ボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具
【課題】寸法精度が高く作業効率が良く多品種対応可能な端子付きボタン形リチウム電池を提供することを目的とする。
【解決手段】ボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具において、負極側治具が負極端子を保持する凹部と、レーザー光の通過孔と一対のピンを有する金具と、前記金具を押圧するバネと、前記金具がバネによって伸縮可能に保持される樹脂部材とで構成され、正極側治具が正極端子を保持する凹部と、レーザーの通過孔を有する金属部と、電池を保持する樹脂板と、前記負極側治具のピンと嵌合する絶縁材よりなるブッシュを有し、前記金属部と前記樹脂板と前記ブッシュを固定保持する樹脂部材とで構成されるを用いることを特徴とする。
【解決手段】ボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具において、負極側治具が負極端子を保持する凹部と、レーザー光の通過孔と一対のピンを有する金具と、前記金具を押圧するバネと、前記金具がバネによって伸縮可能に保持される樹脂部材とで構成され、正極側治具が正極端子を保持する凹部と、レーザーの通過孔を有する金属部と、電池を保持する樹脂板と、前記負極側治具のピンと嵌合する絶縁材よりなるブッシュを有し、前記金属部と前記樹脂板と前記ブッシュを固定保持する樹脂部材とで構成されるを用いることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン形リチウム電池の端子付け作業に用いる溶接治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等にみられる技術革新はめざましく各メーカー共機能アップ、小型化、薄型化の競争にしのぎを削っている。そのためプリント基板の実装密度はますます高密度化を要求されると同時に基板を構成する各電子部品に要求される精度も厳しくなっている。
【0003】
ボタン形リチウム電池は、特許文献1に示されるように電池単体(以下素電池と称す)の正、負極に端子を溶接したものを基板上にハンダ付けし、主としてメモリーバックアップ用として使用される。
【0004】
ボタン形リチウム電池の端子の材質は素電池に溶接でき、且つ電気抵抗の低い材質なら何でも良いが通常素電池を構成する正、負極缶体に近いSUS系の薄板材に全面ニッケルメッキを施し基板回路とハンダ付けを容易にするため、基板とハンダ接続する部分に予備ハンダメッキされたものを使用するのが一般的である。
【0005】
また、溶接は抵抗溶接、レーザー溶接等があり基板回路と素電池間を電気的接続を保障するものであり溶接信頼性の面から自動または半自動によるレーザー溶接が一般的である。さらに、端子の形状は素電池の大きさ、厚さによるものと基板上の回路パターンによって決められるものがあるが素電池の形状によるものより基板回路パターンによるものの方が多く各メーカーごと、機器のモデルごとに違うことが多い。また、基板と電池端子のハンダ作業にはハンダ鏝を使用する手ハンダ、基板回路上に端子先端より少し大きい穴を開けこれに端子を差し込んでハンダ浴内を通すフローハンダ、基板回路上の実装部分にハンダクリームを塗りこの上に電池端子のハンダ面を自動実装し高温雰囲気を通すことによってなるリフローハンダ等があるが作業工数、実装密度の高さ(基板の裏表に部品を装着可能なため)から近年はリフローハンダが多く使用されるようになっている。
【0006】
端子と回路パターンは前述のように実装密度の高さから回路間の隙間は小さいところでは0.2mm位しかないため端子の形状、寸法精度の精密さが要求される。このような高い精度が要求される電池の端子溶接には基板回路と素電池間の電気的な接続を保障し、落下衝撃等に対する溶接信頼性を確保するためレーザー溶接が用いられる。しかし、レーザー溶接設備には半自動、全自動とあるが一品種大量生産の場合は自動機が最も適しており信頼性も高いが設備製作期間が長く、また設備費用は一台当たり数千万円かかり品種の切り替えにも新たに数百万円はかかる等の欠点があるため、昨今のように機器のモデルチェンジがめまぐるしい中では出来るだけ短期間に設備償却でき、かつ多品種に対応可能な軽便な設備が最も適しており半自動による溶接方法が見直されてきた。ただし、半自動の場合には人による作業が介在するため加工賃が自動機に比べて高くなる欠点があるため出来るだけ効率の良い作業方法が求められる。
【0007】
従来この種の作業では正極端子と電池の正極面で溶接すべき位置に接するように電池を保持するよう加工された治具と負極端子が電池の負極面で溶接すべき位置に接触するように保持する一対の治具で構成される溶接治具を用い、作業者は電池と正、負極端子を樹脂で加工された治具に詰めてこの治具ごと溶接機に載せて端子付けする方法がとられていた。
【特許文献1】特開平8−55614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながらこのような方法ではまず一方の治具へ端子と電池を詰めて溶接した後これを取り出してもう一方の負極端子を詰めた治具へ移し替えて溶接しなければならない。つまり正負極端子は別工程で溶接するため作業効率が悪く、また移し変えの際端子を変形させやすい等の欠点がある。
【0009】
さらに電池の短絡防止の点から治具は樹脂で加工されているため費用は安価であるが樹脂加工は一般に金属加工と比べて加工精度が劣り磨耗が早い。端子を位置決めするための凹み部分は端子厚さが0.1〜0.15mmと非常に薄いため特に精度を要するが端子装着のたびに端子の打ち抜きエッジが触れるためすぐに凹部のエッジが磨耗し端子を正しい位置に保持することが難しくなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために本発明は、寸法精度が高く作業効率が良く多品種対応可能な端子付きボタン形リチウム電池を提供するものであり、負極側治具が負極端子を保持する凹部と、レーザー光の通過孔と一対のピンを有する金具と、前記金具を押圧するバネと、前記金具がバネによって伸縮可能に保持される樹脂部材とで構成され、正極側治具が正極端子を保持する凹部と、レーザーの通過孔を有する金属部と、電池を保持する樹脂板と、前記負極側治具のピンと嵌合する絶縁材よりなるブッシュを有し、前記金属部と前記樹脂板と前記ブッシュを固定保持する樹脂部材とで構成されるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具を用いることを特徴とする。
【0011】
本発明のボタン形リチウム電池用端子付け治具によると、正、負極電端子と電池を保持する一対の治具で構成されることは従来例と同じであるが寸法精度にかかわる主要な部分は全て樹脂の替わりに金属製で加工精度を高め、磨耗による端子保持部の損傷をなくしたことにより端子付き電池の寸法精度の信頼性を飛躍的に向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、寸法精度が高く作業効率が良く多品種対応可能な端子付きボタン形リチウム電池用の治具を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、負極側治具と正極側治具からなるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具であって、前記負極側治具が負極端子を保持する凹部と、レーザー光の通過孔と一対のピンを有する金具と、前記金具を押圧するバネと、前記金具がバネによって伸縮可能に保持される樹脂部材とで構成され、前記正極側治具が正極端子を保持する凹部と、レーザーの通過孔を有する金属部と、電池を保持する樹脂板と、前記負極側治具のピンと嵌合する絶縁材よりなるブッシュを有し、前記金属部と前記樹脂板と前記ブッシュを固定保持する樹脂部材とで構成されることを特徴とする。
【0014】
また、複数の負極端子を保持する凹部およびレーザー光の通過孔を配置した負極側樹脂部材からなる負極側治具の集合体と、複数の正極端子を保持する凹部およびレーザーの通過孔を有する金属部を配置した正極側樹脂部材からなる正極側治具の集合体が一対のピンで係合されてなることを特徴とする。さらに樹脂部材が、負極側治具の集合体と係合し正極側治具の集合体と対応する位置に設けられた吸引孔と、前記吸引孔を連結してなる通路とを有すとともに、前記通路と吸引孔との接続部に開閉手段を有する治具を備えることが好ましい。
【0015】
また負極側治具において、前記端子を保持する凹部における保持面が前記樹脂部材よりも突出するとともに、前記樹脂部材面まで伸縮自在な構成とされていることが好ましく、正極側治具において、前記電池を保持する樹脂板の厚みが電池の厚み以下であることが好ましい。
【0016】
さらに、正極端子、負極端子および電池と接する金属部の表面に絶縁性のコーティング処理を施していることがより好ましい。なお、絶縁処理としてはDLC(Diamond Like Carbon)処理等が挙げられる。
【0017】
上記のような構成とすることで、正極端子と電池を保持する治具と負極端子のみを保持する治具を嵌合させ一体の治具として使用し、電池の移し替え作業をなくしたため端子の変形要因を除き作業工数も半減させることが出来る。
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は本発明による溶接治具を用いる端子付きボタン形電池の一般的な形状を示す。1はケースで電池の正極、2は封口板で電池の負極であり正極要素、負極要素、電解液を内包し絶縁樹脂を介して密封することによってひとつの素電池を構成している。3は正極端子、4は負極端子でそれぞれ素電池の一方の極にレーザーにより複数の点溶接部5で接続されている。電池の大きさはΦ4(公称)で厚さ1.4mm、端子は厚さ0.1mm、幅2mm、長さは電池端面より1.5mmが一般的であり、この電池に求められる端子溶接の製品寸法公差は±0.2mmである。製品寸法公差が±0.2mmということは測定実績としてバラツキはσ=0.03以内でなければ安定した製品を作ることが出来なくなるなど非常に厳しい精度が要求される。
【0020】
これより、本発明である溶接治具について、実施例として図2〜図8に基づき詳述する。
【実施例】
【0021】
図2(a)は負極側治具で、負極端子4を保持する負極側凹部6(深さは端子厚さとほぼ同じ0.1mm)とレーザー光が通るレーザー光通過孔7が加工された負極金具8およびこれに圧入固定された2本のピン9と負極金具8を保持する樹脂部材10を表す。図2(b)は正極側治具で樹脂板12と金属板13をネジ18で締め付けて一体構造にしている。樹脂板12には電池保持孔14と負極端子3を保持する正極側凹部15(深さは端子厚さとほぼ同じ0.1mm)とレーザー光通過孔16及び図2(a)のピン9と嵌合する絶縁ブッシュ17が金属板13まで貫通して圧入されている。
【0022】
図3(a)は図2(a)と図2(b)に示される正負極治具を組み合わせる前の状態の断面図を表し、図3(b)は正負極治具が嵌合された状態の断面図を表す。図3(a)上図で負極金具8にはピン9が圧入固定されており、バネ22によって図面中の下方に押さえられ負極側樹脂部材10より寸法Ammだけ突き出している。金具には負極端子4が図に表されるような状態で保持される。バネ押さえ蓋11はバネ22の蓋でレーザー光を通すためのレーザー光通過孔23があけられておりネジ19により負極側樹脂部材10と固定されている。図3(a)の下図では正極側の治具で電池と正極端子3が図のように保持されている。図2(b)に表される正極治具は正極側樹脂部材20にネジ25で固定されている。レーザー光通過孔24は正極側樹脂部材20にあけられたレーザー光の通る穴であり、負極金具8に固定されたピン9は絶縁ブッシュ17と嵌まりあって端子、電池の位置関係を保証する。この状態で負極金具8は電池と正負極端子を押さえつけることになり図上方に後退する。レーザー光は23及び7の開口部を通って負極端子4の上面に当たり負極端子を電池に溶接する。また正極端子溶接はこの状態で治具を反転し同じく正極側の開口部24及び16を通って正極端子表面に当たり溶接する。レーザーによる端子溶接では各端子が必ず電池と隙間のないように接することが重要である。そのために図3(a)の寸法Aは実施例では0.5mm以上とし、電池を保持する樹脂板12の厚さを上限として電池の厚さより薄く加工してあり図3(b)のように治具を組み合わせた時、各端子が確実に電池に押さえつけられるようにした。端子の加圧力は強すぎると端子及び電池を変形させるし、弱すぎると端子と電池の接触が保てなくなる。そのためバネ22の加圧適性値は4.9〜9.8Nであり実施例では7.8Nとした。
【0023】
図4(a)は図2(a)の負極治具単体を10個、負極側樹脂部材10に配列してなる実施例の負極治具50を表す。27は正極治具と組み合わせる時の位置決め穴である。
【0024】
図4(b)は図2(b)の正極治具単体を10個、正極側樹脂部材20に配列してなる実施例の正極治具51を表す。ピン26は図4(a)の位置決め穴27と嵌まり合って負極治具50、正極治具51の位置関係を保証する。
【0025】
図5は図4(a)及び図4(b)を組み合わせた状態を表し、図6はその断面図を表す。図6で負極治具50、正極治具51はネジ28によって隙間なく一体に固定される。
【0026】
図7は負極治具50に負極端子4を挿入し(図4(a))、正極治具51と組み合わせる際に使用する治具で樹脂部材29に負極治具50に配列された各治具のピッチに合わせて空気穴21(10個)を設け、さらにこれら空気孔を集合して一つの通路30が加工されている。集合された通路30はホース32でコンプレッサー等の吸引手段に接続されている。図7で負極治具50上に挿入された負極端子4は矢印の方向に前記空気穴21、30を介して負極金具8に吸着されている。図4(a)で負極端子の挿入が終わり矢印方向に反転して正極治具に組み合わせる際に負極端子が落下しないようにするために使用される。また吸引ホース上には開閉弁60が設けてあり負極治具50を正極治具51に組み合わせたところで吸引力を解除できるよう構成されている。
【0027】
図8は前記順序で組み合わされた本発明の治具52をレーザー溶接装置にセットして溶接している状態を表す。61は治具ベースで一対のクランプ装置54を備え溶接台63に回転自在に装着されている。62は治具ベース61の反転装置で治具52はクランプ装置54により所定の位置に保持される。55はレーザー照射口であり矢印65方向に等ピッチで移動してまず負極側の端子を溶接する。負極側の溶接が終了すると矢印52方向に治具ベースごと反転し正極側端子を溶接する。
【0028】
この製造法によれば端子および電池をそれぞれ治具に挿入するまでは手作業で行った後、治具52を図8の治具ベース61にセットした状態から治具のクランプ、負極端子溶接、反転、正極端子溶接、クランプ解除までをすべて自動的に作業できるよう構成されている。
【0029】
また図4(a)および図4(b)の負極治具50、正極治具51はそれぞれ図2(a)および図2(b)の各正負極治具単体の集合体でありベース部材は共通なため品種切り替えに際してはこれら治具単体を交換するだけでよい。
【0030】
以下に従来例による製造法を説明する。
【0031】
図9(a)は負極治具の組み合わせ部の断面図を示す。35は負極端子を保持する樹脂部材で端子を保持する凹部とレーザー光が通る孔50が加工されている。36は電池を保持する樹脂部材で端子保持部材35と一体に固定され負極治具56を構成している。58は溶接する際の押さえ治具で樹脂部材37に押さえピン38とこれを押圧するバネ39を具備しており正負極の溶接に共通に使用する。図9(b)は正極治具の組み合わせ部の断面図を表しており構成は負極治具とほぼ同じである。
【0032】
図10(a)、図10(b)、は図9(a)、図9(b)の全体図を表し、図10(c)は共通の押さえ治具58の全体図であり、負極側を溶接する際には図10(a)に示される負極治具と図10(c)に示される押さえ治具を組み合わせ、正極側を溶接するときは図10(b)に示される正極治具と図10(c)に示される押さえ治具を組み合わせて行う。
【0033】
図11(a)、図11(b)は前記正負極治具と押さえ治具の組み合わせ断面図を表し、それぞれピン48で位置決め嵌合されたのちネジ49によって固定される。
【0034】
従来例ではまず図11(a)に示される負極側治具の構成後、図8に示されるような溶接装置に装着し負極端子を溶接した後治具を取り出す。 次に図10(c)に示される押さえ治具と負極治具を分解して電池を取り出し図10(b)に示される正極治具にこれを挿入する。次に押さえ治具と組み合わせて再度溶接装置に装着して正極溶接をする。
【0035】
かかる一連の作業では二回に分けて溶接作業を行うため作業効率も悪いし、電池の入れ替え作業を伴うため端子を曲げたりする恐れがある。また端子の装着部が樹脂で加工されているため精度が落ちる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
作業効率が良く、安価で多品種切り替えが可能な本発明の治具を用いることで寸法精度の高いボタン形端子付き電池を提供する。
【0037】
本発明の製造法によれば端子および電池をそれぞれ治具に挿入するまでは手作業で行なうが、治具を溶接機にセットした後は負極端子溶接、反転、正極端子溶接までをすべて自動的に作業できるよう構成されているため作業効率は従来の1/2以下ですむ。
【0038】
また端子を保持する部分には金属を使用しており磨耗が少なく極めて寸法精度の高い端子付き電池の製造が可能でありきわめて工業的な利用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例にかかる端子付き電池の概観図
【図2】(a)本発明の実施例にかかる負極治具を表す図(b)本発明の実施例にかかる正極治具を表す図
【図3】(a)本発明の実施例にかかる正負極治具単体を組み合わせる直前の断面図(b)本発明の実施例にかかる正負極治具単体が組み合わされた状態の断面図
【図4】(a)本発明の実施例にかかる負極治具の全体図(b)本発明の実施例にかかる正極治具の全体図
【図5】本発明の実施例にかかる正負極治具が組み合わされた状態の全体図
【図6】本発明の実施例にかかる正負極治具が組み合わされた状態の断面図
【図7】本発明の実施例にかかる治具の全体図
【図8】本発明の実施例にかかる製造法で使用するレーザー溶接装置図
【図9】(a)従来の負極治具の単体構成の断面図(b)従来の正極治具の単体構成の断面図
【図10】(a)従来の負極治具の全体図(b)従来の正極治具の全体図(c)従来の治具の全体図
【図11】(a)従来の負極治具の断面図(b)従来の正極治具の断面図
【符号の説明】
【0040】
1 正極
2 負極
3 正極端子
4 負極端子
6 負極側凹部
7 レーザー光通過孔
8 負極金具
9 ピン
10 負極側樹脂部材
11 バネ押さえ蓋
12 樹脂板
13 金属板
14 電池保持孔
15 正極側凹部
16 レーザー光通過孔
17 絶縁ブッシュ
20 正極側樹脂部材
22 バネ
23 レーザー光通過孔
24 レーザー光通過孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン形リチウム電池の端子付け作業に用いる溶接治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等にみられる技術革新はめざましく各メーカー共機能アップ、小型化、薄型化の競争にしのぎを削っている。そのためプリント基板の実装密度はますます高密度化を要求されると同時に基板を構成する各電子部品に要求される精度も厳しくなっている。
【0003】
ボタン形リチウム電池は、特許文献1に示されるように電池単体(以下素電池と称す)の正、負極に端子を溶接したものを基板上にハンダ付けし、主としてメモリーバックアップ用として使用される。
【0004】
ボタン形リチウム電池の端子の材質は素電池に溶接でき、且つ電気抵抗の低い材質なら何でも良いが通常素電池を構成する正、負極缶体に近いSUS系の薄板材に全面ニッケルメッキを施し基板回路とハンダ付けを容易にするため、基板とハンダ接続する部分に予備ハンダメッキされたものを使用するのが一般的である。
【0005】
また、溶接は抵抗溶接、レーザー溶接等があり基板回路と素電池間を電気的接続を保障するものであり溶接信頼性の面から自動または半自動によるレーザー溶接が一般的である。さらに、端子の形状は素電池の大きさ、厚さによるものと基板上の回路パターンによって決められるものがあるが素電池の形状によるものより基板回路パターンによるものの方が多く各メーカーごと、機器のモデルごとに違うことが多い。また、基板と電池端子のハンダ作業にはハンダ鏝を使用する手ハンダ、基板回路上に端子先端より少し大きい穴を開けこれに端子を差し込んでハンダ浴内を通すフローハンダ、基板回路上の実装部分にハンダクリームを塗りこの上に電池端子のハンダ面を自動実装し高温雰囲気を通すことによってなるリフローハンダ等があるが作業工数、実装密度の高さ(基板の裏表に部品を装着可能なため)から近年はリフローハンダが多く使用されるようになっている。
【0006】
端子と回路パターンは前述のように実装密度の高さから回路間の隙間は小さいところでは0.2mm位しかないため端子の形状、寸法精度の精密さが要求される。このような高い精度が要求される電池の端子溶接には基板回路と素電池間の電気的な接続を保障し、落下衝撃等に対する溶接信頼性を確保するためレーザー溶接が用いられる。しかし、レーザー溶接設備には半自動、全自動とあるが一品種大量生産の場合は自動機が最も適しており信頼性も高いが設備製作期間が長く、また設備費用は一台当たり数千万円かかり品種の切り替えにも新たに数百万円はかかる等の欠点があるため、昨今のように機器のモデルチェンジがめまぐるしい中では出来るだけ短期間に設備償却でき、かつ多品種に対応可能な軽便な設備が最も適しており半自動による溶接方法が見直されてきた。ただし、半自動の場合には人による作業が介在するため加工賃が自動機に比べて高くなる欠点があるため出来るだけ効率の良い作業方法が求められる。
【0007】
従来この種の作業では正極端子と電池の正極面で溶接すべき位置に接するように電池を保持するよう加工された治具と負極端子が電池の負極面で溶接すべき位置に接触するように保持する一対の治具で構成される溶接治具を用い、作業者は電池と正、負極端子を樹脂で加工された治具に詰めてこの治具ごと溶接機に載せて端子付けする方法がとられていた。
【特許文献1】特開平8−55614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながらこのような方法ではまず一方の治具へ端子と電池を詰めて溶接した後これを取り出してもう一方の負極端子を詰めた治具へ移し替えて溶接しなければならない。つまり正負極端子は別工程で溶接するため作業効率が悪く、また移し変えの際端子を変形させやすい等の欠点がある。
【0009】
さらに電池の短絡防止の点から治具は樹脂で加工されているため費用は安価であるが樹脂加工は一般に金属加工と比べて加工精度が劣り磨耗が早い。端子を位置決めするための凹み部分は端子厚さが0.1〜0.15mmと非常に薄いため特に精度を要するが端子装着のたびに端子の打ち抜きエッジが触れるためすぐに凹部のエッジが磨耗し端子を正しい位置に保持することが難しくなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために本発明は、寸法精度が高く作業効率が良く多品種対応可能な端子付きボタン形リチウム電池を提供するものであり、負極側治具が負極端子を保持する凹部と、レーザー光の通過孔と一対のピンを有する金具と、前記金具を押圧するバネと、前記金具がバネによって伸縮可能に保持される樹脂部材とで構成され、正極側治具が正極端子を保持する凹部と、レーザーの通過孔を有する金属部と、電池を保持する樹脂板と、前記負極側治具のピンと嵌合する絶縁材よりなるブッシュを有し、前記金属部と前記樹脂板と前記ブッシュを固定保持する樹脂部材とで構成されるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具を用いることを特徴とする。
【0011】
本発明のボタン形リチウム電池用端子付け治具によると、正、負極電端子と電池を保持する一対の治具で構成されることは従来例と同じであるが寸法精度にかかわる主要な部分は全て樹脂の替わりに金属製で加工精度を高め、磨耗による端子保持部の損傷をなくしたことにより端子付き電池の寸法精度の信頼性を飛躍的に向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、寸法精度が高く作業効率が良く多品種対応可能な端子付きボタン形リチウム電池用の治具を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、負極側治具と正極側治具からなるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具であって、前記負極側治具が負極端子を保持する凹部と、レーザー光の通過孔と一対のピンを有する金具と、前記金具を押圧するバネと、前記金具がバネによって伸縮可能に保持される樹脂部材とで構成され、前記正極側治具が正極端子を保持する凹部と、レーザーの通過孔を有する金属部と、電池を保持する樹脂板と、前記負極側治具のピンと嵌合する絶縁材よりなるブッシュを有し、前記金属部と前記樹脂板と前記ブッシュを固定保持する樹脂部材とで構成されることを特徴とする。
【0014】
また、複数の負極端子を保持する凹部およびレーザー光の通過孔を配置した負極側樹脂部材からなる負極側治具の集合体と、複数の正極端子を保持する凹部およびレーザーの通過孔を有する金属部を配置した正極側樹脂部材からなる正極側治具の集合体が一対のピンで係合されてなることを特徴とする。さらに樹脂部材が、負極側治具の集合体と係合し正極側治具の集合体と対応する位置に設けられた吸引孔と、前記吸引孔を連結してなる通路とを有すとともに、前記通路と吸引孔との接続部に開閉手段を有する治具を備えることが好ましい。
【0015】
また負極側治具において、前記端子を保持する凹部における保持面が前記樹脂部材よりも突出するとともに、前記樹脂部材面まで伸縮自在な構成とされていることが好ましく、正極側治具において、前記電池を保持する樹脂板の厚みが電池の厚み以下であることが好ましい。
【0016】
さらに、正極端子、負極端子および電池と接する金属部の表面に絶縁性のコーティング処理を施していることがより好ましい。なお、絶縁処理としてはDLC(Diamond Like Carbon)処理等が挙げられる。
【0017】
上記のような構成とすることで、正極端子と電池を保持する治具と負極端子のみを保持する治具を嵌合させ一体の治具として使用し、電池の移し替え作業をなくしたため端子の変形要因を除き作業工数も半減させることが出来る。
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は本発明による溶接治具を用いる端子付きボタン形電池の一般的な形状を示す。1はケースで電池の正極、2は封口板で電池の負極であり正極要素、負極要素、電解液を内包し絶縁樹脂を介して密封することによってひとつの素電池を構成している。3は正極端子、4は負極端子でそれぞれ素電池の一方の極にレーザーにより複数の点溶接部5で接続されている。電池の大きさはΦ4(公称)で厚さ1.4mm、端子は厚さ0.1mm、幅2mm、長さは電池端面より1.5mmが一般的であり、この電池に求められる端子溶接の製品寸法公差は±0.2mmである。製品寸法公差が±0.2mmということは測定実績としてバラツキはσ=0.03以内でなければ安定した製品を作ることが出来なくなるなど非常に厳しい精度が要求される。
【0020】
これより、本発明である溶接治具について、実施例として図2〜図8に基づき詳述する。
【実施例】
【0021】
図2(a)は負極側治具で、負極端子4を保持する負極側凹部6(深さは端子厚さとほぼ同じ0.1mm)とレーザー光が通るレーザー光通過孔7が加工された負極金具8およびこれに圧入固定された2本のピン9と負極金具8を保持する樹脂部材10を表す。図2(b)は正極側治具で樹脂板12と金属板13をネジ18で締め付けて一体構造にしている。樹脂板12には電池保持孔14と負極端子3を保持する正極側凹部15(深さは端子厚さとほぼ同じ0.1mm)とレーザー光通過孔16及び図2(a)のピン9と嵌合する絶縁ブッシュ17が金属板13まで貫通して圧入されている。
【0022】
図3(a)は図2(a)と図2(b)に示される正負極治具を組み合わせる前の状態の断面図を表し、図3(b)は正負極治具が嵌合された状態の断面図を表す。図3(a)上図で負極金具8にはピン9が圧入固定されており、バネ22によって図面中の下方に押さえられ負極側樹脂部材10より寸法Ammだけ突き出している。金具には負極端子4が図に表されるような状態で保持される。バネ押さえ蓋11はバネ22の蓋でレーザー光を通すためのレーザー光通過孔23があけられておりネジ19により負極側樹脂部材10と固定されている。図3(a)の下図では正極側の治具で電池と正極端子3が図のように保持されている。図2(b)に表される正極治具は正極側樹脂部材20にネジ25で固定されている。レーザー光通過孔24は正極側樹脂部材20にあけられたレーザー光の通る穴であり、負極金具8に固定されたピン9は絶縁ブッシュ17と嵌まりあって端子、電池の位置関係を保証する。この状態で負極金具8は電池と正負極端子を押さえつけることになり図上方に後退する。レーザー光は23及び7の開口部を通って負極端子4の上面に当たり負極端子を電池に溶接する。また正極端子溶接はこの状態で治具を反転し同じく正極側の開口部24及び16を通って正極端子表面に当たり溶接する。レーザーによる端子溶接では各端子が必ず電池と隙間のないように接することが重要である。そのために図3(a)の寸法Aは実施例では0.5mm以上とし、電池を保持する樹脂板12の厚さを上限として電池の厚さより薄く加工してあり図3(b)のように治具を組み合わせた時、各端子が確実に電池に押さえつけられるようにした。端子の加圧力は強すぎると端子及び電池を変形させるし、弱すぎると端子と電池の接触が保てなくなる。そのためバネ22の加圧適性値は4.9〜9.8Nであり実施例では7.8Nとした。
【0023】
図4(a)は図2(a)の負極治具単体を10個、負極側樹脂部材10に配列してなる実施例の負極治具50を表す。27は正極治具と組み合わせる時の位置決め穴である。
【0024】
図4(b)は図2(b)の正極治具単体を10個、正極側樹脂部材20に配列してなる実施例の正極治具51を表す。ピン26は図4(a)の位置決め穴27と嵌まり合って負極治具50、正極治具51の位置関係を保証する。
【0025】
図5は図4(a)及び図4(b)を組み合わせた状態を表し、図6はその断面図を表す。図6で負極治具50、正極治具51はネジ28によって隙間なく一体に固定される。
【0026】
図7は負極治具50に負極端子4を挿入し(図4(a))、正極治具51と組み合わせる際に使用する治具で樹脂部材29に負極治具50に配列された各治具のピッチに合わせて空気穴21(10個)を設け、さらにこれら空気孔を集合して一つの通路30が加工されている。集合された通路30はホース32でコンプレッサー等の吸引手段に接続されている。図7で負極治具50上に挿入された負極端子4は矢印の方向に前記空気穴21、30を介して負極金具8に吸着されている。図4(a)で負極端子の挿入が終わり矢印方向に反転して正極治具に組み合わせる際に負極端子が落下しないようにするために使用される。また吸引ホース上には開閉弁60が設けてあり負極治具50を正極治具51に組み合わせたところで吸引力を解除できるよう構成されている。
【0027】
図8は前記順序で組み合わされた本発明の治具52をレーザー溶接装置にセットして溶接している状態を表す。61は治具ベースで一対のクランプ装置54を備え溶接台63に回転自在に装着されている。62は治具ベース61の反転装置で治具52はクランプ装置54により所定の位置に保持される。55はレーザー照射口であり矢印65方向に等ピッチで移動してまず負極側の端子を溶接する。負極側の溶接が終了すると矢印52方向に治具ベースごと反転し正極側端子を溶接する。
【0028】
この製造法によれば端子および電池をそれぞれ治具に挿入するまでは手作業で行った後、治具52を図8の治具ベース61にセットした状態から治具のクランプ、負極端子溶接、反転、正極端子溶接、クランプ解除までをすべて自動的に作業できるよう構成されている。
【0029】
また図4(a)および図4(b)の負極治具50、正極治具51はそれぞれ図2(a)および図2(b)の各正負極治具単体の集合体でありベース部材は共通なため品種切り替えに際してはこれら治具単体を交換するだけでよい。
【0030】
以下に従来例による製造法を説明する。
【0031】
図9(a)は負極治具の組み合わせ部の断面図を示す。35は負極端子を保持する樹脂部材で端子を保持する凹部とレーザー光が通る孔50が加工されている。36は電池を保持する樹脂部材で端子保持部材35と一体に固定され負極治具56を構成している。58は溶接する際の押さえ治具で樹脂部材37に押さえピン38とこれを押圧するバネ39を具備しており正負極の溶接に共通に使用する。図9(b)は正極治具の組み合わせ部の断面図を表しており構成は負極治具とほぼ同じである。
【0032】
図10(a)、図10(b)、は図9(a)、図9(b)の全体図を表し、図10(c)は共通の押さえ治具58の全体図であり、負極側を溶接する際には図10(a)に示される負極治具と図10(c)に示される押さえ治具を組み合わせ、正極側を溶接するときは図10(b)に示される正極治具と図10(c)に示される押さえ治具を組み合わせて行う。
【0033】
図11(a)、図11(b)は前記正負極治具と押さえ治具の組み合わせ断面図を表し、それぞれピン48で位置決め嵌合されたのちネジ49によって固定される。
【0034】
従来例ではまず図11(a)に示される負極側治具の構成後、図8に示されるような溶接装置に装着し負極端子を溶接した後治具を取り出す。 次に図10(c)に示される押さえ治具と負極治具を分解して電池を取り出し図10(b)に示される正極治具にこれを挿入する。次に押さえ治具と組み合わせて再度溶接装置に装着して正極溶接をする。
【0035】
かかる一連の作業では二回に分けて溶接作業を行うため作業効率も悪いし、電池の入れ替え作業を伴うため端子を曲げたりする恐れがある。また端子の装着部が樹脂で加工されているため精度が落ちる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
作業効率が良く、安価で多品種切り替えが可能な本発明の治具を用いることで寸法精度の高いボタン形端子付き電池を提供する。
【0037】
本発明の製造法によれば端子および電池をそれぞれ治具に挿入するまでは手作業で行なうが、治具を溶接機にセットした後は負極端子溶接、反転、正極端子溶接までをすべて自動的に作業できるよう構成されているため作業効率は従来の1/2以下ですむ。
【0038】
また端子を保持する部分には金属を使用しており磨耗が少なく極めて寸法精度の高い端子付き電池の製造が可能でありきわめて工業的な利用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例にかかる端子付き電池の概観図
【図2】(a)本発明の実施例にかかる負極治具を表す図(b)本発明の実施例にかかる正極治具を表す図
【図3】(a)本発明の実施例にかかる正負極治具単体を組み合わせる直前の断面図(b)本発明の実施例にかかる正負極治具単体が組み合わされた状態の断面図
【図4】(a)本発明の実施例にかかる負極治具の全体図(b)本発明の実施例にかかる正極治具の全体図
【図5】本発明の実施例にかかる正負極治具が組み合わされた状態の全体図
【図6】本発明の実施例にかかる正負極治具が組み合わされた状態の断面図
【図7】本発明の実施例にかかる治具の全体図
【図8】本発明の実施例にかかる製造法で使用するレーザー溶接装置図
【図9】(a)従来の負極治具の単体構成の断面図(b)従来の正極治具の単体構成の断面図
【図10】(a)従来の負極治具の全体図(b)従来の正極治具の全体図(c)従来の治具の全体図
【図11】(a)従来の負極治具の断面図(b)従来の正極治具の断面図
【符号の説明】
【0040】
1 正極
2 負極
3 正極端子
4 負極端子
6 負極側凹部
7 レーザー光通過孔
8 負極金具
9 ピン
10 負極側樹脂部材
11 バネ押さえ蓋
12 樹脂板
13 金属板
14 電池保持孔
15 正極側凹部
16 レーザー光通過孔
17 絶縁ブッシュ
20 正極側樹脂部材
22 バネ
23 レーザー光通過孔
24 レーザー光通過孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極側治具と正極側治具からなるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具であって、前記負極側治具が負極端子を保持する凹部と、レーザー光の通過孔と一対のピンを有する金具と、前記金具を押圧するバネと、前記金具がバネによって伸縮可能に保持される樹脂部材とで構成され、前記正極側治具が正極端子を保持する凹部と、レーザーの通過孔を有する金属部と、電池を保持する樹脂板と、前記負極側治具のピンと嵌合する絶縁材よりなるブッシュを有し、前記金属部と前記樹脂板と前記ブッシュを固定保持する樹脂部材とで構成されるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項2】
ボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具であって、複数の負極端子を保持する凹部およびレーザー光の通過孔を配置した負極側樹脂部材からなる負極側治具の集合体と、複数の正極端子を保持する凹部およびレーザーの通過孔を有する金属部を配置した正極側樹脂部材からなる正極側治具の集合体が一対のピンで係合されてなるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項3】
請求項2に記載の樹脂部材が、負極側治具の集合体と係合し正極側治具の集合体と対応する位置に設けられた吸引孔と、前記吸引孔を連結してなる通路とを有すとともに、前記通路と吸引孔との接続部に開閉手段を有する治具を備えたボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項4】
請求項1に記載の負極側治具において、前記端子を保持する凹部における保持面が前記樹脂部材よりも突出するとともに、前記樹脂部材面まで伸縮自在な構成とされているボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項5】
請求項1に記載の正極側治具において、前記電池を保持する樹脂板の厚みが電池の厚み以下であるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項6】
正極端子、負極端子および電池と接する金属部の表面に絶縁性のコーティング処理を施したことを特徴とする請求項1に記載のボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項1】
負極側治具と正極側治具からなるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具であって、前記負極側治具が負極端子を保持する凹部と、レーザー光の通過孔と一対のピンを有する金具と、前記金具を押圧するバネと、前記金具がバネによって伸縮可能に保持される樹脂部材とで構成され、前記正極側治具が正極端子を保持する凹部と、レーザーの通過孔を有する金属部と、電池を保持する樹脂板と、前記負極側治具のピンと嵌合する絶縁材よりなるブッシュを有し、前記金属部と前記樹脂板と前記ブッシュを固定保持する樹脂部材とで構成されるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項2】
ボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具であって、複数の負極端子を保持する凹部およびレーザー光の通過孔を配置した負極側樹脂部材からなる負極側治具の集合体と、複数の正極端子を保持する凹部およびレーザーの通過孔を有する金属部を配置した正極側樹脂部材からなる正極側治具の集合体が一対のピンで係合されてなるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項3】
請求項2に記載の樹脂部材が、負極側治具の集合体と係合し正極側治具の集合体と対応する位置に設けられた吸引孔と、前記吸引孔を連結してなる通路とを有すとともに、前記通路と吸引孔との接続部に開閉手段を有する治具を備えたボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項4】
請求項1に記載の負極側治具において、前記端子を保持する凹部における保持面が前記樹脂部材よりも突出するとともに、前記樹脂部材面まで伸縮自在な構成とされているボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項5】
請求項1に記載の正極側治具において、前記電池を保持する樹脂板の厚みが電池の厚み以下であるボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【請求項6】
正極端子、負極端子および電池と接する金属部の表面に絶縁性のコーティング処理を施したことを特徴とする請求項1に記載のボタン形リチウム電池用正負極端子付け治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−147394(P2006−147394A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337113(P2004−337113)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]