説明

プロジェクター

【課題】ローカルディミング技術を採用したプロジェクターにおいて、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが少なく、より高画質の表示が可能なプロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明のプロジェクター1は、第1の光源と第2の光源とを含む光源部2と、光源部2からの光を散乱させる散乱体と、光変調素子と、第1の光源からの第1の光束を散乱体の第1の領域に照射し、第2の光源からの第2の光束を散乱体の第2の領域に照射する集光光学系と、散乱体の第1の領域からの第1の散乱光を光変調素子の第1の分割領域に照射し、散乱体の第2の領域からの第2の散乱光を光変調素子の第2の分割領域に照射する結像光学系5と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置において、液晶パネルの全表示領域を複数の領域に分け、領域毎にバックライトの発光量を調整することでコントラストを高める技術、いわゆる「ローカルディミング」と呼ばれる技術が知られている(例えば、下記の特許文献1,2)。光変調素子としてミラーデバイスを用いたプロジェクターにおいても、ミラーデバイスを複数の領域に分割し、分割した領域毎に照明光の強度を調整するものが提案されている(例えば、下記の特許文献3)。なお、本明細書において、上記のようにローカルディミング技術を用いる場合に光変調素子を分割して得られる複数の領域各々を分割領域と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−277516号公報
【特許文献2】特開2008−9415号公報
【特許文献3】特開2005−234006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のローカルディミング技術においては、複数の分割領域毎に対応させて設けられた照明光の強度を個別に調整する。さらに、調整された照明光の強度に応じて、照明光の各画素による変調量を補正する。これによれば、全体的にコントラストや階調表現能力が向上した画像を表示することができる。その反面、分割領域毎の照明光の調整の仕方や照明光の各画素による変調量の補正の仕方によっては、生成された画像において、互いに隣り合う領域間で輝度ムラが生じる場合がある。その結果、画像を見た観察者が違和感を抱くという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ローカルディミング技術を採用したプロジェクターにおいて、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和され、より高画質の表示が可能なプロジェクターの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明のプロジェクターは、第1の光源と第2の光源とを含む光源部と、前記光源部からの光の入射に応じて散乱光を射出させる散乱体と、前記散乱体から射出された光を変調する光変調素子と、前記第1の光源から射出された第1の光束を前記散乱体の第1の領域に照射するとともに、前記第2の光源から射出された第2の光束を前記散乱体の第2の領域に照射する集光光学系と、前記散乱体の前記第1の領域から射出された第1の散乱光を前記光変調素子の第1の分割領域に照射するとともに、前記散乱体の前記第2の領域から射出された第2の散乱光を前記光変調素子の第2の分割領域に照射する結像光学系と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明のプロジェクターにおいては、集光光学系によって、第1の光源から射出された第1の光束は散乱体の第1の領域に照射され、第2の光源から射出された第2の光束は散乱体の第2の領域に照射される。そして、散乱体の第1の領域から第1の散乱光が射出され、散乱体の第2の領域から第2の散乱光が射出される。これにより、第1の光束と第2の光束の双方によって、散乱光パターンが散乱体上に形成される。次に、結像光学系によって、散乱体の第1の領域から射出された第1の散乱光は光変調素子の第1の分割領域に照射され、散乱体の第2の領域から射出された第2の散乱光は光変調素子の第2の分割領域に照射される。このため、第1の散乱光と第2の散乱光の双方によって、照射パターンが光変調素子上に形成される。
【0008】
ここで、散乱体から射出された散乱光の光束形状は、光源からの光が散乱体に入射する前の光束形状に比べて広がりを持つ。このように広がりを持った第1の散乱光と第2の散乱光とが結像光学系によって光変調素子上に照射される。そして、光変調素子の第1の分割領域に照射された第1の散乱光と光変調素子の第1の分割領域と隣り合う第2の分割領域に照射された第2の散乱光とは、互いに部分的に重なり合う。そのため、第1の分割領域の照射強度と第2の分割領域の照射強度とが互いに異なっていても、その差は認識されにくい。その結果、ローカルディミング使用時において、分割領域毎の照明光の調整の仕方や照明光の各画素による変調量の補正の仕方が不適切であった場合に観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和され、画質に優れたプロジェクターを提供することができる。
【0009】
本発明のプロジェクターにおいて、前記散乱体が、基板と、前記基板の一面に形成された蛍光体層と、を備えた蛍光体基板であっても良い。
【0010】
この構成によれば、光源部から射出される光は蛍光体層を励起する励起光として機能し、蛍光体層の内部で蛍光発光が生じる。例えば青色光を射出する光源部を用い、青色光を励起光として黄色光を発光する蛍光体層を用いると、散乱体を、白色光を射出する面状光源として用いることができる。
【0011】
本発明のプロジェクターにおいて、前記散乱体の前記第2の領域は前記散乱体の前記第1の領域とは異なる領域であってもよい。
【0012】
この構成によれば、散乱体の第1の領域には第2の光束が入射しないので、散乱体の第1の領域から射出される第1の散乱光の強度を第1の光源によって的確に調整することができる。また、散乱体の第2の領域には第1の光束が入射しないので、散乱体の第2の領域から射出される第2の散乱光の強度を第2の光源によって的確に調整することができる。したがって、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラの改善効果がより大きくなる。
【0013】
本発明のプロジェクターにおいて、前記散乱体の前記第2の領域と前記散乱体の前記第1の領域とは、少なくとも部分的に互いに重なっていてもよい。
【0014】
この構成によれば、散乱体を小型化することができる。
【0015】
本発明のプロジェクターにおいて、前記結像光学系が、前記散乱体の像を前記光変調素子上にデフォーカス状態で生成するものであっても良い。
【0016】
この構成によれば、互いに隣り合う光変調素子の第1の分割領域と光変調素子の第2の分割領域との境界において、第1の散乱光と第2の散乱光とが互いにより多く混じり合い、境界がぼける効果が大きくなる。その結果、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラの改善効果がより大きくなる。
【0017】
本発明のプロジェクターにおいて、前記光源部には、前記第1の光源と前記第2の光源とを少なくとも含む複数の固体光源が配列された構成を適用することが望ましい。
【0018】
この構成によれば、例えば複数の固体光源を直交する2方向にアレイ状に配列することにより、矩形状の光変調素子に合致した矩形状の照射領域を有する光源部を実現することができる。
【0019】
本発明のプロジェクターにおいて、前記結合光学系と前記散乱体との間に設けられ、第1の導光ロッドと第2の導光ロッドとを含む導光ロッド群を備え、前記散乱体の第1の領域から射出された前記第1の散乱光が前記第1の導光ロッドに入射し、前記散乱体の第2の領域から射出された前記第2の散乱光が前記第2の導光ロッドに入射する構成を採用することもできる。
【0020】
一般に散乱体から射出される光は、その輝度分布が中央で明るく、周縁で暗い傾向を持つ。しかし、この構成によれば、第1の散乱光と第2の散乱光各々を、均一化することができる。これにより、光変調素子の第1の分割領域と光変調素子の第2の分割領域各々において、輝度分布を均一化することができる。
【0021】
本発明のプロジェクターにおいて、前記導光ロッド群の光射出側に、前記導光ロッド群から射出された光を散乱させる散乱板を備えた構成としても良い。
【0022】
この構成によれば、導光ロッドによって輝度分布が均一化された第1の散乱光と第2の散乱光とが、さらに散乱板で散乱されるため、導光ロッド群の光射出側において、互いに隣り合う導光ロッド同士の境界で光が混じり合う。その結果、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラをさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。
【図2】本実施形態のプロジェクターの光源部を示す正面図である。
【図3】本実施形態のプロジェクターのうち、(A)光源部から蛍光体基板までの構成を示す側面図、(B)蛍光体基板上において形成される散乱光パターンを示す正面図である。
【図4】本実施形態のプロジェクターにおいて、(A)蛍光体基板から液晶ライトバルブまでの構成を示す側面図、(B)蛍光体基板上において形成される散乱光パターンを示す正面図、(C)液晶パネルでの照射パターンを示す正面図、である。
【図5】本実施形態のプロジェクターの制御方法を説明するための図であり、(a)映像のイメージの一例、(b)各分割領域における明るさの評価結果、(c)液晶パネルに照射される照明光の明るさの分布、をそれぞれ示している。
【図6】本実施形態のプロジェクターの制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態のプロジェクターにおいて、映像信号から明るさ制御信号を決定する第1の方法を説明するための図である。
【図8】同、第2の方法を説明するための図である。
【図9】領域毎に明るさ制御信号を決定する方法を説明するための図である。
【図10】第2実施形態のプロジェクターにおいて、(A)蛍光体基板から液晶ライトバルブまでの構成を示す側面図、(B)蛍光体基板上において形成される散乱光パターンを示す正面図、(C)液晶パネルでの照射パターンを示す正面図、である。
【図11】第3実施形態のプロジェクターにおいて、導光ロッドアレイを示す斜視図である。
【図12】導光ロッドアレイの作用を説明するための図である。
【図13】本実施形態のプロジェクターにおいて、(A)蛍光体基板から液晶ライトバルブまでの構成を示す側面図、(B)導光ロッドアレイの射出端面において形成される散乱光パターンを示す正面図、(C)液晶パネルでの照射パターンを示す正面図、である。
【図14】第4実施形態のプロジェクターにおいて、導光ロッドアレイを示す斜視図である。
【図15】導光ロッドアレイの作用を説明するための図である。
【図16】本実施形態のプロジェクターにおいて、(A)蛍光体基板から液晶ライトバルブまでの構成を示す側面図、(B)均一化板の射出端面において形成されるアレイ状散乱光パターンを示す正面図、(C)液晶パネルでの照射パターンを示す正面図、である。
【図17】第5実施形態のプロジェクターにおいて、光源部から蛍光体基板までの構成を示す側面図である。
【図18】第6実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図9を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源部からの光を蛍光体基板に入射させた際に蛍光体基板から発せられる蛍光を表示に利用するプロジェクターの一例である。
図1は、本実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0025】
本実施形態のプロジェクター1は、図1に示すように、光源部2と、集光レンズ3(集光光学系)と、蛍光体基板4と、結像光学系5と、色分離光学系6と、液晶ライトバルブ7R(光変調素子),液晶ライトバルブ7G(光変調素子),液晶ライトバルブ7B(光変調素子)と、色合成光学系8と、投射レンズ9と、を備えている。光源部2は、基板10に実装された複数のレーザーダイオード11(固体光源)と、複数のコリメーターレンズ12と、を備えている。
【0026】
結像光学系5は、ピックアップ光学系13を構成する第1レンズ14および第2レンズ15と、結像レンズ16と、で構成されている。色分離光学系6は、青色光を反射し、緑色光および赤色光を透過する分光特性を有する第1のダイクロイックミラー17と、緑色光を反射し、赤色光を透過する分光特性を有する第2のダイクロイックミラー18と、で構成されている。
【0027】
液晶ライトバルブ7R,液晶ライトバルブ7G,液晶ライトバルブ7Bは、青色光を変調する青色光変調用の液晶ライトバルブ7Bと、緑色光を変調する緑色光変調用の液晶ライトバルブ7Gと、赤色光を変調する赤色光変調用の液晶ライトバルブ7Rと、を備えている。すなわち、本実施形態のプロジェクター1は、3組の液晶ライトバルブを備えた、いわゆる3板式の液晶プロジェクターである。各液晶ライトバルブ7R,液晶ライトバルブ7G,液晶ライトバルブ7Bは、液晶パネル19と、液晶パネル19の光入射側に配置された入射側偏光板20と、液晶パネル19の光射出側に配置された射出側偏光板21と、を備えている。液晶パネル19の寸法は、一例として9.6mm×12.8mmとする。
液晶ライトバルブ7R,液晶ライトバルブ7G,液晶ライトバルブ7Bの各々は、図9に示すように、画面を4×5個の領域に分割され、分割領域A11ないし分割領域A45毎に照明光の強度が調整される。
【0028】
色合成光学系8は、緑色光を反射し、青色光を透過する分光特性を有する波長分離膜を備えた第1のダイクロイックプリズム22と、赤色光を反射し、緑色光および青色光を透過する分光特性を有する波長分離膜を備えた第2のダイクロイックプリズム23と、を備えている。その他、本実施形態のプロジェクター1は、青色光の光路に設けられた第1の反射ミラー24と、赤色光の光路に設けられた第2の反射ミラー25と、を備えている。
【0029】
光源部2は、図2に示すように、基板10の法線方向から見て、水平方向に5個ずつ、垂直方向に4個ずつ、合計20個のレーザーダイオード11がアレイ状に配列された構成を有している。水平方向をx軸方向とし、垂直方向をy軸方向とする。水平方向もしくは垂直方向に互いに隣り合うレーザーダイオード11は、所定の間隔をおいて配置されている。なお、本実施形態では、20個のレーザーダイオード11は全て同一のレーザーダイオードである。したがって、特許請求の範囲で言うところの「第1の光源」および「第2の光源」は、本実施形態では互いに異なる位置にある2つのレーザーダイオードを意味する。例えば、レーザーダイオード11Aが第1の光源であり、レーザーダイオード11Bが第2の光源である。
【0030】
図3(A)は、本実施形態のプロジェクター1のうち、光源部2から蛍光体基板4までの構成を、X軸と平行な方向から見た略側面図である。
図3(A)に示すように、基板10には貫通孔10aが設けられており、一つの貫通孔10aの内部にレーザーダイオード11とコリメーターレンズ12とが配置されている。レーザーダイオード11は、中心波長が例えば460nmの青色光を射出するものである。ただし、後述する蛍光体を励起させることができる波長の光であれば、460nm以外の中心波長を有する青色光を射出するものであっても良い。レーザーダイオード11から射出された青色光は、コリメーターレンズ12によって平行化され、光源部2から射出される。光源部2から射出された青色光は、集光レンズ3によって集束され、蛍光体基板4上に照射される。
【0031】
本明細書において、複数のレーザーダイオード11の中から2個のレーザーダイオード(レーザーダイオード11Aとレーザーダイオード11B)を任意に選び、レーザーダイオード11Aを第1の光源と呼び、レーザーダイオード11Bを第2の光源と呼ぶことがある。また、レーザーダイオード11Aから射出される青色光を第1の光束P1と呼び、レーザーダイオード11Bから射出される青色光を第2の光束P2と呼ぶことがある。
【0032】
蛍光体基板4は、光透過性を有する基板26と、基板26の一面に形成された蛍光体層27と、を有している。蛍光体層27は、散乱体としても機能する。基板26は、例えばガラス基板等で構成されている。蛍光体層27は、光透過性を有する基材(図示略)と、励起光を吸収して蛍光を発する複数の蛍光体粒子(図示略)と、を含んでいる。基材の構成材料としては、光透過性を有する樹脂材料を用いることができ、中でも高い耐熱性を有するシリコン樹脂(屈折率:約1.4)を好適に用いることができる。
【0033】
蛍光体粒子は、レーザーダイオード11から射出される青色光(励起光)を吸収して蛍光を発する粒子状の蛍光体である。例えば、蛍光体粒子には、中心波長が460nmの青色光によって励起されて蛍光を発する物質が含まれている。蛍光体粒子は、レーザーダイオード11が射出する青色光の一部を緑色の波長帯域(例えば中心波長が530nm)から赤色の波長帯域(例えば中心波長が630nm)までの波長帯域を含む、広い波長分布を有する黄色光に変換して射出する。
【0034】
このような蛍光体粒子としては、平均粒径が1μmから数十μm程度のものが高い発光効率を示すことが知られている。蛍光体粒子としては、通常知られたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体を用いることができる。具体的には、例えば平均粒径が10μmの(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceで示される組成のYAG系蛍光体(屈折率:約1.8)を用いることができる。 なお、蛍光体粒子の形成材料は、1種であっても良いし、2種以上の形成材料を用いて形成されている粒子を混合したものを蛍光体粒子として用いても良い。
【0035】
蛍光体基板4には、基板26の裏面(蛍光体層が形成された側と反対側の面)側から青色光が照射される。蛍光体基板4に照射された青色光は、全てが蛍光体層27の励起に消費されるわけではない。青色光は、一部が吸収されて蛍光体層27の励起光として消費される一方、残りは吸収されずに蛍光体層27を透過する。したがって、蛍光体層27を透過する青色光と蛍光体層27で発生した赤色光および緑色光を含む黄色光とが合成される結果、蛍光体基板4から白色光が射出される。
【0036】
青色光が蛍光体層27を透過する際には、青色光が蛍光体粒子で散乱されるため、青色光は広がりを持った散乱光として蛍光体基板4から射出される。また、蛍光体粒子からは等方的に蛍光が発せられるため、黄色光も広がりを持った散乱光として蛍光体基板4から射出される。したがって、蛍光体基板4から射出される白色光は所定の広がりを有する散乱光となる。
【0037】
基板26の裏面には、誘電体多層膜からなる波長分離ミラー28が形成されている。波長分離ミラー28は、励起光である中心波長が460nm付近の青色光を透過し、蛍光体層27で生じる波長が500nm以上の蛍光を反射する特性を有する。これにより、青色光(励起光)は波長分離ミラー28を透過して蛍光体層27に支障なく到達できる一方、蛍光は波長分離ミラー28で反射して効率良く前方に射出される。
【0038】
20個のレーザーダイオード11から射出された青色光は集光レンズ3によって集束される。ただし、蛍光体層27上での各青色光の照射スポットが互いに異なる領域に位置するように、蛍光体基板4を配置する。蛍光体層27上の複数の照射スポットの間隔は、光源部2での複数のレーザーダイオード11の間隔よりも小さい。具体的には、図3(A)に示したように、レーザーダイオード11Aから射出された第1の光束P1は集光レンズ3によって集束され、蛍光体層27の第1の領域に照射される。レーザーダイオード11Bから射出された第2の光束P2は集光レンズ3によって集束され、蛍光体層27の第1の領域とは異なる第2の領域に照射される。そして、蛍光体層27の第1の領域からは白色光である第1の散乱光PS1が射出され、蛍光体層27の第2の領域からは白色光である第2の散乱光PS2が射出される。
【0039】
図3(B)は、蛍光体基板4上に形成されるアレイ状散乱光パターンLを示す図である。アレイ状散乱光パターンLは、20個の散乱光パターンL1から構成されている。上述したように、蛍光体基板4からは散乱光が射出されるため、第1の光束P1によって形成される蛍光体基板4上の一つの散乱光パターンL1は、第1の光束P1に比べて広がった円形の形状を呈する。同様に、第2の光束P2によって形成される蛍光体基板4上の一つの散乱光パターンL1は、第2の光束P2に比べて広がった円形の形状を呈する。また、上述したように、複数の照射スポットは蛍光体層27上で互いに異なる領域に位置している。したがって、互いに隣り合う散乱光パターンL1同士が部分的に重なることで、輝度分布が略均一化されたアレイ状散乱光パターンLが形成される。アレイ状散乱光パターンLは、一例として寸法が1.5mm×2mm程度の略長方形状となる。
【0040】
図1に示すように、蛍光体基板4から射出された白色光は、ピックアップ光学系13を構成する第1レンズ14および第2レンズ15によって略平行化され、結像レンズ16を透過する。その後、白色光は色分離光学系6によって青色光、緑色光、赤色光の各色光に分離され、対応する液晶ライトバルブ7R,液晶ライトバルブ7G,液晶ライトバルブ7Bを照明する。本実施形態の例では、第1のダイクロイックミラー17によって白色光から青色光が分離され、青色光が第1の反射ミラー24を経て青色光変調用の液晶ライトバルブ7Bに導かれる。第1のダイクロイックミラー17を透過した緑色光、赤色光のうち、第2のダイクロイックミラー18によって緑色光が分離され、緑色光変調用の液晶ライトバルブ7Gに導かれる。残りの赤色光が第2の反射ミラー25を経て赤色光変調用の液晶ライトバルブ7Rに導かれる。
【0041】
図4(A)は、本実施形態のプロジェクター1のうち、蛍光体基板4から液晶ライトバルブ7Gまでの構成を示している。なお、図4(A)では、蛍光体基板4をx軸と平行な方向から見ているとする。また、蛍光体基板4からは20個の散乱光が射出されるが、見やすくするために、3個の散乱光(散乱光Q1、散乱光Q2、散乱光Q3)のみを図示している。さらに、第1のダイクロイックミラー、第2のダイクロイックミラー等の図示を省略し、蛍光体基板4から液晶ライトバルブ7Gまでの光路を直線状に描いている。また、ここでは緑色光変調用の液晶ライトバルブ7Gで代表して説明するが、液晶ライトバルブ7B、液晶ライトバルブ7Rにおいても以下の作用は同様である。
【0042】
図4(B)は、蛍光体層27の表面に形成される散乱光パターンLを示す図である。本実施例では、散乱体として蛍光体層27を用いているため、散乱光パターンLは蛍光パターンである。また、図4(C)は、液晶パネル19上に形成されるアレイ状照射パターンSを示す図である。なお、図4(B)では、20個のレーザーダイオード11によって形成される20個の散乱光パターンL1を図示し、図4(C)では、20個のレーザーダイオード11によって形成される20個の照射パターンS1を図示している。
【0043】
本実施形態では、蛍光体基板4上の蛍光体層27の表面と各液晶パネル19とは、ピックアップ光学系13と結像レンズ16とによって結像関係の位置にある。つまり、結像光学系5が、蛍光体層27の像、すなわち散乱光パターンLの像を液晶パネル19上に結像させる。したがって、図4(B)に示す蛍光体層27の表面でのアレイ状散乱光パターンLがそのままの形状で拡大され、図4(C)に示すように、液晶パネル19上にアレイ状照射パターンSが形成される。アレイ状照射パターンSは20個の照射パターンS1からなっている。また、20個の照射パターンS1各々は、20個の分割領域各々と対応している。図4(C)に示した照射パターンS1aは、第1の散乱光Q1が分割領域A11に照射されることによって生じる照射パターンであり、照射パターンS1bは、第2の散乱光Q2が分割領域A21に照射されることによって生じる照射パターンである。蛍光体層27上に生じる複数の散乱光パターンL1と同様に、互いに隣り合う照射パターンS1同士は部分的に重なっている。
【0044】
本実施形態では、ピックアップ光学系13と結像レンズ16とによる結像倍率は6.4倍とする。この場合、蛍光体基板4上のアレイ状散乱光パターンLが1.5mm×2mmであれば、アレイ状照射パターンSは9.6mm×12.8mmとなる。アレイ状照射パターンSの寸法は液晶パネル19の寸法と略一致する。そのため、本実施形態の光学系によれば、液晶パネル19を無駄なく照射することができる。
【0045】
液晶パネル19の光入射側および光射出側には、偏光板20,21がそれぞれ設けられている。液晶ライトバルブ7R,液晶ライトバルブ7G,液晶ライトバルブ7Bでは、後述する駆動部からの映像信号により、液晶パネル19の各画素における液晶の配向状態が個々に制御されることで偏光成分の透過率が変調され、映像が形成される。各液晶ライトバルブ7R,液晶ライトバルブ7G,液晶ライトバルブ7Bによって変調された各色光は、第1のダイクロイックプリズム22、第2のダイクロイックプリズム23によって順次合成されてフルカラー映像となり、投射レンズ9によって図示しないスクリーン上に投影される。
【0046】
本実施形態の場合、20個のレーザーダイオード11がアレイ状に配列された光源部2を備えているため、レーザーダイオード11各々から射出される光の量を個別に調整することによって、アレイ状散乱光パターンLの輝度を局所的に変化させることができる。このようにして、本実施形態のプロジェクター1はローカルディミングが可能となる。
【0047】
以下、ローカルディミングの手法について、図5〜図9を用いて説明する。
図6は本実施形態のプロジェクター1の駆動部30の構成を示すブロック図である。ローカルディミング機能を持たない従来のプロジェクターの場合、入力された映像信号は適当な補正処理を経て、そのまま液晶パネルドライバーに供給される。これに対して、ローカルディミング機能を有する本実施形態のプロジェクター1の場合、基本的な構成として、以下に説明するようにデジタル信号処理ブロックであるデジタル・シグナル・プロセッサー(Digital Signal Processor, 以下、DSPと略記する)などの回路が必要となる。
【0048】
本実施形態では、図6に示すように、アナログ信号として入力された映像信号がADコンバーター31を経て第1のデジタル信号処理回路であるDSP(1)32に入力される。DSP(1)32では、映像信号から明るさ制御信号が決定される。DSP(2)33では、明るさ制御信号に基づいてLD(レーザーダイオード)ドライバー34を制御し、最終的にはLDドライバー34がレーザーダイオード11を実際に駆動する。一方、映像信号はDAコンバーター35により再びアナログ信号に変換された後、パネルドライバー36に入力され、パネルドライバー36から各液晶ライトバルブ7R,7G,7Bに供給される。
【0049】
レーザーダイオード11の制御方法に関しては、[1]表示映像に適応して制御する方法、[2]使用環境や使用者の好みに対応して制御する方法、の2つが考えられる。以下にそれぞれの方法について説明する。
【0050】
[1]表示映像適応型の制御
表示映像適応型の制御、すなわち一つの画面の中の明るい個所では光量を多くし、暗い個所では光量を少なくするような表示映像に適応した明るさ制御を行う場合について考える。最初に、分割領域毎の明るさ制御信号を決定する前に、映像全体にわたる平均の明るさ制御信号を決定する。この場合、上記で説明したように、DSP(1)32で映像信号に基づいて明るさ制御信号が決定されるが、その方法には例えば次の2通りが考えられる。
【0051】
(a)注目しているフレームに含まれている画素データのうち、明るさが最大の階調数を明るさ制御信号とする方法。
例えば0〜255の256ステップの階調数を含む映像信号を想定する。連続した映像を構成する任意の1フレームに着目した場合、そのフレームに含まれる画素データの階調数毎の出現数分布(ヒストグラム)が、図7のようになったとする。この図の場合、ヒストグラムに含まれる最も明るい階調数が190であるので、この階調数190を明るさ制御信号とする。この方法は、入力される映像信号に対し、最も忠実に明るさを表現できる方法である。
【0052】
(b)注目しているフレームに含まれている階調数毎の出現数分布(ヒストグラム)において、最大の明るさから出現数について一定の割合(例えば10%)となる階調数を明るさ制御信号とする方法。
例えば映像信号の出現数分布が図8のようであった場合、ヒストグラムにおいて明るい側から10%の領域をとる。10%に相当するところの階調数が230であったとすると、この階調数230を明るさ制御信号とする。図8に示したヒストグラムのように、階調数255の近傍に突発的なピークがあった場合でも上記(a)の方法を採用すると階調数255が明るさ制御信号となる。しかしながら、この突発的なピーク部分は画面全体における情報としてはあまり意味をなしていない。これに対して、階調数230を明るさ制御信号とする本方法は、画面全体の中で情報として意味を持つ領域によって判定する方法と言うことができる。なお、上記の割合は2〜50%程度の範囲で変化させてもよい。
【0053】
以上の手順により、映像全体にわたる平均の明るさ制御信号を決定した後、今度は個々の分割領域毎に明るさ制御信号を決定し、その分割領域間で重み付けを行う。本実施形態の場合、アレイ状に配列された20個のレーザーダイオード11を含む光源部2を備えたことで、20個の分割領域毎に透過率を調整できるようになっている。したがって、例えば図9に示すように、画面を4×5個の領域に分割し、それぞれの分割領域A11ないし分割領域A45毎に上記(a)もしくは(b)の方法により明るさ制御信号を決定する。
【0054】
例えば、ある一つの映像が図5(a)のようであったとする。この映像は画面の中の右下側が明るく、左上側が暗い映像を示している。この映像を基に上記の方法により、画面を分割した4×5個の分割領域毎に明るさ制御信号を決定し、さらに分割領域間で重み付けを行う。その結果、例えば図5(b)に示す画面右下側の11個の分割領域各々の明るさの評価が10段階評価の「8」、画面左上側の3個の分割領域各々の明るさの評価が「2」、その他の6個の分割領域各々の明るさの評価が「5」であり、画面全体の平均の明るさの評価が「5」に相当していたと仮定する。ここでは、例えば最も明るい映像レベルを10段階評価の「10」、最も暗い映像レベルを10段階評価の「1」とする。
【0055】
この時、画面全体の平均の明るさ制御信号が例えば階調数128に決定された場合、最大明るさ(階調数255)の光量を100%とすると、128/255=50%の光量が得られるように光源部を駆動する。したがって、20個の分割領域のうち、評価「5」の6個の分割領域が平均的な明るさと一致していた場合、この分割領域に対応するレーザーダイオード11を光量が50%となるように制御する。そして、平均明るさに対する変化幅を透過率50%の±50%に設定し、最大明るさの評価「8」の11個の分割領域では光量が75%となるように、最小明るさの評価「2」の3個の分割領域では透過率が25%となるように、レーザーダイオード11をそれぞれ制御する。
【0056】
ここでは、平均明るさに対する変化幅を±50%に設定したが、平均明るさに対する変化幅は50%または50%より小さくすることが望ましい。明るさの変化幅を50%より大きくすると、液晶ライトバルブ7R,7G,7Bで表現する以上に光源部で明るさの変化が付きすぎ、感覚的に映像が不自然に見えるからである。
【0057】
このような調整を行った結果、液晶パネル9に照射される照明光の明るさの分布は、模式的に示せば、図5(c)に示すようになる。上記のような明るさ制御を行うことにより、表示画面内で図5(a)に示したような映像の明るい領域と暗い領域とのコントラストをより強調することができ、表現力に優れた映像を得ることができる。
【0058】
次に、DSP(2)33において、上記の方法で決定した明るさ制御信号に基づいてLDドライバー34を制御するが、この方法には例えば次の3通りが考えられる。
【0059】
(a)出力された明るさ制御信号に応じてリアルタイムで制御する方法。
この場合はDSP(1)32から出力された明るさ制御信号をそのままLDドライバー34に供給すればよいため、DSP(2)33での信号処理は不要となる。この方法は映像の明るさに完全に追従する点で理想的ではあるが、映像の内容により画面の明暗が短い周期で変化することもあり、鑑賞時に余計なストレスを感じるなどの問題が発生する恐れがある。
【0060】
(b)出力された明るさ制御信号にLPF(ローパスフィルター)をかけ、その出力で制御する方法。
例えばLPFによって1〜30秒以下の明るさ制御信号の変化分をカットし、その出力によって制御する。この方法によれば、細かい時間の変化分はカットされるため、上記のような短い周期での明暗の変化を避けることができる。
【0061】
(c)明るさ制御信号の切り替わりエッジを検出する方法。
明るさ制御信号に所定の大きさ以上(例えば60階調以上)の変化があった場合にのみレーザーダイオード11を制御する。この方法によれば、映像のシーンの切り替わりなどのみに応じた制御を行うことができる。
【0062】
[2]外部からの制御
使用環境や使用者の好みに応じて光源部を制御できるようにする。例えば部屋の中で映像を鑑賞する際に部屋の中でも窓際と奥側というように明るさの分布がある場合、周囲の環境が明るい側では光量が多く、暗い側では光量が少なくなるように光源部を制御する。もしくは、使用者の好みにより映像中の字幕の部分の明るさを落としたい場合、例えば字幕が表示される画面下側の領域で光量が少なくなるように光源部を制御する。この場合、使用者がコントローラーを用いて調節する構成としてもよいし、明るさセンサなどを設けて自動的に制御される構成としてもよい。ただし、この制御を行うためには、図6でDSP(1)32、DSP(2)33のような回路は不要であるが、それ以外の回路構成が必要になる。
【0063】
本実施形態のプロジェクター1によれば、光源部2からの光を蛍光体基板4に入射させ、蛍光体基板4で発生した散乱光を液晶ライトバルブ7R,液晶ライトバルブ7G,液晶ライトバルブ7Bに照射する構成になっている。すなわち、蛍光体基板4から射出される光の散乱光パターンL1は青色光の照射スポットに比べて広がりを持つ。このように広がりを持った複数の散乱光パターンL1からなるアレイ状散乱光パターンLが液晶パネル19に結像される。したがって、分割領域間の境界の近傍では、当該境界の両側に位置する2つの散乱光パターンL1が混じり合った状態で蛍光体基板4から射出された散乱光が照射される。これにより、ローカルディミング使用時において、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和され、画質に優れたプロジェクターを実現することができる。
【0064】
本実施形態の場合、液晶パネル19の複数の画素のうち、特に分割領域の境界近傍の画素に対しては、複数のレーザーダイオード11によって生成される光が照射される。例えば、液晶ライトバルブ7Bにおいては、分割領域A11と分割領域A21との境界近傍の画素には、レーザーダイオード11Aからの青色光とレーザーダイオード11Bからの青色光が照射される。また、液晶ライトバルブ7Gにおいては、分割領域A11と分割領域A21との境界近傍の画素には、第1の散乱光Q1に含まれる緑色光と第2の散乱光Q2に含まれる緑色光が照射される。したがって、図6に示したDSP(1)32において、複数のレーザーダイオード11から当該画素への照明の寄与率を考慮し、各画素への光の総照射量を計算した後、その総照射量に応じて画像の階調数の伸長処理を行う。そして、伸長処理後の映像信号を、DAコンバーター35を介してパネルドライバー36に供給する。このような光源部2の光量調整と映像信号の調光処理とを組み合わせることにより、液晶パネル全体を均一に照明した場合と比べて各分割領域のダイナミックレンジが広がり、その結果、コントラストを向上させることができる。
【0065】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図10を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、蛍光体基板と液晶ライトバルブとの位置関係が第1実施形態と異なるのみである。
図10(A)は、本実施形態のプロジェクターにおいて、蛍光体基板から液晶ライトバルブまでの構成を示す図である。
図10(A)〜(C)において、第1実施形態の図4(A)〜(C)と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0066】
第1実施形態では、図4(A)に示すように、蛍光体基板4で形成されるアレイ状散乱光パターンLが結像光学系5によって結像される結像位置に液晶パネル19が配置されていた。したがって、図4(B)に示すように、液晶パネル19上には、蛍光体基板4上のアレイ状散乱光パターンLの像がジャストフォーカス状態で結像されていた。
【0067】
これに対して、本実施形態では、図10(A)に示すように、蛍光体基板4上のアレイ状散乱光パターンLが結像光学系5によってジャストフォーカスで結像される結像位置Mからずれた位置(蛍光体基板4から見て後方)に液晶パネル19が配置されている。つまり、結像光学系5が、蛍光体層27上の像、すなわち散乱光パターンLの像を液晶パネル19上にデフォーカス状態で生成する。したがって、図10(C)に示すように、液晶パネル19上には、蛍光体基板4上のアレイ状散乱光パターンLの像がアレイ状照射パターンS’としてデフォーカス状態で形成される。アレイ状照射パターンS’は、照射パターンS1a’および照射パターンS1b’を含む複数の照射パターンS1’からなっている。
【0068】
第1実施形態では、蛍光体基板4から散乱光が射出されることで、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和されるが、輝度ムラを緩和する効果がまだ不十分な場合も考えられる。その場合には、本実施形態のように、蛍光体基板4上のアレイ状散乱光パターンLの像が液晶パネル19上にデフォーカス状態で形成されるように、蛍光体基板4、結像光学系5、液晶パネル19(液晶ライトバルブ7R,液晶ライトバルブ7G,液晶ライトバルブ7B)の相互の位置関係を設定することが望ましい。これにより、互いに隣り合う2つの分割領域の境界近傍における拡散光同士の混じり合いの程度が高くなり、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和される効果が高まる。
【0069】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図11〜図13を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、導光ロッドアレイを装入した点が第1実施形態と異なるのみである。
図11は、本実施形態の導光ロッドアレイを示す斜視図である。
図11〜図13において、第1実施形態で用いた図面と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0070】
本実施形態においては、図11に示すように、蛍光体基板4の蛍光体層27が形成された側の面(光射出側の面)に導光ロッドアレイ37(導光ロッド群)が配置されている。導光ロッドアレイ37は、結像光学系5と蛍光体層27との間に設けられている。導光ロッドアレイ37は、例えば屈折率が1.5のガラスで形成された同一の導光ロッド38を20本束ねたものである。導光ロッド38は、例えば端面(光入射面および光射出面)の寸法が0.36mm×0.384mmであり、長さが10mmである。
【0071】
各導光ロッド38の間には厚さが0.02mmのスペーサー(図示略)が挿入され、互いに隣り合う導光ロッド38同士が互いに接触しないようになっている。もしくは、互いに隣り合う導光ロッド38を0.02mmの間隔をおいて配置し、その間隙を導光ロッド38の屈折率よりも低い屈折率を有する透明樹脂等で埋める構成としても良い。このような構成により、導光ロッドアレイ37の全体の端面は、寸法が1.5mm×2.0mmの長方形状となる。この形状および寸法は、蛍光体基板4上のアレイ状散乱光パターンLの形状および寸法と略一致する。
【0072】
導光ロッドアレイ37は、20本の導光ロッド38の配置が、図3(B)に示したアレイ状散乱光パターンLを構成する20個の散乱光パターンL1の配置に対応するように設置されている。これにより、20個の散乱光パターンL1のうち、一つの散乱光パターンL1を形成する散乱光Q1は、当該散乱光パターンL1に対応する導光ロッド38aに入射され、当該導光ロッド38aの内部を進行する。また、20個の散乱光パターンL1のうち、他の散乱光パターンL1を形成する散乱光Q2は、当該散乱光パターンL1に対応する導光ロッド38bに入射され、当該導光ロッド38bの内部を進行する。このとき、図12に示すように、互いに隣り合う導光ロッド38の間隙には屈折率が1.0の空気層39が介在しているため、導光ロッド38の内部を進行する光は表面で全反射し、他の導光ロッド38に漏れ出ることはない。そして、光は導光ロッド38の内部で複数回の反射を繰り返すことで輝度分布が均一化された状態となり、導光ロッド38の射出端面から射出される。
【0073】
図13(A)は、蛍光体基板4から液晶ライトバルブ7Bまでの構成を示している。図13(A)においても、見やすくするために、3個の散乱光(散乱光Q1、散乱光Q2、散乱光Q3)のみを図示している。図13(B)は、導光ロッドアレイ37の射出端面において形成されるアレイ状散乱光パターンL’を示している。図13(C)は、液晶パネル19上でのアレイ状照射パターンS”を示している。
【0074】
第1実施形態では、蛍光体基板4から射出された散乱光がそのまま結像光学系5に入射していたのに対し、本実施形態では、上述したように、蛍光体基板4から射出された散乱光が導光ロッドアレイ37を経た後、結像光学系5に入射する。これにより、図13(B)に示すように、導光ロッドアレイ37の射出端面において形成されるアレイ状散乱光パターンL’は、輝度分布が均一化することに加えて、導光ロッドアレイ37の形状を反映した長方形状に成型される。
【0075】
また、各液晶パネル19上でのアレイ状照射パターンS”は、図13(C)に示すように、導光ロッドアレイ27を射出したアレイ状散乱光パターンL’の形状および輝度分布を略維持したまま、6.4倍の結像倍率で拡大されたものとなる。そのため、本実施形態の光学系によれば、アレイ状照射パターンS”が導光ロッドアレイ37によって液晶パネル19に合致した長方形状に成型されるため、液晶パネル39を更に無駄なく照射することができる。
【0076】
本実施形態においても、ローカルディミング使用時において、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和され、画質に優れたプロジェクターを実現できる、といった第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、導光ロッドアレイ37を備えたことで、個々の分割領域内での輝度ムラも十分に低減することができる。
【0077】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図14〜図16を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、導光ロッドアレイを装入した点は第3実施形態と同様である。第3実施形態と異なる点は導光ロッドアレイの光射出側に均一化板を付加したことである。
図14は、本実施形態の導光ロッドアレイの均一化板42を示す斜視図である。
図16(A)は蛍光体基板4から液晶ライトバルブ7Bまでの構成を示す側面図、図16(B)は均一化板42の光射出面において形成されるアレイ状散乱光パターンL’を示す正面図、図16(C)は液晶パネルでのアレイ状照射パターンS”を示す正面図である。図16(A)においても、見やすくするために、3個の散乱光のみを図示している。
図14〜図16において、第1実施形態で用いた図面と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0078】
本実施形態においては、図14に示すように、導光ロッドアレイ37の射出端面上に1枚の均一化板42が配置されている。均一化板42は、例えば一般的なガラス板等の透明基板で構成されている。均一化板42は、1.5mm×2.0mmの長方形状の板体であり、平面形状および寸法は導光ロッドアレイ37の射出端面と一致している。また、均一化板42の厚さは、例えば1mm程度で良い。均一化板42の厚さがあまり厚すぎると、異なる導光ロッド38から射出された光が全て混ざり合い、全体が均一化されてしまう。この場合はローカルディミングが実施不可能になるため、好ましくない。
【0079】
本実施形態においても、ローカルディミング使用時において、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和され、画質に優れたプロジェクターが実現できる、といった第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
特に本実施形態の場合、導光ロッドアレイ37の射出端面上に均一化板42が備えられているため、図15に示すように、導光ロッドアレイ37によって輝度分布が均一化された第1の散乱光Q1がさらに均一化板42の内部で拡散され、導光ロッドアレイ37によって輝度分布が均一化された第2の散乱光Q2がさらに均一化板42の内部で拡散される。そのため、導光ロッドアレイ37の光射出側において、互いに隣り合う導光ロッド38同士の境界で光が混じり合う。その結果、観察者に認識されうる分割領域間の輝度ムラが、さらに緩和される。さらに、均一化板42の射出端面と液晶パネル19とを結像関係の位置に配置すれば、導光ロッドアレイ37の射出端面と液晶パネル19とは、均一化板42の厚さ分だけ結像関係の位置からずれることになる。その結果、図16(C)に示すように、互いに隣り合う照射パターンS1”間の境界線が液晶パネル19上ではデフォーカス状態となるため、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラをより目立たなくすることができる。
【0081】
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図17を用いて説明する。
本実施形態は光源部から蛍光体基板までの構成の変形例を示しており、色分離光学系以降の構成は第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態では色分離光学系以降の構成の説明を省略する。
図17は、本実施形態の光源部から蛍光体基板までの構成を示す側面図である。
図17において、第1実施形態で用いた図面と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0082】
第1実施形態では、蛍光体層27を形成する下地となる基板26には、ガラス基板等の光透過性を有する基板が用いられていた。これに対して、本実施形態では、図17に示すように、蛍光体層27が設けられる基板46に、例えばアルミニウム板等の光反射性を有する基板が用いられている。これにより、蛍光体基板45において、蛍光体層27から発せられた蛍光は基板46の表面で反射して蛍光体層27の上方に射出される。
【0083】
集光レンズ3の光射出側に平行化レンズ47が備えられ、平行化レンズ47からの平行光が入射されるダイクロイックミラー48が備えられている。ダイクロイックミラー48は、中心波長が460nmの青色光を反射し、それ以外の波長帯域の光を透過する分光特性を有している。蛍光体基板45とダイクロイックミラー48との間には、ピックアップ光学系13を構成する第1レンズ14および第2レンズ15が備えられている。光源部2からの射出光の中心軸に対してダイクロイックミラー48の選択反射面48aは45°に配置されており、光源部2からの射出光の中心軸とピックアップ光学系13の光軸とは直交している。光源部2の構成は第1実施形態と同様である。
【0084】
上記の構成において、光源部2から射出された青色光は、集光レンズ3、平行化レンズ47を経てダイクロイックミラー48に入射される。ここで、青色光は、ダイクロイックミラー48で反射されて進行方向を変え、ピックアップ光学系13によって蛍光体層27上に集光される。蛍光体層27は青色光によって励起され、赤色光および緑色光を含む黄色光が蛍光として発せられる。そして、青色光の一部と蛍光体層27で発生した黄色光が蛍光体基板45から射出される。このとき、蛍光体基板45から射出される各色光が所定の広がりを有する散乱光である点は第1実施形態と同様である。
【0085】
具体的には、レーザーダイオード11Aから射出された第1の光束P1は集光レンズ3、平行化レンズ47を経てダイクロイックミラー48に入射される。ここで、第1の光束P1は、ダイクロイックミラー48で反射されて進行方向を変え、ピックアップ光学系13によって蛍光体層27の第1の領域に照射される。レーザーダイオード11Bから射出された第2の光束P2は集光レンズ3、平行化レンズ47を経てダイクロイックミラー48に入射される。ここで、第2の光束P1は、ダイクロイックミラー48で反射されて進行方向を変え、ピックアップ光学系13によって蛍光体層27の第2の領域に照射される。そして、蛍光体層27の第1の領域からは白色光である第1の散乱光Q1が射出され、蛍光体層27の第2の領域からは白色光である第2の散乱光Q2が射出される。
【0086】
本実施形態の場合、蛍光体基板45から射出される各色光のうち、赤色光および緑色光は、ダイクロイックミラー48を透過し、後段の結像レンズ、色分離光学系に至る。一方、青色光は、ダイクロイックミラー48で反射して光源部2に戻るため、表示に寄与することができない。そのため、本実施形態では、図17に示す光源部2とは別に、表示に用いる青色光源を準備する必要がある。
【0087】
本実施形態では、蛍光体基板45が反射型であるが、光源部2の各レーザーダイオード11からの光がピックアップ光学系13によって蛍光体層27上の僅かに異なる箇所に照射された結果、図示していないが、蛍光体層27上にアレイ状の散乱光パターンが形成され、液晶パネル19上にアレイ状照射パターンSが形成される等、各光学系の作用は第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態においても、ローカルディミング使用時において、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和され、画質に優れたプロジェクターが実現できる、といった第1〜第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態について、図18を用いて説明する。
第1〜第5実施形態は蛍光体基板から発せられる蛍光を利用して表示を行うプロジェクターであったのに対し、本実施形態のプロジェクターは蛍光体基板を備えていない点で第1〜第5実施形態と異なる。
図18は、本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図18において、第1実施形態で用いた図1と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0089】
本実施形態のプロジェクター51は、色分離光学系を備えておらず、赤色光用液晶ライトバルブ7R,緑色光用液晶ライトバルブ7G,青色光用液晶ライトバルブ7Bの各々に専用の光源部を備えている。すなわち、本実施形態のプロジェクター51は、図18に示すように、赤色光源部52R、緑色光源部52G、青色光源部52Bの3組の光源部を備えている。赤色光源部52Rは、赤色光を射出する複数個のレーザーダイオード53Rがアレイ状に配列されたものである。同様に、緑色光源部52Gは、緑色光を射出する複数個のレーザーダイオード53Gがアレイ状に配列されたものである。青色光源部52Bは、青色光を射出する複数個のレーザーダイオード53Bがアレイ状に配列されたものである。
【0090】
本実施形態では、第1〜第5実施形態において蛍光体基板4が設けられていた位置に、蛍光体基板4に代えて、散乱板54(散乱体)が設けられている。散乱板54は、ガラス基板等の光透過性を有する基板55の一面に散乱層56が形成されたものである。散乱層56は、例えば多数のガラスビーズ等の粒子が混入された樹脂層が基板55上に形成されたものであっても良いし、基板55の表面自体に凹凸加工が施されたものであっても良い。
【0091】
本実施形態のプロジェクター51は、散乱板54を透過した各色光が結像光学系5を経て赤色光用液晶ライトバルブ7R,緑色光用液晶ライトバルブ7G,青色光用液晶ライトバルブ7Bに入射される構成となっている。赤色光源部52Rから射出され散乱板54を透過した赤色光は、結像光学系5、反射ミラー57を経て赤色光用液晶ライトバルブ7Rに入射される。また、緑色光源部52Gから射出され散乱板54を透過した緑色光は、結像光学系5を経て緑色光用液晶ライトバルブ7Gに入射される。また、青色光源部52Bから射出され散乱板54を透過した青色光は、結像光学系5、反射ミラー57を経て青色光用液晶ライトバルブ7Bに入射される。また、各色光は赤色光用液晶ライトバルブ7R,緑色光用液晶ライトバルブ7G,青色光用液晶ライトバルブ7Bで変調された後、クロスダイクロイックプリズム58(色合成光学系)によって合成され、フルカラーの画像となる。
【0092】
本実施形態では、第1〜第5実施形態と比べて、蛍光体基板4と散乱板54の違いはあるものの、光の広がりについては同様の作用を奏する。ここでは、赤色光源部52Rについて説明する。緑色光源部52Gの構成および青色光源部52Bの構成は赤色光源部52Rの構成と同様であるため、説明は省略する。
レーザーダイオード53R1から射出された第1の光束P1は,集光レンズ3によって集束され、散乱板54上の第1の領域に照射される。レーザーダイオード53R2から射出された第2の光束P2は,集光レンズ3によって集束され、散乱板54上の第1の領域とは異なる第2の領域に照射される。このとき、散乱板54からは散乱光が射出されるため、図示していないが、第1実施形態ないし第5実施形態と同様に、第1の光束P1によって形成される散乱板54上の一つの散乱光パターンL1は、第1の光束P1に比べて広がった円形の形状を呈する。同様に、第2の光束P2によって形成される散乱板54上の一つの散乱光パターンL1は、第2の光束P2に比べて広がった円形の形状を呈する。また、上述したように、複数の照射スポットは散乱板54上で互いに異なる領域に位置している。したがって、図示していないが、互いに隣り合う散乱光パターンL1同士が部分的に重なることで、輝度分布が略均一化されたアレイ状散乱光パターンLが形成される。このように輝度分布が略均一化されたアレイ状散乱光パターンが結像光学系5によって液晶パネル19上に結像されるため、液晶パネル19上のアレイ状照射パターンも輝度分布が略均一化されたものとなる。
【0093】
本実施形態においても、ローカルディミング使用時において、観察者に認識され得る分割領域間の輝度ムラが緩和され、画質に優れたプロジェクターが実現できる、といった第1〜第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上記の第1実施形態ないし第5実施形態では、散乱体として蛍光体層27を用い、蛍光体層27の第2の領域は蛍光体層27の第1の領域とは異なる領域とした。しかし、第1の領域の外周部と第2の領域の外周部とが互いに部分的に重なっていてもよい。この構成によれば、蛍光体基板4をさらに小型化することができる。
【0095】
上記の第6実施形態では、散乱体として散乱板54を用い、蛍光体層27の第2の領域は蛍光体層27の第1の領域とは異なる領域とした。しかし、散乱板54の第1の領域から射出される第1の散乱光が第1の分割領域に入射し、散乱板54の第2の領域から射出される第2の散乱光が第1の分割領域とは異なる第2の分割領域に入射するように集光光学系や結像光学系が構成されていれば、第1の領域と第2の領域とが互いに重なっていてもよい。この構成によれば、散乱板54をさらに小型化することができる。
【0096】
例えば上記第1実施形態ないし第6実施形態では、光源としてレーザーダイオードを用いたが、レーザーダイオードに代えて、発光ダイオード(LED)等の固体光源を用いても良い。ランプを用いることも可能であるが、液晶パネルの形状に合わせてアレイ状に配列することを考えると、固体光源を用いる方が好ましい。その他、プロジェクター各部の形状、配置、数等に関しては、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0097】
1,51…プロジェクター、2…光源部、3…集光レンズ(集光光学系)、4,45…蛍光体基板(散乱体)、5…結像光学系、7R,7G,7B…液晶ライトバルブ(光変調素子)、11,53R,53G,53B…レーザーダイオード(第1の光源、第2の光源、固体光源)、26,46…基板、27…蛍光体層、37…導光ロッドアレイ(導光ロッド群)、38…導光ロッド、42…均一化板(散乱板)、52R…赤色光源部、52G…緑色光源部、52B…青色光源部、54…散乱板(散乱体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源と第2の光源とを含む光源部と、
前記光源部からの光の入射に応じて散乱光を射出させる散乱体と、
前記散乱体から射出された光を変調する光変調素子と、
前記第1の光源から射出された第1の光束を前記散乱体の第1の領域に照射するとともに、前記第2の光源から射出された第2の光束を前記散乱体の第2の領域に照射する集光光学系と、
前記散乱体の前記第1の領域から射出された第1の散乱光を前記光変調素子の第1の分割領域に照射するとともに、前記散乱体の前記第2の領域から射出された第2の散乱光を前記光変調素子の第2の分割領域に照射する結像光学系と、
を備えたことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記散乱体が、基板と、前記基板の一面に形成された蛍光体層と、を備えた蛍光体基板であることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記散乱体の前記第2の領域は、前記散乱体の前記第1の領域とは異なる領域であることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記散乱体の前記第2の領域と前記散乱体の前記第1の領域とは、少なくとも部分的に互いに重なっていることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記結像光学系が、前記散乱体の像を前記光変調素子上にデフォーカス状態で生成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記光源部は、前記第1の光源と前記第2の光源とを少なくとも含む複数の固体光源が配列された構成を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記結合光学系と前記散乱体との間に設けられ、第1の導光ロッドと第2の導光ロッドとを含む導光ロッド群を備え、
前記散乱体の第1の領域から射出された前記第1の散乱光が前記第1の導光ロッドに入射し、
前記散乱体の第2の領域から射出された前記第2の散乱光が前記第2の導光ロッドに入射することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項8】
前記導光ロッド群の光射出側に、前記導光ロッド群から射出された光を散乱させる散乱板を備えたことを特徴とする請求項7に記載のプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−25247(P2013−25247A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162094(P2011−162094)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】