ポイント−マルチポイントシステムにおける冗長化伝送システム
【課題】通常時においても予備の伝送路系の帯域を活用することにより、経済的なPONシステムの冗長化伝送システムを提供する。
【解決手段】センタ側装置(OLT)は、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、加入者側装置(ONU)は、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、OLTとONU間において、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行う。
【解決手段】センタ側装置(OLT)は、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、加入者側装置(ONU)は、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、OLTとONU間において、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光分岐素子すなわち光スプリッタを介した光加入者ネットワークにおけるポイント−マルチポイントシステムにおける冗長化伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パッシブ光ネットワーク(PON)システムの冗長化システムに関しては、非特許文献1および非特許文献2で標準勧告化されているが、これまでにこれらを改良した冗長化システムの開発が盛んに行われている。
【0003】
図39は、特許文献1および特許文献2に係る、従来の冗長機能を備えるパッシブ光ネットワーク(PON)システムの構成例である。光伝送路系#0は、加入者側装置(ONU)の光送受信部#0とセンタ側装置(OLT)の光送受信部#0とを接続している。一方、光伝送路系#1は、ONUの送受信部#1とOLTの送受信部#1とを接続している。光伝送路系#0に障害が生じた場合、ONUの系切替SW部とOLTの系切替SW部にて光伝送路系#1へ切替える。しかし、この技術では、特定のONUの送受信部#0が故障した場合や、スプリッタから特定のONU区間で断線等の障害が生じた場合でも、同一の伝送路系に収容されるすべてのシステムを別の伝送路系へ切り替える必要があり、障害による影響を受けていないシステムも切替の対象となってしまう。図39の例では、ONU#2は、ONU#1の障害に伴い伝送路系の切替を行わなければならない。このような系切替では、ONU単位の障害なのか複数のONUに跨る障害なのかを判定するために、同一の伝送路系に収容される全システムの正常性の確認を行った後に切り替える必要があり、収容されているONUの数が増えると切替のための時間がかかる。さらに、伝送路系によってOLTとONU間の距離が変化するため、再度PONの信号制御のためのレンジング処理(ITU−TG.983.1のRanging処理、IEEE Std802.3ahのAuto Discover処理等)を行い、全てのONUの登録をやり直す必要がある。また、予備の伝送路系は、障害が起きた時のためのコールドスタンバイとなっているため、通常利用することがなく、不経済である。さらに、冗長構成を必要としない非冗長ONUを同一のPONに収容すると、冗長構成をとっているONUの切替に伴って通信断が起こり、ONUを予備系へ手作業でつなぎなおす必要があるため、実質的に非冗長ONUの同時収容は不可能である。
【0004】
図40は、特許文献3に係る、ONU毎に伝送路系の選択が可能なPONシステムの構成例である。OLTには新たにONU登録制御部を実装し、系切替SW部の代わりに分岐結合部を実装している。ONUにはONU登録切替制御部を実装している。ONUでは、障害が発生すると、PON終端部からONU登録切替制御部へ受信信号の異常信号を通知し、系切替SW部において障害が発生している光伝送路から別の光伝送路へ切替を行う。また、ONU登録切替制御部は、PON終端部に対して、ONUの登録を初期化し、未登録状態へ遷移させ、OLTからのレンジング処理と登録処理を待つ。一方、OLTでは、PON終端部において障害を検出すると、PON終端部から受信信号の異常をONU登録制御部へ通知し、該当するONU毎の登録を初期化し、未登録の状態に遷移させて、レンジング処理と登録処理を開始する。なお、強制的に切替が必要である場合は、オペレーションシステム等から強制切替信号をOLTへ送信し、さらにOLTからONUに登録初期化を通知することでONU単位に切替を実行することができる。また、OLT内の分岐結合部は、系を構成するそれぞれの光送受信部の信号を単純に合流分配するものであり、特別な電気信号の変換や信号位置のタイミング調整を必要とするものではないため、安価な機器である。しかしながら、この技術においても、予備の伝送路系を通常時に利用することがなく、不経済である。また、レンジング処理を行うことから、切替時間が長くなってしまう。
【0005】
図41は、特許文献4に係る、ATMSWやL2SWなどの動的SW部を用いて上位レイヤにて切替を行う例である。図41では、L2SWを適用した場合について記載する。この方式では、あらかじめ伝送路系#0と伝送路系#1に帯域を確保しておき、障害が発生した時に動的SW部を用いて上位レイヤのパス(例えば、VLAN ID単位)を切り替える。図の例では、伝送路系#0のPONシステムに対し、VLAN#10、VLAN#20のパスを設定し、伝送路系#1のPONシステムに対し、VLAN#11とVLAN#21のパスを設定している。この方式の場合、障害の影響が及ぶシステムのみ切替の対象となる。また、あらかじめ2つのPONシステムの系にONUは登録されているため、切替に伴うレンジング処理は必要ではなく、特許文献1〜3で指摘された問題は生じない。しかし、2つのPONシステムを並列で動作させる必要があり、また、切替のための帯域を予備となる伝送路系にあらかじめ確保する必要がある。したがって、この技術においても、予備の伝送路系を通常時に利用することがないことから、不経済であると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−242207号公報
【特許文献2】特開2004−96734号公報
【特許文献3】特開2006−180422号公報
【特許文献4】特開2002−218008号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ITU-T G.983.5, SERIES G:TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL SYSTEMS AND NETWORKS, Digital sections and digital line system-Optical line systems for local and access networks, A broadband optical access system with enhanced survivability
【非特許文献2】ITU-T G.984.1,S ERIES G:TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL SYSTEMS AND NETWORKS, Digital sections and digital line system-Optical line systems for local and access networks, General characteristics for Gigabit-capable Passive Optical Networks(GPON)
【非特許文献3】ITU-T I.630, SERIES I:INTEGRATED SERVICES DIGITAL NETWORK, Maintenance principles, ATM protection switching
【非特許文献4】ITU-T G.8031/Y.1342, SERIES G:TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL SYSTEMS ANDNETWORKS, Ethernet(登録商標) over Transport aspects-General aspect, SERIES Y:GLOBAL INFORMATION INFRASTRUCTURE, INTERNET PROTOCOL ASPECTS AND NEXT-GENERATION NETWORKS, Internet protocol aspect-Transport, Ethernet(登録商標) Protection Switching
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の冗長構成を有するPONシステムの場合、通常時は通信に用いない予備の伝送路系に対してOLTにおける予備専用のPON終端部や光送受信部、OLTから光分岐素子までのFeeder区間でのファイバ設置等が必要であり、不経済であった。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、通常時においても予備の伝送路系の帯域を活用することにより、経済的なPONシステムにおける冗長化伝送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替電気SW部の切替と、切替先のONU側光送受信部の送信波長の光出力開始と、切替元のONU側光送受信部の送信波長の光出力停止と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とする。
【0011】
上記冗長化伝送システムおいて、前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる場合もあり得る。
【0012】
また、本発明は、光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記波長可変光送受信部における切替先のOLTPON終端部の波長セットに対応した送信波長の波長変換と、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる1対の光送受信部と、各光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、受信波長のみが異なる非冗長の光送受信部と、光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号またはONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、複数の光伝送路を介して複数の加入者側装置(ONU)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)のセンタ側装置(OLT)において、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、前記ONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とする。
【0015】
前記センタ側装置(OLT)おいて、前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる場合もあり得る。
【0016】
また、本発明は、複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替電気SW部の切替と、切替先の光送受信部の送信波長の光出力開始と、切替元の光送受信部の送信波長の光出力停止と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とする。
【0017】
前記加入者側装置(ONU)システムおいて、前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる場合もあり得る。
【0018】
また、本発明は、複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記波長可変光送受信部における切替先のOLTPON終端部の波長セットに対応した送信波長の波長変換と、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、非冗長のONUPON終端部と、受信波長のみが異なる非冗長の光送受信部と、光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように、本発明によれば、従来の冗長構成を有するPONシステムで、通常時に利用できなかった予備の伝送路系を利用することができ、経済的である。
また、動的SW部を用いた冗長化伝送方式では、上位レイヤでの切替処理により、切替処理におけるPONレイヤでのレンジング処理を不要にできることから、切替処理の高速化を図ることができる。
また、本発明によれば、ONU単位の切替制御が可能であるため、非冗長ONUを各PONシステムに収容しても、冗長構成をとっている他のONUの切替に伴う通信断を回避することができる。
また、本発明は、波長レベルで冗長化されているため、光分岐素子とONU間を非冗長の光伝送路で構成する場合においても、ONUにおいて、上り信号の波長と下り信号の波長の組である波長セットのうちのいずれかの波長セットの波長を多重分離可能な波長多重分離部を設置すれば、光分岐素子〜OLTのPON終端部までの冗長化が可能となる。言い換えれば、同一のPONシステム内に、非冗長ONU、光分岐素子〜OLTのPON終端部、ONU〜OLTのPON終端部の3つの異なるプロテクションレベルのONUを混在して提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)と加入者側装置(ONU)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムである。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態である、各PONシステムに対して異なる上り方向と下り方向の波長セットを適用する冗長化伝送システムについて説明する。
【0022】
図1は、第1の実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。センタ側装置(OLT)は、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各波長セット単位に設定した現用と予備のコネクション情報の管理と現用と予備のコネクションの切替制御を行う上位レイヤの動的SW部(OLT切替制御手段)を備え、加入者側装置(ONU)は、1対のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各波長セット単位に設定した現用と予備のコネクション情報の管理と現用と予備のコネクションの切替制御を行う上位レイヤの動的SW部(ONU切替制御手段)を備える。
OLTPON終端部とONUPON終端部は、各波長セット単位に常時通信し、OLT側動的SW部とONU側動的SW部が各波長セット単位に設定した現用と予備のコネクションを切替制御することによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行う。
【0023】
OLTとONUは、2:4n(図1ではn=2)の光分岐素子(光パワースプリッタ)と光伝送路媒体からなる複数の光伝送路で接続されており、図2に示すように、各PONシステムには、上り信号の波長と下り信号の波長の組である波長セット(λu1,λd1)、(λu2,λd2)が割り当てられる。光分岐素子(光パワースプリッタ)と光伝送路の接続構成例を図3、図4に示す。図3は、OLTとONU間を1段の光分岐素子で接続する構成例であり、図4は、2段の光分岐素子で接続する構成例である。光分岐素子の分岐数および段数は、サービス用途に応じて容易に構成を変更可能である。OLTのPON終端部#1を介して通信するPONシステムをPONシステム#1、PON終端部#2を介して通信するPONシステムをPONシステム#2とすると、PONシステム#1には(λu1,λd1)、PONシステム#2には(λu2,λd2)が割り当てられている。ONU#1〜#n(図1では#11、#12)は、図2に示すように、通常時はPONシステム#1に属し、波長セット(λu1,λd1)を現用パス、波長セット(λu2,λd2)を予備パスとして動作し、同様にONU#n+1〜#2n(図1では#21,#22)は、通常時はPONシステム#2に属し、波長セット(λu2,λd2)を現用パス、波長セット(λu1,λd1)を予備パスとして動作する。
【0024】
PONシステム#1に対するOLT光波長多重分離部#1は、波長セット(λu1,λd1)の波長多重分離が可能であり、波長セット(λu2,λd2)の波長をブロックする。逆にPONシステム#2に対するOLT光波長多重分離部#2は、波長セット(λu2,λd2)の波長多重分離が可能であり、波長セット(λu1,λd1)をブロックする。また、ONUには、波長セット(λu2,λd2)をブロックし、波長セット(λu1,λd1)のみを波長多重分離する光波長多重分離部#1と、波長セット(λu1,λd1)をブロックし、波長セット(λu2,λd2)のみを波長多重分離する光波長多重分離部#2がそれぞれ実装される。これにより、PONシステム#1(#2)では、PONシステム#2(#1)の波長セットの波長に影響されることなく、通信を行うことができる。
【0025】
また、上位レイヤの動的SW部では、コネクションもしくはコネクショングループをONU単位に設定し、コネクション番号から通信先のONUを識別可能である。上位レイヤのコネクションとして、現用と予備のコネクションがそれぞれ静的に設定されており、動的SW部は、ペアとなる現用と予備のコネクション情報の管理と、切替時におけるコネクション情報の更新を行う。PONシステムでは、(λu1,λd1)と(λu2,λd2)の2つの波長セットを介して現用パスと予備パスが設定されており、PONシステムで常時、現用パスと予備パスの通信が確立されているため、通常時には動的SW部は現用のコネクションを介してクライアント信号を送受信し、予備のコネクションを介してCC(Continuous Check)による接続性の確認や切替制御情報の通信を行うことが可能である。
【0026】
図1において、例えば光伝送路#111に障害が発生した場合、ONU#11の動的SW部は、ONUPON終端部#1からのパスレベルの受信信号異常信号の受信、もしくはコネクションレベルでの受信信号の異常検出をトリガーとして、切替制御通信を行いながら、光伝送路#111−#1を経由する現用のコネクションを、光伝送路#112−#2を経由する予備のコネクションに切替を行う。
なお、OLTに実装される動的SW部においてもコネクションレベルでの受信信号の異常検出をトリガーとした切替制御が可能である。
【0027】
なお、上位レイヤにおけるコネクションの切替方式としては、非特許文献3および非特許文献4に記載の切替方式が代表的であり、適用可能である。
また、オペレータがオペレーションシステムを経由して系を切り替える必要がある場合、オペレーションシステムからOLTへコマンド(系切替信号)を送信し、OLTからONUへコマンドを送信することにより実現可能である。
【0028】
図5は、図1の構成において、ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例である。OLTおよびONU#11に実装される動的SW部は、PON終端部からの受信信号異常信号の受信もしくは受信信号の異常の検出が可能であるため、現用のコネクションから予備のコネクション、すなわち光伝送路#111−#1の経路から光伝送路#112−#2の経路に切替えることによって障害復旧が可能である。
【0029】
図6に本実施例の切替制御フローを示す。OLTとONUに対向して設置された動的SW部は、現用および予備のコネクション上で常時、CC(Continuous Check)により接続性の確認を行っている。現用のコネクション上に障害が発生すると、対向する動的SW部において現用→予備のコネクションに切替を行う。なお、対向する動的SW部に対して、障害検出から切替完了前の状態では、切替要求=信号断(SF:Signal Failure)、選択系=1系(現用パス)の切替制御情報を送信し、切替完了後に切替要求=信号断(SF:Signal Failure)、選択系=2系(予備パス)の切替制御情報を送信する。切替完了後は、対向する動的SW部から受信する選択系の切替情報を参照し、選択系に不一致が生じていないことを確認する。なお、図6において、切替要求=XX(Xは任意の値)は、例えば正常(NR:No Request)、信号断、信号品質劣化、(オペレータによる)強制切替中/手動切替中など自装置内で最も優先順位の高い切替制御における要求を対向する切替装置に伝達するためのメッセージ(切替制御情報)であり、選択系=X系(Xは任意の値)は、自装置内で実際に選択している系(現用パス(0系)、予備パス(1系))を示すメッセージ(切替制御情報)である。
【0030】
図7は、図1の構成において、光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例である。OLTおよびONU#11、#12に実装される動的SW部は、上記同様、PON終端部からの受信信号異常信号の受信もしくは受信信号の異常の検出が可能であるため、OLT〜ONU#11の区間とOLT〜ONU#12の区間において現用のコネクションから予備のコネクションに切り替えることによって障害復旧が可能である。なお、本実施例の切替制御フローは、図6と同様となる。
【0031】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。第2の実施の形態における光分岐素子と光伝送路の構成、および波長セットの割当ては第1の実施形態と同じである。ただし、現用パスもしくは予備パスのいずれか一方のみしかOLTPON終端部とONUPON終端部の間に確立できず、PONシステムレベルでの切替制御によって障害状況に応じていずれかのコネクションを選択的に確立する必要がある。なお、OLTのONU登録制御部は、PONシステム内の切替制御に連動させて、上位レイヤの動的SW部においてONU単位に設定されたコネクションもしくはコネクショングループをOLTPON終端部#1もしくはOLTPON終端部#2に切り替えるため、上位レイヤの動的SW部に対して切替要求信号を送信する必要がある。
【0032】
第2の実施の形態では、OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の切替制御を行うONU登録制御部(OLT切替制御手段)を備え、ONUは、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部(ONU切替制御手段)を備える。
【0033】
ONUでは、ONU登録切替制御部は、ONUPON終端部より受信信号異常信号を受信する。この受信信号異常信号は、ONUPON終端部が受信信号の信号断や伝送品質劣化(例えば、ビットエラー)、選択している系の異常信号を示す監視制御信号などを検出した場合、ONUPON終端部より送信される信号である。この信号をONU登録切替制御部が受信すると、系切替電気SW部に系切替制御信号を送信し、系切替電気SW部は、系切替を行い、切替元となる光送受信部の光出力を停止し、切替先となる光送受信部の光出力を開始する。また、上記の系切替および光出力制御の完了後、ONU登録切替制御部は、ONU登録初期化信号をONUPON終端部へ送信し、ONUを未登録状態に遷移させ、OLTからのレンジング処理と登録処理を待つ。
【0034】
OLTでは、切替先のOLTPON終端部において、該当するONUに対するレンジング処理と登録処理を行うとともに、切替元のOLTPON終端部において該当するONUの登録削除処理を行う。また、上位レイヤの動的SW部における該当するONUのコネクションを切替えるために、切替要求信号を動的SW部に送信する。
【0035】
一方、OLT側において、ONU登録制御部がOLTPON終端部より受信信号異常信号を受信した場合、該当ONUへ系切替信号を送信し、ONU登録初期化信号をOLTPON終端部へ送信し、切替元のOLTPON終端部において該当ONUを未登録の状態に遷移させ、切替先のOLTPON終端部においてレンジング処理と登録処理を開始する。また、上位レイヤの動的SW部における該当するONUのコネクションを切替えるために、切替要求信号を動的SW部に送信する。
【0036】
なお、オペレータがオペレーションシステムを経由して系を切り替える必要がある場合、オペレーションシステムからOLTへコマンド(系切替信号)を送信し、OLTからONUへコマンド(系切替信号)を送信することにより実現可能である。
【0037】
図9は、図8の構成において、ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例である。
図10に本実施例の切替制御フローを示す。ONU#11は、ONUPON終端部にて障害を検出するため、ONU登録切替制御部へ受信信号の異常通知を行う。ONU登録切替制御部は、系切替電気SW部の系切替、光送受信部#1の光出力停止と光送受信部#2の光出力開始を行い、各機能部からの制御完了の応答を受信後、ONUPON終端部に対してONU登録初期化を行う。
【0038】
次に、ONUPON終端部は、切替先のOLTPON終端部#2から受信するDiscovery信号に応じて、OLTに登録要求であるRanging Request信号を送信する。OLTPON終端部#2は、Ranging Request信号の受信をONU登録制御部へ通知し、ONU登録制御部は、PON終端部#1→PON終端部#2への当該ONU情報の転写、PON終端部#1における当該ONUの未登録処理を行うとともに、上位の動的SW部に対してPON終端部#2を経由してPON終端部#1→PON終端部#2への切替要求を送信する。ONU登録制御部は、ONU情報転写、ONU未登録処理、上位の動的SW部からの完了応答を受信し、OLTの切替処理の完了を確認する。
【0039】
この後、OLTのONU登録制御部からPON終端部#2を経由して、当該ONUへ登録完了(Register)通知を送信する。登録完了を受信したONUPON終端部は、ONU登録切替制御部へ登録完了通知を送信すると共に、切替先のOLTPON終端部#2に対して、応答(Ack)を送信する。なお、必要に応じて、切替先となる光伝送の伝送品質を確認するための導通試験を行っても良い。
【0040】
以上により、全ての切替処理が完了し、主信号がPONシステム#2系の光伝送路を介して伝送が再開される。なお、図10には図示しないが、上り方向の全ての信号は、OLTから割り当てられたタイミングと帯域に従って送信を行っている。また、本実施例は、あくまでも一例であり、一部処理の省略もしくは実施タイミングの変更が可能であることは言うまでもない。
さらに、OLTとONU間の定期的な接続性確認の実施の有無は、実装に依存しており、上記の実施例は、定期的な接続性確認を実施しない場合について記載している。この場合、OLT側では、本区間の障害によりデータ送受信が不可の状態に陥っているのか、あるいは正常状態で単にONUから送信すべきデータがないのかを区別することができないため、OLT側で障害発生を検出できず、ONU側での障害検出となる。
【0041】
図11は、図8の構成において、光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例である。この場合、OLT、ONU#11、ONU#12の双方において光入力レベルの低下等によって障害を検出できるため、OLTはONUからのレンジング処理の要求を待つことなく、OLT〜ONU#11の区間とOLT〜ONU#12の区間の切替制御を開始できる。
【0042】
図12に本実施例の切替制御フローを示す。本実施例の図10との差分は、OLT側の切替処理の開始のタイミングのみであり、図10では、切替処理開始のトリガはONUからの登録要求の受信となるが、本実施例では、OLTPON終端部からの受信信号の異常通知となる。
【0043】
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に関わる冗長化伝送方式の基本構成である。第3の実施の形態における光分岐素子と光伝送路の構成、および波長セットの割当ては、第1の実施形態および第2の実施形態と同じである。第2の実施形態と同様、PONシステムレベルでは、現用パスもしくは予備パスのいずれか一方のみしかOLTPON終端部とONUPON終端部の間に確立できないため、障害状況に応じていずれかを選択的に確立する必要がある。
【0044】
第3の実施形態では、OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の切替制御を行うONU登録制御部(OLT切替制御手段)を備え、ONUは、非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部(ONU切替制御手段)を備える。
【0045】
ONU登録切替制御部は、ONUPON終端部より受信信号異常信号を受信すると、系切替制御信号を系切替光SW部に送信し、系切替光SW部は、系切替を行い、波長可変光送受信部は、送信波長を切替先のOLTPON終端部の波長セットに波長変換を行う。また、ONU登録切替制御部は、上記の系切替および波長変換の完了後、ONU登録初期化信号をONUPON終端部へ送信し、ONUを未登録状態に遷移させ、OLTからのレンジング処理と登録処理を待つ。以降のOLTでの切替制御は、第2の実施形態と同様となる。
一方、OLT側において、ONU登録制御部がOLTPON終端部より受信信号異常信号を受信した場合も、OLT内の切替制御は第2の実施形態と同じとなる。
【0046】
図14は、図13の構成において、ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例である。
図15に本実施例の切替制御フローを示す。図10との差分は、ONUの切替処理における光出力制御のみである。本実施例では、波長可変光送受信部を用いるため、切替元の光送受信部の光出力停止と切替先の光送受信部の光出力開始の手順が、波長可変光送受信部における波長変換となる。その他の処理については、図10の切替制御フローと同一となる。
【0047】
図16は、図13の構成において、光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例である。
図17に本実施例の切替制御フローを示す。この場合、OLT、ONU#11、ONU#12の双方において光入力レベルの低下等によって障害を検出できるため、OLTはONUからのレンジング処理の要求を待つことなく、OLT〜ONU#11の区間とOLT〜ONU#12の区間の切替制御を開始できる。したがって、本実施例の図15との差分は、OLT側の切替処理の開始のタイミングのみであり、図15では切替処理開始のトリガはONUからの登録要求の受信となるが、本実施例では、OLTPON終端部からの受信信号の異常通知となる。
【0048】
なお、第1、第2および第3の実施形態に示す冗長化伝送システムは、双方のPONシステム#1、#2で伝送帯域をフルに使用している場合、障害復旧時においてPONシステムに収容されるONU数がnから2nに増加するため、ONU毎の保障帯域が通常時の50%程度に低減してしまう問題がある。このため、各PONシステムにおいて切替により障害復旧を図る高優先クラスのデータトラヒックの収容率を伝送帯域の50%とする必要がある。
【0049】
次に、図18に示すようにPONシステム#1、#2に対して上り方向の波長を共有し、下り方向の波長のみが異なる波長セットを適用する冗長化伝送システムについて説明する。上り信号の波長の共有は、上り方向の伝送帯域が下り方向と比較して小さく、伝送帯域が非対称となる場合に適用が可能である。この場合、各PONシステムのOLTPON終端部#1、#2における制御タイミング(IEEE Std802.3ahのMPCPタイミング等)を同期させ、PONシステム#1、#2における上り方向の帯域割り当てスロットを固定的なタイミングにて設定するなどの制御が必要となる。
【0050】
図19は、上り方向の波長を共有したときの第1の実施形態(図1)に対するONU構成例を示す図である。図1と同じ構成であるが、上り方向の波長が同じであるため、ONUの対となる光送受信器は、同一の送信波長の光送受信器となる。
図20および図21に、上り方向の波長を共有したときの第1の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す。
図中のLLID(Logical Link IDentifier)は論理リンクの識別子である。図中の符号は、ONUとLLIDが1対1に対応している場合について示している。
【0051】
第1の実施形態では、各ONUの現用パスおよび予備パスの両パスの通信が確立されているため、PONシステム#1の帯域割り当てスロットにはONU#1〜#nの現用パス、ONU#n+1〜#2nの予備パスに対する帯域が割り当てられ、PONシステム#2の帯域割り当てスロットにはONU#1〜#nの予備パス、ONU#n+1〜#2nの現用パスに対する帯域が割り当てられる。各スロット内のONUに対する帯域の割当ては、各ONUPON終端部の要求に従ってOLTPON終端部が一元的かつ動的に割り当てを行う。通常時は、図20に示すように、予備パスでは切替制御情報やCCによる接続性の確認しか実施されないため、予備パスに対する割り当て帯域は小さくなる。図21は、PONシステム#1の伝送品質劣化(ビットエラー)の障害によりONU#1〜#nをPONシステム#2に切り替え、PONシステム#2を経由して全ONUとデータ通信を行う場合である。この場合、PONシステム#2で割り当てるONU数が増加するため、ONU毎の割当て帯域が通常時と比較して小さくなる。
【0052】
第1の実施形態では、上り方向の波長(同一波長)を双方のPONシステムで共有する場合においても、図20および図21に示すように、上り方向の帯域割り当てスロットを各PONシステム単位に固定的に割り当てることで、動的SW部における現用と予備のコネクションにおいても経路の独立性を確保できるため切替制御が可能である。
【0053】
図22は、上り方向の波長を共有したときの第2の実施形態(図8)に対するONU構成例を示す図であり、図23は、上り方向の波長を共有したときの第3の実施形態(図13)に対するONU構成例を示す図である。図24および図25に、上り方向の波長を共有したときの第2の実施形態および第3の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す。
第2の実施形態および第3の実施形態では、通常時は、各ONUの現用パスのみの通信が確立されているため、図24に示すように、PONシステム#1の帯域割り当てスロットにはONU#1〜#nの現用パスに対する帯域が割り当てられ、PONシステム#2の帯域割り当てスロットにはONU#n+1〜#2nの現用パスに対する帯域が割り当てられる。図25は、PONシステム#1の障害によりONU#1〜#nをPONシステム#2に切り替え、PONシステム#2を経由して全ONUとデータ通信を行う場合である。この場合も、第1の実施形態と同様に、PONシステム#2で割り当てるONU数が増加するため、ONU毎の割当て帯域が通常時と比較して小さくなる。
【0054】
第2の実施形態および第3の実施形態では、上り方向の波長(同一波長)を双方のPONシステムで上り共有する場合においても、図24および図25に示すように、上り方向の帯域割り当てスロットを各PONシステム単位に固定的に割り当てることで、PONシステムにおける現用パスと予備パスの経路の独立性を確保できるため切替制御が可能である。なお、第3の実施形態の場合、当然のことながら、ONUからの送信波長は、切替前と切替後で同一波長を用いるため、波長可変光送受信器における波長変換処理は不要となる。
【0055】
なお、各OLTPON終端部は、自分宛の上り方向の帯域割り当てスロットから受信するデータのみを通過させ、自分宛以外の上り方向の帯域割り当てスロットから受信するデータは破棄する。
【0056】
上述したように、各PONシステムにおいて上り信号の波長を共有する場合、第1の実施形態および第2の実施形態に関わる冗長化伝送システムでは、波長セットに応じた光送受信部および光波長多重分離部を設置し、上り方向の帯域割当てスロットを通信するPONシステムに応じて選択することによって障害復旧が実現可能である。
さらに、第3の実施形態に関わる冗長化伝送システムでは、波長セットに応じた光送受信部および光波長多重分離部を設置し、上り方向の帯域割当てスロットを通信するPONシステムに応じて選択することによって障害復旧が実現可能である。ただし、ONUにおける波長可変光送受信部は、固定波長を出力する光送受信部への交換が可能であるため、図23に示すようなONUに固定波長の光送受信部を実装したONU構成による実現が経済的である。
【0057】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1、第2および第3の実施形態の構成において、ONU〜光分岐素子の区間の光伝送路が冗長化されていない構成である。
本発明は、現用パスと予備パスに対して別波長を割り当てることにより波長レベルで経路が冗長化されているため、光伝送路が一部区間で非冗長であっても適用が可能である。図26に上り信号の波長と下り信号の波長が異なる波長セット(λu1,λd1),(λu2,λd2)に対する波長割当て、図27に上り信号の波長を共有する波長セット(λu1,λd1),(λu1,λd2)に対する波長割当てを示す。なお、本実施例では物理構成のみの変更であることから、切替処理のシーケンスフローへの影響・変更は発生しない。
【0058】
第4の実施形態におけるファイバの接続構成例を図28〜図30に示す。図28は光分岐素子を1段で構成する場合のファイバ接続構成例、図29は光分岐素子を2段で構成する場合のファイバ接続構成例、図30は光分岐素子を2段で構成し、1段目から2段目の光分岐素子間の光伝送路についても冗長化する場合のファイバ接続構成例である。
【0059】
第4の実施形態におけるONUの構成例を図31〜図33に示す。図31は第1の実施形態(図1)に対するONU構成例、図32は第2の実施形態(図8)に対するONU構成例、図33は第3の実施形態(図13)に対するONU構成例である。各構成例に示すように、ONUにおける光波長多重分離部を、2芯ファイバに対する1対の光波長多重分離部から1芯ファイバに対する光波長多重分離部に交換するだけで、第4の実施形態に対しても冗長化が可能である。
【0060】
なお、上り方向の波長(同一波長)を双方のPONシステムで共有する場合においても、上り方向の帯域割り当てスロットを各PONシステム単位に固定的に割り当てることで、PONシステムにおける現用パスと予備パスの経路の独立性を確保できる。
上り方向の波長を共有したときのONUの構成例を図34〜図36に示す。図34は第1の実施形態(図1)に対するONU構成例、図35は第2の実施形態(図8)に対するONU構成例、図36は第3の実施形態(図13)に対するONU構成例である。
【0061】
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、非冗長ONU、光分岐素子〜OLTPON終端部、ONU〜OLTPON終端部の3つの異なるプロテクションレベルのONUを混在させた構成である。図37は、光分岐素子を1段で構成するファイバ接続構成例、図38は、光分岐素子を2段で構成するファイバ接続構成例である。なお、本実施例では物理構成のみの変更であることから、切替処理のシーケンスフローへの影響・変更は発生しない。
【0062】
図37では、ONU#11およびONU#23を非冗長ONUとし、ONU#12およびONU#22をOLTPON終端部から光分岐素子までの光伝送路を冗長化するONUとし、ONU#13およびONU#21をOLTPON終端部からONUまでの光伝送路までを冗長化するONUとする。ONU#11、#23は、PONシステム#1に属する非冗長ONUであるため、PONシステム#2の波長を遮断するための光波長多重分離部が必要となる。また、PONシステム#1、#2において上り信号の波長と下り信号の波長の波長セットが異なる波長セットを割り当てた場合、ONU#12、#22には図31〜33のONU構成が適用可能であり、ONU#13、#21には図1、図8、図13のONU構成が適用可能である。ただし、全てのONUは、OLTの構成に応じたONU構成を選択して配置する必要があるため、例えば、図1と図13のような異なる制御方式のONUを組合わせて配置することはできない。また、前記記載の通り、ONU#12、#22とONU#13、#21は、構成する光波長多重分離部が異なるだけであるため、同一の切替制御方法によってONU単位に異なるプロテクションレベルを提供することが可能である。
【0063】
図38は、ONU#11およびONU#12を非冗長ONUとし、ONU#13およびONU#14をOLTPON終端部から光分岐素子までの光伝送路を冗長化するONUとし、ONU#15およびONU#16をOLTPON終端部からONUまでの光伝送路までを冗長化するONUとしたときの構成例である。光分岐素子を2段で構成し、1段目と2段目の光分岐素子間の光伝送路故障に対しても障害復旧が可能である。しかしながら、本構成例では、波長による衝突を防止するため、2段目の光分岐素子を2種類に区分し、光分岐素子からONU間の光伝送路が非冗長となるONU#13、#14用の光分岐素子と、同区間の光伝送路が冗長となるONU#15、#16用の光分岐素子を区別して配置しなければならない。なお、非冗長ONUは、いずれの光分岐素子にも収容が可能である。図38では、前者の光分岐素子を#1、後者の光分岐素子を#2として記載しており、光分岐素子#1は、1段目の光分岐素子との間の光伝送路が冗長となるように接続し、光分岐素子#2は、同区間の光伝送路を非冗長とし、光分岐素子#2とONU間の光伝送路が冗長となるように接続を行う。図38では、光分岐素子#1にはONU#11、#13、#14を収容し、光分岐素子#2にはONU#12、#15、#16を収容している。
したがって、第5の実施形態では、ファイバの接続構成に応じて異なるプロテクションレベルをONUに対して同時に提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1の実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。
【図2】上り波長非共有の場合の波長パスの構成を示す図である。
【図3】光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図4】光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図5】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図6】第1の実施形態の切替制御フローを示す図である。
【図7】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図8】第2実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。
【図9】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図10】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生したときの切替制御フローを示す図である。
【図11】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図12】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生したときの切替制御フローを示す図である。
【図13】第3実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。
【図14】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図15】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生したときの切替制御フローを示す図である。
【図16】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図17】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生したときの切替制御フローを示す図である。
【図18】上り波長共有の場合の波長パスの構成を示す図である。
【図19】上り波長共有の場合の第1の実施形態に対するONU構成例を示す図である。
【図20】上り波長共有の場合の通常時における第1の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す図である。
【図21】上り波長共有の場合の障害時における第1の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す図である。
【図22】上り波長共有の場合の第2の実施形態に対するONU構成例を示す図である。
【図23】上り波長共有の場合の第3の実施形態に対するONU構成例を示す図である。
【図24】上り波長共有の場合の通常時における第2の実施形態および第3の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す図である。
【図25】上り波長共有の場合の障害時における第2の実施形態および第3の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す図である。
【図26】第4の実施形態における上り波長非共有の場合の波長パスの構成を示す図である。
【図27】第4の実施形態における上り波長共有の場合の波長パスの構成を示す図である。
【図28】第4の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図29】第4の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図30】第4の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図31】第4の実施形態におけるONUの構成例を示す図である。
【図32】第4の実施形態におけるONUの構成例を示す図である。
【図33】第4の実施形態におけるONUの構成例を示す図である。
【図34】上り波長共有の場合のONUの構成例を示す図である。
【図35】上り波長共有の場合のONUの構成例を示す図である。
【図36】上り波長共有の場合のONUの構成例を示す図である。
【図37】第5の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図38】第5の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図39】従来の冗長機能を備えるPONシステムの構成例を示す図である。
【図40】従来の冗長機能を備えるPONシステムの構成例を示す図である。
【図41】従来の冗長機能を備えるPONシステムの構成例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光分岐素子すなわち光スプリッタを介した光加入者ネットワークにおけるポイント−マルチポイントシステムにおける冗長化伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パッシブ光ネットワーク(PON)システムの冗長化システムに関しては、非特許文献1および非特許文献2で標準勧告化されているが、これまでにこれらを改良した冗長化システムの開発が盛んに行われている。
【0003】
図39は、特許文献1および特許文献2に係る、従来の冗長機能を備えるパッシブ光ネットワーク(PON)システムの構成例である。光伝送路系#0は、加入者側装置(ONU)の光送受信部#0とセンタ側装置(OLT)の光送受信部#0とを接続している。一方、光伝送路系#1は、ONUの送受信部#1とOLTの送受信部#1とを接続している。光伝送路系#0に障害が生じた場合、ONUの系切替SW部とOLTの系切替SW部にて光伝送路系#1へ切替える。しかし、この技術では、特定のONUの送受信部#0が故障した場合や、スプリッタから特定のONU区間で断線等の障害が生じた場合でも、同一の伝送路系に収容されるすべてのシステムを別の伝送路系へ切り替える必要があり、障害による影響を受けていないシステムも切替の対象となってしまう。図39の例では、ONU#2は、ONU#1の障害に伴い伝送路系の切替を行わなければならない。このような系切替では、ONU単位の障害なのか複数のONUに跨る障害なのかを判定するために、同一の伝送路系に収容される全システムの正常性の確認を行った後に切り替える必要があり、収容されているONUの数が増えると切替のための時間がかかる。さらに、伝送路系によってOLTとONU間の距離が変化するため、再度PONの信号制御のためのレンジング処理(ITU−TG.983.1のRanging処理、IEEE Std802.3ahのAuto Discover処理等)を行い、全てのONUの登録をやり直す必要がある。また、予備の伝送路系は、障害が起きた時のためのコールドスタンバイとなっているため、通常利用することがなく、不経済である。さらに、冗長構成を必要としない非冗長ONUを同一のPONに収容すると、冗長構成をとっているONUの切替に伴って通信断が起こり、ONUを予備系へ手作業でつなぎなおす必要があるため、実質的に非冗長ONUの同時収容は不可能である。
【0004】
図40は、特許文献3に係る、ONU毎に伝送路系の選択が可能なPONシステムの構成例である。OLTには新たにONU登録制御部を実装し、系切替SW部の代わりに分岐結合部を実装している。ONUにはONU登録切替制御部を実装している。ONUでは、障害が発生すると、PON終端部からONU登録切替制御部へ受信信号の異常信号を通知し、系切替SW部において障害が発生している光伝送路から別の光伝送路へ切替を行う。また、ONU登録切替制御部は、PON終端部に対して、ONUの登録を初期化し、未登録状態へ遷移させ、OLTからのレンジング処理と登録処理を待つ。一方、OLTでは、PON終端部において障害を検出すると、PON終端部から受信信号の異常をONU登録制御部へ通知し、該当するONU毎の登録を初期化し、未登録の状態に遷移させて、レンジング処理と登録処理を開始する。なお、強制的に切替が必要である場合は、オペレーションシステム等から強制切替信号をOLTへ送信し、さらにOLTからONUに登録初期化を通知することでONU単位に切替を実行することができる。また、OLT内の分岐結合部は、系を構成するそれぞれの光送受信部の信号を単純に合流分配するものであり、特別な電気信号の変換や信号位置のタイミング調整を必要とするものではないため、安価な機器である。しかしながら、この技術においても、予備の伝送路系を通常時に利用することがなく、不経済である。また、レンジング処理を行うことから、切替時間が長くなってしまう。
【0005】
図41は、特許文献4に係る、ATMSWやL2SWなどの動的SW部を用いて上位レイヤにて切替を行う例である。図41では、L2SWを適用した場合について記載する。この方式では、あらかじめ伝送路系#0と伝送路系#1に帯域を確保しておき、障害が発生した時に動的SW部を用いて上位レイヤのパス(例えば、VLAN ID単位)を切り替える。図の例では、伝送路系#0のPONシステムに対し、VLAN#10、VLAN#20のパスを設定し、伝送路系#1のPONシステムに対し、VLAN#11とVLAN#21のパスを設定している。この方式の場合、障害の影響が及ぶシステムのみ切替の対象となる。また、あらかじめ2つのPONシステムの系にONUは登録されているため、切替に伴うレンジング処理は必要ではなく、特許文献1〜3で指摘された問題は生じない。しかし、2つのPONシステムを並列で動作させる必要があり、また、切替のための帯域を予備となる伝送路系にあらかじめ確保する必要がある。したがって、この技術においても、予備の伝送路系を通常時に利用することがないことから、不経済であると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−242207号公報
【特許文献2】特開2004−96734号公報
【特許文献3】特開2006−180422号公報
【特許文献4】特開2002−218008号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ITU-T G.983.5, SERIES G:TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL SYSTEMS AND NETWORKS, Digital sections and digital line system-Optical line systems for local and access networks, A broadband optical access system with enhanced survivability
【非特許文献2】ITU-T G.984.1,S ERIES G:TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL SYSTEMS AND NETWORKS, Digital sections and digital line system-Optical line systems for local and access networks, General characteristics for Gigabit-capable Passive Optical Networks(GPON)
【非特許文献3】ITU-T I.630, SERIES I:INTEGRATED SERVICES DIGITAL NETWORK, Maintenance principles, ATM protection switching
【非特許文献4】ITU-T G.8031/Y.1342, SERIES G:TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL SYSTEMS ANDNETWORKS, Ethernet(登録商標) over Transport aspects-General aspect, SERIES Y:GLOBAL INFORMATION INFRASTRUCTURE, INTERNET PROTOCOL ASPECTS AND NEXT-GENERATION NETWORKS, Internet protocol aspect-Transport, Ethernet(登録商標) Protection Switching
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の冗長構成を有するPONシステムの場合、通常時は通信に用いない予備の伝送路系に対してOLTにおける予備専用のPON終端部や光送受信部、OLTから光分岐素子までのFeeder区間でのファイバ設置等が必要であり、不経済であった。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、通常時においても予備の伝送路系の帯域を活用することにより、経済的なPONシステムにおける冗長化伝送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替電気SW部の切替と、切替先のONU側光送受信部の送信波長の光出力開始と、切替元のONU側光送受信部の送信波長の光出力停止と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とする。
【0011】
上記冗長化伝送システムおいて、前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる場合もあり得る。
【0012】
また、本発明は、光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記波長可変光送受信部における切替先のOLTPON終端部の波長セットに対応した送信波長の波長変換と、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる1対の光送受信部と、各光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、受信波長のみが異なる非冗長の光送受信部と、光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号またはONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、複数の光伝送路を介して複数の加入者側装置(ONU)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)のセンタ側装置(OLT)において、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、前記ONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とする。
【0015】
前記センタ側装置(OLT)おいて、前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる場合もあり得る。
【0016】
また、本発明は、複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替電気SW部の切替と、切替先の光送受信部の送信波長の光出力開始と、切替元の光送受信部の送信波長の光出力停止と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とする。
【0017】
前記加入者側装置(ONU)システムおいて、前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる場合もあり得る。
【0018】
また、本発明は、複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記波長可変光送受信部における切替先のOLTPON終端部の波長セットに対応した送信波長の波長変換と、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、非冗長のONUPON終端部と、受信波長のみが異なる非冗長の光送受信部と、光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように、本発明によれば、従来の冗長構成を有するPONシステムで、通常時に利用できなかった予備の伝送路系を利用することができ、経済的である。
また、動的SW部を用いた冗長化伝送方式では、上位レイヤでの切替処理により、切替処理におけるPONレイヤでのレンジング処理を不要にできることから、切替処理の高速化を図ることができる。
また、本発明によれば、ONU単位の切替制御が可能であるため、非冗長ONUを各PONシステムに収容しても、冗長構成をとっている他のONUの切替に伴う通信断を回避することができる。
また、本発明は、波長レベルで冗長化されているため、光分岐素子とONU間を非冗長の光伝送路で構成する場合においても、ONUにおいて、上り信号の波長と下り信号の波長の組である波長セットのうちのいずれかの波長セットの波長を多重分離可能な波長多重分離部を設置すれば、光分岐素子〜OLTのPON終端部までの冗長化が可能となる。言い換えれば、同一のPONシステム内に、非冗長ONU、光分岐素子〜OLTのPON終端部、ONU〜OLTのPON終端部の3つの異なるプロテクションレベルのONUを混在して提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)と加入者側装置(ONU)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムである。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態である、各PONシステムに対して異なる上り方向と下り方向の波長セットを適用する冗長化伝送システムについて説明する。
【0022】
図1は、第1の実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。センタ側装置(OLT)は、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各波長セット単位に設定した現用と予備のコネクション情報の管理と現用と予備のコネクションの切替制御を行う上位レイヤの動的SW部(OLT切替制御手段)を備え、加入者側装置(ONU)は、1対のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各波長セット単位に設定した現用と予備のコネクション情報の管理と現用と予備のコネクションの切替制御を行う上位レイヤの動的SW部(ONU切替制御手段)を備える。
OLTPON終端部とONUPON終端部は、各波長セット単位に常時通信し、OLT側動的SW部とONU側動的SW部が各波長セット単位に設定した現用と予備のコネクションを切替制御することによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行う。
【0023】
OLTとONUは、2:4n(図1ではn=2)の光分岐素子(光パワースプリッタ)と光伝送路媒体からなる複数の光伝送路で接続されており、図2に示すように、各PONシステムには、上り信号の波長と下り信号の波長の組である波長セット(λu1,λd1)、(λu2,λd2)が割り当てられる。光分岐素子(光パワースプリッタ)と光伝送路の接続構成例を図3、図4に示す。図3は、OLTとONU間を1段の光分岐素子で接続する構成例であり、図4は、2段の光分岐素子で接続する構成例である。光分岐素子の分岐数および段数は、サービス用途に応じて容易に構成を変更可能である。OLTのPON終端部#1を介して通信するPONシステムをPONシステム#1、PON終端部#2を介して通信するPONシステムをPONシステム#2とすると、PONシステム#1には(λu1,λd1)、PONシステム#2には(λu2,λd2)が割り当てられている。ONU#1〜#n(図1では#11、#12)は、図2に示すように、通常時はPONシステム#1に属し、波長セット(λu1,λd1)を現用パス、波長セット(λu2,λd2)を予備パスとして動作し、同様にONU#n+1〜#2n(図1では#21,#22)は、通常時はPONシステム#2に属し、波長セット(λu2,λd2)を現用パス、波長セット(λu1,λd1)を予備パスとして動作する。
【0024】
PONシステム#1に対するOLT光波長多重分離部#1は、波長セット(λu1,λd1)の波長多重分離が可能であり、波長セット(λu2,λd2)の波長をブロックする。逆にPONシステム#2に対するOLT光波長多重分離部#2は、波長セット(λu2,λd2)の波長多重分離が可能であり、波長セット(λu1,λd1)をブロックする。また、ONUには、波長セット(λu2,λd2)をブロックし、波長セット(λu1,λd1)のみを波長多重分離する光波長多重分離部#1と、波長セット(λu1,λd1)をブロックし、波長セット(λu2,λd2)のみを波長多重分離する光波長多重分離部#2がそれぞれ実装される。これにより、PONシステム#1(#2)では、PONシステム#2(#1)の波長セットの波長に影響されることなく、通信を行うことができる。
【0025】
また、上位レイヤの動的SW部では、コネクションもしくはコネクショングループをONU単位に設定し、コネクション番号から通信先のONUを識別可能である。上位レイヤのコネクションとして、現用と予備のコネクションがそれぞれ静的に設定されており、動的SW部は、ペアとなる現用と予備のコネクション情報の管理と、切替時におけるコネクション情報の更新を行う。PONシステムでは、(λu1,λd1)と(λu2,λd2)の2つの波長セットを介して現用パスと予備パスが設定されており、PONシステムで常時、現用パスと予備パスの通信が確立されているため、通常時には動的SW部は現用のコネクションを介してクライアント信号を送受信し、予備のコネクションを介してCC(Continuous Check)による接続性の確認や切替制御情報の通信を行うことが可能である。
【0026】
図1において、例えば光伝送路#111に障害が発生した場合、ONU#11の動的SW部は、ONUPON終端部#1からのパスレベルの受信信号異常信号の受信、もしくはコネクションレベルでの受信信号の異常検出をトリガーとして、切替制御通信を行いながら、光伝送路#111−#1を経由する現用のコネクションを、光伝送路#112−#2を経由する予備のコネクションに切替を行う。
なお、OLTに実装される動的SW部においてもコネクションレベルでの受信信号の異常検出をトリガーとした切替制御が可能である。
【0027】
なお、上位レイヤにおけるコネクションの切替方式としては、非特許文献3および非特許文献4に記載の切替方式が代表的であり、適用可能である。
また、オペレータがオペレーションシステムを経由して系を切り替える必要がある場合、オペレーションシステムからOLTへコマンド(系切替信号)を送信し、OLTからONUへコマンドを送信することにより実現可能である。
【0028】
図5は、図1の構成において、ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例である。OLTおよびONU#11に実装される動的SW部は、PON終端部からの受信信号異常信号の受信もしくは受信信号の異常の検出が可能であるため、現用のコネクションから予備のコネクション、すなわち光伝送路#111−#1の経路から光伝送路#112−#2の経路に切替えることによって障害復旧が可能である。
【0029】
図6に本実施例の切替制御フローを示す。OLTとONUに対向して設置された動的SW部は、現用および予備のコネクション上で常時、CC(Continuous Check)により接続性の確認を行っている。現用のコネクション上に障害が発生すると、対向する動的SW部において現用→予備のコネクションに切替を行う。なお、対向する動的SW部に対して、障害検出から切替完了前の状態では、切替要求=信号断(SF:Signal Failure)、選択系=1系(現用パス)の切替制御情報を送信し、切替完了後に切替要求=信号断(SF:Signal Failure)、選択系=2系(予備パス)の切替制御情報を送信する。切替完了後は、対向する動的SW部から受信する選択系の切替情報を参照し、選択系に不一致が生じていないことを確認する。なお、図6において、切替要求=XX(Xは任意の値)は、例えば正常(NR:No Request)、信号断、信号品質劣化、(オペレータによる)強制切替中/手動切替中など自装置内で最も優先順位の高い切替制御における要求を対向する切替装置に伝達するためのメッセージ(切替制御情報)であり、選択系=X系(Xは任意の値)は、自装置内で実際に選択している系(現用パス(0系)、予備パス(1系))を示すメッセージ(切替制御情報)である。
【0030】
図7は、図1の構成において、光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例である。OLTおよびONU#11、#12に実装される動的SW部は、上記同様、PON終端部からの受信信号異常信号の受信もしくは受信信号の異常の検出が可能であるため、OLT〜ONU#11の区間とOLT〜ONU#12の区間において現用のコネクションから予備のコネクションに切り替えることによって障害復旧が可能である。なお、本実施例の切替制御フローは、図6と同様となる。
【0031】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。第2の実施の形態における光分岐素子と光伝送路の構成、および波長セットの割当ては第1の実施形態と同じである。ただし、現用パスもしくは予備パスのいずれか一方のみしかOLTPON終端部とONUPON終端部の間に確立できず、PONシステムレベルでの切替制御によって障害状況に応じていずれかのコネクションを選択的に確立する必要がある。なお、OLTのONU登録制御部は、PONシステム内の切替制御に連動させて、上位レイヤの動的SW部においてONU単位に設定されたコネクションもしくはコネクショングループをOLTPON終端部#1もしくはOLTPON終端部#2に切り替えるため、上位レイヤの動的SW部に対して切替要求信号を送信する必要がある。
【0032】
第2の実施の形態では、OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の切替制御を行うONU登録制御部(OLT切替制御手段)を備え、ONUは、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部(ONU切替制御手段)を備える。
【0033】
ONUでは、ONU登録切替制御部は、ONUPON終端部より受信信号異常信号を受信する。この受信信号異常信号は、ONUPON終端部が受信信号の信号断や伝送品質劣化(例えば、ビットエラー)、選択している系の異常信号を示す監視制御信号などを検出した場合、ONUPON終端部より送信される信号である。この信号をONU登録切替制御部が受信すると、系切替電気SW部に系切替制御信号を送信し、系切替電気SW部は、系切替を行い、切替元となる光送受信部の光出力を停止し、切替先となる光送受信部の光出力を開始する。また、上記の系切替および光出力制御の完了後、ONU登録切替制御部は、ONU登録初期化信号をONUPON終端部へ送信し、ONUを未登録状態に遷移させ、OLTからのレンジング処理と登録処理を待つ。
【0034】
OLTでは、切替先のOLTPON終端部において、該当するONUに対するレンジング処理と登録処理を行うとともに、切替元のOLTPON終端部において該当するONUの登録削除処理を行う。また、上位レイヤの動的SW部における該当するONUのコネクションを切替えるために、切替要求信号を動的SW部に送信する。
【0035】
一方、OLT側において、ONU登録制御部がOLTPON終端部より受信信号異常信号を受信した場合、該当ONUへ系切替信号を送信し、ONU登録初期化信号をOLTPON終端部へ送信し、切替元のOLTPON終端部において該当ONUを未登録の状態に遷移させ、切替先のOLTPON終端部においてレンジング処理と登録処理を開始する。また、上位レイヤの動的SW部における該当するONUのコネクションを切替えるために、切替要求信号を動的SW部に送信する。
【0036】
なお、オペレータがオペレーションシステムを経由して系を切り替える必要がある場合、オペレーションシステムからOLTへコマンド(系切替信号)を送信し、OLTからONUへコマンド(系切替信号)を送信することにより実現可能である。
【0037】
図9は、図8の構成において、ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例である。
図10に本実施例の切替制御フローを示す。ONU#11は、ONUPON終端部にて障害を検出するため、ONU登録切替制御部へ受信信号の異常通知を行う。ONU登録切替制御部は、系切替電気SW部の系切替、光送受信部#1の光出力停止と光送受信部#2の光出力開始を行い、各機能部からの制御完了の応答を受信後、ONUPON終端部に対してONU登録初期化を行う。
【0038】
次に、ONUPON終端部は、切替先のOLTPON終端部#2から受信するDiscovery信号に応じて、OLTに登録要求であるRanging Request信号を送信する。OLTPON終端部#2は、Ranging Request信号の受信をONU登録制御部へ通知し、ONU登録制御部は、PON終端部#1→PON終端部#2への当該ONU情報の転写、PON終端部#1における当該ONUの未登録処理を行うとともに、上位の動的SW部に対してPON終端部#2を経由してPON終端部#1→PON終端部#2への切替要求を送信する。ONU登録制御部は、ONU情報転写、ONU未登録処理、上位の動的SW部からの完了応答を受信し、OLTの切替処理の完了を確認する。
【0039】
この後、OLTのONU登録制御部からPON終端部#2を経由して、当該ONUへ登録完了(Register)通知を送信する。登録完了を受信したONUPON終端部は、ONU登録切替制御部へ登録完了通知を送信すると共に、切替先のOLTPON終端部#2に対して、応答(Ack)を送信する。なお、必要に応じて、切替先となる光伝送の伝送品質を確認するための導通試験を行っても良い。
【0040】
以上により、全ての切替処理が完了し、主信号がPONシステム#2系の光伝送路を介して伝送が再開される。なお、図10には図示しないが、上り方向の全ての信号は、OLTから割り当てられたタイミングと帯域に従って送信を行っている。また、本実施例は、あくまでも一例であり、一部処理の省略もしくは実施タイミングの変更が可能であることは言うまでもない。
さらに、OLTとONU間の定期的な接続性確認の実施の有無は、実装に依存しており、上記の実施例は、定期的な接続性確認を実施しない場合について記載している。この場合、OLT側では、本区間の障害によりデータ送受信が不可の状態に陥っているのか、あるいは正常状態で単にONUから送信すべきデータがないのかを区別することができないため、OLT側で障害発生を検出できず、ONU側での障害検出となる。
【0041】
図11は、図8の構成において、光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例である。この場合、OLT、ONU#11、ONU#12の双方において光入力レベルの低下等によって障害を検出できるため、OLTはONUからのレンジング処理の要求を待つことなく、OLT〜ONU#11の区間とOLT〜ONU#12の区間の切替制御を開始できる。
【0042】
図12に本実施例の切替制御フローを示す。本実施例の図10との差分は、OLT側の切替処理の開始のタイミングのみであり、図10では、切替処理開始のトリガはONUからの登録要求の受信となるが、本実施例では、OLTPON終端部からの受信信号の異常通知となる。
【0043】
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に関わる冗長化伝送方式の基本構成である。第3の実施の形態における光分岐素子と光伝送路の構成、および波長セットの割当ては、第1の実施形態および第2の実施形態と同じである。第2の実施形態と同様、PONシステムレベルでは、現用パスもしくは予備パスのいずれか一方のみしかOLTPON終端部とONUPON終端部の間に確立できないため、障害状況に応じていずれかを選択的に確立する必要がある。
【0044】
第3の実施形態では、OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の切替制御を行うONU登録制御部(OLT切替制御手段)を備え、ONUは、非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部(ONU切替制御手段)を備える。
【0045】
ONU登録切替制御部は、ONUPON終端部より受信信号異常信号を受信すると、系切替制御信号を系切替光SW部に送信し、系切替光SW部は、系切替を行い、波長可変光送受信部は、送信波長を切替先のOLTPON終端部の波長セットに波長変換を行う。また、ONU登録切替制御部は、上記の系切替および波長変換の完了後、ONU登録初期化信号をONUPON終端部へ送信し、ONUを未登録状態に遷移させ、OLTからのレンジング処理と登録処理を待つ。以降のOLTでの切替制御は、第2の実施形態と同様となる。
一方、OLT側において、ONU登録制御部がOLTPON終端部より受信信号異常信号を受信した場合も、OLT内の切替制御は第2の実施形態と同じとなる。
【0046】
図14は、図13の構成において、ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例である。
図15に本実施例の切替制御フローを示す。図10との差分は、ONUの切替処理における光出力制御のみである。本実施例では、波長可変光送受信部を用いるため、切替元の光送受信部の光出力停止と切替先の光送受信部の光出力開始の手順が、波長可変光送受信部における波長変換となる。その他の処理については、図10の切替制御フローと同一となる。
【0047】
図16は、図13の構成において、光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例である。
図17に本実施例の切替制御フローを示す。この場合、OLT、ONU#11、ONU#12の双方において光入力レベルの低下等によって障害を検出できるため、OLTはONUからのレンジング処理の要求を待つことなく、OLT〜ONU#11の区間とOLT〜ONU#12の区間の切替制御を開始できる。したがって、本実施例の図15との差分は、OLT側の切替処理の開始のタイミングのみであり、図15では切替処理開始のトリガはONUからの登録要求の受信となるが、本実施例では、OLTPON終端部からの受信信号の異常通知となる。
【0048】
なお、第1、第2および第3の実施形態に示す冗長化伝送システムは、双方のPONシステム#1、#2で伝送帯域をフルに使用している場合、障害復旧時においてPONシステムに収容されるONU数がnから2nに増加するため、ONU毎の保障帯域が通常時の50%程度に低減してしまう問題がある。このため、各PONシステムにおいて切替により障害復旧を図る高優先クラスのデータトラヒックの収容率を伝送帯域の50%とする必要がある。
【0049】
次に、図18に示すようにPONシステム#1、#2に対して上り方向の波長を共有し、下り方向の波長のみが異なる波長セットを適用する冗長化伝送システムについて説明する。上り信号の波長の共有は、上り方向の伝送帯域が下り方向と比較して小さく、伝送帯域が非対称となる場合に適用が可能である。この場合、各PONシステムのOLTPON終端部#1、#2における制御タイミング(IEEE Std802.3ahのMPCPタイミング等)を同期させ、PONシステム#1、#2における上り方向の帯域割り当てスロットを固定的なタイミングにて設定するなどの制御が必要となる。
【0050】
図19は、上り方向の波長を共有したときの第1の実施形態(図1)に対するONU構成例を示す図である。図1と同じ構成であるが、上り方向の波長が同じであるため、ONUの対となる光送受信器は、同一の送信波長の光送受信器となる。
図20および図21に、上り方向の波長を共有したときの第1の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す。
図中のLLID(Logical Link IDentifier)は論理リンクの識別子である。図中の符号は、ONUとLLIDが1対1に対応している場合について示している。
【0051】
第1の実施形態では、各ONUの現用パスおよび予備パスの両パスの通信が確立されているため、PONシステム#1の帯域割り当てスロットにはONU#1〜#nの現用パス、ONU#n+1〜#2nの予備パスに対する帯域が割り当てられ、PONシステム#2の帯域割り当てスロットにはONU#1〜#nの予備パス、ONU#n+1〜#2nの現用パスに対する帯域が割り当てられる。各スロット内のONUに対する帯域の割当ては、各ONUPON終端部の要求に従ってOLTPON終端部が一元的かつ動的に割り当てを行う。通常時は、図20に示すように、予備パスでは切替制御情報やCCによる接続性の確認しか実施されないため、予備パスに対する割り当て帯域は小さくなる。図21は、PONシステム#1の伝送品質劣化(ビットエラー)の障害によりONU#1〜#nをPONシステム#2に切り替え、PONシステム#2を経由して全ONUとデータ通信を行う場合である。この場合、PONシステム#2で割り当てるONU数が増加するため、ONU毎の割当て帯域が通常時と比較して小さくなる。
【0052】
第1の実施形態では、上り方向の波長(同一波長)を双方のPONシステムで共有する場合においても、図20および図21に示すように、上り方向の帯域割り当てスロットを各PONシステム単位に固定的に割り当てることで、動的SW部における現用と予備のコネクションにおいても経路の独立性を確保できるため切替制御が可能である。
【0053】
図22は、上り方向の波長を共有したときの第2の実施形態(図8)に対するONU構成例を示す図であり、図23は、上り方向の波長を共有したときの第3の実施形態(図13)に対するONU構成例を示す図である。図24および図25に、上り方向の波長を共有したときの第2の実施形態および第3の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す。
第2の実施形態および第3の実施形態では、通常時は、各ONUの現用パスのみの通信が確立されているため、図24に示すように、PONシステム#1の帯域割り当てスロットにはONU#1〜#nの現用パスに対する帯域が割り当てられ、PONシステム#2の帯域割り当てスロットにはONU#n+1〜#2nの現用パスに対する帯域が割り当てられる。図25は、PONシステム#1の障害によりONU#1〜#nをPONシステム#2に切り替え、PONシステム#2を経由して全ONUとデータ通信を行う場合である。この場合も、第1の実施形態と同様に、PONシステム#2で割り当てるONU数が増加するため、ONU毎の割当て帯域が通常時と比較して小さくなる。
【0054】
第2の実施形態および第3の実施形態では、上り方向の波長(同一波長)を双方のPONシステムで上り共有する場合においても、図24および図25に示すように、上り方向の帯域割り当てスロットを各PONシステム単位に固定的に割り当てることで、PONシステムにおける現用パスと予備パスの経路の独立性を確保できるため切替制御が可能である。なお、第3の実施形態の場合、当然のことながら、ONUからの送信波長は、切替前と切替後で同一波長を用いるため、波長可変光送受信器における波長変換処理は不要となる。
【0055】
なお、各OLTPON終端部は、自分宛の上り方向の帯域割り当てスロットから受信するデータのみを通過させ、自分宛以外の上り方向の帯域割り当てスロットから受信するデータは破棄する。
【0056】
上述したように、各PONシステムにおいて上り信号の波長を共有する場合、第1の実施形態および第2の実施形態に関わる冗長化伝送システムでは、波長セットに応じた光送受信部および光波長多重分離部を設置し、上り方向の帯域割当てスロットを通信するPONシステムに応じて選択することによって障害復旧が実現可能である。
さらに、第3の実施形態に関わる冗長化伝送システムでは、波長セットに応じた光送受信部および光波長多重分離部を設置し、上り方向の帯域割当てスロットを通信するPONシステムに応じて選択することによって障害復旧が実現可能である。ただし、ONUにおける波長可変光送受信部は、固定波長を出力する光送受信部への交換が可能であるため、図23に示すようなONUに固定波長の光送受信部を実装したONU構成による実現が経済的である。
【0057】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1、第2および第3の実施形態の構成において、ONU〜光分岐素子の区間の光伝送路が冗長化されていない構成である。
本発明は、現用パスと予備パスに対して別波長を割り当てることにより波長レベルで経路が冗長化されているため、光伝送路が一部区間で非冗長であっても適用が可能である。図26に上り信号の波長と下り信号の波長が異なる波長セット(λu1,λd1),(λu2,λd2)に対する波長割当て、図27に上り信号の波長を共有する波長セット(λu1,λd1),(λu1,λd2)に対する波長割当てを示す。なお、本実施例では物理構成のみの変更であることから、切替処理のシーケンスフローへの影響・変更は発生しない。
【0058】
第4の実施形態におけるファイバの接続構成例を図28〜図30に示す。図28は光分岐素子を1段で構成する場合のファイバ接続構成例、図29は光分岐素子を2段で構成する場合のファイバ接続構成例、図30は光分岐素子を2段で構成し、1段目から2段目の光分岐素子間の光伝送路についても冗長化する場合のファイバ接続構成例である。
【0059】
第4の実施形態におけるONUの構成例を図31〜図33に示す。図31は第1の実施形態(図1)に対するONU構成例、図32は第2の実施形態(図8)に対するONU構成例、図33は第3の実施形態(図13)に対するONU構成例である。各構成例に示すように、ONUにおける光波長多重分離部を、2芯ファイバに対する1対の光波長多重分離部から1芯ファイバに対する光波長多重分離部に交換するだけで、第4の実施形態に対しても冗長化が可能である。
【0060】
なお、上り方向の波長(同一波長)を双方のPONシステムで共有する場合においても、上り方向の帯域割り当てスロットを各PONシステム単位に固定的に割り当てることで、PONシステムにおける現用パスと予備パスの経路の独立性を確保できる。
上り方向の波長を共有したときのONUの構成例を図34〜図36に示す。図34は第1の実施形態(図1)に対するONU構成例、図35は第2の実施形態(図8)に対するONU構成例、図36は第3の実施形態(図13)に対するONU構成例である。
【0061】
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、非冗長ONU、光分岐素子〜OLTPON終端部、ONU〜OLTPON終端部の3つの異なるプロテクションレベルのONUを混在させた構成である。図37は、光分岐素子を1段で構成するファイバ接続構成例、図38は、光分岐素子を2段で構成するファイバ接続構成例である。なお、本実施例では物理構成のみの変更であることから、切替処理のシーケンスフローへの影響・変更は発生しない。
【0062】
図37では、ONU#11およびONU#23を非冗長ONUとし、ONU#12およびONU#22をOLTPON終端部から光分岐素子までの光伝送路を冗長化するONUとし、ONU#13およびONU#21をOLTPON終端部からONUまでの光伝送路までを冗長化するONUとする。ONU#11、#23は、PONシステム#1に属する非冗長ONUであるため、PONシステム#2の波長を遮断するための光波長多重分離部が必要となる。また、PONシステム#1、#2において上り信号の波長と下り信号の波長の波長セットが異なる波長セットを割り当てた場合、ONU#12、#22には図31〜33のONU構成が適用可能であり、ONU#13、#21には図1、図8、図13のONU構成が適用可能である。ただし、全てのONUは、OLTの構成に応じたONU構成を選択して配置する必要があるため、例えば、図1と図13のような異なる制御方式のONUを組合わせて配置することはできない。また、前記記載の通り、ONU#12、#22とONU#13、#21は、構成する光波長多重分離部が異なるだけであるため、同一の切替制御方法によってONU単位に異なるプロテクションレベルを提供することが可能である。
【0063】
図38は、ONU#11およびONU#12を非冗長ONUとし、ONU#13およびONU#14をOLTPON終端部から光分岐素子までの光伝送路を冗長化するONUとし、ONU#15およびONU#16をOLTPON終端部からONUまでの光伝送路までを冗長化するONUとしたときの構成例である。光分岐素子を2段で構成し、1段目と2段目の光分岐素子間の光伝送路故障に対しても障害復旧が可能である。しかしながら、本構成例では、波長による衝突を防止するため、2段目の光分岐素子を2種類に区分し、光分岐素子からONU間の光伝送路が非冗長となるONU#13、#14用の光分岐素子と、同区間の光伝送路が冗長となるONU#15、#16用の光分岐素子を区別して配置しなければならない。なお、非冗長ONUは、いずれの光分岐素子にも収容が可能である。図38では、前者の光分岐素子を#1、後者の光分岐素子を#2として記載しており、光分岐素子#1は、1段目の光分岐素子との間の光伝送路が冗長となるように接続し、光分岐素子#2は、同区間の光伝送路を非冗長とし、光分岐素子#2とONU間の光伝送路が冗長となるように接続を行う。図38では、光分岐素子#1にはONU#11、#13、#14を収容し、光分岐素子#2にはONU#12、#15、#16を収容している。
したがって、第5の実施形態では、ファイバの接続構成に応じて異なるプロテクションレベルをONUに対して同時に提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1の実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。
【図2】上り波長非共有の場合の波長パスの構成を示す図である。
【図3】光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図4】光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図5】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図6】第1の実施形態の切替制御フローを示す図である。
【図7】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図8】第2実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。
【図9】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図10】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生したときの切替制御フローを示す図である。
【図11】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図12】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生したときの切替制御フローを示す図である。
【図13】第3実施形態に関わる冗長化伝送システムの基本構成を示す図である。
【図14】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図15】ONU#11〜光分岐素子の区間で障害が発生したときの切替制御フローを示す図である。
【図16】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生し、切替を行う例を示す図である。
【図17】光分岐素子〜OLTの区間で障害が発生したときの切替制御フローを示す図である。
【図18】上り波長共有の場合の波長パスの構成を示す図である。
【図19】上り波長共有の場合の第1の実施形態に対するONU構成例を示す図である。
【図20】上り波長共有の場合の通常時における第1の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す図である。
【図21】上り波長共有の場合の障害時における第1の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す図である。
【図22】上り波長共有の場合の第2の実施形態に対するONU構成例を示す図である。
【図23】上り波長共有の場合の第3の実施形態に対するONU構成例を示す図である。
【図24】上り波長共有の場合の通常時における第2の実施形態および第3の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す図である。
【図25】上り波長共有の場合の障害時における第2の実施形態および第3の実施形態に対する上り方向の帯域割り当てスロットの例を示す図である。
【図26】第4の実施形態における上り波長非共有の場合の波長パスの構成を示す図である。
【図27】第4の実施形態における上り波長共有の場合の波長パスの構成を示す図である。
【図28】第4の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図29】第4の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図30】第4の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図31】第4の実施形態におけるONUの構成例を示す図である。
【図32】第4の実施形態におけるONUの構成例を示す図である。
【図33】第4の実施形態におけるONUの構成例を示す図である。
【図34】上り波長共有の場合のONUの構成例を示す図である。
【図35】上り波長共有の場合のONUの構成例を示す図である。
【図36】上り波長共有の場合のONUの構成例を示す図である。
【図37】第5の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図38】第5の実施形態における光伝送路の接続構成例を示す図である。
【図39】従来の冗長機能を備えるPONシステムの構成例を示す図である。
【図40】従来の冗長機能を備えるPONシステムの構成例を示す図である。
【図41】従来の冗長機能を備えるPONシステムの構成例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、
前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、
前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、
前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、
前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替電気SW部の切替と、切替先のONU側光送受信部の送信波長の光出力開始と、切替元のONU側光送受信部の送信波長の光出力停止と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、
前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とするPONシステムにおける冗長化伝送システム。
【請求項2】
前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なることを特徴とする請求項1に記載のPONシステムにおける冗長化伝送システム。
【請求項3】
光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、
前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、
前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、
前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、
前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記波長可変光送受信部における切替先のOLTPON終端部の波長セットに対応した送信波長の波長変換と、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、
前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とするPONシステムにおける冗長化伝送システム。
【請求項4】
光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、
前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる1対の光送受信部と、各光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、
前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、受信波長のみが異なる非冗長の光送受信部と、光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、
前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、
前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、
前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号またはONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とするPONシステムにおける冗長化伝送システム。
【請求項5】
複数の光伝送路を介して複数の加入者側装置(ONU)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)のセンタ側装置(OLT)において、
1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、
前記ONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とするPONシステムのOLT。
【請求項6】
前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なることを特徴とする請求項5に記載のPONシステムのOLT。
【請求項7】
複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、
非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、
前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替電気SW部の切替と、切替先の光送受信部の送信波長の光出力開始と、切替元の光送受信部の送信波長の光出力停止と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とするPONシステムのONU。
【請求項8】
前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なることを特徴とする請求項7に記載のPONシステムのONU。
【請求項9】
複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、
非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、
前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記波長可変光送受信部における切替先のOLTPON終端部の波長セットに対応した送信波長の波長変換と、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とするPONシステムのONU。
【請求項10】
複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、
非冗長のONUPON終端部と、受信波長のみが異なる非冗長の光送受信部と、光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、
前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とするPONシステムのONU。
【請求項1】
光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、
前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、
前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、
前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、
前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替電気SW部の切替と、切替先のONU側光送受信部の送信波長の光出力開始と、切替元のONU側光送受信部の送信波長の光出力停止と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、
前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とするPONシステムにおける冗長化伝送システム。
【請求項2】
前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なることを特徴とする請求項1に記載のPONシステムにおける冗長化伝送システム。
【請求項3】
光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、
前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、
前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、
前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、
前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記波長可変光送受信部における切替先のOLTPON終端部の波長セットに対応した送信波長の波長変換と、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、
前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とするPONシステムにおける冗長化伝送システム。
【請求項4】
光分岐素子および光伝送路媒体からなる複数の光伝送路に接続されるセンタ側装置(OLT)と複数の加入者側装置(ONU)とを有し、複数の光伝送路を介してOLTとONUとの間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)における冗長化伝送システムにおいて、
前記OLTは、1対のOLTPON終端部と、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なる1対の光送受信部と、各光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、
前記ONUは、非冗長のONUPON終端部と、受信波長のみが異なる非冗長の光送受信部と、光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、
前記OLTPON終端部とONUPON終端部が、いずれかの波長セット単位の波長を介して通信し、
前記ONUのONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行い、
前記OLTのONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号またはONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、障害復旧を行うことを特徴とするPONシステムにおける冗長化伝送システム。
【請求項5】
複数の光伝送路を介して複数の加入者側装置(ONU)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)のセンタ側装置(OLT)において、
1対のOLTPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、各OLTPON終端部に属するONUの管理とOLT内の系切替制御を行うONU登録制御部を備え、
前記ONU登録制御部が、前記OLTPON終端部から、受信信号異常信号または前記ONUからの登録要求を受信したことを通知する信号を受信することにより、該当ONUに対する切替元のOLTPON終端部における登録削除制御と、切替先のOLTPON終端部における登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とするPONシステムのOLT。
【請求項6】
前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なることを特徴とする請求項5に記載のPONシステムのOLT。
【請求項7】
複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、
非冗長のONUPON終端部と、送受信波長の波長セットが異なる1対の光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替電気SW部を備え、
前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替電気SW部の切替と、切替先の光送受信部の送信波長の光出力開始と、切替元の光送受信部の送信波長の光出力停止と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とするPONシステムのONU。
【請求項8】
前記波長セットは、上り信号の波長が同一で、下り信号の波長のみが異なることを特徴とする請求項7に記載のPONシステムのONU。
【請求項9】
複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、
非冗長のONUPON終端部と、非冗長の波長可変光送受信部と、前記波長セットの波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、
前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記波長可変光送受信部における切替先のOLTPON終端部の波長セットに対応した送信波長の波長変換と、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とするPONシステムのONU。
【請求項10】
複数の光伝送路を介してセンタ側装置(OLT)との間で信号伝送を行うポイント−マルチポイント光伝送システム(PONシステム)の加入者側装置(ONU)において、
非冗長のONUPON終端部と、受信波長のみが異なる非冗長の光送受信部と、光送受信器の通信波長を多重分離するための1対の光波長多重分離部と、自ONUが属するOLTPON終端部の管理とONU内の系切替制御を行うONU登録切替制御部および系切替光SW部を備え、
前記ONU登録切替制御部が、受信信号異常信号を受信することにより、前記系切替光SW部の切替と、切替先のOLTPON終端部に対する登録制御を行うことによって、通信する波長セットをONU単位に選択し、伝送路系の切替を行うことを特徴とするPONシステムのONU。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
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【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2012−130079(P2012−130079A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−66038(P2012−66038)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【分割の表示】特願2008−195286(P2008−195286)の分割
【原出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【分割の表示】特願2008−195286(P2008−195286)の分割
【原出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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