説明

ボリュームスライスを用いて複数の3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法

【課題】本発明の課題は、ボリュームスライス(volume slices)を用いて複数の3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法を提供することにある。
【解決手段】本発明による超音波システムは、超音波信号を対象体に送信して前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信し、超音波データを取得する超音波データ取得部と、前記超音波データを用いて前記対象体のボリュームデータを形成するボリュームデータ形成部と、ユーザインストラクション(instruction)の入力を受けるユーザ入力部と、前記ユーザインストラクションに従って前記ボリュームデータを用いて互いに異なる深さの3次元超音波映像を得るための複数のボリュームスライス領域を設定し、前記複数のボリュームスライス領域によって前記ボリュームデータに設定された複数のボリュームスライスを用いて複数の3次元超音波映像を形成するプロセッサとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波システムに関し、特にボリュームスライス(volume slices)を用いて複数の3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波システムは、無侵襲および非破壊特性を有しており、対象体内部の情報を得るために医療分野で広く用いられている。超音波システムは、対象体を直接切開して観察する外科手術の必要がなく、対象体の内部組織を高解像度の映像で医師に提供できるので、医療分野で非常に重要なものとして用いられている。
【0003】
一般に、超音波システムは、超音波信号を対象体に送信して対象体から反射される超音波エコー信号を受信し、対象体のボリュームデータを形成する。超音波システムは、ボリュームデータで互いに直交する複数の断面のそれぞれに関心領域(region of interest, ROI)を設定し、その設定された関心領域に対応する3次元超音波映像を形成する。
【0004】
従来は、1つの断面映像に1つの関心領域が設定される。この方法では、ユーザは所望の3次元超音波映像を得るまで、断面映像に設定された関心領域のサイズまたは位置を変更しなければならないという問題がある。また、従来の方法では、1つの関心領域に対応する3次元超音波映像のみが提供されるので、他のサイズまたは位置の関心領域に対応する3次元超音波映像と比較ができない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−288153号公報
【特許文献2】特開2009−207899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、基準断面映像に互いに異なる深さ(間隔)の複数のボリュームスライス領域を設定し、その設定された複数のボリュームスライス領域のボリュームスライスに対応する複数の3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明による超音波システムは、超音波信号を対象体に送信して前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信し、超音波データを取得する超音波データ取得部と、前記超音波データを用いて前記対象体のボリュームデータを形成するボリュームデータ形成部と、ユーザインストラクション(instruction)の入力を受けるユーザ入力部と、前記ユーザインストラクションによって前記ボリュームデータを用いて互いに異なる深さの3次元超音波映像を得るための複数のボリュームスライス領域を設定し、前記複数のボリュームスライス領域によって前記ボリュームデータに設定された複数のボリュームスライスを用いて複数の3次元超音波映像を形成するプロセッサとを備える。
【0008】
また、本発明による複数の3次元超音波映像を提供する方法は、a)超音波信号を対象体に送信して前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信し、超音波データを取得する段階と、b)前記超音波データを用いて前記対象体のボリュームデータを形成する段階と、c)ユーザインストラクション(instruction)の入力を受ける段階と、d)前記ユーザインストラクションに従って前記ボリュームデータを用いて互いに異なる深さの3次元超音波映像を得るための複数のボリュームスライス領域を設定し、前記複数のボリュームスライス領域によって、前記ボリュームデータに設定されたボリュームスライスを用いて前記複数の3次元超音波映像を形成する段階とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、複数のボリュームスライスを設定して互いに異なる深さ(幅)の3次元超音波映像を提供できる。従って、1つの対象体とその周辺の構造物との相関関係を複数の3次元超音波映像で提供できる。
【0010】
また、複数のボリュームスライス領域の間隔を調節でき、ユーザが所望の3次元超音波映像を容易に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例におけるプロセッサの構成を示すブロック図である。
【図4】ボリュームデータの例を示す例示図である。
【図5】本発明の実施例におけるA断面映像、B断面映像およびC断面映像を示す例示図である。
【図6】本発明の実施例においてA〜C断面映像に設定された関心領域とBおよびC断面映像に設定された複数のボリュームスライス領域を示す例示図である。
【図7】本発明の実施例における複数の表示領域を有するレイアウトを示す例示図である。
【図8】本発明の実施例において複数の3次元超音波映像、基準断面映像、OHビューおよびインデックスを該当表示領域に位置させたレイアウトを示す例示図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例における超音波システム100の構成を示すブロック図である。超音波システム100は、超音波データ取得部110、ボリュームデータ形成部120、ユーザ入力部130、プロセッサ140、ディスプレイ部150および制御部160を備える。
【0014】
超音波データ取得部110は、超音波信号を対象体に送信して対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信し、超音波データを取得する。
【0015】
図2は、本発明の実施例における超音波データ取得部110の構成を示すブロック図である。超音波データ取得部110は、送信信号形成部111、複数の変換素子(transducer element)(図示せず)を含む超音波プローブ112、ビームフォーマ113および超音波データ形成部114を備える。
【0016】
送信信号形成部111は、変換素子の位置および集束点を考慮して送信信号を形成する。本実施例で、送信信号は3次元超音波映像をなす複数のフレームそれぞれを得るための送信信号である。
【0017】
超音波プローブ112は、送信信号形成部111から提供される送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して受信信号を形成する。本実施例で超音波プローブ112は、3次元プローブ(3 dimensional probe)、2次元アレイプローブ(2 dimensional array probe)などを含む。
【0018】
ビームフォーマ113は、超音波プローブ112から提供される受信信号をアナログデジタル変換する。また、ビームフォーマ113は、変換素子の位置および集束点を考慮し、デジタル変換された受信信号を受信集束させて受信集束信号を形成する。
【0019】
超音波データ形成部114は、ビームフォーマ113から提供される受信集束信号を用いて超音波データを形成する。超音波データ形成部124は、ビームフォーマ123から提供される受信集束信号に対して多様な信号処理(例えば利得(gain)調節、フィルタ処理等)を行うことができる。
【0020】
再び図1を参照すると、ボリュームデータ形成部120は、超音波データ取得部110から提供される超音波データを用いてボリュームデータを形成する。
【0021】
ユーザ入力部130は、コントロールパネル(control panel)、マウス(mouse)、キーボード(keyboard)などで具現され、ユーザのインストラクション(instruction)を受ける。本実施例で、ユーザインストラクションは、複数断面のそれぞれに対応する映像(以下、断面映像という)に関心領域(region of interest, ROI)を設定する第1のユーザインストラクション、前記複数の断面から基準断面(reference plane)を選択する第2のユーザインストラクション、基準断面に対応する映像(以下、基準断面映像という)に複数の3次元超音波映像を形成するための複数のボリュームスライス(volume slice)領域を設定する第3のユーザインストラクションおよび複数の3次元超音波映像を表示する複数の表示領域を含むレイアウトを設定する第4のユーザインストラクションを含む。複数の断面、基準断面、ボリュームスライスおよびレイアウトは下記で説明する。また、ユーザインストラクションは、基準断面映像およびOH(orientation help)ビューの表示または非表示を選択する第5のユーザインストラクション、複数のボリュームスライス領域間の幅を調節する第6のユーザインストラクション、基準ボリュームスライスを選択する第7のユーザインストラクションをさらに含むことができる。
【0022】
プロセッサ140は、ユーザ入力部130からのユーザインストラクションに従って基準断面映像に複数のボリュームスライス領域を設定し、ボリュームデータ形成部120から提供されるボリュームデータを用いて複数のボリュームスライス領域のボリュームスライスに該当する複数の3次元超音波映像を形成する。プロセッサ140は、CPU(central processing unit)、GPU(graphic processing unit)などで具現できる。
【0023】
図3は、本発明の実施例におけるプロセッサ140の構成を示すブロック図である。プロセッサ140は、第1の映像形成部141、ROI設定部142、ボリュームスライス領域設定部143、第2の映像形成部144、レイアウト設定部145、インデックス設定部146、OH形成部147および映像処理部148を備える。
【0024】
第1の映像形成部141は、ボリュームデータ形成部120から提供されるボリュームデータを用いて互いに直交する複数の断面に対応する断面映像を形成する。一例として、第1の映像形成部141は、ボリュームデータ形成部120から提供されるボリュームデータ210(図4参照)を用いて、図5に示すように互いに直交するA断面、B断面およびC断面のそれぞれに対応する断面映像(以下、A断面映像I、B断面映像IおよびC断面映像Iという)を形成する。
【0025】
ROI設定部142は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第1のユーザインストラクション)に従って第1の映像形成部141で形成された複数の断面映像に関心領域(region of interest, ROI)を設定する。一例として、ROI設定部142は、図6に示すようにA〜C断面映像I〜IにROI310を設定する。
【0026】
ボリュームスライス領域設定部143は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第2のユーザインストラクション)に従って基準断面を設定する。基準断面は、B断面またはC断面である。ボリュームスライス領域設定部143は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第3のユーザインストラクション)に従って基準断面映像に複数の3次元超音波映像を形成するための互いに異なる深さ(即ち、互いに異なる幅のレンダリング範囲)を設定する複数のボリュームスライス領域を設定する。一例として、ボリュームスライス領域設定部143は、図6に示すように基準断面映像(B断面映像またはC断面映像)に第1〜第7のボリュームスライス領域321〜327を設定する。本発明の実施例でレンダリングするボリュームデータの深さ方向(幅方向)は、選択された基準断面映像によって軸(axial)方向、横(lateral)方向または高度(高さ)(elevation)方向にすることができる。
【0027】
前述した例では、第1のボリュームスライス領域321を基準に左側に第2〜第4のボリュームスライス領域322〜324、そして右側に第5〜第7のボリュームスライス領域325〜327を一定の間隔で設定するものと説明したが(図6参照)、これに限定されることなく当業者であれば必要に応じてボリュームスライスの数および位置を変更できることを十分に理解できるであろう。
【0028】
また、ボリュームスライス領域設定部143は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第6のユーザインストラクション)によって基準断面映像に設定された複数のボリュームスライス領域の幅を調節する。ボリュームスライス領域設定部143は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第7のユーザインストラクション)によって基準断面映像に複数のボリュームスライス領域を新たに設定する。一例として、ボリュームスライス領域設定部143は、図8に示すように、複数の3次元超音波映像3D321〜3D327において、3次元超音波映像3D324を基準ボリュームスライスとして選択する第7のユーザインストラクションがユーザ入力部130から提供されれば、第7のユーザインストラクションに従って3次元超音波映像3D324に対応する第4のボリュームスライス領域324を新たな第1のボリュームスライス領域(即ち、基準ボリュームスライス領域)として基準断面映像に設定する。そして、新たな第1のボリュームスライス領域を基準に左側に新たな第2〜第4のボリュームスライス領域、そして右側に新たな第5〜第7のボリュームスライス領域を設定する。他の例として、ボリュームスライス領域設定部143は、図8に示すように第1〜第7のボリュームスライス領域321〜327で、第2のボリュームスライス領域322を基準ボリュームスライス領域として選択する第7のユーザインストラクションがユーザ入力部130から提供されれば、第7のユーザインストラクションに従って第2のボリュームスライス領域322を新たな第1のボリュームスライス領域(即ち、基準ボリュームスライス領域)として基準断面に設定する。そして、新たな第1のボリュームスライス領域を基準に左側に新たな第2〜第4のボリュームスライス領域、そして右側に新たな第5〜第7のボリュームスライス領域を設定する。
【0029】
第2の映像形成部144は、ボリュームデータ形成部120から提供されるボリュームデータ、ROI設定部142によって設定されたROIおよびボリュームスライス領域設定部143によって設定された複数のボリュームスライス領域を用いて複数のボリュームスライスのそれぞれに対応する3次元超音波映像を形成する。
【0030】
レイアウト設定部145は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクションを分析し、第2の映像形成部144で形成された複数の3次元超音波映像のそれぞれを表示する表示領域を有するレイアウトを設定する。一例として、レイアウト設定部145は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第4のユーザインストラクション)に従って図7に示すように、第1〜第9の表示領域DR〜DR、即ち(3×3)サイズの表示領域を有するレイアウトを設定する。
【0031】
前述した例では、9つの表示領域(3×3)を有するレイアウトを設定するものと説明したが、他の実施例ではユーザインストラクションに従って12個の表示領域(4×3)を有するレイアウト、24個の表示領域(6×4)を有するレイアウトなどを設定することもできる。
【0032】
また、前述した実施例では、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクションに従ってレイアウトを設定すると説明したが、他の実施例では予め設定された数の表示領域を有するレイアウトを自動で設定することもできる。
【0033】
インデックス設定部146は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第3および第4のユーザインストラクション)に従ってレイアウト設定部145で設定されたレイアウトの複数の表示領域のそれぞれにインデックスを設定する。一例として、インデックス設定部146は、図8に示すように、第1のボリュームスライス領域321に対応する3次元超音波映像3D321を表示する表示領域DRに第1のインデックス(0)を設定する。インデックス設定部146は、第2のボリュームスライス領域322に対応する3次元超音波映像3D322を表示する表示領域DRに第2のインデックス(−1)を設定する。インデックス設定部146は、第3のボリュームスライス領域323に対応する3次元超音波映像3D323を表示する表示領域DRに第3のインデックス(−2)を設定する。インデックス設定部146は、第4のボリュームスライス領域324に対応する3次元超音波映像3D324を表示する表示領域DRに第4のインデックス(−3)を設定する。インデックス設定部146は、第5のボリュームスライス領域325に対応する3次元超音波映像3D325を表示する表示領域DRに第5のインデックス(+1)を設定する。インデックス設定部146は、第6のボリュームスライス領域326に対応する3次元超音波映像3D326を表示する表示領域DRに第6のインデックス(+2)を設定する。インデックス設定部146は、第7のボリュームスライス領域327に対応する3次元超音波映像3D327を表示する表示領域DRに第7のインデックス(+3)を設定する。
【0034】
前述した例では、第1のボリュームスライス領域321を基準に第2〜第7のボリュームスライス領域322〜327のそれぞれに対応する表示領域に第2〜第7のインデックスを数値で設定すると説明したが、かならずしもこれに限定される必要はない。他の実施例では、第2のボリュームスライス領域322に対応する3次元超音波映像3D322を表示する表示領域DRに第1のインデックス(0)、第3のボリュームスライス領域323に対応する3次元超音波映像3D323を表示する表示領域DRに第2のインデックス(1)、第4のボリュームスライス領域324に対応する3次元超音波映像3D324を表示する表示領域DRに第3のインデックス(2)、第1のボリュームスライス領域321に対応する3次元超音波映像3D321を表示する表示領域DRに第4のインデックス(3)、第5ボリュームスライス領域325に対応する3次元超音波映像3D325を表示する表示領域DRに第5のインデックス(4)、第6のボリュームスライス領域326に対応する3次元超音波映像3D326を表示する表示領域DRに第6のインデックス(5)および第7のボリュームスライス領域327に対応する3次元超音波映像3D327を表示する表示領域DRに第7のインデックス(6)を設定することもできる。
【0035】
また、前述した実施例では、予め設定された数値をインデックスとして設定すると説明したが、他の実施例では、複数の表示領域それぞれに対して互いに異なる色をインデックスとして設定することもできる。
【0036】
OH形成部147は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第2のユーザインストラクション)によって図8に示すように、ボリュームデータの全体輪郭を3次元で示し、基準断面の位置を立体的に示すOHビュー410を形成する。
【0037】
映像処理部148は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクションに従って図8に示すように、第2の映像形成部144で形成された複数の3次元超音波映像3D321〜3D327、複数のボリュームスライスおよび関心領域が設定された基準断面映像およびOH形成部147で形成されたOHビューをレイアウト設定部145で設定されたレイアウトの該当表示領域に位置させる。映像処理部148は、インデックス設定部146で設定されたインデックスに従って図8に示すように、複数の表示領域のそれぞれにインデックスを設定する。映像処理部148は、ユーザ入力部130から提供されるユーザインストラクション(即ち、第5のユーザインストラクション)に従って基準断面映像およびOHビューの表示および非表示を制御することができる。映像処理部148は、基準断面映像に設定された複数のボリュームスライスの位置情報を形成し、形成された位置情報をレイアウトの該当表示領域に表示することができる。
【0038】
再び図1を参照すると、ディスプレイ部150は、プロセッサ140で形成された複数の3次元超音波映像、基準断面映像およびOHビューを含むレイアウトを表示する。
【0039】
制御部160は、超音波信号の送受信を制御し、超音波データおよびボリュームデータの形成を制御する。また、制御部160は、複数の3次元超音波映像の形成および表示を制御する。
【0040】
本発明を望ましい実施例を通じて説明し例示したが、当業者であれば添付の特許請求の範囲の事項および範疇を逸脱せずに様々な変形および変更がなされることが分かるはずである。
【符号の説明】
【0041】
100 超音波システム
110 超音波データ取得部
111 送信信号形成部
112 超音波プローブ
113 ビームフォーマ
114 超音波データ形成部
120 ボリュームデータ形成部
130 ユーザ入力部
140 プロセッサ
141 第1の映像形成部
142 ROI設定部
143 ボリュームスライス領域設定部
144 第2の映像形成部
145 レイアウト設定部
146 インデックス設定部
147 OH形成部
148 映像処理部
150 ディスプレイ部
160 制御部
210 ボリュームデータ
310 ROI
321〜327 第1〜第7ボリュームスライス領域
410 OHビュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波システムであって、
超音波信号を対象体に送信して前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信し、超音波データを取得する超音波データ取得部と、
前記超音波データを用いて前記対象体のボリュームデータを形成するボリュームデータ形成部と、
ユーザインストラクション(instruction)の入力を受けるユーザ入力部と、
前記ユーザインストラクションに従って前記ボリュームデータを用いて互いに異なる深さ(間隔)の3次元超音波映像を得るための複数のボリュームスライス領域を設定し、前記複数のボリュームスライス領域によって前記ボリュームデータに設定された複数のボリュームスライスを用いて複数の3次元超音波映像を形成するプロセッサと
を備えることを特徴とする超音波システム。
【請求項2】
前記ユーザインストラクションは、
前記ボリュームデータに設定された複数の断面のそれぞれに対応する断面映像に関心領域(region of interest, ROI)を設定する第1のユーザインストラクションと、
前記複数の断面から基準断面(reference plane)を選択する第2のユーザインストラクションと、
互いに異なる深さのレンダリング範囲を設定する前記複数のボリュームスライス(volume slice)領域を前記基準断面に対応する基準断面映像に設定する第3のユーザインストラクションと、
前記複数の3次元超音波映像を表示する複数の表示領域を含むレイアウトを設定する第4のユーザインストラクションと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記ボリュームデータに設定され、少なくとも1つの断面が他の断面と直交するように構成された前記複数の断面に対応する複数の断面映像を形成する第1の映像形成部と、
前記第1のユーザインストラクションに従って前記複数の断面映像に前記ROIを設定するROI設定部と、
前記第2のユーザインストラクションに従って前記基準断面を設定し、前記第3のユーザインストラクションに従って前記設定された基準断面に対応する前記基準断面映像に互いに異なる深さの前記複数のボリュームスライスを設定するための前記複数のボリュームスライス領域を設定するボリュームスライス領域設定部と、
前記ボリュームデータ、前記ROIおよび前記複数のボリュームスライスを用いて前記複数の3次元超音波映像を形成する第2の映像形成部と、
前記第4のユーザインストラクションに従って前記複数の3次元超音波映像を表示する複数の表示領域を有するレイアウトを設定するレイアウト設定部と、
前記の第3のユーザインストラクションおよび前記の第4のユーザインストラクションに従って前記レイアウトの前記複数の表示領域それぞれにインデックスを設定するインデックス設定部と、
前記複数の3次元超音波映像を前記レイアウトの該当表示領域に位置させて、前記インデックスを前記レイアウトの前記該当表示領域に設定する映像処理部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の超音波システム。
【請求項4】
前記インデックスは、数値または色であることを特徴とする請求項3に記載の超音波システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第2ユーザインストラクションに従って前記ボリュームデータの全体輪郭を3次元で示し、前記基準断面の位置を立体的に示すOH(orientation help)ビューを形成するOH形成部
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記ユーザインストラクションは、前記基準断面映像および前記OHビューの表示または非表示を選択する第5のユーザインストラクションをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の超音波システム。
【請求項7】
前記映像処理部は、前記第5のユーザインストラクションに従って前記レイアウトの前記該当表示領域に前記基準断面映像および前記OHビューの表示および非表示を制御することを特徴とする請求項6に記載の超音波システム。
【請求項8】
前記ユーザインストラクションは、前記複数のボリュームスライス領域の間隔を調節する第6のユーザインストラクションをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の超音波システム。
【請求項9】
前記ボリュームスライス領域設定部は、前記第6のユーザインストラクションに従って前記複数のボリュームスライス領域の前記間隔を調節することを特徴とする請求項8に記載の超音波システム。
【請求項10】
前記映像処理部は、前記基準断面映像に設定された前記複数のボリュームスライス領域の位置情報を形成し、前記位置情報を前記レイアウトの前記該当表示領域に表示することを特徴とする請求項5に記載の超音波システム。
【請求項11】
前記ユーザインストラクションは、基準ボリュームスライスを選択する第7のユーザインストラクションをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の超音波システム。
【請求項12】
前記ボリュームスライス領域設定部は、前記第7のユーザインストラクションに対応するボリュームスライス領域を基準に複数のボリュームスライス領域を新たに設定することを特徴とする請求項11に記載の超音波システム。
【請求項13】
前記レイアウトを表示するディスプレイ部
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の超音波システム。
【請求項14】
複数の3次元超音波映像を提供する方法であって、
a)超音波信号を対象体に送信して前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信し、超音波データを取得する段階と、
b)前記超音波データを用いて前記対象体のボリュームデータを形成する段階と、
c)ユーザインストラクション(instruction)の入力を受ける段階と、
d)前記ユーザインストラクションに従って前記ボリュームデータを用いて互いに異なる深さの3次元超音波映像を得るための複数のボリュームスライス領域を設定し、前記複数のボリュームスライス領域によって前記ボリュームデータに設定されたボリュームスライスを用いて前記複数の3次元超音波映像を形成する段階と
を備えることを特徴とする複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項15】
前記ユーザインストラクションは、
前記ボリュームデータに設定された複数の断面のそれぞれに対応する断面映像に関心領域(region of interest, ROI)を設定する第1のユーザインストラクションと、
前記複数の断面から基準断面(reference plane)を選択する第2のユーザインストラクションと、
互いに異なる深さのレンダリング範囲を設定する複数のボリュームスライス(volume slice)領域を前記基準断面に対応する基準断面映像に設定する第3のユーザインストラクションと、
前記複数の3次元超音波映像を表示する複数の表示領域を含むレイアウトを設定する第4のユーザインストラクションと
を含むことを特徴とする請求項14に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項16】
前記段階d)は、
前記ボリュームデータに設定され、少なくとも1つの断面が他の断面と直交するように構成された前記複数の断面に対応する複数の断面映像を形成する段階と、
前記第1のユーザインストラクションに従って前記複数の断面映像に前記ROIを設定する段階と、
前記第2のユーザインストラクションに従って前記基準断面を設定し、前記第3のユーザインストラクションに従って前記設定された基準断面に対応する前記基準断面映像に前記複数のボリュームスライス領域を設定する段階と、
前記ボリュームデータ、前記ROIおよび前記複数のボリュームスライスを用いて前記複数の3次元超音波映像を形成する段階と、
前記第4のユーザインストラクションに従って前記複数の3次元超音波映像を表示する複数の表示領域を有するレイアウトを設定する段階と、
前記第3のユーザインストラクションおよび前記第4のユーザインストラクションに従って前記レイアウトの前記複数の表示領域それぞれにインデックスを設定する段階と、
前記複数の3次元超音波映像を前記レイアウトの該当表示領域に位置させ、前記インデックスを前記レイアウトの前記該当表示領域に設定する段階と
を備えることを特徴とする請求項15に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項17】
前記インデックスは、数値または色であることを特徴とする請求項16に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項18】
前記段階d)は、
前記第2のユーザインストラクションによって前記ボリュームデータの全体輪郭を3次元で示し、前記基準断面の位置を立体的に示すOH(orientation help)ビューを形成する段階
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項19】
前記ユーザインストラクションは、前記基準断面映像および前記OHビューの表示または非表示を選択する第5のユーザインストラクションをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項20】
前記段階d)は、
前記第5のユーザインストラクションによって前記レイアウトの前記該当表示領域に前記基準断面映像および前記OHビューの表示および非表示を制御する段階
をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項21】
前記ユーザインストラクションは、前記複数のボリュームスライス領域の間隔を調節する第6のユーザインストラクションをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項22】
前記段階d)は、
前記第6のユーザインストラクションによって前記複数のボリュームスライス領域の間隔を調節する段階
をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項23】
前記ユーザインストラクションは、基準ボリュームスライス領域を選択する第7のユーザインストラクションをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項24】
前記段階d)は、
前記第7のユーザインストラクションに対応するボリュームスライス領域を基準に新たな複数のボリュームスライス領域を設定する段階
をさらに備えることを特徴とする請求項23に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項25】
前記段階d)は、
前記基準断面映像に設定された前記複数のボリュームスライス領域の位置情報を形成する段階と、
前記位置情報を前記レイアウトの前記該当表示領域に表示する段階と
をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項26】
e)前記レイアウトを表示する段階
をさらに備えることを特徴とする請求項14〜25のいずれか一項に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−240394(P2010−240394A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61367(P2010−61367)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(597096909)株式会社 メディソン (269)
【氏名又は名称原語表記】MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea
【Fターム(参考)】