説明

プロジェクタ、プロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法、及び、プロジェクタ光源の駆動電圧設定方法

【課題】 長期間使用しても製品出荷時と同等のホワイトバランスを維持できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】 複数の青色光源が所定個数のグループに区分けされてグループ毎に出力制御可能とされた励起光照射装置と、この励起光照射装置からの射出光を受けて緑色波長帯域の蛍光光及び青色波長帯域の拡散光を射出する蛍光ホイールと、赤色光源と、を有した光源ユニットを備え、青色波長帯域光の投影時に各グループの青色光源に印加するグループ毎の駆動電圧情報と、赤色波長帯域光の投影時に赤色光源に印加する赤色光源駆動電圧情報と、が記憶された光源制御情報記憶手段を有し、グループ毎の駆動電圧情報は、青色投影光の照度分布が赤色投影光の照度分布と近似するように、青色光源に印加する駆動電圧値をグループ毎に調整することで生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタと、プロジェクタの製造時におけるプロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法と、プロジェクタの出荷後におけるプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、さらにメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から射出された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子、又は、液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示させるものである。
【0003】
このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源として用いるものが主流であったが、近年、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)、あるいは、有機EL等の固体発光素子(半導体発光素子)を光源として用いたプロジェクタの開発や提案が多々なされている。
【0004】
例えば、特開2004−220015号公報(特許文献1)では、固体発光素子を光源として備えた光源ユニットにおいて、光量の増大を図るために固体発光素子をマトリクス状に配置した提案がなされている。
【0005】
また、特開2004−341105号公報(特許文献2)では、蛍光体が周方向に敷設された蛍光ホイールと、固体発光素子としての紫外線発光ダイオードと、を備えた光源ユニットの提案がなされている。この特許文献2の提案における光源ユニットは、蛍光ホイールに裏面側から励起光としての紫外線を照射し、この蛍光ホイールの前面側から発光された発光光を光源光として利用する構成とされている。
【0006】
このような固体発光素子は、使用する固体によって駆動電圧値が異なる場合がある。プロジェクタにおいて駆動電圧値が異なる複数の固体発光素子が接続された場合、各固体発光素子に安定した点灯をさせるため、発光素子毎に駆動電圧値を設定する必要がある。駆動電圧値を設定する方法としては、オペアンプ(演算増幅器)によって固体発光素子の駆動電圧値に関する情報をDC−DCコンバータに送出し、DC−DCコンバータで固体発光素子毎に駆動電圧値を可変制御するというものがある。
【0007】
しかしながら、高速で時分割制御を行う必要があるプロジェクタでは、このようにオペアンプからの情報に従ってDC−DCコンバータで駆動電圧値を可変制御していると、安定した点灯となるまでにタイムラグが発生してしまう。このようにタイムラグが発生すると、安定した点灯となるまでの間、光源ユニットから射出される光源光の光量が不均一になるという問題点がある。このように光源光の光量が不均一となると、投影画像における部分部分で輝度ムラが発生してしまう。
【0008】
また、赤色、緑色、青色波長帯域の光を射出する固体発光素子を光源として使用する場合には、各色の固体発光素子によって発光効率や輝度等が異なるため、各色の固体発光素子を夫々に制御する必要がある。また、同色で同種類の固体発光素子であっても、個体によって発光効率や輝度等に製造誤差等を原因とした固体差が発生する。
【0009】
このような問題点を解決するため、特開2004−311635号公報(特許文献3)では、固体発光素子の安定駆動に必要な情報(特性情報)を予め記憶しておき、固体発光素子の駆動時には、この特性情報に従って駆動させることにより高速で固体発光素子を安定点灯させる提案がなされている。
【0010】
また、特開2005−310996号公報(特許文献4)や特開2008−171983号公報(特許文献5)では、複数の固体発光素子を直列に接続した光源ユニットにおいて、各固体発光素子に個別の負荷抵抗を設け、この負荷抵抗を個別に制御することで固体発光素子の固体差を調整する提案がなされている。
【0011】
さらに、特開2008−177020号公報(特許文献6)では、複数の固体発光素子を円板上に配列し、この複数の発光素子を備えた円板を回転させることで輝度ムラが生じることを防止する提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−220015号公報
【特許文献2】特開2004−341105号公報
【特許文献3】特開2004−311635号公報
【特許文献4】特開2005−310996号公報
【特許文献5】特開2008−171983号公報
【特許文献6】特開2008−177020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
光の三原色である赤色、緑色、青色波長帯域の光を射出する光源ユニットを備えたプロジェクタでは、各波長帯域光の輝度の均一化、つまり、投影画像における照度分布の均一化を図る必要がある。上述したように、各波長帯域光の輝度の均一化を図る方法としては、各固体発光素子に付加する駆動電圧値を制御する方法がある。
【0014】
しかしながら、例えば、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードを光源として用いた場合、緑色波長帯域光の輝度が赤色、青色と比較して低く、駆動電圧を単純に制御するだけでは輝度の均一化を図ることが困難であった。そこで、輝度の足りない緑色発光ダイオードの量を増加させることで輝度の均一化を図ることもできる(特許文献1)。
【0015】
しかし、輝点を増やした場合、緑色光源のエテンデュー(有効光の空間的な広がりを面積と立体角との積として表した値)が大きくなり、表示素子のエテンデューよりも大きくなるために緑色発光ダイオードから射出された光の利用効率が下がるという問題点があった。
【0016】
また、蛍光体に励起光を照射して蛍光体から発せられる蛍光光を光源光として利用する方法もあるが(特許文献2)、赤色波長帯域光の輝度が小さくなってしまうという問題点があった。そこで、緑色波長帯域光を蛍光反射させる緑色蛍光体領域と、励起光を拡散透過させる拡散透過領域と、を備えた蛍光ホイールに青色レーザーダイオードからの射出光を照射し、緑色及び青色波長帯域光を生成するとともに、赤色発光ダイオードを別途配置して赤色波長帯域光を生成する光源ユニットの開発がなされている。
【0017】
この光源ユニットでは、蛍光ホイールにおける蛍光光と、拡散透過光と、赤色発光ダイオードからの射出光とが異なる光学系によって表示素子まで導光されるため、赤色発光ダイオードや青色レーザーダイオードの駆動電圧値を単純に制御するだけでは投影画像の輝度ムラを防止することが困難であった。また、製品の使用開始当初は照度分布が均一であった場合であっても、継続的な使用により、赤色発光ダイオードや青色レーザーダイオード、蛍光体に経年劣化等が生じ、照度分布が不均一になることがあるという問題点もあった。
【0018】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、プロジェクタの製造時において、出力される光源光のホワイトバランスが均一となるようにプロジェクタの光源ユニットが備える各光源に印加する駆動電圧値を設定するプロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法と、プロジェクタの出荷後においてこの初期駆動電圧設定方法によって設定したホワイトバランスを保つように各光源に印加する駆動電圧値を設定するプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法と、これらの駆動電圧設定方法によって光源ユニットにおける駆動電圧値が設定されることにより長期間使用した場合でも製品出荷当時のホワイトバランスを維持することができるプロジェクタと、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、赤色、緑色、青色波長帯域の光を射出可能な光源ユニットと、表示素子と、前記光源ユニットからの射出光を前記表示素子まで導光する導光光学系と、投影側光学系と、光源制御情報記憶手段と、該光源制御情報記憶手段に記憶された情報に基づいて前記光源ユニットを制御する光源出力制御手段を有したプロジェクタ制御手段と、を備え、前記光源ユニットが、青色波長帯域光を射出する複数の青色光源を有した励起光照射装置と、該励起光照射装置からの射出光を受けて緑色波長帯域の蛍光光及び青色波長帯域の拡散光を射出する蛍光板と、赤色波長帯域光を射出する赤色光源と、からなるプロジェクタであって、前記複数の青色光源は、1つ以上の青色光源を備えてなる複数のグループに区分けされてグループ毎に出力制御可能とされ、前記光源制御情報記憶手段には、青色波長帯域光の投影時に各グループの青色光源に印加するグループ毎の駆動電圧情報と、赤色波長帯域光の投影時に前記赤色光源に印加する赤色光源駆動電圧情報と、が記憶され、前記グループ毎の駆動電圧情報は、青色投影光の照度分布が赤色投影光の照度分布と一致もしくは近似するように、前記青色光源に印加する駆動電圧値を前記グループ毎に調整することで生成されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明のプロジェクタにおいて、前記グループ毎の駆動電圧情報は、前記複数の青色光源及び前記赤色光源を前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における、青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布とを所定数の測定箇所にて比較し、前記測定箇所において照度に差がある場合には、前記測定箇所における前記青色投影光の照度分布を前記グループ毎に測定し、前記測定箇所において、複数の青色光源を全点灯させた場合の前記青色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記グループ間で相互に調整された駆動電圧値により設定された情報であることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明のプロジェクタは、前記光源ユニットからの射出光の発光強度や照度分布を測定する照度分布測定手段を備え、前記光源制御情報記憶手段には、前記プロジェクタの出荷前に、設定された駆動電圧情報に従って前記全青色光源及び前記赤色光源を順次点灯させ、前記照度分布測定手段によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の初期情報である初期発光強度情報が記憶されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のプロジェクタは、前記プロジェクタの出荷後に、前記駆動電圧情報に従って前記全青色光源及び前記赤色光源を順次点灯させ、前記照度分布測定手段によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の実測情報である実測発光強度情報と、前記初期発光強度情報と、を比較する発光強度比較手段を有し、前記光源出力制御手段は、前記実測発光強度情報と前記初期発光強度情報との間で、前記青色投影光及び/又は前記赤色投影光の発光強度に所定値以上の差異が見られるか否かを判定し、発光強度に差異があり、なお且つ前記実測発光強度情報から前記青色投影光と前記赤色投影光との出力バランスに差異が見られる場合、前記青色投影光及び前記赤色投影光の出力バランスが一致もしくは近似するように、前記青色光源及び/又は前記赤色光源の駆動電圧値を調整し、調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0023】
なお、本発明のプロジェクタにおける前記光源制御情報記憶手段には、前記発光強度の近似度合に関して許容範囲の基準となる情報が予め記憶されていることを特徴とする。
【0024】
そして、本発明のプロジェクタにおいて、前記光源出力制御手段は、前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従って全点灯させた場合における青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布と、を所定数の測定箇所にて比較し、前記測定箇所において照度に差がある場合には、複数の前記青色光源を全点灯させた場合の前記青色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記青色光源に印加する駆動電圧値を調整し、調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に駆動電圧情報として記憶させることを特徴とする。
【0025】
また、本発明のプロジェクタにおける前記光源制御情報記憶手段には、前記照度分布の近似度合に関して許容範囲の基準となる情報が予め記憶されていることを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明のプロジェクタにおける前記光源制御情報記憶手段には、緑色波長帯域光の投影時に各グループの青色光源に印加する駆動電圧情報が記憶され、該緑色投影時のグループ毎の駆動電圧情報は、前記複数の青色光源及び前記赤色光源を前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における、緑色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布とを所定数の測定箇所にて比較し、前記測定箇所において照度に差がある場合には、前記測定箇所における前記緑色投影光の照度分布を前記グループ毎に測定し、前記測定箇所において、複数の青色光源を全点灯させた場合の前記緑色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記グループ間で相互に調整された駆動電圧値により設定された情報であることを特徴とする。
【0027】
本発明は、複数の青色光源を備えてなる励起光照射装置、該励起光照射装置からの射出光を受けて緑色波長帯域の蛍光光と青色波長帯域の拡散光とを射出する蛍光板、及び、赤色波長帯域光を射出する赤色光源、を備えた光源ユニットと、プロジェクタ制御手段と、光源制御情報記憶手段と、を備えたプロジェクタの出荷前におけるプロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法であって、前記複数の青色光源を個々に制御可能なグループに区分けし、前記複数の青色光源及び前記赤色光源を前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布とを所定数の測定箇所にて比較し、前記測定箇所において照度に差がある場合には、前記測定箇所における前記青色投影光の照度分布を前記グループ毎に測定し、前記測定箇所において、複数の青色光源を全点灯させた場合の前記青色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記青色光源に印加する駆動電圧値を前記グループ間で相互に調整し、調整後の駆動電圧値の情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させることにより実現されることを特徴とする。
【0028】
また、本発明のプロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法は、前記青色投影光の照度分布が赤色投影光の照度分布と一致もしくは近似するように青色光源に印加する駆動電圧値を前記グループ間で相互に調整し、調整後の駆動電圧値の情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させた後、前記複数の青色光源を前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における緑色投影光の照度分布と前記赤色投影光の照度分布も所定数の測定箇所にて比較し、前記測定箇所において照度に差がある場合には、前記測定箇所における前記緑色投影光の照度分布を前記グループ毎に測定し、前記測定箇所において、複数の青色光源を全点灯させた場合の前記緑色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記青色光源に印加する駆動電圧値を前記グループ間で相互に調整し、調整後の駆動電圧値の情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させることにより実現されることを特徴とする。
【0029】
本発明は、複数の青色光源が所定個数のグループに区分けされてグループ毎に出力制御可能とされた励起光照射装置、該励起光照射装置からの射出光を受けて緑色波長帯域の蛍光光と青色波長帯域の拡散光とを射出する蛍光板、及び、赤色波長帯域光を射出する赤色光源、からなる光源ユニットと、該光源ユニットからの射出光の照度分布を測定する照度分布測定手段と、前記赤色光源の初期駆動電圧値の情報及びグループ毎の青色光源における初期駆動電圧値の情報、が記憶された光源制御情報記憶手段と、該光源制御情報記憶手段に記憶された情報に従って前記光源ユニットを制御する光源出力制御手段を有するプロジェクタ制御手段と、を備えたプロジェクタにおけるプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法であって、前記プロジェクタの出荷前に、前記初期駆動電圧値に従って前記全青色光源及び前記赤色光源を順次点灯させ、前記照度分布測定手段によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の初期情報である初期発光強度情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させる初期発光強度情報保存処理を行い、前記プロジェクタの出荷後に、前記駆動電圧情報に従って前記全青色光源及び前記赤色光源を順次点灯させ、前記照度分布測定手段によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の実測情報である実測発光強度情報と、前記初期発光強度情報と、を比較し、前記実測発光強度情報と前記初期発光強度情報との間で、前記青色投影光及び/又は前記赤色投影光の発光強度に所定値以上の差異が見られるか否か、及び、前記実測発光強度情報から前記青色投影光と前記赤色投影光との出力バランスに差異が見られるかを判定する発光強度比較判定処理と、該発光強度判定処理において、発光強度に差異があり、なお且つ前記実測発光強度情報から前記青色投影光と前記赤色投影光との出力バランスに差異が見られる場合、前記青色投影光及び前記赤色投影光の出力バランスが一致もしくは近似するように、前記青色光源及び/又は前記赤色光源の駆動電圧値を調整する駆動電圧調整処理と、調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させる駆動電圧情報更新処理と、を行うことを特徴とする。
【0030】
本発明におけるプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法は、前記駆動電圧調整処理の後、前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従って全点灯させた場合における青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布と、を所定数の測定箇所にて比較する照度分布比較判定処理と、該照度分布比較判定処理において前記測定箇所における照度に差がある場合に、複数の前記青色光源を全点灯させた場合の前記青色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記グループ毎の青色光源に印加する駆動電圧値を調整する照度分布調整処理と、を行い、調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に駆動電圧情報として記憶させる前記駆動電圧情報更新処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、プロジェクタの製造時において、出力される光源光のホワイトバランスが均一となるようにプロジェクタの光源ユニットが備える各光源に印加する駆動電圧値を設定するプロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法と、プロジェクタの出荷後においてこの初期駆動電圧設定方法によって設定したホワイトバランスを保つように各光源に印加する駆動電圧値を設定するプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法と、これらの駆動電圧設定方法によって光源ユニットにおける駆動電圧値が設定されることにより長期間使用した場合でも製品出荷当時のホワイトバランスを維持することができるプロジェクタと、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係るプロジェクタの機能回路ブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るプロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。
【図4】本発明の実施例に係る青色光源装置励起光照射装置の正面模式図である。
【図5】本発明の実施例に係る照度分布の計測点の位置を示す図である。
【図6】本発明の実施例に係るプロジェクタが備える光源ユニットから射出された赤色、緑色、青色波長帯域光の照度分布を測定した結果を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係る青色光源のグループ毎の照度分布を測定した結果を示す図である。
【図8】本発明の実施例に係る駆動電圧設定方法により設定した光源に印加する駆動電圧値の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施例に係る駆動電圧設定方法により設定した駆動電圧値で光源ユニットを制御した場合における光源ユニットから射出された赤色及び青色波長帯域光の照度分布を測定した結果を示す図である。
【図10】本発明の実施例に係る駆動電圧設定方法の制御フローを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例に係る駆動電圧設定方法により設定した光源に印加する駆動電圧値の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。本発明のプロジェクタ10は、赤色、緑色、青色波長帯域の光を射出可能な光源ユニット60と、表示素子51と、光源ユニット60からの射出光を表示素子51まで導光する導光光学系170と、投影側光学系220と、を備える。さらに、プロジェクタ10は、光源制御情報記憶手段としてのROMと、光源制御情報記憶手段に記憶された情報に基づいて光源ユニット60を制御する光源出力制御手段としての光源制御回路41を有したプロジェクタ制御手段と、を備える。
【0034】
この光源ユニット60は、青色波長帯域光を射出する複数の青色光源71を有した励起光照射装置70と、励起光照射装置70からの射出光を受けて緑色波長帯域の蛍光光及び青色波長帯域の拡散光を射出する蛍光板としての蛍光ホイール101と、赤色波長帯域光を射出する赤色光源121と、を備える。また、複数の青色光源71は、所定個数の青色光源71を備えてなる複数のグループに区分けされてグループ毎に出力制御可能とされている。
【0035】
そして、光源制御情報記憶手段には、青色波長帯域光の投影時に各グループの青色光源71に印加するグループ毎の駆動電圧情報と、赤色波長帯域光の投影時に赤色光源121に印加する赤色光源駆動電圧情報と、が記憶されている。このグループ毎の駆動電圧情報は、青色投影光の照度分布が、赤色投影光の照度分布と近似するように、青色光源71に印加する駆動電圧値をグループ毎に調整して生成される。
【0036】
つまり、グループ毎の駆動電圧情報は、プロジェクタ10の出荷前において、複数の青色光源71及び赤色光源121を光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における、青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布とを所定数の測定箇所にて比較し、測定箇所において照度に差がある場合には、青色投影光の照度分布をグループ毎に測定し、測定箇所において、複数の青色光源71を全点灯させた場合の青色投影光の照度が、赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、グループ間で相互に調整された駆動電圧値により設定された情報である。
【0037】
また、本発明のプロジェクタ10は、光源ユニット60からの射出光の照度分布を測定する照度分布測定手段としての照度分布測定センサ44を備える。そして、光源制御情報記憶手段には、設定された駆動電圧情報に従って全青色光源71及び赤色光源121を順次点灯させ照度分布測定センサ44によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の製品出荷前における発光強度の情報である初期発光強度情報がプロジェクタ10の製品出荷前の段階で記憶されている。なお、発光強度は、照度分布測定センサ44によって測定した照度分布から算出される。
【0038】
さらに、本発明のプロジェクタ10は、駆動電圧情報に従って全青色光源71及び赤色光源121を順次点灯させ照度分布測定センサ44によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の実測情報である実測発光強度情報と、初期青色発光強度情報と、を比較する発光強度比較手段を有している。
【0039】
そして、光源制御回路41は、実測発光強度情報と初期発光強度情報との間で、青色投影光及び/又は赤色投影光の発光強度に差異が見られるか否かを判定し、発光強度に差異が見られる場合、青色投影光及び赤色投影光の全体の出力バランスに狂いが見られるか否かを判定し、出力バランスに狂いが見られる場合、青色投影光及び赤色投影光の全体の出力バランスが当初の出力バランスと一致もしくは近似するように、青色光源71及び/又は赤色光源121の駆動電圧値を調整し、調整後の駆動電圧情報を光源制御情報記憶手段に記憶させる。
【0040】
さらに、出力バランスを一致させるように調整した後、青色投影光及び赤色投影光の照度分布を比較し、照度分布に狂いが見られる場合には、青色光源71に印加する駆動電圧値を製品出荷前における駆動電圧値の設定と同様にグループ毎に調整する。
【実施例】
【0041】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0042】
本実施例のプロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0043】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0044】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔18が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。さらに、図示しない下面パネルにおける正面、背面、左側及び右側パネルの近傍にも、吸気孔あるいは排気孔が複数形成されている。
【0045】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2のブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成され、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0046】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0047】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束を光源側光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系220を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系220の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0048】
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレームグループで伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
【0049】
制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、制御手段としてのCPUや、各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。なお、このROMは、光源制御情報記憶手段としても機能し、エルピーダメモリ等の書き込み可能なROMである。
【0050】
本体ケースの上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0051】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0052】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60の青色光源や赤色光源、蛍光ホイールを制御する。
【0053】
さらに、制御部38は、照度分布測定手段としての照度分布測定センサ44とシステムバス(SB)を介して接続されている。この照度分布測定センサ44は、表示素子51のOFF光が照射される位置に配置されており、表示素子51のOFF光から赤色、緑色、青色波長帯域光における照度分布を測定し、測定結果をシステムバス(SB)を介して制御部38に送出する。
【0054】
また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0055】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。
【0056】
さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。なお、光源ユニット60や光学系ユニット160の上方、つまり、光源ユニット60や光学系ユニット160と上面パネル11との間には、図示しないがCPU等を備えた主制御回路基板が配置されている。
【0057】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される励起光照射装置70と、この励起光照射装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色光源装置120からの射出光の光軸が同一の光軸となるように変換する光源側光学系140と、を備える。
【0058】
励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された青色光源装置72と、青色光源装置72からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー群75と、反射ミラー群75で反射した青色光源装置72からの射出光を集光する集光レンズ78と、を備え、青色光源装置72と右側パネル14との間にはヒートシンク81が配置されている。
【0059】
青色光源装置72は、青色レーザーダイオード等の固体発光素子である複数の青色光源71がマトリクス状に配列されてなり、具体的には、24個の青色光源71が、上下方向に3段、前後方向に8段、均等な間隔で配列されてなる。また、各青色光源71からの射出光の光軸上には、各青色光源71からの射出光を平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。さらに、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配列されてなり、青色光源装置72から射出される光線束の断面積を一方向、つまり、図3においては左右方向に縮小して集光レンズ78に射出する。
【0060】
そして、励起光照射装置70のヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81によって青色光源71が冷却される。さらに、反射ミラー群75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー群75や集光レンズ78が冷却される。
【0061】
蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの射出光の光軸と直交するように配置された蛍光板としての蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光ホイール101から正面パネル12方向に射出される光線束を集光する集光レンズ115と、を備える。
【0062】
この蛍光ホイール101は、励起光照射装置70からの射出光を励起光として緑色波長帯域の蛍光光を射出する緑色蛍光発光領域と、励起光照射装置70からの射出光を拡散透過する拡散透過領域と、が周方向に並設されてなる。また、緑色蛍光発光領域における蛍光ホイール101の背面パネル13側の表面は、銀蒸着等によってミラー加工されており、このミラー加工された表面に帯状の緑色蛍光体層が敷設されている。さらに、拡散透過領域における蛍光ホイール101の表面は、サンドブラスト等によって微細凹凸が形成されている。
【0063】
そして、蛍光ホイール101の緑色蛍光体層に照射された励起光照射装置70からの射出光は、緑色蛍光体層における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接背面パネル13側へ、あるいは、蛍光ホイール101の表面で反射した後に背面パネル13側へ射出され、集光レンズ群111に入射する。また、蛍光ホイール101の拡散透過領域に照射された励起光照射装置70からの射出光は、微細凹凸によって拡散された青色波長帯域の拡散透過光として集光レンズ115に入射する。なお、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール101が冷却される。
【0064】
赤色光源装置120は、青色光源71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。また、赤色光源121は、赤色発光ダイオード等の固体発光素子とされている。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色光源121が冷却される。
【0065】
そして、光源側光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光と、が交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0066】
また、蛍光ホイール101を拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射してこの青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。さらに、第一反射ミラー143で反射した青色波長帯域光の光軸上であって光学系ユニット160の近傍には、この青色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二反射ミラー145が配置されている。
【0067】
また、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸及びこの光軸と一致するように第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と、第二反射ミラー145で反射した青色波長帯域光の光軸とが交差する位置には、青色波長帯域光を透過し、赤色及び緑色波長帯域光を反射してこれら赤色及び緑色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、ダイクロイックミラーや反射ミラーの間には、夫々集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル175の入射面近傍には、光源光をライトトンネル175の入射口に集光する集光レンズ173が配置されている。
【0068】
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、光源側光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0069】
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する導光光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する導光光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175や、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0070】
画像生成ブロック165は、導光光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
【0071】
さらに、画像生成ブロック165における表示素子51からのOFF光が照射される位置には、図3には図示しない上述した照度分布測定センサ44が配置されている。そして、照度分布測定センサ44は、表示素子51からのOFF光を受光することにより赤色、緑色、青色投影光の照度分布を測定する。なお、照度分布測定センサ44の配置位置は、画像生成ブロック165に限定されるものではなく、照度分布を測定できる位置であればよい。
【0072】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0073】
このような構成とされたプロジェクタ10において、質の高い画像を投影するためには、赤色、緑色、青色波長帯域の投影光の照度分布を均一にすることが求められる。つまり、白色光を投影した場合に、投影画像に輝度ムラが発生することを防止する必要がある。
【0074】
本実施例の光源ユニット60において、赤色投影光は、赤色光源121である赤色発光ダイオードの単体を点灯させることにより生成される。よって、赤色光源121の出力を調整することにより赤色投影光の輝度を変化させることは可能であるが、赤色投影光の照度分布を変化させることはできない。そこで、投影画像のホワイトバランスを均一にするためには、赤色投影光の照度分布に青色及び緑色投影光の照度分布を近似させる必要がある。
【0075】
以下、本実施例のプロジェクタ10における、青色光源71や赤色光源121の初期駆動電圧設定方法、つまり、プロジェクタ10の製造時(プロジェクタ10の出荷前)における青色光源71や赤色光源121の駆動電圧値を設定する方法について述べる。図4は、青色光源装置72の正面模式図である。
【0076】
本実施例の青色光源装置72は、図4に示すように、上下方向に3段、前後方向に8段に配列された24個の青色光源71が、上下方向に3段、前後方向に2段とされる6個の青色光源71からなる4つのグループに区分けされ、グループ毎に青色光源71の出力制御が可能とされている。そして、赤色光源121を所定の駆動電圧値で点灯させた場合の赤色投影光の照度分布と、青色光源71をグループ毎に設定した駆動電圧値で点灯させた場合の青色投影光の照度分布と、が略均一の照度分布となるようにグループ毎の出力が調整されている。なお、所定の駆動電圧値とは、青色光源71や赤色光源121の最大順方向電圧値以下の駆動電圧値であって、光源制御情報記憶手段としてのROMに駆動電圧情報として予め記憶されている駆動電圧値をいう。
【0077】
具体的には、まず、青色光源71の各グループを所定の駆動電圧値で点灯させ、青色及び緑色投影光の照度分布を測定する。また、同時に赤色光源121を所定の駆動電圧値で点灯させ、赤色投影光の照度分布を測定する。なお、照度分布を測定する場合、図5に示すように、スクリーン等に投影された投影光を上下及び左右に3等分することにより9分割し、9つの領域内における照度の平均値を照度計で測定することにより行う。なお、図5において、各計測点を色分けしているが、投影画像を表示しているわけではなく、各領域を明確にするために色分けしているにすぎない。
【0078】
以下の明細書内において、計測点1は、画像が投影されたスクリーンを正面から見た場合における上段左を示し、計測点2は上段中央を、計測点3は上段右を、以下、順に中段の左、中央、右、下段の左、中央、右を計測点4,5,6,7,8,9として説明する。また、本実施例では、投影画像上の9点における照度を測定する構成としているが、この計測点の数や測定箇所に限定されるものではなく、計測点を12点にする等、計測点を増やすことによってさらに精度を高めること、また、計測点を減らすことによって調整を容易にすること、あるいは、測定箇所の位置を変更することもできる。
【0079】
そして、青色、緑色及び赤色投影光の照度分布を測定した後、各色光の測定した照度分布を比較する。図6は、青色光源装置72の各グループに属する青色光源71を所定の駆動電圧値で点灯させた場合における青色及び緑色投影光の照度分布測定結果、及び、赤色光源121を所定の駆動電圧値で点灯させた場合における赤色投影光の照度分布測定結果を表す図である。
【0080】
まず、青色投影光と赤色投影光の照度分布を比較すると、図6に示すように、青色投影光の照度分布は、赤色投影光の照度分布と比較して全ての計測点で照度(lx:ルクス)が高く、特に計測点1乃至3の上段ではその差が顕著である。一方、緑色投影光と赤色投影光の照度分布を比較すると、全ての計測点で緑色投影光の照度が高いものの、赤色投影光の照度分布と近似していることが分かる。
【0081】
加えて、赤色投影光及び緑色投影光における照度の高い計測点と照度の低い計測点の照度差は比較的小さいのに対し、青色投影光は、照度の高い計測点と照度の低い計測点における照度差が大きい傾向にある。これは、赤色投影光は、単体の赤色光源121から照射されるため光源素子の個体差による照度バラツキの影響がなく、また、緑色投影光は、青色光源装置72からの射出光を光蛍光ホイール101の緑色蛍光体層において励起拡散させるため、青色光源装置72の複数光源素子の個体差による照度バラツキは軽減されている一方で、青色投影光は、青色光源装置72からの射出光をダイレクトに蛍光ホイール101の拡散透過領域で拡散されるため、青色光源装置72の複数光源素子から固体差による照度バラツキが生じやすくなっているためである。
【0082】
よって、ホワイトバランスを均一にするためには青色投影光の照度分布を赤色投影光の照度分布に近似させるよう、計測点1乃至3に影響力が強い青色光源71のグループの出力を下げる必要がある。本実施例の光源ユニット60において青色波長帯域の光源光は、複数の青色光源71からの射出光を蛍光ホイール101で拡散透過させることにより生成される。よって、どの青色光源71のグループを調整する必要があるかを調べる必要がある。そこで、各グループの青色光源71から射出される光線束がスクリーン上のどの部分に特に影響を与えているかを調べるため、グループ毎に青色光源71を点灯し、各照度分布を測定する。
【0083】
図7は、青色光源71をグループ毎に所定の駆動電圧値で点灯させた場合における各グループから射出される青色投影光の照度分布測定結果を表す図である。グループ1からの射出光は、図7に示すように、計測点1,4,7、つまり、スクリーン上の左側部分に強く照射されている。また、グループ2からの射出光は、計測点2,5,8に強く照射され、かつ、計測点1,4,7にも影響を与えている。つまり、グループ2からの射出光は、スクリーン上の中央部分に強く照射されるも左側部分にも比較的強く照射されている。
【0084】
さらに、グループ3からの射出光は、計測点2,5,8に強く照射され、かつ、計測点3,6にも強めに照射されている。つまり、グループ3からの射出光は、スクリーン上の中央部分に強く照射されるも右側部分にも比較的強く照射されている。また、グループ4からの射出光は、計測点3,6,9に強く照射されている、つまり、スクリーン上の右側部分に強く照射されている。
【0085】
図7に示した青色投影光のグループ毎の照度分布から、調整が必要となる計測点1乃至3の内で、計測点1に最も強い影響を与えているのは、グループ1に属する青色光源71であり、計測点2,3に関してはグループ2乃至4が影響していることが分かる。そこで、青色波長帯域光を投影する場合、青色投影光の照度分布を赤色投影光の照度分布に近似させるため、図8に示すように、グループ1に属する青色光源71の駆動電圧値を大きく下げて50%とし、グループ2に属する青色光源71の駆動電圧値は100%とし、グループ3に属する青色光源71の駆動電圧値は少し下げて80%とし、グループ4に属する青色光源71の駆動電圧値も少し下げて90%とする。なお、各駆動電圧値は、上述した所定の駆動電圧値に対してのパーセンテージを表している。
【0086】
図9は、図8に示した駆動電圧値に従って青色光源71を点灯させた場合における青色投影光のグループ毎の照度測定結果、全グループによる照度測定結果、及び、所定の駆動電圧値で赤色光源121を点灯させた場合における赤色投影光の照度測定結果を示す図である。図8に示した駆動電圧値に従って青色光源71を点灯させた場合、図9に示すように、各グループに属する青色光源71からの投影光における照度の合計値は、赤色投影光の照度分布に近似していることが分かる。
【0087】
なお、例えば、赤色投影光と青色投影光の照度分布の差が計測点の1箇所のみに顕著に表れる場合であっても、複数のグループの駆動電圧値を調整することが好ましい。1グループのみの駆動電圧値を大きく変化させた場合、他の計測点で赤色投影光の照度と差が生じることになるからである。つまり、本実施例の駆動電圧設定方法では、青色投影光の照度分布を赤色投影光の照度分布に近づけるために、複数のグループの駆動電圧値を調整している。
【0088】
そして、このように調整したグループ毎の青色光源71に印加する駆動電圧値の情報や、上述した赤色光源121に印加する駆動電圧値の情報を制御部38にフィードバックして、光源制御情報記憶手段としてのROMに駆動電圧情報として記憶させる。
【0089】
次に、このように各光源71,121に印加する駆動電圧値を設定した後、設定した駆動電圧情報に従ってグループ毎の青色光源71及び赤色光源121を順次点灯させ、上述した照度分布測定センサ44によって青色投影光及び赤色投影光の発光強度を順次測定し、測定した発光強度を初期発光強度情報として光源制御情報記憶手段に記憶させる。
【0090】
このように、初期駆動電圧設定方法で青色光源71や赤色光源121の駆動電圧値を設定し、光源制御情報記憶手段としてのROMに記憶させることにより、プロジェクタ制御手段としてのCPUで光源制御情報記憶手段としてのROMに記憶されたこれらの情報を読み出し、光源制御回路41をこれらの情報に従って制御することで、輝度ムラがなく、照度分布が均一化された投影画像の投影が可能となる。
【0091】
次に、プロジェクタ10の出荷後におけるプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法について述べる。上述したような初期駆動電圧設定方法に従って駆動電圧値を設定した本実施例のプロジェクタ10は、光源制御情報記憶手段に記憶された各情報に従って青色光源71を制御することにより輝度ムラのないカラー画像を投影できる。
【0092】
しかしながら、青色光源71や赤色光源121として使用される固体発光素子は、上述したように継続的に使用することにより経年劣化等によって輝度が下がることがあり、また、この劣化速度に関しても個体差があるため、劣化速度の個体差により出荷前に設定した駆動電圧値に従って青色光源71を点灯させた場合であっても投影画像に輝度ムラが発生することがある。そこで、輝度ムラがないカラー画像を投影するためには、出荷後においても各光源71,121の駆動電圧値を設定し直す必要がある。
【0093】
本実施例におけるプロジェクタ10は、出荷後におけるプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法を有している。この駆動電圧設定方法は、青色光源装置72及び赤色光源121から射出される青色投影光及び赤色投影光の発光強度を測定し、当初の発光強度と実測の発光強度とに差異があり、且つ、出力バランスに狂いが生じている場合に駆動電圧値を調整する処理と、さらに、青色投影光及び赤色投影光の照度分布とを測定し、各照度分布に差異がある場合には照度分布が一致もしくは近似するように青色光源71に印加する駆動電圧値をグループ毎に調整する処理と、を行うことでホワイトバランスを保っている。
【0094】
以下、詳細に述べる。図10は、製品出荷後におけるプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法を示すフローチャートである。プロジェクタ10の電源が入ると、光源出力制御手段としての光源制御回路41は、光源制御情報記憶手段(ROM)に記憶された初期の駆動電圧情報に従って青色光源71及び赤色光源121を夫々点灯させる光源点灯処理(ステップS205)を行う。次に、光源制御回路41は、照度分布測定手段としての照度分布測定センサ44に、全青色光源71からの青色投影光及び赤色投影光の照度分布を測定させ、各照度から発光強度を算出する発光強度測定処理(ステップS210)を行う。
【0095】
次に、光源制御回路41は、発光強度測定処理(ステップS210)において測定した実測発光強度と、光源制御情報記憶手段に記憶された初期発光強度と、を比較して夫々の発光強度が一致もしくは近似するか否かを判定する発光強度比較判定処理(ステップS215)を行う。この際の発光強度の近似度合は、投影画像の照度に大きな影響を及ぼさない程度の所定の範囲であり、許容範囲として予め光源制御情報記憶手段に記憶されているものとする。つまり、光源制御回路41は、初期の発光強度と照度分布測定センサ44で測定した実測の発光強度とを比較する発光強度比較手段として機能する。
【0096】
そして、発光強度比較判定処理(ステップS215)において、測定によって得られた実測発光強度と初期発光強度とが一致もしくは近似する場合、光源制御回路41は、赤色投影光と青色投影光の照度分布が一致もしくは近似しているかを判定する照度分布比較判定処理(ステップS235)を実行する。
【0097】
また、発光強度比較判定処理(ステップS215)において、実測発光強度と初期発光強度が一致もしくは近似しない場合、光源制御回路41は、初期発光強度情報における赤色、青色投影光の相互の出力バランスと、測定によって得られた相互の出力バランスと、を対比し、各々の出力バランスが一致もしくは近似するか否かを判定する出力バランス判定処理(ステップS220)を行う。この際の出力バランスの近似度合は、投影画像のホワイトバランスに大きな影響を及ぼさない程度の所定の範囲であり、許容範囲として予め光源制御情報記憶手段に記憶されているものとする。
【0098】
このようにいずれかの光源に当初の発光強度と差異があった場合に出力バランスを判定するのは、当初の出力バランスと測定による出力バランスとが一致もしくは近似していれば、投影画像全体の輝度は経年劣化等によって低下したものの、ホワイトバランスは保たれるため、輝度ムラ等による投影画像の質の低下が生じないからである。
【0099】
出力バランス判定処理(ステップS220)において、測定結果における出力バランスと当初の出力バランスとが一致もしくは近似する場合、光源制御回路41は、照度分布比較判定処理(ステップS235)を実行する。
【0100】
一方、出力バランス判定処理(ステップS220)において、測定によって得られた出力バランスと当初の出力バランスとに差異がある場合、光源制御回路41は、測定によって得られる出力バランスと当初の出力バランスとが一致もしくは近似するように、グループ毎の青色光源71や赤色光源121の駆動電圧値を調整する駆動電圧調整処理(ステップS225)を行う。つまり、光源制御回路41は、測定による出力バランスが当初の出力バランスと一致もしくは近似するように各光源71,121に印加する駆動電圧値を調整する。そして、駆動電圧調整処理(ステップS225)の後、光源制御回路41は、照度分布測定センサ44による照度分布測定処理(ステップS230)を行う。
【0101】
この駆動電圧調整処理(ステップS225)では、出力判定処理(ステップS215)において青色光源71に劣化があったと確認された場合には、全青色光源71に印加する駆動電圧値を上げる、あるいは、赤色光源121に印加する駆動電圧値を下げるという調整を行う。また、赤色光源121に劣化があったと確認された場合には、全青色光源71に印加する駆動電圧値を下げる、あるいは、赤色光源121に印加する駆動電圧値を上げるという調整を行う。
【0102】
そして、照度分布測定処理(ステップ230)の後、光源制御回路41は、照度分布比較判定処理(ステップS235)を実行する。この照度分布比較判定処理(ステップS235)における近似度合は、投影画像の照度に大きな影響を及ぼさない程度の所定の範囲であり、許容範囲として予め光源制御情報記憶手段に規定されているものとする。
【0103】
照度分布比較判定処理(ステップS235)において、各照度分布が一致もしくは近似しているとき、光源制御回路41は、駆動電圧調整処理(ステップS225)で駆動電圧値を調整している場合には調整後の駆動電圧値を光源制御情報記憶手段に保存して駆動電圧情報を更新する駆動電圧更新処理(ステップS245)を行い、プロジェクタ10の通常駆動を開始する。
【0104】
照度分布比較判定処理(ステップS235)において、各照度分布に差異が見られる場合、光源制御回路41は、青色投影光の照度分布が赤色投影光の照度分布と一致もしくは近似するようにグループ毎の青色光源71に印加する駆動電圧値を調整する照度分布調整処理(ステップS240)を実行し、駆動電圧更新処理(ステップS245)を行った後プロジェクタ10の通常駆動を開始する。
【0105】
この、照度分布調整処理(ステップS240)における駆動電圧値の調整方法は、上述した初期駆動電圧調整方法と同様であり、光源出力制御手段としての光源制御回路41が、光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従って各光源71,121を点灯させた場合における青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布とを所定数の測定箇所にて比較し、測定箇所において照度に差がある場合には、複数の青色光源71を全点灯させた場合の青色投影光の照度が、赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、グループ毎の青色光源71に印加する駆動電圧値を調整し、調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に駆動電圧情報として記憶させることにより行う。
【0106】
このようにプロジェクタ10の電源が入ったときに、常に、各光源71,121の発光強度を測定して、初期発光強度と実測発光強度との差が発見された場合には駆動電圧値を調整し、調整してもなお赤色投影光と青色投影光の照度分布が一致もしくは近似しない場合には、青色光源71に印加する駆動電圧値をグループ毎に調整することにより、常にホワイトバランスが保たれ、高品質な画像を投影可能なプロジェクタ10を提供できることとなる。
【0107】
本実施例のプロジェクタ10は、青色光源装置72の複数の青色光源71を個々に制御可能な複数のグループに区分けし、グループ毎に駆動電圧値を設定する構成とされている。これにより、本実施例のプロジェクタ10によれば、投影画像において輝度ムラが発生した場合に、輝度ムラが発生した領域と対応するグループに属する青色光源71の出力を制御することで輝度ムラを修正することができる。また、グループ毎に出力を設定する構成とすることで、使用する固体発光素子の経年劣化に個体差が生じる場合であっても、グループ全体としての差は小さくなるため、長い間安定した投影が可能なプロジェクタ10を提供できることとなる。
【0108】
また、本実施例のプロジェクタ10では、プロジェクタ10の出荷前において、光源ユニット60における固体発光素子の出力を設定する場合に、各グループの青色光源71からの射出光がスクリーン上のどの部分に影響しているかを調べ、この情報をもとに各グループの青色光源71に印加する駆動電圧値を調整している。このように駆動電圧値を調整することにより、赤色投影光の照度分布と差異がある位置を容易に特定でき、赤色投影光の照度分布と差異がある部分の出力を容易に調整できるため、投影画像上の所定の箇所に輝度ムラが発生することを防止できる。
【0109】
そして、照度分布測定センサ44を設けて赤色投影光及びグループ毎、あるいは、全点灯時の青色投影光における当初の発光強度を測定し、初期発光強度情報として光源制御情報記憶手段に記憶させておくことにより、継続した使用によって固体発光素子に劣化等が生じた場合に、この初期発光強度情報における出力バランスを基準として固体発光素子の駆動電圧値を調整できることとなる。
【0110】
さらに、このように出荷後に固体発光素子に劣化等が生じたプロジェクタ10において出力バランスを設定する場合に、初期発光強度情報の出力バランスと一致もしくは近似するように青色光源71や赤色光源121の駆動電圧値を調整する構成としたことにより、長期間当初のホワイトバランスを保つことができるプロジェクタ10を提供できることとなる。
【0111】
さらに、照度分布測定センサ44で測定した照度分布の情報をもとに、各色投影光の照度分布を均一にできる構成とすることにより、青色光源71の所定のグループ等に劣化が生じ、初期駆動電圧値ではホワイトバランスを保てない場合であっても、グループ毎に駆動電圧値を自動で調整できるため、高品質な画像を長期間投影可能なプロジェクタ10を提供できることとなる。また、例えば、初期駆動電圧情報が何らかの理由で消去された場合であっても、ホワイトバランスを自動で調整することができ、使い勝手のよいプロジェクタ10を提供できることとなる。
【0112】
また、光源制御情報記憶手段に発光強度や照度分布の近似度合に関して許容範囲の基準となる情報を予め記憶させておくことにより、各光源71,121に印加する駆動電圧値の調整を自動で行うことができるため、プロジェクタ10を使用する者の手を煩わせることなく、高品質な画像の投影が可能なプロジェクタ10を提供できることとなる。
【0113】
なお、上述した実施例では、青色波長帯域光の投影時にのみ青色光源71をグループ毎に出力制御する構成としているが、図11に示すように、緑色波長帯域光の投影時においても青色光源71をグループ毎に出力制御する構成とすることもできる。つまり、緑色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布に差が生じた場合、上述した青色投影光の照度分布を調整する場合と同様に、各グループに属する青色光源71の照度分布をグループ毎に測定し、差が生じた計測点の照度を赤色投影光の照度に近づけるように、複数の青色光源71のグループに印加する駆動電圧値を調整する。そして、調整した駆動電圧の情報を、緑色投影時におけるグループ毎の青色光源71の出力に関する情報として光源制御情報記憶手段にフィードバックして保存する。
【0114】
このように緑色投影光に関しても青色光源71のグループ毎に駆動電圧値を調整する構成とすることにより、赤色投影光と緑色投影光との照度分布に差が生じる場合であっても容易に駆動電圧値の設定を行うことができ、高品質なカラー画像の投影が可能なプロジェクタ10を提供できることとなる。
【0115】
なお、本実施例における青色光源装置72は、上下方向に3段、前後方向に8段となるように青色光源71が配列されているものを述べているもこれに限定されるものではなく、複数の青色光源71をグループ毎に出力制御する構成とすれば、あらゆる個数の青色光源71、及び、あらゆる青色光源71の配置において同様の効果を得られる。
【0116】
また、本実施例における青色光源装置72は、青色光源71を6個で1グループを構成することとしたが、1グループを構成する青色光源71の個数はこれに限定されるものではなく、例えば1個で1グループを構成することとしてもよい。すなわち、青色光源装置72が備える複数の青色光源71を2グループ以上に分割することができればよい。さらに、各グループを構成する青色光源71の個数は互いに異なっていてもよい。但し、この場合は、グループ毎のスクリーン上の各計測点に与える照度の影響力は、グループ毎に構成される青色光源71の個数によっても当然変化してくるため、上述した実施例のように投影画像に対するグループの位置関係だけでなく、そのグループを構成する青色光源71の個数も考慮に入れた調整が必要となることは言うまでもない。
【0117】
また、図8及び図11に示した、緑色及び青色波長帯域光の投影時における青色光源71に印加する駆動電圧値は、一例を述べたにすぎず、この数値に何ら限定されるものではない。つまり、本実施例におけるプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法は、青色光源71を個別に制御可能なグループに区分けし、グループ毎に出力調整や出力制御を行うことを特徴としている。
【0118】
また、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0119】
10 プロジェクタ 11 上面パネル
12 正面パネル 13 背面パネル
14 右側パネル 15 左側パネル
17 排気孔 18 吸気孔
19 レンズカバー 20 各種端子
21 入出力コネクタ部 22 入出力インターフェース
23 画像変換部 24 表示エンコーダ
25 ビデオRAM 26 表示駆動部
31 画像圧縮伸長部 32 メモリカード
35 Ir受信部 36 Ir処理部
37 キー/インジケータ部 38 制御部
41 光源制御回路 43 冷却ファン駆動制御回路
44 照度分布測定センサ 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカ
51 表示素子 60 光源ユニット
70 励起光照射装置 71 青色光源
72 青色光源装置 73 コリメータレンズ
75 反射ミラー群 78 集光レンズ
81 ヒートシンク
100 蛍光発光装置 101 蛍光ホイール
110 ホイールモータ 111 集光レンズ群
115 集光レンズ 120 赤色光源装置
121 赤色光源 125 集光レンズ群
130 ヒートシンク 140 光源側光学系
141 第一ダイクロイックミラー 143 第一反射ミラー
145 第二反射ミラー 148 第二ダイクロイックミラー
160 光学系ユニット 161 照明側ブロック
165 画像生成ブロック 168 投影側ブロック
170 導光光学系 173 集光レンズ
175 ライトトンネル 178 集光レンズ
181 光軸変換ミラー 183 集光レンズ
185 照射ミラー 190 ヒートシンク
195 集光レンズ 220 投影側光学系
225 固定レンズ群 235 可動レンズ群
241 制御回路基板 261 冷却ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色、緑色、青色波長帯域の光を射出可能な光源ユニットと、表示素子と、前記光源ユニットからの射出光を前記表示素子まで導光する導光光学系と、投影側光学系と、光源制御情報記憶手段と、該光源制御情報記憶手段に記憶された情報に基づいて前記光源ユニットを制御する光源出力制御手段を有したプロジェクタ制御手段と、を備え、前記光源ユニットが、青色波長帯域光を射出する複数の青色光源を有した励起光照射装置と、該励起光照射装置からの射出光を受けて緑色波長帯域の蛍光光及び青色波長帯域の拡散光を射出する蛍光板と、赤色波長帯域光を射出する赤色光源と、からなるプロジェクタであって、
前記複数の青色光源は、1つ以上の青色光源を備えてなる複数のグループに区分けされてグループ毎に出力制御可能とされ、
前記光源制御情報記憶手段には、青色波長帯域光の投影時に各グループの青色光源に印加するグループ毎の駆動電圧情報と、赤色波長帯域光の投影時に前記赤色光源に印加する赤色光源駆動電圧情報と、が記憶され、
前記グループ毎の駆動電圧情報は、
青色投影光の照度分布が赤色投影光の照度分布と一致もしくは近似するように、前記青色光源に印加する駆動電圧値を前記グループ毎に調整することで生成されることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
前記グループ毎の駆動電圧情報は、
前記複数の青色光源及び前記赤色光源を前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における、青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布とを所定数の測定箇所にて比較し、
前記測定箇所において照度に差がある場合には、前記測定箇所における前記青色投影光の照度分布を前記グループ毎に測定し、
前記測定箇所において、複数の青色光源を全点灯させた場合の前記青色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記グループ間で相互に調整された駆動電圧値により設定された情報であることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記光源ユニットからの射出光の発光強度や照度分布を測定する照度分布測定手段を備え、
前記光源制御情報記憶手段には、前記プロジェクタの出荷前に、設定された駆動電圧情報に従って前記全青色光源及び前記赤色光源を順次点灯させ、前記照度分布測定手段によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の初期情報である初期発光強度情報が記憶されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記プロジェクタの出荷後に、前記駆動電圧情報に従って前記全青色光源及び前記赤色光源を順次点灯させ、前記照度分布測定手段によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の実測情報である実測発光強度情報と、前記初期発光強度情報と、を比較する発光強度比較手段を有し、
前記光源出力制御手段は、前記実測発光強度情報と前記初期発光強度情報との間で、前記青色投影光及び/又は前記赤色投影光の発光強度に所定値以上の差異が見られるか否かを判定し、発光強度に差異があり、なお且つ前記実測発光強度情報から前記青色投影光と前記赤色投影光との出力バランスに差異が見られる場合、前記青色投影光及び前記赤色投影光の出力バランスが一致もしくは近似するように、前記青色光源及び/又は前記赤色光源の駆動電圧値を調整し、調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記光源制御情報記憶手段には、前記発光強度の近似度合に関して許容範囲の基準となる情報が予め記憶されていることを特徴とする請求項4に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記光源出力制御手段は、前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従って全点灯させた場合における青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布と、を所定数の測定箇所にて比較し、
前記測定箇所において照度に差がある場合には、複数の前記青色光源を全点灯させた場合の前記青色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記青色光源に印加する駆動電圧値を調整し、調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に駆動電圧情報として記憶させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記光源制御情報記憶手段には、前記照度分布の近似度合に関して許容範囲の基準となる情報が予め記憶されていることを特徴とする請求項6に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記光源制御情報記憶手段には、緑色波長帯域光の投影時に各グループの青色光源に印加する駆動電圧情報が記憶され、
該緑色投影時のグループ毎の駆動電圧情報は、
前記複数の青色光源及び前記赤色光源を前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における、緑色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布とを所定数の測定箇所にて比較し、
前記測定箇所において照度に差がある場合には、前記測定箇所における前記緑色投影光の照度分布を前記グループ毎に測定し、
前記測定箇所において、複数の青色光源を全点灯させた場合の前記緑色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記グループ間で相互に調整された駆動電圧値により設定された情報であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプロジェクタ。
【請求項9】
複数の青色光源を備えてなる励起光照射装置、該励起光照射装置からの射出光を受けて緑色波長帯域の蛍光光と青色波長帯域の拡散光とを射出する蛍光板、及び、赤色波長帯域光を射出する赤色光源、を備えた光源ユニットと、プロジェクタ制御手段と、光源制御情報記憶手段と、を備えたプロジェクタの出荷前におけるプロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法であって、
前記複数の青色光源を個々に制御可能なグループに区分けし、
前記複数の青色光源及び前記赤色光源を前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布とを所定数の測定箇所にて比較し、
前記測定箇所において照度に差がある場合には、前記測定箇所における前記青色投影光の照度分布を前記グループ毎に測定し、
前記測定箇所において、複数の青色光源を全点灯させた場合の前記青色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記青色光源に印加する駆動電圧値を前記グループ間で相互に調整し、
調整後の駆動電圧値の情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させることにより実現されることを特徴とするプロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法。
【請求項10】
前記青色投影光の照度分布が赤色投影光の照度分布と一致もしくは近似するように青色光源に印加する駆動電圧値を前記グループ間で相互に調整し、調整後の駆動電圧値の情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させた後、
前記複数の青色光源を前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従ってそれぞれ全点灯させた場合における緑色投影光の照度分布と前記赤色投影光の照度分布も所定数の測定箇所にて比較し、
前記測定箇所において照度に差がある場合には、前記測定箇所における前記緑色投影光の照度分布を前記グループ毎に測定し、
前記測定箇所において、複数の青色光源を全点灯させた場合の前記緑色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記青色光源に印加する駆動電圧値を前記グループ間で相互に調整し、
調整後の駆動電圧値の情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させることにより実現されることを特徴とする請求項9に記載のプロジェクタ光源の初期駆動電圧設定方法。
【請求項11】
複数の青色光源が所定個数のグループに区分けされてグループ毎に出力制御可能とされた励起光照射装置、該励起光照射装置からの射出光を受けて緑色波長帯域の蛍光光と青色波長帯域の拡散光とを射出する蛍光板、及び、赤色波長帯域光を射出する赤色光源、からなる光源ユニットと、該光源ユニットからの射出光の照度分布を測定する照度分布測定手段と、前記赤色光源の初期駆動電圧値の情報及びグループ毎の青色光源における初期駆動電圧値の情報、が記憶された光源制御情報記憶手段と、該光源制御情報記憶手段に記憶された情報に従って前記光源ユニットを制御する光源出力制御手段を有するプロジェクタ制御手段と、を備えたプロジェクタにおけるプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法であって、
前記プロジェクタの出荷前に、前記初期駆動電圧値に従って前記全青色光源及び前記赤色光源を順次点灯させ、前記照度分布測定手段によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の初期情報である初期発光強度情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させる初期発光強度情報保存処理を行い、
前記プロジェクタの出荷後に、前記駆動電圧情報に従って前記全青色光源及び前記赤色光源を順次点灯させ、前記照度分布測定手段によって順次測定して得られる、青色投影光及び赤色投影光の発光強度の実測情報である実測発光強度情報と、前記初期発光強度情報と、を比較し、前記実測発光強度情報と前記初期発光強度情報との間で、前記青色投影光及び/又は前記赤色投影光の発光強度に所定値以上の差異が見られるか否か、及び、前記実測発光強度情報から前記青色投影光と前記赤色投影光との出力バランスに差異が見られるかを判定する発光強度比較判定処理と、
該発光強度判定処理において、発光強度に差異があり、なお且つ前記実測発光強度情報から前記青色投影光と前記赤色投影光との出力バランスに差異が見られる場合、前記青色投影光及び前記赤色投影光の出力バランスが一致もしくは近似するように、前記青色光源及び/又は前記赤色光源の駆動電圧値を調整する駆動電圧調整処理と、
調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に記憶させる駆動電圧情報更新処理と、を行うことを特徴とするプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法。
【請求項12】
前記駆動電圧調整処理の後、前記光源制御情報記憶手段に記憶された駆動電圧情報に従って全点灯させた場合における青色投影光の照度分布と赤色投影光の照度分布と、を所定数の測定箇所にて比較する照度分布比較判定処理と、
該照度分布比較判定処理において前記測定箇所における照度に差がある場合に、複数の前記青色光源を全点灯させた場合の前記青色投影光の照度が、前記赤色投影光の照度と一致もしくは近似するように、前記グループ毎の青色光源に印加する駆動電圧値を調整する照度分布調整処理と、を行い、
調整後の駆動電圧情報を前記光源制御情報記憶手段に駆動電圧情報として記憶させる前記駆動電圧情報更新処理を行うことを特徴とする請求項11に記載のプロジェクタ光源の駆動電圧設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−133535(P2011−133535A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290428(P2009−290428)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】