説明

ベルト駆動機構及びこれを備える画像形成装置

【課題】回転機構センサを用いずに、振動が発生しにくく、構造が簡単で、プーリの回転速度やエンドレスベルトの循環状の走行速度などの速度制御ができるベルト駆動機構及びこれを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】プリンタ(画像形成装置)1のベルト駆動機構200は、駆動プーリ210及び従動プーリ220に掛け渡される金属性のエンドレスベルト230を所定の速度で循環状に走行させるように、駆動プーリ210を回転させるモータ(回転駆動部)211と、エンドレスベルト230の外表面231に形成されたマーキング部260と、マーキング部260を検出するマーキング部検出部270と、マーキング部検出部270により検出されるマーキング部260の検出情報に基づいて、駆動プーリ210の入力軸214の回転速度を変化させるようにモータ(回転駆動部)211を制御する駆動制御部282と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プーリを回転駆動するベルト駆動機構及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタやコピー機などの画像形成装置において、像担持体としての感光体ドラムを有するタイプが存在する。感光体ドラムは、感光体ドラム本体と、感光体ドラム本体の回転中心において感光体ドラム本体を貫通するように配置される軸部材とを備える。
感光体ドラムは、回転駆動部の出力軸から出力される回転駆動力が歯車機構を介して軸部材に直接的又は間接的に伝達されることにより回転駆動される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、歯車機構は、複数の歯車の噛み合いにより回転駆動力を伝達しているので、噛み合いによる振動が発生してしまう。
そこで、回転伝達機構として、歯車を用いないベルト駆動機構を採用することが考えられる。
しかし、ベルト駆動機構は、2つのプーリにエンドレスベルトをかけて駆動を伝達する構造を有する。このため、ベルト駆動機構は、プーリの振れの影響を受けやすい。その結果、ベルト駆動機構は、プーリをプーリの固有回転数で回転させることによる振動(共振)を発生してしまうことがある。
そこで、ベルト駆動機構は、エンコーダなどを用いて、プーリの回転速度やエンドレスベルトの循環状の走行速度などの速度制御をする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−102005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エンコーダなどを用いた場合、ベルト駆動機構は、プーリの回転軸などにエンコーダなどの回転機構を有するセンサを連結させなければならない。また、プーリの回転軸とエンコーダの入力軸とは、振動の発生を抑えるために、互いに一致するように(偏心連結とならないように)、連結させる必要があり、構造が複雑になる。
【0006】
本発明は、振動が発生しにくい、回転機構センサを用いずに、構造が簡単で、プーリの回転速度やエンドレスベルトの循環状の走行速度などの速度制御ができるベルト駆動機構及びこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、入力軸を有する駆動プーリと、出力軸を有する従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに掛け渡される金属性のエンドレスベルトと、前記駆動プーリの入力軸及び前記従動プーリの出力軸を軸受けして保持する保持部材と、前記エンドレスベルトを所定の速度で循環状に走行させるように、前記駆動プーリの入力軸を回転させる回転駆動部と、前記エンドレスベルトの外表面に形成されたマーキング部と、前記マーキング部を検出するマーキング部検出部と、前記マーキング部検出部により検出される前記マーキング部の検出情報に基づいて、前記駆動プーリの入力軸の回転速度を変化させるように前記回転駆動部を制御する駆動制御部と、を備える、ベルト駆動機構に関する。
【0008】
また、前記駆動制御部は、前記駆動プーリの入力軸の回転速度が所定の範囲内になるように前記回転駆動部を制御することが好ましい。
【0009】
また、前記マーキング部検出部は、前記マーキング部が前記エンドレスベルトと前記マーキング部検出部との間を通過する毎に、所定の速度で通過する前記マーキング部を検出し、検出したタイミングを前記マーキング部の検出情報として出力し、当該ベルト駆動機構は、前記エンドレスベルトの長さ情報を記憶する全長記憶部と、前記検出情報を受信した第1タイミングと前記第1タイミングの直前に受信した通過検知信号の第2タイミングと前記全長記憶部に記憶されているエンドレスベルトの長さ情報とに基づいて前記エンドレスベルトの前記外表面の移動速度を求める速度算出部と、を備え、前記駆動制御部は、前記速度算出部が求めた前記移動速度に基づいて、前記駆動プーリの入力軸の回転速度が所定の範囲内になるように前記回転駆動部を制御することが好ましい。
【0010】
また、前記マーキング部検出部は、前記エンドレスベルトにおいて、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間の前記外表面側に間隔をおいて配置されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記従動プーリの出力軸の一端側に直接的又は間接的に接続され、表面に静電潜像が形成される1又は複数の像担持体と、前記1又は複数の像担持体を回転させる上述のいずれかに記載のベルト駆動機構と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回転機構センサを用いずに、振動が発生しにくく、構造が簡単で、プーリの回転速度やエンドレスベルトの循環状の走行速度などの速度制御ができるベルト駆動機構及びこれを備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態における画像形成装置としてのプリンタ1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】図1に示すプリンタ1のベルト駆動機構200の各構成要素を示す斜視図である。
【図3】図2に示すベルト駆動機構200の各構成要素を示す別の方向から見た斜視図である。
【図4】図2に示すベルト駆動機構200の各構成要素を示すさらに別の方向から見た斜視図である。
【図5】図2に示すベルト駆動機構200の外観を示す斜視図である。
【図6】図1に示すプリンタ1における制御系の構成を説明するブロック図である。
【図7】図1に示すプリンタ1における制御系の動作を説明するフローチャートである。
【図8】図7に続くプリンタ1における制御系の動作を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1により、本実施形態における画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、プリンタ1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【0015】
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0016】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2と、帯電部10と、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4と、現像器16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給部6と、ドラムクリーニング部11と、除電器12と、転写ローラ8と、定着部9とを備える。
【0017】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。
【0018】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザスキャナユニット4による露光、現像器16による現像、転写ローラ8による転写、除電器12による除電、及びドラムクリーニング部11によるクリーニングが行われる。
【0019】
感光体ドラム2は、円筒形状の感光体ドラム本体150と、ドラム貫通軸部材120と、を有する。ドラム貫通軸部材120は、感光体ドラム本体150の回転中心において感光体ドラム本体150を貫通するように配置される。
ドラム貫通軸部材120は、後述のベルト駆動機構200(図2参照)における従動軸部材の一端側部位である。ドラム貫通軸部材120は、不図示の連結機構を介して、感光体ドラム本体150に固定される。
感光体ドラム本体150の表面(感光体ドラム2の表面)には、静電潜像を形成することができ、感光体又は像担持体として機能する。
【0020】
感光体ドラム本体150は、後述のベルト駆動機構200における従動軸部材の回転に伴い、従動軸部材と一体に回転する。即ち、感光体ドラム2は、後述のベルト駆動機構200により回転駆動される。感光体ドラム2を回転駆動するベルト駆動機構200の詳細については、後述する。
【0021】
帯電部10は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。帯電部10は、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0022】
レーザスキャナユニット4は、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2の表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4は、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータなどを有して構成される。
【0023】
レーザスキャナユニット4は、PC(パーソナルコンピュータ)などの外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4により走査露光されることで、感光体ドラム2の表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。
【0024】
現像器16は、感光体ドラム2に対応して設けられ、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。現像器16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナーを付着させて、単色のトナー画像を感光体ドラム2の表面に形成する。現像器16は、感光体ドラム2の表面に対向配置された現像ローラ17、トナー攪拌用の攪拌ローラ18などを有して構成される。
【0025】
トナーカートリッジ5は、現像器16に対応して設けられており、現像器16に対して供給されるトナーを収容する。
【0026】
トナー供給部6は、トナーカートリッジ5及び現像器16に対応して設けられており、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを現像器16に対して供給する。トナー供給部6と現像器16とは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0027】
転写ローラ8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる。転写ローラ8には、不図示の転写バイアス印加部により、感光体ドラム2に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。転写ローラ8は、感光体ドラム2に対して当接した状態で回転可能に構成される。
【0028】
感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、搬送路Lを搬送される用紙Tが挟み込まれる。挟み込まれた用紙Tは、感光体ドラム2の表面に押し当てられる。感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、転写ニップNが形成される。転写ニップNにおいて、感光体ドラム2に現像されたトナー画像が用紙Tに転写される。
【0029】
除電器12は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。除電器12は、感光体ドラム2の表面に光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム2の表面を除電する(電荷を除去する)。
【0030】
ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナーなどを所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0031】
定着部9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟み込まれた状態で用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧され、用紙Tに定着される。
【0032】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの右側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63とからなる重送防止機構を備える。
【0033】
装置本体Mの右側(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの前面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0034】
装置本体Mにおける上方側には、排紙部50が設けられる。排紙部50は、第3ローラ対53により用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50の詳細については後述する。
【0035】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から転写ニップNまでの第1搬送路L1と、転写ニップNから定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbとを備える。
【0036】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラ対54a及び第2ローラ対54bを有する。第1ローラ対54aの一方のローラと第2ローラ対54bの一方のローラとは兼用される。
【0037】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0038】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラ対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2ローラ対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、転写ニップNにおいて未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0039】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの右側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。排紙部50は、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを第3ローラ対53により装置本体Mの外部に排紙する。
【0040】
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0041】
次に、図1を参照して、本発明の実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対63によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介してレジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、トナー画像とのタイミング調整が行われる。
【0042】
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して感光体ドラム2と転写ローラ8との間(転写ニップN)に導入される。そして、用紙Tには、感光体ドラム2と転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、感光体ドラム2と転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0043】
次いで、用紙Tは、第1ローラ対54aにより第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、第3ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0044】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0045】
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0046】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが第3ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが第3ローラ対53により保持されている状態において、第3ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように第3ローラ対53を逆方向に回転させると、第3ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0047】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、(第1ローラ対54aではなく、)第2ローラ対54bに導入される。そして、用紙Tは、戻し搬送路Lb及び第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0048】
さらに、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、感光体ドラム2と転写ローラ8との間に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が感光体ドラム2に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0049】
次に、感光体ドラム2を回転駆動するベルト駆動機構200について説明する。
図2は、図1に示すプリンタ1のベルト駆動機構200の各構成要素を示す斜視図である。図3は、図2に示すベルト駆動機構200の各構成要素を示す別の方向から見た斜視図である。図4は、図2に示すベルト駆動機構200の各構成要素を示すさらに別の方向から見た斜視図である。図5は、図2に示すベルト駆動機構200の外観を示す斜視図である。
【0050】
図2から図5に示すように、ベルト駆動機構200は、駆動プーリ210と、従動プーリ220と、エンドレスベルト230と、保持部材240と、回転駆動部としてのモータ211と、マーキング部260と、マーキング部検出部270と、を備える。
【0051】
駆動プーリ210は、回転駆動力を出力する回転駆動部としてのモータ211の出力軸212を有する。モータ211が収容されているモータケース215から突出した出力軸212の長さ方向の中間部の外周面が、駆動プーリ210として利用される。また、出力軸212は、駆動プーリ210の入力軸214として利用される。
【0052】
従動プーリ220は、出力軸222を有する。従動プーリ220の出力軸222は、ドラム貫通軸部材120に連結されている。
従動プーリ220においては、駆動プーリ210からエンドレスベルト230を介して伝達される回転駆動力を減速してドラム貫通軸部材120に伝達するように、エンドレスベルト230を巻き掛けるプーリ径は、駆動プーリ210よりも大径に設定されている。従動プーリ220は、エンドレスベルト230が巻き掛けられる外周面として、クラウニング形状の周面221を有している。
【0053】
エンドレスベルト230は、駆動プーリ210及び従動プーリ220に掛け渡されている。エンドレスベルト230は、金属材料で形成されていることが好ましい。例えば、エンドレスベルト230は、マルテンサイト系やオーステナイト系で形成されていることが好ましい。マルテンサイト系の材料で形成したエンドレスベルトは、強い強度を有する。また、オーステナイト系の材料で形成したエンドレスベルトは、高い靭性(ねばさ)を有する。エンドレスベルト230に作用する曲げ応力に耐えられるように、エンドレスベルト230の厚みは30μm以下にすることが好ましい。
【0054】
保持部材240は、保持基盤241と、保持基盤242と、カバー部243とを備える。保持基盤241と保持基盤242とは、不図示の連結部材によって固定されている。保持基盤241及び保持基盤242は、それぞれ、駆動プーリ210の入力軸214及び従動プーリ220の出力軸222を軸受けして保持する。つまり、従動プーリ220の出力軸222は、不図示のベアリングによって保持部材240に回転可能に位置決めされている。したがって、駆動プーリ210の入力軸214と従動プーリ220の出力軸222との間の軸間距離は、精度よく維持されている。
【0055】
カバー部243は、駆動プーリ210、従動プーリ220及びエンドレスベルト230を収容する。駆動プーリ210及び従動プーリ220それぞれは、回転可能に保持部材240に支持されている。保持部材240には、エンドレスベルト230と駆動プーリ210及び従動プーリ220との間に摩擦による駆動伝達がされるように、エンドレスベルト230に所定の張力を付与する不図示のテンション付与機構が設けられている。
【0056】
モータ211は、後述するモータ制御信号に基づいて、エンドレスベルト230を所定の速度で循環状に走行させるように、駆動プーリ210の入力軸を回転させる回転駆動部である。モータ211の出力軸212にはベアリング213が取り付けられている。ベアリング213は、保持部材240に取り付けられている。したがって、モータ211の出力軸212(駆動プーリ210の入力軸214)はベアリング213によって保持部材240に回転可能に位置決めされている。
したがって、モータ211の作動により出力軸212が回転すると、出力軸212に連結している駆動プーリ210の入力軸214を介して、駆動プーリ210が回転する。駆動プーリ210が回転すると、駆動プーリ210の外周面に接触しているエンドレスベルト230が循環状に走行する。エンドレスベルト230が循環状に走行すると、エンドレスベルト230が巻き掛けられている従動プーリ220が回転し、従動プーリ220の出力軸222が回転する。
【0057】
マーキング部260は、エンドレスベルト230の外表面231に形成されている。マーキング部260は、後述するマーキング部検出部270において、エンドレスベルト230の外表面231に対して識別可能な色や形状を有する。マーキング部260は、例えば、エンドレスベルト230の幅方向にまっすぐに延びる直線であることが好ましい。マーキング部260の色は、後述するマーキング部検出部270がマーキング部260を検出しやすい色(例えば、黒色)であることが好ましい。
【0058】
マーキング部検出部270は、マーキング部260を検出するセンサーである。マーキング部検出部270は、マーキング部260がエンドレスベルト230とマーキング部検出部270との間を通過する毎に、所定の速度で通過するマーキング部260を検出し、検出したタイミングをマーキング部260の検出情報を通過検知信号として後述する速度算出部284に出力するように構成されている。マーキング部検出部270は、エンドレスベルト230において、駆動プーリ210と従動プーリ220との間の外表面231側に間隔をおいて配置されている。つまり、マーキング部検出部270は、エンドレスベルト230における直線的に走行している部分に対向して配置している。したがって、マーキング部260は、エンドレスベルト230が循環状に走行すると、エンドレスベルト230とマーキング部検出部270との間を通過する。
【0059】
マーキング部検出部270は、非接触式のセンサが好ましく、特に、走行しているマーキング部260の存在を検知しやすい光センサやレーザーセンサであることが好ましい。
【0060】
次いで、図6により、ベルト駆動機構200を中心にプリンタ1における制御系の構成について説明する。図6は、プリンタ1における制御系の構成を説明するブロック図である。
図6に示すように、プリンタ1は、制御系の構成として、CPU280と、メモリ290とを有する。CPU280は、機能部としての、駆動制御部282と、速度算出部284と、計時部286と、検知時間取得部287と、直前検知時間取得部288と、全長取得部289と、を有する。メモリ290は、機能部としての、全長記憶部292と、直前検知時間記憶部294と、を有する。
【0061】
まず、メモリ290について説明する。
全長記憶部292は、エンドレスベルト230の長さに関する情報を記憶している。エンドレスベルト230の長さに関する情報とは、例えば、エンドレスベルト230の長さ寸法である。
直前検知時間記憶部294は、第1タイミングの直前に受信した通過検知信号の第2タイミングの時刻情報を記憶している。
【0062】
次に、CPU280について説明する。
計時部286は、時刻の計時を行うと共に計時した時刻を示す時刻情報を出力する。
検知時間取得部287は、後述する速度算出部284の取得命令に従って、計時部286から出力される時刻情報を速度算出部284に出力する。
直前検知時間取得部288は、後述する速度算出部284の取得命令に従って、全長記憶部292に記憶されているエンドレスベルト230の長さ情報を速度算出部284に出力する。
【0063】
駆動制御部282は、マーキング部検出部270により検出されるマーキング部260の検出情報に基づいて駆動プーリ210の入力軸214の回転速度を変化させるように、モータ211の回転駆動力の出力を制御する。詳しくは、駆動制御部282は、駆動プーリ210の入力軸214の回転速度が所定の範囲内になるように、モータ211の回転駆動力の出力を制御する。
具体的には、駆動制御部282は、後述する移動速度情報(速度算出部284が求めたエンドレスベルト230の循環状の走行速度(移動速度))に基づいて、駆動プーリ210の入力軸214の回転速度が所定の範囲内になるようにモータ211を制御するモータ制御信号を出力する。
【0064】
速度算出部284は、マーキング部260の検出情報を受信すると、以下の処理を行う。
速度算出部284は、検知時間取得部287に、計時部286から出力されている時刻情報を第1タイミングして取得させ、取得させた第1タイミングの時刻情報を得る。
速度算出部284は、第1タイミングの直前に受信した通過検知信号の第2タイミングの時刻情報を直前検知時間記憶部294から取得させ、速度算出部284は、取得させた第2タイミングの時刻情報を得る。
速度算出部284は、全長取得部289に、全長記憶部292に記憶されているエンドレスベルト230の長さ情報を取得させ、取得させた長さ情報を得る。
速度算出部284は、第1タイミングの時刻情報と、第2タイミングの時刻情報と、長さ情報と、に基づいて、エンドレスベルト230の外表面231の移動速度を求め、求めた移動速度を移動速度情報として出力する。詳しくは、まず、速度算出部284は、第1タイミングの時刻情報と第2タイミングの時刻情報との差を求め、エンドレスベルト230が循環状に1週走行する時間を求める。次に、速度算出部284は、長さ情報を1週走行する時間で割ってエンドレスベルト230が循環状に1週走行する間の平均移動速度を求める。求めた平均移動速度を移動速度情報として出力する。
【0065】
次に、感光体ドラム2を回転駆動するベルト駆動機構200の動作について説明する。
図7は、図1に示すプリンタ1における制御系の動作を説明するフロー図である。図8は、図7に続くプリンタ1における制御系の動作を説明するフロー図である。
【0066】
図7に示すように、まず、ステップST101において、ユーザーによ印刷開始意の操作が行われると、CPU280は、画像形成部GKの制御部(不図示)から出力された印刷開始信号を受信する。
【0067】
続けて、ステップST102において、駆動制御部282は、モータ211の駆動を開始させる。
【0068】
続けて、ステップST103において、マーキング部検出部270は、マーキング部260がエンドレスベルト230とマーキング部検出部270との間を通過する毎に、所定の速度で通過するマーキング部260を検出し、検出したタイミングをマーキング部260の検出情報として出力する。
【0069】
続けて、ステップST104において、速度算出部284は、マーキング部260の検出情報を受信すると、検知時間取得部287に、計時部286から出力されている時刻情報を第1タイミングして取得させ、取得させた第1タイミングの時刻情報を得る。
【0070】
続けて、ステップST105において、速度算出部284は、検知時間取得部287に第1タイミングの直前に受信した通過検知信号の第2タイミングの時刻情報を直前検知時間記憶部294が記憶しているか否かを判断させる。速度算出部284が、第2タイミングの時刻情報を直前検知時間記憶部294が記憶していると判断(YES)した場合、処理は、ステップST106に進む。速度算出部284が、第2タイミングの時刻情報を直前検知時間記憶部294が記憶していないと判断(マーキング部260がエンドレスベルト230とマーキング部検出部270との間をはじめて通過した場合。NO)した場合、処理は、ステップST109に進む。
【0071】
続けて、ステップST106において、速度算出部284は、第1タイミングの直前に受信した通過検知信号の第2タイミングの時刻情報を直前検知時間記憶部294から取得させ、取得させた第2タイミングの時刻情報を得る。
【0072】
続けて、ステップST107において、速度算出部284は、全長取得部289に、全長記憶部292に記憶されているエンドレスベルト230の長さ情報を取得させ、取得させた長さ情報を得る。
【0073】
続けて、ステップST108において、速度算出部284は、第1タイミングの時刻情報と、第2タイミングの時刻情報と、長さ情報と、に基づいて、エンドレスベルト230の外表面231の移動速度を求め、求めた移動速度を移動速度情報として出力する。
【0074】
続けて、ステップST109において、速度算出部284は、第1タイミングの時刻情報を第2タイミングの時刻情報として直前検知時間記憶部294に記憶させる。
【0075】
続けて、図8に示すように、ステップST110において、駆動制御部282は、エンドレスベルト230の循環状の走行速度が速度算出部284が求めた移動速度情報に基づいた速度になるように、モータ211の駆動の制御を行う。
【0076】
続けて、ステップST111において、CPU280は、画像形成部GKの制御部(不図示)から出力された印刷終了信号を受信したか否かを判断する。CPU280が、印刷終了信号を受信した場合(YES)、処理は、ステップST112に進む。CPU280が、印刷終了信号を受信していない場合(NO)、処理は、ステップST103に進む。
【0077】
続けて、ステップST112において、駆動制御部282は、モータ211の駆動を停止させて、処理は終了する。
【0078】
本実施形態のプリンタ1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
ベルト駆動機構200においては、入力軸214を有する駆動プーリ210と、出力軸222を有する従動プーリ220と、駆動プーリ210及び従動プーリ220に掛け渡される金属性のエンドレスベルト230と、駆動プーリ210の入力軸214及び従動プーリ220の出力軸222を軸受けして保持する保持部材240と、エンドレスベルト230を所定の速度で循環状に走行させるように、駆動プーリ210の入力軸214を回転させるモータ(回転駆動部)211と、エンドレスベルト230の外表面231に形成されたマーキング部260と、マーキング部260を検出するマーキング部検出部270と、マーキング部検出部270により検出されるマーキング部260の検出情報に基づいて、駆動プーリ210の入力軸214の回転速度を変化させるようにモータ(回転駆動部)211を制御する駆動制御部282と、を備える。
そのため、駆動制御部282は、マーキング部検出部270により検出されるマーキング部260の検出情報に基づいて、駆動プーリ210の入力軸214の回転速度を変化させるようモータ211を制御するので、エンドレスベルト230の循環状の走行速度や駆動プーリ210や従動プーリ220の回転速度を一定に保つことができる。よって、エンドレスベルト230の循環状の走行による振動や駆動プーリ210や従動プーリ220の回転による振動を低下させることができる。また、マーキング部検出部270は、回転機構センサではないので、ベルト駆動機構の構造を簡単にすることができる。つまり、ベルト駆動機構200は、プーリの回転速度やエンドレスベルトの循環状の走行速度などの速度制御をすることができる。
【0079】
また、本実施形態においては、駆動制御部282は、駆動プーリ210の入力軸214の回転速度が所定の範囲内になるようにモータ(回転駆動部)211を制御する。このため、駆動プーリ210が所定の範囲内の回転速度で回転するので、回転速度の変動による振動を発生しにくくすることができる。
【0080】
また、本実施形態においては、マーキング部検出部270は、マーキング部260がエンドレスベルト230とマーキング部検出部270との間を通過する毎に、所定の速度で通過するマーキング部260を検出し、検出したタイミングをマーキング部260の検出情報として出力し、ベルト駆動機構200は、エンドレスベルトの長さ情報を記憶する全長記憶部292と、検出情報を受信した第1タイミングと第1タイミングの直前に受信した通過検知信号の第2タイミングと全長記憶部292に記憶されているエンドレスベルトの長さ情報とに基づいてエンドレスベルト230の外表面231の移動速度を求める速度算出部284と、を備え、駆動制御部282は、速度算出部284が求めた移動速度に基づいて、駆動プーリ210の入力軸214の回転速度が所定の範囲内になるようにモータ(回転駆動部)211を制御する。
このため、エンドレスベルト230が1回転する毎に、エンドレスベルト230の循環状の走行速度を算出し、駆動制御部282は、算出された走行速度に基づいて駆動プーリ210の入力軸214の回転速度が所定の範囲内になるようにモータ(回転駆動部)211を制御する。したがって、駆動プーリ210が所定の範囲内の回転速度で回転するので、回転速度の変動による振動を発生しにくくすることができる。
【0081】
また、本実施形態においては、マーキング部検出部270は、エンドレスベルト230において、駆動プーリ210と従動プーリ220との間の外表面231側に間隔をおいて配置されている。このため、マーキング部検出部270は、エンドレスベルト230が直線状態となっている状態でマーキング部260を検出するので、検出精度を向上させることができる。
【0082】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、エンドレスベルト230に形成したマーキング部260の数は、1つに限定されず、2以上のマーキング部260をエンドレスベルト230の外表面231に形成してもよい。2以上のマーキング部260をエンドレスベルト230に形成した場合、2以上のマーキング部260を等間隔にエンドレスベルト230に形成することが好ましい。これにより、速度算出部284はエンドレスベルト230が1周走行する間に、複数の走行速度を算出することができ、駆動制御部282はより高頻度に速度制御をすることができる。
【0083】
また、マーキング部検出部270の数は、1つに限定されず、例えば、ベルト駆動機構200は、2以上のマーキング部検出部を備えていてもよい。これにより、速度算出部284は、エンドレスベルト230の循環状の走行速度の算出精度を向上させることができる。
【0084】
また、マーキング部検出部270は、エンドレスベルト230において、駆動プーリ210と従動プーリ220との間の外表面231側に間隔をおいて配置されているとしているが、これに限定されない。マーキング部検出部270は、エンドレスベルト230が直線状態となっていないマーキング部260を検出してもよい。
【0085】
また、前述の実施形態においては、感光体ドラム2のドラム貫通軸部材120は、従動軸部材の一端に同軸に一体形成されているが、これに制限されない。従動プーリ220の出力軸222は、感光体ドラム2のドラム貫通軸部材120とは別の軸部材であってもよい。即ち、従動プーリ220の出力軸222は、直接的又は間接的のいずれかで、ドラム貫通軸部材120に連結される構成とすることが可能である。
【0086】
また、前述の実施形態においては、ドラム貫通軸部材120を1本の軸部材により構成しているが、これに制限されず、カップリングを介して2本以上の軸部材を接続することにより構成してもよい。
【0087】
また、本発明に係るベルト駆動機構200において、駆動プーリ210の入力軸214や従動プーリ220の出力軸222などを回転自在に軸支する軸受けは、通常、転がり軸受が使用されるが、滑り軸受けを利用することも可能である。
【0088】
また、本発明に係るベルト駆動機構200が回転させるものは、感光体ドラム(像担持体)に限定されず、レーザスキャナユニット4の回転駆動部、トナーカートリッジ5の回転駆動部(例えばトナー供給部6の回転駆動部)、転写ローラ8、定着部9の回転駆動部(例えば加熱回転体9aや加圧回転体9b)、ドラムクリーニング部11の回転駆動部、現像器16の回転駆動部(例えば現像ローラ17や攪拌ローラ18)、第3ローラ対53、第1ローラ対54aや第2ローラ対54b、前送りコロ61、給紙ローラ対63、給紙コロ66であってもよい。
【0089】
本発明の画像形成装置の種類に特に制限はなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。また、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機は、黒色のみの画像を形成できるタイプであってもよいし、カラーの画像を形成できるタイプであってもよい。
シート状の被転写材は、用紙Tに制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1……プリンタ(画像形成装置)、2……感光体ドラム(像担持体)、120……ドラム貫通軸部材、200……ベルト駆動機構、210……駆動プーリ、211……モータ(回転駆動部)、212……モータ(回転駆動部)の出力軸、213……ベアリング、214……駆動プーリの入力軸、215……モータケース、220……従動プーリ、221……従動プーリの周面、222……従動プーリの出力軸、230……エンドレスベルト、231……エンドレスベルトの外表面、240……保持部材、241、242……保持基盤、243……カバー部、260……マーキング部、270……マーキング部検出部、280……CPU、282……駆動制御部、284……速度算出部、286……計時部、287……検知時間取得部、288……直前検知時間取得部、289……全長取得部、290……メモリ、292……全長記憶部、294……直前検知時間記憶部、T……用紙(シート状の被転写材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸を有する駆動プーリと、
出力軸を有する従動プーリと、
前記駆動プーリ及び前記従動プーリに掛け渡される金属性のエンドレスベルトと、
前記駆動プーリの入力軸及び前記従動プーリの出力軸を軸受けして保持する保持部材と、
前記エンドレスベルトを所定の速度で循環状に走行させるように、前記駆動プーリの入力軸を回転させる回転駆動部と、
前記エンドレスベルトの外表面に形成されたマーキング部と、
前記マーキング部を検出するマーキング部検出部と、
前記マーキング部検出部により検出される前記マーキング部の検出情報に基づいて、前記駆動プーリの入力軸の回転速度を変化させるように前記回転駆動部を制御する駆動制御部と、を備える、ベルト駆動機構。
【請求項2】
前記駆動制御部は、前記駆動プーリの入力軸の回転速度が所定の範囲内になるように前記回転駆動部を制御する、請求項1に記載のベルト駆動機構。
【請求項3】
前記マーキング部検出部は、前記マーキング部が前記エンドレスベルトと前記マーキング部検出部との間を通過する毎に、所定の速度で通過する前記マーキング部を検出し、検出したタイミングを前記マーキング部の検出情報として出力し、
当該ベルト駆動機構は、
前記エンドレスベルトの長さ情報を記憶する全長記憶部と、
前記検出情報を受信した第1タイミングと前記第1タイミングの直前に受信した通過検知信号の第2タイミングと前記全長記憶部に記憶されているエンドレスベルトの長さ情報とに基づいて前記エンドレスベルトの前記外表面の移動速度を求める速度算出部と、を備え、
前記駆動制御部は、前記速度算出部が求めた前記移動速度に基づいて、前記駆動プーリの入力軸の回転速度が所定の範囲内になるように前記回転駆動部を制御する、請求項1又は2に記載のベルト駆動機構。
【請求項4】
前記マーキング部検出部は、前記エンドレスベルトにおいて、前記駆動プーリと前記従動プーリとの間の前記外表面側に間隔をおいて配置されている、請求項1に記載にベルト駆動機構。
【請求項5】
前記従動プーリの出力軸の一端側に直接的又は間接的に接続され、表面に静電潜像が形成される1又は複数の像担持体と、
前記1又は複数の像担持体を回転させる請求項1から4のいずれかに記載のベルト駆動機構と、を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−48136(P2012−48136A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192433(P2010−192433)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】