ボールジョイント用ダストカバー
【課題】低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題が無いボールジョイント用ダストカバーを提供することを目的とする。
【解決手段】ボールスタッドの他端の軸部はナックルに締め付け固定され、小径開ロ部が前記軸部に嵌合保持された断面Ｌ字形状のリテーナー外周面に保持され、大径開口部と小径開口部とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部を備えたゴム状弾性材製ボールジョイント用ダストカバーにおいて、
前記小径開口部の前記リテーナー外周面と接する面には、シールリップ部を形成すると共に、前記小径開口部の下面から前記ナックル側に向かって伸びる切込を設け、前記切込内には、前記リテーナーの外径部側より前記ナックル側に向かって前記シールリップ部の外周を覆う形で伸びている円筒状の保持部を設けたことを特徴とする。
【解決手段】ボールスタッドの他端の軸部はナックルに締め付け固定され、小径開ロ部が前記軸部に嵌合保持された断面Ｌ字形状のリテーナー外周面に保持され、大径開口部と小径開口部とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部を備えたゴム状弾性材製ボールジョイント用ダストカバーにおいて、
前記小径開口部の前記リテーナー外周面と接する面には、シールリップ部を形成すると共に、前記小径開口部の下面から前記ナックル側に向かって伸びる切込を設け、前記切込内には、前記リテーナーの外径部側より前記ナックル側に向かって前記シールリップ部の外周を覆う形で伸びている円筒状の保持部を設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ボールジョイント用ダストカバーに関する。
また、本発明は、自動車懸架装置、操舵装置等に使用されるボールジョイント用ダストカバーに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、ボールジョイント継ぎ手部の防塵、防水を目的としてダストカバーが装着されているボールジョイントとしては、図４に記載のボールジョイント用ダストカバーが知られている。（特許文献１、２）
【０００３】
この種ボールジョイント用ダストカバーのシール構造は、図４に示す様に、ボールスタッド１００の一端に形成された球頭部２００がソケット３００内に保持されている。
そして、ボールスタッド１００の他端の軸部４００は、ナックル５００に締め付け固定されている。
一方、ゴム状弾性材製ダストカバー６００の一端大径開口部８００が、ソケット３００の外周面にスナップリング９００により固定保持され、他端小径開口部１５０が軸部４００に保持された構成となっている。
そして、大径開口部８００と小径開口部１５０とを連結している膜部７００全体が外側に張り出した鼓形状を呈している。
【０００４】
そして、この種従来のダストカバー６００は、ボールスタッド１００がソケット３００に対し傾斜した場合、ボールスタッド１００が傾斜した側に位置する圧縮変形した膜部７００の形状は、図４に示す様に変形する。
すなわち、ボールジョイントの作動は主にボールスタッド１００の往復回転および揺動運動の二つである。
この二つの作動において、ダストカバー６００がシール機能部品として機能する為には、小径開口部１５０の軸部４００と接する面に設けたダストカバーのシールリップ部が、ボールスタッド１００の軸部４００から離れる現象（口開き）を発生させない事が求められる。
そこで、ダストカバーのシールリップ部が設けられている小径開口部１５０には、金属環や樹脂環で補強されており、ダストカバーリップ部のシール性向上を担っている。
【０００５】
その他に、ボールスタッド側にリテーナーを装着し、シールリップ部を密着させる事によりシール性を向上させる態様も提案されている。
しかしながら、低温作動時においては、金属環や樹脂環を使用したり、リテーナーを使用したとしても、ダストカバー自体が硬化する事により、ダストカバーのリップ部の揺動追従性が低下する。
この結果、ダストカバーのリップ部がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題を惹起する事が有る。
【０００６】
この為、リテーナーの一部に半円形の突起を設け、ダストカバーの小径開口部側面と係合させる態様が提案された。（特許文献３）
しかし、この様な態様によっても、ダストカバーリップ部がボールスタッドの軸部から離れることを、完全には阻止できず、シール機能が低下する問題を解決できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】実開平４−３２３１３号公報
【特許文献２】特開２００４−９２７７６号公報
【特許文献３】実開平２−１３８２１９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題が無いボールジョイント用ダストカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明に係るボールジョイント用ダストカバーは、ボールスタッドの一端に形成された球頭部がソケット内に保持され、前記ボールスタッドの他端の軸部はナックルに締め付け固定され、一端大径開口部が前記ソケットの外周面に固定保持され、他端小径開ロ部が前記軸部に嵌合保持された断面Ｌ字形状のリテーナー外周面に保持され、前記大径開口部と前記小径開口部とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部を備えたゴム状弾性材製ボールジョイント用ダストカバーにおいて、
前記小径開口部の前記リテーナー外周面と接する面には、シールリップ部を形成すると共に、前記小径開口部の下面から前記ナックル側に向かって伸びる切込を設け、前記切込内には、前記リテーナーの外径部側より前記ナックル側に向かって前記シールリップ部の外周を覆う形で伸びている円筒状の保持部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項１記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題が無い。
更に、請求項２記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部が良好なシール面圧を維持出来る為、シール機能が低下する問題が無い。
【００１１】
更に、請求項３記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、ダストカバーのシールリップ部の径方向及び軸方向の移動を規制出来る為、長期間に渡って良好なシール機能を発揮出来る。
更に、請求項４記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、ダストカバーのシールリップ部のシール機能の信頼性を、より高める事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明に係る、ボールジョイント用ダストカバーの縦断面図。
【図２】図１の部分拡大図。
【図３】本発明に係る第２の態様を図２と同様に示した図。
【図４】従来技術に係るボールジョイント用ダストカバーの縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図１及び図２に示される様に、本発明に係るボールジョイント用ダストカバーの態様は、
ボールスタッド１の一端に形成された球頭部２がソケット３内に保持され、このボールスタッド１の他端の軸部４はナックル５に締め付け固定され、一端大径開口部８がソケット３の外周面に固定保持され、他端小径開ロ部１５が軸部４に嵌合保持された断面Ｌ字形状のリテーナー６外周面に保持され、大径開口部８と小径開口部１５とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部７を備える構成となっている。
【００１４】
また、小径開口部１５のリテーナー６外周面と接する面には、シールリップ部１５１が形成されている。
更に、小径開口部１５の下面１５４からナックル５側に向かって伸びる切込１５２が形成されており、この切込１５２内には、リテーナー６の外径部側よりナックル５側に向かってシールリップ部１５１の外周を覆う形で伸びている円筒状の保持部６２が設けられている。
【００１５】
このシールリップ部１５１は２本存在し、保持部６２は、球頭部２側（図上下側）に位置するシールリップ部１５１の外周を覆う位置まで伸びている。
この為、この球頭部２側（図上下側）に位置するシールリップ部１５１は、リテーナー６の軸部４に嵌合している円筒状の嵌合部６１と保持部６２との間に、圧縮状態で保持される事が可能である。
【００１６】
この結果、低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部１５１が、良好なシール面圧を維持出来る。
本実施態様においては、シールリップ部１５１を２本設ける態様としているが、１本以上存在すれば良く、保持部６２により外周を覆われるシールリップ部１５１は、少なくとも１本存在すれば良い。
【００１７】
また、切込１５２の深さは、小径開ロ部１５の略中ほどで止まる長さとしている。
この切込１５２の深さが深過ぎると、小径開ロ部１５の強度が弱まり、亀裂が生ずる危険性があり、浅すぎるとシールリップ部１５１がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題が発生する。
【００１８】
更に、小径開口部１５の上端面には、ナックル５の下端面と弾性接触しているダストシール１５３が形成されている。
このダストシール１５３の存在により、水や土砂がダストカバー内に侵入することを阻止できる。
また、ダストカバーは、各種のゴム状弾性材により成形されている。
更に、大径開口部８は、スナップリング９によりソケット３の外周面に固定保持されている。
【００１９】
ついで、本発明に係る第２の態様を図２に基づき説明する。
図１及び図２に示した態様と相違する点は、保持部６２に、内周側に突出する環状の突起部６１１を設け、この突起部６１１を、切込１５２の外周面に設けた環状窪み部１５５と係合する構成としている点である。
このことにより、ダストカバーのシールリップ部１５１の径方向及び軸方向の移動を規制出来る為、長期間に渡って良好なシール機能を発揮出来る。
【００２０】
また、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【００２１】
自動車の懸架装置及び操舵装置等に使用されるボールジョイントに使用できる。
【符号の説明】
【００２２】
１ ボールスタッド
２ 球頭部
３ ソケット
４ 軸部
５ ナックル
６ リテーナー
７ 膜部
８ 大径開口部
９ スナップリング
１５ 小径開口部
６１ 嵌合部
６２ 保持部
１５１シールリップ部
１５２切込
６１１突起
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ボールジョイント用ダストカバーに関する。
また、本発明は、自動車懸架装置、操舵装置等に使用されるボールジョイント用ダストカバーに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、ボールジョイント継ぎ手部の防塵、防水を目的としてダストカバーが装着されているボールジョイントとしては、図４に記載のボールジョイント用ダストカバーが知られている。（特許文献１、２）
【０００３】
この種ボールジョイント用ダストカバーのシール構造は、図４に示す様に、ボールスタッド１００の一端に形成された球頭部２００がソケット３００内に保持されている。
そして、ボールスタッド１００の他端の軸部４００は、ナックル５００に締め付け固定されている。
一方、ゴム状弾性材製ダストカバー６００の一端大径開口部８００が、ソケット３００の外周面にスナップリング９００により固定保持され、他端小径開口部１５０が軸部４００に保持された構成となっている。
そして、大径開口部８００と小径開口部１５０とを連結している膜部７００全体が外側に張り出した鼓形状を呈している。
【０００４】
そして、この種従来のダストカバー６００は、ボールスタッド１００がソケット３００に対し傾斜した場合、ボールスタッド１００が傾斜した側に位置する圧縮変形した膜部７００の形状は、図４に示す様に変形する。
すなわち、ボールジョイントの作動は主にボールスタッド１００の往復回転および揺動運動の二つである。
この二つの作動において、ダストカバー６００がシール機能部品として機能する為には、小径開口部１５０の軸部４００と接する面に設けたダストカバーのシールリップ部が、ボールスタッド１００の軸部４００から離れる現象（口開き）を発生させない事が求められる。
そこで、ダストカバーのシールリップ部が設けられている小径開口部１５０には、金属環や樹脂環で補強されており、ダストカバーリップ部のシール性向上を担っている。
【０００５】
その他に、ボールスタッド側にリテーナーを装着し、シールリップ部を密着させる事によりシール性を向上させる態様も提案されている。
しかしながら、低温作動時においては、金属環や樹脂環を使用したり、リテーナーを使用したとしても、ダストカバー自体が硬化する事により、ダストカバーのリップ部の揺動追従性が低下する。
この結果、ダストカバーのリップ部がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題を惹起する事が有る。
【０００６】
この為、リテーナーの一部に半円形の突起を設け、ダストカバーの小径開口部側面と係合させる態様が提案された。（特許文献３）
しかし、この様な態様によっても、ダストカバーリップ部がボールスタッドの軸部から離れることを、完全には阻止できず、シール機能が低下する問題を解決できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】実開平４−３２３１３号公報
【特許文献２】特開２００４−９２７７６号公報
【特許文献３】実開平２−１３８２１９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題が無いボールジョイント用ダストカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明に係るボールジョイント用ダストカバーは、ボールスタッドの一端に形成された球頭部がソケット内に保持され、前記ボールスタッドの他端の軸部はナックルに締め付け固定され、一端大径開口部が前記ソケットの外周面に固定保持され、他端小径開ロ部が前記軸部に嵌合保持された断面Ｌ字形状のリテーナー外周面に保持され、前記大径開口部と前記小径開口部とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部を備えたゴム状弾性材製ボールジョイント用ダストカバーにおいて、
前記小径開口部の前記リテーナー外周面と接する面には、シールリップ部を形成すると共に、前記小径開口部の下面から前記ナックル側に向かって伸びる切込を設け、前記切込内には、前記リテーナーの外径部側より前記ナックル側に向かって前記シールリップ部の外周を覆う形で伸びている円筒状の保持部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項１記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題が無い。
更に、請求項２記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部が良好なシール面圧を維持出来る為、シール機能が低下する問題が無い。
【００１１】
更に、請求項３記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、ダストカバーのシールリップ部の径方向及び軸方向の移動を規制出来る為、長期間に渡って良好なシール機能を発揮出来る。
更に、請求項４記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、ダストカバーのシールリップ部のシール機能の信頼性を、より高める事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明に係る、ボールジョイント用ダストカバーの縦断面図。
【図２】図１の部分拡大図。
【図３】本発明に係る第２の態様を図２と同様に示した図。
【図４】従来技術に係るボールジョイント用ダストカバーの縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図１及び図２に示される様に、本発明に係るボールジョイント用ダストカバーの態様は、
ボールスタッド１の一端に形成された球頭部２がソケット３内に保持され、このボールスタッド１の他端の軸部４はナックル５に締め付け固定され、一端大径開口部８がソケット３の外周面に固定保持され、他端小径開ロ部１５が軸部４に嵌合保持された断面Ｌ字形状のリテーナー６外周面に保持され、大径開口部８と小径開口部１５とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部７を備える構成となっている。
【００１４】
また、小径開口部１５のリテーナー６外周面と接する面には、シールリップ部１５１が形成されている。
更に、小径開口部１５の下面１５４からナックル５側に向かって伸びる切込１５２が形成されており、この切込１５２内には、リテーナー６の外径部側よりナックル５側に向かってシールリップ部１５１の外周を覆う形で伸びている円筒状の保持部６２が設けられている。
【００１５】
このシールリップ部１５１は２本存在し、保持部６２は、球頭部２側（図上下側）に位置するシールリップ部１５１の外周を覆う位置まで伸びている。
この為、この球頭部２側（図上下側）に位置するシールリップ部１５１は、リテーナー６の軸部４に嵌合している円筒状の嵌合部６１と保持部６２との間に、圧縮状態で保持される事が可能である。
【００１６】
この結果、低温作動時においても、ダストカバーのシールリップ部１５１が、良好なシール面圧を維持出来る。
本実施態様においては、シールリップ部１５１を２本設ける態様としているが、１本以上存在すれば良く、保持部６２により外周を覆われるシールリップ部１５１は、少なくとも１本存在すれば良い。
【００１７】
また、切込１５２の深さは、小径開ロ部１５の略中ほどで止まる長さとしている。
この切込１５２の深さが深過ぎると、小径開ロ部１５の強度が弱まり、亀裂が生ずる危険性があり、浅すぎるとシールリップ部１５１がボールスタッドの軸部から離れ、シール機能が低下する問題が発生する。
【００１８】
更に、小径開口部１５の上端面には、ナックル５の下端面と弾性接触しているダストシール１５３が形成されている。
このダストシール１５３の存在により、水や土砂がダストカバー内に侵入することを阻止できる。
また、ダストカバーは、各種のゴム状弾性材により成形されている。
更に、大径開口部８は、スナップリング９によりソケット３の外周面に固定保持されている。
【００１９】
ついで、本発明に係る第２の態様を図２に基づき説明する。
図１及び図２に示した態様と相違する点は、保持部６２に、内周側に突出する環状の突起部６１１を設け、この突起部６１１を、切込１５２の外周面に設けた環状窪み部１５５と係合する構成としている点である。
このことにより、ダストカバーのシールリップ部１５１の径方向及び軸方向の移動を規制出来る為、長期間に渡って良好なシール機能を発揮出来る。
【００２０】
また、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【００２１】
自動車の懸架装置及び操舵装置等に使用されるボールジョイントに使用できる。
【符号の説明】
【００２２】
１ ボールスタッド
２ 球頭部
３ ソケット
４ 軸部
５ ナックル
６ リテーナー
７ 膜部
８ 大径開口部
９ スナップリング
１５ 小径開口部
６１ 嵌合部
６２ 保持部
１５１シールリップ部
１５２切込
６１１突起
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ボールスタッド（１）の一端に形成された球頭部（２）がソケット（３）内に保持され、
前記ボールスタッド（１）の他端の軸部（４）はナックル（５）に締め付け固定され、一
端大径開口部（８）が前記ソケット（３）の外周面に固定保持され、他端小径開ロ部（１５）が前記軸部（４）に嵌合保持された断面Ｌ字形状のリテーナー（６）外周面に保持され、前記大径開口部（８）と前記小径開口部（１５）とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部（７）を備えたゴム状弾性材製ボールジョイント用ダストカバーにおいて、
前記小径開口部（１５）の前記リテーナー（６）外周面と接する面には、シールリップ部（１５１）を形成すると共に、前記小径開口部（１５）の下面（１５４）から前記ナックル（５）側に向かって伸びる切込（１５２）を設け、前記切込（１５２）内には、前記リテーナー（６）の外径部側より前記ナックル（５）側に向かって前記シールリップ部（１５１）の外周を覆う形で伸びている円筒状の保持部（６２）を設けたことを特徴とするボールジョイント用ダストカバー。
【請求項２】
前記シールリップ部（１５１）は、前記リテーナー（６）の前記軸部（４）に嵌合している円筒状の嵌合部（６１）と前記保持部（６２）との間に、圧縮状態で保持されていることを特徴とする請求項１記載のボールジョイント用ダストカバー。
【請求項３】
前記保持部（６２）には、前記小径開口部（１５）側と係合する突起部（６１１）が設けられていることを特徴とする請求項１または２記載のボールジョイント用ダストカバー。
【請求項４】
前記シールリップ部（１５１）は、複数本存在し、少なくとも前記保持部（６２）が、最も前記球頭部（２）側に位置する前記シールリップ部（１５１）の外周を覆う位置まで伸びていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のボールジョイント用ダストカバー。
【請求項１】
ボールスタッド（１）の一端に形成された球頭部（２）がソケット（３）内に保持され、
前記ボールスタッド（１）の他端の軸部（４）はナックル（５）に締め付け固定され、一
端大径開口部（８）が前記ソケット（３）の外周面に固定保持され、他端小径開ロ部（１５）が前記軸部（４）に嵌合保持された断面Ｌ字形状のリテーナー（６）外周面に保持され、前記大径開口部（８）と前記小径開口部（１５）とを連結している外側に張り出した略鼓形状の膜部（７）を備えたゴム状弾性材製ボールジョイント用ダストカバーにおいて、
前記小径開口部（１５）の前記リテーナー（６）外周面と接する面には、シールリップ部（１５１）を形成すると共に、前記小径開口部（１５）の下面（１５４）から前記ナックル（５）側に向かって伸びる切込（１５２）を設け、前記切込（１５２）内には、前記リテーナー（６）の外径部側より前記ナックル（５）側に向かって前記シールリップ部（１５１）の外周を覆う形で伸びている円筒状の保持部（６２）を設けたことを特徴とするボールジョイント用ダストカバー。
【請求項２】
前記シールリップ部（１５１）は、前記リテーナー（６）の前記軸部（４）に嵌合している円筒状の嵌合部（６１）と前記保持部（６２）との間に、圧縮状態で保持されていることを特徴とする請求項１記載のボールジョイント用ダストカバー。
【請求項３】
前記保持部（６２）には、前記小径開口部（１５）側と係合する突起部（６１１）が設けられていることを特徴とする請求項１または２記載のボールジョイント用ダストカバー。
【請求項４】
前記シールリップ部（１５１）は、複数本存在し、少なくとも前記保持部（６２）が、最も前記球頭部（２）側に位置する前記シールリップ部（１５１）の外周を覆う位置まで伸びていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のボールジョイント用ダストカバー。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１２−９７８５５（Ｐ２０１２−９７８５５Ａ）
【公開日】平成２４年５月２４日（２０１２．５．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２４６９９０（Ｐ２０１０−２４６９９０）
【出願日】平成２２年１１月４日（２０１０．１１．４）
【出願人】（０００００４３８５）ＮＯＫ株式会社 (1,527)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年５月２４日（２０１２．５．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月４日（２０１０．１１．４）
【出願人】（０００００４３８５）ＮＯＫ株式会社 (1,527)
【Ｆターム（参考）】
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