説明

ヘッジホッグシグナリングのRNA干渉モジュレーター及びその利用

本願は、RNA干渉技術(RNAi)を利用してヘッジホッグシグナリング経路を調節する方法及び試薬に関係する。この出願は、ヘッジホッグRNAiの潜在的標的、更なるヘッジホッグシグナリング経路の成分を同定する方法、siRNAを利用してヘッジホッグシグナリング標的を阻害する方法、及び多くの病気の治療におけるそれらの利用を提供する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
望ましくない細胞の成長、増殖又は生存の少なくとも一つを阻止する方法であって、該方法は、該細胞を、有効量のヘッジホッグ経路の標的配列に対するヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることを含み;該標的配列がヘッジホッグ経路の正のレギュレーターであり、該細胞を該ヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることが細胞の成長、増殖又は生存の少なくとも一つを減少させる当該方法。
【請求項2】
望ましい細胞の成長、増殖、分化又は生存の少なくとも一つを刺激する方法であって、該方法は、該細胞を、有効量のヘッジホッグ経路の標的配列に対するヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることを含み;該標的配列がヘッジホッグ経路の負のレギュレーターであり、該細胞を該ヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることが細胞の成長、増殖、分化又は生存の少なくとも一つを増大させる当該方法。
【請求項3】
前記の細胞が、gli遺伝子を発現させるかどうかを測定すること、及びgli遺伝子を発現する該細胞を有効量のヘッジホッグ経路の標的配列に対するヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記のgli遺伝子が、gli−1である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の望ましくない細胞増殖が、癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記の望ましくない細胞増殖が、良性の肥厚である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記の癌が、泌尿生殖器癌である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記の癌が、悪性の神経膠腫、髄膜腫、髄芽細胞腫、神経外胚葉性腫瘍及び上衣細胞腫を含む神経系の癌である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記の癌が、肺、前立腺、乳房、卵巣、子宮、筋肉、膀胱、結腸、腎臓、膵臓及び肝臓組織の少なくとも一つと関係している、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記の乳房組織と関係する癌の形態が、下位腺管癌、下葉癌腫、腺管内癌腫、髄質癌腫及び管状腺癌から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記の肺組織と関係する癌が、腺癌、気管支肺胞腺癌及び小細胞癌から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記の前立腺と関係する癌が、腺癌である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
望ましくない細胞増殖が、望ましくない血管形成である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
望ましくない血管形成が、腫瘍成長、腫瘍転移、又は内皮細胞による異常成長(新血管新生疾患、加齢関連黄斑変性、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植の拒絶、新血管新生性緑内障、水晶体後繊維増殖症、流行性角結膜炎、ビタミンA欠乏症、コンタクトレンズ疲労症、アトピー性角膜炎、上輪部角結膜炎、表皮爪膜乾燥症、シェーグレン酒性座瘡、フリクテン症、梅毒、ミコバクテリア感染症、脂質退行変性、化学的火傷、細菌性潰瘍、真菌性潰瘍、単純ヘルペス感染症、帯状疱疹、原虫感染症、カポジ肉腫、モーレン潰瘍、テリエン辺縁変性、辺縁表皮剥離、慢性関節リウマチ、全身性狼瘡、多発性動脈炎、外傷、ウェゲナー肉芽腫症、類肉腫症、鞏膜炎、スティーヴンズ-ジョンソン病、周辺放射角膜切開、角膜移植片拒絶、慢性関節リウマチ、骨関節症慢性的炎症(例えば、潰瘍性大腸炎又はクローン病)、血管腫、遺伝性出血性毛細管拡張症及び遺伝性出血性毛細管拡張症を含む)において起きる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記の望ましくない血管形成が、傷の治癒、排卵、及び受精後の胞胚の着床を含む正常な生理的過程において起きる 、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記の細胞の望ましくない成長、増殖又は生存が、正常な毛髪の成長、異所発毛症、多毛症、多毛性早熟症、又は毛嚢炎(脱毛性毛嚢炎、網状瘢痕性紅斑性毛嚢炎、ケロイド毛嚢炎及び擬似毛嚢炎を含む)において起きる 、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記の望ましい分化が、未拘束の培養幹細胞の、脳内移植における利用のための最終分化した神経細胞への分化である、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記の最終分化した神経細胞に、グリア細胞、シュワン細胞、クロム親和性細胞、コリン作動性交感神経又は副交感神経ニューロン、及びペプチド作動性及びセロトニン作動性ニューロンが含まれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ヘッジホッグRNAiアンタゴニストが、前記の未拘束の幹細胞の特定の分化の運命を一層増進する他の神経栄養性因子と組み合わせて利用される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記の望ましい成長、増殖、分化又は生存が、(i)外傷性傷害、化学的傷害、血管傷害、及び発作、感染/炎症及び腫瘍誘導性傷害の結果生じる欠乏、虚血を含む神経系に対する急性、亜急性、又は慢性の傷害;(ii)アルツハイマー病を含む神経系の加齢;(iii)パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症及び脊髄小脳変性症を含む神経系の慢性的な神経退行性疾患;及び(iv)多発性硬化症を含む神経系の(即ち、神経系に影響する)慢性免疫疾患に由来する神経病学的条件において起きる、請求項2に記載の方法。
【請求項21】
前記の望ましい成長、増殖、分化、又は生存が、軟骨形成及び/又は骨形成において起きる、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
前記の軟骨形成及び/又は骨形成が、可動関節又は顎関節の軟骨の治療又は軟骨移植及び補綴デバイス治療における治療介入において起きる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記の軟骨形成及び/又は骨形成が、骨格組織が欠損している動物の部位における骨の形成(骨形成)のための養生法において起きる、請求項32に記載の方法。
【請求項24】
前記の望ましい成長、増殖、分化又は生存が、毛髪の再生又は再成長において起きる、請求項2に記載の方法。
【請求項25】
前記の毛髪の再生又は再成長は、化学療法又は放射線療法の後で起きる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
RNAiアンタゴニストが、siRNAアンタゴニストである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項27】
前記のsiRNAアンタゴニストが、プラスミド(RNAi発現ベクター)からの転写又は外因性の合成後に形成されるsiRNAである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記のsiRNAが、前記のプラスミド(RNAi発現ベクター)の単一プロモーターからの転写後に形成される短いヘアピンsiRNAである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記のsiRNAが、前記のプラスミド(RNAi発現ベクター)上の2つの隣接コンバージェントプロモーターからの転写後に形成される短いdsRNAである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記のsiRNAが、約19〜30ヌクレオチド長である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項31】
前記のsiRNAが、21〜23ヌクレオチド長である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記のsiRNAが、一層長い少なくとも25、50、100、200、300、400、又は400〜800塩基長の二本鎖RNAのヌクレアーゼダイシングにより生成される断片である 、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記のsiRNAが、二本鎖であり、一端又は両端に短いオーバーハングを含む 、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記の短いオーバーハングが、3’末端で1〜6ヌクレオチド長であり、3’末端で2〜4ヌクレオチド長であり、又は3’末端で1〜3ヌクレオチド長である 、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記のsiRNAの一の鎖が3’オーバーハングを有して、他の鎖は鈍端であり、又は他の鎖も同じ若しくは異なる長さのオーバーハングを有する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記の3’オーバーハングが、分解に対して安定化されている、請求項33〜35に記載の方法。
【請求項37】
前記の3’オーバーハングが、プリンヌクレオチドのアデノシン又はグアノシンを含有することにより分解に対して安定化されている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記の3’オーバーハングが、ピリミジンヌクレオチドを改変類似体により置換することにより例えばウリジンヌクレオチド3’オーバーハングの2’−デオキシチミジンによる置換によって分解に対して安定化されている、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記のsiRNAが、化学的に合成されたものである、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記のRNAiが、前記の標的核酸配列と同一若しくは実質的に同一である二本鎖RNAの長いストレッチ、又は該標的核酸配列の一領域にのみ同一若しくは実質的に同一である二本鎖RNAの短いストレッチの何れかを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項41】
前記の標的配列が、表Xに列記した正のHHシグナリング成分である、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記の標的配列が、表Yに列記した負のHHシグナリング成分である、請求項2に記載の方法。
【請求項43】
前記の標的配列が、ヒトの配列である、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記の標的配列が、非ヒト配列である、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項45】
前記の標的配列が、表X又はYに列記した配列の何れか一つの同族体であるが、表X又はYに列記されたもの自体ではない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項46】
前記のRNAiアンタゴニストが、同じHHシグナリング成分の幾つかの同族体の一のメンバーに特異的である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項47】
前記のHHシグナリング成分が、哺乳動物のヘッジホッグであり、前記のRNAiアンタゴニストが、Shhに特異的である、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記のRNAiアンタゴニストが、同じHHシグナリング成分の幾つかの同族体の一のメンバーについて、他のすべてのメンバーの少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、又は1000倍選択的である、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記のRNAiアンタゴニストが、HHシグナリング経路に特異的であり、他の細胞シグナリング経路に有意の影響を与えない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項50】
前記の他の細胞シグナリング経路が、ウイングレス経路である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
肺細胞における界面活性物質産生を刺激する方法であって、該細胞を、界面活性物質産生を刺激するのに有効な量のヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることを含む当該方法。
【請求項52】
肺細胞におけるラメラ体形成を刺激する方法であって、該細胞を、ラメラ体形成を刺激するのに有効な量のヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることを含む当該方法。
【請求項53】
前記の肺細胞が、未熟児の肺組織に存在する、請求項51又は52に記載の方法。
【請求項54】
患者の腫瘍を治療する方法であって、該方法は、該患者に、腫瘍の成長、増殖又は生存の少なくとも一つを減少させるのに十分な量のヘッジホッグRNAiアンタゴニストを投与することを含み、該腫瘍がヘッジホッグ遺伝子又はgli遺伝子の少なくとも一つを発現する、当該方法。
【請求項55】
前記のヘッジホッグRNAiアンタゴニストを、癌治療養生法の部分として投与する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
望ましくない細胞の成長、増殖又は生存の少なくとも一つを阻害する方法であって、該方法は、下記:
(a)該細胞がヘッジホッグ遺伝子を発現するかどうか測定して、
(b)該ヘッジホッグ遺伝子を発現する該細胞を有効量のヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させる;
ことを含み、該細胞を該ヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることが細胞の成長、増殖又は生存の少なくとも一つを減少させる、当該方法。
【請求項57】
前記のヘッジホッグ遺伝子は、ソニックヘッジホッグである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記の望ましくない細胞の成長、増殖又は生存が、癌である 、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記のヘッジホッグRNAiアンタゴニストを、製薬上許容しうるキャリアー中に配合する、前記の請求項の何れかに記載の方法。
【請求項60】
患者の腫瘍を治療する方法であって、該患者に、該腫瘍の成長、増殖又は生存の少なくとも一つを減少させるのに有効な量のヘッジホッグRNAiアンタゴニストを投与することを含む当該方法。
【請求項61】
前記のヘッジホッグRNAiアンタゴニストを、癌治療養生法の部分として投与する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
ヘッジホッグRNAiアンタゴニストの、患者の腫瘍を治療するための医薬の製造における利用。
【請求項63】
前記のヘッジホッグRNAiアンタゴニストを、癌治療養生法の部分として投与する、請求項62に記載の利用。
【請求項64】
ヘッジホッグRNAiアンタゴニストの、望ましくない細胞の成長、増殖又は生存の少なくとも一つを阻害するための医薬の製造における利用。
【請求項65】
前記のヘッジホッグRNAiアンタゴニストを、癌治療養生法の部分として投与する、請求項64に記載の利用。
【請求項66】
細胞内のヘッジホッグに媒介される経路におけるシグナル変換を減少させる方法であって、該方法は、該細胞を、有効量のヘッジホッグRNAiアンタゴニストと接触させることを含み、該ヘッジホッグに媒介される経路が、Ptc、Smo及び/又はGliに依存しない当該方法。
【請求項67】
前記のヘッジホッグRNAiアンタゴニストが、ShhsiRNAアンタゴニストである、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
ヘッジホッグRNAiアンタゴニストの、培養における幹細胞の増殖、分化又は生存を調節するための医薬の製造における利用。
【請求項69】
前記の幹細胞が、神経幹細胞である、請求項68に記載の利用。
【請求項70】
前記の幹細胞が、胚、胎児及び成体の幹細胞である、請求項68に記載の利用。
【請求項71】
前記の細胞が、成体幹細胞であり、該成体幹細胞が、造血幹細胞、間充織幹細胞、神経幹細胞、神経冠幹細胞、心筋幹細胞又は膵臓幹細胞の何れかから選択される、請求項70に記載の利用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate


【公表番号】特表2007−530571(P2007−530571A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505149(P2007−505149)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/009739
【国際公開番号】WO2005/097207
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(501188889)キュリス インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】