説明

ボンディングワイヤ

【課題】作業ステージ温度:150℃程の低温度においても、作業の高速化に伴う接合強度の向上を図る。
【解決手段】集積回路素子の電極aと回路配線基板の導体配線cをボールボンディング法によって接続するためのボンディングワイヤPである。99.99質量%以上の銅からなる芯材1の外周全面に金、白金、パラジウム、銀の1種以上からなる被覆層2を形成し、その被覆線に拡散熱処理を施して芯材1と被覆層2の密着性を高めた後、線径L:12μm以上50.8μm以下まで伸線し、さらに、引張伸びが8%以上となるように調質熱処理を行って、前記被覆層2の厚み0.04〜0.09μmのボンディングワイヤとする。この構成のボンディングワイヤは、電極と導体配線に十分な接合強度をもって接続され、低温度の高速作業の下でも、その作業がストップすることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、IC、LSI、トランジスタ等の集積回路素子上の電極と、リードフレーム、セラミック基板、プリント基板等の回路配線基板の導体配線とをボールボンディング法によって接続するためのボンディングワイヤ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のボールボンディング法による接続方法は、図1(a)〜(h)に示す態様が一般的であり、同図(a)に示す、ワイヤPがキャピラリー10aに挿通されてその先端にボール(FAB:Free Air Ball)bが形成された状態から、クランプ10bが開いて、キャピラリー10aが集積回路素子上の電極aに向かって降下する。このとき、ボール(FAB)bはキャピラリー10a内に捕捉され、キャピラリー10aの中心にボンディングされる。
【0003】
ターゲットである電極aにボールbが接触すると(キャピラリー10aが電極aに至ると)キャピラリー10aがボールbをグリップし、ボールbに熱・加重・超音波を与え、それによってボールbと電極aが固相接合され、1stボンドが形成されて電極aと接着する(図1(b))。
1stボンドが形成されれば、キャピラリー10aは、一定高さまで上昇した後(同図(c))、導体配線cの真上まで移動する(同図(d)〜(e))。このとき、安定したループを形成するため、キャピラリー10aに特殊な動きをさせてワイヤPに「くせ」を付ける動作をする場合がある(同図(d)の鎖線から実線参照)。
【0004】
導体配線cの真上に至ったキャピラリー10aは、導体配線cに向かって降下し、ワイヤPを導体配線(2ndターゲット)cに押付ける(同図(e)〜(f))。これと同時に、その押付け部位に熱・加重・超音波を与え、それによってワイヤPを変形させ、ワイヤPを導体配線c上に接合させるためのステッチボンドと、次のステップでテイルを確保するテイルボンドを形成する(図1(f))。
【0005】
その両ボンドを形成した後、キャピラリー10aはワイヤPを残したまま上昇し、キャピラリー10aの先端に一定の長さのテイルを確保した後、クランプ10bを閉じて(ワイヤPをつかんで)、テイルボンドの部分からワイヤPを引きちぎる(図1(g))。このとき、テイルボンドがワイヤPを仮止めしているため、テイルボンドをなすワイヤPはキャピラリー10aと一緒に上昇しない。
【0006】
キャピラリー10aは、所要の高さまで上昇すると停止し、そのキャピラリー10aの先端に確保されたワイヤPの先端部分に、放電棒gでもって高電圧を掛けて火花を飛ばし(放電し)、その熱でワイヤPを溶かし、この溶けたワイヤ素材は表面張力によって球状に近いボールbになって固まる(図1(h))。
【0007】
以上の作用で一サイクルが終了し、以後、同様な作用によって、電極aと導体配線cのボールボンディング法による接続がされる。
【0008】
このボールボンディング法による接続において、ボンディングワイヤPには、金線が主に使用されるが、金は高価であるため、近年、銅純度99.99質量%以上の安価な銅線を使用することが行われている。そのとき、銅は裸のままでは、表面の酸化が起こり易いことから、図2に示すように、銅線からなる芯材1に耐酸化金属2を被覆したものが使用されている。
その被覆金属(被覆層)2としては、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)等が採用されている(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−133361号公報
【特許文献2】特開2004−64033号公報
【特許文献3】特開2007−12776号公報
【0010】
この金属被覆の銅線からなるボンディングワイヤPにおいて、近年の電子部品の小型化等による集積回路素子間の極小化に伴い、上記ボールbもより小さくする必要から、ボンディングワイヤPにも小径のものが望まれ、そのためには、その径Lを50μm以下とするのが好ましいとされている(特許文献1段落0009第12〜14行)。
また、集積回路素子の電極aへの接続において、ボールbが下向き槍状(逆円錐状)になっていると、上記ボールbの電極aへの押付け時、そのボールbの尖鋭端によって電極aを損傷させる恐れがあるため、ボールbはできるだけ、真球であることが好ましい。そのボールbの真球度を高めるために、上記被覆層2の厚みtを芯線径の0.001以下としたり(特許文献1請求項1)、同じく被覆層2の厚みtを0.001〜0.2μmとしたり(特許文献3請求項1)、芯材1の銅よりも高融点の耐酸化金属で被覆層2を形成したりしている(特許文献2段落0014)。
さらに、有機基板をベースにしたBGA(Ball Grid Array)などでは加熱温度(ステージ温度)を高くすると、反りが発生してボンディング性が著しく悪化する。このため、上記ワイヤPと電極a又は導体配線cとの接合時の加熱温度(ステージ温度)を低く、例えば、150℃程度にしても、十分な接合強度を担保するための種々の工夫、例えば、熱処理後に伸線する加工等もされている(特許文献3段落0020、同0054等)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のように、耐酸化金属で銅線を被覆したボンディングワイヤPは、従来から、種々の工夫がなされてそれなりに好評を得ているが、近年の低コスト化に基づく、作業の高速化に伴う接合強度の向上がさらに要求されている。
【0012】
この発明はその要求に応えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を達成するために、この発明は、上記の各工夫を全て採用して、ボンディングワイヤPの線径Lは、12μm以上50.8μm以下とし、純度99.99質量%以上の銅からなる芯材1の外周全面に、金、白金、パラジウム、銀の1種以上による厚みt:0.02〜0.09μmの被覆層2を形成したものとしたのである。
【0014】
ボンディングワイヤPの線径Lを、50.8μm以下としたのは、上述の特許文献1ではその径Lを50μm以下としているが、50.8μm以下であれば、50μm以下とかわらない程度でもって、上記ボールbをより小さくできるからである。
また、線径Lの下限を12μm以上としたのは、12μm未満ではボンディング前にオペレータがワイヤPをキャピラリー10aに通すのが困難になり、作業性が悪くなるからである。
芯材1の銅純度を99.99質量%以上としたのは、銅の高導電性を担保するためである。
【0015】
被覆層2の厚みtは薄いほど、ボールbの硬度が低くなり、Siチップ(電極a)の損傷の可能性が低くなるが、薄すぎると、ステッチボンド接合の際に芯材1の銅が露出する度合いが大きくなり、被覆層2を有さない銅ワイヤ程度のステッチボンド接合性しか発現できない。例えば、後記実施例と比較例の実験結果から理解できるように、2回以上のマシンストップが生じる恐れがある。このため、その実施例と比較例の実験結果から、被覆層2の厚みtは0.02μm以上とする。
なお、ステージ温度:150℃程の低温度でのボールボンディングの時には、連続ボンディング性の実験結果からその厚みtを0.04μm以上、より好ましくは、その0.04μmを越えるものとする。ステージ温度を低くすると、ステッチボンド接合に要する加重が大きくなり、被覆層2の厚みtが0.02μm以上から0.04μm未満の範囲では芯材の銅が露出する度合いが大きくなり、連続ボンディング性が損なわれることがあるからである。
一方、被覆層2が厚いと、ボールbの硬度が高くなり、Siチップ(電極a)の損傷の可能性が高くなる。このため、後記実施例と比較例の実験結果から、被覆層2の厚みtは0.09μm以下とする。
【0016】
被覆金属を金、白金、パラジウム及び銀としたのは、これらの貴金属が電子材料の被覆材として一般的であり、入手が比較的に容易であるからである。これらの純度も芯材1の銅と同様に99.99質量%以上とすることが好ましい。被覆層2はこれらの貴金属の1
つで形成しても良いが、2種以上の金属の多層とすることもできる。
【0017】
以上から、このボンディングワイヤPの構成としては、集積回路素子の電極aと回路配線基板の導体配線cをボールボンディング法によって接続するための線径L:12μm以上50.8μm以下のボンディングワイヤPにおいて、芯材1が純度99.99質量%以上の銅からなり、その芯材1の外周全面に、金、白金、パラジウム、銀の1種以上による厚み0.02〜0.09μmの被覆層2を形成した構成を採用する。
この構成において、ステージ温度:150℃程の低温度でのボールボンディング用ボンディングワイヤにおいては、その被覆層の厚みtは0.04〜0.09μmとする。
【0018】
これらの構成のボンディングワイヤPの製造方法には種々のものが採用できるが、例えば、純度99.99質量%以上の銅からなる芯材1の外周全面に、金、白金、パラジウム、銀の1種以上による被覆層2を形成し、その被覆線を拡散熱処理して芯材と被覆層の密着性を高めた後、線径12μm以上50.8μm以下まで伸線し、さらに、引張伸びが8%以上となるように調質熱処理を行って、被覆層2の厚みt0.02〜0.09μmとした構成を採用できる。
【0019】
これらの構成において、上記被覆層2をその融点が上記銅の融点より高いパラジウム又は白金がより好ましいと考えることができる。
上述のように、芯材1の銅よりも高融点の耐酸化金属で被覆層2を形成すれば、ボールbの真球度が増すことが確認されているが、本発明者は、その理由として、放電によって銅が溶融して真球となる時、その溶融部分が表面張力によって真上にワイヤを這い上がっていくが、被覆層2も溶融していると、その這い上がりが悪くなって、真球になりにくいためと考えた。このことは、0.02〜0.09μm厚の被覆層2であると、顕著に表れる。
また、パラジウムと白金では、パラジウムの方がボールbを真球にできる条件のマージン(限界)が広くなる。これは、パラジウムの融点が白金の融点に比べて銅の融点に近いためと考えられる。すなわち、被覆層2に白金を用いると、放電による銅の溶融後に白金が溶融するまでに時間差が生じるためである。被覆層2にパラジウムを用いれば、溶融の時間差は小さくなるため、より真球になりやすい。
【0020】
因みに、上記純銅の融点:1083℃、金の融点:1064℃、パラジウムの融点:1554℃、銀の融点:962℃、白金の融点:1772℃である。
また、被覆層2の厚みtを0.04μm以上とした場合、ステージ温度150℃でもマシントラブルが少なくなるが、特にパラジウムを被覆層2に採用し、被覆層2の厚みtを0.05μm以上とした時にはステージ温度をより低温の135℃としたときでもマシントラブルが起こらないことも確認されている。これは、パラジウム被覆層2の場合、上記のように、銅とパラジウムの溶融時間差が小さく、より真球になりやすいこととの相乗効果に基づくものと考える。
【0021】
さらに、上記芯材の銅純度を99.999質量%以上とすれば、後記実施例と比較例の実験結果から理解できるように、Siチップ(電極a)の損傷の可能性が低くなる。これは、銅純度を99.999質量%以上とすることで、FAB硬度をより低減できるからである。
【0022】
さらに、被覆層2は、電解メッキ、無電解メッキ、蒸着法等の周知の手段によって形成され、一般に、ワイヤPは大きな線径の銅ロッドをダイスと呼ばれるツールに順次貫通させていくことにより、所定の線径に仕上げられるため、この工程途中の適宜な線径で被覆層2を上記手段により形成する。このとき、被覆する際の芯材1の線径は作業性・コストにより決定されるが、製造装置の制限から0.2〜0.8mmが一般的である。外周全面にパラジウム等の金属を被覆された被覆線は200〜500℃(被覆線の温度)で拡散熱処理を施して前記芯材1と被覆層2の密着性を高めた後、線径12μm以上50.8μm以下まで伸線し、さらに、引張伸びが8%以上となるように調質熱処理を行って、被覆層2の厚みt0.02〜0.09μmとすることができる。
引張伸びを8%以上とするのは、ステッチボンド接合性を上げ、より安定したボンディング性を得るためである。
このとき、被覆層がパラジウムから成れば、芯材の銅純度を99.999質量%以上とし、その被覆層の厚みtを0.05〜0.09μmとすることができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明は、以上のようにしたので、安定した接合強度を有する純銅に貴金属を被覆したボンディングワイヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ボールボンディング接続法の説明図であり、(a)〜(h)はその途中図
【図2】この発明に係るボンディングワイヤの断面図
【図3】オージェピーク強度と被覆層(メッキ層)深さの関係図
【発明を実施するための形態】
【0025】
表1に示す実施例1〜45及び比較例1〜13を製作し、そのボンディングワイヤPの1st接合部のSiチップ(電極a)の損傷度合、及び連続ボンディング性の試験を行った。
すなわち、まず、銅純度99.99質量%の純銅(表1中:4N)と銅純度99.999質量%の純銅(表1中:5N)の0.2〜0.8mm径の銅線を用意し、その銅線に、Au、Pd、Pt及びAgの貴金属を電解メッキ法によって被覆し、その被覆線を巻き戻し、焼鈍炉を通したのち、再び巻き取り用リールで巻き取ることによって連続拡散熱処理を行った。焼鈍炉は炉長1mの炉芯管を有する電気炉を用い、炉芯管には窒素ガスを流した。その炉温度は500℃以上800℃以下として被覆線の温度を200〜500℃とし、その被覆線の走行速度は5〜60m/分とした。以上の拡散熱処理を施して銅線(芯材)1と被覆層2の密着性を高めた後、線径15〜50.8μmまで伸線し、さらに、引張伸びが8%以上となるように調質熱処理を行って、被覆層2の厚みt:0.001〜0.112μmのボンディングワイヤP(実施例1〜45及び比較例1〜13)を得た。表1中、2種の貴金属を示す例は、その2種の金属を同一厚で2重被覆したものである。
【0026】
つぎに、この各ボンディングワイヤPにおいて、下記の評価を行った結果を表1に示す。

「被覆層(表面皮膜層)2の厚み」:
オージェ電子分光分析法にて測定した。Arで被覆層の表面からスパッタリングし、単位時間のスパッタリング毎にスペクトル測定を行った。深さ方向の単位はスパッタ時間とし、事前に測定しておいた標準試料SiOのスパッタリングレートから、対象材の深さ方向の距離をSiO換算にて算出した。被覆層については、図3の通り、対象被覆層元素のオージェピーク強度を縦軸、深さを横軸にとったグラフにおいて、オージェピーク強度が84%の位置から16%の位置までの距離を被覆層の厚みとした。

「芯材(銅)の純度」:
GDMS(グロー放電質量)分析にて全元素の濃度を測定してCu純度を決定した。

「連続ボンディング性」(1):
ボンディングマシンで10,000回の連続ボンディングを行い、マシンストップが発生しなければ「A」、1回のマシンストップが発生すれば「B」、2回以上のマシンストップが起これば「D」とした。このとき、ステージ温度が低くなれば、その連続ボンディングが困難になることから、200℃(±5℃)、150℃(±5℃)の2水準で行った。

「1st接合部のSiチップ損傷」(2):
ボンディング後、1stボール接合部直下のSiチップ損傷を評価するために、ボール接合部aおよび電極膜を王水で溶解し、Siチップのクラックを光顕とSEMで観察した。このとき、100個の接合部を観察して5μm以下の微小なピットが1個もしくはまったく見られない場合は「A」、5μm以下の微小なピットが2個以上認められる場合は実用上は有害でないため「B」、5μm以上のクラックが認められた場合は「D」とした。

「総合評価」:
(1)の評価が200℃・150℃ともにAであり、かつ(2)の評価がAのものを「A」、(1)の評価が200℃・150℃ともにAであり、かつ(2)の評価がBのものを「B」、(1)の評価が200℃ではAであり、150℃ではBのものを「C」とした。また、ひとつでもDのあるものについては実用上問題であるので「D」とした。
【0027】
【表1】

【0028】
この試験結果から、被覆層厚tが0.02μm未満であると、200℃及び150℃の両連続ボンディング性が低下し(比較例1、2、4、5、9、10、12)、0.02μmに近くなると、前者の連続ボンディング性が満足できるものとなり(比較例2)、0.02μm以上となると、両者の連続ボンディング性が満足できるものとなることが理解できる(実施例1〜45、比較例3、6〜8、11、13)。
一方、被覆層厚tが0.09μmを越えると、ボールbが硬くなって、Siチップ(電極a)の損傷が認められるようになる(比較例3、6〜8、11、13)。
また、純銅5Nを使用し、被覆層厚tを0.04μm以上としたもの(実施例5、12、13、16、20、27、32、34、37、44、45)では、総合評価が「A」となって、ステージ温度が150℃程の低温度においても、連続ボンディング性が良好であってその連続ボンディング性の担保に有効であることが分る。特に、被覆層厚tが0.05μm以上では顕著である(実施例12、13、16)。
【符号の説明】
【0029】
P ボンディングワイヤ
1 芯材
2 被覆層
a 集積回路素子の電極
b ボンディングボール
c 回路配線基板の導体配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路素子の電極(a)と回路配線基板の導体配線(c)をボールボンディング法によって接続するための線径(L)12μm以上50.8μm以下のボンディングワイヤ(P)であって
、芯材(1)が純度99.99質量%以上の銅からなり、その芯材(1)の外周全面に、金、白金、パラジウム、銀の1種以上による厚み(t)0.02〜0.09μmの被覆層(2)を形成したことを特徴とするボンディングワイヤ。
【請求項2】
上記被覆層(2)の厚み(t)が0.04〜0.09μmであることを特徴とする請求項1に記載のボンディングワイヤ。
【請求項3】
上記被覆層(2)をその融点が上記銅の融点より高いパラジウム又は白金としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のボンディングワイヤ。
【請求項4】
上記被覆層(2)をその融点が上記銅の融点より高いパラジウムとし、その厚み(t)が0.05〜0.09μmであることを特徴とする請求項1に記載のボンディングワイヤ。
【請求項5】
上記芯材(1)の銅純度を99.999質量%以上としたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のボンディングワイヤ。
【請求項6】
集積回路素子の電極(a)と回路配線基板の導体配線(c)をボールボンディング法によって接続するための請求項1〜4の何れか1つに記載のボンディングワイヤ(P)の製造方法であって、純度99.99質量%以上の銅からなる芯材(1)の外周全面に、金、白金、パラジウム、銀の1種以上による被覆層(2)を形成し、その被覆線を拡散熱処理して前記芯材(1)と被覆層(2)の密着性を高めた後、線径(L)12μm以上50.8μm以下まで伸線し、さらに、引張伸びが8%以上となるように調質熱処理を行ったことを特徴とするボンディングワイヤの製造方法。
【請求項7】
上記芯材(1)の銅純度を99.999質量%以上とし、上記被覆層(2)がパラジウムから成ってその厚み(t)を0.05〜0.09μmとしたことを特徴とする請求項6に記載のボンディングワイヤの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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