説明

ホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびホットスポット応力測定センサ装置

【課題】 ホットスポット応力を測定するための位置決めおよび取り付けが容易で、作業性が高く、簡易に且つ適確にホットスポット応力の測定を実現する。
【解決手段】 ホットスポット応力測定用ひずみゲージ1は、ゲージベース11、第1のグリッド部GAおよび第2のグリッド部GBからなるゲージパターン12を有している。ゲージベース11の長手方向の一端LEから長手方向について第1の所定距離DAに配置されるゲージ抵抗Rgaの第1のグリッド部GA、並びに一端LEから第1の所定距離DAよりも長い第2の所定距離DBに配置されるゲージ抵抗Rgbの第2のグリッド部GBを有する。ブリッジアダプタ2は、第1の固定抵抗R1、第2の固定抵抗R2、および第3の固定抵抗R3を有し、これらとゲージ抵抗RgaおよびRgbとでブリッジ回路を構成する。測定器3は、ブリッジアダプタ2からホットスポット応力に対応する出力を取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物等の疲労寿命を予測するためにホットスポット応力を計測するためのホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびホットスポット応力測定センサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋脚やビルおよびクレーン等の構造物における疲労による損傷が問題となっており、このような構造物の寿命予測が重要視されてきている。構造物の疲労強度を検討し把握するためには、応力集中が損傷の原因となる溶接止端部の応力を把握することが必要となる。このような溶接止端部の疲労強度を検証するためにホットスポット応力が用いられる。ホットスポット応力を求めるためには、構造力学的にFEM(Finite Element Method:有限要素法)解析等を用いて算出する方法もあるが、最終的には実測によりホットスポット応力を求める方法を用いることが要求される。
実測によりホットスポット応力を求める方法には、例えば、溶接止端部から予め定められた間隔で2枚のひずみゲージを貼り付け、これら2点の応力の比から、いわゆる線形外挿法によって、ホットスポット応力、つまり溶接部の応力、を推定する方法がある。
この種のホットスポット応力を求める方法については、例えば、非特許文献1(「鋼構造物の疲労設計指針・同解説」、日本鋼構造協会発行、第283頁〜第291頁)に線形外挿法を用いる方法として具体的に説明されている。すなわち、2枚のひずみゲージを、溶接止端部からの距離の異なる予め定められた個所にそれぞれ貼り付け、これら2個所の応力から線形外挿法によってホットスポット応力を求めることが示されている。この非特許文献1には、線形外挿法を用いてホットスポット応力を求めるためのひずみゲージの貼り付け個所についてのいくつかの提案例も記載されており、2枚のひずみゲージを貼り付ける位置は、解析手法によって相違することが示されている。
【0003】
また、非特許文献2(「JWES 接合・溶接技術Q&A1000(No.Q04−2−19)」、社団法人日本溶接協会のホームページ、http://www-it.jwes.or.jp/qa/details.jsp?pg_no=0040020190)には、ホットスポット応力を求めるために、溶接止端から板厚tの0.5倍(0.5t)と1.5倍(1.5t)の位置における応力値を直線で結び、溶接止端位置に外挿した応力値を推定する方法(SR202B法と表記されている)について記載されている。
これら非特許文献1(「鋼構造物の疲労設計指針・同解説」、日本鋼構造協会発行、第283頁〜第291頁)および非特許文献2(「JWES 接合・溶接技術Q&A1000(No.Q04−2−19)」、社団法人日本溶接協会のホームページ、http://www-it.jwes.or.jp/qa/details.jsp?pg_no=0040020190)に開示された方法は、解析手法に従って予め決定された所定個所における応力値を計測するためのひずみゲージを貼り付ける際に、ひずみゲージを正しく位置決めしなければならず、また該当位置にひずみゲージを適正に貼り付けなければならないなど、熟練の作業が必要となっていた。しかも、ホットスポット応力は、基本的に2個所の測定値に基づいて算出するため、このようなホットスポット応力を求めるためには、各ひずみゲージで測定されたデータに基づく測定後のデータ処理によって応力を算出する必要があり、測定中にリアルタイムで結果を得ることができなかった。
【0004】
このような問題に対処するものとして、例えば、特許文献1(特開2009−264856号)に開示されたものがある。すなわち、特許文献1(特開2009−264856号)には、可撓性を有するフィルム状の絶縁体からなるゲージベースと、前記ゲージベースの所定方向の一端から前記所定方向についての第1の所定距離に配置されて前記ゲージベース上に設けられ前記第1の所定距離における前記所定方向についてのひずみに感応するゲージ抵抗からなる第1のゲージグリッド部と、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての第1の所定距離に配置されて前記ゲージベース上に設けられ前記第1の所定距離における前記所定方向についてのひずみに感応するゲージ抵抗からなる第2のゲージグリッド部と、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての第1の所定距離に配置されて前記ゲージベース上に設けられ前記第1の所定距離における前記所定方向についてのひずみに感応するゲージ抵抗からなる第3のゲージグリッド部と、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に配置されて前記ゲージベース上に設けられ前記第2の所定距離における前記所定方向についてのひずみに感応するゲージ抵抗からなる第4のゲージグリッド部と、前記第1のゲージグリッド部の一端と前記第2のゲージグリッド部の一端とを接続し、前記第2のゲージグリッド部の他端と前記第4のゲージグリッド部の一端とを接続し、前記第4のゲージグリッド部の他端と前記第3のゲージグリッド部の一端とを接続し、そして前記第1のゲージグリッド部の他端、前記第1のゲージグリッド部の一端と前記第2のゲージグリッド部の一端との接続個所、前記第4のゲージグリッド部の他端と前記第3のゲージグリッド部の一端との接続個所および前記第3のゲージグリッド部の他端、にそれぞれ接続するための導電路を形成する第1、第2、第3および第4の配線接続部と、を具備し、且つ前記第1の配線接続部は、固定抵抗の一端およびブリッジ入力の一端に接続され、前記第2の配線接続部は、ブリッジ出力の一端に接続され、前記第3の配線接続部は、前記ブリッジ入力の他端に接続され、そして前記第4の配線接続部は、前記固定抵抗の他端および前記ブリッジ出力の他端に接続されることにより、ホットスポット応力を測定するための位置決めおよび貼り付けが容易で、作業性が高く、簡易で且つ適確なホットスポット応力の測定を実現するようにしたホットスポット応力測定用ひずみゲージ等が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−264856号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「鋼構造物の疲労設計指針・同解説」、日本鋼構造協会発行(第283頁〜第291頁)
【非特許文献2】「JWES 接合・溶接技術Q&A1000(No.Q04−2−19)」、社団法人日本溶接協会のホームページ、URL(http://www-it.jwes.or.jp/qa/details.jsp?pg_no=0040020190)、2004年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1(特開2009−264856号)に記載されたホットスポット応力測定用ひずみゲージは、ゲージ自体が大型化し、ホットスポット応力の測定対象である被溶接部材の取付部位の形状および寸法が制限されるなど、取り扱いが煩雑であった。また、ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の板厚毎にゲージを専用設計する必要があり、あらゆる寸法に対応するものを用意することが容易ではなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ホットスポット応力を測定するための位置決めおよび取り付けが容易で、作業性が高く、簡易に且つ適確にホットスポット応力の測定を実現することを可能とするホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびホットスポット応力測定センサ装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、容易に、ホットスポット応力を測定するための適切な位置合わせを行うことができ、作業性が良く、簡易に且つ適確にホットスポット応力を測定することを可能とするホットスポット応力測定用ひずみゲージを提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、被溶接部材の状況に応じて、簡易に、ブリッジ出力としてホットスポット応力を直接的に得ることを可能とするホットスポット応力測定用ひずみゲージを提供することにある。
【0008】
本発明の請求項3の目的は、特に代表的な定義に従ったホットスポット応力の測定をより簡易に行うことを可能とするホットスポット応力測定用ひずみゲージを提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、容易に、ホットスポット応力を測定するための適切な位置合わせを行うことができ、作業性が良く、簡易に且つ適確にホットスポット応力を測定することを可能とするホットスポット応力測定用ひずみゲージを提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、被溶接部材の状況に応じて、簡単な構成で且つ容易に、ブリッジ出力としてホットスポット応力を直接的に得ることを可能とするホットスポット応力測定用ひずみゲージを提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に代表的な定義に従ったホットスポット応力の測定をより簡易に行うことを可能とするホットスポット応力測定用ひずみゲージを提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、簡単な構成で、しかも作業性が良く、適確にホットスポット応力を測定することを可能とするホットスポット応力測定センサ装置を提供することにある。
【0009】
本発明の請求項8の目的は、簡単な構成で、種々の被溶接部材の状況に容易に対応させることができ、しかも作業性が良く、適確にホットスポット応力を測定することを可能とするホットスポット応力測定センサ装置を提供することにある。
本発明の請求項9の目的は、より簡単な構成で、種々の被溶接部材の状況に対応させることができ、しかも適確にホットスポット応力を測定することを可能とするホットスポット応力測定センサ装置を提供することにある。
本発明の請求項10の目的は、さらに、簡単な構成で、ホットスポット応力および所定の各位置における応力ひずみをも個々に測定することを可能とするホットスポット応力測定センサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載した本発明に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージは、上述した目的を達成するために、
可撓性を有するフィルム状の絶縁体からなるゲージベースと、
第1の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの所定方向の一端から前記所定方向についての第1の所定距離に位置させて前記ゲージベース上に配設されており、前記所定方向についてのひずみを検出する第1のゲージ部と、
前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に位置させて前記ゲージベース上に配設されており、前記所定方向についてのひずみを検出する第2のゲージ部と、
を具備することを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載した本発明に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージは、請求項1のホットスポット応力測定用ひずみゲージであって、
前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部を、ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に対応する前記第1の所定距離および前記第2の所定距離に予め設定したものを用意し、これらを測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に応じて使い分けることを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージは、請求項1または請求項2のホットスポット応力測定用ひずみゲージであって、
ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の板厚をTとして、前記第1の所定距離を0.5Tとし、前記第2の所定距離を1.5Tとすることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載した本発明に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージは、上述した目的を達成するために、
可撓性を有するフィルム状の絶縁体からなるゲージベースと、
第1の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの所定方向の一端から前記所定方向についての第1の所定距離に配置して前記ゲージベース上に貼設し、前記所定方向についてのひずみを検出するための第1のゲージと、
前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に配置して前記ゲージベース上に貼設し、前記所定方向についてのひずみを検出するための第2のゲージと、
を具備することを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージは、請求項4のホットスポット応力測定用ひずみゲージであって、
前記第1のゲージおよび前記第2のゲージは、それぞれ前記第1の定格抵抗値および前記第2の定格抵抗値の汎用の単軸タイプのひずみゲージであり、使用時に、ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に対応する前記第1の所定距離および前記第2の所定距離として前記ゲージベース上に貼着することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載した本発明に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージは、請求項4または請求項5のホットスポット応力測定用ひずみゲージであって、
ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の板厚をTとして、前記第1の所定距離を0.5Tとし、前記第2の所定距離を1.5Tとすることを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係るホットスポット応力測定センサ装置は、
溶接止端部に前記一端を当接して前記ゲージベースをホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材に貼着される請求項1〜請求項3のいずれか1項のホットスポット応力測定用ひずみゲージと、
前記ホットスポット応力測定用ひずみゲージの前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部の各両端に接続されてなり、一端が前記第2のゲージ部の一端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のゲージ部の一端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のゲージ部の前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部の各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、
を具備することを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載した本発明に係るホットスポット応力測定センサ装置は、
溶接止端部に前記一端を当接して前記ゲージベースをホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材に貼着される請求項4〜請求項6のいずれか1項のホットスポット応力測定用ひずみゲージと、
前記ホットスポット応力測定用ひずみゲージの前記第1のゲージおよび前記第2のゲージの各両端に接続されてなり、一端が前記第2のゲージの一端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のゲージの一端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のゲージの前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のゲージおよび前記第2のゲージの各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、
を具備することを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載した本発明に係るホットスポット応力測定センサ装置は、上述した目的を達成するために、
第1の定格抵抗値を有する汎用の単軸タイプのひずみゲージからなり、溶接止端部から第1の所定距離に貼着される第1のひずみゲージと、
前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有する汎用の単軸タイプのひずみゲージからなり、溶接止端部から前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に貼着される第2のひずみゲージと、
前記第1のひずみゲージおよび前記第2のひずみゲージの各両端に接続されてなり、一端が前記第2のひずみゲージの一端に接続されて前記第1のひずみゲージの前記定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のひずみゲージの一端に接続されて前記第1のひずみゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のひずみゲージの前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のひずみゲージおよび前記第2のひずみゲージの各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、
を具備することを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載した本発明に係るホットスポット応力測定センサ装置は、請求項7〜請求項9のいずれか1項のホットスポット応力測定センサ装置であって、
前記ブリッジアダプタは、前記第2のゲージ部または前記第2のひずみゲージの前記一端と、前記第1の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第5の導出端子をさらに有し、前記第1の導出端子と前記第4の導出端子との間から前記第1のゲージ部または前記第1のひずみゲージのひずみ抵抗値出力を、そして前記第5の導出端子と前記第4の導出端子との間から前記第2のゲージ部または前記第2のひずみゲージのひずみ抵抗値出力を、それぞれ個別に取り出すようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ホットスポット応力を測定するための位置決めおよび取り付けが容易で、作業性が高く、簡易に且つ適確にホットスポット応力の測定を実現することが可能なホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびホットスポット応力測定センサ装置を提供することができる。
すなわち、本発明の請求項1のホットスポット応力測定用ひずみゲージによれば、
可撓性を有するフィルム状の絶縁体からなるゲージベースと、第1の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの所定方向の一端から前記所定方向についての第1の所定距離に位置させて前記ゲージベース上に配設されており、前記所定方向についてのひずみを検出する第1のゲージ部と、前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に位置させて前記ゲージベース上に配設されており、前記所定方向についてのひずみを検出する第2のゲージ部と、を具備することにより、
容易に、ホットスポット応力を測定するための適切な位置合わせを行うことができ、作業性が良く、簡易に且つ適確にホットスポット応力を測定することが可能となる。
【0018】
また、本発明の請求項2のホットスポット応力測定用ひずみゲージによれば、請求項1のホットスポット応力測定用ひずみゲージにおいて、
前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部を、ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に対応する前記第1の所定距離および前記第2の所定距離に予め設定したものを用意し、これらを測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に応じて使い分けることにより、
被溶接部材の状況に応じて、簡易に、ブリッジ出力としてホットスポット応力を直接的に得ることが可能となる。
さらに、本発明の請求項3のホットスポット応力測定用ひずみゲージによれば、請求項1または請求項2のホットスポット応力測定用ひずみゲージにおいて、
ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の板厚をTとして、前記第1の所定距離を0.5Tとし、前記第2の所定距離を1.5Tとすることにより、
特に、代表的な定義に従ったホットスポット応力の測定をより簡易に行うことが可能となる。
【0019】
また、本発明の請求項4のホットスポット応力測定用ひずみゲージによれば、
可撓性を有するフィルム状の絶縁体からなるゲージベースと、第1の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの所定方向の一端から前記所定方向についての第1の所定距離に配置して前記ゲージベース上に貼設し、前記所定方向についてのひずみを検出するための第1のゲージと、前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に配置して前記ゲージベース上に貼設し、前記所定方向についてのひずみを検出するための第2のゲージと、を具備することにより、
容易に、ホットスポット応力を測定するための適切な位置合わせを行うことができ、作業性が良く、簡易に且つ適確にホットスポット応力を測定することが可能となる。
本発明の請求項5のホットスポット応力測定用ひずみゲージによれば、請求項4のホットスポット応力測定用ひずみゲージにおいて、
前記第1のゲージおよび前記第2のゲージは、それぞれ前記第1の定格抵抗値および前記第2の定格抵抗値の汎用の単軸タイプのひずみゲージであり、使用時に、ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に対応する前記第1の所定距離および前記第2の所定距離として前記ゲージベース上に貼着することにより、
被溶接部材の状況に応じて、簡単な構成で且つ容易に、ブリッジ出力としてホットスポット応力を直接的に得ることが可能となる。
【0020】
本発明の請求項6のホットスポット応力測定用ひずみゲージによれば、請求項4または請求項5のホットスポット応力測定用ひずみゲージにおいて、
ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の板厚をTとして、前記第1の所定距離を0.5Tとし、前記第2の所定距離を1.5Tとすることにより、
特に、代表的な定義に従ったホットスポット応力の測定をより簡易に行うことが可能となる。
そして、本発明の請求項7のホットスポット応力測定センサ装置によれば、
溶接止端部に前記一端を当接して前記ゲージベースをホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材に貼着される請求項1〜請求項3のいずれか1項のホットスポット応力測定用ひずみゲージと、
前記ホットスポット応力測定用ひずみゲージの前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部の各両端に接続されてなり、一端が前記第2のゲージ部の一端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のゲージ部の一端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のゲージ部の前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部の各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、を具備することにより、
簡単な構成で、しかも作業性が良く、適確にホットスポット応力を測定することが可能となる。
【0021】
本発明の請求項8のホットスポット応力測定センサ装置によれば、
溶接止端部に前記一端を当接して前記ゲージベースをホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材に貼着される請求項4〜請求項6のいずれか1項のホットスポット応力測定用ひずみゲージと、
前記ホットスポット応力測定用ひずみゲージの前記第1のゲージおよび前記第2のゲージの各両端に接続されてなり、一端が前記第2のゲージの一端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のゲージの一端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のゲージの前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のゲージおよび前記第2のゲージの各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、を具備することにより、
簡単な構成で、種々の被溶接部材の状況に容易に対応させることができ、しかも作業性が良く、適確にホットスポット応力を測定することが可能となる。
【0022】
本発明の請求項9のホットスポット応力測定センサ装置によれば、
第1の定格抵抗値を有する汎用の単軸タイプのひずみゲージからなり、溶接止端部から第1の所定距離に貼着される第1のひずみゲージと、
前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有する汎用の単軸タイプのひずみゲージからなり、溶接止端部から前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に貼着される第2のひずみゲージと、
前記第1のひずみゲージおよび前記第2のひずみゲージの各両端に接続されてなり、一端が前記第2のひずみゲージの一端に接続されて前記第1のひずみゲージの前記定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のひずみゲージの一端に接続されて前記第1のひずみゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のひずみゲージの前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のひずみゲージおよび前記第2のひずみゲージの各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、を具備することにより、
より簡単な構成で、種々の被溶接部材の状況に対応させることができ、しかも適確にホットスポット応力を測定することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明の請求項10のホットスポット応力測定センサ装置によれば、請求項7〜請求項9のいずれか1項のホットスポット応力測定センサ装置において、
前記ブリッジアダプタは、前記第2のゲージ部または前記第2のひずみゲージの前記一端と、前記第1の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第5の導出端子をさらに有し、前記第1の導出端子と前記第4の導出端子との間から前記第1のゲージ部または前記第1のひずみゲージのひずみ抵抗値出力を、そして前記第5の導出端子と前記第4の導出端子との間から前記第2のゲージ部または前記第2のひずみゲージのひずみ抵抗値出力を、それぞれ個別に取り出すようにしたことにより、
さらに、簡単な構成で、ホットスポット応力および所定の各位置における応力ひずみをも個々に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびそれを含むホットスポット応力測定センサ装置を用いてなるホットスポット応力測定システムの構成を示す模式図であり、ホットスポット応力測定用ひずみゲージを平面図として示し、ブリッジアダプタの構成を回路構成図として示している。
【図2】図1に示すホットスポット応力測定用ひずみゲージの使用状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示すホットスポット応力測定センサ装置を構成するホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびブリッジアダプタにより構成されるブリッジ回路の等価的な構成を模式的に示す回路構成図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびそれを含むホットスポット応力測定センサ装置を用いてなるホットスポット応力測定システムの構成を示す模式図であり、ホットスポット応力測定用ひずみゲージを平面図として示し、ブリッジアダプタの構成を回路構成図として示している。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびそれを含むホットスポット応力測定センサ装置を用いてなるスキャナタイプのホットスポット応力測定システムの構成を示す模式図であり、この場合も、ホットスポット応力測定用ひずみゲージを平面図として示し、ブリッジアダプタの構成を回路構成図として示している。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係るホットスポット応力測定用の2つの単軸タイプのひずみゲージおよびそれを含むホットスポット応力測定センサ装置を用いてなるホットスポット応力測定システムの構成を示す模式図であり、この場合も、ホットスポット応力測定用の2つのひずみゲージを平面図として示し、ブリッジアダプタの構成を回路構成図として示している。
【図7】本発明に係るホットスポット応力測定に用いられるホットスポット応力の定義の例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびホットスポット応力測定センサ装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびそれを含むホットスポット応力測定センサ装置を用いたホットスポット応力測定システムの構成を示す模式図であり、ホットスポット応力測定用ひずみゲージを平面図として示し、ブリッジアダプタの構成を回路構成図として示している。図2は、図1に示したホットスポット応力測定用ひずみゲージの使用状態を示す斜視図である。
図1に示すホットスポット応力測定システムは、ホットスポット応力測定用ひずみゲージ1、ブリッジアダプタ2および測定器3を備えている。ホットスポット応力測定用ひずみゲージ1とブリッジアダプタ2は、ホットスポット応力測定センサ装置を構成している。
図1および図2に示すホットスポット応力測定用ひずみゲージ1は、ゲージベース11およびゲージパターン12を備えている。ゲージパターン12は、ゲージグリッドからなる第1のゲージ部としての第1のグリッド部GA、ゲージグリッドからなる第2のゲージ部としての第2のグリッド部GB、適宜ゲージリードを介して第1のグリッド部GAの両端に接続されるゲージタブTA1、TA2、そして適宜ゲージリードを介して第2のグリッド部GBの両端に接続されるゲージタブTB1、TB2を有している。
【0026】
図1に示すように、ゲージベース11は、細長い長方形に形成された可撓性を有するフェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の合成樹脂のフィルム状の絶縁体からなる。このゲージベース11上に形成される金属箔からなるゲージパターン12は、ゲージベース11の長手方向の一端LEから長手方向について第1の所定距離DAに配置されるゲージ抵抗Rgaの第1のグリッド部GAおよびこの第1のグリッド部GAの両端に適宜ゲージリードを介して接続されるゲージタブTA1、TA2、並びに前記一端LEから前記長手方向について前記第1の所定距離DAよりも長い第2の所定距離DBに配置されるゲージ抵抗Rgbの第2のグリッド部GBおよびこの第2のグリッド部GBの両端に適宜ゲージリードを介して接続されるゲージタブTB1、TB2を有している。第2のグリッド部GBのゲージ抵抗Rgbは、第1のグリッド部GAのゲージ抵抗Rgaの1/3の抵抗値(すなわちRgb=(1/3)Rga)を有する。
【0027】
第1のグリッド部GAは、例えば、ゲージベース11の長手方向についての伸縮によって抵抗値が変化するように、長手方向に沿って細長く且つ幅が狭い部分を多数平行に折り返すように形成して、折り返すパターンを形成し、前記長手方向の一端LEから第1の所定距離DAにその折り返しの中心線を位置させるとともに、折り返し端部については、抵抗値が充分に低くなるように広い幅に形成するなどする。また、第2のグリッド部GBは、やはり、ゲージベース11の長手方向についての伸縮によって抵抗値が変化するように、長手方向に沿って細長く且つ幅が狭い部分を多数平行に形成して、繰り返し折り返すパターンを形成し、前記長手方向の一端LEから第2の所定距離DBにその折り返しの中心線を位置させるとともに、前記長手方向に直交する方向の折り返し端部については、抵抗値が充分に低くなるように広い幅に形成する。
第1のグリッド部GAの両端は、ゲージベース11の両側に沿って長手方向に延び抵抗値が充分に低くなるように幅広く形成したゲージリードを介して外部結線用のゲージタブTA1およびTA2にそれぞれ接続されている。このとき、第1のグリッド部GAの両端からゲージタブTA1およびTA2へ引き出すゲージリードは、第2のグリッド部GBと干渉しないように迂回して形成配置している。第2のグリッド部GBの両端は、抵抗値が充分に低くなるように充分に短寸に形成したゲージリードを介して外部結線用のゲージタブTB1およびTB2にそれぞれ接続されている。
【0028】
なお、この場合、第1のグリッド部GAのゲージ抵抗Rgaの定格抵抗値対第2のグリッド部GBのゲージ抵抗Rgbの定格抵抗値の比を、先に述べたように、3対1として、Rgb=(1/3)Rgaに設定する。
このとき、導通路となるゲージリードの配線パターンの幅を広くするだけでゲージリードの抵抗値を充分に低くすることができる場合には、ゲージパターン12全体を抵抗性金属からなる金属箔を用いて形成してもよい。あるいは、第1のグリッド部GAおよび第2のグリッド部GBを伸縮により抵抗値が変化するニッケル−クロム合金、銅−ニッケル合金、等の抵抗性金属を用いて形成し、ゲージパターン12の第1のグリッド部GAおよび第2のグリッド部GB以外のゲージタブTA1、TA2、TB1、TB2、並びにそれらと第1のグリッド部GAおよび第2のグリッド部GBとの間のゲージリードの部分を、より抵抗値の低い導電性金属を用いて形成するようにしても良い。
このようなホットスポット応力測定用ひずみゲージ1は、図2に示すように、測定対象とする被溶接部材に接着、融着、スパッタリング、蒸着、その他の手段により貼設(または添着)して用いられる。すなわち、板状の第1の部材M1上に、やはり板状の第2の部材M2の端部を鉛直にして溶接した典型的な構造において、溶接部Wの溶接止端部HSに、ホットスポット応力測定用ひずみゲージ1の長手方向の一端LEを突き合わせた状態で、ホットスポット応力測定用ひずみゲージ1を第1の部材M1上に貼り付ける。
【0029】
このような状態で、ゲージタブTA1とTA2との間にあらわれる第1のグリッド部GAによるゲージ抵抗RgaおよびゲージタブTB1とTB2との間にあらわれる第2のグリッド部GBによるゲージ抵抗Rgbをリード線等を介してブリッジアダプタ2のゲージ側端子TG1、TG2、TG3およびTG4に接続して、溶接止端部HSにおけるホットスポット応力の計測に供する。
ブリッジアダプタ2は、ゲージ側端子TG1、TG2、TG3およびTG4と、測定器側端子TM1、TM2、TM3、TM4およびTM5とを有し、これらの間に第1の固定抵抗R1、第2の固定抵抗R2、第3の固定抵抗R3および所定の導通路が接続される。すなわち、ホットスポット応力測定用ひずみゲージ1の第1のゲージ部としての第1のグリッド部GAおよび第2のゲージ部としての第2のグリッド部GBの各両端にそれぞれ接続されたゲージタブTA1とTA2およびゲージタブTB1とTB2には、ゲージ側端子TG1とTG4およびゲージ側端子TG2とTG3が接続される。
【0030】
第1の固定抵抗R1は、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと第2のグリッド部GBの定格抵抗値Rgb(=(1/3)Rga)との差、つまり第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaの2/3の抵抗値を有し、その一端が、ゲージ側端子TG2およびゲージタブTB1を介して第2のグリッド部GBの一端に接続されている。第2の固定抵抗R2は、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと等しい抵抗値(Rga)を有し、その一端が、第1の固定抵抗R1の他端に接続されている。第3の固定抵抗R3は、やはり第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと等しい抵抗値(Rga)を有しており、この第3の固定抵抗R3の一端が第2の固定抵抗R2の他端に接続され且つこの第3の固定抵抗R3の他端がゲージ側端子TG1およびゲージタブTA1を介して第1のグリッド部GAの一端に接続されている。
第1のグリッド部GAの前記一端に接続されたゲージ側端子TG1と第3の固定抵抗R3の前記他端との接続点が第1の導出端子である測定器側端子TM1に導出され、第2の固定抵抗R2の前記他端と第3の固定抵抗R3の前記一端との接続点が第2の導出端子である測定器側端子TM2に導出され、第2の固定抵抗の前記一端と第1の固定抵抗R1の前記他端との接続点が第3の導出端子である測定器側端子TM3に導出され、そして、第1のグリッド部GAの他端に接続されたゲージ側端子TG3と第2のグリッド部GBの他端に接続されたゲージ側端子TG4とが共通に接続されて第4の導出端子である測定器側端子TM4に導出されている。
【0031】
なお、この場合は使用されていないが、ブリッジアダプタ2には、第1の固定抵抗R1の前記一端とゲージタブTB1を介して第2のグリッド部GBの前記一端に接続されたゲージ側端子TG2との接続点を導出する測定器側端子TM5を設けている。
測定器3は、1つ以上の測定チャネルを有し、チャネル1にブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1〜TM4を接続しており、この測定器3は、ブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1と測定器側端子TM3との間にブリッジ入力を供給し、ブリッジアダプタ2の測定器側端子TM2と測定器側端子TM4との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力を取り出す。
次に、このようなホットスポット応力測定用ひずみゲージ1およびブリッジアダプタ2を有するホットスポット応力測定センサ装置におけるホットスポット応力の基本的な測定原理を図7を参照して説明する。
図7には、溶接部の断面および溶接止端部HSからの距離に応じた応力の計測値並びに溶接止端部HSにおけるホットスポット応力の推定値をそれぞれ組み合わせて模式的に示す模式図を示している。
【0032】
図7に示すように、溶接止端部HSから第1の所定距離DAの位置PAおよび該第1の所定距離DAよりも長い第2の所定距離DBの位置PBそれぞれにおける応力εおよびεを直線で結び、その延長線上として溶接止端部HSにおける応力εを推定する。ここで、溶接止端部HSから位置PAまでの第1の所定距離DAおよび溶接止端部HSから位置PBまでの第2の所定距離DBとしてそれぞれ設定すべき値は、解析手法によって異なり、且つ第1の部材M1および第2の部材M2等の材料の板厚tによっても変動する。例えば、図示のように、第1の所定距離DAを0.5tとし、位置PAと位置PBとの間隔を1.0tとすれば、第2の所定距離DBは、1.5tとなり、次式によって溶接止端部HSにおけるホットスポット応力εを算出することができる。
ε={(ε−ε)/t}×0.5t}+ε
=1.5ε−0.5ε (1)
例えば、第1の部材M1および第2の部材M2の板厚tが10[mm]である場合には、溶接止端部HSから5[mm]および15[mm]の位置に第1のグリッド部GAおよび第2のグリッド部GBがそれぞれ位置するようにする。
【0033】
この実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージ1は、図1に示されているように、予め1枚のゲージベース11上にそれぞれゲージ部を形成する第1のグリッド部GAおよび第2のグリッド部GBをゲージパターン12として配置している。すなわち第1のゲージ部である第1のグリッド部GAおよび第2のゲージ部である第2のグリッド部GBを、ゲージベース11の長手方向の一端LEから第1の所定距離DAが5[mm]および第2の所定距離DBが15[mm]の位置にそれぞれ形成している。
したがって、このようなホットスポット応力測定用ひずみゲージ1を、図2に示すようにゲージベース11の長手方向の一端LEを溶接止端部HSに突き合わせて、第1の部材M1上に貼り付けることにより、溶接止端部HSから第1の所定距離DAである5[mm]の位置PAに第1のグリッド部21が正しく配置され、そして溶接止端部HSから第2の所定距離DBである15[mm]の位置PBに第2のグリッド部22が正しく配置される。
そして、このホットスポット応力測定用ひずみゲージ1は、先に述べたように、本発明に係るブリッジアダプタ2に接続されて、本発明に係るホットスポット応力測定センサ装置を構成している。これらホットスポット応力測定用ひずみゲージ1とブリッジアダプタ2で構成されるブリッジ回路の等価回路を示す図3を参照して、本発明の原理を説明する。
【0034】
先に説明したように、第2のグリッド部GBの定格抵抗値Rgbは、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaの1/3の抵抗値、つまり(1/3)Rga、としている。第1のグリッド部GAおよび第2のグリッド部GBの各々に、応力εが加えられた場合、第1のグリッド部GAの出力がεであるとすると、第2のグリッド部GBの出力は(1/3)εとなる。また、第1の固定抵抗R1の抵抗値は、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと第2のグリッド部GBの定格抵抗値Rgbとの差Rga−Rgb、つまり第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaの2/3の抵抗値、つまり(2/3)Rga、とし、第2の固定抵抗R2および第3の固定抵抗R3の抵抗値は、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと等しい抵抗値Rgaとしている。第1〜第3の抵抗R1〜R3は、ブリッジアダプタ2内に設置された固定抵抗であり、応力を受けても抵抗値が変化することはない。
このような抵抗値に設定されたブリッジ回路において、第1のグリッド部GAには応力ε、そして第2のグリッド部GBには応力εなる応力が加えられた場合、図3のブリッジ回路全体における出力は、次式であらわされる。
ε−(1/3)ε (2)
そこで、ブリッジアダプタ2が接続された測定器3において、ブリッジアダプタ2から取り出されるブリッジ回路の出力を1.5倍すると次式となる。
【0035】
ε=1.5ε−0.5ε (3)
この式(3)は、式(1)と同一であり、ブリッジアダプタ2から得られるブリッジ出力として、溶接止端部HSにおけるホットスポット応力εに応じた値を得ることができ、測定器3でゲイン調整するだけで、ホットスポット応力εを直接的に測定することができる。
したがって、この実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージ1を用いたホットスポット応力測定センサ装置は、板厚tの部材M1およびM2に最適に形成されたホットスポット応力測定センサ装置であるということができる。
これら第1の所定距離DAおよび第2の所定距離DBの最適位置は、解析手法により異なるが、溶接止端部HSの近傍の2個所の応力を求めて、一端LEにおけるホットスポット応力を推定する手法は、基本的に同様であるので、原理的には、どのような解析手法にも対応することが可能である。そこで、複数の解析手法および複数の溶接対象部材の板厚tに対応して、種々の第1の所定距離DAおよび第2の所定距離DBとしたホットスポット応力測定用ひずみゲージ1を多数用意しておき、それらから所望の解析手法および板厚tに対応するものを選択して、この実施の形態に従ったホットスポット応力測定センサ装置に適用することによって、種々の解析手法および板厚tに対応するホットスポット応力測定センサ装置を構成することができる。この場合、ホットスポット応力測定用ひずみゲージ1は、第1のゲージ部としての第1のグリッド部GAと第2のゲージ部としての第2のグリッド部GBとの2つのゲージ部のみを有する構成としているので、コンパクトに構成することができ、溶接対象部材の種々の形状および寸法に柔軟に対応することができる。
【0036】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびそれを含むホットスポット応力測定センサ装置を用いたホットスポット応力測定システムの構成を示す模式図であり、ホットスポット応力測定用ひずみゲージを平面図として示し、ブリッジアダプタの構成を回路構成図として示している。
図4に示すホットスポット応力測定システムは、この第2の実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージ4、並びに図1に示した第1の実施の形態と同様のブリッジアダプタ2および測定器3を備えている。この場合もホットスポット応力測定用ひずみゲージ4とブリッジアダプタ2は、ホットスポット応力測定センサ装置を構成している。
図4に示すホットスポット応力測定用ひずみゲージ4は、ゲージベース41、第1のひずみゲージ42および第2のひずみゲージ43を備えている。第1のひずみゲージ42は、ゲージグリッドからなる第1のグリッド部GAを形成するひずみゲージであり、単軸タイプの汎用のひずみゲージを用いることができる。第2のひずみゲージ43は、ゲージグリッドからなる第2のグリッド部GBを形成するひずみゲージであり、単軸タイプの汎用のひずみゲージを用いることができる。第1のグリッド部GAを含む第1のひずみゲージ42は、第1のグリッド部GAの一端に接続したリード線LA1と、第1のグリッド部GAの他端に接続したリード線LA2とを有している。第2のグリッド部GBを含む第2のひずみゲージ43は、第2のグリッド部GBの一端に接続したリード線LB1と、第2のグリッド部GBの他端に接続したリード線LB2とを有している。
【0037】
図4に示すように、ゲージベース41は、細長い長方形に形成された可撓性を有する、例えば、ポリエステル樹脂等の合成樹脂等のフィルム状の絶縁体からなる。第1のひずみゲージ42は、抵抗値Rgaなる定格抵抗値を有し、この第1のひずみゲージ42を、ゲージベース41の長手方向の一端LEから長手方向について第1の所定距離DAにゲージ抵抗Rgaの第1のグリッド部GAが位置するように配置して、ゲージベース41上に貼着する。第2のひずみゲージ43は、抵抗値Rgb(=(1/3)Rgaなる定格抵抗値Rgbを有し、この第2のひずみゲージ43を、ゲージベース41の長手方向の一端LEから長手方向について第2の所定距離DBにゲージ抵抗Rgbの第2のグリッド部GBが位置するように配置して、ゲージベース41上に接着等の手段により貼着する。すなわち、この場合も、第2のグリッド部GBのゲージ抵抗Rgbは、第1のグリッド部GAのゲージ抵抗Rgaの1/3の抵抗値を有する(すなわちRgb=(1/3)Rga)。
第1のグリッド部GAを形成する第1のひずみゲージ42は、この場合、ゲージベース41の長手方向についての伸縮(ひずみ)によって第1のグリッド部GAの抵抗値が変化するように、ゲージベース41の長手方向に向きを合わせ、前記長手方向の一端LEから第1の所定距離DAにその中心線を位置させて、ゲージベース41上に貼着する。
【0038】
そして、第2のグリッド部GBを形成する第2のひずみゲージ43は、ゲージベース41の長手方向についての伸縮(ひずみ)によって第2のグリッド部GBの抵抗値が変化するように、ゲージベース41の長手方向に向きを合わせ、前記長手方向の一端LEから第2の所定距離DBにその中心線を位置させて、ゲージベース41上に貼着する。
このようなホットスポット応力測定用ひずみゲージ4も、図2と同様に、測定対象とする被溶接部材に貼設して用いられる。すなわち、板状の第1の部材M1上に、やはり板状の第2の部材M2の端部を鉛直にして溶接した典型的な構造において、溶接部Wの溶接止端部HSに、ホットスポット応力測定用ひずみゲージ4の長手方向の一端LEを突き合わせた状態で、ホットスポット応力測定用ひずみゲージ4を第1の部材M1上に貼り付ける。
このような状態で、第1のひずみゲージ42の第1のグリッド部GAによるゲージ抵抗Rgaおよび第2のひずみゲージ43の第2のグリッド部GBによるゲージ抵抗Rgbをそれぞれリード線LA1、LA2およびリード線LB1、LB2を介してブリッジアダプタ2のゲージ側端子TG1、TG2、TG3およびTG4に接続して、溶接止端部HSにおけるホットスポット応力の計測に供する。
【0039】
この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、ブリッジアダプタ2は、ゲージ側端子TG1、TG2、TG3およびTG4と、測定器側端子TM1、TM2、TM3、TM4およびTM5とを有し、これらの間に第1の固定抵抗R1、第2の固定抵抗R2、第3の固定抵抗R3および所定の導通路が接続される。すなわち、ホットスポット応力測定用ひずみゲージ4の第1のゲージ部としての第1のグリッド部GAを形成する第1のひずみゲージ42の両端に接続されたリード線LA1およびLA2は、ゲージ側端子TG1およびTG4にそれぞれ接続され、第2のゲージ部としての第2のグリッド部GBを形成する第2のひずみゲージ43の両端に接続されたリード線LB1およびLB2は、ゲージ側端子TG2およびTG3にそれぞれ接続される。
第1の固定抵抗R1は、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと第2のグリッド部GBの定格抵抗値Rgb(=(1/3)Rga)との差、つまり第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaの2/3の抵抗値を有し、その一端が、ゲージ側端子TG2およびリード線LB1を介して第2のグリッド部GBの一端に接続されている。第2の固定抵抗R2は、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと等しい抵抗値(Rga)を有し、その一端が、第1の固定抵抗R1の他端に接続されている。第3の固定抵抗R3は、やはり第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと等しい抵抗値(Rga)を有しており、この第3の固定抵抗R3の一端が第2の固定抵抗R2の他端に接続され且つこの第3の固定抵抗R3の他端がゲージ側端子TG1およびリード線LA1を介して第1のグリッド部GAの一端に接続されている。
【0040】
第1のグリッド部GAの前記一端に接続されたゲージ側端子TG1と第3の固定抵抗R3の前記他端との接続点が第1の導出端子である測定器側端子TM1に導出され、第2の固定抵抗R2の前記他端と第3の固定抵抗R3の前記一端との接続点が第2の導出端子である測定器側端子TM2に導出され、第2の固定抵抗の前記一端と第1の固定抵抗R1の前記他端との接続点が第3の導出端子である測定器側端子TM3に導出され、そして、第1のグリッド部GAの他端に接続されたゲージ側端子TG4と第2のグリッド部GBの他端に接続されたゲージ側端子TG3とが共通に接続されて第4の導出端子である測定器側端子TM4に導出されている。なお、この場合も使用されていないが、ブリッジアダプタ2には、第1の固定抵抗R1の前記一端とゲージタブTB2を介して第2のグリッド部GBの前記一端に接続されたゲージ側端子TG2との接続点を導出する測定器側端子TM5を設けている。
測定器3は、1つ以上の測定チャネルを有し、チャネル1にブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1〜TM4を接続しており、この測定器3は、ブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1と測定器側端子TM3との間にブリッジ入力を供給し、ブリッジアダプタ2の測定器側端子TM2と測定器側端子TM4との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力を取り出す。
【0041】
このようなホットスポット応力測定用ひずみゲージ4およびブリッジアダプタ2を有するホットスポット応力測定センサ装置によれば、第1の実施の形態の場合と同様にしてホットスポット応力を測定することができる。
すなわち、製品製造時またはホットスポット応力測定時に、ホットスポット応力の定義方式や板厚毎に最適な位置関係に、第1のひずみゲージ42および第2のひずみゲージ43を位置調整して、ゲージベース41上に貼着することにより、様々なニーズに容易に対応することが可能となる。ホットスポット応力の定義方式や板厚に応じて、第1のひずみゲージ42および第2のひずみゲージ43をゲージベース41上の最適な位置に貼着するために、専用に作成した治具や定規を用いるようにしても良く、ゲージベース41上に最適な位置に貼着するための目印等を適宜印刷しておくようにしても良い。
但し、先に述べたように、第1のひずみゲージ42および第2のひずみゲージ43の定格抵抗値は、第1のひずみゲージ42による第1のグリッド部GAの抵抗値に対して、第2のひずみゲージ43による第2のグリッド部GBの抵抗値が1/3となるように選択する必要がある。
【0042】
一般に、汎用の単軸タイプのひずみゲージの定格抵抗値としては、60Ω、120Ω、350Ω、700Ω、…等のものがあるので、例えば、第1のグリッド部GAの第1のひずみゲージ42として、定格抵抗値が350Ωのひずみゲージを選択し、第2のグリッド部GBの第2のひずみゲージ43として、定格抵抗値が120Ωのひずみゲージを選択する。この場合のブリッジ回路の出力は、次式であらわされる。
ε−(120/350)ε (4)
測定器3において回路出力を1.5倍することにより、得られるホットスポット応力εは、次式のようになる。
ε=1.5ε−0.51ε (5)
この式(5)は、厳密には、式(1)のホットスポット応力の定義式と同一ではないが、その差は−0.01εであり、この程度の誤差が許容されるならば、通常の仕様において問題のないレベルであると考えられる。
なお、第1の所定距離DAおよび第2の所定距離DBの最適位置は、解析手法により異なるが、溶接止端部HSの近傍の2個所の応力を求めて、一端LEにおけるホットスポット応力を推定する手法は、基本的に同様であるので、原理的には、どのような解析手法にも対応することが可能である。
【0043】
そこで、複数の解析手法および複数の溶接対象部材の板厚tに対応して、種々の第1の所定距離DAおよび第2の所定距離DBとして、第1のひずみゲージ42および第2のひずみゲージ43をゲージベース41上に貼着して、所望の解析手法および板厚tに対応するホットスポット応力測定用ひずみゲージ4を作成して、この実施の形態に従ったホットスポット応力測定センサ装置に適用することによって、種々の解析手法および板厚tに対応するホットスポット応力測定センサ装置を構成することができる。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係るホットスポット応力測定用ひずみゲージおよびそれを含むホットスポット応力測定センサ装置を用いたホットスポット応力測定システムの構成を示す模式図であり、ホットスポット応力測定用ひずみゲージを平面図として示し、ブリッジアダプタの構成を回路構成図として示している。
図5に示すホットスポット応力測定システムは、図1に示した第1の実施の形態と同様のホットスポット応力測定用ひずみゲージ4およびブリッジアダプタ2、並びにこの第3の実施の形態に係る測定器5を備えている。この場合もホットスポット応力測定用ひずみゲージ4とブリッジアダプタ2は、図1と同様のホットスポット応力測定センサ装置を構成している。
【0044】
図5に示す測定器5は、スキャナタイプの測定器であり、複数のチャネル、例えば図示のようにチャネル1〜チャネル3の3つのチャネル、を有し、これらのチャネルをスキャンし、逐次択一的に切り換えて測定することができる。このようなスキャナタイプの場合、一つのチャネルを測定する際には、他のチャネルの接続回路が遮断されており、複数のチャネルが同時に測定されることはない。
この第3の実施の形態においても、ブリッジアダプタ2は、第1および第2の実施の形態の場合と同様であるが、第1および第2の実施の形態においては、使用しなかった、第1の固定抵抗R1の前記一端とゲージタブTB1を介して第2のグリッド部GBの前記一端に接続されたゲージ側端子TG2との接続点を導出する測定器側端子TM5を用いる。
測定器5は、複数の測定チャネルを有し、これらを択一的に切り換えスキャンニングするスキャナタイプの測定器であり、チャネル1に第1および第2の実施の形態と同様にブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1〜TM4を接続しており、チャネル2にブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1およびTM4を接続し、チャネル3にブリッジアダプタ2の測定器側端子TM5およびTM4を接続する。
【0045】
チャネル1の選択時には、この測定器5は、ブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1と測定器側端子TM3との間にブリッジ入力を供給し、ブリッジアダプタ2の測定器側端子TM2と測定器側端子TM4との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力を取り出す。チャネル2の選択時には、この測定器5は、第1のひずみゲージ42の第1のグリッド部GAの両端に接続され、第1のひずみゲージ42の第1のグリッド部GAの出力により第1のグリッド部GAの位置におけるひずみを測定し、そしてチャネル3の選択時には、この測定器5は、第2のひずみゲージ43の第2のグリッド部GBの両端に接続され、第2のひずみゲージ43の第2のグリッド部GBにより、第2のグリッド部GBの位置におけるひずみを測定する。
このようなスキャナタイプの測定器5を用いたホットスポット応力測定センサ装置によれば、ホットスポット応力、第1の所定距離DAにおけるひずみおよび第2の所定距離DBにおけるひずみを個別に且つほぼ同時に測定することができ、ホットスポット応力に加えて、大まかな応力分布を測定することも可能となる。
さらに、図6は、本発明の第4の実施の形態に係るホットスポット応力測定センサ装置を用いたホットスポット応力測定システムの構成を示す模式図であり、ホットスポット応力測定用のひずみゲージを平面図として示し、ブリッジアダプタの構成を回路構成図として示している。
【0046】
図6に示すホットスポット応力測定システムは、図4に示したホットスポット応力測定用ひずみゲージ4に代えて、2個の個別のひずみゲージを用いた第1のひずみゲージ6および第2のひずみゲージ7を用いており、さらに図1に示した第1の実施の形態と同様のブリッジアダプタ2および測定器3を備えている。
図6に示すように、センサ部として第1のひずみゲージ6および第2のひずみゲージ7を備えている。第1のひずみゲージ6は、ゲージグリッドからなる第1のグリッド部GAを形成するひずみゲージであり、単軸タイプの汎用のひずみゲージを用いることができる。第2のひずみゲージ7は、ゲージグリッドからなる第2のグリッド部GBを形成するひずみゲージであり、単軸タイプの汎用のひずみゲージを用いることができる。第1のグリッド部GAを含む第1のひずみゲージ6は、第1のグリッド部GAの一端に接続したリード線LA1と、第1のグリッド部GAの他端に接続したリード線LA2とを有している。第2のグリッド部GBを含む第2のひずみゲージ7は、第2のグリッド部GBの一端に接続したリード線LB1と、第2のグリッド部GBの他端に接続したリード線LB2とを有している。
【0047】
図6に示すように、第1のひずみゲージ6は、抵抗値Rgaなる定格抵抗値を有し、この第1のひずみゲージ6を、溶接止端部HSから第1の所定距離DAにゲージ抵抗Rgaの第1のグリッド部GAが位置するように配置して、測定対象とする被溶接部材に貼着する。第2のひずみゲージ7は、抵抗値Rgb(=(1/3)Rgaなる定格抵抗値Rgbを有し、この第2のひずみゲージ7を、溶接止端部HSから第2の所定距離DBにゲージ抵抗Rgbの第2のグリッド部GBが位置するように配置して、測定対象とする被溶接部材に貼着する。この場合も、第2のグリッド部GBのゲージ抵抗Rgbは、第1のグリッド部GAのゲージ抵抗Rgaの1/3の抵抗値を有する(すなわちRgb=(1/3)Rga)。
第1のグリッド部GAを形成する第1のひずみゲージ6は、この場合も、所定方向についての伸縮によって第1のグリッド部GAの抵抗値が変化するように、所定方向に向きを合わせ、溶接止端部HSから第1の所定距離DAにその中心線を位置させて、測定対象とする被溶接部材に貼着する。そして、第2のグリッド部GBを形成する第2のひずみゲージ7は、所定方向についての伸縮によって第2のグリッド部GBの抵抗値が変化するように、所定方向に向きを合わせ、溶接止端部HSから第2の所定距離DBにその中心線を位置させて、測定対象とする被溶接部材に貼着する。
【0048】
このような状態で、第1のひずみゲージ6の第1のグリッド部GAによるゲージ抵抗Rgaおよび第2のひずみゲージ7の第2のグリッド部GBによるゲージ抵抗Rgbをそれぞれリード線LA1、LA2およびリード線LB1、LB2を介してブリッジアダプタ2のゲージ側端子TG1、TG2、TG3およびTG4に接続して、溶接止端部HSにおけるホットスポット応力の計測に供する。
この第4の実施の形態においても、第2の実施の形態の場合と同様に、ブリッジアダプタ2は、ゲージ側端子TG1、TG2、TG3およびTG4と、測定器側端子TM1、TM2、TM3、TM4およびTM5とを有し、これらの間に第1の固定抵抗R1、第2の固定抵抗R2、第3の固定抵抗R3および所定の導通路が接続される。すなわち、第1のゲージ部としての第1のグリッド部GAを形成する第1のひずみゲージ6の両端に接続されたリード線LA1およびLA2は、ゲージ側端子TG1およびTG4にそれぞれ接続され、第2のゲージ部としての第2のグリッド部GBを形成する第2のひずみゲージ7の両端に接続されたリード線LB1およびLB2は、ゲージ側端子TG2およびTG3にそれぞれ接続される。
【0049】
第1の固定抵抗R1は、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと第2のグリッド部GBの定格抵抗値Rgb(=(1/3)Rga)との差、つまり第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaの2/3の抵抗値を有し、その一端が、ゲージ側端子TG2およびリード線LB1を介して第2のグリッド部GBの一端に接続されている。第2の固定抵抗R2は、第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと等しい抵抗値(Rga)を有し、その一端が、第1の固定抵抗R1の他端に接続されている。第3の固定抵抗R3は、やはり第1のグリッド部GAの定格抵抗値Rgaと等しい抵抗値(Rga)を有しており、この第3の固定抵抗R3の一端が第2の固定抵抗R2の他端に接続され且つこの第3の固定抵抗R3の他端がゲージ側端子TG1およびリード線LA1を介して第1のグリッド部GAの一端に接続されている。
第1のグリッド部GAの前記一端に接続されたゲージ側端子TG1と第3の固定抵抗R3の前記他端との接続点が第1の導出端子である測定器側端子TM1に導出され、第2の固定抵抗R2の前記他端と第3の固定抵抗R3の前記一端との接続点が第2の導出端子である測定器側端子TM2に導出され、第2の固定抵抗の前記一端と第1の固定抵抗R1の前記他端との接続点が第3の導出端子である測定器側端子TM3に導出され、そして、第1のグリッド部GAの他端に接続されたゲージ側端子TG4と第2のグリッド部GBの他端に接続されたゲージ側端子TG3とが共通に接続されて第4の導出端子である測定器側端子TM4に導出されている。
【0050】
なお、この場合も使用されていないが、ブリッジアダプタ2には、第1の固定抵抗R1の前記一端とゲージタブTB1を介して第2のグリッド部GBの前記一端に接続されたゲージ側端子TG2との接続点を導出する測定器側端子TM5を設けている。
測定器3は、1つ以上の測定チャネルを有し、チャネル1にブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1〜TM4を接続しており、この測定器3は、ブリッジアダプタ2の測定器側端子TM1と測定器側端子TM3との間にブリッジ入力を供給し、ブリッジアダプタ2の測定器側端子TM2と測定器側端子TM4との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力を取り出す。
このようなホットスポット応力測定センサ装置によれば、第2の実施の形態の場合とほぼ同様にしてホットスポット応力を測定することができる。
【符号の説明】
【0051】
1,4 ホットスポット応力測定用ひずみゲージ
2 ブリッジアダプタ
3,5 測定器
11,41 ゲージベース
12 ゲージパターン
42,6 第1のひずみゲージ
43,7 第2のひずみゲージ
GA 第1のグリッド部
GB 第2のグリッド部
TA1,TA2,TB1,TB2 ゲージタブ
LA1,LA2,LB1,LB2 リード線
Rga,Rgb ゲージ抵抗値
R1〜R3 固定抵抗(抵抗値)
TG1〜TG4 ゲージ側端子
TM1〜TM4 測定器側端子
HS 溶接始端部
LE ゲージベースの長手方向の一端
W 溶接部
M1、M2 板状の第1、第2の部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するフィルム状の絶縁体からなるゲージベースと、
第1の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの所定方向の一端から前記所定方向についての第1の所定距離に位置させて前記ゲージベース上に配設されており、前記所定方向についてのひずみを検出する第1のゲージ部と、
前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に位置させて前記ゲージベース上に配設されており、前記所定方向についてのひずみを検出する第2のゲージ部と、
を具備することを特徴とするホットスポット応力測定用ひずみゲージ。
【請求項2】
前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部を、ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に対応する前記第1の所定距離および前記第2の所定距離に予め設定したものを用意し、これらを測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に応じて使い分けることを特徴とする請求項1に記載のホットスポット応力測定用ひずみゲージ。
【請求項3】
ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の板厚をTとして、前記第1の所定距離を0.5Tとし、前記第2の所定距離を1.5Tとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホットスポット応力測定用ひずみゲージ。
【請求項4】
可撓性を有するフィルム状の絶縁体からなるゲージベースと、
第1の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの所定方向の一端から前記所定方向についての第1の所定距離に配置して前記ゲージベース上に貼設し、前記所定方向についてのひずみを検出するための第1のゲージと、
前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有し、前記ゲージベースの前記一端から前記所定方向についての前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に配置して前記ゲージベース上に貼設し、前記所定方向についてのひずみを検出するための第2のゲージと、
を具備することを特徴とするホットスポット応力測定用ひずみゲージ。
【請求項5】
前記第1のゲージおよび前記第2のゲージは、それぞれ前記第1の定格抵抗値および前記第2の定格抵抗値の汎用の単軸タイプのひずみゲージであり、使用時に、ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の種々の板厚に対応する前記第1の所定距離および前記第2の所定距離として前記ゲージベース上に貼着することを特徴とする請求項4に記載のホットスポット応力測定用ひずみゲージ。
【請求項6】
ホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材の板厚をTとして、前記第1の所定距離を0.5Tとし、前記第2の所定距離を1.5Tとすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のホットスポット応力測定用ひずみゲージ。
【請求項7】
溶接止端部に前記一端を当接して前記ゲージベースをホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材に貼着される請求項1〜請求項3のいずれか1項のホットスポット応力測定用ひずみゲージと、
前記ホットスポット応力測定用ひずみゲージの前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部の各両端に接続されてなり、一端が前記第2のゲージ部の一端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のゲージ部の一端に接続されて前記第1のゲージ部の定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のゲージ部の前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のゲージ部および前記第2のゲージ部の各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、
を具備することを特徴とするホットスポット応力測定センサ装置。
【請求項8】
溶接止端部に前記一端を当接して前記ゲージベースをホットスポット応力の測定対象とする被溶接部材に貼着される請求項4〜請求項6のいずれか1項のホットスポット応力測定用ひずみゲージと、
前記ホットスポット応力測定用ひずみゲージの前記第1のゲージおよび前記第2のゲージの各両端に接続されてなり、一端が前記第2のゲージの一端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のゲージの一端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のゲージの前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のゲージおよび前記第2のゲージの各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、
を具備することを特徴とするホットスポット応力測定センサ装置。
【請求項9】
第1の定格抵抗値を有する汎用の単軸タイプのひずみゲージからなり、溶接止端部から第1の所定距離に貼着される第1のひずみゲージと、
前記第1の定格抵抗値の1/3の第2の定格抵抗値を有する汎用の単軸タイプのひずみゲージからなり、溶接止端部から前記第1の所定距離とは異なる第2の所定距離に貼着される第2のひずみゲージと、
前記第1のひずみゲージおよび前記第2のひずみゲージの各両端に接続されてなり、一端が前記第2のひずみゲージの一端に接続されて前記第1のひずみゲージの前記定格抵抗値の2/3の抵抗値を有する第1の固定抵抗、一端が前記第1の固定抵抗の他端に接続されて前記第1のゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第2の固定抵抗、一端が前記第2の固定抵抗の他端に接続され他端が前記第1のひずみゲージの一端に接続されて前記第1のひずみゲージの定格抵抗値と等しい抵抗値を有する第3の固定抵抗、前記第1のひずみゲージの前記一端と前記第3の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第1の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記他端と前記第3の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第2の導出端子、前記第2の固定抵抗の前記一端と前記第1の固定抵抗の前記他端との接続点を導出する第3の導出端子、並びに前記第1のひずみゲージおよび前記第2のひずみゲージの各他端を共通に接続して導出する第4の導出端子を有し、前記第1の導出端子と前記第3の導出端子との間にブリッジ入力が供給され、前記第2の導出端子と前記第4の導出端子との間からホットスポット応力に対応するブリッジ出力が取り出されるブリッジアダプタと、
を具備することを特徴とするホットスポット応力測定センサ装置。
【請求項10】
前記ブリッジアダプタは、前記第2のゲージ部または前記第2のひずみゲージの前記一端と、前記第1の固定抵抗の前記一端との接続点を導出する第5の導出端子をさらに有し、前記第1の導出端子と前記第4の導出端子との間から前記第1のゲージ部または前記第1のひずみゲージのひずみ抵抗値出力を、そして前記第5の導出端子と前記第4の導出端子との間から前記第2のゲージ部または前記第2のひずみゲージのひずみ抵抗値出力を、それぞれ個別に取り出すようにしたことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載のホットスポット応力測定センサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−18101(P2012−18101A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156247(P2010−156247)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000142067)株式会社共和電業 (52)
【Fターム(参考)】