説明

ペット用皮膚性状評価装置

【課題】ペット用皮膚性状評価装置において、ペットの皮膚の簡単な撮像を可能とし、その撮像画像を用いたペットの皮膚性状評価の高精度化を図る。
【解決手段】ペット用皮膚性状評価装置1は、ペットの体毛を分けて皮膚を露出させる送風ファン3及びブラシ部5と、これらにより露出された皮膚を撮像する画像センサ7と、その撮像画像から皮膚性状情報を生成し、過去と現在の皮膚性状情報とを比較して現在の皮膚性状の評価情報を生成する制御手段8とを備える。ブラシ部5を用いたペットの体毛のブラッシング時に、送風ファン3による送風及びブラシ部5により皮膚が露出されるので、ペットの皮膚を簡単に撮像することができる。また、制御手段8により現在の皮膚性状の評価情報が生成されるので、従来のように人間が撮像画像を見て皮膚性状を評価する必要がなく、従って皮膚の異常箇所の見落としは生じないので、ペットの皮膚性状を高精度に評価することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットの皮膚性状を計測して評価するためのペット用皮膚性状評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ペットの皮膚ではなく人間の皮膚を評価するため、ユーザの皮膚表面を撮像する撮像ヘッドと、この撮像ヘッドによる撮像画像とサンプル皮膚画像とを記憶して蓄積する記憶手段と、上記の撮像画像及びサンプル皮膚画像を分割画面に同時に表示可能な表示手段とを備えた皮膚性状評価装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置の撮像ヘッドにおいては、光ファイバを円環状に配列して成る導光体が、ケーシングの内側に配設されて光学系を囲んでいる。そして、ケーシングの先端は開口しており、光学系の下方には偏光ユニットが設けられている。ユーザは、撮像ヘッドのケーシングの先端開口を皮膚表面に押し当てて皮膚表面を撮像し、表示手段に表示された自分の皮膚の撮像画像とサンプル皮膚画像とを見て比較し、皮膚性状を評価することができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の皮膚性状評価装置を用いて、人間ではなくペットの皮膚を撮像しようとすると、ペットの体毛が邪魔になって皮膚を撮像し難く、撮像に手間が掛かり、撮像が容易でなかった。また、上記装置においては、人間が皮膚の撮像画像及びサンプル皮膚画像を見て比較し、皮膚性状を評価する必要があるので、皮膚の異常箇所が見落とされる可能性があった。このため、評価精度が低下する虞があった。
【特許文献1】特開平8−280633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の従来の問題を解決するためになされたものであり、ペットの皮膚を簡単に撮像することができるようにし、その撮像画像を用いてペットの皮膚性状を高精度に評価することができるペット用皮膚性状評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、ペットの皮膚性状を計測して評価するためのペット用皮膚性状評価装置において、ペットの皮膚を露出させるための露出手段と、ペットの皮膚を照らす照明手段と、前記露出手段により露出され、且つ前記照明手段により照らされた皮膚を撮像する画像センサと、前記画像センサによる撮像画像を処理してペットの皮膚性状情報を生成する処理手段と、前記処理手段により生成されたペットの過去及び現在の皮膚性状情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶されている過去の皮膚性状情報と現在の皮膚性状情報とを比較して現在の皮膚性状の評価情報を生成する比較手段と、を備えるものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のペット用皮膚性状評価装置において、前記記憶手段は、前記処理手段により生成されたペットの過去の皮膚性状情報の代わりに、予め定められた皮膚性状情報を記憶しており、前記比較手段は、前記記憶手段により記憶されている予め定められた皮膚性状情報と現在の皮膚性状情報とを比較して現在の皮膚性状の評価情報を生成するものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、露出手段によりペットの皮膚が露出されるので、画像センサを用いてペットの皮膚を簡単に撮像することができる。また、画像センサによる撮像画像が処理手段により処理されてペットの皮膚性状情報が作成され、過去と現在の皮膚性状情報が比較手段により比較されて現在の皮膚性状の評価情報が生成されるので、従来のように人間が撮像画像を見て皮膚性状を評価する必要がなく、従って皮膚の異常箇所の見落としが生じることはないので、ペットの皮膚性状を高精度に評価することができる。
【0008】
請求項2の発明によれば、初回の皮膚性状評価前に、評価の基準となる皮膚性状情報の生成のために皮膚を撮像する必要がないので、初回の皮膚性状評価時の手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態に係るペット用皮膚性状評価装置(以下、評価装置という)について図1乃至図4を参照して説明する。図1及び図2は、第1の実施形態に係る評価装置の構成を示す。この評価装置1は、猫又は犬等のペットの皮膚性状を計測して評価するための装置である。評価装置1は、筐体2に内装された送風ファン3と、送風ファン3により吐出される空気を加熱するためのヒータ4と、筐体2の外側に設けられたブラシ部5と、ペットの皮膚を照らす照明ランプ6と、ペットの皮膚を撮像する画像センサ7と、を備える。送風ファン3及びブラシ部5は、ペットの体毛を分けて皮膚を露出させるため設けられており、露出手段を構成する。送風ファン3はモータ31により回転駆動される。ヒータ4は送風ファン3による送風下流側に配置される。照明ランプ6及び画像センサ7はブラシ部5内に露出して設けられている。
【0010】
また、評価装置1は、画像センサ7による撮像画像を処理してペットの皮膚性状情報を生成する制御手段8(処理手段)と、制御手段8により生成されたペットの過去及び現在の皮膚性状情報を記憶する記憶手段9とを備える。制御手段8は、記憶手段9により記憶されている過去の皮膚性状情報と現在の皮膚性状情報とを比較して現在の皮膚の評価情報を生成する(比較手段)。制御手段8及び記憶手段9は、筐体2に内装されている。
【0011】
さらに、評価装置1は、各種メニュー及び制御手段8により生成された評価情報を表示する表示器10と、表示器10に表示されたメニューに基づいてメニュー選択を行うためユーザにより操作される操作ボタン11と、電源供給をオン/オフするための電源スイッチ12と、給電用の電源コード13と、を備える。
【0012】
筐体2は、その内部に空気流路21が形成された略筒状であり、使用時にユーザによりその下部が把持される。筐体2は、樹脂部材により一体に形成されていても、上下体が互いに着脱可能に嵌合係止されていてもよい。筐体2の下端付近には、外部から空気を取り込むための吸気口22が設けられている。また、筐体2のブラシ部5配設部分には、空気を吐出するための吐気口23が形成されている。
【0013】
ブラシ部5は、筐体2に突設された、ペットの体毛をブラッシングするための複数本のブリスル51により構成される。ブリスル51は、シリコンゴム等により形成され、低帯電性を有することが好ましく、その色は、画像センサ7による撮像画像のノイズと成り難い黒色系の光を反射し難い色が望ましい。ブリスル51は、筐体2の外側上部の所定の範囲に拡がって、複数の列状に並べて配置されている。吐気口23はブリスル51の列に沿い、かつ、列の間に複数形成されている。
【0014】
照明ランプ6は、例えば発光ダイオード及びその駆動回路により構成される。照明ランプ6の光源は、ペットの皮膚を鮮明に撮像することができる程度の発光量を有する光源であれば特に限定されない。画像センサ7は、レンズ等の光学系及びCCD(Charge Coupled Device)回路により構成される。照明ランプ6及び画像センサ7は、ブラシ部5の略中央部に配置されており、周囲をブリスル51により囲われている。従って、ブリスル51を用いたブラッシング時に、照明ランプ6及び画像センサ7とペットの皮膚との間には、ブリスル51により空間が確保される。
【0015】
制御手段8は、図3に示されるように、操作ボタン11の操作に基づき、照明ランプ6の点灯制御、画像センサ7を用いた皮膚の撮像、情報の記憶手段9への格納及び記憶手段9からの読み出し、及び表示器10の表示制御を行う。制御手段8は、CPUを含むマイクロプロセッサにより構成することができる。
【0016】
記憶手段9は、RAM、ROM、フラッシュメモリ等により構成することができ、ペットの皮膚を初めて評価する際に基準となる基準皮膚性状情報が格納されている。この基準皮膚性状情報は、例えば、ペットの皮膚が過去に正常であったときの皮膚性状情報である。
【0017】
表示器10は、例えば、液晶モニタ、有機ELモニタ等により構成することができる。表示器10の表示画面には、撮像メニューを含む各種メニュー項目、画像センサ7により撮像された過去又は現在の皮膚の動画像又は静止画像、現在の皮膚性状情報、過去と現在の皮膚性状情報の比較結果等が表示される。現在の皮膚性状情報は、例えば、ユーザが操作ボタン11を操作してメニュー項目の「皮膚色」を選択したときに表示される。
【0018】
次に、上記のように構成された評価装置1の使用方法を説明する。ユーザは、筐体2を保持して、ブラシ部5をペットの評価したい皮膚の体毛に対面させる。電源スイッチ12をオン操作してモータ31及びヒータ4に通電することにより、送風ファン3が回転し、吸気口22から流入された空気が空気流路21においてヒータ4により加熱され、温風A1が吐気口23から吐出される。ユーザは操作ボタン11を操作して表示器10の表示画面上で撮像メニューを選択する。ブラシ部5のブリスル51でもってペットの体毛をブラッシングするように、ブリスル51をペットの皮膚に近接又は当接させると、吐気口23から吐出された温風A1とブリスル51とによりペットの体毛が部分的に分けられて皮膚が露出される。ユーザによる操作ボタン11の操作により制御手段8に撮像指令を出すと、露出された皮膚は照明ランプ6により照明され、画像センサ7により撮像されて皮膚性状評価処理が行われる。
【0019】
図4は、制御手段8による撮像及び皮膚性状評価処理の手順を示す。制御手段8は、撮像指令を検出すると(S101)、ペットの皮膚を画像センサ7により撮像する(S102)。制御手段8は、撮像画像を処理し、ペットの現在の皮膚性状情報を生成する(S103)。陰影として映る皮膚の凹凸及び皮膚の色等のデータが皮膚性状情報として抽出される。皮膚の色は、例えば数値化された皮膚の明度及び色相でもって表される。生成された皮膚性状情報は記憶手段9に格納される(S104)。
【0020】
制御手段8は、記憶手段9から過去と現在の皮膚性状情報を読み出して比較する(S105)。過去の皮膚性状情報は、例えば、所定の過去の期間に亘る皮膚性状情報を平均化して得られた値、又は前回の皮膚性状情報でよい。初回の評価の場合には、過去の皮膚性状情報の代わりに、上述の基準皮膚性状情報が用いられる。制御手段8は、上記の比較結果に基づく現在の皮膚の評価情報を生成し(S106)、その評価情報を表示器に表示する(S107)。上記S105においては、過去と現在の皮膚の凹凸及び色等が比較され、その結果、皮膚の凹凸及び色の変化が検出された場合には、その変化に応じて、皮膚のただれ、傷、腫れ、発疹等の異常を示す評価情報が作成される。
【0021】
本実施形態においては、ブラシ部5のブリスル51でもってペットの体毛をブラッシングするようにブリスル51がペットの皮膚に近接又は当接されるとき、送風ファン3による送風及びブリスル51によりペットの体毛が部分的に分けられて皮膚が露出されるので、皮膚を露出させるためにユーザが手でペットの体毛を分ける必要がない。従って、撮像に手間が掛からない。このため、画像センサ7を用いてペットの皮膚を簡単に撮像することができる。また、ブラシ部5を用いたブラッシング時にペットの皮膚を撮像することができるので、皮膚の撮像のためにペットを押さえて静止させたりする必要がない。このため、皮膚撮像時にペットに不要なストレスを与えることを防止できる。
【0022】
さらに、画像センサ7による撮像画像が制御手段8により処理されてペットの皮膚性状情報が作成され、過去と現在の皮膚性状情報が比較されて現在の皮膚性状の評価情報が生成されるので、従来のように人間が撮像画像を見て皮膚性状を評価する必要がない。このため、皮膚の異常箇所の見落としが生じることはない。従って、ペットの皮膚性状を高精度に評価することができる。また、画像センサ7による皮膚の撮像時に体毛が光を遮って皮膚周辺が暗い場合においても、照明ランプ6によりその皮膚周辺が明るく照らされるので、皮膚を鮮明に撮像することができる。このため、撮像画像に基づく皮膚性状の評価精度を向上させることができる。
【0023】
なお、筐体2の内部において、照明ランプ6、画像センサ7、制御手段8、記憶手段9及び表示器10は壁部により囲われ、その壁部には、断熱部材が塗布又は取り付けられていることが好ましい。この場合、ヒータ4により加熱された空気の熱が、照明ランプ6、画像センサ7、制御手段8、記憶手段9及び表示器10に伝導することを防ぎ、熱によるそれらへの悪影響を防止することができる。
【0024】
また、吐気口23は、短毛、長毛等のペットの様々な体毛に対応するため、その数、大きさ又は送風の吹き出し方向の調節が可能に構成されていることが好ましい。この場合、例えば、吐気口23にその開口面と平行にスライドする仕切り板が設けられていれば、その仕切り板をユーザが手動でスライドさせることで吐気口23の大きさを調節することができる。また、仕切り板をスライドさせて吐気口23を塞ぐことで吐気口23の実際の数を調節することができる。吐気口23にルーバが設けられていれば、そのルーバの振れ角をユーザが手動で調整することで吐気口23の吹き出し方向を調節することができる。
【0025】
また、送風ファン3及びモータ31は、筐体2下部に配置されていることが望ましい。この場合、評価装置1の低重心化に寄与することができ、ユーザが筐体2下部を把持して使用する際に、安定した使用が可能となる。
【0026】
また、ブラシ部5のブリスル51の中央3列の先端部は、略同一の平面を形成するようにそれらの長さが調整されていることが望ましい。この場合、空気を吹き付ける方向に対して上記の平面を向けることで、空気を吹き付ける方向と、吐気口23から吐出される空気の方向とを容易に一致させることができ、使い勝手が良くなる。また、ブラシ部5の周辺又は画像センサ7の周辺には、画像センサ7への周辺光の入射による撮像画像のノイズを軽減するため遮光部材が設けられていてもよい。
【0027】
また、制御手段8は、操作ボタン11の操作に基づいてモータ31の回転数を段階的に制御可能に構成されていてもよい。また、制御手段8による表示器10の表示制御により、表示器10の表示画面が複数個に分割されて、複数の撮像画像、例えばペットの複数部位の皮膚の拡大画像、ペットの現在及び過去の皮膚画像、又はペットの現在の皮膚画像及び記憶手段9に予め記憶されている標準の皮膚画像が表示されてもよい。
【0028】
また、記憶手段9に予め記憶された基準皮膚性状情報は、複数頭のペットをモニタとしてその皮膚性状を予め計測し、それらの皮膚性状情報を平均して求められた皮膚性状情報であってもよい。この場合、基準皮膚性状情報は、ペットの歳又は犬種等のペットの種類等に起因する皮膚性状のばらつきの影響を受け難い。従って、この基準皮膚性状情報を評価基準とすることで、評価精度の向上を図ることができる。また、初回の皮膚性状評価前に、基準皮膚性状情報の生成のために皮膚を撮像することが必要ないので、初回の皮膚性状評価時の手間を省くことができる。
【0029】
次に、上記第1の実施形態の一変形例に係る評価装置について図5を参照して説明する。図5は、本変形例の評価装置の構成を示す。この評価装置1においては、制御手段8、記憶手段9、表示器10及び操作ボタン11が、筐体2とは別体の筐体2aに設けられている。筐体2aからは電源コード13が導出され、筐体2と筐体2aとは、電源供給線及び通信線を含む専用コード13aにより電気的に接続されている。
【0030】
本変形例においては、表示器10及び操作ボタン11は、使用時にユーザによって把持される筐体2とは別体の筐体2aに設けられているので、筐体2を小形化でき、使い勝手が良くなり、また、表示器10の表示画面又は操作ボタン11を大きくすることができ、操作性が良くなる。
【0031】
さらに、筐体2aは、筐体2のようにペットの体毛のブラッシング等のために度々動かす必要がないので、本変形例においては、筐体2aに設けられている制御手段8及び記憶手段9の振動による故障を防ぐことができる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態に係る評価装置について説明する。本実施形態の評価装置の構成要素については図1を流用して説明する。本実施形態の評価装置1の記憶手段9は、ペットの現在の皮膚性状を評価するための基準として、ペットの過去の皮膚性状情報の代わりに、予め定められた皮膚性状情報を記憶している。この予め定められた皮膚性状情報とは、ペットの年代を、「0〜2歳」、「3〜4歳」、「5〜6歳」、「7〜8歳」、「9〜10歳」、「11〜12歳」、「13〜14歳」、「15歳以上」の8つの年代に分けて、各年代の約1000頭のペットの皮膚性状情報を平均して得られた年代別の皮膚性状情報の標準値である。表示器10の表示画面には、年代入力メニューとして上記の8つの年代を示す文字が表示される。
【0033】
本実施形態の評価装置1においては、ペットの現在の皮膚性状を計測する前に、表示器10の表示画面上に示された8つの年代のうち、ペットの現在の年齢を含む年代が、ユーザにより操作ボタン11を用いて選択される。この選択に基づき、制御手段6は、選択された年代の皮膚性状情報の標準値を記憶手段9から読み出し、この標準値を、ペットの現在の皮膚性状を評価する上での基準として認識する。
【0034】
図6は、本実施形態における制御手段8による皮膚性状評価処理のフローを示す。S201〜204、206、207の処理は、上述の図4に示されるS101〜104、106、107と同じである。本実施形態においては、S105の処理に代わって、制御手段8は、記憶手段9により記憶されている予め定められた皮膚性状情報、すなわちユーザにより選択された年代の皮膚性状情報の標準値と現在の皮膚性状情報とを比較して現在の皮膚の評価情報を生成する(S205)。
【0035】
本実施形態においては、初回の皮膚性状評価前に、評価の基準となる皮膚性状情報の生成のために皮膚を撮像する必要がないので、初回の皮膚性状評価時の手間を省くことができる。また、皮膚性状情報の標準値は、年代別に約1000頭のペットの皮膚性状情報を平均化して得られた値であるため、皮膚性状の個体ばらつきの影響を受け難い。従って、上記の標準値を皮膚性状の評価基準とすることで、評価精度の向上を図ることができる。
【0036】
さらに、年代別の皮膚性状情報の標準値の中から、ペットの現在の年代の標準値を選択することができ、その選択された標準値と現在の皮膚性状情報とが比較されてペットの現在の皮膚性状が評価されるので、加齢に起因する皮膚性状の変化に対応して高精度に皮膚性状を評価することができる。
【0037】
なお、本発明は、上記第1及び第2の実施形態の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、画像センサ7の代わりに色彩センサが用いられてもよい。この場合、色彩センサにより皮膚の分光スペクトルが計測され、各波長の相対エネルギー強度を示すデータが色彩センサから制御手段8に送出される。また、画像センサ7の光学部材及びCCDは、特開2002−355223号公報に示されるような構成を有し、制御手段8は、上記の公報に示される反射画像及び無反射画像に基づいて皮膚の色等の皮膚性状を計測するように構成されていてもよい。また、ヒータ4は、操作ボタン11の操作に基づいてヒータ4の稼動及びその停止を設定可能に構成されていても構わない。また、第2の実施形態において、ユーザにより選択された年代の皮膚性状情報は、制御手段8により年代の選択をトリガとして表示器10に表示されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係るペット用皮膚性状評価装置の正面図、(b)はその部分拡大図、(c)はその背面部分の拡大図。
【図2】上記装置の縦断面図。
【図3】上記装置の要部のブロック図。
【図4】上記装置の制御手段による皮膚性状評価処理のフロー図。
【図5】上記実施形態の一変形例に係るペット用皮膚性状評価装置の正面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るペット用皮膚性状評価装置の制御手段による皮膚性状評価処理のフロー図。
【符号の説明】
【0039】
1 ペット用皮膚性状評価装置
3 送風ファン(露出手段を構成)
31 モータ
5 ブラシ部(露出手段を構成)
6 照明ランプ(照明手段)
7 画像センサ
8 制御手段(処理手段、比較手段)
9 記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの皮膚性状を計測して評価するためのペット用皮膚性状評価装置において、
ペットの皮膚を露出させるための露出手段と、
ペットの皮膚を照らす照明手段と、
前記露出手段により露出され、且つ前記照明手段により照らされた皮膚を撮像する画像センサと、
前記画像センサによる撮像画像を処理してペットの皮膚性状情報を生成する処理手段と、
前記処理手段により生成されたペットの過去及び現在の皮膚性状情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶されている過去の皮膚性状情報と現在の皮膚性状情報とを比較して現在の皮膚性状の評価情報を生成する比較手段と、を備えるペット用皮膚性状評価装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記処理手段により生成されたペットの過去の皮膚性状情報の代わりに、予め定められた皮膚性状情報を記憶しており、
前記比較手段は、前記記憶手段により記憶されている予め定められた皮膚性状情報と現在の皮膚性状情報とを比較して現在の皮膚性状の評価情報を生成することを特徴とする請求項1に記載のペット用皮膚性状評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−101082(P2009−101082A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278015(P2007−278015)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】