説明

プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法

【課題】ダイレクトオンモードに設定されている場合に、設定項目の変更を禁止または許可するかのいずれかを選択することができるプロジェクターを提供する。
【解決手段】モード情報21aがダイレクトオンモードまたは通常モードのいずれかに設定されているかに応じて設定項目21bの設定変更可否情報21cを設定し、設定変更操作を検出した場合に設定変更可否情報21cの内容に応じて設定項目21bの変更を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターにおいて、商用電源(AC電源)より、電力が供給されたときに、当該プロジェクターの光源を点灯して投写を開始するモード(以降、「ダイレクトオンモード」と呼ぶ)を備えたものが知られている。このようなダイレクトオンモードを備えたプロジェクターによれば、商用電源より電力を供給するだけで投写が開始されるため、電源キーによる電源オン操作が不要になる。よって、例えば、複数のプロジェクターを併用する場合や、プロジェクターを他の機器と併用して使用する場合等に、電源投入や電源切断をシステムとして一括して行うことが可能になるため、有効である。
【0003】
このようなプロジェクターをダイレクトオンモードで使用する場合においては、設定項目を決まった内容に固定して使う場合が多い。このため、誤って操作を行い、設定を変更してしまった場合、元の設定に戻すのが面倒だった。特にプロジェクターを天吊り設置で使っている場合、リモートコントローラー(リモコン/RCとも称する)を使わねばならず、リモコンが手元にない場合、すぐには設定を変更することができないという問題があった。
【0004】
特許文献1には使用状態が変化したことを検出して、認証を求めるプロジェクターが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−308826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなプロジェクターでは、使用する度に認証が必要であり、非常に面倒であった。特に、ダイレクトオンモードで起動のたびに認証を行うのでは、ダイレクトオン機能の利便性が失われてしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、電源より電力が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記電源より電力が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかが設定されるモード情報と、当該プロジェクターの設定項目と、当該設定項目の内容の変更を許可するか否かの設定変更可否情報とを記憶する記憶部と、当該プロジェクターの本体に備えられ、入力操作を受け付ける本体操作部と、当該プロジェクターを遠隔操作するためのリモートコントローラーから送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、前記本体操作部が受け付けた前記入力操作、および前記操作信号受信部が受信した操作信号に基づいて、当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記モード情報の設定内容に応じて、前記設定変更可否情報を設定し、前記制御部は、前記本体操作部による前記入力操作、または前記操作信号受信部が受信した操作信号による前記設定項目の変更操作を検出した場合、前記設定変更可否情報の内容に応じて、前記設定項目の内容の変更を行うことを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、モード情報の設定内容に応じて設定項目の設定変更可否情報を設定し、設定変更操作検出時に設定変更可否情報に応じて設定項目の変更を行う。これにより、例えばダイレクトオンモードのときに、入力端子切替を禁止することで、ダイレクトオンモードで投写中に誤って操作し、入力端子が切り替えられるのを防止することが可能となる。
【0010】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記モード情報がダイレクトオンモードに設定されている場合において、前記本体操作部による前記入力操作または前記操作信号受信部が受信した操作信号による変更操作のいずれによる設定変更操作を検出したかに応じて、前記設定変更可否情報を設定することを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、モード情報がダイレクトオンモードに設定されているとき、本体操作部、またはリモコンによる操作の、いずれによる設定変更操作を検出したかにより、設定変更可否情報を設定する。つまり、ダイレクトオンモードに設定されているとき、本体操作部の操作による設定変更は禁止とし、リモコン操作による設定変更は可能、またはその逆のような設定ができるので、設定項目の変更はリモコンで行い、設定変更を伴わない通常の使用は本体操作部による操作でも可能とすることで、誤って設定項目が変更されてしまうのを防止することが可能となる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記本体操作部による前記入力操作または前記操作信号受信部が受信した操作信号による前記設定項目の設定変更操作を受け付けたとき、前記設定変更可否情報により設定変更が許可されていなかった場合に前記画像投写部に設定変更が禁止されているメッセージを投写することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、設定変更操作が禁止されていることをメッセージ画面により、操作したユーザーが確認できるので、設定変更ができない場合に故障であると間違えることがなくなり、変更操作をしないように警告を促すことが可能になる。
【0014】
[適用例4]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターの制御方法であって、電源より電力が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記電源より電力が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかが設定されるモード情報と、当該プロジェクターの設定項目と、当該設定項目の内容の変更を許可するか否かの設定変更可否情報とを記憶する記憶部と、当該プロジェクターの本体に備えられ、入力操作を受け付ける本体操作部と、当該プロジェクターを遠隔操作するためのリモートコントローラーから送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、を備え、前記モード情報に前記ダイレクトオンモードまたは前記通常モードのいずれかを設定するモード変更ステップと、前記モード変更ステップによる設定内容に応じて、前記設定変更可否情報を設定する設定変更可否設定ステップと、前記本体操作部による前記入力操作、または前記操作信号受信部が受信した操作信号による前記設定項目の変更操作を検出した場合、前記設定変更可否情報の内容に応じて、前記設定項目の内容の変更を行う設定項目変更ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、モード情報の設定内容に応じて設定項目の設定変更可否情報を設定し、設定変更操作検出時に設定変更可否情報に応じて設定項目の変更を行う。これにより、例えばダイレクトオンモードのときに、入力端子切替を禁止することで、ダイレクトオンモードで投写中に誤って操作し、入力端子が切り替えられるのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】プロジェクターの動作を示すフローチャート。(a)は設定項目変更操作を受け付けたときの動作、(b)はモード情報変更操作時の動作を示す。
【図3】プロジェクターの警告メッセージを示す図。
【図4】プロジェクターの本体操作部のキー配置を示す図。
【図5】プロジェクターのリモコンのキー配置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部22、本体操作部23、操作信号受信部24、画像信号入力部5、画像信号処理部3、OSD処理部4、電源端子6、電源部7等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0019】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調し、投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0020】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。
光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0021】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
【0022】
液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
【0023】
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0024】
上記実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は、光源11としてLED(Light emitting diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。
なお、上記実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0025】
制御部20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。
【0026】
記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態では設定データとして、モード情報21a、設定項目21b、及び設定変更可否情報21cが記憶部21に保存される。
【0027】
モード情報21aは、プロジェクター1に電力が供給されたときに光源11を点灯して起動するダイレクトオンモード、または電力が供給されたときに光源11を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのどちらに切り替えられているかを表す情報である。
設定項目21bはプロジェクター1の動作のための各種設定情報、例えば画像信号入力部5の複数の入力端子のうち、いずれかが選択されているかの内容を示す情報である。
設定変更可否情報21cは、設定項目21bの変更を許可するか否かを示す情報である。
【0028】
制御部20は設定項目21bの変更操作を受け付けると、設定変更可否情報21cに設定の変更を許可する設定がされている場合にのみ、設定項目21bの内容の変更を行う。
【0029】
本体操作部23は、プロジェクター1の本体筐体外面に備えられ、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。
【0030】
図4に示すように、本体操作部23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キー23aや、画像信号入力部5に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー23b、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー23c、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー23d、決定キー23e、エスケープキー23f、ヘルプキー23g等がある。
ユーザーが本体操作部23の各種操作キーを操作すると、本体操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。
【0031】
操作信号受信部24は、遠隔操作で入力操作を行うリモートコントローラー(リモコン/RCとも称する)25からの操作信号を受信し、ユーザーの操作内容に応じた、操作信号を制御部20に出力する。
図5に示すように、リモコン25が備える操作キーとしては、本体操作部23と同等である、電源キー25a、入力切替キー25b、メニューキー25c、カーソルキー25d、決定キー25e、エスケープキー25f、ヘルプキー25gのキーに加え、画面ミュートキー25h、画面縦横比切替キー25i、カラーモード切替キー25j、番号入力キー25k等がある。
【0032】
画像信号入力部5は、上述したように複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0033】
画像信号処理部3は、画像信号入力部5から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0034】
OSD処理部4は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
【0035】
制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。
なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部4は、画像信号処理部3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0036】
液晶駆動部14は本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0037】
電源部7は、AC100V等の商用電源などに接続される電源端子6を介して、外部より電力が供給される。電源部7は、入力した電力を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部7は、制御部20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0038】
光源制御部22は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0039】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図2(a)、(b)のフローチャートを用いて説明する。
〔設定項目変更操作時の動作〕
図2(a)はプロジェクター1が設定項目変更操作を受け付けたときの動作を示すフローチャートである。
図2(a)に示すように、プロジェクター1が、本体操作部23または操作信号受信部24より設定項目21bの変更操作を受け付けると(ステップS101)、制御部20はモード情報21aがダイレクトオンモードに設定されているか否かを調べる(ステップS102)。
モード情報21aがダイレクトオンモードに設定されている場合(ステップS102:Y)、ステップS103に遷移する。モード情報21aがダイレクトオンモードに設定されていない場合、即ち通常モードに設定されている場合(ステップS102:N)、ステップS106に遷移する。
【0040】
ステップS103において制御部20は、ステップS101で受け付けた変更操作がリモコン25によるものか否かを調べる。リモコン25の操作による場合(ステップS103;Y)、制御部20は設定変更可否情報21cに、リモコン25による設定項目21bの変更可否情報を設定し(ステップS104)、ステップS106に遷移する。
一方、リモコン25による操作ではない場合、即ち本体操作部23による設定変更操作の場合(ステップS103:N)、設定変更可否情報21cに、本体操作部23による設定項目21bの変更可否情報を設定し(ステップS105)、ステップS106に遷移する。
【0041】
ステップS106において制御部20は、設定変更可否情報21cにおいて、設定項目21bの変更が許可されているか否かを調べる。変更が許可されている場合(ステップS106:Y)、制御部20は設定項目21bの設定内容を変更し、ステップS109に遷移する。
一方、変更が許可されていない、即ち設定変更が禁止されている場合(ステップS106:N)、図3に示すような設定変更禁止メッセージM1を画像投写部10から投写し(ステップS108)、ステップS109に遷移する(ステップS106、S107、S108が設定項目変更ステップに相当する。)。
【0042】
ステップS109において本動作フローを終了する。
【0043】
〔モード情報変更操作時の動作〕
図2(b)はプロジェクター1がモード情報変更操作を受け付けたときの動作を示すフローチャートである。
図2(b)に示すように、プロジェクター1が本体操作部23、または操作信号受信部24より、モード情報21aの変更操作を受け付けると(ステップS201)、変更要求されたモード情報21aのモード(ダイレクトオンモード、または通常モード)に対応した設定変更の可否情報を、設定変更可否情報21cに設定し(ステップS202)、ステップS203に遷移する(ステップS202が設定変更可否設定ステップに相当する。)。
【0044】
ステップS203において本動作フローを終了する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、モード情報21aの設定内容に応じて設定変更可否情報21cを設定し、変更操作検出時に設定変更可否情報21cの設定内容に応じて設定項目21bの変更を行う。
これにより、例えばダイレクトオンモードのときに、入力端子切替を禁止することで、ダイレクトオンモードで投写中に誤って操作し、入力端子が切り替えられるのを防止することが可能となる。
【0046】
また、モード情報21aがダイレクトオンモードに設定されているとき、本体操作部23、またはリモコン25による操作のいずれによる設定変更操作を検出したかにより、設定変更可否情報21cを設定する。
つまり、モード情報21aがダイレクトオンモードに設定されているとき、本体操作部23の操作による設定変更は禁止し、リモコン25の操作による設定変更は可能、またはその逆のような設定ができるので、設定項目21bの変更はリモコン25で行い、設定変更を伴わない通常の使用は本体操作部23による操作でも可能とすることで、誤って設定項目21bが変更されてしまうのを防止することが可能となる。
【0047】
また、設定項目21bの変更操作が禁止されていることを設定変更禁止メッセージM1により、操作したユーザーが確認できるので、設定項目21bの変更ができない場合に故障であると間違えることがなくなり、変更操作をしないように警告を促すことが可能になる。
【0048】
(変形例1)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
上述した実施形態においては、設定項目21bは1つであるが、複数の設定項目と、各設定項目に対応する設定変更可否情報を記憶し、モード情報21aの設定内容に伴い、設定するようにしてもよい。これにより、プロジェクター1の使用状況に応じて、ダイレクトオンモード、または通常モードのいずれかに設定されているかにより、変更を許可する設定項目と変更を禁止する設定項目を細かく設定することが可能になる。
【符号の説明】
【0049】
1…プロジェクター、3…画像信号処理部、4…OSD処理部、5…画像信号入力部、6…電源端子、7…電源部、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…記憶部、21a…モード情報、21b…設定項目、21c…設定変更可否情報、22…光源制御部、23…本体操作部、24…操作信号受信部、25…リモートコントローラー(リモコン/RC)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、
電源より電力が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記電源より電力が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかが設定されるモード情報と、当該プロジェクターの設定項目と、当該設定項目の内容の変更を許可するか否かの設定変更可否情報とを記憶する記憶部と、
当該プロジェクターの本体に備えられ、入力操作を受け付ける本体操作部と、
当該プロジェクターを遠隔操作するためのリモートコントローラーから送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、
前記本体操作部が受け付けた前記入力操作、および前記操作信号受信部が受信した操作信号に基づいて、当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記モード情報の設定内容に応じて、前記設定変更可否情報を設定し、
前記制御部は、前記本体操作部による前記入力操作、または前記操作信号受信部が受信した操作信号による前記設定項目の変更操作を検出した場合、前記設定変更可否情報の内容に応じて、前記設定項目の内容の変更を行うことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、前記モード情報がダイレクトオンモードに設定されている場合において、前記本体操作部による前記入力操作または前記操作信号受信部が受信した操作信号による変更操作のいずれによる設定変更操作を検出したかに応じて、前記設定変更可否情報を設定することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、前記本体操作部による前記入力操作または前記操作信号受信部が受信した操作信号による前記設定項目の設定変更操作を受け付けたとき、前記設定変更可否情報により設定変更が許可されていなかった場合に前記画像投写部に設定変更が禁止されているメッセージを投写することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターの制御方法であって、
電源より電力が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記電源より電力が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかが設定されるモード情報と、当該プロジェクターの設定項目と、当該設定項目の内容の変更を許可するか否かの設定変更可否情報とを記憶する記憶部と、
当該プロジェクターの本体に備えられ、入力操作を受け付ける本体操作部と、
当該プロジェクターを遠隔操作するためのリモートコントローラーから送信される操作信号を受信する操作信号受信部と、
を備え、
前記モード情報に前記ダイレクトオンモードまたは前記通常モードのいずれかを設定するモード変更ステップと、
前記モード変更ステップによる設定内容に応じて、前記設定変更可否情報を設定する設定変更可否設定ステップと、
前記本体操作部による前記入力操作、または前記操作信号受信部が受信した操作信号による前記設定項目の変更操作を検出した場合、前記設定変更可否情報の内容に応じて、前記設定項目の内容の変更を行う設定項目変更ステップと、を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−198267(P2012−198267A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60494(P2011−60494)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】