説明

ペプチドを製造するための方法

メリフィールドタイプの樹脂に結合された環状ペプチドを提供し、メリフィールドタイプの樹脂から、エステル交換によって環状ペプチドを切断することを含む、環状ペプチドを製造するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮出願第60/832,649号明細書(その内容を本出願に援用する)の優先権の利益を主張するものである。
本発明は、ペプチドを製造するための方法ならびに、その製造時に有用な中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
ペプチドは潜在的に生物学的に活性であり、昨今は極めて多数の有用なペプチドベースの薬剤が周知である。生物学的に活性なペプチドの特定の一例が、勃起不全の治療に有用な候補薬の
【化1】

(PT−141)である(Drugs Fut 2004、29(6)、第645ページ)。この分子に対しては、異なる合成手法が開発されている。たとえば、フローラ(Flora)ら Bioorg.Med Chem.Lett.2005(1065〜1068)には、この分子のペプチド固相合成法が説明されている。しかしながら、この方法は、高価なワン(Wang)樹脂ならびに極めて高価な保護・脱保護技術を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、環状生成物の収率を改善した、環状ペプチドを製造するための工業化可能な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このため、本発明は、
(a)メリフィールドタイプの樹脂に結合された環状ペプチドを提供し、
(b)メリフィールドタイプの樹脂から、エステル交換によって環状ペプチドを切断すること
を含む、環状ペプチドを製造するための方法に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
驚くべきことに、本発明による方法では、低価格の試薬を用いて環状ペプチドまたはペプチド誘導体を工業規模で製造できることが見いだされた。本発明による方法で得られる環状ペプチドは純度が高く、一層簡単に精製可能であって、一般にメリフィールドタイプの樹脂からのペプチド除去に用いられるHFの使用が、本発明による方法では必要ない。HFの使用は、メリフィールドタイプの樹脂を用いる工業規模のペプチド合成での障害になっているため、このことは特に有利である。
本発明の目的で、「メリフィールドタイプの樹脂」は、特にクロロメチル化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーを示すことを意図したものであり、このコポリマーは、任意に置換基で置換可能である。未置換のクロロメチル化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーのほうが、より一層好ましい。
【0006】
本発明による方法では、環状ペプチドの環状構造は通常、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20のアミノ酸で形成される。環状ペプチドの環状構造は、好ましくは、5、6、7、8、9、10、11または12のアミノ酸で形成され、より一層好ましくは、6または7のアミノ酸で形成される。
本発明による方法では、環状ペプチドは、好ましくは、アミノ基とのカルボン酸基の分子内反応によって形成されるアミド結合を有する。
【0007】
本発明による方法では、アルコールまたはメルカプタンを用いて、特にC1〜C3アルコール、好ましくはメタノールおよびエタノールから選択される、特定のアルキルアルコールまたはアルキルメルカプタンで、エステル交換が有利に行われる。メタノールが特に好ましい。メタンチオールまたはエタンチオール、特にそのアルカリ金属塩の形態が、メルカプタンとして好ましい。
アルコールとのエステル交換を行う場合、環化支持(supported)ペプチドを、好ましくはアルコールに懸濁させるか、アルコールと好適な補助溶媒との混合物に懸濁させる。
メルカプタンとのエステル交換を行う場合、好ましくはメルカプタンの塩を好適な溶媒に加えた溶液に環化支持ペプチドを懸濁させる。
【0008】
本発明による方法では、たとえば、塩基、特にアミン(特に第三級アミン)または立体障害アルコキシド(カリウムtert.−ブトキシドなどのtert.アルコキシドなど)といった求核塩基と、アニオン交換樹脂、特に第四級アニオン交換樹脂と、特にシアニドおよびフルオリドから選択されるアルカリ金属塩(シアン化カリウムまたはフッ化カリウムなど)などの求核(nuclephilic)アニオンのアルカリ金属塩と、から選択可能なエステル交換触媒を適宜利用してもよい。第三級アミン、特にジイソプロピルエチルアミンが好ましく、最も好ましくはトリエチルアミンである。
エステル交換触媒を用いる場合、混合触媒/溶媒中におけるその濃度は通常、0.5〜3モル/リットル、好ましくは1〜2.5モル/リットル、最も好ましくは約2モル/リットルである。
【0009】
特定の実施形態では、アミノアルコール、特に第三級アミン官能基(function)および第一級アルコール官能基(特に2−ジメチルアミノエタノールなど)を有するアミノアルコールとのエステル交換を実施する。この実施形態では、アミノ官能基が反応を触媒するため、補助触媒の使用は必要とされない。この実施形態では、サボア(Savoie)ら Can J.Chem.1974、2832〜9ページに記載されたようなタリウム誘導体などの有毒な触媒を使用せずにすむ。
【0010】
本発明による方法では、エステル交換は通常、0℃から100℃、好ましくは10℃から60℃の温度で実施される。約25℃の温度が特に好ましい。
本発明による方法では、エステル交換は通常、大気圧で実施される。
本発明による方法では、たとえば、アルカリ、第四級アンモニウムまたはアルカリ土類金属水酸化物または炭酸塩から選択される塩基との反応によってステップ(b)で得られる環状ペプチドエステルから遊離環状ペプチド酸を好適に得ることが可能である。特定の例としては、テトラブチル水酸化アンモニウム、炭酸カリウムおよび水酸化リチウムがあげられる。水酸化リチウムが好ましい。
本発明による方法では、切断は通常pH8から10で実施される。
本発明による方法では、任意の切断が通常、0℃から100℃、好ましくは10℃から60℃の温度で実施される。約25℃の温度が特に好ましい。
【0011】
好ましい実施形態では、本発明は、
(a)遊離アミノ基を有する第1のアミノ酸と遊離カルボン酸基を有する第2のアミノ酸とを含む、メリフィールドタイプの樹脂に結合された直鎖ペプチドを提供し、
(b)アミノ基とのカルボン酸基の分子内反応によって、支持ペプチドを環化し、
(c)メリフィールドタイプの樹脂から、エステル交換によって環化支持ペプチドを切断すること
を含む、アミノ基とのカルボン酸基の分子内反応によって形成されるアミド結合を有する環状ペプチドを製造するための方法に関する。
この実施形態では、直鎖ペプチドは通常、アミド結合形成試薬の存在下で環化される。このアミド結合形成試薬は、ボダンツキー(Bodansky),M.著、Principles of Peptide Synthesis(ペプチド合成の原理)、第2版、Springer Verlag、ベルリン/ハイデルベルグ、1993に記載されているものなどの従来技術において周知のペプチド合成用カップリング試薬から好適に選択される。アミド結合形成剤の特定の例としては、混合無水物および他のアシル化剤(たとえば、クロロギ酸イソブチルまたは塩化ピバロイルなどの活性化エステルまたは酸ハロゲン化物など)から選択される。これらは、カルボジイミド(l−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド)、活性化ベンゾトリアジン−誘導体(DEPBT:3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オンなど)あるいは、ベンゾトリアゾールのウロニウム塩誘導体またはホスホニウム塩誘導体であってもよい。
【0012】
好ましいアミド結合形成試薬のひとつに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(dicylohexylcarbodiimide)がある。この安価な試薬によって、環化時に良好な結果が得られることが見いだされている。
好都合な一実施形態では、本発明による方法はさらに、保護されたアミノ基と保護されたカルボン酸基とを有する前駆物質直鎖ペプチドを提供することを含む。
この実施形態では、アミノ基を第1の保護基で保護する。第1の保護基は、たとえば、メリフィールド樹脂に対する直鎖ペプチドの結合を実質的に何ら変えることなく残す条件下で除去可能な保護基から選択される。このような保護基の好ましい例としては、たとえば、t.ブトキシカルボニル、para−メトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニルならびに、好ましくは、ベンジルオキシカルボニルから選択される酸分解によって除去可能なアミノ保護基があげられる。このような保護基の他の例としては、たとえばトリクロロエトキシカルボニルなどの金属または金属化合物を用いる還元によって除去可能なアミノ保護基があげられる。
【0013】
この実施形態では、カルボン酸基を第2の保護基で保護する。第2の保護基は、たとえば、メリフィールド樹脂に対する直鎖ペプチドの結合を実質的に何ら変えることなく残す条件下で除去可能な保護基から選択される。このような保護基の好ましい例としては、たとえば、para−メトキシベンジル、ベンズヒドリルならびに、好ましくは、t.ブチルから選択される酸分解によって除去可能なカルボキシル保護基があげられる。このような保護基の他の例としては、たとえばトリクロロエチルなどの金属または金属化合物を用いる還元によって除去可能な保護基があげられる。
【0014】
この実施形態では、第1および第2の保護基は、好ましくは単一の反応ステップで除去可能なように選択される。このため、前駆物質ペプチドの保護基を単一の反応で除去し、直鎖ペプチドを提供することが可能である。単一の反応ステップで(a single reaction step)酸分解によって除去可能な第1および第2の保護基の好適な組み合わせ例としては、ベンズヒドリルオキシカルボニル/ベンズヒドリル;para−メトキシベンジルオキシカルボニル/para−メトキシベンジルならびに、好ましくは、t.ブトキシカルボニル/t.ブチルがあげられる。金属または金属化合物を用いる還元によって単一の反応ステップで除去可能な第1および第2の保護基の好適な組み合わせ例としては、トリクロロエトキシカルボニル/トリクロロエチルがあげられる。
【0015】
酸分解によって保護基を除去する場合、好適な試薬は、たとえば、パーフルオロアルキルカルボン酸ならびに、有機溶媒、好ましくはジオキサンまたは酢酸エチルなどの極性有機溶媒にHClを入れた溶液から選択される。酸分解用の試薬としてはトリフルオロ酢酸が好ましい。
金属または金属化合物との反応によって保護基を除去する場合、好適な試薬は、たとえば、亜鉛金属である。
【0016】
本発明による方法は、直鎖ペプチドが、アミノ基を含有する側鎖を有するアミノ酸を含む場合に特に好適である。アミノ基を含有する側鎖を有するアミノ酸の例としては、リジン、オルニチン、ジアミノ酪酸およびジアミノプロピオン酸があげられる。アミノ基を含有する側鎖を有するアミノ酸の好ましい一例がリジンである。
特に好ましい実施形態では、直鎖ペプチドは、アミノ基を含有する側鎖を有するアミノ酸を介してメリフィールド樹脂に結合される。
本発明による方法では、直鎖ペプチドは、カルボン酸基を含有する側鎖を有するアミノ酸を好適に含み得る。カルボン酸基を含有する側鎖を有するアミノ酸の例としては、グルタミン酸およびアスパラギン酸があげられる。好ましい一例がアスパラギン酸である。
【0017】
特に好ましい態様では、直鎖ペプチドは、カルボン酸基を含有する側鎖を有するアミノ酸とアミノ基を含有する側鎖を有するアミノ酸の両方を含む。
配列
Ac−Nle−Asp−His−D−Phe−Arg−Trp−Lys−メリフィールド樹脂
が、特に好ましい。
側鎖カルボン酸基または側鎖アミノ基は、上述したそれぞれの保護基によって好適に保護可能なものである。
【0018】
本発明は、特に、
【化2】

を製造するための方法に関するものであり、この方法は、
Ac−Nle−Asp−His−D−Phe−Arg−Trp−Lys−メリフィールド樹脂
を提供し、
アミノ基とのカルボン酸基の分子内反応によって、支持ペプチドを環化し、メリフィールドタイプの樹脂から、エステル交換によって環化支持ペプチドを切断することを含む。エステル交換の後には通常、エステルを切断するための操作、特に環状ペプチド酸を得るための鹸化が行われる。
【0019】
また、本発明は、メリフィールドタイプの樹脂に結合された環状ペプチドに関するものである。本発明による支持環状ペプチドは、好ましくは上述したようなものである。
また、本発明は、
【化3】

(式中、Pはアミノ保護用基、特にアシル基であり、好ましくはアセチル基(Ac)である)に関するものである。
また、本発明は、
P−Nle−Asp−His−D−Phe−Arg−Trp−Lys−メリフィールド樹脂
(式中、Pは上述したようなものである)に関するものである。
【0020】
以下の実施例は、本発明を非限定的に例示することを意図したものである。
本明細書で使用する略語は以下のとおりである。
Ac アセチル
Nle ノルロイシン
Asp アスパラギン酸
His ヒスチジン
Phe フェニルアラニン
Arg アルギニン
Trp トリプトファン
Lys リジン
HF フッ化水素
Fmoc 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
Boc t−ブチルオキシカルボニル
RCM 樹脂クロロメチル(メリフィールド樹脂)
SPPS ペプチド固相合成
Pbf 2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル
Trt トリチル
tBu t−ブチル
TFA トリフルオロ酢酸
DI 蒸留
TIPS トリイソプロピルシラン
DTE ジチオエリスリトール(dithioerythreitol)
DCM ジクロロメタン
IPA イソプロパノール
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
HOBT ヒドロキシベンゾトリアゾール
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
TEAP トリエチルリン酸アンモニウム
LiOH 水酸化リチウム
【実施例】
【0021】
配列:
【化4】

合成:
合成には50gのFmoc−Lys(Boc)−RCM樹脂(およそ0.8mmol/g)を用いた。合成にはFmoc SPPS法を10ml/gmの濃度で用いた。
【0022】
合成には以下のアミノ酸誘導体を用いた。
Fmoc−Trp(Boc)−OH
Fmoc−Arg(Pbf)−OH
Fmoc−D−Phe−OH
Fmoc−His(Trt)−OH
Fmoc−Asp(OtBu)−OH
Fmoc−Nle−OH
【0023】
脱保護
酢酸無水物を用いるアセチル化
以下の試薬を用いる樹脂上ペプチドの脱保護:
84%TFA、5%アニソール、5%DI水、3%チオアニソール、2%DTEを含有する3%TIPS。1〜2時間で切断。
【0024】
切断後の洗浄方法:
2×DCM
1×IPA
2×5%DIEA(DCM中)で4分ずつ(pH紙を確認)
1×DCM
2×メタノール
2×DCM
1×DMF
5当量のHOBT/10当量のDCC(DMF中)を用いて樹脂上で48時間〜72時間環化。
【0025】
以下の手法を用いて樹脂からペプチドを切断した。
15%TEA(メタノール中)にてペプチド樹脂を周囲温度で2日間攪拌した。樹脂からの切断後、5%DI水および5当量のLiOHを加え、引き続き2時間攪拌した。酢酸を加えて反応混合物を酸性化した。樹脂を濾別し、30%アセトニトリルを含有するTFA A緩衝液で洗浄した。有機溶媒成分が20%未満になるまで濾液を蒸発させるかTFA A緩衝液で希釈した。溶液を濾過し、精製した。
精製:
5.0486gの純粋なCS341(HPLC>99%)を得るためのTEAP系ならびに、続いて酢酸系
全体としての収率:12.3%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)メリフィールドタイプの樹脂に結合された環状ペプチドを提供し、
(b)前記メリフィールドタイプの樹脂から、エステル交換によって前記環状ペプチドを切断すること
を含む、環状ペプチドを製造するための方法。
【請求項2】
C1〜C3アルコール、好ましくはメタノールを用いて前記エステル交換を実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルキルチオール、好ましくはエタンチオールまたはこれらの塩を用いて前記エステル交換を実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
pH8〜10で前記エステル交換を実施する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記環状ペプチドの環状構造が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20のアミノ酸で形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記環状ペプチドが、環状構造の一部を形成するアミノ酸によって前記メリフィールドタイプの樹脂に結合する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記環状ペプチドが、アミノ基とのカルボン酸基の分子内反応によって形成されるアミド結合を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記メリフィールド樹脂に結合された前記環状ペプチドが、
(a)遊離アミノ基を有する第1のアミノ酸と遊離カルボン酸基を有する第2のアミノ酸とを含む、前記メリフィールドタイプの樹脂に結合された直鎖ペプチドを提供し、
(b)前記アミノ基との前記カルボン酸基の分子内反応によって、前記メリフィールドタイプの樹脂に結合された前記直鎖ペプチドを環化すること
で得られるものである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記直鎖ペプチドが、混合無水物、活性化エステル、酸ハロゲン化物、カルボジイミド、活性化ベンゾトリアジン−誘導体ならびに、ベンゾトリアゾールのウロニウム塩誘導体またはホスホニウム塩誘導体から選択されるアミド結合形成試薬の存在下で環化される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
保護されたアミノ基と保護されたカルボン酸基とを有する、前記メリフィールドタイプの樹脂に結合された前駆物質直鎖ペプチドを提供することをさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記アミノ基が、たとえば、t.ブトキシカルボニル、para−メトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニルならびに、好ましくは、ベンジルオキシカルボニルから選択される酸分解によって除去可能なアミノ保護基から選択される第1の保護基で保護され、前記カルボン酸基が、たとえば、para−メトキシベンジル、ベンズヒドリルならびに、好ましくは、t.ブチルから選択される酸分解によって除去可能なカルボキシル保護基から選択される第2の保護基で保護される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
トリフルオロ酢酸との反応によって前記保護基を除去する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アミノ基が、金属または金属化合物を用いる還元によって除去可能なアミノ保護基から選択される第1の保護基で保護され、前記カルボン酸基が、金属または金属化合物を用いる還元によって除去可能なカルボキシル保護基から選択される第2の保護基で保護される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
亜鉛金属との反応によって前記保護基を除去する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記前駆物質直鎖ペプチドの保護基を単一の反応で除去して前記直鎖ペプチドを得る、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記メリフィールドタイプの樹脂に結合された前記直鎖ペプチドが、アミノ基を含有する側鎖を有するアミノ酸を含む、請求項7〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
アミノ基を含有する側鎖を有する前記アミノ酸がリジンである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記直鎖ペプチドが、アミノ基を含有する側鎖を有する前記アミノ酸によってメリフィールド樹脂に結合される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記直鎖ペプチドが、カルボン酸基を含有する側鎖を有するアミノ酸を含む、請求項7〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記エステル交換に続いて、特に前記環状ペプチド酸を得るための鹸化など、前記エステルを切断するための操作を行う、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記メリフィールド樹脂に結合された前記環状ペプチドが、
【化1】

である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
メリフィールドタイプの樹脂に結合された、環状ペプチド。
【請求項23】
【化2】

(式中、Pはアミノ保護用基である)である、請求項22に記載の環状ペプチド。
【請求項24】
Pがアセチルである、請求項23に記載の環状ペプチド。
【請求項25】
メリフィールドタイプの樹脂に結合され、式
P−Nle−Asp−His−D−Phe−Arg−Trp−Lys−メリフィールド樹脂
(式中、Pはアミノ保護用基である)を有する直鎖ペプチド。
【請求項26】
Pがアセチルである、請求項24に記載の直鎖ペプチド。

【公表番号】特表2009−544652(P2009−544652A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521219(P2009−521219)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057362
【国際公開番号】WO2008/009672
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(591001248)ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) (252)
【Fターム(参考)】