説明

ベッドに転換可能なシート

【課題】椅子構成と水平の平坦なベッド構成に個々に転換可能な、隣り合わせの2つのシート(3)のブロック(2)を提供する。
【解決手段】このブロック内では、2つのシート(3)が、配置され、実質的に同じ方向に向けられ、ベッド構成のシート(3)の各々の長手方向軸(34)が、シートのシート背もたれ(32)およびヘッドレスト(36)を有する上側部分が、ブロックの頭領域(46)内に重ねられるような距離を離してシートの後方に位置する一点に向かって収束する。
ブロックのシートのベッド平面(35)は、垂直にずらされ、前方に位置するブロックの後方シェル(21)の領域内で頭領域(46)の両側に配置された側方の柱(4)内に配置された足領域(41)の足のせ表面(42)によって延ばされ、それによって快適性に影響を与えず、かつ乗客を輸送するための客室のレイアウトの改良を可能にしながら、シートピッチを低減することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客輸送手段の客室の装備を施す分野に属する。
【0002】
より詳細には、本発明は、たとえば航空機の客室などの乗客室の要求事項に特に適合された、ベッドに転換可能なシートに関する。
【背景技術】
【0003】
人を輸送する分野において、比較的長い旅行をする必要がある乗客に対して、座る位置と、横になる平坦な位置に対応することができるくつろぎ位置とを乗客が選択できるように、旅行中に転換可能なシートを提供することが知られている。
【0004】
ベッドに転換可能な椅子は、旅行の長さが、旅行中座ったままの位置であることを比較的不快にするとき、また旅行が、それにも関わらず個々の客室を正当化しないほどの短さであるときに特に有利な解決策であることが判明している。
【0005】
このタイプの解決策は、たとえば、旅行が1期間だけの眠りを含み、有効な空間量が非常に限定されることが多い長距離の飛行機の場合に見出される。
【0006】
これはまた、旅行の長さによっては、電車、バス、または船による一部の旅行にも当てはまる。
【0007】
シートクッション、シート背もたれおよびレッグレストの動きを組み合わせて椅子のこれらのさまざまな部分を同じ平面内でほぼ水平に配置することにより、ベッド平面と同じ高さに固定されたベンチによって延ばされ得るベッドを形成することが可能になる椅子を製造することが知られている。
【0008】
平坦なベッドに転換可能なそのような椅子は所望の快適性を提供するが、これらが数多く乗客室内に取り付けられたとき、これらの椅子は、シート間に、得られるベッドの長さに少なくとも等しい長手方向の距離(客室のシートピッチ)を必然的に伴い、また、別のシートに隣接するシートの占有者が自身の隣ではない通路にアクセスする必要があるときは、たいていそれより長い距離を必然的に伴う。
【0009】
したがって、多くの空間を必要とするこのタイプの快適性は、豪華な客室用に確保され、所与の客室の長さ内に取り付けることができるシートの数が限定されることを意味している。
【0010】
シート間の距離を低減しながら客室内のシートの数を増大させるために、シートの複数の部分の移動を限定し、その結果シートを中間水平位置または非常に傾斜した位置に、ただしさまざまな部分の間(一方ではシートクッションとシート背もたれの間、他方ではシートクッションとレッグレストの間)の角度が、平坦化されたZ形状のプロファイルを得るように維持される状態で動かすこともまた知られている。
【0011】
このいわゆる「くつろぎ位置」でのシートの長さにおける削減は、平坦なベッドの解決策に比べてシートピッチが低減される客室レイアウトを可能にするが、これは快適とはいえず、一般的には、ビジネスクラスまたはファーストクラスの乗客にとって不満足なものとなる。
【0012】
平坦なベッドまたはくつろぎ位置の場合のシートピッチを低減するための別の知られている解決策は、シートの下方の、別のシートの前方に、後方のシートの占有者が足を中に入れる空間を用意することにある。
【0013】
しかし、この解決策は、乗客が自身の足を十分に上げることを可能にしないので、快適性を損なうことが判明しており、平坦なベッドの場合、ベッドは、水平ではなく水平に対して実質的に傾斜していることを意味する。
【0014】
したがって、輸送分野における過当競争は、商業的には非常に魅力的である一体化の水平の平坦なベッドを有するシートを備えた客室と、そのような平坦なベッドを有さないシートをより多く有し、したがって経済的にはより利益性があるが商業的には魅力的でない客室との間に難しい妥協を創出している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、シートが平坦なベッドに転換可能であり、シートピッチが、ベッドの長さを実質的に下回り、たとえばくつろぎ位置を有するシートに必要とされるものと等しい、乗客を輸送するための客室の装備を施すことに関する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そのような結果は、2つのシートのブロックで配置される本発明のシートを使用することによって得られる。
【0017】
本発明のシートのブロックでは、シートの要素を相対移動させることによって、各シートは、シートの占有者が座る位置にある椅子構成と、シートの要素がベッド平面を形成するように配置され、シートの占有者の体が実質的に平坦にかつ実質的に水平に伸びるベッド構成に個々に転換可能である。
【0018】
ブロックの2つのシートは、隣り合わせで配置され、実質的に同じ方向に向けられ、
・シートの各々の長手方向軸は、シートがベッド構成であるとき、シートの後方のブロックの対称の垂直平面内に位置する収束点に向かって収束し、それにより、ブロックの2つのシートの長手方向軸が、2つのシートのシート背もたれおよびヘッドレストを有する上側部分が垂直投影面において少なくとも部分的に重ねられる頭領域内で、互いにより近くにあり、
・2つのシートがベッド構成であるとき、2つのシートのベッド平面は、ブロックが取り付けられる客室の床部に対して異なる高さにある。
【0019】
したがって、垂直のずれによりベッドの占有者を妨げることなく達成することができるベッド構成のシートの部分的な重なりが得られ、この重なりは、部分的に重なる領域において、ベッドに必要とされる幅の低減を得ることを可能にする。
【0020】
頭領域の幅の低減により、2つのシートのブロックは、頭領域の両側のその後方部分内に、足領域が中に配置される側方の柱を備え、足領域は、当該の足領域と同じ側に位置するシートの長手方向軸に実質的に沿って、ただし後方の類似のブロックのベッドの所望の長さL0未満である、レイアウトにおけるブロックのピッチXの分離空間を空けて当該のブロックの後方に配置されたブロックの長手方向軸に実質的に沿って配置される。したがって、頭端部におけるベッド構成のシートの収束によって可能にされるこれらの側方の柱に対応する空間は、後方に位置するブロックのベッドを所望の長さだけ延ばすための空間を創出することを可能にする。
【0021】
椅子構成のシートのシートクッションの高さを床部上方の基準高さとして考えて、ブロックのシートの2つのベッド平面の垂直のずれは、ベッド構成のベッド平面の1つを椅子構成のシートクッションの上方にする、またはベッド平面の少なくとも1つを、2つのシートの少なくとも1つにおける椅子構成のシートクッションの下方にすることによって得られる。
【0022】
ベッド平面間の垂直のずれを分散させ、シートの垂直移動の幅を抑えるために、2つのシートの一方のベッド平面は、好ましくは、椅子構成のシートのシートクッションの垂直位置の上方にあり、他方のシートのベッド平面は、シートクッションの位置の下方にある。
【0023】
当該のブロックの後方に同じ方向でかつ同じ軸を実質的に有して位置するブロックの各ベッドが、独立したベッド表面を有するように、柱は、互いから分離され、ブロックの後方を向く方向に開口する2つの足領域を有する。
【0024】
各足領域は、実質的に水平面の足のせ表面を含む。足領域は、その後方部において、当該のブロックの後方に位置するブロックに向かって開口している。足領域は、横たわる位置で足を支持するように意図された足のせ表面がそれぞれ、当該のブロックの後方に位置するブロックのシートがベッド構成であるとき、足のせ表面が一部を形成するベッド平面と同じ高さになるような高さ位置に位置している。
【0025】
好ましい実施形態では、ベッド構成のシートのベッド平面は、前記シートのシートクッション、前記シートのシート背もたれおよびヘッドレスト、前記シートのレッグレストおよび/または1つまたは複数の移動可能なパネルによって決定され、この平面は、当該のブロックの前方に置かれた類似のブロックの、またはブロックの列の第1のブロックに関しては、ブロックの側方の柱に類似する特性を有する改変された後方シェルの足領域の足のせ表面によって延ばされ、ベッドを形成するために実際に使用される部分に関して、シートクッション、シート背もたれ、ヘッドレスト、レッグレスト、1つの移動可能なパネルまたは複数の移動可能なパネル、および足のせ領域が、実質的に水平にかつ同じ平面内で位置合わせされてベッドを形成する。
【0026】
頭領域、特に最も低いベッドの頭領域が、乗客の快適性を満足させるために十分な空間を有することを確実にするために、2つのシートのベッド平面は、シートがいずれもベッド構成であるとき、たとえば350mmから500mmの間の十分に快適な距離だけ垂直にずらされる。
【0027】
概してこの十分な高さは、シートの上下の移動の幅を抑えること、および当該の動きを可能にする役割の機械的部分を簡易化することを可能にする。
【0028】
少なくとも、利用可能である必要がある足領域の寸法によって課せられる寸法を有するブロックの側方の柱は、足領域によって完全には使用されない大きい容積部を形成し、この大きい容積部は、有利には、ブロックのための比較的簡単な技術装置、および/または当該のブロックの後方に位置するブロックのシートの占有者が使用することができる快適性または娯楽の装置を組み込むことを可能にする。
【0029】
本発明はまた、シートの向きの同じ方向に前後に配置され、ブロックの列の方向に、ブロックの各々の基準点間の距離を特徴付けるピッチXだけ分離された、本発明の2つのシートの少なくとも2つのブロックの少なくとも1列を有する、乗客を輸送するための客室または客室の一部にも関する。
【0030】
本発明の飛行機の客室では、ブロックの2つのシートの各々に関して、シートの向きの方向においてその前にある別のブロックの後に続き、ベッド構成において各シートのベッド平面は、シートの前方の、このシートの前にあるブロックの内側に位置する足領域によって、当該のシートと同じブロックの側に位置する側方の柱内に延ばされる。
【0031】
さらに、ベッド構成のブロックのシートのベッド平面が、ブロックの頭領域内の、ブロックの2つのベッドによって占有される空間の間の干渉を防止するために、客室の床部上方で異なる高さにあるため、最も高いベッドを占有している乗客が、自身のシートと客室の通路の間の移動することをより容易にするために、客室の床部の垂直的に最も近くに位置するベッド平面を有するブロックのシートは、ブロックの、通路が接する側に位置する。
【0032】
したがって、客室は、シートピッチよりも長い長さを有するベッドを乗客に提供し、それによって所与の客室の長さに対してシート数を増大させること、または取り付けられたシートの数に合わせて客室の長さを低減することが可能になる。
【0033】
所与の客室のレイアウトの制限事項に適合させるために、またはさまざまな寸法のベッドを提供するために、ブロックの少なくとも1列のブロックのピッチXは、当該のブロックに応じて、ベッド構成におけるさまざまな長さL0を有するベッドを形成するために変更される。
【0034】
ブロックの列内の最も前方のブロックには、有利には、前記列のシートの向きの方向の前方に、ブロックの側方の柱に類似する側方の柱を備える改変された後方シェルが置かれ、その結果ブロックの列内、全体的には客室内で使用される他のブロックによるブロックを使用することによってブロックの列の前方の第1のブロックのシート上に同じ快適な眠りを与えるようになる。
【0035】
そのような客室を特徴とする、乗客を輸送するための車両、特に陸上輸送車両もしくは海上輸送車両、または代替的には航空輸送車両は、乗客密度を改善しながら、特にその旅行の長さが、提供されるサービスに関して個別の乗客室を正当化しないとき、実際の平坦なベッドの快適性をもたらすことを可能にする。
【0036】
本発明の実施形態の説明は、概略的な図を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】客室キャビン内の本発明による2つのシートの3つの整列したブロックのセットの上方から見た図である。
【図2a】図1に示すブロックに類似する2つのブロックの組の、後方からの斜視図である。
【図2b】図1に示すブロックに類似する2つのブロックの組の、前方からの斜視図である。
【図3】本発明による飛行機の客室のレイアウトの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、シートの占有者が座る位置にある椅子構成と、シートの占有者の体が実質的に平坦にかつ実質的に水平に伸ばされる平坦なベッド位置に転換可能なシート3に関する。
【0039】
より具体的には、本発明は、ブロック2として参照される、平坦なベッドに個々に転換可能な2つのシートの隣り合わせの配置に関し、また、客室1または客室の一部が、列に前後に配置された少なくとも2つのブロックを使用する乗客輸送手段、たとえば飛行機に関する。
【0040】
本発明の説明および関連する図面において、同じまたは類似の要素を示す参照番号は、必要に応じて、これがシートの「椅子」構成における要素を参照する場合は接尾語「a」、これがシートの「ベッド」構成における要素を参照する場合は接尾語「c」が後に続き、これら2つの構成を、図示していない中間位置に対応するくつろぎ構成と共に以下の説明において詳述する。
【0041】
たとえば、シートは全体的に参照番号3を有し、参照番号3aは椅子構成のシートを示し、参照番号3cはベッド構成のシートを示している。
【0042】
図1は、ブロック列状に前後に配置した、3つのブロック2の上方からの図を示しており、このブロック列は、客室の寸法に応じて、類似の配置で任意のブロック数を含むことができる。
【0043】
必須ではないが、シートはたいてい、シートの乗客が、図内に矢印で示した進行方向において客室の前方を向いた状態で向けられており、この方向の慣例は、以下の詳細な説明で使用されることになる。
【0044】
本発明の説明では、別途記載されない限り、全体的には用語「前方の」、「後方の」、「高い」、「低い」、「上方の」、「下方の」、「前方向の」、「後方向の」、「上」、「下」、「横向きの」などの用語は、シートの占有者が、椅子構成で座るときにその位置に対して理解すると思われる意味を有する。
【0045】
図1では、最も前方の2つのブロック2aのシート3aは、椅子構成で示されており、後方のブロック2cのシート3cは、平坦なベッド構成で示されている。
【0046】
知られている方法では、シート3は、主に、シートクッション31、椅子構成ではヘッドレスト36に対応する上側部分を有するシート背もたれ32、および場合によっては、好ましくはレッグレスト33を備える。
【0047】
同様の知られている方法では、シートの椅子構成3aでは、シート背もたれ32aは、垂直に近い位置になるように真っすぐにされ、前方のブロック2aのシート3aの上方からの図では見ることができないレッグレスト33は、シートまたは椅子の古典的構成を再現するように折り畳まれている。
【0048】
シート3cの平坦なベッド構成では、シートクッション31c、シート背もたれ32cおよびレッグレスト33cは、ほぼ水平位置にあり、ベッド平面35を形成するように位置合わせされている。
【0049】
シートのくつろぎ構成(図示せず)では、シートクッション31bおよびシート背もたれ32は、上方向を向く角度を形成し、シート背もたれは後方向に傾斜しており、必要に応じて、シートクッション31およびレッグレスト33は、下方向を向く角度を形成し、それによってシート3は、多かれ少なかれ開いた平坦化されたZの形状のプロファイルを有するようになる。
【0050】
各シートは、上方からの図では、シート3の対称の垂直平面の延長部に対応する長手方向軸34を有し、ブロック2は、上方からの図では、ブロックの対称の垂直平面全体の延長部に対応する長手方向軸24を有し、ブロックの2つのシート3自体は、ブロック2内の類似の長手方向位置にブロック内で隣り合わせに配置され、同じ方向に実質的に向けられる。
【0051】
しかし、図1で明確に見ることができるように、シート3は、正確には同じ方向に向けられないという特徴を有し、ブロック2の2つのシートの各々の長手方向軸34は、シートの後方の前記ブロックの軸に向かって収束する。
【0052】
示した好ましい実施形態では、ブロックのシートの配置は対称的であり、ブロックの2つのシートの軸は、実際、上方から見ると、実質的にはブロックの対称の垂直平面内の、シートの後方に位置する同じ収束点に向かって収束する。
【0053】
この収束する構成は、シートがベッド構成であるとき、所与のブロック2の両側に当該のブロックのシート背もたれ3と同じ高さで位置する側方の柱4に関連付けられる。
【0054】
ブロックのシート3cがベッド構成であるとき、ブロック2の2つのシートのシート背もたれ32cは、ほぼ水平の位置になるように後方向に傾斜され、シート背もたれおよびヘッドレスト36を有する上側部分は、ここでは、同じブロックの側方の柱4の間に位置するブロックの後方シェル21の頭領域内46に位置付けられる。
【0055】
これらの側方の柱4は、後方シェル21の領域内のブロック2の構造に組み込まれ、ブロックのシートの後方部分に対するカバーをもたらす。
【0056】
側方の柱4は、長手方向に、シート3の長手方向軸34の、前記長手方向軸間の横方向の距離がその収束によって低減される位置にある収束点に実質的に位置する。
【0057】
より具体的には、シート3の長手方向軸34の収束は、当該のブロック2のすぐ後方に位置するブロックのシート3が平坦なベッド構成に置かれるとき、側方の柱4が、上方から見たとき、形成されたベッドのほぼ延長上に、ベッド構成のシートの占有者の足の領域内に位置するようなものである。
【0058】
したがって、図1に示すように、後方シェル21に組み込まれた側方の柱4は、後方に位置するブロック2cのシート3cの各々によって形成されたベッドの延長上にある。
【0059】
本発明のシートの別の特徴は、シートの長手方向軸34の方向に実質的に対応するベッドの長手方向の、ヘッドレスト36を備えたシート背もたれ32c、シートのシートクッション31cおよびレッグレスト33cによって形成されたベッド表面の、基線長と呼ばれる長さL1が、平坦なベッドの所望の長さL0未満であること、および側方の柱の深さPと呼ばれる、側方の柱4の、前記柱の後方に位置するブロック2のシート3の軸34の方向の寸法が、ベッドの所望の長さL0を得るために基線長L1に加えられなければならない追加の長さに実質的に対応することである。
【0060】
したがって、ブロックの側方の柱4は、すぐ後方に位置するブロックの各シート3の前方に、ベッド構成の当該のシートの前方の各シートに関連付けられた空間、すなわち以下で詳述する配置によって平坦なベッド構成のシートの占有者の足を、その人のサイズが必要とする場合に中に入れることができる足領域41と呼ばれる空間を決定する。
【0061】
したがって、側方の柱4は、少なくとも平坦なベッドの延長上で、一方では中空であり、他方では後方に位置するブロック2のシート3に向かって開口することが理解されよう。
【0062】
さらに、乗客が、必要とすれば、レッグレスト33がベッドに所望の長さを与えるほど十分長くない場合に自身の足をのせることができるように、場合によってはこの目的の適切なパッドを備えたほぼ水平の足のせ表面42が、図2aおよび2bに示すように、その延長上にかつ他の平坦なベッド表面と同じ高さで配置される。
【0063】
また、本明細書における当該の深さPは、側方の柱4の中空部分の内部寸法であり、この柱の壁は、この厚さが、シートの後方シェル21の構造が受ける負荷の限定を踏まえて比較的小さくてよい場合でも必ずある一定の厚さを有すること、および足のせ表面42の高さが先天的に固定されることも理解されよう。
【0064】
これらの幾何学的配置、および図1に示すように、上方から見たとき、シートの軸34が収束するという事実を踏まえて、ブロックの2つのシートのヘッドレスト36は、2つのシートがベッド構成であるとき、干渉ゾーンの領域内で少なくとも部分的に重ねられる。
【0065】
後方シェル21の頭領域46の領域内の1つのブロックの2つのベッドによって必要とされる容積間の明らかな衝突を克服するために、本発明の別の特徴は、同じブロック2の2つのシート3の平坦なベッド平面35の相対的に垂直な位置に関する。
【0066】
図1の2つのブロックを後方からの部分的な斜視図で示す図2aを参照すれば、1つのブロック2の2つの平坦なベッド平面35は垂直にずらされ、それにより、ブロックの各シートが、それ自体の容積を頭領域46内に有し、2つの容積部間の分離は垂直なずれによって達成され、さらに各平坦なベッドはまた、当該のブロックの前方に位置するブロックの対応する側の側方の柱4内に配置されるそれ自体の足領域41も有することに留意されよう。
【0067】
この垂直なずれは、後方シェル21の可能な長さすべてが、後方シェル21の幅にわたって並置され重ねられる頭領域46および足領域41の両方に使用できることを意味する。
【0068】
各シート3のベッド平面35および足領域41の対応する足のせ表面42は、足領域が足用の足のせ表面を有するときは互いに続くように同じ高さで配置され(この場合は図示する)、または代替的には、これらは、シートのレッグレスト33が、平坦なベッド構成において足を支持しているときに対応する側方の柱4の内側で平坦なベッド構成に展開するのに十分な寸法のものである(この場合は図示せず)。
【0069】
本発明のシート3が、シート3のシートクッション31が客室の床部に対してほぼ同じ高さで先天的に位置する椅子構成から、平坦なベッド構成に転換されるように使用されるとき、ブロック2のシート3の一方は、全体的に下方向に移動させられ、一方で前記ブロックの隣接するシートは、全体的に上方向に移動させられる。
【0070】
これらの下方向および上方向の移動は、2つのシート間の相対移動であり、重要な結果は、最終的なリクライニング位置の間の床部に対する所望の垂直なずれと、ユーザを快適に保つのに十分な垂直分離とを得ることである。
【0071】
実際には、シートの一方の大幅な垂直移動を防止するために、またベッドの一方が高すぎるまたは低すぎることを防止するために、実行される垂直変位をブロックの2つのシート間で共有することが有利である。
【0072】
ブロック2のシート3の移動は、好ましくは、ブロックの他方のシートの移動から独立している。
【0073】
一実施形態では、客室の床部上方の椅子のシートクッションの高さの標準値が約430mmと考えると、最も低い位置をとるシートのベッド平面35は、このシートのベッド平面を客室の床部の約250mm上方に維持するように180mmだけ下げられ、最も高い位置をとるシートのベッド平面は、250mmだけ持ち上げられ、すなわち最も低いベッド平面の430mm上方にあり、その結果頭領域46内に、必要とされるパネルおよびトリムの厚さを踏まえて、約400mmの高さの垂直分離、所望の快適性に応じてたいてい満足であることが判明する、350mmから500mmの間の分離を創出する。
【0074】
シートのさまざまな部分の必要な移動は、所望の移動および移動の組み合わせに適した運動学を有する任意の装置によって実行される。
【0075】
所望の垂直移動は、たとえば、椅子構成とベッド構成の間の転換をもたらすためにシート3の複数の部分(シート背もたれ32、シートクッション31およびレッグレスト33)の移動に使用されるのと同じ装置によって得られ、またはシート3の複数の部分を互いに対して移動させる装置とは別個の装置、たとえば、シートクッションを支持し、作動装置(図には示さず)に関連付けられる伸縮式の柱またははさみ連結機構などの垂直移動専用の機構によって得られる。
【0076】
さまざまな移動は、有利には、シート3に組み込まれ、シートの占有者によって制御可能である1つまたは複数の電気作動装置によって実行される。
【0077】
実際には、シート3の垂直移動は、ヘッドレスト36の領域内で、平坦なベッド構成への変更中、ブロック2の2つの隣接するシート間に起こり得る機械的干渉を防止するために実行されなければならない。
【0078】
必要である場合、各々のシート3には、機械的停止部の形態の移動制限器または機械的干渉を起こし得るシートの移動部分の移動が組み合わされることを防止するための作動装置の制御ロジックが備えられる。
【0079】
好ましい例示的な実施形態の説明は、本発明の範囲を超えることなく当業者の知識範囲の代替形態を有することができる。
【0080】
たとえば、シートは複数の中間位置を有することができ、その位置は、極限位置間、または椅子構成と中間位置の間で連続して調整可能にもなり得る。
【0081】
一実施形態では、シート3はレッグレスト33を備えず、または低減された寸法のレッグレストを有する。前記シートは主に、上記で詳述したように、シートクッション31およびシート背もたれ32、場合によっては低減された寸法のレッグレストを備え、これらは平坦なベッド部分を形成する。この実施形態では、ベッド構成のシートクッション31またはレッグレストの前方縁と、足領域41の間に開放空間が残る場合、前記開放空間は、図示しないが、ベッド構成位置にあるレッグレスト33と機能的に同等である移動可能なパネルによって閉じられる。
【0082】
そのような移動可能なパネルは、シートが椅子構成であるとき、たとえばシートのシートクッション31の下方に、または側方の柱4内に、または足領域41内に、または代替的にはベンチまたはパーテーション内に保管される。前記移動可能なパネルは、たとえば、摺動するものであり、または連接され、代替的には脱着式であり、展開位置に配置されたときに平坦なベッド表面35を完成するパネルの組立体から生じることができる。
【0083】
一実施形態では、シートの軸34の向きは、シートが置かれる構成に応じて変更される。
【0084】
たとえば、シートの軸34は、シートが椅子構成またはくつろぎ構成であるとき、ブロックの軸24に対して平行に向けられ、シートの軸34は、シートがベッド構成であるとき、ブロックの頭領域46および前方に位置するブロックの側方の柱4の容積部を利用するために、上記で説明したようにブロックの軸の一点に向かって収束するように向けられる。シートの軸34の向きは、たとえば、ベッド構成へのまたはベッド構成からの転換中、シートクッション31を回転させることによって変更される。
【0085】
すでに明示したように、ブロック2の向きは、車両の進行方向とは異なっていてよく、特にブロックまたはブロックの一部は、ブロックの前方の面が車両の後方を向く状態で向けられてよく、または特定の取り付け制約を満たすために、車両の軸から多かれ少なかれ遠くに離れてもよい。
【0086】
これらの向きの制限は、とりわけ快適性の理由で、場合によっては安全または法規上の理由で決定付けられ、本発明の利点は、さまざまな図で示すように、シートの少なくとも2つのブロックを列で配置することによって得られる。
【0087】
図2aおよび図2bに示す場合に対応する好ましい実施形態では、たとえば、有利な剛性および質量で形成することができる形状に関して複合材料によって得られる可能性があるという理由で、これらの材料から作製された後方シェル21は、単一部分または複数の部分の組立体の形態をとり、美的上の理由でかつシートの占有者の安全のために、シートの要素の移動を実行する機構を封入する。
【0088】
足領域41が配置され、前記足領域によって占有されない部分の、側方の柱4は、有利には、シートの占有者の所持品を収容するため、またはシート作動装置およびその安全装置のための電源など、もしくは快適性を提供する装置、たとえば個人用照明および空調など、もしくはシートの占有者のための娯楽装置、特にビデオスクリーン43などのシートの必須または補助のデバイスを取り付けるための容積部、または代替的には保管空間を形成するために使用される。
【0089】
他の補助要素が、有利には、ブロックの後方シェル21に関連付けられる。
【0090】
たとえば、ブロック2の2つのシート3用の分離パーテーション(図示せず)が、当該のブロックに組み込まれた柱4の前方に配置され得る。
【0091】
好ましい実施形態では、このパーテーションは、隣り合わせの2つのシートの占有者が良好な状態で会話をすることを可能にする、少なくとも1つの少なくとも部分的に後退した位置と、シートの各占有者がある程度のプライバシーを有する少なくとも1つの延長位置とを有する。
【0092】
さらに、図面は、図が示されている縮尺では、対称的に見えるブロック2を示しているが、ブロックまたはシートの、垂直対称のそのそれぞれの平面に対する対称性は、本発明の範囲を超えることなく完全でなくてもよい。
【0093】
たとえば、同じブロック2のシート3は、本発明の利益を損なうことなく、たとえば取り付けまたは組み立てを最適化する理由で、わずかに異なる長手方向位置またはブロックの軸との収束角度を有することができる。
【0094】
本発明はまた、乗客を輸送するための輸送車両の客室1、たとえばバスもしくは電車などの陸上車両、水上艦などの海上輸送車両、または飛行機などの航空機の客室の配置にも関し、乗客用のシート3のその配置では、上記で説明したブロックによる3つのシート3の少なくとも2つのブロックの少なくとも1列が、ブロック2の列として配置される。
【0095】
図3は、乗客が椅子構成内にあり、飛行機の前方を向いて座るようにすべてが向けられた、5つのブロック2の3列を有する飛行機の客室の配置のそのような例を示しており、列の数および1列あたりのブロックの数の両方のこれらの値およびこの向きは、例示の目的で無作為であり、本発明における限定を示すものではない。
【0096】
産業的および経済的理由のため、さまざまなブロックは、好ましくは同一であり、またはたとえば客室内の特有の位置または環境による二次的特性においてのみ異なる。
【0097】
そのような配置では、シートの基準点を分離する2つの連続するブロック間の距離に対応する、シート3のピッチX、換言すればさらに2つのシートのブロック2のピッチは、足領域41と頭領域46の間の長手方向の重複のために、またある角度、すなわち前記角度の余弦によるピッチに乗数効果をもたらすブロックの列の軸24に対するシートの軸34によって形成された角度により、長さL0より短い。
【0098】
ブロックは、好ましくは、ベッド構成において客室の床部に対して最も低いベッド平面35を有するブロックのシート3が、通路の隣に位置するように客室内で形成および配置される。
【0099】
したがって、最も高いベッドの占有者が、最も低いベッドをまたいで通路にアクセスする必要があるとき、こうした動きは一層容易にされる。
【0100】
この状況は、客室の両側、図3の場合は機体の壁に沿って配置されるブロックの列の場合に起こり、壁の隣のベッドを占有する乗客は、通路の隣のベッドをまたぐことによってのみ通路にアクセスすることができる。
【0101】
この状況はまた、2列のブロックを、通路を前記2列のブロックの間に有さずに有するレイアウト構成(図示せず)、たとえば4列のブロックを取り付けることを可能にする幅を有する機体の構成であって、そのうちの2列のブロックが、それらがほとんど接触するように互いに近づけて置かれ、互いに近づけて置かれた前記2列の各側に通路が接する、構成においても生じる。
【0102】
ブロックの列の前方にある第1のブロック2のシート3が、所望のベッド長さを有するベッド構成から利点を得ることを可能にするために、ブロック2の後方シェル21のものに類似するがブロックには組み込まれない側方の柱4を有する改変された後方シェル21eが、客室1内の、別のブロックが当該のブロックの前方に位置した場合にこの後方シェルが位置していたであろう場所に配置される。
【0103】
この改変された後方シェル4eは、図3に示した例のように単独化されてよく、または有利には、他の建具、たとえば客室、クローク室、または保管ユニットの分離パーテーションに組み込まれてもよい。
【0104】
ブロックの列の最も後方のブロックもまた、その後方に他のブロックが存在しない特定の状況にある。
【0105】
このブロックの側方の柱4は、有利には、客室1の後方部分内の建具に組み込まれても組み込まれなくてもよい保管空間を創出するために使用される。
【0106】
一実施形態では、1つのブロックのシートの長手方向軸34は37度の角度をなし、側方の柱4内の足くぼみ41は、約500mmの深さPを有し、シートピッチXは1524mm(60インチ)であり、それによってくつろぎ構成に限定されたシートに概ね関連付けられるシートピッチで、少なくとも1800mmの平坦なベッドを形成することが可能になる。これらの値は、特定のニーズに適合するように変更することができる。
【0107】
図3に示すレイアウトなどの1列あたり5つのブロックを備えるレイアウトは、したがって、等しい数の同じ長さの平坦なベッドを知られているシートを用いて現在のレイアウトに取り付けるのに必要であろう長さよりも、1380mm小さい客室長さを必要とする。
【0108】
シートピッチの低減を伴うベッド長さにおけるこの削減は、側方の柱4および頭領域46の横方向の並置によってシートのブロックの広さを犠牲にして達成されることに留意されよう。
【0109】
しかし、この広さの拡張は、ブロックを形成するさまざまな要素に対して選択される形状の組み合わせによって補償される。
【0110】
一方では、上方から見たとき、足領域41は、頂点が前方を指す全体的に三角形の断面を有し、この形状は、各ブロック2のシートの軸34の収束によって可能にされる。
【0111】
他方では、シート3のシート背もたれ32は、椅子構成のシート背もたれおよび背もたれ領域と同じ大きさの幅を必要としないヘッドレストを有する上側部分の領域内に低減された幅を有する。
【0112】
したがって、シート背もたれが、シートをくつろぎ構成またはベッド構成に置くように後方向に傾斜されたとき、シート背もたれ32の上側部分は、同じ側に位置する側方の柱4に干渉することなく椅子構成よりさらに後ろの位置をとることができる。
【0113】
したがって、図1に示すように、ベッド構成で示される中間ブロックでは、シート背もたれ32cおよびヘッドレスト36の形状は、側方の柱4の存在に合わせて適合され、また、後方シェルの側方の柱4を互いに近づけることによって後方シェル21の最大幅を低減することを可能にする。
【0114】
一実施形態では、シートのシートクッションの幅において依然として可能ないかなる譲歩も加えることなく、換言すればシートクッション31に対して533mm(21インチ)の快適な幅を維持しながら、2つのシートのブロック2の幅は、分離せず、平行軸を有した隣り合わせの2つのシートを有する従来の構造における1372mm(54インチ)から1448mm(57インチ)の幅に増大する。
【0115】
さまざまな飛行機の客室におけるレイアウトの分析では、機体の横断面が、ブロックの列間の1つの通路または複数の通路の幅を結果として低減する必要を意味するとき、通常、ブロックの幅を、例示的な実施形態では76mmだけ増大させることについての問題は特に存在しないことが示されている。
【0116】
本発明の特定の実施形態では、ブロック2は、さまざまなベッド長さに適合するように作り出される。
【0117】
レッグレストの寸法および/またはシートクッション31と足領域41の間の移動可能なパネルの寸法を適合させることによって、またブロックのピッチXを適合させることによって、ブロック内のベッドの長さを容易に増減することができる。
【0118】
この利点は、ブロック自体の設計を損ねることなく、ブロック2を取り付けるピッチXを変更することによって平均より長いベッドおよび/または平均より短いベッドを備えた何らかのシートを提供することにより、特に、より大きい快適性を備えた客室を提供し、または客室の構成を最適化することを可能にする。
【0119】
この解決策は、他の要因(出口、飛行機の材料固定具など)によって決定され得る客室の長さが、標準的なピッチで配置されたブロックの全体数に正確に対応しないとき、また、一部のシートが、平均より大きい一部の乗客のための特別なニーズを満たすために「長くされ」得るときに、特に有利であることが判明している。
【0120】
したがって、本発明は、ベッド長さより実質的に小さいシート間のピッチを有するベッド構成の非常に快適なシートを作り出すこと、および乗客用の客室、特に飛行機の客室に、所与のベッド長さおよび所与の客室に対して、知られているシートで装備が施されるときよりも多くの数のシートを装備すること、または所与のシート数および所与のベッド長さに対して客室の長さを低減することを可能にする。
【符号の説明】
【0121】
1 客室
2 ブロック
2a 前方のブロック
2c 後方のブロック
3 シート
3a 椅子構成のシート
3c ベッド構成のシート
4 側方の柱
21 後方シェル
21e 改変された後方シェル
24 ブロックの長手方向軸
31、31c シートクッション
32、32a、32c シート背もたれ
33、33c レッグレスト
34 シートの長手方向軸
35 平坦なベッド平面
36 ヘッドレスト
41 足領域
42 足のせ表面
46 頭領域
L0 ベッドの所望の長さ
L1 基線長
P 柱の深さ
X シートピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのシート(3)のブロック(2)であって、各シート(3)が、前記シートの要素(31、32、33、36)を相対移動させることによって、前記シートの占有者が座る位置にある椅子構成と、前記シートの要素がベッド平面(35)を形成し、前記シートの占有者の体が実質的に平坦にかつ実質的に水平に伸びるベッド構成に個々に転換可能であり、前記ブロック内では、前記2つのシート(3)が、隣り合わせで配置され、実質的に同じ方向に向けられる、2つのシート(3)のブロック(2)において、
前記ベッド構成において、前記シート(3)の各々の長手方向軸(34)が、前記シートの後方の前記ブロックの対称の垂直平面内に位置する収束点に向かって収束し、それにより、前記ブロックの前記2つのシートの前記長手方向軸(34)が、前記ブロックの頭領域(46)内で互いにより近くにあり、前記頭領域内では、前記シート(3)の前記シート背もたれおよび/または前記ヘッドレスト(36)を有する上側部分が、水平投影面において少なくとも部分的に重ねられ、
前記2つのシート(3)が前記ベッド構成であるとき、前記2つのシートの一方の前記ベッド平面(35)が、前記ブロックが客室内に取り付けられたときの客室床部に対応する基準表面に対して、他方のシートの前記ベッド平面とは異なる高さに位置することを特徴とする、2つのシート(3)のブロック(2)。
【請求項2】
前記頭領域(46)の実質的に両側の後方部分内に、足領域(41)を含む側方の柱(4)を備え、前記足領域が、当該の前記ブロック(2)の後方に、同じ方向でかつ実質的に同じ軸を有して、後方の類似のブロックのベッドの所望の長さL0未満であるブロックピッチXと呼ばれる、前記2つのブロック間を分離する距離を離して置かれた前記類似のブロックの、当該の前記側方の柱と同じ側に位置するシート(3)の前記長手方向軸(34)に実質的に沿っている、請求項1に記載の2つのシートのブロック。
【請求項3】
前記ベッド構成の前記ベッド平面(35)が、前記2つのシート(3)の少なくとも1つにおける前記椅子構成の前記シートのシートクッション(31)の位置の垂直的に上方にある、請求項2に記載の2つのシートのブロック。
【請求項4】
前記ベッド構成の前記ベッド平面(35)が、前記2つのシート(3)の少なくとも1つにおける前記椅子構成の前記シートのシートクッション(31)の位置の垂直的に下方にある、請求項2に記載の2つのシートのブロック。
【請求項5】
前記2つのシート(3)が、前記ベッド構成であるとき、前記2つのシートの一方の前記ベッド平面(35)が、前記椅子構成の前記シートの前記シートクッション(31)の位置の垂直的に上方にあり、他方のシートの前記ベッド平面(35)が、前記シートクッション(31)の前記位置の下方にある、請求項2に記載の2つのシートのブロック。
【請求項6】
前記足領域(41)のそれぞれが、実質的に水平面の足のせ表面(42)を含み、各足領域(41)は後方において開口しており、前記足のせ表面(42)がそれぞれ、前記足のせ表面が一部を形成するベッド平面と同じ高さになるように各足領域が前記側方の柱(4)内に位置する、請求項2から5までのいずれか1項に記載の2つのシートのブロック。
【請求項7】
前記ベッド構成のシートの前記ベッド平面(35)が、前記シートの前記シートクッション(31)、前記シートの前記シート背もたれ(32)および前記ヘッドレスト(36)、前記シートのレッグレスト(33)および/または1つまたは複数の移動可能なパネルによって決定され、前記平面は、当該の前記ブロック(2)の前方に置かれた類似のブロックの、またはブロックの前記側方の柱(4)に類似する特性を有する改変された後方シェル(21e)の足領域(41)の足のせ表面(42)によって延ばされ、前記シートクッション、シート背もたれ、ヘッドレスト、レッグレスト、移動可能なパネルおよび足のせ領域は、実質的に水平にかつ同じ平面内で位置合わせされて前記ベッドを形成する、請求項6に記載の2つのシートのブロック。
【請求項8】
前記2つのシート(3)の前記ベッド平面(35)が、前記2つのシートがいずれも前記ベッド構成であるとき、350mmから500mmの間の距離だけ垂直にずらされる、請求項7に記載の2つのシートのブロック。
【請求項9】
前記側方の柱(4)に、前記ブロックのための技術装置および/または当該の前記ブロック(2)の後方に位置するブロックの前記シートの前記占有者が使用することができる快適性を提供する装置または娯楽装置を組み入れる、請求項2から8までのいずれか1項に記載の2つのシートのブロック。
【請求項10】
請求項2から9までのいずれか1項による2つのシート(3)の少なくとも2つのブロック(2)の少なくとも1列を有する、乗客を輸送するための客室(1)または客室の一部であって、前記少なくとも2つのブロックが、前記シートの向きの同じ方向に前後に配置され、かつブロックの前記列の方向に、前記ブロック(2)の各々の基準点間の距離を特徴付けるピッチXだけ分離される、客室(1)または客室の一部において、前記飛行機の客室が、ブロック(2)の前記2つのシート(3)の各々に関して、前記シート(3)の向きの方向において直前の別のブロックの後に続き、前記ベッド構成において各シート(3)のベッド平面(35)は、前記シートの前方の、前記シートの直前の前記ブロックの内側に位置する足領域(41)によって、当該の前記シートと同じ前記ブロックの側に位置する側方の柱(4)内へと延ばされることを特徴とする、客室(1)または客室の一部。
【請求項11】
前記客室(1)の床部の垂直的に最も近くに位置するベッド平面を有するブロック(2)の前記シート(3)が、ブロック(2)の、通路が接する側に位置する、請求項10に記載の客室。
【請求項12】
ブロックの少なくとも1列の前記ブロック(2)の前記ピッチXが、前記ベッド構成において、当該の前記ブロック(2)に応じてさまざまな長さL0を有するベッドを形成するために変更される、請求項11に記載の客室。
【請求項13】
ブロックの列における最も前方のブロック(2)には、前記列の前記シート(3)の向きの方向の前方に、ブロック(2)の前記側方の柱(4)に類似する側方の柱(4)を備える改変された後方シェル(21e)が置かれる、請求項10から12までのいずれか1項に記載の客室。
【請求項14】
請求項10から13までのいずれか1項に記載の客室または客室の一部を備える、乗客を輸送するための車両であって、陸上、海上、または空路で乗客を輸送する分野の1つに属する、車両。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−6590(P2013−6590A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−120307(P2012−120307)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【出願人】(512136260)
【Fターム(参考)】