説明

ボールバルブ

【課題】ボール弁体が塞いでいる出口流路内の流体の圧力がボール弁体内の流体の圧力より高い場合でも、この出口流路内の流体がボール弁体内に漏れる虞がなく、バルブを大型化することなく大流量を確保することのできるボールバルブを提供する。
【解決手段】流入路(流入孔)5dと流出路(内部空間)5fとを有し弾性体からなるボール弁体5と、ボール弁体5が回転可能に収容される弁室4と弁室4に連通する入口流路7及び複数の出口流路8、9とを有する弁ケース2とを備え、流入路5dが常時入口流路7に連通し、ボール弁体5の回転動作によって、流出路5fが複数の出口流路8、9のいずれかに択一的に連通するボールバルブ1において、ボール弁体5は、塞いだ出口流路8内の流体から受ける圧力により変形して流体がボール弁体5内に漏れることを防止する補強部材6を備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールバルブに関し、特に、ボール弁体が回転可能に収容される弁室を有するボールバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給油ユニット等において流体の流れを切り換えるためのバルブとして、特許文献1には、図7に示すボールバルブが開示されている。このボールバルブ51は、弁ケース52と、弁ケース52の上部に配置されたギャードモーター53と、弁ケース52の弁室54内に配置されたボール弁体55とを備え、弁ケース52は、下部に1つの入口流路57と、側部に2つの出口流路58、59とを有する。
【0003】
ボール弁体55には、図8に明示するように、その中心部付近で合流する断面円形の流入路55aと、流出路55bとが穿設され、流入路55aは、図7に示すように、常時、入口流路57に連通し、流出路55bは、2つの出口流路58、59のいずれか一方と択一的に連通するように配置される。ボール弁体55は、ギャードモーター53により弁軸60を介して回転駆動され、択一的に切換変更できるように、その回転位置を設定できるように構成される。
【0004】
また、ボール弁体55には、ボール弁体55の内部と弁室54が連通するように均圧孔55cが穿設され、流体が入口流路57から出口流路59に流れる際に、均圧孔55cを介して、ボール弁体55によって閉じられている弁室54の内部54a等にも流体を進入可能とし、ボール弁体55の内外の圧力を均一化し、ボール弁体55が外側に膨らんで塑性変形することを防止している。
【0005】
上記構成により、弁ケース52の入口流路57から流入した流体は、ボール弁体55の流入路55aから流出路55bへと導かれ、ボール弁体55を回転させて切換変更した所定の位置により、2つの出口流路58、59に択一的に流体の流れを切り換える。また、いずれの出口流路58、59に切り換えた場合でも、均圧孔55cを介して流体が弁室54の内部の隅々まで、すなわちボール弁体55の外側にも進入し、ボール弁体55の塑性変形を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−60799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載のボールバルブ51では、ボール弁体55がゴム等の弾性体からなるため、図7に示す状態で、ボール弁体55が塞いでいる出口流路58内の流体の圧力が、ボール弁体55内の流体の圧力より高いと、ボール弁体55が出口流路58内の流体圧によって変形し、図9において矢視するように、出口流路58内の流体が該ボール弁体55内に漏れる虞があった。
【0008】
また、上記ボール弁体55では、流入路55a及び流出路55bを含む流路を穿設しているため、大流量を切換可能なバルブとするにはボール弁体55の寸法を大きくする必要があり、ボールバルブ51の大型化に繋がるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来のボールバルブにおける問題点に鑑みてなされたものであって、ボール弁体が塞いでいる出口流路内の流体の圧力が、ボール弁体内の流体の圧力より高い場合でも、この出口流路内の流体がボール弁体内に漏れる虞のないボールバルブを提供することを目的とする。また、本発明は、これに加え、バルブを大型化することなく大流量を実現することのできるボールバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、流入路と流出路とを有し弾性体からなるボール弁体と、該ボール弁体が回転可能に収容される弁室と該弁室に連通する入口流路及び複数の出口流路とを有する弁ケースとを備え、前記流入路が常時前記入口流路に連通し、前記ボール弁体の回転動作によって、前記流出路が前記複数の出口流路のいずれかに択一的に連通するボールバルブにおいて、前記ボール弁体は、塞いだ出口流路内の流体から受ける圧力により変形して該流体が該ボール弁体内に漏れることを防止する補強部材を備えることを特徴とする。
【0011】
そして、本発明によれば、ボール弁体が塞いだ出口流路内の流体の圧力が、ボール弁体内の流体の圧力より高い場合でも、補強部材によって、この出口流路内の流体の圧力によってボール弁体が変形して該流体が該ボール弁体内に漏れることを防止することができる。
【0012】
上記ボールバルブにおいて、前記ボール弁体を、基部と、該基部の両端部から延設された2つの舌状部とで構成し、該舌状部の一方が前記流入路を形成する孔部を有し、該舌状部の他方が前記弁室に連通する孔部を有し、前記基部が前記弁室に連通する複数の出口流路のいずれか一つの出口流路を除く他の出口流路を塞ぐように構成することができる。これにより、従来のように断面円形の流入路と、流出路とを穿設するのではなく、基部と弁室の内壁とで入口流路から出口流路までの流体通路を構成することができるため、同じ弁寸法でも、より大量の流体を流すことができる。また、舌状部の他方に弁室に連通する孔部を形成したため、従来のように弁体に穿設した流入路と、流出路に連通する均圧孔を形成する必要がなく、さらに大量の流体を流すことができる。
【0013】
上記ボールバルブにおいて、前記補強部材を、前記ボール弁体の前記基部と、前記2つの舌状部にわたって延設されたコの字状の板状部材とすることができる。また、前記補強部材を、前記ボール弁体の前記基部と、前記弁室に連通する孔部を有する舌状部にわたって延設されたL字状の板状部材とすることもできる。
【0014】
上記ボールバルブにおいて、前記ボール弁体を、球体状に形成し、前記流入路と前記流出路とが該ボール弁体内で合流するように両流路を穿設してもよい。また、前記補強部材を、相対向する一対のU字状脚部と、該一対のU字状脚部の各々の中央部を連結する連結部とを備えるように構成し、該一対のU字状脚部を、前記流入路と前記流出路を跨ぐように前記ボール弁体に埋設してもよい。これによって、ボール弁体の弾性力を維持しながらボール弁体を駆動することができ、加圧によるボール弁体の変形を防ぎつつ、ボール弁体の回転トルクの増加を抑制することができる。
【0015】
さらに、前記補強部材を、インサート成形により前記ボール弁体と一体成形することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、ボール弁体が塞いでいる出口流路内の流体の圧力が、ボール弁体内の流体の圧力より高い場合でも、この出口流路内の流体がボール弁体内に漏れる虞がなく、バルブを大型化することなく大流量を実現することのできるボールバルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかるボールバルブの第1の実施形態を示す一部断面図である。
【図2】図1に示すボールバルブのボール弁体及び補強部材を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面、(c)は(a)のB−B線断面、(d)は底面図、(e)は補強部材の斜視図である。
【図3】図1に示すボールバルブに用いられるボール弁体の他の例を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面、(c)は(a)のB−B線断面、(d)は底面図である。
【図4】本発明にかかるボールバルブの第2の実施形態を示す一部断面図である。
【図5】図4に示すボールバルブのボール弁体を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面、(c)は(a)のB−B線断面である。
【図6】図4に示すボールバルブの補強部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は正面図である。
【図7】従来のボールバルブの一例を示す一部断面図である。
【図8】図7に示すボール弁体を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面、(c)は(a)のB−B線断面である。
【図9】図7のボールバルブの問題点を説明するための一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明にかかるボールバルブの第1の実施形態を示し、このボールバルブ1は、弁ケース2と、この弁ケース2の上部に配置されたギャードモーター3と、弁ケース2の弁室4内に配置されたボール弁体5とを備え、弁ケース2は、下部に1つの入口流路7と、側部に2つの出口流路8、9とを有する。
【0020】
ボール弁体5は、ゴム等の弾性体からなり、金属製の補強部材6がインサート成形により一体成形されている。
【0021】
補強部材6は、図2(e)に示すように、帯鋼をコの字状に曲折して形成され、矩形板状の基部6aから曲折した曲折部6bに、補強部材6を弁軸10に連結するための矩形状開口部6cと、下部に一対の脚状部6dとを備える。
【0022】
図2(a)〜(d)に示すように、ボール弁体5は、基部5aと、基部5aの両端部から延設された2つの舌状部5b、5cからなる。補強部材6をボール弁体5に一体化した状態では、補強部材6の基部6aがボール弁体5の基部5aの内面に沿うように、また、曲折部6bが上方舌状部5cの上面に、脚状部6dが下方舌状部5bの下面に各々一体化される。ボール弁体5の舌状部5bに流入孔(流入路)5dが穿設され、舌状部5cに孔部5eが穿設され、流入孔5dに続くボール弁体5の内部空間5fが流出路の一部を形成する。
【0023】
図1に示すように、上記ボール弁体5を弁室4に組み込んだ状態では、流入孔5dは、常時、入口流路7に連通し、内部空間5fは、2つの出口流路8、9のいずれか一方と択一的に連通するように配置される。ボール弁体5は、ギャードモーター3により弁軸10を介して回転駆動され、択一的に切換変更できるように、その回転位置を設定できるように構成される。また、出口流路8を塞いでいるボール弁体5の基部5aは、補強部材6の基部6aによって補強され、図2に示すように、ボール弁体5の上部は、補強部材6の曲折部6bによって補強され、ボール弁体5の流入孔5dの周辺部は補強部材6の脚状部6dで補強されている。
【0024】
上記構成により、図1において、弁ケース2の入口流路7から流入した流体は、ボール弁体5の流入孔5dから内部空間5fへと導かれ、ボール弁体5を回転させて切換変更した所定の位置により、2つの出口流路8、9に択一的に流体の流れを切り換えることができる。
【0025】
また、ボール弁体5の基部5aで出口流路8を塞いだ状態では、上述のように、ボール弁体5が補強部材6で補強されているため、出口流路8内の流体の圧力がボール弁体5の内部の流体の圧力より高い場合でも、出口流路8内の流体から受ける圧力により変形して流体がボール弁体5内に漏れることを防止することができる。
【0026】
さらに、上述のように、ボール弁体5の内部空間5fの両側面は開放され、直接弁室4に連通しているため、ボール弁体5の基部5a及び舌状部5c、補強部材6の基部6a並びに弁室4の内壁とで入口流路7から出口流路9までの流体通路を構成することができ、従来のように流体通路がボール弁体に孔をくり貫いて形成したものではないため、同一寸法のボール弁体でも、従来に比較してより大きな流量を実現することができる。
【0027】
さらに、上述のように、ボール弁体5の内部空間5fの両側面は開放され、直接弁室4に連通するとともに、ボール弁体5の舌状部5cに孔部5eを穿設したため、流体が入口流路7から出口流路9に流れる際に、ボール弁体5の内外には常に流体が存在し、ボール弁体5が外側に膨らんで塑性変形することはなく、従来のようにボール弁体に穿設した流入路と、流出路に連通する均圧孔を形成する必要がないため、さらに大量の流体を流すことができる。
【0028】
次に、上記ボールバルブ1に用いることのできるボール弁体の他の実施の形態について、図3を参照しながら説明する。
【0029】
ボール弁体15は、ゴム等の弾性体からなり、金属製の補強部材16がインサート成形により一体成形されている。
【0030】
ボール弁体15は、基部15aと、基部15aの両端部から延設された2つの舌状部15b、15cからなる。補強部材16をボール弁体15に一体化した状態では、補強部材16の基部16aがボール弁体15の基部15aの内面に沿うように、また、曲折部16bが上方舌状部15cの上面に各々一体化される。ボール弁体15の舌状部15bに流入孔(流入路)15dが穿設され、舌状部15cに孔部15eが穿設され、流入孔15dに続くボール弁体15の内部空間15fが流出路の一部を形成する。
【0031】
補強部材16は、帯鋼をL字状に曲折されて形成され、矩形板状の基部16aから曲折した上部16bに、補強部材6を弁軸10(図1参照)に連結するための矩形状開口部16cを備える。
【0032】
上記構成により、ボール弁体15を図1におけるボール弁体5に代えて用いた場合、弁ケース2の入口流路7から流入した流体は、ボール弁体15の流入孔15dから内部空間15fへと導かれ、ボール弁体15を回転させて切換変更した所定の位置により、2つの出口流路8、9に択一的に流体の流れを切り換えることができる。
【0033】
また、ボール弁体15の基部15aで出口流路8を塞いだ状態では、上述のように、ボール弁体15が補強部材16で補強されているため、出口流路8内の流体の圧力がボール弁体15の内部の流体の圧力より高い場合でも、出口流路8内の流体から受ける圧力により変形して流体がボール弁体15内に漏れることを防止することができる。
【0034】
さらに、上述のように、ボール弁体15の内部空間15fの両側面は開放され、直接弁室4に連通するため、ボール弁体15の基部15a及び舌状部15c、補強部材16の基部16a並びに弁室4の内壁とで入口流路7から出口流路9までの流体通路を構成することができ、従来のように流体通路がボール弁体に孔をくり貫いて形成したものではないため、同一寸法のボール弁体でも、従来に比較してより大きな流量を実現することができる。
【0035】
さらに、上述のように、ボール弁体15の内部空間15fの両側面は開放され、直接弁室4に連通するとともに、ボール弁体15の舌状部15cに孔部15eを穿設したため、流体が入口流路7から出口流路9に流れる際に、ボール弁体15の内外には常に流体が存在し、ボール弁体15が外側に膨らんで塑性変形することはなく、従来のようにボール弁体に穿設した流入路と、流出路に連通する均圧孔を形成する必要がないため、さらに大量の流体を流すことができる。
【0036】
尚、ボール弁体15は、舌状部15bに補強部材16が存在しないため、ボール弁体5に比較して、ボール弁体15の補強効果は若干小さくなるものの、その分ボール弁体15の回動に要する動力を小さくすることができるため、ボール弁体5又はボール弁体15のいずれを選択するかは、ボール弁体5、15に加わる圧力等を勘案して適宜選択することができる。
【0037】
次に、本発明にかかるボールバルブの第2の実施形態について、図4〜図6を参照しながら説明する。
【0038】
図4は、本発明にかかるボールバルブの第2の実施形態を示し、このボールバルブ31は、図7に示した従来のボールバルブ51と同様の基本構成を有し、弁ケース32と、弁ケース32の上部に配置されたギャードモーター33と、弁ケース32の弁室34内に配置されたボール弁体35とを備え、弁ケース32は、下部に1つの入口流路37と、側部に2つの出口流路38、39とを有する。
【0039】
ボール弁体35は、ゴム等の弾性体からなり、金属製の補強部材36がインサート成形により一体成形されている。ボール弁体35には、図5に明示するように、その中心部付近で合流する断面円形の流入路35aと、流出路35bと、均圧孔35cとが穿設され、上部に補強部材36の突出部36d、36eが露出する。
【0040】
補強部材36は、図6に示すように、相対向する一対のU字状脚部36a、36bと、これらの中央部を連結する連結部36cと、突出部36d、36eとを備え、補強部材36をボール弁体35に一体化した状態では、図5に示すように、一対のU字状脚部36a、36bが流入路35aと流出路35bを跨ぐようにボール弁体35に埋設される。
【0041】
図4に示すように、上記ボール弁体35を弁室34に組み込んだ状態では、流入路35aは、常時、入口流路37に連通し、流出路35bは、2つの出口流路38、39のいずれか一方と択一的に連通するように配置される。ボール弁体35は、補強部材36の突出部36d、36eを介して弁軸40に連結され、ギャードモーター33により弁軸40を介して回転駆動され、2つの出口流路38、39のいずれか一方と択一的に切換変更できるように、その回転位置を設定できるように構成される。
【0042】
また、流体が入口流路37から出口流路39に流れる際に、均圧孔35cを介して、ボール弁体35によって閉じられている弁室34の内部34a等にも流体を進入可能とし、ボール弁体35の内外の圧力を均一化し、ボール弁体35が外側に膨らんで塑性変形することを防止している。
【0043】
上記構成により、弁ケース32の入口流路37から流入した流体は、ボール弁体35の流入路35aから流出路35bへと導かれ、ボール弁体35を回転させて切換変更した所定の位置により、2つの出口流路38、39に択一的に流体の流れを切り換える。また、いずれの出口流路38、39に切り換えた場合でも、均圧孔35cを介して流体が弁室34の内部の隅々まで、すなわちボール弁体35の外側にも進入し、ボール弁体35の塑性変形を防止する。
【0044】
また、ボール弁体35の基部35dで出口流路8を塞いだ状態では、上述のように、ボール弁体35が補強部材36で補強されているため、出口流路38内の流体の圧力がボール弁体35の内部の流体の圧力より高い場合でも、出口流路38内の流体から受ける圧力により変形して流体がボール弁体35内に漏れること、特にX部からの漏れを防止することができる。
【0045】
ここで、本実施の形態においては、補強部材36のU字状脚部36a、36b、すなわち4本の脚部によってボール弁体35を補強しているため、ボール弁体35の弾性力を維持しながらボール弁体35を駆動することができ、加圧によるボール弁体35の変形を防ぎつつ、ボール弁体35の回転トルクの増加を抑制することができる。また、補強部材36は、プレス成形で容易に加工することができ、補強部材36をインサート成形によりボール弁体35と一体成形できるため、製造も容易である。
【0046】
尚、上記実施の形態においては、本発明にかかるボールバルブ1、31を三方切替弁に適用した場合について説明したが、ボールバルブ1、31は、三方切替弁に限らず、ボール弁体が回転可能に収容される弁室を有するその他のバルブにも適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 ボールバルブ
2 弁ケース
3 ギャードモーター
4 弁室
4a (弁室の)内部
5 ボール弁体
5a 基部
5b 舌状部
5c 舌状部
5d 流入孔
5e 孔部
5f 内部空間
6 補強部材
6a 基部
6b 曲折部
6c 矩形状開口部
6d 脚状部
7 入口流路
8 出口流路
9 出口流路
10 弁軸
15 ボール弁体
15a 基部
15b 舌状部
15c 舌状部
15d 流入孔
15e 孔部
15f 内部空間
16 補強部材
16a 基部
16b 曲折部
16c 矩形状開口部
31 ボールバルブ
32 弁ケース
33 ギャードモーター
34 弁室
34a (弁室の)内部
35 ボール弁体
35a 流入路
35b 流出路
35c 均圧孔
35d 基部
36 補強部材
36a、36b U字状脚部
36c 連結部
36d、36e 突出部
37 入口流路
38 出口流路
39 出口流路
40 弁軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入路と流出路とを有し弾性体からなるボール弁体と、該ボール弁体が回転可能に収容される弁室と、該弁室に連通する入口流路及び複数の出口流路とを有する弁ケースとを備え、前記流入路が常時前記入口流路に連通し、前記ボール弁体の回転動作によって、前記流出路が前記複数の出口流路のいずれかに択一的に連通するボールバルブにおいて、
前記ボール弁体は、塞いだ出口流路内の流体から受ける圧力により変形して該流体が該ボール弁体内に漏れることを防止する補強部材を備えることを特徴とするボールバルブ。
【請求項2】
前記ボール弁体は、基部と、該基部の両端部から延設された2つの舌状部からなり、該舌状部の一方が前記流入路を形成する孔部を有し、該舌状部の他方が前記弁室に連通する孔部を有し、前記基部が前記弁室に連通する複数の出口流路のいずれか一つの出口流路を除く他の出口流路を塞ぐことを特徴とする請求項1に記載のボールバルブ。
【請求項3】
前記補強部材は、前記ボール弁体の前記基部と、前記2つの舌状部にわたって延設されたコの字状の板状部材であることを特徴とする請求項2に記載のボールバルブ。
【請求項4】
前記補強部材は、前記ボール弁体の前記基部と、前記弁室に連通する孔部を有する舌状部にわたって延設されたL字状の板状部材であることを特徴とする請求項2に記載のボールバルブ。
【請求項5】
前記ボール弁体は、球体状に形成され、前記流入路と前記流出路とが該ボール弁体内で合流するように穿設されることを特徴とする請求項1に記載のボールバルブ。
【請求項6】
前記補強部材は、相対向する一対のU字状脚部と、該一対のU字状脚部の各々の中央部を連結する連結部とを備え、
該一対のU字状脚部が前記流入路と前記流出路を跨ぐように前記ボール弁体に埋設されることを特徴とする請求項5に記載のボールバルブ。
【請求項7】
前記補強部材は、インサート成形により前記ボール弁体と一体成形されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のボールバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−223418(P2010−223418A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76446(P2009−76446)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(391002166)株式会社不二工機 (451)
【Fターム(参考)】