説明

プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】部品点数が少なく、小型化が可能でしかも組み付け作業性が良好なプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】クリーニングブレード70によって除去したトナーを、回転してトナー所定方向に搬送する搬送コイルスプリング71と、搬送コイルスプリング71を所定位置に回転自在に支持するとともに、外部からの駆動力を受けるギヤ79付き回転支持部材74とを有し、回転支持部材74は外カバー部材51のピン52に回転可能に嵌合される位置決め穴80が設けられているプロセスカートリッジである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジ及びプロセスカートリッジを用いる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの少なくとも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置においては、カラー化が広く普及しており、特に複数の像担持体を有するタンデムタイプのものが高速性に優れ主流になりつつある。かかる装置において、像担持体およびこれに対する画像形成処理を行うための装置のうちで帯電装置、現像装置そしてクリーニング装置の少なくとも一つをカートリッジ内に纏めて収容したプロセスカートリッジを配置して用いる装置も知られている。
【0003】
プロセスカートリッジは、画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられており、交換作用や保守点検作業時に装置外部に取り出すことで装置内の狭い空間での作業を低減することができる。
【0004】
ところで、像担持体と少なくともクリーニング装置を具備するプロセスカートリッジにおいて、クリーニングによって除去したトナーをカートリッジ外に搬送するものがある。かかるプロセスカートリッジでは、クリーニング部材の長手方向にトナーを搬送する搬送手段として搬送コイルスプリング、搬送コイル、搬送スクリュ等を設ける必要がある。そして、搬送手段が回転駆動するため、像担持体のギヤに噛み合うギヤが設けられている。
【0005】
このように構成された従来のプロセスカートリッジでは、図5に示すように、感光体ドラムは、プロセスカートリッジ100の筐体側壁間に横架された回転軸を備え、その軸方向両端が筐体側壁において支持されている。
【0006】
一方、クリーニング手段として、クリーニングブレード(図示せず)がプロセスカートリッジ100の筐体にネジ止めされ、その像担持体である感光体ドラム101の回転方向上流側に感光体ドラム101から除去されたトナーを搬送コイル102にて該クリーニング部材の長手方向へ送り出され、図示していない廃トナータンクに収容される。搬送コイル102は軸103により圧入保持され筐体へはスベリ軸受104を介して回転自在に支持されるとともに、軸103には駆動力を与えるギヤ105が取り付けられ、該ギヤ105がE形止め輪106にて筐体へ回転可能に保持されている。
【0007】
しかしながら、従来のプロセスカートリッジでは部品点数が多くコストが高いこととスペースも嵩むという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来の不具合を解消し、部品点数が少なく、小型化が可能でしかも組み付け作業性が良好なプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、周面にトナー像が形成される回転可能な像担持体と、前記像担持体に形成されたトナー像を次の像担持体に転写後に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、画像形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであって、前記クリーニング手段が、前記像担持体からトナーを除去するクリーニング部材と、該クリーニング部材によって除去したトナーを該クリーニング部材の長手方向に搬送するトナー搬送手段とを備えているプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体を回転支持する側壁と、
【0010】
該側壁と平行な面を有する外カバー部材とが設けられ、前記トナー搬送手段が、回転してトナー所定方向に搬送するトナー搬送部材と、該トナー搬送部材を所定位置に回転自在に支持するとともに、外部からの駆動力を受けて回転する回転支持部材とを有し、前記側壁に貫通穴が形成され、前記回転支持部材は該貫通穴を通り抜けて前記外カバー部材に回転可能に保持される保持部が設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジを提案する。
【0011】
なお、本発明は、前記保持部が、前記回転支持部材と前記外カバー部材の一方に凸部、他方に該凸部が嵌合する凹部で構成されているという構成である。
さらに、本発明は、前記回転支持部材は前記トナー搬送部材を支持する支持部、前記トナー搬送部材を回転駆動するギヤ及び前記保持部の一方が射出成形で一体に形成された樹脂で構成されたという構成である。
【0012】
さらにまた、本発明は、前記樹脂が、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリイミ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプレン樹脂及び、これらのアロイ樹脂であるという構成である。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本発明は、周面にトナー像が形成される回転可能な像担持体と、前記像担持体に形成されたトナー像を次の像担持体に転写後に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、画像形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであって、前記クリーニング手段が、前記像担持体からトナーを除去するクリーニング部材と、該クリーニング部材によって除去したトナーを該クリーニング部材の長手方向に搬送するトナー搬送手段とを備えているプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体を回転支持する側壁と、該側壁と平行な面を有する外カバー部材とが設けられ、前記トナー搬送手段が、回転してトナー所定方向に搬送するトナー搬送部材と、該トナー搬送部材を所定位置に回転自在に支持するとともに、外部からの駆動力を受けて回転する回転支持部材と、該回転支持部材を支持するホルダとを有し、前記側壁に貫通穴が形成され、前記回転支持部材を支持するホルダには該貫通穴を通り抜けて前記外カバー部材に回転可能に保持される保持部が設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジを提案する。
【0014】
なお、本発明は、前記回転支持部材は前記トナー搬送部材を回転駆動するギヤが設けられ、該ギヤは前記像担持体に設けられたギヤと前記ホルダに設けられたアイドラギヤを介して駆動連結されているという構成である。
【0015】
さらにまた、上記課題を解決するため、本発明は、請求項1〜6の何れかに記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置を提案する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、トナー搬送部材を所定位置に回転自在に支持するとともに、外部からの駆動力を受けて回転する回転支持部材を有し、その回転支持部材が外カバー部材に保持部によって回転可能に保持されるので、部品点数が少なくなり、しかも部品機能を集約することによる小型化も可能で、組立も非常に容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は本発明に係るプロセスカートリッジを用いたフルカラー画像を形成する画像形成装置の一例を示す垂直断面図であり、ここに示した画像形成装置1は、原稿画像に応じた各色の画像を形成する作像装置2Y、2C、2M、2Kと、各作像装置2Y、2C、2M、2Kに対向して配置された中間転写ベルト10と、記録シートを供給する給紙装置20とを有している。
【0018】
各作像装置2Y、2C、2M、2Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタおよび黒の各色の現像を行うものであり、用いるトナーの色は異なるが、その構成が同様であるから、作像装置2Kの構成を各作像装置2Y、2C、2M、2Kの代表として説明する。
【0019】
作像装置2Kは、図1及び図2に示すように、像担持体としての感光体ドラム3K、該感光体ドラム3Kの回転方向に沿って順に配置されている帯電装置4K、現像装置5K、クリーニング装置7Kを有し、帯電装置4Kと現像装置5Kとの間で書き込み装置8からの書き込み光Lにより色分解された色に対応する画像情報に応じた静電潜像を形成する構成が用いられる。像担持体としては、ドラム状の他に、ベルト状とする場合もある。本実施形態の場合、作像装置2Kは感光体ドラム3Kとその周囲に配置されている帯電装置4K、現像装置5K、クリーニング装置7Kとがプロセスカートリッジ50として構成され、1つのカートリッジ内に収納されている。
【0020】
このように構成された画像形成装置においては、画像形成時に感光体ドラム3Kが、図示されないメインモータにより回転駆動され、帯電装置4Kによって一様帯電されると書き込み行程が実行される。
【0021】
書き込み対象となる画像は、図示しないコントローラ部からのデジタル画像情報に応じて書き込み装置8を用いて静電潜像形成のために書き込まれる。
感光体ドラム3K上に形成された静電潜像は、現像装置5Kにより色分解色と補色関係にある色のトナーを用いて可視像処理されるが、現像行程では、例えば、現像スリーブにACバイアスを重畳したDC電圧が印加されることにより、書き込み光の照射により電位が低下した画像部分にのみトナーが付着して現像され、トナー像が形成される。
【0022】
現像行程により可視像処理された各色のトナー画像は、各感光体ドラム3に対向配置された一次転写ローラ6として構成された一次転写装置にトナーと逆極性のバイアスを印加することによって感光体ドラム3からトナー像が中間転写ベルト10に静電転写される。そして、中間転写ベルト10上に重ね転写された各色のトナー像は二次転写ローラ11によって給紙装置20から給送される記録シートに一括転写される。
【0023】
給紙装置20は給紙カセット21を備え、該給紙カセット21から搬送される記録シートはレジストローラ22によって中間転写ベルト10上に重ね転写されたトナー像とタイミングに合わせて二次転写装置に搬送されて転写される。転写工程を経た記録シートは、中間転写ベルトのローラ12から曲率分離され、定着装置13に向けて搬送される。定着装置13では、ローラ同士で構成される定着ニップを記録シートが通過する際にトナー像が記録シートに定着されて、正逆回転可能な排紙ローラ14を介して排紙トレイ15へと排出される。
【0024】
なお、排紙ローラ14は、後述する両面画像形成時にスイッチバック搬送部材として用いられるようになっている。つまり、図1に示した画像形成装置1では、定着後に排出される記録シートの片面への画像形成だけでなく両面への画像形成を行うことができるようになっている。このため、両面への画像形成時には、定着後の記録シートが一旦排紙ローラ14により排紙トレイ15側に移動された後、その移動方向後端を把持した状態で排紙ローラ14が逆転する。これにより、記録シートが排紙トレイ15側から反転循環経路16に搬送され、この循環路16と給紙トレイ21からの給走路との合流部に位置しているレジストローラ22に向け繰り出されるようになっている。片面および両面への画像形成時での記録シートの搬送路の切り換えは、定着装置13の後方に配置されている搬送路切り換え爪17によって行われる。
【0025】
次に、本発明の実施の形態を、図3を用いて説明する。
図3において、プロセスカートリッジ50内に設けられるクリーニング装置7は図2に示したクリーニング部材としてのクリーニングブレード70と、該クリーニングブレード70によって感光体ドラム3から除去されたトナーをプロセスカートリッジ50外に搬送する搬送コイルスプリング71とを有し、クリーニングブレード70は図5に示すように、クリーニング装置7の側板72にネジ73で止めされている。
【0026】
上記搬送コイルスプリング71は、その一端に回転支持部材74が設けられ、本実施形態の回転支持部材74は、搬送コイルスプリング71の内周側に接するように挿入されて連結される割りピン形状に形成された連結部75と、該連結部75に続き図示していない円筒形のシール部材を保持する軸部76と、クリーニング装置7の側壁72に形成された軸穴77に挿入されてと位置決め穴8を回転可能に支持する駆動軸78と、該駆動軸78に設けられた搬送コイルスプリング71の駆動を伝達するギヤ79とを備えている。なお、ギヤ79は感光体ドラム3のギヤ31から直接回転駆動力を得ている。
【0027】
また、プロセスカートリッジ50には外カバー部材51が設けられ、この外カバー部材51に上記回転支持部材74を位置決め支持するピン52が設けられている。このピン52は、上記回転支持部材74の先端の駆動軸78に対向しており、該駆動軸78のピン52の対向面には該ピン52が回転可能に嵌合される位置決め穴80が形成されている。このピン52と位置決め穴80とで本例の保持部が構成され、組み付け時にピン52が位置決め穴80に嵌合されることにより、搬送コイルスプリング71を確実に支持して高精度に回転させることができる。なお、保持部は、上記構成と逆で、外カバー部材51に位置決め穴、回転支持部材74にその穴に挿入されるピン52が設けたものであってもよい。
【0028】
このように構成されたクリーニング装置7は、クリーニングブレード70によって感光体ドラム3から除去されたトナーが、搬送コイルスプリング71が配置されている空間内に一時的に収容され、搬送コイルスプリング71が回転することにより、除去トナーはクリーニングブレード70の長手方向と平行な方向に送られれる。そして、プロセスカートリッジ50外に搬出され、図示していない廃トナータンクに収容される。なお、トナーを搬送する手段としては搬送コイルスプリング71の代わりに搬送コイルや搬送スクリューを用いてもよい。
【0029】
上記回転支持部材74は、連結部75、軸部76、軸78、ギヤ79及び位置決め穴80がポリアセタール樹脂を用いた射出成形法により一体に成形することが好ましく、これによって部品点数が大幅に減少する。なお、回転支持部材74はポリアセタール樹脂の代わりに、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプレン樹脂及び、これらのアロイ樹脂等を使用してもよい。また、適宜補強部材としてこれら樹脂にガラス、チタン酸カリウム、タルク、マイカ、ラワストナイト及び、天然鉱物のうち単独、あるいは複数以上添加してもよく、これらの補強材は5〜50%添加するのが一般的である。
【0030】
上記軸部76が支持する円筒形のシール部材としては、発泡材、不織布、織布等で形成された部材を使うことが可能である。
外カバー部材51は、感光体ドラム3に挿入された回転軸を保持する穴部と現像装置5に挿入された回転軸を保持する穴部を備えており両保持する穴部により感光体ドラム3と現像装置5との軸間距離を規制している。そして、搬送コイルスプリング71を支持した回転支持部材74はプロセスカートリッジ50の側壁53に形成された貫通穴54を通り抜け位置決め穴80に外カバー部材51のピン52が嵌合されることによりプロセスカートリッジ50に組み立てられる。
【0031】
また、外カバー部材51及びプロセスカートリッジ50の側壁53は生産性を考慮して、射出成形で形成された樹脂で構成されており、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリルニトリルスチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルテレフタレート樹脂及び、これらのアロイ樹脂等が使用可能であり、さらにこれら樹脂にガラス、チタン酸カリウム、タルク、マイカ、ラワストナイト及び、天然鉱物のうち単独、あるいは複数以上添加してもよく、これらの補強材は5〜50%添加するのが一般的である。
【0032】
このように構成されたプロセスカートリッジ50は、搬送コイルスプリング71を支持した回転支持部材74の位置決め穴80を外カバー部材51のピン52が嵌合するだけで組み立てられる。したがって、図6に示した従来のカートリッジのように、E形留め輪を使って筐体の両側から挟みこむ様な組立方法に比べると部品点数が少なく、しかも部品機能を集約することによる小型化も可能となり、組立も非常に容易になる。さらに、回転支持部材74により搬送コイルスプリング71を確実に支持し、ギヤ79の抜け等も防止される。
【0033】
図4は、本発明の別の実施形態を示す説明斜視図、図5は図4の実施形態の感光体ドラム3を外した状態を示す説明斜視図である。
図4及び図5において、プロセスカートリッジ50内に設けられるクリーニング装置7はクリーニング部材としてのクリーニングブレード70と、該クリーニングブレード70によって感光体ドラム3から除去されたトナーをプロセスカートリッジ50外に搬送する搬送コイルスプリング71とを有し、クリーニングブレード70は図5に示すように、クリーニング装置7の側板72にネジ73で止めされている。
【0034】
上記搬送コイルスプリング71は、その一端に回転支持部材74が設けられ、本実施形態の回転支持部材74は、搬送コイルスプリング71の内周側に接するように挿入されて連結される割りピン形状に形成された連結部75と、該連結部75に続き図示していない円筒形のシール部材を保持する軸部76と、クリーニング装置7の側壁72に形成された軸穴77に挿入されてと位置決め穴8を回転可能に支持する駆動軸78と、該駆動軸78に設けられた搬送コイルスプリング71の駆動を伝達するギヤ79とを備えている。
【0035】
回転支持部材74は、駆動軸78の先端に位置決め穴80が形成され、該位置決め穴80はホルダ81に設けられたピン82が嵌合される。このホルダ81は、後に詳述するように、回転支持部材74と外カバー部材51の間に設けられ、回転支持部材74は外カバー部材51に支持されたホルダ81に回転可能に支持される。そして、このホルダ81には感光体ドラム3の回転をギヤ79に伝達するアイドラギヤ83が回転自在に支持されている。
【0036】
本実施形態のクリーニング装置7は、搬送コイルスプリング71の駆動を感光体ドラム3から得ているものの、その回転方向を感光体ドラム3の回転方向に同方向にするため、感光体ドラム3の回転がアイドラギヤ83を介して伝達される。このように、搬送コイルスプリング71の回転方向を感光体ドラム3と同方向にすることで、軸線と直交する方向から見て、搬送コイルスプリング71は除去トナーを感光体ドラム3と逆、すなわち感光体ドラム3の周面から離れた側に片寄せながら搬送することができる。
【0037】
上記ホルダ81には、駆動軸78と軸心が一致する連結軸84が形成され、この連結軸84の先端、すなわちプロセスカートリッジ50の外カバー部材51に対向する端部に嵌合穴85が設けられている。一方、外カバー部材51にはピン52が設けられ、このピン52がホルダ81の先端の連結軸84に対向しており、該連結軸84に形成されたて嵌合穴85にピン52が嵌合される。
【0038】
このように本実施形態のプロセスカートリッジ50は、搬送コイルスプリング71を支持する回転支持部材74がホルダ81を介して間接的に保持されており、搬送コイルスプリング71を確実に支持するとともに、高精度に回転させることができる。
【0039】
このように構成されたクリーニング装置7は、クリーニングブレード70によって感光体ドラム3から除去されたトナーが、搬送コイルスプリング71が配置されている空間内に一時的に収容され、搬送コイルスプリング71が回転することにより、除去トナーはクリーニングブレード70の長手方向と平行な方向に送られれる。このとき、搬送コイルスプリング71の回転方向が感光体ドラム3と同方向なので、搬送コイルスプリング71は除去トナーを感光体ドラム3の周面から離れた側に片寄せながら搬送する。そして、プロセスカートリッジ50外に搬出され、図示していない廃トナータンクに収容される。
【0040】
上記回転支持部材74とホルダ81は、ポリアセタール樹脂を用いた射出成形法により一体に成形することが好ましく、これによって部品点数が大幅に減少する。なお、回転支持部材74とホルダ81はポリアセタール樹脂の代わりに、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプレン樹脂及び、これらのアロイ樹脂等を使用してもよい。また、適宜補強部材としてこれら樹脂にガラス、チタン酸カリウム、タルク、マイカ、ラワストナイト及び、天然鉱物のうち単独、あるいは複数以上添加してもよく、これらの補強材は5〜50%添加するのが一般的である。
【0041】
なお、図4及び図5において符号53はプロセスカートリッジ50の側壁、54はその側壁53に形成された貫通穴であり、本実施形態の外カバー部材51や側壁53も上記実施形態と同様に材料から作られている。
【0042】
このように構成されたプロセスカートリッジ50も、上記実施形態と同様に、E形留め輪を使って筐体の両側から挟みこむ様な組立方法に比べると部品点数が少なく、しかも部品機能を集約することによる小型化も可能となり、組立も非常に容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る画像形成装置であるカラープリンタを示す概略説明図である。
【図2】そのカラープリンタのプロセスカートリッジを示す拡大断面説明図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すプロセスカートリッジの一側部の一部を分解した斜視図である。
【図4】本発明の別の実施形態を示すプロセスカートリッジの一側部の一部を分解した斜視図である。
【図5】図4に示すプロセスカートリッジから感光体ドラムを外した分解斜視図である。
【図6】従来のプロセスカートリッジの一側部の一部を分解した斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
3 像担持体(感光体ドラム)
7 クリーニング装置
50 プロセスカートリッジ
51 外カバー部材
52 ピン
53 側壁
54 貫通穴
70 クリーニング部材(クリーニングブレード)
71 搬送コイルスプリング
74 回転支持部材
79 ギヤ
80 位置決め穴
81 ホルダ
82 ピン
83 アイドラギヤ
85 嵌合穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面にトナー像が形成される回転可能な像担持体と、前記像担持体に形成されたトナー像を次の像担持体に転写後に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、画像形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであって、
前記クリーニング手段が、前記像担持体からトナーを除去するクリーニング部材と、該クリーニング部材によって除去したトナーを該クリーニング部材の長手方向に搬送するトナー搬送手段とを備えているプロセスカートリッジにおいて、
前記像担持体を回転支持する側壁と、
該側壁と平行な面を有する外カバー部材とが設けられ、
前記トナー搬送手段が、回転してトナー所定方向に搬送するトナー搬送部材と、該トナー搬送部材を所定位置に回転自在に支持するとともに、外部からの駆動力を受けて回転する回転支持部材とを有し、
前記側壁に貫通穴が形成され、前記回転支持部材は該貫通穴を通り抜けて前記外カバー部材に回転可能に保持される保持部が設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記保持部が、前記回転支持部材と前記外カバー部材の一方に凸部、他方に該凸部が嵌合する凹部で構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記回転支持部材は前記トナー搬送部材を支持する支持部、前記トナー搬送部材を回転駆動するギヤ及び前記保持部の一方が射出成形で一体に形成された樹脂で構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記樹脂が、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリイミ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプレン樹脂及び、これらのアロイ樹脂であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
周面にトナー像が形成される回転可能な像担持体と、前記像担持体に形成されたトナー像を次の像担持体に転写後に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、画像形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリッジであって、
前記クリーニング手段が、前記像担持体からトナーを除去するクリーニング部材と、該クリーニング部材によって除去したトナーを該クリーニング部材の長手方向に搬送するトナー搬送手段とを備えているプロセスカートリッジにおいて、
前記像担持体を回転支持する側壁と、
該側壁と平行な面を有する外カバー部材とが設けられ、
前記トナー搬送手段が、回転してトナー所定方向に搬送するトナー搬送部材と、該トナー搬送部材を所定位置に回転自在に支持するとともに、外部からの駆動力を受けて回転する回転支持部材と、
該回転支持部材を支持するホルダとを有し、
前記側壁に貫通穴が形成され、前記回転支持部材を支持するホルダには該貫通穴を通り抜けて前記外カバー部材に回転可能に保持される保持部が設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項5に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記回転支持部材は前記トナー搬送部材を回転駆動するギヤが設けられ、該ギヤは前記像担持体に設けられたギヤと前記ホルダに設けられたアイドラギヤを介して駆動連結されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−151177(P2009−151177A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330209(P2007−330209)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】