説明

プロテアーゼ

【課題】新規なプロテアーゼの提供。
【解決手段】ノカルジオプシス・ダソンビレイ亜種ダソンビレイDSM43235、ノカルジオプシス・プラシナDSM15649、ノカルジオプシス・プラシナ(以前はアルバ)DSM14010、ノカレジオプシスsp. DSM16424、ノカルジオプシス・アルカリフィラDSM44657及びノカルジオプシス・ルセンテンシスDSM44048由来のプロテアーゼ、及び相同プロテアーゼ;トランスジェニック植物及び非ヒト動物を包含する種々の宿主におけるそれらの組換え生成、及び動物飼料及び洗剤へのそれらの使用に関する。前記プロテアーゼは、酸安定性、アルカリ安定性及び/又は熱安定性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド、及び前記ポリペプチドをコードする単離された核酸配列に関する。本発明はまた、前記核酸配列を含んで成る、核酸構造体、ベクター及び宿主細胞、例えば植物及び動物細胞、及び前記ポリペプチドの生成方法及び使用、特に動物飼料内、及び洗剤への前記ポリペプチドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
ノカルジオプシスsp. NRRL 18262及びノカルジオプシス・ダソンビレイNRRL18133由来のプロテアーゼは、WO99/03947号に開示されている。ノカルジオプシスsp. NRRL18262由来のプロテアーゼのDNA及びアミノ酸配列は、デンマーク出願番号199600013号に示されている。WO01/58276号は、ノカルジオプシスsp. NRRL18262由来のプロテアーゼに関連する酸−安定性プロテアーゼの動物飼料への使用、及びノカルジオプシス・アルバDSM14010由来のプロテアーゼを開示する。
【0003】
JP2-255081-A号は、ノカルジオプシスsp.株OPC-210(FERM P-10508)由来のプロテアーゼを開示するが、しかしながら配列情報は存在しない。前記株は、寄託が取り消されているので、もはや入手できない。
DD20043218号は、ノカルジオプシス・ダソンビレイ株ZIMET43647由来のタンパク質分解調製物を開示するが、しかしながら配列情報は存在しない。前記株は、もはや入手できないと思われる。
【0004】
JP2003284571-A号は、ノカルジオプシスsp.TOA-1(FERM P-18676)由来のプロテアーゼのアミノ酸配列及びその対応するDNA配列を開示する。前記配列は、ADF43564としてGENESEQPに入力されている。
特に動物飼料及び/又は洗剤への使用のための他のプロテアーゼを供給することが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【0005】
発明の要約:
多くの熱安定性プロテアーゼ、すなわちノカルジオプシス・ダソンピレイ亜種ダソンビレイDSM43235由来のプロテアーゼL1a(配列番号1及び2を参照のこと);ノカルジオプシス・プラシナ(Nocardiopsis prasina)DSM15649由来のプロテアーゼL1b(配列番号3及び4を参照のこと);ノカルジオプシス・プラシナ(以前はアルバ)DSM14010由来のプロテアーゼL1c(配列番号5及び6を参照のこと);ノカルジオプシスsp. DSM16424由来のプロテアーゼL2a(配列番号7及び8を参照のこと);ノカルジオプシス・アルカリフィラ(Nocardiopsis alkaliphila)DSM44657由来のプロテアーゼL2b(配列番号9及び10を参照のこと);及びノカルジオプシス・ゥセンテンシス(Nocardiopsis lucentensis)DSM44048由来のプロテアーゼL2c(配列番号11及び12を参照のこと)がクローン化され、精製され、そして特徴づけられている。
【0006】
第1の観点においては、(a)配列番号6のアミノ酸1−192に対して少なくとも71.5%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号5のヌクレオチド574−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号6のアミノ酸1−192のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関する。
【0007】
本発明の記載の最後に示される5組の特定態様に対応する5種の他の観点において、本発明はまた、下記のも関する:
(a)配列番号4のアミノ酸1−192に対して少なくとも69.9%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号3のヌクレオチド574−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号4のアミノ酸1−192のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド;
【0008】
(a)配列番号2のアミノ酸1−192に対して少なくとも75.1%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号1のヌクレオチド568−1143、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号2のアミノ酸1−192のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド;
【0009】
(a)配列番号8のアミノ酸1−189に対して少なくとも92.2%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号7のヌクレオチド586−1152、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号8のアミノ酸1−189のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド;
【0010】
(a)配列番号10のアミノ酸1−189に対して少なくとも93.2%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号9のヌクレオチド586−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号10のアミノ酸1−189のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド;
【0011】
(a)配列番号12のアミノ酸1−189に対して少なくとも83.3%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号11のヌクレオチド586−1152、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号12のアミノ酸1−189のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【0012】
本発明はまた、上記ポリペプチドをコードする単離された核酸配列、及び前記核酸配列を含んで成る核酸構造体、ベクター及び宿主細胞、並びに前記ポリペプチドの生成方法及び特に動物飼料内及び洗剤への前記ポリペプチドの使用方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の特定の記載:
プロテアーゼ活性を有するポリペプチド
プロテアーゼ活性を有するポリペプチド、又はプロテアーゼはまた、時々、企画されたペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ペプチドヒドロラーゼ又はタンパク質分解酵素でもある。プロテアーゼは、そのいずれかの端で開始するペプチドを加水分解するエキソタイプのものであるか、又はポリペプチド鎖において内部的に作用するエンドタイプ(エンドペプチダーゼ)のものである。エンドペプチダーゼは問題のプロテアーゼの特異性のために適切であるN−及びC−末端ブロックされたペプチド基質に対する活性を示す。
【0014】
用語“プロテアーゼ”は、本明細書においては、ペプチド結合を加水分解する酵素として定義される。それは、EC3.4酵素グループ(その13種の亜綱の個々を包含する)に属するいずれかの酵素を包含する。EC番号は、それぞれ、Eur. J. Biochem. 1994,223, 1-5; Eur. J. Biochem. 1995,232, 1-6; Eur. J. Biochem. 1996,237, 1-5; Eur. J. Biochem. 1997,250, 1-6; and Eur. J. Biochem. 1999,264, 610-650に公開されている付録を包含する、NC-IUBMB, Academic Press, San Diego, Californiaからの酵素命名法1992を言及する。命名法は定期的に補充され、そして更新されている:http://www. chem. qmw. ac. uk/iubmb/enzyme/index. HtmlでのWorld Wide Web (WWW)を参照のこと。
【0015】
プロテアーゼは、それらの触媒機構に基づいて、次のグループに分類される:セリンプロテアーゼ(S)、システインプロテアーゼ(C)、アスパラギン酸プロテアーゼ(A)、金属プロテアーゼ(M)及び未知の又はまだ分類されていないプロテアーゼ(U)。Handbook of Proteolytic Enzymes, A. J.Barrett, N. D. Rawlings, J. F. Woessner (eds), Academic Press (1998)、特に一般的な概論部分を参照のこと。
【0016】
特定の態様においては、本発明の及び本発明の使用のためのプロテアーゼは、下記から成る群から選択される:
(a)EC3.4_._.酵素グループに属するプロテアーゼ;
(b)上記ハンドブックのSグループに属するセリンプロテアーゼ;
(c)ペプチダーゼファミリーS2Aのセリンプロテアーゼ;及び/又は
(d)Biochem. J. 290: 205-218 (1993) and in MEROPS protease database, release 6.20, March 24,2003, (www. merops. ac. uk)に記載されるようなペプチダーゼファミリイーS1Eのセリンプロテアーゼ。データベースは、Rawlings, N. D. , O'Brien, E. A. & Barrett, A. J. (2002) MEROPS: プロテアーゼデータベース. Nucleic Acids Res. 30,343-346に記載されている。
【0017】
与えられるプロテアーゼがセリンプロテアーゼ及びファミリーS2Aプロテアーゼであるかどうかを決定するためには、上記ハンドブック及びそこに示される原理が言及される。そのような決定は、すべてのタイプのプロテアーゼ、例えば天然に存在するか又は野生型のプロテアーゼ;又は遺伝子的に構築された又は合成のプロテアーゼについて実施され得る。
【0018】
プロテアーゼ活性は、問題のプロテアーゼの特異性のために適切なペプチド結合を包含する基質が使用されるいずれかのアッセイを用いて測定され得る。アッセイ−pH及びアッセイ−温度は、同様に、問題のプロテアーゼに適合されるべきである。アッセイ−pH値の例は、pH2, 3, 4,5, 6,7, 8,9, 10,11, 又は 12である。アッセイ−温度の例は、30, 35, 37, 40, 45, 50, 55, 60, 65, 70, 80, 90, 又は95℃である。
【0019】
プロテアーゼ基質の例は、カゼイン、例えばAzurine- Crosslinked Casein (AZCL-カゼイン)である。3種のプロテアーゼアッセイは例4−5に記載されており、いずれにおいても、プロテアーゼ活性を決定するために使用され得る。本発明に関しては、いわゆるpNAアッセイが好ましいアッセイである。
【0020】
本発明のプロテアーゼの起源に対する、及び/又は本発明への使用のための制限は存在しない。従って、用語プロテアーゼは、いずれかの属の微生物から得られる天然又は野生型プロテアーゼのみならず、またプロテアーゼ活性を示すいずれかのその変異体、フラグメント、等、及び合成プロテアーゼ、例えばシャフリングされたプロテアーゼ及びコンセンサスプロテアーゼも包含する。そのような遺伝子的に構築されたプロテアーゼは、一般的に当業界において知られているようにして、例えば特定部位の突然変異誘発により、PCR(PCR反応におけるプライマーの1つとして所望する突然変異を含むPCRフラグメントを用いて)により、ランダム突然変異誘発により調製され得る。
【0021】
コンセンサスタンパク質の調製は、例えばEP897985号に記載される。遺伝子シャフリングは一般的に、WO95/22625号及びWO98/00343号に記載されている。プロテアーゼ遺伝子の組換えは、Ness, J. E. など, Nature Biotechnology, Vol. 20 (12), pp. 1251-1255, 2002に記載のようにして、合成シャフリングにより親の特定配列に無関係に製造され得る。親プロテアーゼ組に見出されるすべてのアミノ酸の可能性を提供するためにそれらのDNA配列において変性される合成オリゴヌクレオチドが企画され、そして遺伝子が参照に従ってアセンブリーされる。シャフリングは、十分な長さの配列のために、又は配列の一部のみのために行われ、そして次に、後で、十分な長さの配列を得るために残りの遺伝子と組合され得る。
【0022】
配列番号2、4、6,8、10及び12のプロテアーゼ、及び上記に列挙される従来の記録に記載されるノカルジオプシスプロテアーゼは、本発明の追加のプロテアーゼを提供するために、上記のようにシャフリングにゆだねられ得るそのような親プロテアーゼの特定の例である。用語“〜から得られる”とは、所定の源に関して、本明細書において使用される場合、核酸配列によりコードされるポリペプチドがその源により、又はその源からの核酸配列が存在する細胞により生成されることを意味する。好ましい態様においては、ポリペプチドは細胞外分泌される。
【0023】
特定の態様においては、プロテアーゼは、動物、たとえばヒトに暴露される場合、低い免疫原応答をもたらすよう企画された低アレルギー性変異体である。免疫学的応答は、プロテアーゼに暴露される動物の免疫系によるいずれかの応答として理解されるべきである。1つのタイプの免疫学的応答は、暴露された動物における高められたレベルのIgEを導くアレルギー応答である。低アレルギー性変異体は、当業界において知られている技法を用いて調製され得る。例えば、プロテアーゼは、免疫学的応答に関与するプロテアーゼの一部又はエピトープを保護するポリマー成分により接合され得る。ポリマーによる接合は、WO96/17929号、WO98/30682号、WO98/35026号及び/又はWO99/00489号に記載のように、プロテアーゼへのポリマーのインビトロ化学的カップリングを包含する。接合は、さらに又は他方では、プロテアーゼへのポリマーのインビボカップリングを包含する。
【0024】
そのような接合は、プロテアーゼをコードするヌクレオチド配列を遺伝的に構築し、プロテアーゼにおける追加のグリコシル化部位をコードするコンセンサス配列を挿入し、そしてプロテアーゼをグリコシル化できる宿主においてプロテアーゼを発現することによって達成され得る。例えば、WO00/26354号を参照のこと。低アレルギー性変異体を供給するもう1つの手段は、プロテアーゼモノマーが他のプロテアーゼモノマーのエピトープを保護し、そしてそれにより、オリゴマーの抗原性を低める、プロテアーゼの自己オリゴマー化を引き起こすために、プロテアーゼをコードするヌクレオチド配列の遺伝的構築である。そのような生成物及びそれらの調製法は、例えばWO96/16177号に記載されている。
【0025】
免疫学的応答に関与するエピトープは、種々の方法、例えばWO00/26230号及びWO01/83559号に記載されるファージ表示法、又はEP561907号に記載されるランダムアプローチにより同定され得る。エピトープが同定されると、そのアミノ酸配列は、既知の遺伝子操作技法、例えば特定部位の突然変異誘発によりプロテアーゼの変更された免疫学的性質を生成するために変更され得(例えば、WO00/26230号、WO00/26354号及び/又はWO00/22103号を参照のこと)、そして/又はポリマーの接合がエピトープを保護するために、ポリマーのためのエピトープに十分に接近して行われ得る。
【0026】
本発明の種々の観点は、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド(短い“プロテアーゼ”のための)、並びに特定の配列番号を有する、それぞれアミノ酸配列又は核酸配列の特定フラグメントに対して一定の程度の同一性を有する、それぞれアミノ酸配列又は核酸配列を含んで成る、それぞれ対応する単離された核酸配列、前記ポリペプチド又は核酸に関する。前記特定されるフラグメントは、それぞれ成熟ポリペプチド、又はその核酸配列の一部をコードする成熟ポリペプチドに対応する。
【0027】
本発明に関しては、2種のアミノ酸配列間の同一性の程度、及び2種のヌクレオチド配列間の同一性の程度は、Needleman-Wunsch一列整列(すなわち、包括的な一列整列)であるプログラム“align”により決定される。このプログラムは、ポリペプチド及びヌクレオチド配列の一列整列のために使用される。デフォールト評点マトリックスBLOSUM50はポリペプチド一列整列のために使用され、そしてデフォールト一致マトリックスはヌクレオチド一列整列のために使用される。ギャップの最初の残基についてのペナルティーは、ポリペプチドに関して、−12及びヌクレオチドに関して、−16である。ギャップの追加の残基についてのペナルティーは、ポリペプチドに関して−2及びヌクレオチドに関して、−4である。
【0028】
“Align”は、FASTAパッケージバージョンv20u6の一部である(W. R. Pearson and D. J. Lipman (1988),"Improved Tools for Biological Sequence Analysis", PNAS 85 : 2444-2448,及び W. R. Pearson (1990) "Rapid and Sensitive Sequence Comparison with FASTP and FASTA, "Methods in Enzymology 183: 63-98を参照のこと)。FASTAタンパク質一列整列は、ギャップサイズに対する制限を有さないSmith-Watermanアルゴリズムを使用する("Smith-Waterman algorithm", T. F. Smith and M. S. Waterman (1981) J. Mol. Biol. 147: 195-197を参照のこと)。
【0029】
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号2、4,6、8、10又は12のいずれかの成熟ペプチド部分に対して、少なくとも約70%,71%,72%, 73%,74%,75%, 76%, 77%,78%,79%,80%, 81%, 82%, 83%,84%, 85%, 86%, 87%, 88%, 89%, 90%, 91%, 92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98%、又は99%の程度の同一性を有する。
他の特定の態様においては、本発明の核酸配列は、配列番号1、3,5、7、9又は11のいずれかの成熟ペプチドコード部分に対して、少なくとも78%,79%,80%, 81%, 82%, 83%,84%, 85%, 86%, 87%, 88%, 89%, 90%, 91%, 92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98%、又は少なくとも99%の程度の同一性を有する。
【0030】
更なる態様において、本発明のプロテアーゼは、配列番号2、4、6、8、10及び12の何れかの成熟部分から、(i)20、19、18、17、16、15、14、13、12又は11以下のアミノ酸;(ii)10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1以下のアミノ酸;(iii)10、9、8、7、6又は5個のアミノ酸;あるいは(iv)4、3、2又は1のアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を有する。
【0031】
さらなる特定の態様においては、本発明のプロテアーゼは、配列番号2、4,6、8、10又は12のいずれかの成熟ペプチド部分のアミノ酸配列;又はその対立遺伝子変異体;又はプロテアーゼ活性を有するそのフラグメントを含んで成る。
さらなる好ましい態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号配列番号2、4,6、8、10又は12のいずれかの成熟ペプチド部分;又はその対立遺伝子変異体;又はプロテアーゼ活性を有するそのフラグメントから成る。
【0032】
配列番号2、4,6、8、10又は12のいずれかの成熟ペプチド部分のフラグメントは、それらのアミノ酸配列のアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失された1又は複数のアミノ酸を有するポリペプチドである。1つの態様においては、フラグメントは、少なくとも75個のアミノ酸残基、又は少なくとも100個のアミノ酸残基、又は少なくとも125個のアミノ酸残基、又は少なくとも150個のアミノ酸残基、又は少なくとも160個のアミノ酸残基、又は少なくとも165個のアミノ酸残基、又は少なくとも170個のアミノ酸残基、又は少なくとも175個のアミノ酸残基を含む。
【0033】
対立遺伝子変異体は、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子のいずれか複数の二者択一形を示す。対立遺伝子変動は、天然においては、突然変異を通して生じ、そして集団内の多型現象をもたらす。遺伝子突然変異はサイレンであり(コードされたポリペプチドの変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされるポリペプチドである。
【0034】
本発明はまた、プロテアーゼ活性を有し、そして(a)配列番号1、3、5、7、9又は11、又はその成熟ペプチドコード部分のいずれか;(b)上記(a)の副配列、又は(c)上記(a)又は(b)の相補的鎖と、同じ条件下でハイブリダイズする核酸プローブと、非常に低い、又は低い、又は中位の、又は中位の高い、又は高い、又は非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされる単離されたポリペプチドにも関する(J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor, New York)。特定の態様においては、核酸プローブは、中でも、上記(a)(b)又は(c)の核酸配列から選択される。
【0035】
(a)の副配列は、少なくとも100個のヌクレオチド、又はもう1つの態様においては、少なくとも200個のヌクレオチドであり得る。さらに、副配列は、プロテアーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。
【0036】
配列番号1、3、5、7、9又は11、又はその成熟ペプチドコード部分のいずれかの核酸配列、又はその副配列、及び配列番号2、4,6、8、10又は12のいずれかのアミノ酸配列、又はそのフラグメントは、当業界において良く知られている方法に従って、異なった属又は種の株からのプロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを同定し、そしてクローン化するための核酸プローブを企画するために使用され得る。特に、そのようなプローブは、そこにおける対応する遺伝子を同定し、そして単離するために、標準のサザンブロット方法に従って、興味ある属又は種のゲノム又はcDNAとのハイブリダイゼーションのために使用され得る。
【0037】
そのようなプローブは、完全な配列よりも相当に短いが、しかし少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個、及びより好ましくは少なくとも35個の長さのヌクレオチドであるべきである。より長いプローブもまた使用され得る。DNA及びRNAの両プローブが使用され得る。プローブは典型的には、対応する遺伝子を検出するためにラベルされる(たとえば、32P, 3H, 35S, ビオチン、アビジン、フルオレセイン又はジゴキシゲニンにより)。そのようなプローブは、本発明により包含される。
【0038】
従って、そのような他の生物から調製されたゲノムDNA又はcDNAライブラリーは、本明細書に記載されるプローブとハイブリダイズし、そしてプロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーンされ得る。そのような生物からのゲノム又は他のDNAは、アガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、又は他の分離技法により分離され得る。ライブラリーからのDNA又は分離されたDNAが、ニトロセルロース又は他の適切なキャリヤー材料に移行され、そしてその上に固定され得る。
【0039】
配列番号1、3、5、7、9又は11のいずれかと相同であるクローン又はDNA、又はその副配列を同定するためには、キャリヤー材料がサザンブロットに使用される。本発明のためには、ハイブリダイゼーションは、核酸配列が、非常に低い〜非常に高い緊縮条件下で、それらの配列番号のいずれかで示される核酸配列、その相補鎖、又はその副配列に対応するラベルにされた核酸プローブにハイブリダイズすることを示す。核酸プローブがそれらの条件下でハイブリダイズする分子は、X−線フィルムを用いて検出される。
【0040】
特定の態様においては、核酸プローブは、配列番号2、4,6、8、10又は12のいずれかの成熟ペプチド部分、又はその副配列をコードする核酸配列である。もう1つの態様においては、核酸プローブは、成熟ポリペプチドコード領域に対応する、配列番号1、3、5、7、9又は11のいずれかのそれらのヌクレオチドである。
【0041】
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長さのプローブに関して、非常に低い〜非常に高い緊縮条件は、標準のサザンブロット方法に従っての、5×SSPE, 0.3%SDS, 200μg/ml の剪断され、そして変性されたサケ精子DNA、及び25%ホルムアミド(非常に低い及び低い緊縮に関して)、35%ホルムアミド(中位い及び中位の高い緊縮に関して)、又は50%ホルムアミド(高い及び非常に高い緊縮に関して)における42℃でのプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションとして定義される。
【0042】
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長さプローブに関しては、キャリヤー材料は最終的に、2×SSC, 0.2%SDS溶液を用いて、好ましくは少なくとも45℃(非常に低い緊縮)、より好ましくは少なくとも50℃(低い緊縮)、より好ましくは少なくとも55℃(中位の緊縮)、より好ましくは少なくとも60℃(中位の高い緊縮)、さらにより好ましくは少なくとも65℃(高い緊縮)、および最も好ましくは少なくとも70℃(非常に高い緊縮)で、それぞれ15分間、3度洗浄される。好ましくは、洗浄は、0.2×SSC, 0.1×SSC又は0.02×SSCのいずれかを用いて行われ、他の洗浄条件は未修正である(すなわち、それぞれ15分間、3度の洗浄;0.2%SDS、好ましくは少なくとも45℃(非常に低い緊縮性)、より好ましくは少なくとも50℃(低い緊縮)、より好ましくは少なくとも55℃(中位の緊縮)、より好ましくは少なくとも60℃(中位の高い緊縮)、さらにより好ましくは少なくとも65℃(高い緊縮)、および最も好ましくは少なくとも70℃(非常に高い緊縮)での洗浄)。
【0043】
約15個〜約70個の長さのヌクレオチドである短いプローブに関しては、緊縮条件は、0.9MのNaCl、0.09Mのトリス−HCl, pH7.6、 6mM のEDTA、 0.5のNP-40, 1×Denhardt’s溶液、1mMのピロリン酸ナトリウム、1mMの一塩基性リン酸ナトリウム、0.1mMのATP及び0.2mgの酵母RNA(ml当たり)における、Bolton and McCarthy(1962、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 48: 1390)に従って計算されたTmよりも約5℃〜約10℃低い温度での標準のサザンブロット方法に従ってのプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション、及び後−ハイブリダイゼーション洗浄として定義される。
【0044】
約15個〜約70個の長さのヌクレオチドである短いプローブに関しては、キャリヤー材料は、6×SSC及び0.1%SDSにより15分間、1度、及び6×SSCを用いて、計算されたTmよりも約5℃〜約10℃低い温度でそれぞれ15分間、2度、洗浄される。
本発明はまた、アミノ酸配列2、4、6、8、10又は12のいずれかの成熟部分、及び1又は複数のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含んで成る、ポリペプチドの変異体に関する。
【0045】
変異体ポリペプチドのアミノ酸配列は、1又は複数のアミノ酸残基の挿入又は欠失、及び/又は異なったアミノ酸残基による1又は複数のアミノ酸残基の置換により、配列番号2、4、6、8、10又は12のいずれかの成熟部分のアミノ酸配列と異なることができる。好ましくは、アミノ酸変更は、マイナーな性質のもの、すなわちタンパク質の折りたたみ及び/又は活性に有意に影響を及ぼさない保存性アミノ酸置換;典型的には1〜約30個のアミノ酸の小さな欠失;小さなアミノ−又はカルボキシ−末端−、たとえばアミノ−末端のメチオニン残基の延長;約20〜25個までの残基の小さなリンカーペプチドの延長;又は実効電荷又は他の機能、たとえばポリ−ヒスチジン系、抗原性エピトープ又は結合ドメインを変更することにより精製を促進する小さな延長のものである。
【0046】
保存性置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)のグループ内である。
【0047】
従って、例えば本発明は、配列番号2、4、6、8、10又は12のいずれかに示されるような配列、好ましくはその成熟部分を有するか、又はそれを含んで成るポリペプチドに関し、ここで保存性アミノ酸置換は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)間での置換、又はいずれかの組合せ、又はその活性フラグメントを含んで成る。
【0048】
非活性を変更しないアミノ酸置換は当業界において知られており、そしてたとえば、H. Neurath and R.L. Hill, 1979, The Proteins, Academic Press, New York により記載されている。最も通常生じる交換は次のものである: Ala/Ser, Val/Ile, Asp/Glu, Thr/Ser, Ala/Gly, Ala/Thr, Ser/Asn, Ala/Val, Ser/Gly, Tyr/Phe, Ala/ Pro, Lys/Arg, Asp/Asn, Leu/Ile, Leu/Val, Ala/Glu及びAsp/Gly並びにそれらの逆。
【0049】
本発明のポリペプチドは、細菌又は菌類ポリペプチドであり得る。菌類ポリペプチドは、糸状菌又は酵母に由来する。
【0050】
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、i)細菌プロテアーゼ;ii)門アクチノバクテリアのプロテアーゼ、iii)綱アクチノバクテリアのプロテアーゼ;iv)目アクトノマイセタレスのプロテアーゼ;v)科ノカルジオプサセアエプロテアーゼ;vi)属ノルカジオプシスのプロテアーゼ;及び/又はvii)種ノカルジオプシス、例えばN. アルバ、N. アルカリフィラ、N. アンタルクチカ、N.プラシナ、N. コムポスタ、N. エクスハランス、N. ハロフィラ、N. ハロトレランス、N. クンサネンシス、N. リステリ、N. ルセンテンシス、N. メタリカス、N. シネマタホルマンス、N. トレハロシ、N. トロピカ、N. ウミジスコラエ、N. キシンジアンゲンシス、又はN. ダソンビレイ、例えばN. ダソンビレイ亜種ダソンビレイDSM43235、N. sp. DSM16424、ノカルジオプシス・プラシナDSM15649、ノカルジオプシス・プラシナ(以前はアルバ)DSM14010、ノカレジオプシスsp. DSM16424、ノカルジオプシス・アルカルフィラDSM 44657、又はノカルジオプシス・ルセンテンシスDSM 44048由来のプロテアーゼである。
【0051】
特定の態様においては、プロテアーゼは、ノカルジオプシス・アルバ、ノカルジオプシス・アルカルフィラ、ノカルジオプシス・ダソンビレイ、ノカルジオプシス・ルセンテンシス、ノカルジオプシス・プラシナ又はノカルジオプシスspに由来する。
上記分類は、チャプター: G. M. Garrity & J. G. Holt in Bergey's Manual of Systematic Bacteriology, 2001, second edition, volume 1, David R. Bone, Richard W. Castenholzによる手動へのロードマップに従ってである。
【0052】
上記種に関して、本発明は、知られている種名称にかかわらず、完全及び不完全状態、及び他の分類学的同等物、例えばアナモルフを包含することが理解されるであろう。当業者は、適切な同等物の同一性を容易に理解するであろう。
それらの種の株は、多くの培養物収集所、例えばAmerican Type Culture Collection (ATCC), DeutscheSammiung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSM), Centraalbureau Voor Schimmelcultures (CBS), and Agricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center (NRRL)から公的に容易に入手できる。
【0053】
さらに、そのようなポリペプチドは、上記プローブを用いて、天然から単離された微生物を包含する他の源(例えば、土壌、堆肥、水、等)から同定され、そして得られる。天然の環境からの微生物を単離するための技法は、当業界において良く知られている。次に、核酸配列は、他の微生物のゲノム又はcDNAライブラリーを同様にスクリーニングすることにより誘導され得る。ポリペプチドをコードする核酸配列がプローブにより検出されると、配列は、当業者に知られている技法を用いることにより、単離されるか又はクローン化され得る(例えば、Sambrookなど., 1989, 前記を参照のこと)。
【0054】
本明細書において定義される場合“単離された”ポリペプチドとは、他の非−ポリペプチドを実質的に有さず、例えばSDS−PAGEにより測定される場合、少なくとも約20%の純度、好ましくは少なくとも約40%の純度、より好ましくは約60%の純度、さらにより好ましくは約80%の純度、最も好ましくは約90%の純度、及びさらに最も好ましくは約95%の純度であるポリペプチドである。
【0055】
本発明の核酸配列によりコードされるポリペプチドはまた、もう1つのポリペプチドが前記ポリペプチド又はフラグメントのN−末端又はC−末端で融合されている、融合された又は切断可能な融合ポリペプチドも包含することができる。融合されたポリペプチドは、1つのポリペプチドをコードする核酸配列(又はその一部)を、本発明の核酸配列(又はその一部)に融合することによって生成される。融合ポリペプチドを生成するための技法は、当業界において知られており、そしてポリペプチドをコードするコード配列を、それらが整合して存在し、そして融合されたポリペプチドの発現が同じプロモーター及びターミネーターの制御下にあるよう、連結することを包含する。
【0056】
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは酸安定性である。本発明のためには、用語、酸安定性とは、pH2.0、pH2.5又はpH3.0及び37℃での2時間のインキュベーションの後、残留活性が、pH9.0及び5℃での2時間インキュベートされた対応するサンプルの残留活性に比較して、少なくとも50%であることを意味する。特定の態様においては、残留活性は、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%又は少なくとも90%である。酸安定性を決定するための適切なアッセイは、例2のpH−安定性アッセイである。
【0057】
もう1つの特定の態様においては、本発明のポリペプチドはアルカリ安定性である。本発明のためには、用語、アルカリ安定性とは、pH12.0及び37℃での2時間のインキュベーションの後、残留活性が、pH9.0及び5℃での2時間インキュベートされた対応するサンプルの残留活性に比較して、少なくとも85%であることを意味する。特定の態様においては、残留活性は、少なくとも86%, 87%, 88%, 89%, 90%, 91 %又は少なくとも92%である。アルカリ定性を決定するための適切なアッセイは、例4のpH−安定性アッセイである。
【0058】
さらなる特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、本発明に従っての使用のために、(i)15℃及びpH9で、少なくとも0.02、0.04、0.06、0.08、0.10又は少なくとも0.11の相対的活性;(ii)25℃及びpH9で、少なくとも0.05、0.10、0.15又は少なくとも0.17の相対的活性;及び/又は(iii)37℃及びpH9で、少なくとも0.05、0.10、0.15、0.20、0.25又は少なくとも0.30の相対的活性を有する。例4の温度プロフィール試験が、それらの決定のために使用される。
【0059】
さらなる特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、DSCにより決定される場合、少なくとも76.6℃、又は少なくとも77, 78又は少なくとも78.2℃のTmを有する。Tmは、例7に記載されるように、pH7.0で決定される。
追加の特定の態様においては、本発明のプロテアーゼは、pH7.5及び25℃でヘモグロビンに対して少なくとも38AU/gの比活性を示す。比活性は、例5に記載されるようにして決定され得る。本発明のプロテアーゼは、少なくとも39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 49.8又は少なくとも50AU/gの比活性を示すことができる。
【0060】
さらなる特定の態様においては、本発明のプロテアーゼは、ブランクに比較して、単一胃のインビトロ消化モデルにおいてトウモロコシ/大豆ミール規定食の消化できるタンパク質のレベル(SBM:トウモロコシ=2:3(w/w))を、少なくとも13%改良することができる。前記モデルは、胃消化段階(pH3.0及び40℃で1.0時間)、及び続く腸消化段階(pH6.8及び40℃で4.5時間)を包含する。モデルはまた、ペプシン(3000U/g、胃消化段階において)、及びパンクレアチン(8mg/g、腸消化段階において)の添加を包含する。プロテアーゼ用量は、規定食1kg当たり100mgのプロテアーゼ酵素タンパク質(EP)である。適切なモデルは、例8に記載される。改良性のレベルは、少なくとも14%、15%又は少なくとも16%であり得る。
【0061】
さらなる特定の態様においては、本発明は、(i)WO99/03947号に開示されるノカルジオプシス・ダソンビレイNRRL18133;(ii)JP2−255081Aに開示されるノカルジオプシスsp.株OPC-201(FERM P-10508;(iii)DD20043218号に開示される種ノカルジオプシス・ダソンビレイの株ZIMET43647由来のプロテアーゼを除外する。
【0062】
核酸配列
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列にも関する。本発明の特定の核酸配列は、(i)配列番号1のヌクレオチド1-1143、1-87、88-567及び568-1143;(ii)配列番号3のヌクレオチド1-1149、1-87、88-573及び574-1149;(iii)配列番号5のヌクレオチド1-1149、1-87、88-573及び574-1149;(iv)配列番号7のヌクレオチド1-1152、1-87、88-585及び586-1152;(v)配列番号9のヌクレオチド1-1149、1-87、88-585及び586-1149;及び(vi)配列番号11のヌクレオチド1-1152、1-87、88-585及び586-1152;及び(vii)それらのいずれかの組合せである。
【0063】
特に好ましいヌクレオチドは、(i)配列番号1のヌクレオチド568-1143;(ii)配列番号3のヌクレオチド574-1149;(iii)配列番号5のヌクレオチド574-1149;(iv)配列番号7のヌクレオチド586-1152;(v)配列番号9のヌクレオチド586-1149;及び(vi)配列番号11のヌクレオチド586-1152であり;成熟ポリペプチドコード部分又は領域に対応する。
【0064】
本発明はまた、遺伝子コードの縮重により、それぞれ配列番号1 , 3, 5, 7, 9, 及び11のその対応する部分とは異なる、配列番号2, 4, 6, 8, 10 又は 12のいずれかの成熟部分を有するポリペプチドをコードする核酸配列を包含する。本発明はまた、それぞれ配列番号2, 4, 6, 8, 10 又は 12のフラグメントをコードし、そしてプロテアーゼ活性を有する、配列番号1 , 3, 5, 7, 9, 及び 11のいずれかの副配列にも関する。
【0065】
配列番号1 , 3, 5, 7, 9 又は 11のいずれかの副配列は、それぞれ配列番号1 , 3, 5, 7, 9 又は 11より包含される核酸配列であるが、但し5’及び/又は3’末端からの1又は複数のヌクレオチドが欠失されている。好ましくは、副配列は、少なくとも100, 125, 150, 175, 200, 又は少なくとも225個のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも300個のヌクレオチド、さらにより好ましくは少なくとも325, 350, 375, 400, 425, 450, 475, 500, 525, 550, 又は少なくとも560個のヌクレオチドを含む。
【0066】
本発明はまた、配列番号1 , 3, 5, 7, 9 又は 11のいずれかの成熟ポリペプチドコード部分に対して、少なくとも77.7%、好ましくは少なくとも78%, 79%, 80%, 81 %, 82%, 83%, 84%, 85%, 86%, 87%, 88%, 89%, 90%, 91 %, 92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98%, 又は少なくとも99%の程度の同一性を有するヌクレオチド配列にも関する。
ヌクレオチド同一性の程度の決定のためには、上記に言及されるプログラム“アリゲン”が使用される。
【0067】
本発明はまた、上記に列挙される(i)−(vi)のヌクレオチドのいずれか、好ましくはその成熟ペプチドコード部分に少なくとも1つの突然変異を含んで成る変異体核酸配列にも関し、ここで前記変異体核酸配列は、(i)配列番号2, 4, 6, 8, 10, 又は 12のいずれか、好ましくはその成熟ペプチドコード部分のアミノ酸配列から成るか、又は(ii)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を包含する、(i)の配列のいずれかの変異体であるか、又は(iii)上記(i)の配列のいずれかの対立遺伝子変異体であるか、又は(iv)上記(i)の配列のいずれかのフラグメントであるポリペプチドをコードする。
【0068】
ポリペプチドをコードする核酸配列を単離し、又はクローン化するために使用される技法は、当業界において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製、又はそれらの組み合わせを包含する。そのようなゲノムDNAからの本発明の核酸配列のクローニングは、例えば良く知られているポリメラーゼ鎖反応(PCR)、又は共有する構造特徴を有するクローン化されたDNAフラグメントを検出するために発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いることによってもたらされ得る。例えば、Innisなど., 1990, PCR: A Guide to Methods and Application; Academic Press, New York を参照のこと。他の核酸増幅方法、例えばリガーゼ鎖反応(LCR)、連結された活性化転写(LAT)及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)が使用され得る。核酸配列は、ノカルジオプシス株、又は他の又は関連する生物からクローン化され得、そして従って、核酸配列のポリペプチドコード領域の対立遺伝子又は種変異体であり得る。
【0069】
用語“単離された核酸配列”とは、本明細書において使用される場合、アガロース電気泳動により決定される場合、他の核酸配列を実質的に有さず、たとえば少なくとも約20%純度、好ましくは少なくとも約40%の純度、より好ましくは少なくとも約60%の純度、さらにより好ましくは少なくとも約80%の純度、及び最も好ましくは少なくとも約90%の純度である核酸配列を言及する。たとえば、単離された核酸配列は、それが再生されるであろう異なった部位にその天然の位置から核酸配列を再配置するために遺伝子工学に使用される標準のクローニング方法により得られる。クローニング方法は、ポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る所望する核酸フラグメントの切除及び単離、ベクター分子中へのフラグメントの挿入、及び核酸配列の複数コピー又はクローンが複製されるであろう宿主細胞中への組換えベクターの組み込みを包含する。核酸配列は、ゲノム、cDNA, RNA, 半合成、合成起源、又はそれらのいずれかの組み合わせのものであり得る。
【0070】
本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の修飾は、そのポリペプチドに実質的に類似するポリペプチドの合成のために必要である。用語、ポリペプチドに“実質的に類似する”とは、ポリペプチドの天然に存在しない形を言及する。それらのポリペプチドは、その天然源から単離されたポリペプチドとは、いくつかの構築された態様で異なり、たとえば非活性、熱安定性、pH最適性又は同様のものにおいて異なる変異体であり得る。
【0071】
変異体配列は、配列番号1 , 3, 5, 7, 9 又は 11のいずれかの、ポリペプチドコード部分又は成熟ペプチドコード部分として提供される核酸配列、例えばその副配列に基づいて、及び/又は核酸配列によりコードされるポリペプチドのもう1つのアミノ酸配列を生ぜしめないが、しかしプロテアーゼの生成のために意図された宿主生物のコドン使用法に対応するヌクレオチド置換の導入により、又は異なったアミノ酸配列を生ぜしめることができるヌクレオチド置換の導入により構成され得る。ヌクレオチド置換の一般的記載のためには、Fordなど., 1991, Protein Expression and Purification 2:95-107を参照のこと。低−アレルゲン性ポリペプチドが、上記に記載されるようにして調製され得る。
【0072】
そのような置換は、分子の機能に対して決定的である領域外で行われ、そしてさらに活性ポリペプチドをもたらすことは、当業者に明らかであろう。本発明の単離された核酸配列によりコードされるポリペプチドの活性に必須であり、そして従って、好ましくは置換を受けやすくないアミノ酸残基は、当業界において知られている方法、たとえば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(たとえば、Cunningham and Wells, 1989, Science 244: 1081-1085を参照のこと)。
【0073】
後者の技法においては、突然変異は分子における正に荷電された残基ごとに導入され、そしてその得られる変異体分子は、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するためにプロテアーゼ活性について試験される。基質−プロテアーゼ相互作用の部位はまた、核磁気共鳴分析、クリスタログラフィー又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、立体構造体の分析により決定され得る(たとえば、de Vos など., 1992, Science 255: 306-312; Smith など., 1992, Journal of Molecular Biology 224: 899-904; Wlodaver など., 1992, FEBS Letters 309: 59-64を参照のこと)。
【0074】
本発明はまた、配列番号1 , 3, 5, 7, 9 又は 11のいずれかの核酸配列、好ましくは成熟ペプチドコード部分、又はそれらの相補的鎖;又はその対立遺伝子及び副配列と同じ条件下でハイブリダイズする核酸プローブと、非常に低い緊縮条件、好ましくは低い緊縮条件、より好ましくは中位の緊縮条件、より好ましくは中位の高い緊縮条件、さらにより好ましくは高い緊縮条件及び最も好ましくは非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズする本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列にも関する(Sambrook など., 1989, 前記)。
【0075】
本発明はまた、(a)非常に低い、低い、中位の、中位の高い、高い又は非常に高い緊縮条件下で、上記(i)-(vi)下で言及されるヌクレオチドのいずれか、好ましくはその成熟ペプチドコード部分、又はその副配列、又は相補鎖によりDNAをハイブリダイズせしめ;そして(b)核酸配列を単離することによって生成される、単離された核酸配列にも関する。
【0076】
変異体核酸配列を生成するための方法
本発明はさらに、配列番号1 , 3, 5, 7, 9 又は 11のいずれかの成熟ポリペプチドコード配列又はその副配列中に少なくとも1つの突然変異を導入することを含んで成る、変異体核酸配列を生成するための方法に関し、ここで前記変異体核酸配列は、それぞれ配列番号2, 4, 6, 8, 10,及び12の成熟ポリペプチド;又はプロテアーゼ活性を有する、そのフラグメントから成るポリペプチドをコードする。
【0077】
1つのヌクレオチドをもう1つのヌクレオチドにより交換するためへの核酸配列中への突然変異の導入は、当業界において知られているいずれかの方法を用いて、特定部位の突然変異誘発により達成され得る。興味ある挿入体を有する、超らせん二本鎖DNAベクター及び所望する突然変異を含む2種の合成プライマーを用いる方法が特に有用である。ベクターの反対鎖に対してそれぞれ相補的なオリゴヌクレオチドプライマーは、Pfu DNAポリメラーゼによる温度サイクリングの間、延長する。プライマーの組み込みに基づいて、付着されたニッケルを含む突然変異誘発されたプラスミドが生成される。温度サイクリングに続いて、生成物は、親DNA鋳型を消化し、そして突然変異−含有の合成されたDNAについて選択するために、メチル化され、そしてヘミメチル化されたDNAに対して特異的であるDpnIにより処理される。当業界において知られている他の方法もまた使用され得る。
【0078】
核酸構造体
本発明はまた、適切な宿主細胞においてコード配列の発現を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結される本発明の核酸配列を、制御配列と適合できる条件下で含んで成る核酸構造体にも関する。発現は、ポリペプチドの生成に包含されるいずれかの段階、例えば転写、後−転写修飾、翻訳、後−翻訳修飾及び分泌(但し、それらだけには限定されない)を、包含することが理解される方法。
【0079】
“核酸構造体”とは、本明細書においては、天然に存在する遺伝子から単離され、又は他方では、天然に存在しない態様で組み合わされ、そして並置される、核酸のセグメントを含むように修飾されている、一本鎖又は二本鎖核酸分子として定義される。用語“核酸構造体”とは、核酸構造体が本発明のコード配列の発現のために必要とされるすべての制御配列を含む場合、用語“発現カセット”と同じ意味である。用語“コード配列”とは、本明細書において定義される場合、そのタンパク質生成物のアミノ酸配列を直接的に特定する核酸配列として定義される。そのコード配列の境界は、一般的に、リボソーム結合部位(原核生物)により、又はmRNAの5’末端で読み取り枠のすぐ上流に位置するATG開始コドン、及びmRNAの3’末端で読み取り枠のすぐ下流に位置する転写ターミネーター配列により決定される。コード配列は、DNA、cDNA 及び組み合わせ核酸配列を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0080】
本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列は、ポリペプチドの発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのその挿入の前、核酸配列の操作は、発現ベクターに依存して、所望されるか又は必要とされる。組換えDNA方法を用いて核酸配列を修飾するための技法は、当業界において良く知られている。
【0081】
用語“制御配列”とは、本発明のポリペプチドの発現のために必要であるか、又はそのために好都合であるすべての成分を包含するよう定義される。個々の制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列に対して生来であっても又は外来性であっても良い。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と制御配列との連結を促進する特定の制限部位を導入するためにリンカーを提供され得る。用語“作用可能に連結される”とは、本明細書においては、制御配列が、それがポリペプチドの生成を方向づけるよう、DNA配列のコード配列に対する位置に適切に配置される形状として定義される。
【0082】
制御配列は、適切なプロモーター配列、すなわち核酸配列の発現のために宿主細胞により認識される核酸配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写制御配列を含む。プロモーターは、宿主細胞において転写活性を示すいずれかの核酸配列、たとえば変異体の、切断された、及びハイブリッドのプロモーターであり得、そして宿主細胞に対して相同であるか又は異種である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られる。
【0083】
特に細胞宿主細胞において本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリlacオペロン、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)Lバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)マルトゲン性アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliguefaciens) α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・サブチリスxylA及びzylB遺伝子及び原生動物のβ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(Villa−Kamaroffなど., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731)、及びtac プロモーター(De Boer など., 1983, Proceedings of the National Academy of Science USA 80: 21-25)である。さらなるプロモーターは、“Useful proteins from recombinant bacteria” in Scientific American, 1980, 242: 74-94; 及びSambrookなど., 1989, 前記に記載される。
【0084】
糸状菌宿主細胞における本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・アワモリグルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイリパーゼ、アスペルギラス・オリザエ アルカリプロテアーゼ、アスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアセトアミダーゼ、及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ(WO96/00787号)をコードする遺伝子から得られるプロモーター、並びにアスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ及びアスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッド、及びそれらの変異体の切断され、及びハイブリッドのプロモーターである。
【0085】
酵母宿主においては、有用なプロモーターは、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセス・セレビシアエガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)、及びサッカロミセス・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼから得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは、Romunosなど., 1992, Yeast8:423−488により記載される。
【0086】
制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列、すなわち転写を終結するために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の3’側末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのターミネーターが本発明において使用され得る。
【0087】
糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、アスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼ及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼについての遺伝子から得られる。
【0088】
酵母宿主細胞のための好ましいターミネーターは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ、サッカロミセス・セレビシアエチトクロムC(CYC1)、及びサッカロミセス・セレビシアエグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼについての遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、Romanosなど., 1992, 前記により記載される。
【0089】
細菌宿主細胞、例えばバチルス宿主細胞のための好ましいターミネーターは、バチルス・リケニホルミスα−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bチルス・ステアロサーモフィラスマルトゲン性アミラーゼ遺伝子(amyM)、又はバチルス・アミロリケファシエンスα−アミラーゼ遺伝子(amyQ)からのターミネーターである。
【0090】
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。
【0091】
酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセル・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼ、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)についての遺伝子から得られる。
【0092】
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわち核酸配列の3’末端に操作可能に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのポリアデニル化配列が,本発明において使用される。
【0093】
糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギキラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、フサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ及びアスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990により記載されている。
【0094】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてそのコードされたポリペプチドを細胞の分泌路中に方向づけるシグナルペプチドコード領域でもあり得る。核酸配列のコード配列の5’側末端は、本来、分泌されたポロペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して、天然において連結されるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。他方では、コード配列の5’側末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。そのコード配列が天然において、シグナルペプチドコード領域を含まない外来性シグナルペプチドコード領域が必要とされる。他方では、外来性シグナルペプチドコード領域は、ポリペプチドの増強された分泌を得るために、天然のシグナルペプチドコード領域を単純に置換することができる。しかしながら、分泌路中に発現されたポリペプチドを方向づけるいずれかのシグナルペプチドコード領域が、本発明に使用され得る。
【0095】
細菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、バチルスNCIB11837マルトゲン性アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ、バチルス・リケニホルミススブチリシン、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ、バチルス・アステロサーモフィラス中性プロテアーゼ(nprT, nprS, nprM)、及びバチルス・スブチリスprsAについての遺伝子から得られるシグナルペプチド領域である。追加のシグナルペプチドは、Sinomen and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137 により記載される。
【0096】
糸状菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガー中性アミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイアスペラギン酸プロテイナーゼ、ヒューミコラ・インソレンスセルラーゼ及びヒューミコラ・ラヌギノサリパーゼについての遺伝子から得られたシグナルペプチドコート領域である。
酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセル・セレビシアエインバーターゼについての遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanos など., 1992, 前記により記載される。
【0097】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端で位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又は多くの場合、チモーゲン)として知られている。プロポリペプチドは一般的に不活性であり、そしてプロポリペプチドからプロペプチドの触媒又は自己触媒分解により成熟した活性ポリペプチドに転換され得る。プロペプチドコード領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ(nprT)、サッカロミセス・セレビシアエα−因子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、及びミセリオプソラ・サーモフィリア ラッカーゼについての遺伝子から得られる(WO95/33836号)。
【0098】
好ましい態様においては、シグナルペプチドコード領域は、配列番号1 , 3, 5, 7, 9,又は 11のいずれかのシグナルペプチドコード領域である。
もう1つの好ましい態様においては、プロペプチドコード領域は、配列番号1 , 3, 5, 7, 9,又は 11のいずれかのプロペプチドコード領域である。
シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
【0099】
宿主細胞の増殖に関して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することがまた所望される。調節システムの例は、調節化合物の存在を包含する、化学的又は物理的刺激に応答して、遺伝子の発現の開始又は停止を引き起こすそれらのシステムである。原核生物系における調節システムは、lac, tac及びtrpオペレーターシステムお包含する。酵母においては、ADH2システム又はGAL1システムが使用され得る。
【0100】
糸状菌においては、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼプロモーター及びアスペルギラス・オリザエグルコアミラーゼプロモーターが、調節配列として使用さえ得る。調節配列の他の列は、遺伝子増幅を可能にするそれらの配列である。真核システムにおいては、それらはメトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属と共に増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、ポリペプチドをコードする核酸配列が、調節配列により作用可能に連結される。
【0101】
発現ベクター
本発明はまた、本発明の核酸配列、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクターにも関する。上記の種々の核酸及び制御配列は、1又は複数の便利な制限部位でポリペプチドをコードする核酸配列の挿入又は置換を可能にするためにそれらの部位を含むことができる組換え発現ベクターを生成するために一緒に連結され得る。他方では、本発明の核酸配列は、前記配列又は前記配列を含んで成る核酸構造体を、発現のための適切なベクター中に挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創造する場合、そのコード配列はベクターに位置し、その結果、コード配列は発現のための適切な制御配列により作用可能に連結される。
【0102】
組換え発現ベクターは、組換えDNA方法に便利にゆだねられ得、そして核酸配列の発現をもたらすことができるいずれかのベクター(たとえば、プラスミド又はウィルス)であり得る。ベクターの選択は典型的には、ベクターが導入される予定である宿主細胞とベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線状又は閉環された環状プラスミドであり得る。
【0103】
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体存在物として存在するベクター(その複製は染色体複製には無関係である)、たとえばプラスミド、染色体外要素、ミニクロモソーム又は人工染色体であり得る。ベクターは自己複製を確かめるためのいずれかの手段を含むことができる。他方では、ベクターは、糸状菌細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNA又はトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクター又はプラスミド、又は複数のベクター又はプラスミドが使用され得る。
【0104】
本発明のベクターは好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1又は複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、1つの遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養要求性、及び同様のものを提供する。細菌選択マーカーの例は、バチルス・サブチリス又はバチルス・リケニホルミスからのdal遺伝子、又は抗生物質、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性を付与するマーカーである。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1及びURA3である。
【0105】
糸状菌宿主細胞に使用するための選択マーカーは、次の群から選択されるが、但しそれらだけには限定されない;amdS (アセトアミダーゼ)、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD (硝酸レダクターゼ)、pyrG (オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) 及びtrpC (アントラニル酸シンターゼ)、並びにそれらの同等物。アスペルギラス・ニジュランス又はアスペルギラス・オリザエのamdS及びpyrG遺伝子及びストレプトミセス・ヒグロスコピカスのbar遺伝子が、アスペルギラス細胞への使用のために好ましい。
【0106】
本発明のベクターは好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定した組み込み、又は細胞のゲノムに無関係に細胞におけるベクターの自律的複製を可能にする要素を含む。
【0107】
宿主細胞のゲノム中への組み込みのためには、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノム中へのベクターの安定した組み込みのためのベクター中のポリペプチド、又はいずれか他の要素をコードする核酸配列に依存する。他方では、ベクターは、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを方向づけるための追加の核酸配列を含むことができる。その追加の核酸配列は、染色体における正確な位置での宿主細胞ゲノム中へのベクターの組み込みを可能にする。
【0108】
正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は好ましくは、相同組換えの可能性を高めるために対応する標的配列と高い相同性を示す十分な数の核酸、たとえば100〜1,500個の塩基対、好ましくは400〜1,500個の塩基対、及び最も好ましくは800〜1,500個の塩基対を含むべきである。組み込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配合と相同であるいずれかの配列であり得る。さらに、組み込み要素は、非コード又はコード核酸配列であり得る。他方では、ベクターは非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
【0109】
自律複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてのベクターの自律的な複製を可能にする複製の起点を含んで成る。複製の細菌起点の例は、E.コリにおける複製を可能にするプラスミドpBR322, pUC19, pACYC177及びpACYC184, 及びバチルスにおける複製を可能にするpUB110, pE194, pTA1060及びpAMβ1の複製の起点である。酵母宿主細胞への使用のための複製の起点の例は、複製の2ミクロン起点、すなわちARS1, ARS4, ARS1及びCEN3の組み合わせ、及びARS4及びCEN6の組み合わせである。複製の起点は、宿主細胞においてその機能を感温性にする突然変異を有する起点である(例えば、Ehrlich, 1978, Procedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1433を参照のこと)。
【0110】
本発明の核酸配列の1以上のコピーが、遺伝子生成物の生成を高めるために宿主細胞中に挿入され得る。核酸配列のコピー数の上昇は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、又は核酸配列と共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ、ここで細胞は選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、そしてそれにより、核酸配列の追加のコピーが、適切な選択剤の存在下で前記細胞を培養することによって選択され得る。
【0111】
本発明の組換え発現ベクターを構成するために上記要素を連結するために使用される方法は、当業者に良く知られている(例えば、Sambrookなど., 1989, 前記を参照のこと)。
プロテアーゼはまた、動物飼料のための興味ある少なくとも1つの他の酵素、例えばアミラーゼ; フィターゼ; キシラナーゼ ;ガラクタナーゼ; α−ガラクトシダーゼ; プロテアーゼ;ホスホリパーゼ; 及び/又はβ-グルカナーゼと共に同時発現され得る。
【0112】
酵素は、異なったベクターから、1つのベクターから、又は両技法の混合物を用いて、同時発現され得る。異なったベクターを用いる場合、ベクターは、異なった選択マーカー、及び複数の異なった起点を有することができる。わずか1つのベクターを用いる場合、遺伝子は、1又は複数のプロモーターから発現され得る。1つのプロモーター(二又は多−シストロン性)の調節下でクローン化される場合、遺伝子がクローン化される順序はタンパク質の発現レベルに影響を及ぼすことができる。プロテアーゼはまた、プロテアーゼをコードする遺伝子がもう1つのタンパク質をコードする遺伝子に整合して融合されている融合タンパク質として発現され得る。このタンパク質は、もう1つの酵素、又はもう1つの酵素からの機能的ドメインであり得る。
【0113】
宿主細胞
本発明はまた、ポリペプチドの組換え生成において都合良く使用される、本発明の核酸配列を含んで成る組換え宿主にも関する。本発明の核酸配列を含んでなるベクターは、そのベクターが染色体組み込み体として、又は前記のような自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入される。用語“宿主細胞”とは、複製の間に生じる突然変異のために、親細胞と同一ではない親細胞のいずれかの子孫を包含する。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子及びその源に、かなりの程度依存するであろう。
【0114】
宿主細胞は、単細胞微生物、例えば原核生物、又は単細胞微生物、真核生物であり得る。
有用な単細胞は、細菌細胞、例えばグラム陽性細菌、例えばバチルス細胞又はストレプトミセス細胞、又は乳酸菌の細胞;又はグラム陰性細菌、例えばE.コリ及びシュードモナスsp. である。乳酸菌は、ラクトコーカス(Lactococcus)、ラクトバシラス(Lactobacillus)、リュコノストック(Leuconostoc)、ストレプトコーカス(Streptococcus)、ペジオコーカス(Pediococcus)及びエンラロコーカス(Enterococcus)を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0115】
細菌宿主細胞中へのベクターの導入は例えば、コンピテント細胞(たとえば、Young and Spizizin, 1961, Journal of Bacteriology 81: 823-829, 又はDubnau and Davidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56: 209-221 を参照のこと)を用いてプロトプラスト形質転換(たとえば、Changand Cohen, 1979, Molecular General Genetics 168: 111-115)、エレクトロポレーション(たとえば、Shigekawa and Dower, 1988, Biotechniques 6: 742-751を参照のこと)又は接合(たとえば、Koehler and Thorne, 1987, Journal of Bacteriology 169: 5771-5278を参照のこと)によりもたらされ得る。
宿主細胞は、真核生物、たとえば非−ヒト動物細胞、昆虫、植物、又は菌類細胞であり得る。
【0116】
1つの特定の態様においては、宿主細胞は菌類細胞である“菌類”とは、本明細書において使用される場合、門アスコミコタ(Ascomycota)、バシジオミコタ(Basidiomycota)、キトリジオミコタ(Chytridiomycota)及びヅイゴミコタ(Zygomycota)(Hawksworth など., Ainsworth and Bisby’s Dictionary of the Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UKにより定義される)、及びオーミコタ(Oomycota)(Hawksworth など., 1995, 前記、171ページに引用される)、並びに栄養胞子菌(Hawksworh など., 1995, 前記)を包含する。
【0117】
もう1つの特定の態様においては、菌類宿主細胞は酵母細胞である“酵母”とは、本明細書において使用される場合、子嚢胞子酵母(Endomycetals)、担子胞子酵母、及び不完全菌類(Blastomycetes)に属する酵母を包含する。酵母の分類は未来において変化し得るので、本発明のためには、酵母は、Biology and Activities of Yeast (Skinner, F.A., Passmore, S.M., and Davenport, R.R., eds. Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9, 1980) に記載のようにして定義されるであろう。
酵母宿主細胞は、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Hunsenula)、クレベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)又はヤロウィア(Yarrowia)である。
【0118】
菌類宿主細胞は糸状菌細胞である。“糸状菌”とは、ユーミコタ(Eumycota)及びオーミコタ(Oomycota)のすべての糸状形を包含する(Hawksworthなど., 1995, 前記により定義されるような)。糸状菌は一般的に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複合多糖類から構成される菌子体壁により特徴づけられる。成長増殖は、菌子拡張によってであり、そして炭素代謝は絶対好気性である。対照的に、酵母、たとえばサッカロミセス・セレビシアエによる成長増殖は、単細胞葉状体の発芽によってであり、そして炭素代謝は発酵性である。
【0119】
糸状菌宿主細胞の例は、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネウロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicilium)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)又はトリコダーマ(Trichoderma)の種の細胞であるが、但しそれらだけには限定されない。
【0120】
菌類細胞は、プロトプラスト形質転換、プロトプラストの形質転換、及びそれ自体知られている態様での細胞壁の再生を包含する工程により形質転換され得る。アスペルギラス宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、ヨーロッパ特許第238023号及びYeltonなど., 1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81; 1474-1874に記載される。フラリウム種を形質転換するための適切な方法は、Malardierなど., 1989, Gene78: 147-156, 及びWO96/00787号により記載される。酵母は、Becker and Guarente. In Abelson, J.N. and Simon, M.I., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Volume 194, pp 182-187, Academic Press, Inc., New York; Ito など, 1983, Journal of Bacteriology 153: 163; 及びHinnen など, 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75; 1920により記載される方法を用いて形質転換され得る。
【0121】
生成方法
本発明はまた、(a)ポリペプチドを含んで成る上清液を生成するために、その野生型において、ポリペプチドを生成することができる、菌株を培養し;そして(b)ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関する。好ましい態様においては、前記菌株は、門アクチノバクテリア(Actinobacteria)、好ましくは綱アクチノバクテリア、より好ましくは放線菌目(Actinomycetales)、さらにより好ましくは科ノカルジオサセアエ(Nocardiopsaceae)、及び最も好ましくは属ノカルジオプシス(Nocardiopsis)、例えば種ノカルジオプシスのいずれか、例えば前記に列挙される特定菌株のものである。
【0122】
本発明はまた、(a)ポリペプチドの生成を助ける条件下で宿主細胞を培養し;そして(b)ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関する。
【0123】
本発明はまた、(a)ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で宿主細胞を培養し、ここで前記宿主細胞は配列番号1 , 3, 5, 7, 9, 又は 11のいずれかの成熟ペプチドコード部分に少なくとも1つの突然変異を含んで成る変異体核酸配列を含んで成り、ここで前記変異体核酸配列が、(i)それぞれ配列番号2, 4, 6, 8, 10, 又は12のいずれかの成熟ペプチドから成るか、又は(ii)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入を含んで成る、(i)の配列のいずれかの変異体であるか、又は(iii)上記(i)の配列のいずれかの対立遺伝子変異体であるか、又は(iv)上記(i)の配列のいずれかのフラグメントであるポリペプチドをコードし;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドの生成方法にも関する。
【0124】
本発明の生成方法においては、細胞は、当業界において知られている方法を用いて、ポリペプチドの生成のために適切な栄養培地において培養される。例えば、細胞は、ポリペプチドの発現及び/又は単離を可能にする、適切な培地において、及び条件下で行われる実験室用又は産業用発酵器において、振盪フラスコ培養、小規模又は大規模発酵(連続、バッチ、供給バッチ、又は団体状態発酵を包含する)により培養され得る。培養は、炭素及び窒素源及び無機塩を含んで成る適切な栄養培地において、当業界において知られている方法を用いて行われる。適切な培地は、市販されているか、又は公開されている組成(例えば、American Type Culture Collection のカタログにおける)に従って調製され得る。ポリペプチドが栄養培地に分泌される場合、ポリペプチドは培地から直接的に回収され得る。ポリペプチドが分泌されない場合、それは細胞溶解物から回収され得る。
【0125】
ポリペプチドは、そのポリペプチドに対して特異的である、当業界において知られている方法を用いて検出され得る。それらの検出方法は、特定の抗体、酵素生成物の形成、又は酵素基質の消出の使用を包含する。例えば、プロテアーゼアッセイは、本明細書に記載されるようなポリペプチドの活性を決定するために使用され得る。
得られるポリペプチドは、当業界において知られている方法により回収され得る。例えば、ポリペプチドは、従来の方法、例えば遠心分離、濾過、抽出、噴霧−乾燥、蒸発又は沈殿(但し、それらだけには限定されない)により、栄養培地から回収され得る。
【0126】
本発明のポリペプチドは、当業界において知られている種々の方法、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気泳動方法(例えば、分離用等電点電気泳動)、示差溶解性(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、SDS−PAGE又は抽出(但し、それらだけには限定されない)により精製され得る(例えば、Protein Purification, J.C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publlishers, New York, 1989を参照のこと)。
【0127】
植物
本発明はまた、ポリペプチドを、回収できる量で発現し、そして生成するために、本発明のフィターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列により形質転換されているトランスジェニック植物、その植物部分又は植物細胞にも関する。ポリペプチドは、植物又は植物部分から回収され得る。他方では、組換えポリペプチドを含む植物又は植物部分は、食物又は飼料の品質を改良し、例えば栄養価値、嗜好性及び流動性質を改良するために、又は抗栄養因子を破壊するために使用され得る。
【0128】
特定の態様においては、ポリペプチドは、種子の内生精子貯蔵液胞にも標的化される。これは、適切なシグナルペプチドにより前駆体としてそれを合成することによって行われる。Horvath など .、PNAS, Feb. 15,2000, vol. 97, no. 4, p. 1914-1919を参照のこと。
【0129】
トランスジェニック植物は、双子葉植物又は単子葉植物又は構築されたその変異体であり得る。単子葉植物の例は、草、例えば湿潤地の草本(ブルーグラス、イチゴツナギ属)、飼草、例えばウシノケグサ、ドクムギ、温帯性草本、例えばヌカボ、及び穀類、例えば小麦、オート麦、ライ麦、イネ、モロコシ、ライコムギ(小麦(Triticum)及びライ麦(Secale)の安定化されたハイブリッド)及びトウモロコシ(サトウモロコシ)である。双子葉植物の例は、タバコ、マメ科植物、ルピナス、ジャガイモ、砂糖大根、エンドウ、インゲン豆及び大豆、及びアブラナ科植物(ブラシカセアエ科(Brassicaceae))、例えばヒマワリ(Helianthus)、綿(Gossypium)、カリフラワー、ナタネ種子及び密接に関連するモデル生物アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)である。例えば、アメリカ特許第5,689,054号及び第6,111,168号に記載されるような低−フィテート植物は、構築された植物の例である。
【0130】
植物部分の例は、茎、カルス、葉、根、果物、種子及び塊茎、並びにそれらの部分を含んで成る個々の組織、例えば表皮、葉肉、柔組織、維管束組織、分裂組織である。また特定の植物細胞区画、例えばクロロプラスト、アポプラスト、ミトコンドリア、液胞、ペルオキシゾーム及び細胞質が、植物部分であると思われる。さらに、組織起源が何であろうと、いずれの植物細胞でも、植物部分であると思われる。同様に、植物部分、例えば本発明の利用を促進するために単離された特定の組織及び細胞はまた、植物部分、例えば胚、内生精子、アリューロン及び被膜であると思われる。
【0131】
そのような植物、植物部分及び植物細胞の子孫はまた、本発明の範囲内に包含される。
本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物又は植物細胞は、当業界において知られている方法に従って構成され得る。手短には、植物又は植物細胞は、本発明のポリペプチドをコードする、1又は複数の発現構造体を、植物宿主ゲノム中に導入し、そして得られる修飾された植物又は植物細胞をトランスジェニック植物又は植物細胞中に成長せしめることによって構成される。
【0132】
便利には、発現構造体は、選択の植物又は植物における核酸配列の発現のために必要とされる適切な調節配列により作用可能に連結される本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る核酸構造体である。さらに、発現構造体は、発現構造体が組み込まれている宿主細胞を同定するために有用な選択マーカー、及び問題の植物中への構造体の導入のために必要なDNA配列を含んで成る(後者は、使用されるDBA導入方法に依存する)。
【0133】
調節配列、例えばプロモーター及びターミネーター配列、及び任意には、シグナル又はトランスジット配列の選択は、例えばポリペプチドがいつ、どこで及びいかにして発現されることを所望するかに基づかれる。例えば、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の発現は、構成的又は誘発的であり、又は進行的、段階又は組織特異的であり、そして遺伝子生成物は、特定組織又は植物部分、例えば種子又は葉に標的化され得る。調節配列は、Taqueなど., 1988, Plant Physiology 86: 506により記載される。
【0134】
構成的発現のために、次のプロモーターが使用され得る:35S−CaMVプロモーター(Franck など., 1980, Cell 21: 285-294)、トウモロコシユビキチン1(Christensen AH, Sharrock RA and Quail 1992. Maize polyubiquitin genes: structure, thermal perturbation of expression and transcript splicing, and promoter activity following transfer to protoplasts by electroporation)、又はイネアクチン1プロモーター(Plant Mo. Biol. 18,675-689. ; Zhang W, McElroy D. and Wu R 1991, Analysis of rice Act1 5'region activity in transgenic rice plants. Plant Cell 3,1155-1165)。
【0135】
器官特異的プロモーターは例えば、貯蔵吸込み組織、例えば種子、ジャガイモ塊茎及び果物(Edwards & Coruzzi, 1990, Ann. Rev. Genet. 24: 275-303)、又は代謝吸込み組織、例えば分裂組織(Ito など., 1994, Plant Mol. Biol. 24: 863-878)からのプロモーター、種子特異的プロモーター、例えばイネからのグルテリン、プロラミン、グロブリン又はアルブミンプロモーター(Wu など., 1998, Plant and Cell Physiology 39: 885- 889)、Vicia fabaからのレグニンB4及び未知の種子タンパク質遺伝子からのVicia fabaプロモーター(Conrad など., 1998, Journal of Plant Physiology 152: 708-711)、種子油体タンパク質からのプロモーター(Chen など., 1998, Plant and Cell Physiology 39: 935-941)、ブラシカ・ナパス(Brassica napus)からの貯蔵タンパク質napAプロモーター又は当業界において知られている、例えばWO91/14772号に記載されるようないずれか他の種子特異的プロモーターであり得る。
【0136】
さらに、プロモーターは、葉特異的プロモーター、例えばイネ又はトマトからのrbcsプロモーター(Kyozuka など., 1993, Plant Physiology 102: 991-1000)、クロレラウィルスアデニンメチルトランスフェラーゼ遺伝子プロモーター(Mitra and Higgins, 1994, Plant Molecular Biology 26: 85-93)、又はイネからのaldP遺伝子プロモーター(Kagaya など., 1995, Molecular and General Genetics 248: 668-674)、又は創傷誘発性プロモーター、例えばジャガイモpin2プロモーター(Xu など., 1993, Plant Molecular Biology 22 : 573-588)であり得る。同様に、プロモーターは、非生物学的処理、例えば温度、渇水又は塩分の変更により誘発できるか、又はプロモータを活性化する外部的に適用される物質、例えばエタノール、エストロゲン、植物ホルモン様エチレン、アブシジン酸、ジベレリン酸及び/又は重金属により誘発できる。
【0137】
プロモーターエンハンサー要素がまた、植物におけるプロテアーゼのより高い発現を達成するために使用され得る。例えば、プロモーターエンハンサー要素は、プロモーターと、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に位置するイントロンであり得る。例えば、Xuなど., 1993(前記)は、発現を増強するためへのイネアクチン1遺伝子の最初のイントロンの使用を開示する。
【0138】
さらに、コドン使用法は、発現を改良するために、問題の植物種のために最適化され得る(上記に言及されるHorvathなどを参照のこと)。
発現構造体の選択マーカー遺伝子及びいずれか他の部分は、当業界において入手できるそれらから選択され得る。
【0139】
核酸構造体は、当業界において知られている従来の技法、例えばアグロバクテリウム介在性形質転換、ウィルス介在性形質転換、マイクロインジェクション、粒子衝撃、バイオリステック形質転換及びエレクトロポレーションに従って、植物ゲノム中に組込まれる(Gasserなど., 1990, Science 244: 1293; Potrykus, 1990, BiolTechnology 8 : 535; Shimamoto など., 1989, Nature 338: 274)。
【0140】
現在、アグロバクテリウム・ツメファシエンス介在性遺伝子トランスファーは、トランスジェニック双子葉類を生成するための選択方法であり(再考のためには、Hooykas and Schilperoort, 1992, Plant Molecular Biology 19: 15-38を参照のこと)、そして、それはまた、単子葉類を形質転換するためにも使用され得るが、しかし他の形質転換方法が一般的にそれらの植物のために好ましい。現在、アグロバクテリウムアプローチを補足する、トランスジェニック単子葉類を生成するための選択方法は、胚細胞又は成長胚の粒子衝撃である(形質転換DNAにより被覆された微小金又はタングステン粒子)(Christou, 1992, Plant Journal 2 : 275-281; Shimamoto, 1994, Current Opinion Biotechnology 5: 158-162; Vasil など., 1992, BiolTechnology 10: 667-674)。単子葉類の形質転換のための他の方法は、Omirullehなど., 1993, Plant Molecular Biology21: 415-428により記載されるようにプロトプラスト形質転換に基づかれる。
【0141】
形質転換に続いて、そこに組込まれた発現構造体を有する形質転換体が選択され、そして当業界において良く知られていた方法に従って、完全な植物に再生される。しばすば、形質転換方法は、2種の別々のT-DNA構造体による同時形質転換を用いることによる、再生の間又は次の生成において、選択遺伝子の選択的排除、又は特異的組換え酵素による選択遺伝子の部位特異的排除のために企画される。
【0142】
本発明はまた、(a)本発明のプロテアーゼ活性有するポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成るトランスジェニック植物又は植物細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けとなる条件下で栽培し、そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関する。
【0143】
動物
本発明はまた、トランスジェニック非ヒト動物及びその生成物又は要素にも関し、その例は体液、例えば乳汁及び血液、器官、肉及び動物細胞である。例えば、哺乳類細胞においてタンパク質を発現するための技法は当業界において知られている。例えば、ハンドブック Protein Expression: A Practical Approach, Higgins and Hames (eds), Oxford University Press (1999), 及びGene Transcription, RNA processing, and Post-translational Processingに関するこのシリーズの他の3種のハンドブックを参照のこと。一般的には、トランスジェニック動物を調製するために、選択された動物の選択された細胞が、本発明のプロテアーゼ活性有するポリペプチドをコードする核酸配列により形質転換され、ポリペプチドが発現され、そして生成される。ポリペプチドが、動物から、例えば雌動物の乳汁から回収され、又はそれは動物自体の有益性のために、例えば動物の消化を助けるために発現され得る。動物の例は、下記の動物飼料及び動物飼料添加物のセクションに言及されている。
【0144】
動物の乳汁からプロテアーゼを回収する観点から、トランスジェニック動物を生成するためには、プロテアーゼをコードする遺伝子が問題の動物の受精卵中に、例えば適切な乳汁タンパク質プロモーター及びプロテアーゼをコードする遺伝子を含んで成るトランスジーン発現ベクターの使用により挿入され得る。トランスジーン発現ベクターは、受精卵中にマイクロインジェクションされ、そして好ましくは、染色体中に永久的に組込まれる。卵が成長し、そして分裂し始めると、可能性ある胚が代理母中に移植され、そしてトランスジーンを担持する動物が同定される。次に、その得られる動物は、従来の飼育により繁殖される。
【0145】
フィターゼ変異体が動物の乳汁から精製される。例えば、Meade, H. M. など(1999): Expression of recombinant proteins in the milk of transgenic animals, Gene expression systems: Using nature for the art of expression. J. M. Fernandez and J. P. Hoeffler (eds. ), Academic Pressを参照のこと。
他方では、その体細胞及び/又は生殖細胞のゲノムに、プロテアーゼをコードするトランスジーンを含む異種トランスジーン構造体を包含する核酸配列を担持するトランスジェニック非ヒト動物を生成するために、トランスジーンが、WO2000064247号に開示されるように、フィターゼ変異体の唾液腺特異的発現のための第1の調節配列に作用可能に連結され得る。
【0146】
組成物
さらなる観点においては、本発明は、本発明のポリペプチドを含んで成る組成物に関する。
ポリペプチド組成物は、当業者において知られている方法に従って調製され得、そして液体又は乾燥組成物の形で存在することができる。例えば、ポリペプチド組成物は、粒子又は微粒子の形で存在することができる。組成物に含まれるポリペプチドは、当業界において知られている方法に従って安定化され得る。
本発明のポリペプチド又はポリペプチド組成物の好ましい使用の例が下記に与えられる。
【0147】
動物飼料
本発明はまた、動物飼料への本発明のポリペプチドの使用方法、及び本発明のポリペプチドを含んで成る飼料生成物及び飼料添加物にも向けられる。
用語、動物とは、ヒトを包含するすべての動物を包含する。動物の例は、非反芻動物、及び反芻動物である。反芻動物は例えば、動物、例えば羊、ヤギ、馬及び蓄牛、例えば肉ウシ、乳牛及び子牛を包含する。特定の態様においては、動物は非反芻動物である。非反芻動物は、単一の胃を有する動物、例えばブタ又はイノシシ(子ブタ、成長しているブタ及び雌ブタを包含するが、但しそれらだけには限定されない);家禽類、例えば七面鳥、鴨及び鶏(ブロイラー鶏、産卵鶏を包含するが、但しそれらだけには限定されない);子牛;及び魚(サケ、マス、ティラピア、ナマズ、及び鯉を包含するが、但しそれだけには限定されない);及び甲殻類(小エビ及び車えびを包含するが、但しそれだけには限定されない)を包含する。
【0148】
用語、飼料又は飼料組成物とは、動物のために適切な、又は動物による摂取のために意図された、いずれかの化合物、調製物、混合物又は組成物を意味する。
本発明従っての使用においては、プロテアーゼは、食事の前、後又は同時に動物に供給され得る。後者が好ましい。
【0149】
特定の態様においては、プロテアーゼは、それが飼料に添加される形において、又は飼料添加物に含まれる場合、良く定義されている。良く定義されたということは、プロテアーゼ調製物がサイズ排除クロマトグラフィーにより決定される場合、少なくとも50%の純度であることを意味する(WO01/58275号の例12を参照のこと)。他の特定の態様においては、プロテアーゼ調製物は、この方法により決定される場合、少なくとも60、70、80、85、88、90、92、94又は少なくとも95%の純度である。
【0150】
十分に定義されたプロテアーゼ調製物が好都合である。例えば、干渉性又は汚染性の他のプロテアーゼを実質に有さないプロテアーゼを、飼料に正しく適量に分けることがより容易である。用語“適量に分ける”とは、一貫した及び一定した結果を得ることの目的、及び所望する効果に基づいて用量を最適化する能力を正しくは言及する。
しかしながら、動物飼料への使用に関しては、純粋であるプロテアーゼは必要ではなく;それは他の酵素を含むことができ、この場合、それはプロテアーゼ調製物と呼ばれる。
【0151】
プロテアーゼ調製物は、(a)飼料に直接的に添加され得(又はタンパク質の処理工程に直接的に使用され得る)、又は(b)1又は複数の中間体組成物、例えば続いて飼料に添加される(又は処理工程に使用される)飼料添加物又はプレミックスの生成に使用され得る。上記純度の程度は、上記(a)又は(b)のいずれに従って使用されても、元のプロテアーゼ調製物の純度を言及する。
【0152】
この高さの程度の純度を有するプロテアーゼ調製物は特に、組換え生成方法を用いて得ることができ、ところがそれらは、プロテアーゼが従来の発酵方法により生成される場合、得るにはそんなに容易ではなく、そしてより高いバッチからバッチへの変動を受けやすい。
そのようなプロテアーゼ調製物はもちろん、他の酵素と共に混合され得る。
特定の態様においては、本発明の使用のためのプロテアーゼは、タンパク質を溶解することができる。溶解されたタンパク質を決定するための適切なアッセイは、例5に開示される。
【0153】
前記タンパク質は、動物タンパク質、例えば肉及び骨粉、及び/又は魚粉であり得るが;又はそれは植物タンパク質であり得る。
用語“植物タンパク質”とは、本明細書において使用される場合、植物由来の又は植物起源の少なくとも1つのタンパク質、例えば修飾されたタンパク質及びタンパク質誘導体を含む、いずれかの化合物、組成物、調製物又は混合物を言及する。特定の態様においては、植物タンパク質中のタンパク質含有率は、少なくとも10、20、30、40、50、又は60%(w/w)である。
【0154】
植物タンパク質は、植物タンパク質源、例えばマメ科植物及び穀物、例えばマメ科(Leguminosae)、アブラナ科、アカザ科及びイネ科、例えば大豆粉、ルピナス粉及びナタネ種子粉由来のものである。
特定の態様においては、植物タンパク質源は、1又は複数のマメ科植物、例えば大豆、ルピナス、エンドウ又はインゲン豆からの材料である。
【0155】
もう1つの特定の態様においては、植物タンパク質源は、1又は複数のアカザ科植物、例えばビート、砂糖大根、ホウレンソウ又はキノアからの材料である。
植物タンパク質源の他の例は、ナタネ種子、ヒマワリ種子、綿種子及びキャベツである。
大豆は、好ましい植物タンパク質源である。
植物タンパク質源の他の例は、穀物、例えば大麦、小麦ライ麦、オート麦、トウモロコシ、イネ、ライコムギ及びモロコシである。
【0156】
少なくとも1つの本発明のプロテアーゼによるタンパク質の本発明に従っての処理が、ブランクに比較して、タンパク質の高められた溶解性をもたらす。少なくとも101%、又は102%, 103%, 104%, 105%, 106%又は少なくとも107%の溶解されたタンパク質が、本明細書における例8のインビトロモデルに関係する、本発明のプロテアーゼを用いて得られる。用語“タンパク質の可溶化”とは基本的に、タンパク質を溶液にすることを意味する。そのような可溶化は、通常複雑な天然の組成物、例えば飼料の他の成分からのタンパク質のプロテアーゼ介在性開放のためであり得る。溶解性は、プロテアーゼ処理を伴わないサンプルに対しての溶解性タンパク質の量の上昇として測定され得る。
【0157】
少なくとも1つの本発明のプロテアーゼによるタンパク質の本発明に従っての処理が、ブランクに比較して、タンパク質の高められた消化性をもたらす。少なくとも101%又は 102%, 103%, 104%, 105%, 106%, 107%, 108%, 109%, 110%, 111%, 112%, 113%, 114%, 115%, 又は少なくとも116%の消化できるタンパク質が、本明細書における例8のインビトロモデルに関係する、本発明のプロテアーゼを用いて得られる。
【0158】
処理工程の特定の態様においては、問題のプロテアーゼは、タンパク質、例えば植物タンパク質又はタンパク質源に影響を及ぼす(又は作用するか、又はその溶解影響を発揮する)。これを達成するためには、タンパク質又はタンパク質源は典型的には、溶媒、例えば水性溶媒、例えば水に懸濁され、そしてpH及び温度が調節され、問題の酵素の特徴が考慮される。例えば処理は、実際のプロテアーゼの活性が少なくとも5%, 10%, 20%, 30%, 40%, 50%, 60%, 70%, 80%, 又は少なくとも90%であるpH値で生じる。同様に、例えば処理は、実際のプロテアーゼの活性が少なくとも5%, 10%, 20%, 30%, 40%, 50%, 60%, 70%, 80%, 又は少なくとも90%である温度で生じる。上記%活性の表示は、最大活性に対してである。酵素反応は、所望する結果が達成されるまで続けられ、これに続いて、それは、例えば熱処理段階による酵素の不活性化により停止されても又はされなくても良い。
【0159】
本発明の処理方法のもう1つの特定の態様においては、プロテアーゼ作用が維持され、これは、例えばプロテアーゼがタンパク質又はタンパク質源に添加されるが、しかしその溶解性の影響はいわゆる、適切な溶解条件が確立されると、又はいずれかの酵素インヒビターが不活性化されると、又は他の手段が酵素の作用を延長するために適用されたとしても、所望される場合、後まで“スイッチオン”されない。
【0160】
1つの態様においては、処理は、動物飼料への使用のための動物飼料又はタンパク質の前−処理である。
用語、動物飼料の栄養価値を改良するとは、タンパク質の利用性を改良し、それにより、規定食成分からの高められたタンパク質抽出、高いタンパク質収率、高められたタンパク質分解及び/又は改良されたタンパク質利用性を導くことを意味する。従って、飼料の栄養価値が高められ、そして動物の能力、例えば動物の成長速度及び/又は体重の増加及び/又は飼料転換割合(すなわち、体重の増加に対する摂取された飼料の重量)が改良される。
【0161】
プロテアーゼは、それが比較的純粋なプロテアーゼとして存在する場合、いずれかの形で、又は動物飼料への添加のために意図された他の成分との混合物の形で、すなわち動物飼料添加物、例えばいわゆる動物飼料のためのプレミックスの形で、飼料に添加され得る。
さらなる観点においては、本発明は、動物の飼料への使用のための組成物、例えば動物飼料及び動物飼料添加物、例えばプレミックスに関する。
本発明のプロテアーゼとは別に、本発明の動物飼料添加物は、少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は少なくとも1つの微量鉱物、及び/又は少なくとも1つのマクロ鉱物を含む。
【0162】
さらに、任意の飼料添加物成分は、着色剤、例えばカロテノイド、例えばβ−カロテノイド、アスタキサンチン、及びルテイン;芳香化合物;安定剤;抗菌ペプチド;多不飽和脂肪酸;反応性酵素生成種;及び/又は中でも、フィターゼ(EC3.1.3.8又は3.1.3.26);キシラーゼ(EC3.2.1.8)、ガラクタナーゼ(EC3.2.1.89);α−ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.22);プロテアーゼ(EC3.4._._);ホスホリパーゼA1(EC3.1.1.32);ホスホリパーゼA2(EC3.1.1.4);リソホスホリパーゼ(EC3.1.1.5);ホスホリパーゼC(EC3.1.4.3);ホスホリパーゼD(EC3.1.4.4);及び/又はβグルカナーゼ(EC3.2.1.4又はEC3.2.1.6)から選択された少なくとも1つの他の酵素である。
【0163】
特定の態様においては、それらの他の酵素は、十分に定義されている(プロテアーゼ調製物について上記に定義されるように)。
抗菌ペプチド(AMP)の例は、CAP18, Leucocin A, Tritrpticin, Protegrin-1, Thanatin, Defensin, Lactoferrin, Lactoferricin,及び Ovispirin 、例えば Novispirin (Robert Lehrer, 2000)、Plectasins, 及び Statins,例えばWO 03/044049号 及び WO 03/048148号に開示される化合物及びポリペプチド、及び抗菌活性を保持するそれらの変異体又はフラグメントである。
【0164】
抗真菌ポリペプチド(AFP)の例は、WO94/01459号及びWO02/090384号に開示されるように、アスペルギラス・ギガンテウス(Aspergillus giganteus)、及びアスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)ペプチド、並びに抗真菌活性を保持するそれらの変異体及びフラグメントである。
多不飽和脂肪酸の例は、C18, C20及びC22多不飽和脂肪酸、例えばアラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸及びγ−リノール酸である。
【0165】
反応性酵素生成種の例は、化学物質、例えば過硼酸塩、過硫酸塩又は過炭酸塩;及び酵素、例えばオキシダーゼ、オキシゲナーゼ、又はシンターゼである。
通常、脂−及び水−溶性ビタミン、及び微量鉱物は、飼料への添加のために意図された、いわゆるプレミックスの一部を形成し、そしてマクロ鉱物は通常、別々に飼料に添加される。本発明のプロテアーゼにより富化される場合、それらの組成物のいずれかは、本発明の動物飼料添加物の例である。
【0166】
特定の態様においては、本発明の動物飼料添加物は、0.01〜10.0%、より特定には0.05〜5.0%;又は0.2〜1.0%(%は、100gの飼料当たりの添加物g数を意味する)のレベルで、動物規定食又は飼料への包含を意図される(又は包含すべきより意図される)。これは、特に、プレミックスのためである。
【0167】
次のものは、それらの成分の例の非制限的列挙である:
脂溶性ビタミンの例は、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE及びビタミンK、例えばビタミンK3である。
水溶性ビタミンの例は、ビタミンB12、ビオチン及びコリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸及びパントテネート、例えばCa−D−パントテネートである。
【0168】
微量鉱物の例は、マンガン、亜鉛、鉄、銅、ヨウ素、セレン及びコバルトである。
マクロ鉱物の例は、カルシウム、リン及びナトリウムである。
それらの成分(家禽、及び子豚/豚により例示される)の栄養必要条件は、WO01/58275号の表Aに列挙される。栄養必要条件とは、それらの成分が示される濃度で規定食に供給されるべきであることを意味する。
【0169】
他方では、本発明の動物飼料添加は、WO01/58275号の表Aに特定される、少なくとも1つの個々の成分を含んで成る。少なくとも1つとは、1、又は2、又は3、又は4及び等〜すべての13個、又はすべての15個の個々の成分の1又は複数の成分のいずれかを意味する。より特定には、この少なくとも1つの個々の成分は、表Aの縦列4、又は5又は6に示される範囲内の飼料中濃度を提供するような量で本発明の添加物に包含される。
【0170】
さらなる態様においては、本発明の動物飼料添加物は、下記表1に特定される範囲内の飼料内濃度を提供するために、少なくとも1つの下記ビタミンを含んで成る(それぞれ、子豚及び鶏用規定食に関する):
【0171】
【表1】

【0172】
本発明はまた、動物飼料組成物にも関する。動物飼料組成物又は規定食は、比較的に高いタンパク質含有率を有する。家禽及び豚規定食は、WO01/58275号の表B、縦列2−3に示されるように特徴づけられ得る。さらに、そのような魚規定食は通常、200−310g/kgの粗脂肪含有率を有する。
WO01/58275号は、引用により本明細書に組み込まれるアメリカ特許09/77334号に対応する。
本発明の動物飼料組成物は、50−800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そしてさらに、本明細書に請求されるように、少なくとも1つのプロテアーゼを含んで成る。
【0173】
さらに、又は他方では(上記に示される粗タンパク質含有率)、本発明の動物飼料組成物は、10−30MJ/kgの代謝可能エネルギー含有率;及び/又は0.1−200g/kgのカルシウム含有率;及び/又は0.1−200g/kgの利用できるリン含有率;及び/又は0.1−100g/kgのメチオニン含有率:及び/又は0.1−150g/kgのメチオニン及びシステイン含有率;及び/又は0.5−50g/kgのリシン含有率を有する。
【0174】
特定の態様においては、前記代謝エネルギー、粗タンパク質、カルシウム、リン、メチオニン、メチオニン+システイン、及び/又はリシン含有率は、WO01/58275号(R. 2−5)の表Bにおける範囲2,3,4又は5のいずれか1つの範囲内である。
粗タンパク質は、係数6.25により掛け算される窒素(N)、すなわち粗タンパク質(g/kg)=N(g/kg)×6.25として計算される。窒素含有率は、Kjeldahl方法 (A. O. A. C. , 1984, Official Methods of Analysis 14th ed., Association of Official Analytical Chemists, Washington DC)により決定され得る。
【0175】
代謝可能エネルギーは、NRC publication Nutrient requirements in swine, ninth revised edition 1988, subcommittee on swine nutrition, committee on animal nutrition, board of agriculture, national research council. National Academy Press, Washington, D. C. , pp. 2-6、及びthe European Table of Energy Values for Poultry Feed-stuffs, Spelderholt centre for poultry research and extension, 7361 DA Beekbergen, The Netherlands. Grafisch bedrijf Ponsen & looijen bv, Wageningen. ISBN 90-71463-12-5に基づいて計算され得る。
【0176】
完全な動物規定食におけるカルシウム、利用できるリン及びアミノ酸の含有率は、飼料表、例えばVeevoedertabel 1997, gegevens over chemische samenstelling, verteerbaarheid en voederwaarde van voedermiddelen, Central Veevoederbureau, Runderweg 6,8219 pk Lelystad. ISBN 90- 72839-13-7に基づいて計算される。
特定の態様においては、本発明の動物飼料組成物は、上記に定義されるような少なくとも1つのタンパク質の又はタンパク質源を含む。それはまた、動物タンパク質、例えば肉及び骨粉、及び/又は魚粉を、典型的には0−25%のの量で含むことができる。
【0177】
さらなる特定の態様においては、本発明の動物用飼料組成物は、0-80%のトウモロコシ;及び/又は0-80%のモロコシ;及び/又は0−70%の小麦;及び/又は0-70%の大麦;及び/又は0-30%のオート麦;及び/及び0-40%の大豆ミール;及び/又は0-25%の魚ミール;0-25%の肉及び骨負ン及び/又は0-20%ホエーを含む。
【0178】
動物用規定食は、マッシュ飼料(ペレット化されていない)又はペレット化された飼料として製造され得る。典型的には、微粉砕された飼料材料が混合され、そして十分な量の必須ビタミン及び鉱物が、問題の種についての規定に従って添加される。酵素は、固体又は液体酵素配合として添加され得る。例えば、固体酵素配合物は典型的には、混合段階の前又はその間に添加され;そして液体酵素調製物は典型的には、ペレット化段階の後に添加される。酵素はまた、飼料添加物又はプレミックスにも組込まれ得る。
【0179】
規定食における最終酵素濃度は、0.01−200mgの酵素タンパク質/kg規定食、例えば0.5−25mgの酵素タンパク質/kg動物規定食の範囲内である。
プロテアーゼはもちろん、有効量で、すなわち飼料の溶解性及び/又は栄養価値を改良するための適切な量で適用され得る。酵素は次の量(用量範囲)で投与されることが現在企画される:0.01-200 ; 0.01-100 ; 0.5-100 ; 1-50; 5-100; 10-100; 0.05-50 ;又は0.10-10−すべてのそれらの範囲はmgプロテアーゼタンパク質/kg飼料(ppm)である。
【0180】
kg飼料当たりmg酵素タンパク質を決定するために、プロテアーゼは飼料組成物から精製され、そして精製されたプロテアーゼの非活性が適切なアッセイ(プロテアーゼ活性、基質及びアッセイを参照のこと)を用いて決定される。飼料組成物のプロテアーゼ活性はまた、同じアッセイを用いて決定され、そしてそれらの2種の決定に基づいて、mg酵素タンパク質/kg飼料での用量が計算される。
【0181】
同じ原理が、飼料添加物におけるmg酵素タンパク質を決定するために適用される。もちろん、サンプルが飼料添加物又は飼料を調製するために使用されるプロテアーゼのために利用できる場合、比活性はこのサンプルから決定される(飼料組成物又は添加物からプロテアーゼを精製するために必要でない)。
【0182】
洗剤組成物
本発明のプロテアーゼは、洗剤組成物に添加され得、そして従って、洗剤組成物の成分になることができる。
本発明の洗剤組成物は、手動又は機械洗濯用洗剤組成物、例えば染色された布の前処理のために適切な洗濯用添加剤組成物及びすすぎ用布ソフトナー組成物として配合され得、又は一般的な家庭用硬質表面洗浄操作における使用のための洗剤組成物として配合され得、又は手動又は機械皿洗い操作のために配合され得る。
【0183】
特定の観点においては、本発明は、本発明の酵素を含んで成る洗剤添加剤を提供する。前記洗剤添加剤及び洗剤組成物は、1又は複数の他の酵素、例えばもう1つのプロテアーゼ、例えばバチルスからのアルカリプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カーボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、例えばラッカーゼ及び/又はポロキシダーゼを含んで成ることができる。
【0184】
一般的に、選択された酵素の性質は、選択された洗剤と適合できるべきであり(すなわち、他の酵素及び非酵素の成分、等とのpH−最適適合性)、そして酵素は効果的な量で存在すべきである。
【0185】
適切なリパーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なリパーゼの例は、ヒューミコラ(別名、サーモミセス)、例えばヨーロッパ特許第258068号及び第305216号に記載のようなヒューミコラ・ラウギノサ(T.ラウギノサ)、又はWO96/13580号に記載のようなヒューミコラ・インソレンス、P.アルカリゲネス又はP.プソイドアルカリゲネス(ヨーロッパ特許第218272号)、P.セパシア(ヨーロッパ特許第331376号)、P.スツゼリ(P.stutzeri)(イギリス特許第1,372,034号)、P.フルオレセンス、プソイドモナスsp. SD705株(WO75/06720号及びWO96/27002号)、P.ウイスコンシネンシス(WO96/12012号)からのリパーゼ、バチルスリーパーゼ、例えばB.スブチリス(Dartoisなど. (1993), Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-360)、B. ステアロサーモフィラス(日本特許64/744992)又はB.プミラス(WO91/16422号)からのリーパーゼを包含する。
【0186】
他の例は、リパーゼ変異体、例えばWO92/05249号、WO94/01541号、ヨーロッパ特許第407225号、ヨーロッパ特許第206105号、WO95/35381号、WO96/00292号、WO95/30744号、WO94/25576号、WO95/14783号、WO95/22615号、WO97/04079号及びWO97/0720号に記載されるものを包含する。好ましい市販のリパーゼ酵素は、LipolaseTM 及びLipolase UltraTM (Novo Nordisk A/S) を包含する。適切なアミラーゼ(α−及び/又はβ)は、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。
【0187】
アミラーゼは、バチルス、例えばイギリス特許第1,296,839号により詳細に記載される、B.リケニルホルミスの特許株から得られるα−アミラーゼを包含する。有用なアミラーゼの例は、WO94/02597号、WO94/18314号、WO96/23873号及びWO/43424号に記載される変異体、特に1又は複数の次の位置での置換を有する変異体である:15, 23, 105, 106, 124, 128, 133, 154, 156, 181, 188, 190, 197, 202, 208, 209, 243, 264, 304, 305, 391, 408及び444。市販のアミラーゼは、DuramylTM, TermamaylTM, FungamylTM 及びBAMTM (Novo Nordisk A/S), RapidaseTM 及びPurastarTM (Genencor International Inc.)である。
【0188】
適切なセルラーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。適切なセルラーゼは、バチルス、ヒューミコラ、フサリウム、チエラビア、アクレモニウム属からのセルラーゼ、例えばアメリカ特許第4,435,307号、アメリカ特許第5,648,263号、アメリカ特許第5,691,178号、アメリカ特許第5,776,757号及びWO89/09259号に開示されるヒューミコラ・インソレンス、マイセリオプソラ・サーモフィラ/オキシスポラムから生成される菌類セルラーゼを包含する。特に適切なセルラーゼは、色彩保護有益性を有するアルカリ又は中性セルラーゼである。
【0189】
そのようなセルラーゼの例は、ヨーロッパ特許第0495257号、ヨーロッパ特許第0531372号、WO96/11262号、WO96/29397号、WO98/08940号に記載されるセルラーゼである。例の例は、WO94/07998号、ヨーロッパ特許第0531315号、アメリカ特許第5,457,046号、アメリカ特許第5,685,593号、アメリカ特許第5,763,254号、WO95/24471号、WO98/12307号及びWO99/01544号に記載されるそれらのものである。市販のセルラーゼは、CelluzymeTM 及びCarezymeTM (Novo Nordisk A/S), ClazinaseTM 及びPuradex HATM (Genencor International Inc.) 及びKAC−500 (B)TM (Kao Corporation) を包含する。
【0190】
適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なペルオキシダーゼの例は、コプリナス、例えばコプリナス・シネレウス、及びWO93/24618 号、WO95/10602号及びWO98/15257号に記載されるそれらのようなそれらの変異体からのペルオキシダーゼを包含する。市販のペルオキシダーゼは、GuardzymeTM (Novo Nordisk A/S) を包含する。
【0191】
洗剤酵素は、1又は複数の酵素を含む別々の添加剤を添加することにより、又はそれらの酵素のすべてを含んで成る組合された添加剤を添加することにより洗剤組成物に包含され得る。本発明の洗剤添加剤、すなわち別々の添加剤又は組合された添加剤が、例えば粒質物、液体、スラリー、等として配合され得る。好ましくは洗剤添加剤配合物は、粒質物、特に非−ダスチング粒質物、液体、特に安定された液体又はスラリーである。
【0192】
非−ダスチング粒質物は、アメリカ特許第4,106,991号及び第4,661,452号に開示のようにして生成され得、そして任意には、当業界において知られている方法により被覆され得る。蝋被覆材料の例は、1000〜20,000の平均モル重量を有するポリ(酸化エチレン)生成物(ポリエチレングリコール、PEG);16〜50の酸化エチレン単位を有する、エトキシル化されたノニルフェノール;12〜20個の炭素原子を有するアルコールを有し、そして15〜80の酸化エチレン単位を有する、エトキシ化された脂肪アルコール;脂肪アルコール、脂肪酸;及び脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリドである。
【0193】
流動層技法による適用のために適切なフィルム形成被覆材料の例は、イギリス特許第1483591号に与えられている。例えば、液体酵素調製物は、確立された方法に従って、ポリオール、例えばプロピレングリコール、糖又は糖アルコール、硫酸又は硼酸を添加することによって、安定化される。保護された酵素は、ヨーロッパ特許第238,216号に開示される方法に従って調製され得る。
【0194】
本発明の洗剤組成物は、いずれかの便利な形、例えば棒状、錠剤、粉末、顆粒、ペースト又は液体の形で存在することができる。液体洗剤は、水性であり、典型的には、70%までの水及び0〜30%の有機溶媒を含み、又は非水性であり得る。
洗剤組成物は、非イオン性、例えば半−極性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性及び/又は両性イオンであり得る1又は複数の界面活性剤を含んで成る。界面活性剤は典型的には、0.1〜6.0重量%のレベルで存在する。
【0195】
そこに含まれる場合、洗剤は通常、約1%〜約40%のアニオン性界面活性剤、例えば線状アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート(脂肪酸スルフェート)、アルコールエトキシスルフェート、第二アルカンスルホネート、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル−又はアルケニル琥珀酸又は石鹸を含むであろう。
【0196】
そこに含まれる場合、界面活性剤は通常、約0.2%〜約40%の非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化された脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(“グルコサミド”)を含むであろう。
【0197】
洗剤は、0〜65%の洗剤ビルダー又は錯生成剤、例えばゼオライト、ジホスフェート、三リン酸、ホスホネート、カーボネート、シトレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン六酢酸、アルキル−又はアルキニル琥珀酸、可溶性シリケート又は層化されたシリケート(例えばHoechstからのSKS−6)を含むことができる。
【0198】
洗剤は、1又は複数のポリマーを含んで成る。例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート(例えばポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーを含んで成る。
【0199】
洗剤は、H2O2源を含んで成る漂白システム、例えば過酸形成漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルホネートと共に組合され得る過硼酸塩又は過炭酸塩を含むことができる。他方では、漂白システムは、例えばアミド、イミド又はスルホン型のペルオキシ酸を含むことができる。
本発明の洗剤組成物の酵素は、従来の安定剤、例えばポリオール、例えばプロピレングリコール又はグリセロール、糖又は糖アルコール、乳酸、硼酸又は硼酸誘導体、例えば芳香族硼酸エステル又はフェニル硼素酸誘導体、例えば4−ホルミルフェニル硼素酸を用いて安定化され得、そして前記組成物は、例えばWO92/19709号及びWO92/19708号に記載のようにして配合され得る。
【0200】
洗剤はまた、他の従来の洗剤組成物、例えば布コンディショナー、例えばクレー、泡増強剤、石鹸泡抑制剤、抗腐蝕剤、土壌懸濁剤、抗−土壌再沈着剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、曇りインヒビター、又は香料を含むことができる。
洗剤組成物においては、いずれかの酵素、特に本発明の酵素は、洗浄液体1L当たり0.01−100mgの酵素タンパク質、好ましくは洗浄液体1L当たり0.05−5mgの酵素タンパク質、特に洗浄液体1L当たり0.1−1mgの酵素タンパク質に対応する量で添加され得ることが、現在企画される。
本発明の酵素はさらに、WO97/07202号(引例として本明細書組み込まれる)に開示される洗剤配合物に導入され得る。
【0201】
特定の態様
本発明はまた、番号1−21及び42−121で表される次の特定の態様にも関する:
1.(a)配列番号4のアミノ酸1−192に対して少なくとも69.9%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号3のヌクレオチド574−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号4のアミノ酸1−192のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【0202】
2.次のプロテアーゼ:(a)配列番号6のアミノ酸1−192;(b)配列番号2のアミノ酸1−192;(c)配列番号4のアミノ酸1−192;又は(d)配列番号8のアミノ酸1−189のいずれか1つを含んで成る態様1のポリペプチド。
3.プロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、そして(a)態様1又は2のポリペプチドをコードし;(b)(i)配列番号3のヌクレオチド574−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして/又は(c)配列番号3のヌクレオチド574−1149に対して少なくとも77.7%の程度の同一性を有する、核酸配列を含んで成る単離された核酸配列。
【0203】
4.次のプロテアーゼ−コードの核酸配列:(a)配列番号3のヌクレオチド574−1149;(b)配列番号5のヌクレオチド574−1149;(c)配列番号7のヌクレオチド586−1152;又は(d)配列番号1のヌクレオチド568−1143のいずれか1つを含んで成る態様3の核酸配列。
5.(a)DNAと、(i)配列番号5のヌクレオチド574−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖とを、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして(b)前記核酸配列を単離することにより生成される、単離された核酸配列。
【0204】
6.適切な発現宿主におけるポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結される態様3〜5のいずれか1つの核酸配列を含んで成る核酸構造体。
7.態様6の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
8.態様6の核酸構造体又は態様7記載のベクターを含んで成る組換え宿主細胞。
9.態様1又は2のポリペプチドを発現できるトランスジェニック植物又は植物部分。
10.態様1又は2のポリペプチドを発現できる、トランスジェニック非ヒト動物、又はその生成物又は要素。
【0205】
11.(a)前記ポリペプチドを含んで成る上清液を生成するために、態様8の組換え宿主細胞を増殖し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様1又は2のポリペプチドを生成するための方法。
12.(a)次の株のいずれかを培養し;(i)ノカルジオプシス・ダソンビレイ(Nocardiopsis dassonvillei)亜種ダソンビレイDSM43235、(ii)ノカルジオプシス・プラシナ(Nocardiopsis prasina)DSM15649、(iii)ノカルジオプシス・プラシナDSM14010、又は(iv)ノカレジオプシスsp.(Nocardiopsis sp.)DSM16424; そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様1又は2のポリペプチドの生成方法。
【0206】
13.(i)動物飼料;(ii)動物飼料添加物;(iii)動物飼料への使用のための組成物の調製;(iv)動物飼料の栄養価値の改良;(v)動物飼料における消化でき且つ/又は溶解性のタンパク質の増大;(vi)動物の規定食におけるタンパク質の加水分解の増強;及び/又は(vii)タンパク質の処理への少なくとも1つの態様1又は2のプロテアーゼの使用。
14.少なくとも1つの態様1又は2のプロテアーゼが飼料に添加される、動物飼料の栄養価値を改良するための方法。
【0207】
15.(a)少なくとも1つの態様1又は2のプロテアーゼ;及び(b)少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は(c)少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は(d)少なくとも1つの微量金属を含んで成る動物飼料添加剤。
16.アミラーゼ;フィターゼ;キシラナーゼ;ガラクタナーゼ;α−ガラクトシダーゼ;プロテアーゼ;ホスホリパーゼ;及び/又はβ−グルカナーゼをさらに含んで成る態様15の動物飼料添加剤。
【0208】
17 .50〜800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そして少なくとも1つの態様1又は2のプロテアーゼを含んで成る動物飼料。
18 .少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源に、少なくとも1つの態様1又は2のプロテアーゼを添加する段階を含んで成る、タンパク質の処理方法。
19 .少なくとも1つのタンパク質源の中で、大豆が包含される態様18の方法。
20.洗剤への少なくとも1つの態様1又は2のプロテアーゼの使用。
21.ノカルジオプシス sp. DSM16424。
【0209】
42.(a)配列番号2のアミノ酸1−192に対して少なくとも75.1%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号1のヌクレオチド568−1143、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号2のアミノ酸1−192のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【0210】
43.次のプロテアーゼ:(a)配列番号6のアミノ酸1−192;(b)配列番号2のアミノ酸1−192;又は(c)配列番号4のアミノ酸1−192のいずれか1つを含んで成る態様1のポリペプチド。
44.プロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、そして(a)態様42又は43のポリペプチドをコードし;(b)(i)配列番号1のヌクレオチド568−1143、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして/又は(c)配列番号1のヌクレオチド568−1143に対して少なくとも81.2%の程度の同一性を有する、核酸配列を含んで成る単離された核酸配列。
【0211】
45.次のプロテアーゼ−コードの核酸配列:(a)配列番号3のヌクレオチド574−1149;(b)配列番号5のヌクレオチド574−1149;又は(c)配列番号1のヌクレオチド568−1143のいずれか1つを含んで成る態様44の核酸配列。
46.(a)DNAと、(i)配列番号1のヌクレオチド568−1143、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖とを、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして(b)前記核酸配列を単離することにより生成される、単離された核酸配列。
【0212】
47.適切な発現宿主におけるポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結される態様44〜46のいずれか1つの核酸配列を含んで成る核酸構造体。
48.態様47の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
49.態様48の核酸構造体又は態様47記載のベクターを含んで成る組換え宿主細胞。
50.態様42又は43のポリペプチドを発現できるトランスジェニック植物又は植物部分。
51.態様42又は43のポリペプチドを発現できる、トランスジェニック非ヒト動物、又はその生成物又は要素。
【0213】
52. (a)前記ポリペプチドを含んで成る上清液を生成するために、態様49の組換え宿主細胞を増殖し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様42又は43のポリペプチドを生成するための方法。
53. (a)次の株のいずれかを培養し;(i)ノカルジオプシス・ダソンビレイ(Nocardiopsis dassonvillei)亜種ダソンビレイDSM43235、(ii)ノカルジオプシス・プラシナ(Nocardiopsis prasina)DSM15649、(iii)ノカルジオプシス・プラシナDSM14010、又は(iv)ノカレジオプシスsp.(Nocardiopsis sp.)DSM16424; そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様42又は43のポリペプチドの生成方法。
【0214】
54.(i)動物飼料;(ii)動物飼料添加物;(iii)動物飼料への使用のための組成物の調製;(iv)動物飼料の栄養価値の改良;(v)動物飼料における消化でき且つ/又は溶解性のタンパク質の増大;(vi)動物の規定食におけるタンパク質の加水分解の増強;及び/又は(vii)タンパク質の処理への少なくとも1つの態様42又は43のプロテアーゼの使用。
55.少なくとも1つの態様42又は43のプロテアーゼが飼料に添加される、動物飼料の栄養価値を改良するための方法。
【0215】
56.(a)少なくとも1つの態様42又は43のプロテアーゼ;及び(b)少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は(c)少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は(d)少なくとも1つの微量金属を含んで成る動物飼料添加剤。
57.アミラーゼ;フィターゼ;キシラナーゼ;ガラクタナーゼ;α−ガラクトシダーゼ;プロテアーゼ;ホスホリパーゼ;及び/又はβ−グルカナーゼをさらに含んで成る態様56の動物飼料添加剤。
58 .50〜800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そして少なくとも1つの態様42又は43のプロテアーゼを含んで成る動物飼料。
【0216】
59 .少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源に、少なくとも1つの態様42又は43のプロテアーゼを添加する段階を含んで成る、タンパク質の処理方法。
60 .少なくとも1つのタンパク質源の中で、大豆が包含される態様59の方法。
61.洗剤への少なくとも1つの態様42又は43のプロテアーゼの使用。
【0217】
62.(a)配列番号8のアミノ酸1−189に対して少なくとも92.2%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号7のヌクレオチド586−1152、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号8のアミノ酸1−189のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【0218】
63.配列番号8のアミノ酸1−189を含んで成る態様1又は62のポリペプチド。
64.プロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、そして(a)態様62又は63のポリペプチドをコードし;(b)(i)配列番号7のヌクレオチド586−1152、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして/又は(c)配列番号7のヌクレオチド586−1152に対して少なくとも93.6%の程度の同一性を有する、核酸配列を含んで成る単離された核酸配列。
【0219】
65.配列番号7のヌクレオチド586−1152を含んで成る態様64の核酸配列。
66.(a)DNAと、(i)配列番号7のヌクレオチド586−1152、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖とを、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして(b)前記核酸配列を単離することにより生成される、単離された核酸配列。
67.適切な発現宿主におけるポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結される態様64〜66のいずれか1つの核酸配列を含んで成る核酸構造体。
【0220】
68.態様67の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
69.態様68の核酸構造体又は態様67記載のベクターを含んで成る組換え宿主細胞。
70.態様62又は63のポリペプチドを発現できるトランスジェニック植物又は植物部分。
71.態様62又は63のポリペプチドを発現できる、トランスジェニック非ヒト動物、又はその生成物又は要素。
72. (a)前記ポリペプチドを含んで成る上清液を生成するために、態様69の組換え宿主細胞を増殖し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様62又は63のポリペプチドを生成するための方法。
【0221】
73. (a)次の株のいずれかを培養し;(i)ノカルジオプシス・ダソンビレイ(Nocardiopsis dassonvillei)亜種ダソンビレイDSM43235、(ii)ノカルジオプシス・プラシナ(Nocardiopsis prasina)DSM15649、(iii)ノカルジオプシス・プラシナDSM14010、又は(iv)ノカレジオプシスsp.(Nocardiopsis sp.)DSM16424; そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様62又は63のポリペプチドの生成方法。
【0222】
74.(i)動物飼料;(ii)動物飼料添加物;(iii)動物飼料への使用のための組成物の調製;(iv)動物飼料の栄養価値の改良;(v)動物飼料における消化でき且つ/又は溶解性のタンパク質の増大;(vi)動物の規定食におけるタンパク質の加水分解の増強;及び/又は(vii)タンパク質の処理への少なくとも1つの態様62又は63のプロテアーゼの使用。
75.少なくとも1つの態様62又は63のプロテアーゼが飼料に添加される、動物飼料の栄養価値を改良するための方法。
【0223】
76.(a)少なくとも1つの態様62又は63のプロテアーゼ;及び(b)少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は(c)少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は(d)少なくとも1つの微量金属を含んで成る動物飼料添加剤。
77.アミラーゼ;フィターゼ;キシラナーゼ;ガラクタナーゼ;α−ガラクトシダーゼ;プロテアーゼ;ホスホリパーゼ;及び/又はβ−グルカナーゼをさらに含んで成る態様76の動物飼料添加剤。
78 .50〜800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そして少なくとも1つの態様62又は63のプロテアーゼを含んで成る動物飼料。
【0224】
79 .少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源に、少なくとも1つの態様62又は63のプロテアーゼを添加する段階を含んで成る、タンパク質の処理方法。
80 .少なくとも1つのタンパク質源の中で、大豆が包含される態様79の方法。
81.洗剤への少なくとも1つの態様62又は63のプロテアーゼの使用。
【0225】
82.(a)配列番号10のアミノ酸1−189に対して少なくとも93.2%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号9のヌクレオチド586−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号10のアミノ酸1−189のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【0226】
83.配列番号10のアミノ酸1−189を含んで成る態様1又は82のポリペプチド。
84.プロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、そして(a)態様82又は83のポリペプチドをコードし;(b)(i)配列番号9のヌクレオチド586−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして/又は(c)配列番号9のヌクレオチド586−1149に対して少なくとも90.3%の程度の同一性を有する、核酸配列を含んで成る単離された核酸配列。
【0227】
85.配列番号9のヌクレオチド586−1149を含んで成る態様3又は84の核酸配列。
86.(a)DNAと、(i)配列番号9のヌクレオチド586−1149、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖とを、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして(b)前記核酸配列を単離することにより生成される、単離された核酸配列。
87.適切な発現宿主におけるポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結される態様84〜86のいずれか1つの核酸配列を含んで成る核酸構造体。
【0228】
88.態様87の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
89.態様88の核酸構造体又は態様87記載のベクターを含んで成る組換え宿主細胞。
90.態様82又は83のポリペプチドを発現できるトランスジェニック植物又は植物部分。
91.態様82又は83のポリペプチドを発現できる、トランスジェニック非ヒト動物、又はその生成物又は要素。
【0229】
92. (a)前記ポリペプチドを含んで成る上清液を生成するために、態様89の組換え宿主細胞を増殖し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様82又は83のポリペプチドを生成するための方法。
93. (a)次の株のいずれかを培養し;(i)ノカルジオプシス・ダソンビレイ(Nocardiopsis dassonvillei)亜種ダソンビレイDSM43235、(ii)ノカルジオプシス・プラシナ(Nocardiopsis prasina)DSM15649、(iii)ノカルジオプシス・プラシナDSM14010、又は(iv)ノカレジオプシスsp.(Nocardiopsis sp.)DSM16424; そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様82又は83のポリペプチドの生成方法。
【0230】
94.(i)動物飼料;(ii)動物飼料添加物;(iii)動物飼料への使用のための組成物の調製;(iv)動物飼料の栄養価値の改良;(v)動物飼料における消化でき且つ/又は溶解性のタンパク質の増大;(vi)動物の規定食におけるタンパク質の加水分解の増強;及び/又は(vii)タンパク質の処理への少なくとも1つの態様82又は83のプロテアーゼの使用。
95.少なくとも1つの態様82又は83のプロテアーゼが飼料に添加される、動物飼料の栄養価値を改良するための方法。
【0231】
96.(a)少なくとも1つの態様82又は83のプロテアーゼ;及び(b)少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は(c)少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は(d)少なくとも1つの微量金属を含んで成る動物飼料添加剤。
97.アミラーゼ;フィターゼ;キシラナーゼ;ガラクタナーゼ;α−ガラクトシダーゼ;プロテアーゼ;ホスホリパーゼ;及び/又はβ−グルカナーゼをさらに含んで成る態様96の動物飼料添加剤。
98 .50〜800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そして少なくとも1つの態様82又は83のプロテアーゼを含んで成る動物飼料。
【0232】
99 .少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源に、少なくとも1つの態様82又は83のプロテアーゼを添加する段階を含んで成る、タンパク質の処理方法。
100 .少なくとも1つのタンパク質源の中で、大豆が包含される態様99の方法。
101.洗剤への少なくとも1つの態様82又は83のプロテアーゼの使用。
102.(a)配列番号12のアミノ酸1−189に対して少なくとも83.3%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)(i)配列番号11のヌクレオチド586−1152、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、低い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号12のアミノ酸1−189のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【0233】
103.配列番号12のアミノ酸1−189を含んで成る態様1又は102のポリペプチド。
104.プロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、そして(a)態様102又は103のポリペプチドをコードし;(b)(i)配列番号11のヌクレオチド586−1152、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして/又は(c)配列番号11のヌクレオチド586−1152に対して少なくとも83.9%の程度の同一性を有する、核酸配列を含んで成る単離された核酸配列。
【0234】
105.配列番号11のヌクレオチド586−1152を含んで成る態様104の核酸配列。
106.(a)DNAと、(i)配列番号11のヌクレオチド586−1152、(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、又は(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖とを、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして(b)前記核酸配列を単離することにより生成される、単離された核酸配列。
【0235】
107.適切な発現宿主におけるポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結される態様104〜106のいずれか1つの核酸配列を含んで成る核酸構造体。
108.態様107の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
109.態様108の核酸構造体又は態様107記載のベクターを含んで成る組換え宿主細胞。
110.態様102又は103のポリペプチドを発現できるトランスジェニック植物又は植物部分。
【0236】
111.態様102又は103のポリペプチドを発現できる、トランスジェニック非ヒト動物、又はその生成物又は要素。
112. (a)前記ポリペプチドを含んで成る上清液を生成するために、態様109の組換え宿主細胞を増殖し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様102又は103のポリペプチドを生成するための方法。
【0237】
113. (a)次の株のいずれかを培養し;(i)ノカルジオプシス・ダソンビレイ(Nocardiopsis dassonvillei)亜種ダソンビレイDSM43235、(ii)ノカルジオプシス・プラシナ(Nocardiopsis prasina)DSM15649、(iii)ノカルジオプシス・プラシナDSM14010、又は(iv)ノカレジオプシスsp.(Nocardiopsis sp.)DSM16424; そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、態様102又は103のポリペプチドの生成方法。
【0238】
114.(i)動物飼料;(ii)動物飼料添加物;(iii)動物飼料への使用のための組成物の調製;(iv)動物飼料の栄養価値の改良;(v)動物飼料における消化でき且つ/又は溶解性のタンパク質の増大;(vi)動物の規定食におけるタンパク質の加水分解の増強;及び/又は(vii)タンパク質の処理への少なくとも1つの態様102又は103のプロテアーゼの使用。
115.少なくとも1つの態様102又は103のプロテアーゼが飼料に添加される、動物飼料の栄養価値を改良するための方法。
【0239】
116.(a)少なくとも1つの態様102又は103のプロテアーゼ;及び(b)少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は(c)少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は(d)少なくとも1つの微量金属を含んで成る動物飼料添加剤。
117.アミラーゼ;フィターゼ;キシラナーゼ;ガラクタナーゼ;α−ガラクトシダーゼ;プロテアーゼ;ホスホリパーゼ;及び/又はβ−グルカナーゼをさらに含んで成る態様116の動物飼料添加剤。
118 .50〜800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そして少なくとも1つの態様102又は103のプロテアーゼを含んで成る動物飼料。
【0240】
119 .少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源に、少なくとも1つの態様102又は103のプロテアーゼを添加する段階を含んで成る、タンパク質の処理方法。
120 .少なくとも1つのタンパク質源の中で、大豆が包含される態様119の方法。
121.洗剤への少なくとも1つの態様102又は103のプロテアーゼの使用。
【0241】
生物学的材料の寄託
次の生物学的材料を、DSMZ (Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH, MascheroderWeg 1b, D-38124 Braunschweig, Germany)に、ブタペスト条件に基づいて寄託し、そして次の受託番号を付与された:
寄託物 受託番号 寄託日
ノカレジオプシスsp. DSM 16424 2004年5月24日
ノカレジオプシス・プラシナ DSM 15649 2003年5月30日
ノカレジオプシス・プラシナ DSM 14010 2001年1月20日
(以前は、アルバ)
【0242】
前記株は、培養物への接近が、37 C.F.R.§1.14.及び35 U.S.C.§122下で特許及び商標局長により決定される本特許出願の係属の間、利用できることを保証する条件下で寄託された。寄託物は、寄託された株の実質的に純粋な培養物を示す。寄託物は、本出願の対応物又はその子孫が出願される国々における外国特許法により要求される場合、利用できる。しかしながら、寄託物の入手可能性は、政府の指令により許される特許権の低下において本発明を実施する許可を構成しないことが理解されるべきである。
【0243】
菌株DSM15649は、デンマークからの土壌サンプルから2001年に単離された。
次の株はDSMZから公的に入手できる:
ノカルジオプシス・ダソンビレイ亜種ダソンビレイ DSM43235
ノカルジオプシス・アルカリフィラ DSM44657
ノカルジオプシス・ルセンテンシス DSM44048
ノカルジオプシス・ダソンビレイ亜種ダソンビレイDSM43235はまた、次のような他の寄託機関でも寄託される:ATCC 23219、IMRU 1250, NCTC 10489。
【0244】
本明細書に記載される発明は、本明細書に開示される特許の態様により範囲を限定されるものではない。何故ならば、それらの態様は本発明のいくつかの観点を例示するものである。いずれかの同等の態様が本発明の範囲内で意図される。実際、本明細書に示され、そして記載されるそれらの修飾の他に、本発明の種々の修飾は、前述の記載から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾はまた本発明の範囲内にある。
種々の文献が本明細書に引用されており、それらの開示は引用により本明細書に組み込まれている。
【実施例】
【0245】
例13種のプロテアーゼ(L1a1, L1b及びL1c)のクローニング及び発現
試薬及び培地
LB寒天:Ausubel, F. M. など. (eds. ) "Current protocols in Molecular Biology". JohnWiley and Sons, 1995に記載される。
LB−PG寒天:0.5%グルコース及び0.05Mのリン酸カリウム(pH7.0)により補充されたLB寒天。
PS−1:10%スクロース、4%大豆粉、1%Na3PO4・12H2O、0.5%CaCO3及び0.01%プルロン酸。
TE: 10 mM のトリス-HCI, pH 7. 4 、1 mMの EDTA, pH 8.0
TEL:TE緩衝液中、50mg/mlのLysozym。
【0246】
チオシアネート:5Mのグアニジウムチオシアネート、100mMのEDTA、0.6%(w/v)のN−ラウリルサルコシン、ナトリウム塩、60gのチオシアネート、20mlの0.5MのEDTA、pH8.0、20mlの水を65℃で溶解する。室温(RT)に冷却し、そして0.6gのN−ラウリルサルコシンを添加する。水を添加し、100mlにし、そしてそれを、0.2Mの無菌フィルターを通して濾過する。
NH4Ac:7.5MのCH3COONH4
TER:TE−緩衝液中、1μg/mlのRnase A。
CIA:クロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)
【0247】
ノカルジオプシス株の発酵
ノカルジオプシス・ダソンビレイ亜種ダソンビレイDSM43235、ノカレジオプシス・プラシナ DSM 15649、及びノカレジオプシス・プラシナ(以前は、アルバ)DSM 14010の個々を、収穫の前、次の培地において30℃で3日間、増殖した:
トリプチカーゼ 20g
酵母抽出物 5g
塩化鉄 6mg
硫酸マグネシウム 15mg
蒸留水 1000ml
炭酸ナトリウムの添加によりpHを9に調節する。
【0248】
ゲノムDNAの調製
ゲノムDMAを次の方法に従って単離した:
1. 1.5mlの培養物を収穫し、そして100μlのTELに再懸濁する。37℃で30分間インキュベートする。
2. 500μlのチオシアネート緩衝液を添加し、そして室温で10分間、放置する。
3. 250μlのNH4Acを添加し、そして氷上に10分間、放置する。
4. 500μlのCIAを添加し、そして混合する。
5. 微小遠心分離機に移し、そして十分な速度で10分間、回転する。
【0249】
6. 上清液を新しいEppendorf管に移し、そして0.54体積の冷“イソプロパノール”を添加する。十分に混合する。
7. 回転し、そしてDNAペレットを70%エタノールにより洗浄する。
8. 100μlのTERのゲノムDNAを再懸濁する。
【0250】
バチルス・サブチリス発現株Sav-L1a, Sav-L1b及びSav-L1cの構成
前−成熟プロテアーゼL1aのためのコード領域(配列番号1のヌクレオチド88−1143)を、ノカルジオプシス・ダソンビレイ亜種ダソンビレイDSM43235から単離されたゲノムDNAに基づいて、次のプライマー1424及び1485により増幅した:
1485(配列番号14):5'-gcttttagttcatcgatcgcatcggctgcgaccgtaccggccgagccag-3';
1424(配列番号15):5'-ggagcggattgaacatgcgattactaaccggtcaccagggacagcc-3'。
【0251】
前−成熟プロテアーゼL1bのためのコード領域(配列番号3のヌクレオチド88−1149)を、ノカルジオプシス・プラシニアDSM15649から単離されたゲノムDNAに基づいて、次のプライマー1751及び1753により増幅した:
1751(配列番号16):5'-gttcatcgatcgcatcggctgtcaccgcacccaccgagcc-3';
1753(配列番号17):5'-ggagcggattgaacatgcgattagctggtgacgaggctgaggttc-3'。
【0252】
前−成熟プロテアーゼL1cのためのコード領域(配列番号5のヌクレオチド88−1149)を、ノカルジオプシス・プラシニアDSM14010から単離されたゲノムDNAに基づいて、次のプライマー1755及び1756により増幅した:
1755(配列番号18):5'-gttcatcgatcgcatcggctgtgaccgcccccgccgag-3';
1756(配列番号19):5'-ggagcggattgaacatgcgattagctcgtgacgaggctgaggttc-3'。
それらのL1a, L1b及びL1cポリヌクレオチドの個々を、Savシグナルペプチド(配列番号13)をコードする相同DNAフラグメントに、整合して、PCRにより融合した。
【0253】
それぞれSav-L1a, Sav-L1b及びSav-L1cと命名されたバチルス・サブチリス株を、バチルス・サブチリスMB1053宿主細胞ゲノムに対する相同組換えによりそれらの遺伝子(シグナルペプチドコード部分を含む)を組込むことにより構成した(WO03/95658号)。前記遺伝子を、バチルス・リケニルホルミスαアミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・アミロリケファシエンスα−アミラーゼ遺伝子(amyQ)及び安定化配列を含むバチルス・スリンジエンシスcryIII Aプロモーターからのプロモーターから成る三元プロモーターシステム(WO99/43835号に記載のような)下で発現した。クロラムフェニコールアセチル−トランスフェラーゼをコードする遺伝子を、マーカーとして使用した(Diderichsen.B.; Poulsen.G.B.; Joergensen.S.T.; A useful cloning vector for Bacillus subtilis. Plasmid 30:312 (1993)に記載される)。
【0254】
クロラムフェニコール耐性形質転換体を、1%脱脂乳LB−PG寒天プレート(6μg/mlのクロラムフェニコールにより補充された)上で、プロテアーゼ活性について調べた。いくつかのプロテアーゼ陽性コロニーを、正しいDNA配列を確認するために挿入体のDNA配列決定により、さらに分析し、そして個々の構造体についての1つの株を選択した。
【0255】
バチルス宿主株の発酵
形質転換されたバチルス・サブチリス宿主株の個々を、6μg/mlのクロラムフェニコールにより補充されたPS−1培地100mlを含む、500mlのそらせ板付三角フラスコにおいて、回転振盪テーブル(250r.p.m)上で、37℃で16時間、及び26℃でさらに4日間、発酵した。
【0256】
例2プロテアーゼL2aのクローニング及び発現
プロテアーゼコード遺伝子(配列番号7のヌクレオチド88−1152)のプロフォームを、例1に記載される方法(但し、次のプライマーを使用する)により、ノカルジオプシスsp. DSM16424から単離した:
1718 (配列番号20): 5'-gttcatcgatcgcatcggctgcgcccggccccgtcccccag-3' ;
1720 (配列番号21): 5'-ggagcggattgaacatgcgatcagctggtgcggatgcgaac-3'。
その対応するプロテアーゼ(配列番号8)を、L2aと命名した。
Sav-L2aと命名されたバチルス・サブチリス宿主株を、一般的に例1に記載のようにして構成し、そしてクロラムフェニコール耐性、プロテアーゼ陽性コロニーを選択し、そして挿入体のDNA配列決定により分析した。
【0257】
例32種の追加のプロテアーゼのクローニング
2種の追加のプロテアーゼコード遺伝子(それぞれ、配列番号9のヌクレオチド88−1149、及び配列番号11のヌクレオチド88−1152)のプロフォームを、例1に記載される方法(但し、次のプライマーを使用する)により、それぞれノカルジオプシス・アルカリフィラDSM44657及びノカルジオプシス・ルセンテンシスDSM44048から単離した:
1728 (配列番号22): 5'-gttcatcgatcgcatcggctgcccccgccccccagtc-3' ;
1763 (配列番号23): 5'-ggagcggattgaacatgcgattaggtgcgcagacgcaggcccca-3';
1747 (配列番号24): 5'-gttcatcgatcgcatcggctggaaccgtacccaccccccagg-3' ;
1749 (配列番号25): 5'-ggagcggattgaacatgcgattagctggtgcgcagtcgcac-3'。
【0258】
対応するプロテアーゼ(それぞれ、配列番号10及び12)を、それぞれL2b及びL2cと命名した。
それぞれSav-L2b、及びSav-L2cと命名されたバチルス・サブチリス宿主株を、一般的に例1に記載のようにして構成し、そしてクロラムフェニコール耐性、プロテアーゼ陽性コロニーを選択し、そして挿入体のDNA配列決定により分析した。
【0259】
例4L1aプロテアーゼの精製及び特徴化
プロテアーゼアッセイ
1)pNAアッセイ:
pNA基質:Suc-AAPF-pNA (Bachem L-1400)
温度:室温(25℃)
アッセイ緩衝液:HCl又はNaOHによりpHを2.0, 2.5, 3.0, 3.5, 4.0, 5.0, 6.0, 7.0, 8. 0,9. 0,10. 0,11. 0, 及び 12.0に調節された、100mM 琥珀酸,100mM HEPES,100mM CHES,100mM CABS,1mM CaCl2, 150mM KCI, 0.01% Triton X-100。
【0260】
20μlのプロテアーゼ(0.01%のTriton X−100に希釈された)を、100μlのアッセイ緩衝液と共に混合する。アッセイを、100μlのpNA基質(50mg:1.0mlのDMSOに溶解され、そしてさらに、0.01%Triton X-100により45倍に希釈された)の添加により開始する。OD405での上昇を、プロテアーゼ活性の測定としてモニターする。
【0261】
2)Protazyme AKアッセイ:
基質:Protazyme AK錠剤(架橋され、そして染色されたカゼイン;Megazymeからの)
温度:調節された(アッセイ温度)
アッセイ緩衝液:HCl又はNaOHによりpHを2.0, 2.5, 3.0, 3.5, 4.0, 5.0, 6.0, 7.0, 8. 0,9. 0,10. 0,11. 0, 及び 12.0に調節された、100mM 琥珀酸,100mM HEPES,100mM CHES,100mM CABS,1mM CaCl2, 150mM KCI, 0.01% Triton X-100。
【0262】
Protazyme AK錠剤を、2.0mlの0.01%Triton X-100に、軽く攪拌することにより懸濁する。この懸濁液500μl及びアッセイ緩衝液500μlを、Eppendorf管において混合し、そして氷上に置く。20μlのプロテアーゼサンプル(0.01% Triton X-100に希釈された)を添加する。アッセイを、Eppendorf管を、アッセイ温度に調節されたEppendorfサーもミキサーに移すことにより開始する。管を、Eppendorfサーモミキサー上で15分間、その最高振盪速度(1400rpm)でインキュベートする。インキュベーションを、管を氷浴に戻すことにより停止する。次に、管を、氷冷却された遠心分離機において数分間、遠心分離し、そして200μlの上清液を、マイクロタイタープレートに移す。OD650をプロテアーゼ活性の測定として読み取る。緩衝液ブラインドがアッセイに包含される(酵素の代わり)。
【0263】
精製
例1に記載されるL1aプロテアーゼを発現する、形質転換されたバチルス宿主を、例1に記載のようにして、但し26℃で6日間、発酵した。培養物ブイヨンを、遠心分離し(20000xg, 20分)、そして上清液を注意して、沈殿物からデカントした。組合された上清液を、バチルス宿主細胞の残りを除去するために、Seitz EKSプレートを通して濾過した。EKS濾液を、G25 Sephadexカラム上の50mMのH3BO3、5mMの琥珀酸、1mMのCaCl2(pH7)溶液に移した。固体硫酸アンモニウムを、G25セファデックスカラムからの酵素溶液に添加し、酵素溶液における1.6Mの最終(NH42SO4濃度を付与した。
【0264】
酵素溶液を、(NH4)2SO4添加の間、磁気撹拌機により軽く混合し、そして撹拌を、システムを平衡化するために添加の後、30分間、続けた。次に、酵素溶液を、10mMのH3BO3, 10mMの琥珀酸、2mMのCaCl2、1.6Mの(NH42SO4(pH7)により平衡化されたButyl Toyopearlカラムに適用した。カラムを平衡化緩衝液により洗浄した後、プロテアーゼを、同じ緩衝液中、線状(NH4)2SO4グラジエント(1.6〜0M)により溶出した。プロテアーゼ含有画分をプールし、そしてG25セファッテックスカラム上の20mMのHEPES(pH8)に適用し、そして同じ緩衝液により平衡化されたQセファロースFFカラムに適用した。
【0265】
平衡化緩衝液によりカラムを集中的に洗浄した後、プロテアーゼを、同じ緩衝液中、線状NaClグラジエント(0〜0.5M)により溶出した。カラムからの画分を、プロテアーゼ活性について分析し(pH9でのSuc-AAPF-pNAアッセイを用いて)、そして活性画分をさらに、SDS−PAGEにより分析した。わずか1つのバンドを有する画分(クーマシー染色されたSDS−PAGEゲルにより判断される)をプールし、さらなる特徴化のために使用される、精製された調製物を供給した。
【0266】
L1aプロテアーゼを、WO2004/111220号(“L2プロテアーゼ”を追跡する)に記載のようにして調製された、ノカルジオプシス・ダソンビレイ亜種ダソンビレイDSM43235由来の他のプロテアーゼに比較して、下記のようにして特徴づけた。
【0267】
pH−活性、pH−安定性及び温度−活性
pNAアッセイを、pH−活性プロフィール及びpH−安定性プロフィールを得るために使用した。pH−安定性プロフィールン関しては、プロテアーゼを、アッセイ緩衝液おいて10倍に希釈し、そして37℃で2時間インキュベートした。インキュベーションの後、プロテアーゼサンプルを、残留活性についてのアッセイの前、pH9のアッセイ緩衝液における希釈により、同じpHの緩衝液(pH9)に移した。Protazyme AKアッセイを、pH9での温度−活性プロフィールを得るために使用した。結果は、下記表2〜4に示される。
【0268】
【表2】

【0269】
【表3】

【0270】
【表4】

【0271】
他の特徴
L1aプロテアーゼは、フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、及びストレプトミセススブチリシンインヒビター(SSI)により阻害されることが見出されたα−溶解プロテアーゼ株酵素(ペプチダーゼファミリーS1E、これまでS2A)である。SDS−PAGEにより決定される場合、その相対的分子量は、Mr=22kDaであり、そしてN−末端配列は、ADIVGGEAY(配列番号26)である。
【0272】
例5L1aプロテアーゼの比活性
例4に記載される精製されたプロテアーゼ調製物を、比活性の決定のために使用した。調製物の純度は、SDS−PAGEにより分析される場合、95%以上であった(WO01/58275号における例2Aに記載のようにして決定された)。プロテアーゼサンプルを2つに分割した。1つの部分を、アミノ酸分析によりタンパク質含有率(mg/ml)について分析し、他の部分をプロテアーゼ活性について分析した。
【0273】
アミノ酸分析(AAA)/(mg/ml)
プロテアーゼサンプルのペプチド結合を、酸加水分解し、続いて、Bie & Berntsen A/S, Sandbaekvej 5-7, DK-2610 Roedovre, Denmarkから市販されているBiochrom 20 Plus Amino Acid Analyser上で、製造業者の説明書に従って、開放されるアミノ酸を分離し、そしてそれを定量化した。酸加水分解のために、タンパク質サンプルを、真空遠心分離機において乾燥し、18.5%(v/v)のHCl+0.1%(v/v)のフェノールに溶解し、そして110℃で16時間インキュベートした。インキュベーションの後、サンプルを再び真空遠心分離機において乾燥し、負荷緩衝液(0.2Mのクエン酸ナトリウム、pH2.2)に溶解し、そしてBiochrom 20 Plus Amino Acid Analyser上に負荷した。
【0274】
定量化のために、加水分解されたサンプルを、Bie & Berntsen A/S(カタログ番号80−2104−15)から市販されているカチオン交換樹脂UlterPac No.8, Sodium-formのカラム上に負荷した。種々のpH(pH1〜pH8)及びイオン強度の緩衝液を、上記に言及される製造業者の説明者に従って、カラムに通し、種々のアミノ酸を分離した。カラム温度を、必要とされる分離を確保するために、製造業者の説明書に従って、正確に調節した(53℃〜92℃及び53℃に戻る)。カラム溶離剤を、ニンヒドリン試薬(Bie & Berntsen、カタログ番号80−2038−07)と共に混合し、そしてその混合物を、アミノ酸分析器の高温反応コイルに通した。反応コイルにおいては、ニンヒドリンがアミノ酸と反応し、着色された化合物が形成され、その量は、存在するアミノ酸の量と直接的に比例した。
【0275】
プロテアーゼ活性アッセイ(AU/ml)
変性されたヘモグロビン(6.7mMのKH2PO4/NaOH緩衝液(pH7.50)中、0.65%(w/w))を、プロテアーゼにより25℃で10分間、分解し、そして消化されなかったヘモグロビンをトリクロロ酢酸(TCA)により沈殿し、そして濾過により除去した。濾液におけるTCA−溶解性ヘモグロビン分解生成物を、Folin & Ciocalteuのフェノール試薬により決定し、青色がいくつかのアミノ酸を示す。活性単位(AU)を測定し、そしてALCALASETM標準に参照して定義した。アッセイの詳細な説明、及びALCALASETM標準のサンプルは、Novozymes A/S, Krogshoejvej 36, DK-2880 Bagsvaerd, Denmark (アッセイ番号EB-SM- 0349.02/01)から必要に応じ入手できる。
【0276】
比活性を次の通りにして計算した:比活性(AU/g)= (活性(AU/ml)/ AAA(mg/ml)) x 1000 (mg/g)。
L1aプロテアーゼの比活性は、ノカルジオプシスsp. NRRL 18262由来のプロテアーゼの38.3AU/gの比活性に比較して、49.8AU/gであった。
【0277】
例6L2aプロテアーゼの精製及び特徴化
例2に記載されるL2aプロテアーゼを発現する、形質転換されたバチルス宿主を、例1に記載のようにして、但し30℃で5日間、発酵した。培養物ブイヨンを、遠心分離し(20000xg, 20分)、そして上清液を注意して、沈殿物からデカントした。組合された上清液を、バチルス宿主細胞の残りを除去するために、Seitz EKSプレートを通して濾過した。EKS濾液を、G25 Sephadexカラム上の50mMのH3BO3、5mMの琥珀酸、1mMのCaCl2(pH7)溶液に移し、そして同じ緩衝液により平衡化されたバシトラシンシリカカラムに適用した。カラムを平衡化緩衝液により集中的に洗浄した後、プロテアーゼを、100mMの H3BO3,10mM の琥珀酸,2mM のCaCl2, 1 Mの NaCI, 25% のイソプロパノール, pH 7により段階的に溶出した。
【0278】
バシトラシン溶出物を、G25 Sephadexカラム上の50mM のH3BO3, 10mM のCH3COOH,1mM のCaCI2, pH 4.5に移し、そして同じ緩衝液により平衡化されたS セファデックスカラムに適用した。カラムを平衡化緩衝液により集中的に洗浄した後、プロテアーゼを、同じ緩衝液中、線状NaClグラジエント(0→0.5M)により溶離した。カラムからの画分を、プロテアーゼ活性について分析し(37℃及びpH9 でProtazyme AKアッセイを用いて)、そして活性画分をさらに、SDS−PAGEにより分析した。わずか1つのバンドがクーマシー染色されたSDS−PAGEゲル上で見出された画分を、精製された調製物としてプールし、そしてさらなる特徴化のために使用した。
【0279】
L2aプロテアーゼを、カルジオプシスsp.NRRL18262由来の既知のプロテアーゼ(“プロテアーゼ10”と称する)に比較して、上記例4に記載のようにして特徴づけた。結果は下記表5〜7に示される。
【0280】
【表5】

【0281】
【表6】

【0282】
【表7】

【0283】
他の特徴
L2aプロテアーゼは、フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、及びストレプトミセススブチリシンインヒビター(SSI)により阻害されることが見出されたα−溶解プロテアーゼ株酵素(ペプチダーゼファミリーS1E、これまでS2A)である。SDS−PAGEにより決定される場合、その相対的分子量は、Mr=20kDaであり、そしてN−末端配列は、ANIIGGLAYT(配列番号27)である。
【0284】
例7L2aプロテアーゼの溶解温度
示差走査熱量法(DSC)
DSCを用いて、ノカルジオプシスsp. DSM16425由来のL2aプロテアーゼのpH7.0での温度安定性を決定した。プロテアーゼを、例6に記載のようにして精製し、そして10mMのリン酸ナトリウム、50mMの塩化ナトリウム、pH7.0に対して4℃で一晩、透析し、20〜100℃まで1.5℃/分の一定走査速度を伴って、VP-DSC装置(Micro Cal)上で実施した。データ−取扱を、MicroCal Originソフトウェアを用いて行った。
得られる変性又は溶融温度(Tm又はTd)は、78.2℃であった。プロテアーゼ10についてのTmは76.5℃である。
【0285】
例8単胃インビトロ消化モデルにおけるL2aプロテアーゼの性能
例6に記載される精製されたL2aプロテアーゼの性能を、ノカルジオプシスsp. NRRL18262(プロテアーゼ10)由来の既知のプロテアーゼに比較して、単胃動物において消化を刺激するインビトロモデルにおいて試験した。特に、プロテアーゼを、トウモロコシ/−SBM(トウモロコシ/−大豆粉)タンパク質の溶解性及び消化を改良するその能力について試験した。インビトロシステムは、トウモロコシ/−SBM基質が最初に、HCl/ペプチン(胃消化を刺激する)、及び続いて、パンクレアチン(腸消化を刺激する)と共にインキュベートされる18個のフラスコから成った。8個のフラスコは、胃相の開始でプロテアーゼを添加され、そして残りの10個のフラスコはブランクとして作用した。腸インキュベーション相の最後で、インビトロ消化物のサンプルを除き、そして溶解され、そして消化されたタンパク質について分析した。
【0286】
【表8】

【0287】
条件
基質: 4gのSBM、6gのトウモロコシ(前混合された)
pH: 3.0:胃段階/6.8〜7.0:腸段階
HCl: 1.5時間0.105M(すなわち、30分のHCl−基質前混合)
ペプシン: 1時間3000U/gの規定食
パンクレアチン: 4時間8mg/gの規定食
温度: 40℃
反復: n
【0288】
溶液
0.39MのNaOH
0.105MのHCl
5ml当たり6000Uのペプシンを含む0.105MのHCl
1ml当たり16mgのパンクレアチンを含む1MのNaHCO3
125mMのNaAc−緩衝液、pH6.0
【0289】
酵素タンパク質決定
プロテアーゼ酵素タンパク質(EP)の量を、S. C. Gill & P. H. von Hippel, Analytical Biochemistry 182,319-326, (1989)に概略される原理を用いて、A280値及びアミノ酸配列(アミノ酸組成)に基づいて計算する。
【0290】
インビトロモデルのための実験方法
実験方法は、上記概略に従った。pHは、1、2.5、及び5.5時間で測定された。インキュベーションを、6時間後に停止し、そして30mlのサンプルを除き、そして遠心分離(10000xy, 10分、4℃)の前、氷上に配置した。上清液を除き、そして−20℃で貯蔵した。
【0291】
分析
すべてのサンプルを、ゲル濾過を用いて、溶解され、そして消化されたタンパク質の含有率について分析した。
【0292】
溶解され、そして消化されたタンパク質の評価
インビトロ消化されたサンプルからの上清液における溶解されたタンパク質の含有率を、ゲル濾過HPLCを用いて、粗タンパク質(CP)を定量化することにより評価した。上清液を融解し、0.45μmのポリカーボネートフィルターを通して濾過し、そして水により稀釈した(1:50、v/v)。稀釈されたサンプルを、Superdex Peptide PE (7.5 x 300 mm)ゲル濾過カラムを用いて、HPLCによりクロマトグラフィー処理した。定組成溶出のために使用される溶解剤は、150mMのNaCl を含む、50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)であった。
【0293】
実験当たりの溶離剤の合計体積は26mlであり、そして流速は0.4ml/分であった。溶出プロフィールを、214nmで記録し、そしてそのプロフィール下の合計領域を積分により決定した。消化された領域からのタンパク質含有率を評価するために、検量線(R2=0.9993)を、既知の合計タンパク質含有率のインビトロ消化された対照トウモロコシ/−SBMサンプルの一連の稀釈溶液から製造した。その対照サンプルにおけるタンパク質決定を、Kjeldahl 方法 (% 窒素の決定; A. O. A. C. (1984) Official Methods of Analysis 14thed., Washington DC)を用いて行った。
【0294】
消化されたタンパク質の含有率を、1500ドルトン又はそれ以下の分子質量を有するペプチド及びアミノ酸に対応するクロマトグラム領域を積分することにより評価した(Savoie, L. ;Gauthier, S. F. Dialysis Cell For The In-vitro Measurement Of Protein Digestibility. J. Food Sci. 1986, 51,494-498 ;Babinszky, L. ; Van, D. M. J. M.; Boer, H.; Den, H. L. A. An In-vitro Method for Prediction of The Digestible Crude Protein Content in Pig Feeds. J. Sci. Food Agr. 1990,50, 173-178; Boisen, S.;Eggum, B. O. Critical Evaluation of In- vitro Methods for Estimating Digestibility in Simple-Stomach Animals. Nutrition Research Reviews 1991,4, 141-162)。1500ドルトンを区分線を決定するために、ゲル濾過カラムを、チトクロムC(Boehringer, Germany)、アプロチニン、ガストリンI及びサブスタンスP(Sigma Aldrich, USA)を、分子質量標準として用いて、検量した。
【0295】
結果
下記表9に示される結果は、プロテアーゼ10のようなL2aプロテアーゼが、ブランクに対して、可溶性及び消化可能タンパク質のレベルを有意に高めたことを示す。さらに、L2aプロテアーゼは、既知のプロテアーゼ10に比較して、消化可能タンパク質のレベルを少なくとも数値的に改良すると思われる。
【0296】
【表9】

【0297】
例9動物飼料及び動物飼料添加物
ビタミン及び鉱物プレミックスの形で存在する、本発明のプロテアーゼL2aを含んで成る動物飼料添加物を、下記表10に示されるようにして構成する。ビタミン及びカロテノイドは、DSM Nutritional Productsから市販されている。すべての量は、g/kgによる。
【0298】
【表10】

【0299】
表10のプレミックスは、下記表11に示されるような組成を有する層についての規定食に含まれる。個々の成分の量は、%(w/w)で示される。L2aプロテアーゼの規定食中の濃度は、kg規定食当たり100mgのプロテアーゼ酵素タンパク質である。
【0300】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号6のアミノ酸1−192に対して少なくとも71.5%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)(i)配列番号5のヌクレオチド574−1149、
(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は
(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;
(c)1又は複数のアミノ酸の置換、欠失、延長、及び/又は挿入を含んで成る、配列番号6のアミノ酸1−192のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体;
(d)上記(a)又は(b)の対立遺伝子変異体;及び
(e)プロテアーゼ活性を有する、(a)、(b)又は(d)のフラグメント、
から成る群から選択された、プロテアーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【請求項2】
次のプロテアーゼ:
(a)配列番号6のアミノ酸1−192;
(b)配列番号2のアミノ酸1−192;
(c)配列番号4のアミノ酸1−192;又は
(d)配列番号8のアミノ酸1−189;
のいずれか1つを含んで成る請求項1記載のポリペプチド。
【請求項3】
プロテアーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、そして
(a)請求項22又は23記載のポリペプチドをコードし;
(b)(i)配列番号5のヌクレオチド574−1149、
(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、及び/又は
(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖と、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズし;そして/又は
(c)配列番号5のヌクレオチド574−1149に対して少なくとも79.3%の程度の同一性を有する、
核酸配列を含んで成る単離された核酸配列。
【請求項4】
次のプロテアーゼ−コードの核酸配列:
(a)配列番号3のヌクレオチド574−1149;
(b)配列番号5のヌクレオチド574−1149;
(c)配列番号7のヌクレオチド586−1152;又は
(d)配列番号1のヌクレオチド568−1143;
のいずれか1つを含んで成る請求項3記載の核酸配列。
【請求項5】
(a)DNAを、
(i)配列番号5のヌクレオチド574−1149、
(ii)少なくとも100個のヌクレオチドの(i)の副配列、又は
(iii)上記(i)又は(ii)の相補鎖とを、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズせしめ;そして
(b)前記核酸配列を単離する;
ことにより生成される、単離された核酸配列。
【請求項6】
適切な発現宿主におけるポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結される請求項3〜5のいずれか1項記載の核酸配列を含んで成る核酸構造体。
【請求項7】
請求項6記載の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
【請求項8】
請求項6記載の核酸構造体又は請求項7記載のベクターを含んで成る組換え宿主細胞。
【請求項9】
請求項1又は2記載のポリペプチドを発現できるトランスジェニック植物又は植物部分。
【請求項10】
請求項1又は2記載のポリペプチドを発現できる、トランスジェニック非ヒト動物、又はその生成物又は要素。
【請求項11】
請求項1又は2記載のポリペプチドを生成するための方法であって、
(a)前記ポリペプチドを含んで成る上清液を生成するために、請求項8記載の組換え宿主細胞を増殖し;そして
(b)前記ポリペプチドを回収する;
ことを含んで成る方法。
【請求項12】
請求項1又は2記載のポリペプチドの生成方法であって、
(a)次の株のいずれかを培養し;
(i)ノカルジオプシス・ダソンビレイ(Nocardiopsis dassonvillei)亜種ダソンビレイDSM43235、
(ii)ノカルジオプシス・プラシナ(Nocardiopsis prasina)DSM15649、
(iii)ノカルジオプシス・プラシナDSM14010、又は
(iv)ノカレジオプシスsp.(Nocardiopsis sp.)DSM16424; そして
(b)前記ポリペプチドを回収する;
ことを含んで成る方法。
【請求項13】
(i)動物飼料;
(ii)動物飼料添加物;
(iii)動物飼料への使用のための組成物の調製;
(iv)動物飼料の栄養価値の改良;
(v)動物飼料における消化でき且つ/又は溶解性のタンパク質の増大;
(vi)動物の規定食におけるタンパク質の加水分解の増強;及び/又は
(vii)タンパク質の処理;
のための少なくとも1つの請求項1又は2記載のプロテアーゼの使用。
【請求項14】
少なくとも1つの請求項1又は2記載のプロテアーゼが飼料に添加される、動物飼料の栄養価値を改良するための方法。
【請求項15】
(a)少なくとも1つの請求項1又は2記載のプロテアーゼ;並びに
(b)少なくとも1つの脂溶性ビタミン、及び/又は
(c)少なくとも1つの水溶性ビタミン、及び/又は
(d)少なくとも1つの微量金属;
を含んで成る動物飼料添加剤。
【請求項16】
アミラーゼ;フィターゼ;キシラナーゼ;ガラクタナーゼ;α−ガラクトシダーゼ;プロテアーゼ;ホスホリパーゼ;及び/又はβ−グルカナーゼをさらに含んで成る請求項15記載の動物飼料添加剤。
【請求項17】
50〜800g/kgの粗タンパク質含有率を有し、そして少なくとも1つの請求項1又は2記載のプロテアーゼを含んで成る動物飼料。
【請求項18】
少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源に、少なくとも1つの請求項1又は2記載のプロテアーゼを添加する段階を含んで成る、タンパク質の処理方法。
【請求項19】
少なくとも1つのタンパク質源の中で、大豆が包含される請求項18記載の方法。
【請求項20】
洗剤への少なくとも1つの請求項1又は2記載のプロテアーゼの使用。

【公開番号】特開2011−167205(P2011−167205A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−115414(P2011−115414)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【分割の表示】特願2007−515779(P2007−515779)の分割
【原出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【Fターム(参考)】