ベルト搬送装置
【課題】ベルト走行方向が変わるプーリ部分で搬送対象物の搬送方向を確実に変更してこの搬送対象物を搬送することができるベルト搬送装置を提供する。
【解決手段】ベルト搬送装置は、複数のプーリと、各プーリの環状溝に巻き掛けられた無端状の丸ベルト30と、搬送対象物Wを案内する案内機構とを備え、丸ベルト30を走行させて、丸ベルト30上の搬送対象物Wを案内機構により案内しつつ搬送する。プーリの少なくとも1つは、水平回転して搬送対象物Wの搬送方向を水平面内で変える方向変更プーリ20として機能し、案内機構は、方向変更プーリ20の外周面から間隔を隔てて配置される案内部材47を備える。方向変更プーリ20の環状溝20aは、丸ベルト30と丸ベルト30上の搬送対象物Wとが上下に配置されるように形成されて、丸ベルト30上の搬送対象物Wが環状溝20aの溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材47により案内される。
【解決手段】ベルト搬送装置は、複数のプーリと、各プーリの環状溝に巻き掛けられた無端状の丸ベルト30と、搬送対象物Wを案内する案内機構とを備え、丸ベルト30を走行させて、丸ベルト30上の搬送対象物Wを案内機構により案内しつつ搬送する。プーリの少なくとも1つは、水平回転して搬送対象物Wの搬送方向を水平面内で変える方向変更プーリ20として機能し、案内機構は、方向変更プーリ20の外周面から間隔を隔てて配置される案内部材47を備える。方向変更プーリ20の環状溝20aは、丸ベルト30と丸ベルト30上の搬送対象物Wとが上下に配置されるように形成されて、丸ベルト30上の搬送対象物Wが環状溝20aの溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材47により案内される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプーリに掛け渡された無端状の搬送ベルトを走行させ、この搬送ベルト上に供給された搬送対象物を案内機構により案内しつつ搬送するベルト搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前記ベルト搬送装置として、従来、例えば、実開昭55−180610号公報に開示されたものが知られている。このベルト搬送装置は、軸線中心に回転自在に且つ間隔を隔てて設けられる複数のプーリと、各プーリに掛け渡される無端状の搬送ベルトと、プーリの1つを駆動して軸線中心に回転させ、搬送ベルトを走行させる駆動モータと、搬送ベルトによって搬送される搬送対象物を支持するテーブルとを備える。
【0003】
前記複数のプーリは、原動プーリ,従動プーリ及び2つの中間プーリから構成されており、原動プーリ及び従動プーリは、これらの軸線が水平方向に沿うように且つ互いに直交するように配置され、2つの中間プーリは、これらの軸線が上下方向に沿うように且つ同軸に配置される。また、各中間プーリには、搬送ベルトの張り側部分及び緩み側部分がそれぞれ巻き掛けられる。
【0004】
前記搬送ベルトは、原動プーリ,従動プーリ及び2つの中間プーリによって、張り側部分及び緩み側部分が水平となるように掛け渡されており、中間プーリ部分でベルト走行方向が水平面内で90°変わるようになっている。また、搬送ベルトは、原動ローラの近傍で供給された搬送対象物を従動ローラの近傍に向けて搬送するように構成される。
【0005】
前記駆動モータは、原動プーリをその軸線中心に回転させ、前記テーブルは、搬送ベルトの近傍でその両側に設けられ、この搬送ベルト上に載置された搬送対象物を支持する。
【0006】
そして、このベルト搬送装置では、駆動モータにより原動プーリが駆動されて搬送ベルトが走行すると、搬送ベルト上に載置されてテーブルに支持された搬送対象物が所定の搬送方向に沿って搬送される。このとき、搬送対象物は、ベルト走行方向が中間プーリ部分で90°変わることから搬送方向が90°変更されて搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭55−180610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のベルト搬送装置では、テーブルに支持された搬送対象物を、この搬送対象物と搬送ベルトとの間に生じる摩擦力によって搬送しているため、ベルト走行方向が変わる中間プーリ部分で搬送方向を確実に変更して搬送対象物を搬送することができない場合があった。また、搬送方向を変更して搬送対象物を搬送することができないと、次工程に搬送対象物を供給することができないという問題を生じたり、中間プーリ部分で搬送対象物が詰まる原因にもなる。
【0009】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、ベルト走行方向が変わるプーリ部分で搬送対象物の搬送方向を確実に変更してこの搬送対象物を搬送することができるベルト搬送装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明は、
無端状に形成された搬送ベルトと、前記搬送ベルトが巻き掛けられる環状溝を外周面に有し、軸線中心に回転自在に設けられる複数のプーリと、前記搬送ベルトによって搬送される搬送対象物を案内する案内手段と、前記搬送ベルトを走行させる駆動手段とを備え、前記搬送ベルト上に供給位置で供給された搬送対象物を排出位置に向けて前記案内手段により案内しつつ搬送するベルト搬送装置であって、
前記搬送ベルトは、横断面形状が円形、又は線対称且つ偶数角の多角形に形成され、
前記プーリの少なくとも1つは、その環状溝に、前記搬送ベルトの、前記供給位置と排出位置との間における部分が巻き掛けられるとともに、水平回転して前記搬送対象物の搬送方向を水平面内で変える方向変更プーリとして機能するように構成され、
前記案内手段は、前記方向変更プーリの外周面から間隔を隔てて配置される案内部材を備え、
前記方向変更プーリの環状溝は、前記搬送ベルトとこの搬送ベルト上の搬送対象物とが上下に配置されるように形成されて、前記搬送ベルト上の搬送対象物が前記環状溝の溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材により案内されるように構成されてなることを特徴とするベルト搬送装置に係る。
【0011】
この発明によれば、搬送ベルトが駆動手段により駆動されて走行せしめられると、前工程から排出され供給位置で搬送ベルト上に供給された搬送対象物が案内手段によって案内されつつ排出位置に向けて搬送されるとともに、排出位置まで搬送された搬送対象物はこの排出位置で次工程に排出される。
【0012】
搬送対象物は、搬送途中で方向変更プーリを通過し、その際に搬送方向が水平面内で変更されて搬送されるが、搬送ベルトと搬送ベルト上の搬送対象物とが上下に配置されるように方向変更プーリの環状溝が形成されているので、方向変更プーリ部分において、搬送ベルト上の搬送対象物は、環状溝の溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材により案内されつつ搬送される。
【0013】
このように、本発明に係るベルト搬送装置によれば、方向変更プーリ部分では、搬送ベルト上の搬送対象物を、環状溝の溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材によって案内しつつ搬送しているので、搬送方向を確実に変更して搬送することができる。また、環状溝の幅方向上側の溝側壁によって搬送対象物の浮き上がりを防止することもでき、このことによっても、搬送対象物を確実に搬送することができる。そして、搬送方向を確実に変えて搬送することができれば、次工程に搬送対象物を供給することができない、方向変更プーリ部分で搬送対象物が詰まるなどといった搬送トラブルが生じるのを防止することができる。
【0014】
尚、前記方向変更プーリの環状溝は、その溝底部下側の隅部が凹曲面又は傾斜面に形成され、前記凹曲面又は傾斜面は、一定張力が掛けられた前記搬送ベルトの外周面がこの凹曲面又は傾斜面に当接すると、この搬送ベルトが前記凹曲面又は傾斜面に沿って上側にずれるように構成されていても良い。
【0015】
このようにすれば、搬送ベルトが前記隅部の凹曲面や傾斜面に沿って上側にずれると、搬送ベルト上の搬送対象物をこの搬送ベルトと環状溝の幅方向上側の溝側壁とにより挟んで保持することができる。そして、このようにして搬送対象物を保持して搬送することにより方向変更プーリ部分における搬送対象物の搬送をより確実なものとすることができる。
【0016】
また、前記ベルト搬送装置は、前記方向変更プーリの環状溝内に先端部が入り込むようにこの方向変更プーリの近傍に配設された規制部材を備え、前記規制部材は、前記搬送ベルト上の搬送対象物が前記先端部に当接してこの方向変更プーリの回転方向に移動するのを規制し、この搬送対象物を前記搬送ベルトの走行方向に移動させるように構成されていても良い。
【0017】
搬送対象物が方向変更プーリから排出される部分では、搬送対象物が方向変更プーリの回転方向に移動し易いため、搬送ベルトの走行方向に沿って搬送対象物を搬送することができない場合がある。特に、上記のように、搬送ベルトが環状溝の隅部の凹曲面や傾斜面に沿って上側にずれる場合には、搬送対象物が搬送ベルトと環状溝の幅方向上側の溝側壁とにより挟持されて方向変更プーリの回転方向に移動するため、このような問題がより顕著になる。
【0018】
そこで、前記規制部材を設けるようにすれば、搬送対象物が方向変更プーリの回転方向に移動するのを防止することができるので、搬送対象物を搬送ベルトの走行方向に沿って搬送することができる。
【0019】
また、前記ベルト搬送装置は、前記方向変更プーリの環状溝の溝幅を調整する調整手段を更に備え、前記方向変更プーリは、前記環状溝の幅方向の下部を形成する第1部材と、前記環状溝の幅方向の上部を形成する第2部材との2部材から構成され、前記調整手段は、前記第1部材及び第2部材の上下方向における間隔を変えて前記環状溝の溝幅を調整するように構成されていても良い。
【0020】
このようにすれば、調整手段によって環状溝の溝幅を調整することができるので、横断面形状の大きさが異なる各種の搬送対象物を搬送することができる。また、上記のように、搬送ベルトが環状溝の隅部の凹曲面や傾斜面に沿って上側にずれる場合、例えば、搬送対象物の横断面形状の大きさが小さくなると、搬送ベルトがその分だけ上側に移動して搬送対象物の搬送高さが変化するが、調整手段により溝幅を調整することで搬送対象物の横断面形状の大きさに関係なく搬送高さを一定にすることもできる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明に係るベルト搬送装置によれば、ベルト走行方向が変わるプーリ部分で搬送対象物の搬送方向を確実に変更してこの搬送対象物を搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るベルト搬送装置の概略構成を示した平面図である。
【図2】本実施形態に係るベルト搬送装置の概略構成を示した正面図である。
【図3】本実施形態に係る方向変更プーリなどを示した平面図である。
【図4】図3における矢示A−A方向の断面図である。
【図5】図4における矢示E−E方向の断面図である。
【図6】本実施形態に係る方向変更プーリの環状溝などを示した詳細図である。
【図7】図3における矢示B−B方向の断面図である。
【図8】図3における矢示C−C方向の断面図である。
【図9】図3における矢示D−D方向の断面図である。
【図10】本実施形態に係る第3案内部などを示した平面図である。
【図11】図10における矢示F−F方向の断面図である。
【図12】図10における矢示G−G方向の断面図である。
【図13】図10における矢示H−H方向の断面図である。
【図14】搬送対象物を傾斜させて搬送する際に、搬送対象物の傾斜角度とプーリの配置角度との関係によって生じる問題点を説明するための断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る搬送ベルトなどを示した断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る搬送ベルトなどを示した断面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係る方向変更プーリの環状溝などを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係るベルト搬送装置の概略構成を示した平面図であり、図2は、本実施形態に係るベルト搬送装置の概略構成を示した正面図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、本例のベルト搬送装置1は、間隔を隔ててそれぞれ配設される複数のプーリ(図示例では7個)10と、一定張力が掛かるように各プーリ10に掛け渡された無端状の搬送ベルト30と、プーリ10の少なくとも1つを駆動して軸線中心に回転させ、搬送ベルト30を走行させる駆動モータ31と、搬送ベルト30によって搬送される搬送対象物Wを案内する案内機構とを備えており、搬送ベルト30上に供給された搬送対象物Wを案内機構により案内しつつ搬送するように構成される。尚、本例では、搬送対象物Wの一例として、棒状であり且つ横断面形状が楕円形をしたもの(図4及び図5参照)を挙げて説明するが、搬送対象物Wはこれに限定されるものではない。
【0025】
前記搬送ベルト30は、図4に示すように、例えば、丸ベルトから構成され、好ましい材質としては、例えば、ポリウレタンが挙げられる。ポリウレタン製の搬送ベルト30は摩擦係数が高く、搬送対象物Wを確実に搬送することができる。尚、この搬送ベルト30は、図1及び図2の矢示方向に走行するようになっており、後述のプーリ13の近傍に設定された供給位置で供給される搬送対象物Wを、後述のプーリ20を経由して、後述のプーリ14の近傍に設定された排出位置まで搬送するようになっている。
【0026】
前記複数のプーリ10は、図示しない支持部材によって軸線中心に回転自在に支持されており、その外周面には、搬送ベルト30が巻き掛けられる環状溝がそれぞれ形成されている。尚、この複数のプーリ10には、それぞれ11,12,13,20,14,15,16の符号を付しており、プーリ11が駆動モータ31によって駆動される原動プーリとなっている。また、各プーリ11,12,13,20,14,15,16には、原動プーリから開始して搬送ベルト30の走行方向に沿うように順番に符号を付している。
【0027】
前記プーリ11,12,13,16は、これらの軸線が水平方向に沿うように設けられ、前記プーリ20,15は、これらの軸線が上下方向に沿うように設けられ、前記プーリ14は、その軸線が水平面から所定の角度θだけ傾斜するように設けられる。また、前記プーリ13,20,14は、搬送ベルト30の、少なくともこれらに掛け渡された部分が水平となるように配置されている。
【0028】
前記プーリ20は、水平回転してベルト走行方向を変更し(図示例では90°変更)、搬送対象物Wの搬送方向を水平面内で変える方向変更プーリとして機能するようになっており、図3乃至図6に示すように、搬送ベルト30が巻き掛けられる環状溝20aの幅方向の下部を形成する第1部材21と、環状溝20aの幅方向の上部を形成する第2部材22との2部材から構成され、第2部材22が第1部材21の外周側上面に取り付けられている。また、プーリ20は、軸線が上下方向に沿うように設けられた支持軸23により軸受24を介して水平回転自在に支持されている。
【0029】
前記第1部材21は、その外周側上部に環状の凹部21aを備え、第2部材22は、その外周側下部に環状の凹部22aを備えており、これらの凹部21a,22aによって前記環状溝20aが形成される。そして、この環状溝20aは、搬送ベルト30とこの搬送ベルト30上の搬送対象物Wとが上下に配置されるように構成されている。
【0030】
環状溝20aの溝底部下側の隅部に対応した凹部21aの隅部は、搬送ベルト30の半径R1より大きい半径R2の凹曲面に形成されており(図6参照)、一定張力が掛けられた搬送ベルト30の外周面がこの凹曲面に当接すると、この搬送ベルト30がこの凹曲面に沿って上側にずれるようになっている。一方、環状溝20aの溝底部上側の隅部に対応した凹部22aの隅部は、直角若しくは小さい半径の凹曲面に形成される。
【0031】
前記第1部材21と第2部材22の上下方向における間隔は調整機構25によって調整可能となっており、この調整機構25は、第1部材21に第2部材22側からねじ込まれる複数の第1ボルト26と、第2部材22にねじ込まれて先端が第1部材21の上面に当接した複数の第2ボルト27及び複数のナット28とから構成される。
【0032】
前記第2部材22には、その上面に開口し、各第1ボルト26の頭部が収容される複数の凹部22bと、この凹部22bの底面から下面に貫通する複数の貫通孔22cとが形成され、前記第1部材21の上面には複数のねじ穴21bが開口しており、これらのねじ穴21bに各第1ボルト26がそれぞれ螺合している。
【0033】
また、前記第2部材22には、上下に貫通した複数のねじ穴22dが形成され、これらのねじ穴22dに各第2ボルト27の中間部がそれぞれ螺合しており、各第2ボルト27の下端が第1部材21の上面に当接し、各第2ボルト27の上部には、第1部材21の上面に当接するようにナット28が螺合している。
【0034】
尚、前記第1ボルト26,第2ボルト27,ナット28,ねじ穴21b,凹部22b,貫通孔22c及びねじ穴22dは、第1部材21及び第2部材22の円周方向に等間隔で設けられている。
【0035】
そして、このような調整機構25では、各第2ボルト27の下端の突出量を調整して各第1ボルト26により第2部材22を第1部材21に固定することで、第1部材21と第2部材22の上下方向における間隔が変更され、このようにして間隔が変更されることで前記環状溝20aの溝幅が調整される。
【0036】
前記駆動モータ31は、図示しない支持部材によって支持されており、図2に示すように、プーリ11を矢示方向に回転させて搬送ベルト30を矢示方向に走行させる。
【0037】
前記案内機構は、搬送ベルト30上の搬送対象物Wを案内するもので、前記供給位置とプーリ20の近傍位置との間で搬送対象物Wを案内する第1案内部41と、プーリ20部分で搬送対象物Wを案内する第2案内部45と、プーリ20の近傍位置と前記排出位置との間で搬送対象物Wを案内する第3案内部50とを備える。
【0038】
前記第1案内部41は、前記供給位置と第2案内部45とを接続するもので、図3及び図7に示すように、搬送ベルト30の両側に水平方向に間隔を隔てて配設された案内板42,43から構成され、前記第2案内部45は、図3乃至図5、図8及び図9に示すように、プーリ20部分に供給される搬送対象物Wを案内する案内部材46と、プーリ20部分で搬送される搬送対象物Wを案内する案内部材47と、プーリ20部分から排出された搬送対象物Wを案内する案内部材48とから構成される。
【0039】
前記案内部材46は、プーリ20と第1案内部41との間に設けられており、上面に開口して底部側に搬送ベルト30が設けられる案内溝46aを備えている。前記案内部材47は、案内部材46と案内部材48との間に設けられており、プーリ20の外周面から一定間隔を隔てて搬送ベルト30の外側に形成された案内面47aと、上面に設けられたカバー47bとを備えている。前記案内部材48は、プーリ20と第3案内部50との間に設けられており、上面に開口して底部側に搬送ベルト30が設けられる案内溝48aと、上面に設けられたカバー48bとを備えている。
【0040】
前記第3案内部50は、図10乃至図13に示すように、第2案内部45と前記排出位置とを接続するように設けられた案内部材から構成されており、上面に開口して底部側に搬送ベルト30が設けられる案内溝50aと、上面に設けられたカバー50bとを備えている。この案内溝50aは、プーリ14側に近づくに連れて、搬送ベルト30の軸線を中心にして徐々に傾斜するように螺旋状に形成され、最終的に鉛直面からの傾斜角度がδとなっている。尚、前記プーリ14の傾斜角度θは、必ずしもこの傾斜角度δに対応していなくても良い。
【0041】
そして、このような案内機構40では、供給位置で搬送ベルト30上に供給された搬送対象物Wが、案内板42,43及び案内部材46,47,48,50により案内されて排出位置まで搬送される。このとき、搬送対象物Wは、カバー47b,48b,50bによって浮き上がりが防止される。また、搬送対象物Wは、案内部材50に至るまで、横断面形状の長手方向が水平で搬送されるが、案内部材50を通過する際に、横断面形状の長手方向が水平から徐々に傾斜するように螺旋状の案内溝50aによって案内され、傾斜した姿勢で排出位置から次工程に排出される。尚、搬送対象物Wの姿勢を変更しているのは、例えば、次工程における加工上の理由からである。
【0042】
前記案内部材48のプーリ20側の側面には、図3及び図5に示すように、先端部35aが環状溝20a内に入り込むように形成された規制部材35が配設されており、この規制部材35は、搬送ベルト30上の搬送対象物Wが前記先端部35aに当接してプーリ20の回転方向に移動するのを規制し、この搬送対象物Wを搬送ベルト30の走行方向に移動させるように構成される。
【0043】
以上のように構成された本例のベルト搬送装置1によれば、駆動モータ31によりプーリ11が駆動されて搬送ベルト30が走行せしめられると、前工程から排出され供給位置で搬送ベルト30上に供給された搬送対象物Wが、案内板42,43及び案内部材46,47,48,50により案内されつつ排出位置に搬送されるとともに、排出位置まで搬送された搬送対象物Wはこの排出位置で次工程に排出される。
【0044】
搬送対象物Wは、搬送途中でプーリ20を通過し、その際に搬送方向が水平面内で変更されるが、搬送ベルト30と搬送ベルト30上の搬送対象物Wとが上下に配置されるようにプーリ20の環状溝20aが形成され、更に、環状溝20aの溝底部下側の隅部が搬送ベルト30の半径R1より大きい半径R2の凹曲面に形成されて、一定張力の掛けられた搬送ベルト30がこの凹曲面に沿って上側にずれるようになっているので、搬送ベルト30上の搬送対象物Wは、環状溝20aの溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材47の案内面47aにより案内されつつ、且つ搬送ベルト30と環状溝20aの幅方向上側の溝側壁とにより挟持されつつ搬送される。
【0045】
また、搬送対象物Wがプーリ20から排出される部分では、搬送ベルト30と環状溝20aの幅方向上側の溝側壁とにより挟持された搬送対象物Wが規制部材35の先端部35aに当接してプーリ20とともにその回転方向に移動するのが防止され、搬送ベルト30の走行方向に沿って搬送される。
【0046】
また、更に、搬送対象物Wは、案内部材50の通過時に、横断面形状の長手方向が水平から徐々に傾斜するように螺旋状の案内溝50aによって案内され、傾斜した姿勢で次工程に供給される。
【0047】
斯くして、本例のベルト搬送装置1によれば、搬送途中で搬送対象物Wの搬送方向と姿勢を変更して搬送することができる。また、搬送対象物Wが供給位置で搬送ベルト30上に供給されてから排出位置で排出されるまで搬送ベルト30上に載置されているので、搬送対象物Wを確実に搬送することができる。
【0048】
また、プーリ20部分では、搬送ベルト30上の搬送対象物Wを、環状溝20aの溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材47の案内面47aにより案内しつつ搬送しているので、搬送方向を確実に変更して搬送することができる。また、搬送ベルト30が溝底部下側の隅部の凹曲面に沿って上側にずれるようになっているので、搬送ベルト30上の搬送対象物Wをこの搬送ベルト30と環状溝20aの幅方向上側の溝側壁とにより挟んで保持することができ、プーリ20部分における搬送対象物Wの搬送をより確実なものとすることができる。そして、搬送方向を確実に変えて搬送することができれば、次工程に搬送対象物Wを供給することができない、プーリ20部分で搬送対象物Wが詰まるなどといった搬送トラブルが生じるのを防止することができる。
【0049】
また、規制部材35により、搬送ベルト30上の搬送対象物Wがプーリ20の回転方向に移動するのを規制しているので、搬送ベルト30上の搬送対象物Wがこの搬送ベルト30と環状溝20aの幅方向上側の溝側壁とにより挟持されている場合であっても、搬送対象物Wがプーリ20の回転方向に移動するのを防止して搬送ベルト30の走行方向に搬送することができる。
【0050】
また、調整機構25により環状溝20aの溝幅を調整することができるので、横断面形状の大きさが異なる各種の搬送対象物Wを搬送することができる。また、上記のように、搬送ベルト30が環状溝20aの隅部の凹曲面に沿って上側にずれる場合、例えば、搬送対象物Wの横断面形状の大きさが小さくなると、搬送ベルト30がその分だけ上側に移動して搬送対象物Wの搬送高さが変化するが、調整機構25により溝幅を調整することで搬送対象物Wの横断面形状の大きさに関係なく搬送高さを一定にすることもできる。
【0051】
また、本例では、プーリ14を所定角度θだけ傾斜させているので、螺旋状の案内溝50aにより傾斜せしめられた搬送対象物Wとプーリ14の外周面とが干渉するといった不都合が生じるのを防止することができる。即ち、例えば、図14に示すように、プーリ14を傾斜させずに軸線が水平となるように配置した場合、搬送対象物Wの傾斜角度によっては、傾斜した搬送対象物Wとプーリ14の外周面とが干渉するが、案内溝50aによって傾斜した搬送対象物Wの横断面形状の長手方向と、プーリ14の軸線とがほぼ平行となるようにプーリ14を傾斜させれば、上述のような干渉が生じるのを防止することが可能となる。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0053】
例えば、上例では、搬送ベルト30を丸ベルトから構成したが、これに限られるものではなく、例えば、図15や図16に示すように、横断面形状が四角形や六角形など、線対称且つ偶数角の多角形のベルトから構成しても良い。この場合、環状溝20aの溝底部下側の隅部(凹曲面)の半径は、搬送ベルト30の角部の半径よりも大きくしたり、横断面形状(多角形)の外接円の半径よりも大きくするなどして、一定張力が掛けられた搬送ベルト30の外周面が当接したときにこの搬送ベルト30がこの凹曲面に沿って上側にずれるようになっていることが好ましい。尚、搬送ベルト30の横断面形状を多角形とした場合においても、搬送対象物Wの横断面形状の長手方向を水平から傾斜させるには、搬送ベルト30自身も傾斜させなければならないため、適宜案内プーリなどを設ける必要がある。
【0054】
また、環状溝20aの溝底部下側の隅部に対応した凹部21aの隅部は、図17に示すように傾斜面とすることもできる。また、上例では、搬送対象物Wの搬送方向と姿勢の両方を変更して搬送するようにしたが、姿勢は変えずに搬送方向のみを変えるようにしても良い。
【0055】
また、搬送対象物Wの形状は、特に限定されず、棒状のものの他、例えば、立方体状のもの、横断面形状が円形のものなどであっても良い。横断面形状が円形の搬送対象物Wを搬送する場合には、搬送対象物Wの姿勢を変更する搬送経路を省略することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 ベルト搬送装置
10 プーリ
20 方向変更プーリ
20a 環状溝
21 第1部材
22 第2部材
25 調整機構
30 搬送ベルト
31 駆動モータ
35 規制部材
41 第1案内部
45 第2案内部
50 第3案内部
W 搬送対象物
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプーリに掛け渡された無端状の搬送ベルトを走行させ、この搬送ベルト上に供給された搬送対象物を案内機構により案内しつつ搬送するベルト搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前記ベルト搬送装置として、従来、例えば、実開昭55−180610号公報に開示されたものが知られている。このベルト搬送装置は、軸線中心に回転自在に且つ間隔を隔てて設けられる複数のプーリと、各プーリに掛け渡される無端状の搬送ベルトと、プーリの1つを駆動して軸線中心に回転させ、搬送ベルトを走行させる駆動モータと、搬送ベルトによって搬送される搬送対象物を支持するテーブルとを備える。
【0003】
前記複数のプーリは、原動プーリ,従動プーリ及び2つの中間プーリから構成されており、原動プーリ及び従動プーリは、これらの軸線が水平方向に沿うように且つ互いに直交するように配置され、2つの中間プーリは、これらの軸線が上下方向に沿うように且つ同軸に配置される。また、各中間プーリには、搬送ベルトの張り側部分及び緩み側部分がそれぞれ巻き掛けられる。
【0004】
前記搬送ベルトは、原動プーリ,従動プーリ及び2つの中間プーリによって、張り側部分及び緩み側部分が水平となるように掛け渡されており、中間プーリ部分でベルト走行方向が水平面内で90°変わるようになっている。また、搬送ベルトは、原動ローラの近傍で供給された搬送対象物を従動ローラの近傍に向けて搬送するように構成される。
【0005】
前記駆動モータは、原動プーリをその軸線中心に回転させ、前記テーブルは、搬送ベルトの近傍でその両側に設けられ、この搬送ベルト上に載置された搬送対象物を支持する。
【0006】
そして、このベルト搬送装置では、駆動モータにより原動プーリが駆動されて搬送ベルトが走行すると、搬送ベルト上に載置されてテーブルに支持された搬送対象物が所定の搬送方向に沿って搬送される。このとき、搬送対象物は、ベルト走行方向が中間プーリ部分で90°変わることから搬送方向が90°変更されて搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭55−180610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のベルト搬送装置では、テーブルに支持された搬送対象物を、この搬送対象物と搬送ベルトとの間に生じる摩擦力によって搬送しているため、ベルト走行方向が変わる中間プーリ部分で搬送方向を確実に変更して搬送対象物を搬送することができない場合があった。また、搬送方向を変更して搬送対象物を搬送することができないと、次工程に搬送対象物を供給することができないという問題を生じたり、中間プーリ部分で搬送対象物が詰まる原因にもなる。
【0009】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、ベルト走行方向が変わるプーリ部分で搬送対象物の搬送方向を確実に変更してこの搬送対象物を搬送することができるベルト搬送装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明は、
無端状に形成された搬送ベルトと、前記搬送ベルトが巻き掛けられる環状溝を外周面に有し、軸線中心に回転自在に設けられる複数のプーリと、前記搬送ベルトによって搬送される搬送対象物を案内する案内手段と、前記搬送ベルトを走行させる駆動手段とを備え、前記搬送ベルト上に供給位置で供給された搬送対象物を排出位置に向けて前記案内手段により案内しつつ搬送するベルト搬送装置であって、
前記搬送ベルトは、横断面形状が円形、又は線対称且つ偶数角の多角形に形成され、
前記プーリの少なくとも1つは、その環状溝に、前記搬送ベルトの、前記供給位置と排出位置との間における部分が巻き掛けられるとともに、水平回転して前記搬送対象物の搬送方向を水平面内で変える方向変更プーリとして機能するように構成され、
前記案内手段は、前記方向変更プーリの外周面から間隔を隔てて配置される案内部材を備え、
前記方向変更プーリの環状溝は、前記搬送ベルトとこの搬送ベルト上の搬送対象物とが上下に配置されるように形成されて、前記搬送ベルト上の搬送対象物が前記環状溝の溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材により案内されるように構成されてなることを特徴とするベルト搬送装置に係る。
【0011】
この発明によれば、搬送ベルトが駆動手段により駆動されて走行せしめられると、前工程から排出され供給位置で搬送ベルト上に供給された搬送対象物が案内手段によって案内されつつ排出位置に向けて搬送されるとともに、排出位置まで搬送された搬送対象物はこの排出位置で次工程に排出される。
【0012】
搬送対象物は、搬送途中で方向変更プーリを通過し、その際に搬送方向が水平面内で変更されて搬送されるが、搬送ベルトと搬送ベルト上の搬送対象物とが上下に配置されるように方向変更プーリの環状溝が形成されているので、方向変更プーリ部分において、搬送ベルト上の搬送対象物は、環状溝の溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材により案内されつつ搬送される。
【0013】
このように、本発明に係るベルト搬送装置によれば、方向変更プーリ部分では、搬送ベルト上の搬送対象物を、環状溝の溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材によって案内しつつ搬送しているので、搬送方向を確実に変更して搬送することができる。また、環状溝の幅方向上側の溝側壁によって搬送対象物の浮き上がりを防止することもでき、このことによっても、搬送対象物を確実に搬送することができる。そして、搬送方向を確実に変えて搬送することができれば、次工程に搬送対象物を供給することができない、方向変更プーリ部分で搬送対象物が詰まるなどといった搬送トラブルが生じるのを防止することができる。
【0014】
尚、前記方向変更プーリの環状溝は、その溝底部下側の隅部が凹曲面又は傾斜面に形成され、前記凹曲面又は傾斜面は、一定張力が掛けられた前記搬送ベルトの外周面がこの凹曲面又は傾斜面に当接すると、この搬送ベルトが前記凹曲面又は傾斜面に沿って上側にずれるように構成されていても良い。
【0015】
このようにすれば、搬送ベルトが前記隅部の凹曲面や傾斜面に沿って上側にずれると、搬送ベルト上の搬送対象物をこの搬送ベルトと環状溝の幅方向上側の溝側壁とにより挟んで保持することができる。そして、このようにして搬送対象物を保持して搬送することにより方向変更プーリ部分における搬送対象物の搬送をより確実なものとすることができる。
【0016】
また、前記ベルト搬送装置は、前記方向変更プーリの環状溝内に先端部が入り込むようにこの方向変更プーリの近傍に配設された規制部材を備え、前記規制部材は、前記搬送ベルト上の搬送対象物が前記先端部に当接してこの方向変更プーリの回転方向に移動するのを規制し、この搬送対象物を前記搬送ベルトの走行方向に移動させるように構成されていても良い。
【0017】
搬送対象物が方向変更プーリから排出される部分では、搬送対象物が方向変更プーリの回転方向に移動し易いため、搬送ベルトの走行方向に沿って搬送対象物を搬送することができない場合がある。特に、上記のように、搬送ベルトが環状溝の隅部の凹曲面や傾斜面に沿って上側にずれる場合には、搬送対象物が搬送ベルトと環状溝の幅方向上側の溝側壁とにより挟持されて方向変更プーリの回転方向に移動するため、このような問題がより顕著になる。
【0018】
そこで、前記規制部材を設けるようにすれば、搬送対象物が方向変更プーリの回転方向に移動するのを防止することができるので、搬送対象物を搬送ベルトの走行方向に沿って搬送することができる。
【0019】
また、前記ベルト搬送装置は、前記方向変更プーリの環状溝の溝幅を調整する調整手段を更に備え、前記方向変更プーリは、前記環状溝の幅方向の下部を形成する第1部材と、前記環状溝の幅方向の上部を形成する第2部材との2部材から構成され、前記調整手段は、前記第1部材及び第2部材の上下方向における間隔を変えて前記環状溝の溝幅を調整するように構成されていても良い。
【0020】
このようにすれば、調整手段によって環状溝の溝幅を調整することができるので、横断面形状の大きさが異なる各種の搬送対象物を搬送することができる。また、上記のように、搬送ベルトが環状溝の隅部の凹曲面や傾斜面に沿って上側にずれる場合、例えば、搬送対象物の横断面形状の大きさが小さくなると、搬送ベルトがその分だけ上側に移動して搬送対象物の搬送高さが変化するが、調整手段により溝幅を調整することで搬送対象物の横断面形状の大きさに関係なく搬送高さを一定にすることもできる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明に係るベルト搬送装置によれば、ベルト走行方向が変わるプーリ部分で搬送対象物の搬送方向を確実に変更してこの搬送対象物を搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るベルト搬送装置の概略構成を示した平面図である。
【図2】本実施形態に係るベルト搬送装置の概略構成を示した正面図である。
【図3】本実施形態に係る方向変更プーリなどを示した平面図である。
【図4】図3における矢示A−A方向の断面図である。
【図5】図4における矢示E−E方向の断面図である。
【図6】本実施形態に係る方向変更プーリの環状溝などを示した詳細図である。
【図7】図3における矢示B−B方向の断面図である。
【図8】図3における矢示C−C方向の断面図である。
【図9】図3における矢示D−D方向の断面図である。
【図10】本実施形態に係る第3案内部などを示した平面図である。
【図11】図10における矢示F−F方向の断面図である。
【図12】図10における矢示G−G方向の断面図である。
【図13】図10における矢示H−H方向の断面図である。
【図14】搬送対象物を傾斜させて搬送する際に、搬送対象物の傾斜角度とプーリの配置角度との関係によって生じる問題点を説明するための断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る搬送ベルトなどを示した断面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係る搬送ベルトなどを示した断面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係る方向変更プーリの環状溝などを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係るベルト搬送装置の概略構成を示した平面図であり、図2は、本実施形態に係るベルト搬送装置の概略構成を示した正面図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、本例のベルト搬送装置1は、間隔を隔ててそれぞれ配設される複数のプーリ(図示例では7個)10と、一定張力が掛かるように各プーリ10に掛け渡された無端状の搬送ベルト30と、プーリ10の少なくとも1つを駆動して軸線中心に回転させ、搬送ベルト30を走行させる駆動モータ31と、搬送ベルト30によって搬送される搬送対象物Wを案内する案内機構とを備えており、搬送ベルト30上に供給された搬送対象物Wを案内機構により案内しつつ搬送するように構成される。尚、本例では、搬送対象物Wの一例として、棒状であり且つ横断面形状が楕円形をしたもの(図4及び図5参照)を挙げて説明するが、搬送対象物Wはこれに限定されるものではない。
【0025】
前記搬送ベルト30は、図4に示すように、例えば、丸ベルトから構成され、好ましい材質としては、例えば、ポリウレタンが挙げられる。ポリウレタン製の搬送ベルト30は摩擦係数が高く、搬送対象物Wを確実に搬送することができる。尚、この搬送ベルト30は、図1及び図2の矢示方向に走行するようになっており、後述のプーリ13の近傍に設定された供給位置で供給される搬送対象物Wを、後述のプーリ20を経由して、後述のプーリ14の近傍に設定された排出位置まで搬送するようになっている。
【0026】
前記複数のプーリ10は、図示しない支持部材によって軸線中心に回転自在に支持されており、その外周面には、搬送ベルト30が巻き掛けられる環状溝がそれぞれ形成されている。尚、この複数のプーリ10には、それぞれ11,12,13,20,14,15,16の符号を付しており、プーリ11が駆動モータ31によって駆動される原動プーリとなっている。また、各プーリ11,12,13,20,14,15,16には、原動プーリから開始して搬送ベルト30の走行方向に沿うように順番に符号を付している。
【0027】
前記プーリ11,12,13,16は、これらの軸線が水平方向に沿うように設けられ、前記プーリ20,15は、これらの軸線が上下方向に沿うように設けられ、前記プーリ14は、その軸線が水平面から所定の角度θだけ傾斜するように設けられる。また、前記プーリ13,20,14は、搬送ベルト30の、少なくともこれらに掛け渡された部分が水平となるように配置されている。
【0028】
前記プーリ20は、水平回転してベルト走行方向を変更し(図示例では90°変更)、搬送対象物Wの搬送方向を水平面内で変える方向変更プーリとして機能するようになっており、図3乃至図6に示すように、搬送ベルト30が巻き掛けられる環状溝20aの幅方向の下部を形成する第1部材21と、環状溝20aの幅方向の上部を形成する第2部材22との2部材から構成され、第2部材22が第1部材21の外周側上面に取り付けられている。また、プーリ20は、軸線が上下方向に沿うように設けられた支持軸23により軸受24を介して水平回転自在に支持されている。
【0029】
前記第1部材21は、その外周側上部に環状の凹部21aを備え、第2部材22は、その外周側下部に環状の凹部22aを備えており、これらの凹部21a,22aによって前記環状溝20aが形成される。そして、この環状溝20aは、搬送ベルト30とこの搬送ベルト30上の搬送対象物Wとが上下に配置されるように構成されている。
【0030】
環状溝20aの溝底部下側の隅部に対応した凹部21aの隅部は、搬送ベルト30の半径R1より大きい半径R2の凹曲面に形成されており(図6参照)、一定張力が掛けられた搬送ベルト30の外周面がこの凹曲面に当接すると、この搬送ベルト30がこの凹曲面に沿って上側にずれるようになっている。一方、環状溝20aの溝底部上側の隅部に対応した凹部22aの隅部は、直角若しくは小さい半径の凹曲面に形成される。
【0031】
前記第1部材21と第2部材22の上下方向における間隔は調整機構25によって調整可能となっており、この調整機構25は、第1部材21に第2部材22側からねじ込まれる複数の第1ボルト26と、第2部材22にねじ込まれて先端が第1部材21の上面に当接した複数の第2ボルト27及び複数のナット28とから構成される。
【0032】
前記第2部材22には、その上面に開口し、各第1ボルト26の頭部が収容される複数の凹部22bと、この凹部22bの底面から下面に貫通する複数の貫通孔22cとが形成され、前記第1部材21の上面には複数のねじ穴21bが開口しており、これらのねじ穴21bに各第1ボルト26がそれぞれ螺合している。
【0033】
また、前記第2部材22には、上下に貫通した複数のねじ穴22dが形成され、これらのねじ穴22dに各第2ボルト27の中間部がそれぞれ螺合しており、各第2ボルト27の下端が第1部材21の上面に当接し、各第2ボルト27の上部には、第1部材21の上面に当接するようにナット28が螺合している。
【0034】
尚、前記第1ボルト26,第2ボルト27,ナット28,ねじ穴21b,凹部22b,貫通孔22c及びねじ穴22dは、第1部材21及び第2部材22の円周方向に等間隔で設けられている。
【0035】
そして、このような調整機構25では、各第2ボルト27の下端の突出量を調整して各第1ボルト26により第2部材22を第1部材21に固定することで、第1部材21と第2部材22の上下方向における間隔が変更され、このようにして間隔が変更されることで前記環状溝20aの溝幅が調整される。
【0036】
前記駆動モータ31は、図示しない支持部材によって支持されており、図2に示すように、プーリ11を矢示方向に回転させて搬送ベルト30を矢示方向に走行させる。
【0037】
前記案内機構は、搬送ベルト30上の搬送対象物Wを案内するもので、前記供給位置とプーリ20の近傍位置との間で搬送対象物Wを案内する第1案内部41と、プーリ20部分で搬送対象物Wを案内する第2案内部45と、プーリ20の近傍位置と前記排出位置との間で搬送対象物Wを案内する第3案内部50とを備える。
【0038】
前記第1案内部41は、前記供給位置と第2案内部45とを接続するもので、図3及び図7に示すように、搬送ベルト30の両側に水平方向に間隔を隔てて配設された案内板42,43から構成され、前記第2案内部45は、図3乃至図5、図8及び図9に示すように、プーリ20部分に供給される搬送対象物Wを案内する案内部材46と、プーリ20部分で搬送される搬送対象物Wを案内する案内部材47と、プーリ20部分から排出された搬送対象物Wを案内する案内部材48とから構成される。
【0039】
前記案内部材46は、プーリ20と第1案内部41との間に設けられており、上面に開口して底部側に搬送ベルト30が設けられる案内溝46aを備えている。前記案内部材47は、案内部材46と案内部材48との間に設けられており、プーリ20の外周面から一定間隔を隔てて搬送ベルト30の外側に形成された案内面47aと、上面に設けられたカバー47bとを備えている。前記案内部材48は、プーリ20と第3案内部50との間に設けられており、上面に開口して底部側に搬送ベルト30が設けられる案内溝48aと、上面に設けられたカバー48bとを備えている。
【0040】
前記第3案内部50は、図10乃至図13に示すように、第2案内部45と前記排出位置とを接続するように設けられた案内部材から構成されており、上面に開口して底部側に搬送ベルト30が設けられる案内溝50aと、上面に設けられたカバー50bとを備えている。この案内溝50aは、プーリ14側に近づくに連れて、搬送ベルト30の軸線を中心にして徐々に傾斜するように螺旋状に形成され、最終的に鉛直面からの傾斜角度がδとなっている。尚、前記プーリ14の傾斜角度θは、必ずしもこの傾斜角度δに対応していなくても良い。
【0041】
そして、このような案内機構40では、供給位置で搬送ベルト30上に供給された搬送対象物Wが、案内板42,43及び案内部材46,47,48,50により案内されて排出位置まで搬送される。このとき、搬送対象物Wは、カバー47b,48b,50bによって浮き上がりが防止される。また、搬送対象物Wは、案内部材50に至るまで、横断面形状の長手方向が水平で搬送されるが、案内部材50を通過する際に、横断面形状の長手方向が水平から徐々に傾斜するように螺旋状の案内溝50aによって案内され、傾斜した姿勢で排出位置から次工程に排出される。尚、搬送対象物Wの姿勢を変更しているのは、例えば、次工程における加工上の理由からである。
【0042】
前記案内部材48のプーリ20側の側面には、図3及び図5に示すように、先端部35aが環状溝20a内に入り込むように形成された規制部材35が配設されており、この規制部材35は、搬送ベルト30上の搬送対象物Wが前記先端部35aに当接してプーリ20の回転方向に移動するのを規制し、この搬送対象物Wを搬送ベルト30の走行方向に移動させるように構成される。
【0043】
以上のように構成された本例のベルト搬送装置1によれば、駆動モータ31によりプーリ11が駆動されて搬送ベルト30が走行せしめられると、前工程から排出され供給位置で搬送ベルト30上に供給された搬送対象物Wが、案内板42,43及び案内部材46,47,48,50により案内されつつ排出位置に搬送されるとともに、排出位置まで搬送された搬送対象物Wはこの排出位置で次工程に排出される。
【0044】
搬送対象物Wは、搬送途中でプーリ20を通過し、その際に搬送方向が水平面内で変更されるが、搬送ベルト30と搬送ベルト30上の搬送対象物Wとが上下に配置されるようにプーリ20の環状溝20aが形成され、更に、環状溝20aの溝底部下側の隅部が搬送ベルト30の半径R1より大きい半径R2の凹曲面に形成されて、一定張力の掛けられた搬送ベルト30がこの凹曲面に沿って上側にずれるようになっているので、搬送ベルト30上の搬送対象物Wは、環状溝20aの溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材47の案内面47aにより案内されつつ、且つ搬送ベルト30と環状溝20aの幅方向上側の溝側壁とにより挟持されつつ搬送される。
【0045】
また、搬送対象物Wがプーリ20から排出される部分では、搬送ベルト30と環状溝20aの幅方向上側の溝側壁とにより挟持された搬送対象物Wが規制部材35の先端部35aに当接してプーリ20とともにその回転方向に移動するのが防止され、搬送ベルト30の走行方向に沿って搬送される。
【0046】
また、更に、搬送対象物Wは、案内部材50の通過時に、横断面形状の長手方向が水平から徐々に傾斜するように螺旋状の案内溝50aによって案内され、傾斜した姿勢で次工程に供給される。
【0047】
斯くして、本例のベルト搬送装置1によれば、搬送途中で搬送対象物Wの搬送方向と姿勢を変更して搬送することができる。また、搬送対象物Wが供給位置で搬送ベルト30上に供給されてから排出位置で排出されるまで搬送ベルト30上に載置されているので、搬送対象物Wを確実に搬送することができる。
【0048】
また、プーリ20部分では、搬送ベルト30上の搬送対象物Wを、環状溝20aの溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材47の案内面47aにより案内しつつ搬送しているので、搬送方向を確実に変更して搬送することができる。また、搬送ベルト30が溝底部下側の隅部の凹曲面に沿って上側にずれるようになっているので、搬送ベルト30上の搬送対象物Wをこの搬送ベルト30と環状溝20aの幅方向上側の溝側壁とにより挟んで保持することができ、プーリ20部分における搬送対象物Wの搬送をより確実なものとすることができる。そして、搬送方向を確実に変えて搬送することができれば、次工程に搬送対象物Wを供給することができない、プーリ20部分で搬送対象物Wが詰まるなどといった搬送トラブルが生じるのを防止することができる。
【0049】
また、規制部材35により、搬送ベルト30上の搬送対象物Wがプーリ20の回転方向に移動するのを規制しているので、搬送ベルト30上の搬送対象物Wがこの搬送ベルト30と環状溝20aの幅方向上側の溝側壁とにより挟持されている場合であっても、搬送対象物Wがプーリ20の回転方向に移動するのを防止して搬送ベルト30の走行方向に搬送することができる。
【0050】
また、調整機構25により環状溝20aの溝幅を調整することができるので、横断面形状の大きさが異なる各種の搬送対象物Wを搬送することができる。また、上記のように、搬送ベルト30が環状溝20aの隅部の凹曲面に沿って上側にずれる場合、例えば、搬送対象物Wの横断面形状の大きさが小さくなると、搬送ベルト30がその分だけ上側に移動して搬送対象物Wの搬送高さが変化するが、調整機構25により溝幅を調整することで搬送対象物Wの横断面形状の大きさに関係なく搬送高さを一定にすることもできる。
【0051】
また、本例では、プーリ14を所定角度θだけ傾斜させているので、螺旋状の案内溝50aにより傾斜せしめられた搬送対象物Wとプーリ14の外周面とが干渉するといった不都合が生じるのを防止することができる。即ち、例えば、図14に示すように、プーリ14を傾斜させずに軸線が水平となるように配置した場合、搬送対象物Wの傾斜角度によっては、傾斜した搬送対象物Wとプーリ14の外周面とが干渉するが、案内溝50aによって傾斜した搬送対象物Wの横断面形状の長手方向と、プーリ14の軸線とがほぼ平行となるようにプーリ14を傾斜させれば、上述のような干渉が生じるのを防止することが可能となる。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0053】
例えば、上例では、搬送ベルト30を丸ベルトから構成したが、これに限られるものではなく、例えば、図15や図16に示すように、横断面形状が四角形や六角形など、線対称且つ偶数角の多角形のベルトから構成しても良い。この場合、環状溝20aの溝底部下側の隅部(凹曲面)の半径は、搬送ベルト30の角部の半径よりも大きくしたり、横断面形状(多角形)の外接円の半径よりも大きくするなどして、一定張力が掛けられた搬送ベルト30の外周面が当接したときにこの搬送ベルト30がこの凹曲面に沿って上側にずれるようになっていることが好ましい。尚、搬送ベルト30の横断面形状を多角形とした場合においても、搬送対象物Wの横断面形状の長手方向を水平から傾斜させるには、搬送ベルト30自身も傾斜させなければならないため、適宜案内プーリなどを設ける必要がある。
【0054】
また、環状溝20aの溝底部下側の隅部に対応した凹部21aの隅部は、図17に示すように傾斜面とすることもできる。また、上例では、搬送対象物Wの搬送方向と姿勢の両方を変更して搬送するようにしたが、姿勢は変えずに搬送方向のみを変えるようにしても良い。
【0055】
また、搬送対象物Wの形状は、特に限定されず、棒状のものの他、例えば、立方体状のもの、横断面形状が円形のものなどであっても良い。横断面形状が円形の搬送対象物Wを搬送する場合には、搬送対象物Wの姿勢を変更する搬送経路を省略することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 ベルト搬送装置
10 プーリ
20 方向変更プーリ
20a 環状溝
21 第1部材
22 第2部材
25 調整機構
30 搬送ベルト
31 駆動モータ
35 規制部材
41 第1案内部
45 第2案内部
50 第3案内部
W 搬送対象物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に形成された搬送ベルトと、前記搬送ベルトが巻き掛けられる環状溝を外周面に有し、軸線中心に回転自在に設けられる複数のプーリと、前記搬送ベルトによって搬送される搬送対象物を案内する案内手段と、前記搬送ベルトを走行させる駆動手段とを備え、前記搬送ベルト上に供給位置で供給された搬送対象物を排出位置に向けて前記案内手段により案内しつつ搬送するベルト搬送装置であって、
前記搬送ベルトは、横断面形状が円形、又は線対称且つ偶数角の多角形に形成され、
前記プーリの少なくとも1つは、その環状溝に、前記搬送ベルトの、前記供給位置と排出位置との間における部分が巻き掛けられるとともに、水平回転して前記搬送対象物の搬送方向を水平面内で変える方向変更プーリとして機能するように構成され、
前記案内手段は、前記方向変更プーリの外周面から間隔を隔てて配置される案内部材を備え、
前記方向変更プーリの環状溝は、前記搬送ベルトとこの搬送ベルト上の搬送対象物とが上下に配置されるように形成されて、前記搬送ベルト上の搬送対象物が前記環状溝の溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材により案内されるように構成されてなることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項2】
前記方向変更プーリの環状溝は、その溝底部下側の隅部が凹曲面又は傾斜面に形成され、
前記凹曲面又は傾斜面は、一定張力が掛けられた前記搬送ベルトの外周面がこの凹曲面又は傾斜面に当接すると、この搬送ベルトが前記凹曲面又は傾斜面に沿って上側にずれるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載のベルト搬送装置。
【請求項3】
前記方向変更プーリの環状溝内に先端部が入り込むようにこの方向変更プーリの近傍に配設された規制部材を備え、
前記規制部材は、前記搬送ベルト上の搬送対象物が前記先端部に当接してこの方向変更プーリの回転方向に移動するのを規制し、この搬送対象物を前記搬送ベルトの走行方向に移動させるように構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のベルト搬送装置。
【請求項4】
前記方向変更プーリの環状溝の溝幅を調整する調整手段を更に備え、
前記方向変更プーリは、前記環状溝の幅方向の下部を形成する第1部材と、前記環状溝の幅方向の上部を形成する第2部材との2部材から構成され、
前記調整手段は、前記第1部材及び第2部材の上下方向における間隔を変えて前記環状溝の溝幅を調整するように構成されてなることを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれかのベルト搬送装置。
【請求項1】
無端状に形成された搬送ベルトと、前記搬送ベルトが巻き掛けられる環状溝を外周面に有し、軸線中心に回転自在に設けられる複数のプーリと、前記搬送ベルトによって搬送される搬送対象物を案内する案内手段と、前記搬送ベルトを走行させる駆動手段とを備え、前記搬送ベルト上に供給位置で供給された搬送対象物を排出位置に向けて前記案内手段により案内しつつ搬送するベルト搬送装置であって、
前記搬送ベルトは、横断面形状が円形、又は線対称且つ偶数角の多角形に形成され、
前記プーリの少なくとも1つは、その環状溝に、前記搬送ベルトの、前記供給位置と排出位置との間における部分が巻き掛けられるとともに、水平回転して前記搬送対象物の搬送方向を水平面内で変える方向変更プーリとして機能するように構成され、
前記案内手段は、前記方向変更プーリの外周面から間隔を隔てて配置される案内部材を備え、
前記方向変更プーリの環状溝は、前記搬送ベルトとこの搬送ベルト上の搬送対象物とが上下に配置されるように形成されて、前記搬送ベルト上の搬送対象物が前記環状溝の溝底面,幅方向上側の溝側壁及び案内部材により案内されるように構成されてなることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項2】
前記方向変更プーリの環状溝は、その溝底部下側の隅部が凹曲面又は傾斜面に形成され、
前記凹曲面又は傾斜面は、一定張力が掛けられた前記搬送ベルトの外周面がこの凹曲面又は傾斜面に当接すると、この搬送ベルトが前記凹曲面又は傾斜面に沿って上側にずれるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載のベルト搬送装置。
【請求項3】
前記方向変更プーリの環状溝内に先端部が入り込むようにこの方向変更プーリの近傍に配設された規制部材を備え、
前記規制部材は、前記搬送ベルト上の搬送対象物が前記先端部に当接してこの方向変更プーリの回転方向に移動するのを規制し、この搬送対象物を前記搬送ベルトの走行方向に移動させるように構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のベルト搬送装置。
【請求項4】
前記方向変更プーリの環状溝の溝幅を調整する調整手段を更に備え、
前記方向変更プーリは、前記環状溝の幅方向の下部を形成する第1部材と、前記環状溝の幅方向の上部を形成する第2部材との2部材から構成され、
前記調整手段は、前記第1部材及び第2部材の上下方向における間隔を変えて前記環状溝の溝幅を調整するように構成されてなることを特徴とする請求項1乃至3記載のいずれかのベルト搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−11898(P2011−11898A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159500(P2009−159500)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000167222)光洋機械工業株式会社 (85)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000167222)光洋機械工業株式会社 (85)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]