説明

ベルトコンベア監視システム

【課題】ベルトの損傷部位の位置を好適に算出することが可能なベルトコンベア監視システムを提供する。
【解決手段】ベルトコンベア監視システム1Aの損傷部位位置算出部73bは、マーカ12aが検出された時間t、損傷部位が検出された画像が撮影された時間t、ベルト12の速度v、及び、マーカ検出部20Aと撮影部50との間のベルト長Laに基づいて、マーカ12aから損傷部位までのベルト長Lを式 L=La−(t−t)×v によって算出しし、ベルトコンベア制御部73aによってベルトコンベア10Aの駆動が停止された状態において、時間t、ベルトコンベア10Aの駆動が停止された時間t、及び、速度vに基づいて、マーカ検出部20Aからマーカ12aまでのベルト長を式 L=(t−t)×v によって算出するとともに、マーカ検出部20Aから損傷部位までのベルト長Lを式 L=L+L によって算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアのベルトの蛇行を監視するベルトコンベア監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトンネル工事では、連続ベルトコンベア等の長距離ベルトコンベアが荷(ずり)搬出に利用される(特許文献1参照)。かかる長距離ベルトコンベアにおいて、ベルトが蛇行した場合には、ベルトが周辺のフレーム等に擦れて損傷するおそれがある。また、ベルト上の荷や異物が原因でベルトが損傷することもある。かかる事態が発生すると、ベルトの切断や荷こぼれを引き起こし、その修復のためにベルトコンベアの稼働率が著しく低下することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭55−70612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベルトコンベアのベルトは循環しながら走行するため、ベルトを停止したときに損傷部位がどの位置にあるのかは、作業者がベルトに沿って移動しながら目視によって探し出さなければならなかった。
【0005】
本発明は、前記した事情に鑑みて創案されたものであり、ベルトの損傷部位の位置を好適に算出することが可能なベルトコンベア監視システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明のベルトコンベア監視システムは、荷が載置される上流側から下流側へ向けて走行することによって前記荷を搬送するベルトを有するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアの駆動を制御するベルトコンベア制御部と、前記ベルトに設けられたマーカと、前記マーカを検出する第一のマーカ検出部と、前記ベルトのベルト面を撮影する撮影部と、撮影された前記ベルト面の画像に基づいて、損傷部位を検出する損傷部位検出部と、前記損傷部位の位置を算出する損傷部位位置算出部と、を備え、前記損傷部位位置算出部は、前記第一のマーカ検出部によって前記マーカが検出された時間t、損傷部位が検出された画像が撮影された時間t(t>t)、前記ベルトの速度v、及び、予め記憶された前記第一のマーカ検出部と前記撮影部との間のベルト長Laに基づいて、前記マーカから前記損傷部位までのベルト長Lを下記式 L=La−(t−t)×v によって算出して記憶し、前記ベルトコンベア制御部によって前記ベルトコンベアの駆動が停止された状態において、前記時間t、前記ベルトコンベアの駆動が停止された時間t、及び、前記ベルトの速度vに基づいて、前記第一のマーカ検出部から前記マーカまでのベルト長Lを下記式 L=(t−t)×v によって算出するとともに、前記ベルトコンベアの駆動が停止された状態における前記第一のマーカ検出部から前記損傷部位までのベルト長Lを下記式 L=L+L によって算出することを特徴とする。
【0007】
かかる構成によると、ベルト停止状態におけるマーカの位置として、ベルト停止状態における第一のマーカ検出部からマーカまでのベルト長をLを算出するとともに、ベルト停止状態におけるベルト12の損傷部位の位置として、マーカ12aから損傷部位までのベルト長Lを算出することによって、ベルトコンベアの駆動が停止された状態における第一のマーカ検出部から損傷部位までのベルト長Lを好適に算出することができる。
【0008】
また、本発明のベルトコンベア監視システムは、前記荷を搬送するキャリア側において前記マーカを検出する第二のマーカ検出部をさらに備え、前記ベルトコンベアは、上流側端部の位置を変えることによって全長を変更可能な連続ベルトコンベアであり、前記第一のマーカ検出部は、前記ベルトが下流側から上流側へ向けて走行するリターン側において前記マーカを検出し、前記損傷部位位置算出部は、前記第一のマーカ検出部によって前記マーカが検出された時間t、前記第二のマーカ検出部によって前記マーカが検出された時間t(t>t)、及び、前記ベルトの速度vに基づいて、前記第一のマーカ検出部から前記ベルトコンベアの前記上流側端部までのベルト長Lを算出するとともに、前記時間t、前記ベルト長L、及び、前記ベルト長Laに基づいて、前記ベルト長Lを算出する構成であってもよい。
【0009】
かかる構成によると、連続ベルトコンベアにおいても、マーカから損傷部位までのベルト長Lを好適に算出することができる。
【0010】
また、前記第二のマーカ検出部は、前記第一のマーカ検出部と同じ地点のリターン側において前記マーカを検出するように設置されており、前記損傷部位位置算出部は、 L=(t−t)×v/2 によって、前記ベルト長Lを算出する構成であってもよい。
【0011】
また、前記ベルト長Lが前記ベルト長L以下である場合には、前記損傷部位位置算出部は、前記ベルト長Lを算出し、前記ベルト長Lが前記ベルト長Lよりも大きい場合には、前記損傷部位位置算出部は、前記第二のマーカ検出部から前記マーカまでのベルト長L’を下記式 L’=L−2・L によって算出するとともに、前記ベルトコンベアの駆動が停止された状態における前記第二のマーカ検出部から前記損傷部位までのベルト長L’を下記式 L’=L+L’ によって算出する構成であってもよい。
【0012】
また、本発明のベルトコンベア監視システムは、前記ベルトのベルト面に対して斜め方向から光を照射する照明部をさらに備える構成であってもよい。
【0013】
かかる構成によると、照射された光によってベルトの損傷部位の陰影が生じ、かかる陰影を撮影して検出することができるので、損傷部位の検出精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ベルトの損傷部位の位置を好適に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るベルトコンベア監視システムを模式的に示す図である。
【図2】(a)(b)は、ベルトに設けられたマーカの例を示す図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係るベルトコンベア監視システムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、本発明のベルトコンベア監視システムをトンネル工事に適用した場合を例にとり、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
<第一の実施形態>
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係るベルトコンベア監視システム1Aは、ベルトコンベア10Aと、マーカ検出部20Aと、速度検出部30と、照明部40と、撮影部50と、損傷部位検出部60と、コンピュータ70と、を備える。
【0018】
<ベルトコンベア10A>
図1に示すように、ベルトコンベア10Aは、トンネル掘進が行われる切羽(上流側)で発生した荷(ずり)を坑口に設けられたずり出し場(下流側)へ搬送するためのものであり、プーリ11,11と、プーリ11,11に巻回されたベルト(本実施形態では、無端ベルト)12と、ずり出し場側のプーリ11を回転させるモータ13と、を備える。かかるベルト12において、上側のベルト12は、荷(ずり)が載置される切羽からずり出し場へ向けて走行することによって、載置された荷を切羽からずり出し場まで搬送するキャリア側ベルトであり、下側のベルト12は、ずり出し場から切羽へ向けて走行するリターン側ベルトである。また、ベルト12には、当該ベルトの基点を示すマーカ12aが設けられている。かかるマーカ12aは、荷による影響を防ぐため、ベルト12の縁部に設けられることが望ましい。
【0019】
<マーカ検出部20A>
マーカ検出部20Aは、ベルト12に設けられたマーカ12aを検出し、検出結果をコンピュータ30へ出力するセンサ等であり、本実施形態では、ベルト12のリターン側かつずり出し場側においてマーカ12を検出するように設置されている。
【0020】
ここで、マーカ12a及びマーカ検出部20Aの具体例について説明する。図2(a)(b)に示すように、マーカ12aとして、ベルト12の所定位置に設けられた金属片12a1を用いた場合には、マーカ検出部20Aとして、当該金属片12a1を検出する金属検知器を用いることができる。かかる金属検知器は、荷の落下等による故障を防ぐため、ベルト12の直下に設置されることが望ましい。なお、図2(a)は、ベルト12上に金属片12a1を配置して保護フィルムFで被覆する場合を図示したものであり、図2(b)は、ベルト12を継ぎ足す際にベルト12内部に金属片12a1を挟み込む場合を図示したものである。
【0021】
また、マーカ12aとしては、金属片12a1以外にも、ベルト12の所定位置に設けられた焼印、塗料等が好適に使用可能であり、この場合には、マーカ検出部20Aとして、焼印、塗料等を撮影してパターン認識等によって検出するカメラを用いることができる。
【0022】
<速度検出部30>
図1に戻り、速度検出部30は、ベルト12の走行速度に相関するプーリ11の回転速度を検出し、検出結果をコンピュータ70へ出力する。
【0023】
<照明部40>
照明部50は、ベルト12のベルト面に対して斜め方向から光を照射するライトである。
【0024】
<撮影部50>
【0025】
撮影部50は、リターン側において、照明部40によって光が照射されたベルト面を撮影し、撮影結果を損傷部位検出部60へ出力するカメラである。
【0026】
なお、照明部40による光の照射場所、すなわち、撮影部50による撮影場所の上流側にスクレーパ(図示せず)を配置し、かかるスクレーパによってベルト面を洗浄(付着物を除去)し、洗浄されたベルト面が撮影されるように構成されることが望ましい。
【0027】
<損傷部位検出部60>
損傷部位検出部60は、CPU、ROM、RAM等から構成されて撮影部50による撮影結果である画像を処理するものであって、撮影されたベルト面の画像に基づいて、ベルト12に発生した損傷部位を検出する。本実施形態において、損傷部位検出部60は、画像に対して輝度の閾値処理(例えば、二値化)及び輪郭線抽出を行うことによって、ベルト12に発生した損傷部位を検出し、検出された損傷部位を強調した画像、及び、損傷部位を検出した旨を示す信号をコンピュータ70へ出力する。
【0028】
<コンピュータ70>
コンピュータ70は、キーボード、マウス等からなる操作部71と、ディスプレイ、スピーカ等からなる通知部72と、CPU、ROM、RAM等からなる制御部73と、記憶部74と、を備えている。
【0029】
制御部73は、損傷部位を強調した画像を取得すると、当該画像を記憶部74へ記憶させたり、ディスプレイである通知部72へ出力して表示させたりする。また、制御部73は、機能部として、ベルトコンベア制御部73aと、損傷部位位置算出部73bと、を備える。
【0030】
≪ベルトコンベア制御部73a≫
ベルトコンベア制御部73aは、利用者による操作部71の操作内容に基づいて、運転信号をベルトコンベア10Aのモータ13へ出力することによって、モータ13を回転させ、ベルト12を走行させる。また、ベルトコンベア制御部73aは、停止信号をベルトコンベア10Aのモータ13へ出力することによって、モータ13を停止させ、ベルト12を停止させる。また、ベルトコンベア制御部73aは、当該停止信号を損傷部位位置算出部73bへも同時に出力する。
【0031】
≪損傷部位位置算出部73b≫
損傷部位位置算出部73bは、損傷部位を検出した旨を示す信号を取得した場合に損傷部位の位置を算出するものであって、マーカ検出部20Aによってマーカ12aが検出された時間t、損傷部位が検出された画像が撮影された時間t(t>t)、ベルト12の速度v、及び、予め記憶されたマーカ検出部20Aと撮影部60との間のベルト長Laに基づいて、マーカ12aから損傷部位までのベルト長Lを下記式
=La−(t−t)×v
によって算出して当該損傷部位位置算出部73b内に記憶する。
さらに、損傷部位位置算出部73bは、ベルトコンベア制御部73aによって前記ベルトコンベア10Aの駆動が停止された状態において、前記時間t、前記ベルトコンベア10Aの駆動が停止された時間(停止信号が出力された時間)t、及び、前記ベルトの速度vに基づいて、マーカ検出部20Aからマーカ12aまでのベルト長Lを下記式
=(t−t)×v
によって算出するとともに、ベルト長L,Lに基づいて、ベルトコンベア10Aの駆動が停止された状態におけるマーカ検出部20Aから損傷部位までのベルト長Lを下記式
=L+L
によって算出し、算出結果を通知部42へ出力し、ディスプレイである通知部42に表示させる。ここで、複数の損傷部位が検出された場合には、損傷部位位置算出部73bは、複数の損傷部位ごとにベルト長L,Lを算出することができる。
【0032】
時間t,tの計時に関しては、制御部70内に設けられたクロックが刻む時刻を参照してもよく、時間tを基準(ゼロ時点)として計時を開始して時間tを計時する構成であってもよい。
【0033】
本実施形態において、損傷部位位置算出部73bは、ベルト12が1周するごとにデータをリセットする。例えば、損傷部位位置算出部73bは、マーカ検出部20Aによってマーカ12aが検出された際に、既に記憶されたデータ(ベルト長L)を削除し、新たな検出結果に基づいてマーカ12aから損傷部位までのベルト長Lを算出し直し、新たに算出されたベルト長Lを記憶する。
【0034】
なお、本実施形態において、距離算出部43bは、速度検出部30によって検出されたプーリ11の回転速度に、予め記憶されたプーリ11の半径を乗じることによって、走行時におけるベルト12の速度vを得ることができるが、ベルト12の速度vの求め方は前記したものに限定されず、例えば、ベルトコンベア制御部73aがモータ13の駆動を制御する際のベルト12の目標速度が用いられる構成であってもよい。
【0035】
本発明の第一の実施形態に係るベルトコンベア監視システム1Aは、ベルト停止状態におけるマーカの位置として、ベルト停止状態におけるマーカ検出部20Aからマーカ12aまでのベルト長Lを算出するとともに、ベルト停止状態におけるベルト12の損傷部位の位置として、マーカ12aから損傷部位までのベルト長Lを好適に算出することができるので、ベルト停止状態における損傷部位の位置がわかり、目視によって損傷部位を探す労力を低減することができる。さらに、第一の実施形態に係るベルトコンベア監視システム1Aは、ベルトコンベア10Aを自動的に監視してベルト12のベルト面の状態を記憶するので、損傷の程度を的確に把握することができるので、最小の労力で最適な保守管理を行うことができる。
【0036】
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係るベルトコンベア監視システムについて、第一の実施形態に係るベルトコンベア監視システム1Aとの相違点を中心に説明する。
【0037】
図3に示すように、本発明の第二の実施形態に係るベルトコンベア監視システム1Bは、ベルトコンベア10Aに代えて、ベルトコンベア10Bを備えるとともに、マーカ検出部20Aに加えてさらにマーカ検出部20Bを備える。
【0038】
<ベルトコンベア10B>
ベルトコンベア10Bは、トンネル掘進の進行に応じて、切羽側のプーリ11の位置を変更して全長を延ばすことができる連続ベルトコンベアであり、余分なベルト12を収容するベルト収容部(ストレージカセットともいう)14をさらに備える。かかるベルト収容部14は、ずり出し場側のプーリ11とマーカ検出部20Aとの間において、余分なベルト12を収容するように構成されている。
【0039】
<マーカ検出部20B>
マーカ検出部20Bは、マーカ検出部20Aと同じ地点においてマーカ12aを検出し、検出結果をコンピュータ70へ出力するセンサ等であり、本実施形態では、ベルト12のキャリア側かつずり出し場側においてマーカ12を検出するように設置されている。
【0040】
≪損傷部位位置算出部43b≫
損傷部位位置算出部43bは、損傷部位を検出した旨を示す信号を取得した場合に損傷部位の位置を算出するものであって、マーカ検出部20Aによってマーカ12aが検出された時間t、時間tと同じ周回において、マーカ検出部20Bによってマーカ12aが検出された時間t、ベルトコンベア制御部43aによるベルト12の速度vに基づいて、マーカ検出部20Aからベルトコンベア10Bの上流側端部までのベルト長Lを下記式
=(t−t)×v/2
によって算出するとともに、前記時間t、前記ベルト長L、及び、前記ベルト長Laに基づいて、ベルト長Lを算出し、かかるベルト長Lに基づいてベルト長Lを算出し、算出結果を通知部42へ出力し、ディスプレイである通知部42に表示させる。
【0041】
より詳細には、損傷部位位置算出部43bは、以下のようにしてベルト長L、又は、ベルトコンベア10Bの駆動が停止された状態におけるマーカ検出部20Bから損傷部位までのベルト長L’を算出する。
ベルト長Lがベルト長L以下である場合(L≦L)、すなわち、損傷部位がリターン側にある場合には、損傷部位位置算出部43bは、第一の実施形態と同様の算出手法を用いてベルト長Lを算出し、算出結果(少なくともベルト長Lを含む)を通知部42へ出力し、ディスプレイである通知部42に表示させる。
ベルト長Lがベルト長Lよりも大きい場合(L>L)、すなわち、損傷部位がキャリア側にある場合には、損傷部位位置算出部43bは、マーカ検出部20Bからマーカまでのベルト長L’を下記式
’=L−2・L
によって算出するとともに、前記ベルト長L’を下記式
’=L+L
によって算出し、算出結果(少なくともベルト長L’を含む)を通知部42へ出力し、ディスプレイである通知部42に表示させる。
なお、L’がマイナスの値となることがあるが、これは、マーカ12aがマーカ検出部20Bの下流側にあることを表している。
【0042】
本発明の第二の実施形態に係るベルトコンベア監視システム1Bは、全長が変わる連続ベルトコンベアにおいても、マーカ12aから損傷部位までのベルト長Lを好適に算出することができるので、目視によって損傷部位を探す労力を低減することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について実施形態を参照して説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。例えば、第二の実施形態にかかるベルトコンベア監視システム1Bにおいて、マーカ検出部20A,20Bはそれぞれリターン側及びキャリア側に設けられていればよい。また、本発明では、プーリ11に巻回されているベルト12の長さはメンテナンス上では問題ない誤差の範囲であると考えて無視しているが、これを考慮してベルト長L等を算出する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1A,1B ベルトコンベア監視システム
10A,10B ベルトコンベア
12 ベルト
12a マーカ
20A (第一の)マーカ検出部
20B (第二の)マーカ検出部
40 照明部
50 撮影部
60 損傷部位検出部
70 パソコン
73a ベルトコンベア制御部
73b 損傷部位位置算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷が載置される上流側から下流側へ向けて走行することによって前記荷を搬送するベルトを有するベルトコンベアと、
前記ベルトコンベアの駆動を制御するベルトコンベア制御部と、
前記ベルトに設けられたマーカと、
前記マーカを検出する第一のマーカ検出部と、
前記ベルトのベルト面を撮影する撮影部と、
撮影された前記ベルト面の画像に基づいて、損傷部位を検出する損傷部位検出部と、
前記損傷部位の位置を算出する損傷部位位置算出部と、
を備え、
前記損傷部位位置算出部は、前記第一のマーカ検出部によって前記マーカが検出された時間t、損傷部位が検出された画像が撮影された時間t(t>t)、前記ベルトの速度v、及び、予め記憶された前記第一のマーカ検出部と前記撮影部との間のベルト長Laに基づいて、前記マーカから前記損傷部位までのベルト長Lを下記式
=La−(t−t)×v
によって算出して記憶し、
前記ベルトコンベア制御部によって前記ベルトコンベアの駆動が停止された状態において、前記時間t、前記ベルトコンベアの駆動が停止された時間t、及び、前記ベルトの速度vに基づいて、前記第一のマーカ検出部から前記マーカまでのベルト長Lを下記式
=(t−t)×v
によって算出するとともに、前記ベルトコンベアの駆動が停止された状態における前記第一のマーカ検出部から前記損傷部位までのベルト長Lを下記式
=L+L
によって算出する
ことを特徴とするベルトコンベア監視システム。
【請求項2】
前記荷を搬送するキャリア側において前記マーカを検出する第二のマーカ検出部をさらに備え、
前記ベルトコンベアは、上流側端部の位置を変えることによって全長を変更可能な連続ベルトコンベアであり、
前記第一のマーカ検出部は、前記ベルトが下流側から上流側へ向けて走行するリターン側において前記マーカを検出し、
前記損傷部位位置算出部は、前記第一のマーカ検出部によって前記マーカが検出された時間t、前記第二のマーカ検出部によって前記マーカが検出された時間t(t>t)、及び、前記ベルトの速度vに基づいて、前記第一のマーカ検出部から前記ベルトコンベアの前記上流側端部までのベルト長Lを算出するとともに、前記時間t、前記ベルト長L、及び、前記ベルト長Laに基づいて、前記ベルト長Lを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベア監視システム。
【請求項3】
前記第二のマーカ検出部は、前記第一のマーカ検出部と同じ地点のリターン側において前記マーカを検出するように設置されており、
前記損傷部位位置算出部は、
=(t−t)×v/2
によって、前記ベルト長Lを算出する
ことを特徴とする請求項2に記載のベルトコンベア監視システム。
【請求項4】
前記ベルト長Lが前記ベルト長L以下である場合には、前記損傷部位位置算出部は、前記ベルト長Lを算出し、
前記ベルト長Lが前記ベルト長Lよりも大きい場合には、前記損傷部位位置算出部は、前記第二のマーカ検出部から前記マーカまでのベルト長L’を下記式
’=L−2・L
によって算出するとともに、前記ベルトコンベアの駆動が停止された状態における前記第二のマーカ検出部から前記損傷部位までのベルト長L’を下記式
’=L+L
によって算出する
ことを特徴とする請求項3に記載のベルトコンベア監視システム。
【請求項5】
前記ベルトのベルト面に対して斜め方向から光を照射する照明部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のベルトコンベア監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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