説明

ペースト状カキ肉エキスの製造方法

【課題】現代人の体に不足しがちな亜鉛・セレンなどのミネラルやビタミン、タウリン、グリコーゲン、蛋白質その他有益な物質の含有率、抽出度がきわめて高効率であるカキ肉エキスを濃密ペースト状に製造する製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、抽出容器内に生カキ肉を収納し、カキ肉エキスを第1回抽出すると共に、カキ肉エキス抽出後のカキ肉エキスを取り出し、第1回抽出されたカキ肉が存する抽出容器内に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、濃縮して濃縮液を生成し、濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、自然沈殿させ、自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成した、ことを特徴とするを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、生ガキ等のカキ肉よりカキ肉のエキスを余すところなく効率よく抽出すると共に、カキ肉内に存する有益な有効微量成分を逃すことなく抽出して製造できる、カキ肉エキスの製造方法に係り、特に濃密なペースト状カキ肉エキスを製造する製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カキ肉のエキスは健康補助食品として有益物質を多く含んだ極めて優れた製品であると一般にその認識度は日増しに高まっている。
そして、現在では例えば多種多様な抽出法によって抽出されたカキ肉エキスに関する健康補助食品が販売されている(特開平10−136946号公報)。
【0003】
特に、摂取不足が問題となっているミネラル成分中でもタウリン、亜鉛、セレンは人間にとって必要不可欠な微量元素で失われやすく適量摂取が望まれている。
【0004】
また、糖尿病は、血糖を低下させるホルモン「インスリン」の働きが弱まったり、インスリンが不足して血液中の糖分が異常に高くなる病気であるが、このインスリンの血糖低下の働きを助けているのが、亜鉛・セレンなどのミネラルである。これらのミネラルは「インスリン作用を持つ」といわれるように、実際に糖尿病患者にこれらのミネラルを補給すると、血糖値が低下することが認められている。
しかして、かかるカキ肉のエキスの抽出に際しては、現代人の体に必要な亜鉛・セレンなどの体に優しいミネラルやビタミン、タウリン、グリコーゲン、蛋白質といったその他の有益な物質が豊富にバランス良く多量に含有されている。効率よくカキ肉エキス中に回収できる様抽出することが望ましい。
【0005】
さらに、かかるカキ肉エキスを濃密なペースト状にて得ることができれば、健康生活において、水やお湯に溶かして飲むなどして手軽にカキ肉エキスを摂取できると共に、調味料として料理にも利用でき、高栄養のカキ肉エキスの利用の幅が拡がることになる。
【0006】
【特許文献1】特開平10−136946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かくして本発明は上記の課題に鑑みて創案されたものであり、現代人の体に不足しがちな亜鉛・セレンなどのミネラルやビタミン、タウリン、グリコーゲン、蛋白質その他有益な物質の含有率、抽出度がきわめて高効率であるカキ肉エキスを濃密ペースト状に製造する製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
水溶液が貯留された抽出容器内に生カキ肉を収納し、該抽出容器内の生カキ肉からカキ肉エキスを第1回抽出すると共に、前記カキ肉エキス抽出後のカキ肉エキスを取り出し、第1回抽出されたカキ肉が存する抽出容器内に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、
前記第1回抽出及びエタノール抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、該混合液を濃縮して濃縮液を生成し、
前記生成した濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、前記攪拌した後、濃縮液を自然沈殿させ、
前記自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成し、
前記ペースト状カキ肉エキスから水分とエタノール分を除去して、ペースト状カキ肉エキスを生成した、
ことを特徴とし、
または、
水溶液が貯留された抽出容器内に生カキ肉を収納し、該抽出容器内の生カキ肉からカキ肉エキスを第1回抽出すると共に、前記カキ肉エキス抽出後の生カキ肉を前記抽出容器内から取り出し、第2抽出容器内に収納すると共に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、
前記第1回抽出及びエタノール抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、該混合液を濃縮して濃縮液を生成し、
前記生成した濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、前記攪拌した後、濃縮液を自然沈殿させ、
前記自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成し、
前記ペースト状カキ肉エキスから水分とエタノール分を除去して、ペースト状カキ肉エキスを生成した、
ことを特徴とし、
または、
水溶液が貯留された抽出容器内に生カキ肉を収納し、該抽出容器を密閉して一気圧以下に減圧し、該減圧状態で生カキ肉からカキ肉エキスを第1回抽出すると共に、前記カキ肉エキス抽出後の生カキ肉を前記抽出容器内から取り出し、第2抽出容器内に収納すると共に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、
前記第1回抽出及びエタノール抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、該混合液を濃縮して濃縮液を生成し、
前記生成した濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、前記攪拌した後、濃縮液を自然沈殿させ、
前記自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成し、
前記ペースト状カキ肉エキスから水分とエタノール分を除去して、ペースト状カキ肉エキスを生成した、
ことを特徴とし、
または、
水溶液が貯留された抽出容器内に生カキ肉を収納し、該抽出容器を密閉して一気圧以上に加圧し、該加圧状態で生カキ肉からカキ肉エキスを第1回抽出すると共に、前記カキ肉エキス抽出後の生カキ肉を前記抽出容器内から取り出し、第2抽出容器内に収納すると共に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、
前記第1回抽出及びエタノール抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、該混合液を濃縮して濃縮液を生成し、
前記生成した濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、前記攪拌した後、濃縮液を自然沈殿させ、
前記自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成し、
前記ペースト状カキ肉エキスから水分とエタノール分を除去して、ペースト状カキ肉エキスを生成した、
ことを特徴とし、
または、
前記カキ肉エキスを第1回抽出した後の生カキ肉を抽出容器内から取り出し、第2抽出容器内に収納すると共に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスを抽出するエタノール抽出は、
複数回行える、
ことを特徴とし、
または、
前記生カキ肉は剥き身である、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による濃密なペースト状のカキ肉エキスの製造方法によれば、現代人の体に必要な亜鉛・セレンなどの体に優しいミネラルやビタミン、タウリン、グリコーゲン、蛋白質その他有益な物質を多量に含有させたカキ肉エキスを、健康生活において利便性の優れたペースト状にて効率よく抽出でき、その結果、製造された濃密なペースト状カキ肉エキスをバラエティに富んだ摂取方法で摂取できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施例を説明する。
まず、水溶液3を貯留した、例えば、いわゆる半球状をなすカマ型の抽出容器1内に、剥き身の生カキ肉2をそのままの形で、すなわち剥き身の生カキ肉2を破損や粉砕させることなく丁寧に収納する。
【0011】
そして、抽出容器1を密閉して減圧する。
この減圧の程度については何ら限定されるものではないが、1気圧以下に減圧するものであり、例えば0.01気圧(0.001メガパスカル)乃至0.99気圧7(0.099メガパスカル)程度、特に0.1気圧(0.01メガパスカル)乃至0.2気圧(0.02メガパスカル)程度が好ましいものである。また、減圧する時間も限定されるものではないが、30分乃至70分程度と解される。
また、抽出の際の温度であるが、何ら限定されない。40度C程度の温度でも構わないし、90度C程度の高温で行っても構わない。
【0012】
しかして、生カキ肉2から各種有効成分を効率よく抽出される。そして、前記の各種有効成分が抽出容器1内の水溶液内に効率よく溶け出す。特に、変性しやすい、壊れやすいビタミンなどは変性させることなく、またこれら有効成分を壊れない状態で抽出することが出来る。
しかも、この抽出量は通常の常圧1気圧(0.1メガパスカル)、そして50℃程度の温度の下で抽出した場合と比較し、かなりの増量が確認されている。
【0013】
なお、一気圧以上に加圧して抽出する、いわゆる加圧抽出でも構わない。例えば加圧の程度は、1.1気圧(0.11メガパスカル)乃至2.5気圧(0.25メガパスカル)程度が好ましいものである。また、加圧する時間も限定されるものではないが、5分乃至60分程度と解される。また、この際の温度についても何ら限定されない。従って30度C程度の低温でも構わないし、75度Cから120度Cでも構わない。なお、加圧すると温度はさらに上昇するものとなる。 以上の様に抽出した工程を第1回抽出とする。
【0014】
ついで、第1回抽出を行ったカキ肉エキスを抽出容器1から取り出し、第1回抽出を行ったカキ肉が存する抽出容器1内にエタノール溶液4を流入させる。
この場合も、生カキ肉2はそのまま抽出容器1内からほかの容器に移動させることがない。従って、生カキ肉2をそのままの形で、すなわち剥き身の生カキ肉2を破損や粉砕させることなく丁寧に扱ってエタノール抽出が出来る。
そして、抽出容器1を密閉して減圧する。
【0015】
なお、第1回抽出を行ったカキ肉を抽出容器1から取り出し、エタノール溶液4の入った第2抽出容器5内に収納してエタノール抽出しても構わない。特に後述する様に、エタノール抽出を加圧して行う場合には、抽出容器を変えなければならない場合があるからである。しかして、この場合も、生カキ肉2をそのままの形で、すなわち剥き身の生カキ肉2を破損や粉砕させることなく丁寧に収納するのが好ましい。
この減圧の程度については何ら限定されるものではないが、やはり1気圧以下に減圧するものであり、例えば0.01気圧(0.001メガパスカル)乃至0.99気圧7(0.099メガパスカル)程度、特に0.1気圧(0.01メガパスカル)乃至0.2気圧(0.02メガパスカル)程度が好ましいものである。また、減圧する時間も限定されるものではないが、30分乃至70分程度と解される。
【0016】
しかして、この抽出は前記のようにエタノール抽出と称され、カキ肉エキスの再抽出にはなるが、生カキ肉2から各種の有効成分を効率よく抽出できる。そして、前記の各種有効成分が第2抽出容器5内のエタノール溶液4内に効率よく溶け出す。特に、変性しやすい、壊れやすいビタミンなどは変性させることなく、またこれら有効成分を壊れない状態で抽出することが出来る。
【0017】
しかも、この抽出量は通常の常圧1気圧(0.1メガパスカル)、そして50℃程度の温度の下で抽出した場合と比較し、かなりの増量が確認されているのである。特に、エタノール溶液4内で抽出するエタノール抽出によって、前記生カキ肉2からエスタルジオールなる物質を効率よく抽出することが出来る。
【0018】
なお、前記エタノール抽出につき、一気圧以上に加圧して抽出しても構わない。
そして、この加圧抽出の場合は、抽出容器1を加圧抽出出来る第2抽出容器5に変更するものとなる。
加圧の程度は、例えば1.1気圧(0.11メガパスカル)乃至2.5気圧(0.25メガパスカル)程度が好ましいものである。また、加圧する時間も限定されるものではないが、5分乃至60分程度と解される。また、この際の温度についても何ら限定されない。低温で行っても構わないし、高温、すなわち75度Cから120度Cで行っても構わない。なお、加圧すると温度はさらに上昇するものとなる。以上の様に抽出した工程を前記したように、エタノール抽出と称する。
【0019】
次いで、前述した第1回抽出で得られたカキ肉エキス並びに前述した第2回抽出、すなわちエタノール抽出で得られたカキ肉エキスを混合して混合液6を生成する。そして、その混合液6の濃縮を行う。
【0020】
ここで、カキ肉エキスの濃縮方法については様々な方法があり、何ら限定されるものではない。減圧低温濃縮方法のほかに、常圧加熱による濃縮方法、膜による濃縮方法、加圧加熱による濃縮方法などがある。ここでは、減圧低温濃縮方法を採用した場合につき述べる。
【0021】
また、濃縮の際には、通常は温度上昇し、60℃乃至70℃の範囲、若しくはそれ以上の高温で作業されるが、減圧低温濃縮方法を採用すれば、これよりも低温でも作業することが出来る。
【0022】
次に、濃縮割合についてであるが、例えば前記第1回抽出及第2回抽出されたカキ肉エキスの混合液をその固形分の含有量が15〜45(W/W)%程度になるよう濃縮することが考えられる。
【0023】
次に、前記濃縮液にエタノール溶液4を加えて攪拌する。そして攪拌後、該エタノール溶液内で自然沈殿することとなり、該沈殿物7と上澄み液8とに分離される。
【0024】
ここで、従来は、前記沈殿物7を採取し、それを乾燥させてカキ肉エキスの乾燥物を生成し、上澄み液8は廃棄していた。しかし、上澄み液8にも、有効成分物質、例えば亜鉛、セレン、タウリンといった栄養素が多量に含まれている。
よって、かかる上澄み液8を利用し、濃密なペースト状のカキ肉エキスを製造する。
従って、本発明により、カキ肉のすべてを無駄なく使用し、そして、カキ肉内に存する各種の有効成分を無駄なく抽出し、製造できるものとなった。
【0025】
すなわち、例えば、前記上澄み液8を減圧しながら、例えば低温で加熱し、水分を適量に含んだ滑らかな濃密なペースト状になるまで濃縮を繰り返す。
ここで、当該濃縮方法については様々な方法があり、濃縮の方法については何ら限定されない。
ここでは、減圧低温濃縮方法が採用される。減圧低温濃縮方法のほかに、常圧加熱による濃縮方法、膜による濃縮方法、加圧加熱による濃縮方法などがある。
【0026】
また、濃縮の際には、通常は温度が上げられ、60℃乃至70℃の範囲、若しくはそれ以上の高温で作業されるが、減圧低温濃縮方法を採用すれば、これよりも低温であっても作業することが出来る。
この様に、上澄み液8を濃縮すると、徐々に濃密なペースト状のカキ肉エキスが生成される。
なお、上記説明したごとく、第1回抽出及びエタノール抽出で得られたカキ肉エキスを混合し混合液6を生成するが、該混合液6は攪拌後に、自然沈殿した沈殿物7を乾燥させることにより、いわゆる煎餅状の乾燥物ができあがり、これを粉砕して紛状物あるいは粒状物化し、それを固形化して最終的に錠剤として製品化している。
【0027】
しかしながら、前記上澄み液8を濃縮して、これを乾燥させても、煎餅状の乾燥物は得られない。すなわち、乾燥した固形物が得られないことがある。
そこで生成されるものは、湿気を含んだ濃密なペースト状のカキ肉エキスなのである。しかも、上記上澄み液8からの濃縮で得られているので、きわめて粒子が細かい状態で粒状化しており、粒子の細かい砂のようになっている。しかし、乾燥した砂のような状態ではなく、湿気を含んだ濃密なペースト状になっている。 すなわち、乾燥した砂のようにならず、また逆に堅固な固形物化にもならない。これはペースト状をなすカキ肉エキス内に、多少の油分が含まれているからと考えられている。
よって、かかる濃密なペースト状に形成されたカキ肉エキスを例えば瓶詰めにし、これ自体を製品として出荷できる。
しかして、この濃密なペースト状カキ肉エキスを、お湯や水で溶解し、飲料として飲むことも出来るし、みそ汁やお吸い物あるいは煮物など料理の際に調味料や隠し味として含ませることも出来、きわめて利用価値が高いものとなっている。
【0028】
この様に本発明によれば、亜鉛、セレン、タウリン、グリコーゲン、蛋白質など有益な物質の含有率、抽出度が高いカキ肉エキスの抽出、製造方法が提供でき、しかも、これらを利便性の優れたペースト状にて得ることができる製造方法を提供できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるペースト状カキ肉エキスの製造方法を示す概略構成説明図(その1)である。
【図2】本発明によるペースト状カキ肉エキスの製造方法を示す概略構成説明図(その2)である。
【符号の説明】
【0030】
1 抽出容器
2 生カキ肉
3 水溶液
4 エタノール溶液
5 第2抽出容器
6 混合液
7 沈殿物
8 上澄み液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶液が貯留された抽出容器内に生カキ肉を収納し、該抽出容器内の生カキ肉からカキ肉エキスを第1回抽出すると共に、前記カキ肉エキス抽出後のカキ肉エキスを取り出し、第1回抽出されたカキ肉が存する抽出容器内に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、
前記第1回抽出及びエタノール抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、該混合液を濃縮して濃縮液を生成し、
前記生成した濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、前記攪拌した後、濃縮液を自然沈殿させ、
前記自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成し、
前記ペースト状カキ肉エキスから水分とエタノール分を除去して、ペースト状カキ肉エキスを生成した、
ことを特徴とするペースト状カキ肉エキスの製造方法。
【請求項2】
水溶液が貯留された抽出容器内に生カキ肉を収納し、該抽出容器内の生カキ肉からカキ肉エキスを第1回抽出すると共に、前記カキ肉エキス抽出後の生カキ肉を前記抽出容器内から取り出し、第2抽出容器内に収納すると共に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、
前記第1回抽出及びエタノール抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、該混合液を濃縮して濃縮液を生成し、
前記生成した濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、前記攪拌した後、濃縮液を自然沈殿させ、
前記自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成し、
前記ペースト状カキ肉エキスから水分とエタノール分を除去して、ペースト状カキ肉エキスを生成した、
ことを特徴とするペースト状カキ肉エキスの製造方法。
【請求項3】
水溶液が貯留された抽出容器内に生カキ肉を収納し、該抽出容器を密閉して一気圧以下に減圧し、該減圧状態で生カキ肉からカキ肉エキスを第1回抽出すると共に、前記カキ肉エキス抽出後の生カキ肉を前記抽出容器内から取り出し、第2抽出容器内に収納すると共に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、
前記第1回抽出及びエタノール抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、該混合液を濃縮して濃縮液を生成し、
前記生成した濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、前記攪拌した後、濃縮液を自然沈殿させ、
前記自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成し、
前記ペースト状カキ肉エキスから水分とエタノール分を除去して、ペースト状カキ肉エキスを生成した、
ことを特徴とするペースト状カキ肉エキスの製造方法。
【請求項4】
水溶液が貯留された抽出容器内に生カキ肉を収納し、該抽出容器を密閉して一気圧以上に加圧し、該加圧状態で生カキ肉からカキ肉エキスを第1回抽出すると共に、前記カキ肉エキス抽出後の生カキ肉を前記抽出容器内から取り出し、第2抽出容器内に収納すると共に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスをエタノール抽出してなり、
前記第1回抽出及びエタノール抽出されたカキ肉エキスを混合すると共に、該混合液を濃縮して濃縮液を生成し、
前記生成した濃縮液にエタノール溶液を添加して攪拌し、前記攪拌した後、濃縮液を自然沈殿させ、
前記自然沈殿によって得られた沈殿物を乾燥させてカキ肉エキスを生成すると共に、沈殿しない上澄み液を濃縮してペースト状のカキ肉エキスを生成し、
前記ペースト状カキ肉エキスから水分とエタノール分を除去して、ペースト状カキ肉エキスを生成した、
ことを特徴とするペースト状カキ肉エキスの製造方法。
【請求項5】
前記カキ肉エキスを第1回抽出した後の生カキ肉を抽出容器内から取り出し、第2抽出容器内に収納すると共に、エタノール溶液を貯留してカキ肉エキスを抽出するエタノール抽出は、
複数回行える、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載のペースト状カキ肉エキスの製造方法。
【請求項6】
前記生カキ肉は剥き身である、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の濃密ペースト状カキ肉エキスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−11187(P2009−11187A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173805(P2007−173805)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(596161031)株式会社渡辺オイスター研究所 (13)
【Fターム(参考)】