説明

ペリクル収納容器

【課題】 シート材を成形したものでありながら、他の補強体を用いずとも、保管、輸送中の外力に耐え、内部に収納したペリクルへの異物付着を防止する十分な剛性を有する、軽量かつ低コストのペリクル収納容器を提供する。
【解決手段】 容器本体および蓋体は、樹脂のシート材を成形したものであり、その外周長辺と外周短辺の接続部は、平面方向に見た場合に、長辺と成す角度が30°以上60°未満であり、かつ、長さ50mm以上の直線形状、あるいは、半径40mm以上の円弧形状に形成されていることを特徴とする。さらに、容器本体の互いに平行な2辺が、側面方向から見た場合に、外周部が少なくとも2段の立面を有する形状に形成されていることも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス、プリント基板あるいは液晶ディスプレイ等を製造する際のゴミ除けとして使用されるリソグラフィー用ペリクルを収納、保管、輸送するペリクル収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI、超LSIなどの半導体製造或は液晶ディスプレイ等の製造においては、半導体ウエハーあるいは液晶用原板に光を照射してパターンを作製するが、この時に用いるフォトマスクあるいはレチクル(以下、短にフォトマスクという)にゴミが付着していると、このゴミが光を吸収したり光を曲げてしまうために、転写したパターンが変形したり、エッジががさついたものとなるほか、下地が黒く汚れたりするなど、寸法、品質、外観などが損なわれるという問題があった。
このため、これらの作業は通常クリーンルームで行われているが、それでもフォトマスクを常に清浄に保つことが難しい。そこで、フォトマスク表面にゴミよけとしてペリクルを貼り付けた後に露光を行っている。この場合、異物はフォトマスクの表面には直接付着せず、ペリクル上に付着するため、リソグラフィー時に焦点をフォトマスクのパターン上に合わせておけば、ペリクル上の異物は転写に無関係となる。
【0003】
一般に、ペリクルは、光を良く透過させるニトロセルロース、酢酸セルロースあるいはフッ素樹脂などからなる透明なペリクル膜を、アルミニウム、ステンレス、ポリエチレンなどからなるペリクルフレームの上端面に貼り付けないし接着する。さらに、ペリクルフレームの下端には、フォトマスクに装着するためのポリブデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等からなる粘着層、及び粘着層の保護を目的とした離型層(セパレータ)が設けられる。
しかしながら、ペリクルはマスクに貼付した後ではそれらが形成する閉空間の外部から内部への異物侵入阻止効果はあるが、ペリクル自体に異物が付着して、かつそれが閉空間の内部にある場合には、フォトマスクへの異物付着を防ぐことは困難である。そのため、ペリクル自体に高い清浄性が求められることはもとより、保管、輸送に使用するペリクル収納容器にもその清浄性を維持しうる性能が強く求められる。具体的には、帯電防止性能に優れ、擦れた際にも発塵の少ない材質、ペリクルおよび構成部品間の接触を極力防ぐ構造、外力が加わった際の変形を防ぐことができる剛性の高い構造、といった点が要求される。
【0004】
ペリクル収納容器は、通常、ABS、アクリル等の樹脂を射出成形または真空成形することによって製造される。これらの成形方法が利用されるのは、表面が平滑で異物の付着や発塵の恐れが少ないこと、一体成形のため継ぎ目がなく発塵や異物侵入の恐れが少ないこと、複雑形状のものも容易に製造できること、量産性に優れ低コスト化が可能であること、といったメリットがあるからである。
半導体用やプリント基板用のペリクルの収納容器は、外形の辺長が概ね200〜300mm前後で、これらは通常、射出成形を利用して製造される。前記したように、ペリクル収納容器の清浄性を保つため、外力が加わった際にも変形しにくい高剛性が要求されるが、これら辺長が200〜300mmのペリクル収納容器においては剛性が問題となることは少ない。元々、小型で剛性が確保しやすいことに加え、射出成形では厚みを局所的に変えることが容易で、要所に肉厚のある補強を加えることができるからである。
【0005】
一方、主として液晶用ペリクルに使用される辺長が500mmを超えるような大型のペリクル収納容器は、一般にABS、アクリル等の合成樹脂シートを真空成形したものが使用される。これは、1箇所もしくは数箇所のゲートから金型内に樹脂を高速注入する射出成形では樹脂の流れる距離が長すぎるため、製法的に困難なためである。
真空成形は、金型に加熱した樹脂シートを被せ、真空引きするだけで大型品も容易に成形が可能である。しかしながら、真空成形の場合、肉厚のものが成形できないこと、リブである程度の補強はできるものの、基本的に同じ板厚のシートを折り曲げるだけなので、高剛性のものが作りにくいという問題がある。
【0006】
このようなリブの例は、容器本体については、例えば特許文献1などに例示されている。
従来用いられてきた補強用リブは、図4に示すような、基本的に外形の対角線44a,44bに沿って設けられたX字型のものが主として採用されてきた。しかし、この、相互に交差するX字型のリブでは、その交差部(連続部)49が存在することによって、予期に反して、捩れ方向の剛性が極度に低下し、図5に示すように、何れか一方の対角線に沿ってトレイが捻れて、対頂点が近づくように曲がってしまう。
【0007】
真空成形法で製作されたこのようなリブは、本来的に、リブの縦方向の面によって剛性を確保するのであるが、リブが相互に交差したり接続(枝分かれ)した場合には、その交差(接続)した他のリブにより、この縦方向の面が切断されてしまうために、この縦方向の面が有している剛性が低下するものと考えられる。このために、上述の剛性の低下・捻れが生じるものと考えられる。それだけでなく、このリブは相手のリブを切断して効果を殺してしまうばかりか、それ自身が屈曲点(線)となり、変形の度合いを大きくする。
真空成形法で製作されたこのようなリブにおいて、交差部の存在によって剛性が低下するのは、シートが折り曲げて形成されているためである。そして、このリブは相手のリブを切断して効果を殺してしまうばかりか、それ自身が屈曲点(線)となり、変形の度合いを大きくする。
そのため、リブだけでは十分な剛性が確保できず、例えば特許文献2に示すように、別の補強体と締結して剛性を確保することも行われていた。しかし、別の補強体を利用した場合、強度的には十分なものが得られるが、運用上は様々な不都合が生じる。
【0008】
その最も大きなものは、重量の増加で、十分な剛性を確保するためには、ほとんどの場合において容器本体よりも補強体の方が重くなる。そして、重量の増加により、梱包、運搬などの場面において取り扱いが極めて不便になる。
また、補強体自体だけでなく補強体を容器本体に締結するための部品が必要になるうえ、それを容器本体に組み付ける工数も必要になるため、容器本体だけの場合と比較して、コストが大幅に増加する。また、この他に、補強体と容器本体の間隙の洗浄が困難であるという清浄度に関する問題もある。
しかしながら、これまでは、補強体を用いず容器本体だけで十分な剛性を有するようにするペリクル収納容器の剛性向上策は存在していなかった。
【0009】
【特許文献1】特開2000−173887号公報
【特許文献2】特開2006−267179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のことから、本発明の目的は、シート材を成形したものでありながら、他の補強体を用いずとも、保管、輸送中の外力に耐え、内部に収納したペリクルへの異物付着を防止する十分な剛性を有する、軽量かつ低コストのペリクル収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ペリクルを載置する容器本体と、ペリクルを被覆すると共に容器本体と周縁部で嵌め合い係止する蓋体からなるペリクル収納容器において、容器本体および蓋体は、樹脂のシート材を成形したものであり、その外周長辺と外周短辺の接続部は、平面方向に見た場合に、長辺と成す角度が30°以上60°未満であり、かつ、長さ50mm以上の直線形状に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
また、上記長辺と短辺の接続部は、平面方向に見た場合に、半径40mm以上の円弧形状に形成することを特徴とする(請求項2)。
さらに、容器本体の互いに平行な2辺が、側面方向から見た場合に、外周部が少なくとも2段の立面を有する形状に形成されていることも良い(請求項3、4)。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、補強体を用いずとも容器本体の剛性、特には捩れ方向の剛性を著しく高めることができ、軽量かつ高剛性のペリクル収納容器を低コストで得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、一辺が500mmを超えるような大型のペリクル収納容器について適用した場合に特に効果が大きい。しかし、この大きさに限定されるものではなく、樹脂のシート材を成形したペリクル収納容器であれば、一辺が200mmといった小型のものでも適用可能である。小型のものでは剛性の問題は少ないが、構造により剛性をより高めることができれば、シート厚を薄くすることができ、大型のものと同様に、軽量化、コストダウンが可能となる。
以下、本発明のペリクル収納容器の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1および図2は、本発明のペリクル収納容器(本体)の二例を示す概略説明図、図3は、本発明のペリクル収納容器の全体構成を示す斜視図である。また、図4は、従来用いられてきた容器本体のリブ構造の一例を示す概略説明図、図5は、図4の容器本体の角部を持ち上げた際の変形の形態を示したものである。
従来の容器本体(図4)において、捻れ方向に外力が加わった場合、例えば、角部47を上方に持ち上げようという力がかかった場合(図5)、この容器本体は、対角線44bで折れ曲がろうとする。このとき、本来は、この捻れ変形にリブ43bが対抗すると考えられていたのであるが、交差するリブ43aにより、このリブ43bが交差位置49で切断されているため、十分な抵抗力を発揮することが出来ないことが分かってきた。
【0015】
しかも、交差するリブ43aは、対角線44bとほぼ一致しているため、このリブ43a自体が最も屈曲しやすくなり、図5に示す如く変形の基点となってしまう。しかし、このリブ43aを削除してしまうと、捩れ方向以外の剛性低下を招くうえに、容器本体全体の平面度が悪化するという不具合がある。
本発明は、この点に鑑みて成されたもので、本発明者は、種々の形状を試作し、比較検討の結果、容器の剛性向上には捩れ変形時の屈曲点を無くすことに加え、特には外周部の剛性向上が重要であることを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
図3において、容器本体31上にはペリクル(図示しない)が載置され、蓋体32により覆われている。そして、蓋体と容器本体は、粘着テープ等(図示しない)で密封固定するか、クリップ33等の締結具で固定される。
容器本体31、蓋体32は、合成樹脂シートを用いて真空成形法により製作される。真空成形法に限られることなく、例えば、樹脂板材の接着により製作することもできるが、清浄度、量産性の面から真空成形法により製作されることが好ましい。また、蓋体、容器本体の材質は、アクリル、ABS、PVCなどの樹脂から適宜選択することができるが、帯電による異物付着を低減するため、帯電防止材料を使用することが好適である。
そして、蓋体は、内部を確認しやすくするため、透明または半透明のものであること、容器本体は、付着した異物を確認しやすいように黒色であること、が好ましい。
【0017】
蓋体32は、容器本体31の周縁部で嵌合するようになっており、この隙間は、外部からの異物侵入を防ぐため、出来るだけ狭く出来ていることが望ましい。なお、嵌め合い形態は、図示の例に限られない。
そして、容器本体31および蓋体32は、図1に示すように、長辺の外周部13と短辺の外周部14の接続部は、長辺と成す角度aが30〜60°で、なおかつ、長さLが50mm以上となる、直線形状に形成されていることが好ましい。また、この直線接続に代えて、図2に示すようにR形状で接続することも良いが、このときは、この半径Rを40mm以上とすることが必要である。
従来のペリクル収納容器でも、この部分をR接続とする例は存在したが、通常、その半径は5〜20mm程度であった。
【0018】
このような形状とすることにより、捩れ時における外周長短辺接続部への応力集中が分散され、この部分が屈曲点になることが防止される。その結果、捩れ時の変形量が小さくなる。
また、図1中のAA断面図に示すように、容器本体の互いに平行な2辺が、側面方向から見た場合に、外周部が少なくとも2段の立面を有する形状に形成されていることも良い。段差の高さ方向の寸法cや奥行き方向の寸法dは、容器本体の大きさや外周部の高さ寸法bの大きさに応じて適宜設計すればよいが、概ねcはbの1/2前後、dは10〜30mm程度であることが適当である。この段差は、少なくとも互いに平行な2辺にあれば効果があるが、最も好ましくは外周全周にわたって連続して設けられていることが好ましい。また、段差の段数は、図1では2段の例を示しているが、3段などその他の段数でも良く、周辺の寸法や嵌合するクリップのデザイン等に合わせて決定すれば良い。
【0019】
この段差は、外周部の剛性を全体的に高めることができ、さらに捩れ時の変形も抑制する。また、取り扱い時の指掛りが良くなり、ハンドリング性が向上するほか、蓋体とのクリップ締結に利用した場合、容器本体下面にクリップが突出しないという利点がある。
また、図1および図2の例では、容器本体の中央面内にはリブを設けていないが、もちろん、ここに様々な形のリブを設けて本発明と組み合わせることも可能で、適切な形状のリブと組み合わせた場合には、さらに剛性の高い容器を得ることができる。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
帯電防止ABS(黒色)(東レ(株)製商品名:トヨラックパレル)のシート材を用い、真空成形法により、図7に示す形状の容器本体71およびこれと嵌合する蓋体(図示しない)を製作した。蓋体と嵌合した状態は図3のようになる。この容器の大きさは、外形890×690mm、高さ38mm、シートの厚さは5mmとした。そして、外周長辺73、短辺74の接続部形状は、長辺と成す角度a=45°、長さL=70mmとした。また、外周には連続した段差を設け、その寸法は、外周部の高さb=38mm、段差の高さc=20mm、奥行きd=15mmとした。
【0021】
そして、この容器本体にペリクルを固定するために、収納するペリクルの位置に合わせてPPS製の固定ピン75およびABS製のピンホルダー76をボルト(図示しない)にて取り付けた。ピン75は、ピンホルダー76中に挿入保持されるが、ロック機構により脱着が可能な構造となっている。ピン75の先端は、ペリクルフレーム77の側面に設けられた冶具穴(図示しない)に挿入可能な構造となっており、ペリクルフレームとの接触面には、発塵防止のため、リング状のフッ素ゴム緩衝材(デュポンエラストマー(株)製、商品名:バイトン)(図示しない)を取り付けた。その後、クリーンルーム内にて清浄に純水洗浄を行い、完成した容器本体に実際にペリクル77を搭載し、ピン75にて固定した。
【0022】
そして、容器本体を水平な定盤上に置き、容器本体の1箇所のコーナー部を上方へ少し持ち上げてみた。その結果、容器本体には数mmの捩れ変形が認められたが、搭載したペリクルは容器本体表面にしっかりと固定されたままで、特に変化は見られなかった。また、ピン75を取り外し、ペリクル77のピン75が挿入されていた冶具孔を観察したが、特に汚染は見られなかった。そして、この容器本体の重量は3.2kgであった。
【0023】
[実施例2]
上記実施例1と同様にして、帯電防止ABS(黒色)のシート材を用い、真空成形法により、図8に示す形状の容器本体81およびこれと嵌合する蓋体(図示しない)を製作した。蓋体と嵌合した状態は図3のようになるが、容器本体81中央に、底面からの高さ20mmのリブ83,84が設けられている他は、実施例1と全く同一の形状である。ここで、このリブの形状は、捩れ時に屈曲点とならないよう、捩れ方向に対抗しつつも折れ曲がる対角線上に配置せず、なおかつリブ同士が交差して互いを切断することがないよう配慮されている。
【0024】
このペリクル収納容器について、クリーンルーム内にて清浄に純水洗浄を行い、完成した容器本体に実際にペリクル87を搭載し、ピンホルダー86中に挿入固定したピン85にて固定した。
そして、容器本体を水平な定盤上に置き、本体の1箇所のコーナー部を上方へ少し持ち上げてみた。その結果、容器本体にはほとんど捩れ変形は認められず、また、搭載したペリクルも容器本体表面にしっかりと固定されたままで特に変化は見られなかった。また、ピン85を取り外し、ペリクル87のピン85が挿入されていた冶具孔を観察したが、特に汚染は見られなかった。そして、この容器本体の重量は3.2kgであった。
【0025】
[比較例1]
上記実施例と同様にして、真空成形法により、図9に示す形状のペリクル収納容器本体91を製作し、固定ピン94およびピンホルダー95を取り付けた。その後、クリーンルーム内にて清浄に純水洗浄を行い、完成した容器本体に実際にペリクル96を搭載し、ピン94にて固定した。
評価として、上記実施例と同様に、この容器本体を水平に静置した後、本体の1箇所のコーナー部を少し上方へ持ち上げてみた。すると、この容器本体はリブ93に沿って、大きく図5の如く、折れ曲がりが生じた。この時、搭載していたペリクル96を観察すると、この方向(対角線方向)に、容器本体の変形と同じ曲がりが生じ、ペリクル膜の一部にはシワが生じていた。また、ペリクル96の冶具孔からピン94を引き抜いたところ、冶具孔内には、ピンが強く擦れて発生した異物が、蛍光灯下でも直ちに判るほど、多数付着しており、これは清浄度保持の点から全く許容できないものであった。
【0026】
[比較例2]
上記実施例1、2、比較例1と同様にして、真空成形法により、図6に示す形状のペリクル収納容器本体61を製作し、固定ピン62およびピンホルダー63を取り付けた。また、この容器本体の外側には、補強のために、6000系アルミニウム合金の棒状補強体65、66(幅40mm×厚さ5mm)を日の字型に組み合わせ、ABS樹脂製のピンホルダー63、補強体固定具64および容器本体61とボルト(図示しない)にてしっかりと締結し、容器本体を完成させた。
その後、クリーンルーム内にて、清浄に純水洗浄を行い、完成した容器本体に実際にペリクル67を搭載し、固定ピン62にて固定した。
【0027】
そして、上記実施例、比較例1と同様にして、容器本体を水平な定盤上に置き、本体の1箇所のコーナー部を上方へ少し持ち上げてみた。その結果、容器本体にはほとんど捩れ変形は認められず、また、搭載したペリクルも容器本体表面にしっかりと固定されたままで、外観上も特に不具合は認められなかった。そして、固定ピンをペリクル67の冶具孔から引き抜き、暗室内のハロゲンランプにて観察したが、冶具孔周辺は全く清浄なままであった。
この容器本体の重量は4.2kgであった。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明によれば、樹脂のシート材から軽量で且つ剛性を有する大型のペリクル収納容器を形成することができ、その上、成形においても簡易な製法が採用できるので、大型ペリクル容器が安価に大量に供給することができ、ペリクルを利用する技術分野に貢献する処大である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のペリクル収納容器の容器本体の一例を示す概略説明図である。
【図2】本発明のペリクル収納容器の容器本体の変形例を平面方向から見た概略説明図である。
【図3】本発明のペリクル収納容器の全体構成を示す斜視図である。
【図4】従来用いられてきたペリクル収納容器の容器本体のリブ構造の一例を示す概略説明図である。
【図5】従来用いられてきたペリクル収納容器の容器本体における変形の形態を示した斜視説明図である。
【図6】従来用いられてきたアルミ製補強体を用いたペリクル収納容器の容器本体の一例を示す概略説明図である。
【図7】本発明によるペリクル収納容器の容器本体の一実施例を示す概略説明図である。
【図8】本発明によるペリクル収納容器の容器本体の一実施例を示す概略説明図である。
【図9】従来用いられてきたリブ構造を用いたペリクル収納容器の容器本体の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0030】
11 ペリクル収納容器本体
12 ペリクル載置台
13 外周(長辺)
14 外周(短辺)
a 外周接続部の辺が長辺と成す角度
L 外周接続部の辺の長さ

21 ペリクル収納容器本体
22 ペリクル載置台
23 外周(長辺)
24 外周(短辺)
R 外周接続部の半径

31 ペリクル収納容器本体
32 蓋体
33 クリップ

41 ペリクル収納容器本体
42 ペリクル載置台
43a,43b リブ
44a,44b 容器本体外形に基づく対角線
45,46,47,48 容器本体コーナー部
49 リブの交差点

61 ペリクル収納容器本体
62 ペリクル固定ピン
63 ピンホルダー
64 補強体固定具
65 アルミニウム合金製補強体(短)
66 アルミニウム製補強体(長)
67 ペリクル

71 ペリクル収納容器本体
72 ペリクル載置台
73 外周(長辺)
74 外周(短辺)
75 ペリクル固定ピン
76 ピンホルダー
77 ペリクル

81 ペリクル収納容器本体
82 ペリクル載置台
83 リブ
84 リブ
85 ペリクル固定ピン
86 ピンホルダー
87 ペリクル

91 ペリクル収納容器本体
92 ペリクル載置台
93 リブ
94 ペリクル固定ピン
95 ピンホルダー
96 ペリクル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペリクルを載置する容器本体と、ペリクルを被覆すると共に容器本体と周縁部で嵌め合い係止する蓋体とからなるペリクル収納容器において、容器本体および蓋体は樹脂のシート材を成形したものであり、それらの外周長辺と外周短辺の接続部は、平面方向に見た場合に、長辺と成す角度が30°以上60°未満でなおかつ長さ50mm以上の直線形状に形成されていることを特徴とするペリクル収納容器。
【請求項2】
ペリクルを載置する容器本体と、ペリクルを被覆すると共に容器本体と周縁部で嵌め合い係止する蓋体とからなるペリクル収納容器において、容器本体および蓋体は樹脂のシート材を成形したものであり、それらの外周長辺と外周短辺の接続部は、平面方向に見た場合に、半径40mm以上の円弧形状に形成されていることを特徴とするペリクル収納容器。
【請求項3】
ペリクルを載置する容器本体と、ペリクルを被覆すると共に容器本体と周縁部で嵌め合い係止する蓋体とからなる樹脂のシート材を成形したペリクル収納容器において、容器本体の互いに平行な2辺が、側面方向から見た場合に、外周部が少なくとも2段の立面を有する形状に形成されていることを特徴とするペリクル収納容器。
【請求項4】
容器本体の互いに平行な2辺が、側面方向から見た場合に、外周部が少なくとも2段の立面を有する形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のペリクル収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−280066(P2008−280066A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125691(P2007−125691)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】