ポジショナ
【課題】自身の現在の動作型式や制御のための各種パラメータの設定変更を自動的に行わせる。
【解決手段】演算部1にポジショナ動作型式判別機能1Bおよび使用パラメータ選択機能1Cを設ける。記憶部6に正動作パラメータと逆動作パラメータを記憶させておく。ポジショナ動作型式判別機能1Bは、制御出力Kの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とからポジショナ100の動作型式を判別し、その判別結果をポジショナ100の現在の動作型式として自動設定する。使用パラメータ選択機能1Cは、判別されたポジショナ100の現在の動作型式に応じ、正動作型である場合には正動作パラメータを、逆動作型である場合には逆動作パラメータを記憶部6から使用パラメータとして選択し、選択した使用パラメータを自動設定する。
【解決手段】演算部1にポジショナ動作型式判別機能1Bおよび使用パラメータ選択機能1Cを設ける。記憶部6に正動作パラメータと逆動作パラメータを記憶させておく。ポジショナ動作型式判別機能1Bは、制御出力Kの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とからポジショナ100の動作型式を判別し、その判別結果をポジショナ100の現在の動作型式として自動設定する。使用パラメータ選択機能1Cは、判別されたポジショナ100の現在の動作型式に応じ、正動作型である場合には正動作パラメータを、逆動作型である場合には逆動作パラメータを記憶部6から使用パラメータとして選択し、選択した使用パラメータを自動設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成し、この生成した制御出力を空気圧信号に変換し増幅して、調節弁の弁開度を制御するポジショナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、調節弁に対してポジショナを設け、このポジショナによって調節弁の弁開度を制御するようにしている。この電空ポジショナは、上位装置から送られてくる弁開度設定値と調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する演算部と、この演算部が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換器と、この電空変換器が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として調節弁の操作器へ出力するパイロットリレーとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このポジショナにおいて、電空変換器およびパイロットリレーには各々正動作型と逆動作型とがある。因に、正動作型とは、入力が大きくなるにつれ出力も大きくなる特性を有する動作型式であり、一方、逆動作型とは、入力が大きくなるにつれ出力が小さくなる特性を有する動作型式である。そして、ポジショナ自身の動作型式は、内蔵する電空変換器およびパイロットリレーの各動作型式に依存する。すなわち、図12に示すように、電空変換器およびパイロットリレーの動作型式が同じである場合にはポジショナは正動作型となり、電空変換器およびパイロットリレーの動作型式が互いに異なる場合にはポジショナは逆動作型となる。そして、どの動作型式のポジショナを使用するかは、そのポジショナによって開度制御される調節弁の動作型式によって定まる。
【0004】
ここで、例えば、今まで制御していた調節弁と逆動作の調節弁を制御するような変更が生じた場合や、調節弁を制御していたポジショナに故障が発生して急遽予備のポジショナと交換する必要が生じ、この予備のポジショナと調節弁の動作型式が異なっていたような場合、励磁コイルへの供給電流の方向を変更するなどして内蔵されている電空変換器の動作型式を変え、ポジショナの動作型式を変更するようにしている(例えば、特許文献2参照)。また、ポジショナに内蔵されているパイロットリレーが複動型のパイロットリレー(正動作型と逆動作型とを選択することが可能なタイプ)であれば、今まで使用していたのとは逆の動作型を選択することで、ポジショナの動作型式を変更するようにしている。
【0005】
そして、このポジショナの動作型式の変更に際しては、ポジショナに調節弁の弁開度の制御を正確に行わせるために、ポジショナ自身の現在の動作型式や制御のための各種パラメータを設定する必要があり、このポジショナ自身の現在の動作型式や各種パラメータの設定を人為的に行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62−28118号公報
【特許文献2】特開平11−118526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ポジショナにおいて、制御のための各種パラメータとしては、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインなど様々なパラメータが存在し、またこれらのパラメータはポジショナが正動作型である場合と逆動作型である場合とで異なり、また電空変換器やパイロットリレーの動作型式が正動作型であるか逆動作型であるかで異なり、これらの各種パラメータの設定変更作業は極めて煩雑である。
【0008】
すなわち、電空変換器の動作型式およびパイロットリレーの動作型式の組み合わせは4通りあり、ポジショナの動作型式が正動作型であっても、電空変換器およびパイロットリレーの動作型式がともに正動作型の場合と、ともに逆動作型の場合があり、また、ポジショナの動作型式が逆動作型であっても、電空変換器が逆動作型およびパイロットリレーが正動作型、電空変換器が正動作型およびパイロットリレーが逆動作型である場合があり、これら4通りの動作型式の組み合わせで適切なパラメータが微妙に異なる場合があるので、各種パラメータの設定変更作業が極めて煩雑となる。
【0009】
また、ポジショナ自身の現在の動作型式や各種パラメータの設定変更作業を作業者が忘れてしまったり、正確に各種パラメータの設定変更ができなかったような場合、ポジショナの動作型式と設定中の各種動作パラメータとが整合しなくなり、適切な開度制御が行われないばかりか、その調節弁によって流体の流量が制御されているシステムに異常をきたしてしまうという問題が生じる虞があった。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、自身の現在の動作型式や制御のための各種パラメータの設定変更を自動的に行わせることが可能なポジショナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために本発明は、上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する制御出力生成手段と、この制御出力生成手段が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換手段と、この電空変換手段が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として調節弁の操作器へ出力する空気圧信号増幅手段とを備えたポジショナにおいて、ポジショナの動作型式(ポジショナ自身の動作型式)として、制御出力が大になるにつれ増幅空気圧信号が大となる正動作型であるのか、制御出力が大になるにつれ増幅空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識するポジショナ動作型式認識手段と、ポジショナの動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、ポジショナの動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段と、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、ポジショナ動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する使用パラメータ選択手段とを設けたものである。
【0012】
この発明において、ポジショナ動作型式認識手段は、ポジショナの動作型式が正動作型から逆動作型へ変更されると、現在のポジショナ自身の動作型式を正動作型として認識する。また、ポジショナの動作型式が逆動作型から正動作型へ変更されると、現在のポジショナ自身の動作型式を逆動作型として認識する。また、使用パラメータ選択手段は、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、ポジショナ動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。すなわち、ポジショナ動作型式認識手段が現在のポジショナ自身の動作型式を正動作型として認識すると、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータを選択し、ポジショナ動作型式認識手段が現在のポジショナ自身の動作型式を逆動作型として認識すると、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている逆動作パラメータを選択する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポジショナ動作型認識手段によって、ポジショナの現在の動作型式が正動作型であるのか逆動作型であるのかが認識され、使用パラメータ選択手段によって、記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、認識された動作型式に対応する方のパラメータが実際に使用するパラメータとして選択されるので、この認識結果と選択結果とから自身の現在の動作型式や制御のための各種パラメータの設定変更を自動的に行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るポジショナの第1の実施の形態(実施の形態1)を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1のポジショナにおける演算部でのポジショナの動作型式の判別ロジックを示す図である。
【図3】本発明に係るポジショナの第2の実施の形態(実施の形態2)を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2のポジショナにおける演算部での電空変換器の動作型式の判別ロジックを示す図である。
【図5】実施の形態2のポジショナにおける演算部でのパイロットリレーの動作型式の判別ロジックを示す図である。
【図6】実施の形態2のポジショナにおける演算部でのポジショナの動作型式の決定ロジックを示す図である。
【図7】本発明に係るポジショナの第3の実施の形態(実施の形態3)を示すブロック図である。
【図8】本発明に係るポジショナの第4の実施の形態(実施の形態4)を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2および4において電空変換器および複動パイロットリレーの動作型式の組み合わせに応じ4種類のパラメータセットをポジショナ正逆動作パラメータ記憶部に記憶させるようにした例を示す図である。
【図10】実施の形態2および4において電空変換器の動作型式を固定とし、複動パイロットリレーの動作型式のみを変更するようにした場合に2種類のパラメータセットをポジショナ正逆動作パラメータ記憶部に記憶させるようにした例を示す図である。
【図11】実施の形態2および4において複動パイロットリレーの動作型式を固定とし、電空変換器の動作型式のみを変更するようにした場合に2種類のパラメータセットをポジショナ正逆動作パラメータ記憶部に記憶させるようにした例を示す図である。
【図12】ポジショナにおける電空変換器およびパイロットリレーの動作型式とポジショナの動作型式との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
〔実施の形態1:パイロットリレー単動型(第1例)〕
図1は本発明に係るポジショナの第1の実施の形態(実施の形態1)を示すブロック図である。同図において、100は本発明に係るポジショナ、200はこのポジショナ100によってその弁開度が調整される調節弁である。調節弁200は、弁軸20を駆動する操作器21を有しており、弁軸20にはその上下方向への変位量をフィードバックするフィードバック機構22が設けられている。
【0017】
ポジショナ100は、上位装置(図示せず)から送られてくる弁開度設定値θspと調節弁200からフィードバックされてくる実開度値θpvとの偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力Kとして生成する演算部1と、この演算部1が生成した制御出力Kを空気圧信号(ノズル背圧)Pnに変換する電空変換器2と、この電空変換器2が変換した空気圧信号Pnを増幅し増幅空気圧信号Poutとして調節弁200の操作器21へ出力する単動型のパイロットリレー(以下、単動パイロットリレーと呼ぶ)3と、弁開度センサ4と、圧力センサ5と、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6と、表示部7とを備えている。単動パイロットリレー3は、その動作型式が正動作型および逆動作型の何れか一方とされたパイロットリレーである。
【0018】
弁開度センサ4は、フィードバック機構22からフィードバックされてくる弁軸20の変位量から調節弁200の弁開度を検出し、その検出した弁開度を実開度値θpvとして演算部1へ送る。圧力センサ5は、単動パイロットリレー3からの増幅空気圧信号Poutの圧力値を検出し、演算部1へ送る。
【0019】
ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6には、ポジショナ100の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、ポジショナ100の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとが記憶されている。このポジショナ100では、正動作パラメータや逆動作パラメータとして、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインなどの各種のパラメータが用いられ、この各種のパラメータが正動作型用/逆動作型用として分けて、正動作パラメータ/逆動作パラメータとしてポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に記憶されている。
【0020】
演算部1は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、制御出力Kを生成する制御出力生成機能1Aに加えて、本実施の形態特有の機能として、ポジショナ動作型式判別機能1Bと、使用パラメータ選択機能1Cとを備えている。
【0021】
〔ポジショナ動作型式判別機能〕
演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって、制御出力Kの変化に対応する増幅空気圧信号Poutの変化を監視し、制御出力Kの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とが同方向の場合にポジショナ100の動作型式を正動作型と判別する一方、制御出力Kの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とが異なる方向の場合にポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。そして、この判別した動作型式をポジショナ100自身の現在の動作型式として設定する。
【0022】
図2にポジショナ動作型式判別機能1Bによるポジショナの動作型式の判別ロジックを示す。この判別ロジックからも分かるように、演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって、制御出力Kの変化方向が「+」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」であった場合、また制御出力Kの変化方向が「−」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」であった場合、ポジショナ100の動作型式を正動作型と判別する。これに対し、制御出力Kの変化方向が「+」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」であった場合、また制御出力Kの変化方向が「−」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」であった場合、ポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。
【0023】
〔ポジショナの動作型式の表示〕
演算部1は、このポジショナ動作型式判別機能1Bによって判別されたポジショナ100の動作型式(ポジショナ100自身の現在の動作型式)を表示部7へ送り、表示部7の画面上に表示する。なお、この判別されたポジショナの動作型式の表示は、操作者から指示があった場合にのみ行うようにしてもよい。また、この判別されたポジショナの動作型式を伝送ラインで外部に出力するようにし、遠隔地の作業者に知らせ、メンテナンスなどの際に役立てるようにしてもよい。
【0024】
〔使用パラメータの選択〕
演算部1は、使用パラメータ選択機能1Cによって、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって判別された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択されたパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。
【0025】
〔使用パラメータの表示〕
また、演算部1は、使用パラメータ選択機能1Cによって選択された使用パラメータを表示部7へ送り、表示部7の画面上に表示する。なお、この使用パラメータの表示は、操作者から指示があった場合にのみ行うようにしてもよい。また、この使用パラメータを伝送ラインで外部に出力するようにし、遠隔地の作業者に知らせ、メンテナンスなどの際に役立てるようにしてもよい。
【0026】
〔ポジショナの動作型式の変更〕
今、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われたとする。例えば、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」とされていたのが、電空変換器2における励磁コイル(図示せず)への供給電流の方向を変更によって、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」とされたとする。
【0027】
演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって、制御出力Kの変化に対応する増幅空気圧信号Poutの変化を監視している。演算部1は、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」とされると、ポジショナ動作型式判別機能1Bによってポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。この判別結果は、ポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7の画面上に表示される。
【0028】
また、演算部1は、ポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する逆動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。すなわち、それまでの使用パラメータを正動作パラメータから逆動作パラメータに自動で設定変更する。この設定変更された使用パラメータは表示部7の画面上に表示される。
【0029】
なお、この例では、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われた場合について説明したが、ポジショナ100の動作型式が逆動作型であり、正動作型への変更が行われた場合にも同様にして、ポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別されたポジショナ100の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0030】
また、この実施の形態では、ポジショナ100が自身の動作型式を自動的に判別するようにしたが、ポジショナ100の動作型式を外部から設定し、この外部から設定された動作型式に基づいて使用するパラメータを選択させるようにしてもよい。
【0031】
〔実施の形態2:パイロットリレー単動型(第2例)〕
図3は本発明に係るポジショナの第2の実施の形態(実施の形態2)を示すブロック図である。この実施の形態2では、実施の形態1(図1)の構成に加え、電空変換器2からの空気圧信号Pnの圧力値を検出する圧力センサ8を設け、この圧力センサ8が検出する空気圧信号Pnの圧力値を演算部1へ送るようにしている。
【0032】
また、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に代えて、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1とパイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2とを設け、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に電空変換器2の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、電空変換器2の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するようにし、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に単動パイロットリレー3の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、単動パイロットリレー3の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するようにしている。
【0033】
また、演算部1におけるポジショナ動作型式判別機能1Bを構成する機能として、電空変換器動作型式判別機能1B1と、パイロットリレー動作型式判別機能1B2と、ポジショナ動作型式決定機能1B3とを設けている。
【0034】
〔電空変換器動作型式判別機能〕
この実施の形態2において、演算部1は、電空変換器動作型式判別機能1B1によって、制御出力Kの変化に対応する空気圧信号Pnの変化を監視し、制御出力Kの変化方向と空気圧信号Pnの変化方向とが同方向の場合に電空変換器2の動作型式を正動作型と判別する一方、制御出力Kの変化方向と空気圧信号Pnの変化方向とが異なる方向の場合に電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別する。
【0035】
図4に電空変換器動作型式判別機能1B1による電空変換器の動作型式の判別ロジックを示す。この判別ロジックからも分かるように、演算部1は、電空変換器動作型式判別機能1B1によって、制御出力Kの変化方向が「+」で空気圧信号Pnの変化方向が「+」であった場合、また制御出力Kの変化方向が「−」で空気圧信号Pnの変化方向が「−」であった場合、電空変換器2の動作型式を正動作型と判別する。これに対し、制御出力Kの変化方向が「+」で空気圧信号Pnの変化方向が「−」であった場合、また制御出力Kの変化方向が「−」で空気圧信号Pnの変化方向が「+」であった場合、電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別する。
【0036】
〔パイロットリレー動作型式判別機能〕
この実施の形態2において、演算部1は、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって、空気圧信号Pnの変化に対応する増幅空気圧信号Poutの変化を監視し、空気圧信号Pnの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とが同方向の場合に単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型と判別する一方、空気圧信号Pnの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とが異なる方向の場合に単動パイロットリレー3の動作型式を逆動作型と判別する。
【0037】
図5にパイロットリレー動作型式判別機能1B2によるパイロットリレーの動作型式の判別ロジックを示す。この判別ロジックからも分かるように、演算部1は、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって、空気圧信号Pnの変化方向が「+」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」であった場合、また空気圧信号Pnの変化方向が「−」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」であった場合、単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型と判別する。これに対し、空気圧信号Pnの変化方向が「+」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」であった場合、また空気圧信号Pnの変化方向が「−」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」であった場合、単動パイロットリレー3の動作型式を逆動作型と判別する。
【0038】
〔ポジショナ動作型式決定機能〕
この実施の形態2において、演算部1は、ポジショナ動作型式決定機能1B3によって、電空変換器動作型式判別機能1B1による電空変換器2の動作型式の判別結果とパイロットリレー動作型式判別機能1B2による単動パイロットリレー3の動作型式の判別結果とからポジショナ100の動作型式を決定する。そして、この決定した動作型式をポジショナ100自身の現在の動作型式として設定する。
【0039】
図6にポジショナ動作型式決定機能1B3によるポジショナの動作型式の決定ロジックを示す。この決定ロジックからも分かるように、演算部1は、ポジショナ動作型式決定機能1B3によって、電空変換器2の動作型式の判定結果が「正動作型」で単動パイロットリレー3の動作型式の判定結果が「正動作型」であった場合、また電空変換器2の動作型式の判定結果が「逆動作型」で単動パイロットリレー3の動作型式の判定結果が「逆動作型」であった場合、ポジショナ100の動作型式を正動作型として決定する。これに対し、電空変換器2の動作型式の判定結果が「正動作型」で単動パイロットリレー3の動作型式の判定結果が「逆動作型」であった場合、また電空変換器2の動作型式の判定結果が「逆動作型」で単動パイロットリレー3の動作型式の判定結果が「正動作型」であった場合、ポジショナ100の動作型式を逆動作型として決定する。そして、このポジショナ動作型式決定機能1B3での決定結果をポジショナ動作型式判別機能1Bによるポジショナ100の動作型式の判別結果とする。
【0040】
〔ポジショナの動作型式の表示〕
演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって判別されたポジショナ100の動作型式(ポジショナ100自身の現在の動作型式)を、電空変換器動作型式判別機能1B1によって判別された電空変換器2の動作型式(電空変換器2の現在の動作型式)と、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって判別された単動パイロットリレー3の動作型式(単動パイロットリレー3の現在の動作型式)と併せて表示部7へ送り、表示部7の画面上に表示する。
【0041】
なお、この判別されたポジショナの動作型式(電空変換器の動作型式およびパイロットリレーの動作型式を含む)の表示は、操作者から指示があった場合にのみ行うようにしてもよい。また、この判別されたポジショナの動作型式(電空変換器の動作型式およびパイロットリレーの動作型式を含む)を伝送ラインで外部に出力するようにし、遠隔地の作業者に知らせ、メンテナンスなどの際に役立てるようにしてもよい。
【0042】
〔使用パラメータの選択〕
演算部1は、使用パラメータ選択機能1Cによって、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、電空変換器動作型式判別機能1B1によって判別された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。また、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって判別された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。
【0043】
〔使用パラメータの表示〕
また、演算部1は、使用パラメータ選択機能1Cによって選択された使用パラメータを表示部7へ送り、表示部7の画面上に表示する。なお、この使用パラメータの表示は、操作者から指示があった場合にのみ行うようにしてもよい。また、この使用パラメータを伝送ラインで外部に出力するようにし、遠隔地の作業者に知らせ、メンテナンスなどの際に役立てるようにしてもよい。
【0044】
〔ポジショナの動作型式の変更〕
今、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われたとする。例えば、電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式がともに正動作型とされ、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」とされていたのが、電空変換器2における励磁コイル(図示せず)への供給電流の方向を変更によって、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」とされたとする。この場合、電空変換器2の動作型式は逆動作型となるので、制御出力Kの変化方向が「+」となると、空気圧信号Pnの変化方向は「−」となる。また、単動パイロットリレー3の動作型式は正動作型であるので、空気圧信号Pnの変化方向が「−」となると、増幅空気圧信号Poutの変化方向は「−」となる。
【0045】
演算部1は、電空変換器動作型式判別機能1B1によって、制御出力Kの変化に対応する空気圧信号Pnの変化を監視している。演算部1は、制御出力Kの変化方向が「+」、空気圧信号Pnの変化方向が「−」とされると、電空変換器動作型式判別機能1B1によって電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別する。すなわち、電空変換器2の現在の動作型式を逆動作型と判別する。
【0046】
また、演算部1は、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって、空気圧信号Pnの変化に対応する増幅空気圧信号Poutの変化を監視している。演算部1は、空気圧信号Pnの変化方向が「−」、増幅空気圧信号Pnの変化方向が「−」となると、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型と判別する。すなわち、単動パイロットリレー3の現在の動作型式を正動作型と判別する。
【0047】
これにより、演算部1は、ポジショナ動作型式決定機能1B3によって、電空変換器動作型式判別機能1B1による電空変換器2の動作型式の判別結果(逆動作型)とパイロットリレー動作型式判別機能1B2による単動パイロットリレー3の動作型式の判別結果(正動作型)とからポジショナ100の動作型式を逆動作型として決定する。そして、このポジショナ動作型式決定機能1B3での決定結果をポジショナ動作型式判別機能1Bによるポジショナ100の動作型式の判別結果とする。この判別結果は、ポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7の画面上に表示される。
【0048】
また、演算部1は、電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する逆動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。また、演算部1は、単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する正動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。すなわち、それまで電空変換器2の動作型式を正動作型、単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型として設定していた使用パラメータを、電空変換器2の動作型式を逆動作型、単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型とする使用パラメータに自動で設定変更する。この設定変更された使用パラメータは表示部7の画面上に表示される。
【0049】
なお、この例では、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われた場合について説明したが、ポジショナ100の動作型式が逆動作型であり、正動作型への変更が行われた場合にも同様にして、電空変換器2の現在の動作型式および単動パイロットリレー3の現在の動作型式に基づいてポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別された電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0050】
また、この実施の形態では、ポジショナ100が電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式を自動的に判別するようにしたが、電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式を外部から設定し、この外部から設定された動作型式に基づいて使用するパラメータを選択させるようにしてもよい。
【0051】
〔実施の形態3:パイロットリレー複動型(第1例)〕
図7は本発明に係るポジショナの第3の実施の形態(実施の形態3)を示すブロック図である。この実施の形態3では、実施の形態1(図1)の構成において、単動パイロットリレー3に代えて複動型のパイロットリレー(以下、複動パイロットリレーと呼ぶ)9を使用するものとし、複動パイロットリレー9の第1の出力ポートO1から出力される増幅空気圧信号Pout1の圧力値を圧力センサ5−1で検出し、増幅空気圧信号Poutの圧力値として演算部1へ送るようにしている。また、複動パイロットリレーの第2の出力ポートO2から出力される増幅空気圧信号Pout2の圧力値を圧力センサ5−2で検出し、増幅空気圧信号Poutの圧力値として演算部1へ送るようにしている。
【0052】
複動パイロットリレー9は、その動作型式として正動作型と逆動作型とを選択することができるパイロットリレーであり、正動作型を選択した場合には第1の出力ポートO1から増幅空気圧信号Pout1が出力され、逆動作型を選択した場合には第2の出力ポートO2から増幅空気圧信号Pout2が出力される。この例では、ポジショナ100の動作型式が変更される前の状態として、複動パイロットリレー9は正動作型が選択されており、第1の出力ポートO1から増幅空気圧信号Pout1が出力されているものとする。
【0053】
〔ポジショナの動作型式の変更〕
今、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われたとする。例えば、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向が「+」とされていたのが、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型を選択することにより、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout2)の変化方向が「−」とされたとする。
【0054】
演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって、制御出力Kの変化に対応する増幅空気圧信号Pout(Pout1、Pout2)の変化を監視している。演算部1は、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型が選択されることにより、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout2)の変化方向が「−」とされると、ポジショナ動作型式判別機能1Bによってポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。この判別結果は、ポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7の画面上に表示される。
【0055】
また、演算部1は、ポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する逆動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。すなわち、それまでの使用パラメータを正動作パラメータから逆動作パラメータに自動で設定変更する。この設定変更された使用パラメータは表示部7の画面上に表示される。
【0056】
なお、この例では、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型を選択することによって、ポジショナ100の動作型式が正動作型から逆動作型へ変更された場合について説明したが、励磁コイルへの供給電流の方向を変更することによって電空変換器2の動作型式を正動作型から逆動作型へ変更するようにした場合にも同様にして、ポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別されたポジショナ100の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0057】
この場合、制御出力Kの変化方向が「+」、空気圧信号Pnの変化方向が「−」、増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向が「−」となるので、演算部1では制御出力Kの変化方向「+」と増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向「−」とから、ポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。
【0058】
また、この例では、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われた場合について説明したが、ポジショナ100の動作型式が逆動作型であり、正動作型への変更が行われた場合にも同様にして、ポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別されたポジショナ100の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0059】
また、この実施の形態では、ポジショナ100が自身の動作型式を自動的に判別するようにしたが、ポジショナ100の動作型式を外部から設定し、この外部から設定された動作型式に基づいて使用するパラメータを選択させるようにしてもよい。
【0060】
〔実施の形態4:パイロットリレー複動型(第2例)〕
図8は本発明に係るポジショナの第4の実施の形態(実施の形態4)を示すブロック図である。この実施の形態4では、実施の形態3(図7)の構成に加え、電空変換器2からの空気圧信号Pnの圧力値を検出する圧力センサ8を設け、この圧力センサ8が検出する空気圧信号Pnの圧力値を演算部1へ送るようにしている。
【0061】
また、実施の形態2(図3)と同様、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に代えて、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1とパイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2とを設けている。また、演算部1に、ポジショナ動作型式判別機能1Bを構成する機能として、電空変換器動作型式判別機能1B1と、パイロットリレー動作型式判別機能1B2と、ポジショナ動作型式決定機能1B3とを設けている。
【0062】
〔ポジショナの動作型式の変更〕
今、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われたとする。例えば、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向が「+」とされていたのが、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型を選択することにより、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout2)の変化方向が「−」とされたとする。
【0063】
演算部1は、電空変換器動作型式判別機能1B1によって、制御出力Kの変化に対応する空気圧信号Pnの変化を監視している。この場合、演算部1は、制御出力Kの変化方向が「+」、空気圧信号Pnの変化方向が「+」のまま変わらないので、電空変換器動作型式判別機能1B1によって電空変換器2の動作型式を正動作型と判別する。すなわち、電空変換器2の現在の動作型式を正動作型と判別する。
【0064】
また、演算部1は、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって、空気圧信号Pnの変化に対応する増幅空気圧信号Pout(Pout1、Pout2)の変化を監視している。演算部1は、空気圧信号Pnの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout2)の変化方向が「−」となると、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって複動パイロットリレー9の動作型式を逆動作型と判別する。すなわち、複動パイロットリレー9の現在の動作型式を逆動作型と判別する。
【0065】
これにより、演算部1は、ポジショナ動作型式決定機能1B3によって、電空変換器動作型式判別機能1B1による電空変換器2の動作型式の判別結果(正動作型)とパイロットリレー動作型式判別機能1B2による複動パイロットリレー9の動作型式の判別結果(逆動作型)とからポジショナ100の動作型式を逆動作型として決定する。そして、このポジショナ動作型式決定機能1B3での決定結果をポジショナ動作型式判別機能1Bによるポジショナ100の動作型式の判別結果とする。この判別結果は、ポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7の画面上に表示される。
【0066】
また、演算部1は、電空変換器2の動作型式を正動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する正動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。また、演算部1は、複動パイロットリレー9の動作型式を逆動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する逆動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。すなわち、それまで電空変換器2の動作型式を正動作型、複動パイロットリレー9の動作型式を正動作型として設定していた使用パラメータを、電空変換器2の動作型式を正動作型、複動パイロットリレー9の動作型式を正動作型とする使用パラメータに自動で設定変更する。この設定変更された使用パラメータは表示部7の画面上に表示される。
【0067】
なお、この例では、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型を選択することによって、ポジショナ100の動作型式が正動作型から逆動作型へ変更された場合について説明したが、励磁コイルへの供給電流の方向を変更することによって電空変換器2の動作型式を正動作型から逆動作型へ変更するようにした場合にも同様にして、電空変換器2の現在の動作型式および複動パイロットリレー9の現在の動作型式に基づいてポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別された電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0068】
この場合、制御出力Kの変化方向が「+」、空気圧信号Pnの変化方向が「−」、増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向が「−」となるので、演算部1では電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別し、複動パイロットリレー9の動作型式を正動作型と判別し、この2つの判別結果からポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。
【0069】
また、この例では、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われた場合について説明したが、ポジショナ100の動作型式が逆動作型であり、正動作型への変更が行われた場合にも同様にして、ポジショナ100の動作型式が電空変換器2の現在の動作型式および複動パイロットリレー9の現在の動作型式に基づいて判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別されたポジショナ100の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0070】
また、上述した実施の形態2(図3)や実施の形態4(図8)では、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に電空変換器2の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、電空変換器2の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するようにし、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に複動パイロットリレー9の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、複動パイロットリレー9の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するようにしたが、図9に示すように、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に、電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式の組み合わせに応じ、4種類のパラメータセットを記憶させておくようにしてもよい。
【0071】
また、電空変換器2の動作型式を固定とし、複動パイロットリレー9の動作型式のみを変更するような場合には、図10に示すように、電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式の組み合わせに応じ、2種類のパラメータセットを記憶させておくようにしてもよい。同様に、複動パイロットリレー9の動作型式を固定とし、電空変換器2の動作型式のみを変更するような場合、図11に示すように、電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式の組み合わせに応じ、2種類のパラメータセットを記憶させておくようにしてもよい。
【0072】
また、この実施の形態では、ポジショナ100が電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式を自動的に判別するようにしたが、電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式を外部から設定し、この外部から設定された動作型式に基づいて使用するパラメータを選択させるようにしてもよい。
【0073】
以上の説明から分かるように、上述した実施の形態1〜4に示したポジショナ100によれば、演算部1に設けたポジショナ動作型式判別機能1Bによって、ポジショナ100の現在の動作型式が正動作型であるのか逆動作型であるのかを判別し、その判別した結果を自動的に設定するようにしているので、また、演算部1に設けた使用パラメータ選択機能1によって、判別されたポジショナ100の現在の動作型式に対応するパラメータを選択し、使用パラメータとして自動的に設定するようにしているので、ポジショナ100の動作型式の設定変更時、ポジショナ自身の現在の動作型式や各種パラメータの設定を人為的に行わなくてもよくなり、従来必要であった煩雑な作業から解放される。また、ポジショナ自身の現在の動作型式や各種パラメータの設定変更作業を忘れてしまったり、正確に各種パラメータの設定変更ができないというようなことも生じず、ポジショナの動作型式と設定中の各種動作パラメータとが整合せず、適切な開度制御が行われない、ということをなくすことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明のポジショナは、電気信号を空気圧信号に変換し、この変換された空気圧信号に基づき調節弁の弁開度を制御する機器として、プロセス制御など様々な分野で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…演算部、1A…制御出力生成機能、1B…ポジショナ動作型式判別機能、1B1…電空変換器動作型式判別機能、1B2…パイロットリレー動作型式判別機能、1B3…ポジショナ動作型式決定機能、1C…使用パラメータ選択機能、2…電空変換器、3…単動パイロットリレー、4…弁開度センサ、5…圧力センサ、5−1,5−2…圧力センサ、6…ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部、6−1…電空変換器正逆動作パラメータ記憶部、6−2…パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部、7…表示部、8…圧力センサ、9…複動パイロットリレー、O1…第1の出力ポート、O2…第2の出力ポート、20…弁軸、21…操作器、22…フィードバック機構、100…ポジショナ、200…調節弁。
【技術分野】
【0001】
この発明は、上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成し、この生成した制御出力を空気圧信号に変換し増幅して、調節弁の弁開度を制御するポジショナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、調節弁に対してポジショナを設け、このポジショナによって調節弁の弁開度を制御するようにしている。この電空ポジショナは、上位装置から送られてくる弁開度設定値と調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する演算部と、この演算部が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換器と、この電空変換器が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として調節弁の操作器へ出力するパイロットリレーとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このポジショナにおいて、電空変換器およびパイロットリレーには各々正動作型と逆動作型とがある。因に、正動作型とは、入力が大きくなるにつれ出力も大きくなる特性を有する動作型式であり、一方、逆動作型とは、入力が大きくなるにつれ出力が小さくなる特性を有する動作型式である。そして、ポジショナ自身の動作型式は、内蔵する電空変換器およびパイロットリレーの各動作型式に依存する。すなわち、図12に示すように、電空変換器およびパイロットリレーの動作型式が同じである場合にはポジショナは正動作型となり、電空変換器およびパイロットリレーの動作型式が互いに異なる場合にはポジショナは逆動作型となる。そして、どの動作型式のポジショナを使用するかは、そのポジショナによって開度制御される調節弁の動作型式によって定まる。
【0004】
ここで、例えば、今まで制御していた調節弁と逆動作の調節弁を制御するような変更が生じた場合や、調節弁を制御していたポジショナに故障が発生して急遽予備のポジショナと交換する必要が生じ、この予備のポジショナと調節弁の動作型式が異なっていたような場合、励磁コイルへの供給電流の方向を変更するなどして内蔵されている電空変換器の動作型式を変え、ポジショナの動作型式を変更するようにしている(例えば、特許文献2参照)。また、ポジショナに内蔵されているパイロットリレーが複動型のパイロットリレー(正動作型と逆動作型とを選択することが可能なタイプ)であれば、今まで使用していたのとは逆の動作型を選択することで、ポジショナの動作型式を変更するようにしている。
【0005】
そして、このポジショナの動作型式の変更に際しては、ポジショナに調節弁の弁開度の制御を正確に行わせるために、ポジショナ自身の現在の動作型式や制御のための各種パラメータを設定する必要があり、このポジショナ自身の現在の動作型式や各種パラメータの設定を人為的に行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62−28118号公報
【特許文献2】特開平11−118526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ポジショナにおいて、制御のための各種パラメータとしては、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインなど様々なパラメータが存在し、またこれらのパラメータはポジショナが正動作型である場合と逆動作型である場合とで異なり、また電空変換器やパイロットリレーの動作型式が正動作型であるか逆動作型であるかで異なり、これらの各種パラメータの設定変更作業は極めて煩雑である。
【0008】
すなわち、電空変換器の動作型式およびパイロットリレーの動作型式の組み合わせは4通りあり、ポジショナの動作型式が正動作型であっても、電空変換器およびパイロットリレーの動作型式がともに正動作型の場合と、ともに逆動作型の場合があり、また、ポジショナの動作型式が逆動作型であっても、電空変換器が逆動作型およびパイロットリレーが正動作型、電空変換器が正動作型およびパイロットリレーが逆動作型である場合があり、これら4通りの動作型式の組み合わせで適切なパラメータが微妙に異なる場合があるので、各種パラメータの設定変更作業が極めて煩雑となる。
【0009】
また、ポジショナ自身の現在の動作型式や各種パラメータの設定変更作業を作業者が忘れてしまったり、正確に各種パラメータの設定変更ができなかったような場合、ポジショナの動作型式と設定中の各種動作パラメータとが整合しなくなり、適切な開度制御が行われないばかりか、その調節弁によって流体の流量が制御されているシステムに異常をきたしてしまうという問題が生じる虞があった。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、自身の現在の動作型式や制御のための各種パラメータの設定変更を自動的に行わせることが可能なポジショナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために本発明は、上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する制御出力生成手段と、この制御出力生成手段が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換手段と、この電空変換手段が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として調節弁の操作器へ出力する空気圧信号増幅手段とを備えたポジショナにおいて、ポジショナの動作型式(ポジショナ自身の動作型式)として、制御出力が大になるにつれ増幅空気圧信号が大となる正動作型であるのか、制御出力が大になるにつれ増幅空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識するポジショナ動作型式認識手段と、ポジショナの動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、ポジショナの動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段と、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、ポジショナ動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する使用パラメータ選択手段とを設けたものである。
【0012】
この発明において、ポジショナ動作型式認識手段は、ポジショナの動作型式が正動作型から逆動作型へ変更されると、現在のポジショナ自身の動作型式を正動作型として認識する。また、ポジショナの動作型式が逆動作型から正動作型へ変更されると、現在のポジショナ自身の動作型式を逆動作型として認識する。また、使用パラメータ選択手段は、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、ポジショナ動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。すなわち、ポジショナ動作型式認識手段が現在のポジショナ自身の動作型式を正動作型として認識すると、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータを選択し、ポジショナ動作型式認識手段が現在のポジショナ自身の動作型式を逆動作型として認識すると、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている逆動作パラメータを選択する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポジショナ動作型認識手段によって、ポジショナの現在の動作型式が正動作型であるのか逆動作型であるのかが認識され、使用パラメータ選択手段によって、記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、認識された動作型式に対応する方のパラメータが実際に使用するパラメータとして選択されるので、この認識結果と選択結果とから自身の現在の動作型式や制御のための各種パラメータの設定変更を自動的に行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るポジショナの第1の実施の形態(実施の形態1)を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1のポジショナにおける演算部でのポジショナの動作型式の判別ロジックを示す図である。
【図3】本発明に係るポジショナの第2の実施の形態(実施の形態2)を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2のポジショナにおける演算部での電空変換器の動作型式の判別ロジックを示す図である。
【図5】実施の形態2のポジショナにおける演算部でのパイロットリレーの動作型式の判別ロジックを示す図である。
【図6】実施の形態2のポジショナにおける演算部でのポジショナの動作型式の決定ロジックを示す図である。
【図7】本発明に係るポジショナの第3の実施の形態(実施の形態3)を示すブロック図である。
【図8】本発明に係るポジショナの第4の実施の形態(実施の形態4)を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2および4において電空変換器および複動パイロットリレーの動作型式の組み合わせに応じ4種類のパラメータセットをポジショナ正逆動作パラメータ記憶部に記憶させるようにした例を示す図である。
【図10】実施の形態2および4において電空変換器の動作型式を固定とし、複動パイロットリレーの動作型式のみを変更するようにした場合に2種類のパラメータセットをポジショナ正逆動作パラメータ記憶部に記憶させるようにした例を示す図である。
【図11】実施の形態2および4において複動パイロットリレーの動作型式を固定とし、電空変換器の動作型式のみを変更するようにした場合に2種類のパラメータセットをポジショナ正逆動作パラメータ記憶部に記憶させるようにした例を示す図である。
【図12】ポジショナにおける電空変換器およびパイロットリレーの動作型式とポジショナの動作型式との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
〔実施の形態1:パイロットリレー単動型(第1例)〕
図1は本発明に係るポジショナの第1の実施の形態(実施の形態1)を示すブロック図である。同図において、100は本発明に係るポジショナ、200はこのポジショナ100によってその弁開度が調整される調節弁である。調節弁200は、弁軸20を駆動する操作器21を有しており、弁軸20にはその上下方向への変位量をフィードバックするフィードバック機構22が設けられている。
【0017】
ポジショナ100は、上位装置(図示せず)から送られてくる弁開度設定値θspと調節弁200からフィードバックされてくる実開度値θpvとの偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力Kとして生成する演算部1と、この演算部1が生成した制御出力Kを空気圧信号(ノズル背圧)Pnに変換する電空変換器2と、この電空変換器2が変換した空気圧信号Pnを増幅し増幅空気圧信号Poutとして調節弁200の操作器21へ出力する単動型のパイロットリレー(以下、単動パイロットリレーと呼ぶ)3と、弁開度センサ4と、圧力センサ5と、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6と、表示部7とを備えている。単動パイロットリレー3は、その動作型式が正動作型および逆動作型の何れか一方とされたパイロットリレーである。
【0018】
弁開度センサ4は、フィードバック機構22からフィードバックされてくる弁軸20の変位量から調節弁200の弁開度を検出し、その検出した弁開度を実開度値θpvとして演算部1へ送る。圧力センサ5は、単動パイロットリレー3からの増幅空気圧信号Poutの圧力値を検出し、演算部1へ送る。
【0019】
ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6には、ポジショナ100の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、ポジショナ100の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとが記憶されている。このポジショナ100では、正動作パラメータや逆動作パラメータとして、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインなどの各種のパラメータが用いられ、この各種のパラメータが正動作型用/逆動作型用として分けて、正動作パラメータ/逆動作パラメータとしてポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に記憶されている。
【0020】
演算部1は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、制御出力Kを生成する制御出力生成機能1Aに加えて、本実施の形態特有の機能として、ポジショナ動作型式判別機能1Bと、使用パラメータ選択機能1Cとを備えている。
【0021】
〔ポジショナ動作型式判別機能〕
演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって、制御出力Kの変化に対応する増幅空気圧信号Poutの変化を監視し、制御出力Kの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とが同方向の場合にポジショナ100の動作型式を正動作型と判別する一方、制御出力Kの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とが異なる方向の場合にポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。そして、この判別した動作型式をポジショナ100自身の現在の動作型式として設定する。
【0022】
図2にポジショナ動作型式判別機能1Bによるポジショナの動作型式の判別ロジックを示す。この判別ロジックからも分かるように、演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって、制御出力Kの変化方向が「+」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」であった場合、また制御出力Kの変化方向が「−」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」であった場合、ポジショナ100の動作型式を正動作型と判別する。これに対し、制御出力Kの変化方向が「+」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」であった場合、また制御出力Kの変化方向が「−」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」であった場合、ポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。
【0023】
〔ポジショナの動作型式の表示〕
演算部1は、このポジショナ動作型式判別機能1Bによって判別されたポジショナ100の動作型式(ポジショナ100自身の現在の動作型式)を表示部7へ送り、表示部7の画面上に表示する。なお、この判別されたポジショナの動作型式の表示は、操作者から指示があった場合にのみ行うようにしてもよい。また、この判別されたポジショナの動作型式を伝送ラインで外部に出力するようにし、遠隔地の作業者に知らせ、メンテナンスなどの際に役立てるようにしてもよい。
【0024】
〔使用パラメータの選択〕
演算部1は、使用パラメータ選択機能1Cによって、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって判別された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択されたパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。
【0025】
〔使用パラメータの表示〕
また、演算部1は、使用パラメータ選択機能1Cによって選択された使用パラメータを表示部7へ送り、表示部7の画面上に表示する。なお、この使用パラメータの表示は、操作者から指示があった場合にのみ行うようにしてもよい。また、この使用パラメータを伝送ラインで外部に出力するようにし、遠隔地の作業者に知らせ、メンテナンスなどの際に役立てるようにしてもよい。
【0026】
〔ポジショナの動作型式の変更〕
今、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われたとする。例えば、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」とされていたのが、電空変換器2における励磁コイル(図示せず)への供給電流の方向を変更によって、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」とされたとする。
【0027】
演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって、制御出力Kの変化に対応する増幅空気圧信号Poutの変化を監視している。演算部1は、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」とされると、ポジショナ動作型式判別機能1Bによってポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。この判別結果は、ポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7の画面上に表示される。
【0028】
また、演算部1は、ポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する逆動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。すなわち、それまでの使用パラメータを正動作パラメータから逆動作パラメータに自動で設定変更する。この設定変更された使用パラメータは表示部7の画面上に表示される。
【0029】
なお、この例では、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われた場合について説明したが、ポジショナ100の動作型式が逆動作型であり、正動作型への変更が行われた場合にも同様にして、ポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別されたポジショナ100の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0030】
また、この実施の形態では、ポジショナ100が自身の動作型式を自動的に判別するようにしたが、ポジショナ100の動作型式を外部から設定し、この外部から設定された動作型式に基づいて使用するパラメータを選択させるようにしてもよい。
【0031】
〔実施の形態2:パイロットリレー単動型(第2例)〕
図3は本発明に係るポジショナの第2の実施の形態(実施の形態2)を示すブロック図である。この実施の形態2では、実施の形態1(図1)の構成に加え、電空変換器2からの空気圧信号Pnの圧力値を検出する圧力センサ8を設け、この圧力センサ8が検出する空気圧信号Pnの圧力値を演算部1へ送るようにしている。
【0032】
また、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に代えて、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1とパイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2とを設け、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に電空変換器2の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、電空変換器2の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するようにし、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に単動パイロットリレー3の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、単動パイロットリレー3の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するようにしている。
【0033】
また、演算部1におけるポジショナ動作型式判別機能1Bを構成する機能として、電空変換器動作型式判別機能1B1と、パイロットリレー動作型式判別機能1B2と、ポジショナ動作型式決定機能1B3とを設けている。
【0034】
〔電空変換器動作型式判別機能〕
この実施の形態2において、演算部1は、電空変換器動作型式判別機能1B1によって、制御出力Kの変化に対応する空気圧信号Pnの変化を監視し、制御出力Kの変化方向と空気圧信号Pnの変化方向とが同方向の場合に電空変換器2の動作型式を正動作型と判別する一方、制御出力Kの変化方向と空気圧信号Pnの変化方向とが異なる方向の場合に電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別する。
【0035】
図4に電空変換器動作型式判別機能1B1による電空変換器の動作型式の判別ロジックを示す。この判別ロジックからも分かるように、演算部1は、電空変換器動作型式判別機能1B1によって、制御出力Kの変化方向が「+」で空気圧信号Pnの変化方向が「+」であった場合、また制御出力Kの変化方向が「−」で空気圧信号Pnの変化方向が「−」であった場合、電空変換器2の動作型式を正動作型と判別する。これに対し、制御出力Kの変化方向が「+」で空気圧信号Pnの変化方向が「−」であった場合、また制御出力Kの変化方向が「−」で空気圧信号Pnの変化方向が「+」であった場合、電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別する。
【0036】
〔パイロットリレー動作型式判別機能〕
この実施の形態2において、演算部1は、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって、空気圧信号Pnの変化に対応する増幅空気圧信号Poutの変化を監視し、空気圧信号Pnの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とが同方向の場合に単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型と判別する一方、空気圧信号Pnの変化方向と増幅空気圧信号Poutの変化方向とが異なる方向の場合に単動パイロットリレー3の動作型式を逆動作型と判別する。
【0037】
図5にパイロットリレー動作型式判別機能1B2によるパイロットリレーの動作型式の判別ロジックを示す。この判別ロジックからも分かるように、演算部1は、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって、空気圧信号Pnの変化方向が「+」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」であった場合、また空気圧信号Pnの変化方向が「−」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」であった場合、単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型と判別する。これに対し、空気圧信号Pnの変化方向が「+」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」であった場合、また空気圧信号Pnの変化方向が「−」で増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」であった場合、単動パイロットリレー3の動作型式を逆動作型と判別する。
【0038】
〔ポジショナ動作型式決定機能〕
この実施の形態2において、演算部1は、ポジショナ動作型式決定機能1B3によって、電空変換器動作型式判別機能1B1による電空変換器2の動作型式の判別結果とパイロットリレー動作型式判別機能1B2による単動パイロットリレー3の動作型式の判別結果とからポジショナ100の動作型式を決定する。そして、この決定した動作型式をポジショナ100自身の現在の動作型式として設定する。
【0039】
図6にポジショナ動作型式決定機能1B3によるポジショナの動作型式の決定ロジックを示す。この決定ロジックからも分かるように、演算部1は、ポジショナ動作型式決定機能1B3によって、電空変換器2の動作型式の判定結果が「正動作型」で単動パイロットリレー3の動作型式の判定結果が「正動作型」であった場合、また電空変換器2の動作型式の判定結果が「逆動作型」で単動パイロットリレー3の動作型式の判定結果が「逆動作型」であった場合、ポジショナ100の動作型式を正動作型として決定する。これに対し、電空変換器2の動作型式の判定結果が「正動作型」で単動パイロットリレー3の動作型式の判定結果が「逆動作型」であった場合、また電空変換器2の動作型式の判定結果が「逆動作型」で単動パイロットリレー3の動作型式の判定結果が「正動作型」であった場合、ポジショナ100の動作型式を逆動作型として決定する。そして、このポジショナ動作型式決定機能1B3での決定結果をポジショナ動作型式判別機能1Bによるポジショナ100の動作型式の判別結果とする。
【0040】
〔ポジショナの動作型式の表示〕
演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって判別されたポジショナ100の動作型式(ポジショナ100自身の現在の動作型式)を、電空変換器動作型式判別機能1B1によって判別された電空変換器2の動作型式(電空変換器2の現在の動作型式)と、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって判別された単動パイロットリレー3の動作型式(単動パイロットリレー3の現在の動作型式)と併せて表示部7へ送り、表示部7の画面上に表示する。
【0041】
なお、この判別されたポジショナの動作型式(電空変換器の動作型式およびパイロットリレーの動作型式を含む)の表示は、操作者から指示があった場合にのみ行うようにしてもよい。また、この判別されたポジショナの動作型式(電空変換器の動作型式およびパイロットリレーの動作型式を含む)を伝送ラインで外部に出力するようにし、遠隔地の作業者に知らせ、メンテナンスなどの際に役立てるようにしてもよい。
【0042】
〔使用パラメータの選択〕
演算部1は、使用パラメータ選択機能1Cによって、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、電空変換器動作型式判別機能1B1によって判別された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。また、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって判別された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。
【0043】
〔使用パラメータの表示〕
また、演算部1は、使用パラメータ選択機能1Cによって選択された使用パラメータを表示部7へ送り、表示部7の画面上に表示する。なお、この使用パラメータの表示は、操作者から指示があった場合にのみ行うようにしてもよい。また、この使用パラメータを伝送ラインで外部に出力するようにし、遠隔地の作業者に知らせ、メンテナンスなどの際に役立てるようにしてもよい。
【0044】
〔ポジショナの動作型式の変更〕
今、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われたとする。例えば、電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式がともに正動作型とされ、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「+」とされていたのが、電空変換器2における励磁コイル(図示せず)への供給電流の方向を変更によって、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Poutの変化方向が「−」とされたとする。この場合、電空変換器2の動作型式は逆動作型となるので、制御出力Kの変化方向が「+」となると、空気圧信号Pnの変化方向は「−」となる。また、単動パイロットリレー3の動作型式は正動作型であるので、空気圧信号Pnの変化方向が「−」となると、増幅空気圧信号Poutの変化方向は「−」となる。
【0045】
演算部1は、電空変換器動作型式判別機能1B1によって、制御出力Kの変化に対応する空気圧信号Pnの変化を監視している。演算部1は、制御出力Kの変化方向が「+」、空気圧信号Pnの変化方向が「−」とされると、電空変換器動作型式判別機能1B1によって電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別する。すなわち、電空変換器2の現在の動作型式を逆動作型と判別する。
【0046】
また、演算部1は、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって、空気圧信号Pnの変化に対応する増幅空気圧信号Poutの変化を監視している。演算部1は、空気圧信号Pnの変化方向が「−」、増幅空気圧信号Pnの変化方向が「−」となると、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型と判別する。すなわち、単動パイロットリレー3の現在の動作型式を正動作型と判別する。
【0047】
これにより、演算部1は、ポジショナ動作型式決定機能1B3によって、電空変換器動作型式判別機能1B1による電空変換器2の動作型式の判別結果(逆動作型)とパイロットリレー動作型式判別機能1B2による単動パイロットリレー3の動作型式の判別結果(正動作型)とからポジショナ100の動作型式を逆動作型として決定する。そして、このポジショナ動作型式決定機能1B3での決定結果をポジショナ動作型式判別機能1Bによるポジショナ100の動作型式の判別結果とする。この判別結果は、ポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7の画面上に表示される。
【0048】
また、演算部1は、電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する逆動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。また、演算部1は、単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する正動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。すなわち、それまで電空変換器2の動作型式を正動作型、単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型として設定していた使用パラメータを、電空変換器2の動作型式を逆動作型、単動パイロットリレー3の動作型式を正動作型とする使用パラメータに自動で設定変更する。この設定変更された使用パラメータは表示部7の画面上に表示される。
【0049】
なお、この例では、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われた場合について説明したが、ポジショナ100の動作型式が逆動作型であり、正動作型への変更が行われた場合にも同様にして、電空変換器2の現在の動作型式および単動パイロットリレー3の現在の動作型式に基づいてポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別された電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0050】
また、この実施の形態では、ポジショナ100が電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式を自動的に判別するようにしたが、電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式を外部から設定し、この外部から設定された動作型式に基づいて使用するパラメータを選択させるようにしてもよい。
【0051】
〔実施の形態3:パイロットリレー複動型(第1例)〕
図7は本発明に係るポジショナの第3の実施の形態(実施の形態3)を示すブロック図である。この実施の形態3では、実施の形態1(図1)の構成において、単動パイロットリレー3に代えて複動型のパイロットリレー(以下、複動パイロットリレーと呼ぶ)9を使用するものとし、複動パイロットリレー9の第1の出力ポートO1から出力される増幅空気圧信号Pout1の圧力値を圧力センサ5−1で検出し、増幅空気圧信号Poutの圧力値として演算部1へ送るようにしている。また、複動パイロットリレーの第2の出力ポートO2から出力される増幅空気圧信号Pout2の圧力値を圧力センサ5−2で検出し、増幅空気圧信号Poutの圧力値として演算部1へ送るようにしている。
【0052】
複動パイロットリレー9は、その動作型式として正動作型と逆動作型とを選択することができるパイロットリレーであり、正動作型を選択した場合には第1の出力ポートO1から増幅空気圧信号Pout1が出力され、逆動作型を選択した場合には第2の出力ポートO2から増幅空気圧信号Pout2が出力される。この例では、ポジショナ100の動作型式が変更される前の状態として、複動パイロットリレー9は正動作型が選択されており、第1の出力ポートO1から増幅空気圧信号Pout1が出力されているものとする。
【0053】
〔ポジショナの動作型式の変更〕
今、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われたとする。例えば、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向が「+」とされていたのが、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型を選択することにより、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout2)の変化方向が「−」とされたとする。
【0054】
演算部1は、ポジショナ動作型式判別機能1Bによって、制御出力Kの変化に対応する増幅空気圧信号Pout(Pout1、Pout2)の変化を監視している。演算部1は、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型が選択されることにより、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout2)の変化方向が「−」とされると、ポジショナ動作型式判別機能1Bによってポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。この判別結果は、ポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7の画面上に表示される。
【0055】
また、演算部1は、ポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する逆動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。すなわち、それまでの使用パラメータを正動作パラメータから逆動作パラメータに自動で設定変更する。この設定変更された使用パラメータは表示部7の画面上に表示される。
【0056】
なお、この例では、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型を選択することによって、ポジショナ100の動作型式が正動作型から逆動作型へ変更された場合について説明したが、励磁コイルへの供給電流の方向を変更することによって電空変換器2の動作型式を正動作型から逆動作型へ変更するようにした場合にも同様にして、ポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別されたポジショナ100の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0057】
この場合、制御出力Kの変化方向が「+」、空気圧信号Pnの変化方向が「−」、増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向が「−」となるので、演算部1では制御出力Kの変化方向「+」と増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向「−」とから、ポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。
【0058】
また、この例では、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われた場合について説明したが、ポジショナ100の動作型式が逆動作型であり、正動作型への変更が行われた場合にも同様にして、ポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別されたポジショナ100の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0059】
また、この実施の形態では、ポジショナ100が自身の動作型式を自動的に判別するようにしたが、ポジショナ100の動作型式を外部から設定し、この外部から設定された動作型式に基づいて使用するパラメータを選択させるようにしてもよい。
【0060】
〔実施の形態4:パイロットリレー複動型(第2例)〕
図8は本発明に係るポジショナの第4の実施の形態(実施の形態4)を示すブロック図である。この実施の形態4では、実施の形態3(図7)の構成に加え、電空変換器2からの空気圧信号Pnの圧力値を検出する圧力センサ8を設け、この圧力センサ8が検出する空気圧信号Pnの圧力値を演算部1へ送るようにしている。
【0061】
また、実施の形態2(図3)と同様、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に代えて、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1とパイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2とを設けている。また、演算部1に、ポジショナ動作型式判別機能1Bを構成する機能として、電空変換器動作型式判別機能1B1と、パイロットリレー動作型式判別機能1B2と、ポジショナ動作型式決定機能1B3とを設けている。
【0062】
〔ポジショナの動作型式の変更〕
今、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われたとする。例えば、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向が「+」とされていたのが、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型を選択することにより、制御出力Kの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout2)の変化方向が「−」とされたとする。
【0063】
演算部1は、電空変換器動作型式判別機能1B1によって、制御出力Kの変化に対応する空気圧信号Pnの変化を監視している。この場合、演算部1は、制御出力Kの変化方向が「+」、空気圧信号Pnの変化方向が「+」のまま変わらないので、電空変換器動作型式判別機能1B1によって電空変換器2の動作型式を正動作型と判別する。すなわち、電空変換器2の現在の動作型式を正動作型と判別する。
【0064】
また、演算部1は、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって、空気圧信号Pnの変化に対応する増幅空気圧信号Pout(Pout1、Pout2)の変化を監視している。演算部1は、空気圧信号Pnの変化方向が「+」、増幅空気圧信号Pout(Pout2)の変化方向が「−」となると、パイロットリレー動作型式判別機能1B2によって複動パイロットリレー9の動作型式を逆動作型と判別する。すなわち、複動パイロットリレー9の現在の動作型式を逆動作型と判別する。
【0065】
これにより、演算部1は、ポジショナ動作型式決定機能1B3によって、電空変換器動作型式判別機能1B1による電空変換器2の動作型式の判別結果(正動作型)とパイロットリレー動作型式判別機能1B2による複動パイロットリレー9の動作型式の判別結果(逆動作型)とからポジショナ100の動作型式を逆動作型として決定する。そして、このポジショナ動作型式決定機能1B3での決定結果をポジショナ動作型式判別機能1Bによるポジショナ100の動作型式の判別結果とする。この判別結果は、ポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7の画面上に表示される。
【0066】
また、演算部1は、電空変換器2の動作型式を正動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する正動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。また、演算部1は、複動パイロットリレー9の動作型式を逆動作型と判別すると、使用パラメータ選択機能1Cによって、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち判別された動作型式に対応する逆動作パラメータを実際に使用するパラメータとして選択する。そして、この選択したパラメータをポジショナ100での使用パラメータとして設定する。すなわち、それまで電空変換器2の動作型式を正動作型、複動パイロットリレー9の動作型式を正動作型として設定していた使用パラメータを、電空変換器2の動作型式を正動作型、複動パイロットリレー9の動作型式を正動作型とする使用パラメータに自動で設定変更する。この設定変更された使用パラメータは表示部7の画面上に表示される。
【0067】
なお、この例では、複動パイロットリレー9の動作型式として逆動作型を選択することによって、ポジショナ100の動作型式が正動作型から逆動作型へ変更された場合について説明したが、励磁コイルへの供給電流の方向を変更することによって電空変換器2の動作型式を正動作型から逆動作型へ変更するようにした場合にも同様にして、電空変換器2の現在の動作型式および複動パイロットリレー9の現在の動作型式に基づいてポジショナ100の動作型式が判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別された電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0068】
この場合、制御出力Kの変化方向が「+」、空気圧信号Pnの変化方向が「−」、増幅空気圧信号Pout(Pout1)の変化方向が「−」となるので、演算部1では電空変換器2の動作型式を逆動作型と判別し、複動パイロットリレー9の動作型式を正動作型と判別し、この2つの判別結果からポジショナ100の動作型式を逆動作型と判別する。
【0069】
また、この例では、ポジショナ100の動作型式が正動作型であり、逆動作型への変更が行われた場合について説明したが、ポジショナ100の動作型式が逆動作型であり、正動作型への変更が行われた場合にも同様にして、ポジショナ100の動作型式が電空変換器2の現在の動作型式および複動パイロットリレー9の現在の動作型式に基づいて判別され、その判別された動作型式がポジショナ100自身の現在の動作型式として設定されるとともに、表示部7に表示されるものとなる。また、判別されたポジショナ100の動作型式に対応して、使用パラメータの設定変更が自動的に行われるものとなる。
【0070】
また、上述した実施の形態2(図3)や実施の形態4(図8)では、電空変換器正逆動作パラメータ記憶部6−1に電空変換器2の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、電空変換器2の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するようにし、パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部6−2に複動パイロットリレー9の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、複動パイロットリレー9の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するようにしたが、図9に示すように、ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部6に、電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式の組み合わせに応じ、4種類のパラメータセットを記憶させておくようにしてもよい。
【0071】
また、電空変換器2の動作型式を固定とし、複動パイロットリレー9の動作型式のみを変更するような場合には、図10に示すように、電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式の組み合わせに応じ、2種類のパラメータセットを記憶させておくようにしてもよい。同様に、複動パイロットリレー9の動作型式を固定とし、電空変換器2の動作型式のみを変更するような場合、図11に示すように、電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式の組み合わせに応じ、2種類のパラメータセットを記憶させておくようにしてもよい。
【0072】
また、この実施の形態では、ポジショナ100が電空変換器2および複動パイロットリレー9の動作型式を自動的に判別するようにしたが、電空変換器2および単動パイロットリレー3の動作型式を外部から設定し、この外部から設定された動作型式に基づいて使用するパラメータを選択させるようにしてもよい。
【0073】
以上の説明から分かるように、上述した実施の形態1〜4に示したポジショナ100によれば、演算部1に設けたポジショナ動作型式判別機能1Bによって、ポジショナ100の現在の動作型式が正動作型であるのか逆動作型であるのかを判別し、その判別した結果を自動的に設定するようにしているので、また、演算部1に設けた使用パラメータ選択機能1によって、判別されたポジショナ100の現在の動作型式に対応するパラメータを選択し、使用パラメータとして自動的に設定するようにしているので、ポジショナ100の動作型式の設定変更時、ポジショナ自身の現在の動作型式や各種パラメータの設定を人為的に行わなくてもよくなり、従来必要であった煩雑な作業から解放される。また、ポジショナ自身の現在の動作型式や各種パラメータの設定変更作業を忘れてしまったり、正確に各種パラメータの設定変更ができないというようなことも生じず、ポジショナの動作型式と設定中の各種動作パラメータとが整合せず、適切な開度制御が行われない、ということをなくすことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明のポジショナは、電気信号を空気圧信号に変換し、この変換された空気圧信号に基づき調節弁の弁開度を制御する機器として、プロセス制御など様々な分野で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…演算部、1A…制御出力生成機能、1B…ポジショナ動作型式判別機能、1B1…電空変換器動作型式判別機能、1B2…パイロットリレー動作型式判別機能、1B3…ポジショナ動作型式決定機能、1C…使用パラメータ選択機能、2…電空変換器、3…単動パイロットリレー、4…弁開度センサ、5…圧力センサ、5−1,5−2…圧力センサ、6…ポジショナ正逆動作パラメータ記憶部、6−1…電空変換器正逆動作パラメータ記憶部、6−2…パイロットリレー正逆動作パラメータ記憶部、7…表示部、8…圧力センサ、9…複動パイロットリレー、O1…第1の出力ポート、O2…第2の出力ポート、20…弁軸、21…操作器、22…フィードバック機構、100…ポジショナ、200…調節弁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する制御出力生成手段と、
この制御出力生成手段が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換手段と、
この電空変換手段が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として前記調節弁の操作器へ出力する空気圧信号増幅手段とを備えたポジショナにおいて、
前記ポジショナの動作型式として、前記制御出力が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記制御出力が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識するポジショナ動作型式認識手段と、
前記ポジショナの動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、前記ポジショナの動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段と、
前記ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、前記ポジショナ動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する使用パラメータ選択手段と
を備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項2】
上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する制御出力生成手段と、
この制御出力生成手段が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換手段と、
この電空変換手段が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として前記調節弁の操作器へ出力する空気圧信号増幅手段とを備えたポジショナにおいて、
前記電空変換手段の動作型式として、前記制御出力が大になるにつれ前記空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記制御出力が大になるにつれ前記空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識する電空変換手段動作型式認識手段と、
前記空気圧信号増幅手段の動作型式として、前記空気圧信号が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記空気圧信号が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識する空気圧信号増幅手段動作型式認識手段と、
前記電空変換手段の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、前記電空変換手段の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶する電空変換手段正逆動作パラメータ記憶手段と、
前記空気圧信号増幅手段の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、前記電空変換手段の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶する空気圧信号増幅手段正逆動作パラメータ記憶手段と、
前記電空変換手段正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、前記電空変換手段動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択するとともに、前記空気圧信号増幅手段正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、前記空気圧信号増幅手段動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する使用パラメータ選択手段と
を備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項3】
上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する制御出力生成手段と、
この制御出力生成手段が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換手段と、
この電空変換手段が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として前記調節弁の操作器へ出力する空気圧信号増幅手段とを備えたポジショナにおいて、
前記電空変換手段の動作型式として、前記制御出力が大になるにつれ前記空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記制御出力が大になるにつれ前記空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識する電空変換手段動作型式認識手段と、
前記空気圧信号増幅手段の動作型式として、前記空気圧信号が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記空気圧信号が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識する空気圧信号増幅手段動作型式認識手段と、
前記電空変換手段および前記空気圧信号増幅手段が取り得る動作型式の組み合わせに応じて定められた、前記ポジショナの動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータのセットと前記ポジショナの動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータのセットとを記憶するポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段と、
前記ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータのセットおよび逆動作パラメータのセットのうち、前記電空変換手段動作型式認識手段によって認識された動作型式および前記空気圧信号増幅手段動作型式認識手段によって認識された動作型式の組み合わせに応ずるパラメータセットを実際に使用するパラメータセットとして選択する使用パラメータ選択手段と
を備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項4】
請求項1−3の何れか1項に記載されたポジショナにおいて、
前記使用パラメータ選択手段によって実際に使用するパラメータとして選択されたパラメータを報知する使用パラメータ報知手段
を備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項1】
上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する制御出力生成手段と、
この制御出力生成手段が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換手段と、
この電空変換手段が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として前記調節弁の操作器へ出力する空気圧信号増幅手段とを備えたポジショナにおいて、
前記ポジショナの動作型式として、前記制御出力が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記制御出力が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識するポジショナ動作型式認識手段と、
前記ポジショナの動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、前記ポジショナの動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶するポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段と、
前記ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、前記ポジショナ動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する使用パラメータ選択手段と
を備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項2】
上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する制御出力生成手段と、
この制御出力生成手段が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換手段と、
この電空変換手段が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として前記調節弁の操作器へ出力する空気圧信号増幅手段とを備えたポジショナにおいて、
前記電空変換手段の動作型式として、前記制御出力が大になるにつれ前記空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記制御出力が大になるにつれ前記空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識する電空変換手段動作型式認識手段と、
前記空気圧信号増幅手段の動作型式として、前記空気圧信号が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記空気圧信号が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識する空気圧信号増幅手段動作型式認識手段と、
前記電空変換手段の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、前記電空変換手段の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶する電空変換手段正逆動作パラメータ記憶手段と、
前記空気圧信号増幅手段の動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータと、前記電空変換手段の動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータとを記憶する空気圧信号増幅手段正逆動作パラメータ記憶手段と、
前記電空変換手段正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、前記電空変換手段動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択するとともに、前記空気圧信号増幅手段正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータおよび逆動作パラメータのうち、前記空気圧信号増幅手段動作型式認識手段によって認識された動作型式に対応する方のパラメータを実際に使用するパラメータとして選択する使用パラメータ選択手段と
を備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項3】
上位装置から送られてくる弁開度設定値と制御対象である調節弁からフィードバックされてくる実開度値との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御出力として生成する制御出力生成手段と、
この制御出力生成手段が生成した制御出力を空気圧信号に変換する電空変換手段と、
この電空変換手段が変換した空気圧信号を増幅し増幅空気圧信号として前記調節弁の操作器へ出力する空気圧信号増幅手段とを備えたポジショナにおいて、
前記電空変換手段の動作型式として、前記制御出力が大になるにつれ前記空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記制御出力が大になるにつれ前記空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識する電空変換手段動作型式認識手段と、
前記空気圧信号増幅手段の動作型式として、前記空気圧信号が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が大となる正動作型であるのか、前記空気圧信号が大になるにつれ前記増幅空気圧信号が小となる逆動作型であるのかを認識する空気圧信号増幅手段動作型式認識手段と、
前記電空変換手段および前記空気圧信号増幅手段が取り得る動作型式の組み合わせに応じて定められた、前記ポジショナの動作型式が正動作型のときに使用する正動作パラメータのセットと前記ポジショナの動作型式が逆動作型のときに使用する逆動作パラメータのセットとを記憶するポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段と、
前記ポジショナ正逆動作パラメータ記憶手段に記憶されている正動作パラメータのセットおよび逆動作パラメータのセットのうち、前記電空変換手段動作型式認識手段によって認識された動作型式および前記空気圧信号増幅手段動作型式認識手段によって認識された動作型式の組み合わせに応ずるパラメータセットを実際に使用するパラメータセットとして選択する使用パラメータ選択手段と
を備えることを特徴とするポジショナ。
【請求項4】
請求項1−3の何れか1項に記載されたポジショナにおいて、
前記使用パラメータ選択手段によって実際に使用するパラメータとして選択されたパラメータを報知する使用パラメータ報知手段
を備えることを特徴とするポジショナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−210158(P2011−210158A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79417(P2010−79417)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】
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