説明

プロジェクター

【課題】画像表示に寄与する光に対してより相関の高い光量検出を行うことにより、光源や光変調素子を適切に制御できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明のプロジェクター1は、照明装置2と、照明装置2から射出された光を、互いに偏光方向が直交する第1の偏光と第2の偏光とに分離する偏光分離素子と、第1の偏光と第2の偏光とのうちの一方の偏光の偏光状態を変調する反射型液晶パネル4R,4G,4Bと、他方の偏光の光量を検出する光センサー36と、光量の検出結果に基づいて照明装置2と反射型液晶パネル4R,4G,4Bとの少なくとも一方を制御する制御部と、光センサー36の光検出面に小さい入射角で入射する偏光を、光検出面に相対的に大きい入射角で入射する偏光よりも高い透過率で透過させる第1の絞り37および第2の絞り38と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターにおいて、光源から射出される光の量を検出し、その検出結果に応じて光源もしくは表示パネルを制御して、光源の経時変化による色変化を補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この文献には、照明光を均一化するためのレンズアレイからの乱反射光を光センサーで検出し、光センサーの出力に応じてランプや液晶パネルの制御を行うことが記載されている。ところが、この種の制御を行うプロジェクターに反射型の液晶パネルを適用した場合、表示内容によっては液晶パネルからの反射光の一部が光源側に戻るため、表示内容によって光センサーの検出結果が変動し、正確な検出結果が得られないことがある。その結果、ランプや液晶パネルを適切に制御することができないという問題があった。
【0003】
そこで、反射型の光変調素子を備えた画像表示装置において、表示画像に使用されない光の強度を検出することで、光変調素子に照射される光の量を高精度で検出する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この画像表示装置は、光源とデジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device, DMD)との間に偏光ビームスプリッターを備え、偏光ビームスプリッターを透過するP偏光を画像表示に用いる一方、画像表示に寄与しない偏光ビームスプリッターで反射するS偏光を光センサーで検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−65528号公報
【特許文献2】再公表WO2007/023681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記の特許文献2に記載の画像表示装置においても、光センサーが検出した光量が画像表示に実際に寄与する光量を充分に反映したものではない、という問題があった。そのため、依然として、光源や光変調素子を適切に制御できないという問題が生じていた。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、画像表示に寄与する光に相関の高い光量検出を行うことにより、光源や光変調素子を適切に制御できるプロジェクターの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明のプロジェクターは、光源と、前記光源から射出された光を、互いに偏光方向が直交する第1の偏光と第2の偏光とに分離する偏光分離素子と、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの一方の偏光が入射され、入射された偏光の偏光状態を画像信号に基づいて変調し、変調された偏光を前記偏光分離素子に向けて射出する反射型の光変調素子と、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光の光量を検出する光検出素子と、前記光検出素子の検出結果に基づいて前記光源と前記光変調素子との少なくとも一方を制御する制御部と、前記光検出素子の光検出面に対して相対的に小さい入射角で入射する偏光を、前記光検出面に対して相対的に大きい入射角で入射する偏光よりも高い透過率で透過させる入射角制限部材と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のプロジェクターにおいては、光検出素子が前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光、すなわち光変調素子に入射しない側の偏光の光量を検出し、制御部が光検出素子の検出結果に基づいて光源と光変調素子との少なくとも一方を制御する。したがって、画像に寄与する偏光の光路から外れた位置に光検出素子を配置できるため、反射型の光変調素子からの戻り光の影響を受けることなく、表示内容に係わらず正確な光量検出を行うことができる。
【0009】
また、プロジェクターの光路内には様々な迷光が存在し、迷光が光量の検出精度を低下させる要因となる。迷光は例えば各種光学部品等で反射、散乱した光であって、一般的に光学部品の光軸に対して大きな角度を持っている。ここで、本発明のプロジェクターは、光検出素子の光検出面に対して相対的に小さい入射角で入射する偏光を、相対的に大きい入射角で入射する偏光よりも高い透過率で透過させる入射角制限部材を備えているため、上記の迷光が光検出素子に入射することが抑えられる。また、光変調素子に入射するのと同様、光軸に対して小さな角度をなす偏光が光検出素子に優先的に入射する。その結果、本発明のプロジェクターは、画像表示に寄与する光に相関の高い光量検出を行うことができ、光源や光変調素子を的確に制御することができる。
【0010】
本発明のプロジェクターにおいて、前記入射角制限部材は、前記相対的に小さい入射角で入射する偏光を透過させる開口部を有する絞りによって構成することができる。
この構成によれば、入射角制限部材を簡単な構成で実現することができる。
【0011】
本発明のプロジェクターにおいて、前記絞りは、前記光源と前記偏光分離素子との間と、前記偏光分離素子と前記光検出素子との間との少なくとも一方に配置されることが望ましい。
この構成によれば、絞りを光源と偏光分離素子との間に配置することによって、光が偏光分離素子に入射する前の段階で迷光が光検出素子に入射するのを抑えることができる。また、絞りを偏光分離素子と光検出素子との間に配置することによって、光が光検出素子に入射する直前の段階で迷光が光検出素子に入射するのを抑えることができる。
【0012】
本発明のプロジェクターにおいて、前記入射角制限部材の前記偏光分離素子に対向する面は光吸収面であることが望ましい。
この構成によれば、入射角制限部材の前記偏光分離素子に対向する面で反射した光が再び迷光となることを防止できる。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明のプロジェクターは、光源と、前記光源から射出された光を、互いに偏光方向が直交する第1の偏光と第2の偏光とに分離する偏光分離素子と、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの一方の偏光が入射され、入射された偏光の偏光状態を画像信号に基づいて変調し、変調された偏光を前記偏光分離素子に向けて射出する反射型の光変調素子と、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光の光量を検出する光検出素子と、前記光検出素子の検出結果に基づいて前記光源と前記光変調素子との少なくとも一方を制御する制御部と、前記光源と前記偏光分離素子との間、もしくは前記偏光分離素子と前記光検出素子との間に設けられ、所定の偏光状態の偏光を透過させる偏光素子と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明のプロジェクターにおいては、光検出素子が前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光、すなわち光変調素子に入射しない側の偏光の光量を検出し、制御部が光検出素子の検出結果に基づいて光源と光変調素子との少なくとも一方を制御する。したがって、画像に寄与する偏光の光路から外れた位置に光検出素子を配置できるため、反射型の光変調素子からの戻り光の影響を受けることなく、表示内容に係わらず正確な光量検出を行うことができる。
【0015】
また、プロジェクターの光路内には様々な迷光が存在し、迷光が光量の検出精度を低下させる要因となる。迷光は例えば各種光学部品等で反射、散乱した際に偏光状態が乱れ、各光路に本来あるべきでない偏光成分である。ここで、本発明のプロジェクターは、光源と偏光分離素子との間、もしくは偏光分離素子と光検出素子との間に偏光素子が備えられているため、上記の迷光が光検出素子に入射することが抑えられる。その結果、本発明のプロジェクターは、画像表示に寄与する光に相関の高い光量検出を行うことができ、光源や光変調素子を的確に制御することができる。
【0016】
本発明のプロジェクターにおいて、前記偏光素子は、所定の振動方向を有する直線偏光を透過させ、前記所定の振動方向と直交する振動方向を有する直線偏光を吸収する透過・吸収型の直線偏光板であることが望ましい。
この構成によれば、迷光が光検出素子に入射することを確実に防止できるとともに、直線偏光板を透過できない偏光が再び迷光となることを防止できる。
【0017】
本発明のプロジェクターにおいて、前記直線偏光板は、前記光源と前記偏光分離素子との間に設けられ、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうち、前記光変調素子に入射する偏光と同じ偏光方向の偏光を透過させ、前記光変調素子に入射する偏光と直交する偏光方向の偏光を吸収することが望ましい。
この構成によれば、光源と前記偏光分離素子との間の光学部品によって乱れた偏光成分を除去できる一方、光変調素子に入射する偏光が損失する等の悪影響を及ぼすことがない。これにより、光量検出の精度を向上することができる。
【0018】
本発明のプロジェクターにおいて、前記直線偏光板は、前記偏光分離素子と前記光検出素子との間に設けられ、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうち、前記光変調素子に入射する偏光と直交する偏光方向の偏光を透過させ、前記光変調素子に入射する偏光と同じ偏光方向の偏光を吸収することが望ましい。
この構成によれば、偏光分離素子で本来分離されるべきであり、光変調素子に入射しないはずの偏光が光変調素子に入射するのを防止できる。これにより、光量検出の精度を向上することができる。
【0019】
本発明のプロジェクターにおいて、前記偏光分離素子と前記光変調素子との間の光路長と、前記偏光分離素子と前記光検出素子との間の光路長と、が等しいことが望ましい。
この構成によれば、光変調素子の画像形成面に偏光が集光されて結像されるのと同様に、光検出素子の光検出面に偏光が集光されて結像された状態で光量検出を行うことができる。
【0020】
上記の目的を達成するために、本発明のプロジェクターは、光源と、前記光源から射出された光を、互いに偏光方向が直交する第1の偏光と第2の偏光とに分離する偏光分離素子と、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの一方の偏光が入射され、入射された偏光の偏光状態を画像信号に基づいて変調し、変調された偏光を前記偏光分離素子に向けて射出する反射型の光変調素子と、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光の光量を検出する光検出素子と、前記光検出素子の検出結果に基づいて前記光源と前記光変調素子との少なくとも一方を制御する制御部と、を備え、前記偏光分離素子と前記光検出素子との間の光路長が、前記偏光分離素子と前記光変調素子との間の光路長よりも長く、前記光検出素子が、前記偏光分離素子と前記光検出素子とを結ぶ光軸上に配置されていることを特徴とする。
【0021】
本発明のプロジェクターにおいては、光検出素子が前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光、すなわち光変調素子に入射しない側の偏光の光量を検出し、制御部が光検出素子の検出結果に基づいて光源と光変調素子との少なくとも一方を制御する。したがって、画像に寄与する偏光の光路から外れた位置に光検出素子を配置できるため、反射型の光変調素子からの戻り光の影響を受けることなく、表示内容に係わらず正確な光量検出を行うことができる。
【0022】
また、プロジェクターの光路内には様々な迷光が存在し、迷光が光量の検出精度を低下させる要因となる。迷光は例えば各種光学部品等で反射、散乱した光であって、一般的に光学部品の光軸に対して大きな角度を持っている。したがって、光路の中心部に光軸に対して小さな角度を持つ光が分布し、光路の周縁部には光軸に対して大きな角度を持つ光、すなわち迷光が分布する。ここで、本発明のプロジェクターは、偏光分離素子と光検出素子との間の光路長が、偏光分離素子と光変調素子との間の光路長よりも長く、すなわち、光源側から見て、光検出素子が本来の結像位置よりも後方に配置されている。また、光検出素子は、偏光分離素子と光検出素子とを結ぶ光軸上に配置されているため、光路の中心部の光が光検出素子に優先的に入射する。これにより、上記の迷光を光検出素子が検出することが抑えられる。その結果、本発明のプロジェクターは、画像表示に寄与する光に相関の高い光量検出を行うことができ、光源や光変調素子を的確に制御することができる。
【0023】
本発明のプロジェクターにおいて、前記光変調素子として、第1の色の偏光を変調する第1の光変調素子と、前記第1の色とは異なる第2の色の偏光を変調する第2の光変調素子と、を少なくとも備え、前記光検出素子として、前記第1の色の偏光の光量を検出する第1の光検出素子と、前記第2の色の偏光の光量を検出する第2の光検出素子と、を少なくとも備えた構成を採用してもよい。
この構成によれば、互いに異なる色毎に光量検出を行うことができるため、各検出結果に基づいて光源や光変調素子を制御することで、光源光量の変動に起因した色バランスの変化を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。
【図2】本実施形態のプロジェクターの要部を示す断面図である。
【図3】本実施形態のプロジェクターの制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態のプロジェクターの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態のプロジェクターの要部を示す断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態のプロジェクターの要部を示す断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。
【図8】本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
【図9】本実施形態のプロジェクターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源としてランプを用い、光変調素子として赤色光用、緑色光用、青色光用の3組の反射型液晶パネルを用いた液晶プロジェクターである。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0026】
本実施形態のプロジェクター1は、図1に示すように、色光生成手段としての照明装置2および色分離導光光学系3と、色分離導光光学系3で分離された3つの色光のそれぞれを画像信号に応じて変調する反射型液晶パネル4R,反射型液晶パネル4G,反射型液晶パネル4Bと、反射型液晶パネル4R,反射型液晶パネル4G,反射型液晶パネル4Bによって変調された色光を合成する色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム5と、クロスダイクロイックプリズム5によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する投写光学系6と、を備えている。
【0027】
照明装置2(光源)は、ランプ8と、第1レンズアレイ9と、第2レンズアレイ10と、偏光変換素子11と、重畳レンズ12と、紫外線カットフィルター15を有する。ランプ8は、被照明領域側に照明光束を射出する。第1レンズアレイ9は、ランプ8から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ13を有する。第2レンズアレイ10は、第1レンズアレイ9の複数の第1小レンズ13に対応する複数の第2小レンズ14を有する。偏光変換素子11は、第2レンズアレイ10からの各部分光束を偏光方向の揃った略1種類の直線偏光に変換して射出する。重畳レンズ12は、偏光変換素子11から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させる。また、ランプ8の光射出側には、紫外線カットフィルター15が配置されている。紫外線カットフィルター15により紫外線が除去され、プロジェクター1内に配置される光学部品の寿命が長くなる。
【0028】
ランプ8は、楕円面リフレクタ17と、発光管18と、副鏡19と、凹レンズ20と、を有する。発光管18は、楕円面リフレクタ17の第1焦点近傍に発光中心を有する。副鏡19は、発光管18から被照明領域側に向けて射出される光を発光管18に向けて反射する。凹レンズ20は、楕円面リフレクタ17からの集束光を略平行光として射出する。ランプ8は、照明光軸2axを中心軸とする光束を射出する。
【0029】
発光管18は、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有する。管球部は、石英ガラス製の球体であって、球体内に配置された一対の電極と、球体内に封入された水銀、希ガスおよび少量のハロゲンとを有する。発光管18としては、種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
楕円面リフレクタ17は、発光管18の一方の封止部が挿通、固着される筒状の首状部と、発光管18から放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有する。
【0030】
副鏡19は、発光管18の管球部の略半分を覆い、楕円面リフレクタ17の反射凹面と対向して配置される反射体である。副鏡19は、発光管18の他方の封止部が挿通、固着されている。副鏡19は、発光管18から放射された光のうち、楕円面リフレクタ17に向かわない光を発光管18に戻し、楕円面リフレクタ17に入射させる。
凹レンズ20は、楕円面リフレクタ17の被照明領域側に配置されている。凹レンズ20は、楕円面リフレクタ17からの光を第1レンズアレイ9に向けて射出する。
【0031】
第1レンズアレイ9は、凹レンズ20からの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有する。第1レンズアレイ9は、複数の第1小レンズ13が照明光軸2axと直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。図示による説明は省略するが、第1小レンズ13の外形形状は、反射型液晶パネル4R,4G,4Bの画像形成領域の外形形状に関して相似形である。
【0032】
第2レンズアレイ10は、重畳レンズ12とともに、第1レンズアレイ9の各第1小レンズ13の像を反射型液晶パネル4R,反射型液晶パネル4G,反射型液晶パネル4Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。第2レンズアレイ10は、第1レンズアレイ9と同様、複数の第2小レンズ14が照明光軸2axに直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。
【0033】
偏光変換素子11は、第1レンズアレイ9により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光として射出する。偏光変換素子11は、ランプ8からの照明光のうち、一方の偏光(例えばP偏光)を透過し、他方の偏光(例えばS偏光)照明光軸2axに垂直な方向に向けて反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の偏光成分を有する光を照明光軸2axに平行な方向に反射する反射層と、偏光分離層を透過した一方の偏光成分を有する光を他方の偏光成分を有する光に変換する位相差板と、を有する。なお、偏光変換素子11を透過した光は、概ねP偏光となるが、全てがP偏光となるわけではなく、S偏光も混在している。
【0034】
重畳レンズ12は、第1レンズアレイ9、第2レンズアレイ10および偏光変換素子11を経た複数の部分光束を集光して反射型液晶パネル4R,反射型液晶パネル4G,反射型液晶パネル4Bの画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。重畳レンズ12は、重畳レンズ12の光軸と照明装置2の照明光軸2axとが略一致するように配置されている。なお、重畳レンズ12は、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
【0035】
色分離導光光学系3は、色分離光学系22と、反射ミラー23,反射ミラー24と、ダイクロイックミラー25と、偏光ビームスプリッター26,偏光ビームスプリッター27,偏光ビームスプリッター28と、を有する。色分離導光光学系3は、重畳レンズ12から射出される照明光束を、赤色光LR、緑色光LG、および青色光LBの3つの色光に分離して、それぞれの色光を照明対象となる3つの反射型液晶パネル4R,反射型液晶パネル4G,反射型液晶パネル4Bに導く機能を有する。
【0036】
色分離光学系22は、所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が基板上に形成された2つの色分離フィルター30,色分離フィルター31からなる。重畳レンズ12からの照明光束は、色分離光学系22によって青色光とその他の色光(赤色光および緑色光)とに分離される。
【0037】
色分離光学系22で分離された青色光LBは、反射ミラー24で反射され、集光レンズ32Bを介して偏光ビームスプリッター28に入射する。このとき、照明装置2からの照明光束は偏光変換素子11によって概ね偏光方向の揃った略1種類の直線偏光(P偏光)に揃えられていることから、集光レンズ32Bを通過した光は、偏光ビームスプリッター28を通過して青色光用の反射型液晶パネル4Bに入射する。集光レンズ32Bは、重畳レンズ12からの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換するために設けられている。なお、他の集光レンズ32R,集光レンズ32Gも、集光レンズ32Bと同様に構成されている。
【0038】
偏光ビームスプリッター28は、プレートタイプの偏光ビームスプリッターであって、透光性の基板に偏光分離膜を設けた構成からなる。偏光ビームスプリッター28は、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射する機能を有する。本実施形態の場合、偏光ビームスプリッター28は、P偏光を透過し、S偏光を反射する機能を有する。なお、他の偏光ビームスプリッター26,偏光ビームスプリッター27も、上述の偏光ビームスプリッター28と同様に構成されている。
本実施形態において、偏光ビームスプリッター26,偏光ビームスプリッター27、および偏光ビームスプリッター28は、特許請求の範囲の「偏光分離素子」に相当する。
【0039】
色分離光学系22で分離された青色光以外の色光(赤色光LR、緑色光LG)は、反射ミラー23で反射され、ダイクロイックミラー25に入射する。
ダイクロイックミラー25は、所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が基板上に形成された光学素子である。ダイクロイックミラー25は、赤色光LRを透過し、緑色光LGを透過させるミラーである。
【0040】
ダイクロイックミラー25を透過した赤色光LRは、集光レンズ32Rおよび偏光ビームスプリッター26を通過して、赤色光用の反射型液晶パネル4Rに入射する。一方、緑色光LGは、集光レンズ32Gおよび偏光ビームスプリッター27を通過して、緑色光用の反射型液晶パネル4Gに入射する。
【0041】
反射型液晶パネル4R,反射型液晶パネル4G,反射型液晶パネル4Bは、画像信号に応じて照明光を変調するものであり、照明装置2の被照明対象としての光変調素子である。反射型液晶パネル4R,反射型液晶パネル4G,反射型液晶パネル4Bは、液晶層を挟持する一対の基板と、光入射側の基板と対向する基板側に配置された反射層(もしくは反射電極)と、を備えている。また、反射型液晶パネル4R,反射型液晶パネル4G,反射型液晶パネル4Bの光入射側と反対側の面には、図1に示すように、放熱フィン33R,放熱フィン33G,放熱フィン33Bが配設されている。
【0042】
クロスダイクロイックプリズム5の前段には、偏光板34R,偏光板34G,偏光板34Bが配置されている。クロスダイクロイックプリズム5は、偏光板34R,偏光板34G,偏光板34Bから射出された色光毎に変調された光学像を合成し、カラー画像を形成する光学素子である。クロスダイクロイックプリズム5は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は青色光LBを反射し、他方の界面に形成された誘電体多層膜は赤色光LRを反射する。これらの誘電体多層膜によって青色光LBおよび赤色光LRは曲折され、緑色光LGの進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム5から射出された光によって形成されるカラー画像は、投写光学系6によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
【0043】
上述したように、照明装置2からの照明光束は偏光変換素子11によって概ねP偏光に揃えられており、青色のP偏光は偏光ビームスプリッター28を透過して青色光用の反射型液晶パネル4Bに入射する。ところが、実際には偏光変換素子11を透過した光が全てP偏光に変換されているのではなく、S偏光も混在している。よって、偏光ビームスプリッター28に入射したS偏光は、偏光ビームスプリッター28で反射する。青色光の光路において、偏光ビームスプリッター28で反射するS偏光の光路上に光センサー36(光検出素子)が備えられている。また、集光レンズ32Bと偏光ビームスプリッター28との間には、第1の絞り37(入射角制限部材)が備えられている。偏光ビームスプリッター28と光センサーとの間には、第2の絞り38(入射角制限部材)が備えられている。
本実施形態において、「P偏光」は特許請求の範囲の「第1の偏光」に相当し、「S偏光」は特許請求の範囲の「第2の偏光」に相当する。また、「P偏光」は特許請求の範囲の「一方の偏光」に相当し、「S偏光」は特許請求の範囲の「他方の偏光」に相当する。
【0044】
図2は、偏光ビームスプリッター28の周辺の構成を拡大した断面図である。
ここで、反射型液晶パネルの作用について、青色光用の反射型液晶パネル4Bを例に挙げて説明する。ただし、赤色光用の反射型液晶パネル4R、緑色光用の反射型液晶パネル4Gについても、作用は同様である。
反射型液晶パネル4Bでは、液晶層への印加電圧に応じて液晶分子の配向状態が変化する。例えば液晶層が垂直配向(Vertical Alien, VA)液晶の場合、印加電圧を0Vとすると、入射光(P偏光)が液晶層を透過した際に偏光状態は変化しないため、P偏光が射出される。一方、印加電圧を5Vとすると、入射光(P偏光)が液晶層を透過した際に偏光状態は変化し、S偏光が射出される。また、印加電圧を0Vと5Vの中間の値とすると、P偏光とS偏光とが混在した光が射出される。反射型液晶パネル4BからS偏光が射出された場合、S偏光は偏光ビームスプリッター28で反射し、後段のクロスダイクロイックプリズム5、投写光学系6を経てスクリーンSCR上に投写されるため、明表示となる。また、反射型液晶パネル4BからP偏光が射出された場合、P偏光は偏光ビームスプリッター28を透過し、照明装置2側に戻るため、暗表示となる。
【0045】
本実施形態の場合、照明装置2から偏光ビームスプリッター28に入射する光のうち、P偏光は画像表示に用いられる光であり、S偏光は画像表示に用いられない光である。照明装置2から偏光ビームスプリッター28に入射し、偏光ビームスプリッター28で反射するS偏光を検出できる位置に光センサー36が配置されている。一方、反射型液晶パネル4Bからの戻り光は、P偏光、S偏光に係わらず、光センサー36の位置には到達しない。このような構成により、反射型液晶パネル4Bによる画像表示の内容に依らずに、照明装置2から射出される光の量を正確に検出することができる。
特に偏光ビームスプリッター28と光センサー36との間の距離(光路長)と偏光ビームスプリッター28と反射型液晶パネル4Bとの間の距離(光路長)とが等しいことが望ましい。その場合、光センサー36は結像位置に配置されることになる。このとき、画像表示に寄与しないS偏光は光センサー36の光検出面36a上で結像する。
【0046】
一般にプロジェクターの光路内には様々な迷光が存在し、迷光が光センサーによる光量の検出精度を低下させる要因となる。迷光は各種光学部品等で反射、散乱した光であって、画像表示に用いられる正常な光と比べて光軸に対して大きな角度成分を持っている。ここで、本実施形態のプロジェクター1は第1の絞り37と第2の絞り38とを備えているため、光軸axに対して小さい角度成分の光、すなわち、光センサー36の光検出面36aに対して相対的に小さい入射角で入射する角度成分の光は第1の絞り37の開口部37aおよび第2の絞り38の開口部38aを透過する。一方、光軸axに対して大きい角度成分の光、すなわち、光センサー36の光検出面36aに対して相対的に大きい入射角で入射する角度成分の光は、これらの開口部37a,開口部38aを透過できず、第1の絞り37および第2の絞り38によって遮断される。このようにして、迷光を含む光は第1の絞り37および第2の絞り38によって除去される。
【0047】
第1の絞り37については、偏光ビームスプリッター28に対向する面37bに光を吸収する層を形成する等の処理を行い、この面を光吸収面とすることが望ましい。これにより、反射型液晶パネル4Bで反射し、偏光ビームスプリッター28を透過したP偏光が第1の絞り37の表面で反射し、再度迷光になることを防止できる。同様に、第2の絞り38についても、偏光ビームスプリッター28に対向する面38bを光吸収面とすることが望ましい。これにより、第2の絞り38の表面でS偏光が反射し、再度迷光になることを防止できる。
【0048】
本実施形態のプロジェクター1において、制御部41は、図3に示すように、信号処理部42と、液晶駆動部43と、を有している。信号処理部42は、プロジェクター1のシステム全体の起動シーケンス、安全管理、画像信号の補正などを行う。特に画像信号の補正については、信号処理部42は、光センサー36からの光量の検出結果の出力を取得した後、照明装置2の光量の変動に応じて画像信号を補正する。液晶駆動部43は、信号処理部42で補正された画像信号に基づいて各色光用の反射型液晶パネル4R,4G,4Bを駆動する駆動電圧を出力する。この構成により、制御部41は、照明装置2の光量変動を補償するように反射型液晶パネル4R,4G,4Bを制御する。
【0049】
また、制御部41は、光センサー36からの出力を受けて、照明装置2の光量が減少した際にはユーザーに警告を発する。
信号処理部42の処理手順を示したものが図4のフローチャートである。
最初に、信号処理部42は、光センサー36からの光量の検出結果を含む出力を取得する(図4のステップS1)。
【0050】
次に、信号処理部42は、光センサー36からの出力信号が所定の値以下であるか否か、すなわち、照明装置2の光量が所定の光量以下であるか否かを判断する(図4のステップS2)。
ここで、光センサー36からの出力信号が所定の値を超える場合、すなわち、照明装置2の光量が所定の光量を超える場合(図4のステップS2のNO)、図4のステップS1、ステップS2を繰り返す。ステップS1、ステップS2の繰り返しは間欠的に行えば良く、繰り返しの間隔は適宜設定すれば良い。
【0051】
一方、光センサー36からの出力信号が所定の値以下である場合、例えば発光管の経時変化等により照明装置2の光量が所定の光量以下となった場合(図4のステップS2のYES)、信号処理部42は液晶駆動部43に画像信号を送信し、反射型液晶パネル4R,4G,4Bがユーザーに対してランプの交換を促す表示を行う(図4のステップS3)。
【0052】
本実施形態のプロジェクター1においては、光センサー36が青色光用液晶パネル4Bに入射しないS偏光の光量を検出し、制御部41が光センサー36の検出結果に基づいて各色光用の反射型液晶パネル4R,4G,4Bに供給する画像信号を補正する。したがって、画像表示に寄与するP偏光の光路から外れた位置に光センサー36を配置できるため、反射型液晶パネル4Bからの戻り光の影響を受けることなく、光センサー36は、表示内容に係わらず正確な光量検出を行うことができる。
【0053】
また、プロジェクターの光路内には様々な迷光が存在し、迷光が光量の検出精度を低下させる要因となる。これに対して、本実施形態のプロジェクター1は、上述の第1の絞り37および第2の絞り38を備えているため、光軸に対して大きい角度成分を持つ迷光が光センサー36に入射することが抑えられる。その結果、本実施形態のプロジェクター1は、画像表示に寄与する光に相関の高い光量検出を行うことができ、反射型液晶パネル4R,4G,4Bを的確に制御することができる。
【0054】
また、本実施形態のプロジェクター1では、例えば長期間の使用を経て発光管18等が劣化し、照明装置2の光量が所定の光量以下になった場合にユーザーに対してランプの交換を促す表示を行う。そのため、ユーザーは発光管18が寿命に達したことを確実に認識でき、適切な対応を取ることができる。
【0055】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、偏光ビームスプリッターの周辺の構成が第1実施形態と異なる。
よって、図5において第1実施形態の図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0056】
本実施形態のプロジェクターにおいて、図5に示すように、光センサー36は、偏光ビームスプリッター28上の光入射位置からの距離T1が、偏光ビームスプリッター28上の光入射位置から反射型液晶パネル4Bまでの距離T2よりも遠くなる位置に配置されている。すなわち、本実施形態の場合、偏光ビームスプリッター28と光センサー36との間の距離T1(光路長)は、偏光ビームスプリッター28と反射型液晶パネル4Bとの間の距離T2(光路長)よりも長い。さらに、光センサー36は、偏光ビームスプリッター28で反射するS偏光の光路の中心に配置されている。
【0057】
第1実施形態で説明したように、偏光ビームスプリッター28と光センサー36との間の光路長と偏光ビームスプリッター28と反射型液晶パネル4Bとの間の光路長とが等しい場合、光センサー36は結像位置に配置されている。このとき、画像表示に寄与しないS偏光は光センサー36の光検出面36a上で結像する。これに対して、本実施形態の場合、偏光ビームスプリッター28と光センサー36との間の距離T1が偏光ビームスプリッター28と反射型液晶パネル4Bとの間の距離T2よりも長いため、光センサー36は結像位置よりも遠い位置に配置されていることになる。結像位置よりも遠い位置では一旦結像したS偏光が再度広がり、光路の中心部に角度成分の小さいS偏光が分布し、光路の周縁部では角度成分の大きいS偏光が分布する。そのため、S偏光の光路の中心に光センサー36を配置したことにより、角度成分の小さいS偏光が光センサー36に優先的に入射し、角度成分の大きいS偏光、すなわち迷光は光センサー36に入射しにくくなる。
【0058】
本実施形態のプロジェクターにおいても、反射型液晶パネル4Bからの戻り光の影響を受けることなく、光センサー36が表示内容に係わらず正確な光量検出を行うことができる、迷光を排除することで画像表示に寄与する光に相関の高い光量検出を行うことができ、反射型液晶パネル4R,4G,4Bを的確に制御することができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では第1実施形態で用いた絞りが不要であるため、第1実施形態に比べて部品点数を削減することができる。
【0059】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、偏光ビームスプリッターの周辺の構成が第1実施形態と異なる。
よって、図6において第1実施形態の図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0060】
第1実施形態のプロジェクターは、集光レンズ32Bと偏光ビームスプリッター28との間に第1の絞り37を備え、偏光ビームスプリッター28と光センサー36との間に第2の絞り38を備えていた。これに対して、本実施形態のプロジェクターは、絞りに代えて第1の偏光板45,第2の偏光板46を用いている。すなわち、本実施形態のプロジェクターは、図6に示すように、集光レンズ32Bと偏光ビームスプリッター28との間に第1の偏光板45を備え、偏光ビームスプリッター28と光センサー36との間に第2の偏光板46を備えている。
本実施形態において、第1の偏光板45および第2の偏光板46は、特許請求の範囲の「偏光素子」に相当する。
【0061】
第1の偏光板45は、偏光ビームスプリッター28を経て反射型液晶パネル4Bに入射する側の偏光、すなわちP偏光を透過させ、反射型液晶パネル4Bに入射しない側の偏光、すなわちS偏光を吸収する透過・吸収型の直線偏光板である。すなわち、第1の偏光板45は、反射型液晶パネル4Bに入射する偏光と同じ偏光方向の偏光を透過させ、反射型液晶パネル4Bに入射する偏光と直交する偏光方向の偏光を吸収する。なお、第1の偏光板45は、概ねS偏光を吸収するが、全てを吸収するわけではなく、一部のS偏光は透過する。
【0062】
第2の偏光板46は、偏光ビームスプリッター28を経て反射型液晶パネル4Bに入射しない側の偏光、すなわちS偏光を透過させ、反射型液晶パネル4Bに入射する側の偏光、すなわちP偏光を吸収する透過・吸収型の直線偏光板である。すなわち、第2の偏光板46は、反射型液晶パネル4Bに入射する偏光と直交する偏光方向の偏光を透過させ、反射型液晶パネル4Bに入射する偏光と同じ偏光方向の偏光を吸収する。なお、第2の偏光板46は、概ねP偏光を吸収するが、全てを吸収するわけではなく、一部のP偏光は透過する。
【0063】
プロジェクターの光路内には様々な迷光が存在し、迷光が光量の検出精度を低下させる要因となる。迷光は例えば各種光学部品等で反射、散乱した際に偏光状態が乱れ、各光路において本来あるべきでない偏光成分が含まれる。ここで、本実施形態のプロジェクターは、偏光ビームスプリッター28の前段に、S偏光を吸収する第1の偏光板45を備えているため、P偏光を射出する偏光変換素子11から偏光ビームスプリッター28までの光路上に位置する各光学部品で生じた迷光(S偏光)を除去することができる。
【0064】
さらに、偏光ビームスプリッター28は入射角依存性を有しており、P偏光を透過し、S偏光を反射するという基本的な偏光分離特性を発揮するのは小さい入射角で入射した光に対してであって、大きい入射角で入射した光については必ずしも上記の偏光分離特性を発揮しない場合がある。そのため、大きい角度成分を持つP偏光の迷光が偏光ビームスプリッター28で反射し、光センサー36に向かうS偏光の中に混在する。ここで、本実施形態のプロジェクターは、偏光ビームスプリッター28と光センサー36との間にP偏光を吸収する第2の偏光板46を備えているため、P偏光の迷光も除去することができる。
【0065】
本実施形態のプロジェクターにおいても、迷光が光センサー36に入射することが抑えられ、画像表示に寄与する光に相関の高い光量検出を行うことができ、液晶パネル4R,4G,4Bを的確に制御できる、といった第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0066】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図7〜図9を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、照明装置として青色光を射出する第1の照明装置と黄色光を射出する第2の照明装置とを用いる点、光センサーの配置、光センサーの検出結果に基づく制御の内容が第1実施形態のプロジェクターと異なる。
本実施形態のプロジェクターの基本構成のうち、第1実施形態の照明装置と色分離導光光学系の一部を除いた構成は第1実施形態と同様である。
よって、図7において第1実施形態の図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0067】
本発明のプロジェクター50は、図7に示すように、青色光LBを射出する青色光用照明装置51と、黄色光LYを射出する黄色光用照明装置52と、を備えている。青色光用照明装置51は、青色レーザーダイオードアレイ53と、平行化レンズ54と、集光レンズ55と、拡散板56と、ピックアップレンズ57と、平行化レンズ58と、第1レンズアレイ9と、第2レンズアレイ10と、偏光変換素子11と、重畳レンズ12と、を備えている。青色レーザーダイオードアレイ53は、例えば12個の青色レーザーダイオード59が4個×3個のアレイ状に配列されたものである。平行化レンズ54は、個々の青色レーザーダイオード59に対応して設けられている。
【0068】
青色レーザーダイオード59から射出された青色光LBは、平行化レンズ54により平行化された後、集光レンズ55により集光され、拡散板56上に照射されることで点光源が形成される。拡散板56上の各点光源からの青色の拡散光は、ピックアップレンズ57を透過して平行化レンズ58により平行化された後、第1レンズアレイ9に入射する。第1レンズアレイ9以降の光の作用については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0069】
黄色光用照明装置52は、励起用レーザーダイオードアレイ60と、平行化レンズ54と、集光レンズ55と、蛍光体基板61と、ピックアップレンズ57と、平行化レンズ58と、第1レンズアレイ9と、第2レンズアレイ10と、偏光変換素子11と、重畳レンズ12と、を備えている。励起用レーザーダイオードアレイ60は、例えば30個の励起用レーザーダイオード62が6個×5個のアレイ状に配列されたものである。励起用レーザーダイオード62は、蛍光体を励起させるための励起光として、紫外光もしくは青色光を射出するものである。平行化レンズ54は、個々の励起用レーザーダイオード62に対応して設けられている。蛍光体基板61は、紫外光、青色光等の励起光を受けて黄色光を発する蛍光体層が基板上に形成されたものである。
【0070】
励起用レーザーダイオード62から射出された各励起光は、平行化レンズ54により平行化された後、集光レンズ55により集光され、蛍光体基板61上に照射されることで点光源が形成される。蛍光体基板61上の各点光源から発光した黄色光LYは、ピックアップレンズ57を透過して平行化レンズ58により平行化された後、第1レンズアレイ9に入射する。第1レンズアレイ9以降の光の作用については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、黄色光LYは赤色光成分と緑色光成分とを含むため、黄色光LYをダイクロイックミラー25で分解することにより赤色光LRと緑色光LGとが生成される。
【0071】
本実施形態のプロジェクター50の場合、青色光LBの光路において、偏光ビームスプリッター28で反射するS偏光の光路上に、青色光用光センサー36B(第1の光検出素子)が備えられている。また、集光レンズ32Bと偏光ビームスプリッター28との間には、第1の絞り37(入射角制限部材)が備えられている。偏光ビームスプリッター28と光センサー36Bとの間には、第2の絞り38(入射角制限部材)が備えられている。
【0072】
同様に、緑色光LGの光路において、偏光ビームスプリッター28で反射するS偏光の光路上に、緑色光用光センサー36G(第2の光検出素子)が備えられている。また、集光レンズ32Gと偏光ビームスプリッター28との間には、第1の絞り37(入射角制限部材)が備えられている。偏光ビームスプリッター28と光センサー36Gとの間には、第2の絞り38(入射角制限部材)が備えられている。
【0073】
同様に、赤色光LRの光路において、偏光ビームスプリッター28で反射するS偏光の光路上に、赤色光用光センサー36R(第3の光検出素子)が備えられている。また、集光レンズ32Rと偏光ビームスプリッター28との間には、第1の絞り37(入射角制限部材)が備えられている。偏光ビームスプリッター28と光センサー36Rとの間には、第2の絞り38(入射角制限部材)が備えられている。
【0074】
本実施形態のプロジェクター50において、制御部64は、図8に示すように、信号処理部65と、液晶駆動部66と、PWM信号生成部67と、励起用レーザーダイオード駆動部68と、青色レーザーダイオード駆動部69と、を有している。信号処理部65は、プロジェクター50のシステム全体の起動シーケンス、安全管理、画像信号の補正、青色レーザーダイオード59,励起用レーザーダイオード62の制御などを行う。
【0075】
画像信号の補正については、信号処理部65は、赤色光用光センサー36R、緑色光用光センサー36G、および青色光用光センサー36Bからの光量の検出結果の出力をそれぞれ取得した後、照明装置2の光量の変動に応じて画像信号を補正する。液晶駆動部66は、信号処理部65で補正された画像信号に基づいて各色光用の反射型液晶パネル4R,4G,4Bを駆動する駆動電圧を出力する。この構成により、制御部64は、青色レーザーダイオードアレイ53,励起用レーザーダイオードアレイ60の光量変動を補償するように液晶パネル4R,液晶パネル4G,液晶パネル4Bを制御する。
【0076】
信号処理部65は、赤色光用光センサー36R、緑色光用光センサー36G、および青色光用光センサー36Bからの光量の検出結果をそれぞれ取得した後、照明装置2の光量の変動に応じて励起用レーザーダイオード62を駆動するPWM信号のデューティー比と青色レーザーダイオード59を駆動するPWM信号のデューティー比とを補正する。PWM信号生成部67は、信号処理部65で補正されたデューティー比に基づいて各レーザーダイオード用のPWM信号を生成する。
【0077】
励起用レーザーダイオード駆動部68は、PWM信号生成部67で生成されたPWM信号に基づいて励起用レーザーダイオード62を駆動する駆動電流を出力する。同様に、青色レーザーダイオード駆動部69は、PWM信号生成部67で生成されたPWM信号に基づいて青色レーザーダイオード59を駆動する駆動電流を出力する。この構成により、制御部64は、励起用レーザーダイオードアレイ60の光量変動を補償するように励起用レーザーダイオードアレイ60を制御するとともに、青色レーザーダイオードアレイ53の光量変動を補償するように青色レーザーダイオードアレイ53を制御する。
【0078】
また、制御部64は、各色光の光量の絶対値が変動するだけでなく、各色光の光量比が変動した場合に、励起用レーザーダイオードアレイ60および青色レーザーダイオードアレイ53の光量と各液晶パネル4R,4G,4Bのガンマ特性を補正して表示画像の色バランスを調整する。
信号処理部65の処理手順を示したものが図9のフローチャートである。
最初に、信号処理部65は、赤色光用光センサー36R、緑色光用光センサー36G、および青色光用光センサー36Bから光量の検出結果を含む出力を取得する(図9のステップS1)。
次に、信号処理部65は、赤色光用光センサー36Rからの赤色光の光量出力と青色光用光センサー36Bからの青色光の光量出力との比率(RB出力比率)を解析する(図9のステップS2)。
【0079】
次に、信号処理部65は、RB出力比率が許容値以内であるか否かを判断する(図9のステップS3)。赤色光と青色光とは異なるレーザーダイオードアレイから射出されるため、RB出力比率が許容値以内であるか否かを判断することにより、励起用レーザーダイオードアレイ60、および青色レーザーダイオードアレイ53の出力光量の変動を検出することができる。
【0080】
ここで、RB出力比率が許容値を超える場合(図9のステップS3のNO)、励起用レーザーダイオードアレイ60、および青色レーザーダイオードアレイ53の光量を調整する(図9のステップS4)。このとき、視感度の関係から、赤色光成分を射出する励起用レーザーダイオードアレイ60よりも明るさへの影響が少ない青色光成分を射出する青色レーザーダイオードアレイ53の光量を調整する方が好ましい。
その後、図9のステップS1に戻る。励起用レーザーダイオードアレイ60、および青色レーザーダイオードアレイ53の光量調整は、RB出力比率が許容値以内となるまで行われる。
【0081】
一方、RB出力比率が許容値以内である場合(図9のステップS3のYES)、信号処理部65は、赤色光用光センサー36Rからの赤色光の光量出力と緑色光用光センサー36Gからの緑色光の光量出力との比率(RG出力比率)を解析する(図9のステップS5)。
次に、信号処理部65は、RG出力比率が許容値以内であるか否かを判断する(図9のステップS6)。赤色光と緑色光とはともに励起用レーザーダイオードアレイ60から射出されているため、RG出力比率が許容値以内であるか否かを判断することにより、励起用レーザーダイオードアレイ60から射出される光の波長変動を検出することができる。
【0082】
ここで、RG出力比率が許容値を超える場合(図9のステップS6のNO)、各液晶パネル4R,4G,4Bのガンマ特性を調整する(図9のステップS7)。RG出力比率が許容値を超えた場合、励起用レーザーダイオードアレイ60の光量を調整したところでRG出力比率を変えることはできない。したがって、RG出力比率が許容値を超えた場合には、各液晶パネル4R,4G,4Bのガンマ特性の調整で対応する。このとき、視感度の関係から、明るさへの影響が大きい緑色光用の液晶パネル4Gのガンマ特性を固定したまま、赤色光用の液晶パネル4Rのガンマ特性を調整する方が好ましい。
【0083】
その後、図9のステップS1に戻る。よって、各液晶パネル4R,4G,4Bのガンマ特性の調整は、RB出力比率が許容値以内となり、RG出力比率が許容値以内となるまで行われる。
このような手順により、表示画像の色バランスを調整することができる。
【0084】
本実施形態のプロジェクター50においては、各色光の光路上に赤色光用光センサー36R、緑色光用光センサー36G、および青色光用光センサー36Bと、第1の絞り37および第2の絞り38と、を備えたことにより、各光センサーへの迷光の入射が抑えられ、画像表示に寄与する光に相関の高い光量検出を行うことができる。その光量検出結果に基づいて、各レーザーダイオードアレイ53,60の経時変化等の変動に起因した色バランスの変動を精度良く補正することができる。
【0085】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば第1実施形態では、集光レンズと偏光ビームスプリッターとの間に第1の絞りを備え、偏光ビームスプリッターと光センサーとの間に第2の絞りを備えた例を挙げたが、いずれか一方の絞りのみを備えた構成であっても良い。また、第2実施形態の光センサーを結像位置よりも遠くに配置する構成に第1実施形態の絞り、第3実施形態の偏光板を組み合わせても良い。この構成によれば、迷光の影響をより確実に排除することができる。また、入射角制限部材としては必ずしも開口部を有する絞りに限定されるものではなく、中央に光透過部を有し、周辺部に遮光部を有する任意の部材を用いることができる。もしくは、中央に相対的に高い透過率の部分を有し、周辺部に相対的に低い透過率の部分を有する任意の部材を用いても良い。
【0086】
第3実施形態では、集光レンズと偏光ビームスプリッターとの間に第1の偏光板を備え、偏光ビームスプリッターと光センサーとの間に第2の偏光板を備えた例を挙げたが、いずれか一方の偏光板のみを備えた構成であっても良い。第4実施形態では、赤色光、緑色光、青色光の3つの色光の光路の全てに光センサーを配置し、色バランスを補正する例を示したが、この構成に代えて、赤色光と緑色光のいずれか一方と青色光との2つの色光の光路に光センサーを配置する構成としてもよい。その場合、黄色光に含まれる赤色光成分と緑色光成分との比率の変動は検出できないが、光源装置の光量変動を検出することができ、その検出結果に基づいて光源装置や液晶パネルを制御することができる。
【符号の説明】
【0087】
1,50…プロジェクター、2…照明装置(光源)、4R,4G,4B…反射型液晶パネル(光変調素子)26,27,28…偏光ビームスプリッター(偏光分離素子)、36…光センサー(光検出素子)、37…第1の絞り(入射角制限部材)、38…第2の絞り(入射角制限部材)、41,64…制御部、45…第1の偏光板(偏光素子)、46…第2の偏光板(偏光素子)、51…青色光用照明装置(光源)、52…黄色光用照明装置(光源)、36R…赤色光用光センサー(光検出素子)、36G…緑色光用光センサー(光検出素子)、36B…青色光用光センサー(光検出素子)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から射出された光を、互いに偏光方向が直交する第1の偏光と第2の偏光とに分離する偏光分離素子と、
前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの一方の偏光が入射され、入射された偏光の偏光状態を画像信号に基づいて変調し、変調された偏光を前記偏光分離素子に向けて射出する反射型の光変調素子と、
前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光の光量を検出する光検出素子と、
前記光検出素子の検出結果に基づいて前記光源と前記光変調素子との少なくとも一方を制御する制御部と、
前記光検出素子の光検出面に対して相対的に小さい入射角で入射する偏光を、前記光検出面に対して相対的に大きい入射角で入射する偏光よりも高い透過率で透過させる入射角制限部材と、
を備えたことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記入射角制限部材が、前記相対的に小さい入射角で入射する偏光を透過させる開口部を有する絞りであることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記絞りが、前記光源と前記偏光分離素子との間と、前記偏光分離素子と前記光検出素子との間との少なくとも一方に配置されたことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記入射角制限部材の前記偏光分離素子に対向する面が光吸収面であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項5】
光源と、
前記光源から射出された光を、互いに偏光方向が直交する第1の偏光と第2の偏光とに分離する偏光分離素子と、
前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの一方の偏光が入射され、入射された偏光の偏光状態を画像信号に基づいて変調し、変調された偏光を前記偏光分離素子に向けて射出する反射型の光変調素子と、
前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光の光量を検出する光検出素子と、
前記光検出素子の検出結果に基づいて前記光源と前記光変調素子との少なくとも一方を制御する制御部と、
前記光源と前記偏光分離素子との間、もしくは前記偏光分離素子と前記光検出素子との間に設けられ、所定の偏光状態の偏光を透過させる偏光素子と、
を備えたことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
前記偏光素子が、所定の振動方向を有する直線偏光を透過させ、前記所定の振動方向と直交する振動方向を有する直線偏光を吸収する透過・吸収型の直線偏光板であることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記直線偏光板が、前記光源と前記偏光分離素子との間に設けられ、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうち、前記光変調素子に入射する偏光と同じ偏光方向の偏光を透過させ、前記光変調素子に入射する偏光と直交する偏光方向の偏光を吸収することを特徴とする請求項6に記載のプロジェクター。
【請求項8】
前記直線偏光板が、前記偏光分離素子と前記光検出素子との間に設けられ、前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうち、前記光変調素子に入射する偏光と直交する偏光方向の偏光を透過させ、前記光変調素子に入射する偏光と同じ偏光方向の偏光を吸収することを特徴とする請求項6または7に記載のプロジェクター。
【請求項9】
前記偏光分離素子と前記光変調素子との間の光路長と、前記偏光分離素子と前記光検出素子との間の光路長と、が等しいことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項10】
光源と、
前記光源から射出された光を、互いに偏光方向が直交する第1の偏光と第2の偏光とに分離する偏光分離素子と、
前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの一方の偏光が入射され、入射された偏光の偏光状態を画像信号に基づいて変調し、変調された偏光を前記偏光分離素子に向けて射出する反射型の光変調素子と、
前記第1の偏光と前記第2の偏光とのうちの他方の偏光の光量を検出する光検出素子と、
前記光検出素子の検出結果に基づいて前記光源と前記光変調素子との少なくとも一方を制御する制御部と、
を備え、
前記偏光分離素子と前記光検出素子との間の光路長が、前記偏光分離素子と前記光変調素子との間の光路長よりも長く、
前記光検出素子が、前記偏光分離素子と前記光検出素子とを結ぶ光軸上に配置されていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
前記光変調素子として、第1の色の偏光を変調する第1の光変調素子と、前記第1の色とは異なる第2の色の偏光を変調する第2の光変調素子と、を少なくとも備え、
前記光検出素子として、前記第1の色の偏光の光量を検出する第1の光検出素子と、前記第2の色の偏光の光量を検出する第2の光検出素子と、を少なくとも備えたことを特徴とする請求項1ないし10に記載のプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−80149(P2013−80149A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220839(P2011−220839)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】