説明

ボトル用バスケット携行器およびそのためのブランク

バスケット型の物品携行器(10)は、複数の物品、たとえばボトル(B)を収容するよう構成される。携行器(10)は、底面(22,36)と、対向する側壁(14,28)および端壁(12,16;26,30)と、中間仕切り構造体(52,56,62,64)と、それを用いて携行器(10)を持ち上げかつ運搬することが可能なハンドル手段(H)とを具備する。ボトル(B)は、携行器(10)の中間仕切り構造体(52,56,62,64)の両側に収容される。中間仕切り構造体(52,56,62,64)は、第1の折り曲げ線(60)に沿って互いに折り曲げ可能に連結された一対の内部中間仕切りパネル(52,56)から形成され、しかもこれは折り曲げ線(60)に隣接して内部に設けられた一対の受け部(96)を有する。外部中間仕切りパネル(62,64)の対は、内部中間仕切りパネル(52,56)に取り付けられている。ハンドル手段(H)は、第2の折り曲げ線(90)に沿って互いに折り曲げ可能に連結されたハンドルパネル(86,88)の第1の対からなり、しかもそれ自身に一対の対応するハンドル開口(98)を有する。ハンドルパネル(86,88)の第1の対は、外部中間仕切りパネル(62,64)の対内でスライドできるよう移動可能であり、受け部(96)の対に対応するよう配置された一対のショルダー(94)を有する。ハンドル手段(H)は、それゆえ、下方格納ポジションと上方延出ポジションとの間で動くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板紙あるいは同様の折り曲げ可能なシート素材から形成されるバスケット型の物品携行器(この携行器はたとえばボトルのような物品を複数収容するよう構成される)およびこの携行器を形成するためのブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ボトル用のバスケット携行器は、ハンドル構造体を含む中央(中間)仕切り構造体を備え、このハンドル構造体を用いることで携行器の持ち上げおよび運搬が可能となり、そしてボトルは中央仕切り構造体の両側に列をなして配置される。概して、ハンドル構造体は、ボトルが携行器に収まっているとき、ボトルの上端のレベルよりも下で終わっている。このため、ユーザーが手でハンドル構造体を使用するのが不便であったり、使い心地が悪かったりすることがある。特に、ボトル上端が、かなり鋭いエッジを持つクラウン型のものである場合にはなおさらである。
【0003】
他の公知のバスケット携行器形式のカートンに関して、ハンドルはボトル上端から突き出ているが、これは運搬中に携行器を積み重ねることを困難にする。なぜなら、ハンドル構造体は変形し、裂けることさえあるからである。ゆえに、そうした公知の物品携行器は積み重ねには適していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明およびその好ましい実施形態は、従来技術の問題を克服、あるいは少なくとも軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、たとえばボトルのような物品を複数収容するよう構成された物品携行器を提供し、この物品携行器は、底面と、互いに向き合う側壁および端壁と、それを用いて携行器を持ち上げかつ運搬することが可能なハンドル手段とを具備する。ハンドル手段は、対向する平行な垂直案内パネルの対と、上方および下方へのスライド動作のため案内パネル間の少なくとも一部に配置された垂直ハンドル部材とを具備してなる。ハンドル部材はショルダーの対を備え、このショルダーとの係合のための上部ストッパーが、ハンドル部材の上方への移動を制限するため案内パネルの第1の共通縁部に沿って配置されている。
【0006】
好ましくは、ハンドル部材は、案内パネルの第2の縁部に対して当接することにより、ハンドルの下方への動きを制限するため下部ストッパーを備える。下部ストッパーと係合するための限界止め部が、ハンドル部材の下方への移動を制限するためハンドル部材の下方に配置されてもよい。
【0007】
ある実施形態では、ハンドル部材は、案内パネル同士の間でハンドル部材を案内するため案内片を備える。
【0008】
ハンドル構造体はさらに、案内パネルから形成されかつハンドル部材に固定された補強層部材を備えてもよい。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、物品携行器はたとえばボトルのような物品を複数収容するよう構成されるが、この物品携行器は、底面と、対向する側壁および端壁と、中間パネルの対によって提供された中間仕切り構造体と、それを用いて携行器を持ち上げかつ運搬することができるハンドル手段とを具備し、物品は携行器の中間仕切り構造体の両側に収容可能である。ハンドル手段の少なくとも一部は、中間仕切りパネル対内でスライド可能に動くことができ、この結果、ハンドル手段は、それが物品上端部の上に位置する状態で、格納ポジションと延出ポジションとの間で移動できる。中間仕切りパネルに包含されるハンドル手段のその部分の上側縁部は、延出ポジションでは中間パネルの限界止め部に当接する。
【0010】
本発明の第3の態様は、たとえばボトルのような物品を複数収容するよう構成されたバスケット型の物品携行器を提供するものであるが、この物品携行器は、少なくとも1枚の底面パネルと、対向する側壁および端壁と、中間仕切り構造体と、それを用いて携行器を持ち上げかつ運搬することが可能なハンドル手段とを具備し、物品は携行器の中間仕切り構造体の両側に収容可能である。ここで、中間仕切り構造体は、第1の折り曲げ線に沿って互いに折り曲げ可能に連結されると共に、この折り曲げ線に隣接して内部に設けられた受け部の対を有する内部中間仕切りパネルの対、および互いに折り曲げ可能に連結され、かつ内部中間仕切りパネルに取り付けられた外部中間仕切りパネルの対から形成される。ここで、ハンドル手段は、少なくとも、第2の折り曲げ線に沿って互いに折り曲げ可能に連結されたハンドルパネルの第1の対から形成されると共にそれ自身に対応するハンドル開口の対を有し、ハンドルパネルの第1の対は外部中間仕切りパネル対内でスライドできるよう移動可能であり、受け部の対に対応するよう配置されたショルダー対を有し、ハンドル手段は、第2の折り曲げ線が実質的に第1の折り曲げ線と同一直線上にある格納ポジションと、ショルダーの対が受け部の対に当接しかつハンドル開口が格納ポジションにあるときよりも物品携行器の底面からさらに遠くにある延出ポジションとの間で移動可能である。
【0011】
好ましい実施形態では、ハンドル手段はさらに、互いに折り曲げ可能に連結されかつその自身に、対応するハンドル開口の対を有する外部ハンドルパネルの対を具備する。この外部ハンドルパネルは、ハンドル開口が実質的に互いに一直線上に存在するようハンドルパネルの第1の対に取り付けられる。
【0012】
好ましくは、ハンドル手段と中間仕切り構造体との間には仮接続部が設けられ、この仮接続部は、中間仕切り構造体に対してハンドル手段を引っ張る力が加えられたとき破断する。
【0013】
少なくとも1枚の仕切りパネルが、好ましくは、側壁のそれぞれと中間仕切り構造体との間に備わる。
【0014】
ある実施形態では、携行器は少なくとも1枚の固定パネルをさらに具備し、この固定パネルは端壁に折り曲げ可能に連結され、かつ中間仕切り構造体内でハンドル手段を固定するため中間仕切り構造体に取り付けられる。
【0015】
第4の態様によれば、本発明はバスケット型の物品携行器を形成するためのブランクを提供するが、このブランクは、携行器の第1の側面パネル、端面パネルの第1の対、および第1の底面パネルを形成するための互いに折り曲げ可能に連結された主パネルの第1の列と、携行器の少なくとも第2の側面パネルおよび端面パネルの第2の対を形成するための互いに折り曲げ可能に連結された主パネルの第2の列とを具備し、ブランクはその一端に、主パネルの第1の列に折り曲げ可能に連結された第1の内部中間仕切りパネルと、この第1の内部中間仕切りパネルおよび主パネルの第2の列に折り曲げ可能に連結された第2の内部中間仕切りパネルと、を含み、内部中間仕切りパネルのそれぞれは、そこから打ち出され、それ自身にハンドル開口を有する内部ハンドルパネルを有し、内部ハンドルパネルは互いに折り曲げ可能に連結され、かつ内部ハンドルパネルにショルダーの対を、そして対応する受け部の対を内部中間仕切りパネルに提供する。この受け部は対応するショルダーから離間している。本ブランクはさらに、互いにかつ内部中間仕切りパネルに対して折り曲げ可能に連結され、かつ主パネルの第1の列と第2の列との間でブランクに配置された外部中間仕切りパネルの対を具備する。
【0016】
好ましい実施形態では、外部中間仕切りパネルのそれぞれはそこから打ち出された外部ハンドルパネルを有し、各外部ハンドルパネルはそれ自体にハンドル開口を有する。
【0017】
破断可能な仮接続部が、好ましくは、内部および外部ハンドルパネルと、それぞれの内部および外部中間仕切りパネルとの間に備わる。
【0018】
好ましくは、少なくとも1枚の横断仕切りパネルが、内部中間仕切りパネルのそれぞれから打ち出される。
【0019】
ある実施形態では、ブランクは、第1の端部から離間したその第2の端部において、内部中間仕切りパネルへの取り付けのため、主パネルの第1および第2の列それぞれに折り曲げ可能に連結された固定パネルの対を具備する。
【0020】
本発明の第5の態様では、複合中央仕切り構造体を有するバスケット型カートンが提供される。この複合中央仕切り構造体は、仕切りパネルの対およびこの仕切りパネルから打ち出されたハンドルパネルの対を具備する。仕切りパネルは、そのコートされた側部に沿って互いに取り付けられ、しかもハンドルパネルはそのコートされていない側部に沿って互いに取り付けられる。仕切りパネルはその共通の上側縁部に沿って相互連結され、かつ互いに取り付けられた、コートされた側部を持つよう上側縁部に沿って折り曲げられ、ハンドルパネルはその共通の上側縁部に沿って相互連結され、かつ互いに取り付けられた、コートされていない側部を持つよう上側縁部に沿って折り曲げられる。
【0021】
好ましくは、ハンドル部材は、仕切りパネルに対して延出ポジションと格納ポジションとの間で移動するよう配置されると共に、ハンドルパネルが格納ポジションにあるとき、上側縁部は互いに整列させられてもよい。
【0022】
ここで添付図面を参照して、本発明の代表的実施形態を実例として説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図面、特に図1を参照すると、物品携行器は、板紙あるいは他の適当な折り曲げ可能なシート素材、たとえばプラスチック素材などからなる単一ブランク10から形成される。図示された実施形態では、単一のカートンを形成するために単体ブランクが使用されている。だが、たとえばハンドル構造体を提供するため、2枚以上のブランクが採用されてもよいことが予見される。この実施形態では、出来上がったカートンは、ボトルを3本ずつ2列に配置して6本のボトル“B”(図6)を収容するのに適合する。本携行器は、発明の範囲から逸脱することなく、ユーザーの要請に応じて、異なる数および/または形状の物品を収容するよう構成できる。
【0024】
この実施形態においては、携行器は、底面、側面、端面およびハンドル構造体を形成するために設けられたパネルの列を具備してなる。この実施形態においては、第1の側壁パネル28と、折り曲げ線38に沿って第1の側壁パネル28の上側縁部に折り曲げ可能に連結された第1の底面パネル36と、それぞれの折り曲げ線32および34に沿って第1の側壁パネル28の両側に折り曲げ可能に連結された第1の端面パネル26および30からなる外部パネルの第1の列を具備する。同様に、主パネルの第2の列は、第2の側壁パネル14と、折り曲げ線24に沿って第2の側壁パネル14の下側縁部に折り曲げ可能に連結された第2の底面パネル22と、それぞれの折り曲げ線18および20に沿って第2の側壁パネル14の両側に折り曲げ可能に連結された第2の端面パネル12および16とからなる。
【0025】
外部パネルの第1および第2の列は、ブランク10の両端において互いに連結されている。ブランク10の第1の端部においては、中間仕切り構造体を形成するためのパネル50が、以下でさらに詳しく説明するように、それぞれの折り曲げ線58および54に沿って第1および第2の端壁パネル30および16に折り曲げ可能に連結されている。ブランク10の第2の端部においては、固定パネル44および40の対が、それぞれの折り曲げ線46および42に沿って第1および第2の端壁パネル26および12に折り曲げ可能に連結されており、固定パネル44および40は、折り曲げ線48に沿って互いに折り曲げ可能に連結されている。
【0026】
上述したように、外部パネルの第1および第2の列は、中間仕切りおよびハンドル構造体を形成するためパネル50によりブランク10の第1の端部において互いに連結されている。これらパネル50は、折り曲げ線58に沿って第1の端壁パネル30に折り曲げ可能に連結された第1の内部中間仕切りパネル56、および折り曲げ線54に沿って第2の端壁パネル16に、そして折り曲げ線60に沿って第1の内部中間仕切りパネル56に折り曲げ可能に連結された第2の内部中間仕切りパネル52を含む。三つの物品を2列で保持するこの実施形態においては、内部中間仕切りパネル52および56のそれぞれは、それから打ち出された一対の横断仕切りパネル70および78を有する。第1の横断仕切りパネル70は、折り曲げ線74に沿ってそれぞれの内部仕切りパネルに折り曲げ可能に連結されており、しかも折り曲げ線76に沿って横断仕切りパネルの残部に折り曲げ可能に連結された固定端部72を備える。同様に、第2の横断仕切りパネル78は折り曲げ線82に沿ってそれぞれの内部仕切りパネルに折り曲げ可能に連結されており、しかも折り曲げ線84に沿って横断仕切りパネルの残部に折り曲げ可能に連結された固定端部80を備える。
【0027】
第1の内部中間仕切りパネル56は、その中央領域において、横断切れ目92および端部切れ目93に沿って、そこから打ち出される第1の内部ハンドルパネル86を有する。しかしながら、何箇所かには、携行器を作る間、第1の内部ハンドルパネル86と第1の内部中間仕切りパネル56との間の連結状態を維持するため、横断切れ目92に沿って破断可能な接続部91が残る。端部切れ目93のそれぞれは、第1の内部ハンドルパネル86の両側にショルダー94を付与するためジグザク形状を有する。受け部96の対は、ショルダー94に合致するよう第1の内部中間仕切りパネル56に形成されるが、折り曲げ線60に隣接するようショルダー94から離間している。
【0028】
同様に、第2の内部中間仕切りパネル52は、その中央領域において、横断切れ目92および端部切れ目93に沿って、そこから打ち出される第2の内部ハンドルパネル88を有する。しかしながら、何箇所かには、携行器を作る間、第2の内部ハンドルパネル88と第2の内部中間仕切りパネル52との間の連結状態を維持するため、横断切れ目92に沿って破断可能な連結部91が残る。その上、端部切れ目93のそれぞれは、第2の内部ハンドルパネル88の両側にショルダー94を付与するためジグザク形状を有する。一対の受け部96がショルダー94に合致するよう第2の内部中間仕切りパネル52に形成されるが、折り曲げ線60に隣接するようショルダー94から離間している。
【0029】
第1および第2の内部ハンドルパネルは、折り曲げ線90に沿って互いに折り曲げ可能に連結されているが、これは好ましくは折り曲げ線60と同一直線上にある。内部ハンドルパネル86および88のそれぞれは、折り曲げ線90と向き合う対応する位置に、それらから切り抜かれたハンドル開口98を有する。
【0030】
ブランク10における主パネルの第1の列と第2の列との間に配置されているのは、第1および第2の外部中間仕切りパネル62および64である。第1の外部中間仕切りパネル62は、折り曲げ線68に沿って第1の内部中間仕切りパネル56に折り曲げ可能に連結されており、しかも、その中央領域において切れ目112に沿ってそこから打ち出される第1の外部ハンドルパネル100を有する。しかしながら、何箇所かには、携行器を作る間、第1の外部ハンドルパネル100と第1の外部中間仕切りパネル62との間の連結状態を維持するため切れ目112に沿って破断可能な接続部110が残る。
【0031】
同様に、第2の外部中間仕切りパネル64は折り曲げ線68に沿って第2の内部中間仕切りパネル52に折り曲げ可能に連結されており、しかも、その中央領域において切れ目112に沿ってそこから打ち出される第2の外部ハンドルパネル102を有する。しかしながら、何箇所かには、携行器を作る間、第2の外部ハンドルパネル102と第2の外部中間仕切りパネル64との間の連結状態を維持するため切れ目112に沿って破断可能な接続部110が残る。第1および第2の外部中間仕切りパネル62および64は、折り曲げ線66に沿って折り曲げ可能に連結されており、かつ第1および第2の外部ハンドルパネル100および102は、折り曲げ線104に沿って互いに折り曲げ可能に連結されているが、折り曲げ線104は好ましくは折り曲げ線66と同一直線上にある。外部ハンドルパネル100および102のそれぞれは、折り曲げ線104と向き合う対応する位置に、それらから切り抜かれたハンドル開口106を有する。しかも、それぞれの外部ハンドルパネルに折り曲げ可能に連結されたハンドルサポートパネル108が、各ハンドル開口106内へと延在している。
【0032】
ブランクから平らに折り畳まれた状態の完成した携行器を形成するためには、一連の順次的な折り曲げおよび接着作業が必要とされる。これを図2ないし図5を参照してさらに説明する。折り曲げおよび接着作業は、1基以上のストレートライン機械によって実施でき、こうすれば、携行器の組み立てを成し遂げるためにそれを回転させたりひっくり返したりする必要はない。折り曲げ工程は以下で説明するそれに限定されず、特定の製造上の要請に応じて変更可能である。
【0033】
まず、図2に示すように、内部ハンドルパネル88を折り曲げ線90に沿ってX方向に折り曲げて、それを内部ハンドルパネル86と面接触配置状態にすると共に、そこに固定する。接着剤は、第1および第2の横断仕切りパネル70および78の固定端部72および80の上の影付き領域Gに塗布する。接着剤をさらに、第1および第2の外部中間仕切りパネル62および64の周縁部に塗布するのが好ましく、第1および第2の外部ハンドルパネル100および102の周縁部に塗布してもよい。
【0034】
続いては、中間仕切り構造体50、すなわち第1および第2の内部ハンドルパネル86および88ならびに横断仕切りパネル70および78を含む第1および第2の内部中間仕切りパネル52および56を、折り曲げ線68に沿って内側に(図示するように左側に)折り曲げ、それが、主パネルの第1および第2の列、ならびに第1および第2の外部中間仕切りパネル62および64、および第1の外部ハンドルパネル100と向き合う位置関係となるようにし、そして図3に示すようにそこに固定する。
【0035】
さらに図3に示すように、続いては、折り曲げ線68から離れた第1および第2の内部中間仕切りパネル52および56の一方側の影付き周縁部Gに接着剤を塗布すると共に、固定パネル40および44ならびに第1および第2の端壁パネル26および12を折り曲げ線32および18に沿って内側へ(右側へ)折り曲げ、固定パネル40および44が第1および第2の内部中間仕切りパネル52および56と向き合う位置関係となるようにする。ここで、この半ば組み立てられたブランクは、図4に示す形態となっている。
【0036】
図4を参照すると、内部構造体は、第2の内部ハンドルパネル86および第2の外部ハンドルパネル102の横断部と同様、第1の内部中間仕切りパネル56の側部および横断部ならびに第1の固定パネル44を具備してなる影付き領域Gに接着剤を塗布することによって完成する。その後は、部分的に形成された携行器を目下の中央折り曲げ線104に沿って折り曲げ、この中央折り曲げ線104の両側部分が向き合う位置関係となるようにする。これによって、第1および第2の内部中間仕切りパネル52および56ならびに第1および第2の固定パネル40および44を互いに接着し、これと同様に、第1の内部ハンドルパネル86および第2の外部ハンドルパネル102を互いに接着する。携行器はそのとき、図5に最もよく示されるように平らな折り畳まれた形態である。この形態から、携行器を装荷のために直立させることができる。
【0037】
携行器を直立させるためには、側壁14および28を中間仕切り構造体に対して外側に移動させ、端壁12,26,16および30を、それら個々の折り曲げ線18,20,32および34に沿って回動させる。一方、横断仕切りパネル70および78については、それら個々の折り曲げ線74および82に沿って回動させる。従来よく知られているように、通常の前方供給移動の間に、ボトルと携行器との間の相対的な垂直方向の移動によって装荷は実現される。こうすることで、ボトルは携行器の開放底を経てそれら個々の小室に入る。その後、底面パネル22および36を上方に折り曲げて、ボトル小室の下側端部を閉塞する。底面パネル22および36は、従来よく知られているように、互いに接着することも、あるいはさもなければさまざまな手段により互いに固定することもできる。
【0038】
図6に示すように、装荷作業中、そして携行器をハンドル構造体Hを用いて持ち上げる前は、このハンドル構造体Hはまだ格納された下方ポジションにある。ここでは、第1および第2の内部ハンドルパネル86および88ならびに第1および第2の外部ハンドルパネル100および102は、まだ、第1および第2の内部中間仕切りパネル52および56ならびに第1および第2の外部中間仕切りパネル62および64に、それぞれ破断可能な接続部91および110によって連結された状態である。
【0039】
しかしながら、図7Aに示すように、ハンドル構造体Hを用いて携行器を持ち上げるとき、このハンドル構造体Hは延出した上方ポジションへと移動する。図7B(ハンドル構造体Hの一部の破断拡大図である)に最もよく示されるように、携行器の残部に対してハンドル構造体Hを引っ張る力が作用するとき、互いに固定されている第1および第2の内部ハンドルパネル86および88ならびに第1および第2の外部ハンドルパネル100および102は破断可能な接続部91および110を破断させる。この結果、ハンドルパネル86,88,100および102は、第1および第2の内部ハンドルパネル86および88のショルダー94が、第1および第2の内部中間仕切りパネル52および56の受け部に当接するまで、中間仕切りパネル52,56,62および64に対して上方に動く。このように受け部96は、上方への動きを制限する限界止め部として機能する。
【0040】
この当接関係によって、携行器の残部を運搬するためのハンドル構造体強度がもたらされる。一方、固定パネル40および44に加えて、中間仕切りパネル52,56,62および64の構造は、中間仕切り構造体内でスライド可能なハンドル構造体を保持するのに役立つ。
【0041】
一つの利点は、使用時には携行器内のボトルの上端のレベルよりも上に配置される新しいハンドル構造体を提供できるが、さもなければ、その中にボトルを収容したバスケットを最初に持ち上げる時までハンドル構造体は下方ポジションに止まり、それからハンドル構造体は保持接続部から切り離され、その上方ポジションへと上方に動くということである。
【0042】
本発明のさらなる利点は、端壁の一つに折り曲げ可能に直接的に連結された中央仕切りパネルを有する上記バスケット型カートンに関して、板紙の、コートされて光沢のある側がハンドルパネル86,88として人目にさらされ、しかも依然として、仕切りパネル52,56の下側部分を元のまま残すこと、あるいはたとえば横方向仕切りのような他の構造体として利用できるようにすることを可能にすることである。コートされて光沢のある側が図7Aに示すように人目にさらされる内部ハンドルパネル86,88は、携行器の外観を向上させるだけでなく、携行器内に詰め込まれた容器入り製品の販売促進用の付加的な絵柄領域をも提供する。
【0043】
ここで用いているように、たとえば「上面」、「底面」、「端面」、「側面」、「内部」、「外部」、「上部」および「下部」といった方向的な言及は、個々のパネルをそうした向きに限定するものではなく、単にこれらパネルを互いに区別するためのものにすぎないことが認識されるであろう。折り曲げ可能に連結された接続部に対する言及も、必ずしも単一の折り曲げ線のみへの言及として解釈すべきではない。実際、折り曲げ可能に連結された接続部は、本発明の範囲から逸脱することなく、以下のもの、すなわち刻線、破断可能線あるいは折り曲げ線の一つ以上から形成できることが予見される。
【0044】
本発明の範囲内でさまざまな変更が可能であることを理解されたい。たとえば、パネルおよび開口のサイズおよび形状は、異なるサイズあるいは形状の物品を収容するために調節可能であり、代替的な上面および底面閉塞構造体を使用できる。本カートンは、異なる配列で一つ以上の物品を収容可能である。
【0045】
上では本発明のある特定の実施形態のみを説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく変更および改良をなし得ることを理解するであろう。たとえば必要に応じて、適切なパネルが互いに接合されるのであれば、明らかに接着領域を変更するとともに他の領域で置き換えることができる。また、接着作業および折り曲げ作業のいくつかを異なる順序にて実施することも可能である。たとえば、第1および第2の内部ハンドルパネル86および88は、第1および第2の内部中間仕切りパネル52および56が折られた後、横断仕切りパネル70および78を側壁14および28に接着するため互いに接着可能である。さらに、上述したように、たとえば、2枚の底面パネルよりもむしろ底面パネルを1枚だけ具備することで、主パネルの形状もまた変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】折り曲げられていない単一ブランクの平面図であり、このものから本発明の一実施形態によるボトル携行器を形成できる。
【図2】図1のブランクから携行器を形成するステップを順次示す図である。
【図3】図1のブランクから携行器を形成するステップを順次示す図である。
【図4】図1のブランクから携行器を形成するステップを順次示す図である。
【図5】図1のブランクから携行器を形成するステップを順次示す図である。
【図6】ハンドル構造体が下方ポジションにある状態での、完成しかつ(部分的に)物品が装填された携行器を示す図である。
【図7A】ハンドル構造体が上方ポジションにある状態での、図6の携行器を示す図である。
【図7B】図7Aのハンドル構造体の一部の拡大切取り図である。
【符号の説明】
【0047】
10 ブランク
12,16 第2の端面パネル(端壁)
14 第2の側壁パネル(側壁)
18,20 折り曲げ線
22 第2の底面パネル
24 折り曲げ線
26,30 第1の端面パネル(端壁)
28 第1の側壁パネル(側壁)
32,34 折り曲げ線
36 第1の底面パネル
38 折り曲げ線
40,44 固定パネル
42,46,48 折り曲げ線
50 パネル(中間仕切り構造体)
52 第2の内部中間仕切りパネル
54,58 折り曲げ線
56 第1の内部中間仕切りパネル
60 折り曲げ線
62 第1の外部中間仕切りパネル
64 第2の外部中間仕切りパネル
66,68 折り曲げ線
70 第1の横断仕切りパネル
72,80 固定端部
74,76 折り曲げ線
78 第2の横断仕切りパネル
82,84 折り曲げ線
86 第1の内部ハンドルパネル
88 第2の内部ハンドルパネル
90 折り曲げ線
91 破断可能な接続部
92 横断切れ目
93 端部切れ目
94 ショルダー
96 受け部
98 ハンドル開口
100 第1の外部ハンドルパネル
102 第2の外部ハンドルパネル
104 折り曲げ線
106 ハンドル開口
108 ハンドルサポートパネル
110 破断可能な接続部
112 切れ目
B ボトル
H ハンドル構造体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品、たとえばボトルを収容するよう構成された物品携行器であって、
底面と、対向する側壁および端壁と、それを用いて前記携行器を持ち上げかつ運搬することが可能なハンドル手段とを具備し、
前記ハンドル手段は、対向する平行な垂直案内パネル対と、上方および下方への滑り移動のため前記案内パネル同士の間の少なくとも一部に配設された垂直ハンドル部材とを具備し、
前記ハンドル部材はショルダー対を有すると共に、前記ショルダーと係合するための上部ストッパーが、前記ハンドル部材の上方への移動を制限するため前記案内パネルの上側縁部に沿って配置されていることを特徴とする物品携行器。
【請求項2】
前記ハンドル部材と係合するための下部ストッパーが、前記ハンドル部材の下側縁部に対して当接することにより前記ハンドル部材の下方への移動を制限するため、前記ハンドル部材の下方に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のカートン。
【請求項3】
前記ハンドル部材の上方および下方への移動を案内するため、前記ハンドル部材の対向する両側方縁部に沿って案内片の対が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のカートン。
【請求項4】
前記ハンドル構造体は、前記案内パネル同士の間に配設された垂直主要部材をさらに具備するとともに、前記主要部材が前記ハンドル部材および前記上部ストッパーの両方を提供することを特徴とする請求項1に記載のカートン。
【請求項5】
前記ハンドル構造体は、前記案内パネル同士の間に配設された垂直主要部材をさらに具備するとともに、前記主要部材が、前記ハンドル部材、前記上部ストッパーおよび前記下部ストッパーを提供することを特徴とする請求項2に記載のカートン。
【請求項6】
前記ハンドル構造体は、前記案内パネル同士の間に配設された垂直主要部材をさらに具備するとともに、前記主要部材が、前記ハンドル部材、前記上部ストッパーおよび前記案内片を提供することを特徴とする請求項3に記載のカートン。
【請求項7】
複数の物品、たとえばボトルを収容するよう構成されたバスケット型の物品携行器であって、
少なくとも1枚の底面パネルと、対向する側壁および端壁と、中間仕切り構造体と、それを用いて前記携行器を持ち上げかつ運搬することが可能なハンドル手段とを具備し、
前記物品は前記携行器の前記中間仕切り構造体の両側に収容可能であり、
前記中間仕切り構造体は、第1の折り曲げ線に沿って互いに折り曲げ可能に連結された内部中間仕切りパネル対から形成されると共に、前記折り曲げ線に隣接して内部に設けられた受け部の対、および互いに折り曲げ可能に連結されかつ前記内部中間仕切りパネルに取り付けられた外部中間仕切りパネルの対を有し、
前記ハンドル手段は、少なくとも第2の折り曲げ線に沿って互いに折り曲げ可能に連結されたハンドルパネルの第1の対から形成されると共にそれ自身に対応するハンドル開口の対を有し、前記ハンドルパネルの第1の対は外部中間仕切りパネル対内でスライドできるよう移動可能であり、前記受け部の対に対応するよう配置されたショルダー対を有し、
前記ハンドル手段は、前記第2の折り曲げ線が実質的に前記第1の折り曲げ線と同一直線上にある格納ポジションと、前記ショルダーの対が前記受け部の対に当接し、前記格納ポジションにあるときよりも前記ハンドル開口が物品携行器の底面からさらに遠くにある延出ポジションとの間で移動可能であることを特徴とする物品携行器。
【請求項8】
前記ハンドル手段はさらに、互いに折り曲げ可能に連結されかつそれ自身に対応するハンドル開口の対を有する外部ハンドルパネルの対を具備し、前記外部ハンドルパネルは、前記ハンドル開口が実質的に互いに一直線上に存在するよう前記ハンドルパネルの第1の対に取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の携行器。
【請求項9】
前記ハンドル手段と前記中間仕切り構造体との間に仮接続部をさらに具備し、前記仮接続部は、前記中間仕切り構造体に対して前記ハンドル手段を引っ張る力が加えられた際に破断することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の携行器。
【請求項10】
前記側壁それぞれと前記中間仕切り構造体との間に設けられた少なくとも1枚の仕切りパネルをさらに具備してなることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の携行器。
【請求項11】
端壁に折り曲げ可能に連結されかつ前記中間仕切り構造体内で前記ハンドル手段を固定するため前記中間仕切り構造体に取り付けられた少なくとも1枚の固定パネルをさらに具備することを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の携行器。
【請求項12】
バスケット型の物品携行器を形成するためのブランクであって、
前記携行器の第1の側面パネル、端面パネルの第1の対および第1の底面パネルを形成するため互いに折り曲げ可能に連結された主パネルの第1の列と、
少なくとも前記携行器の第2の側面パネルおよび端面パネルの第2の対を形成するため互いに折り曲げ可能に連結された主パネルの第2の列と、を具備してなり、
その第1の端部には、前記主パネルの第1の列に折り曲げ可能に連結された第1の内部中間仕切りパネルと、前記第1の内部中間仕切りパネルおよび前記主パネルの第2の列に折り曲げ可能に連結された第2の内部中間仕切りパネルとを含み、前記内部中間仕切りパネルのそれぞれは、そこから打ち出される、それ自身にハンドル開口を有する内部ハンドルパネルを有し、前記内部ハンドルパネルは互いに折り曲げ可能に連結され、かつ前記内部ハンドルパネルにはショルダーの対を、および前記内部中間仕切りパネルには対応する受け部の対を提供し、この受け部は前記対応するショルダーから離間しており、
互いにかつ前記内部中間仕切りパネルに対して折り曲げ可能に連結され、かつ前記主パネルの第1の列と第2の列との間でブランクに配置された外部中間仕切りパネルの対をさらに具備してなることを特徴とするブランク。
【請求項13】
前記外部中間仕切りパネルのそれぞれは、そこから打ち出される外部ハンドルパネルを有し、この外部ハンドルパネルのそれぞれはその自身にハンドル開口を有することを特徴とする請求項12に記載のブランク。
【請求項14】
前記内部および外部ハンドルパネルと、それぞれの前記内部および外部中間仕切りパネルとの間に破断可能な仮接続部をさらに具備することを特徴とする請求項12または請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記内部中間仕切りパネルのそれぞれから打ち出される少なくとも1枚の横断仕切りパネルをさらに具備することを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載のブランク。
【請求項16】
前記ブランクは、前記第1の端部から離間したその第2の端部に、前記内部中間仕切りパネルへの取り付けのため主パネルの第1の列および第2の列それぞれに折り曲げ可能に連結された固定パネルの対を具備することを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載のブランク。
【請求項17】
仕切りパネルの対および前記仕切りパネルから打ち出されたハンドルパネルの対を具備する複合中央仕切り構造体を有するバスケット型カートンであって、
前記仕切りパネルはそのコートされた側部に沿って互いに取り付けられ、前記ハンドルパネルはそのコートされていない側部に沿って互いに取り付けられ、前記仕切りパネルはその共通の上側縁部に沿って相互連結され、かつ互いに取り付けられた、コートされた側部を持つよう前記上側縁部に沿って折り曲げられ、前記ハンドルパネルはその共通の上側縁部に沿って相互連結され、かつ互いに取り付けられた、コートされていない側部を持つよう前記上側縁部に沿って折り曲げられることを特徴とするカートン。
【請求項18】
前記ハンドル部材は、延出ポジションと格納ポジションとの間で前記仕切りパネルに対して移動するよう配設されており、かつ前記上側縁部は、前記ハンドルパネルが前記格納ポジションにあるときに互いに整列することを特徴とする請求項17に記載のカートン。
【請求項19】
請求項12または請求項13に記載のカートンを形成するためのブランク。
【請求項20】
前記ハンドル構造体はさらに、前記案内パネルから形成されかつ前記ハンドル部材に固定された補強層部材を具備することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のカートン。
【請求項21】
請求項1ないし請求項6および請求項20のいずれか1項に記載のカートンを形成するためのブランク。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate


【公表番号】特表2006−503759(P2006−503759A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−578229(P2003−578229)
【出願日】平成15年3月20日(2003.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/008495
【国際公開番号】WO2003/080451
【国際公開日】平成15年10月2日(2003.10.2)
【出願人】(503056492)ミードウエストヴェイコ・パッケージング・システムズ・エルエルシー (44)
【Fターム(参考)】