ポイントシステム
【課題】ポイント情報を正確に管理しつつ、消費者の個人情報を開示することに対する精神的な抵抗を低減する。
【解決手段】ポイントシステム(1)は、カード識別情報(311)を夫々格納する複数のカード(30a〜30d)と、端末識別情報(211)を夫々格納する複数の店舗端末手段(20a〜20c)と、ポイント情報(113、114)を、カード識別情報毎及び端末識別情報毎に格納すると共に、端末識別情報に夫々対応する複数のポイント発行条件情報(111)、及びカード識別情報に夫々対応する複数の会員情報(115)を格納するサーバ手段(10)と、複数の店舗端末手段及びサーバ手段を相互に接続するネットワーク(40)とを備える。当該ポイントシステムでは、ポイント情報がサーバ手段で一元管理されていると共に、会員情報に含まれる個人情報に応じて発行されるポイントが割り増しされる。
【解決手段】ポイントシステム(1)は、カード識別情報(311)を夫々格納する複数のカード(30a〜30d)と、端末識別情報(211)を夫々格納する複数の店舗端末手段(20a〜20c)と、ポイント情報(113、114)を、カード識別情報毎及び端末識別情報毎に格納すると共に、端末識別情報に夫々対応する複数のポイント発行条件情報(111)、及びカード識別情報に夫々対応する複数の会員情報(115)を格納するサーバ手段(10)と、複数の店舗端末手段及びサーバ手段を相互に接続するネットワーク(40)とを備える。当該ポイントシステムでは、ポイント情報がサーバ手段で一元管理されていると共に、会員情報に含まれる個人情報に応じて発行されるポイントが割り増しされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば商店街で商品を購入した際に発行又は回収されるポイントを管理するポイントシステムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のポイントシステムとして、店舗端末機及びセンターサーバ装置が相互にインターネットを介して接続された商店街ポイントシステムが提案されている。ここでは特に、加盟店が独自に購買金額に対するポイント発行レートを変更する技術が記載されている(特許文献1参照)。或いは、インターネット常時接続サービスを利用して、消費者が取得又は還元したポイント情報をポイントサービスサーバに記憶させ、IDカードやICカード内へのポイント情報の記憶を不要とする商店街Webポイントシステムが提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
或いは、インターネット上の仮想商店街を構成する商店毎に、ポイントの発行率と還元率とを夫々設定可能なポイントサービスシステムが提案されている。ここでは特に、保有ポイントが10000ポイントになると発行率が割増しとなる技術が記載されている(特許文献3参照)。或いは、来店回数に応じて会員のランク分けを行い、前月に比べてランクが落ちた顧客に対し特典を付与するシステムが提案されている(特許文献4参照)。
【0004】
尚、特許文献5には、予め前払いしたバスや鉄道等の交通機関の乗車料金(乗車料金バリュー)を記憶する領域を有するICカードに、乗車割引ポイントを発行した商店と、その商店が発行した乗車割引ポイント数とを記憶する技術が記載されている。また、特許文献6には、電子購買システムにおいて、サーバとクライアントとの間のインターネットを介する情報のやりとりに、安全確保のために、盗聴及び改竄防止可能な暗号を用いた通信を行う技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−279273号公報
【特許文献2】特開2003−233747号公報
【特許文献3】特開2006−209792号公報
【特許文献4】特開2004−103020号公報
【特許文献5】特開2003−108898号公報
【特許文献6】特開2001−344487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば1日の決まった時刻に、店舗端末機に蓄積されたポイント取引データを、センターサーバ装置に転送し、ポイント収支記録の更新をしている。すると、何らかの不具合が生じた場合、発行又は回収されたポイントを正確に管理することが極めて困難になるという技術的問題点がある。また、特許文献2に記載の技術では、消費者が購買金額を店舗端末機に入力しなければならないという技術的問題点がある。
【0007】
また、特許文献3に記載の技術では、システムを利用する度に、例えばログイン情報を入力しなければならない。或いは、システムの利用に先立ち、例えば氏名、商品の配達先(典型的には、住所)等を入力しなければならない。特に、個人情報の開示という精神的な負担が消費者に生じるため、新規加入者を確保することが困難になる可能性があるという技術的問題点がある。また、特許文献4に記載の技術では、会員カード発行の申込の際に、申込用紙に氏名、住所、職業、年齢等の個人情報を記入しなければならず、消費者の精神的な負担に起因して、新規加入者を確保することが困難になる可能性があるという技術的問題点がある。また、特許文献5及び6に記載の技術では、上記問題点を解決することは極めて困難であるという技術的問題点がある。
【0008】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、発行又は回収されたポイントを正確に管理しつつ、消費者の個人情報を開示することに対する精神的な抵抗を低減することができるポイントシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のポイントシステムは、上記課題を解決するために、カード識別情報を夫々格納する複数のカードと、端末識別情報を夫々格納する複数の店舗端末手段と、ポイント情報を、前記カード識別情報毎及び前記端末識別情報毎に格納すると共に、前記端末識別情報に夫々対応する複数のポイント発行条件情報、及び前記カード識別情報に夫々対応する複数の会員情報を格納し、前記複数の店舗端末手段の各々にネットワークを介して接続されるサーバ手段とを備え、前記複数のカードのうち一のカードにポイントを発行する場合、前記複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段は、前記一のカードに格納されているカード識別情報を取得し、更に、前記サーバ手段に対し、前記取得されたカード識別情報、前記一のカードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す購買金額情報及び前記一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報を夫々前記ネットワークを介して送信し、前記サーバ手段は、前記格納された複数のポイント発行条件情報から前記送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、前記格納された複数の会員情報から前記送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定し、前記送信された購買金額情報、前記特定されたポイント発行条件情報及び前記特定された会員情報に基づいて前記ポイントを発行し、更に、前記発行されたポイントを示す発行ポイント情報に基づいて、前記送信されたカード識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、前記送信された端末識別情報に対応するポイント情報を更新する。
【0010】
本発明のポイントシステムによれば、当該ポイントシステムは、複数のカードと、例えばカードリーダ付きキャッシュレジスタ等である複数の店舗端末手段と、例えばメモリ、プロセッサ、大容量記憶装置等を備えて構成されるサーバ手段と、例えばインターネット等であるネットワークとを備えている。ここに、本発明に係る「ポイント」とは、当該ポイントシステムの加盟店において、商品等と交換可能な(即ち、仮想マネー等として機能する)、或いは特典(例えば商品券、割引券、記念品等)と交換可能な値を意味する。
【0011】
このようなポイントは、加盟店における商品の購買金額や来店回数等に応じて、所定の条件(例えば購買金額500円毎に1ポイント、来店回数1回につき0.1ポイント等)で発行される。或いは、加盟店において、所定の条件(例えば1ポイント1円、1000ポイントで1000円分の商品券等)で商品や特典等と交換(即ち、回収)される。尚、商品は、例えば食品や衣料等の物に限らず、例えば法律相談や情報等のサービスを含んでよい。
【0012】
本発明に係る「ポイント情報」とは、このようなポイントを示す電子化された情報を意味する。特に、発行されたポイントを示すポイント情報を「発行ポイント情報」と称する。また、「ポイント情報」は、その内容が各段階で更新、格納、発行等され得る性質であるため、例えば、「カード識別情報に対応するポイント情報」(即ち、一のカードが保有しているポイントを示す情報)や、「端末識別情報に対応するポイント情報」(即ち、一の店舗端末手段が設置されている店舗が発行又は回収したポイントを示す情報)がある。
【0013】
本発明に係る「ポイント発行条件」とは、ポイントを発行するか否か、及びポイントを発行する場合には何ポイント発行するかを決定する条件であり、予め固定条件として又は何らかのパラメータ(例えば保有ポイント数等)に応じた可変条件として設定されている条件である。
【0014】
また、「ポイント発行条件情報」とは、このようなポイント発行条件を示す電子化された情報を意味する。このポイント発行条件情報は、端末識別情報に夫々対応しており(即ち、店舗端末手段毎に、ポイント発行条件情報が存在しており)、ポイント発行条件情報により示されるポイント発行条件は、典型的には、店舗端末手段毎に(即ち、店舗毎に)、相互に独立に設定されている。
【0015】
本発明に係る「会員情報」とは、例えば氏名、住所、電話番号等の個人を特定可能な情報(以下、適宜「個人情報」と称する)を含む電子化された情報を意味する。尚、会員情報に個人情報が含まれていない場合、典型的には、会員情報は、「情報なし」を示す情報を含む。
【0016】
本発明に係る「カード」は、当該ポイントシステム専用のカードに限らず、例えばICチップ付き電子マネーカードやICチップ付き交通機関乗車券等の他のシステム又はサービスにおいて使用されているカードであってもよい。即ち、当該ポイントシステムにおいて、他のカードから識別可能であり、且つ店舗端末手段がカードを認識可能である限り、いかなるカードであってもよい。
【0017】
また、カードが本発明でいうところのカード機能を有していれば、その形状自体はカード状或いは平板状でなくてもよい。更に、携帯電話、モバイル機器等に内蔵又は付加されているものも、広義にはここにいう「カード」に含まれる。但し、カードは、狭義には、例えば名刺大であり、電源を必要としないカードを意味し、その方がカードとしての使い勝手が良い。
【0018】
複数のカードのうち一のカードにポイントを発行する場合、先ず、複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段(典型的には、一のカードを所有する消費者が商品を購入する店舗に備えられている店舗端末手段)は、一のカードに格納されている、例えばID番号等のカード識別情報を取得する。ここに「カード識別情報」とは、個々のカード(即ち、個々の顧客に手渡されたカード等)を相互から識別可能とするためにユニークに割り当てられた識別ID或いはID番号等の識別情報である。
【0019】
次に、一の店舗端末手段は、サーバ手段に対し、ネットワークを介して、取得されたカード識別情報、一のカードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す購買金額情報及び一の店舗端末手段に格納されている、例えばID番号等の端末識別情報を夫々送信する。ここに「端末識別情報」とは、個々の店舗端末手段(即ち、個々の店舗に配備されたパソコン、ワークステーション等)を相互から識別可能とするためにユニークに割り振られた識別ID或いはID番号等の識別情報である。
【0020】
次に、サーバ手段は、送信された端末識別情報に基づいて、格納された複数のポイント発行条件情報から、送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定する。該ポイント発行条件情報の特定と相前後して、サーバ手段は、送信されたカード識別情報に基づいて、格納された複数の会員情報から、送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定する。
【0021】
続いて、サーバ手段は、送信された購買金額情報、特定されたポイント発行条件情報及び特定された会員情報に基づいて、ポイントを発行する。具体的には例えば、送信された購買金額情報により示される購買金額が「1659円」であり、特定されたポイント発行条件情報により示されるポイント発行条件が「購買金額100円毎に1ポイント」である場合、サーバ手段は、典型的には、端数を切り捨てて「16ポイント」と算出する。
【0022】
次に、サーバ手段は、特定された会員情報に含まれる個人情報に応じて発行倍率を決定する(より具体的には、会員情報に氏名が含まれている場合、例えば発行倍率を1.1と決定する。或いは、会員情報に氏名、住所及び職業が含まれている場合、例えば発行倍率を1.8と決定する)。続いて、サーバ手段は、算出されたポイントに決定された発行倍率を掛け合わせて得られたポイントだけポイント(例えば、発行倍率が1.1であれば、17.6ポイント)を発行する。
【0023】
尚、会員情報に個人情報が含まれていない場合(即ち、「情報なし」を示す情報が含まれている場合)、サーバ手段は、典型的には、発行倍率を1と決定する。
【0024】
続いて、サーバ手段は、発行されたポイントを示す発行ポイント情報に基づいてカード識別情報に対応するポイント情報(即ち、一のカードが保有しているポイントを示す情報)を更新すると共に、発行ポイント情報に基づいて端末識別情報に対応するポイント情報(即ち、一の店舗端末手段が設置されている店舗が発行又は回収したポイントを示す情報)を更新する。
【0025】
尚、サーバ手段に、カード識別情報に対応するポイント情報が格納されていない場合、典型的には、サーバ手段は、該カード識別情報に対応するポイント情報を、新たに生成して格納する。この新たに生成されるポイント情報が示すポイントは、ゼロであってもよいし、所定の値(例えば、新規登録特典として500ポイント等)であってもよい。
【0026】
本願発明者の研究によれば、例えば1日の決まった時刻に、店舗端末手段に蓄積されたポイント情報が、サーバ手段にネットワークを介して送信され、サーバ手段がポイント情報を更新するポイントシステムでは、例えば店舗端末手段の故障等の何らかの不具合が生じた場合に、ポイントを正確に管理することが極めて困難になる。更に、店舗端末手段は、比較的頻繁に人が立ち入る場所に、十数〜数十台、或いは百台以上設置されている。すると、店舗端末手段に不具合が生じる確率は、一又は数台しか設置されないサーバ手段に比べ、格段に大きくなることが判明している。
【0027】
しかるに本発明では、上述の如く、常にサーバ手段に格納されているポイント情報を更新している(即ち、ポイント情報をサーバ手段で一元管理している)。これにより、仮に、店舗端末手段に不具合が生じても、ポイント情報を正確に管理することができる。
【0028】
尚、サーバ手段に格納されているポイント情報のバックアップを逐次取得すれば、或いは、複数のサーバ手段で同一のポイント情報を管理すれば、仮にサーバ手段(或いは、複数のサーバ手段のうちの一のサーバ手段)に不具合が生じても、ポイント情報を正確に管理することができる。また、ポイントシステムが複数のサーバ手段を備えている場合、複数のサーバ手段各々を相互に異なる建物又は地域に設置すれば、例えば火災や震災等に対しても強固なシステムを提供することができる。
【0029】
加えて、本発明では、上述の如く、会員情報に基づいてポイントが割増で発行される。このため、割増の程度を、消費者の個人情報を開示することに対する精神的な抵抗が低減されるように(即ち、消費者にとって魅力的なものとなるように)設定すれば、消費者が自主的に個人情報を開示する可能性を高くすることができる。この結果、消費者により適した販売戦略を立てることができ、リピータ率の向上や商店街の活性化を期待することができる。
【0030】
他方、会員情報に個人情報が含まれていない場合に、会員情報に「情報なし」を示す情報が含まれるようにすれば、消費者は、個人情報を開示することなく当該ポイントシステムを利用することができる。この結果、例えば入会時の手続き(例えば、申込用紙の記入等)等を省略することができる。或いは、個人情報を開示したくない消費者を会員として取り込むことができる。
【0031】
また、当該ポイントシステムでは、典型的には、カードを店舗端末手段に(具体的には例えば、カードリーダに)接触させ又は挿入すれば、或いは、所定範囲内に近づければ、店舗端末手段は、カードに格納されているカード識別情報を取得可能であるので、例えば消費者が識別情報を入力する場合等に比べて、消費者の負担を軽減することができると共に、例えば順番待ちの待ち時間等を減少することができる。
【0032】
更に、ポイント発行条件情報が、店舗端末手段毎に対応しているため、例えばお中元やお歳暮等の特定の期間、週の特定の曜日、月の特定の日等に、特定の店舗だけポイント発行条件を、他の店舗から独立して変更することができる。これにより、店舗毎の特色を出しやすくなり、新規顧客の確保や売上の向上を期待することができる。
【0033】
或いは、店舗毎の取扱商品の単価の違いによる不均衡を解消することができる。具体的には、例えば電気屋等、比較的商品単価の高い店舗では、ポイント発行条件を、例えば購買金額500円毎に1ポイント等と設定し、例えば八百屋等、比較的単価の低い店舗では、ポイント発行条件を、例えば購買金額100円毎に0.2ポイント等と設定すれば、いずれの店舗においても、商品を購入する度にポイントが発行され、例えばポイントが発行されやすい店舗だけリピータが増加するという不均衡を解消することができる。
【0034】
また、他のシステム又はサービスで使用されているカードを流用又は併用すれば、消費者が複数枚のカードを所持しなければならないという煩わしさを解消することができる。この結果、新規加入者やリピータの確保を期待することができる。加えて、当該ポイントシステムの加盟店が、当該ポイントシステム専用のカードの不要な在庫を持たなくてよく、コストを低減することができると共に、カードの保管スペースを削減することができ、実用上非常に有利である。
【0035】
尚、上述の如く、店舗端末手段は、カードに格納されているカード識別情報を取得するだけであり、例えば発行されたポイント等をカードに記録しない(即ち、カードに格納されている情報の変更や更新は行わない)。このため、カードに当該ポイントシステムに係るポイント情報を格納する領域を設定する必要がないので(即ち、カードのメモリを消費しないので)、他のシステム又はサービスで使用されているカードを流用又は併用しても、他のシステム又はサービスに何らの影響を与えることはない。
【0036】
また、例えば領収書等に保有ポイントを印字するように、店舗端末手段を構成すれば、消費者が比較的容易にして保有ポイントを確認することができ、実用上非常に有利である。
【0037】
本発明のポイントシステムの一態様では、前記複数の会員情報各々は、個人を特定可能な情報である個人情報の開示に係る開示情報を含んでおり、前記一のカードに前記ポイントを発行する場合、前記サーバ手段は、前記送信された購買金額情報、前記特定されたポイント発行条件情報及び前記特定された会員情報に含まれる開示情報に基づいて前記ポイントを発行する。
【0038】
この態様によれば、複数の会員情報各々は、個人情報の開示に係る開示情報を含んでいる。ここに、本発明に係る「開示情報」とは、会員情報に含まれる個人情報の程度を数値で示す情報を意味する。開示情報は、具体的には例えば、開示されている個人情報の項目数(例えば、氏名、住所及び電話番号が開示されていれば「3」)として、或いは個人情報の項目に応じて定められている点数の合計(例えば「氏名:0.1」、「住所:0.2」、「電話番号:0.2」、「年齢:0.1」等と定められている場合に、氏名、住所及び年齢が開示されていれば「0.4」)として表される。
【0039】
尚、開示情報が項目数として表されている場合には、例えば項目数を10で割った値を1に加えた値を、上述の発行倍率とすればよい。他方、開示情報が項目に応じて定められている点数の合計として表されている場合には、例えば点数の合計を1に加えた値を、上述の発行倍率とすればよい。
【0040】
一のカードにポイントを発行する場合、サーバ手段は、送信された購買金額情報、特定されたポイント発行条件情報及び特定された会員情報に含まれる開示情報に基づいてポイントを発行する。
【0041】
以上の結果、この態様によれば、比較的容易にして、会員情報をポイントの発行に適用することができ、実用上非常に有利である。
【0042】
この態様では、前記個人情報は、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、性別、年齢及び職業のうち少なくとも一つを含んでいてよい。
【0043】
このように構成すれば、例えば、会員の地域分布を把握して新規地域を開拓したり、各会員に適した告知をしたり(例えば職業が主婦であれば、タイムセールがある旨の電子メールを携帯電話に配信)することができ、実用上非常に有利である。
【0044】
本発明のポイントシステムの他の態様では、前記サーバ手段は、前記複数のカード各々の利用状況に係るカード利用情報を前記カード識別情報毎に更に格納し、前記格納された複数のポイント発行条件情報の各々は、複数のポイント発行条件を含み、前記一のカードに前記ポイントを発行する場合、前記サーバ手段は、前記格納された複数のポイント発行条件情報から前記送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、前記送信されたカード識別情報に対応するカード利用情報を特定し、該特定されたカード利用情報に基づいて前記特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件から一のポイント発行条件を選択し、更に、前記格納された複数の会員情報から前記送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定し、前記送信された購買金額情報、前記選択された一のポイント発行条件及び前記特定された会員情報に基づいて前記ポイントを発行する。
【0045】
この態様によれば、サーバ手段は、更に、複数のカード各々の利用状況に係るカード利用情報を、カード識別情報毎に格納している。ここに、「カード利用情報」は、例えば、ある店舗端末手段を利用した回数(即ち、該店舗端末手段が設置されている店舗への来店回数)、ある店舗端末手段を利用することに起因して発行された延べポイント(即ち、該店舗端末手段が設置されている店舗への支払金額)等のカードを所有する消費者の当該ポイントシステムの加盟店の利用の程度を示す情報を意味する。
【0046】
ポイント発行条件情報の各々は、複数のポイント発行条件を含んでいる。即ち、店舗端末手段毎に、例えば延べポイント、来店回数、来店日等に応じた複数のポイント発行条件が設定されている。
【0047】
具体的には例えば、一の店舗端末手段を備える店舗における商品の購入に起因して、一のカードに対して発行された延べポイントが200ポイント以上であれば、購買金額500円毎に2ポイント発行し、延べポイントが200ポイント未満であれば、購買金額500円毎に1ポイント発行する等とポイント発行条件が設定されている。
【0048】
一のカードにポイントを発行する場合、サーバ手段は、格納された複数のポイント発行条件情報から送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、格納されたカード利用情報から送信されたカード識別情報に対応するカード利用情報を特定する。続いて、サーバ手段は、特定されたカード利用情報に基づいて、特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件のうち一のポイント発行条件を選択する。
【0049】
続いて、サーバ手段は、格納された複数の会員情報から送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定する。次に、サーバ手段は、送信された購買金額情報、選択された一のポイント発行条件及び特定された会員情報に基づいてポイントを発行する。
【0050】
例えば領収書等に有利な条件でポイントが発行されたことを示す情報を印刷等すれば、一のカードを所有する消費者が、比較的容易にしてポイントが割増発行されていることを認識することができる。この結果、例えば得意客が離れることを抑制することができ、実用上非常に有利である。
【0051】
この態様では、前記選択された一のポイント発行条件は、前記特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件のうち最もポイント発行率の高い条件であってよい。
【0052】
このように構成すれば、消費者にとって最も有利なポイント発行条件が自動的に選択されるので、リピータ率の向上を期待することができる。
【0053】
本発明の作用及びその他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明に係るポイントシステムの実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態では、本発明に係るポイントシステムの一例として、複数の店舗が集合して形成される商店街におけるポイントシステムを挙げる。
【0055】
<第1実施形態>
本発明のポイントシステムに係る第1実施形態を、図1乃至図12を参照して説明する。
【0056】
(ポイントシステムの構成)
先ず、本実施形態に係るポイントシステムの全体構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、本実施形態に係るポイントシステムの全体構成を示す模式図である。
【0057】
図1において、ポイントシステム1は、サーバ10と、複数の店舗端末20a〜20cと、複数の消費者50a〜50d各々が所有する複数のカード30a〜30dとを備えて構成されている。サーバ10と複数の店舗端末20a〜20cとは、インターネット40を介して、相互に接続されている。尚、本実施形態に係る「サーバ10」、「複数の店舗端末20a〜20c」及び「インターネット40」は、夫々、本発明に係る「サーバ手段」、「複数の店舗端末手段」及び「ネットワーク」の一例である。
【0058】
次に、サーバ10の構成について、図2を参照して説明する。ここに、図2は、本実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【0059】
図2において、サーバ10は、記憶部110、表示部120、通信部130、暗号化・復号化処理部140、演算処理部150、入力処理部160及び制御部170を備えて構成されている。尚、サーバ10の表示部120及び入力処理部160は、主に、例えばサーバ管理者等によるサーバ10(又は、サーバ10を含むポイントシステム1)のメンテナンス時に使用される。
【0060】
記憶部110には、ポイント発行条件情報111、ポイント回収条件情報112、保有ポイント情報113、端末ポイント情報114及び会員情報115が格納されている。ここに、本実施形態に係る「保有ポイント情報113」及び「端末ポイント情報114」は、夫々、本発明に係る「カード識別情報に対応するポイント情報」及び「端末識別情報に対応するポイント情報」の一例である。
【0061】
尚、ポイント発行条件は、店舗端末20a〜20c毎に(図1参照)、例えば店舗端末20a〜20cを夫々備える店舗の経営者等によって、設定されている。従って、サーバ10は、店舗端末20a〜20c毎に設定されたポイント発行条件を、一括してポイント発行条件情報111として格納している。
【0062】
次に、店舗端末20aの構成について、図3を参照して説明する。ここに、図3は、本実施形態に係る店舗端末の構成を示すブロック図である。尚、図1に示した店舗端末20b及び20c各々の構成は、店舗端末20aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0063】
図3において、店舗端末20aは、記憶部210、表示部220、通信部230、暗号化・復号化処理部240、演算処理部250、入力処理部260、制御部270、カード読取部280及び印字部290を備えて構成されている。記憶部210には、端末識別情報211が予め格納されていると共に、後述するポイント発行処理又はポイント回収・発行処理において、利用ポイント情報212、購買金額情報213等が一時的に格納される。
【0064】
次に、カード30aの構成について、図4を参照して説明する。ここに、図4は、本実施形態に係るカードの構成を示すブロック図である。尚、図1に示したカード30b〜30d各々の構成は、カード30aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0065】
図4において、カード30aは、記憶部310を備えて構成されている。記憶部310には、カード識別情報311が格納されている。
【0066】
(ポイント確認処理)
次に、以上のように構成されたポイントシステム1において、消費者50a(図1参照)が、店舗端末20a(図1参照)を備える店舗で商品を購入する際に実行されるポイント確認処理を、図5のタイミングチャートを参照して説明する。
【0067】
図5において、先ず、消費者50aが購入しようとする商品を所持して、例えばレジカウンター等に行き、消費者50a又は店員(図示せず)が所有するカード30aを店舗端末20aのカード読取部280(図3参照)に、例えば接触等させると、カード読取部280に含まれているカード検知部(図示せず)は、カード30aを検知する。
【0068】
続いて、制御部270(図3参照)は、カード30aの記憶部310(図4参照)に格納されているカード識別情報311を読み取り、取得するようにカード読取部280を制御する(ステップS101)。尚、本実施形態に係る「店舗端末20a」及び「カード30a」は、夫々、本発明に係る「一の店舗端末手段」及び「一のカード」の一例である。
【0069】
次に、店舗端末20aの制御部270は、取得されたカード識別情報311、及び記憶部210(図3参照)に格納されている端末識別情報211を、例えばSSL(Secure Socket Layer)等の所定の方式で夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230(図3参照)及びインターネット40(図1参照)を介して、暗号化されたカード識別情報311及び端末識別情報211を送信する(ステップS102)。
【0070】
次に、サーバ10の制御部170(図2参照)は、通信部130(図2参照)を介して受信されたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140(図2参照)を制御する。続いて、制御部170は、例えば図6に示すような保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する(ステップS103)。
【0071】
ここに、図6は、本実施形態に係る保有ポイント情報の一例を示す概念図である。尚、図6に示すように、保有ポイント情報113には、氏名、住所等の個人を特定可能な個人情報は含まれていない。
【0072】
次に、サーバ10の制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報を暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報を送信する(ステップS104)。
【0073】
尚、端末識別情報211は、保有ポイント情報を送信すべき店舗端末を特定することに限らず、例えばポイントシステム1に正規に登録された店舗端末であるか否かを判定することに利用してもよい。
【0074】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報を復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報を表示部220(図3参照)に表示して一旦処理を終了する(ステップS105)。
【0075】
消費者50aは、表示部220に表示された保有ポイント情報を確認して、ポイントを利用するか否かを判断する。或いは、店員が、消費者50aに、表示された保有ポイント情報を伝えて、ポイントを利用するか否かを確認する。
【0076】
(ポイント発行処理)
次に、ポイントを利用しない場合に実行されるポイント発行処理について、図7のタイミングチャートを参照して説明する。
【0077】
図7において、先ず、店員が、例えばテンキー等の入力手段(図示せず)を操作することによって、消費者50aが購入しようとする商品の情報(例えば商品の名称又は種類、単価、数量等)が入力される。
【0078】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された情報から金額に係る情報を抽出するように入力処理部260(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、抽出された金額に係る情報に基づいて、購買金額を演算するように演算処理部250(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、演算された購買金額を示す購買金額情報213を一旦記憶部210に格納する(ステップS201)。
【0079】
次に、店舗端末20aの制御部270は、格納された購買金額情報213、ステップS101(図5参照)において取得されたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230及びインターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報211を送信する(ステップS202)。
【0080】
次に、サーバ10の制御部170は、通信部130を介して、受信された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、例えば図8に示すようなポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件情報を特定する(ステップS203)。ここに、図8は、本実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【0081】
上述のポイント発行条件情報の特定と相前後して、サーバ10の制御部170は、例えば図9に示すような会員情報115から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する会員情報を特定する(ステップS204)。ここに、図9は、本実施形態に係る会員情報の一例を示す概念図である。尚、図9中の「−」は、情報が未蓄積であることを示している。
【0082】
図9に示すように、会員情報115には、例えば氏名、住所、電話番号等の個人情報が含まれている。また、項目毎に点数が設定されており、会員情報115は、開示されている(即ち、情報が蓄積されている)項目に対応する点数の合計点を、本発明に係る「開示情報」の一例としての合計点数として格納している。尚、項目毎の点数は、例えば、販売戦略を立てる際に重要となる項目ほど点数が大きくなるように設定すればよい、或いは、全ての項目に対して一律に点数を設定すればよい。
【0083】
本実施形態では特に、個人情報が開示されていない場合(即ち、全ての項目が「−」である場合)、合計点数をゼロとした会員情報を作成し、格納している。これにより、個人情報を開示したくない消費者であっても、当該ポイントシステム1を利用することができる。
【0084】
尚、会員情報115は、個人情報に加えて、例えば最終購買日、購買頻度等を示す情報を含んでいてもよい。このようにすれば、例えば最終購買日から所定期間経過した際に、割引クーポン券や粗品引換券等を送付することによって顧客離れを抑制したり、購買頻度が比較的高いことを条件に、特別ポイントの発行等によって購買意欲を増進させたりすることができ、実用上非常に有利である。
【0085】
次に、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント発行条件情報及び特定された会員情報に含まれる合計点数に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150(図2参照)を制御する(ステップS205)。
【0086】
具体的には例えば、店舗端末20aが「○○屋鶏肉店」に設置されており、カード30aに対応する会員情報が図9に示す「鈴木 二郎」の会員情報であり、復号化された購買金額情報213が示す購買金額が600円である場合、制御部170は、特定されたポイント発行条件(ここでは、購買金額100円毎に1ポイント)と、復号化された購買金額情報213(ここでは600円)とからポイントを演算するように演算処理部150を制御する(ここでは、6ポイントとなる)。
【0087】
続いて、サーバ10の制御部170は、特定された会員情報に含まれる合計点数(ここでは1.0)に1を加えた値(即ち2)を発行倍率として、演算されたポイントに掛け合わせるように演算処理部150を制御する(ここでは、12ポイントが発行すべきポイントとなる)。
【0088】
尚、発行倍率は、例えば特定された会員情報に含まれる合計点数に応じてランク分けがされ(具体的には例えば、合計点数1.5以上はランクA、合計点数1.0〜1.5はランクB、合計点数0.5〜1.0はランクC、合計点数0.1〜0.5はランクD、合計点数0はランクE等)、ランクに応じて決定されてもよい(具体的には例えば、ランクAであれば発行倍率2、ランクEであれば発行倍率1等)。
【0089】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント及び復号化されたカード識別情報311に基づいて、保有ポイント情報111を更新する(ステップS206)と共に、演算されたポイント及び復号化された端末識別情報に基づいて、例えば図10に示すような店舗ポイント情報114を更新する(ステップS207)。
【0090】
ここに、図10は、本実施形態に係る店舗ポイント情報の一例を示す概念図である。尚、店舗ポイント情報114は、ポイントシステム1の管理者又は管理会社と各店舗との間の精算に利用される。
【0091】
次に、サーバ10の制御部170は、更新された保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する。続いて、制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報及び演算されたポイントを示す発行ポイント情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0092】
続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を送信する(ステップS208)。
【0093】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を表示部220に夫々表示する(ステップS209)。
【0094】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を、消費者50aが購入した商品の情報と共に、例えば領収書等に夫々印字するように印字部290(図3参照)を制御すると共に(ステップS210)、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0095】
本実施形態では、上述の如く、保有ポイント情報113は、カード識別情報311により管理しており、個人情報を含んでいない。加えて、会員情報115に個人情報が含まれていなくても、何らの問題もなく当該ポイントシステム1を利用可能である。従って、新規入会の際に消費者に、例えば氏名、住所等が記載された申込用紙の提出を求めなくてよく、消費者の負担を一層軽減することができる。或いは、個人情報を開示したくない消費者を会員として取り込むことができる。
【0096】
他方、会員情報115に含まれる個人情報に応じてポイントが割増で発行されるので、その旨を消費者に伝えれば、消費者が自主的に個人情報を開示する可能性を高くすることができる。この結果、消費者により適した販売戦略を立てることができ、リピータ率の向上や商店街の活性化を期待することができる。
【0097】
(ポイント回収・発行処理)
次に、ポイントを利用する場合に実行されるポイント回収・発行処理について、図11のタイミングチャートを参照して説明する。
【0098】
図11において、先ず、店員が、例えばテンキー等の入力手段(図示せず)を操作することによって、消費者50aが購入しようとする商品の情報が入力される。
【0099】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された情報から金額に係る情報を抽出するように入力処理部260を制御する。続いて、制御部270は、抽出された金額に係る情報に基づいて、購買金額を演算するように演算処理部250を制御する。続いて、制御部270は、演算された購買金額を示す購買金額情報213を一旦記憶部210に格納する(ステップS301)。
【0100】
次に、店員が、入力手段を操作することによって、消費者50aが利用するポイントを示す利用ポイント情報212が入力される。続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された利用ポイント情報212を一旦記憶部210に格納する(ステップS302)。
【0101】
次に、店舗端末20aの制御部270は、格納された購買金額情報213、格納された利用ポイント情報212、ステップS101(図5参照)において取得されたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230及びインターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213、利用ポイント情報212、カード識別情報311及び端末識別情報211を送信する(ステップS303)。
【0102】
次に、サーバ10の制御部170は、通信部130を介して、受信された購買金額情報213、利用ポイント情報212、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、例えば図12に示すようなポイント回収条件情報112から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント回収条件を特定する(ステップS304)。
【0103】
ここに、図12は、本実施形態に係るポイント回収条件情報の一例を示す概念図である。尚、図12に示すポイント回収条件情報112では、ポイント回収条件が店舗端末毎に設定されているが、当該ポイントシステム1全体として一律に設定されていてもよい。
【0104】
次に、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント回収条件、復号化された利用ポイント情報212及び復号化された購買金額情報213に基づいて、請求すべき金額を演算するように演算処理部150を制御する(ステップS305)。ここで、「請求すべき金額」とは、購買金額情報213により示される購買金額から、利用ポイント情報212により示されるポイントを特定されたポイント回収条件により換算した金額を、差し引くことにより求まる金額を意味する。
【0105】
続いて、制御部170は、ポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件情報を特定する(ステップS306)と共に、会員情報115から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する会員情報を特定する(ステップS307)。
【0106】
続いて、制御部170は、演算された請求すべき金額、特定されたポイント発行条件情報及び特定された会員情報に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150を制御する(ステップS308)。尚、上記ステップS305において、演算された請求すべき金額がゼロである場合、典型的には、上記ステップS306乃至S308の処理は省略される。
【0107】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント、復号化された利用ポイント情報212及び復号化されたカード識別情報311に基づいて、保有ポイント情報113を更新する(ステップS309)と共に、演算されたポイント、復号化された利用ポイント情報212及び復号化された端末識別情報に基づいて、店舗ポイント情報114を更新する(ステップS310)。
【0108】
次に、サーバ10の制御部170は、更新された保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する。続いて、制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報、演算されたポイントを示す発行ポイント情報及び演算された請求すべき金額を示す請求金額情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0109】
続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報を送信する(ステップS311)。
【0110】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報、並びに格納された利用ポイント情報212を表示部220に夫々表示する(ステップS312)。
【0111】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報、並びに格納された利用ポイント情報212を、消費者50aが購入した商品の情報と共に、例えば領収書等に夫々印字するように印字部290を制御すると共に(ステップS313)、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0112】
<変形例>
次に、第1実施形態に係るポイントシステムの変形例について、図13を参照して説明する。ここに、図13は、図4と同趣旨の、変形例に係るカードの構成を示すブロック図である。尚、図1に示したカード30b〜30d各々の構成は、カード30aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0113】
図13に示すように、カード30aの記憶部310には、カード識別情報311及び乗車料金バリュー312が格納されている。このように、本変形例に係るカード30a〜30dは、典型的には、SF(Stored Fare)方式、所謂プリペイド方式のICカードである。即ち、カード30a〜30d各々における記憶部310に、予め所定の金額分だけ乗車料金を電子マネーとして充填し(図13中の「乗車料金バリュー312」)、該充填された電子マネーで乗車料金を精算するものである。
【0114】
本変形例では、交通機関で使用されているカードを、当該ポイントシステム1の一部として使用することができるので、新たに加入する消費者に対し、別途カードを発行する必要がなく、実用上非常に有利である。
【0115】
<第2実施形態>
次に、本発明のポイントシステムに係る第2実施形態を、図14乃至図17を参照して説明する。第2実施形態では、サーバの構成、並びにポイント発行処理及びポイント回収・発行処理における発行すべきポイントの演算が異なる以外は、第1実施形態と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図14乃至図17を参照して説明する。
【0116】
先ず、本実施形態に係るサーバの構成について、図14を参照して説明する。ここに、図14は、図2と同趣旨の、本実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【0117】
図2において、サーバ10は、記憶部110、表示部120、通信部130、暗号化・復号化処理部140、演算処理部150、入力処理部160、制御部170、選択部180及びシステム時計190を備えて構成されている。
【0118】
記憶部110には、ポイント発行条件情報111、ポイント回収条件情報112、保有ポイント情報113、端末ポイント情報114、会員情報115、及び本発明に係る「カード利用情報」の一例としての発行条件選択情報116が格納されている。
【0119】
(ポイント発行処理)
次に、以上のように構成されたポイントシステム1において、消費者50a(図1参照)が、店舗端末20a(図1参照)を備える店舗で、ポイントを利用せずに商品を購入する際に実行されるポイント発行処理を、図15のタイミングチャートを参照して説明する。
【0120】
図15において、ポイント確認処理(図5参照)の後、店舗端末20aの制御部270(図3参照)によって、サーバ10に対し、インターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報が送信されると(ステップS202)、サーバ10の制御部170(図14参照)は、通信部130(図14参照)を介して、受信された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140(図14参照)を制御する。
【0121】
続いて、サーバ10の制御部170は、例えば図16に示すようなポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件情報を特定する。ここに、図16は、本実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【0122】
図16に示すように、ある端末識別情報(ここでは、「△△精米店」に設置されている店舗端末の端末識別情報)に対応するポイント発行条件情報は、複数のポイント発行条件を含んでいる。例えば「500円 1ポイント」は、購買金額500円毎に1ポイント発行されることを示している。また、「500円 2ポイント 延べポイント≧100」は、△△精米店での商品購入に起因して発行された延べポイントが100以上の場合は、購買金額500円毎に2ポイント発行されることを示している。また、「100円 1ポイント 2008/05/03〜2008/05/06」は、2008年5月3日から6日までの間に商品を購入した場合は、100円毎に1ポイント発行されることを示している。
【0123】
上述のポイント発行条件情報の特定と相前後して、サーバ10の制御部170は、例えば図17に示すような発行条件選択情報116から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する発行条件選択情報を特定する。ここに、図17は、本実施形態に係る発行条件選択情報の一例を示す概念図である。図17に示すように、例えば来店回数等は、店舗毎に(又は端末識別情報毎に)格納されている。
【0124】
次に、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント発行条件情報、特定された発行条件選択情報、及びシステム時計190(図14参照)によって示される日時に基づいて、特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件から一のポイント発行条件を選択するように選択部180(図14参照)を制御する(ステップS401)。
【0125】
具体的には例えば、店舗端末20aが「△△精米店」に設置されており、カード30aに対応する条件選択情報によって示される情報が「全延べポイント:4096、△△精米店に対応する延べポイント:123、来店回数:30」であり、システム時計190によって示される日時が「2008年5月14日17時20分」である場合、選択部180によって、最もポイント発行率の高い「500円 2ポイント 延べポイント≧100」という条件が選択される。
【0126】
或いは、システム時計190によって示される日時が「2008年5月4日14時35分」である場合、選択部180によって、最もポイント発行率の高い「100円 1ポイント 2008/05/03〜2008/05/06」という条件が選択される。
【0127】
上述の一のポイント発行条件の選択と相前後して、サーバ10の制御部170は、会員情報115から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する会員情報を特定する(ステップS402)。
【0128】
次に、サーバ10の制御部170は、復号化された購買金額情報213、選択された一のポイント発行条件及び特定された会員情報に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150(図14参照)を制御する(ステップS403)。
【0129】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント及び復号化されたカード識別情報311に基づいて、保有ポイント情報111を更新する(ステップS404)と共に、演算されたポイント及び復号化された端末識別情報に基づいて、例えば図10に示すような店舗ポイント情報114を更新する(ステップS405)。
【0130】
次に、サーバ10の制御部170は、更新された保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する。続いて、制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報及び演算されたポイントを示す発行ポイント情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0131】
続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を送信する(ステップS406)。
【0132】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を表示部220に夫々表示する(ステップS407)。
【0133】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を、消費者50aが購入した商品の情報と共に、例えば領収書等に夫々印字するように印字部290(図3参照)を制御すると共に(ステップS408)、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0134】
(ポイント回収・発行処理)
消費者50aが、店舗端末20aを備える店舗で、ポイントを利用して商品を購入する際に実行されるポイント回収・発行処理について説明する。
【0135】
図11におけるステップS306において、サーバ10の制御部170は、図16に示すポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件情報を特定すると共に、図17に示すような発行条件選択情報116から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する発行条件選択情報を特定する。
【0136】
続いて、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント発行条件情報、特定された発行条件選択情報、及びシステム時計190によって示される日時に基づいて、特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件から一のポイント発行条件を選択するように選択部180を制御する。
【0137】
次に、図11におけるステップS307において、サーバ10の制御部170は、会員情報115から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する会員情報を特定する。続いて、図11におけるステップS308において、サーバ10の制御部170は、演算された請求すべき金額、選択された一のポイント発行条件及び特定された会員情報に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150を制御する。
【0138】
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うポイントシステムもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】第1実施形態に係るポイントシステムの全体構成を示す模式図である。
【図2】第1実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る店舗端末の構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るカードの構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態に係るポイント確認処理を示すタイミングチャートである。
【図6】第1実施形態に係る保有ポイント情報の一例を示す概念図である。
【図7】第1実施形態に係るポイント発行処理を示すタイミングチャートである。
【図8】第1実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【図9】第1実施形態に係る会員情報の一例を示す概念図である。
【図10】第1実施形態に係る店舗ポイント情報の一例を示す概念図である。
【図11】第1実施形態に係るポイント回収・発行処理を示すタイミングチャートである。
【図12】第1実施形態に係るポイント回収条件情報の一例を示す概念図である。
【図13】第1実施形態の変形例に係るカードの構成を示すブロック図である。
【図14】第2実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態に係るポイント発行処理を示すタイミングチャートである。
【図16】第2実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【図17】第2実施形態に係る発行条件選択情報の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0140】
1…ポイントシステム、10…サーバ、20a〜20c…店舗端末、30a〜30d…カード、40…インターネット、50a〜50d…消費者、111…ポイント発行条件情報、112…ポイント回収条件情報、113…保有ポイント情報、114…端末ポイント情報、115…会員情報、116…発行条件選択情報、211…端末識別情報、311…カード識別情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば商店街で商品を購入した際に発行又は回収されるポイントを管理するポイントシステムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のポイントシステムとして、店舗端末機及びセンターサーバ装置が相互にインターネットを介して接続された商店街ポイントシステムが提案されている。ここでは特に、加盟店が独自に購買金額に対するポイント発行レートを変更する技術が記載されている(特許文献1参照)。或いは、インターネット常時接続サービスを利用して、消費者が取得又は還元したポイント情報をポイントサービスサーバに記憶させ、IDカードやICカード内へのポイント情報の記憶を不要とする商店街Webポイントシステムが提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
或いは、インターネット上の仮想商店街を構成する商店毎に、ポイントの発行率と還元率とを夫々設定可能なポイントサービスシステムが提案されている。ここでは特に、保有ポイントが10000ポイントになると発行率が割増しとなる技術が記載されている(特許文献3参照)。或いは、来店回数に応じて会員のランク分けを行い、前月に比べてランクが落ちた顧客に対し特典を付与するシステムが提案されている(特許文献4参照)。
【0004】
尚、特許文献5には、予め前払いしたバスや鉄道等の交通機関の乗車料金(乗車料金バリュー)を記憶する領域を有するICカードに、乗車割引ポイントを発行した商店と、その商店が発行した乗車割引ポイント数とを記憶する技術が記載されている。また、特許文献6には、電子購買システムにおいて、サーバとクライアントとの間のインターネットを介する情報のやりとりに、安全確保のために、盗聴及び改竄防止可能な暗号を用いた通信を行う技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−279273号公報
【特許文献2】特開2003−233747号公報
【特許文献3】特開2006−209792号公報
【特許文献4】特開2004−103020号公報
【特許文献5】特開2003−108898号公報
【特許文献6】特開2001−344487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば1日の決まった時刻に、店舗端末機に蓄積されたポイント取引データを、センターサーバ装置に転送し、ポイント収支記録の更新をしている。すると、何らかの不具合が生じた場合、発行又は回収されたポイントを正確に管理することが極めて困難になるという技術的問題点がある。また、特許文献2に記載の技術では、消費者が購買金額を店舗端末機に入力しなければならないという技術的問題点がある。
【0007】
また、特許文献3に記載の技術では、システムを利用する度に、例えばログイン情報を入力しなければならない。或いは、システムの利用に先立ち、例えば氏名、商品の配達先(典型的には、住所)等を入力しなければならない。特に、個人情報の開示という精神的な負担が消費者に生じるため、新規加入者を確保することが困難になる可能性があるという技術的問題点がある。また、特許文献4に記載の技術では、会員カード発行の申込の際に、申込用紙に氏名、住所、職業、年齢等の個人情報を記入しなければならず、消費者の精神的な負担に起因して、新規加入者を確保することが困難になる可能性があるという技術的問題点がある。また、特許文献5及び6に記載の技術では、上記問題点を解決することは極めて困難であるという技術的問題点がある。
【0008】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、発行又は回収されたポイントを正確に管理しつつ、消費者の個人情報を開示することに対する精神的な抵抗を低減することができるポイントシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のポイントシステムは、上記課題を解決するために、カード識別情報を夫々格納する複数のカードと、端末識別情報を夫々格納する複数の店舗端末手段と、ポイント情報を、前記カード識別情報毎及び前記端末識別情報毎に格納すると共に、前記端末識別情報に夫々対応する複数のポイント発行条件情報、及び前記カード識別情報に夫々対応する複数の会員情報を格納し、前記複数の店舗端末手段の各々にネットワークを介して接続されるサーバ手段とを備え、前記複数のカードのうち一のカードにポイントを発行する場合、前記複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段は、前記一のカードに格納されているカード識別情報を取得し、更に、前記サーバ手段に対し、前記取得されたカード識別情報、前記一のカードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す購買金額情報及び前記一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報を夫々前記ネットワークを介して送信し、前記サーバ手段は、前記格納された複数のポイント発行条件情報から前記送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、前記格納された複数の会員情報から前記送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定し、前記送信された購買金額情報、前記特定されたポイント発行条件情報及び前記特定された会員情報に基づいて前記ポイントを発行し、更に、前記発行されたポイントを示す発行ポイント情報に基づいて、前記送信されたカード識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、前記送信された端末識別情報に対応するポイント情報を更新する。
【0010】
本発明のポイントシステムによれば、当該ポイントシステムは、複数のカードと、例えばカードリーダ付きキャッシュレジスタ等である複数の店舗端末手段と、例えばメモリ、プロセッサ、大容量記憶装置等を備えて構成されるサーバ手段と、例えばインターネット等であるネットワークとを備えている。ここに、本発明に係る「ポイント」とは、当該ポイントシステムの加盟店において、商品等と交換可能な(即ち、仮想マネー等として機能する)、或いは特典(例えば商品券、割引券、記念品等)と交換可能な値を意味する。
【0011】
このようなポイントは、加盟店における商品の購買金額や来店回数等に応じて、所定の条件(例えば購買金額500円毎に1ポイント、来店回数1回につき0.1ポイント等)で発行される。或いは、加盟店において、所定の条件(例えば1ポイント1円、1000ポイントで1000円分の商品券等)で商品や特典等と交換(即ち、回収)される。尚、商品は、例えば食品や衣料等の物に限らず、例えば法律相談や情報等のサービスを含んでよい。
【0012】
本発明に係る「ポイント情報」とは、このようなポイントを示す電子化された情報を意味する。特に、発行されたポイントを示すポイント情報を「発行ポイント情報」と称する。また、「ポイント情報」は、その内容が各段階で更新、格納、発行等され得る性質であるため、例えば、「カード識別情報に対応するポイント情報」(即ち、一のカードが保有しているポイントを示す情報)や、「端末識別情報に対応するポイント情報」(即ち、一の店舗端末手段が設置されている店舗が発行又は回収したポイントを示す情報)がある。
【0013】
本発明に係る「ポイント発行条件」とは、ポイントを発行するか否か、及びポイントを発行する場合には何ポイント発行するかを決定する条件であり、予め固定条件として又は何らかのパラメータ(例えば保有ポイント数等)に応じた可変条件として設定されている条件である。
【0014】
また、「ポイント発行条件情報」とは、このようなポイント発行条件を示す電子化された情報を意味する。このポイント発行条件情報は、端末識別情報に夫々対応しており(即ち、店舗端末手段毎に、ポイント発行条件情報が存在しており)、ポイント発行条件情報により示されるポイント発行条件は、典型的には、店舗端末手段毎に(即ち、店舗毎に)、相互に独立に設定されている。
【0015】
本発明に係る「会員情報」とは、例えば氏名、住所、電話番号等の個人を特定可能な情報(以下、適宜「個人情報」と称する)を含む電子化された情報を意味する。尚、会員情報に個人情報が含まれていない場合、典型的には、会員情報は、「情報なし」を示す情報を含む。
【0016】
本発明に係る「カード」は、当該ポイントシステム専用のカードに限らず、例えばICチップ付き電子マネーカードやICチップ付き交通機関乗車券等の他のシステム又はサービスにおいて使用されているカードであってもよい。即ち、当該ポイントシステムにおいて、他のカードから識別可能であり、且つ店舗端末手段がカードを認識可能である限り、いかなるカードであってもよい。
【0017】
また、カードが本発明でいうところのカード機能を有していれば、その形状自体はカード状或いは平板状でなくてもよい。更に、携帯電話、モバイル機器等に内蔵又は付加されているものも、広義にはここにいう「カード」に含まれる。但し、カードは、狭義には、例えば名刺大であり、電源を必要としないカードを意味し、その方がカードとしての使い勝手が良い。
【0018】
複数のカードのうち一のカードにポイントを発行する場合、先ず、複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段(典型的には、一のカードを所有する消費者が商品を購入する店舗に備えられている店舗端末手段)は、一のカードに格納されている、例えばID番号等のカード識別情報を取得する。ここに「カード識別情報」とは、個々のカード(即ち、個々の顧客に手渡されたカード等)を相互から識別可能とするためにユニークに割り当てられた識別ID或いはID番号等の識別情報である。
【0019】
次に、一の店舗端末手段は、サーバ手段に対し、ネットワークを介して、取得されたカード識別情報、一のカードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す購買金額情報及び一の店舗端末手段に格納されている、例えばID番号等の端末識別情報を夫々送信する。ここに「端末識別情報」とは、個々の店舗端末手段(即ち、個々の店舗に配備されたパソコン、ワークステーション等)を相互から識別可能とするためにユニークに割り振られた識別ID或いはID番号等の識別情報である。
【0020】
次に、サーバ手段は、送信された端末識別情報に基づいて、格納された複数のポイント発行条件情報から、送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定する。該ポイント発行条件情報の特定と相前後して、サーバ手段は、送信されたカード識別情報に基づいて、格納された複数の会員情報から、送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定する。
【0021】
続いて、サーバ手段は、送信された購買金額情報、特定されたポイント発行条件情報及び特定された会員情報に基づいて、ポイントを発行する。具体的には例えば、送信された購買金額情報により示される購買金額が「1659円」であり、特定されたポイント発行条件情報により示されるポイント発行条件が「購買金額100円毎に1ポイント」である場合、サーバ手段は、典型的には、端数を切り捨てて「16ポイント」と算出する。
【0022】
次に、サーバ手段は、特定された会員情報に含まれる個人情報に応じて発行倍率を決定する(より具体的には、会員情報に氏名が含まれている場合、例えば発行倍率を1.1と決定する。或いは、会員情報に氏名、住所及び職業が含まれている場合、例えば発行倍率を1.8と決定する)。続いて、サーバ手段は、算出されたポイントに決定された発行倍率を掛け合わせて得られたポイントだけポイント(例えば、発行倍率が1.1であれば、17.6ポイント)を発行する。
【0023】
尚、会員情報に個人情報が含まれていない場合(即ち、「情報なし」を示す情報が含まれている場合)、サーバ手段は、典型的には、発行倍率を1と決定する。
【0024】
続いて、サーバ手段は、発行されたポイントを示す発行ポイント情報に基づいてカード識別情報に対応するポイント情報(即ち、一のカードが保有しているポイントを示す情報)を更新すると共に、発行ポイント情報に基づいて端末識別情報に対応するポイント情報(即ち、一の店舗端末手段が設置されている店舗が発行又は回収したポイントを示す情報)を更新する。
【0025】
尚、サーバ手段に、カード識別情報に対応するポイント情報が格納されていない場合、典型的には、サーバ手段は、該カード識別情報に対応するポイント情報を、新たに生成して格納する。この新たに生成されるポイント情報が示すポイントは、ゼロであってもよいし、所定の値(例えば、新規登録特典として500ポイント等)であってもよい。
【0026】
本願発明者の研究によれば、例えば1日の決まった時刻に、店舗端末手段に蓄積されたポイント情報が、サーバ手段にネットワークを介して送信され、サーバ手段がポイント情報を更新するポイントシステムでは、例えば店舗端末手段の故障等の何らかの不具合が生じた場合に、ポイントを正確に管理することが極めて困難になる。更に、店舗端末手段は、比較的頻繁に人が立ち入る場所に、十数〜数十台、或いは百台以上設置されている。すると、店舗端末手段に不具合が生じる確率は、一又は数台しか設置されないサーバ手段に比べ、格段に大きくなることが判明している。
【0027】
しかるに本発明では、上述の如く、常にサーバ手段に格納されているポイント情報を更新している(即ち、ポイント情報をサーバ手段で一元管理している)。これにより、仮に、店舗端末手段に不具合が生じても、ポイント情報を正確に管理することができる。
【0028】
尚、サーバ手段に格納されているポイント情報のバックアップを逐次取得すれば、或いは、複数のサーバ手段で同一のポイント情報を管理すれば、仮にサーバ手段(或いは、複数のサーバ手段のうちの一のサーバ手段)に不具合が生じても、ポイント情報を正確に管理することができる。また、ポイントシステムが複数のサーバ手段を備えている場合、複数のサーバ手段各々を相互に異なる建物又は地域に設置すれば、例えば火災や震災等に対しても強固なシステムを提供することができる。
【0029】
加えて、本発明では、上述の如く、会員情報に基づいてポイントが割増で発行される。このため、割増の程度を、消費者の個人情報を開示することに対する精神的な抵抗が低減されるように(即ち、消費者にとって魅力的なものとなるように)設定すれば、消費者が自主的に個人情報を開示する可能性を高くすることができる。この結果、消費者により適した販売戦略を立てることができ、リピータ率の向上や商店街の活性化を期待することができる。
【0030】
他方、会員情報に個人情報が含まれていない場合に、会員情報に「情報なし」を示す情報が含まれるようにすれば、消費者は、個人情報を開示することなく当該ポイントシステムを利用することができる。この結果、例えば入会時の手続き(例えば、申込用紙の記入等)等を省略することができる。或いは、個人情報を開示したくない消費者を会員として取り込むことができる。
【0031】
また、当該ポイントシステムでは、典型的には、カードを店舗端末手段に(具体的には例えば、カードリーダに)接触させ又は挿入すれば、或いは、所定範囲内に近づければ、店舗端末手段は、カードに格納されているカード識別情報を取得可能であるので、例えば消費者が識別情報を入力する場合等に比べて、消費者の負担を軽減することができると共に、例えば順番待ちの待ち時間等を減少することができる。
【0032】
更に、ポイント発行条件情報が、店舗端末手段毎に対応しているため、例えばお中元やお歳暮等の特定の期間、週の特定の曜日、月の特定の日等に、特定の店舗だけポイント発行条件を、他の店舗から独立して変更することができる。これにより、店舗毎の特色を出しやすくなり、新規顧客の確保や売上の向上を期待することができる。
【0033】
或いは、店舗毎の取扱商品の単価の違いによる不均衡を解消することができる。具体的には、例えば電気屋等、比較的商品単価の高い店舗では、ポイント発行条件を、例えば購買金額500円毎に1ポイント等と設定し、例えば八百屋等、比較的単価の低い店舗では、ポイント発行条件を、例えば購買金額100円毎に0.2ポイント等と設定すれば、いずれの店舗においても、商品を購入する度にポイントが発行され、例えばポイントが発行されやすい店舗だけリピータが増加するという不均衡を解消することができる。
【0034】
また、他のシステム又はサービスで使用されているカードを流用又は併用すれば、消費者が複数枚のカードを所持しなければならないという煩わしさを解消することができる。この結果、新規加入者やリピータの確保を期待することができる。加えて、当該ポイントシステムの加盟店が、当該ポイントシステム専用のカードの不要な在庫を持たなくてよく、コストを低減することができると共に、カードの保管スペースを削減することができ、実用上非常に有利である。
【0035】
尚、上述の如く、店舗端末手段は、カードに格納されているカード識別情報を取得するだけであり、例えば発行されたポイント等をカードに記録しない(即ち、カードに格納されている情報の変更や更新は行わない)。このため、カードに当該ポイントシステムに係るポイント情報を格納する領域を設定する必要がないので(即ち、カードのメモリを消費しないので)、他のシステム又はサービスで使用されているカードを流用又は併用しても、他のシステム又はサービスに何らの影響を与えることはない。
【0036】
また、例えば領収書等に保有ポイントを印字するように、店舗端末手段を構成すれば、消費者が比較的容易にして保有ポイントを確認することができ、実用上非常に有利である。
【0037】
本発明のポイントシステムの一態様では、前記複数の会員情報各々は、個人を特定可能な情報である個人情報の開示に係る開示情報を含んでおり、前記一のカードに前記ポイントを発行する場合、前記サーバ手段は、前記送信された購買金額情報、前記特定されたポイント発行条件情報及び前記特定された会員情報に含まれる開示情報に基づいて前記ポイントを発行する。
【0038】
この態様によれば、複数の会員情報各々は、個人情報の開示に係る開示情報を含んでいる。ここに、本発明に係る「開示情報」とは、会員情報に含まれる個人情報の程度を数値で示す情報を意味する。開示情報は、具体的には例えば、開示されている個人情報の項目数(例えば、氏名、住所及び電話番号が開示されていれば「3」)として、或いは個人情報の項目に応じて定められている点数の合計(例えば「氏名:0.1」、「住所:0.2」、「電話番号:0.2」、「年齢:0.1」等と定められている場合に、氏名、住所及び年齢が開示されていれば「0.4」)として表される。
【0039】
尚、開示情報が項目数として表されている場合には、例えば項目数を10で割った値を1に加えた値を、上述の発行倍率とすればよい。他方、開示情報が項目に応じて定められている点数の合計として表されている場合には、例えば点数の合計を1に加えた値を、上述の発行倍率とすればよい。
【0040】
一のカードにポイントを発行する場合、サーバ手段は、送信された購買金額情報、特定されたポイント発行条件情報及び特定された会員情報に含まれる開示情報に基づいてポイントを発行する。
【0041】
以上の結果、この態様によれば、比較的容易にして、会員情報をポイントの発行に適用することができ、実用上非常に有利である。
【0042】
この態様では、前記個人情報は、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、性別、年齢及び職業のうち少なくとも一つを含んでいてよい。
【0043】
このように構成すれば、例えば、会員の地域分布を把握して新規地域を開拓したり、各会員に適した告知をしたり(例えば職業が主婦であれば、タイムセールがある旨の電子メールを携帯電話に配信)することができ、実用上非常に有利である。
【0044】
本発明のポイントシステムの他の態様では、前記サーバ手段は、前記複数のカード各々の利用状況に係るカード利用情報を前記カード識別情報毎に更に格納し、前記格納された複数のポイント発行条件情報の各々は、複数のポイント発行条件を含み、前記一のカードに前記ポイントを発行する場合、前記サーバ手段は、前記格納された複数のポイント発行条件情報から前記送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、前記送信されたカード識別情報に対応するカード利用情報を特定し、該特定されたカード利用情報に基づいて前記特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件から一のポイント発行条件を選択し、更に、前記格納された複数の会員情報から前記送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定し、前記送信された購買金額情報、前記選択された一のポイント発行条件及び前記特定された会員情報に基づいて前記ポイントを発行する。
【0045】
この態様によれば、サーバ手段は、更に、複数のカード各々の利用状況に係るカード利用情報を、カード識別情報毎に格納している。ここに、「カード利用情報」は、例えば、ある店舗端末手段を利用した回数(即ち、該店舗端末手段が設置されている店舗への来店回数)、ある店舗端末手段を利用することに起因して発行された延べポイント(即ち、該店舗端末手段が設置されている店舗への支払金額)等のカードを所有する消費者の当該ポイントシステムの加盟店の利用の程度を示す情報を意味する。
【0046】
ポイント発行条件情報の各々は、複数のポイント発行条件を含んでいる。即ち、店舗端末手段毎に、例えば延べポイント、来店回数、来店日等に応じた複数のポイント発行条件が設定されている。
【0047】
具体的には例えば、一の店舗端末手段を備える店舗における商品の購入に起因して、一のカードに対して発行された延べポイントが200ポイント以上であれば、購買金額500円毎に2ポイント発行し、延べポイントが200ポイント未満であれば、購買金額500円毎に1ポイント発行する等とポイント発行条件が設定されている。
【0048】
一のカードにポイントを発行する場合、サーバ手段は、格納された複数のポイント発行条件情報から送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、格納されたカード利用情報から送信されたカード識別情報に対応するカード利用情報を特定する。続いて、サーバ手段は、特定されたカード利用情報に基づいて、特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件のうち一のポイント発行条件を選択する。
【0049】
続いて、サーバ手段は、格納された複数の会員情報から送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定する。次に、サーバ手段は、送信された購買金額情報、選択された一のポイント発行条件及び特定された会員情報に基づいてポイントを発行する。
【0050】
例えば領収書等に有利な条件でポイントが発行されたことを示す情報を印刷等すれば、一のカードを所有する消費者が、比較的容易にしてポイントが割増発行されていることを認識することができる。この結果、例えば得意客が離れることを抑制することができ、実用上非常に有利である。
【0051】
この態様では、前記選択された一のポイント発行条件は、前記特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件のうち最もポイント発行率の高い条件であってよい。
【0052】
このように構成すれば、消費者にとって最も有利なポイント発行条件が自動的に選択されるので、リピータ率の向上を期待することができる。
【0053】
本発明の作用及びその他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明に係るポイントシステムの実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態では、本発明に係るポイントシステムの一例として、複数の店舗が集合して形成される商店街におけるポイントシステムを挙げる。
【0055】
<第1実施形態>
本発明のポイントシステムに係る第1実施形態を、図1乃至図12を参照して説明する。
【0056】
(ポイントシステムの構成)
先ず、本実施形態に係るポイントシステムの全体構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、本実施形態に係るポイントシステムの全体構成を示す模式図である。
【0057】
図1において、ポイントシステム1は、サーバ10と、複数の店舗端末20a〜20cと、複数の消費者50a〜50d各々が所有する複数のカード30a〜30dとを備えて構成されている。サーバ10と複数の店舗端末20a〜20cとは、インターネット40を介して、相互に接続されている。尚、本実施形態に係る「サーバ10」、「複数の店舗端末20a〜20c」及び「インターネット40」は、夫々、本発明に係る「サーバ手段」、「複数の店舗端末手段」及び「ネットワーク」の一例である。
【0058】
次に、サーバ10の構成について、図2を参照して説明する。ここに、図2は、本実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【0059】
図2において、サーバ10は、記憶部110、表示部120、通信部130、暗号化・復号化処理部140、演算処理部150、入力処理部160及び制御部170を備えて構成されている。尚、サーバ10の表示部120及び入力処理部160は、主に、例えばサーバ管理者等によるサーバ10(又は、サーバ10を含むポイントシステム1)のメンテナンス時に使用される。
【0060】
記憶部110には、ポイント発行条件情報111、ポイント回収条件情報112、保有ポイント情報113、端末ポイント情報114及び会員情報115が格納されている。ここに、本実施形態に係る「保有ポイント情報113」及び「端末ポイント情報114」は、夫々、本発明に係る「カード識別情報に対応するポイント情報」及び「端末識別情報に対応するポイント情報」の一例である。
【0061】
尚、ポイント発行条件は、店舗端末20a〜20c毎に(図1参照)、例えば店舗端末20a〜20cを夫々備える店舗の経営者等によって、設定されている。従って、サーバ10は、店舗端末20a〜20c毎に設定されたポイント発行条件を、一括してポイント発行条件情報111として格納している。
【0062】
次に、店舗端末20aの構成について、図3を参照して説明する。ここに、図3は、本実施形態に係る店舗端末の構成を示すブロック図である。尚、図1に示した店舗端末20b及び20c各々の構成は、店舗端末20aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0063】
図3において、店舗端末20aは、記憶部210、表示部220、通信部230、暗号化・復号化処理部240、演算処理部250、入力処理部260、制御部270、カード読取部280及び印字部290を備えて構成されている。記憶部210には、端末識別情報211が予め格納されていると共に、後述するポイント発行処理又はポイント回収・発行処理において、利用ポイント情報212、購買金額情報213等が一時的に格納される。
【0064】
次に、カード30aの構成について、図4を参照して説明する。ここに、図4は、本実施形態に係るカードの構成を示すブロック図である。尚、図1に示したカード30b〜30d各々の構成は、カード30aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0065】
図4において、カード30aは、記憶部310を備えて構成されている。記憶部310には、カード識別情報311が格納されている。
【0066】
(ポイント確認処理)
次に、以上のように構成されたポイントシステム1において、消費者50a(図1参照)が、店舗端末20a(図1参照)を備える店舗で商品を購入する際に実行されるポイント確認処理を、図5のタイミングチャートを参照して説明する。
【0067】
図5において、先ず、消費者50aが購入しようとする商品を所持して、例えばレジカウンター等に行き、消費者50a又は店員(図示せず)が所有するカード30aを店舗端末20aのカード読取部280(図3参照)に、例えば接触等させると、カード読取部280に含まれているカード検知部(図示せず)は、カード30aを検知する。
【0068】
続いて、制御部270(図3参照)は、カード30aの記憶部310(図4参照)に格納されているカード識別情報311を読み取り、取得するようにカード読取部280を制御する(ステップS101)。尚、本実施形態に係る「店舗端末20a」及び「カード30a」は、夫々、本発明に係る「一の店舗端末手段」及び「一のカード」の一例である。
【0069】
次に、店舗端末20aの制御部270は、取得されたカード識別情報311、及び記憶部210(図3参照)に格納されている端末識別情報211を、例えばSSL(Secure Socket Layer)等の所定の方式で夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230(図3参照)及びインターネット40(図1参照)を介して、暗号化されたカード識別情報311及び端末識別情報211を送信する(ステップS102)。
【0070】
次に、サーバ10の制御部170(図2参照)は、通信部130(図2参照)を介して受信されたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140(図2参照)を制御する。続いて、制御部170は、例えば図6に示すような保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する(ステップS103)。
【0071】
ここに、図6は、本実施形態に係る保有ポイント情報の一例を示す概念図である。尚、図6に示すように、保有ポイント情報113には、氏名、住所等の個人を特定可能な個人情報は含まれていない。
【0072】
次に、サーバ10の制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報を暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報を送信する(ステップS104)。
【0073】
尚、端末識別情報211は、保有ポイント情報を送信すべき店舗端末を特定することに限らず、例えばポイントシステム1に正規に登録された店舗端末であるか否かを判定することに利用してもよい。
【0074】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報を復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報を表示部220(図3参照)に表示して一旦処理を終了する(ステップS105)。
【0075】
消費者50aは、表示部220に表示された保有ポイント情報を確認して、ポイントを利用するか否かを判断する。或いは、店員が、消費者50aに、表示された保有ポイント情報を伝えて、ポイントを利用するか否かを確認する。
【0076】
(ポイント発行処理)
次に、ポイントを利用しない場合に実行されるポイント発行処理について、図7のタイミングチャートを参照して説明する。
【0077】
図7において、先ず、店員が、例えばテンキー等の入力手段(図示せず)を操作することによって、消費者50aが購入しようとする商品の情報(例えば商品の名称又は種類、単価、数量等)が入力される。
【0078】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された情報から金額に係る情報を抽出するように入力処理部260(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、抽出された金額に係る情報に基づいて、購買金額を演算するように演算処理部250(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、演算された購買金額を示す購買金額情報213を一旦記憶部210に格納する(ステップS201)。
【0079】
次に、店舗端末20aの制御部270は、格納された購買金額情報213、ステップS101(図5参照)において取得されたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230及びインターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報211を送信する(ステップS202)。
【0080】
次に、サーバ10の制御部170は、通信部130を介して、受信された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、例えば図8に示すようなポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件情報を特定する(ステップS203)。ここに、図8は、本実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【0081】
上述のポイント発行条件情報の特定と相前後して、サーバ10の制御部170は、例えば図9に示すような会員情報115から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する会員情報を特定する(ステップS204)。ここに、図9は、本実施形態に係る会員情報の一例を示す概念図である。尚、図9中の「−」は、情報が未蓄積であることを示している。
【0082】
図9に示すように、会員情報115には、例えば氏名、住所、電話番号等の個人情報が含まれている。また、項目毎に点数が設定されており、会員情報115は、開示されている(即ち、情報が蓄積されている)項目に対応する点数の合計点を、本発明に係る「開示情報」の一例としての合計点数として格納している。尚、項目毎の点数は、例えば、販売戦略を立てる際に重要となる項目ほど点数が大きくなるように設定すればよい、或いは、全ての項目に対して一律に点数を設定すればよい。
【0083】
本実施形態では特に、個人情報が開示されていない場合(即ち、全ての項目が「−」である場合)、合計点数をゼロとした会員情報を作成し、格納している。これにより、個人情報を開示したくない消費者であっても、当該ポイントシステム1を利用することができる。
【0084】
尚、会員情報115は、個人情報に加えて、例えば最終購買日、購買頻度等を示す情報を含んでいてもよい。このようにすれば、例えば最終購買日から所定期間経過した際に、割引クーポン券や粗品引換券等を送付することによって顧客離れを抑制したり、購買頻度が比較的高いことを条件に、特別ポイントの発行等によって購買意欲を増進させたりすることができ、実用上非常に有利である。
【0085】
次に、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント発行条件情報及び特定された会員情報に含まれる合計点数に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150(図2参照)を制御する(ステップS205)。
【0086】
具体的には例えば、店舗端末20aが「○○屋鶏肉店」に設置されており、カード30aに対応する会員情報が図9に示す「鈴木 二郎」の会員情報であり、復号化された購買金額情報213が示す購買金額が600円である場合、制御部170は、特定されたポイント発行条件(ここでは、購買金額100円毎に1ポイント)と、復号化された購買金額情報213(ここでは600円)とからポイントを演算するように演算処理部150を制御する(ここでは、6ポイントとなる)。
【0087】
続いて、サーバ10の制御部170は、特定された会員情報に含まれる合計点数(ここでは1.0)に1を加えた値(即ち2)を発行倍率として、演算されたポイントに掛け合わせるように演算処理部150を制御する(ここでは、12ポイントが発行すべきポイントとなる)。
【0088】
尚、発行倍率は、例えば特定された会員情報に含まれる合計点数に応じてランク分けがされ(具体的には例えば、合計点数1.5以上はランクA、合計点数1.0〜1.5はランクB、合計点数0.5〜1.0はランクC、合計点数0.1〜0.5はランクD、合計点数0はランクE等)、ランクに応じて決定されてもよい(具体的には例えば、ランクAであれば発行倍率2、ランクEであれば発行倍率1等)。
【0089】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント及び復号化されたカード識別情報311に基づいて、保有ポイント情報111を更新する(ステップS206)と共に、演算されたポイント及び復号化された端末識別情報に基づいて、例えば図10に示すような店舗ポイント情報114を更新する(ステップS207)。
【0090】
ここに、図10は、本実施形態に係る店舗ポイント情報の一例を示す概念図である。尚、店舗ポイント情報114は、ポイントシステム1の管理者又は管理会社と各店舗との間の精算に利用される。
【0091】
次に、サーバ10の制御部170は、更新された保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する。続いて、制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報及び演算されたポイントを示す発行ポイント情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0092】
続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を送信する(ステップS208)。
【0093】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を表示部220に夫々表示する(ステップS209)。
【0094】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を、消費者50aが購入した商品の情報と共に、例えば領収書等に夫々印字するように印字部290(図3参照)を制御すると共に(ステップS210)、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0095】
本実施形態では、上述の如く、保有ポイント情報113は、カード識別情報311により管理しており、個人情報を含んでいない。加えて、会員情報115に個人情報が含まれていなくても、何らの問題もなく当該ポイントシステム1を利用可能である。従って、新規入会の際に消費者に、例えば氏名、住所等が記載された申込用紙の提出を求めなくてよく、消費者の負担を一層軽減することができる。或いは、個人情報を開示したくない消費者を会員として取り込むことができる。
【0096】
他方、会員情報115に含まれる個人情報に応じてポイントが割増で発行されるので、その旨を消費者に伝えれば、消費者が自主的に個人情報を開示する可能性を高くすることができる。この結果、消費者により適した販売戦略を立てることができ、リピータ率の向上や商店街の活性化を期待することができる。
【0097】
(ポイント回収・発行処理)
次に、ポイントを利用する場合に実行されるポイント回収・発行処理について、図11のタイミングチャートを参照して説明する。
【0098】
図11において、先ず、店員が、例えばテンキー等の入力手段(図示せず)を操作することによって、消費者50aが購入しようとする商品の情報が入力される。
【0099】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された情報から金額に係る情報を抽出するように入力処理部260を制御する。続いて、制御部270は、抽出された金額に係る情報に基づいて、購買金額を演算するように演算処理部250を制御する。続いて、制御部270は、演算された購買金額を示す購買金額情報213を一旦記憶部210に格納する(ステップS301)。
【0100】
次に、店員が、入力手段を操作することによって、消費者50aが利用するポイントを示す利用ポイント情報212が入力される。続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された利用ポイント情報212を一旦記憶部210に格納する(ステップS302)。
【0101】
次に、店舗端末20aの制御部270は、格納された購買金額情報213、格納された利用ポイント情報212、ステップS101(図5参照)において取得されたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230及びインターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213、利用ポイント情報212、カード識別情報311及び端末識別情報211を送信する(ステップS303)。
【0102】
次に、サーバ10の制御部170は、通信部130を介して、受信された購買金額情報213、利用ポイント情報212、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、例えば図12に示すようなポイント回収条件情報112から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント回収条件を特定する(ステップS304)。
【0103】
ここに、図12は、本実施形態に係るポイント回収条件情報の一例を示す概念図である。尚、図12に示すポイント回収条件情報112では、ポイント回収条件が店舗端末毎に設定されているが、当該ポイントシステム1全体として一律に設定されていてもよい。
【0104】
次に、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント回収条件、復号化された利用ポイント情報212及び復号化された購買金額情報213に基づいて、請求すべき金額を演算するように演算処理部150を制御する(ステップS305)。ここで、「請求すべき金額」とは、購買金額情報213により示される購買金額から、利用ポイント情報212により示されるポイントを特定されたポイント回収条件により換算した金額を、差し引くことにより求まる金額を意味する。
【0105】
続いて、制御部170は、ポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件情報を特定する(ステップS306)と共に、会員情報115から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する会員情報を特定する(ステップS307)。
【0106】
続いて、制御部170は、演算された請求すべき金額、特定されたポイント発行条件情報及び特定された会員情報に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150を制御する(ステップS308)。尚、上記ステップS305において、演算された請求すべき金額がゼロである場合、典型的には、上記ステップS306乃至S308の処理は省略される。
【0107】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント、復号化された利用ポイント情報212及び復号化されたカード識別情報311に基づいて、保有ポイント情報113を更新する(ステップS309)と共に、演算されたポイント、復号化された利用ポイント情報212及び復号化された端末識別情報に基づいて、店舗ポイント情報114を更新する(ステップS310)。
【0108】
次に、サーバ10の制御部170は、更新された保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する。続いて、制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報、演算されたポイントを示す発行ポイント情報及び演算された請求すべき金額を示す請求金額情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0109】
続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報を送信する(ステップS311)。
【0110】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報、並びに格納された利用ポイント情報212を表示部220に夫々表示する(ステップS312)。
【0111】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報、並びに格納された利用ポイント情報212を、消費者50aが購入した商品の情報と共に、例えば領収書等に夫々印字するように印字部290を制御すると共に(ステップS313)、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0112】
<変形例>
次に、第1実施形態に係るポイントシステムの変形例について、図13を参照して説明する。ここに、図13は、図4と同趣旨の、変形例に係るカードの構成を示すブロック図である。尚、図1に示したカード30b〜30d各々の構成は、カード30aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0113】
図13に示すように、カード30aの記憶部310には、カード識別情報311及び乗車料金バリュー312が格納されている。このように、本変形例に係るカード30a〜30dは、典型的には、SF(Stored Fare)方式、所謂プリペイド方式のICカードである。即ち、カード30a〜30d各々における記憶部310に、予め所定の金額分だけ乗車料金を電子マネーとして充填し(図13中の「乗車料金バリュー312」)、該充填された電子マネーで乗車料金を精算するものである。
【0114】
本変形例では、交通機関で使用されているカードを、当該ポイントシステム1の一部として使用することができるので、新たに加入する消費者に対し、別途カードを発行する必要がなく、実用上非常に有利である。
【0115】
<第2実施形態>
次に、本発明のポイントシステムに係る第2実施形態を、図14乃至図17を参照して説明する。第2実施形態では、サーバの構成、並びにポイント発行処理及びポイント回収・発行処理における発行すべきポイントの演算が異なる以外は、第1実施形態と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図14乃至図17を参照して説明する。
【0116】
先ず、本実施形態に係るサーバの構成について、図14を参照して説明する。ここに、図14は、図2と同趣旨の、本実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【0117】
図2において、サーバ10は、記憶部110、表示部120、通信部130、暗号化・復号化処理部140、演算処理部150、入力処理部160、制御部170、選択部180及びシステム時計190を備えて構成されている。
【0118】
記憶部110には、ポイント発行条件情報111、ポイント回収条件情報112、保有ポイント情報113、端末ポイント情報114、会員情報115、及び本発明に係る「カード利用情報」の一例としての発行条件選択情報116が格納されている。
【0119】
(ポイント発行処理)
次に、以上のように構成されたポイントシステム1において、消費者50a(図1参照)が、店舗端末20a(図1参照)を備える店舗で、ポイントを利用せずに商品を購入する際に実行されるポイント発行処理を、図15のタイミングチャートを参照して説明する。
【0120】
図15において、ポイント確認処理(図5参照)の後、店舗端末20aの制御部270(図3参照)によって、サーバ10に対し、インターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報が送信されると(ステップS202)、サーバ10の制御部170(図14参照)は、通信部130(図14参照)を介して、受信された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140(図14参照)を制御する。
【0121】
続いて、サーバ10の制御部170は、例えば図16に示すようなポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件情報を特定する。ここに、図16は、本実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【0122】
図16に示すように、ある端末識別情報(ここでは、「△△精米店」に設置されている店舗端末の端末識別情報)に対応するポイント発行条件情報は、複数のポイント発行条件を含んでいる。例えば「500円 1ポイント」は、購買金額500円毎に1ポイント発行されることを示している。また、「500円 2ポイント 延べポイント≧100」は、△△精米店での商品購入に起因して発行された延べポイントが100以上の場合は、購買金額500円毎に2ポイント発行されることを示している。また、「100円 1ポイント 2008/05/03〜2008/05/06」は、2008年5月3日から6日までの間に商品を購入した場合は、100円毎に1ポイント発行されることを示している。
【0123】
上述のポイント発行条件情報の特定と相前後して、サーバ10の制御部170は、例えば図17に示すような発行条件選択情報116から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する発行条件選択情報を特定する。ここに、図17は、本実施形態に係る発行条件選択情報の一例を示す概念図である。図17に示すように、例えば来店回数等は、店舗毎に(又は端末識別情報毎に)格納されている。
【0124】
次に、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント発行条件情報、特定された発行条件選択情報、及びシステム時計190(図14参照)によって示される日時に基づいて、特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件から一のポイント発行条件を選択するように選択部180(図14参照)を制御する(ステップS401)。
【0125】
具体的には例えば、店舗端末20aが「△△精米店」に設置されており、カード30aに対応する条件選択情報によって示される情報が「全延べポイント:4096、△△精米店に対応する延べポイント:123、来店回数:30」であり、システム時計190によって示される日時が「2008年5月14日17時20分」である場合、選択部180によって、最もポイント発行率の高い「500円 2ポイント 延べポイント≧100」という条件が選択される。
【0126】
或いは、システム時計190によって示される日時が「2008年5月4日14時35分」である場合、選択部180によって、最もポイント発行率の高い「100円 1ポイント 2008/05/03〜2008/05/06」という条件が選択される。
【0127】
上述の一のポイント発行条件の選択と相前後して、サーバ10の制御部170は、会員情報115から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する会員情報を特定する(ステップS402)。
【0128】
次に、サーバ10の制御部170は、復号化された購買金額情報213、選択された一のポイント発行条件及び特定された会員情報に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150(図14参照)を制御する(ステップS403)。
【0129】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント及び復号化されたカード識別情報311に基づいて、保有ポイント情報111を更新する(ステップS404)と共に、演算されたポイント及び復号化された端末識別情報に基づいて、例えば図10に示すような店舗ポイント情報114を更新する(ステップS405)。
【0130】
次に、サーバ10の制御部170は、更新された保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する。続いて、制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報及び演算されたポイントを示す発行ポイント情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0131】
続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を送信する(ステップS406)。
【0132】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を表示部220に夫々表示する(ステップS407)。
【0133】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を、消費者50aが購入した商品の情報と共に、例えば領収書等に夫々印字するように印字部290(図3参照)を制御すると共に(ステップS408)、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0134】
(ポイント回収・発行処理)
消費者50aが、店舗端末20aを備える店舗で、ポイントを利用して商品を購入する際に実行されるポイント回収・発行処理について説明する。
【0135】
図11におけるステップS306において、サーバ10の制御部170は、図16に示すポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件情報を特定すると共に、図17に示すような発行条件選択情報116から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する発行条件選択情報を特定する。
【0136】
続いて、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント発行条件情報、特定された発行条件選択情報、及びシステム時計190によって示される日時に基づいて、特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件から一のポイント発行条件を選択するように選択部180を制御する。
【0137】
次に、図11におけるステップS307において、サーバ10の制御部170は、会員情報115から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する会員情報を特定する。続いて、図11におけるステップS308において、サーバ10の制御部170は、演算された請求すべき金額、選択された一のポイント発行条件及び特定された会員情報に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150を制御する。
【0138】
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うポイントシステムもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】第1実施形態に係るポイントシステムの全体構成を示す模式図である。
【図2】第1実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る店舗端末の構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るカードの構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態に係るポイント確認処理を示すタイミングチャートである。
【図6】第1実施形態に係る保有ポイント情報の一例を示す概念図である。
【図7】第1実施形態に係るポイント発行処理を示すタイミングチャートである。
【図8】第1実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【図9】第1実施形態に係る会員情報の一例を示す概念図である。
【図10】第1実施形態に係る店舗ポイント情報の一例を示す概念図である。
【図11】第1実施形態に係るポイント回収・発行処理を示すタイミングチャートである。
【図12】第1実施形態に係るポイント回収条件情報の一例を示す概念図である。
【図13】第1実施形態の変形例に係るカードの構成を示すブロック図である。
【図14】第2実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態に係るポイント発行処理を示すタイミングチャートである。
【図16】第2実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【図17】第2実施形態に係る発行条件選択情報の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0140】
1…ポイントシステム、10…サーバ、20a〜20c…店舗端末、30a〜30d…カード、40…インターネット、50a〜50d…消費者、111…ポイント発行条件情報、112…ポイント回収条件情報、113…保有ポイント情報、114…端末ポイント情報、115…会員情報、116…発行条件選択情報、211…端末識別情報、311…カード識別情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード識別情報を夫々格納する複数のカードと、
端末識別情報を夫々格納する複数の店舗端末手段と、
ポイント情報を、前記カード識別情報毎及び前記端末識別情報毎に格納すると共に、前記端末識別情報に夫々対応する複数のポイント発行条件情報、及び前記カード識別情報に夫々対応する複数の会員情報を格納し、前記複数の店舗端末手段の各々にネットワークを介して接続されるサーバ手段と
を備え、
前記複数のカードのうち一のカードにポイントを発行する場合、
前記複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段は、前記一のカードに格納されているカード識別情報を取得し、更に、前記サーバ手段に対し、前記取得されたカード識別情報、前記一のカードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す購買金額情報及び前記一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報を夫々前記ネットワークを介して送信し、
前記サーバ手段は、前記格納された複数のポイント発行条件情報から前記送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、前記格納された複数の会員情報から前記送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定し、前記送信された購買金額情報、前記特定されたポイント発行条件情報及び前記特定された会員情報に基づいて前記ポイントを発行し、更に、前記発行されたポイントを示す発行ポイント情報に基づいて、前記送信されたカード識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、前記送信された端末識別情報に対応するポイント情報を更新する
ことを特徴とするポイントシステム。
【請求項2】
前記複数の会員情報各々は、個人を特定可能な情報である個人情報の開示に係る開示情報を含んでおり、
前記一のカードに前記ポイントを発行する場合、前記サーバ手段は、前記送信された購買金額情報、前記特定されたポイント発行条件情報及び前記特定された会員情報に含まれる開示情報に基づいて前記ポイントを発行する
ことを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項3】
前記個人情報は、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、性別、年齢及び職業のうち少なくとも一つを含んでいることを特徴とする請求項2に記載のポイントシステム。
【請求項4】
前記サーバ手段は、前記複数のカード各々の利用状況に係るカード利用情報を前記カード識別情報毎に更に格納し、
前記格納された複数のポイント発行条件情報の各々は、複数のポイント発行条件を含み、
前記一のカードに前記ポイントを発行する場合、前記サーバ手段は、前記格納された複数のポイント発行条件情報から前記送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、前記送信されたカード識別情報に対応するカード利用情報を特定し、該特定されたカード利用情報に基づいて前記特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件から一のポイント発行条件を選択し、更に、前記格納された複数の会員情報から前記送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定し、前記送信された購買金額情報、前記選択された一のポイント発行条件及び前記特定された会員情報に基づいて前記ポイントを発行する
ことを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項5】
前記選択された一のポイント発行条件は、前記特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件のうち最もポイント発行率の高い条件であることを特徴とする請求項4に記載のポイントシステム。
【請求項1】
カード識別情報を夫々格納する複数のカードと、
端末識別情報を夫々格納する複数の店舗端末手段と、
ポイント情報を、前記カード識別情報毎及び前記端末識別情報毎に格納すると共に、前記端末識別情報に夫々対応する複数のポイント発行条件情報、及び前記カード識別情報に夫々対応する複数の会員情報を格納し、前記複数の店舗端末手段の各々にネットワークを介して接続されるサーバ手段と
を備え、
前記複数のカードのうち一のカードにポイントを発行する場合、
前記複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段は、前記一のカードに格納されているカード識別情報を取得し、更に、前記サーバ手段に対し、前記取得されたカード識別情報、前記一のカードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す購買金額情報及び前記一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報を夫々前記ネットワークを介して送信し、
前記サーバ手段は、前記格納された複数のポイント発行条件情報から前記送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、前記格納された複数の会員情報から前記送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定し、前記送信された購買金額情報、前記特定されたポイント発行条件情報及び前記特定された会員情報に基づいて前記ポイントを発行し、更に、前記発行されたポイントを示す発行ポイント情報に基づいて、前記送信されたカード識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、前記送信された端末識別情報に対応するポイント情報を更新する
ことを特徴とするポイントシステム。
【請求項2】
前記複数の会員情報各々は、個人を特定可能な情報である個人情報の開示に係る開示情報を含んでおり、
前記一のカードに前記ポイントを発行する場合、前記サーバ手段は、前記送信された購買金額情報、前記特定されたポイント発行条件情報及び前記特定された会員情報に含まれる開示情報に基づいて前記ポイントを発行する
ことを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項3】
前記個人情報は、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、性別、年齢及び職業のうち少なくとも一つを含んでいることを特徴とする請求項2に記載のポイントシステム。
【請求項4】
前記サーバ手段は、前記複数のカード各々の利用状況に係るカード利用情報を前記カード識別情報毎に更に格納し、
前記格納された複数のポイント発行条件情報の各々は、複数のポイント発行条件を含み、
前記一のカードに前記ポイントを発行する場合、前記サーバ手段は、前記格納された複数のポイント発行条件情報から前記送信された端末識別情報に対応するポイント発行条件情報を特定すると共に、前記送信されたカード識別情報に対応するカード利用情報を特定し、該特定されたカード利用情報に基づいて前記特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件から一のポイント発行条件を選択し、更に、前記格納された複数の会員情報から前記送信されたカード識別情報に対応する会員情報を特定し、前記送信された購買金額情報、前記選択された一のポイント発行条件及び前記特定された会員情報に基づいて前記ポイントを発行する
ことを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項5】
前記選択された一のポイント発行条件は、前記特定されたポイント発行条件情報に含まれる複数のポイント発行条件のうち最もポイント発行率の高い条件であることを特徴とする請求項4に記載のポイントシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−295084(P2009−295084A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150430(P2008−150430)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(508172959)JASPAS株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(508172959)JASPAS株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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