説明

ホーニング砥石の成形方法及び成形装置

【課題】ばらつきがなく、良品を加工するホーニング砥石の成形方法を提供する。
【解決手段】加工品を研削するホーニング砥石の成形方法であって、ホーニング砥石によって加工品が研削されたときに排出された切粉の大きさに基づいて成形砥石の砥粒径を選択し、ホーニング砥石の外形寸法を成形した後、選択した成形砥石を用いてホーニング砥石の表面状態を成形する。表面状態の成形により、ホーニング砥石の表面は、砥粒が目立てされ、砥粒の一方にチップポケットが形成され、他方にボンドテールが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砥石の成形方法及び装置に関し、特に、ホーニング加工に用いられる高硬度砥石の成形方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エンジンブロックに形成されたシリンダボアは、ホーニング加工により形状精度、例えば、真円度、平行度、真直度が一定範囲内になるように加工される。エンジンブロックのボア内面を仕上げるボアホーニング工程の課題として、(1)加工時間のばらつき、(2)砥石寿命のばらつき、(3)加工品(工作面)の精度のばらつきがある。これらの課題について、安定して均一に制御するための改善が試みられている。特に超硬砥粒を有する高硬度砥石において、この問題が顕著になってきている。例えば、砥石を最後の使用代まで使いきれず、再度ツルーイングとドレッシング成形修理をやり直すなど、刃具費の増加要因にもなっている。
【0003】
この問題を解決する一つの手法として、砥石の外形寸法を調整するツルーイング成形加工を行っている。例えば、特許文献1には、ホーニング砥石をテーパ接触にて拡張する手法を開示している。この手法では、ホーニングヘッド本体の径が所定値となるように調整している。これにより、砥石形成加工の良品条件の一つである外形寸法精度が改善されている。
【0004】
また、ホーニング砥石には、砥粒を目立てして、表面状態を成形するドレッシング成形加工が行われる。通常ドレッシング成形加工では、手作業による成形加工が実施され、試行錯誤を繰り返し、ホーニング加工の結果がよいとされたものを砥石表面の状態の成形条件としていた。
ホーニング加工において、砥石は、自生サイクルが砥石表面に働くことによって、砥石表面に出た砥粒が工作面を研削加工しながら摩滅、脱落し、常に下の新しい砥粒が表面に生成される。この自生サイクルを繰り返しながら加工品を研削して加工している。良好な自生サイクルに入った砥石表面は、砥粒のホーニング切込み側にはチップポケットが形成され、その反切込み側にはボンドテールが形成される。ホーニング砥石は、自生作用が機能することによって、ホーニング加工を安定して実施することができる。
【0005】
図8は、従来の方法で成形加工したホーニング砥石の状態を加工数と加工能率に基づいて示す図の一例である。成形加工したホーニング砥石を装着したホーニングヘッドを用いた場合の、加工数と加工能率との関係を加工状態とともに示している。ホーニングヘッドを交換した直後には、初期能率の許容範囲は、点線で囲んだ斜線の部分であり、工作面に切れ過ぎ、初期加工能率未達や目潰れ等の問題を発生させていた。切れ過ぎはエンジンブロックのボア内面の形状不良を招き、目潰れは加工能率不良を招いていた。また、このような問題の発生によりホーニング砥石を寿命まで使いきれずに交換する頻度が多発していた。このように、自生サイクルが開始するポイントまでは不良品が発生し、ホーニング加工が安定していなかった。このため、ホーニング加工を早期に安定させるホーニング砥石の成形加工方法が望まれていた。
【特許文献1】特開2000−6001号公報
【非特許文献1】大森 整、"ELID研削法が切り開く超微細機械加工システム"、[online]、理研ニュースNo.244、October 2001、[平成19年8月4日検索]、インターネット<URL: http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/news/2001/oct/index.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、不良品の発生を抑制するホーニング砥石の成形加工の手法が解明されていなかった。特にホーニング砥石の表面状態については、試行錯誤を繰り返しているのが現状であり、適切なホーニング砥石の表面状態が解明されていなかった。
【0007】
また、非特許文献1には、砥石表面を加工する手法としてELID研削法が開示されている。この方法は、加工中に砥石表面に電気分解を施し、ボンド(結合剤)の部分だけを溶かし砥粒を目立てするものである。この方法では、砥石表面の加工には優れているものの、装置、処理方法が煩雑である、あるいはコストがかかるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、ばらつきがなく、良品を加工するホーニング砥石の成形方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかるホーニング砥石の成形方法の一態様は、加工品を研削するホーニング砥石の成形方法であって、ホーニング砥石によって加工品が研削されたときに排出された切粉の大きさに基づいて成形砥石の砥粒径を選択し、選択した成形砥石を用いてホーニング砥石の表面状態を成形する。これにより、ホーニング砥石の表面状態は自生サイクル状態にある表面と同様に成形される。これにより、ホーニング砥石を成形加工した直後から安定した加工が可能になる。
【0010】
ホーニング砥石は、超硬砥粒からなる砥石であり、成形砥石の砥粒径は、切粉の大きさに近似させることが好ましい。さらに、成形砥石の砥粒径は、複数の切粉の最小のものより大きく、最大のものより小さい粒径であることが好ましく、また、複数の切粉の大きさを平均した平均値と同じであることがより好ましい。また、ホーニング砥石は、外形寸法を成形加工された後、ホーニング砥石の表面状態が成形される。
【0011】
本発明にかかるホーニング砥石の成形装置の一態様は、ヘッド本体と、ヘッド本体の外周に沿って放射状に配置されたホーニング砥石と、ホーニング砥石によって加工品が研削されたときに排出された切粉の大きさに基づいて砥粒径を選択した成形砥石と、成形砥石をヘッド本体の回転方向と同じ方向に回転させる回転部と、を備える。この装置により、上述したホーニング砥石の成形方法を実現することができる。
【0012】
さらに、本発明にかかるホーニング砥石の成形方法の別の一態様は、加工品を研削するホーニング砥石の成形方法であって、ホーニング砥石によって加工品が研削されたときに排出された切粉と近似する砥粒を排出する成形砥石を選択し、選択した成形砥石を用いてホーニング砥石の表面状態を成形する。これにより、ホーニング砥石の表面を自生サイクル状態にすることができる。また、成形砥石がホーニング砥石を目立てして表面状態を成形したときに、ホーニング砥石の目立てされた砥粒の加工品の切込み側にチップポケットを形成し、反切込み側にボンドテールを形成するように作用すること。この機能を備えることにより、ホーニング砥石の表面を自生サイクルの状態に成形することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ばらつきがなく、良品を加工するホーニング砥石の成形方法及びその装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
本発明に係る実施形態では、ホーニング加工において、ホーニング砥石は、自生サイクルを繰り返しながら加工品を研削することに着目した。自生作用が機能することによって、ホーニング加工を安定して実施することができる。具体的には、良好な自生サイクルに入った砥石表面は、砥粒のホーニング切込み側にはチップポケットが形成され、その反対側にはボンドテールが形成される。そこで、ホーニング砥石の成形加工において、自生作用が機能する砥石表面を成形する。これにより、ホーニング砥石は、最初の加工品から自生サイクルを機能させることが可能となる。自生作用を最初から機能させる(生じさせる)ことよって、ホーニング加工を安定して実施することができる。また、砥石を使用代まで使い切ることが可能になる。以下、具体的に説明する。
【0015】
(実施形態1)
図1は、本発明に係るホーニング砥石成形装置の構成例の概略を示す図である。また、図2は、図1に示すホーニング砥石成形装置のII−II断面図を示す図である。本実施形態のホーニング砥石成形装置は、ホーニングヘッド本体(ヘッド本体)1、シュー2、テーパーコーン3、及び、砥石(ホーニング砥石)4を含むホーニングヘッドと、成形砥石5及び回転部6を含む成形工具とを備える。ここでは、その他の構成要素の説明を省略する。
【0016】
ヘッド本体1には複数のシュー2が装着されている。シュー2の先端それぞれには砥石4が設置される。従って、複数の砥石4は、ヘッド本体1の外周に沿って放射状に配置される。砥石4は、超硬砥粒、例えば、ダイヤモンドまたはCGN(立方晶のチッ化ホウ素)を砥粒とする。また、砥石4は、超硬砥粒と該超硬砥粒同士を接着させるボンド(結合剤)から構成される。ボンドは、例えば鋳鉄金属などであり、超硬砥粒よりやわらかく、成形砥石5によって超硬砥粒より研削されやすい。テーパーコーン3は、ヘッド本体1にスライド可能に収納されている。テーパーコーン3がスライドすることにより、シュー2が外側に押し出され、砥石4が配置されている外周の大きさが変化する。成形砥石5は、円筒研削盤に装着する同盤形状をした砥石であり、回転部6の外周に配置される。成形砥石5は、図1に示す矢印Aの方向にトラバース可能である。回転部6は、成形砥石5をホーニングヘッドと同じ回転方向に回転させる。図2では、ホーニングヘッドは、矢印Cの方向に回転し、成形砥石5は矢印Bの方向に回転する。
【0017】
成形砥石5は、成形加工の工程によって砥粒、材質の異なる砥石が設置される。ここで、砥石4の成形加工の工程について説明する。砥石4を良好な自生面にあわせるため(成形するため)、ツルーイング成形加工とドレッシング成形加工とが実施される。ツルーイング成形加工では、砥石4の外径寸法を成形加工する工程である。ツルーイング成形加工では、成形に用いる砥石と加工条件とを最適化し、外径寸法精度を向上させる必要がある。ここでは。ツルーイング成形加工で用いる成形砥石を第一成形砥石とする。本実施形態では、図1に示す成形装置を用いてツルーイング加工を実施する場合を説明するが、これに限定する必要はない。例えば、特許文献1に開示された装置を用いて成形加工してもよい。
【0018】
また、ドレッシング成形加工は砥粒を目立てして砥石表面の状態を成形する。本実施形態ではドレッシング成形加工において、砥石の突き出し高さの確保と自生目形状の再現を行う。ドレッシング成形加工では、成形に用いる砥石と加工条件を最適化する。また、成形に用いる砥石の粒径は、ホーニング加工において加工品から排出される切粉(以降、適宜単に「切粉」ともいう)に基づいて選択される。成形砥石5の砥粒径については図3を用いて後述する。ドレッシング成形加工で用いる成形砥石5を第二成形砥石とする。
【0019】
続いて、本実施形態のホーニング砥石の成形加工の動作について図1、2を用いて説明する。まずツルーイング成形加工で外形寸法を成形し、次にドレッシング成形加工で砥粒の目立てと砥石4の表面状態の成形を行う。まず、ツルーイング成形加工では、第一成形砥石が成形砥石5として用いられ、成形砥石5を、矢印Aで示す方向にトラバースさせながら、矢印Bの回転方向に回転させる。また、砥石4を、矢印Cの方向に回転させる。これにより、成形砥石5が砥石4を研削する。砥石4が成形砥石5に接触する位置(高さ)は、テーパーコーン3をスライドさせることによって調整する。ツルーイング成形加工において、砥石4は、外形寸法が成形され、砥石4の表面は、砥粒が突き出すことなく砥粒とボンドとがほぼ一様な表面となっている。
【0020】
次に、ドレッシング成形加工では、第二成形砥石が成形砥石5として用いられ、具体的には、加工品から排出された切粉に基づいて選択された砥粒径の砥石がホーニング砥石成形装置に設置される。成形砥石5を、矢印Aで示す方向にトラバースさせながら、矢印Bの回転方向に回転させる。また、砥石4を、矢印Cの方向に回転させる。これにより、成形砥石5が砥石4を研削する。砥石4が成形砥石5に接触する位置(高さ)は、テーパーコーン3をスライドさせることによって調整する。砥石4へ成形砥石5が押し当てられ、砥石4は、成形砥石5の研削によってボンドが削られ、超硬砥粒が突出する。また、突出した超硬砥粒が成形砥石5の砥粒を研削し、成形砥石5から排出される。排出された砥粒は、加工品を研削したときに排出される切粉と同様の働きをする。すなわち、砥石4の表面を自生サイクルの状態に成形する。このようにして、砥粒を目立てするとともに、自生目形状を形成する。具体的には、砥粒のホーニング切込み側(加工品切込み側)にチップポケットを形成し、反切り込み側にボンドテールを形成する。
【0021】
図3は、ホーニングヘッドを用いてボア加工したとき加工品から排出された切粉の顕微鏡写真である。図3に示す切粉は、加工品(シリンダブロック)を砥石4によって研削したときに加工品から排出される切粉である。本実施形態では、加工品から排出された切粉を回収し、顕微鏡で大きさを測定する。測定した結果に基づいて、切粉と実質的に同じ大きさの砥粒径の砥石を選択する。好ましくは複数の切粉の大きさを測定し、平均値を求め、平均値と同じ砥粒径の成形砥石を選択する。あるいは、測定した複数の切粉のうち、最小と最大の間の大きさの砥粒径の成形砥石を選択する。切粉は、大きさ、形状等がさまざまであるため、平均的な大きさを求めることが好ましい。また、本実施形態では、砥粒の大きさを切粉に近似させるとは、成形砥石5から排出される砥粒が、切粉と同様に砥石4表面に自生目を形成する機能を実施する大きさにすることを意味する。
【0022】
このように、切粉の大きさに基づいて、第二成形砥石の砥粒径を選択することにより、ドレッシング成形加工において、切粉と同じ大きさの砥粒が成形砥石5から排出される。これにより、次のような機能が働くことになる。ドレッシング成形加工において、まず、成形砥石5が砥石4のボンドを研削する。これにより、ツルーイング成形加工終了時には砥石4の砥粒とボンドとが同じ表面(高さが同じ)であったものが、砥石4の砥粒が突出し、砥石の突き出しの高さが確保される。これとともに砥石4の超硬砥粒からなる砥粒が成形砥石5を研削する。その結果、成形砥石5から切粉と同じ大きさの砥粒が排出され、砥石4のボンド上にも到達する。この現象は、ホーニングヘッドが加工品を研削するときに加工品から切粉が排出され、砥石4のボンド上に到達する状況と同じである。これにより、砥石4を自生サイクル状態へ成形加工することを可能にする。成形砥石5から排出される砥粒は、切粉と同様の機能を果たすことが好ましい。従って、成形砥石5の砥粒の材質は加工品の材質と類似する性質を有することがより好ましい。
【0023】
次に、具体的な砥石表面の状態を説明する。図4は、良好な自生サイクル状態にある砥石表面の状態をレーザ顕微鏡で写した写真である。図4はホーニング加工中の砥石4の状態の一例を示している。図4は、レーザ顕微鏡10倍レンズで写した3次元の写真である。図5は、図4のV−V断面について、砥粒形状を断面トレースした結果を示す図である。図5の左側がホーニング切込側である。良好な自生サイクル状態にある砥石表面では、砥粒のホーニング切込み側にチップポケットが形成され、その反対側の反切込み側にはボンドテールが形成されている。
【0024】
また、図6は、本実施形態に係るホーニング砥石の成形方法で成形した砥石表面の状態をレーザ顕微鏡で写した写真である。図6は、レーザ顕微鏡10倍レンズで写した3次元の写真である。図7は、図6のVII−VII断面について、砥粒形状を断面トレースした結果を示す図である。図7の左側がホーニング切込側である。図6、7で示す砥石表面は、ツルーイング成形加工した後、本実施形態の手法で成形砥石5の砥粒径を選択し、ドレッシング成形加工を行った結果の一例を示している。図6、7に示すように、成形加工後の砥石表面には、図4、5と同様に砥粒のホーニング切込み側にチップポケットが形成され、反切込み側にはボンドテールが形成されている。
【0025】
このように、本実施形態によれば、ドレッシング成形加工において、自生サイクルと同様な砥石表面を形成することができる。これにより、図8において、自生サイクル開始ポイントがホーニング砥石成形加工直後の加工からとなり、最初の加工品から加工能率を安定域にすることができる。従って、ホーニング加工において、切れ過ぎ、初期加工能率未達、目潰れなどの発生を防止することが可能になり、加工品の精度を向上させること、不良品の数を抑制することができる。また、最初の加工品から砥石4が自生サイクルが機能するため、加工能率も一定の状態を維持することができる。従って、加工時間のばらつきを抑制することができる。また、ホーニング加工の最初から砥粒の摩滅、脱落、新しい砥粒の表出という自生サイクルを繰り返すことができる。このため、摩滅した砥粒が砥石4に残存することがなくなり、ホーニング加工の途中において、ツルーイング成形加工とドレッシング成形加工をやり直す必要性が減るとともに、砥石を最後の使用代まで使用することが可能になる。
【0026】
(その他の実施形態)
実施形態1では、切粉の大きさと成形砥石の砥粒径とを近似させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるわけではない。成形砥石5から排出される砥粒が砥石4の表面に自生サイクル状態を形成するように機能する成形砥石であればその他の方法で成形砥石5の砥粒径あるいは成形砥石5自体を選択する方法であってもよい。すなわち、成形砥石5が砥石4を目立てして、表面状態を成形したときに、砥石4の砥粒の切込み側にチップポケットを形成し、反切込み側にボンドテールを形成する砥粒を有する砥石であればよい。
【0027】
以上説明したように、本発明に係る好適な実施形態によれば、加工時間・砥石の寿命・加工の精度のばらつきがなく、良品を加工するためのホーニング砥石の成形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るホーニング砥石の成形装置の構成例の概略を示す断面図である。
【図2】図1に示すホーニング砥石成形装置のII−II断面図を示す図である。
【図3】ホーニング砥石がボア加工したとき加工品から排出された切粉の顕微鏡写真である。
【図4】良好な自生サイクル状態にある砥石表面の状態をレーザ顕微鏡で写した写真である。
【図5】図4のV−V断面について、砥粒形状を断面トレースした結果を示す図である。
【図6】本実施形態に係るホーニング砥石の成形方法で成形した砥石表面の状態をレーザ顕微鏡で写した写真である。
【図7】図6のVII−VII断面について、砥粒形状を断面トレースした結果を示す図である。
【図8】従来の方法で成形加工したホーニング砥石の状態を加工数と加工能率の一例に基づいて示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ホーニングヘッド本体(ヘッド本体)、2 シュー、3 テーパーコーン、4 砥石(ホーニング砥石)、5 成形砥石、6 回転部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工品を研削するホーニング砥石の成形方法であって、
ホーニング砥石によって加工品が研削されたときに排出された切粉の大きさに基づいて成形砥石の砥粒径を選択し、選択した成形砥石を用いてホーニング砥石の表面状態を成形するホーニング砥石の成形方法。
【請求項2】
前記ホーニング砥石は、超硬砥粒からなる砥石であることを特徴とする請求項1記載のホーニング砥石の成形方法。
【請求項3】
前記成形砥石の砥粒径は、前記切粉の大きさに近似させることを特徴とする請求項1または2記載のホーニング砥石の成形方法。
【請求項4】
前記成形砥石の砥粒径は、複数の前記切粉の最小のものより大きく、最大のものより小さい粒径であることを特徴とする請求項1または2記載のホーニング砥石の成形方法。
【請求項5】
前記成形砥石の砥粒径は、複数の前記切粉の大きさを平均した平均値と同じであることを特徴とする請求項1または2記載のホーニング砥石の成形方法。
【請求項6】
前記ホーニング砥石は、外形寸法を成形加工された後、ホーニング砥石の表面状態を成形することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のホーニング砥石の成形方法。
【請求項7】
ヘッド本体と、
前記ヘッド本体の外周に沿って放射状に配置されたホーニング砥石と、
前記ホーニング砥石によって加工品が研削されたときに排出された切粉の大きさに基づいて砥粒径を選択した成形砥石と、
前記成形砥石を前記ヘッド本体の回転方向と同じ方向に回転させる回転部と、を備えるホーニング砥石の成形装置。
【請求項8】
加工品を研削するホーニング砥石の成形方法であって、
前記ホーニング砥石によって加工品が研削されたときに排出された切粉と近似する砥粒を有する成形砥石を選択し、選択した成形砥石を用いてホーニング砥石の表面状態を成形するホーニング砥石の成形方法。
【請求項9】
前記近似する砥粒とは、前記成形砥石が前記ホーニング砥石を目立てして表面状態を成形したときに、前記ホーニング砥石の目立てされた砥粒の加工品の切込み側にチップポケットを形成し、反切込み側にボンドテールを形成するように作用することを特徴とする請求項8記載のホーニング砥石の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−50922(P2009−50922A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217011(P2007−217011)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】