説明

ボビン搬送システム

【課題】搬送処理能力を向上させたボビン搬送システムを提供する。
【解決手段】トレイTを連続して精紡機1から自動ワインダ3へ搬送する第一主搬送路21と、第一主搬送路21に設けられた第一ボビン準備装置212と、第一主搬送路21の第一ボビン準備装置212が設けられた位置よりも下流側から分岐して自動ワインダ3へトレイTを搬送する第一副搬送路22と、第一副搬送路22に設けられた第二ボビン準備装置222と、を備えたボビン搬送システム2であって、第一主搬送路21における第一ボビン準備装置212の上流側から分岐して第一副搬送路22における第二ボビン準備装置222の上流側へトレイTを搬送する第二副搬送路23を具備し、第一主搬送路21には、第一主搬送路21にトレイTが滞留したときに第一主搬送路21から第一副搬送路22へ第二副搬送路23を用いてトレイTを搬送するためのオフセット区間21Aを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精紡機と自動ワインダとを直結するボビン搬送システムの技術に関する。より詳細には、精紡機と自動ワインダとを直結するボビン搬送システムの搬送処理能力を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、糸が巻装されたボビンをトレイに装着するとともに、ボビンが装着されたトレイを搬送することによってワインダユニットに供給するとしたボビン搬送システムが公知となっている。
【0003】
そして、糸を精紡する精紡機が自動ワインダに隣接されており、該精紡機と自動ワインダとを搬送路で直結したボビン搬送システム(リンクコーナー式搬送システム)も公知となっている。
【0004】
ところで、ボビン搬送システムには、ワインダユニットが糸の糸端部を捕捉できるように該糸端部を所定の位置に配置(引き出し処理)するボビン準備装置が配置されている。そのため、引き出し処理を待つボビンのトレイが搬送路に滞留するとボビン搬送システムの搬送処理能力が低下することとなる。このため、複数のボビン準備装置を並列に配置し、搬送されてきたトレイをいずれかのボビン準備装置に振り分けることによって搬送処理能力を向上させるとしたボビン搬送システムが公知となっている(例えば特許文献1、特許文献2参照。)。
【0005】
このようなボビン搬送システムでは、ボビン準備装置が引き出し処理に失敗した場合、この引き出し処理に失敗したボビンをワインダユニットから排出されたボビンの搬送路によって搬送するため、ワインダユニットから排出されたボビンと引き出し処理に失敗したボビンとが同じ搬送路に混在することとなる。このため、ワインダユニットから排出されたボビンや引き出し処理に失敗したボビンのトレイが搬送路に滞留することで搬送処理能力が低下するという問題を生じていた。また、特許文献3の図4には、ボビン準備装置を2台備えたボビン搬送システムが開示されている。しかし、ボビン準備装置を2台備えることによって搬送処理能力を向上させることしか記載されておらず、2台のボビン準備装置をどのように使い分けるのかに関しては何ら開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−88681号公報
【特許文献2】特開平7−133073号公報
【特許文献3】特開2003−321162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであり、引き出し処理を待つボビンのトレイが搬送路に滞留することを防ぎ、ワインダユニットから排出されたボビンや引き出し処理に失敗したボビンのトレイが搬送路に滞留することを防いで、搬送処理能力を向上させるとしたボビン搬送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、この課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、第1の発明は、ボビンが装着されたトレイを連続して精紡機から自動ワインダへ搬送する第一主搬送路と、
前記第一主搬送路に設けられた第一ボビン準備装置と、
前記第一主搬送路の前記第一ボビン準備装置が設けられた位置よりも下流側から分岐して前記自動ワインダへボビンが装着されたトレイを搬送する第一副搬送路と、
前記第一副搬送路に設けられた第二ボビン準備装置と、を備えたボビン搬送システムであって、
前記第一主搬送路における前記第一ボビン準備装置の上流側から分岐して前記第一副搬送路における前記第二ボビン準備装置の上流側へボビンが装着されたトレイを搬送する第二副搬送路を具備し、
前記第一主搬送路には、該第一主搬送路にボビンが装着されたトレイが滞留したときに該第一主搬送路から前記第一副搬送路へ前記第二副搬送路を用いて該トレイを搬送するためのオフセット区間が設けられる、としたものである。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記オフセット区間は、前記第一主搬送路にトレイが滞留した際に一部のトレイが前記第二副搬送路の搬送方向と反対側にずれるように設けられた屈曲路であり、該屈曲路において該第二副搬送路の搬送方向と反対側にずれて停止したトレイに後続のトレイを接触させることによって該後続のトレイを該第二副搬送路へ送り出す、としたものである。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、ボビンが装着されたトレイを連続して自動ワインダから精紡機へ搬送する第二主搬送路と、
前記第一副搬送路の第二ボビン準備装置が設けられた位置よりも下流側から分岐して前記第二主搬送路へボビンが装着されたトレイを搬送する第三副搬送路と、
ボビンが装着されたトレイを前記第二主搬送路から分岐して前記第一主搬送路へ搬送する第四副搬送路と、を具備する、としたものである。
【0012】
第4の発明は、第1から第3のいずれかに記載の発明において、前記第一主搬送路は、ボビンに巻装された糸の巻装量を検知する糸量検知部と、
前記第一ボビン準備装置による糸端部の引き出し処理が成功したか否かを検知する成否検知装置と、
前記第一副搬送路にトレイを送り出すか否かを切り換える第一切換装置と、を有し、
前記第一主搬送路に設けられた前記第一切換装置は、前記糸量検知部が糸の巻装量について所定量以下であると判断した場合ならびに前記成否検知装置が糸端部の引き出し処理が成功しなかったと判断した場合に該ボビンが装着されたトレイを前記第一副搬送路へ送り出す、としたものである。
【0013】
第5の発明は、第1から第4のいずれかに記載の発明において、前記第一副搬送路は、ボビンに巻装された糸の巻装量を検知する糸量検知部と、
前記第二ボビン準備装置による糸端部の引き出し処理が成功したか否かを検知する成否検知装置と、
前記第三副搬送路にトレイを送り出すか否かを切り換える第二切換装置と、を有し、
前記第一副搬送路に設けられた前記第二切換装置は、前記糸量検知部が糸の巻装量について所定量以下であると判断した場合ならびに前記成否検知装置が糸端部の引き出し処理が成功しなかったと判断した場合に該ボビンが装着されたトレイを前記第三副搬送路へ送り出す、としたものである。
【0014】
第6の発明は、第1から第5のいずれかに記載の発明において、前記第二主搬送路は、ボビンに糸が巻装されているか否かを検知する残糸検知装置と、
前記第四副搬送路にトレイを送り出すか否かを切り換える第三切換装置と、を有し、
前記第二主搬送路に設けられた前記第三切換装置は、前記残糸検知装置がボビンに糸が巻装されていると判断した場合に該ボビンが装着されたトレイを前記第四副搬送路へ送り出す、としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
第1の発明によれば、第一ボビン準備装置を主装置、第二ボビン準備装置を第一ボビン準備装置が引き出し処理に失敗した場合の副装置として、2台のボビン準備装置を直列的に使用することで引き出し処理の失敗率を減らすことができる。その上、第一ボビン準備装置へのボビン供給量が増加して第一主搬送路にトレイが滞留したときには、後続のトレイをオフセット区間によって第一副搬送路へ搬送することができる。これにより、第一主搬送路におけるトレイの滞留を避けて後続のトレイを第一副搬送路へ搬送することができるため、搬送処理能力を向上させることが可能となる。
【0017】
第2の発明によれば、第一主搬送路に所定量のトレイが滞留したときに別個の駆動機構を必要としない簡素な構成でありながら確実に後続のトレイを第一副搬送路へ搬送することができる。これにより、第一主搬送路におけるトレイの滞留を避けて後続のトレイを第一副搬送路へ搬送することができるため、搬送処理能力を向上させることが可能となる。
【0018】
第3の発明によれば、第一ボビン準備装置及び/又は第二ボビン準備装置において引き出し処理に失敗したトレイを再び第一主搬送路へ戻すことができる。これにより、ボビンの引き出し処理を確実に行なうことができる。
【0019】
第4の発明によれば、極少残糸ボビンや空ボビン、引き出し処理に失敗したボビンを特定し、該ボビンが装着されたトレイを第一副搬送路へ送り出すことができる。これにより、極少残糸ボビンや空ボビン、そして、引き出し処理に失敗したボビンがワインダユニットへ搬送されることを防止できる。更に、第一主搬送路の第一ボビン準備装置によって引き出し処理に失敗したボビンは、第一副搬送路の第二ボビン準備装置によって再度引き出し処理を行なうことができる。これにより、第一主搬送路にボビンが滞留していない間は、ボビンに対して二回の引き出し処理を施すことができるので引き出し処理に失敗して第二主搬送路へ送り出されるボビンの数を少なくすることができる。これにより、第二主搬送路におけるボビンの滞留を防止することができる。
【0020】
第5の発明によれば、極少残糸ボビンや空ボビン、引き出し処理に失敗したボビンを特定し、該ボビンが装着されたトレイを第三副搬送路へ送り出すことができる。これにより、極少残糸ボビンや空ボビン、そして、引き出し処理に失敗したボビンがワインダユニットへ搬送されることを防止できる。
【0021】
第6の発明によれば、満巻ボビンや半玉ボビン、極少残糸ボビンを特定し、該ボビンが装着されたトレイを第四副搬送路へ送り出すことができる。これにより、糸が巻装されているボビンが精紡機へ搬送されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、自動ワインディング設備100の全体構成を示す図である。
【図2】図2は、ボビン搬送システム2の構成を示す図である。
【図3】図3Aは、ボビンBに糸Yが巻装されていない場合の糸量検知装置211の動作態様を示す図である。図3Bは、ボビンBに糸Yが巻装されている場合の糸量検知装置211の動作態様を示す図である。
【図4】図4Aは、第一ボビン準備装置212の動作態様を示す一の図である。図4Bは、第一ボビン準備装置212の動作態様を示す他の図である。
【図5】図5は、トレイTを第一主搬送路21から第二副搬送路23へ送り出す状態を示す図である。
【図6】図6Aは、ボビンBに糸Yが巻装されていない場合の残糸検知装置241の動作態様を示す図である。図6Bは、ボビンBに糸Yが巻装されている場合の残糸検知装置241の動作態様を示す図である。
【図7】図7は、残糸ブラシ241aを複数備えた残糸検知装置241の構成を示す図である。
【図8】図8Aは、残糸処理装置263の動作態様を示す一の図である。図8Bは、残糸処理装置263の動作動作を示す他の図である。
【図9】図9Aは、第一主搬送路21の第一切換装置213によって搬送経路が変更される図である。図9Bは、第一副搬送路22の第二切換装置223によって搬送経路が変更される図である。
【図10】図10Aは、第二主搬送路24の第三切換装置242によって搬送経路が変更される図である。図10Bは、第一主搬送路21におけるトレイTの滞留の有無によって搬送経路が変更される図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、自動ワインディング設備100について簡単に説明する。
【0024】
図1は、自動ワインディング設備100の全体構成を示したものである。自動ワインディング設備100は、主に精紡機1と、ボビン搬送システム2と、自動ワインダ3と、で構成される。
【0025】
精紡機1は、粗糸を牽伸して撚りをかけることで所望の糸特性とした糸YをボビンBに巻き取るリング精紡機である。また、精紡機1は、糸Yが巻装されたボビンBをトレイTに装着し、該トレイTを連続してボビン搬送システム2へ供給する。
【0026】
ボビン搬送システム2は、糸Yが巻装されているボビンBが装着されたトレイTを自動ワインダ3へ搬送するとともに、糸Yが巻装されていないボビンBが装着されたトレイTを精紡機1へ搬送するものである。詳細には、ボビン搬送システム2は、糸Yが巻装されているボビンBが装着されたトレイTをコンベアから成る搬送路を用いて精紡機1から自動ワインダ3へ搬送する。また、ボビン搬送システム2は、糸Yが巻装されていないボビンBが装着されたトレイTをコンベアから成る搬送路を用いて自動ワインダ3から精紡機1へ搬送する。
【0027】
自動ワインダ3は、複数のワインダユニット31から構成される。ワインダユニット31は、ボビンBに巻装された糸Yを解舒し、該糸Yに欠点が発見された場合に当該欠点部を切断、除去して他のボビンに巻き返すものである。また、ワインダユニット31は、糸Yが解舒されて該糸Yが巻装されていないボビンBをトレイTに装着した状態で排出し、ボビン搬送システム2へ供給する。
【0028】
つまり、自動ワインディング設備100は、糸Yが巻装されたボビンBをボビン搬送システム2を用いて自動ワインダ3へ供給し、糸Yが解舒されて該糸Yが巻装されていないボビンBをボビン搬送システム2を用いて精紡機1へ返却するのである。
【0029】
こうして、自動ワインディング設備100は、精紡機1による精紡と複数のワインダユニット31による欠点部の除去ならびに巻き返しを連続して行なうことを可能としている。
【0030】
なお、精紡機1から供給されたボビンBは、糸Yが満巻になっており、これを満巻ボビンBfという。また、ワインダユニット31から排出されたボビンBは、糸Yが巻装されておらず、これを空ボビンBeという。但し、ワインダユニット31から排出されたボビンBには、満巻ではないが、再度、ワインダユニット31によって巻き返し可能な量の糸Yが巻装されている半玉ボビンBhや、巻き返すことができない少量の糸Yが巻装されている極少残糸ボビンBlが含まれる(図1参照。)。つまり、満巻ボビンBfは未だ糸Yが解舒されていないボビンBをいい、半玉ボビンBhは満巻ではないが糸Yがほとんど解舒されずに多く残っているボビンBをいう。そして、極少残糸ボビンBlは糸Yがほとんど解舒されて僅かに残っているボビンBをいい、空ボビンBeは糸Yが全て解舒されたボビンBをいう。
【0031】
次に、図2を用いて本発明に係るボビン搬送システム2について詳細に説明する。なお、図中の矢印は、トレイTの搬送方向を示したものである。
【0032】
ボビン搬送システム2には、ボビンBが装着されたトレイTを精紡機1から自動ワインダ3へ搬送する第一主搬送路21が設けられている。そして、第一主搬送路21にはトレイTの搬送方向に沿って、糸量検知部である糸量検知装置211と、第一ボビン準備装置212と、第一切換装置213と、が配置される。
【0033】
また、ボビン搬送システム2には、ボビンBが装着されたトレイTを第一主搬送路21における第一ボビン準備装置212の下流側から分岐して自動ワインダ3へ搬送する第一副搬送路22が設けられている。詳細には、第一主搬送路21に配置された第一切換装置213の近傍から自動ワインダ3へと連絡する第一副搬送路22が設けられている。そして、第一副搬送路22にはトレイTの搬送方向に沿って、糸量検知部である糸量検知装置221と、第二ボビン準備装置222と、第二切換装置223と、が配置される。
【0034】
第一主搬送路21に配置された糸量検知装置211と第一副搬送路22に配置された糸量検知装置221は、共にボビンBに巻装された糸Yの巻装量を検知するものである。なお、各糸量検知装置211・221は、同一の構成であることから糸量検知装置211についてのみを説明する。
【0035】
図3Aに示すように、糸量検知装置211は、第一主搬送路21によって搬送されるボビンBに対して回動可能に配置されたアーム211aが当接しなかった場合、該ボビンBには十分な糸Yが巻装されていない極少残糸ボビンBl又は空ボビンBeであると判断する。
【0036】
一方、図3Bに示すように、糸量検知装置211は、第一主搬送路21によって搬送されるボビンBに対して回動可能に配置されたアーム211aが当接した場合、該アーム211aの回動位置に基づいてボビンBに巻装されている糸Yの巻装量を検知する。つまり、糸量検知装置211は、アーム211aの回動位置に基づいて満巻ボビンBfであるか半玉ボビンBhであるかの判断を行なう。
【0037】
第一主搬送路21に配置された第一ボビン準備装置212と第一副搬送路22に配置された第二ボビン準備装置222は、共にボビンBに巻装された糸Yの糸端部YEを所定の位置に配置(引き出し処理)するものである。なお、各ボビン準備装置212・222は、同一の構成であることから第一ボビン準備装置212についてのみを説明する。
【0038】
図4A、図4Bに示すように、第一ボビン準備装置212は、主に空気を吸入するサクション管212aと、トレイTならびにボビンBの内部通路を介して空気を吸入する吸入管212bと、で構成される。また、サクション管212aの屈折部分の内隅には成否検知装置212cである糸検知センサが配置されている。
【0039】
更に、サクション管212aの下方には糸Yを切断できるカッター212dが設けられるとともに、その下方には伸縮可能な蛇腹管212eが取り付けられている。蛇腹管212eは、図示しないモータによって伸縮自在に可動し、伸張時にはボビンBを覆うように形成される。
【0040】
第一ボビン準備装置212の動作態様を説明すると、図4Aに示すように、第一ボビン準備装置212は、まず、第一主搬送路21によって搬送されてきたトレイTを図示しないストッパによって停止させる。そして、第一ボビン準備装置212は、蛇腹管212eを伸張させてボビンBを覆うとともに、サクション管212aが空気を吸入することで糸端部YEを捕捉する。
【0041】
その後、図4Bに示すように、第一ボビン準備装置212は、成否検知装置212cである糸検知センサが糸端部YEの捕捉に成功したことを検知すると蛇腹管212eを収縮させてカッター212dで糸Yを切断する。そして、吸入管212bがトレイTならびにボビンBの内部通路を介して空気を吸入することによって糸端部YE(カッター212dによって切断されて得られた糸端部YE)を捕捉する。
【0042】
こうすることで、ボビンBに巻装された糸Yの糸端部YEを該ボビンBの所定の位置、即ち、ボビンBの内側に配置することができるのである(図4B二点鎖線参照。)。なお、本実施形態においては、成否検知装置212cである糸検知センサが糸端部YEの捕捉を検知した場合、糸端部YEをボビンBの内側に配置することに成功した、即ち、引き出し処理に成功したと擬制する。
【0043】
第一主搬送路21に配置された第一切換装置213は、トレイTを引き続き第一主搬送路21へ送り出すか又は第一副搬送路22へ送り出すかの切り換えを行なうものである。また、第一副搬送路22に配置された第二切換装置223は、トレイTを引き続き第一副搬送路22へ送り出すか又は後述する第三副搬送路25へ送り出すかの切り換えを行なうものである。なお、各切換装置213・223は、同一の構成である。
【0044】
更に、図2に示すように、ボビン搬送システム2には、ボビンBが装着されたトレイTを第一主搬送路21における第一ボビン準備装置212の上流側から分岐して第一副搬送路22における第二ボビン準備装置222の上流側へ搬送する第二副搬送路23が設けられている。詳細には、第一主搬送路21に配置された第一ボビン準備装置212ならびに糸量検知装置211の上流側から第一副搬送路22に配置された第二ボビン準備装置222ならびに糸量検知装置221の上流側へと連絡する第二副搬送路23が設けられている。
【0045】
そして、第一主搬送路21には、第二副搬送路23との分岐点の下流側にトレイTの搬送位置をずらすオフセット区間21Aが設けられている。オフセット区間21Aは、第一主搬送路21にトレイTが滞留した際に、一部のトレイTが停止する箇所に設けられた第一主搬送路21の屈曲路である。なお、本ボビン搬送システム2において第一主搬送路21は、精紡機1から自動ワインダ3へ略直線状に構成されており、オフセット区間21Aが第一主搬送路21の中途部に略矩形状に設けられている。
【0046】
ここで、第一主搬送路21に所定量のトレイTが滞留したときについて説明すると、図5に示すように、滞留しているトレイTのうち一部のトレイTは、オフセット区間21Aによって搬送位置がずらされた状態で停止する。そして、オフセット区間21Aで停止している後端のトレイT(図中トレイTx参照。)に新たに搬送されてきた後続のトレイT(図中トレイTy参照。)が接触すると、この後続のトレイT(トレイTy)は、オフセット区間21Aが設けられた方向と反対方向への力を受ける。
【0047】
つまり、オフセット区間21Aで停止しているトレイT(トレイTx)に接触した後続のトレイT(トレイTy)は、オフセット区間21Aで停止しているトレイT(トレイTx)に対して軌道が逸れた状態で接触するため、オフセット区間21Aが設けられた方向と反対側に設けられた第二副搬送路23の方向へ力を受けるのである。こうして、この後続のトレイT(トレイTy)ならびに該トレイT(トレイTy)よりも後に搬送されてくるトレイTは、第一主搬送路21から第二副搬送路23へ送り出されることとなるのである。
【0048】
また、図2に示すように、ボビン搬送システム2には、ボビンBが装着されたトレイTを自動ワインダ3から精紡機1へ搬送する第二主搬送路24が設けられている。そして、第二主搬送路24にはトレイTの搬送方向に沿って、残糸検知装置241と、第三切換装置242と、が配置される。
【0049】
更に、ボビン搬送システム2には、ボビンBが装着されたトレイTを第一副搬送路22における第二ボビン準備装置222の下流側から分岐して第二主搬送路24へ搬送する第三副搬送路25が設けられている。詳細には、第一副搬送路22に配置された第二切換装置223の近傍から第二主搬送路24に配置された残糸検知装置241の上流側へと連絡する第三副搬送路25が設けられている。
【0050】
残糸検知装置241は、ボビンBの外周面に沿うように回動される残糸ブラシ241aの回動位置を検出し、検出された回動位置から糸Yが巻装されているか否かの判断をするものである。
【0051】
図6Aに示すように、残糸検知装置241は、ボビンBの外周面に沿うように残糸ブラシ241aを回動させて該残糸ブラシ241aが糸Yに引っ掛からなかった場合、該ボビンBには糸Yが巻装されていない、即ち、空ボビンBeであると判断する。
【0052】
一方、図6Bに示すように、残糸検知装置241は、ボビンBの外周面に沿うように残糸ブラシ241aを回動させて該残糸ブラシ241aが糸Yに引っ掛かった場合、該ボビンBには糸Yが巻装されていると判断する。つまり、残糸検知装置241は、糸Yが巻装されており、少なくとも空ボビンBeでないと判断する。
【0053】
また、図7に示すように、残糸検知装置241は、複数の残糸ブラシ241aを備えることによって、空ボビンBeであるか否かの判断を複数のボビンBに対して同時に行なうとしても良い。これにより、残糸検知装置241の処理速度が向上し、該残糸検知装置241においてトレイTが滞留することを防ぐことが可能となる。
【0054】
第三切換装置242は、トレイTを引き続き第二主搬送路24へ送り出すか又は後述する第四副搬送路26へ送り出すかの切り換えを行なうものである。なお、第三切換装置242は、上述した各切換装置213・223と同一の構成である。
【0055】
また、図2に示すように、ボビン搬送システム2には、ボビンBが装着されたトレイTを第二主搬送路24の中途部から分岐して第一主搬送路21へ搬送する第四副搬送路26が設けられている。詳細には、第二主搬送路24に配置された第三切換装置242の近傍から第一主搬送路21における第二副搬送路23への分岐点の上流側へと連絡する第四副搬送路26が設けられている。そして、第四副搬送路26にはトレイTの搬送方向に沿って、糸量検知部である糸量検知装置261と、残糸検知装置262と、残糸処理装置263と、が配置される。
【0056】
糸量検知装置261は、搬送されるボビンBに当接することによって回動されるアームの回動位置を検出し、検出された回動位置からボビンBに所定量以上の糸Yが巻装されているか否かを検知するものである。なお、糸量検知装置261は、上述した各糸量検知装置211・221と同一の構成である。
【0057】
残糸検知装置262は、ボビンBの外周面に沿うように回動される残糸ブラシの回動位置を検出し、検出された回動位置から糸Yが巻装されているか否かの判断をするものである。なお、残糸検知装置262は、上述した残糸検知装置241と同一の構成である。
【0058】
本実施形態において、残糸検知装置262は、糸量検知装置261が空ボビンBe若しくは極少残糸ボビンBlであると判断した場合にのみ該ボビンBに糸Yが巻装されているか否かの判断を行なう。糸量検知装置261は、ボビンBを搬送させながら糸Yの巻装量を判断することができるのに対し、残糸検知装置262は、ボビンBを一時停止させないと糸Yが巻装されているか否かの判断をすることができない。よって、糸量検知装置261の判断結果を基に必要あるもののみを残糸検知装置262で判断する。これにより、残糸検知装置262においてトレイTが滞留することを防ぐことが可能となる。なお、本実施形態においては、第四副搬送路26に糸量検知装置261と残糸検知装置262が隣接して配置されているが、これらを一体とした構成であっても良い。
【0059】
残糸処理装置263は、ボビンBに巻装されている糸Yをクランパー263cによって把持して抜き取り、該糸Yを廃棄処分にするものである。残糸処理装置263は、上述した糸量検知装置261及び残糸検知装置262によって糸Yの巻装量が所定量以下である、即ち、極少残糸ボビンBlであると判断された場合にのみ該糸Yを廃棄処分とする。
【0060】
図8A、図8Bに示すように、残糸処理装置263は、主にボビンBを保持して吊り上げるボビンピッカー263aと、吊り上げられたボビンBを押動するプッシャー263bと、ボビンBに巻装されている糸Yを把持するクランパー263cと、で構成される。
【0061】
残糸処理装置263の動作態様を説明すると、図8Aに示すように、残糸処理装置263は、まず、略円筒形状のボビンピッカー263aをボビンBの内部通路に挿入して該ボビンBを保持する。そして、残糸処理装置263は、ボビンBを吊り上げるとともに、クランパー263cを駆動してボビンBに巻装されている糸Yを把持する。
【0062】
その後、図8Bに示すように、残糸処理装置263は、吊り上げられたボビンBをプッシャー263bによって下方へ押動し、ボビンBに巻装されている糸YをボビンBの上端部から抜き取る。そして、残糸処理装置263は、図示しない吸入装置によって抜き取った糸Yを吸入し、廃棄処分とする。
【0063】
次に、以上のようなボビン搬送システム2の構成において、各搬送路21・22・23・・・におけるトレイTの搬送経路の切り換えについて具体的に説明する。なお、図中の実線ならびに破線の矢印は、トレイTの搬送方向を示したものである。
【0064】
図9Aは、第一主搬送路21の第一切換装置213によって搬送経路が変更される図である。
【0065】
第一主搬送路21に設けられた第一切換装置213は、糸量検知装置211が糸Yの巻装量について所定量よりも多いと判断し、且つ、成否検知装置212cが糸端部YEの所定の位置(ボビンBの内側)への配置について成功したと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを引き続き第一主搬送路21へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0066】
具体的には、第一切換装置213は、糸量検知装置211が満巻ボビンBf又は半玉ボビンBhであると判断し、且つ、成否検知装置212cが引き出し処理に成功したと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを引き続き第一主搬送路21へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0067】
一方、第一主搬送路21に設けられた第一切換装置213は、糸量検知装置211が糸Yの巻装量について所定量以下であると判断した場合ならびに成否検知装置212cが糸端部YEの所定の位置(ボビンBの内側)への配置について成功しなかったと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを第一副搬送路22へ送り出す(図中破線矢印参照。)。
【0068】
具体的には、第一切換装置213は、糸量検知装置211が極少残糸ボビンBl又は空ボビンBeであると判断した場合ならびに成否検知装置212cが引き出し処理に成功しなかったと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを第一副搬送路22へ送り出す(図中破線矢印参照。)。
【0069】
このような構成により、本発明に係るボビン搬送システム2は、第一主搬送路21の第一ボビン準備装置212が引き出し処理に失敗した場合であっても、この引き出し処理に失敗したボビンBを第一副搬送路22の第二ボビン準備装置222へ搬送することができ、糸Yの糸端部YEを所定の位置(ボビンBの内側)に配置できる可能性、即ち、引き出し処理が成功する可能性を高めることが可能となる。
【0070】
これにより、引き出し処理に失敗したボビンBが繰り返し第一主搬送路21の第一ボビン準備装置212へ搬送されることを低減できる。また、極少残糸ボビンBlや空ボビンBe、そして、引き出し処理に失敗したボビンBが自動ワインダ3へ搬送されることを防止できる。
【0071】
図9Bは、第一副搬送路22の第二切換装置223によって搬送経路が変更される図である。
【0072】
第一副搬送路22に設けられた第二切換装置223は、糸量検知装置221が糸Yの巻装量について所定量よりも多いと判断し、且つ、成否検知装置222cが糸端部YEの所定の位置(ボビンBの内側)への配置について成功したと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを引き続き第一副搬送路22へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0073】
具体的には、第二切換装置223は、糸量検知装置221が満巻ボビンBf又は半玉ボビンBhであると判断し、且つ、成否検知装置222cが引き出し処理に成功したと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを引き続き第一副搬送路22へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0074】
一方、第一副搬送路22に設けられた第二切換装置223は、糸量検知装置221が糸Yの巻装量について所定量以下であると判断した場合ならびに成否検知装置222cが糸端部YEの所定の位置(ボビンBの内側)への配置について成功しなかったと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを第三副搬送路25へ送り出す(図中破線矢印参照。)。
【0075】
具体的には、第二切換装置223は、糸量検知装置221が極少残糸ボビンBl又は空ボビンBeであると判断した場合ならびに成否検知装置222cが引き出し処理に成功しなかったと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを第三副搬送路25へ送り出す(図中破線矢印参照。)。
【0076】
このような構成により、本発明に係るボビン搬送システム2は、第一副搬送路22の第二ボビン準備装置222が引き出し処理に失敗した場合であっても、この引き出し処理に失敗したボビンBが装着されたトレイTを第三副搬送路25へ送り出すことができ、該第三副搬送路25等を介して再び第一主搬送路21へ搬送することが可能となる。
【0077】
また、極少残糸ボビンBlや空ボビンBe、そして、引き出し処理に失敗したボビンBが自動ワインダ3へ搬送されることを防止できる。
【0078】
図10Aは、第二主搬送路24の第三切換装置242によって搬送経路が変更される図である。
【0079】
第二主搬送路24に設けられた第三切換装置242は、残糸検知装置241がボビンBに糸Yが巻装されていないと判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを引き続き第二主搬送路24へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0080】
具体的には、第三切換装置242は、残糸検知装置241が空ボビンBeであると判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを引き続き第二主搬送路24へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0081】
一方、第二主搬送路24に設けられた第三切換装置242は、残糸検知装置241がボビンBに糸Yが巻装されていると判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを第四副搬送路26へ送り出す(図中破線矢印参照。)。
【0082】
具体的には、第三切換装置242は、残糸検知装置241が満巻ボビンBf、半玉ボビンBh及び極少残糸ボビンBlのうちのいずれかであると判断した場合に、該ボビンBが装着されたトレイTを第四副搬送路26へ送り出す(図中破線矢印参照。)。
【0083】
このような構成により、本発明に係るボビン搬送システム2は、糸Yが巻装されているボビンBを再び第一主搬送路21へ戻すことができる。これにより、糸Yが巻装されているボビンBが精紡機1へ搬送されることを防止できる。
【0084】
図10Bは、第一主搬送路21におけるトレイTの滞留の有無によって搬送経路が変更される図である。
【0085】
第一主搬送路21に設けられたオフセット区間21Aは、第一主搬送路21にトレイTが滞留していないときには、後続のトレイTを引き続き第一主搬送路21へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0086】
具体的には、オフセット区間21Aは、第一主搬送路21における該オフセット区間21Aの下流側にトレイTが滞留していないときには、後続のトレイTを引き続き第一主搬送路21へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0087】
一方、第一主搬送路21に設けられたオフセット区間21Aは、第一主搬送路21にトレイTが滞留しているときには、後続のトレイTを第二副搬送路23へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0088】
具体的には、オフセット区間21Aは、第一主搬送路21における該オフセット区間21Aの下流側にトレイTが滞留しているときには、上述したように後続のトレイTを第二副搬送路23へ送り出す(図中実線矢印参照。)。
【0089】
このような構成により、本発明に係るボビン搬送システム2は、第一主搬送路21に所定量のトレイTが滞留したときに簡素な構成でありながら確実に後続のトレイTを第一副搬送路22へ搬送することができる。これにより、第一主搬送路21におけるトレイTの滞留を避けて後続のトレイTを搬送できるため、搬送処理能力を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0090】
1 精紡機
2 ボビン搬送システム
3 自動ワインダ
21 第一主搬送路
21A オフセット区間
22 第一副搬送路
23 第二副搬送路
24 第二主搬送路
25 第三副搬送路
26 第四副搬送路
100 自動ワインディング設備
211 糸量検知装置
212 第一ボビン準備装置
212c 成否検知装置
213 第一切換装置
221 糸量検知装置
222 第二ボビン準備装置
222c 成否検知装置
223 第二切換装置
241 残糸検知装置
242 第三切換装置
261 糸量検知装置
262 残糸検知装置
263 残糸処理装置
B ボビン
Bf 満巻ボビン
Bh 半玉ボビン
Bl 極少残糸ボビン
Be 空ボビン
T トレイ
Y 糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビンが装着されたトレイを連続して精紡機から自動ワインダへ搬送する第一主搬送路と、
前記第一主搬送路に設けられた第一ボビン準備装置と、
前記第一主搬送路の前記第一ボビン準備装置が設けられた位置よりも下流側から分岐して前記自動ワインダへボビンが装着されたトレイを搬送する第一副搬送路と、
前記第一副搬送路に設けられた第二ボビン準備装置と、を備えたボビン搬送システムであって、
前記第一主搬送路における前記第一ボビン準備装置の上流側から分岐して前記第一副搬送路における前記第二ボビン準備装置の上流側へボビンが装着されたトレイを搬送する第二副搬送路を具備し、
前記第一主搬送路には、該第一主搬送路にボビンが装着されたトレイが滞留したときに該第一主搬送路から前記第一副搬送路へ前記第二副搬送路を用いて該トレイを搬送するためのオフセット区間が設けられる、ことを特徴とするボビン搬送システム。
【請求項2】
前記オフセット区間は、前記第一主搬送路にトレイが滞留した際に一部のトレイが前記第二副搬送路の搬送方向と反対側にずれるように設けられた屈曲路であり、該屈曲路において該第二副搬送路の搬送方向と反対側にずれて停止したトレイに後続のトレイを接触させることによって該後続のトレイを該第二副搬送路へ送り出す、ことを特徴とする請求項1に記載のボビン搬送システム。
【請求項3】
ボビンが装着されたトレイを連続して自動ワインダから精紡機へ搬送する第二主搬送路と、
前記第一副搬送路の第二ボビン準備装置が設けられた位置よりも下流側から分岐して前記第二主搬送路へボビンが装着されたトレイを搬送する第三副搬送路と、
ボビンが装着されたトレイを前記第二主搬送路から分岐して前記第一主搬送路へ搬送する第四副搬送路と、を具備する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のボビン搬送システム。
【請求項4】
前記第一主搬送路は、ボビンに巻装された糸の巻装量を検知する糸量検知部と、
前記第一ボビン準備装置による糸端部の引き出し処理が成功したか否かを検知する成否検知装置と、
前記第一副搬送路にトレイを送り出すか否かを切り換える第一切換装置と、を有し、
前記第一主搬送路に設けられた前記第一切換装置は、前記糸量検知部が糸の巻装量について所定量以下であると判断した場合ならびに前記成否検知装置が糸端部の引き出し処理が成功しなかったと判断した場合に該ボビンが装着されたトレイを前記第一副搬送路へ送り出す、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボビン搬送システム。
【請求項5】
前記第一副搬送路は、ボビンに巻装された糸の巻装量を検知する糸量検知部と、
前記第二ボビン準備装置による糸端部の引き出し処理が成功したか否かを検知する成否検知装置と、
前記第三副搬送路にトレイを送り出すか否かを切り換える第二切換装置と、を有し、
前記第一副搬送路に設けられた前記第二切換装置は、前記糸量検知部が糸の巻装量について所定量以下であると判断した場合ならびに前記成否検知装置が糸端部の引き出し処理が成功しなかったと判断した場合に該ボビンが装着されたトレイを前記第三副搬送路へ送り出す、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のボビン搬送システム。
【請求項6】
前記第二主搬送路は、ボビンに糸が巻装されているか否かを検知する残糸検知装置と、
前記第四副搬送路にトレイを送り出すか否かを切り換える第三切換装置と、を有し、
前記第二主搬送路に設けられた前記第三切換装置は、前記残糸検知装置がボビンに糸が巻装されていると判断した場合に該ボビンが装着されたトレイを前記第四副搬送路へ送り出す、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のボビン搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−251814(P2011−251814A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127169(P2010−127169)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】