説明

プロピレン製造用触媒およびプロピレンの製造方法

【課題】低コストにて効率よくプロピレンを製造するための、プロピレン製造用触媒およびプロピレンの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るプロピレン製造用触媒は、アルミニウムを含むシリカであって、当該アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートを含まないものをニッケルイオンに接触させて、ニッケル処理体を得るニッケルイオン接触工程を含む方法により調製されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレンを製造するための触媒、およびこれを用いたプロピレンの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ニッケル、アルミニウム、マンガン、鉄、および銅の群から選ばれる1種または2種以上のものを、テンプレートイオン交換法により規則性メゾポーラス多孔体に担持させた触媒、または規則性メゾポーラス多孔体からなる触媒であって、1種または2種以上のアルコールを原料とし、プロピレン等を含む1種または2種以上のオレフィンを生成する触媒が記載されている。
【0003】
また、非特許文献1には、アルミニウムを含むシリカにニッケルを担持した触媒を用いて、エチレンからC4〜C12であって、炭素数が偶数であるオレフィン類を製造する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/83684号パンフレット(2007年7月26日公開)
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Journal of Catalysis 225 (2004) 213-222.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
代表的な汎用樹脂であるポリプロピレンの原料となるプロピレンを、より効率よく、かつ低コストにて製造する技術が求められている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、触媒が含むニッケルの量当たりの触媒活性が低く、目的の活性を有する触媒を製造するためには、コストが高くなるという問題がある。また、非特許文献1に記載されている技術では、プロピレンを製造することができない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、低コストにて効率よくプロピレンを製造するための、プロピレン製造用触媒およびプロピレンの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係るプロピレン製造用触媒は、アルミニウムを含むシリカであって、当該アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートを含まないものをニッケルイオンに接触させて、ニッケル処理体を得るニッケルイオン接触工程を含む方法により調製されるものである。
【0010】
また、本発明に係る触媒では、上記ニッケルイオン接触工程は、第1の接触工程と、第2の接触工程とを含むものであり、上記第1の接触工程は、上記アルミニウムを含むシリカであって、当該アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートを含まないものをアンモニウムイオンに接触させて、アンモニウム処理体を得るものであり、上記第2の接触工程は、上記アンモニウム処理体をニッケルイオンに接触させて、上記ニッケル処理体を得るものであることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る触媒では、上記方法は、上記ニッケルイオン接触工程の前に行なうテンプレート除去工程を含むものであり、上記テンプレート除去工程は、アルミニウムを含むシリカであって、上記テンプレートを含むものからテンプレートを除去するものであることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る触媒では、ケイ素原子とニッケル原子とのモル比が110以上1000以下であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る触媒は、エチルアルコールおよびエチレンの少なくとも一方を原料としてプロピレンを製造するものであることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る触媒は、上記ニッケル処理体を乾燥または焼成して得られたものであることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る触媒では、上記テンプレートは、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびアミンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明に係るプロピレンの製造方法は、上述したいずれかの触媒と、エチルアルコールおよびエチレンの少なくとも一方とを、250℃以上600℃以下において接触させる反応工程を含む。
【0017】
また、本発明に係るプロピレンの製造方法では、上記エチルアルコールは生物資源由来のエチルアルコールであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、低コストにて効率よくプロピレンを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0020】
〔触媒〕
本実施形態に係る触媒は、プロピレン製造用触媒であり、特に、エチルアルコール(以下、「エタノール」とも称する。)、エチレン等、またはこれらの組合せを原料として、プロピレンを製造するための触媒である。
【0021】
本実施形態に係る触媒は、少なくとも、アルミニウム(Al)を含むシリカであって、当該アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートを含まないもの(以下、「アルミ含有シリカ」ともいう。)をニッケルイオンに接触させて、ニッケル処理体を得るニッケルイオン接触工程を含む方法により調製されるものであればよい。ニッケルイオン接触工程は、後述する第2工程(第1の接触工程)と第3工程(第2の接触工程)とを含むものであってもよい。この製造方法は、アルミ含有シリカに、いわゆるニッケルイオン交換法を用いてニッケル(Ni)を担持させる方法を用いるものである。なお、ニッケルイオン交換法として、いわゆるアンモニウムイオン交換法を用いることが好ましい。アンモニウムイオン交換法とは、下地となるアルミ含有シリカにアンモニウムイオンを配位させ、このアンモニウムイオンとニッケルイオンとを置き換える方法である。
【0022】
また、上述した製造方法は、後述する第1工程を含んでいてもよいし、後述する第4工程を含んでいてもよい。これらの工程の詳細については後述する。
【0023】
触媒におけるニッケル原子の含有量は、触媒の総重量に対して0.01重量%以上であることが好ましく、0.07重量%以上であることがより好ましい。なお、「触媒の総重量」とは、触媒に含まれるアルミ含有シリカとニッケルとの総重量をいう。このような含有量であれば、良好な活性を有する触媒とすることができる。また、ニッケル原子の含有量は、触媒の総重量に対して5重量%以下であることが好ましく、0.9重量%以下であることがより好ましい。このような含有量であれば、製造されるプロピレンの選択性を高くすることができる。また、触媒におけるニッケル原子の含有量は、高いプロピレンの選択率を獲得するという観点からは、0.2重量%以上0.8重量%以下であることが好ましい。
【0024】
触媒におけるケイ素(シリコン、Si)原子/アルミニウム原子のモル比は、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。また、触媒におけるケイ素原子/アルミニウム原子のモル比は、1000以下であることが好ましく、300以下であることがより好ましい。
【0025】
ここで、第2工程において、アンモニウムイオンはアルミ含有シリカのSi−O−Al構造に選択的に配位する。つまり、ニッケルの含有量は、ケイ素原子/アルミニウム原子のモル比に依存するが、上述した構成であれば、プロピレン製造用触媒として好適な量のニッケルを含有する、活性の高い触媒を得ることができる。また、アルミニウム原子の割合が多いと、触媒の表面積が低下して活性が低下するおそれがあるが、上述したケイ素原子/アルミニウム原子のモル比であれば、このようなおそれを防止することができる。
【0026】
また、触媒におけるケイ素原子/アルミニウム原子のモル比は、高いプロピレンの選択率を獲得するという観点からは、80以上200以下であることが好ましい。
【0027】
触媒におけるケイ素原子/ニッケル原子のモル比は、50以上であることが好ましく、110以上であることがより好ましい。このモル比であれば、プロピレンの選択性を高くすることができる。また、ケイ素原子/ニッケル原子のモル比は、2000以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。このモル比であれば、原料の転換速度を速めることができる。
【0028】
触媒におけるニッケル原子/アルミニウム原子のモル比は、プロピレンの生成速度の観点から、0.1以上であることが好ましい。また、ニッケル原子/アルミニウム原子のモル比は、プロピレンの選択性の観点から、1以下であることが好ましい。
【0029】
触媒は、粒状であることが好ましい。また、触媒の比表面積(以下、単に「表面積」ともいう。)は、容易に製造できるという観点では、10m/g以上1500m/g以下であることが好ましく、100m/g以上1200m/g以下であることがより好ましい。これらの構成により、触媒作用の対象となる物質に効率よく接触して作用することが可能となる。なお、表面積は、例えば窒素ガスを吸着させて表面積を測定するBET法によって求めることができる。
【0030】
上述した構成によって、本実施形態に係る触媒は、後述する実施例において示すように、従来の触媒と比較して高い触媒活性を有するものであり、特に、ニッケル量当たりの触媒活性が高いものである。したがって、本実施形態に係る触媒は、従来よりもニッケル原子の含有量を少なくすることができるため、低コストにて製造することができる。また、本発明に係る触媒を用いれば、プロピレンを低コストにて効率よく製造することができる。
【0031】
〔触媒の製造方法〕
本発明に係る触媒は、以下に説明する第1工程、第2工程、第3工程、および第4工程を用いて製造することができる。以下に、それぞれの工程について詳細に説明する。
【0032】
(第1工程)
第1工程は、珪素化合物とアルミニウム化合物とを接触させて、アルミ含有シリカを得る工程である。なお、以下の説明において、「アルミ含有シリカ」とは、アルミニウムを含むシリカであって、当該アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートを含まないものをさす。
【0033】
アルミ含有シリカとは、アルミニウム原子が含まれているシリカであり、Si−O−Al構造を形成し得るものであればよい。アルミ含有シリカとしては、上述したケイ素原子/アルミニウム原子のモル比を満たすものであることが好ましい。
【0034】
珪素化合物としては、例えば、シリカ、珪酸塩、ゼオライト、結晶性珪素化合物、アルコキシシラン等を用いることができる。これらの具体例としては、シリカゲル、MCM41、SBA・15、コロイダルシリカ、珪酸ナトリウム、A型ゼオライト、Y型ゼオライト、ZSM5ゼオライト、カネマイト、オクトシリケート、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。また、珪素化合物は、それ自身がアルミニウムを含んでいるものであってもよい。
【0035】
アルミニウム化合物としては、例えば、酸化アルミニウム類、水酸化アルミニウム類、アルミン酸塩、アルコキシアルミニウム等を用いることができる。これらの具体例としては、アルミナ、ペーマイト、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、トリプロポキシアルミニウム等が挙げられる。
【0036】
珪素化合物とアルミニウム化合物との接触反応は、例えば溶媒中において行なってもよい。溶媒としては、酸性またはアルカリ性の溶媒を用いることが好ましい。酸性の溶媒としては、例えば塩酸、硝酸水溶液、硫酸水溶液、燐酸水溶液等を用いることができる。また、アルカリ性の溶媒としては、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のアルキルアンモニウム水溶液等を用いることができる。酸性またはアルカリ性の溶媒中において行なうことにより、珪素化合物及びアルミニウム化合物のうち少なくとも一方の反応性を向上させることができるため、シリカとアルミニウムとの化学結合形成を促進させることができる。
【0037】
第1工程の接触反応に用いる、珪素化合物に含まれるケイ素原子と、アルミニウム化合物に含まれるアルミニウム原子とのモル比(ケイ素原子/アルミニウム原子)は、製造される触媒のケイ素原子/アルミニウム原子のモル比が好適な範囲になるように設定されることが好ましい。また、接触反応における反応温度、反応時間についても、同様に設定されることが好ましい。
【0038】
また、第1工程は、アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートの共存下で珪素化合物とアルミニウム化合物とを接触させるケイ素−アルミ接触工程と、テンプレートを除去するテンプレート除去工程とを含むものであってもよい。
【0039】
ケイ素−アルミ接触工程では、アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートの共存下において上述した接触反応を行ない、テンプレートを含むアルミ含有シリカを得る。
【0040】
テンプレートとは、アルミ含有シリカに細孔を形成させるためのものであればよく、例えばマイクロメートルからナノメートルのオーダーの集合体としてケイ素化合物とアルミニウム化合物との混合物中に分散され得るものであってもよい。テンプレートとしては、例えばイオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アミン等が挙げられる。イオン性活性剤としては、例えばカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム及びドコシルトリメチルアンモニウム等の水酸化物、塩化物及び臭化物等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、P123及びF127等のブロックコポリマーなどが挙げられる。アミンとしては、例えば、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ドコシルアミン等が挙げられる。
【0041】
テンプレート除去工程では、ケイ素−アルミ接触工程において得られたテンプレートを含むアルミ含有シリカからテンプレートを除去し、アルミニウムを含むシリカであってテンプレートを含まないものを得る。テンプレートは、焼成、抽出、過酸化物等による酸化分解などにより除去することができる。テンプレートを焼成除去する場合は、ケイ素−アルミ接触工程において得られたテンプレートを含むアルミ含有シリカを、焼成前に水に分散させ、pHを5〜9に調整することによって、シリカ構造を安定化させることが好ましい。
【0042】
ケイ素−アルミ接触工程を行なうことにより、テンプレートが、上述したようにマイクロメートルからナノメートルのオーダーの集合体として、珪素化合物とアルミニウム化合物との混合物中に分散される。そして、テンプレート除去工程において、このテンプレートが除去される。そのため、テンプレート除去工程において得られるアルミ含有シリカには、マイクロメートルからナノメートルのオーダーの空間が形成される。したがって、上述したケイ素−アルミ接触工程及びテンプレート除去工程を行なうことによって、細孔の容積及び表面積の大きいアルミ含有シリカを得ることができる。
【0043】
なお、「アルミニウムを含むシリカであって、当該アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートを含まないもの」とは、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびアミンからなる群より選択される少なくとも一種のテンプレートを含まないアルミ含有シリカであってもよく、換言すれば、上述したテンプレート除去工程によって得られたアルミ含有シリカであってもよい。
【0044】
(第2工程)
第2工程は、第1工程において得られるアルミ含有シリカをアンモニウムイオンに接触させて、アンモニウム処理体を得る工程(第1の接触工程)である。アンモニウム処理体とは、アルミ含有シリカにアンモニウムイオンが配位した化合物をさす。
【0045】
アンモニウムイオン源としては、例えば、アンモニア、アンモニウム塩などを用いることができ、具体例としては、アンモニアガス、アンモニア水、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられる。
【0046】
アルミ含有シリカとアンモニウムイオンとを接触させる接触反応に用いるアンモニウムイオンのモル数は、アルミ含有シリカにおけるアルミニウム原子のモル数に対して1〜1000倍であることが好ましい。
【0047】
第2工程の接触反応は、例えば溶媒中で行なってもよい。溶媒としては、水以外の極性溶媒を用いることが好ましく、例えばアルコール、ケトン、エーテル、エステル等を用いることが好ましい。アルコールの具体例としてはメタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール等が挙げられる。ケトンの具体例としてはアセトン等が挙げられる。エーテルの具体例としてはジエチルエーテル等が挙げられる。エステルの具体例としては酢酸エチル等が挙げられる。水以外の溶媒中で行なうことにより、シリカが溶媒中に溶解して壊れることを防ぐことができる。また、極性を有する溶媒を用いることにより、アンモニウム源から効率よくアンモニウムイオンを得ることができる。
【0048】
また、第2工程の接触反応は、0℃以上の反応温度で行なうことが好ましく、100℃または溶媒の沸点以下の反応温度で行なうことが好ましい。また、反応時間は、5分以上であれば、アルミ含有シリカとアンモニウムイオンとを十分に反応させることができ、24時間以下であれば、高い生産効率を得ることができる。
【0049】
(第3工程)
第3工程は、第2工程において得られるアンモニウム処理体をニッケルイオンに接触させて、ニッケル処理体を得る工程(第2の接触工程)である。ニッケル処理体とは、アンモニウム処理体のアンモニウムイオンがニッケルイオンに置き換わった化合物をさす。なお、本発明に係る触媒は、このニッケル処理体を回収したものであってもよい。
【0050】
ニッケルイオン源としては、ニッケル塩等を用いることができる。ニッケル塩としては、例えば、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、クエン酸ニッケル等が挙げられる。
【0051】
アンモニウム処理体とニッケルイオンとを接触させる接触反応に用いるニッケルイオンのモル数は、アンモニウム処理体中のアルミニウム原子のモル数に対して1〜1000倍であることが好ましい。
【0052】
第3工程の接触反応は、たとえば溶媒中で行なってもよい。溶媒としては、水以外の極性溶媒を用いることが好ましく、例えばアルコール、ケトン、エーテル、エステル等を用いることが好ましい。アルコールの具体例としてはエタノール等が挙げられる。ケトンの具体例としてはアセトン等が挙げられる。エーテルの具体例としてはジエチルエーテル等が挙げられる。エステルの具体例としては酢酸エチル等が挙げられる。水以外の溶媒中で行なうことにより、シリカが溶媒中に溶解して壊れることを防ぐことができる。
【0053】
また、第3工程の接触反応は、0℃以上の反応温度で行なうことが好ましく、100℃または溶媒の沸点以下の反応温度で行なうことが好ましい。また、反応時間は、5分以上であれば、アルミ含有シリカとアンモニウムイオンとを十分に反応させることができ、24時間以下であれば、高い生産効率を得ることができる。
【0054】
(第4工程)
第4工程は、第3工程において得られるニッケル処理体を乾燥または焼成する工程である。第4工程では、ニッケル処理体から溶媒を除去することができる。溶媒とは、ニッケル処理体中に残存する有機物等をさす。第4工程によって得られた化合物を触媒とすることができる。
【0055】
第4工程においてニッケル処理体を乾燥する方法としては、風乾させる方法、減圧する方法などが挙げられる。風乾させる場合には、例えば20℃以上800℃以下の温度において、10分〜24時間行なうことが好ましい。この条件にて乾燥させることによって、溶媒を効率よく除去することができる。
【0056】
第4工程においてニッケル処理体を焼成する方法としては、空気中において加熱する方法などが挙げられる。ニッケル処理体に残存する有機物等を燃焼して除去することが可能な条件であればよく、例えば300℃以上800℃以下の温度において10分〜24時間行なうことが好ましい。
【0057】
〔プロピレンの製造方法〕
本発明に係るプロピレンの製造方法は、上述した触媒と、エタノールおよびエチレンの少なくとも一方を含む原料ガスとを、250℃以上600℃以下の反応温度において接触させる反応工程を含む。
【0058】
原料ガスとは、プロピレンの原料としてエタノールおよびエチレンの少なくとも一方を含む気体であればよい。すなわち、エタノールおよびエチレンのいずれか一方のみを含むものであってもよいし、これらを両方とも含むものであってもよい。エタノールおよびエチレンは、気体状であることが好ましい。例えば、原料ガスとして、エタノールおよびエチレンの少なくとも一方が、窒素等の不活性ガスに含まれているものを用いることができる。
【0059】
エタノールまたはエチレンとしては、石油系資源から得られたエタノールまたはエチレンを用いてもよいが、バイオマス資源(生物資源)から得られたエタノール(いわゆるバイオエタノール)またはエチレン(いわゆるバイオエチレン)を用いることが好ましい。バイオマス資源としては、例えば木由来のセルロース等が挙げられる。バイオエタノールまたはバイオエチレンを用いることによって、環境中の二酸化炭素の量を増加させるなどの負荷を与えずにプロピレンを製造することができる。
【0060】
触媒と原料ガスとを接触させる方法としては、例えば、粒状の触媒を管状の容器内に充填し、この容器内に原料ガスを供給する方法などを用いることができる。このような方法を用いることによって、触媒と原料ガスとを効率よく接触させることができる。
【0061】
反応工程では、触媒と原料ガスとを接触させることによって、原料ガスに含まれるエタノールまたはエチレンが触媒に接触して反応し、プロピレンが生成される。
【0062】
本実施形態であれば、反応工程における反応温度が250℃以上であることにより、プロピレンの生成速度が充分速いので、プロピレンを効率よく生成させることができる。また、反応温度が600℃以下であることにより、副生成物を少なくすることができる。なお、反応温度は、略400℃であることがより好ましい。また、プロピレンの選択率は特に限定されないが、5%以上であることが好ましく、8%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。ここで、プロピレンの選択率とは、(生成したプロピレンのモル数×3)/(反応に供したエタノール及びエチレンのモル数×2)×100(%)である。
【0063】
また、高い触媒活性を有する触媒を用いるため、従来の方法と比較して、プロピレンを低コストにて効率よく製造することができる。したがって、本発明であれば、バイオマス資源由来のプロピレン(いわゆるバイオプロピレン)を、低コストにて効率よく、かつ環境に対して負荷を与えずに製造することができる。そのため、このバイオプロピレンを用いて、バイオマス資源由来のポリプロピレン(いわゆるバイオポリプロピレン)等の樹脂、バイオマス資源由来のプラスチック(いわゆるバイオプラスチック)などを、低コストにて効率よく、かつ環境に対して負荷を与えずに製造することが可能となる。
【実施例】
【0064】
本発明の実施例を以下に示す。なお、以下の実施例において「表面積」とは、BET法により求めた比表面積を示す。また、「粒径」とは、粒径の分布を示す。また、各原子同士のモル比は、ICP発光分析装置を用いて測定した。
【0065】
〔実施例1:触媒A〕
(触媒Aの合成)
以下に示す第1工程〜第4工程を用いて触媒Aを合成した。
【0066】
[第1工程]
珪素化合物としてコロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックス20)を用い、アルミニウム化合物としてアルミン酸ナトリウムを用いて、アルミ含有シリカを得た。
【0067】
接触反応の際に共存させるテンプレートとして、9.1gのドデシルトリメチルアンモニウムブロミドを820gのイオン交換水に溶解させ、溶液Aを得た。16gの4mol/L水酸化ナトリウム水溶液に0.2gのアルミン酸ナトリウムを溶解させ、溶液Bを得た。溶液Aに75gのコロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックス20)および溶液Bを添加し、1時間撹拌した。次いでオートクレーブを用いて130℃にて24時間加熱し、ゲルを得た。このゲルを冷却した後ろ過し、80℃にて12時間乾燥させ、乾燥ゲルを得た。
【0068】
乾燥ゲル15gを450gのイオン交換水に分散させ、pHが6.5になるまで2mol/Lの塩酸を滴下した。次いで85℃において2時間加熱を行ない、pH調整ゲルを得た。このpH調整ゲルをろ過して回収し、80℃にて12時間乾燥させた。次いで、テンプレートを除去するために550℃にて8時間焼成し、アルミ含有シリカを得た。
【0069】
[第2工程]
次に、アンモニウムイオン源として硝酸アンモニウムを用い、アンモニウム処理体を得た。
【0070】
1.6gの硝酸アンモニウムを158gのエタノールに溶解させ、溶液Cを得た。溶液Cに5gのアルミ含有シリカを分散させ、40℃にて2時間加熱し、アンモニウム処理体を得た。
【0071】
[第3工程]
次に、ニッケルイオン源として硝酸ニッケルを用い、ニッケル処理体を得た。
【0072】
アンモニウム処理体をろ過によって回収し、80℃にて12時間乾燥させた後に、5gの硝酸ニッケル6水和物および136gのエタノールからなる溶液Dに分散させた。次いで、40℃にて2時間加熱し、ニッケル処理体を得た。
【0073】
[第4工程]
次に、ニッケル処理体をろ過によって回収し、200gのイオン交換水により洗浄後、550℃にて5時間焼成して、触媒Aを得た。
【0074】
(触媒Aの構成)
触媒Aのニッケル原子の含有量は0.29重量%であり、表面積は506m/gであった。また、触媒Aのケイ素原子/アルミニウム原子のモル比は87であり、ケイ素原子/ニッケル原子のモル比は303であり、ニッケル原子/アルミニウム原子のモル比は0.29であった。
【0075】
(エタノールからプロピレンの合成)
次に、エタノールと触媒Aとを接触させて、プロピレンを合成した。
【0076】
触媒Aを粒径0.3〜0.6mmに整粒し、そのうち0.5gを石英製の反応管に充填した。この反応管内に、エタノールの濃度が35vol%であるエタノール/窒素混合ガス(原料ガス)を11ml/minの速度で供給し、400℃にて反応を行なった。反応管の出口におけるガスをガスクロマトグラフィーによって分析し、プロピレンの生成速度およびその選択率(収率)を測定した。
【0077】
この結果を表1に示す。なお、表1および下記表2において、プロピレンの生成速度とは、触媒1ml当たり1時間に生成するプロピレン(C3’)の重量(g)を示す。
【0078】
〔実施例2:触媒B〕
(触媒Bの合成)
第1工程において溶液Bの調製時に1.0gのアルミン酸ナトリウムを用いた点以外については、実施例1と同様の操作を行なって、触媒Bを合成した。
【0079】
(触媒Bの構成)
触媒Bのニッケル原子の含有量は1.1重量%であり、表面積は656m/gであった。また、触媒Bのケイ素原子/アルミニウム原子のモル比は24であり、ケイ素原子/ニッケル原子のモル比は80であり、ニッケル原子/アルミニウム原子のモル比は0.3であった。
【0080】
(エタノールからプロピレンの合成)
粒径0.3〜0.6mmに整粒した触媒Bを用いた点以外については、実施例1と同様の操作を行ない、プロピレンの生成速度およびその選択率を測定した。この結果を表1に示す。
【0081】
〔比較例1:触媒N〕
(触媒Nの合成)
上記特許文献1に記載されているテンプレートイオン交換法を用いて、規則性メゾポーラス多孔体にニッケルを担持させた触媒Nを合成した。具体的には、シリカ前駆体として306gのコロイダルシリカ(スノーテックス20)、テンプレートとして225gのドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、71gの4N水酸化ナトリウム水溶液、および705gのイオン交換水を混合し、静置したまま140℃で48時間加熱した。次いでこれをろ過乾燥させて、テンプレートが吸蔵されているメソポーラスシリカを得た。このテンプレートが吸蔵されているメソポーラスシリカ8gを80gのイオン交換水に加え、これに、1.1gの硝酸ニッケル6水和物を81gのイオン交換水に溶解させたニッケル溶液を加え、80℃で20時間加熱した。その後、ろ過乾燥し、550℃で空気中において加熱し、触媒Nを得た。
【0082】
(触媒Nの構成)
触媒Nのニッケル原子の含有量は3.6重量%であり、表面積は844m/gであった。また、触媒Nのケイ素原子/アルミニウム原子のモル比は249であり、ケイ素原子/ニッケル原子のモル比は26であり、ニッケル原子/アルミニウム原子のモル比は9.6であった。
【0083】
(エタノールからプロピレンの合成)
触媒Nを粒径0.3〜0.6mmに整粒して用いた点以外については、実施例1と同様の操作を行ない、プロピレンの生成速度およびその選択率を測定した。この結果を表1に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
〔実施例1および2と比較例1との比較〕
表1に示すように、触媒Aおよび触媒Bを用いた場合のプロピレン生成速度は、触媒Nを用いた場合と比較して大きかった。また、触媒Aおよび触媒Bにおけるニッケル原子の含有量は、触媒Nと比較して少なかった。
【0086】
また、触媒Aを用いた場合のプロピレンの選択率は、触媒Nを用いた場合よりも高かった。触媒Aは、触媒Nと比較してニッケル原子の含有量が極めて少なく、また表面積が小さいことから、ニッケル含有量当たりの選択率、および表面積当たりの選択率は、触媒Nと比較して非常に高いといえる。
【0087】
一方、触媒Bを用いた場合の、触媒重量当たりのプロピレンの選択率は、触媒Nを用いた場合の選択率と同程度であった。しかし、触媒Bについても、触媒Aと同様に、触媒Nよりもニッケル原子の含有量が極めて少なく、また表面積が小さいことから、ニッケル含有量当たりの選択率、および表面積当たりの選択率は、触媒Nと比較して高いといえる。
【0088】
これらの結果から、触媒Aおよび触媒Bは、触媒Nと比較して触媒活性が高く、特に、ニッケル量当たりの触媒活性が極めて高いといえる。この理由としては、触媒Aおよび触媒Bが有するニッケルのほとんどは、触媒の作用点となるAl−O−Ni構造を有しており、触媒の活性に寄与しているからであると考えられる。
【0089】
すなわち、実施例1および2における第2工程では、下地となるアルミ含有シリカにおいて、Si−O−Al構造の位置に選択的にアンモニウムイオンが導入される。次いで第3工程では、ニッケルが、このアンモニウムイオンと置き換わることによって導入される。そのため、実施例1および2では、Al−O−Ni構造が選択的に形成されると考えられる。
【0090】
一方、比較例1で用いた触媒の合成方法では、シリカの表面にテンプレート(アルキルトリメチルアンモニウム塩)が無差別に導入され、このテンプレートと置き換わることによってニッケルが導入される。そのため、触媒Nにおいては、触媒の活性に寄与しないニッケルが多数存在すると考えられ、また、これらのニッケルがかえって触媒の活性を低下させている可能性も示唆される。
【0091】
以上の結果から、本発明に係る触媒は、ニッケル量当たりの触媒活性が高いことから、低コストに製造できることが示された。また、本発明に係る触媒を用いれば、エタノールからプロピレンを低コストにて効率よく製造できることが示された。
【0092】
〔実施例3:触媒Aを用いた、エチレンからプロピレンの合成〕
実施例1における触媒Aを用いて、エチレンからプロピレンを合成した。
【0093】
触媒Aを0.3mm〜0.6mmに整粒し、そのうち0.5gを石英製の反応管に充填した。この反応管内に、エチレンの濃度が37vol%であるエチレン/窒素混合ガス(原料ガス)を12ml/minの速度で供給し、400℃にて反応を行なった。反応管の出口におけるガスをガスクロマトグラフィーによって分析し、プロピレンの生成速度およびその選択率を測定した。この結果を表2に示す。
【0094】
〔比較例2:触媒Nを用いた、エチレンからプロピレンの合成〕
比較例1における触媒Nを用いて、エチレンからプロピレンを合成した。
【0095】
触媒として触媒Nを0.3mm〜0.6mmに整粒したものを用い、エチレンの濃度が34vol%であるエチレン/窒素混合ガスを用いた点以外は、実施例3と同様の操作を行なって、プロピレンの生成速度およびその選択率を測定した。この結果を表2に示す。
【0096】
【表2】

【0097】
〔実施例3と比較例2との比較〕
表2に示すように、触媒Aを用いた場合のプロピレン生成速度は、触媒Nを用いた場合と比較して大きかった。また、触媒Aを用いた場合のプロピレンの選択率は、触媒Nを用いた場合よりも高かった。
【0098】
したがって、本発明に係る触媒を用いれば、エチレンからプロピレンを低コストにて効率よく製造できることが示された。
【0099】
〔実施例4〕
次に、実施例1の触媒A0.5gを反応管に充填したものを用いて、実施例1と同様の方法により、反応温度400℃にてエタノールからプロピレンを生成した。なお、原料ガスとしては、33vol%のエタノール濃度であるエタノール/窒素混合ガスを用いた。この結果を表3に示す。
【0100】
〔比較例3:触媒O〕
比較例1と同様の方法により、触媒Oを合成した。具体的には、シリカ前駆体として35gのコロイダルシリカ(スノーテックス20)、テンプレートとして26gのドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、8.2gの4N水酸化ナトリウム水溶液、および81gのイオン交換水を混合し、静置したまま140℃で48時間加熱した。次いでこれをろ過乾燥させて、テンプレートが吸蔵されているメソポーラスシリカを得た。このテンプレートが吸蔵されているメソポーラスシリカ9gを90gのイオン交換水に加え、これに、1.2gの硝酸ニッケル6水和物を90gのイオン交換水に溶解させたニッケル溶液を加え、80℃で20時間加熱した。その後、ろ過乾燥し、500℃で空気中において加熱し、触媒Oを得た。
【0101】
触媒Oのニッケル含有量は2.5重量%であり、表面積は678m/gであった。また、触媒Oのケイ素原子/ニッケル原子のモル比は29であった。
【0102】
この触媒O0.5gを反応管に充填したものを用いて、実施例1と同様の方法により、反応温度400℃または450℃にてエタノールからプロピレンを生成した。なお、原料ガスとしては、33vol%のエタノール濃度であるエタノール/窒素混合ガスを用いた。この結果を表3に示す。
【0103】
〔実施例4と比較例3との比較〕
表3に示すように、触媒Aは触媒Oと比較してニッケル量が約10分の1であるにもかかわらず、触媒Aを用いた場合には、反応温度400℃におけるプロピレンの収率が高かった。また、触媒Oを用いて反応温度450℃にてプロピレンを生成させた場合と比較しても、触媒Aを用いた場合には、ニッケル量当たりのプロピレンの収率が極めて高いことが示された。
【0104】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、低コストにて効率よくプロピレンを製造することができるので、プロピレン、ポリプロピレン、およびこれらを用いた製品等に好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムを含むシリカであって、当該アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートを含まないものをニッケルイオンに接触させて、ニッケル処理体を得るニッケルイオン接触工程を含む方法により調製される、プロピレン製造用触媒。
【請求項2】
上記ニッケルイオン接触工程は、第1の接触工程と、第2の接触工程とを含むものであり、
上記第1の接触工程は、上記アルミニウムを含むシリカであって、当該アルミニウムを含むシリカに細孔を形成させるためのテンプレートを含まないものをアンモニウムイオンに接触させて、アンモニウム処理体を得るものであり、
上記第2の接触工程は、上記アンモニウム処理体をニッケルイオンに接触させて、上記ニッケル処理体を得るものである、請求項1に記載のプロピレン製造用触媒。
【請求項3】
上記方法は、上記ニッケルイオン接触工程の前に行なうテンプレート除去工程を含むものであり、
上記テンプレート除去工程は、アルミニウムを含むシリカであって、上記テンプレートを含むものからテンプレートを除去するものである、請求項1又は2に記載のプロピレン製造用触媒。
【請求項4】
ケイ素原子とニッケル原子とのモル比が110以上1000以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の触媒。
【請求項5】
エチルアルコールおよびエチレンの少なくとも一方を原料としてプロピレンを製造するものである請求項1〜4の何れか1項に記載の触媒。
【請求項6】
上記ニッケル処理体を乾燥または焼成して得られたものである、請求項1〜5の何れか1項に記載の触媒。
【請求項7】
上記テンプレートは、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびアミンからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜6の何れか1項に記載の触媒。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の触媒と、エチルアルコールおよびエチレンの少なくとも一方とを、250℃以上600℃以下において接触させる反応工程を含む、プロピレンの製造方法。
【請求項9】
上記エチルアルコールは生物資源由来のエチルアルコールである、請求項8に記載のプロピレンの製造方法。

【公開番号】特開2012−120978(P2012−120978A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273649(P2010−273649)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 セルロース系バイオマスエタノールからプロピレンを製造するプロセス開発委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】