU20により実行されるシステムプログラム、各種処理プログラム、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
【0048】
例えば、RAM70には、分析処理を行うためにユーザにより指定された駅、列車、着発等の分析条件(以下、「指定分析条件」という。)についてのデータである指定分析条件データ71や、分析処理において抽出されたサンプルについてのデータであるサンプルデータ73が記憶される。これらのデータは、ダイヤ比較評価支援処理において随時更新される。
【0049】
2.動作
図4は、CPU20によりハードディスク60からダイヤ比較評価支援プログラム61が読み出されて実行されることで、ダイヤ比較評価支援装置1において実行されるダイヤ比較評価支援処理の流れを示すフローチャートである。
【0050】
先ず、CPU20は、ユーザにより分析対象とする計画ダイヤ及び実績ダイヤ群が選択され(ステップS1)、分析処理が選択されると(ステップS3)、選択された計画ダイヤ及び実績ダイヤ群に対して、選択された分析処理を実行する(ステップS5〜S15)。
【0051】
図12は、ステップS1において、ユーザが計画ダイヤ及び実績ダイヤ群を選択するためのダイヤ選択画面W1の一例を示す図である。ダイヤ選択画面W1は、初期画面として表示部40に表示される画面である。
【0052】
ダイヤ選択画面W1には、「計画ダイヤと実績ダイヤが格納されているフォルダを選択して下さい」というメッセージが表示されている。また、選択されたフォルダに格納されている計画ダイヤ及び実績ダイヤを表示する表示ボックスWB1,WB2それぞれと対応付けて、フォルダを選択するための「選択」と示されたボタンB1が表示されている。ボタンB1が指示押下されると、ダイヤが格納されたフォルダが一覧表示され、その中からフォルダを選択することが可能となる。
【0053】
また、画面下部には、「OK」と示されたボタンB2が表示されており、計画ダイヤ及び実績ダイヤが格納されているフォルダそれぞれが選択された後、ボタンB2が指示押下されると、図13の分析処理選択画面W3が表示される。
【0054】
図13は、ステップS3において、ユーザが分析処理を選択するための分析処理選択画面W3の一例を示す図である。分析処理選択画面W3には、「分析処理を選択して下さい」というメッセージとともに、「遅延」、「相互遅延」、「接続遅延」、「運転時分」、「停車時分」、「折り返し時分」それぞれの分析処理を選択するためのボタンB3〜B8が表示されている。
【0055】
CPU20は、ステップS1〜S15の処理を、ダイヤ比較評価支援処理を終了するまで(ステップS17;Yes)、繰り返し実行する。以下、各分析処理について説明する。
【0056】
(A)遅延分析処理
図5、図6は、遅延分析処理の流れを示すフローチャートである。遅延分析処理とは、実績ダイヤにおける着発時刻が、計画ダイヤにおける着発時刻からどれだけ遅れたかを計算することで、列車運行の定時性を分析する処理である。
【0057】
先ず、ユーザにより分析条件が指定されると(ステップA1)、CPU20は、当該指定分析条件をRAM70の指定分析条件データ71に記憶させる。遅延分析処理における分析条件は、(1)駅、(2)列車(列車番号又は列車種別)、(3)着発(着、発、着発の何れか)である。
【0058】
図14は、ステップA1においてユーザが分析条件を指定するための分析条件指定画面W5の一例を示す図である。分析条件指定画面W5は、図13の分析処理選択画面W3において、「遅延」ボタンB3が指示押下されることで表示される。
【0059】
分析条件指定画面W5には、ユーザが「駅」を選択するためのプルダウンメニューPM1が表示されている。また、「列車番号」、「列車種別」の何れかを指定するためのラジオボタンRB1,RB2と、「着」、「発」、「着発」の何れかを指定するためのラジオボタンRB3〜RB5とが表示されており、選択されたラジオボタンには「黒丸」が表示される。
【0060】
また、ラジオボタンRB1には、ユーザが列車番号を入力するための入力ボックスIB1が対応付けて表示されており、ラジオボタンRB2には、ユーザが列車種別を選択するためのプルダウンメニューPM2が対応付けて表示されている。そして、画面下部には、「OK」と示されたボタンB9と、キャンセルと示されたボタンB10とが表示されており、ボタンB9が指示押下されると、遅延時分の分析が開始されてグラフが描画される。また、ボタンB10が指示押下されると、図13の分析処理選択画面W3に戻る。
【0061】
以下の説明では、分析条件指定画面W5においてユーザにより指定された駅、列車番号、列車種別を、それぞれ「指定駅」、「指定列車番号」、「指定列車種別」という。
【0062】
図5に戻り、CPU20は、指定分析条件に含まれる列車の指定方法を判定し(ステップA3)、指定方法が「列車番号」であったと判定した場合は(ステップA3;列車番号)、指定分析条件に含まれる着発の指定を判定する(ステップA5)。そして、着発の指定が「着」であったと判定した場合は(ステップA5;着)、CPU20は、列車番号用着遅延時分算出処理を行う(ステップA7)。
【0063】
列車番号用着遅延時分算出処理では、CPU20は、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、指定列車番号の列車の指定駅での着時刻を読み出す(ステップA9)。具体的には、計画ダイヤのデータの中から、指定列車番号と同一の列車番号641の列車を特定し、当該列車の指定駅での着時刻を読み出す。
【0064】
次いで、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループAを繰り返し実行する(ステップA11〜A19)。
【0065】
ループAでは、CPU20は、現在の処理対象である実績ダイヤ(以下、「当該実績ダイヤ」という。)の中から、指定列車番号の列車の指定駅での着時刻を読み出す(ステップA13)。具体的には、当該実績ダイヤのデータの中から、指定列車番号と同一の列車番号671の列車を特定し、当該列車の指定駅での着時刻を読み出す。
【0066】
次いで、CPU20は、ステップA13で読み出した着時刻から、ステップA9で読み出した着時刻を減算することで、着時刻の遅延時分(以下、「着遅延時分」という。)を算出する(ステップA15)。そして、CPU20は、算出した着遅延時分を1つのサンプルデータとしてRAM70のサンプルデータ73に蓄積し(ステップA17)、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップA19)。
【0067】
CPU20は、全ての実績ダイヤについて処理を行った後、ループAを終了して、列車番号用着遅延時分算出処理を終了する。そして、CPU20は、RAM70のサンプルデータ73に蓄積された各遅延時分(サンプルデータ)に基づいて、頻度(度数)及び累積確率(累積相対度数)のグラフを描画する(ステップA21)。
【0068】
具体的には、各サンプルデータを、例えば「5秒」刻みの複数の遅延時分の範囲(以下、「遅延時分範囲」という。)に分類する。そして、各遅延時分範囲に含まれるサンプルデータの個数に基づいて、各遅延時分範囲毎に頻度及び累積確率を算出し、頻度を棒グラフ、累積確率を折れ線グラフとして、これらのグラフを重畳させて描画する。
【0069】
次いで、CPU20は、描画したグラフの中から所定の遅延用特定条件を満たす部分を検出し(ステップA23)、当該検出部分を識別表示させて(ステップA25)、遅延分析処理を終了する。
【0070】
例えば、全遅延時分範囲の中から、頻度が最大である遅延時分範囲を検出し、当該遅延時分範囲に対応する棒グラフ部分を他とは異なる色で表示させる。また、全遅延時分範囲の中から、累積確率が最初に「80%以上」となった遅延時分範囲を検出し、当該遅延時分範囲に対応する折れ線グラフ部分(プロット)を明滅表示させる等して、当該検出部分を強調表示する。尚、この具体例については、図20を参照して後述する。
【0071】
一方、ステップA5において、着発の指定が「発」であったと判定した場合は(ステップA5;発)、CPU20は、列車番号用発遅延時分算出処理を行う(ステップA27)。
【0072】
列車番号用発遅延時分算出処理では、CPU20は、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、指定列車番号の列車の指定駅での発時刻を読み出す(ステップA29)。具体的には、計画ダイヤのデータの中から、指定列車番号と同一の列車番号641の列車を特定し、当該列車の指定駅での発時刻を読み出す。
【0073】
次いで、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループBを繰り返し実行する(ステップA31〜A39)。
【0074】
ループBでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、指定列車番号の列車の指定駅での発時刻を読み出す(ステップA33)。具体的には、当該実績ダイヤのデータの中から、指定列車番号と同一の列車番号641の列車を特定し、当該列車の指定駅での発時刻を読み出す。
【0075】
次いで、CPU20は、ステップA33で読み出した発時刻から、ステップA29で読み出した発時刻を減算することで、発時刻の遅延時分(以下、「発遅延時分」という。)を算出する(ステップA35)。そして、CPU20は、算出した発遅延時分を1つのサンプルデータとしてRAM70のサンプルデータ73に蓄積し(ステップA37)、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップA39)。
【0076】
そして、CPU20は、全ての実績ダイヤについて処理を行った後、ループBを終了して列車番号用発遅延時分算出処理を終了し、ステップA21へと処理を移行する。
【0077】
また、ステップA5において、着発の指定が「着発」であったと判定した場合は(ステップA5;着発)、CPU20は、列車番号用着遅延時分算出処理(ステップA41)及び列車番号用発遅延時分算出処理(ステップA43)を行う。この列車番号用着遅延時分算出処理及び列車番号用発遅延時分算出処理は、ステップA9〜A19及びA29〜A39の処理とそれぞれ同一である。その後、CPU20は、ステップA21へと処理を移行する。
【0078】
一方、ステップA3において、列車の指定方法が「列車種別」であったと判定した場合は(ステップA3;列車種別)、CPU20は、指定分析条件に含まれる着発の指定を判定する(ステップA45)。そして、着発の指定が「着」であったと判定した場合は(ステップA45;着)、CPU20は、列車種別用着遅延時分算出処理を行う(ステップA47)。
【0079】
列車種別用着遅延時分算出処理では、CPU20は、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、指定駅に到着する指定列車種別の列車を抽出する(ステップA49)。具体的には、計画ダイヤのデータの中から、指定列車種別と同一の列車種別642の列車を特定し、その中から指定駅に着時刻が対応付けられている列車を抽出する。
【0080】
そして、CPU20は、ステップA49で抽出した各列車(以下、「抽出列車」という。)を対象として、ループCを繰り返し実行する(ステップA51〜A65)。ループCでは、CPU20は、計画ダイヤの中から、現在の処理対象である抽出列車(以下、「当該抽出列車」という。)の指定駅での着時刻を読み出す(ステップA53)。
【0081】
次いで、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループDを繰り返し実行する(ステップA55〜A63)。
【0082】
ループDでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、当該抽出列車の指定駅での着時刻を読み出す(ステップA57)。そして、CPU20は、ステップA57で読み出した着時刻から、ステップA53で読み出した着時刻を減算することで、着遅延時分を算出する(ステップA59)。そして、CPU20は、算出した着遅延時分を1つのサンプルデータとしてRAM70のサンプルデータ73に蓄積し(ステップA61)、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップA63)。
【0083】
CPU20は、全ての実績ダイヤについて処理を行った後、ループDを終了して、次の抽出列車へと処理を移行する(ステップA65)。そして、CPU20は、全ての抽出列車について処理を行った後、ループCを終了し、列車種別用着遅延時分算出処理を終了して、ステップA21へと処理を移行する。
【0084】
ここで、列車種別用着遅延時分算出処理が行われた後に、ステップA21〜A25で描画されるグラフの一例を図20に示す。このグラフは、指定駅を「A駅」、指定列車種別を「普通列車」、指定着発を「着」とし、普通列車のA駅における着遅延時分を分析した結果のグラフである。同図において、横軸は遅延時分範囲(秒)、縦軸は各遅延時分範囲毎の頻度及び累積確率(%)をそれぞれ示している。
【0085】
この分析結果によれば、「10〜15秒」の遅延時分範囲の頻度が最大となったことから、A駅に到着した普通列車は、計画ダイヤにおける着時刻から「10〜15秒」遅れて到着した場合が最も多かったことがわかる。
【0086】
また、ステップA25での識別表示の結果、累積確率が最初に「80%以上」となった「45〜50秒」の遅延時分範囲に対応する折れ線グラフのプロットP1が明滅表示されるとともに、プロットP1と横軸とを結ぶ破線L1が表示されている。このことから、ユーザは、大部分の普通列車が「50秒未満」の着遅延時分で収まったことを容易に知ることができる。
【0087】
図6に戻り、ステップA45において、着発の指定が「発」であったと判定した場合は(ステップA45;発)、CPU20は、列車種別用発遅延時分算出処理を行う(ステップA67)。
【0088】
列車種別用発遅延時分算出処理では、CPU20は、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、指定駅から発車する指定列車種別の列車を抽出する(ステップA69)。具体的には、計画ダイヤのデータの中から、指定列車種別と同一の列車種別642の列車を特定し、その中から指定駅に発時刻が対応付けられている列車を抽出する。
【0089】
そして、CPU20は、ステップA69で抽出した各抽出列車を対象として、ループEを繰り返し実行する(ステップA71〜A85)。ループEでは、CPU20は、計画ダイヤの中から、当該抽出列車の指定駅での発時刻を読み出す(ステップA73)。
【0090】
次いで、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤデータ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループFを繰り返し実行する(ステップA75〜A83)。
【0091】
ループFでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、当該抽出列車の指定駅での発時刻を読み出す(ステップA77)。そして、CPU20は、ステップA77で読み出した発時刻から、ステップA73で読み出した発時刻を減算することで、発遅延時分を算出する(ステップA89)。そして、CPU20は、算出した発遅延時分を1つのサンプルデータとしてRAM70のサンプルデータ73に蓄積し(ステップA81)、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップA83)。
【0092】
CPU20は、全ての実績ダイヤについて処理を行った後、ループFを終了して、次の抽出列車へと処理を移行する(ステップA85)。そして、CPU20は、全ての抽出列車について処理を行った後、ループEを終了し、列車種別用発遅延時分算出処理を終了して、ステップA21へと処理を移行する。
【0093】
また、ステップA45において、着発の指定が「着発」であったと判定した場合は(ステップA45;着発)、CPU20は、列車種別用着遅延時分算出処理(ステップA87)及び列車種別用発遅延時分算出処理(ステップA89)を行う。この列車種別用着遅延時分算出処理及び列車種別用発遅延時分算出処理は、ステップA49〜A65及びA69〜A85の処理とそれぞれ同一である。そして、CPU20は、ステップA21へと処理を移行する。
【0094】
(B)相互遅延分析処理
図7は、相互遅延分析処理の流れを示すフローチャートである。相互遅延分析処理とは、2本の列車の着発時刻の遅延の大きさをそれぞれ計算することで、列車同士の遅延の依存関係を分析する処理である。
【0095】
先ず、CPU20は、ユーザにより分析条件が指定されると(ステップB1)、当該指定分析条件をRAM70の指定分析条件データ71に記憶させる。相互遅延分析処理における分析条件は、(1)第1の組み合わせ(駅及び列車番号)、(2)第2の組み合わせ(駅及び列車番号)、(3)着発(着又は発)である。
【0096】
図15は、ステップB1においてユーザが分析条件を指定するための分析条件指定画面W7の一例を示す図である。分析条件指定画面W7は、図13の分析処理選択画面W3において、「相互遅延」ボタンB4が押下されることで表示される。
【0097】
分析条件指定画面W7には、第1の組み合わせとしての「駅」及び「列車番号」を選択・入力するためのプルダウンメニューPM3及び入力ボックスIB3と、第2の組み合わせとしての「駅」及び「列車番号」を選択・入力するためのプルダウンメニューPM4及び入力ボックスIB4とが表示されている。また、「着」、「発」の何れかを指定するためのラジオボタンRB6、RB7が表示されている。分析条件指定画面W7において、ボタンB9が指示押下されると、相互遅延の分析が開始されて散布図が描画され、ボタンB10が指示押下されると、図13の分析処理選択画面W3に戻る。
【0098】
以下の説明では、分析条件指定画面W7においてユーザにより指定された第1の組み合わせの駅及び列車番号を「第1の指定駅」及び「第1の指定列車番号」、第2の組み合わせの駅及び列車番号を「第2の指定駅」及び「第2の指定列車番号」、着発を「指定着発」という。
【0099】
図7に戻り、CPU20は、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、第1の指定列車番号の列車の第1の指定駅での指定着発の時刻(以下、「第1の指定着発時刻」という。)を読み出す(ステップB3)。具体的には、計画ダイヤのデータの中から、第1の指定列車番号と同一の列車番号641の列車を特定する。そして、指定着発が「着」である場合は、当該列車の第1の指定駅での着時刻を読み出し、指定着発が「発」である場合は、当該列車の第1の指定駅での発時刻を読み出す。
【0100】
同様に、CPU20は、計画ダイヤの中から、第2の指定列車番号の列車の第2の指定駅での指定着発の時刻(以下、「第2の指定着発時刻」という。)を読み出す(ステップB5)。そして、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤデータ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループGを繰り返し実行する(ステップB7〜B19)。
【0101】
ループGでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、第1の指定着発時刻を読み出す(ステップB9)。そして、CPU20は、ステップB9で読み出した第1の指定着発時刻から、ステップB3で読み出した第1の指定着発時刻を減算することで、指定着発の遅延時分を算出し、これを「第1の遅延時分」とする(ステップB11)。
【0102】
同様に、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、第2の指定着発時刻を読み出す(ステップB13)。そして、CPU20は、ステップB13で読み出した第2の指定着発時刻から、ステップB5で読み出した第2の指定着発時刻を減算することで、指定着発の遅延時分を算出し、これを「第2の遅延時分」とする(ステップB15)。
【0103】
そして、CPU20は、ステップB11で算出した第1の遅延時分と、ステップB15で算出した第2の遅延時分とを対応付けて1つのサンプルデータとし、RAM70のサンプルデータ73に蓄積する(ステップB17)。そして、CPU20は、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップB19)。
【0104】
全ての実績ダイヤについて処理を行った後、CPU20は、ループGを終了する。そして、CPU20は、RAM70のサンプルデータ73に蓄積された各遅延時分(サンプルデータ)に基づいて散布図を描画する(ステップB21)。具体的には、例えば横軸を第1の遅延時分、縦軸を第2の遅延時分とし、各サンプルデータについて、第1の遅延時分及び第2の遅延時分から決定される座標点をプロットする。
【0105】
次いで、CPU20は、ステップB21で描画した散布図の中から、所定の相互遅延用特定条件を満たす部分を検出し(ステップB23)、当該検出部分を識別表示させる(ステップB25)。具体的には、例えば第1の遅延時分と第2の遅延時分との差が「5秒未満」であるサンプルデータを抽出し、当該サンプルデータに対応する座標点(プロット)を明滅表示させる。その後、CPU20は、相互遅延分析処理を終了する。
【0106】
図21は、ステップB21において描画される散布図の一例を示す図である。この散布図は、第1の組み合わせにおける指定駅を「B駅」、指定列車番号を「1000」(以下、この列車を「列車a」という。)、第2の組み合わせにおける指定駅を「B駅」、指定列車番号を「1001」(以下、この列車を「列車b」という。)、指定着発を「発」とし、列車aと列車bのB駅における発遅延の関係を示したものである。同図において、横軸は列車aの発遅延時分(秒)、縦軸は列車bの発遅延時分(秒)をそれぞれ示しており、各サンプルデータについて、両遅延時分から決定される座標点をプロットしている。
【0107】
この分析結果によれば、大部分のサンプルデータについて列車aと列車bの発遅延時分はほぼ等しく、両者は比例関係にあったことがわかる。従って、列車aの発車が遅れた場合、列車bの発車も同程度遅れたことを意味し、両列車のB駅での発遅延には相関があったことがわかる。尚、図示は省略するが、ステップB25での識別表示の結果、第1の遅延時分と第2の遅延時分との差が「5秒未満」であるプロットは明滅表示される。
【0108】
(C)接続遅延分析処理
図8は、接続遅延分析処理の流れを示すフローチャートである。接続遅延分析処理とは、接続関係にある列車同士の発時刻の遅延の大きさをそれぞれ計算することで、その相関を分析する処理である。
【0109】
先ず、CPU20は、ユーザにより分析条件が指定されると(ステップC1)、当該指定分析条件をRAM70の指定分析条件データ71に記憶させる。接続遅延分析処理における分析条件は、(1)駅、(2)列車種別(第1の列車種別及び第2の列車種別)、(3)上下識別(上り又は下り)、(4)接続時分である。
【0110】
図16は、ステップC1においてユーザが分析条件を指定するための画面の一例である分析条件指定画面W9を示す図である。分析条件指定画面W9は、図13の分析処理選択画面W3において、「接続遅延」ボタンB5が押下されることで表示される。
【0111】
分析条件指定画面W9には、「駅」を選択するためのプルダウンメニューPM5と、列車種別として「第1の列車種別」及び「第2の列車種別」を選択するためのプルダウンメニューPM6及びPM7とが表示されている。また、上下識別として「上り」、「下り」の何れかを指定するためのラジオボタンRB8,RB9と、接続時分を入力するための入力ボックスIB5とが表示されている。分析条件指定画面W9において、ボタンB9が指示押下されると、接続遅延の分析が開始されて散布図が描画され、ボタンJ10が指示押下されると、図13の分析処理選択画面W3に戻る。
【0112】
以下の説明では、分析条件指定画面W9においてユーザにより指定された駅、第1の列車種別、第2の列車種別、上下識別、接続時分を、それぞれ「指定駅」、「第1の指定列車種別」、「第2の指定列車種別」、「指定上下識別」、「指定接続時分」という。
【0113】
図8に戻り、CPU20は、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、指定駅における指定上下識別の第1の指定列車種別の列車を、「第1の抽出列車」として抽出する(ステップC3)。具体的には、計画ダイヤのデータの中から、第1の指定列車種別と同一の列車種別642で且つ指定上下識別と同一の上下識別643の列車を特定し、その中から指定駅に着発する列車を抽出する。
【0114】
同様に、CPU20は、指定駅における指定上下識別の第2の指定列車種別の列車を、「第2の抽出列車」として抽出する(ステップC5)。そして、CPU20は、ステップC1で抽出した各第1の抽出列車を対象として、ループHを繰り返し実行する(ステップC7〜C33)。
【0115】
ループHでは、CPU20は、計画ダイヤの中から、現在の処理対象である第1の抽出列車(以下、「当該第1の抽出列車」という。)の指定駅での発時刻を読み出す(ステップC9)。
【0116】
次いで、CPU20は、計画ダイヤの中から、ステップC9で読み出した発時刻の前後指定接続時分以内に発車する第2の抽出列車を特定し、当該第2の抽出列車を「接続列車」とする(ステップC11)。例えば、指定接続時分が「3分」であった場合は、計画ダイヤにおいて、当該第1の抽出列車の発時刻から前後3分以内に発車する第2の抽出列車を接続列車とみなす。
【0117】
その後、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤデータ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループIを繰り返し実行する(ステップC13〜C31)。
【0118】
ループIでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、第1の抽出列車の指定駅での発時刻を読み出す(ステップC15)。そして、CPU20は、ステップC15で読み出した発時刻から、ステップC9で読み出した発時刻を減算することで発遅延時分を算出し、これを「第1の発遅延時分」とする(ステップC17)。
【0119】
次いで、CPU20は、ステップC11で特定した全ての接続列車を対象として、ループJを繰り返し実行する(ステップC19〜C29)。ループJでは、CPU20は、計画ダイヤの中から、当該接続列車の指定駅での発時刻を読み出す(ステップC21)。また、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、当該接続列車の指定駅での発時刻を読み出す(ステップC23)。
【0120】
そして、CPU20は、ステップC23で読み出した発時刻から、ステップC21で読み出した発時刻を減算することで発遅延時分を算出し、これを「第2の発遅延時分」とする(ステップC25)。
【0121】
そして、CPU20は、ステップC17で算出した第1の発遅延時分と、ステップC25で算出した第2の発遅延時分とを対応付けて1つのサンプルデータとし、RAM70のサンプルデータ73に蓄積する(ステップC27)。そして、CPU20は、次の接続列車へと処理を移行する(ステップC29)。
【0122】
全ての接続列車について処理を行った後、CPU20は、ループJを終了し、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップC31)。そして、全ての実績ダイヤについて処理を行い、全ての第1の抽出列車についても処理を行った後、CPU20は、ループI、ループHを終了する。
【0123】
ループHを終了すると、CPU20は、RAM70のサンプルデータ73に蓄積された各発遅延時分(サンプルデータ)に基づいて散布図を描画する(ステップC35)。具体的には、例えば横軸を第1の発遅延時分、縦軸を第2の発遅延時分とし、全てのサンプルデータについて、第1の発遅延時分及び第2の遅延時分から決定される座標点をプロットする。
【0124】
次いで、CPU20は、ステップC35で描画した散布図の中から、所定の接続遅延用特定条件を満たす部分を検出し(ステップC37)、当該検出部分を識別表示させる(ステップC39)。具体的には、例えば第1の発遅延時分と第2の発遅延時分との差が「10秒以下」であるサンプルデータを抽出し、当該サンプルデータに対応する座標点(プロット)を明滅表示させる。その後、CPU20は、接続遅延分析処理を終了する。
【0125】
図22は、ステップC35において描画される散布図の一例を示す図である。この散布図は、指定駅を「C駅」、第1の指定列車種別を「快速」、第2の指定列車種別を「普通」、指定上下識別を「上り」、接続時分を「3分」とし、接続関係にある上りの快速列車と普通列車のC駅での発遅延の関係を示したものである。同図において、横軸は快速列車の発遅延時分(秒)、縦軸は普通列車の発遅延時分(秒)をそれぞれ示しており、各サンプルデータについて、両発遅延時分から決定される座標点をプロットしている。
【0126】
この分析結果によれば、大部分のサンプルデータにおいて快速列車と普通列車の発遅延時分はほぼ等しく、両者は比例関係にあったことがわかる。即ち、快速列車の発車が遅れた場合には、普通列車の発車も同程度遅れた結果を示しており、普通列車と快速列車とは、発車が遅れる場合はあれど、ほとんどの場合、接続をとったことがわかる。
【0127】
また、領域R1に含まれるサンプルデータは、快速列車の発遅延時分と普通列車の発遅延時分との差が極端に大きくなっていることから、列車同士の接続が解除されたことを伺い知ることができる。尚、図示は省略するが、ステップC39での識別表示の結果、第1の発遅延時分と第2の発遅延時分との差が「10秒以下」であるプロットは明滅表示される。
【0128】
(D)運転時分分析処理
図9は、運転時分分析処理の流れを示すフローチャートである。運転時分分析処理とは、実績ダイヤにおける運転時分が、計画ダイヤにおける運転時分からどれだけずれたか、その長短を計算することで、列車運行の定時性を分析する処理である。
【0129】
先ず、CPU20は、ユーザにより分析条件が指定されると(ステップD1)、当該指定分析条件をRAM70の指定分析条件データ71に記憶させる。運転時分分析処理における分析条件は、(1)駅(第1の駅及び第2の駅)、(2)列車(列車番号又は列車種別)である。
【0130】
図17は、ステップD1においてユーザが分析条件を指定するための画面の一例である分析条件指定画面W11を示す図である。分析条件指定画面W11は、図13の分析処理選択画面W3において、「運転時分」ボタンB6が押下されることで表示される。
【0131】
分析条件指定画面W11には、駅として「第1の駅」及び「第2の駅」を選択するためのプルダウンメニューPM8及びPM9が表示されている。また、「列車番号」、「列車種別」の何れかを指定するためのラジオボタンRB10、RB11と対応付けて、「列車番号」を入力するための入力ボックスIB6と、「列車種別」を選択するためのプルダウンメニューPM10とが表示されている。分析条件指定画面W11において、ボタンB9が指示押下されると、運転時分の分析が開始されてグラフが描画され、ボタンB10が指示押下されると、図13の分析処理選択画面W3に戻る。
【0132】
以下の説明では、分析条件指定画面W11においてユーザにより指定された第1の駅、第2の駅、列車番号、列車種別を、それぞれ「第1の指定駅」、「第2の指定駅」、「指定列車番号」、「指定列車種別」という。
【0133】
図9に戻り、CPU20は、列車の指定方法を判定し(ステップD3)、列車の指定方法が「列車番号」であったと判定した場合は(ステップD3;列車番号)、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、指定列車番号の列車の第1の指定駅での発時刻を読み出す(ステップD5)。
【0134】
同様に、CPU20は、計画ダイヤの中から、指定列車番号の列車の第2の指定駅での着時刻を読み出す(ステップD7)。そして、CPU20は、ステップD7で読み出した着時刻から、ステップD5で読み出した発時刻を減算することで、計画ダイヤにおける指定列車番号の列車の第1の指定駅と第2の指定駅間の運転時分を算出し、これを「第1の運転時分」とする(ステップD9)。
【0135】
その後、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤデータ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループKを繰り返し実行する(ステップD11〜D23)。
【0136】
ループKでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、指定列車番号の列車の第1の指定駅での発時刻を読み出す(ステップD13)。また、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、指定列車番号の列車の第2の指定駅での着時刻を読み出す(ステップD15)。
【0137】
そして、CPU20は、ステップD15で読み出した着時刻から、ステップD13で読み出した発時刻を減算することで、当該実績ダイヤにおける指定列車番号の列車の第1の指定駅と第2の指定駅間の運転時分を算出し、これを「第2の運転時分」とする(ステップD17)。
【0138】
次いで、CPU20は、ステップD17で算出した第2の運転時分と、ステップD9で算出した第1の運転時分との差(以下、「運転時分差」という。)を算出し(ステップD19)、RAM70のサンプルデータ73に1つのサンプルデータとして蓄積する(ステップD21)。そして、CPU20は、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップD23)。
【0139】
全ての実績ダイヤについて処理を行った後、CPU20は、ループKを終了する、そして、CPU20は、RAM70のサンプルデータ73に蓄積された各運転時分差(サンプルデータ)に基づいて、頻度(度数)及び累積相対度数(累積相対度数)のグラフを描画する(ステップD25)。
【0140】
具体的には、各サンプルデータを、例えば「5秒」刻みの複数の運転時分差の範囲(以下、「運転時分差範囲」という。)に分類する。そして、各運転時分差範囲に含まれるサンプルデータの個数に基づいて、各運転時分差範囲毎に頻度及び累積確率を算出し、頻度を棒グラフ、累積確率を折れ線グラフとして、これらのグラフを重畳させて描画する。
【0141】
次いで、CPU20は、描画したグラフの中から所定の運転時分用特定条件を満たす部分を検出し(ステップD27)、当該検出部分を識別表示させて(ステップD29)、運転時分分析処理を終了する。
【0142】
例えば、全運転時分差範囲の中から、頻度が最大である運転時分差範囲を検出し、当該運転時分差範囲に対応する棒グラフ部分を他とは異なる色で表示させる。また、全運転時分差範囲の中から、累積確率が最初に「80%以上」となった運転時分差範囲を検出し、当該運転時分差範囲に対応する折れ線グラフ部分(プロット)を明滅表示させる等して、当該検出部分を強調表示する。尚、この具体例については、図23を参照して後述する。
【0143】
一方、ステップD3において、列車の指定方法が「列車種別」であったと判定した場合は(ステップD3;列車種別)、CPU20は、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、第1の指定駅を出発して第2の指定駅に到着する指定列車種別の列車を抽出する(ステップD31)。
【0144】
次いで、CPU20は、ステップD31で抽出した各抽出列車を対象として、ループLを繰り返し実行する(ステップD33〜D55)。ループLでは、CPU20は、計画ダイヤの中から、当該抽出列車の第1の指定駅での発時刻を読み出す(ステップD35)。また、CPU20は、計画ダイヤの中から、当該抽出列車の第2の指定駅での着時刻を読み出す(ステップD37)。
【0145】
そして、CPU20は、ステップD37で読み出した着時刻から、ステップD35で読み出した発時刻を減算することで、計画ダイヤにおける当該抽出列車の第1の指定駅と第2の指定駅間の運転時分を算出し、これを「第1の運転時分」とする(ステップD39)。
【0146】
その後、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤデータ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループMを繰り返し実行する(ステップD41〜D53)。
【0147】
ループMでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、当該抽出列車の第1の指定駅での発時刻を読み出す(ステップD43)。また、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、当該抽出列車の第2の指定駅での着時刻を読み出す(ステップD45)。
【0148】
そして、CPU20は、ステップD45で読み出した着時刻から、ステップD43で読み出した発時刻を減算することで、当該実績ダイヤにおける当該抽出列車の第1の指定駅と第2の指定駅間の運転時分を算出し、これを「第2の運転時分」とする(ステップD47)。
【0149】
次いで、CPU20は、ステップD47で算出した第2の運転時分と、ステップD39で算出した第1の運転時分との「運転時分差」を算出し(ステップD49)、RAM70のサンプルデータ73に1つのサンプルデータとして蓄積する(ステップD51)。そして、CPU20は、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップD53)。
【0150】
全ての実績ダイヤについて処理を行った後、CPU20は、ループMを終了し、次の抽出列車へと処理を移行する(ステップD55)。そして、CPU20は、全ての抽出列車について処理を行った後、ループLを終了して、ステップD25へと処理を移行する。
【0151】
図23に、第1の指定駅を「D駅」、第2の指定駅を「E駅」、指定列車種別を「普通」とし、普通列車のD駅〜E駅間における運転時分差について分析した結果のグラフの一例を示す。同図において、横軸は運転時分差範囲(秒)、縦軸は各運転時分差範囲毎の頻度及び累積確率(%)をそれぞれ示している。
【0152】
この分析結果によれば、「0〜5秒」の運転時分差範囲において頻度が最大となったことから、D駅〜E駅間の運転時分として、計画ダイヤで予定されている運転時分よりも「0〜5秒」長くかかった普通列車が最も多かったことがわかる。
【0153】
また、ステップD29での識別表示の結果、累積確率が最初に「80%以上」となった「15〜20秒」の運転時分差範囲に対応する折れ線グラフのプロットP2が明滅表示されるとともに、プロットP2と横軸とを結ぶ破線L2が表示されている。このことから、ユーザは、大部分の列車が「20秒未満」の運転時分差で収まったことを容易に知ることができる。
【0154】
(E)停車時分分析処理
図10は、停車時分分析処理の流れを示すフローチャートである。停車時分分析処理とは、実績ダイヤにおける停車時分が、計画ダイヤにおける停車時分からどれだけずれたか、その長短を計算することで、列車運行の定時性を分析する処理である。
【0155】
先ず、CPU20は、ユーザにより分析条件が指定されると(ステップE1)、当該指定分析条件をRAM70の指定分析条件データ71に記憶させる。停車時分分析処理における分析条件は、(1)駅、(2)列車(列車番号又は列車種別)である。
【0156】
図18は、ステップE1においてユーザが分析条件を指定するための画面の一例である分析条件指定画面W13を示す図である。分析条件指定画面W13は、図13の分析処理選択画面W3において、「停車時分」ボタンB7が押下されることで表示される。
【0157】
分析条件指定画面W13には、「駅」を選択するためのプルダウンメニューPM11が表示されている。また、「列車番号」、「列車種別」の何れかを指定するためのラジオボタンRB12、RB13と対応付けて、「列車番号」を入力するための入力ボックスIB7と、「列車種別」を選択するためのプルダウンメニューPM12とが表示されている。分析条件指定画面W13において、ボタンB9が指示押下されると、停車時分の分析が開始されてグラフが描画され、ボタンB10が指示押下されると、図13の分析処理選択画面W3に戻る。
【0158】
以下の説明では、分析条件指定画面W13においてユーザにより指定された駅、列車番号、列車種別を、それぞれ「指定駅」、「指定列車番号」、「指定列車種別」という。
【0159】
図10に戻り、CPU20は、列車の指定方法を判定し(ステップE3)、列車の指定方法が「列車番号」であったと判定した場合は(ステップE3;列車番号)、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、指定列車番号の列車の指定駅での着発時刻を読み出す(ステップE5)。
【0160】
次いで、CPU20は、ステップE5で読み出した発時刻から着時刻を減算することで、計画ダイヤにおける指定列車番号の列車の指定駅での停車時分を算出し、これを「第1の停車時分」とする(ステップE7)。
【0161】
その後、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤデータ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループNを繰り返し実行する(ステップE9〜E19)。
【0162】
ループNでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、指定列車番号の列車の指定駅での着発時刻を読み出す(ステップE11)。そして、CPU20は、ステップE11で読み出した発時刻から着時刻を減算することで、当該実績ダイヤにおける指定列車番号の列車の指定駅での停車時分を算出し、これを「第2の停車時分」とする(ステップE13)。
【0163】
そして、CPU20は、ステップE13で算出した第2の停車時分と、ステップE7で算出した第1の停車時分との差(以下、「停車時分差」という。)を算出し(ステップE15)、RAM70のサンプルデータ73に1つのサンプルデータとして蓄積する(ステップE17)。そして、CPU20は、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップE19)。
【0164】
全ての実績ダイヤについて処理を行った後、CPU20は、ループNを終了する、そして、CPU20は、RAM70のサンプルデータ73に蓄積された各停車時分差(サンプルデータ)に基づいて、頻度(度数)及び累積確率(累積相対度数)のグラフを描画する(ステップE21)。
【0165】
具体的には、各サンプルデータを、例えば「5秒」刻みの複数の停車時分差の範囲(以下、「停車時分差範囲」という。)に分類する。そして、各停車時分差範囲に含まれるサンプルデータの個数に基づいて、各停車時分差範囲毎に頻度及び累積確率を算出し、頻度を棒グラフ、累積確率を折れ線グラフとして、これらのグラフを重畳させて描画する。
【0166】
次いで、CPU20は、描画したグラフの中から所定の停車時分用特定条件を満たす部分を検出し(ステップE23)、当該検出部分を識別表示させた後(ステップE25)、停車時分分析処理を終了する。
【0167】
例えば、全停車時分差範囲の中から、頻度が最大である停車時分差範囲を検出し、当該停車時分差範囲に対応する棒グラフ部分を他とは異なる色で表示させる。また、全停車時分差範囲の中から、累積確率が最初に「90%以上」となった停車時分差範囲を検出し、当該停車時分差範囲に対応する折れ線グラフ部分(プロット)を明滅表示させる等して、当該検出部分を強調表示する。尚、この具体例については、図24を参照して後述する。
【0168】
一方、ステップE3において、列車の指定方法が「列車種別」であったと判定した場合は(ステップE3;列車種別)、CPU20は、予めステップS1で選択された計画ダイヤの中から、指定駅へ着発する指定列車種別の列車を抽出する(ステップE27)。
【0169】
次いで、CPU20は、ステップE27で抽出した各抽出列車を対象として、ループOを繰り返し実行する(ステップE29〜E47)。ループOでは、CPU20は、当該計画ダイヤの中から、当該抽出列車の指定駅での着発時刻を読み出す(ステップE31)。
【0170】
そして、CPU20は、ステップE31で読み出した発時刻から着時刻を減算することで、計画ダイヤにおける当該抽出列車の指定駅での停車時分を算出し、これを「第1の停車時分」とする(ステップE33)。
【0171】
その後、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤデータ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループPを繰り返し実行する(ステップE35〜E45)。
【0172】
ループPでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、当該抽出列車の指定駅での着発時刻を読み出す(ステップE37)。次いで、CPU20は、ステップE37で読み出した発時刻から着時刻を減算することで、当該実績ダイヤにおける当該抽出列車の指定駅での停車時分を算出し、これを「第2の停車時分」とする(ステップE39)。
【0173】
そして、CPU20は、ステップE39で算出した第2の停車時分と、ステップE33で算出した第1の停車時分との「停車時分差」を算出し(ステップE41)、RAM70のサンプルデータ73に1つのサンプルデータとして蓄積する(ステップE43)。そして、CPU20は、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップE45)。
【0174】
全ての実績ダイヤについて処理を行った後、CPU20は、ループPを終了し、次の抽出列車へと処理を移行する(ステップE47)。そして、CPU20は、全ての抽出列車について処理を行った後、ループOを終了して、ステップE21へと処理を移行する。
【0175】
図24に、指定駅を「F駅」、指定列車種別を「普通」とし、普通列車のF駅における停車時分差について分析した結果のグラフの一例を示す。同図において、横軸は停車時分差範囲(秒)、縦軸は各停車時分差範囲毎の頻度及び累積確率(%)をそれぞれ示している。
【0176】
この分析結果によれば、「−5〜0秒」の停車時分差範囲において頻度が最大となったことから、実際にF駅に停車した普通列車の停車時分は、計画ダイヤで予定されていた停車時分から「0〜5秒」短かった場合が最も多かったことがわかる。
【0177】
また、ステップE25での識別表示の結果、累積確率が最初に「90%以上」となった「5〜10秒」の停車時分差範囲に対応する折れ線グラフのプロットP3が明滅表示されるとともに、プロットP3と横軸とを結ぶ破線L3が表示されている。このことから、ユーザは、ほぼ全ての列車が「10秒未満」の停車時分差で収まったことを容易に知ることができる。
【0178】
(F)折り返し時分分析処理
図11は、折り返し時分分析処理の流れを示すフローチャートである。折り返し時分分析処理とは、実績ダイヤにおける折り返し時分を算出することで、折り返し時分の傾向を分析する処理である。
【0179】
先ず、CPU20は、ユーザにより分析条件が指定されると(ステップF1)、当該指定分析条件をRAM70の指定分析条件データ71に記憶させる。折り返し時分分析処理における分析条件は、(1)駅、(2)元列車番号、(3)先列車番号である。
【0180】
図19は、ステップF1においてユーザが分析条件を指定するための画面の一例である分析条件指定画面W15を示す図である。分析条件指定画面W15は、図13の分析処理選択画面W3において、「折り返し時分」ボタンB8が押下されることで表示される。
【0181】
分析条件指定画面W15には、「駅」を選択するためのプルダウンメニューPM13と、「元列車番号」を入力するための入力ボックスIB8と、「先列車番号」を入力するための入力ボックスIB9とが表示されている。分析条件指定画面W15において、ボタンB9が指示押下されると、折り返し時分の分析が開始されてグラフが描画され、ボタンB10が指示押下されると、図13の分析処理選択画面W3に戻る。
【0182】
以下の説明では、分析条件指定画面W15においてユーザにより指定された駅、元列車番号、先列車番号を、それぞれ「指定駅」、「指定元列車番号」、「指定先列車番号」という。
【0183】
図11に戻り、CPU20は、予めステップS1で選択された実績ダイヤデータ群に含まれる各実績ダイヤ1つ1つを処理対象として、ループQを繰り返し実行する(ステップF3〜F13)。
【0184】
ループQでは、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、指定元列車番号の列車の指定駅での着時刻を読み出す(ステップF5)。また、CPU20は、当該実績ダイヤの中から、指定先列車番号の列車の指定駅での発時刻を読み出す(ステップF7)。
【0185】
そして、CPU20は、ステップF7で読み出した発時刻から、ステップF5で読み出した着時刻を減算することで、指定元列車番号の列車から指定先列車番号の列車への指定駅での折り返し時分を算出する(ステップF9)。
【0186】
そして、CPU20は、ステップF9で算出した折り返し時分をRAM70のサンプルデータ73に1つのサンプルデータとして蓄積し(ステップF11)、次の実績ダイヤへと処理を移行する(ステップF13)。
【0187】
全ての実績ダイヤについて処理を行った後、CPU20は、ループQを終了する、そして、CPU20は、RAM70のサンプルデータ73に蓄積された各折り返し時分(サンプルデータ)に基づいて、頻度(度数)及び累積相対度数(累積相対度数)のグラフを描画する(ステップF15)。
【0188】
具体的には、各サンプルデータを、例えば「5秒」刻みの複数の折り返し時分の範囲(以下、「折り返し時分範囲」という。)に分類する。そして、各折り返し時分範囲に含まれるサンプルデータの個数に基づいて、各折り返し時分範囲毎に頻度及び累積確率を算出し、頻度を棒グラフ、累積確率を折れ線グラフとして、これらのグラフを重畳させて描画する。
【0189】
次いで、CPU20は、描画したグラフの中から所定の折り返し時分用特定条件を満たす部分を検出し(ステップF17)、当該検出部分を識別表示させた後(ステップF19)、折り返し時分分析処理を終了する。
【0190】
例えば、全折り返し時分範囲の中から、頻度が最大である折り返し時分範囲を検出し、当該折り返し時分範囲に対応する棒グラフ部分を他とは異なる色で表示させる。また、全折り返し時分範囲の中から、例えば累積確率が最初に「95%以上」となった折り返し時分範囲を検出し、当該折り返し時分範囲に対応する折れ線グラフ部分(プロット)を明滅表示させる等して、当該検出部分を強調表示する。
【0191】
図25は、指定駅を「G駅」、元列車番号を「1000」(以下、この列車を「元列車a」という。)、先列車番号を「1001」(以下、この列車を「先列車b」という。)とし、G駅での元列車aから先列車bへの折り返し時分を分析した結果のグラフの一例である。同図において、横軸は折り返し時分範囲(秒)、縦軸は各折り返し時分範囲毎の頻度及び累積確率(%)をそれぞれ示している。
【0192】
この分析結果によれば、「260〜265秒」の折り返し時分範囲において頻度が最大となったことから、多くの場合、元列車aから先列車bへの折り返しには「4分半」程度の時間を要したことがわかる。
【0193】
また、ステップF19での識別表示の結果、累積確率が最初に「95%以上」となった「290〜295秒」の折り返し時分範囲に対応する折れ線グラフのプロットP4が明滅表示されるとともに、プロットP4と横軸とを結ぶ破線L4が表示されている。このことから、ユーザは、大部分の列車が「295秒未満」の折り返し時分で収まったことを容易に知ることができる。
【0194】
3.作用効果
本実施形態によれば、計画ダイヤと、当該計画ダイヤに従って運行された各実績ダイヤデータそれぞれとが比較されることで、複数種類の分析処理が行われる。具体的には、(A)遅延分析処理、(B)相互遅延分析処理、(C)接続遅延分析処理、(D)運転時分分析処理、(E)停車時分分析処理、(F)折り返し時分分析処理の6種類の分析処理が行われる。従って、計画ダイヤと実績ダイヤデータとを、様々な角度から対比することが可能となる。また、長期間に亘って蓄積された実績ダイヤデータを用いて分析処理を行うことができるため、長期的な実績を踏まえた上での計画ダイヤの評価をする際に有効である。
【0195】
また、(A)遅延分析処理、(D)運転時分分析処理、(E)停車時分分析処理、(F)折り返し時分分析処理では、遅延時分、運転時分差、停車時分差、折り返し時分それぞれの頻度(度数)及び累積確率(累積相対度数)のグラフが重畳されて描画される。このため、ユーザは、各分析項目についての遅延や長短の傾向を視覚的に把握することができる。
【0196】
また、(B)相互遅延分析処理、(C)接続遅延分析処理では、列車同士の遅延の対応関係を示す散布図が描画される。従って、列車同士の遅延の依存関係や相関を明瞭に把握することができる。
【0197】
4.変形例
4−1.計画ダイヤ同士の対比
上述した実施形態では、計画ダイヤと実績ダイヤとの対比を行うものとして説明したが、計画ダイヤ同士の対比を行うことにしてもよい。これは、旧計画ダイヤと新計画ダイヤとの相違点を把握する際に有用である。
【0198】
図26は、この場合におけるダイヤ選択画面W21の一例を示す図である。ダイヤ選択画面W21には、「計画ダイヤが格納されているフォルダを2つ選択して下さい」というメッセージが表示されている。また、ユーザが第1の計画ダイヤ及び第2の計画ダイヤが格納されたフォルダを選択するための「選択」と示されたボタンB21が表示されており、各々のボタンB21,B21と対応付けて、選択されたフォルダに格納されている第1の計画ダイヤ及び第2の計画ダイヤが表示される表示ボックスWB21,WB22が表示されている。
【0199】
CPU20は、ダイヤ選択画面においてユーザにより選択された第1の計画ダイヤと、第2の計画ダイヤとを対比することで、上述した実施形態と同様に6種類の分析処理を行う。具体的には、第1の計画ダイヤにおける各列車の各駅での着発時刻と、第2の計画ダイヤにおける各列車の各駅での着発時刻とに基づいて、「遅延時分」、「運転時分差」、「停車時分差」、「折り返し時分」を同様の手順で算出し、グラフ又は散布図を作成・描画する。
【0200】
図27は、第1の計画ダイヤを「旧計画ダイヤ」、第2の計画ダイヤを「新計画ダイヤ」とした場合の分析結果の一例を示す図である。この分析結果は、第1の指定駅を「A駅」、第2の指定駅を「B駅」、指定列車種別を「快速」として、旧計画ダイヤにおける快速列車のA駅〜B駅間の運転時分と、新計画ダイヤにおける快速列車のA駅〜B駅間の運転時分との差(運転時分差)を分析したものである。同図において、横軸は運転時分差範囲(秒)、縦軸は各運転時分差範囲毎の頻度及び累積確率(%)をそれぞれ示している。
【0201】
この分析結果によれば、「25〜30秒」の運転時分差範囲において頻度が最大となっている。従って、新計画ダイヤは、快速列車のA駅〜B駅間の運転時分が、旧計画ダイヤよりも「30秒」程度長くなるように余裕を持たせたダイヤであることがわかる。
【0202】
同様に、普通列車についての運転時分差の分析結果を図28に示す。この分析結果によれば、「40〜45秒」と「75〜80秒」の運転時分差範囲において頻度が突出していることがわかる。従って、新計画ダイヤは、普通列車についてもA駅〜B駅間の運転時分に余裕を持たせたものであることがわかる。
【0203】
図29は、他の分析結果の一例を示す図である。この分析結果は、指定駅を「C駅」、指定列車種別を「普通」として、旧計画ダイヤにおける普通列車のC駅での停車時分と、新計画ダイヤにおける普通列車のC駅での停車時分との差(停車時分差)を分析したものである。同図において、横軸は停車時分差範囲(秒)、縦軸は各停車時分差範囲毎の頻度及び累積確率(%)をそれぞれ示している。
【0204】
この分析結果によれば、「0〜10秒」の停車時分差範囲に、全ての普通列車の停車時分差が収まっている。従って、新計画ダイヤは、全ての普通列車が、旧計画ダイヤよりもC駅において「0〜10秒」長く停車できるように余裕を持たせたものであることがわかる。
【0205】
4−2.複数の計画ダイヤ及び実績ダイヤの対比
また、複数の計画ダイヤ及び実績ダイヤについての対比を行うことにしてもよい。これは、新計画ダイヤにおいて、旧計画ダイヤと比較して運行実績がどれだけ改善されたかを評価する際に有用である。
【0206】
図30は、この場合におけるダイヤ選択画面W23の一例を示す図である。ダイヤ選択画面W23には、「計画ダイヤと実績ダイヤが格納されているフォルダを2つずつ選択して下さい」というメッセージが表示されている。また、第1の計画ダイヤ、第1の実績ダイヤ、第2の計画ダイヤ、第2の実績ダイヤがそれぞれ格納されているフォルダを選択するための「選択」と示されたボタンB23が表示されており、選択されたフォルダに対応するダイヤが表示ボックスWB23〜WB26に表示される。
【0207】
CPU20は、ダイヤ選択画面においてユーザにより選択されたダイヤのうち、(1)第1の計画ダイヤ及び第1の実績ダイヤ、(2)第2の計画ダイヤ及び第2の実績ダイヤ、のそれぞれについて6種類の分析処理を同様に行い、分析結果を2つ並べて表示する。
【0208】
図31は、この場合において分析結果が表示される分析結果表示画面W31の一例を示す図である。分析結果表示画面W31には、第1の計画ダイヤを「旧計画ダイヤ」、第1の実績ダイヤを「旧実績ダイヤ」として旧ダイヤに関する分析を行った結果を示すグラフG1と、第2の計画ダイヤを「新計画ダイヤ」、第2の実績ダイヤを「新実績ダイヤ」として新ダイヤに関する分析を行った結果を示すグラフG2とが並べて表示されている。
【0209】
これらの分析結果は、指定駅を「B駅」、指定列車種別を「快速」、指定着発を「着」として、計画ダイヤにおける快速列車のB駅での着時刻と、実績ダイヤにおける快速列車のB駅での着時刻との差(着遅延時分)を分析した結果である。同図において、横軸は着遅延時分範囲(秒)、縦軸は各着遅延時分範囲毎の頻度及び累積確率(%)をそれぞれ示している。
【0210】
旧ダイヤの分析結果と、新ダイヤの分析結果とを比較すると、「30〜110秒」の遅延時分範囲において、頻度が全体的に減少している。従って、新ダイヤでは、旧ダイヤと比べて、B駅での着遅延時分が「30秒以上」となる快速列車が減少したことがわかる。
【0211】
また、旧ダイヤの分析結果では、累積確率が最初に「80%以上」となった着遅延時分範囲が「55〜60秒」であったのに対し、新ダイヤの分析結果では「35〜40秒」の範囲であった。従って、新ダイヤでは、B駅での着遅延時分が全体的に減少したことがわかる。このように、旧ダイヤについての分析結果のグラフと、新ダイヤについての分析結果のグラフとを並べて表示することで、ユーザは両ダイヤの相違点を一目で把握することができる。
【0212】
さらには、(1)第1の計画ダイヤ及び第1の実績ダイヤ、(2)第2の計画ダイヤ及び第2の実績ダイヤ、の2つの分析結果に加えて、「4−1.計画ダイヤの比較分析」で説明した「第1の計画ダイヤ及び第2の計画ダイヤ」についての分析結果も併せて表示することにしてもよい。
【0213】
図32は、この場合における分析結果表示画面W33の一例を示す図である。分析結果表示画面W33には、図29で示した指定駅を「C駅」、指定列車種別を「普通」として、旧計画ダイヤにおける普通列車のC駅での停車時分と、新計画ダイヤにおける普通列車のC駅での停車時分との差(停車時分差)を分析した結果を示すグラフG3と、同じ分析条件で、旧計画ダイヤと旧実績ダイヤにおける停車時分差を分析した結果を示すグラフG4と、同じ分析条件で、新計画ダイヤと新実績ダイヤにおける停車時分差を分析した結果を示すグラフG5とが並べて表示されている。
【0214】
この分析結果によれば、新計画ダイヤにおいて、全ての普通列車が旧計画ダイヤよりもC駅において「0〜10秒」長く停車できるように余裕を持たせたことで、新旧の運行実績では、累積確率が最初に「90%以上」となる停車時分差範囲が、「25〜30秒」から「20〜25秒」に変化している。また、停車時分差が「5秒未満」となる累積確率が、「70%」から「60%」に減少したこともわかる。
【0215】
このように、3種類の分析結果を並べて表示することで、計画ダイヤにおける修正・変更箇所と、それにより得られた効果との対応関係が明瞭となり、ダイヤの評価に役立てることができる。
【0216】
4−3.折り返し時分分析処理
上述した実施形態では、(F)折り返し時分分析処理において、各実績ダイヤそれぞれにおける折り返し時分を算出し、各折り返し時分の頻度及び累積確率のグラフを描画するものとして説明したが、計画ダイヤにおける折り返し時分と、各実績ダイヤそれぞれにおける折り返し時分との差(以下、「折り返し時分差」という。)を算出し、各折り返し時分差の頻度及び累積確率のグラフを描画してもよい。
【0217】
具体的には、計画ダイヤの中から、指定駅における指定元列車番号の列車の着時刻と、指定先列車番号の列車の発時刻とを読み出し、その差を算出して「第1の折り返し時分」とする。また、各実績ダイヤそれぞれについて、当該実績ダイヤの中から、指定駅における指定元列車番号の列車の着時刻と、指定先列車番号の列車の発時刻とを読み出し、その差を算出して「第2の折り返し時分」とする。
【0218】
そして、第2の折り返し時分から第1の折り返し時分を減算することで折り返し時分差を算出し、算出した各折り返し時分差を、例えば「5秒」刻みの複数の範囲(以下、「折り返し時分差範囲」という。)に分類する。そして、各折り返し時分差範囲毎に頻度及び累積確率を算出し、それらを重畳させたグラフを描画する。
【0219】
4−4.グラフの描画
上述した実施形態では、(A)遅延分析処理、(D)運転時分分析処理、(E)停車時分分析処理、(F)折り返し時分分析処理において、頻度及び累積確率を重畳させたグラフを描画するものとして説明したが、重畳させずに別々に描画してもよいことは言うまでもない。また、頻度及び累積確率の両方のグラフを描画するのではなく、何れか一方のグラフを描画することにしてもよい。
【0220】
4−5.分析条件
上述した実施形態における分析条件の種類はあくまでも一例であり、他にも適宜設定可能である。例えば、「対象期間」、「天候」、「曜日」、「時間帯」、「線路」等の分析条件を追加することで、ダイヤの対比をより絞り込んで行うことが可能となる。この場合は、計画ダイヤ及び実績ダイヤそれぞれに「曜日」及び「線路」のデータを記憶させておくとともに、各実績ダイヤに当日の「天候」のデータを記憶させておく必要がある。
【0221】
具体的な処理としては、対象期間が指定された場合は(以下、「指定対象期間」という。)、指定対象期間に含まれる日付の実績ダイヤを選択し、天候が指定された場合は(以下、「指定天候」という。)、指定天候が記憶された実績ダイヤを選択する。また、曜日が指定された場合は(以下、「指定曜日」という。)、指定曜日が記憶された実績ダイヤを選択する。そして、計画ダイヤと、選択した実績ダイヤそれぞれとを対比して分析処理を行う。
【0222】
また、時間帯が指定された場合は(以下、「指定時間帯」という。)、各実績ダイヤの中から、指定時間帯に着発する列車を抽出し、当該抽出列車を対象として分析処理を行う。また、線路が指定された場合は(以下、「指定線路」という。)、各実績ダイヤの中から、指定線路を走行する列車を抽出し、当該抽出列車を対象として分析処理を行う。
【0223】
4−6.指定分析条件の保存
上述した実施形態では、指定分析条件を指定分析条件データ71としてRAM70に一時的に記憶させるものとして説明したが、指定分析条件をハードディスク60に蓄積しておき、ユーザが指定分析条件を任意に選択できるようにしてもよい。遅延分析処理を例に挙げると、ユーザにより指定された「駅」、「列車」、「着発」の分析条件をハードディスク60に蓄積しておく。
【0224】
そして、次回の遅延分析処理において、ハードディスク60に蓄積されている分析条件を一覧表示し、ユーザにより分析条件が1つ選択された場合に、当該分析条件を読み出して(ロードして)、遅延分析処理を行う。この場合、ユーザは、前回の続きからダイヤの比較評価を行うことが可能となる。尚、他の分析処理についても同様である。
【0225】
4−7.推奨分析条件
また、着発の遅延が特に発生しやすいと考えられる駅や、運転時分にずれが生じやすいと考えられる線区等についての分析条件を、「推奨分析条件」として予めハードディスク60に記憶させておき、ユーザが任意の推奨分析条件を選択することを可能にしてもよい。この場合は、ユーザは、自ら分析条件を指定することなく、重要な駅や線区等についての分析処理を簡易に行わせることが可能となる。
【0226】
4−8.情報記憶媒体
上述した実施形態では、ダイヤ比較評価支援プログラム61、計画ダイヤDB63及び実績ダイヤDB65の全てが当初からハードディスク60に記憶されているものとして説明したが、その一部又は全部をCD−ROM等の情報記憶媒体に記憶させておくことにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【図1】ダイヤ比較評価支援装置の機能構成を示すブロック図。
【図2】計画ダイヤDBのデータ構成例を示す図。
【図3】実績ダイヤDBのデータ構成例を示す図。
【図4】ダイヤ比較評価支援処理の流れを示すフローチャート。
【図5】遅延分析処理の流れを示すフローチャート。
【図6】遅延分析処理の流れを示すフローチャート。
【図7】相互遅延分析処理の流れを示すフローチャート。
【図8】接続遅延分析処理の流れを示すフローチャート。
【図9】運転時分分析処理の流れを示すフローチャート。
【図10】停車時分分析処理の流れを示すフローチャート。
【図11】折り返し時分分析処理の流れを示すフローチャート。
【図12】ダイヤ選択画面の一例を示す図。
【図13】分析処理選択画面の一例を示す図。
【図14】分析条件指定画面の一例を示す図。
【図15】分析条件指定画面の一例を示す図。
【図16】分析条件指定画面の一例を示す図。
【図17】分析条件指定画面の一例を示す図。
【図18】分析条件指定画面の一例を示す図。
【図19】分析条件指定画面の一例を示す図。
【図20】遅延分析処理において描画されるグラフの一例を示す図。
【図21】相互遅延分析処理において描画される散布図の一例を示す図。
【図22】接続遅延分析処理において描画される散布図の一例を示す図。
【図23】運転時分分析処理において描画されるグラフの一例を示す図。
【図24】停車時分分析処理において描画されるグラフの一例を示す図。
【図25】折り返し時分分析処理において描画されるグラフの一例を示す図。
【図26】変形例におけるダイヤ選択画面の一例を示す図。
【図27】変形例における分析結果の一例を示す図。
【図28】変形例における分析結果の一例を示す図。
【図29】変形例における分析結果の一例を示す図。
【図30】変形例におけるダイヤ選択画面の一例を示す図。
【図31】変形例における分析結果表示画面の一例を示す図。
【図32】変形例における分析結果表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0228】
1 ダイヤ比較評価支援装置
20 CPU
30 操作部
40 表示部
50 通信部
60 ハードディスク
61 ダイヤ比較評価支援プログラム
63 計画ダイヤDB
64 計画ダイヤデータ
65 実績ダイヤDB
66 実績ダイヤデータ群
67 実績ダイヤデータ
70 RAM
71 指定分析条件データ
73 サンプルデータ
80 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段、
前記指定された駅の前記基準ダイヤデータにおける着発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータの当該駅での着発時刻の遅延時分を、各列車毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出する遅延時分算出手段、
前記遅延時分算出手段によって算出された各遅延時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶するコンピュータを、
前記複数の列車のうちの何れかの列車と前記複数の駅のうちの何れかの駅との組み合わせを2組指定する指定手段、
前記指定された列車の前記指定された駅での前記基準ダイヤデータにおける着発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータにおける着発時刻の遅延時分を、前記各比較対象ダイヤデータ毎に、前記指定された2組それぞれについて算出する遅延時分算出手段、
前記遅延時分算出手段により算出された前記2組のうちの一方の組の遅延時分と他方の組の遅延時分との対応関係を前記各比較対象ダイヤデータ毎にプロットした散布図を描画する描画手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項3】
各列車の各駅の着発時刻が当該列車の列車種別と対応付けて記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に当該列車の列車種別と対応付けて記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段、
列車種別が異なる列車同士の前記指定された駅での発時刻間隔が所定の接続時分条件を満足する列車同士を前記基準ダイヤデータの中から検索する接続列車検索手段、
前記基準ダイヤデータにおける前記検索された列車の前記指定された駅の発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータにおける当該列車の当該駅の発時刻の発遅延時分を、前記各比較対象ダイヤデータ毎に、前記接続列車検索手段により検索された列車同士それぞれについて算出する発遅延時分算出手段、
前記検索された列車同士の一方の列車について前記発遅延時分算出手段により算出された発遅延時分と、他方の列車について前記算出された発遅延時分との対応関係を、前記検索された列車同士毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについてプロットした散布図を描画する描画手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項4】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から2つの駅を指定する駅指定手段、
前記指定された2つの駅間の前記基準ダイヤデータにおける運転時分と前記比較対象ダイヤデータにおける運転時分との差を、各列車毎に前記各比較対象列車データそれぞれについて算出する運転時分差算出手段、
前記運転時分差算出手段によって算出された各運転時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段、
前記指定された駅の前記基準ダイヤデータにおける停車時分と前記比較対象ダイヤデータにおける停車時分との差を、各列車毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出する停車時分差算出手段、
前記停車時分差算出手段によって算出された各停車時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶するコンピュータを、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定するとともに、当該駅での折り返し列車を指定する指定手段、
前記指定された駅での前記指定された折り返し列車の前記各比較対象ダイヤデータそれぞれにおける折り返し時分を算出する折り返し時分算出手段、
前記折り返し時分算出手段によって算出された各折り返し時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
前記折り返し時分算出手段が、前記指定された駅での前記指定された折り返し列車の前記基準ダイヤデータにおける折り返し時分と前記各比較対象ダイヤデータそれぞれにおける折り返し時分との差を算出し、
前記描画手段が、前記算出された各折り返し時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記基準ダイヤデータとして計画ダイヤデータ又は基本ダイヤデータを選択する第1の選択手段、
前記比較対象ダイヤデータとして実績ダイヤデータを選択する第2の選択手段、
として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記基準ダイヤデータとして第1の計画ダイヤデータ又は第1の基本ダイヤデータを選択する第1の選択手段、
前記比較対象ダイヤデータとして第2の計画ダイヤデータ又は第2の基本ダイヤデータを選択する第2の選択手段、
として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段と、
前記指定された駅の前記基準ダイヤデータにおける着発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータの当該駅での着発時刻の遅延時分を、各列車毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出する遅延時分算出手段と、
前記遅延時分算出手段によって算出された各遅延時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置。
【請求項11】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の列車のうちの何れかの列車と前記複数の駅のうちの何れかの駅との組み合わせを2組指定する指定手段と、
前記指定された列車の前記指定された駅での前記基準ダイヤデータにおける着発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータにおける着発時刻の遅延時分を、前記各比較対象ダイヤデータ毎に、前記指定された2組それぞれについて算出する遅延時分算出手段と、
前記遅延時分算出手段により算出された前記2組のうちの一方の組の遅延時分と他方の組の遅延時分との対応関係を前記各比較対象ダイヤデータ毎にプロットした散布図を描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置。
【請求項12】
各列車の各駅の着発時刻が当該列車の列車種別と対応付けて記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に当該列車の列車種別と対応付けて記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段と、
列車種別が異なる列車同士の前記指定された駅での発時刻間隔が所定の接続時分条件を満足する列車同士を前記基準ダイヤデータの中から検索する接続列車検索手段と、
前記基準ダイヤデータにおける前記検索された列車の前記指定された駅の発時刻に対する前記比較対象ダイヤデータにおける当該列車の当該駅の発時刻の発遅延時分を、前記各比較対象ダイヤデータ毎に、前記接続列車検索手段により検索された列車同士それぞれについて算出する発遅延時分算出手段と、
前記検索された列車同士の一方の列車について前記発遅延時分算出手段により算出された発遅延時分と、他方の列車について前記算出された発遅延時分との対応関係を、前記検索された列車同士毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについてプロットした散布図を描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置。
【請求項13】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から2つの駅を指定する駅指定手段と、
前記指定された2つの駅間の前記基準ダイヤデータにおける運転時分と前記比較対象ダイヤデータにおける運転時分との差を、各列車毎に前記各比較対象列車データそれぞれについて算出する運転時分差算出手段と、
前記運転時分差算出手段によって算出された各運転時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置。
【請求項14】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定する駅指定手段と、
前記指定された駅の前記基準ダイヤデータにおける停車時分と前記比較対象ダイヤデータにおける停車時分との差を、各列車毎に前記各比較対象ダイヤデータそれぞれについて算出する停車時分差算出手段と、
前記停車時分差算出手段によって算出された各停車時分の差の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置。
【請求項15】
各列車の各駅の着発時刻が記録された基準ダイヤデータと、前記基準ダイヤデータと同じ列車の同じ駅の着発時刻が前記基準ダイヤデータと同様に各列車及び各駅毎に記録された1以上の比較対象ダイヤデータとを記憶する記憶手段と、
前記複数の駅の中から択一的に駅を指定するとともに、当該駅での折り返し列車を指定する指定手段と、
前記指定された駅での前記指定された折り返し列車の前記各比較対象ダイヤデータそれぞれにおける折り返し時分を算出する折り返し時分算出手段と、
前記折り返し時分算出手段によって算出された各折り返し時分の度数分布及び/又は累積相対度数分布のグラフを描画する描画手段と、
を備えたダイヤ比較評価支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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