説明

プロジェクタ装置

【課題】切り替え機構が最小化された構成で光源からの光の光路を切り替えることが可能なプロジェクタ装置を提供する。
【解決手段】画像光を形成するための光を出射する第1のランプ102および第2のランプ104と、第2のランプ104からの光が第1のランプ102からの光と同一の光路を辿るように、第2のランプ104からの光の光路を切り替える切り替え機構200とを備え、切り替え機構200は、矩形の形状を呈し、第2のランプ104からの光を反射するミラー202と、ミラー202を保持するミラー保持部材204と、回転中心がミラー202の表面における長手方向の一端220と等しくなるように、ミラー保持部材204に配設される回転軸216,218とを備えるプロジェクタ装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源から出力された光を、例えば透過型の液晶パネルによって光変調して画像光を形成し、この画像光をスクリーン等に投射する液晶プロジェクタ装置が従来より知られている。この液晶プロジェクタ装置では、RGB原色光に対応した液晶パネルによって光変調を行い、この光変調によって形成された各画像光を合成することによりカラー画像を出力することが可能となる。
【0003】
また、従来より複数の光源を備えるプロジェクタ装置が提案されている。例えば、複数の光源を備えるプロジェクタ装置において、装置の消費電力の大きな割合を占める光源を、使用状況によって消費電力の低い光源に切り換えて、装置の省電力化を促進する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−29341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の光源を備えるプロジェクタ装置は、通常、光源からの光の光路を切り替える切り替え機構を備えている。例えば、切り替え機構は、ミラーと、上下貫通する穴が設けられて、その穴に回転軸とするための部材が組み込まれた、ミラーを保持するミラー保持部材と、回転駆動させるための駆動モータと、駆動モータの駆動力を伝達させるための駆動伝達機構とを有している。例えば、ミラー保持部材に回転軸とするための部材が組み込まれる場合、図9に示すように、ミラーおよびミラー保持部材が回転するために必要な空間が大きくなるため、切り替え機構の構成を最小化することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、切り替え機構が最小化された構成で光源からの光の光路を切り替えることが可能な、新規かつ改良されたプロジェクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、画像光を形成するための光を出射する第1の光源および第2の光源を含む複数の光源と、前記第2の光源からの光が前記第1の光源からの光と同一の光路を辿るように、前記第2の光源からの光の光路を切り替える切り替え機構とを備え、前記切り替え機構は、矩形の形状を呈し、前記第2の光源からの光を反射するミラーと、前記ミラーを保持するミラー保持部材と、回転中心が前記ミラーの表面における長手方向の一端と等しくなるように、前記ミラー保持部材に配設される回転軸とを備えるプロジェクタ装置が提供される。
【0008】
前記ミラー保持部材は、前記ミラーの表面の全面において光を反射可能とするように形成されてもよい。
【0009】
前記ミラー保持部材は、前記ミラーの外周を一部を除いて囲うように配設され、前記ミラー保持部材の長手方向における一端は、前記ミラーの表面における長手方向の一端を露出させるように形成されてもよい。
【0010】
前記回転軸は、その回転中心が前記ミラーの表面における長手方向の一端と等しくなるように、前記ミラー保持部材の長手方向における一端の角に配設されてもよい。
【0011】
前記第1の光源からの光の光路上に配設された、少なくとも1つの液晶パネルを備えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、切り替え機構が最小化された構成で光源からの光の光路を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るプロジェクタ装置の概略構成を示す図である。
【図2】ミラーおよびミラー保持部材が保持される第1の位置を説明するための説明図である。
【図3】ミラーおよびミラー保持部材が保持される第2の位置を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る切り替え機構を示す斜視図である。
【図5】図4の切り替え機構における、ミラー、ミラー保持部材および回転軸を示す斜視図である。
【図6】図5における、ミラーおよびミラー保持部材の回転中心を説明するための説明図である。
【図7】図4の切り替え機構における、ミラー、ミラー保持部材および回転軸の回転軸側から視た図である。
【図8】図4の切り替え機構における、ミラーおよびミラー保持部材が回転するために必要な空間の大きさを説明するための説明図である。
【図9】従来の切り替え機構における、ミラーおよびミラー保持部材が回転するために必要な空間の大きさを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.プロジェクタ装置
2.切り替え機構
【0016】
[1.プロジェクタ装置]
まず、本発明の実施の形態に係るプロジェクタ装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るプロジェクタ装置の構成を概略的に示す図である。
【0017】
図1において、プロジェクタ装置100は、後述する第1のランプ102または第2のランプ104から出射された光を、例えば後述する透過型の液晶パネル126,136,152によって光変調して画像光を形成し、この画像光を図示しない外部のスクリーン等に投射する液晶プロジェクタ装置である。プロジェクタ装置100は、光を出射する第1のランプ102および第2のランプ104とを備える。
【0018】
第1のランプ102および第2のランプ104は、フルカラー画像を投射するために必要とされる、光の3原色である赤色、緑色および青色の光を含む白色光を出射することができる。
【0019】
また、プロジェクタ装置100は、第2のランプ104から出射された光の光路順に、光を反射する第1の反射ミラー106と、光を反射するミラー202を備える後述する図4の切り替え機構200と、光を反射する第2の反射ミラー108と、複数のレンズセルが例えば正方配列されている第1のマルチレンズアレイ110および第2のマルチレンズアレイ112と、第2のマルチレンズアレイ112からの光を所定の偏光方向に偏光させるためのPS合成樹脂114と、PS合成樹脂114を通過した光を集光する第1のレンズ116と、光を波長帯域に応じて分離する第1のダイクロイックミラー118とを備える。
【0020】
後述する図4の切り替え機構200は、ミラー202と、ミラー202を保持するミラー保持部材204とを備える。そして、図2に示すように、第1のランプ102から光が出射されるときは、切り替え機構200は、ミラー202およびミラー保持部材204を、第1のランプ102から出射された光の光束を遮断することのない第1の位置に保持する。また、図3に示すように、第1のランプ102の故障等により、第2のランプ104から光が出射されるときは、切り替え機構200は、後述する回転軸216,218に回転駆動力を伝達させることにより、ミラー202およびミラー保持部材204を、上記第1の位置から略45度回転させて、第1の反射ミラー106が反射した光を第2の反射ミラーに向けて反射可能な第2の位置に保持する。これにより、第2のランプ104から出射された光は第1のランプ102から出射された光と同一の光路を辿るようになる。なお、第2のランプ104の故障等により、第2のランプ104から光が出射された後に、第1のランプから光が出射されるときは、切り替え機構200は、後述する回転軸216,218に回転駆動力を伝達させることにより、ミラー202およびミラー保持部材204を、上記第2の位置から略45度回転させて、上記第1の位置に保持する。
【0021】
第1のマルチレンズアレイ110は、第2のマルチレンズアレイ112と共に後述する液晶パネル126,136,152の有効面積内を均一に照明するために、光を液晶パネル126,136,152の有効面積の形状の光束とし、照度分布を均一化する。第1のマルチレンズアレイ110は、複数の小さなレンズ素子をアレイ状に設けた構造であり、第2の反射ミラー108により反射された光を各レンズ素子により光を集光して小さな点光源を作り出し、他方の第2のマルチレンズアレイ112によりそれぞれの点光源からの照明光を合成する。
【0022】
第1のレンズ116は、PS合成樹脂114により所定の偏光方向に制御された光を液晶パネル126,136,152の有効開口領域に効率よく照射されるようにスポット径を調整する。
【0023】
第1のダイクロイックミラー118は、ガラス基板等の主面上に、誘電体膜を多層形成した、いわゆるダイクロイックコートが施された波長選択性のミラーである。第1のダイクロイックミラーは、透過させる青色光と、反射させるその他の色光、すなわち緑色光および赤色光とに分離する。
【0024】
すなわち、第1のダイクロイックミラー118は、第1のレンズ116から入射する光のうち青色光を透過させ、緑色光および赤色光を略垂直方向に反射して90°向きを変化させるように、第1のレンズ116から入射する光の光路に対して垂直方向に45°傾けて配設されている。
【0025】
また、プロジェクタ装置100は、第1のダイクロイックミラー118によって分離された青色光の光路順に、光を反射する第3の反射ミラー120と、光を集光する第2のレンズ122と、光を所定の偏光方向の成分のみ透過させる第1の入射側偏光板124と、光を空間的に変調する第1の液晶パネル126と、光を所定の偏光方向の成分のみ透過させる第1の出射側偏光板128とを備える。
【0026】
第3の反射ミラー120は、第1のダイクロイックミラー118を透過した光を垂直方向に反射して90°向きを変えさせる反射ミラーであり、かかる反射された青色光の光路に対して垂直方向に45°傾けて配設されている。これにより、第3の反射ミラー120は、この青色光を、第2のレンズ122に向けて反射する。
【0027】
第2のレンズ122は、第1のレンズ116と共に照明光学系を形成する集光レンズであり、第3の反射ミラー120により反射された青色光を第1の入射側偏光板124側に出力すると共に第1の液晶パネル126に集光する。
【0028】
第1の入射側偏光板124は、第2のレンズ122から出力された青色光を所定の偏光方向の成分のみ透過するようにされた偏光板である。第1の入射側偏光板124は、第1の液晶パネル126の入射側の基板表面における液晶分子の配向方向と透過軸が45°をなすように配設されている。
【0029】
第1の液晶パネル126は、垂直配向型の液晶分子を用いた透過型のパネルであり、図示しない2つの透明基板の間に垂直配向型の液晶分子が封入されている。このような第1の液晶パネル126は、青色の映像情報に対応して入力される映像信号に応じて、液晶分子の状態を変化させて、第1の入射側偏光板124を介して入射した青色光を空間的に変調して透過する。第1の液晶パネル126は、投射する映像が垂直方向よりも水平方向が長尺とされた略長方形状とされているため、これに対応して入射面が略長方形状とされている。
【0030】
第1の出射側偏光板128は、第1の液晶パネル126により変調された青色光を、第1の入射側偏光板124と直交する偏光方向の成分のみ透過させる。第1の出射側偏光板128は、第1の液晶パネル126の出射側の基板表面における液晶分子の配向方向と透過軸が45°をなすように配設されている。つまり、第1の出射側偏光板128は、第1の入射側偏光板124に対して光の透過軸が互いに直交した、いわゆる直交ニコルの関係となるように配設されている。
【0031】
また、プロジェクタ装置100は、第1のダイクロイックミラー118によって分離された他の色光、すなわち緑色光及び赤色光の光路に沿って、入射光を波長帯域に応じて分離する第2のダイクロイックミラー130を備える。
【0032】
第2のダイクロイックミラー130は、入射した光を緑色光と、その他の色光、すなわち赤色光とに分離する。第2のダイクロイックミラー130は、第1のダイクロイックミラー118から入射する光のうち赤色光を透過させ、緑色光を略垂直方向に反射して90°向きを変化させるように、第1のダイクロイックミラー118から入射する光の光路に対して垂直方向に45°傾けて配設されている。
【0033】
また、プロジェクタ装置100は、第2のダイクロイックミラー130によって分離された緑色光の光路順に、光を集光する第3のレンズ132と、光を所定の偏光方向の成分のみ透過させる第2の入射側偏光板134と、光を空間的に変調する第2の液晶パネル136と、光を所定の偏光方向の成分のみ透過させる第2の出射側偏光板138とを備える。
【0034】
第3のレンズ132は、第1のレンズ116と共に照明光学系を形成する集光レンズであり、第2のダイクロイックミラー130により反射された緑色光を第2の入射側偏光板134側に出力すると共に第2の液晶パネル136に集光する。
【0035】
第2の入射側偏光板134は、第3のレンズ132から出力された緑色光を所定の偏光方向の成分のみ透過するようにされた偏光板である。第2の入射側偏光板134は、第2の液晶パネル136の入射側の基板表面における液晶分子の配向方向と透過軸が45°をなすように配設されている。
【0036】
第2の液晶パネル136は、垂直配向型の液晶分子を用いた透過型のパネルであり、図示しない2つの透明基板の間にかかる垂直配向型の液晶分子が封入されている。このような第2の液晶パネル136は、緑色の映像情報に対応して入力される映像信号に応じて、液晶分子の状態を変化させて、第2の入射側偏光板134を介して入射した緑色光を空間的に変調して透過する。第2の液晶パネル136は、投射する映像が略長方形状とされているため、これに対応して入射面が略長方形状とされている。
【0037】
第2の出射側偏光板138は、第2の液晶パネル136により変調された緑色光を、第2の入射側偏光板134と直交する偏光方向の成分のみ透過させる。第2の出射側偏光板138は、第2の液晶パネル136の出射側の基板表面における液晶分子の配向方向と透過軸が45°をなすように配設され、さらに第2の出射側偏光板138は、第2の入射側偏光板134に対して光の透過軸が互いに直交した、いわゆる直交ニコルの関係となるように配設されている。
【0038】
また、プロジェクタ装置100は、第2のダイクロイックミラー130によって分離された赤色光の光路順に、光路長を調整する第4のレンズ140と、光を反射する第4の反射ミラー142と、光路長を補正する第5のレンズ144と、光を反射する第5の反射ミラー146と、光を集光する第6のレンズ148と、入射光を所定の偏光方向の成分のみ透過させる第3の入射側偏光板150と、入射光を空間的に変調する第3の液晶パネル152と、入射光を所定の偏光方向の成分のみ透過させる第3の出射側偏光板154とを備える。
【0039】
第4のレンズ140は、第5のレンズ144と共に光路長を調整するためのレンズであり、第2のダイクロイックミラー130によって分離された赤色光を、第4の反射ミラー142へ導く。
【0040】
第4の反射ミラー142は、第4のレンズ140からの光を垂直方向に反射して90°向きを変えさせる反射ミラーであり、第4のレンズ140からの赤色光の光路に対して垂直方向に45°傾けて配設されている。これにより、第4の反射ミラー142は、第4のレンズ140からの赤色光を、第5のレンズ144に向けて反射する。
【0041】
第5のレンズ144は、第4のレンズ140と共に光路長を調整するためのレンズであり、第4の反射ミラー142によって反射された赤色光を、第5の反射ミラー146へ導く。
【0042】
なお、第4のレンズ140及び第5のレンズ144は、赤色光の第3の液晶パネル152までの光路が、青色光の第1の液晶パネル126までの光路や緑色光の第2の液晶パネル136まで光路と比して長いため、これを補正して、第3の液晶パネル152に焦点が合うように適切に赤色光を導く。
【0043】
第5の反射ミラー146は、第5のレンズ144からの光を垂直方向に反射して90°向きを変えさせる反射ミラーであり、第5のレンズ144からの赤色光の光路に対して垂直方向に45°傾けて配設されている。これにより、第5の反射ミラー146は、第5のレンズ144からの赤色光を、第6のレンズ148に向けて反射する。
【0044】
第6のレンズ148は、第1のレンズ116と共に照明光学系を形成する集光レンズであり、第5の反射ミラー146により反射された赤色光を第3の入射側偏光板150側に出力すると共に第3の液晶パネル152に集光する。
【0045】
第3の入射側偏光板150は、第6のレンズ148から出力された赤色光を所定の偏光方向の成分のみ透過するようにされた偏光板である。第3の入射側偏光板150は、第3の液晶パネル152の入射側の基板表面における液晶分子の配向方向と透過軸が45°をなすように配設されている。
【0046】
第3の液晶パネル152は、垂直配向型の液晶分子を用いた透過型のパネルであり、図示しない2つの透明基板の間に垂直配向型の液晶分子が封入されている。このような第3の液晶パネル152は、赤色の映像情報に対応して入力される映像信号に応じて、液晶分子の状態を変化させて、第3の入射側偏光板150を介して入射した赤色光を空間的に変調して透過する。第3の液晶パネル152は、投射する映像が略長方形状とされているため、これに対応して入射面が略長方形状とされている。
【0047】
第3の出射側偏光板154は、第3の液晶パネル152により変調された赤色光を、第3の入射側偏光板150と直交する偏光方向の成分のみ透過させる。第3の出射側偏光板154は、第3の液晶パネル152の出射側の基板表面における液晶分子の配向方向と透過軸が45°をなすように配設されている。つまり、第3の出射側偏光板154は、第3の入射側偏光板150に対して光の透過軸が互いに直交した、いわゆる直交ニコルの関係となるように配設されている。
【0048】
また、プロジェクタ装置100は、第1の液晶パネル126、第2の液晶パネル136及び第3の液晶パネル152によりそれぞれ空間的に変調されて出射側偏光板128,138,154を透過した青色光、緑色光および赤色光の光路が交わる位置に、これら青色光、緑色光および赤色光を合成する合成プリズム156を備え、さらに、合成プリズム156により合成された合成光を、外部のスクリーン等に向けて投射するための投射レンズ158を備える。
【0049】
合成プリズム156は、第1の液晶パネル126から出射され第1の出射側偏光板128を透過した青色光が入射され、第2の液晶パネル136から出射され第2の出射側偏光板138を透過した緑色光が入射され、さらに第3の液晶パネル152から出射され第3の出射側偏光板154を透過した赤色光が入射するようになっている。合成プリズム156は、入射された青色光、緑色光および赤色光を合成して投影レンズ158に向けて出射する。
【0050】
投射レンズ158は、合成プリズム156から出射された合成光を外部のスクリーン等に拡大して投射する。
【0051】
[2.切り替え機構]
次に、本発明の実施の形態に係る切り替え機構200について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る切り替え機構200を示す斜視図である。図5は、図4の切り替え機構200における、ミラー202、ミラー保持部材204および回転軸を示す斜視図である。図6は、図5における、ミラー202およびミラー保持部材204の回転中心を説明するための説明図である。図7は、図4の切り替え機構200における、ミラー202、ミラー保持部材204および回転軸の回転軸側から視た図である。なお、図4は、図1における第1の反射ミラー106側から視た斜視図であり、切り替え機構200が、ミラー202およびミラー保持部材204を、上記第2の位置に保持した状態を示している。
【0052】
図4において、切り替え機構200は、略矩形の平板形状を呈するミラー202と、ミラー202の外周を一部を除いて囲うように配される枠やミラー202を固定するためのスプリングなどで構成されたミラー保持部材204とを備える。なお、本実施の形態では、ミラー保持部材204の枠がミラー202の外周を一部を除いて囲うように配されているが、ミラー保持部材204の枠はミラー202の外周の全てを囲うように配されていてもよい。また、図5に示すように、ミラー保持部材204の長手方向における一端204aの図中左側部および右側部には、回転軸216,218が設けられている。図6に示すように、回転軸216,218は、それらの回転中心がミラー202の表面における長手方向の一端220と等しくなるように、図5に示すように、ミラー保持部材204の長手方向における一端204aの図中左側部および右側部に設けられる。さらに詳細には、図6に示すように、回転中心はミラー202の表面における長手方向の一端220の角に設ける。また、図5に示すように、ミラー保持部材204の長手方向における一端204aは、ミラー202の表面における回転軸216,218の回転中心と等しくなる側である長手方向の一端220を露出させるように形成されている。詳細には、図7に示すように、回転中心側である一端側からは、ミラー202の一端側の厚み面がそのまま見える形状になっている。なお、本実施の形態では、図7に示すように、ミラー保持部材204の長手方向における一端204aは、ミラー202の一端側の厚み面がそのまま見える形状になっているのが好ましいが、その形状は、ミラー202の表面の全面において光を反射可能とする形状であればどのような形状であってもよい。
【0053】
また、切り替え機構200は、回転駆動力を発生させるための駆動モータ206と、駆動モータ206からの回転駆動力を上記回転軸216,218に伝達させるための、ギヤなどで構成された駆動伝達機構208とを備える。また、切り替え機構200は、駆動モータ206や駆動伝達機構208などを保持する保持部材210と、駆動モータ206を動作させるための駆動基板212とを備える。また、切り替え機構200は、ミラー202およびミラー保持部材204が上記第1の位置に保持されているか否かを検出するための第1の位置検出センサ(図示しない)と、ミラー202およびミラー保持部材204が上記第2の位置に保持されているか否かを検出するための第2の位置検出センサ214とを備える。
【0054】
図4の切り替え機構200では、第1のランプ102から光が出射されるときは、回転軸216,218に駆動モータ206からの回転駆動力を伝達させることにより、ミラー202およびミラー保持部材204を、上方から見て時計回りに上記第2の位置から略45度回転させて、上記第1の位置に保持する。また、第2のランプ104から光が出射されるときは、切り替え機構200は、ミラー202およびミラー保持部材204を、上記第2の位置に保持する。
【0055】
本実施の形態によれば、回転軸216,218は、その回転中心がミラー202の表面における長手方向の一端220と等しくなるように、ミラー保持部材204の長手方向における一端204aに設けられる。この場合、図8に示すように、ミラー202およびミラー保持部材204が回転するために必要な空間が最小となるため、切り替え機構200の構成を最小化することができる。したがって、切り替え機構200が最小化された構成で第2のランプ104からの光の光路を切り替えることが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、ミラー保持部材204の長手方向における一端204aは、ミラー202の表面における回転軸216,218の回転中心と等しくなる側である長手方向の一端220を露出させるように形成される。この場合、第2のランプ104からの光を反射するために必要なミラー202のサイズを最小化することができ、もって、切り替え機構200の構成をさらに最小化することができる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、切り替え機構200の構成を最小化することができるため、プロジェクタ装置100の構成を最小化することができる。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0059】
例えば、上述した切り替え機構200は、プロジェクタ装置100に適用されたが、光源からの光の光路の切り替えが必要な装置であれば、どのような装置であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
100 プロジェクタ装置
102 第1のランプ
104 第2のランプ
200 切り替え機構
202 ミラー
204 ミラー保持部材
206 駆動モータ
208 駆動伝達機構
210 保持部材
212 駆動基板
214 第2の位置検出センサ
216,218 回転軸



【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像光を形成するための光を出射する第1の光源および第2の光源を含む複数の光源と、
前記第2の光源からの光が前記第1の光源からの光と同一の光路を辿るように、前記第2の光源からの光の光路を切り替える切り替え機構とを備え、
前記切り替え機構は、
矩形の形状を呈し、前記第2の光源からの光を反射するミラーと、
前記ミラーを保持するミラー保持部材と、
回転中心が前記ミラーの表面における長手方向の一端と等しくなるように、前記ミラー保持部材に配設される回転軸と、
を備える、プロジェクタ装置。
【請求項2】
前記ミラー保持部材は、前記ミラーの表面の全面において光を反射可能とするように形成される、請求項1に記載のプロジェクタ装置。
【請求項3】
前記ミラー保持部材は、前記ミラーの外周を一部を除いて囲うように配設され、
前記ミラー保持部材の長手方向における一端は、前記ミラーの表面における長手方向の一端を露出させるように形成される、請求項1に記載のプロジェクタ装置。
【請求項4】
前記回転軸は、その回転中心が前記ミラーの表面における長手方向の一端と等しくなるように、前記ミラー保持部材の長手方向における一端の角に配設される、請求項1に記載のプロジェクタ装置。
【請求項5】
前記第1の光源からの光の光路上に配設された、少なくとも1つの液晶パネルを備える、請求項1に記載のプロジェクタ装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−154328(P2011−154328A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17357(P2010−17357)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】