説明

プロファイルセット保存方法、プロファイルセット保存プログラム、プロファイルセット保存システムおよび色変換処理装置

【課題】記憶装置に記憶させるデータ量の削減をするとともに、プロファイルセットの再構築に要する時間を短縮するプロファイルセット保存方法、プロファイルセット保存プログラム、プロファイルセット保存システムおよび色変換処理装置を提供する。
【解決手段】プロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、サイズ優先データより短い時間で再構築が可能でプロファイルセットよりサイズが小さくサイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択するステップ(a)S900と、選択された再構築用データをプロファイルセットに基づいて作成するステップ(b)S904〜S918と、ステップ(b)で作成した再構築用データを記憶装置に記憶させるステップ(c)S904〜S918と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロファイルセット保存方法、プロファイルセット保存プログラム、プロファイルセット保存システムおよび色変換処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン、プリンタおよびデジタルカメラ等のデジタル機器の間でカラー画像を伝達する場合、各デジタル機器特有の色空間特性を考慮して画像データの色を調整する必要がある。画像データの色の調整には、色変換テーブルを有する色変換プロファイルが使用される。これに関連する技術として、画像のオブジェクトタイプ(イメージ、グラフィック、テキスト)別に専用のプロファイルを作成、パッケージ化し、紙種と関連付けする事により、印刷する紙種および印刷画像のオブジェクトタイプに適したプロファイルを使用して色変換を行うことを可能とする、プロファイルセットというものがある。
【0003】
このプロファイルセットは、画像処理装置の記憶装置(メモリ)に記憶させるため、記憶装置の故障等で消失した場合の復旧手段として、プロファイルセットをバックアップ、再構築する方法が提案されている。
【0004】
さらに、関連する技術として、作成されたプロファイルと該プロファイルを作成する際の各種条件とをメモリに記憶させることで該作成されたプロファイルの作成履歴を管理するというものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−187314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来技術は、プロファイルをそのままバックアップさせるため、バックアップ先の記憶装置(メモリ)の容量削減が困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、該記憶装置に記憶させるデータ量の削減をするとともに、プロファイルセットの再構築に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0009】
(1)画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択するステップ(a)と、前記ステップ(a)で選択された前記再構築用データを前記プロファイルセットに基づいて作成するステップ(b)と、前記ステップ(b)で作成した前記再構築用データを記憶装置に記憶させるステップ(c)と、を有することを特徴とするプロファイルセット保存方法。
【0010】
(2)前記ステップ(b)の前に、前記プロファイルセットを転送するステップ(d1)、または、前記ステップ(c)の前に、前記ステップ(b)で作成された再構築用データを転送するステップ(d2)、のいずれかのステップをさらに有し、
前記ステップ(c)で前記再構築用データを記憶させる前記記憶装置は、前記ステップ(d1)または前記ステップ(d2)で前記プロファイルセットまたは前記再構築用データを転送した転送先の記憶装置であることを特徴とする上記(1)に記載のプロファイルセット保存方法。
【0011】
(3)前記サイズ優先データは、プリンタプロファイル用測色データ、CMYKターゲットプロファイル用測色データおよびRGBソースプロファイルを含むことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のプロファイルセット保存方法。
【0012】
(4)前記再構築速度優先データは、プリンタプロファイル、CMYKターゲットプロファイルおよびRGBソースプロファイルを含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプロファイルセット保存方法。
【0013】
(5)前記ステップ(c)で前記記憶装置に記憶させた前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築するステップ(e)をさらに有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のプロファイルセット保存方法。
【0014】
(6)画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択可能な再構築用データ選択手段と、前記再構築用データ選択手段で選択された前記再構築用データを前記プロファイルセットに基づいて作成する再構築用データ作成手段と、前記再構築用データ作成手段により作成された再構築用データを転送先の記憶装置に記憶させるために転送する再構築用データ転送手段と、を有することを特徴とする色変換処理装置。
【0015】
(7)前記再構築に最低限必要なデータは、プリンタプロファイル用測色データ、CMYKターゲットプロファイル用測色データおよびRGBソースプロファイルであることを特徴とする上記(6)に記載の色変換処理装置。
【0016】
(8)前記再構築速度優先データは、プリンタプロファイル、CMYKターゲットプロファイルおよびRGBソースプロファイルであることを特徴とする上記(6)または(7)に記載の色変換処理装置。
【0017】
(9)前記記憶装置に記憶させた前記再構築用データを受信し、受信した前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築するプロファイルセット再構築手段をさらに有することを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれかに記載の色変換処理装置。
【0018】
(10)画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択する手順(a)と、前記手順(a)で選択した前記再構築用データを前記プロファイルセットに基づいて作成し、または、前記プロファイルセットに基づいて作成することを色変換処理装置に要求して前記色変換処理装置が作成した前記再構築用データを受信する手順(b)と、前記手順(b)により作成しまたは受信した前記再構築用データを記憶装置に記憶させる手順(c)と、をクライアントコンピュータに実行させることを特徴とするプロファイルセット保存プログラム。
【0019】
(11)前記手順(c)で前記記憶装置に記憶させた前記再構築用データを前記色変換処理装置に転送し、転送された前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築することを前記色変換処理装置に要求するステップ(e)をさらに有することを特徴とする上記(10)に記載のプロファイルセット保存プログラム。
【0020】
(12)画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択する手順(a)と、前記手順(a)で選択した前記再構築用データを前記プロファイルセットに基づいて作成してクライアントコンピュータに転送し、または、前記プロファイルセットに基づいて作成することを前記クライアントコンピュータに要求する手順(b)と、前記手順(b)により転送しまたは前記クライアントコンピュータにより作成された前記再構築用データを前記クライアントコンピュータの記憶装置に記憶することを要求する手順(c)と、を色変換処理装置に実行させることを特徴とするプロファイルセット保存プログラム。
【0021】
(13)前記手順(c)により前記記憶装置に記憶された前記再構築用データを受信して前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築するステップ(e)をさらに有することを特徴とする上記(12)に記載のプロファイルセット保存プログラム。
【0022】
(14)クライアントコンピュータと色変換処理装置とが双方向通信可能に接続されてなるプロファイルセット保存システムであって、前記クライアントコンピュータは、画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択可能な再構築用データ選択手段と、前記再構築用データ選択手段で選択された前記再構築用データを作成することを前記色変換処理装置に要求し前記色変換処理装置が作成した前記再構築用データを受信する再構築用データ受信手段と、前記再構築用データ受信手段が受信した前記前記再構築用データを記憶する記憶手段と、を有し、前記色変換処理装置は、前記クライアントコンピュータの要求に従い前記プロファイルセットに基づいて前記再構築用データを作成する再構築用データ作成手段と、前記再構築用データ作成手段が作成した前記前記再構築用データを前記クライアントコンピュータに転送する第1再構築用データ転送手段と、を有することを特徴とするプロファイルセット保存システム。
【0023】
(15)前記クライアントコンピュータは、前記記憶手段に記憶させた前記再構築用データを前記色変換処理装置に転送して前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築することを前記色変換処理装置に要求する第2再構築用データ転送手段をさらに有し、前記色変換処理装置は、前記再構築用データ転送手段から受信した前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築するプロファイルセット再構築手段をさらに有することを特徴とする上記(14)に記載のプロファイルセット保存システム。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、プロファイルセットから該プロファイルセットの再構築可能なデータ(以下、「再構築用データ」と称する)を抽出し、これによりプロファイルセットのバックアップをとるとともに、サイズ削減および再構築速度の観点から抽出する再構築用データを最適化する。これにより、記憶装置に記憶させるデータ量の削減と、プロファイルセットの再構築に要する時間の短縮とを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタコントローラ、プリンタ、クライアントPC、を有する印刷システムのブロック図である。
【図2】図1に示すPCの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すプリンタコントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示すプリンタコントローラのRIP部の動作を概念的に示すブロック図である。
【図5】図1に示すプリンタ3の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る印刷システムの機能ブロック図である。
【図7】再構築用データのサイズ優先データの詳細を示す説明図である。
【図8】再構築用データの再構築速度優先データの詳細を示す説明図である。
【図9A】プロファイルセットのバックアップの処理を説明するためのフローチャートである。
【図9B】プロファイルセットのバックアップの処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】プロファイルセットのバックアップおよび再構築のいずれかを選択するためのGUIを示す図である。
【図11】バックアップ方式としてサイズ優先および再構築速度優先のいずれかを選択するためのGUIを示す図である。
【図12A】プロファイルセットの再構築の処理を説明するためのフローチャートである。
【図12B】プロファイルセットの再構築の処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】プロファイルセットのバックアップ時におけるPC1とプリンタコントローラ2との間の再構築用データの送受信についての説明図である。
【図14】プロファイルセットのバックアップ時におけるPC1とプリンタコントローラ2との間のプロファイルセットの送受信についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るプロファイルセット保存方法、プロファイルセット保存プログラム、プロファイルセット保存システムおよび色変換処理装置について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタコントローラ2(色変換処理装置)、プリンタ3、クライアントPC(クライアントコンピュータ、以下、「PC(Personal Computer)」と称する)1、を有する印刷システム(プロファイルセット保存システム)のブロック図である。
【0028】
PC1とプリンタコントローラ2とは、ネットワーク4を介して相互に通信可能に接続される。ネットワーク4は、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDIなどの規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、あるいは、LAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)からなりうる。プリンタコントローラ2とプリンタ3とはそれぞれ、たとえば、IEEE1394シリアルバス、USB(Universal Serial Bus)といった専用インタフェース用バスを介して接続される。ただし、プリンタコントローラ2とプリンタ3とはネットワーク4を介して接続されてもよい。プリンタコントローラ2とプリンタ3とでMFP(Multifunction Peripheral)が構成される。
【0029】
なお、ネットワーク4に接続される機器の種類および台数は、図1に示す例に限定されない。
【0030】
図2は、図1に示されるPC1の構成を示すブロック図である。
【0031】
クライアントPC1は、制御部11、記憶部12、表示部13、入力部14およびネットワークインタフェース15を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス16を介して相互に接続される。
【0032】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)を有し、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を行なう。記憶部12は、たとえば、あらかじめ各種プログラムや各種データを格納しておくROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを格納するハードディスクを有する。
【0033】
表示部13は、たとえば液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入力部14は、たとえばマウスといったポインティングデバイスやキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0034】
ネットワークインタフェース15は、外部機器と通信するためのインタフェースであり、イーサネット、トークンリング、FDDI等の規格によるネットワークインタフェース、USB、IEEE1394等のシリアルインタフェース、SCSI(Small Computer System Interface)、IEEE1284等のパラレルインタフェース、BLUETOOTH(登録商標)、IEEE802.11、HomeRF(Home Radio Frequency)、IrDA(Infrared Data Association)等の無線通信インタフェース、電話回線に接続するための電話回線インタフェース等を利用することができる。
【0035】
図3は、図1に示すプリンタコントローラ2の構成を示すブロック図である。
【0036】
プリンタコントローラ2は、制御部21、記憶部22、RIP(Raster Image Processor)部23、データ解析部24、ネットワークインタフェース25、プリンタインタフェース26を備えており、これらは信号をやりとりするためのバス27を介して相互に接続される。なお、プリンタコントローラ2の上記各部のうち、PC1の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を回避するためその説明を省略する。
【0037】
RIP部23は、PC1から受信した印刷データをビットマップ形式の画像データに展開するラスタライズ処理を実行する。データ解析部24は、印刷データの処理方法を解析する。プリンタインタフェース26は、ローカル接続されたプリンタ3と通信するためのインタフェースである。
【0038】
図4は、図3に示すプリンタコントローラ2のRIP部23の動作を概念的に示すブロック図である。図4に示すように、RIP部23は、ラスタライズ部、CMM(Color Management Module)、濃度補正部およびスクリーン処理部を備える。クライアントPC1から受信された印刷ジョブに含まれる印刷データ(PDL(Page Description Language)データ)は、ラスタライズ部においてラスタライズ処理されることにより、ビットマップ形式の画像データが生成される。ラスタライズ部において生成された画像データに対して、印刷ジョブで指定された色変換プロファイルを使用してCMMにより色変換処理が実行される。色変換された画像データは、濃度補正処理およびスクリーン処理が順次に実行され、その結果生成された画像データがプリンタ3に送信される。
【0039】
図5は、図1に示すプリンタ3の構成を示すブロック図である。
【0040】
プリンタ3は、制御部31、記憶部32、操作パネル部33、画像読取部34、印刷部35およびコントローラインタフェース36を備えており、これらは信号をやりとりするためのバス37を介して相互に接続される。なお、プリンタ3の上記各部のうち、PC1の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0041】
記憶部32には、プリンタコントローラ2から受信したビットマップ形式の画像データに基づいて行なわれる印刷処理のプログラムが格納されている。操作パネル部33は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備えており、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。
【0042】
画像読取部34は、原稿台の所定の読取位置にセットされた原稿、またはADF(Auto Document Feeder)により所定の読取位置に搬送された原稿に対して蛍光ランプ等の光源から光を照射し、その反射光をCCD(Charge Coupled Deveice)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子でスキャン(走査)しながら受光することで原稿画像のデジタルデータを生成する。
【0043】
印刷部35は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、プリンタコントローラ2から受信した画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。コントローラインタフェース36は、ローカル接続されたプリンタコントローラ2と通信するためのインタフェースである。
【0044】
図6は、本発明の実施形態に係る印刷システムの機能ブロック図である。本図は、プロファイルセットの保存および再構築を実現するための各機能を示す機能ブロック図であり、これらの機能は図2および図3に示すPC1およびプリンタコントローラ2の各構成要素により実現することができる。
【0045】
PC1は、バックアップ/再構築指示部101、再構築用データ取得処理部102、再構築用データ転送部103、記憶部104から構成される。
【0046】
プリンタコントローラ2は、再構築用データ抽出部201、再構築用データ転送部202、再構築用データ取得処理部203、プロファイルセット再構築部204、記憶部205から構成される。
【0047】
PC1のバックアップ/再構築指示部101は、プロファイルセットのバックアップ(以下、単に「バックアップ」と称する)およびプロファイルセットの再構築(以下、単に「再構築」と称する)のいずれを行なうかの指示をプリンタコントローラ2に対して行なう。
【0048】
さらに、バックアップ/再構築指示部101は、プロファイルセットから該プロファイルセットの再構築が可能なデータ(以下、「再構築用データ」と称する)を抽出(例えば、算出)し、抽出した再構築用データをPC1へ転送するようプリンタコントローラ2に対し指示を行なう。
【0049】
ここで、バックアップする再構築用データとして、データのサイズを小さくすることを優先させたサイズ優先データと、プロファイルセットの再構築に要する時間が短くすることを優先させた再構築速度優先データとのいずれかを選択できるよう、2つのバックアップ方式を選択することができる。すなわち、バックアップ/再構築指示部101は、サイズ優先データおよび再構築速度優先データのいずれかの再構築用データを選択し、選択した再構築用データのプロファイルセットからの抽出と抽出した再構築用データのPC1への転送をプリンタコントローラ2に対し指示する。
【0050】
再構築用データはプロファイルセットよりデータサイズを小さくすることができるため、再構築用データの形式でバックアップを行なうことによりプロファイルセット自体をバックアップするよりも記憶部(記憶装置)104に記憶させるデータ量を削減することができる。また、再構築用データとしてサイズ優先データおよび再構築速度優先データのいずれかを選択することで、サイズ削減を優先するか、再構築速度を優先するかを選択可能となるため、状況に応じて再構築用データを最適化することができる。
【0051】
再構築用データ取得処理部102は、バックアップの際、プリンタコントローラ2から転送される再構築用データを受信し、記憶部104に記憶させる処理を行なう。
【0052】
再構築用データ転送部103は、再構築の際、PC1の記憶部104に記憶させた再構築用データをプリンタコントローラ2へ転送する。
【0053】
記憶部104にはプリンタコントローラ2から転送される再構築用データが記憶される。
【0054】
さらに、記憶部104には、バックアップおよび再構築を行なうための動作をPC1に実行させるためのプログラム(プロファイルセット保存プログラム)が記憶されることができる。
【0055】
プリンタコントローラ2(または、MFP)の外部の装置であるPC1の記憶部12に再構築用データを記憶させることでバックアップを行なうことにより、MFPの記憶部(例えば、HDD(Hard Disk Drive))が破損して新しいHDDと交換した場合に速やかにプロファイルセットを復旧させることができる。
【0056】
また、MFPの外部(例えば、PC1の記憶部104)またはMFPの内部(例えば、プリンタコントローラ2の記憶部205)に再構築用データを記憶することでバックアップを行なうことにより、同機種のMFPを追加導入した場合、そのMFP用にプロファイルセットを作成しなくても、バックアップした再構築用データを利用できるため、既存のMFPと同じプロファイルセットを速やかに登録し使用することができる。
【0057】
プリンタコントローラ2の再構築用データ抽出部201は、PC1のバックアップ/再構築指示部101により指示されたバックアップ方式に従い、サイズ優先データおよび再構築速度優先データのいずれかの再構築用データをプロファイルセットから抽出する。
【0058】
再構築用データ転送部202は、再構築用データ抽出部201により抽出された再構築用データをPC1に転送する。
【0059】
再構築用データ取得処理部203は、再構築のとき、PC1から転送される再構築用データを受信し、記憶部205に記憶させる処理を行なう。
【0060】
プロファイルセット再構築部204は、再構築用データ取得処理部203により受信された再構築用データに基づいてプロファイルセットを再構築(例えば、算出)する。
【0061】
記憶部205にはPC1から転送される再構築用データやプロファイルセットが記憶される。
【0062】
さらに、記憶部205には、バックアップおよび再構築を行なうための動作をプリンタコントローラ2に実行させるためのプログラム(プロファイルセット保存プログラム)が記憶されることができる。
【0063】
図7は、再構築用データのサイズ優先データの詳細を示す説明図である。図8は、再構築用データの再構築速度優先データの詳細を示す説明図である。
【0064】
図7に示すように、プロファイルセットは用紙ごとに作成される。すなわち、例えば、普通紙、コート紙、カスタム紙についてそれぞれ用紙に適するプロファイルセットが作成される。
【0065】
各プロファイルセットは、測色データ、プリンタプロファイル、CMYKターゲットプロファイル、RGBソースプロファイル、3つのCMYKデバイスリンクプロファイル(以下、「CMYK DLP」と称する)、3つのRGBデバイスリンクプロファイル(以下、「RGB DLP」と称する)により構成される。測色データは複数種類存在することがあり、たとえば、プリンタプロファイルを生成する際に使用したプリンタファイル用測色データ、CMYKターゲットプロファイルを生成する際に使用したCMYKターゲットプロファイル用測色データといった2種類が存在することがある。プリンタプロファイルはプリンタや用紙の特性を記述したファイルであり、用紙設定データ、プリンタプロファイル用UCR/GCR設定に関するデータを抽出するための情報を含む。CMYKターゲットプロファイルはCMYK形式の画像データの色変換処理に使用される色変換プロファイルであり、CMYKターゲット用のUCR/GCR設定に関するデータを抽出する為の情報を含む。RGBソースプロファイルはRGB形式の画像データの色変換処理に使用される色変換プロファイルである。CMYK DLPはCMYK形式の画像データの色変換処理に使用される色変換プロファイルであり、入力デバイスおよび出力デバイス間の直接的な色変換処理を可能とし、この直接的な色変換処理に適用されたレンダリングインテント、中間にごり除去、ベタ保持の各設定データを抽出する情報を含む。RGB DLPはRGB形式の画像データの色変換処理に使用される色変換プロファイルであり、入力デバイスおよび出力デバイス間の直接的な色変換処理を可能とし、この直接的な色変換処理に適用されたレンダリングインテント、中間にごり除去、ベタ保持の各設定データを抽出する情報を含む。
【0066】
再構築用データは、これらのプロファイルセットのバックアップのために作成され、プロファイルセットごとに各プロファイルセットに基づいて作成される。すなわち、再構築用データは、プロファイルセットから該プロファイルセットの再構築が可能なデータを抽出して作成される。
【0067】
再構築データに基づいて再構築されたプロファイルセットは、元のプロファイルセット(すなわち、再構築データの抽出元のプロファイルセット)と完全に一致させることができる。
【0068】
本実施形態は、次の条件を満たすプロファイルセットに対し適用することができる。すなわち、(1)プリンタプロファイルおよびCMYKターゲットプロファイルは測色データから生成されたものであることと、(2)CMYK DLPおよびRGB DLPは(1)のプリンタプロファイルおよびCMYKターゲットプロファイルを元に生成されたものであることである。
【0069】
本実施形態においては、プロファイルセットから抽出するサイズ優先データは、プリンタプロファイルの生成に使用した測色データ、CMYKターゲットプロファイルの生成に使用した測色データ、RGBソースプロファイル、用紙設定データ、プリンタプロファイル用のUCR/GCR設定データ、CMYKターゲット用のUCR/GCR設定データ、各デバイスリンクプロファイル用のレンダリングインデント、中間にごり除去、及びベタ保持に関する設定データとすることができる。このようなサイズ優先データの場合、用紙ごとの各サイズ優先データのサイズは1用紙当たり約400kBとすることができる。本実施形態に従ったプロファイルセットのデータのサイズは1用紙当たり約10MBであるので、4%程度にサイズの削減をすることができる。
【0070】
ここで、サイズ優先データはプロファイルセットの再構築に必要なデータのみから構成することができる。そうすることで、サイズ優先データのサイズを最も小さくすることができる。ここで、再構築に必要なデータは、MFPに要求される印刷品質によって変えることができる。すなわち、サイズ優先データは、測色データのみで構成してもよいし、プリンタプロファイル用測色データとターゲットプロファイル用測色データとRGBソースプロファイルとで構成してもよい。
【0071】
図8に示すように、プロファイルセットから抽出する再構築速度優先データは、プリンタプロファイル、CMYKターゲットプロファイル、RGBソースプロファイル、用紙設定データ、各デバイスリンクプロファイル用のレンダリングインデント、中間にごり除去及びベタ保持に関する設定データ、とすることができる。この場合、用紙ごとの各サイズ優先データのサイズは1用紙当たり約3MBに削減することができる。再構築用データのサイズとしてはサイズ優先データより大きいが、サイズ優先データと比較して再構築に要する計算量を削減できるため、再構築の時間を短縮できる。
【0072】
一例を挙げると、演算資産としてクロック周波数3.4GHzのPentium 4プロセッサ、1GBのメモリを使用した場合、サイズ優先データに基づいて再構築を実行するとプロファイルセット1個当たり再構築時間に約2分を要したのに対し、再構築速度優先データに基づいて再構築を実行すると10秒で完了した結果が得られた。
【0073】
ここで、再構築速度優先データに含ませるデータについても、MFPに要求される印刷品質によって変えることができる。例えば、再構築速度優先データは、プリンタプロファイルとCMYKターゲットプロファイルとRGBソースプロファイルとから構成してもよい。
【0074】
図9A、図9Bは、プロファイルセットのバックアップの処理を説明するためのフローチャートである。本フローチャートは、PC1により実行されるプログラムにより実施することができる。
【0075】
PC1はプロファイルセットのバックアップおよび再構築のいずれかを選択するためのGUI(Graphical User Interface)を表示し、ユーザはバックアップを開始するためにGUIからプロファイルセットのバックアップを選択する(S900)。
【0076】
図10は、プロファイルセットのバックアップおよび再構築のいずれかを選択するためのGUIを示す図である。GUIにはプロファイルセットのバックアップとプロファイルセットの再構築のボタンが表示され、プロファイルセットのバックアップのボタンを押すことでプロファイルセットのバックアップを選択することができる。
【0077】
PC1は、GUIでバックアップのための再構築用データとしてサイズ優先データおよび再構築速度優先データのいずれかをユーザに選択させる(S901)。
【0078】
図11は、バックアップ方式としてサイズ優先および再構築速度優先のいずれかを選択するためのGUIを示す図である。本図のGUIは、図10のGUIにおいてプロファイルセットのバックアップのボタンが押されたときに表示される。
【0079】
GUIにはバックアップ方式としてサイズ優先および再構築速度優先のいずれかを選択するためのラジオボタンが表示され、サイズ優先の方のラジオボタンを押すと、バックアップ方式としてサイズ優先が選択され、再構築用データとしてサイズ優先データが選択されることになる。一方、再構築速度優先の方のラジオボタンを押すと、バックアップ方式として再構築速度優先が選択され、再構築用データとして再構築優先データが選択される。
【0080】
PC1は、バックアップのための再構築用データのPC1内の保存場所をユーザに選択させる(S902)。
【0081】
図11のGUIには、さらに、バックアップのための再構築用データのPC1内の保存場所を指定するための参照ボタンが表示される。参照ボタンが押されることで一般的なフォルダ選択ダイアログによる保存先選択画面(図示せず)が表示され、保存先選択画面で保存先を選択し、選択した保存先が図11のGUI画面に反映されるようにしてもよい。
【0082】
PC1は、図11のGUIの開始ボタンが押されることでバックアップを開始する(S903)。
【0083】
PC1は、バックアップ方式として再構築速度優先が選択されず、かつ、他社製のプリンタプロファイルを使用しない場合(S904、NO)、プリンタコントローラ2に、プリンタコントローラ2内に記憶されたプロファイルセットからプリンタプロファイル用測色データ、用紙設定データ、プリンタプロファイル用UCR/GCR設定データを抽出しPC1へ転送するよう要求する。PC1は、記憶部104に、プリンタコントローラ2から転送されたこれらデータを記憶する(S905)。
【0084】
PC1は、バックアップ方式として再構築速度優先が選択されているか、または、他社製のプリンタプロファイルを使用する場合は(S904、YES)、プリンタコントローラ2に、プリンタコントローラ2内に記憶されたプリンタプロファイルのデータをPC1へ転送するよう要求する。PC1は、記憶部104に、プリンタコントローラ2から転送されたデータを記憶する(S905)。
【0085】
PC1は、バックアップ方式として再構築速度優先が選択されておらず、かつ、他社製のCMYKターゲットプロファイルを使用しない場合は(S907、NO)、プリンタコントローラ2に、プリンタコントローラ2内に記憶されたプロファイルセットからCMYKターゲット用測色データ、CMYKターゲット用UCR/GCR設定に関するデータを抽出しPC1へ転送するよう要求する。PC1は、記憶部104に、プリンタコントローラ2から転送されたこれらデータを記憶する(S908)。
【0086】
PC1は、バックアップ方式として再構築速度優先が選択されているか、または、他社製のCMYKターゲットプロファイルを使用する場合は(S907、YES)、プリンタコントローラ2に、プリンタコントローラ2内に記憶されたCMYKターゲットプロファイルをPC1へ転送するよう要求する。PC1は、記憶部104に、プリンタコントローラ2から転送されたCMYKターゲットプロファイル(すなわち、再構築速度優先データ)を記憶する(S909)。
【0087】
PC1は、プリンタコントローラ2にRGBソースプロファイルを要求し、PC1の要求によりRGBソースプロファイルがプリンタコントローラ2からPC1に転送される。PC1は、記憶部104に、RGBソースプロファイルを記憶する(S910)。
【0088】
PC1は、他社製CMYK DLPが使用されない場合は(S911、NO)、プリンタコントローラ2に、プリンタコントローラ2内に記憶されたプロファイルセットからCMYK DLPのレンダリングインテント、中間にごり除去設定、及びベタ保持設定に関するデータを抽出しPC1へ転送するよう要求する。PC1は、記憶部104に、プリンタコントローラ2から転送されたこれらデータを記憶する(S912)。
【0089】
PC1は、他社製CMYK DLPが使用される場合は(S911、YES)、プリンタコントローラ2に、プリンタコントローラ2内に記憶されたCMYK DLPをPC1へ転送するよう要求する。PC1は、記憶部104に、プリンタコントローラ2から転送されたCMYK DLPを記憶する(S913)。
【0090】
PC1は、ステップS911〜S913を、プロファイルセットのイメージ、グラフィック、テキストのすべてのバックアップが終了するまで繰り返す(S914)。
【0091】
PC1は、他社製RGB DLPが使用されない場合は(S915、NO)、プリンタコントローラ2に、プリンタコントローラ2内に記憶されたプロファイルセットからRGB DLPのレンダリングインテント、中間にごり除去設定、及びベタ保持設定に関するデータを抽出しPC1へ転送するよう要求する。PC1は、記憶部104に、プリンタコントローラ2から転送されたこれらデータを記憶する(S916)。
【0092】
PC1は、他社製RGB DLPが使用される場合は(S915、YES)、プリンタコントローラ2に、プリンタコントローラ2内に記憶されたRGB DLPをPC1へ転送するよう要求する。PC1は、記憶部104に、プリンタコントローラ2から転送されたRGB DLPを記憶する(S917)。
【0093】
PC1は、ステップS915〜S917を、プロファイルセットのイメージ、グラフィック、テキストのすべてのバックアップが終了するまで繰り返す(S914)。
【0094】
PC1は、すべての用紙のプロファイルセットのバックアップが終了するまでステップS904〜S918を繰り返す(S919)。
【0095】
図12A、図12Bは、プロファイルセットの再構築の処理を説明するためのフローチャートである。本フローチャートは、PC1により実行されるプログラムにより実施することができる。なお、再構築の処理において、上述したバックアップの処理と同様となる説明は、重複説明を回避するため省略する。
【0096】
PC1はプロファイルセットのバックアップおよび再構築のいずれかを選択するためのGUIを表示し、ユーザは再構築を開始するためにGUIからプロファイルセットの再構築を選択する(S1200)。
【0097】
PC1は、プロファイルセットの再構築に用いる再構築用データを、PC1内の保存場所からユーザに選択させる(S1201)。
【0098】
PC1は、ステップS1201で選択された再構築用データをプリンタコントローラ2に転送し(S1202)、プリンタコントローラ2においてプロファイルセットの再構築が開始される(S1203)。
【0099】
PC1は、バックアップ方式として再構築速度優先が選択されておらず、かつ、他社製のプリンタプロファイルを使用しない場合(S1204、NO)、プリンタコントローラ2に対しプリンタプロファイル用測色データ、用紙設定データ、プリンタプロファイル用UCR/GCR設定を転送する。プリンタコントローラ2においては、PC1から転送されたこれらデータに基づいてプリンタプロファイルが再構築される(S1205)。
【0100】
PC1は、バックアップ方式として再構築速度優先が選択されているか、または、他社製のプリンタプロファイルを使用する場合は(S1204、YES)、プリンタコントローラ2に対しプリンタプロファイルのデータを転送する(S1206)。
【0101】
PC1は、バックアップ方式として再構築速度優先が選択されておらず、かつ、他社製のCMYKターゲットプロファイルを使用しない場合は(S1207、NO)、プリンタコントローラ2に対しCMYKターゲット用測色データ、CMYKターゲット用UCR/GCR設定に関するデータを転送する。プリンタコントローラ2においては、PC1から転送されたこれらデータに基づいてCMYKターゲットプロファイルが再構築される(S1208)。
【0102】
PC1は、バックアップ方式として再構築速度優先が選択されているか、または、他社製のCMYKターゲットプロファイルを使用する場合は(S1207、YES)、プリンタコントローラ2に対しCMYKターゲットプロファイル(すなわち、再構築速度優先データ)を転送する(S1209)。
【0103】
PC1は、プリンタコントローラ2に対しRGBソースプロファイル(すなわち、サイズ優先データまたは再構築速度優先データ)を転送する(S1210)。
【0104】
PC1は、他社製CMYK DLPが使用されない場合は(S1211、NO)、プリンタコントローラ2に対しレンダリングインテント、中間にごり除去設定、及びベタ保持設定に関するデータを転送する。プリンタコントローラ2においては、再構築もしくはPC1から転送されたプリンタプロファイル(S1204〜S1206)、再構築もしくはPC1から転送されたCMYKターゲットプロファイル(S1207〜S1209)、PC1から転送されたレンダリングインテント、中間にごり除去設定、及びベタ保持設定に関するデータ(すなわち、サイズ優先データまたは再構築速度優先データ)に基づいてCMYK DLPが再構築される(S1212)。
【0105】
PC1は、他社製CMYK DLPが使用される場合は(S1211、YES)、プリンタコントローラ2に対しCMYK DLPを転送する(S1213)。
【0106】
PC1は、ステップS1211〜S1213を、プロファイルセットのイメージ、グラフィック、テキストのすべての再構築が終了するまで繰り返す(S1214)。
【0107】
PC1は、他社製RGB DLPが使用されない場合は(S1215、NO)、プリンタコントローラ2に対しレンダリングインテントを転送する。プリンタコントローラ2においては、再構築もしくはPC1から転送されたプリンタプロファイル(S1204〜S1206)、PC1から転送されたRGBソースプロファイル(S1210)、レンダリングインテント(すなわち、サイズ優先データまたは再構築速度優先データ)に基づいてRGB DLPが再構築される(S1216)。
【0108】
PC1は、他社製RGB DLPが使用される場合は(S1215、YES)、プリンタコントローラ2に対しRGB DLPを転送する(S1217)。
【0109】
PC1は、ステップS1215〜S1217を、プロファイルセットのイメージ、グラフィック、テキストのすべてのバックアップが終了するまで繰り返す(S1218)。
【0110】
プリンタコントローラ2において、9種類のプロファイルからプロファイルセットが生成される(S1219)。
【0111】
PC1は、すべての用紙のプロファイルセットの再構築が終了するまでステップS1202〜S1219を繰り返す(S1220)。
【0112】
図13は、プロファイルセットのバックアップ時におけるPC1とプリンタコントローラ2との間の再構築用データの送受信についての説明図である。本図においては、プリンタコントローラ2を、MFP5の一部として図示している。
【0113】
図13のAは、PC1がプリンタコントローラ2に対し再構築用データの作成を要求し、プリンタコントローラ2が作成した再構築用データをPC1が受信(ダウンロード)する方式が示されている。この場合は、図9A、図9Bのフローチャートにおいて説明したように、バックアップを行なうための動作をPC1に実行させるためのプログラムを用いてバックアップを実施することができる。
【0114】
図13のBは、プリンタコントローラ2が再構築用データを作成し、作成した再構築用データをPC1に送信(アップロード)する方式が示されている。この場合、バックアップを行なうための動作をプリンタコントローラ2に実行させるためのプログラムを用いてバックアップを実施することができる。
【0115】
図14は、プロファイルセットのバックアップ時におけるPC1とプリンタコントローラ2との間のプロファイルセットの送受信についての説明図である。本図においては、図13と同様に、プリンタコントローラ2を、MFP5の一部として図示している。
【0116】
図14のAは、PC1がプリンタコントローラ2に対しプロファイルセットの転送を要求し、PC1が受信(ダウンロード)したプロファイルセットに基づいてPC1が再構築用データを作成し保存する方式が示されている。この場合、バックアップを行なうための動作をPC1に実行させるためのプログラムを用いてバックアップを実施することができる。
【0117】
図14のBは、プリンタコントローラ2がプロファイルセットをPC1に送信(アップロード)し、プリンタコントローラ2から送信されたプロファイルセットに基づいてPC1が再構築用データを作成し保存する方式が示されている。この場合、バックアップを行なうための動作をプリンタコントローラ2に実行させるためのプログラムを用いてバックアップを実施することができる。
【0118】
以上、本発明の実施形態に係るプロファイルセット保存方法、プロファイルセット保存プログラム、プロファイルセット保存システムおよび色変換処理装置について説明したが、本実施形態は以下の効果を奏する。
【0119】
プロファイルセットから再構築用データを抽出しこれによりプロファイルセットのバックアップをとるとともに、サイズ削減および再構築速度いずれかを優先することにより抽出する再構築用データを最適化する。これにより、記憶装置に記憶させるデータ量の削減と、プロファイルセットの再構築に要する時間の短縮とを実現することができる。
【0120】
バックアップ先の記憶装置にプロファイルセットから抽出した再構築用データを転送することでデータ転送時間を削減することにより、バックアップに要する時間の短縮を実現することができる。
【0121】
バックアップを、プリンタコントローラとは別にMFP外の装置に再構築用データを記憶することで行なうことにより、MFPのHDD等が破損して新しいHDD等と交換した場合に速やかにプロファイルセットを復旧させることができる。
【0122】
再構築用データでプロファイルセットのバックアップをとることで、同機種のMFPを追加導入した場合、そのMFP用にプロファイルセットを作成しなくても、バックアップした再構築用データを利用できるため、既存のMFPと同じプロファイルセットを速やかに登録し使用することができる。
【0123】
以上、本発明について、実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0124】
例えば、実施形態においては、プログラムを用いてプロファイルセットのバックアップおよび再構築をしているが、プログラムの一部または全部をハードウェアに置き換えてもよい。
【0125】
また、実施形態におけるステップS904〜S918の順番は限定されない。例えば、これらのステップは並列に行なってもよい。ステップS1202〜S1218も同様である。
【0126】
バックアップ用の再構築用データの保存場所はMFPの外に限定されずMFP内部であってもよい。
【0127】
プロファイルセットの一の部分をサイズ優先データ、他の部分を再構築速度優先データとしてプロファイルセットのバックアップを行なってもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 PC、
2 プリンタコントローラ、
3 プリンタ、
4 ネットワーク、
5 MFP。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択するステップ(a)と、
前記ステップ(a)で選択された前記再構築用データを前記プロファイルセットに基づいて作成するステップ(b)と、
前記ステップ(b)で作成した前記再構築用データを記憶装置に記憶させるステップ(c)と、
を有することを特徴とするプロファイルセット保存方法。
【請求項2】
前記ステップ(b)の前に、前記プロファイルセットを転送するステップ(d1)、または、前記ステップ(c)の前に、前記ステップ(b)で作成された再構築用データを転送するステップ(d2)、のいずれかのステップをさらに有し、
前記ステップ(c)で前記再構築用データを記憶させる前記記憶装置は、前記ステップ(d1)または前記ステップ(d2)で前記プロファイルセットまたは前記再構築用データを転送した転送先の記憶装置であることを特徴とする請求項1に記載のプロファイルセット保存方法。
【請求項3】
前記サイズ優先データは、プリンタプロファイル用測色データ、CMYKターゲットプロファイル用測色データおよびRGBソースプロファイルを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のプロファイルセット保存方法。
【請求項4】
前記再構築速度優先データは、プリンタプロファイル、CMYKターゲットプロファイルおよびRGBソースプロファイルを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロファイルセット保存方法。
【請求項5】
前記ステップ(c)で前記記憶装置に記憶させた前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築するステップ(e)をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロファイルセット保存方法。
【請求項6】
画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択可能な再構築用データ選択手段と、
前記再構築用データ選択手段で選択された前記再構築用データを前記プロファイルセットに基づいて作成する再構築用データ作成手段と、
前記再構築用データ作成手段により作成された再構築用データを転送先の記憶装置に記憶させるために転送する再構築用データ転送手段と、
を有することを特徴とする色変換処理装置。
【請求項7】
前記再構築に最低限必要なデータは、プリンタプロファイル用測色データ、CMYKターゲットプロファイル用測色データおよびRGBソースプロファイルであることを特徴とする請求項6に記載の色変換処理装置。
【請求項8】
前記再構築速度優先データは、プリンタプロファイル、CMYKターゲットプロファイルおよびRGBソースプロファイルであることを特徴とする請求項6または7に記載の色変換処理装置。
【請求項9】
前記記憶装置に記憶させた前記再構築用データを受信し、受信した前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築するプロファイルセット再構築手段をさらに有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の色変換処理装置。
【請求項10】
画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択する手順(a)と、
前記手順(a)で選択した前記再構築用データを前記プロファイルセットに基づいて作成し、または、前記プロファイルセットに基づいて作成することを色変換処理装置に要求して前記色変換処理装置が作成した前記再構築用データを受信する手順(b)と、
前記手順(b)により作成しまたは受信した前記再構築用データを記憶装置に記憶させる手順(c)と、
をクライアントコンピュータに実行させることを特徴とするプロファイルセット保存プログラム。
【請求項11】
前記手順(c)で前記記憶装置に記憶させた前記再構築用データを前記色変換処理装置に転送し、転送された前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築することを前記色変換処理装置に要求するステップ(e)をさらに有することを特徴とする請求項10に記載のプロファイルセット保存プログラム。
【請求項12】
画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択する手順(a)と、
前記手順(a)で選択した前記再構築用データを前記プロファイルセットに基づいて作成してクライアントコンピュータに転送し、または、前記プロファイルセットに基づいて作成することを前記クライアントコンピュータに要求する手順(b)と、
前記手順(b)により転送しまたは前記クライアントコンピュータにより作成された前記再構築用データを前記クライアントコンピュータの記憶装置に記憶することを要求する手順(c)と、
を色変換処理装置に実行させることを特徴とするプロファイルセット保存プログラム。
【請求項13】
前記手順(c)により前記記憶装置に記憶された前記再構築用データを受信して前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築するステップ(e)をさらに有することを特徴とする請求項12に記載のプロファイルセット保存プログラム。
【請求項14】
クライアントコンピュータと色変換処理装置とが双方向通信可能に接続されてなるプロファイルセット保存システムであって、
前記クライアントコンピュータは、
画像の色を変換するための少なくとも一種類の色変換プロファイルを有するプロファイルセットの再構築が可能な再構築用データとして、前記プロファイルセットよりサイズが小さいサイズ優先データ、または、前記サイズ優先データより短い時間で前記プロファイルセットの再構築が可能で前記プロファイルセットよりサイズが小さく前記サイズ優先データよりサイズが大きい再構築速度優先データ、のいずれかを選択可能な再構築用データ選択手段と、
前記再構築用データ選択手段で選択された前記再構築用データを作成することを前記色変換処理装置に要求し前記色変換処理装置が作成した前記再構築用データを受信する再構築用データ受信手段と、
前記再構築用データ受信手段が受信した前記前記再構築用データを記憶する記憶手段と、を有し、
前記色変換処理装置は、
前記クライアントコンピュータの要求に従い前記プロファイルセットに基づいて前記再構築用データを作成する再構築用データ作成手段と、
前記再構築用データ作成手段が作成した前記前記再構築用データを前記クライアントコンピュータに転送する第1再構築用データ転送手段と、を有することを特徴とするプロファイルセット保存システム。
【請求項15】
前記クライアントコンピュータは、前記記憶手段に記憶させた前記再構築用データを前記色変換処理装置に転送して前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築することを前記色変換処理装置に要求する第2再構築用データ転送手段をさらに有し、
前記色変換処理装置は、前記再構築用データ転送手段から受信した前記再構築用データに基づいて前記プロファイルセットを再構築するプロファイルセット再構築手段をさらに有することを特徴とする請求項14に記載のプロファイルセット保存システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−19507(P2012−19507A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104082(P2011−104082)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PENTIUM
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】