説明

プロジェクタ内蔵カメラ

【課題】カメラユニットとプロジェクタモジュールとの配置を工夫することで、カメラの小型化を図る。
【解決手段】プロジェクタモジュール30およびカメラユニット20は、長手方向の各光軸20X,30Xが平行な状態でカメラ本体100の図示右側に寄せて配置される。カメラ本体100の左部には電池室10が配置される。また、プロジェクタモジュール30の上方で、かつカメラユニット20側方にあたる箇所には、閃光装置の発光部51が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタモジュールを備えたカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタモジュールを内蔵したデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-369050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プロジェクタ内蔵カメラの場合、カメラユニットとプロジェクタモジュールとの配置を工夫しないとカメラの大型化が余儀なくされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るプロジェクタ内蔵カメラは、光学系を含む撮影用部品を内蔵するカメラユニットと、光学系を含む画像投影用部品を内蔵するプロジェクタモジュールとを備え、カメラユニットの長手方向の光軸とプロジェクタモジュールの長手方向の光軸とが略平行となるように、カメラユニットとプロジェクタモジュールとをその長手方向と直交する方向に並べてカメラ本体内に配置したことを特徴とする。
長手方向の光軸がカメラ本体の長手方向と略直交するようにカメラユニットおよびプロジェクタモジュールを配置してもよい。この場合、カメラ本体の長手方向の一端側から電池室、プロジェクタモジュール、カメラユニットの順に並べて配置してもよい。あるいは、電池室、カメラユニット、プロジェクタモジュールの順に並べて配置してもよい。
カメラユニットに対してはその長手方向と直交する方向に隣接する一方、プロジェクタモジュールに対してはその長手方向に隣接する位置に閃光装置の発光部を配置してもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、カメラユニットとプロジェクタモジュールとの配置を工夫することで、カメラの小型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態におけるプロジェクタ内蔵デジタルカメラの内部構造を正面から見た図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1のプロジェクタ部分を拡大して示す図。
【図4】第2の実施形態におけるプロジェクタ内蔵デジタルカメラの内部構造を正面から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施形態−
図1〜図3により本発明をプロジェクタ内蔵デジタルカメラに適用した場合の第1の実施形態を説明する。
図1は本実施形態におけるデジタルカメラの内部構造を正面から見た図、図2はそのII−II線断面図である。カメラ本体100は、正面から見たときにほぼ矩形形状を呈し、その上面には複数の操作ボタン1が設けられている。カメラ本体100の内部には、左側に電池室10が、右側にカメラユニット20がそれぞれ配置され、それらの間にプロジェクタモジュール30が配置される。電池室10には、例えばカメラ底面から電源電池が装填される。
【0009】
カメラユニット20は、屈曲式の撮影光学系21、レンズバリア22、撮像部23などから構成される。撮影光学系21は、複数のレンズや屈曲光学系であるミラー、光学式像振れ補正機構などを内蔵する。被写体からの光束は、カメラ本体正面に露出する対物レンズ21aに入射した後、ミラーで下方に折り曲げられ、レンズ群を透過した後、撮像部2
3に入射する。21bは光学式像振れ補正機構を内蔵する像振れ補正部である。
【0010】
レンズバリア22は、バリア駆動モータ22a(図2)により軸Xを中心に回動可能とされ、対物レンズ21aの前面を覆う保護位置と、レンズ21aから退避する退避位置とを取り得る。不図示の制御回路は、電源スイッチのオンに応答してレンズバリア22を保護位置から退避位置に駆動し、電源オフに応答して保護位置に駆動する。
【0011】
撮像部23には、撮像素子や光学フィルタなどが設けられる。撮影光学系21を通過した光束は、カメラ底部付近において撮像素子に受光されて光電変換され、その光電変換出力に種々の処理が加えられて画像データが生成される。画像データは、カードスロット40に装填されたメモリカードに記録される。
【0012】
次に、プロジェクタモジュール30について説明する。
図3の拡大図に示すように、プロジェクタモジュール30は、高輝度LED等の光源31と、集光レンズ32と、偏光ビームスプリッタ(以下、PBS)33と、LCOS等の反射型液晶パネル34と、投影レンズ35と、ミラー36と、これらを収容するケース37とを有する。なお、透過型の液晶パネルを用いたものでもよい。
【0013】
光源31および集光レンズ32は、PBS33が配置される箇所(屈曲部30A)から横方向に突出する水平部30Bに配置され、投影レンズ35およびミラー36は、屈曲部30Aから鉛直方向に突出する垂直部30Cに配置される。したがって、ケース37はほぼL字状となる。本実施形態では、水平部30Bが図1の左側に突出するようにプロジェクタモジュール30を配置したので、熱源である光源31を撮像部23から極力遠ざけることができ、熱ノイズによる画像への影響を最小限に抑制できる。
【0014】
なお、光源31には放熱ブロック(金属ブロック)38が密着しており、この放熱ブロック38の一部を金属製のカメラ外カバーに密着させることで、光源31の熱を効率よく外部に逃がすことができる。
【0015】
以上のようなプロジェクタモジュール30を用いて、メモリカードに記録された所望の画像データを外部に投影することができる。カメラの制御回路は、フレキシブルプリント基板39を介して画像データを液晶パネル34に送り、表示させる。この状態で光源31を点灯すると、光源光は集光レンズ32およびPBS33を透過して反射型液晶パネル34に入射し、その反射光像がPBS33で上方に90度屈曲され、投影レンズ35およびミラー36を介してカメラ正面に投影される。
【0016】
ところで、本実施形態におていは、図1から分かるようにカメラユニット20が垂直方向に延在するよう配置される。一方、プロジェクタモジュール30は、集光レンズ32、PBS33、液晶パネル34の各間隔を短くし、PBS33と投影レンズ35との間隔を長くして光路長を稼ぐ構成のため、垂直部30Cは水平部30Bよりも長くなる。すなわち、プロジェクタモジュール30は、その長手方向の光軸30Xがカメラユニット20の長手方向の光軸20Xと平行となるように配置されている。このように両光軸20X,30Xが平行な状態でプロジェクタモジュール30およびカメラユニット20をカメラ本体100の図示右側に寄せて配置することで、カメラ本体100の左側に十分な大きさの電池室10を確保でき、カメラを必要以上に大型化せずに済む。
【0017】
また、プロジェクタモジュール30の上方で、かつカメラユニット20側方にあたる箇所には、閃光装置の発光部51が配置される。発光部51からの照明光は、カメラ本体前面に設けた照射窓から前方に照射される。このように、プロジェクタモジュール30とカメラユニット20とで形成される空間に発光部51を設けることで、空間利用効率が高ま
り、かつ発光窓をレンズ窓の側方に近接して配置でき、ライティングの上でも都合がよい。
【0018】
また、閃光発光用の電荷を蓄えるコンデンサ52は、プロジェクタモジュール30の水平部30Bと垂直部30Cとで形成される空間に配置されており、この点でも空間の有効利用が図られる。さらに発光部51とコンデンサ52とを近接配置できるので、両者の配線の引き回し等の点でも有利である。
【0019】
なお、図において、53はプロジェクタモジュール30の下方に設けた三脚座、54
は外部機器を接続するための端子、55は画像等を外部表示するための液晶モニタ、56はカメラのメイン基板である。
【0020】
−第2の実施形態−
図4により本発明の第2の実施形態を説明する。なお、図1〜図3と同様の構成要素には同一の符号を付し、相違点を以下に説明する。
本実施形態のプロジェクタモジュール30Aは、上述とは逆にPBS33と液晶パネル34との間隔を長くし、PBS33と投影レンズ35との間隔を短くしたもので、全体的には略T字状をなす。このプロジェクタモジュール30Aを、図示の如くカメラ本体の右端部に配置し、本体右側面に照射窓を設ける。これにより、投影レンズ35の透過光は、照射窓に嵌め込んだ透明の保護板39を介して右方に投影される。カメラユニット20は、プロジェクタモジュール30Aと電池室10の間に配置される。なお、57はAF補助光の発光部である。
【0021】
本実施形態においても、光軸20X,30Xが互いに平行な状態でプロジェクタモジュール30Aおよびカメラユニット20を配置したので、上述と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0022】
10 電池室
20 カメラユニット
20X カメラユニットの長手方向の光軸
21 撮影光学系
23 撮像部
30 プロジェクタモジュール
30X プロジェクタモジュールの長手方向の光軸
31 光源
33 偏光ビームスプリッタ
34 反射型液晶パネル
35 投影レンズ
51 発光部
52 コンデンサ
100 カメラ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系を含む撮影用部品を内蔵するカメラユニットと、
光学系を含む画像投影用部品を内蔵するプロジェクタモジュールとを備え、
前記カメラユニットの長手方向の光軸と前記プロジェクタモジュールの長手方向の光軸とが略平行となるように、該カメラユニットとプロジェクタモジュールとを前記長手方向と直交する方向に並べてカメラ本体内に配置したことを特徴とするプロジェクタ内蔵カメラ。
【請求項2】
前記長手方向の光軸が前記カメラ本体の長手方向と略直交するように前記カメラユニットおよびプロジェクタモジュールを配置したことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ内蔵カメラ。
【請求項3】
電源電池を収容する電池室を備え、
前記カメラ本体の長手方向の一端側から前記電池室、前記プロジェクタモジュール、前記カメラユニットの順に並べて配置したことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ内蔵カメラ。
【請求項4】
電源電池を収容する電池室を備え、
前記カメラ本体の長手方向の一端側から前記電池室、前記カメラユニット、前記プロジェクタモジュールの順に並べて配置したことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ内蔵カメラ。
【請求項5】
前記カメラユニットに対してはその長手方向と直交する方向に隣接する一方、前記プロジェクタモジュールに対してはその長手方向に隣接する位置に閃光装置の発光部を配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクタ内蔵カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−58740(P2012−58740A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227089(P2011−227089)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【分割の表示】特願2007−90690(P2007−90690)の分割
【原出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】