説明

プロピレンの製造方法、触媒の再生方法、固体酸触媒

【課題】プロピレン選択性が高く、扱い性の良い原料を使用することが可能なプロピレンの製造方法を提供する。当該プロピレン製造方法に適した固体酸触媒を提供する。当該製造方法に使用した触媒を効率よく再生できる触媒の再生方法を提供する。
【解決手段】触媒上でエタノールを連続的に反応させてプロピレンへ転換させることを特徴とするプロピレンの製造方法である。また、500℃におけるブタンクラッキング反応の速度定数kが0.1〜30(cm3/min・g)であり、上記本発明のプロピレンの製造方法に使用することを特徴とする固体酸触媒である。表面に形成された細孔の開口径が0.3〜1.0nmであり、上記本発明のプロピレンの製造方法に使用することを特徴とする固体酸触媒である。さらに、上記本発明のプロピレンの製造方法によりプロピレンを製造した後の触媒に対し、酸素雰囲気中での加熱処理を施すことを特徴とする触媒の再生方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレンの製造方法および当該製造方法に適した固体酸触媒、並びに、当該製造方法に使用した触媒の再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油化学の基幹原料として、今後プロピレンの需要が急速に伸びると予想される。プロピレンを増産するために、種々の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、細孔径2〜10nmの規則性メソポーラス多孔体にニッケルなどの金属を担持した触媒が開示されている。そして、気相中でエチレンから選択的にプロピレンなどを製造できることが開示されている。また、非特許文献1には、エチレンからプロピレンを生成させる際に、ニッケルを担持した固体酸触媒を使用する例、さらには、H−ZSM−5(プロトン交換型ZSM−5)を使用する例が開示されている。
【0004】
しかし、従来法であるエチレンと2−ブテンとのメタセシス反応による反応機構では、プロピレン選択性が低いという問題がある。また、出発原料が気体(エチレン)であるため、その貯蔵および輸送が煩雑となり取り扱い性に問題がある。
【特許文献1】特開2003−326169号公報
【非特許文献1】PETROTEC Vol.27,No.8,p628−632(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、プロピレン選択性が高く、取り扱い性の良い原料を使用することが可能で、プロピレンを高選択率で製造できるプロピレンの製造方法を提供することを目的とする。また、当該プロピレン製造方法に適した固体酸触媒を提供することを目的とする。さらに、当該製造方法に使用した触媒を効率よく再生できる触媒の再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明により当該課題を解決できることを見出し本発明に想到した。
【0007】
すなわち、本発明のプロピレンの製造方法は、触媒上でエタノールを連続的に反応させてプロピレンへ転換させることを特徴とする。
【0008】
上記「連続的に反応させる」とは、エタノールからプロピレンヘの1段階での変換、もしくは、エタノールの分子内脱水反応後、該脱水反応での生成物であるエチレンからプロピレンヘの変換を行うものである。これら変換を可能としたのは、従来のメタセシス反応によるカルベン中間体を経由するプロピレンの生成機構とは異なる反応機構を見出したことによる。
【0009】
プロピレンの製造方法に使用する触媒としては、固体酸触媒であることが好ましい。当該製造方法は、固定床流通式の反応系を用い、カルボカチオンを反応中間体として、進行するため、触媒表面にプロトンが存在する固体酸触媒が適している。
【0010】
前記固体酸触媒の500℃におけるブタンクラッキング反応の速度定数は0.1〜30(cm3/min・g)であることが好ましい。活性係数を上記範囲とすることで、過剰なオリゴマー反応が起こりにくくなり、プロピレン選択率を向上させることができる。
【0011】
また、前記固体酸触媒は、ゼオライトであることが好ましい。ここで、「ゼオライト」とは、分子レベルの細孔を内包した含水アルミノ系ケイ酸塩であり、一般式M2/nO・Al23・xSiO2・yH2Oで表される。ゼオライトには、結晶構造を示すIUPAC名と、組成の違いによる鉱物名とがあるが、本発明でいうところのゼオライトの種類は特に限定されるものではなく、あらゆるゼオライトを使用することができる。例えば、A型ゼオライト、L型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、β型ゼオライト、Ferrierite型ゼオライト、Mordenite型、FMI型ゼオライト(ZSM−5ゼオライト)、リン酸塩系ゼオライトなどが挙げられる。また、本発明の固体酸触媒は、1種類の触媒に限らず、多種の触媒を組み合わせて使用してもよい。前記固体酸触媒は、粉状でも粒状でもよく、更に担体(多孔質物質)表面に固体酸触媒を担持したものでもよい。
【0012】
プロピレンへの転換率を考慮すると、前記固体酸触媒はリン酸塩系ゼオライトであることが好ましい。ここで、リン酸塩系ゼオライトとは、ゼオライトのSiO4四面体のSiの一部を、3価のAl(アルミニウム)と5価のP(リン)とで置き換えた構造であり、固体酸性を付与するために、PまたはAlの一部を異なる価数の金属カチオンで置換させたものである。
【0013】
具体的には、Pの一部をSiに置換させたシリコンアルミノリン酸塩(SAPO4−n)、Alを異なる価数の金属カチオンで置換させたメタルアルミノリン酸塩(MeAlPO4−n)、そしてこれらの中間組成体(MeAPSO4−n)がある(括弧中のnは結晶構造を示す番号)。より具体的には、SAPO−5、SAPO−11、SAPO−18、SAPO−34、CoAPO−5、CoAPO−34、CoAPO−34、BeAPO−5、BeAPO−34、BeAPSO、MnAPO−34、MnAPO−36などのような「*APO−n(*は金属元素)」で表されるメタルアルミノリン酸塩がある。
【0014】
前記固体酸触媒としてリン酸塩系ゼオライトを使用する場合、反応温度は300〜500℃とすることが好ましい。300〜500℃とすることで、エチレンへの速い転化速度を維持しながらプロピレンへの選択率を高い状態に維持することができる。より好ましい反応温度としては、350〜470℃であり、さらに好ましい反応温度としては、400〜450℃である。
【0015】
固体酸触媒には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第5族金属、第8族金属、第10族金属、第11族金属、および第12族金属からなる群より選択される少なくとも1種の金属イオンが担持(導入)されていることが好ましい。これらの金属イオンにより、触媒のプロトン量を調整して反応制御を行うことができる。その結果、プロピレン選択率を向上させることができる。このような金属イオンを導入した触媒を使用する場合は、反応温度を300〜500℃とすることが好ましい。
【0016】
上記のような中でも、カルシウムイオン、鉛イオン、および亜鉛イオンのいずれかが好ましい。この場合も、反応温度は300〜500℃とすることが好ましい。
【0017】
前記固体酸触媒に形成された細孔の開口径は、0.3〜1.0nmであることが好ましく、0.3〜0.8nmであることがより好ましく、0.3〜0.5nmであることがさらに好ましい。触媒の開口径をプロピレンの占有径(約0.4nm)付近に合わせることで、反応生成物のプロピレンが選択的に触媒の細孔内から外に出るため、プロピレンが更に反応することを抑えることができ、その結果プロピレン選択率を向上させることができる。なお、細孔の開口径は、反応時の温度による分子振動で拡大、縮小するため、必ずしもプロピレンの占有径とは一致しない。
【0018】
本発明のプロピレンを製造する方法は、
(A)少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層にエタノールを供給して連続的にプロピレンを製造する方法(図2(A)参照)、
(B)後述する脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)と、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)の、少なくとも2層から構成される触媒容器を用いて、前記脱水触媒層側からエタノールを供給して連続的にプロピレンを製造する方法(図2(B)参照)、
(C)後述する脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)からなる触媒容器、および、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)からなる触媒容器を、直列に配置した構成からなり、前記脱水触媒層側からエタノールを流して連続的にプロピレンを製造する方法(図2(C)参照)、
(D)後述する脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)の下流側、且つ、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)の上流側に水分除去層を配置した構成からなり、前記脱水触媒層側からエタノールを供給して連続的にプロピレンを製造する方法(図2(D)参照)、のいずれでも良い。
【0019】
前記脱水触媒とは、エタノールから分子内脱水反応によりエチレンを生成することができる触媒のことである。すなわち、本発明の固体酸触媒も脱水触媒になることができる。また、活性アルミナなどの一般的にエタノールからエチレンを製造する際に用いられる触媒を使用してもよく、更には本発明の固体酸触媒および一般的な脱水触媒を組み合わせてもよい。また脱水触媒は、粉状でも粒状でもよく、更に担体(多孔質物質)表面に脱水触媒を担持したものでもよい。前記(B)〜(D)に記載の脱水触媒層の形態としては、容器内に充填した脱水触媒と、該容器にエタノールを供給する入口、および脱水触媒にて反応した生成物(エチレン等)を排出する出口を設けたものであり、容器内の脱水触媒が、原料供給時に固定されたままである固定層タイプでも、原料供給時に原料の流動により動く流動層タイプでもよい。
【0020】
前記(A)〜(D)に記載の固体酸触媒層の形態としては、容器内に充填した固体酸触媒と、該容器に脱水触媒にて反応した生成物(エチレン等)を供給する入口、および固体酸触媒にて反応した生成物(プロピレン等)を排出する出口を設けたものであり、容器内の固体酸触媒が、原料供給時に固定されたままである固定層タイプでも、原料供給時に原料の流動により動く流動層タイプでもよい。なお、前記脱水触媒層の形態および前記固体酸触媒層の形態にて説明した「入口を設ける」または「出口を設ける」とは、各層における前段処理または後段処理との区切りをつける領域が存在することを示している。図2(B)を例に取ると、(B)の脱水触媒層の形態は、エタノールが触媒容器内の脱水触媒層に入る領域が「エタノールを供給する入口」であり、脱水触媒により生成したエチレン等が脱水触媒層から出る領域が「脱水触媒にて反応した生成物を排出する出口」に相当し、また、(B)の固体酸触媒層の形態は、脱水触媒により生成したエチレン等が固体酸触媒層に入る領域が「脱水触媒にて反応した生成物を供給する入口」であり、固体酸触媒により生成したプロピレン等が固体酸触媒層より出る領域が「固体酸触媒にて反応した生成物を排出する出口」に相当する。
【0021】
前記(B)〜(D)に関し、前記脱水触媒層と前記固体酸触媒層とは、異なるエネルギーで反応操作を行うことが可能である。具体的には、触媒に温度勾配を設ける方法や、エネルギーの異なる電子線を照射する方法などが挙げられる。
更に前記(D)の構成では、エタノールの脱水反応で生じた水を除去することができるため、プロピレン選択率を向上させることができる。
このように複数の反応層を含んでも、エタノールからプロピレンを製造する全工程を連続的に行うことができる。
【0022】
また、本発明触媒の再生方法は、既述のプロピレンの製造方法によりプロピレンを製造した後の触媒に対し、酸素雰囲気中での加熱処理を施すことを特徴とする。当該触媒は、反応中触媒上にコークまたはコーク前駆体が析出し、触媒活性が低下してしまう。そこで、本発明の再生方法による酸素雰囲気下での加熱処理を行うことで、触媒上のコークまたはコーク前駆体を燃焼除去し触媒活性を回復させることができる。
【0023】
さらに、本発明の固体酸触媒は、固体酸触媒の500℃におけるブタンクラッキング反応の速度定数kが0.1〜30(cm3/min・g)であり、既述のプロピレンの製造方法に使用することを特徴とする。速度定数kを0.1cm3/min・g以上とすることで、プロピレンに変換するための十分な反応速度を得ることができ、速度定数kを30cm3/min・g以下とすることで、過剰なオリゴマー反応が起こりにくくなり、プロピレン選択率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の固体酸触媒は、その表面に形成された細孔の開口径は0.3〜1.0nmであることが好ましく、0.3〜0.8nmであることがより好ましく、0.3〜0.5nmであることがさらに好ましい。そして、既述のプロピレンの製造方法に使用することを特徴とする。触媒の開口径をプロピレンの占有径(約0.4nm)に近づけることで、反応後のプロピレンが選択的に触媒の細孔内から外に出るため、プロピレンが更に他の炭化水素に変化することを抑えることができ、その結果、プロピレン選択率を向上させることができる。なお、細孔の開口径は、反応時の温度による分子振動で拡大、縮小するため、必ずしもプロピレンの占有径とは一致しない。
【発明の効果】
【0025】
本発明のプロピレンの製造方法は、プロピレン選択性が高く、取り扱い性の良い原料を使用することが可能で、プロピレンを高選択率で製造できる。また、本発明の固体酸触媒は、当該プロピレン製造方法に適したものである。さらに、本発明の触媒の再生方法によれば、当該製造方法に使用した触媒を効率よく再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[1]プロピレンの製造方法:
本発明のプロピレンの製造方法は、触媒上でエタノールを連続的に反応させてプロピレンへ転換させる方法である。当該方法により、エタノールから、プロピレンを効率よく製造することができる。また、エタノールは常温では液体であるため、気体であるエチレンを使用するよりも取り扱いが容易であり、設備費の低減が可能となる。
【0027】
図1に固体酸触媒を用いたプロピレンの生成機構を示す。該生成機構はカルボカチオンを反応中間体としてプロピレンが生成しているものと考えられる。
具体的には図1に示すように、
(1)酸触媒の脱水反応によるエタノールからエチレンの生成。
(2)生成したエチレンと、更に酸触媒により得られたエチルカチオンとの2量化反応(ブチルカチオンの生成)。
(3)前記ブチルカチオンからの1−ブテンまたは2−メチルプロペン生成反応。
(4)前記2種類のブテンヘのエチルカチオン付加による3量化反応(4−メチルペンテン型カルボカチオンまたはヘキシルカルボカチオンの生成)
(5)β解裂によるプロピレン生成。
へと連続的に反応が起こる。
【0028】
本発明のプロピレンを製造する方法は、以下のいずれであっても良い。
(A)少なくとも1種類以上の固体酸触媒を充填した反応層にエタノールを供給して連続的にプロピレンを製造する方法(図2(A))。
(B)脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)と、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)の、少なくとも2層から構成される触媒容器を用いて、前記脱水触媒層側からエタノールを流して連続的にプロピレンを製造する方法(図2(B))。
(C)脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)からなる触媒容器、および、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)からなる触媒容器を、直列に配置した構成からなり、前記脱水触媒層側からエタノールを供給して連続的にプロピレンを製造する方法(図2(C))。
(D)脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)の下流側、且つ、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)の上流側に水分除去層を配置した構成からなり、前記脱水触媒層側からエタノールを供給して連続的にプロピレンを製造する方法(図2(D))。
【0029】
本発明が上述する工程を有することができるのは、本発明者が、前記固体酸触媒には次の3つの触媒作用を有することを見出したことに他ならない。
(1)エタノールからプロピレンを生成する触媒作用
(2)エタノールからエチレンを生成する触媒作用(脱水反応)
(3)エチレンからプロピレンを生成する触媒作用
前記脱水触媒とは、エタノールから分子内脱水反応によりエチレンを生成することができる触媒のことである。すなわち、本発明の固体酸触媒も脱水触媒になることができる。また、活性アルミナなどの一般的に工タノールからエチレンを製造する際に用いられる触媒を使用してもよく、更には本発明の固体酸触媒および一般的な脱水触媒を組み合わせてもよい。
また、脱水触媒は、粉状でも粒状でもよく、更に担体(多孔質物質)表面に脱水触媒を担持したものでもよい。
【0030】
上記(D)に記載の水分除去層とは、原料に含まれる水、および、前記脱水触媒にて生成した水を除去するものである。この方法としては、冷却による液化分離、水蒸気透過膜による分離等の方法が挙げられる。
上記(B)、(C)または(D)において、エタノール供給側から見て上流の脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)ではエタノールが脱水してエチレンが生成する反応が起こり、下流の固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)ではエチレンからプロピレンが生成する反応が起こる。これら、2つの触媒層の反応温度は同じでも異なっていても良いが、エタノールからプロピレン生成まで連続的に反応をおこなうために、全工程で一定の圧力であるほうが好ましい。
【0031】
いずれの場合も、後述する固体酸触媒を用いた場合、反応温度を300℃〜500℃とすることが好ましい。このような態様とすることで、プロピレンより分子量が大きい化合物への重合反応を抑え、かつ、適度なクラッキング反応を押さえることができる。
更に、(B)、(C)または(D)において、脱水触媒層の温度は230℃〜270℃とすることが好ましい。(B)においては、エタノール供給側(脱水触媒層に相当)を230℃〜270℃とし、反応生成物出口側(固体酸触媒層に相当)を300℃〜500℃として、温度勾配を持たせればよい。
(B)〜(D)に示すように複数の反応層を含んでも、エタノールからプロピレンを製造する全工程を連続的に行うことができる。
【0032】
固体酸触媒としては、H−ZSM−5(プロトン交換型ZSM−5)やリン酸塩系ゼオライト(既述の中でも、特に、SAPO−34、SAPO−11、SAPO−18)であることが好ましく、高いプロピレン選択率が得られることを考慮し、また、再生のしやすさおよび適度な酸強度を考慮すると、リン酸塩系ゼオライトであることが好ましい。
【0033】
また、固体酸触媒としてリン酸塩系ゼオライトを使用し、反応温度を300〜500℃とすることが好ましい。このような態様とすることで、過度な重合反応を抑え、かつ、過度なクラッキング反応を抑えることができる。
【0034】
[2]固体酸触媒:
本発明の固体酸触媒は、既述の本発明のプロピレンの製造方法に使用する。H−ZSM−5などのゼオライトに代表される固体酸触媒には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第5族金属、第8族金属、第10族金属、第11族金属、および第12族金属からなる群より選択される少なくとも1種の金属イオンが導入されていることが好ましい。適当な酸強度を考慮すると、カルシウムイオン、鉛イオン、および亜鉛イオンの少なくともいずれかが導入されていることが好ましい。導入方法としては、固体イオン交換法などを適用することができる。
【0035】
本発明の固体酸触媒は、固体酸触媒の500℃におけるブタンクラッキング反応の速度定数kが0.1〜30(cm3/min・g)である。kは、「H.RASTELLI,Jr.,B.M.LOK,J.A.DUISMAN,D.E.EARLS and J.T.MULLHAUPT,The Canadian journal of Chemical Engineering,Vol.60(1982),p44−49」に記載の方法にて求めることができる。
【0036】
具体的には、2%のn−ブタンが入ったヘリウムガスを、500℃に保持された触媒(SAPO−34など)に通じ、ブタンクラッキング反応により消費されて出てきたガス中のn−ブタン消費量をガスクロマトグラフィーにて測定し、得られた値を下記式に代入して求めることができる。
【0037】
k=−(F/W)ln(1−c) (cm3/min・g)
c:n−ブタン消費量のモル分率
F:2%のn−ブタン入りヘリウムガスの流量(cm3/min)
W:触媒重量(g)
【0038】
なお、H−ZSM−5、SAPO−34、およびSAPO−11のそれぞれのkは、65〜70、0.1〜7.6、および0.5〜3.5である。
【0039】
本発明の固体酸触媒は、細孔の開口径が、0.3〜1.0nmである。図1の2量化で生じるブテン類の分子径(占有径)は約0.5nmであり、プロピレンの分子径(占有径)は約0.4nmであり、中間生成物に比べて小さな分子径となっている。そのため、触媒細孔内で生成した生成物を、触媒出口の大きさ(開口径)で選別することにより、触媒系外に放出されるプロピレンの割合(選択率)を向上させることができる。なお、細孔の開口径は、反応時の温度による分子振動で拡大、縮小するため、必ずしもプロピレンの占有径とは一致しない。
【0040】
ここで、ZSM−5の細孔径は約0.6nmであり、SAPO−34の細孔径は約0.4nmである。SAPO−34の細孔径は、プロピレンの分子径と略同等であるため、触媒開口径による「分子ふるい効果」により、触媒細孔内から脱離するプロピレンが多くなる効果が相乗されるものと考えられる。
【0041】
細孔の開口径は、公知の方法によって測定することができる。例えば、窒素ガスや二酸化炭素などのガス吸着法による細孔測定や、電子顕微鏡測定によって求めることができる。
【0042】
[3]触媒の再生方法:
本発明の触媒の再生方法は、プロピレンの製造方法によりプロピレンを製造した後の触媒に対し、酸素雰囲気中での加熱処理を施す方法である。活性劣化の原因となる触媒上のコークまたはコーク前駆体を燃焼除去することで触媒活性を回復させることが可能となる。
【0043】
加熱処理による加熱温度(焼成温度)は、コークまたはコーク前駆体が十分に燃焼する600〜700℃とすることが好ましい。酸素雰囲気とするには、触媒容器中に大気導入すればよい。なお、この簡便な触媒の再生方法には、耐熱性の優れた本発明の酸化物触媒、特に、SAPO−34、SAPO−11、SAPO−5、およびSAPO−18に適用することが好ましい。
【実施例】
【0044】
(金属導入H−ZSM−5触媒を使用した製造試験)
SiO2/Al23=23.8のH−ZSM−5触媒(東ソー社製)に、Pb(鉛)イオン、Ca(カルシウム)イオン、Zn(亜鉛)イオン、Ag(銀)イオン、Na(ナトリウム)イオン、In(インジウム)イオン、Ga(ガリウム)イオン、およびTa(タンタル)イオンのそれぞれを固体イオン交換法により導入して金属担持H−ZSM−5触媒(それぞれの金属イオン導入量:M/Al(物質量比)=0.17〜0.5、M:金属イオンの物質量(モル量)、Al:アルミニウムイオンの物質量(モル量))を調製した。Pb(鉛)イオン、Ca(カルシウム)イオン、Zn(亜鉛)イオン、Ag(銀)イオン、Na(ナトリウム)イオン、In(インジウム)イオン、Ga(ガリウム)イオン、およびTa(タンタル)イオンのそれぞれの前駆体としては、それぞれの硝酸塩を使用した。この場合には、エチレンを出発原料として、プロピレンの製造試験を行った。
なお、エタノールは230℃以上の条件で固体酸触媒層に供給すると、容易に略100%エチレンに転化する(固体酸触媒による脱水反応)ため、出発原料にエチレンを用いても、エタノールから連続的にプロピレンを製造する際の固体酸触媒の活性を評価することが可能である。そのため、本実施例は、図2(D)に示す脱水触媒層および水分除去層を経た後の、固体酸触媒による反応とみなすことができる。
【0045】
製造試験における反応条件は、下記の通りである。まず、導入金属イオンとH−ZSM−5中のAlとの物質量比(モル比:「導入金属イオンの物質量(モル量)」/「アルミニウムイオンの物質量(モル量)」)は0.5とし、エチレンガス、N2キャリアガス、およびHeキャリアガスのそれぞれの圧力を33.8kPaとし、接触時間を0.45〜1.8(g−catalyst・h/mol)とし、反応温度を325℃とした。それぞれの接触時間におけるエチレン転化率およびプロピレン選択率の結果を図3(図は、導入金属イオンをPbイオンとしたPb/H−ZSM−5での結果とH−ZSM−5での結果)に示す。
【0046】
金属イオンを導入すると、H−ZSM−5触媒のプロトンの酸強度を弱くするものと考えられる。また、図3に示すように、エチレン転化率を0mol%に外挿することにより、プロピレン選択率に及ぼす金属イオンの影響を評価することができる。各種金属イオンを導入した場合の結果(外挿値)を下記表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
H−ZSM−5触媒では、エチレン転化率を0mol%に外挿した場合のプロピレン選択率は約40C−atom%(C−atom%:出発原料の全炭素数に対するプロピレンに変化した炭素数の割合)である。これに対し、各種金属イオンを導入したH−ZSM−5触媒にて評価した結果では、図3および上記表1に示すように、Caイオン、Pbイオン、およびZnイオンのそれぞれで、エチレン転化率を0mol%に外挿した場合のプロピレン選択率は48〜72C−atom%という高い値を示した。
【0049】
(リン酸塩系触媒を使用した製造試験)
H−ZSM−5触媒より酸強度が弱いリン酸塩系ゼオライト触媒(SAPO−34)を用いてプロピレンの製造試験を行った。
【0050】
なお、SAPO−34は「A.M.Prakash and S.Unnikrishnan,J.CHEM.SOC.FARADAY.TRANS.,1994,90(15),2291−2296」に記載の方法により作製した。
【0051】
具体的には、Al23:P25:SiO2:H2O:モルホリン=1:1:0.5:60:2の割合になるように配合した。配合手順は、85%オルトリン酸に蒸留水を加え、更に擬マーベスト(アルミナ)を加えて6時間攪拌した。また別途、蒸留水に入ったフュームドシリカとモルホリンとを用意し、強攪拌しながら、その中に先に調製したものを滴下した。そして、出来上がったゲル状物質を27℃24時間でエージングさせた。その後、耐熱容器に移し替え190℃120時間にて水熱合成反応を行った。冷却後、水洗・デカンテーションを行い、乾燥させて目的物(SAPO−34)を得た。
【0052】
製造試験における反応条件は、下記の通りである。エタノールおよびエチレンガスのいずれを出発原料とした場合でも、エタノールもしくはエチレンガス、N2キャリアガス、およびHeキャリアガスのそれぞれの圧力を33kPaとし、接触時間を3.6〜24.0(g−catalyst・h/mol)とし、反応温度を350〜400℃とした。結果を図4に示す。なお、エタノールは230℃以上の条件で固体酸触媒層に供給すると、容易に略100%エチレンに転化する(固体酸触媒による脱水反応)ため、図4の横軸はエチレン転化率に統一した。また、本実施例でエチレンを出発原料に用いたものは、図2(D)に示す脱水触媒層および水分除去層を経た後の、固体験触媒による反応とみなすことができる。
【0053】
図4より、H−ZSM−5触媒に比べて、エタノールおよびエチレン転化率に対するプロピレン選択率が格段に高い(H−ZSM−5触媒は42C−atom%であり、SAPO−34は83〜87C−atom%)ことがわかる。これは、酸強度がH−ZSM−5触媒よりも弱いので、炭素数の多い炭化水素が生成しにくいこと、また、「分子ふるい効果」が理由と考えられる。なお、金属イオンを導入したH−ZSM−5触媒(Pb導入H−ZSM−5触媒など)では、エチレン転化率を増加させると、プロピレン選択率が急激に低下する(図3参照)のに対し、SAPO−34では、エチレン転化率を増加させても、さほどプロピレン選択率は低下しない。
【0054】
(反応温度を変化させた場合の製造試験)
SAPO−34を触媒とし、反応温度を変化させてプロピレンの製造試験を行った。出発原料はエチレンとした。製造試験における反応条件は、下記の通りである。エチレンガス、N2キャリアガス、およびHeキャリアガスのそれぞれの圧力を33kPaとし、接触時間を8.0(g−catalyst・h/mol)とし、反応温度を350〜500℃とした。経時変化におけるエチレン転化率の結果を図5に示し、プロピレン選択率の結果を図6に示す。
【0055】
図5より、400℃〜500℃の間で、特に、430℃でエチレン転化率が高いものとなった。また、いずれの場合も、流通時間の経過とともに変換率が低下した。
【0056】
また、図6より、400℃〜430℃で略同程度のプロピレン選択率が示された。500℃以上では、流通時間の経過とともに選択率の低下が見られた。
【0057】
以上の結果より、反応温度を400℃〜500℃とすると、エチレン転化率およびプロピレン選択率ともに高い値を示すことがわかった。
【0058】
(エタノール脱水反応により生じた水を除去した反応系による製造試験)
SiO2/Al23=23.8のH−ZSM−5触媒を用いてエタノールおよびエチレンを出発原料としてプロピレンの製造試験を行った。結果を図7および図8に示す。なお、反応条件は下記の通りとした。
【0059】
すなわち、エタノールでの反応条件として、エタノールおよびキャリアガス(He)のそれぞれの圧力を50kPaとし、総流量を20cm3/minとし、反応温度を320℃とした。また、エタノールの脱水処理後の脱水反応後の場合の反応条件として、エチレンガス、N2キャリアガス、およびHeキャリアガスのそれぞれの圧力を33kPaとし、総流量を17cm3/minとし、反応温度を320℃とした。
【0060】
320℃ではエタノールは脱水反応を起こし、かつ、エタノールはすべて消失している。すなわち、エタノールは水とエチレンとをはじめとする炭化水素に転化している。そこで、図7の横軸はエチレン転化率で示した。図7の破線の領域では、エチレン転化率0〜10mol%辺りでプロピレン選択率が急激に減少している。一方、エタノールをH−ZSM−5触媒(反応温度:250℃)に曝すと、略100%の収率でエチレンが生成していることが確認できた(図示なし)。この生成機構は、エタノールから水が脱離してエチレンに変化しているものであるため、脱離した水を除去した反応系にて試験を行った結果が図8である。試験の結果、図8の破線の領域に示される通り、エタノールからエチレンへの転化反応後水を除去することにより、H−ZSM−5触媒を用いた場合には、プロピレン選択率の減少を抑制することが可能となった。
【0061】
(触媒の再生試験)
上記「反応温度を変化させた場合の製造試験」で示したとおり、時間経過とともに触媒活性が低下することが確認された。反応後の触媒を分析した結果、触媒内にコークまたはコーク前駆体が析出していることが明らかとなった。このコークまたはコーク前駆体を取り除いて触媒を再生させるため、大気中(酸素雰囲気下)にて加熱処理を行った。
【0062】
なお、再生条件は、下記の通りである。まず、触媒は、上記試験のうち反応温度400℃にて製造試験を行った後のSAPO−34触媒を使用した。雰囲気は、大気中(酸素雰囲気下)で加熱時間は3時間とした。加熱温度は、430℃および630℃の2種類とした。
【0063】
再生処理後、再びプロピレン製造試験を行った。430℃で再生処理を行った触媒では、触媒活性が低下したままであったが、630℃で再生処理を行った触媒では、触媒活性が元の活性に回復することが確認できた。そこで、下記反応条件にて、上記試験と同様の試験を行い、時間経過におけるエチレン転化率の変化を観察した。具体的な反応条件は下記の通りである。エチレンガス、N2キャリアガス、およびHeキャリアガスのそれぞれの圧力を33kPaとし、接触時間を8.0(g−catalyst・h/mol)とし、反応温度を400℃とした。結果を図9に示す。
【0064】
図9に示すとおり、再生処理を行った触媒は、反応に使用する前の触媒(新品)と同等の活性を得ることができた。このことから、触媒活性の低下の主原因は、コークまたはコーク前駆体の析出によるものであることがわかり、再生処理を行うことでコークまたはコーク前駆体が燃焼して除去されることにより、簡便に触媒活性を回復できることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の反応スキームを示す説明図である。
【図2】本発明のプロピレンを製造方法の反応経路を模式的に示した図であり、(A)は、少なくとも1種類以上の固体酸触媒を充填した反応層にて、エタノールからプロピレンヘの連続的な変換を示した反応経路であり、(B)は、1つの容器内で、脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)と、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)の、2層から構成される触媒容器での、エタノールからプロピレンヘの連続的な変換を示した反応経路であり、(C)は、脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)を設けた触媒容器、および、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)を設けた触媒容器を、直列に配置した構成での、エタノールからプロピレンヘの連続的な変換を示した反応経路であり、(D)は、脱水触媒を充填した反応層(脱水触媒層)を設けた触媒容器の下流側、且つ、少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した反応層(固体酸触媒層)を設けた触媒容器の上流側に、水分除去層を設けた構成での、エタノールからプロピレンヘの連続的な変換を示した反応経路である。
【図3】Pbイオンを導入したH−ZSM−5触媒と未導入のH−ZSM−5触媒におけるエチレン転化率とプロピレン選択率との関係を示す図である。
【図4】接触時間を変化させた場合で、SAPO−34触媒におけるエタノールおよびエチレン転化率とプロピレン選択率との関係を示す図である。
【図5】SAPO−34触媒での各温度におけるエチレン転化率の経時変化を示す図である。
【図6】SAPO−34触媒での各温度におけるプロピレン選択率の経時変化を示す図である。
【図7】H−ZSM−5触媒を用い、エタノールを出発原料としたときのエチレン転化率と生成物選択率との関係(反応温度320℃)を示す図である。
【図8】H−ZSM−5触媒を用い、エタノールからエチレン反応後に脱水処理を行ったときのエチレン転化率と生成物選択率との関係(反応温度320℃)を示す図である。
【図9】新品SAPO−34触媒および再生処理後のSAPO−34触媒におけるエチレン転化率の経時変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒上でエタノールを連続的に反応させてプロピレンヘ変換させることを特徴とするプロピレンの製造方法。
【請求項2】
前記触媒は固体酸触媒であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項3】
前記固体酸触媒の500℃におけるブタンクラッキング反応の速度定数kが0.1〜30(cm3/min・g)であることを特徴とする請求項2に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項4】
前記固体酸触媒はリン酸塩系ゼオライトであることを特徴とする請求項2または3に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項5】
前記リン酸塩系ゼオライトを使用し、反応温度を300〜500℃とすることを特徴とする請求項4に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項6】
前記固体酸触媒中に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第5属金属、第8属金属、第10属金属、第11属金属、および第12属金属からなる群より選択される少なくとも1種の金属イオンが導入されていることを特徴とする請求項2または3に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項7】
前記固体酸触媒中に鉛イオンが導入されていることを特徴とする請求項2または3に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項8】
前記固体酸触媒中にカルシウムイオンが導入されていることを特徴とする請求項2または3に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項9】
前記固体酸触媒中に亜鉛イオンが導入されていることを特徴とする請求項2または3に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項10】
前記固体酸触媒として、請求項6〜9に記載された金属イオンを導入した触媒を使用し、反応温度を300〜500℃とすることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項11】
前記固体酸触媒に形成された細孔の開口径は0.3〜1.0nmであることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法。
【請求項12】
エタノールから連続的にプロピレンヘ変換する際に、エタノール供給側の反対側に少なくとも1種類以上の前記固体酸触媒を充填した固体酸触媒層、および、該固体酸触媒層の上流側に前記固体酸触媒と同じであっても異なっていてもよい脱水触媒を充填した脱水触媒層、との少なくとも2つの触媒層を配置することを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法
【請求項13】
前記脱水触媒層の下流側、且つ、前記固体酸触媒層の上流側に水分除去層を配置することを特徴とする請求項12に記載のプロピレンの製造方法
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法によりプロピレンを製造した後の触媒に対し、酸素雰囲気中での加熱処理を施すことを特徴とする触媒の再生方法。
【請求項15】
500℃におけるブタンクラッキング反応の速度定数kが0.1〜30(cm3/min・g)であり、請求項2〜13のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法に使用することを特徴とする固体酸触媒。
【請求項16】
細孔の開口径が0.3〜1.0nmであり、請求項2〜13のいずれか1項に記載のプロピレンの製造方法に使用することを特徴とする固体酸触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−191444(P2007−191444A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12634(P2006−12634)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000241485)豊田通商株式会社 (73)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】