説明

ボイルオフガス流を取扱う方法およびその装置

液化炭化水素保管タンクからのボイルオフガス(BOG)流(15)は、BOG熱交換器フィード流(25)とBOGバイパス流(35)に分割される。BOG熱交換器フィード流(25)は、BOG熱交換器(40)内でプロセス流(135)に対して熱交換され、それによって温められたBOG流(45)および冷却されたプロセス流(195)を供給する。温められたBOG流(45)は、BOGバイパス流(35)と合流させられて、温度制御されたBOG流(55)を供給する。本明細書では、プロセス流の流量(135)は、(i)温められたBOG流(45)および(ii)冷却されたプロセス流(195)のうちの少なくとも1つの流れの測定された第1の温度に応じて、測定された第1の温度を第1の設定温度に向かわすように制御され、BOG熱交換器フィード流(25)およびBOGバイパス流(35)の一方または両方の流量が、温度制御されたBOG流(55)の測定された第2の温度に応じて、測定された第2の温度を第2の設定温度に向かわすように制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温で保管された液化炭化水素の在庫品からのボイルオフガス流を取扱う方法、およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
極低温で保管された液化炭化水素の在庫品の経済的に重要な例は、液化天然ガス(LNG)である。液化天然ガスは、ほぼ大気圧の下で約−162℃で保管することができる。
天然ガスは、有用な燃料源であると共に、様々な炭化水素化合物の源である。いくつかの理由のために、天然ガス流源にあるまたは天然ガス流源近くにある液化天然ガス(LNG)プラントにおいて天然ガスを液化することがしばしば望ましい。一例として、天然ガスは、ガスの形態におけるよりも液体としてより容易に保管し、長い距離にわたって運搬することができるが、このことは、液化天然ガスが小さい体積を占め、高圧で保管される必要がないからである。
【0003】
通常、主としてメタンからなる天然ガスは、昇圧されてLNGプラントに入り、前処理されて、極低温での液化に適した精製されたフィード流を生成する。精製されたガスは、熱交換器を用いて複数の冷却段階を通じて処理されて、液化が実現するまでガスの温度を次第に下げる。次いで、液化天然ガスは、保管および運搬に適した最終的な大気圧に至るまでさらに冷却および膨張させられる。
【0004】
液化天然ガスは、通常、極低温環境下で保管される。LNGの保管および取扱い中の温度の変動によって、液化天然ガスの一部が、ボイルオフガス(BOG)とも呼ばれる天然ガスの蒸気として気化することになり得る。ボイルオフガスは、極低温保管タンク内に保持された液化天然ガスから生成、またはLNGが、特に極低温保管タンクからLNG搬送容器までLNGの移送中に、十分に冷えていないパイプラインを通過する結果として生成され得る。
【0005】
米国特許第6,658,892号は、LNG保管タンクからのボイルオフガスが送風機によって一般的な不合格ガス熱交換器を通過させられて温められたボイルオフガス流を生成する、天然ガスを液化するプロセスを開示する。一般的な燃料ガス圧縮機における圧縮前に、温められたボイルオフガス流は、温められたエンド・フラッシュ・ガス流と合流させられる。一般的な不合格ガス熱交換器は、温系統流体流の冷熱回収を行う。温系統流体流は、フィードガス、スクラブ・コラム・オーバーヘッド・ガスおよび/または他の流体の一部を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的な燃料ガス圧縮機へ送られる、合流させられた温められたボイルオフガス流および温められたエンド・フラッシュ・ガス流は、液化プラントが動作させられるモードに応じて温度が変化し得る。
【0007】
保持モードでは、液化プラントによって生成されたLNGは、極低温保管タンクへ移送される。極低温保管タンクから発生したボイルオフガスは、定常温度であり、例えば−150℃未満である。しかし、LNG搬送容器がLNGで装填されており、液化プラントが装填モードに置かれるとき、追加のボイルオフガスが、連通パイプラインおよび容器保管タンクの冷却によって生成され得る。ボイルオフガスは、1つまたは複数の送風機によって、連通するパイプラインおよび/または搬送容器から液化プラントへ戻すことができる。送風機の動作により、例えば過熱によって液化プラントの保管タンクから発生するボイルオフガスよりしばしばかなり温かい異なる温度でボイルオフガスを生成することができる。これは、米国特許第6,658,892号に開示された燃料ガス圧縮機などの一般的な燃料ガス圧縮機が、様々な吸込み温度でいろいろな量の流体を取扱うことが必要とされることを意味する。
【0008】
例えば装填モードと保持モードの間で、一般的な燃料ガス圧縮機へ送られる、合流させられた温められたボイルオフガス流および温められたエンド・フラッシュ・ガス流の温度が変化するとき、圧縮機入口での流体の密度は変化する。これは、流量の変化に対応する。設計された動作条件から離れた質量流量の減少により、圧縮機の一定の出力もしくは効率の減少になり得る。
【0009】
したがって、例えば燃料ガスを供給するために、例えばこの流れを圧縮することが望まれる場合、これらの温度変化は、この流れのさらなる処理をより困難にさせ得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、極低温で保管された液化炭化水素の在庫品からのボイルオフガス流を取扱う方法であって、
− 液化炭化水素保管タンクからのボイルオフガス流を用意するステップと、
− BOG流をBOG熱交換器フィード流およびBOGバイパス流に分割するステップと、
− BOG熱交換器内でBOG熱交換器フィード流をプロセス流に対して熱交換し、これにより、温められたBOG流および冷却されたプロセス流を供給するステップと、
− 温度制御されたBOG流を供給するように、温められたBOG流をBOGバイパス流と合流させるステップと
を少なくとも含み、
プロセス流の流量が、(i)温められたBOG流および(ii)冷却されたプロセス流のうちの少なくとも1つの流れの測定された第1の温度に応じて、測定された第1の温度を第1の設定温度に近づけるように制御され、BOG熱交換器フィード流およびBOGバイパス流の一方または両方の流量が、温度制御されたBOG流の測定された第2の温度に応じて、測定された第2の温度を第2の設定温度に近づけるように制御される方法を提供する。
【0011】
さらなる態様では、本発明は、極低温で保管された液化炭化水素の在庫品からのBOG流を取扱う装置であって、
− 液化炭化水素の在庫品を保管するための液化炭化水素保管タンクであって、液化された炭化水素流の液化炭化水素保管タンクへの進入を許容するする第1の入口、およびBOG流が液化炭化水素保管タンクから排出されることを許容する第1の出口を有する液化炭化水素保管タンクと、
− BOG流をBOG熱交換器フィード流およびBOGバイパス流に分割するための第1の分流装置と、
− プロセス流との熱交換によってBOG熱交換器フィード流を温めるためのBOG熱交換器であって、BOG熱交換器フィード流を受け入れるための第1の入口、温められたBOG流を放出するための第1の出口、プロセス流を受け入れるための第2の入口、および冷却されたプロセス流を放出するための第2の出口を有するBOG熱交換器と、
− 温度制御されたBOG流を供給するように、BOGバイパス流および温められたBOG流を合流させる第1の合流装置と、
− BOG熱交換器フィード流およびBOGバイパス流の少なくとも1つの流量を制御するための1つまたは複数の流量制御弁と、
− プロセス流の流量を制御するためのプロセス流弁と、
− (i)温められたBOG流および(ii)冷却されたプロセス流のうちの少なくとも1つの流れの測定された第1の温度を決定すると共に第1の設定温度を有する第1の温度制御装置であって、測定された第1の温度を第1の設定温度に近づけるようにプロセス流弁を調節するように構成される第1の温度制御装置と、
− 温度制御されたBOG流の測定された第2の温度を決定すると共に、第2の設定温度を有する第2の温度制御装置であって、測定された第2の温度を第2の設定温度に近づけるように1つまたは複数の流量制御弁を調節するように構成される第2の温度制御装置とを少なくとも備える装置を提供する。
【0012】
次に、本発明の実施形態が、単なる例によって、以下の非限定の添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態によるボイルオフガス流を取扱う方法および装置の概略図である。
【図2】さらなる実施形態によるボイルオフガス流を取扱う方法および装置を組み込む、炭化水素流を取扱う、冷却するおよび液化する方法および装置の概略図である。
【図3】さらなる実施形態によるボイルオフガス流を取扱う方法および装置を組み込む、炭化水素流を取扱う、冷却するおよび液化する方法および装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本説明のために、単一の参照符号が、系統(line)、およびその系統において実行される流れ(stream)に割り当てられる。本明細書で用いられる場合、流れとの関連で使用されるとき、用語「流量(flow)」および「質量流量(mass flow)」は、「質量流量速度(mass flow rate)」を指す。
【0015】
BOG熱交換器内のBOG流の一部を温め、BOG流の温められた一部をBOGバイパス流と合流させ、(i)温められたBOG流および(ii)冷却されたプロセス流のうちの少なくとも1つの流れの測定された第1の温度に応じてプロセス流の質量流量を制御し、温められる(もしくは温められた)BOG流の一部およびBOGバイパス流のうちの一方または両方の質量流量を制御することによって、ボイルオフガス流の温度は制御することができる。温度制御されたボイルオフガス流は、ボイルオフガス圧縮機へ適切に送ることができる。
【0016】
ボイルオフガス熱交換器フィード流は、ボイルオフガス熱交換器内で液化プロセス流などのプロセス流に対して温められて、温められたボイルオフガス流を測定された第1の温度で供給する。第1の温度制御装置は、ボイルオフガス熱交換器内の熱交換のレベルを制御するように動作することができる。ボイルオフガス熱交換器へ送られるプロセス流の質量流量を変えることによって、温められたボイルオフガス流の温度は変えることができ、第1の設定温度に向かう。第1の設定温度は、予め選択することができる。したがって、ボイルオフガス熱交換器は、可変加熱デューティをボイルオフガス熱交換器フィード流に与えて、温められたボイルオフガス流の温度を制御することができる。温められたボイルオフガス流の温度は、本来のBOG流の温度より高い。
【0017】
次いで、温められたボイルオフガス流は、ボイルオフガス・バイパス流と合流させられて、温度制御されたボイルオフガス流を供給することができる。ボイルオフガス・バイパス流は、ボイルオフガス熱交換器を通過せず、したがって温められたボイルオフガス流の温度より冷たい。ボイルオフガス・バイパス流の温度は、本来のボイルオフガス流の温度とほぼ同じである。このようにして、温められたボイルオフガス流は、実際に、直接熱交換によってボイルオフガス・バイパス流を加熱するために使用される。第2の温度制御装置は、温められたBOG流との直接熱交換を制御するために、BOG熱交換器フィード流およびBOGバイパス流の一方または両方の質量流量を変えるように動作することができる。温められたボイルオフガス流およびボイルオフガス・バイパス流の一方または両方の流量を変えることによって、温度制御されたバイパス流を構成するこれらの流れの相対的比率は、変えることができ、このようにして合流させられた流れの温度を制御する。このようにして、合流させられた流れの温度は、温度制御されたボイルオフガス流を供給するために異なる温度である2つの構成流の一方または両方の質量流量を調節することによって第2の設定温度に向かうことができる。
【0018】
理解されるように、本発明は、制御された温度のボイルオフガス流を供給するための様々な温度でのボイルオフガス流の処理を容易にすることができる。制御された温度のボイルオフガス流は、さらに処理されてもよく、そのようなさらなる処理は、例えば第2の設定温度での温度または第2の設定温度の近くの温度でガス圧縮機の沸騰に移ることを含む。これにより、ボイルオフガス圧縮機が、設計温度であり得る所望の吸込み温度で動作させられ、圧縮機の効率を最適化することができる。
【0019】
図を参照すると、図1は、液化炭化水素保管タンク10に保管された極低温で保管された液化炭化水素の在庫品11からのボイルオフガス流15を取扱う方法および装置1を示す。液化天然ガスなどの液化炭化水素または炭化水素混合物は、大気圧または大気圧の近くで極低温環境下で保管することができる。保管タンク10内の液化炭化水素の在庫品11は、液化された炭化水素流175を加えることによって第1の入口3を介して供給することができる。液化された炭化水素流175は、液化装置によって供給することができ、これは、以下より詳細に述べられる。液化装置の保管タンクではなく代替の実施形態では、保管タンクは、LNG搬送容器の保管タンクであってもよく、またはそのような容器の装填からボイルオフガスが供給される容器もしくは液化装置の保管タンクであってもよい。
【0020】
液化炭化水素の気化の程度は、液化炭化水素保管タンク10内、または保管タンク10へ液化炭化水素を送る配管内の温度の変動によって予想されることになる。気化したLNGなどのこの気化した炭化水素は可燃性であり、通常ボイルオフガス(BOG)流15と呼ばれる気化した炭化水素流として、出口5を介して保管タンク10から取り出すことができる。
【0021】
液化炭化水素保管タンク10が空の状態から充填中である場合、タンクは、液化炭化水素の保管温度を上回っている可能性があり、液化炭化水素がタンクを冷却するようになり、それによって炭化水素の一部が気化される。同様に、装填動作中に送風機によって搬送容器から戻された気化した炭化水素は、送風機によって過熱される可能性がある。そのような気化した炭化水素は、十分な保持状態のタンクから気化したガスより高い温度となる。例えば、BOG流15の温度は、−140〜−165℃の範囲内で変わり得る。この範囲内のより低い温度は、保持モードで起こり得る一方、この範囲内のより高い温度は、装填モードで起こり得る。
【0022】
本明細書に開示された方法および装置1は、温度制御されたBOG流55を供給しようとする。そのような流れは、設備の動作限界から逸脱することなく、さらなる設備においてさらに処理されてもよく、例えば、適宜のBOG圧縮機80において加圧されてもよい。
【0023】
BOG流15は、第1の分流装置220へ送られ、そこでBOG流15は、ボイルオフガス熱交換器フィード流25とボイルオフガス・バイパス流35に分割される。
BOG熱交換器フィード流25は、ボイルオフガス熱交換器40の第1の入口41へ送られる。BOG熱交換器40は、プリント回路熱交換器およびスプール巻き熱交換器からなる群から選択することができる。BOG熱交換器フィード流25は、BOG熱交換器40の第2の入口42に供給されるプロセス流135に対して温められ、それによって第1の出口43に温められたボイルオフガス流45、および第2の出口44に冷却されたプロセス流195を供給する。
【0024】
プロセス流135は、冷却される必要がある利用できる任意の適切なプロセス流であり得る。プロセス流135は、BOG熱交換器フィード流25、ひいてはボイルオフガス流15の温度を超える温度を有するべきである。必須ではないが、プロセス流135は、設定プロセス流温度で供給されることが好ましい。プロセス流135は、−20〜−50℃の範囲内の温度を有することができる。このようにして、BOG熱交換器フィード流25に存在する冷熱エネルギーの一部は、周囲の熱源に対して加熱することによって浪費されず、そうではなく別のプロセス流へ送られる。
【0025】
第1の温度制御装置50は、温められたBOG流の温度45を測定された第1の温度(T1)として決定する。第1の温度制御装置50は、第1の設定温度(SP1)も有し、この第1の設定温度(SP1)は、作業者によって入力することができる。第1の温度制御装置50は、温められたBOG流45の第1の温度(T1)を第1の設定温度(SP1)へ向かわせようとする。第1の温度制御装置50は、BOG熱交換器40を通じてのプロセス流135の質量流量を制御することによって、温められたBOG流45の温度の調節をもたらす。
【0026】
BOG熱交換器40を通じてのプロセス流135の質量流量は、熱交換器40の上流または下流で導管内に配置されるプロセス流弁(図示せず)によって制御され、この弁を調節することによって熱交換器400を通じてのプロセス流135の質量流量が変更できるようになっている。図2および図3の実施形態は、プロセス流弁の可能な位置を示す。
【0027】
プロセス流弁の設定は、第1の温度制御装置50からプロセス弁制御信号によって指示されたプロセス流駆動装置によって調節される。例えば、測定された第1の温度が第1の設定温度未満である場合、第1の設定値コントローラ50は、プロセス流駆動装置にプロセス流弁の設定を変更するように指示するプロセス弁制御信号を送信して、BOG熱交換器40を通じてのプロセス流135の質量流量を増加させ、BOG熱交換器フィード流25の加温を増加させる。同様に、測定された第1の温度が第1の設定温度を超える場合、第1の設定値コントローラ50は、プロセス流駆動装置にプロセス流弁の設定を変更するように指示するプロセス弁制御信号を送信して、BOG熱交換器40を通じてのプロセス流135の質量流量を減少させ、BOG熱交換器フィード流25の冷却を増加させる。
【0028】
第1の設定温度は、−21〜−58℃の範囲内、より好ましくは約−45〜−50℃の範囲内であり得る。第1の設定温度の選択は、BOG熱交換器40へのプロセス流135の設計したアプローチ温度に応じることができる。一実施形態では、第1の設定温度は、例えば、プロセス流135の温度より摂氏数度低くてもよく、例えば3℃低くてもよい。第1の温度制御装置50の入力される第1の設定温度は、施設の動作モードに応じてもよい。
【0029】
保持モード中、装填モード中に生成されたボイルオフガスと比べて、ボイルオフガスがより冷たいものであり得るが、より小さい質量流量を有し得るとき、第1の温度制御装置50は、BOG熱交換器40内のプロセス流135に対してボイルオフガスを温めるように動作することができる。
【0030】
装填モード中、ボイルオフガスの温度がより高いものであり得るとき、生成されるボイルオフガスの量が増加し、ボイルオフガス流15の質量流量を増加させてもよい。ボイルオフガスから利用できる総冷却デューティは、プロセス流135の質量流量が増加することができるように高くなる。
【0031】
さらなる実施形態では、第1の設定温度は、施設が保持モードで動作しているか、装填モードで動作しているかに応じて異なる値に設定されてもよい。例えば、第1の設定温度は、保持モードにおけるよりも装填モードにおいてより低くすることができる。
【0032】
次いで、BOG熱交換器40によって供給される温められたBOG流45は、第1の合流装置230へ送られ、この第1の合流装置230において、BOG流45は、BOGバイパス流35と合流させられて、温度制御されたBOG流55を供給する。温度制御されたBOG流55の温度は、温められたBOG流45およびBOGバイパス流55の相対的質量流量および温度によって決定され、後者は、BOG熱交換器40内で温められていないので、より冷たい温度である。
【0033】
第2の温度制御装置60は、温度制御されたBOG流55の温度を測定された第2の温度(T2)として決定する。第2の温度制御装置60は、第2の設定温度(SP2)を有し、この第2の設定温度(SP2)は、作業者によって入力することができる。第2の温度制御装置60は、温度制御されたBOG流55の第2の温度(T2)を第2の設定温度(SP2)へ向かわせようとする。第2の温度制御装置60は、温められたBOG流45およびBOGバイパス流35の相対的質量流量を制御することによって温度制御されたBOG流55の温度の調節をもたらす。第2の温度制御装置60は、BOGバイパス流35に沿ってボイルオフガスを迂回させることによって、BOG熱交換器40によって与えられるBOG熱交換器フィード流25への加温を減少させるように動作することができる。
【0034】
通常、第2の設定値は、第1の設定温度より低くなる。これは、より冷たいBOGバイパス流35が装填モードと保持モードの両方において正の質量流量を有するように、温められたBOG流45の冷却を必要とすることになる。したがって、BOGバイパス流35は、BOGバイパス流35が第1の合流装置230に加えられると、温められたBOG流45の温度を下げるように働く。
【0035】
温められたBOG流45およびBOGバイパス流35の相対的質量流量は、1つまたは複数の流量制御弁(図示せず)によって制御することができる。そのような流量制御弁は、任意の導管内に配置することができ、関連した流れの質量流量の調節を可能にする。図2および図3の実施形態は、BOGバイパス流35、BOG熱交換器フィード流25、および温められたBOG流45のうちの1つまたは複数におけるようなこれらの流量制御弁の可能な位置を示す。
【0036】
1つまたは複数の流量制御弁の設定は、第2の温度制御装置60から流量制御弁信号によって指示された流量制御駆動装置によって調節される。例えば、測定された第2の温度が第2の設定温度未満である場合、第2の設定値コントローラ60は、1つまたは複数の流量制御駆動装置に1つまたは複数の流量制御弁の設定を変更するように指示する流量制御弁信号を送信して、BOGバイパス流35に比べて温められたBOG流45の相対的質量流量を増加させ、温められたBOG流45によるBOGバイパス流35の加温を増加させる。同様に、測定された第2の温度が第2の設定温度を超える場合、第2の設定値コントローラ60は、流量制御駆動装置の1つまたは複数に1つまたは複数の流量制御弁の設定を変更するように指示する流量制御弁信号を送信して、BOGバイパス流35に比べて温められたBOG流45の相対的質量流量を減少させ、BOGバイパス流35による温められたBOG流45の冷却を増加させる。
【0037】
第2の温度制御装置60の入力される第2の設定温度は、施設の動作モードに応じてもよい。
保持モード中、ボイルオフガスの温度および質量流量は、装填モードに比べて低くてもよい。断熱を通じた漏れの結果として保管タンクおよび関連した配管に入る熱があるだけなので、BOG流15の温度は、通常、装填モード時より低い。追加のボイルオフガスを発生させる搬送容器がないので、ボイルオフガスの質量流量は、通常、装填モード時より低い。
【0038】
保持モードでは、第1の温度制御装置50は、プロセス流135に対してボイルオフガスを温めるように動作することができる。温められたBOG流45が、第2の設定温度または第2の設定温度の近くで供給される場合、第2の温度制御装置60の1つまたは複数の流量制御弁(図示せず)は、BOGバイパス流35の流量を大きく制限するように働くことができる。したがって、大部分の質量流量は、第1の温度制御装置50によって制御されるとき、BOG熱交換器フィード流25を通じてBOG熱交換器40へ至ることになる。温められたBOG流45が第2の設定温度より上で与えられる場合、第2の温度制御装置60によって動作させられる1つまたは複数の流量制御弁は、温められたBOG流45を冷却して温度制御されたBOG流55の測定された第2の温度を第2の設定温度に向かわすように、BOGバイパス流35の流量を供給するように働くことができる。
【0039】
装填モード中、BOGフィード流15の温度は、例えば、搬送容器からボイルオフガスを移送する送風機からの加熱により、保持モード時より高くなり得る。第2の温度制御装置60は、制御された温度のBOG流55の温度の増加をより温かいBOGバイパス流35の結果として検出することができる。ボイルオフガスのより少ない加温が、安定した制御された温度のBOG流55を供給するために必要とされてもよく、第2の温度制御装置60は、BOG熱交換器フィード流25との関連でBOGバイパス流35の流量を増加させるように動作することができ、それによってボイルオフガスへの入熱を減少させる。
【0040】
搬送容器内で生成され、装置1に戻る追加のボイルオフガスのために、ボイルオフガスの流量は、装填モード中に大きく増加し得る。このより高い流量は、BOG熱交換器フィード流の流量25に比べて保持モード時より温かいBOGバイパス流35の流量を増加させることによって対応することができる。
【0041】
一実施形態では、第2の設定温度は、保持モード中の設定値から装填モード中の異なる設定値へ徐々に下げられてもよい。この措置は、例えば、BOG熱交換器40に求められるデューティがその設計能力を超える場合に、実行されてもよい。
【0042】
入力される第2の設定温度を下げることにより、温度制御されたBOG流の目標温度を減少させる。この措置は、BOG熱交換器から求められるデューティの減少になる。BOG熱交換器が、最大設計動作デューティに達する場合、この措置が、装填モード中に特に実行され得る。そのような温度制御されたBOG流の測定された第2の温度の減少により、例えば適宜のBOG圧縮機80をその設計動作温度から遠ざけ、圧縮プロセスの効率を下げることになり得る。しかし、好ましくは、第2の設定温度および測定された第2の温度は、損傷を防ぐために、BOG圧縮機の設計動作限界内で維持されるべきである。
【0043】
代替として、いくつかの実施形態では、適宜の温められたBOG流の加熱器65が、その温度をさらに増加させるために、温められたBOG流内に設けられてもよい。例えば、装填モード中に、万一、BOGフィード流の加熱要求が、BOG熱交換器40のデューティを超える場合、設けられていれば適宜の加熱器65が使用されて、第1の測定された温度を第1の設定温度に向けて増加させ、および/または第1の設定温度で温められたBOG流の質量流量速度の増加をもたらすことができる。温められたBOG流の加熱器65は、第1の温度制御装置によって制御することもできる。
【0044】
このようにして、本明細書に開示された方法および装置は、温度制御されたBOG流55を供給することができる。
好ましい実施形態では、本明細書に開示された方法および装置は、炭化水素フィード流の液化プロセスの一部として利用することができる。炭化水素フィード流は、冷却および液化される任意の適したガス流であり得るが、通常は天然ガスまたは石油貯留層から得られた天然ガス流である。代替として炭化水素フィード流は、別の源から得ることもでき、フィッシャー・トロプシュ法などの合成源も含まれる。
【0045】
通常、天然ガス流は、メタンで実質的に構成される炭化水素組成物である。好ましくは、炭化水素フィード流は、少なくとも50モル%のメタン、より好ましくは、少なくとも80モル%のメタンを含有する。
【0046】
天然ガスなどの炭化水素組成物は、HO、N、CO、Hg、HSなどの非炭化水素、および他の硫黄化合物なども包含し得る。必要であれば、天然ガスは、冷却および任意の液化の前に前処理されてもよい。この前処理は、COおよびHSなどの不要な成分の削減および/または除去、または早期冷却、事前加圧等などの他のステップを包含し得る。これらのステップは当業者によく知られているので、それらの機構は、ここではさらには述べない。
【0047】
したがって、用語「炭化水素フィード流」は、洗浄、脱水および/またはスクラビングを含む任意の処理の前の組成物を含むこともでき、1つまたは複数の化合物または物質の削減および/または除去の処理を一部、実質的または全面的に受けた任意の組成物を含むことができ、硫黄、硫黄化合物、二酸化炭素、水、Hgおよび1つまたは複数のC2+炭化水素を含むが、これらに限定されない。
【0048】
源に応じて、天然ガスは、特にエタン、プロパンおよびブタン、ならびにことによってはより少ない量のペンタンおよび芳香族炭化水素などのメタンより重い様々な量の炭化水素を含有してもよい。その組成は、ガスの種類および位置に応じて変わる。
【0049】
従来から、メタンより重い炭化水素は、それら炭水化物にメタン液化プラントの部品を閉塞させ得る異なる凍結温度または液化温度を有するなどのいくつかの理由のために、任意の重要な冷却の前に炭化水素フィード流からできる限り効率的に除去される。脱メタン塔によって、C2+炭化水素は、炭化水素フィード流から分離することができ、またはそれらの含有量が炭化水素フィード流中で減少させられ、この脱メタン塔は、メタンが豊富であるオーバーヘッド炭化水素流、およびC2+炭化水素を含有する底部メタン希薄流を供給する。次いで、底部メタン希薄流は、液化石油ガス(LPG)およびコンデンセート流を供給するためにさらなる分離器へ送ることができる。
【0050】
分離後、そのように生成された炭化水素流は、冷却することができる。この冷却は、当技術分野で知られたいくつかの方法によって行われ得る。炭化水素流は、1つまたは複数の冷媒回路内の1つまたは複数の冷媒流に対して通過させられる。そのような冷媒回路は、少なくとも一部気化した冷媒流を圧縮して圧縮冷媒流を供給するために1つまたは複数の冷媒圧縮機を含み得る。次いで、圧縮冷媒流は、空気冷却器または水冷却器などの冷却器内で冷却されて、冷媒流を供給することができる。冷媒圧縮機は、1つまたは複数のタービンによって駆動されてもよい。
【0051】
炭化水素流の冷却は、1つまたは複数の段階で実行することができる。初期冷却は、予冷却または補助冷却とも呼ばれ、予冷却用冷媒回路の予冷却用混合冷媒を用いて2つ以上の予冷却用熱交換器内で実行されて、予冷却された炭化水素流を供給することができる。好ましくは、予冷却された炭化水素流は、0℃未満の温度などで一部液化される。
【0052】
好ましくは、そのような予冷却用熱交換器は、予冷却段階を含んでもよく、任意のその後の冷却が1つまたは複数の主熱交換器内で実行されて、1つまたは複数の主冷却段階および/または副冷却の冷却段階において炭化水素流の一部を液化する。
【0053】
このようにして、2つ以上の冷却段階が含まれてもよく、それぞれの段階は、1つまたは複数のステップ、部分などを有する。例えば、それぞれの冷却段階は、1〜5個の熱交換器を備えてもよい。炭化水素流および/または混合冷媒、あるいは炭化水素流および/または混合冷媒の一部は、冷却段階の全てのおよび/または全て同じ熱交換器を通過しなくてもよい。
【0054】
一実施形態では、炭化水素は、2つまたは3つの冷却段階を含む方法において冷却および液化することができる。好ましくは、予冷却段階は、炭化水素フィード流の温度を0℃未満、通常は−20℃〜−70℃の範囲内へ減少させることが意図される。
【0055】
好ましくは、主冷却段階は、予冷却段階から分離している。すなわち、主冷却段階は、1つまたは複数の別個の主熱交換器を含む。好ましくは、主冷却段階は、炭化水素流の温度を、通常、予冷却段階によって冷却された炭化水素流の少なくとも一部を−100℃未満へ減少させることが意図される。
【0056】
2つ以上の予冷却用熱交換器または任意の主熱交換器として用いるための熱交換器は、当技術分野でよく知られている。好ましくは、予冷却用熱交換器は、シェル熱交換器およびチューブ熱交換器である。
【0057】
好ましくは、主熱交換器のいずれかの少なくとも1つは、当技術分野で知られたスプール巻き極低温熱交換器である。適宜、熱交換器は、そのシェル内に1つまたは複数の冷却部分を備えてもよく、各冷却部分は、1つの冷却段階、または他の冷却位置とは別個の「熱交換器」とみなされてもよい。
【0058】
別の実施形態では、混合した予冷却用冷媒流の一方または両方、および任意の混合主冷媒流は、1つまたは複数の熱交換器、好ましくは上記の2つ以上の予冷却用熱交換器および主熱交換器を通過させられて、冷却された混合冷媒流を供給することができる。
【0059】
予冷却用冷媒回路または任意の主冷媒回路などの混合冷媒回路内の混合冷媒は、窒素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ペンタンなどを含む群から選択される2つ以上の成分からなる混合物から形成することができる。1つまたは複数の他の冷媒が、別個の冷媒回路またはオーバーラップ冷媒回路、あるいは他の冷却回路内で使用されてもよい。
【0060】
予冷却用冷媒回路は、混合した予冷却用冷媒を含み得る。主冷媒回路は、混合主冷媒を含み得る。本明細書中で言及されるような混合冷媒または混合冷媒流は、少なくとも5モル%の2つの異なる成分を含有する。より好ましくは、混合冷媒は、窒素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタンおよびペンタンを含む群からの2つ以上を含む。
【0061】
予冷却用混合冷媒用の一般的な組成物は、以下の通りであり得る。
メタン(C1) 0〜20モル%
エタン(C2) 5〜80モル%
プロパン(C3) 5〜80モル%
ブタン(C4) 0〜15モル%
全体の組成は、100モル%を含む。
【0062】
主冷却用混合冷媒用の一般的な組成物は、以下の通りであり得る。
窒素 0〜25モル%
メタン(C1) 20〜70モル%
エタン(C2) 30〜70モル%
プロパン(C3) 0〜30モル%
ブタン(C4) 0〜15モル%
全体の組成は、100モル%を含む。
【0063】
予冷却された天然ガス流などの予冷却された炭化水素流は、さらに冷却されて、LNG流などの液化された炭化水素流を供給することができる。液化後、液化された炭化水素流は、必要であれば、さらに処理されてもよい。一例として、得られた液化炭化水素は、1つまたは複数の膨張装置、例えばジュール・トムソン弁および/または極低温ターボ膨張機などによって減圧されてもよい。
【0064】
本明細書に開示された別の実施形態では、液化された炭化水素流は、エンド・フラッシュ容器などのエンド・ガス/液体分離器を通過させられて、エンド・フラッシュ・ガス流オーバーヘッド(end−flash gas stream overhead)、および液体底部流(liquid bottom stream)を供給することができ、後者は、1つまたは複数の液化炭化水素保管タンク内に、LNGなどの液化生成物として保管されるためのものである。保管タンクなどからのボイルオフガスは、本明細書に記載された方法および装置により処理することができる。
【0065】
図を参照すると、図2は、液化された炭化水素流175を供給するために、炭化水素フィード流105を取扱う、冷却するおよび液化する方法および装置100を示す。液化された炭化水素流175は、液化炭化水素保管タンク10へ送ることができ、液化炭化水素保管タンク10は、BOG流15を供給することができ、BOG流15は、処理されて温度制御されたBOG流55を生成するように処理され得る。
【0066】
炭化水素フィード流105は、天然ガスなどの任意の炭化水素または混合物または複数種の炭化水素であり得る。炭化水素フィード流105は、処理装置110へ送ることができ、そこでフィード流は、酸性ガスなどの不要な汚染物質、およびより重い炭化水素を除去するように処理される。そのような処理は、当業者に知られている。酸性ガスは、溶媒抽出によってフィード流から除去されて、酸性ガス流95aを供給することができる。より重い炭化水素は、スクラブ塔などの1つまたは複数の分離塔における分離によって除去されて、天然ガス液(NGL)を供給することができる。処理装置110を発つNGL流95bが示されている。炭化水素フィード流105に存在する水の量も除外され得る。
【0067】
処理装置110は、処理された炭化水素流115を供給する。処理された炭化水素流115は、炭化水素フィード流105に比べて、酸性ガスおよびNGLの含有量が減少したメタンが豊富な流れである。
【0068】
処理された炭化水素流115は、1つまたは複数の予冷却用熱交換器120を備える予冷却装置へ送ることができる。1つまたは複数の予冷却用熱交換器120は、予冷却用冷媒回路内の予冷却用冷媒などの冷媒に対して、処理された炭化水素流115を冷却して、予冷却された炭化水素流125を供給することができる。
【0069】
次いで、予冷却された炭化水素流125は、予冷却流分流装置へ送ることができ、これは主冷却用炭化水素フィード流145およびプロセス流135aを供給し、この場合、プロセス流135aは、主冷却用炭化水素バイパス流である。
【0070】
主冷却用炭化水素フィード流145は、1つまたは複数の主冷却用熱交換器130を含む主冷却用装置へ送ることができる。1つまたは複数の主冷却用熱交換器130は、主冷媒回路内の主冷媒などの冷媒に対して主冷却用炭化水素フィード流145を冷却し、それによって少なくとも部分的に、好ましくは完全に炭化水素を液化することができる。1つまたは複数の主熱交換器は、液化された炭化水素流155aを供給する。液化された炭化水素流155aは、少なくとも部分的に液化された炭化水素流であり、好ましくは完全に液化された炭化水素流である。
【0071】
炭化水素流を冷却および液化するための予冷却回路および主冷媒回路の動作の一例は、米国特許第6,370,910号に見出すことができる。
少なくとも部分的に、好ましくは完全に、液化された炭化水素流155aは、冷却されたプロセス流195と合流させられて、(合流後の)少なくとも部分的に、好ましくは完全に液化された炭化水素流155bを供給することができる。
【0072】
次いで、(合流後の)少なくとも部分的に、好ましくは完全に液化された炭化水素流155bは、1つまたは複数のエンド膨張装置(end expansion device)150、例えばジュール・トムソン弁およびターボ膨張機の一方または両方などにおいて膨張させられて、膨張され部分的に液化された炭化水素流165を供給することができる。膨張され部分的に液化された炭化水素流165は、液体成分および気体成分を含有する二相流である。
【0073】
膨張され部分的に液化された炭化水素流165は、エンド・フラッシュ容器などのエンド・ガス/液体分離器160へ送られて、底部流としての液化された炭化水素流175およびエンド・フラッシュ・ガスとしても知られるオーバーヘッド炭化水素流185を供給することができる。炭化水素フィード流105が天然ガスのときは、液化された炭化水素流175は、LNG流であり得る。
【0074】
液化された炭化水素流175は、液化炭化水素保管タンク10の第1の入口3へ送ることができる。液化炭化水素保管タンク10は、液化炭化水素を第2の出口6に供給するための潜液式ポンプ210を備えることができ、この出口6で液化炭化水素は、液化炭化水素フィード流215として保管タンク10を発つ。液化炭化水素フィード流215は、液化炭化水素を、例えばLNG搬送器などの搬送容器内のさらなる保管タンク(図示せず)へ移送することができる。
【0075】
搬送容器の装填中、ボイルオフガスは、さらなる保管タンクを冷却するおよび/または配管を液化炭化水素の温度に接続するプロセスにおいて生成され得る。このボイルオフガスは、装填ボイルオフガス流315として、液化炭化水素保管タンク10の第2の入口4へ戻るように送られてもよい。必要であれば、装填ボイルオフガス流315の少なくとも一部は、導管335に沿ってボイルオフガス流15に直接送られることができる。
【0076】
導管335からの装填ボイルオフガスの一部を適宜含むことと共に、BOG流15は、オーバーヘッド炭化水素流185から、エンド・ガス/液体分離器160からのオーバーヘッド炭化水素を含むこともできる。
【0077】
次いで、BOG流15は、本明細書に記載された方法および装置により処理されて、温度制御されたBOG流55を供給することができる。
図2に示される実施形態では、BOG流15は、第1の分流装置220へ送られ、そこでBOG流15は、BOG熱交換器フィード流25aおよびBOGバイパス流35aに分けられる。
【0078】
BOG熱交換器フィード流25aは、熱交換器フィード流流量制御弁20へ送られ、熱交換器フィード流流量制御弁20は、この流れの質量流量を制御して、(制御された)BOG熱交換器フィード流25bをBOG熱交換器40の第1の入口41に供給する。BOGバイパス流35aは、バイパス流流量制御弁30へ送られ、バイパス流流量制御弁30は、この流れの質量流量を制御して、(制御された)BOGバイパス流35bを供給する。
【0079】
BOG流流量制御弁20およびバイパス流流量制御弁30は、流量制御駆動装置(図示せず)に接続されており、流量制御駆動装置は、弁の設定を制御する。流量制御駆動装置は、第2の温度制御装置60から流量制御信号線61に沿って流量制御信号を受信する。図1の実施形態との関連で述べられたように、流量制御弁20、30の設定の変更は、(制御された)BOG熱交換器フィード流25b(およびしたがって温められたBOG流45)と(制御された)BOGバイパス流35bとの相対的質量流量を調節することになり、それによって温度制御されたBOG流55の温度は、第2の設定温度、または第2の設定温度の近くで維持することができる。
【0080】
温度制御されたBOG流55は、次いで、ボイルオフガス圧縮機ノックアウトドラム70の入口71へ送ることができ、ボイルオフガス圧縮機ノックアウトドラム70では、温度制御されたBOG流55からの液体が除去されて、出口72でボイルオフガス圧縮機フィード流75をオーバーヘッド流として供給することができる。
【0081】
BOG圧縮機フィード流75は、ボイルオフガス圧縮機80の入口81へ送ることができる。BOG圧縮機フィード流75は、温度制御されたBOG流55から引き出されるので、BOG圧縮機フィード流75は、温度制御された流れである。したがって、BOG圧縮機80の吸込みは、制御された温度の流れを用いて行われる。この温度制御により、BOG圧縮機80の動作が、BOG圧縮機80の動作限界内で維持されることを可能にする。
【0082】
BOG熱交換器40の動作に関しては、(制御された)BOG熱交換器フィード流25bの加温は、プロセス流によって与えられる。本実施形態では、プロセス流は、前述のように、予冷却流分流装置によって予冷却された炭化水素流125から供給される主冷却用炭化水素バイパス流135aである。主冷却用炭化水素バイパス流135aは、1つまたは複数の予冷却用熱交換器120、例えば少なくとも1つの低圧プロパン熱交換器などによって生成されるとき、一定の温度で供給することができる。
【0083】
主冷却用炭化水素バイパス流135aは、プロセス流弁170へ送られて、BOG熱交換器40の第2の入口42へ送られる(制御された)主冷却用炭化水素バイパス流135bを供給する。(制御された)主冷却用炭化水素バイパス流135bの流量は、プロセス流弁170の設定によって制御される。プロセス流弁170の設定は、プロセス制御信号線51に沿って第1の温度制御装置50からプロセス制御信号を受信するプロセス流駆動装置によって制御される。このようにして、温められたBOG流45の第1の温度は、(制御された)主冷却用炭化水素バイパス流135bの質量流量を変更することによって制御することができる。
【0084】
BOG熱交換器は、(制御された)主冷却用炭化水素バイパス流135bを(制御された)BOG熱交換器フィード流25bに対して冷却して、冷却された主冷却用炭化水素バイパス流195を冷却されたプロセス流として供給する。冷却された主冷却用炭化水素バイパス流195が、少なくとも部分的に、好ましくは完全に液化されるとき、冷却された主冷却用炭化水素バイパス流195は、1つまたは複数の主熱交換器130からの少なくとも部分的に、好ましくは完全に液化された炭化水素流155aと合流させられて、(合流後の)少なくとも部分的に、好ましくは完全に液化された炭化水素流155bを供給することができる。このようにして、ボイルオフガスからの冷熱エネルギーの一部は、炭化水素プロセス流へ再循環することができ、それによってそれは、1つまたは複数の主熱交換器130の冷却デューティを減少させるために1つまたは複数の主熱交換器130をバイパスすることができる。
【0085】
図3は、液化された炭化水素流175を供給するために、炭化水素フィード流105を取扱う、冷却するおよび液化する代替の方法および装置100を示す。液化された炭化水素流175は、液化炭化水素保管タンク10へ送ることができ、液化炭化水素保管タンク10は、BOG流15を供給することができ、BOG流15は、温度制御されたBOG流55を生成するように処理され得る。
【0086】
本実施形態では、プロセス流135cは、1つまたは複数の主熱交換器130からの主冷媒を含む。特に、プロセス流135cは、米国特許第6,370,910号に記載されたもののように、混合冷媒回路内の混合冷媒分離装置から生じる軽い混合冷媒流であり得る。そのような軽い混合冷媒流は、幾分濃縮された混合冷媒流を形成し、典型的には混合冷媒分離装置によって気相を幾分濃縮された混合冷媒流から分離して軽い混合冷媒流を形成することによって混合冷媒流から生じ得る。軽い混合冷媒流135cは、BOG熱交換器40の第2の入口へ送られ、BOG熱交換器40で軽い混合冷媒流135cは、冷却された軽い混合冷媒流195aを供給するようにBOG熱交換器フィード流25に対して温められる。
【0087】
この場合、BOG熱交換器40を通じての軽い混合冷媒の質量流量は、BOG熱交換器40の上流ではなく下流にあるプロセス流弁170aによって制御される。プロセス流弁170aは、(制御された)冷却された軽い混合冷媒流195bを供給し、軽い混合冷媒流195bは、1つまたは複数の熱交換器130に戻されることができる。プロセス流弁170aは、第1の温度制御装置50からプロセス制御信号線51中のプロセス制御信号を用いて実現されるプロセス流駆動装置によって制御される。このようにして、温められたBOG流の第1の温度は、制御することができる。
【0088】
プロセス流弁170aは、二相流を有する低圧状態が弁の下流に生じることができるようにプロセス流の大きな圧力降下をもたらすことができる。BOG熱交換器40の下流にそのような低圧状態を生み出すことが好ましい。プロセス流弁170aが、BOG熱交換器40の上流に位置する場合、交換器は、二相流に対応するようになされなければならない。このことは、BOG熱交換器40のコストを増大させ得る。
【0089】
図3の実施形態は、第2の温度制御装置60によって制御されるBOG流流量制御弁20aの代替の位置をやはり示す。BOG流流量制御弁20aは、BOG熱交換器フィード流25内のBOG熱交換器40の上流に位置するのではなく、熱交換器40の第1の出口43から出る温められたBOG流45a内の下流に設けられる。温められたBOG流45aは、BOG流流量制御弁20aへ送られ、BOG流流量制御弁20aは、第1の合流装置230において(制御された)BOGバイパス流35bと合流させられることになる(制御された)温められたBOG流45bを供給する。したがって、BOG熱交換器40の下流にあるBOG流流量制御弁20aは、温められたBOG流/BOG熱交換器フィード流25の質量流量を制御するように働く。バイパス流流量制御弁30との組み合わせで、温められたBOG流/BOG熱交換器フィード流25とBOGバイパス流35a/(制御された)BOGバイパス流35bとの相対的質量流量を制御して、第2の設定温度で温度制御されたBOG流を供給することが可能である。
【0090】
第1の温度制御装置50は、BOG流流量制御弁20aの上流または下流に位置することができる。図3は、温められたBOG流45a中のBOG流流量制御弁20aの上流に位置する第1の温度制御装置50を示す。BOG流流量制御弁20aの上流に第1の温度制御装置50を配置することによって、第1の温度は、BOG流流量制御弁20aの動作から生じる温められたBOG流45aの何らかの流量変化の前に決定することができる。
【0091】
代替の実施形態(図示せず)では、第1の温度制御装置50は、冷却されたプロセス流195の温度を測定するように位置することができる。この場合、プロセス流弁170aの動作から生じる冷却されたプロセス流195の何らかの圧力または温度の変化の前に第1の温度が決定することができるように、第1の温度制御装置50は、BOG熱交換器40とプロセス流弁170aの間に配置されることが好ましい。したがって、第1の設定温度は、図1および図2の実施形態に提案されたものとは異なり、冷却されたプロセス流195について−137〜−162℃の範囲内であり得る。
【0092】
本発明は、そのような場合に限定されないが、上記の技術は、液化施設が複数の動作モードの間で移行するときなど、ボイルオフガス流の温度が変わり得る場合に特に有利であることは当業者には明らかであろう。
【0093】
保持モードにあるときは、ボイルオフガスは、主として極低温保管タンクから生成される。ボイルオフガスの温度は、極低温に近いものとなる。例えば、液化炭化水素が液化天然ガス(LNG)である場合、保管タンクからのボイルオフガスは、−150℃未満の温度であり得る。
【0094】
しかし、LNG搬送容器などの液化炭化水素搬送器が、液化施設からLNGを受け入れるために到着すると、この施設は、保持モードから装填モードへ移行することになる。装填モード中、液化施設の極低温保管タンクと液化炭化水素搬送器を接続する配管、および液化炭化水素搬送器の極低温保管タンクは、極低温より温かいものであり得る。したがって、装填プロセスは、接続配管を通過し、搬送器保管タンクに入る液化炭化水素からボイルオフガスを生成する可能性があり、このボイルオフガスは、保持モード時に液化施設の極低温保管タンクによって生成されるボイルオフガスよりかなり温かい。このことは、液化炭化水素自体が接続配管および搬送器保管タンクの冷却を行うために使用される場合に特にそのようになる。加えて、搬送容器で発生したボイルオフガスを液化施設へ送る送風機は、ガスを過熱し、ボイルオフガスの温度を上昇させ得る。
【0095】
さらに、保持モードに比べて装填モード中、保管タンクと搬送容器を接続する追加の配管、および搬送容器の保管タンクのために、かなりより大量のボイルオフガスが生成される可能性がある。
【0096】
したがって、液化施設の装填モードの少なくとも初期段階中、ボイルオフガスは、より高い温度でかつ保持モード中に生成されるものよりも大量に生成される可能性がある。
保持モード中、ボイルオフガス流の温度および質量流量速度は、装填モード中に比べて低いものであり得る。第1の温度制御装置は、第1の設定温度に達するまでBOG熱交換器フィード流を温めるためにBOG熱交換器に必要な熱を与えるようにプロセス流の質量流量を変更することによって、測定された第1の温度を第1の設定値で維持するように動作することができる。
【0097】
第2の温度制御装置の第2の設定温度が第1の設定温度未満であるように選択されるとき、これは、より冷たいBOGバイパス流と合流させることによって第2の設定温度まで温められたBOG流の温度を下げることによって実現することができる。BOGバイパス流は、BOG熱交換器に通過されていないので、第1の設定温度より低い温度であり得る。通常、BOGバイパス流は、やはり第2の設定温度より冷たい。第2の温度制御装置は、第2の設定温度を実現するように、温められたBOG流およびBOGバイパス流の一方または両方の相対的質量流量速度を制御することができる。
【0098】
例えば、測定された第2の温度が第2の設定温度より高いとき、第2の温度制御装置は、BOGバイパス流の質量流量速度を増加および/またはBOG熱交換器フィード流の質量流量速度を減少させることができる。測定された第2の温度が第2の設定温度より低いとき、第2の温度制御装置は、BOGバイパス流の質量流量速度を減少および/またはBOG熱交換器フィード流の質量流量速度を増加させることができる。
【0099】
この施設が、装填モードへ移行するとき、ボイルオフガス流の温度および質量流量は、保持モードに比べて増加し得る。第1の温度制御装置は、プロセス流の質量流量速度を変えてBOG熱交換器のデューティを変更することによって、温められたBOG流を第1の設定温度に維持するように作用することができる。これは、追加の加温をより高い流量のBOGフィード流に与えるようにプロセス流の流量を増加すること、またはそのより高い温度の結果としてBOGフィード流のより少ない加温が必要とされる場合にプロセス流の流量を減少させることを伴い得る。
【0100】
一実施形態では、BOG熱交換器は、最大必要デューティをBOGフィード流に与えるような大きさに作製することができることが明らかであろう。装填モード中、BOG流の流量の増加に起因する追加のデューティは、BOG流の温度の増加の結果として、通常、デューティの減少を超えることになる。したがって、装填モードは、最大BOG熱交換器デューティを生成することができる。
【0101】
すでに述べたように、第2の温度制御装置の第2の設定温度が、第1の設定温度未満であるように選択されるとき、温められたBOG流の温度は、BOGバイパス流と合流させることによって第2の設定温度まで下げられることになる。保持モードから装填モードへ移るとき、温められたBOG流を冷却するために使用されるBOGバイパス流の温度は増加することになる。これは、第2の温度制御装置によって測定された第2の温度の上昇として検出される。したがって、第2の温度制御装置は、BOGバイパス流の流量を増加させ、および/またはBOG熱交換器フィード流の流量を減少させて、温度制御されたBOG流の温度を第2の設定温度に向けて下げるように動作することができる。別な見方をすると、BOG熱交換器内で加熱されていないので温められたBOG流より低い温度であるBOGバイパス流は、下流でBOG熱交換器へ送られる温められたBOG流の冷却を行うことができる。
【0102】
保持モードにシステムが戻ると、ボイルオフガス流の温度および流量は、低下し得る。これは、BOGバイパス流の温度の降下の結果として第2の設定温度未満への第2の測定された温度の低下として検出され得る。このため、BOGバイパス流の流量は維持されることが好ましい。第2の温度制御装置は、温度制御されたBOG流の温度を第2の設定温度に向けて上昇させるために、BOGバイパス流の流量を下げる、および/またはBOG熱交換器フィード流の流量を増加させることによって対応する。
【0103】
第1の温度制御装置は、BOG熱交換器フィード流の温度の降下の結果とする第1の設定温度未満への測定された第1の温度の低下を検出することもでき、プロセス流によって与えられるデューティの変化がない場合、それにより、温められたBOG流の温度の降下になる。第1の温度制御装置は、現在より低い温度のBOG熱交換器フィード流の追加の冷却を行うためにプロセス流の流量を増加させることによって応じることができ、それにより第1の設定温度に向けて温められたBOG流の温度が増加することになる。この場合、第1の温度制御装置および第2の温度制御装置は、測定された第1の温度および第2の温度の減少を同時に検出することができる。
【0104】
このようにして、温度制御されたボイルオフガス流は、所望の温度でBOG圧縮機へ供給することができる。そのような温度は、ボイルオフガス流およびプロセス流の温度の範囲内であり得る。ボイルオフガス流の温度は、施設が保持モードにあるか、装填モード時にあるかによって決まり得る。本発明は、保持モード中などにあまりに低い温度の流れがBOG圧縮機へ送られるのを、プロセス流から加温を与えることによって防ぐように働くことができる。
【0105】
本発明は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの様々なやり方で実行することができることを当業者は理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温で保管された液化炭化水素の在庫品からのボイルオフガス流を取扱う方法であって、
− 液化炭化水素保管タンクからのボイルオフガス(BOG)流を用意するステップと、
− 前記BOG流をBOG熱交換器フィード流およびBOGバイパス流に分割するステップと、
− BOG熱交換器内で前記BOG熱交換器フィード流をプロセス流に対して熱交換し、これにより、温められたBOG流および冷却されたプロセス流を供給するステップと、
− 温度制御されたBOG流を供給するように、前記温められたBOG流を前記BOGバイパス流と合流させるステップと
を少なくとも含み、
前記プロセス流の質量流量が、(i)前記温められたBOG流および(ii)前記冷却されたプロセス流のうちの少なくとも1つの流れの測定された第1の温度に応じて、前記測定された第1の温度を第1の設定温度に近づけるように制御され、前記BOG熱交換器フィード流および前記BOGバイパス流の一方または両方の質量流量が、前記温度制御されたBOG流の測定された第2の温度に応じて、前記測定された第2の温度を第2の設定温度に近づけるように制御される方法。
【請求項2】
− BOG圧縮機フィード流を供給するように、前記温度制御されたBOG流をBOG圧縮機ノックアウトドラムに送るステップと、
− 圧縮BOG流を供給するように、BOG圧縮機内で前記BOG圧縮機フィード流を圧縮するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセス流が、予め設定されたプロセス流温度で供給される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記温められたBOG流の前記測定された第1の温度に応じた前記プロセス流の前記質量流量の前記制御が、
− 前記第1の設定温度を有する第1の温度制御装置を用いて前記温められたBOG流の前記測定された第1の温度を決定するステップと、
− 前記測定された第1の温度を前記第1の設定温度に近づけるようにプロセス流弁を調節することによって前記プロセス流の前記質量流量を変更するステップと
を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記温度制御されたBOG流の前記測定された第2の温度に応じた前記BOG熱交換器フィード流および前記BOGバイパス流の一方または両方の前記質量流量の前記制御が、
− 前記第2の設定温度を有する第2の温度制御装置を用いて前記温度制御されたBOG流の前記測定された第2の温度を決定するステップと、
− 前記測定された第2の温度を前記第2の設定温度に近づけるようにフィード流弁およびバイパス流弁をそれぞれ調節することによって前記BOG熱交換器フィード流および前記BOGバイパス流の一方または両方の前記質量流量を変更するステップと
を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
− 炭化水素フィード流を用意するステップと、
− 液化された炭化水素流を供給するように冷媒回路内で循環させられる少なくとも1つの冷媒に対して熱交換することを含む、前記炭化水素フィード流の少なくとも一部を液化するステップと、
− 前記液化された炭化水素流の少なくとも一部を、前記液化炭化水素保管タンク内の前記極低温で保管された液化炭化水素の在庫品に加えるステップと
をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記プロセス流が、前記炭化水素フィード流からの少なくとも一部を含み、前記一部が、前記BOG熱交換器内の熱交換後、少なくとも部分的に、前記液化炭化水素保管タンク内の前記極低温で保管された液化炭化水素の在庫品に加えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プロセス流中の前記炭化水素フィード流からの前記一部が、前記BOG熱交換器内で熱交換される冷媒回路内で循環させられる前記少なくとも1つの冷媒との熱交換の少なくとも一部をバイパスするスリップストリームによって形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセス流が、前記冷媒回路内で循環させられる前記少なくとも1つの冷媒から得られる冷媒流を少なくとも含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記液化された炭化水素流の前記少なくとも一部を前記極低温で保管された液化炭化水素の在庫品に加えるステップが、
− 膨張させられた少なくとも部分的に液化された炭化水素流を供給するように、1つまたは複数のエンド膨張装置内で前記液化された炭化水素流を膨張させるステップと、
− 液化された炭化水素流およびオーバーヘッド炭化水素流を供給するように、前記膨張させられた少なくとも部分的に液化された炭化水素流をエンド・フラッシュ容器に送るステップと、
− 前記液化された炭化水素流を極低温保管タンクへ送るステップと、
− 前記オーバーヘッド炭化水素流を前記ボイルオフガス流に加えるステップと
を含む、請求項6から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
極低温で保管された液化炭化水素の在庫品からのボイルオフガス(BOG)流を取扱う装置であって、前記装置は、少なくとも、
− 前記液化炭化水素の在庫品を保管するための液化炭化水素保管タンクであって、液化された炭化水素流の前記液化炭化水素保管タンクへの進入を許容する第1の入口、および前記ボイルオフガス流が前記液化炭化水素保管タンクから排出されることを許容する第1の出口を有する液化炭化水素保管タンクと、
− 前記ボイルオフガス流をBOG熱交換器フィード流およびBOGバイパス流に分割するための第1の分流装置と、
− プロセス流との熱交換によって前記BOG熱交換器フィード流を温めるためのBOG熱交換器であって、前記BOG熱交換器フィード流を受け入れるための第1の入口、温められたBOG流を放出するための第1の出口、前記プロセス流を受け入れるための第2の入口、および冷却されたプロセス流を放出するための第2の出口を有するBOG熱交換器と、
− 温度制御されたボイルオフガス流を供給するように、前記BOGバイパス流および前記温められたBOG流を合流させる第1の合流装置と、
− 前記BOG熱交換器フィード流および前記BOGバイパス流の少なくとも1つの質量流量を制御するための1つまたは複数の流量制御弁と、
− 前記プロセス流の質量流量を制御するためのプロセス流弁と、
− (i)前記温められたBOG流および(ii)前記冷却されたプロセス流のうちの少なくとも1つの測定された第1の温度を決定すると共に第1の設定温度を有する第1の温度制御装置であって、前記測定された第1の温度を前記第1の設定温度に近づけるように前記プロセス流弁を調節するように構成される第1の温度制御装置と、
− 前記温度制御されたボイルオフガス流の測定された第2の温度を決定すると共に、第2の設定温度を有する第2の温度制御装置であって、前記測定された第2の温度を前記第2の設定温度に近づけるように前記1つまたは複数の流量制御弁を調節するように構成される第2の温度制御装置と
を備える、装置。
【請求項12】
− 前記温度制御されたBOG流の入口、およびBOG圧縮機フィード流の出口を有するBOG圧縮機ノックアウトドラムと、
− 前記BOG圧縮機フィード流を受け取るために前記BOG圧縮機ノックアウトドラムの前記出口に接続された入口、および圧縮BOG流の出口を有するBOG圧縮機と
をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
− 液化された炭化水素流を得るために冷媒との熱交換によって炭化水素フィード流の少なくとも一部を液化する1つまたは複数の主冷却用熱交換器を含む主冷却装置と、
− 前記冷媒を循環させるための冷媒回路と
をさらに備え、前記主冷却装置が、前記液化炭化水素保管タンクに接続されて、前記液化された炭化水素流の少なくとも一部を、前記液化炭化水素保管タンク内の前記極低温で保管された液化炭化水素の在庫品に加えることを可能にする、請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記BOG熱交換器の前記第2の入口が、前記炭化水素フィード流からの少なくとも一部を受け取るように配置され、前記プロセス流が、前記炭化水素フィード流からの少なくとも一部を含み、前記BOG熱交換器の前記第2の出口が、前記液化炭化水素保管タンクに接続される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記BOG熱交換器の前記第2の入口および前記第2の出口が、前記冷媒回路に接続され、前記プロセス流が、前記冷媒の少なくとも一部を含む、請求項13に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−511675(P2013−511675A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539297(P2012−539297)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067538
【国際公開番号】WO2011/061169
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】