プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
【課題】電子写真感光体と現像剤担持体とを離間させて両者を保護する離間部材がシャッターに取り付けられているプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置において、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材によって電子写真感光体を保護する。
【解決手段】離間部材32はシャッター31に移動可能に設けられ、シャッター31が前記閉位置に位置した際に、感光体ドラム10と現像ローラ20との間に進入して、感光体ドラム10と現像ローラ20を離間する離間位置と、シャッター31が閉位置に位置した際に、開口部12dを覆う退避位置とを取り得る。
【解決手段】離間部材32はシャッター31に移動可能に設けられ、シャッター31が前記閉位置に位置した際に、感光体ドラム10と現像ローラ20との間に進入して、感光体ドラム10と現像ローラ20を離間する離間位置と、シャッター31が閉位置に位置した際に、開口部12dを覆う退避位置とを取り得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジが知られている。プロセスカートリッジには、電子写真感光体に作用する現像剤担持体が設けられており、さらにプロセスカートリッジの枠体には、画像形成時における電子写真感光体と転写部材との接触を可能とする開口部が設けられている。
【0003】
このようなプロセスカートリッジにおいて、梱包物流時に電子写真感光体と現像剤担持体とが接触してこれらの表面が損傷することを防ぐべく、電子写真感光体と現像剤担持体とを離間させる離間部材が知られている。さらに、電子写真感光体の表面にゴミ等が付着しないように、プロセスカートリッジが取り外された状態で上述の開口部を覆う一方で、プロセスカートリッジが装着された状態で上述の開口部を開放するシャッターも知られている。
なお関連する技術として、特許文献1には、プロセスカートリッジの梱包物流時に、電子写真感光体と現像剤担持体との間に介在して両者を振動、衝撃から保護するフィルム部材をシャッターの先端に貼り付けた構成が開示されている。この構成によると、プロセスカートリッジを画像形成装置の装置本体に装着する際に、シャッターが開く動作と連動して、フィルム部材を電子写真感光体と現像剤担持体との間から抜き取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−297646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記技術を更に発展させたものである。本発明は、電子写真感光体と現像剤担持体を離間する離間部材を有するプロセスカートリッジ及びそれを備える電子写真画像形成装置において、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材によって、電子写真感光体を保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における代表的な構成は、電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を支持する第一枠体と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する現像剤担持体と、前記第一枠体に設けられた、前記電子写真感光体が露出する開口部と、前記第一枠体に設けられ、前記開口部を開放する開位置と、前記開口部を覆う閉位置との間を移動可能なシャッターと、前記シャッターに移動可能に設けられた離間部材であって、前記シャッターが前記閉位置に位置する際に、前記電子写真感光体と前記現像剤担持体との間に進入して、前記電子写真感光体と前記現像剤担持体とを離間する離間位置と、前記シャッターが前記閉位置に位置する際に、前記開口部を覆う退避位置とを取り得る離間部材と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材を用いて電子写真感光体を保護することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態における離間部材の側面図。
【図2】第1実施形態に係る電子写真画像形成装置の概略構成図。
【図3】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの概略構成図。
【図4】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの斜視図。
【図5】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの装着を説明する図。
【図6】第1実施形態におけるシャッターと離間部材との取付けを説明する図。
【図7】第1実施形態におけるシャッターと離間部材の概略構成図。
【図8】第1実施形態におけるシャッターの開閉動作を説明する図。
【図9】第2実施形態におけるシャッターと離間部材との取付けを説明する図。
【図10】第2実施形態におけるシャッターの離間部材の概略構成図。
【図11】第2実施形態におけるシャッターの離間部材の概略構成図。
【図12】第2実施形態における離間部材の側面図。
【図13】第2実施形態に係るプロセスカートリッジの装着を説明する図。
【図14】第2実施形態における離間部材の係止解除を説明するための図。
【図15】第2実施形態におけるシャッターの開閉動作を説明する図。
【図16】第1実施形態における離間部材を説明する図。
【図17】第2実施形態における離間部材を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1〜図8を参照して、本発明を適用可能な第1実施形態に係るプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置について説明する。以下では、プロセスカートリッジを「カートリッジ」として、電子写真画像形成装置を「画像形成装置」として説明する。また、以下の説明において、「装置本体」とは、画像形成装置からカートリッジを取り出したものを指す。
【0010】
(1−1:画像形成装置の概略構成)
図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成について説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、レーザ光によって走査露光を行い、記録媒体4(シート材、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するレーザビームプリンタである。
【0011】
画像形成装置は、感光体ドラム10(電子写真感光体)、帯電ローラ11、現像ローラ20(現像剤担持体)、クリーニングブレード14等を一体に備えたカートリッジCを有している。カートリッジCは、画像形成装置の装置本体Dに対して着脱可能に構成されている(カートリッジCの詳細は後述)。また、カートリッジCの上方には露光ユニット1が設けられている。
【0012】
画像形成プロセスが開始されると、帯電ローラ11によってトナー(現像剤)と同極性に一様に帯電された感光体ドラム10に対して、露光ユニット1から画像情報に基づいて変調されたレーザ光Lが射出され、感光体ドラム10が走査露光される。これにより、感光体ドラム10には静電潜像が形成される。次いで、現像ローラ20から静電潜像にトナーが供給され、静電潜像がトナー像(現像剤像)として現像される。このようにして形成されたトナー像は、感光体ドラム10とそれに対向配置されている転写ローラ3(転写部材)とのニップ部(転写位置)において、転写ローラ3にトナーと逆極性の電圧が印加されることによって記録媒体上に転写される。記録媒体4は、装置本体Dの下部に設けられている給送カセット6aに収容されており、収容されている記録媒体4は、ピックアップローラ6b、搬送ガイド6c、レジストローラ対6eによってタイミングを計られて転写位置まで搬送される。
【0013】
トナー像が転写された記録媒体4は、搬送ガイド6fにガイドされつつ、定着装置5に搬送される。定着装置5は、ヒータ5aを有する定着スリーブ5bと、定着スリーブ5bに圧接する加圧ローラ5cとを有しており、定着スリーブ5bと加圧ローラ5cとのニップ部において記録媒体4上のトナー像を加熱することができる。これにより、ニップ部を通過する記録媒体4上に、トナー像を加熱・加圧定着させることができる。トナー像が定着された記録媒体4は、排出ローラ6iから排出トレイ7へ排出される。
【0014】
(1−2:カートリッジの概略構成)
図3を参照して、本実施形態におけるカートリッジCの概略構成について説明する。カートリッジCは、大きく分けると、現像ユニットAとドラムユニットBとを有している。
【0015】
現像ユニットAは、現像枠体30を有しており、さらに現像枠体30内には現像室30aと現像剤収容室30bとが設けられている。現像室30aには、固定磁石28を内蔵した現像ローラ20と、現像ローラ20の表面に当接して該表面に担持されているトナーに対して層厚規制、摩擦帯電を行う規制ブレード29が設けられている。また、現像枠体30から現像ローラ20が露出する部分の隙間には、トナーが漏洩することを防止するための噴出防止シート25が設けられている。
【0016】
現像剤収容室30bには、収容されているトナーを攪拌し、現像室30aに供給するためのトナー送り部材23が設けられている。さらに、現像室30aと現像剤収容室30bとの間は開口部30cによって連通されており、この開口部30cを通してトナーを現像室30aに供給することができる。
【0017】
一方、ドラムユニットBには、感光体ドラム10、帯電ローラ11、クリーニングブレード14が、枠体としての廃トナー容器12に支持されている。帯電ローラ11は感光体ドラム10に従動回転し、クリーニングブレード14は感光体ドラム10表面に当接して転写後に該表面に残留した残留トナーを掻き落とすものである。掻き落とされたトナーは廃トナー容器12に回収される。回収されたトナーが外部へ飛散しないように、感光体ドラム10と廃トナー容器12との間には、クリーニングブレード14よりも感光体ドラム10回転方向上流側にスクイシート19が設けられている。かかる構成を有するカートリッジCによると、現像ローラ20にトナーと同極性の現像電圧が印加されることにより、現像ローラ20から感光体ドラム10表面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像することができる。
【0018】
本実施形態では、カートリッジCの第一枠体である廃トナー容器12に対して、カートリッジCの第二枠体である現像枠体30が回動可能に結合している。さらに現像ローラ20が付勢バネ(不図示)によって感光体ドラム10の方向へ付勢されている。そして、現像ローラ20が有するスペーサーコロ20a(図1)を介して、現像ローラ20表面と感光体ドラム10表面の間隔(隙間)が200μm〜300μmとなるように構成されている。なお、スペーサーコロ20aは現像ローラ20の長手方向の両端部に設けられている。現像時(画像形成時)には、感光体ドラム10に形成された静電潜像の明部電位と現像ローラ20に印加された現像電圧との差(現像コントラスト)に基づいて、帯電されたトナーが上述の間隔を感光体ドラム10表面の方へ飛翔する。
【0019】
(1−3:シャッターの概略構成)
図2〜図5を参照して、本実施形態におけるシャッター31について説明する。図4は、カートリッジCの斜視図であり、図5は、カートリッジCの装着を説明するための図である。
【0020】
図2に示すように、カートリッジCが画像形成装置の装置本体Dに装着されている状態では、感光体ドラム10の周面の一部が露出しており、露出している部分において感光体ドラム10が転写ローラ3と対向している。本実施形態では、廃トナー容器12の枠体に開口部12d(図3)が形成されており、画像形成時に、この開口部12dから感光体ドラム10が露出するように構成されている。
【0021】
しかし、カートリッジCが装置本体Dから取り外された状態では、開口部12dからゴミ等が侵入し、これらが感光体ドラム10の表面、及びその他カートリッジC内の部品に付着する虞がある。そこで本実施形態では、装置本体Dに装着されている状態では開口部12dを開放する開位置をとり、装置本体Dから取り外された状態では開口部12dを覆う閉位置をとるシャッター31がカートリッジCに設けられている。シャッター31は開位置と閉位置との間を移動可能である。以下、シャッター31の概略構成について説明する。
【0022】
図4に示すように、シャッター31に設けられた軸31hは、廃トナー容器12の枠体に設けられた軸受12aに回転可能に支持されている。これによりシャッター31は廃トナー容器12に軸支されることになり、開口部12dを開閉可能とすることができる。さらにシャッター31の軸31hには、第2の付勢部材としての、ねじりコイルバネ34が設けられている。ねじりコイルバネ34の作用によって、シャッター31は常に開口部12dを覆う方向に付勢されている。即ち、カートリッジCが装置本体Dから取り外された状態では、シャッター31は常に開口部12dを覆った状態となる。
【0023】
図5を参照して、シャッター31が開かれる過程について説明する。カートリッジCを装置本体Dに装着する際は、図示するカートリッジ被ガイド部12cを、装置本体D側の上ガイド部50bと下ガイド部51bとに沿わせてN方向に挿入する。この際、シャッター31に形成されているシャッター被開閉ガイド31cが、装置本体D側に設けられているシャッター開閉ガイド50aから押圧されることで、カートリッジCの挿入と共にシャッター31が閉位置から開位置に移動する。ここでシャッター被開閉ガイド31cは、装置本体Dと係合し、シャッター31を閉位置から開位置に移動する係合部となる。
【0024】
カートリッジCが挿入されて装置本体Dの所定位置に位置決めされた状態では、シャッター31は開位置に位置し、開口部12dが開放された状態となり、感光体ドラム10と転写ローラ3とが対向することになる。なお、この状態では、シャッター被開閉ガイド31cがシャッター開閉ガイド50aから常に押圧されているので、ねじりコイルバネ34の作用によってシャッター31が閉じることはない。
【0025】
(1−4:離間部材の概略構成)
図1、図6〜図8を参照して、本実施形態における離間部材32の概略構成について説明する。図1は離間部材32の側面図、図6は離間部材32の取付けを説明するための図、図7は離間部材32の概略構成図、図8はシャッターの開閉動作を説明するための図である。
【0026】
本実施形態では、カートリッジCを単体で運搬する場合に、感光体ドラム10と現像ローラ20の間隔保持部材であるスペーサーコロ20aを、感光体ドラム10表面から離間させ、現像ローラ20の表面との間隔を広げるための離間部材32が用いられている。これによると、梱包物流時などの振動・衝撃によって、感光体ドラム10表面に対して現像ローラ20の表面やスペーサーコロ20aが接触し、感光体ドラム10表面が損傷する可能性を低減できる。なお、離間部材32によって感光体ドラム10と現像ローラ20の表面との間隔が広げられ、間隔が広げられた状態が維持されている状態、即ちスペーサーコロ20aが感光体ドラム10表面から離間している状態を「離間状態」とする。
【0027】
離間部材32は、上述のシャッター31先端に取り付けられており、カートリッジC装着時にシャッター31が開かれ始めることにより、離間部材32による離間状態が解除されるように構成されている。以下、離間部材32の概略構成について説明する。
【0028】
図6、図7に示すように、シャッター31の先端には、シャッター31が開閉する方向と略直交する方向(シャッター31の回転軸方向)に突出した嵌合部31a、31bが設けられている。この嵌合部31a、31bに、離間部材32の取付け穴が嵌合することで、離間部材32をシャッター31に対して回転可能に取り付けることができる。シャッター31の一方の嵌合部31aには、第1の付勢部材としての、ねじりコイルバネ33が取り付けられており、このねじりコイルバネ33の作用により、図7(b)に示すように、離間部材32が図中Y方向に常に付勢されている。なお、ねじりコイルバネ33は、シャッター31の他方の嵌合部31b(図7(a))には設けられていない。
【0029】
カートリッジCが装置本体Dに装着される前は、離間部材32の両端に設けられている離間部32a、32b(図6)が、現像枠体30に形成されている挿入部30dと、廃トナー容器12に形成されている挿入部12bとの間に介在している(離間状態)。この状態を図1に示す。現像枠体30は現像ローラ20を保持し、廃トナー容器12の枠体は感光体ドラム10を保持している。そのため、現像枠体30と廃トナー容器12の間に離間部材32が介在することにより、現像ローラ20と感光体ドラム10の離間距離は広まることになる。また、この状態では、スペーサーコロ20aは感光体ドラム10表面から離間している。
【0030】
カートリッジDが装着されると、上述のプロセスによってシャッター31が開かれる。離間部材32はシャッター31先端に取り付けられているので、シャッター31が開かれ始めると、それに伴って離間部材32が挿入部30d、12bの間から抜け出す。よって、感光体ドラム10とスペーサーコロ20aとの離間状態が解除され、スペーサーコロ20aが感光体ドラム10表面に当接し、現像ローラ20と感光体ドラム10との間隔が画像形成可能な間隔に狭まる。
【0031】
離間部材32が挿入部30d、12bから抜け出すと、ねじりコイルバネ33の作用によって離間部材32が回転する(図7(b))。このとき離間部材32は、シャッター31に設けられた突き当て部31d、31eに当接するまで回転する。即ち、離間部材32は、図16(a)に示される、感光体ドラム10と現像ローラ20の間隔を広げる離間位置から、図16(b)に示される、開口部12dを覆う退避位置にまで移動する(退避状態になる)。ここで図16(a)は、離間部材32が離間位置にある場合のプロセスカートリッジを示す概略図である。また図16(b)は離間部材32が退避位置にある場合のプロセスカートリッジを示す概略図である。
離間部材32が退避位置に移動した際には、図8に示すように、シャッター31の移動に伴って離間部材32が通過する領域は、シャッター31の回転軸方向から見た場合において、シャッター31が通過する領域に重なるようになる。これによりカートリッジCを装置本体Dに装着する際に、装置本体D内部で離間部材32が通過するスペースを小さくすることができる。
【0032】
つまり、一般にシャッターの先端に離間部材を設けた構成では、シャッターが開く際に、シャッター先端の移動軌跡(回転軌跡)が、離間部材の長さ分だけ大きくなる。そのため、装置本体の内部に、シャッターのみならず離間部材が通過するためのスペースを別途確保する必要がある。その結果、画像形成装置の大型化につながってしまう。しかし、本実施形態では、シャッター31の回転軸方向から見た場合において、離間部材32が通過する領域が、シャッター31先端の通過軌跡よりも内側(回転軸側、シャッター31の軸
31hがある側)に収まるように構成した。そのため装置本体Dに、離間部材32が通過するためのスペースを別途設ける必要がない。
【0033】
更に、装置本体Dに装着されたカートリッジCを装置本体Dから取り外すと、離間部材32が退避状態を保った状態で、シャッター31は開口部12dを覆う閉位置に移動する。このとき、退避状態にある離間部材32は、シャッター31と共に、開口部12dを覆うことができる。よって、図16に示すように、感光体ドラム10の保護範囲が広がる。すなわち図16(a)に示すように、離間部材32が離間位置に位置しているときには、感光体ドラム10の一部がシャッター31に覆われず、露出している。しかし、図16(b)に示されるように、離間部材32が退避位置に移動すると、離間部材32は、露出していた感光体ドラム10の領域を覆う。これにより、開口部12dからゴミ等が侵入し感光体ドラム10やカートリッジC内の部品に付着する可能性をより低減することができる。
この結果、シャッター31を大型化することなく、シャッター31と離間部材32によって感光体ドラム10の広い範囲を保護することが可能になる。なお、カートリッジCの物流時には、離間部材32は離間位置にあるため、感光体ドラム10の一部は開口部12dより露出するが、このときはカートリッジCを袋等で梱包することで、感光体ドラム10を保護するとよい。
【0034】
(1−5:本実施形態の効果)
本実施形態によれば、カートリッジCが単体の状態で運搬される際は、離間部材32によって、感光体ドラム10から、現像ローラ20のスペーサーコロ20aを離間させ、さらに感光体ドラム10表面と現像ローラ20表面との間隔を広めることができる。よって、カートリッジCに衝撃等が加わったとしても、感光体ドラム10表面に現像ローラ20、スペーサーコロ20aが接触して感光体ドラム10表面が損傷することを防止できる。
【0035】
また、カートリッジCが装置本体Dに装着される際には、離間部材32は退避位置に移動するため、シャッター31が閉位置から開位置に移動しても、離間部材32が移動する通過領域はシャッター31の通過領域と重なることになる。よって、装置本体D内部において離間部材32が通過する為に必要なスペースを抑制し、画像形成装置を小型化できる。特に本実施形態では、シャッター31の回転軸方向から見た場合において、離間部材32の通過領域が、シャッター31の先端における通過軌跡の内側に収まるように構成した。しかし、退避位置にある離間部材32の通過領域が、シャッター31の回転軸方向から見た場合において、シャッター31の通過領域と少なくとも一部重なるようにすれば、離間部材32が通過するために必要となる空間を抑制することが可能となる。これにより画像形成装置を小型化することができる。
また、ユーザーは感光体ドラム10と現像ローラ20の離間状態を解除するために、離間部材32を挿入部12b、30dから直接抜き取ったり、離間部材32をシャッター31から取り外したりする必要がない。
【0036】
更に、離間部材32が一端、退避状態になると、その後、カートリッジCが取り外される度に、開口部12dをシャッター31と離間部材32とで覆うことになる。よって、紙詰まりが生じた際などに、カートリッジCが装置本体Dから取り外される場合には、離間部材32を用いて感光体ドラム10等を保護することができる。
【0037】
以上より、本実施形態によれば、離間部材を有するプロセスカートリッジ及びそれを備える電子写真画像形成装置において、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材によって電子写真感光体を保護することが可能になる。
【0038】
<第2実施形態>
図9〜図15を参照して、本発明を適用可能な第2実施形態に係るプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置について説明する。画像形成装置の概略構成等、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、ここでは第1実施形態と異なる構成のみ説明を行う。
【0039】
(2−1:シャッターの概略構成)
図9に、本実施形態におけるシャッター41と離間部材42との取付けを説明するための図を示す。本実施形態におけるシャッター41の軸41hは、第1実施形態と同様に、廃トナー容器12の枠体に設けられた軸受12a(図15)に回転可能に支持されている。また、軸41hに設けられたねじりコイルバネ(不図示)の作用によって、第1実施形態と同様に、シャッター41は常に開口部12dを覆う方向に付勢されている。即ち、カートリッジCが装置本体Dから取り外された状態では、シャッター41は開口部12dを常に覆っていることになる。
【0040】
また、カートリッジCの装着時に、シャッター41に形成されているシャッター被開閉ガイド41cが装置本体D側に設けられているシャッター開閉ガイド(不図示)に押圧されることにより、カートリッジCの挿入に伴ってシャッター41が開かれることになる。
【0041】
(2−2:離間部材の概略構成)
シャッター41の先端には、離間部材ガイド部41a、41bが設けられており、これらに離間部材42が嵌合することで、離間部材42がシャッター41に対して取り付けられている。また、離間部材42の長手方向両端には、引っ掛かり部42c、42dが設けられており、一端がシャッター41の引っ掛かり部41eに係止されている引っ張りバネ43、44の他端が、それぞれ引っ掛かり部42c、42dに係止されている。この構成により、離間部材42は、図10のZ方向に常に付勢されることになる。
【0042】
一方、カートリッジCの梱包物流(運搬)においては、離間部材42に設けられている離間部42a、42bが、現像枠体30の挿入部30dと、廃トナー容器12の挿入部12bとの間に進入している。この状態を図12に示す。これにより、現像ローラ20と感光体ドラム10の両者の間隔が広げられ、スペーサーコロ20aは感光体ドラム10表面から離間する。
【0043】
離間部材42が離間状態を維持している間、離間部材42は、第1の付勢部材としての引っ張りバネ43、44から受ける付勢力に抗して離間位置に係止されている。図10〜図12は、いずれも離間部材42が離間位置に係止されている状態を示すものであるが、離間部材42には、長手方向の一端に被係止部42fが設けられており、この被係止部42fが、シャッター41の係止部41dによって係止されている。これにより、落下等の衝撃によって離間部材42による離間状態が解除されることを防止している。
【0044】
一方、離間部材42による離間状態は、カートリッジCの装着動作に連動して解除される。即ち、カートリッジCが装置本体Dに装着される際に、離間部材42の一端に設けられている係止被解除部42e(図10、図12)が、装置本体Dに設けられている係止解除部51aに当接する(図13)。これにより、図14に示すように、係止被解除部42eがX方向(離間部材42の長手方向)に撓み、被係止部42fと係止部41dとの係止が解除される。
【0045】
上述したように、離間部材42は引っ張りバネ43、44によって付勢されているので、シャッター41による係止が解除されると、離間部材42は引っ張られ、図9に示すガイド部41a、41bに沿って、スライド可能に設けられた離間部材42がスライドする。これにより、離間部材42が挿入部12b、30dから抜け出て、スペーサーコロ20
aと感光体ドラム10とが当接する。
【0046】
ここで図10には、シャッター41の一端に設けられている突き当て部41fが示され、図11には、シャッター41の他端に設けられている突き当て部41gが示されている。離間部材42がガイド部41a、41bに沿ってスライドするとき、離間部材42は突き当て部41f、41gに突き当たるまで移動し退避状態となる。即ち、離間部材42は図17(a)に示される、感光体ドラム10と現像ローラ20の間隔を広げる離間位置から、図17(b)に示される、開口部12dを覆う退避位置にまで移動する。ここで図17(a)は、離間部材42が離間位置にある場合のプロセスカートリッジを示す概略図である。また図17(b)は離間部材42が退避位置にある場合のプロセスカートリッジを示す概略図である。離間部材42が離間位置に移動した後、シャッター41は開位置へ移動することになる。
離間部材42が退避した状態でシャッター41が閉位置から開位置に移動しても、図15に示すように、離間部材42が移動する通過領域は、シャッター41の回転軸方向から見た場合において、シャッター41の通過領域に重なるよう構成した。よって、装置本体Dの内部において、離間部材42が通過するために必要とされる空間を抑制できる。特に本実施形態においては、シャッター41の回転軸方向から見た場合において、離間部材42の通過領域が、シャッター41先端の通過軌跡よりも内側(シャッター41の軸41hがある側)に収まるように構成した。このとき装置本体Dにおいて、離間部材42が通過するために別途スペースを設ける必要がない。
【0047】
更に、カートリッジCが装置本体Dから取り外され、シャッター41が閉位置に移動した状態では、退避状態にある離間部材42とシャッター41とによって開口部12dを覆うことができる。よって、図17に示すように、感光体ドラム10の保護範囲が広がる。つまり図17(a)に示すように、離間部材42が離間位置に位置しているときには、感光体ドラム10の一部がシャッター41から露出している。一方、図17(b)に示されるように、離間部材42が退避位置に移動すると、離間部材42は、シャッター41から露出していた感光体ドラム10の領域を覆う。これにより、開口部12dからゴミ等が侵入し感光体ドラム10やカートリッジC内部の部品に付着する可能性をより低減することができる。
【0048】
(2−3:本実施形態の効果)
本実施形態によれば、カートリッジCを運搬する際には、離間部材42によって、感光体ドラム10から現像ローラ20のスペーサーコロ20aが離間し、さらに感光体ドラム10表面と現像ローラ20表面との間隔を広めることができる。よって、カートリッジCに衝撃等が加わったとしても、感光体ドラム10表面に現像ローラ20、スペーサーコロ20aが接触して感光体ドラム10表面が損傷することを防止できる。
【0049】
また、カートリッジCが装置本体Dに装着されて、シャッター41が閉位置から開位置に移動する際には、離間部材42を退避させることで、離間部材42が移動する通過領域がシャッター41の通過領内に重ねるようにしている。よって、画像形成装置を小型化できる。
また、ユーザーは感光体ドラム10と現像ローラ20の離間状態を解除するために、離間部材42を挿入部12b、30dから直接抜き取ったり、離間部材42をシャッター41から取り外したりする必要がない。
【0050】
また、離間部材42が一端退避状態になると、その後、カートリッジCが装置本体Dから取り外される度に、開口部12dをシャッター41と離間部材42とで覆うことになる。よって、カートリッジCが装置本体Dから取り外される場合も、離間部材42によって感光体ドラム10表面にゴミ等が付着する可能性を低減できる。これにより、シャッター
41を小型化しつつ、カートリッジCを装置本体Dから取り出した際には、離間部材42によって感光体ドラム10等を保護することが可能になる。
【0051】
以上より、本実施形態によれば、離間部材を有するプロセスカートリッジ及びそれを備える電子写真画像形成装置において、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材によって電子写真感光体を保護することが可能になる。
【符号の説明】
【0052】
10…感光体ドラム 12d…開口部 20…現像ローラ 31…シャッター 32…離間部材 A…現像ユニット B…ドラムユニット C…プロセスカートリッジ D…画像形成装置の装置本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジが知られている。プロセスカートリッジには、電子写真感光体に作用する現像剤担持体が設けられており、さらにプロセスカートリッジの枠体には、画像形成時における電子写真感光体と転写部材との接触を可能とする開口部が設けられている。
【0003】
このようなプロセスカートリッジにおいて、梱包物流時に電子写真感光体と現像剤担持体とが接触してこれらの表面が損傷することを防ぐべく、電子写真感光体と現像剤担持体とを離間させる離間部材が知られている。さらに、電子写真感光体の表面にゴミ等が付着しないように、プロセスカートリッジが取り外された状態で上述の開口部を覆う一方で、プロセスカートリッジが装着された状態で上述の開口部を開放するシャッターも知られている。
なお関連する技術として、特許文献1には、プロセスカートリッジの梱包物流時に、電子写真感光体と現像剤担持体との間に介在して両者を振動、衝撃から保護するフィルム部材をシャッターの先端に貼り付けた構成が開示されている。この構成によると、プロセスカートリッジを画像形成装置の装置本体に装着する際に、シャッターが開く動作と連動して、フィルム部材を電子写真感光体と現像剤担持体との間から抜き取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−297646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記技術を更に発展させたものである。本発明は、電子写真感光体と現像剤担持体を離間する離間部材を有するプロセスカートリッジ及びそれを備える電子写真画像形成装置において、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材によって、電子写真感光体を保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における代表的な構成は、電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を支持する第一枠体と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する現像剤担持体と、前記第一枠体に設けられた、前記電子写真感光体が露出する開口部と、前記第一枠体に設けられ、前記開口部を開放する開位置と、前記開口部を覆う閉位置との間を移動可能なシャッターと、前記シャッターに移動可能に設けられた離間部材であって、前記シャッターが前記閉位置に位置する際に、前記電子写真感光体と前記現像剤担持体との間に進入して、前記電子写真感光体と前記現像剤担持体とを離間する離間位置と、前記シャッターが前記閉位置に位置する際に、前記開口部を覆う退避位置とを取り得る離間部材と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材を用いて電子写真感光体を保護することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態における離間部材の側面図。
【図2】第1実施形態に係る電子写真画像形成装置の概略構成図。
【図3】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの概略構成図。
【図4】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの斜視図。
【図5】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの装着を説明する図。
【図6】第1実施形態におけるシャッターと離間部材との取付けを説明する図。
【図7】第1実施形態におけるシャッターと離間部材の概略構成図。
【図8】第1実施形態におけるシャッターの開閉動作を説明する図。
【図9】第2実施形態におけるシャッターと離間部材との取付けを説明する図。
【図10】第2実施形態におけるシャッターの離間部材の概略構成図。
【図11】第2実施形態におけるシャッターの離間部材の概略構成図。
【図12】第2実施形態における離間部材の側面図。
【図13】第2実施形態に係るプロセスカートリッジの装着を説明する図。
【図14】第2実施形態における離間部材の係止解除を説明するための図。
【図15】第2実施形態におけるシャッターの開閉動作を説明する図。
【図16】第1実施形態における離間部材を説明する図。
【図17】第2実施形態における離間部材を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1〜図8を参照して、本発明を適用可能な第1実施形態に係るプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置について説明する。以下では、プロセスカートリッジを「カートリッジ」として、電子写真画像形成装置を「画像形成装置」として説明する。また、以下の説明において、「装置本体」とは、画像形成装置からカートリッジを取り出したものを指す。
【0010】
(1−1:画像形成装置の概略構成)
図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成について説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、レーザ光によって走査露光を行い、記録媒体4(シート材、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するレーザビームプリンタである。
【0011】
画像形成装置は、感光体ドラム10(電子写真感光体)、帯電ローラ11、現像ローラ20(現像剤担持体)、クリーニングブレード14等を一体に備えたカートリッジCを有している。カートリッジCは、画像形成装置の装置本体Dに対して着脱可能に構成されている(カートリッジCの詳細は後述)。また、カートリッジCの上方には露光ユニット1が設けられている。
【0012】
画像形成プロセスが開始されると、帯電ローラ11によってトナー(現像剤)と同極性に一様に帯電された感光体ドラム10に対して、露光ユニット1から画像情報に基づいて変調されたレーザ光Lが射出され、感光体ドラム10が走査露光される。これにより、感光体ドラム10には静電潜像が形成される。次いで、現像ローラ20から静電潜像にトナーが供給され、静電潜像がトナー像(現像剤像)として現像される。このようにして形成されたトナー像は、感光体ドラム10とそれに対向配置されている転写ローラ3(転写部材)とのニップ部(転写位置)において、転写ローラ3にトナーと逆極性の電圧が印加されることによって記録媒体上に転写される。記録媒体4は、装置本体Dの下部に設けられている給送カセット6aに収容されており、収容されている記録媒体4は、ピックアップローラ6b、搬送ガイド6c、レジストローラ対6eによってタイミングを計られて転写位置まで搬送される。
【0013】
トナー像が転写された記録媒体4は、搬送ガイド6fにガイドされつつ、定着装置5に搬送される。定着装置5は、ヒータ5aを有する定着スリーブ5bと、定着スリーブ5bに圧接する加圧ローラ5cとを有しており、定着スリーブ5bと加圧ローラ5cとのニップ部において記録媒体4上のトナー像を加熱することができる。これにより、ニップ部を通過する記録媒体4上に、トナー像を加熱・加圧定着させることができる。トナー像が定着された記録媒体4は、排出ローラ6iから排出トレイ7へ排出される。
【0014】
(1−2:カートリッジの概略構成)
図3を参照して、本実施形態におけるカートリッジCの概略構成について説明する。カートリッジCは、大きく分けると、現像ユニットAとドラムユニットBとを有している。
【0015】
現像ユニットAは、現像枠体30を有しており、さらに現像枠体30内には現像室30aと現像剤収容室30bとが設けられている。現像室30aには、固定磁石28を内蔵した現像ローラ20と、現像ローラ20の表面に当接して該表面に担持されているトナーに対して層厚規制、摩擦帯電を行う規制ブレード29が設けられている。また、現像枠体30から現像ローラ20が露出する部分の隙間には、トナーが漏洩することを防止するための噴出防止シート25が設けられている。
【0016】
現像剤収容室30bには、収容されているトナーを攪拌し、現像室30aに供給するためのトナー送り部材23が設けられている。さらに、現像室30aと現像剤収容室30bとの間は開口部30cによって連通されており、この開口部30cを通してトナーを現像室30aに供給することができる。
【0017】
一方、ドラムユニットBには、感光体ドラム10、帯電ローラ11、クリーニングブレード14が、枠体としての廃トナー容器12に支持されている。帯電ローラ11は感光体ドラム10に従動回転し、クリーニングブレード14は感光体ドラム10表面に当接して転写後に該表面に残留した残留トナーを掻き落とすものである。掻き落とされたトナーは廃トナー容器12に回収される。回収されたトナーが外部へ飛散しないように、感光体ドラム10と廃トナー容器12との間には、クリーニングブレード14よりも感光体ドラム10回転方向上流側にスクイシート19が設けられている。かかる構成を有するカートリッジCによると、現像ローラ20にトナーと同極性の現像電圧が印加されることにより、現像ローラ20から感光体ドラム10表面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像することができる。
【0018】
本実施形態では、カートリッジCの第一枠体である廃トナー容器12に対して、カートリッジCの第二枠体である現像枠体30が回動可能に結合している。さらに現像ローラ20が付勢バネ(不図示)によって感光体ドラム10の方向へ付勢されている。そして、現像ローラ20が有するスペーサーコロ20a(図1)を介して、現像ローラ20表面と感光体ドラム10表面の間隔(隙間)が200μm〜300μmとなるように構成されている。なお、スペーサーコロ20aは現像ローラ20の長手方向の両端部に設けられている。現像時(画像形成時)には、感光体ドラム10に形成された静電潜像の明部電位と現像ローラ20に印加された現像電圧との差(現像コントラスト)に基づいて、帯電されたトナーが上述の間隔を感光体ドラム10表面の方へ飛翔する。
【0019】
(1−3:シャッターの概略構成)
図2〜図5を参照して、本実施形態におけるシャッター31について説明する。図4は、カートリッジCの斜視図であり、図5は、カートリッジCの装着を説明するための図である。
【0020】
図2に示すように、カートリッジCが画像形成装置の装置本体Dに装着されている状態では、感光体ドラム10の周面の一部が露出しており、露出している部分において感光体ドラム10が転写ローラ3と対向している。本実施形態では、廃トナー容器12の枠体に開口部12d(図3)が形成されており、画像形成時に、この開口部12dから感光体ドラム10が露出するように構成されている。
【0021】
しかし、カートリッジCが装置本体Dから取り外された状態では、開口部12dからゴミ等が侵入し、これらが感光体ドラム10の表面、及びその他カートリッジC内の部品に付着する虞がある。そこで本実施形態では、装置本体Dに装着されている状態では開口部12dを開放する開位置をとり、装置本体Dから取り外された状態では開口部12dを覆う閉位置をとるシャッター31がカートリッジCに設けられている。シャッター31は開位置と閉位置との間を移動可能である。以下、シャッター31の概略構成について説明する。
【0022】
図4に示すように、シャッター31に設けられた軸31hは、廃トナー容器12の枠体に設けられた軸受12aに回転可能に支持されている。これによりシャッター31は廃トナー容器12に軸支されることになり、開口部12dを開閉可能とすることができる。さらにシャッター31の軸31hには、第2の付勢部材としての、ねじりコイルバネ34が設けられている。ねじりコイルバネ34の作用によって、シャッター31は常に開口部12dを覆う方向に付勢されている。即ち、カートリッジCが装置本体Dから取り外された状態では、シャッター31は常に開口部12dを覆った状態となる。
【0023】
図5を参照して、シャッター31が開かれる過程について説明する。カートリッジCを装置本体Dに装着する際は、図示するカートリッジ被ガイド部12cを、装置本体D側の上ガイド部50bと下ガイド部51bとに沿わせてN方向に挿入する。この際、シャッター31に形成されているシャッター被開閉ガイド31cが、装置本体D側に設けられているシャッター開閉ガイド50aから押圧されることで、カートリッジCの挿入と共にシャッター31が閉位置から開位置に移動する。ここでシャッター被開閉ガイド31cは、装置本体Dと係合し、シャッター31を閉位置から開位置に移動する係合部となる。
【0024】
カートリッジCが挿入されて装置本体Dの所定位置に位置決めされた状態では、シャッター31は開位置に位置し、開口部12dが開放された状態となり、感光体ドラム10と転写ローラ3とが対向することになる。なお、この状態では、シャッター被開閉ガイド31cがシャッター開閉ガイド50aから常に押圧されているので、ねじりコイルバネ34の作用によってシャッター31が閉じることはない。
【0025】
(1−4:離間部材の概略構成)
図1、図6〜図8を参照して、本実施形態における離間部材32の概略構成について説明する。図1は離間部材32の側面図、図6は離間部材32の取付けを説明するための図、図7は離間部材32の概略構成図、図8はシャッターの開閉動作を説明するための図である。
【0026】
本実施形態では、カートリッジCを単体で運搬する場合に、感光体ドラム10と現像ローラ20の間隔保持部材であるスペーサーコロ20aを、感光体ドラム10表面から離間させ、現像ローラ20の表面との間隔を広げるための離間部材32が用いられている。これによると、梱包物流時などの振動・衝撃によって、感光体ドラム10表面に対して現像ローラ20の表面やスペーサーコロ20aが接触し、感光体ドラム10表面が損傷する可能性を低減できる。なお、離間部材32によって感光体ドラム10と現像ローラ20の表面との間隔が広げられ、間隔が広げられた状態が維持されている状態、即ちスペーサーコロ20aが感光体ドラム10表面から離間している状態を「離間状態」とする。
【0027】
離間部材32は、上述のシャッター31先端に取り付けられており、カートリッジC装着時にシャッター31が開かれ始めることにより、離間部材32による離間状態が解除されるように構成されている。以下、離間部材32の概略構成について説明する。
【0028】
図6、図7に示すように、シャッター31の先端には、シャッター31が開閉する方向と略直交する方向(シャッター31の回転軸方向)に突出した嵌合部31a、31bが設けられている。この嵌合部31a、31bに、離間部材32の取付け穴が嵌合することで、離間部材32をシャッター31に対して回転可能に取り付けることができる。シャッター31の一方の嵌合部31aには、第1の付勢部材としての、ねじりコイルバネ33が取り付けられており、このねじりコイルバネ33の作用により、図7(b)に示すように、離間部材32が図中Y方向に常に付勢されている。なお、ねじりコイルバネ33は、シャッター31の他方の嵌合部31b(図7(a))には設けられていない。
【0029】
カートリッジCが装置本体Dに装着される前は、離間部材32の両端に設けられている離間部32a、32b(図6)が、現像枠体30に形成されている挿入部30dと、廃トナー容器12に形成されている挿入部12bとの間に介在している(離間状態)。この状態を図1に示す。現像枠体30は現像ローラ20を保持し、廃トナー容器12の枠体は感光体ドラム10を保持している。そのため、現像枠体30と廃トナー容器12の間に離間部材32が介在することにより、現像ローラ20と感光体ドラム10の離間距離は広まることになる。また、この状態では、スペーサーコロ20aは感光体ドラム10表面から離間している。
【0030】
カートリッジDが装着されると、上述のプロセスによってシャッター31が開かれる。離間部材32はシャッター31先端に取り付けられているので、シャッター31が開かれ始めると、それに伴って離間部材32が挿入部30d、12bの間から抜け出す。よって、感光体ドラム10とスペーサーコロ20aとの離間状態が解除され、スペーサーコロ20aが感光体ドラム10表面に当接し、現像ローラ20と感光体ドラム10との間隔が画像形成可能な間隔に狭まる。
【0031】
離間部材32が挿入部30d、12bから抜け出すと、ねじりコイルバネ33の作用によって離間部材32が回転する(図7(b))。このとき離間部材32は、シャッター31に設けられた突き当て部31d、31eに当接するまで回転する。即ち、離間部材32は、図16(a)に示される、感光体ドラム10と現像ローラ20の間隔を広げる離間位置から、図16(b)に示される、開口部12dを覆う退避位置にまで移動する(退避状態になる)。ここで図16(a)は、離間部材32が離間位置にある場合のプロセスカートリッジを示す概略図である。また図16(b)は離間部材32が退避位置にある場合のプロセスカートリッジを示す概略図である。
離間部材32が退避位置に移動した際には、図8に示すように、シャッター31の移動に伴って離間部材32が通過する領域は、シャッター31の回転軸方向から見た場合において、シャッター31が通過する領域に重なるようになる。これによりカートリッジCを装置本体Dに装着する際に、装置本体D内部で離間部材32が通過するスペースを小さくすることができる。
【0032】
つまり、一般にシャッターの先端に離間部材を設けた構成では、シャッターが開く際に、シャッター先端の移動軌跡(回転軌跡)が、離間部材の長さ分だけ大きくなる。そのため、装置本体の内部に、シャッターのみならず離間部材が通過するためのスペースを別途確保する必要がある。その結果、画像形成装置の大型化につながってしまう。しかし、本実施形態では、シャッター31の回転軸方向から見た場合において、離間部材32が通過する領域が、シャッター31先端の通過軌跡よりも内側(回転軸側、シャッター31の軸
31hがある側)に収まるように構成した。そのため装置本体Dに、離間部材32が通過するためのスペースを別途設ける必要がない。
【0033】
更に、装置本体Dに装着されたカートリッジCを装置本体Dから取り外すと、離間部材32が退避状態を保った状態で、シャッター31は開口部12dを覆う閉位置に移動する。このとき、退避状態にある離間部材32は、シャッター31と共に、開口部12dを覆うことができる。よって、図16に示すように、感光体ドラム10の保護範囲が広がる。すなわち図16(a)に示すように、離間部材32が離間位置に位置しているときには、感光体ドラム10の一部がシャッター31に覆われず、露出している。しかし、図16(b)に示されるように、離間部材32が退避位置に移動すると、離間部材32は、露出していた感光体ドラム10の領域を覆う。これにより、開口部12dからゴミ等が侵入し感光体ドラム10やカートリッジC内の部品に付着する可能性をより低減することができる。
この結果、シャッター31を大型化することなく、シャッター31と離間部材32によって感光体ドラム10の広い範囲を保護することが可能になる。なお、カートリッジCの物流時には、離間部材32は離間位置にあるため、感光体ドラム10の一部は開口部12dより露出するが、このときはカートリッジCを袋等で梱包することで、感光体ドラム10を保護するとよい。
【0034】
(1−5:本実施形態の効果)
本実施形態によれば、カートリッジCが単体の状態で運搬される際は、離間部材32によって、感光体ドラム10から、現像ローラ20のスペーサーコロ20aを離間させ、さらに感光体ドラム10表面と現像ローラ20表面との間隔を広めることができる。よって、カートリッジCに衝撃等が加わったとしても、感光体ドラム10表面に現像ローラ20、スペーサーコロ20aが接触して感光体ドラム10表面が損傷することを防止できる。
【0035】
また、カートリッジCが装置本体Dに装着される際には、離間部材32は退避位置に移動するため、シャッター31が閉位置から開位置に移動しても、離間部材32が移動する通過領域はシャッター31の通過領域と重なることになる。よって、装置本体D内部において離間部材32が通過する為に必要なスペースを抑制し、画像形成装置を小型化できる。特に本実施形態では、シャッター31の回転軸方向から見た場合において、離間部材32の通過領域が、シャッター31の先端における通過軌跡の内側に収まるように構成した。しかし、退避位置にある離間部材32の通過領域が、シャッター31の回転軸方向から見た場合において、シャッター31の通過領域と少なくとも一部重なるようにすれば、離間部材32が通過するために必要となる空間を抑制することが可能となる。これにより画像形成装置を小型化することができる。
また、ユーザーは感光体ドラム10と現像ローラ20の離間状態を解除するために、離間部材32を挿入部12b、30dから直接抜き取ったり、離間部材32をシャッター31から取り外したりする必要がない。
【0036】
更に、離間部材32が一端、退避状態になると、その後、カートリッジCが取り外される度に、開口部12dをシャッター31と離間部材32とで覆うことになる。よって、紙詰まりが生じた際などに、カートリッジCが装置本体Dから取り外される場合には、離間部材32を用いて感光体ドラム10等を保護することができる。
【0037】
以上より、本実施形態によれば、離間部材を有するプロセスカートリッジ及びそれを備える電子写真画像形成装置において、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材によって電子写真感光体を保護することが可能になる。
【0038】
<第2実施形態>
図9〜図15を参照して、本発明を適用可能な第2実施形態に係るプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置について説明する。画像形成装置の概略構成等、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、ここでは第1実施形態と異なる構成のみ説明を行う。
【0039】
(2−1:シャッターの概略構成)
図9に、本実施形態におけるシャッター41と離間部材42との取付けを説明するための図を示す。本実施形態におけるシャッター41の軸41hは、第1実施形態と同様に、廃トナー容器12の枠体に設けられた軸受12a(図15)に回転可能に支持されている。また、軸41hに設けられたねじりコイルバネ(不図示)の作用によって、第1実施形態と同様に、シャッター41は常に開口部12dを覆う方向に付勢されている。即ち、カートリッジCが装置本体Dから取り外された状態では、シャッター41は開口部12dを常に覆っていることになる。
【0040】
また、カートリッジCの装着時に、シャッター41に形成されているシャッター被開閉ガイド41cが装置本体D側に設けられているシャッター開閉ガイド(不図示)に押圧されることにより、カートリッジCの挿入に伴ってシャッター41が開かれることになる。
【0041】
(2−2:離間部材の概略構成)
シャッター41の先端には、離間部材ガイド部41a、41bが設けられており、これらに離間部材42が嵌合することで、離間部材42がシャッター41に対して取り付けられている。また、離間部材42の長手方向両端には、引っ掛かり部42c、42dが設けられており、一端がシャッター41の引っ掛かり部41eに係止されている引っ張りバネ43、44の他端が、それぞれ引っ掛かり部42c、42dに係止されている。この構成により、離間部材42は、図10のZ方向に常に付勢されることになる。
【0042】
一方、カートリッジCの梱包物流(運搬)においては、離間部材42に設けられている離間部42a、42bが、現像枠体30の挿入部30dと、廃トナー容器12の挿入部12bとの間に進入している。この状態を図12に示す。これにより、現像ローラ20と感光体ドラム10の両者の間隔が広げられ、スペーサーコロ20aは感光体ドラム10表面から離間する。
【0043】
離間部材42が離間状態を維持している間、離間部材42は、第1の付勢部材としての引っ張りバネ43、44から受ける付勢力に抗して離間位置に係止されている。図10〜図12は、いずれも離間部材42が離間位置に係止されている状態を示すものであるが、離間部材42には、長手方向の一端に被係止部42fが設けられており、この被係止部42fが、シャッター41の係止部41dによって係止されている。これにより、落下等の衝撃によって離間部材42による離間状態が解除されることを防止している。
【0044】
一方、離間部材42による離間状態は、カートリッジCの装着動作に連動して解除される。即ち、カートリッジCが装置本体Dに装着される際に、離間部材42の一端に設けられている係止被解除部42e(図10、図12)が、装置本体Dに設けられている係止解除部51aに当接する(図13)。これにより、図14に示すように、係止被解除部42eがX方向(離間部材42の長手方向)に撓み、被係止部42fと係止部41dとの係止が解除される。
【0045】
上述したように、離間部材42は引っ張りバネ43、44によって付勢されているので、シャッター41による係止が解除されると、離間部材42は引っ張られ、図9に示すガイド部41a、41bに沿って、スライド可能に設けられた離間部材42がスライドする。これにより、離間部材42が挿入部12b、30dから抜け出て、スペーサーコロ20
aと感光体ドラム10とが当接する。
【0046】
ここで図10には、シャッター41の一端に設けられている突き当て部41fが示され、図11には、シャッター41の他端に設けられている突き当て部41gが示されている。離間部材42がガイド部41a、41bに沿ってスライドするとき、離間部材42は突き当て部41f、41gに突き当たるまで移動し退避状態となる。即ち、離間部材42は図17(a)に示される、感光体ドラム10と現像ローラ20の間隔を広げる離間位置から、図17(b)に示される、開口部12dを覆う退避位置にまで移動する。ここで図17(a)は、離間部材42が離間位置にある場合のプロセスカートリッジを示す概略図である。また図17(b)は離間部材42が退避位置にある場合のプロセスカートリッジを示す概略図である。離間部材42が離間位置に移動した後、シャッター41は開位置へ移動することになる。
離間部材42が退避した状態でシャッター41が閉位置から開位置に移動しても、図15に示すように、離間部材42が移動する通過領域は、シャッター41の回転軸方向から見た場合において、シャッター41の通過領域に重なるよう構成した。よって、装置本体Dの内部において、離間部材42が通過するために必要とされる空間を抑制できる。特に本実施形態においては、シャッター41の回転軸方向から見た場合において、離間部材42の通過領域が、シャッター41先端の通過軌跡よりも内側(シャッター41の軸41hがある側)に収まるように構成した。このとき装置本体Dにおいて、離間部材42が通過するために別途スペースを設ける必要がない。
【0047】
更に、カートリッジCが装置本体Dから取り外され、シャッター41が閉位置に移動した状態では、退避状態にある離間部材42とシャッター41とによって開口部12dを覆うことができる。よって、図17に示すように、感光体ドラム10の保護範囲が広がる。つまり図17(a)に示すように、離間部材42が離間位置に位置しているときには、感光体ドラム10の一部がシャッター41から露出している。一方、図17(b)に示されるように、離間部材42が退避位置に移動すると、離間部材42は、シャッター41から露出していた感光体ドラム10の領域を覆う。これにより、開口部12dからゴミ等が侵入し感光体ドラム10やカートリッジC内部の部品に付着する可能性をより低減することができる。
【0048】
(2−3:本実施形態の効果)
本実施形態によれば、カートリッジCを運搬する際には、離間部材42によって、感光体ドラム10から現像ローラ20のスペーサーコロ20aが離間し、さらに感光体ドラム10表面と現像ローラ20表面との間隔を広めることができる。よって、カートリッジCに衝撃等が加わったとしても、感光体ドラム10表面に現像ローラ20、スペーサーコロ20aが接触して感光体ドラム10表面が損傷することを防止できる。
【0049】
また、カートリッジCが装置本体Dに装着されて、シャッター41が閉位置から開位置に移動する際には、離間部材42を退避させることで、離間部材42が移動する通過領域がシャッター41の通過領内に重ねるようにしている。よって、画像形成装置を小型化できる。
また、ユーザーは感光体ドラム10と現像ローラ20の離間状態を解除するために、離間部材42を挿入部12b、30dから直接抜き取ったり、離間部材42をシャッター41から取り外したりする必要がない。
【0050】
また、離間部材42が一端退避状態になると、その後、カートリッジCが装置本体Dから取り外される度に、開口部12dをシャッター41と離間部材42とで覆うことになる。よって、カートリッジCが装置本体Dから取り外される場合も、離間部材42によって感光体ドラム10表面にゴミ等が付着する可能性を低減できる。これにより、シャッター
41を小型化しつつ、カートリッジCを装置本体Dから取り出した際には、離間部材42によって感光体ドラム10等を保護することが可能になる。
【0051】
以上より、本実施形態によれば、離間部材を有するプロセスカートリッジ及びそれを備える電子写真画像形成装置において、電子写真感光体と現像剤担持体の離間状態を解除した離間部材によって電子写真感光体を保護することが可能になる。
【符号の説明】
【0052】
10…感光体ドラム 12d…開口部 20…現像ローラ 31…シャッター 32…離間部材 A…現像ユニット B…ドラムユニット C…プロセスカートリッジ D…画像形成装置の装置本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を支持する第一枠体と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する現像剤担持体と、
前記第一枠体に設けられた、前記電子写真感光体が露出する開口部と、
前記第一枠体に設けられ、前記開口部を開放する開位置と、前記開口部を覆う閉位置との間を移動可能なシャッターと、
前記シャッターに移動可能に設けられた離間部材であって、前記シャッターが前記閉位置に位置する際に、前記電子写真感光体と前記現像剤担持体との間に進入して、前記電子写真感光体と前記現像剤担持体とを離間する離間位置と、前記シャッターが前記閉位置に位置する際に、前記開口部を覆う退避位置と、を取り得る離間部材と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記離間部材を前記離間位置から前記退避位置に移動させる方向に付勢する第1の付勢部材を有することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記シャッターは軸支されており、前記退避位置に位置する前記離間部材が、前記シャッターの移動に伴って通過する領域は、前記シャッターの回転軸方向から見た場合において、前記シャッターが通過する領域と少なくとも一部重なることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記シャッターは軸支されており、前記退避位置に位置する前記離間部材が、前記シャッターの移動に伴って通過する領域は、前記シャッターの回転軸方向から見た場合において、前記シャッターの先端が通過する軌跡よりも前記回転軸側に収まることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記離間部材が前記離間位置に位置する際に、前記シャッターが前記閉位置から前記開位置に移動することに伴って、前記離間部材は、前記離間位置から前記退避位置に移動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記シャッターは、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着される際に、前記装置本体と係合し、前記シャッターを前記閉位置から前記開位置へ移動させる係合部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記シャッターを前記開位置から前記閉位置へ移動させる方向に付勢する第2の付勢部材を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記離間部材は、前記シャッターに対して回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記離間部材は、前記シャッターに対してスライド可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記現像剤担持体は、
前記現像剤担持体の長手方向の端部において前記電子写真感光体と当接する間隔保持部材であって、前記現像剤担持体の表面と前記電子写真感光体の表面との間に隙間を保持する間隔保持部材を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプロセ
スカートリッジ。
【請求項11】
更に前記プロセスカートリッジは、前記現像剤担持体を支持する第二枠体を有し、
前記離間部材は、前記離間位置において前記第一枠体と前記第二枠体との間に進入することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジと、
前記現像剤担持体によって現像された現像剤像を記録媒体に転写する転写部材と、
記録媒体に転写された現像剤像を記録媒体上に定着させる定着装置と、
を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項1】
電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を支持する第一枠体と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する現像剤担持体と、
前記第一枠体に設けられた、前記電子写真感光体が露出する開口部と、
前記第一枠体に設けられ、前記開口部を開放する開位置と、前記開口部を覆う閉位置との間を移動可能なシャッターと、
前記シャッターに移動可能に設けられた離間部材であって、前記シャッターが前記閉位置に位置する際に、前記電子写真感光体と前記現像剤担持体との間に進入して、前記電子写真感光体と前記現像剤担持体とを離間する離間位置と、前記シャッターが前記閉位置に位置する際に、前記開口部を覆う退避位置と、を取り得る離間部材と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記離間部材を前記離間位置から前記退避位置に移動させる方向に付勢する第1の付勢部材を有することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記シャッターは軸支されており、前記退避位置に位置する前記離間部材が、前記シャッターの移動に伴って通過する領域は、前記シャッターの回転軸方向から見た場合において、前記シャッターが通過する領域と少なくとも一部重なることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記シャッターは軸支されており、前記退避位置に位置する前記離間部材が、前記シャッターの移動に伴って通過する領域は、前記シャッターの回転軸方向から見た場合において、前記シャッターの先端が通過する軌跡よりも前記回転軸側に収まることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記離間部材が前記離間位置に位置する際に、前記シャッターが前記閉位置から前記開位置に移動することに伴って、前記離間部材は、前記離間位置から前記退避位置に移動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記シャッターは、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着される際に、前記装置本体と係合し、前記シャッターを前記閉位置から前記開位置へ移動させる係合部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記シャッターを前記開位置から前記閉位置へ移動させる方向に付勢する第2の付勢部材を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記離間部材は、前記シャッターに対して回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記離間部材は、前記シャッターに対してスライド可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記現像剤担持体は、
前記現像剤担持体の長手方向の端部において前記電子写真感光体と当接する間隔保持部材であって、前記現像剤担持体の表面と前記電子写真感光体の表面との間に隙間を保持する間隔保持部材を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプロセ
スカートリッジ。
【請求項11】
更に前記プロセスカートリッジは、前記現像剤担持体を支持する第二枠体を有し、
前記離間部材は、前記離間位置において前記第一枠体と前記第二枠体との間に進入することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジと、
前記現像剤担持体によって現像された現像剤像を記録媒体に転写する転写部材と、
記録媒体に転写された現像剤像を記録媒体上に定着させる定着装置と、
を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−3243(P2012−3243A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94121(P2011−94121)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]