説明

ボタンパッド及びこれを具えた電子機器

【課題】屋外で使用される電子機器のボタン部分の防水性を高める。
【解決手段】弾性部材から構成され、1又は複数のボタンが突設されたボタンパッドにおいて、ボタン32,33の周縁に少なくとも2条の環状のリブ40,50を設けている。また、1又は複数のボタン32,33が突設されたボタンパッド30を筺体20とスイッチ基板70との間に取り付けた電子機器において、ボタンパッド30は、ボタン32,33の周縁に少なくとも2条の環状のリブ40,50を有しており、各リブ40,50が筺体20の内面に密着するよう配備される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外で使用される表示装置等の電子機器に関するものであり、より具体的には筺体に設けられたボタン部分の防水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、屋外で使用されるデジタルサイネージ用のモニタが普及している。これらのモニタでは屋外配置に耐えうるよう、熱対策や防水対策が講じられている
(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−277957号公報
【特許文献2】特開2009−296105号公報
【特許文献3】特開2007−123103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外で使用することがある表示装置に対し、家庭等で使用する表示装置と同様、筺体にボタンを配備し、このボタンによりチャンネルの変更や音量の調整といった操作を行ないたいという要望がある。しかし、ボタン部分から筺体内部に浸水する虞があるため、ボタン部分の防水性を高めることが求められている。
そこで、特許文献3では、ボタンを1条の環状のリブで包囲し、該リブを筺体と当接されることで水分の侵入を防いでいる。
しかしながら、ボタンは操作の際に上下に移動するからリブにすじ状の溝ができることがあり、この溝から水分が侵入してしまう虞があった。
【0005】
本発明の目的は、屋外で使用される電子機器のボタン部分の防水性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のボタンパッドは、
弾性部材から構成され、1又は複数のボタンが突設されたボタンパッドにおいて、
ボタンの周縁に少なくとも2条の環状のリブを設けたものである。
【0007】
また、本発明の電子機器は、1又は複数のボタンが突設されたボタンパッドを筺体とスイッチ基板との間に取り付けた電子機器において、
ボタンパッドは、ボタンの周縁に少なくとも2条の環状のリブを有しており、各リブが筺体の内面に密着するよう配備されるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のボタンパッドは、電子機器の筺体に取り付けたときに、複数の環状リブが筺体の内面に密着している。従って、外部からの水分の侵入を可及的に防止することができる。
また、たとえボタンに近い内側のリブを越えて水分が侵入したとしても、内側のリブと外側のリブとの間に水分が溜まり、経時により蒸発するから、電子機器の内部の防水性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明を適用することのできる一実施例の電子機器の斜視分解図である。
【図2】図2は、ボタンの臨出部分を拡大して背面図である。
【図3】図3は、図2の線3−3に沿う矢視断面図である。
【図4】図4は、本発明のボタンパッドの正面図である。
【図5】図5は、本発明のボタンパッドの平面図である。
【図6】図6は、本発明のボタンパッドの背面図である。
【図7】図7は、本発明のボタンパッドの左側面図である。
【図8】図8は、図4の線8−8に沿う断面図である。
【図9】図9は、本発明のボタンパッドの右側面図である。
【図10】図10は、図4の線10−10に沿う断面図である。
【図11】図11は、外部接続配線を接続する収容部とカバーの防水構造を示す斜視図である。
【図12】図12は、図11の防水構造が取り付けられた電子機器の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
なお、以下では、電子機器として本発明のボタンパッド(30)を液晶表示装置(10)に適用した実施例について説明するが、電子機器は液晶表示装置(10)に限定されるものではない。
【0011】
図1は、液晶表示装置(10)の分解斜視図である。図に示すように、液晶表示装置(10)は、液晶表示パネルを前面に有する液晶ユニット(12)と液晶ユニット(12)の各種制御を行なう電子部品ユニット(14)を筺体(20)により包囲して構成される。
【0012】
筺体(20)は、液晶表示パネル(図示せず)を覆う前面のガラスパネル(22)と、液晶ユニット(12)及び電子部品ユニット(14)の側面を覆う断面矩形のサイドケーシング(24)と、サイドケーシング(24)を背面側から閉じるリアパネル(26)から構成され、ガラスパネル(22)とサイドケーシング(24)、サイドケーシング(24)とリアパネル(26)は夫々パッキン(28)を挟んだ状態で連結され、筺体(20)の内部を防水状態で維持している。図示の液晶表示装置(10)では、サイドケーシング(24)及びリアパネル(26)はアルミニウム合金から作製している。
【0013】
押下式のボタン(32)(33)による操作部は、リアパネル(26)の右上に設けられている。
【0014】
図2及び図3は、リアパネル(26)から臨出するボタン(32)(33)を拡大して示している。図3に示すように、ボタンパッド(30)は、リアパネル(26)の内面側に配備されており、ボタンパッド(30)に形成されたボタン(32)(33)は、リアパネル(26)に形成された複数のボタン用開口(27)(27)から臨出している。
【0015】
ボタンパッド(30)は、ゴムなどの弾性部材を成形して構成される。図3乃至図10に示すように、ボタンパッド(30)は、平板状のボタン支持プレート(31)と、該ボタン支持プレート(31)のトップ面から突設された複数のボタン(32)(33)を具え、各ボタン(32)(33)の周囲には、複数条のリブ(40)(50)が形成されている。なお、図示の実施例では、リブ(40)(50)は2条としている。
【0016】
より具体的には、図3に示すように、ボタン(32)(33)は、ボタン支持プレート(31)よりも肉厚に形成されており、ボタン(32)(33)は、ボタン支持プレート(31)に対してボタン(32)(33)の上下の移動を許容する薄肉部(34)(34)にて連繋されている。
また、ボタン(32)(33)のトップ面には、対応する操作が印刷等により付されている。
【0017】
ボタン(32)のボトム面には、図3に示すスイッチ基板(70)の押下式スイッチ(72)を操作する突起(35)が突設されている。
なお、図3中、一番右側のボタン(33)には突起を形成していない。
【0018】
ボタン支持プレート(31)には、各ボタン(32)(33)を囲むように環状の第1リブ(40)(40)が突設されている。各第1リブ(40)(40)の外周には、間隔を存して第2リブ(50)(50)が突設されている。
図示の第2リブ(50)(50)は、ボタン支持プレート(31)の外縁を囲うと共に、隣り合う第1リブ(40)(40)間を区画するよう設けられている。
【0019】
第1リブ(40)及び第2リブ(50)は、ボタン(32)(33)よりも高さが低く、第1リブ(40)と第2リブ(50)はほぼ同じ高さに形成される。
【0020】
上記のようにボタン(32)(33)を囲んで第1リブ(40)(40)、さらに第1リブ(40)(40)を囲んで第2リブ(50)(50)を設けることにより、ボタン(32)(33)と第1リブ(40)(40)、第1リブ(40)(40)と第2リブ(50)(50)との間に夫々第1溝(38)、第2溝(39)が形成される。
【0021】
ボタン支持プレート(31)のボトム面には、1又は複数の位置決め用突起(37)(37)が形成されている。
本実施例では、位置決め用突起(37)(37)は、図2、図5、図6等に示すように2箇所に設けられている。なお、位置決め用突起(37)(37)によってボタン支持プレート(31)が撓んでしまうことを防止するために、位置決め用突起(37)(37)は、第1リブ(40)及び第2リブ(50)の裏面側に位置するように形成している。
【0022】
上記構成のボタンパッド(30)は、筺体(20)を構成するリアパネル(26)のボタン用開口(27)(27)からボタン(32)(33)が臨出するように取り付けられる。
【0023】
ボタンパッド(30)は、図3に示すように、ボタン(32)(33)をボタン用開口(27)(27)に位置合わせし、第1リブ(40)(40)及び第2リブ(50)(50)がリアパネル(26)の内面側に密着するよう配備され、ボトム面から押え板(60)によりリアパネル(26)に押し付けられて取り付けられる。
【0024】
押え板(60)は、ボタン(32)(33)が押下されたときにボタン(32)(33)の進路を邪魔しないようにボタン(32)(33)の位置に合わせて複数の開口(62)(62)が開設されており、また、ボタンパッド(30)の位置決め用突起(37)(37)が嵌まる位置決め用孔(64)(64)が開設されている。
【0025】
ボタンパッド(30)をリアパネル(26)と押え板(60)により挟んで固定することにより、第1リブ(40)及び第2リブ(50)は、リアパネル(26)の内面に強く密着することとなる。
なお、押え板(60)は、リアパネル(26)にネジ止め等することにより取り付けることができる。
【0026】
押え板(60)の内面側には、各ボタン(32)(33)により操作されるスイッチ(72)(72)の設けられたスイッチ基板(70)が配置される。スイッチ基板(70)は、ボタン(32)の突起(35)又はボタン(33)と対向する位置に押下式スイッチ(72)(72)を有しており、ボタン(32)(33)が押下されることで各スイッチ(72)(72)が操作されて、液晶表示装置(10)の操作を行なうことができる。
【0027】
上記構成のボタンパッド(30)を搭載した液晶表示装置(10)によれば、ボタン(32)(33)の外周を第1リブ(40)及び第2リブ(50)により包囲しており、第1リブ(40)及び第2リブ(50)は、リアパネル(26)に密着している。従って、ボタン(32)(33)とボタン用開口(27)(27)との間から水分が侵入したとしても、侵入した水分は、第1リブ(40)を越えることはできず、ボタン(32)(33)と第1リブ(40)との間に形成された第1溝(38)に溜まることとなる。このため、筺体(20)の内部への水分の侵入は阻止される。
なお、第1溝(38)に溜まった水分は、経時により蒸発等する。
【0028】
ボタン(32)(33)を強く押しすぎる等の理由で第1リブ(40)が撓んだり、すじ状の溝が形成されてしまい、その部分から水分が第1リブ(40)を越えて侵入したとしても、第2リブ(50)がリアパネル(26)に密着して設けられているから、第2リブ(50)により筺体(20)の内部への水分の侵入は防止される。なお、第1リブ(40)を越えた水分は、第1リブ(40)と第2リブ(50)との間に形成された第2溝(39)に溜まり、経時により蒸発等する。
【0029】
本発明のボタンパッド(30)によれば、ボタン(32)(33)の外周に複数状のリブ(40)(50)を設けたことで、筺体(20)の内部に水分が侵入することを阻止することができ、これを搭載した電子機器は、水分の侵入を原因とする動作不良等を防止できる。
【0030】
なお、上記したボタンパッド(30)の形状、ボタン(32)(33)の数、リブ(40)(50)の形状等は一例であり、種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記では、第2リブ(50)はボタン支持プレート(31)の外縁を包囲すると共に、隣り合う第1リブ(40)(40)間を区画するように設けているが、ボタン支持プレート(31)の外縁を包囲するようにのみ設けたり、第1リブ(40)の夫々を囲う環状のリブとすることもできる。
【0031】
また、本発明を適用できる電子機器は、液晶表示装置(10)に限定されるものではなく、また、ボタンパッド(30)を配置する位置もリアパネル(26)に限られないことは勿論である。
【0032】
上記では、操作により押されるボタン(32)(33)について複数状のリブ(40)(50)により防水を行なうようにしている(以下では第1構造と称する)。さらに、本発明では、図11及び図12に示すように、液晶表示装置(10)への外部接続配線の接続部に異なる防水構造からなる第2構造を適用し、効果的な防水を図る電子機器を提供することができる。この防水構造は、図1に示すように、前述したボタン(32)(33)の下側に設けることができる。
【0033】
リアパネル(26)には、図11及び図12に示すように、外部接続配線を接続する接続部(図示せず)を具えた収容部(100)が凹設されており、該収容部(100)にはカバー(140)がネジ(150)止め等により着脱可能となっている。なお、接続部として、ソケット等のコネクタ端子を例示でき、図示の実施例では、接続部は符号(101a)(101b)(101c)(101d)の位置に設けられている。コネクタ端子を収容部(100)の複数の内面に設けているのは、多種のコネクタ端子を省スペースで配置させるためである。
【0034】
収容部(100)は、図12に示すように、リアパネル(26)に開設された孔(29)に嵌まる樹脂製のケーシングであって、リアパネル(26)よりも周縁が高くなるよう突設された周壁(102)を有する。周壁(102)には、カバー(140)をネジ(150)止めするためのネジ孔(104)が複数形成されている。
【0035】
周壁(102)は、図11及び図12に示すように、矩形の枠体であって、一辺が他よりも幅広に形成されている。幅広に形成された一辺(以下「配線通過面(106)」と称する)には、外部接続配線(160)(図5参照)が挿通される複数状の第1溝(110)(112)が形成されている。図示の実施例では、鉛直方向下側の一辺が配線通過面(106)となっており、該配線通過面(106)に第1溝(110)(112)が鉛直方向に沿って延びるように形成されている。
【0036】
第1溝(110)(112)は、断面略半円状であり、接続される外部接続配線(160)の太さに応じて溝幅を複数種類とすることができる。例えば、図11では、中央寄りの第1溝(110)は、外側の第1溝(112)よりも幅広としている。
【0037】
各第1溝(110)(112)の両端には、その両側からカバー(140)に向けて延びる配線押え突起(114)(114)が突設されている。配線押え突起(114)(114)は、リブ状に形成することができ、高さはカバー(140)を取り付けたときに、配線押え突起(114)(114)の先端がカバー(140)との間に僅かな隙間を存する程度とすることが望ましい。
【0038】
また、図11及び図12に示すように、周壁(102)の配線通過面(106)には、第1溝(110)(112)を横切る第2溝(120)が凹設されている。第2溝(120)には、ウレタン等の第1シール部材(122)が第2溝(120)から突出するように嵌められており、カバー(140)を閉じた状態で、カバー(140)に設けられた後述の第2シール部材(147)と当接して、第1溝(110)(112)から収容部(100)への水や埃などの侵入を阻止するようにしている。
【0039】
さらに、図11に示すように、周壁(102)には、周壁(102)を一周する環状の第3溝(130)が凹設されている。第3溝(130)、前記第1溝(110)(112)、第2溝(120)よりも深く形成されており、配線通過面(106)では第2溝(120)に重なって凹設されている。第3溝(130)には、環状の第3シール部材(132)が嵌められている。
【0040】
前記第3溝(130)には、カバー(140)から突設された後述のリブ(145)が嵌まり、該リブ(145)の先端が第3シール部材(132)を押圧することで、収容部(100)への水や埃などの侵入を阻止するようにしている。
【0041】
上記構成の収容部(100)は、図1及び図12に示すようにカバー(140)により閉じられる。
カバー(140)は、収容部(100)を覆う平板状の天板(142)と、該天板(142)の周縁からリアパネル(26)に向けて突設された横壁(173)を有する。
天板(142)には、カバー(140)を収容部(30)の周壁(102)にネジ(150)止めするためのネジ孔(146)が形成されている。
【0042】
横壁(173)は、収容部(100)の周壁(102)の外側側面から被さるように設けられており、第1溝(110)(112)と対向する横壁(173)は凹んでおり、第1溝(110)(112)と外部とを連通する凹み(144)(144)が形成されている。凹み(144)(144)は、略半円状であり、半円状の第1溝(110)(112)と組み合わさることで略円形となって外部接続配線(160)が挿通される開口を形成する。
【0043】
天板(142)の内面側には、図12に示すように、前記周壁(102)の第2溝(120)に嵌められた第1シール部材(122)と当接する位置に第2シール部材(147)が配備されている。第2シール部材(147)はウレタン等から作製することができ、天板(142)の内面側から突設された対向する立壁(148)(148)間に嵌まっている。
【0044】
さらに天板(142)には、前記第3溝(130)に嵌められた第3シール部材(132)に当接するリブ(145)が突設されている。図示の実施例では、第3溝(130)の第3シール部材(132)は、一部が第2シール部材(147)と重なっているため、リブ(145)は第2シール部材(147)が露出している経路に沿って突設している。
【0045】
上記カバー(140)を収容部(100)にネジ(150)止めすることにより、第1溝(110)(112)と凹み(144)は外側から見て略円形の開口を形成し、第1シール部材(122)と第2シール部材(147)が密着することで天板(72)と第1溝(110)(112)との間に形成された空間が閉じられる。また、第3溝(130)にリブ(145)が嵌まってリブ(145)の先端が第3シール部材(132)に密着して閉じられる。これにより、収容部(100)は外部からの水や埃などの侵入を阻止される。
【0046】
然して、収容部(100)からカバー(140)を取り外した状態で、電源コードやアンテナコード、外部機器との接続コードなどの外部接続配線(160)が接続される。外部接続配線(160)は、符号(101a)(101b)(101c)(101d)
等の位置に設けられたコネクタ端子に接続される。
外部接続配線(160)は、コネクタ端子に接続した後、第1溝(110)(112)を通って外部に引き出される。ここで、外部接続配線(160)を第1溝(110)(112)に導くには、外部接続配線(160)を曲げる必要がある。また、接続の途中で外部接続配線(160)が捻られることがある。このように曲げられり捻られた外部接続配線(160)はその可撓性により曲げや捻りに対して反発する。従って、第1溝(110)(112)に上手く案内することが難しいが、本発明では、第1溝(110)(112)の両端に配線押え突起(114)(114)を形成しており、該配線押え突起(114)(114)によって第1溝(110)(112)の両端が深くなるから、外部接続配線(160)を所望の第1溝(110)(112)に上手く案内することができ、一旦第1溝(110)(112)に嵌められた外部接続配線(160)は配線押え突起(114)(114)によって第1溝(110)(112)から飛び出したり外れて難くすることができる。
【0047】
外部接続配線(160)が第1溝(110)(112)に安定した嵌まった状態を維持できるから、カバー(140)をネジ(150)止めする際にも外部接続配線(160)を押さえておかなくてもよく、カバー(140)の取付けを容易に行なうことができる。
【0048】
カバー(140)をネジ(150)止めすることで、図12に示すように外部接続配線(160)は第1溝(110)(112)とこれに対応する凹み(144)によって形成された開口を通じて外部に引き出されると共に、第1シール部材(122)と第2シール部材(147)に隙間なく挟まれることとなる。従って、第1溝(110)(112)を通じて水や埃が収容部(100)に侵入することはない。また、収容部(100)から延出する外部接続配線(160)は第1シール部材(122)と第2シール部材(147)で挟まれているから多少の力で引っ張られたとしてもコネクタ端子から抜け落ちることはなく、接続の安定性を確保できる。
【0049】
また、外部接続配線(160)が挿通していない部分では、第1シール部材(122)と第2シール部材(147)は直接密着し、さらに、その他の部分ではカバー(140)のリブ(145)が第3溝(130)に嵌まって第3シール部材(132)と密着するから、収容部(100)への水や埃などの侵入を可及的に阻止することができ、これらを原因とする電子機器の動作不良を防止できる。
【0050】
上記したように、操作により押されるボタン(32)(33)の防水構造である第1構造と、電子機器への外部接続配線の接続部に異なる防水構造である第2構造を適用することで、より効果的に電子機器の防水を図ることができる。
【0051】
すなわち、液晶表示装置(10)では、第2構造により外部接続配線(160)用のコネクタ端子は、ほぼ密閉構造のケース内に収容する構成とすることで防水を実現する一方、第1構造により外部に露出せざるを得ないボタン(32)(33)については、簡易な構成による防水を実現している。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、屋外で使用され、ボタン部分の防水性を高めた電子機器として有用である。
【符号の説明】
【0053】
(10) 液晶表示装置
(20) 筺体
(26) リアパネル
(27) ボタン用開口
(30) ボタンパッド
(31) ボタン支持プレート
(32) ボタン
(33) ボタン
(34) 薄肉部
(35) 突起(スイッチ操作用)
(36) 位置決め用突起
(40) 第1リブ
(50) 第2リブ
(70) スイッチ基板
(72) スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部材から構成され、1又は複数のボタンが突設されたボタンパッドにおいて、
ボタンの周縁に少なくとも2条の環状のリブを設けたことを特徴とするボタンパッド。
【請求項2】
1又は複数のボタンが突設されたボタンパッドを筺体とスイッチ基板との間に取り付けた電子機器において、
ボタンパッドは、ボタンの周縁に少なくとも2条の環状のリブを有しており、各リブが筺体の内面に密着するよう配備されることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
屋外で使用される表示装置であって、
筺体部分に設けられたボタンを有する第1構造と、
配線の接続部分を防水する第2構造と、を有し、
前記第1構造は、ボタンが突設されたボタンパッドが、筺体とスイッチ基板との間に取り付けられた構造であり、前記ボタンパッドは、ボタンの周縁に少なくとも2条の環状のリブを有し、
前記第2構造は、筺体の周面に凹設された配線を接続する接続部を収容する収容部を有する、
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−30340(P2013−30340A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165100(P2011−165100)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】