説明

ページ領域画像オフセット方法及びシステム

【課題】ラスタ画像をレンダリングするための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】ラスタ画像がレンダリングされる特殊媒体に関してラスタ画像を分析して、前記特殊媒体の特定の部分と前記ラスタ画像との間に差異が存在するかどうかを判断し、前記差異が存在すると判断された場合には、オフセットする前記ラスタ画像の少なくとも1つの領域を選択して、該ラスタ画像を再レンダリングし、該ラスタ画像に関する非破壊的編集能力と、該特殊媒体を介する該ラスタ画像のレンダリングに関連した品質問題の迅速な解決を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般に、レンダリング装置及びカスタマイズされた媒体に関する。実施形態はまた、一般に、コンピュータ及び同様の技術の分野、具体的には、この分野で使用されるソフトウェアに関する。さらに、実施形態は、特殊媒体のレンダリングのための方法及びシステムに関する。実施形態はまた、ラスタ画像処理に関する。
【背景技術】
【0002】
ラスタ画像プロセッサ(RIP)は、出力装置によってレンダリングするのに好適なフォーマットで出力データを与える。1つの好適なフォーマットは、ビットマップを形成するバイナリドットパターンである。出力装置によるレンダリングは、例えば、プリンタによる印刷、又は画面若しくはモニタ上での情報の表示を含むことができる。ラスタ画像プロセッサは、1つ又はそれ以上のページ記述の入力を受信する。ページ記述は、フォント、グラフィックスなど各ページの体裁を記述するものについての情報を含む。ページ記述は、高水準言語であってもよいし、又は、さらに別の、出力装置よりも高い又は低い解像度のビットマップであってもよい。高水準のページ記述言語のいくつかの例は、PostScript(PS)、Portable Document Format(PDF)、及びExtensible Markup Language(XML)Paper Specification(XPS)である。ラスタ画像プロセッサは、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアのいずれかとして実装することができる。典型的には、ラスタ画像プロセッサは、デジタルフロントエンド(DFE)に存在する。ラスタ画像プロセッサは、ラスタ画像処理(RIPping、リッピング)を実行する。ラスタ画像処理は、出力装置(例えば、デスクトッププリンタ)による出力のために、ページ記述をビットマップに変換する処理である。
【0003】
いくつかのファイルに対するラスタ画像処理は、処理するのに不当に長い時間がかかることがある。このことは、カラーグラフィックス及び/又は可変データを含む大容量のファイルについて当てはまることが多い。生来カラーグラフィックスを含むファイルは、大きいページ記述及びそれに対応して大きいビットマップを有する傾向がある。可変データファイルは、文書がカスタマイズ又は個人化されることを可能にする。カラー及び個人化された通信に対する要求が増すに伴い、ラスタ画像プロセッサの性能に目立った低下が現れている。
【0004】
カスタマイズされた写真アプリケーションに対する特殊媒体上での画像のレンダリングは、例えば、使用される媒体の厳しい要件のために、またラスタ画像形成処理との関連で使用されるときに、特定の課題を提起することがある。例えば、FlipPix等の特殊写真媒体を通して、例えば差別化した写真製品を提供する小売の写真業務の大部分は、高価な媒体と小売環境下の高い回転率との組合せに起因する固有の問題を有する。「FlipPix」は、ニューヨーク州ソルトポイント所在のIMCOM社の商標であることに留意されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、FlipPixに用いられるような写真アプリケーションのための媒体は、ページの全区域内での非常に厳しい位置合わせを必要とする、極めて複雑なダイにより予めカットされる。写真コンテンツは、ページ上の正しい位置に入らなければならないだけでなく、画像が隣接する特定の画像及び特定の位置は、媒体内の特定の切れ目又は折り目と一直線でなければならない。具体的には、現在の手法は、ページ内のある領域ではなく、ページ全体をシフトできるに過ぎず、そのことが向上したレンダリングのために画像をオフセットするのを困難にするため、このことは、デジタル印刷機上でレンダリングするときには問題を起す可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ラスタ画像をレンダリングするための方法及びシステムが開示される。特殊媒体の特定の部分とラスタ画像との間に差異が存在するかどうか判断するために、ラスタ画像がレンダリングされる特殊媒体に関してラスタ画像を分析することができる。したがって、そのような差異が存在すると判断された場合には、その後ラスタ画像を再レンダリングし、それによってラスタ画像に関する非破壊的な編集能力、及び、特殊媒体を介してラスタ画像をレンダリングすることに関連する品質問題の迅速な解決を提供するために、ラスタ画像の1つ又はそれ以上の領域を、オフセットのために選択することができる。特殊媒体の特定の部分とラスタ画像との間で識別された差異は、例えば、特殊媒体の部分のそのような部分とラスタ画像との間の位置ずれである場合がある。ラスタ画像は、次いで、オフセットするラスタ画像の領域を選択した後、再レンダリングすることができ、ラスタ画像は、再レンダリングされたときにはオフセットを含む。位置ずれは、印刷された用紙上で検出できることに留意されたい。
【0007】
本明細書で用いられる「ラスタ画像」という用語は、例えばリッピングされた画像を指すことができる。「RIP」又は「リップ(rip)」という用語は、一般に、「ラスタ画像プロセッサ」を指し、典型的には、コンピュータ等のデータ処理システム/装置のメモリ位置に格納されたデータを、フィルム又は印画紙上に出力される小さいドットから成る一連のラインに変換するハードウェア及び/又はソフトウェアである。線画においては、ドットは、ベタ区域を生成するようにグループ化することができる。
【0008】
本明細書に説明される手法は、したがって、ラスタ画像の特定の部分(例えば、リッピングされた画像コンテンツ)のオフセットを可能にするため、既存の画像オフセット機能の向上を可能にする。ユーザは、オフセットするラスタ画像の領域(例えば、リッピングされた文書)を指定することができる「向上した」オフセットモードに入ることができる。ユーザは、設計上の考慮事項に応じて、オフセット領域を自動的に定めてもよいし(特殊媒体を用いる写真アプリケーションは、ページ上に個別のコンテンツ項目を配置するため)又は手動で定めてもよい。
【0009】
こうした手法は、複数の恒久的で編集可能な画像選択を生成する能力と共に、リッピング及びレンダリング処理の一部として、ページ領域上での画像シフトの実行(及び他の操作)を可能にする。開示される手法はまた、非破壊編集を可能にする(従来技術の手法は、例えば調整層のような、画像全体に適用されるフィルタに限定される非破壊編集を与えるに過ぎないことに留意されたい)。開示される手法はまた、他の典型的な媒体特性に加えて、ダイカットを包含することができる媒体定義を可能にすることと共に、サブページの画像シフト及び他の操作に対して、ページ領域区域の自動生成を可能にする。画像シフト(及び他の操作)区域の定義は、例えば、ダイカット記述に基づくことができる。こうした手法に従って、ページ領域の画像シフト(及び他の操作)は、例えばFlipPix媒体等の特殊媒体上に印刷することに関連する典型的な品質問題を解決するための機構を提供する。
【0010】
提案される方法は、ユーザが、ページ上の選択された領域について、DFE(デジタルフロントエンド)において、画像(x,y)オフセットを指定することを可能にする。現在、ページ全体をシフトすることはできるが、ページのある領域をシフトすることはできない。ユーザは、該ユーザが、オフセットするリッピングされた文書の領域を指定することができる「向上した」オフセットモードに入ることができる。領域は、ユーザによって手動で選択されるか、又はシステムによって自動的に強調表示されるかのいずれかとすることができる。こうした手法は、個人化された梱包(例えば、画像が箱の上部及び側面に配置されており、プリンタで調整が必要である)を印刷する際に、又はページ内の精密な位置合わせを必要とする特殊媒体上に印刷するとき、特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を具体化することができるコンピュータシステムの概略図である。
【図2】本発明を実行するためのオペレーティングシステム、アプリケーションソフトウェア、及びユーザインターフェースを含む、ソフトウェアシステムの概略図を示す。
【図3】好ましい実施形態による、ページ領域画像オフセットでラスタ画像をレンダリングするための方法の論理的操作ステップを示す操作の流れ図を示す。
【図4】好ましい実施形態による、画像オフセットに使用可能なページ定義を定めるための機構を可能にする方法の論理的操作ステップを示す操作の流れ図を示す。
【図5】代替的な実施形態による、画像オフセットに使用可能なページ定義を定めるための機構を可能にする方法の論理的操作ステップを示す操作の流れ図を示す。
【図6】代替的な実施形態による、向上した媒体定義に基づいて、ページ領域を定めるための方法の論理的操作ステップを示す操作の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1−図2は、本発明の実施形態を実装することができるデータ処理環境の例示的な図として提供される。図1−図2は例示的なものに過ぎず、本発明の態様又は実施形態を実装することができる環境に関して、どのような制限も表明又は意味することを意図するものではないことが理解されるべきである。本発明の精神と範囲から逸脱することなく、示される環境に対する多数の修正を行うことが可能である。
【0013】
図1に示されるように、本発明は、一般に、中央プロセッサ101と、メインメモリ102と、入力/出力コントローラ103と、例えばキーボード104等の入力装置104と、ポインティング装置105(例えば、マウス、トラックボール、ペン装置など)と、表示装置106と、大容量記憶装置107(例えば、ハードディスク)とを含むデータ処理システム100に関連して具体化及び/又は実装することができる。レンダリング装置108等の付加的な入力/出力装置は、所望に応じて、データ処理システム100と関連して使用することができる。図示されるように、データ処理システム100の各種構成要素は、システムバス110又は同様のアーキテクチャを通して通信する。
【0014】
図2に示されるように、データ処理システム100の操作を指示するためのコンピュータソフトウェアシステム200を提供することができる。システムメモリ102内及びディスクメモリ107上に格納されるソフトウェアシステム150が、カーネル又はオペレーティングシステム151と、シェル又はインターフェース153とを含む。アプリケーションソフトウェア152等の1つ又はそれ以上のアプリケーションプログラムは、データ処理システム100による実行のために「ロード」する(即ち記憶装置107からメモリ102へと転送する)ことができる。データ処理システム100は、ユーザインターフェース153を通してユーザコマンド及びデータを受信し、これらの入力は次いで、オペレーティングモジュール151及び/又はアプリケーションモジュール152からの命令に従って、データ処理システム100により動作することができる。
【0015】
グラフィカルユーザインターフェース(GUI)であることが好ましいインターフェース153はまた、結果を表示するようにも機能し、これによりユーザは付加的な入力を与え又はセッションを終了することができる。1つの特定の実施形態では、オペレーティングシステム151及びインターフェース153は、「Windows(登録商標)」システムと関連して実装することができる。別の実施形態では、オペレーティングシステム151及びインターフェース153は、Linux、UNIX(登録商標)等の他のオペレーティングシステムと関連して実装することができる。一方、アプリケーションモジュール152は、例えば、図5に示す方法500等の本明細書に説明される各種構成要素及びモジュールに対する、本明細書に説明される各種操作等の命令を含むことができる。
【0016】
以下の説明は、図1に示されるデータ処理システム100及び図2に示されるコンピュータソフトウェアシステム150等のデータ処理システムと関連して具体化することができる、本発明の実施形態に関して提示される。しかしながら、本発明は、いかなる特定の適用例又はいかなる特定の環境にも制限されるものではない。むしろ、当業者であれば、本発明のシステム及び方法は、データベース管理システム、ワードプロセッサ及び同様のものを含む多様なシステム及びアプリケーションソフトウェアに有利に適用できることを理解するであろう。さらに本発明は、Macintosh、UNIX(登録商標)、LINUXなどを含む、多様な異なるプラットフォーム上で具体化することができる。したがって、以下に続く例示的な実施形態の説明は、説明目的のためであり、制限として考慮されるものではない。
【0017】
図3は、好ましい実施形態による、ページ領域画像オフセットでラスタ画像をレンダリングするための方法300の論理的操作ステップを示す操作の流れ図を示す。それぞれ図3、図4、図5及び図6に示される方法300、400、500及び600は、プログラム製品を含むコンピュータ使用可能媒体に関連して実装することができる。こうした方法はまた、プログラム製品を含むコンピュータ使用可能媒体において実装することができる。
【0018】
図3乃至図6に示されるような、特定の機能/命令を定めるプログラムは、制限なく、書き込み不能記憶媒体(例えばCD−ROM)、書き込み可能記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ、読み取り/書き込みCD ROM、光学媒体)、これに限定されるものではないがランダムアクセスメモリ(RAM)などのシステムメモリ、イーサネット(登録商標)、インターネット、無線ネットワーク、及び同様のネットワークシステムを含むコンピュータ及び電話ネットワークのような通信媒体を含む、多様な信号支持媒体を介して、データ記憶システム又はコンピュータシステムに供給することができる。したがって、こうした信号支持媒体は、本発明における方法機能を指示するコンピュータ可読命令を保持する又はコード化するとき、本発明の代替的な実施形態を表すことを理解すべきである。さらに、本発明は、本明細書又はその均等物に説明されるように、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組合せの形態で構成要素を有するシステムによって実装できることを理解すべきである。
【0019】
したがって、それぞれ図3、図4、図5及び図6に示され、かつ本明細書に説明される方法300、400、500及び600は、例えば、図1−図2に示されるコンピュータシステム又はデータ処理システムに関連した処理ソフトウェアとして配置することができる。例えば、方法300、400、500及び600の命令は、例えば図1のメインメモリ102及び/又は大容量記憶装置107内に格納し、次いでプロセッサ101を介して処理することができる。レンダリング及び「リッピング」は、例えば、レンダリング装置108を介して行うことができる。
【0020】
本明細書で使用されるように、ラスタ画像プロセッサ(RIP)は、出力装置によってレンダリングするために好適なフォーマットで出力データを提供できることに留意されたい。プロセッサ101は、例えば、RIPとの関連で構成することができる。1つの好適なフォーマットは、ビットマップを形成する未加工のバイナリドットパターンである。出力装置によるレンダリングは、例えば、プリンタによる印刷、画面上での表示、及びスキャナによる走査等のレンダリングを含むことができる。ラスタ画像プロセッサは、1つ又はそれ以上のページ記述の入力を受信する。ページ記述は、各ページの体裁を記述する、フォント、グラフィックスなどについての情報を含む。
【0021】
ページ記述は、設計上の考慮事項に応じて、高水準言語で、又は出力装置よりも高い又は低い解像度の別のビットマップでも実装することができる。高水準ページ記述言語のいくつかの例は、PostScript(PS)、Portable Document Format(PDF)、及びExtensible Markup Language(XML)Paper Specification(XPS)である。ラスタ画像プロセッサは、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアのいずれかとして実装することができる。典型的には、ラスタ画像プロセッサは、デジタルフロントエンド(DFE)に存在する。ラスタ画像プロセッサは、ラスタ画像処理(リッピング)を実行する。ラスタ画像処理は、出力装置(例えば、デスクトッププリンタ、写真プリンタ、デジタル印刷機など)による出力のために、ページ記述をビットマップに変換する処理である。
【0022】
図3のブロック302に示されるように、プロセスを開始することができる。次に、ブロック304に示されるように、画像をリッピングし、レンダリングすることができる。例えば、ユーザは、特殊写真媒体上に文書をリッピングし、印刷することができる。その後、ブロック306に示されるように、特殊媒体のダイカット要素とレンダリングされた画像を比較するために操作を行うることができる。次に、ブロック308で説明されるように、ラスタ画像(例えばリッピングされたページ)と、ラスタ画像がレンダリングされる特殊媒体との間に差異が存在するかどうかを判断するために試験を行うことができる。ブロック308に示されるシナリオでは、例えば、特殊媒体とラスタ画像との間に差異がないと判断された場合には、ブロック316に示されるように、プロセスを簡単に終了することができる。
【0023】
しかしながら、特殊媒体のダイカット要素と印刷された画像との間に位置ずれが存在する等、差異が存在すると判断された場合には、ユーザは、その後のブロック310に示されるように、DFEに戻って、リッピングされたページ上の定められた領域に対して画像シフトを指定することができる。次いで、ジョブをレンダリングする前に、ブロック312に示されるように、DFEは、ページ領域画像シフト仕様に定められたページ区域の各々において、リッピングされたコンテンツをオフセットすることができる。次いで、ブロック314に示されるように、ジョブを再レンダリングすることができる。ブロック314で説明される操作の処理に続いて、ブロック306に示される操作を処理することができ、続いてブロック316に示されるようにプロセス全体が最終的に終了するまで、ブロック306、308、310、312、314などに示される操作の処理が続く。位置ずれは、印刷された用紙上で検出できることに留意されたい。
【0024】
図4は、好ましい実施形態による、画像オフセットに使用可能なページ定義を定めるための機構を可能にする方法400の論理的操作ステップを示す操作の流れ図を示す。この方法400は、独立型の方法として実装してもよいし、又は図3に示される方法300と関連して実装してもよいことに留意されたい。図4のブロック404に示されるように、プロセスを開始することができる。簡単な実施においては、例えば、ブロック406に示されるように、選択ツールと併せてプレビューをDFEオペレータに提供することができる。次に、ブロック408に示されるように、DFEオペレータは、典型的には画像操作プログラムで使用可能な選択ツール(例えばマーキー、ラッソなど)を用いて、リッピングされた画像の部分を選択することができる。
【0025】
次いで、ブロック410に示されるように、選択が行われたかどうかを判断するために試験を行なうことができる。選択が行われていない場合には、ブロック411に示されるように、選択の別の試みを行なうかどうかを判断するために試験を行なうことができる。選択の別の試みを行なう場合には、ブロック408に示される操作を繰り返し、以下同様である。選択の別の試みを行なわない場合には、ブロック416に示されるようにプロセスは終了する。しかしながら、ブロック410に示される試験に関して選択が行われた場合には、一旦選択が行われると、ブロック412に示されるように、その選択を保存し、その選択に対して画像オフセット又は他の操作を指定することができる。ブロック414に説明されるように、文書のレンダリング後であっても、行われた全ての選択は、持続的かつ編集可能とすることができる。次いで、ブロック416に示されるように、プロセスを終了することができる。
【0026】
図5は、代替的な実施形態による、画像オフセットに使用可能なページ定義を定めるための機構を可能にする方法500の論理的操作ステップを示す操作の流れ図を示す。方法500の手法は、上述の方法300及び400と共に、又は独立型の方法として、或いは、例えば方法400の代わりに実装することができる。ブロック502で説明されるように、一般的に、プロセスが開始する。その後、ブロック504に示されるように、自動的に選択を定めるための操作を処理することができる。即ち、例えば、ユーザは、選択が自動的に定められるように要求することができる。この要求を完了するために、ブロック506に示されるように、ラスタ画像が評価され、かつ、白色以外のコンテンツを有する区域の周りに選択が生成される。次に、ブロック508に示されるように、リッピングされたページの部分を自動的に選択することができる。
【0027】
特殊媒体(例えば、特殊写真製品媒体)は、剥がされ、折り畳まれ、それ自体に貼り付けられたシートから、比較的小さい完成品を製造するように設計されているため、入力文書は、白色の背景に対して配置された別々の画像を含むことに留意されたい。ページ内のこれらの画像を検出することは、比較的簡単なプロセスである。さらに、特殊媒体におけるダイカットに対する1対1の関係が存在するので、ページ領域選択を指定することにより、所望の結果をもたらすことができる。
【0028】
ブロック508に示される操作の処理に続いて、ブロック510に示されるように、選択が行われたかどうかを判断するために試験を行なうことができる。選択が行われていない場合には、ブロック511に示されるように、選択の別の試みが行われるかどうかを判断するために試験を行なうことができる。選択の別の試みが行なわる場合には、ブロック508に示される操作を繰り返し、以下同様である。選択の別の試みが行なわれない場合には、ブロック516に示されるように、プロセスは終了する。しかしながら、ブロック510に示される試験に関して選択が行われた場合には、一旦選択が行われると、ブロック512に示されるように、その選択を保存し、画像オフセット又は他の操作をその選択に対して指定することができる。ブロック514に説明されるように、行われた全ての選択は、文書のレンダリング後であっても、持続的かつ編集可能とすることができる。次いで、ブロック516に示されるように、プロセスを終了することができる。
【0029】
図6は、代替的な実施形態による、向上した媒体定義に基づいてページ領域を定める方法600の論理的操作ステップを示す操作の流れ図を示す。図6に示される方法600は、設計上の考慮事項に応じて、独立型の方法として、又は上述の方法300、400、及び500と関連して実装できることに留意されたい。ブロック602に示されるように、プロセスが開始する。
【0030】
その後、ブロック604に示されるように、向上した媒体定義に基づいて、ページ領域定義を定めることができる。ブロック606に示されるように、こうした媒体定義は、典型的な媒体特性及び/又は媒体自体におけるダイカットの記述を含むことができる。次にブロック608に示されるように、次いでダイカット定義を使用して、画像シフト区域を定めることができる。これを達成するために、ブロック610に示されるように、ダイ周縁部を計算することができる。その後、ブロック612に示されるように、ユーザ設定可能閾値により、ダイ周縁部によって定められた輪郭を拡張するように操作を処理することができる。ブロック614に示されるように、こうした区域は次いで、画像シフト選択を定める。ブロック616に示されるように、次いでプロセルが終了する。
【0031】
代替的には、媒体定義は、ダイカット定義の代わりにオフセットのためのページ領域を含み得ることに留意されたい。この場合、DFEは、定められた区域をそのまま使用する。しかしながら、全ての場合において、ユーザは、結局、リッピングされたページ内のコンテンツの1又はそれ以上の選択を行なうことになる。これらの選択の各々と関連した操作は、文書印刷の前にも又は後にも編集可能である。
【0032】
操作は非破壊的である。即ち、システムは、文書に対するオリジナルの画像データを保持し、選択区域及びそれらの選択区域に対して定められた操作を格納する。リッピング中、選択された定められた区域、及び定められた操作は文書の区域に適用される。しかしながら、結果として得られる画像データは、オリジナルの入力データ、領域選択定義、及び定められた操作と共に、文書の別々の構成要素として格納することができる。したがって、ユーザは、いつでも(例えば、レンダリングの後)、オリジナルの画像の選択区域及び操作を編集することができる。
【0033】
上記に基づいて、開示される方法及び/又はシステムの実施から多数の利点がもたらされ得ることを理解することができる。例えば、リッピング及びレンダリング処理の一部として、画像シフト(及び他の操作)をページ領域上で実行することができる。さらに、別の利点は、複数の恒久的かつ編集可能な画像選択を生成する能力に伴って生じる。こうした手法はまた、サブページ画像シフト及び他の操作に対して、ページ領域の非破壊的編集及び自動生成を提供するという利点も有する。付加的な利点として、ダイカット記述に基づいた画像シフト(及び他の操作)区域の定義と共に、他の典型的な媒体特性に加えて、ダイカットを包含する媒体定義が挙げられる。媒体定義はまた、ページ領域定義を含むこともできる。最終的に、ページ領域画像シフト及び他の操作は、特殊媒体上でのレンダリングと関連した典型的な品質問題を解決するための機構を提供することができる。
【符号の説明】
【0034】
100:データ処理システム
101:中央プロセッサ
102:メインメモリ
103:入力/出力コントローラ
104:キーボード
105:ポインティング装置
106:表示装置
107:大容量記憶装置
108:レンダリング装置
110:システムバス
150:ソフトウェアシステム
151:オペレーティングモジュール(オペレーティングシステム)
152:アプリケーションモジュール(アプリケーションソフトウェア)
153:インターフェース
200:コンピュータソフトウェアシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラスタ画像をレンダリングする方法であって、
ラスタ画像がレンダリングされる特殊媒体に関してラスタ画像を分析して、前記特殊媒体の特定の部分と前記ラスタ画像との間に差異が存在するかどうかを判断し、
前記差異が存在すると判断された場合には、オフセットする前記ラスタ画像の少なくとも1つの領域を選択して、その後該ラスタ画像を再レンダリングし、これにより、該ラスタ画像に関する非破壊的編集能力と、該特殊媒体を介する該ラスタ画像のレンダリングに関連した品質問題の迅速な解決とを提供する、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記差異は、前記特殊媒体の前記特定の部分と前記ラスタ画像との間の位置ずれを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ラスタ画像をレンダリングするシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたデータバスと、
前記データバスに結合された、コンピュータコードを具体化するコンピュータ使用可能媒体とを含み、前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサにより実行可能であり、かつ、
ラスタ画像がレンダリングされる特殊媒体に関してラスタ画像を分析して、前記特殊媒体の特定の部分と前記ラスタ画像との間に差異が存在するかどうかを判断し、
前記差異が存在すると判断された場合には、オフセットする該ラスタ画像の少なくとも1つの領域を選択して、その後前記ラスタ画像を再レンダリングし、これにより、該ラスタ画像に関する非破壊的編集能力と、該特殊媒体を介する該ラスタ画像のレンダリングに関連した品質問題の迅速な解決とを提供する、
ように構成された命令を含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
前記差異は、前記特殊媒体の前記特定の部分と前記ラスタ画像との間の位置ずれを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記命令は、オフセットする前記ラスタ画像の前記少なくとも1つの領域を選択した後に該ラスタ画像を再レンダリングするようにさらに構成され、該ラスタ画像は、再レンダリングされたときに前記オフセットを含むことを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
コンピュータプログラムコードを具体化する、ラスタ画像をレンダリングするためのコンピュータ使用可能媒体であって、前記コンピュータプログラムコードは、
ラスタ画像がレンダリングされる特殊媒体に関して該ラスタ画像を分析して、前記特殊媒体の特定の部分と前記ラスタ画像との間に差異が存在するかどうかを判断し、
前記差異が存在すると判断された場合には、オフセットする前記ラスタ画像の少なくとも1つの領域を選択して、その後該ラスタ画像を再レンダリングし、これにより、該ラスタ画像に関する非破壊的編集能力と、該特殊媒体を介する該ラスタ画像のレンダリングに関連した品質問題の迅速な解決とを提供する、
ように構成されたコンピュータ実行可能命令を含むことを特徴とするコンピュータ使用可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−231785(P2010−231785A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63557(P2010−63557)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】