説明

ヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル

【課題】カテーテルの上端が栓から離脱される時に収容管に挟まって引き出し難くなることを防ぐためのヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテルを提供する。
【解決手段】
消毒薬を収容して、上部容器104とその上部容器の下端に連通される小直径の収容管110と、その上部容器と収容管の連結部分が斜めに構成された係止部114からなる保管容器にともに収容される尿道挿入用カテーテルにおいて、保管容器に備えられた栓28の結合突部39と結合されるように上端が開放されたヘッド部40と;ヘッド部の下端に連通されるように結合されて、尿道に挿入される挿入管148とからなり、ヘッド部はその下端に上部容器と収容管の間に形成された係止部にかかるように収容管の直径より大きい直径を有する係止突起146を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテルに関する。より詳細には、カテーテルの上端が栓から離脱される時に収容管に挟まって引き出し難くなることを防ぐためのヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、カテーテルはフレキシブル(Flexible)な微細管として尿道に挿入される管である。この時、尿道に挿入されるカテーテルの場合は排尿障害を有する患者の尿道に一時的に挿入されて小便を外部に排出させる機能を遂行するものであり、状況によって身体から離脱させて薬物で消毒したり、身体の外部で保管したりする場合がある。
【0003】
したがって、このようなカテーテルの消毒や保管のための別途の保管容器が開発されている。
【0004】
図1は従来の技術による尿道挿入用カテーテルの保管容器の外形を示す斜視図で、図2は従来の技術による尿道挿入用カテーテルの保管容器の保管状態を示す斜視図であり、図3は従来の技術による尿道挿入用カテーテルの容器の収容状態を示す要部拡大側断面図である。
【0005】
この図面を参照すれば、従来の技術による尿道挿入用カテーテルの保管容器2は長形の管の形態でなされて、一端が閉鎖されて内部にカテーテル30を保管することができる容器部4が構成されており、上記容器部4は中央のコルゲートパイプ10を基準として上部容器6と下部容器8とでそれぞれ構成される。コルゲートパイプ10は上部容器6と下部容器8を折って容易に携帯及び保管するための手段である。
【0006】
前記上部容器6の上部の外周縁の所定部には上部容器6の外周縁に結合された上部リーブ12が構成されて、その上部リーブ12の一側に垂直方向に結合孔14が形成されてハンガー20の一端が結合されるように構成される。
【0007】
前記ハンガー20はその一端に前記結合孔14からの離脱を防ぐための突起22が形成されており、その中央部は折り曲げられて薬物支持台(不図示)のフック(不図示)にかかるようにする係止部24が形成されて、その係止部24の他端には挿入部26が延長されるように構成される。
【0008】
前記下部容器8の下部の外周縁の所定部には下部容器8の外周縁に結合された下部リーブ16が構成されて、その下部リーブ16は一側に垂直方向に挿入孔18が形成されて挿入部26の端部が結合されるように構成される。
【0009】
上部容器6の端部は開放されていて、その開放された入口を通じてカテーテル30を内部に収容することができて、開放された端部を密閉させるために上部容器6に結合される栓28が構成されている。栓28はその外周縁が多角面28aで形成される。
【0010】
また、栓28はその下面に下方に突き出された結合突部39が構成されてその結合突部39をカテーテル30の上端に挟むことによって、今後カテーテル30を容器部4から容易に取り出すことができるように構成される。
【0011】
未説明符号40はカテーテル30のヘッド部40を示すものであり、そのヘッド部40は上部が開放された開放口42が備えられ、内部には結合力を高めるための突起42が一定間隔で形成されている。前記上部容器6の上部の外周縁には一定間隔で前記栓28と結合するためのねじ部6aが形成されている。
【0012】
従来の技術による尿道挿入用カテーテルの保管容器2はカテーテル30の消毒が必要な時に前記容器部4の内部に消毒薬を注入した後、カテーテル30をその容器部4内に挿入して栓28で蜜閉してカテーテル30を保管したり消毒することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、従来の技術による尿道挿入用カテーテルの保管容器2は前記容器部4に保管されたカテーテル30を引き出そうとする時、栓28を開放すると栓28の下端に構成された結合突部にカテーテル30が挟まれた状態で栓28とともにカテーテル30が引き出されるようになるが、この時頻繁に栓28の結合突部とカテーテル30は単純な挟み結合の状態であるのでこれらが分離される場合があった。
【0014】
一度栓28とカテーテル30が分離されたら、汚染の憂慮のため指や他の物でカテーテルの保管容器2内のカテーテル30をつまみだすことができないのでカテーテルの保管容器2の内部にカテーテル30とともに収容された消毒薬の全部を捨てる方法によってカテーテル30を外部に引き出さなければならないので、この場合高価の消毒薬が無駄使いされるという問題点があった。
【0015】
また、上部容器6と下部容器8の直径が大き過ぎてカテーテル30を消毒するための消毒薬の注入量が多くなるという問題があった。特に消毒薬は数回にかけて新しく容器内に注入しなければならないので、多くの費用がかかってしまっていた。
【0016】
したがって、上記の問題点を解決するために本出願人は図4に示す保管容器を開発した。
【0017】
図4は従来の他の一実施形態に係る尿道挿入用カテーテルの保管容器の外形を示す斜視図である。
【0018】
この図面を参照すれば、従来の他の一実施形態に係る尿道挿入用カテーテルの保管容器100もその容器部102の中央に伸縮自在に折り曲げられるコルゲートパイプ108を備えて、そのコルゲートパイプ108の両端に延長される小直径の収容管110、112をそれぞれ備える。
【0019】
小直径の収容管110、112は既存の容器部の直径に比べて狭小に構成されるので容器部102に満たされなければならない薬物の量を減らすことができる。
【0020】
前記収容管110、112の両端にそれぞれ延長されて、前記収容管110、 112の直径より大きい直径を有する上部容器104及び下部容器106が構成されて、上部容器104及び下部容器106の長さは前記収容管110、112の長さより短い。
【0021】
前記上部容器104と収容管110の連結部分にはカテーテル138のヘッド部(図3参照:40)がかかるようになる係止部114が備えられている。
【0022】
従来の発明に構成された栓132は使用者が容易に開閉することができるようにその外周縁134に沿って一定間隔で突起136が形成されている。
【0023】
また、従来の他の一実施形態に係る尿道挿入用カテーテルの保管容器100も病室に具備された薬液桶のハンガー(不図示)にかけたり、または壁掛けやくぎ等にかけたりするハンガー120が構成されて、そのハンガー120は尿道挿入用カテーテルの保管容器100が傾くことなく上部容器104に対して下部容器106が容易に結合できるように構成される。
【0024】
このために、前記上部容器104の外周縁にはその外周縁をくるむようにリーブ122が結合されていて、リーブ122の外周縁の所定部から横方向に延長される支持台124が形成されて、前記支持台124の端部には収容管112が結合されるホルダー126が構成される。
【0025】
前記ホルダー126は下部容器106の外周面に形成された複数個の遊動防止突起106aに結合することができるようにその外周縁が一部切開された切開部126aが形成されている。
【0026】
したがって、使用者が前記上部容器104を一手で把持した状態で他の手で下部容器106を折るとコルゲートパイプ108の部分が折れながら前記下部容器106が上部容器104と一直線に移動されて、使用者は下部容器106の外周縁に形成された遊動防止突起106aの間に前記ホルダー126の切開部126aに挟む方式で挟みこんで簡単に結合させることができる。
【0027】
この場合、従来の発明のようにリーブを挿入段に合わせて調節する必要がなく、別途の下部リーブを容器に挟む必要がないので便宜性が高くて経済的である。
【0028】
一方、前記支持台124はその中央に延長ピン128が形成されて、その延長ピン128に対して遊動可能に結合される係止フック130が構成される。係止フック130がくぎやその他のハンガーフック(図2参照:32)にかかるようになるが、その係止フック130は支持台124の中央に形成された延長ピン128に対して遊動可能に結合されるので尿道挿入用カテーテルの保管容器100が一方に傾くことなくぶら下がることができて、前記係止フック130が延長ピン128に対して遊動可能なので外部衝撃にもハンガーフック32から離脱されにくく安定的にぶら下がることができる。
【0029】
しかし、前記上部容器104と収容管110の連結部にはカテーテル138のヘッド部(図3参照:40)がかかるようにする係止部114が形成されているが、これは実際にテーパー型で構成されたヘッド部40が小直径からなる前記収容管110にさらに挟まって、引き出すことがさらに難しくなるという問題がある。
【0030】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、カテーテルの上端が栓から離脱される時に収容管に挟まって引き出し難くなることを防ぐためのヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、消毒薬を収容して、上部容器とその上部容器の下端に連通される小直径の収容管と、その上部容器と収容管の連結部分が斜めに構成された係止部からなる保管容器にともに収容される尿道挿入用カテーテルにおいて、保管容器に備えられた栓の結合突部と結合されるように上端が開放されたヘッド部と; 前記ヘッド部の下端に連通されるように結合されて、尿道に挿入される挿入管でなるが、前記ヘッド部はその下端に前記上部容器と収容管の間に形成された係止部にかかるように収容管の直径より大きい係止突起を含むヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテルが提供される。
【0032】
ここで、前記ヘッド部は前記栓の結合突部が結合しやすいようにその内部通路が上広下狭の形態のテーパー型であってもよい。
【0033】
また、前記結合突部の長さとヘッド部の長さを合わせた値は前記上部容器の長さより大きく構成されてもよい。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように本発明によれば、栓の結合突部に上端が結合されたカテーテルが意図には関係なく保管容器の内部で分離される場合が発生しても、カテーテル上端のヘッド部の外周縁に係止突起が形成されてこの係止突起によって保管容器の内部にカテーテルが深く落下することを防ぐことができるので、結合突部を利用してカテーテルを保管容器の外部に簡便に取り出すことができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来技術に係る尿道挿入用カテーテルの保管容器の外形を示す斜視図である。
【図2】従来技術に係る尿道挿入用カテーテルの保管容器の保管状態を示す斜視図である。
【図3】従来技術に係る尿道挿入用カテーテルの容器の収容状態を示す要部拡大側断面図である。
【図4】従来技術に係る尿道挿入用カテーテルの保管容器の外形を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテルの容器の収容状態を示す要部拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0037】
図5は本発明の一実施形態に係るヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテルの容器の収容状態を示す要部拡大側断面図である。
【0038】
これを参照すれば、本発明の一実施形態に係るヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル138はカテーテルの上端が栓から離脱される時に収容管に挟まって引き出し難くなることを防ぐためのカテーテルである。
【0039】
上述したように、消毒薬を収容して上部容器104とその上部容器104の下端に連通される小直径の収容管110と、前記上部容器104と収容管110の連結部分が斜めに構成された係止部114からなる保管容器100に対して、カテーテル30のヘッド部40が図3に示すように上広下狭の形態のテーパー型で構成されれば、ヘッド部40が栓28の結合突部39から意図には関係なく離脱される時にヘッド部40の下端の外周縁が小直径の収容管110に挟まってさらに引き出し難くなる。
【0040】
したがって、本発明の一実施形態に係るヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル138はヘッド部140の挟まりを防ぐための構造の改善を成した。
【0041】
まず、本発明の一実施形態に係るヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル138は保管容器100に備えられた栓132の結合突部139と結合されるように上端に開放口142が形成されるヘッド部140が提供される。
【0042】
また、前記ヘッド部140の下端にはそのヘッド部140と連通されるように結合されて、尿道に挿入される挿入管148で構成されて、前記ヘッド部140はその下端に前記上部容器104と収容管110の間に形成された係止部114にかかるように収容管110の直径より大きい係止突起146が形成されている。
【0043】
この時、前記ヘッド部140はその材質が前記挿入管148と等しい軟質のポリウレタンであり、前記ヘッド部140はその内部の通路が前記栓132の結合突部139が結合しやすいように上広下狭の形態のテーパー型で構成される。
【0044】
また、前記ヘッド部140はその内部のまわりに一定間隔で結合突起144が形成されて前記結合突部139との結合力を高めるように構成される。
【0045】
すなわち、本発明の一実施形態に係るヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル138のヘッド部140はその内部の通路が前記栓132の結合突部139に対して結合しやすいように上広下狭の形態のテーパー型であるが、その外面の場合は内部構造と同様に上広下狭の形態のテーパー型であれば、栓132からカテーテル138が意図には関係なく離脱される場合、前記ヘッド部140の下端は図3に示すように狭小な収容管110内に挟まるようになる。
【0046】
したがって、本発明の一実施形態に係るヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル138のヘッド部140はその外面が内部の構造と同様に上広下狭の形態のテーパー型でありながら、その下端部は外側に前記収容管110の直径より大きい直径を有する係止突起146を構成することで、栓132からカテーテル138が意図には関係なく離脱される場合が発生しても前記係止突起146が収容管110の入口部分にかかって栓132の結合突部139などを利用して保管容器100の外部に引き出しやすくなる。
【0047】
この時、本発明は前記結合突部139の長さとヘッド部140の長さを合わせた値が前記上部容器104の長さより大きいことが好ましい。栓132からカテーテル138が意図には関係なく離脱される場合でも収容管110の入口部分にかかったヘッド部140を栓132の結合突部139を利用して容易に引き出すことができるからである。
【0048】
なお、本発明は前記係止突起146の構成だけに限定されなく、保管容器100の収容管110の入口部分でカテーテル138がかかられるように前記係止突起146が形成された位置の外部直径を前記収容管110の内部直径より大きくする場合も同様の效果を得ることができる。
【0049】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0050】
100 尿道挿入用カテーテルの保管容器
102 容器部
104 上部容器
106 下部容器
108 コルゲートパイプ
110、112 収容管
114 係止部
120 ハンガー
124 支持台
126 ホルダー
128 延長ピン
130 係止フック
132 栓
138 カテーテル
139 結合突部
140 ヘッド部
146 係止突起


【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒薬を収容して、上部容器と当該上部容器の下端に連通される小直径の収容管と、その上部容器と収容管の連結部分が斜めに構成された係止部からなる保管容器にともに収容される尿道挿入用カテーテルにおいて、
前記保管容器に備えられた栓の結合突部と結合されるように上端が開放されたヘッド部と、
前記ヘッド部の下端に連通されるように結合されて、尿道に挿入される挿入管と、
からなり、
前記ヘッド部は、その下端に前記上部容器と前記収容管の間に形成された係止部にかかるように収容管の直径より大きい直径を有する係止突起が形成される、ヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル。
【請求項2】
前記ヘッド部は、当該ヘッド部の内部の通路が前記栓の結合突部が結合しやすいように上広下狭の形態のテーパー型である、請求項1に記載のヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル。
【請求項3】
前記結合突部の長さとヘッド部の長さを合わせた値は、前記上部容器の長さより大きく構成される、請求項1または2に記載のヘッド部が改善された尿道挿入用カテーテル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−139882(P2011−139882A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40194(P2010−40194)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(506190876)
【Fターム(参考)】